(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024006911
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】メモリ構造
(51)【国際特許分類】
H10B 99/00 20230101AFI20240110BHJP
H10B 12/00 20230101ALI20240110BHJP
H10B 63/00 20230101ALI20240110BHJP
【FI】
H10B99/00 451
H10B12/00 801
H10B63/00
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023001700
(22)【出願日】2023-01-10
(31)【優先権主張番号】63/358,214
(32)【優先日】2022-07-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/047,662
(32)【優先日】2022-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500454518
【氏名又は名称】マクロニクス インターナショナル カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ-チェン チェン
(72)【発明者】
【氏名】ハン-ティン ルエ
【テーマコード(参考)】
5F083
【Fターム(参考)】
5F083AD01
5F083AD03
5F083AD06
5F083AD69
5F083AD70
5F083FZ10
5F083GA01
5F083GA09
5F083GA10
5F083GA11
5F083JA02
5F083KA01
5F083KA05
5F083LA12
5F083LA16
(57)【要約】 (修正有)
【課題】サイリスタ動作機構に基づき、拡張可能性が高く、動作速度が速いメモリ構造を提供する。
【解決手段】基板200と、第1ゲート構造212と、第2ゲート構造214と、第3ゲート構造216と、互いから分離しており、第1方向Xに沿って第1ゲート構造~第3ゲート構造を通過するチャネル本体220と、を備えるメモリ構造20であって、第1ゲート構造~第3ゲート構造は、基板上に配置され、第1方向に沿って互いから分離しており、第2方向Y及び第3方向Zに沿ってそれぞれ延在する。第1ゲート構造は、それぞれ第3方向に沿って延在し、第2方向に沿って互いから分離している第1島構造2121、第2島構造2122及び第3島構造2123を含む。第3ゲート構造は、それぞれ第3方向に沿って延在し、第2方向に沿って互いから分離している第4島構造2161、第5島構造2162及び第6島構造2163を含む。
【選択図】
図19
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面を有する基板と、
前記基板上に配置され、第1方向に沿って互いから分離しており、第2方向及び第3方向に沿ってそれぞれ延在する第1ゲート構造と、第2ゲート構造と、第3ゲート構造と、
互いにから分離しており、前記第1方向に沿って、互いから分離しており、前記第1ゲート構造、前記第2ゲート構造及び前記第3ゲート構造を通過する複数のチャネル本体と
を備え、
前記第1方向、前記第2方向及び前記第3方向は互いに交差し、前記上面は前記第1方向及び前記第2方向に平行であり、前記上面の法線方向は前記第3方向に平行であり、
前記第2ゲート構造は前記第1ゲート構造と前記第3ゲート構造との間に配置され、前記第1ゲート構造は第1島構造と、第2島構造と、第3島構造とを含み、前記第3ゲート構造は第4島構造と、第5島構造と、第6島構造とを含み、前記第1島構造、前記第2島構造及び前記第3島構造はそれぞれ前記第3方向に沿って延在し、前記第2方向に沿って互いから分離しており、前記第4島構造、前記第5島構造及び前記第6島構造はそれぞれ前記第3方向に沿って延在し、前記第2方向に沿って互いから分離している、
メモリ構造。
【請求項2】
前記第1ゲート構造と前記複数のチャネル本体との間、前記第2ゲート構造と前記複数のチャネル本体との間、及び前記第3ゲート構造と前記複数のチャネル本体との間に配置される複数の絶縁膜と、
前記基板及び前記複数のチャネル本体に電気的に接続される第1サイドプラグと
をさらに備える、請求項1に記載のメモリ構造。
【請求項3】
前記複数のチャネル本体の各々は、第1端部及び第2端部を有し、前記第1端部は、前記第1ゲート構造に隣接しており、前記第2端部は、前記第3ゲート構造に隣接しており、前記第2端部は、前記第1端部の反対にある、請求項2に記載のメモリ構造。
【請求項4】
前記第3方向に沿って積層され、前記第3方向に沿って互いから分離している複数の第1サイドパッドであって、前記複数の第1サイドパッドの各々は、前記複数のチャネル本体のうちの対応する1つの前記第1端部に接続されている、複数の第1サイドパッドと、
前記第3方向に沿って積層され、前記第3方向に沿って互いから分離している複数の第2サイドパッドであって、前記複数の第2サイドパッドの各々は、前記複数のチャネル本体のうちの対応する1つの前記第2端部に接続されている、複数の第2サイドパッドと
をさらに備える、請求項3に記載のメモリ構造。
【請求項5】
複数の第2サイドプラグをさらに備え、前記複数の第2サイドプラグは、前記第2方向に沿って互いから分離しており、それぞれ、前記複数の第2サイドパッド上の複数のランディング領域と電気的に接触するように前記第3方向に沿って延在する、請求項4に記載のメモリ構造。
【請求項6】
前記第3方向における前記複数の第2サイドプラグの高さは、前記第2方向に沿って増加し、前記複数のランディング領域は、段差構造を形成している、請求項5に記載のメモリ構造。
【請求項7】
前記複数の第2サイドプラグは、それぞれ、ビット線に接続される、請求項5に記載のメモリ構造。
【請求項8】
前記第1サイドプラグは、前記複数の第1サイドパッドと電気接触している、請求項4に記載のメモリ構造。
【請求項9】
前記複数の第1サイドパッドは、第1導電型を有し、前記複数の第2サイドパッドは、第2導電型を有する、請求項4に記載のメモリ構造。
【請求項10】
前記複数のチャネル本体の材料は、単結晶シリコンを含む、請求項1から9のいずれか一項に記載のメモリ構造。
【請求項11】
前記第1島構造、前記第2島構造又は前記第3島構造の前記第3方向における高さは、前記第2ゲート構造の前記第3方向における高さに等しく、前記第1島構造、前記第2島構造又は前記第3島構造の前記第2方向における幅は、前記第2ゲート構造の前記第2方向における幅より小さい、請求項1から9のいずれか一項に記載のメモリ構造。
【請求項12】
前記第4島構造、前記第5島構造又は前記第6島構造の前記第3方向における高さは、前記第2ゲート構造の前記第3方向における高さに等しく、前記第4島構造、前記第5島構造又は前記第6島構造の前記第2方向における幅は、前記第2ゲート構造の前記第2方向における幅より小さい、請求項11に記載のメモリ構造。
【請求項13】
前記第1島構造、前記第2島構造又は前記第3島構造の前記第2方向における幅は、前記第4島構造、前記第5島構造又は前記第6島構造の前記第2方向における幅に等しい、請求項12に記載のメモリ構造。
【請求項14】
前記複数の絶縁膜の材料は、高誘電率材料を含む、請求項2に記載のメモリ構造。
【請求項15】
前記第1ゲート構造、前記第2ゲート構造及び前記第3ゲート構造はワード線として機能する、請求項1から9のいずれか一項に記載のメモリ構造。
【請求項16】
前記第1ゲート構造、前記第2ゲート構造及び前記第3ゲート構造と、前記複数のチャネル本体との交差の各々はトランジスタを形成する、請求項1から9のいずれか一項に記載のメモリ構造。
【請求項17】
前記複数のチャネル本体における同じチャネル本体によって接続された3つのトランジスタは共にメモリセルユニットを形成する、請求項16に記載のメモリ構造。
【請求項18】
同じレベルにある複数のメモリセルユニットは、同じビット線に電気的に接続される、請求項17に記載のメモリ構造。
【請求項19】
前記第1島構造、前記第2島構造及び前記第3島構造は独立して制御される、請求項1から9のいずれか一項に記載のメモリ構造。
【請求項20】
前記メモリ構造の動作機構はサイリスタに基づく、請求項1から9のいずれか一項に記載のメモリ構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、半導体構造に関し、より具体的には、メモリ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM:dynamic random access memory)において、各ビットのデータが処理のために1つのトランジスタ(1T)及び1つのキャパシタ(1C)を必要とする、すなわち、1T1C DRAMである。しかしながら、市場の需要を満たすためには、メモリ構造のサイズをさらに小さくする必要がある。また、1T1C DRAMは、リーク電流、複雑なプロセス、コストの増加など、より多くの課題を抱えている。
【0003】
したがって、従来のDRAMの構造をさらに改善し、メモリ構造の性能を維持しつつ、メモリ構造のサイズを減少することが依然として必要である。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、サイリスタ動作機構に基づいたメモリ構造に関するものであり、拡張可能性が高く、動作速度が速いという利点を有する。
【0005】
本発明の一実施形態によれば、メモリ構造が提供される。メモリ構造は、基板と、第1ゲート構造と、第2ゲート構造と、第3ゲート構造と、複数のチャネル本体とを備える。基板は上面を有する。第1ゲート構造、第2ゲート構造、及び第3ゲート構造は、基板上に配置されており、第1方向に沿って互いから分離しており、第2方向及び第3方向に沿ってそれぞれ延在し、第2ゲート構造は、第1ゲート構造と第3ゲート構造との間に配置されており、第1方向、第2方向、及び第3方向は、互いに交差している。第1方向と、第2方向と、第3方向とは互いに交差する。第2ゲート構造は、第1ゲート構造と第3ゲート構造との間に配置される。第1ゲートは、第1島構造と、第2島構造と、第3島構造とを含む。第3ゲート構造は、第4島構造と、第5島構造と、第6島構造とを含む。第1島構造、第2島構造及び第3島構造はそれぞれ第3方向に沿って延在し、第2方向に沿って互いから分離している。第4島構造、第5島構造、及び第6島構造はそれぞれ、第3方向に沿って延在し、第2方向に沿って互いから分離している。チャネル本体は、互いから分離しており、第1方向に沿って、第1ゲート構造、第2ゲート構造、及び第3ゲート構造を通過する。
【0006】
本発明の上記及び他の態様は、好ましいが非限定的な実施形態の以下の詳細な説明に関連して、より十分に理解されるであろう。下記説明は、添付図面を参照して行われる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の一実施形態によるメモリ構造の概略的立体図を示す。
【0008】
【
図2】
図1に示すメモリ構造をサイリスタ機構を介して動作させた結果を示す図である。
【
図3】
図1に示すメモリ構造をサイリスタ機構を介して動作させた結果を示す図である。
【
図4】
図1に示すメモリ構造をサイリスタ機構を介して動作させた結果を示す図である。
【
図5】
図1に示すメモリ構造をサイリスタ機構を介して動作させた結果を示す図である。
【
図6】
図1に示すメモリ構造をサイリスタ機構を介して動作させた結果を示す図である。
【
図7】
図1に示すメモリ構造をサイリスタ機構を介して動作させた結果を示す図である。
【
図8】
図1に示すメモリ構造をサイリスタ機構を介して動作させた結果を示す図である。
【
図9】
図1に示すメモリ構造をサイリスタ機構を介して動作させた結果を示す図である。
【
図10】
図1に示すメモリ構造をサイリスタ機構を介して動作させた結果を示す図である。
【
図11】
図1に示すメモリ構造をサイリスタ機構を介して動作させた結果を示す図である。
【
図12】
図1に示すメモリ構造をサイリスタ機構を介して動作させた結果を示す図である。
【
図13】
図1に示すメモリ構造をサイリスタ機構を介して動作させた結果を示す図である。
【
図14】
図1に示すメモリ構造をサイリスタ機構を介して動作させた結果を示す図である。
【
図15】
図1に示すメモリ構造をサイリスタ機構を介して動作させた結果を示す図である。
【
図16】
図1に示すメモリ構造をサイリスタ機構を介して動作させた結果を示す図である。
【
図17】
図1に示すメモリ構造をサイリスタ機構を介して動作させた結果を示す図である。
【
図18】
図1に示すメモリ構造をサイリスタ機構を介して動作させた結果を示す図である。
【0009】
【
図19】本発明の別の実施形態によるメモリ構造の概略的立体図である。
【0010】
【
図20】本発明の別の実施形態によるメモリ構造の等価回路図を示す。
【0011】
【
図21】サイリスタ動作機構に基づいて、メモリ構造を「PGM」状態及び「ERS」状態で動作させる場合のバンド図を示す図である。
【0012】
【
図22】サイリスタ動作機構に基づいて、メモリ構造を動作させた実験結果を示す図である。
【
図23】サイリスタ動作機構に基づいて、メモリ構造を動作させた実験結果を示す図である。
【
図24】サイリスタ動作機構に基づいて、メモリ構造を動作させた実験結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下は、図面と共に、本開示によって提供されるメモリ構造を詳細に説明する関連実施形態である。しかしながら、本開示はこれに限定されるものではない。詳細な構造、製造方法のステップ、及び材料の用途などのような実施形態の説明は、例示のみを目的としており、本開示の保護の範囲は、言及される実装態様に限定されるものではない。
【0014】
同時に、本開示が全ての実施可能形態を示すものではないことに留意されたい。当業者は、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、実際の応用のニーズを満たすために、実施形態の構造及び製造方法に変更及び修正を行うことができる。したがって、本開示で提案されていない他の実装態様も適用可能であり得る。さらに、図面は、実施形態の内容を明確に説明する目的で単純化されており、図面中の寸法及び比は、実際の成果物の縮尺によって描かれたものではない。したがって、説明及び図面は、本開示の保護範囲を限定するためではなく、実施形態を説明するためにのみ使用される。同一又は同様の参照符号は、同一又は同様の要素を表すために使用されている。
【0015】
サイズ小型化の要求を満たすため、業界ではキャパシタレスDRAMの様々な代替形態が研究されている。例えば、シングルトランジスタDRAM(1T DRAM)は提案されている。従来の1T DRAMは、SOI基板の一部に製造された単一のMOSFETで構成され、フローティングボディ効果を利用して、インパクトイオン化により過剰な正孔を生成して中性体にそれらを蓄積し、この状態をロジック「1」と定義している。一方、正孔が中性体から掃き出されるように順バイアスされているときは、ロジック「0」の状態にあることになる。その後、一般的な1T DRAMのようにインパクトイオン化を誘発する大きなバイアスを印加する必要なく、PNPNサイリスタのバイアスタビリティを利用したサイリスタRAM(TRAMと略す)が提案されている。
【0016】
本発明で提供されたメモリ構造は、改善されたTRAM動作のための、1T DRAM動作から派生したアーキテクチャである。一般的な1T DRAMと比較して、本発明による半導体構造及び動作機構は、ロジック「1」状態とロジック「0」状態の間の電流の感知マージンを大きくとることができる(例えば、60μA)。ウィンドウを減らすことなく、パルス幅を短くすることができる(例えば、50ns)。室温での保持時間を増加することができ(例えば、最大3秒)、読み取り妨害無しの時間を増加することができる(例えば、最大2秒)。これらの特性により、本発明のメモリ構造及びメモリ構造を動作させる機構は、高い拡張可能性と速い動作速度とを有する有望なDRAM候補となる。
【0017】
本発明は、3D DRAM特性及びサイリスタ動作のために、(
図1及び
図19におけるメモリ構造10及び20に示すように)3つのトランジスタ(3T)を含む三次元メモリ構造を提供する。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態によるメモリ構造10の概略的立体図を示す。
図1に示すように、本実施形態において、Z方向は第1方向を表し、Y方向は第2方向を表し、X方向は第3方向を表す。
【0019】
図1を参照すると、メモリ構造10は、基板100、第1ゲート構造112、第2ゲート構造114、第3ゲート構造116、複数のチャネル本体120、複数の絶縁膜122、第1プラグ132、第2プラグ134、第3プラグ136、及び第1サイドプラグ140を含む。基板100は、上面100aを有し、上面100aは、第2方向(例えば、Y方向)及び第3方向(例えば、X方向)に平行であり、上面100aの法線方向は、第1方向(例えば、Z方向)に平行である。基板100の上面100aに隣接した領域100Dには、ドーパントがドープされていてもよい。一実施形態において、基板100の上面100aに隣接した領域100Dは、第1導電型、例えば、高濃度のN型ドープ(N+)を有する。基板100の領域100Dは、共通のソース線として機能し得る。
【0020】
第1ゲート構造112、第2ゲート構造114、及び第3ゲート構造116は、基板100上に配置されており、第1方向(例えば、Z方向)に沿って連続して積層され互いから分離しており、第2方向(例えば、Y方向)及び第3方向(例えば、X方向)に沿ってそれぞれ延在し、第2ゲート構造114は、第1ゲート構造112と第3ゲート構造116との間に配置されており、第1方向、第2方向、及び第3方向は、互いに交差しており、例えば、互いに直交しており、すなわち、Z方向、Y方向、及びX方向は、互いに直交していてもよい。図面をより簡潔にするために、
図1において、いくつかの絶縁材料は省略されている。例えば、基板100、第1ゲート構造112、第2ゲート構造114、及び第3ゲート構造116の間の絶縁材料は省略されている。いくつかの実施形態において、第1ゲート構造112、第2ゲート構造114、及び第3ゲート構造116は、それぞれワード線として機能し得る。
【0021】
チャネル本体120は、第2方向(例えば、Y方向)及び第3方向(例えば、X方向)に沿って互いから分離しており、第1方向(例えば、Z方向)に沿って第1ゲート構造112、第2ゲート構造114、及び第3ゲート構造116を通過し、基板100まで延在する。例えば、チャネル本体120は、縦型チャネル構造を形成するように基板100と電気接触している。チャネル本体120とゲート構造(すなわち、第1ゲート構造112、第2ゲート構造114、及び第3ゲート構造116)の各々との間の交差点の各々において、トランジスタが形成されている。チャネル本体120の各々は、基板100の上面100aと電気的に接触している第1端部120Aと、上面100aからより遠く離れている第2端部120Bとを有し、第2端部120Bは、第1端部120Aの反対にある。チャネル本体120の第2端部120Bに隣接した領域120Dには、ドーパントがドープされていてもよい。
【0022】
本実施形態において、例えば、サイリスタは動作機構に使用され、第2端部120Bに隣接するチャネル本体120の領域120Dは、高濃度のP型ドーピング(P+)などの第2導電型を有している。
領域100Dをソースとして機能させることができ、領域120Dをドレインとして機能させることができるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0023】
絶縁膜122は、第1ゲート構造112とチャネル本体120との間、第2ゲート構造114とチャネル本体120との間、及び第3ゲート構造116とチャネル本体120との間に配置されている。すなわち、絶縁膜122は、第1方向(例えば、Z方向)に沿って延在し、チャネル本体120の側面を囲んで第1ゲート構造112をチャネル本体120から分離させ、第2ゲート構造114をチャネル本体120から分離させ、第3ゲート構造116をチャネル本体120から分離させる。
【0024】
第1ゲート構造112、第2ゲート構造114及び第3ゲート構造116は絶縁膜122の各々及びチャネル本体120の各々を囲み、これはゲートオールアラウンド(GAA:gate-all-around)構造とも呼ばれている。さらに、チャネル本体120の各々は、3つのゲート(すなわち、第1ゲート構造112、第2ゲート構造114、及び第3ゲート構造116)によって制御され得る。
【0025】
第1サイドプラグ140は、第1方向(例えば、Z方向)及び第3方向(例えば、X方向)に沿って延在し、基板100と電気接触している。例えば、第1サイドプラグ140は、基板100及びチャネル本体120に電気的に接続されている。
【0026】
基板100は、メモリアレイエリアMA及び階段エリアSAに対応する。チャネル本体120は、メモリアレイエリアMA内に配置されている。階段エリアSAは、メモリアレイエリアMAに隣接している。第1ゲート構造112、第2ゲート構造114、及び第3ゲート構造116は、階段エリアSA内で段差構造を形成し、第1ランディング領域LR1、第2ランディング領域LR2、及び第3ランディング領域LR3をそれぞれ露出させる。第1プラグ132、第2プラグ134、及び第3プラグ136は、それぞれ、第1ランディング領域LR1、第2ランディング領域LR2、及び第3ランディング領域LR3上に配置されており、それぞれ、第1ゲート構造112、第2ゲート構造114、及び第3ゲート構造116と電気的に接触するように、第1方向(例えば、Z方向)に沿って延在する。
【0027】
いくつかの実施形態において、基板100は、バルクシリコン基板のような半導体基板を含み得る。本実施形態において、チャネル本体120は、エピタキシャル成長プロセスによって形成されていてよく、チャネル本体120の材料は、単結晶シリコンを含み得る。メモリデバイス10の動作(例えば、プログラミング又は消去)中、チャネル本体120は、キャリア(例えば、電子又は正孔)を蓄積するために使用され得る。絶縁膜122がキャリア(例えば、電子又は正孔)を蓄積する機能を有する必要はないので、絶縁膜122は、酸化物-窒化物-酸化物(ONO)構造のような電荷蓄積構造を含まない。一実施形態において、絶縁膜122の材料は、酸化物などの誘電材料を含み、絶縁膜122は、単一層構造であり得る。一実施形態において、絶縁膜122の材料は、高誘電率材料(高k材料)を含み得る。一実施形態において、第1プラグ132、第2プラグ134、第3プラグ136、第1サイドプラグ140、第1ゲート構造112、第2ゲート構造114、及び第3ゲート構造116の材料は、半導体材料又は金属材料を含み得る。本実施形態において、第1ゲート構造112はポリシリコンを含み得、第2ゲート構造114及び第3ゲート構造116はそれぞれ金属を含み得る。本発明の上述の要素の材料はこれに限定されるものではないことは理解されるべきできる。
【0028】
図2~
図18は、サイリスタ機構を通じて、
図1に示すメモリ構造10を動作させる結果を示す。
【0029】
図2は、実施形態1~4における、ビット線バイアス電圧とビット線電流(ドレイン電流も表す)との間の関係を示し、ここで、X軸がビット線バイアス電圧(V
BL)を表し、単位はボルト(V)であり、Y軸がビット線電流(I
BL)を表し、単位はアンペア(A)である。実線の曲線は、順バイアス電圧FWD(例えば、左から右へのスイープ)を表し、点線の曲線は、逆バイアス電圧REV(例えば、右から左へのスイープ)を表す。実施形態1~4において、第2ゲート構造114と第3ゲート構造116との両方には3Vが印加され、第1ゲート構造112には異なる電圧が印加される。実施形態1の第1ゲート構造112には-3Vが印加され、実施形態2の第1ゲート構造112には-2.5Vが印加され、実施形態3の第1ゲート構造112には-2Vが印加され、実施形態4の第1ゲート構造112には-1.5Vが印加される。
【0030】
図2に示すように、まず順バイアス電圧FWDで0Vから4Vまでスキャンし、次に逆バイアス電圧REVで4Vから0Vまでスキャンする。実施形態1~4は、それぞれヒステリシス曲線を示す。同じビット線電流の下での実線の曲線と点線の曲線との間の距離は、ヒステリシスウィンドウの大きさを表している。同じビット線電流の下で、実施形態1~4のヒステリシスウィンドウは異なる大きさを持っている。例えば、10
-8Aに隣接するビット線電流の下では、実施形態1~2に示すヒステリシスウィンドウの大きさは、実施形態3に示すヒステリシスウィンドウHWの大きさより小さく、実施形態4に示すヒステリシスウィンドウの大きさは、実施形態3に示すヒステリシスウィンドウHWの大きさより大きい。すなわち、第2ゲート構造114と第3ゲート構造116との電圧を固定し、第1ゲート構造112の電圧を変化させることで、サイリスタの動作効果を達成することができるように、ヒステリシスウィンドウの大きさを調整することができる。ヒステリシスウィンドウの範囲内の電圧(例えば2V)を読み取ることで、異なる電流の大きさを取得することができるため、論理的な「1」及び論理的な「0」を区別することができる。
【0031】
従来のサイリスタ動作では、ゲートが1つしかないため、ヒステリシスウィンドウを調整する効果を達成するためには、通常、導電型(N型、P型)の異なる複数のドーピングされた領域を形成する(例えばN/P/N/P構造)など複雑なドーピング構造を使用する必要がある。これに対し、本願の実施形態(例えば、実施形態1~4)のサイリスタ動作では、異なるゲートバイアス電圧を印加することによりヒステリシス曲線を調整することができ、複雑なドーピング構造を形成する必要無しにヒステリシスウィンドウの大きさを制御することができる。
【0032】
図3は、
図2に示す実施形態3の第1状態E1、第2状態E2及び第3状態E3のバンド図のシミュレーション結果を示す。例えば、
図3は、テクノロジコンピュータ支援設計(TCAD:Technology Computer Aided Design)ツールを使用してコンピュータシミュレーションによって観察することができる。
図3において、X軸は、領域100Dと領域120Dとの間の位置(例えば、
図3の上に領域100D、領域120D及び他のコンポーネントを図示した簡略図に示すように)を表し、単位はマイクロメートル(μm)であり、Y軸は、エネルギーを表し、単位はエレクトロンボルト(eV)である。「Ec」は伝導帯を示す。「Ev」は価電子帯を示す。
【0033】
図2及び
図3を同時に参照すると、第1状態E1から第3状態E3における第1ゲート構造112のバイアス電圧は全て-2Vであり、第1状態E1から第3状態E3における第2ゲート構造114のバイアス電圧は全て3Vであり、第1状態E1から第3状態E3における第3ゲート構造116のバイアス電圧は全て3Vである。第1状態E1は高抵抗状態であり、ビット線バイアスは2.3Vであり、電子エネルギー障壁BR1と正孔エネルギー障壁BR2との両方は非常に高く、電子は電子エネルギー障壁BR1を通過できず、正孔は正孔エネルギー障壁BR2を通過できない状態である。
【0034】
第2状態E2は低抵抗状態であり、ビット線バイアス電圧は3.5Vである。第1状態E1から第2状態E2に入る場合、ビット線バイアス電圧が徐々に増加すると、正孔エネルギー障壁BR2が徐々に減少することになり、これにより、一部の正孔はエネルギー障壁を通過してチャネル本体120に流れ込むことができる。このように、それは、電子エネルギー障壁BR1の低減も引き起こすので、一部の電子も電子エネルギー障壁BR1を通過してチャネル本体120に流れ込むことができる。同様に、一部の電子がチャネル本体120に流れ込む場合にも、それは、正孔エネルギー障壁BR2の低減を引き起こすことができる。したがって、正帰還は形成され得、これにより、電子エネルギー障壁BR1及び正孔エネルギー障壁BR2は互いに影響して徐々に低くなり、より多くの電子及び正孔がチャネル本体120に流れ込むことができる。それに応じて、第2状態E2における電子エネルギー障壁BR1及び正孔エネルギー障壁BR2はほとんど存在せず、大電流があり得、ラッチアップが誘発され得る。
【0035】
第3状態E3も低抵抗状態であり、ビット線バイアス電圧は2.3Vである。第2状態E2から第3状態E3に入ると、第1ゲート構造112から第3ゲート構造116の電圧は変化せず、ビット線バイアス電圧のみが変化したため、電子エネルギー障壁BR1及び正孔エネルギー障壁BR2がほとんど存在しない。それに応じて、大電流は依然として第3状態E3にあるように維持されており、ラッチアップは依然として維持されている。
【0036】
下記の表1に例挙された異なるバイアス電圧は、プログラミング動作モード、消去動作モード又は読み取り動作モードなどの異なる動作モードのために、
図1に示す第1ゲート構造112、第2ゲート構造114、第3ゲート構造116、領域120D(ビット線BLと等電位である)、領域100D(ソース線SLと等電位である)に印加され得る。本実施形態及び添付図面において、「PGM」はプログラミング動作モードの略語であり、メモリ構造10のメモリセルが「1」のデータ状態(すなわち、ロジック「1」)にプログラミングされる動作モードを示し、「ERS」は消去動作モードの略語であり、メモリ構造10のメモリセルが「0」のデータ状態(すなわち、ロジック「0」)にプログラミングされる動作モードを示し、「Read」は読み取り動作モードの略語であり、個々のメモリセルの電圧データ状態を確認するように、メモリ構造10のメモリセルを読み取る動作モードを示す。
【0037】
【0038】
図4はプログラム/消去サイクル(P/Eサイクル)の実験結果であり、表1における電圧によるメモリ構造を動作させ10の波形図を示す。
【0039】
表1及び
図4を同時に参照すると、「PGM」において、第1ゲート構造112に印加された電圧は0より低く(例えば、-2V)、第2ゲート構造114及び第3ゲート構造116に印加された電圧は0より高く(例えば、3V)、大きなビット線バイアス(例えば、3V)はサイリスタラッチアップを誘発するため、メモリ構造10は低抵抗状態を呈し始める。「ERS」において、ラッチアップを抑制するため、ゲート電圧はリセットされる必要があるので、第1ゲート構造112、第2ゲート構造114及び第3ゲート構造116に印加された電圧(すなわち、ワード線バイアス)は0Vに戻り、ビット線BLの0Vバイアスが印加される。その後、ワード線(すなわち、第1ゲート構造112、第2ゲート構造114及び第3ゲート構造116)に印加された電圧は、メモリ構造10を高抵抗状態に戻らせるように増加され得る。上記動作を通じて、
図4に示す「PGM」→「Read」→「ERS」→「Read」のサイクルは形成され得る。「PGM」状態及び「ERS」状態はそれぞれパルス幅PW1及びPW2を有する。
【0040】
図5は、異なる状態におけるソース電流の測定結果を示す。
【0041】
図5を参照すると、X軸は時間を表し、単位はマイクロ秒(μs)であり、Y軸はソース電流(I
SL)を表し、単位はマイクロアンペア(μA)である。「PGM」状態と「ERS」状態との間の読み取り電流ウィンドウRIWは、60マイクロアンペアより高くてよい。この大きな読み取り電流ウィンドウは、大きなヒステリシスウィンドウに起因し得る。
【0042】
図6は、ソース電流の変化とパルス幅との間の関係を示すグラフである。
【0043】
図6を参照すると、X軸はパルス幅を表し、単位はナノ秒(ns)であり、Y軸はソース電流の変化(デルタI
SL)(すなわち、電流ウィンドウ)を表し、単位はマイクロアンペア(μA)である。パルス幅が50ナノ秒(測定限界)に減少する場合にも、60マイクロアンペアの電流ウィンドウの感知マージンは維持され得る。
【0044】
図7は、本発明の実施形態Aによる耐性を示す。
図8は、実施形態Aの「PGM」状態及び「ERS」状態のバンド図を示す。
図9は、比較例Aによる耐性を示す。
図10は、比較例Aの「PGM」状態及び「ERS」状態における電子/正孔の移動状態の概略図である。
【0045】
実施形態Aは、
図1に示すように、サイリスタを動作機構として使用してメモリ構造10に適用され得る。比較例Aと実施形態Aとの間の相違点は、比較例Aにおけるドレインとして機能する領域120D'及びソースとして機能する領域100Dは同じ第1導電型を有し、また、例えば、動作機構としてフローティングボディセルを使用して高ドープN型(N+)としたものであることである。
【0046】
図7を参照すると、X軸はP/Eサイクルの数を表し、Y軸は読み取り電流(I
read)をマイクロアンペア(μA)単位で表す。P/Eサイクルの動作中、本発明においては、ホットキャリアは動作で使用されていないため、本発明のメモリ構造はホットキャリアによって損傷されない。ホットキャリアが動作で使用されている比較例(例えば、比較例A)と比較すると、本発明のメモリ構造はより優れた耐性を持ち、10
10P/Eサイクルまでは、「PGM」状態及び「ERS」状態における読み取り電流の間に差がない。
【0047】
図8を参照すると、「PGM」動作において、例えば、0Vを領域100Dに印加し、3Vを領域120Dに印加し、上述した正帰還は電子エネルギー障壁及び正孔エネルギー障壁を低くすること又は排除することに使用され得、動作にはホットキャリアが含まれていない。障壁が排除されたので、電子及び正孔はチャネル本体120の中央に向かって移動することができる。「ERS」動作において、電子エネルギー障壁及び正孔エネルギー障壁を復元するために、例えば、0Vは領域100Dに印加され、0Vは領域120Dに印加され、表1に例挙された電圧は第1ゲート構造112から第3ゲート構造116に印加され、いずれの動作にもホットキャリアが含まれていない。エネルギー障壁が確立されたので、電子及び正孔はチャネル本体120に移動できない。
【0048】
図9を参照すると、X軸はP/Eサイクルの数を表し、Y軸は読み取り電流をマイクロアンペア(μA)単位で表す。P/Eサイクルの動作において、比較例Aはフローティングボディセルを動作機構として使用し、動作でホットキャリアを使用するので、メモリ構造はホットキャリアによって損傷される可能性がより高い。例えば、「PGM」動作において、比較例Aはバンド間トンネリングを使用して正孔を生成し、正孔をチャネル本体120に格納する。しかしながら、「PGM」状態において、読み取り電流が依然として10
3より低い場合、P/Eサイクルが急速に低下し、比較例Aの耐性が実施形態Aの耐性に比べて著しく悪いことが分かる。
【0049】
図10を参照すると、「PGM」動作において、例えば、1Vは第3ゲート構造116に印加され、5Vは領域120D'に印加されて正孔(すなわち、ホットキャリア)をバンド間トンネリング機構を通じて生成し、インタフェーストラップTrを発生させる。結果として、電界が減少し、「PGM」状態における比較例Aの読み取り電流は、「PGM」状態における実施形態Aの読み取り電流より小さい。「ERS」動作において、例えば、4Vは第3ゲート構造116に印加され、-5Vは領域120D'に印加され、これにより、チャネル本体120に蓄積された正孔はチャネル本体120の外に移動される。
【0050】
図11~
図13は、サイリスタベースの動作機構に基づく、本発明の一実施形態によるメモリ構造(例えば、メモリ構造10)のホールド状態を示す。
【0051】
メモリ構造10の動作モードはホールド動作をさらに含み得る。「Hold」はホールド動作の略語であり、メモリ構造10のメモリセルの電圧データ状態を維持するための動作モードを示す。
【0052】
時間とビット線BLの電圧との間の関係を示す
図11を参照すると、第1ゲート構造112、第2ゲート構造114及び第3ゲート構造116は異なる状態にある。「Hold」は、「PGM」又は「ERS」が完了した後に実行され得、「Read」は「Hold」が完了した後に実行され得る。「Hold」を動作させる場合、異なる電圧が第1ゲート構造112から第3ゲート構造116に印加されて、「PGM」又は「ERS」の状態を維持することができる。例えば、-2.5Vは第1ゲート構造112に印加され得、-1Vは第2ゲート構造114に印加され得、3Vは第3ゲート構造116に印加され得、0Vはビット線BLに印加され得る。
【0053】
室温での「PGM」及び「ERS」でのHold時間と読み取り電流(I
read)との間の関係を示す
図12を参照すると、X軸はHold時間を表し、単位は秒(sec)であり、Y軸は読み取り電流をマイクロアンペア(μA)単位で表す。例えば、室温では、Hold時間が3秒である場合、「PGM」と「ERS」との読み取り電流の間の差は、
図12における二重矢印によって示されるように、依然として40マイクロアンペアを維持することができる。
【0054】
85℃での「PGM」及び「ERS」におけるHold時間と読み取り電流との間の関係を示す
図13を参照されたい。X軸はHold時間を秒(sec)単位で表し、Y軸は読み取り電流(I
read)をマイクロアンペア(μA)単位で表す。例えば、85℃では、Hold時間が10
-1秒(すなわち、100ms)である場合、「PGM」と「ERS」との読み取り電流の間の差は、
図13における二重矢印によって示されるように、依然として60マイクロアンペアを維持することができる。
【0055】
図12~
図13の結果から、室温でも85℃でも、適切なホールドバイアスを印加しさえすれば、本発明のメモリ構造は、現在業界で使用されているDRAM(Hold時間は、例えば64ms)よりも優れた適度なHold時間(例えば、3秒又は100ms)を持つことができることが分かれる。
【0056】
図14~
図18は、サイリスタベースの動作機構に基づく本発明の一実施形態によるメモリ構造(例えば、メモリ構造10)の読み取り妨害の結果を示す。読み取り妨害は、「Read」プロセス中にどのぐらいread時間が維持され得、データにダメージを与えないかを検出するために使用することができる。
【0057】
一般的に言えば、現在業界で使用されている1T1C DRAMは破壊読み取りに属し、すなわち、「Read」が完了すると状態が消滅し、書き直しが必要になる。
【0058】
本発明のメモリ構造において、データを書き直すことなく反復的に(例えば、連続的な「Read」を7回)読み取り得ることを示し、本発明のメモリ構造が非破壊読み取りに属することを証明する
図14を参照されたい。
【0059】
「PGM」及び「ERS」後の連続の読み取りの結果、例えば「Read」の時間を延長して、データが依然として存在する間に「Read」をどのぐらい継続できるかを測定する結果を示す
図15を参照されたい。
【0060】
ビット線読み取り電圧(Read V
BL)が2.5Vである場合、「PGM」及び「ERS」のread時間と読み取り電流との間の関係を示す
図16を参照し、ここで、X軸はread時間を秒(sec)単位で表し、Y軸は読み取り電流(I
read)をマイクロアンペア(μA)単位で表す。read時間が10
-3秒(すなわち、1ms)である場合、「PGM」と「ERS」との間の読み取り電流の差は、
図16における二重矢印によって示されるように、65マイクロアンペアで維持された。read時間が1msより長い場合、正帰還に起因して、「ERS」の電流は急速に上昇し、「PGM」の電流と同じ電流までに増加する。
【0061】
ビット線の読み取り電圧が2.1Vである場合、「PGM」及び「ERS」のread時間と読み取り電流との間の関係を示す
図17を参照し、ここで、X軸はread時間を秒(sec)単位で表し、Y軸は読み取り電流(I
read)をマイクロアンペア(μA)単位で表す。read時間が2秒である場合、「PGM」と「ERS」との間の読み取り電流の差は、
図17における二重矢印によって示されるように、33マイクロアンペアで維持された。read時間が2秒より長い場合、正帰還に起因して「ERS」の電流が急速に上昇し、「PGM」の電流と同じ電流までに増加する。
図16の実施形態と比較すると、
図17の実施形態における「PGM」と「ERS」との読み取り電流の間の差はより小さいが、read時間はより長く維持され得る。
【0062】
実施形態B及び実施形態Cの「ERS」状態におけるビット線の読み取り電圧のバンド図を示す
図18を参照されたい。実施形態B及び実施形態Cの構造は実施形態Aの構造と同じであるが、実施形態B及び実施形態Cのビット線の読み取り電圧が異なっている。実施形態Bにおいて、ビット線の読み取り電圧は2.5Vである。実施形態Cにおいて、ビット線の読み取り電圧は2.1Vである。
図18に示すように、ビット線のより低い読み取り電圧(すなわち、実施形態C)により正孔エネルギー障壁が増加し得、正孔がエネルギー障壁を通過してリーク電流を生成する可能性がより低いので、正帰還を生成するための時間を遅延させ得る。
【0063】
したがって、読み取り妨害無しの時間を延長することになる場合、ビット線の読み取り電圧を下げることができ、これにより、「ERS」において正帰還が誘発される確率が下がる。
【0064】
図19は、本発明の別の実施形態によるメモリ構造20の概略的立体図である。
図19に示すように、本実施形態において、Z方向は第3方向を表し、Y方向は第2方向を表し、X方向は第1方向を表す。
【0065】
図19を参照すると、メモリ構造20は、基板200と、第1ゲート構造212と、第2ゲート構造214と、第3ゲート構造216と、複数のチャネル本体220と、複数の絶縁膜222と、第1サイドプラグ240と、第2サイドプラグ250と、複数の第1サイドパッドCPと、複数の第2サイドパッドBPとを備える。基板200は、上面200aを有し、上面200aは、第1方向(例えば、X方向)及び第2方向(例えば、Y方向)に平行であり、上面200aの法線方向は、第3方向(例えば、Z方向)に平行である。
【0066】
第1ゲート構造212、第2ゲート構造214、及び第3ゲート構造216は、第1方向(例えば、X方向)に沿って基板200上に配置されており、第1方向(例えば、X方向)に沿って互いから分離しており、第2方向(例えば、Y方向)及び第3方向(例えば、Z方向)に沿って延在し、第2ゲート構造214は、第1ゲート構造212と第3ゲート構造216との間に配置されている。第1方向、第2方向、及び第3方向は、互いに交差しており、例えば、互いに直交しており、すなわち、Z方向、Y方向、及びX方向は、互いに直交していてもよい。第1ゲート構造212は、第1島構造2121と、第2島構造2122と、第3島構造2123とを含み、第1島構造2121、第2島構造2122、及び第3島構造2123はそれぞれ第3方向に沿って延在し、第2方向に沿って互いから分離している。第3ゲート構造216は、第4島構造2161と、第5島構造2162と、第6島構造2163とを含み、第4島構造2161、第5島構造2162及び第6島構造2163はそれぞれ第3方向に沿って延在し、第2方向に沿って互いから分離している。また、第1島構造2121、第2島構造2122及び第3島構造2123は独立して制御される。第4島構造2161、第5島構造2162及び第6島構造2163は独立して制御される。
【0067】
一実施形態において、第1島構造2121、第2島構造2122又は第3島構造2123の第3方向における高さH1は、第2ゲート構造214の第3方向における高さH2に等しい。第1島構造2121、第2島構造2122又は第3島構造2123の第2方向における幅WD11、WD12又はWD13は、第2ゲート構造214の第2方向における幅WD2より小さい。第4島構造2161、第5島構造2162又は第6島構造2163の第3方向における高さH3は、第2ゲート構造214の第3方向における高さH2に等しい。第4島構造2161、第5島構造2162又は第6島構造2163の第2方向における幅WD31、WD32又はWD33は、第2ゲート構造2162の第2方向における幅WD2より小さいが、本発明はこれに限定されるものではない。図面をより簡潔にするために、
図19では一部の絶縁材料が省略されており、例えば、基板200、第1ゲート構造212、第2ゲート構造214及び第3ゲート構造216間の絶縁材料、第1島構造2121、第2島構造2122及び第3島構造2123間の絶縁材料、第4島構造2161、第5島構造2162及び第6島構造2163間の絶縁材料は省略された状態である。第1島構造2121、第2島構造2122又は第3島構造2123の第2方向における幅WD11、WD12又はWD13は、第4島構造2161、第5島構造2162又は第6島構造2163の第2方向における幅WD31、WD32又はWD33に等しくてよい。いくつかの実施形態において、第1ゲート構造212、第2ゲート構造214、及び第3ゲート構造216は各々、ワード線として機能し得る。
【0068】
チャネル本体220は、第2方向(例えば、Y方向)及び第3方向(例えば、Z方向)に沿って互いから分離しており、第1方向(例えば、X方向)に沿って第1ゲート構造212、第2ゲート構造214、及び第3ゲート構造216を通過し、すなわち、チャネル本体220の延在方向は、基板200の上面200aに平行であり、横型チャネル構造を形成する。チャネル本体220の各々は、第1端部220A及び第2端部220Bを有し、第1端部220Aは、第1ゲート構造212に隣接し、第3ゲート構造216からより離れており、第2端部220Bは、第3ゲート構造216に隣接し、第1ゲート構造212からより離れており、第2端部220Bは、第1端部220Aの反対にある。
【0069】
第1サイドパッドCPは、第3方向(例えば、Z方向)に沿って積層され、第3方向(例えば、Z方向)に沿って互いから分離しており、第1サイドパッドCPの各々は、チャネル本体220のうち対応する第1端部220Aに接続されている。第2サイドパッドBPは、第3方向(例えば、Z方向)に沿って積層され、第3方向(例えば、Z方向)に沿って互いから分離しており、第2サイドパッドBPの各々は、チャネル本体220のうち対応する第2端部220Bに接続されている。第1サイドパッドCP及び第2サイドパッドBPには、ドーパントがドープされていてもよい。
【0070】
サイリスタが動作機構として使用される本実施形態において、第1サイドパッドCPは、例えば高濃度のN型ドープ(N+)を有している、第1導電型を有し、第2サイドパッドBPは、例えば高濃度のP型ドープ(P+)を有している、第2導電型を有する。
【0071】
一実施形態において、第1サイドパッドCPをソースとして使用することができ、第2サイドパッドBPをドレインとして使用することができるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0072】
絶縁膜222は、第1ゲート構造212とチャネル本体220との間、第2ゲート構造214とチャネル本体220との間、及び第3ゲート構造216とチャネル本体220との間に配置されている。すなわち、絶縁膜222は、第1方向(例えば、X方向)に沿って延在し、チャネル本体220の側面を囲んで第1ゲート構造212をチャネル本体220から分離させ、第2ゲート構造214をチャネル本体220から分離させ、また、第3ゲート構造216をチャネル本体220から分離させる。一実施形態において、異なるチャネル本体220を囲んでいる絶縁膜222は、互いに接続されており、第2方向(例えば、Y方向)及び第3方向(例えば、Z方向)に沿って、第1ゲート構造212、第2ゲート構造214、及び第3ゲート構造216をカバーするように延在する(図示せず)。
【0073】
第1ゲート構造212、第2ゲート構造214、及び第3ゲート構造216は、絶縁膜222の各々及びチャネル本体220の各々を囲んでおり、また、隣接したチャネル本体220間の空間内に、第2方向(例えば、Y方向)及び第3方向(例えば、Z方向)に沿って延在する。第1ゲート構造212、第2ゲート構造214、及び第3ゲート構造216は、チャネル本体220の対応する位置(すなわち、第1ゲート構造212、第2ゲート構造214、第3ゲート構造216、及びチャネル本体220の間の交差位置)の側面を囲んでいるので、これはゲートオールアラウンド(GAA)構造とも呼ばれる。さらに、チャネル本体220の各々は、3つのゲート(すなわち、第1ゲート構造212、第2ゲート構造214、及び第3ゲート構造216)によって制御され得る。具体的には、第1島構造2121に対応するチャネル本体220は、第1島構造2121、第2ゲート構造214、及び第4島構造2161によって制御することができ、第2島構造2162に対応するチャネル本体220は、第2島構造2162、第2ゲート構造214、及び第5島構造2162によって制御することができ、第3島構造2123に対応するチャネル本体220は、第3島構造2123、第2ゲート構造214、及び第6島構造2163によって制御することができる。チャネル本体220とゲート構造との間の交差位置の各々には、それぞれトランジスタが形成されている。
【0074】
第1サイドプラグ240は、第2方向(例えば、Y方向)及び第3方向(例えば、Z方向)に沿って延在し、基板200及び第1サイドパッドCPと電気接触している。例えば、第1サイドプラグ240は、基板200及びチャネル本体220に電気的に接続されている。
【0075】
第2サイドプラグ250は、第2方向(例えば、Y方向)に沿って互いから分離しており、それぞれ、第2サイドパッドBP上の複数のランディング領域R1~R8と電気的に接触するように、第3方向(例えば、Z方向)に沿って延在する。本実施形態において、第3方向(例えば、Z方向)における第2サイドプラグBPの高さは、第2方向(例えば、Y方向)に沿って徐々に増加し、ランディング領域R1~R8は、段差構造を形成している。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。第2サイドプラグ250の上部は、それぞれ、ビット線(図示せず)に接続されていてもよい。異なる第2サイドプラグ250は、異なるビット線(図示せず)に接続される。すなわち、同一層にあるチャネル本体220は、同じ第2サイドプラグ250及び対応するビット線(図示せず)に電気的に接続されていてもよい。第2サイドプラグ250の数は、第3方向(例えば、Z方向)に沿った、第1サイドパッドCPの数、チャネル本体220の数、及び第2サイドパッドBPの数とそれぞれ同じ、例えば4であり得るが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、他の実施形態において、第2サイドプラグ250の数、第3方向(例えば、Z方向)に沿った第1サイドパッドCPの数、第3方向(例えば、Z方向)に沿ったチャネル本体220の数、及び第3方向(例えば、Z方向)に沿った第2サイドパッドBPの数は、4より大きくてもよい。
【0076】
いくつかの実施形態において、基板200は、バルクシリコン基板のような半導体基板を含み得る。本実施形態において、チャネル本体220は、エピタキシャル成長プロセスによって形成されていてよく、チャネル本体220の材料は、単結晶シリコンを含み得る。メモリデバイス20の動作(例えば、プログラミング又は消去)中、チャネル本体220は、キャリア(例えば、電子又は正孔)を蓄積するために使用され得る。絶縁膜222がキャリア(例えば、電子又は正孔)を蓄積する機能を有する必要はないので、絶縁膜222は、酸化物-窒化物-酸化物(ONO)構造のような電荷蓄積構造を含まない。換言すると、チャネル本体220とゲート構造(すなわち、第1ゲート構造212、第2ゲート構造214、及び第3ゲート構造216)との間の空間にONO構造は存在しない。一実施形態において、絶縁膜222の材料は、酸化物などの誘電材料を含み、絶縁膜222は、単一層構造であり得る。一実施形態において、絶縁膜222の材料は、高誘電率材料(高k材料)を含み得る。一実施形態において、第1サイドプラグ240、第2サイドプラグ250、第1サイドパッドCP、第2サイドパッドBP、第1ゲート構造212、第2ゲート構造214、及び第3ゲート構造216の材料は、半導体材料又は金属材料を含み得る。一実施形態において、第1サイドパッドCP、第2サイドパッドBP、第1ゲート構造212、第2ゲート構造214、及び第3ゲート構造216の材料は、単結晶シリコン若しくは多結晶シリコン又は金属を含み得る。本発明の上述の要素の材料はこれに限定されるものではないことを理解されるべきである。
【0077】
いくつかの実施形態によれば、メモリ構造20は、積層ゲートオールアラウンドナノシートCMOSプロセスによって形成され得る。縦型チャネルを有するメモリ構造10と比較すると、横型チャネルを有するメモリ構造20は、積層されているチャネル本体220の層をより多く有することができるため、より多くのビットを形成することができ、横型チャネルを有するメモリ構造20は、より高い密度のメモリセルを有することができ、これはメモリ構造のサイズの小型化のためにより有益である。
【0078】
比較例B(図示せず)では、第1ゲート構造212の形状が第2ゲート構造214の形状と同じであり(すなわち、第1ゲート構造212は、第1島構造2121、第2島構造2122及び第3島構造2123を含まない)、比較例Bの他の構造がメモリ構造20の構造と同じ(すなわち、第3ゲート構造216も第4島構造2161~第6島構造2163を含む)である。比較例B(図示せず)と比較して、本発明のメモリ構造20は、第1ゲート構造212と第3ゲート構造216に別々の島構造を含むので、メモリ構造をサイリスタ機構で動作させる場合、より優れた制御効果を有し、より優れた電気特性を示すことができる。例えば、本願発明の一実施形態において、第1ゲート構造212と第3ゲート構造216との両方で分離された島構造は、書き込み電圧と消去電圧の動作設計をより柔軟に提供することができ、「1」状態と「0」状態の間のメモリウィンドウを改善することに役立ち、また選択されていないメモリセルからのリーク電流を抑制するのに役立つ。
【0079】
図20は、本発明の別の実施形態によるメモリ構造20の等価回路図を示す。
【0080】
図19及び
図20を同時に参照すると、
図20は、例えば、
図19における隣接する4つのチャネル本体220を例示的に示し、チャネル本体220、第1ゲート構造212における第1島構造2121及び第2島構造2122、第2ゲート構造214及び第3ゲート構造216における第4島構造2161及び第5島構造2162間の交差位置にそれぞれトランジスタが形成される。
図20に示すように、同じチャネル本体220によって接続されたトランジスタTA1、TA2、TA3が一緒にメモリセルユニットCAを形成し、同じチャネル本体220によって接続されたトランジスタTB1、TB2、TB3が一緒にメモリセルユニットCBを形成し、同じチャネル本体220によって接続されたトランジスタTS1、TS2、TS3が一緒にメモリセルユニットCSを形成する。チャネル本体220の第1端部220Aは、対応する第1サイドパッドCPに接続されている。異なる層の第1サイドパッドCPは、第1サイドプラグ240に電気的に接続されており、ソース線に電気的に接続されている。したがって、メモリセルCA、CB、CSは共通のソース線CSL(すなわち、等電位)に接続される。チャネル本体220の第2端部220Bは、対応する第2サイドパッドBPに接続されており、第2サイドパッドBPの異なる層は、異なる第2サイドプラグ250と電気的に接触し、異なる第2サイドプラグ250は、それぞれ、異なるビット線に電気的に接続されており、例えば、同一層にあるメモリセルCB及びCSは、第1ビット線BL1に電気的に接続されており、同一層にあるメモリセルCA及びCBは、第2ビット線BL2に電気的に接続されている。メモリセルCA、CB及びCSは、第2ゲート構造214を共有する。メモリセルCA及びCSは、第1ゲート構造212の第2島構造2122及び第3ゲート構造216の第5島構造2162を共有している。
【0081】
本実施形態において、メモリセルユニットCSが選択メモリセルユニットであり、他のメモリセルユニットCA、CBが未選択メモリセルユニット(例えば、抑制メモリセルユニット)である。換言すれば、メモリセルCSは、選択された第2島構造2122、選択された第2ゲート214及び選択された第5島構造2162に対応し、選択された第1ビット線BL1に電気的に接続される。未選択メモリセルCBは、未選択第1島構造2121及び未選択第4島構造2161に対応してもよい。第2ビット線BL2は未選択ビット線である。さらに、異なるバイアス電圧は、第1島構造2121、第2島構造2122、第2ゲート構造214、第4島構造2161、第5島構造2162、第1ビット線BL1、第2ビット線BL2及び共通のソース線CSLに、表1の、関連段落におけるそれらの説明と同様の「PGM」、「ERS」又は「Read」動作モードなどの異なる動作モードのために印加され得る。
【0082】
【0083】
図21は、サイリスタ動作機構に基づいてメモリ構造20を動作させることによる「PGM」状態及び「ERS」状態におけるバンド図を示す。
【0084】
図21を参照すると、「PGM」動作において、例えば、0Vを第1サイドパッドCPに印加し、3Vを第2サイドパッドBPに印加することによって、上述した正帰還は、電子エネルギー障壁及び正孔エネルギー障壁の減少又は排除に使用され得、ホットキャリアの動作は含まれていない。エネルギー障壁が排除されたので、電子及び正孔はチャネル本体220の中央に向かって移動することができる。「ERS」動作では、電子エネルギー障壁と正孔エネルギー障壁とを復元するために、例えば、第1サイドパッドCPに0Vを印加し、第2サイドパッドBPに0Vを印加し、第1ゲート212~第3ゲート216に表2に記載の電圧を印加し、ホットキャリアの動作も含まれないようにした。エネルギー障壁が確立されたので、電子及び正孔はチャネル本体220に移動できない。
【0085】
図22~
図24は、サイリスタ動作機構に基づいて、メモリ構造20を動作させた実験結果を示す。
【0086】
図22を参照すると、X軸はプログラミングタイム(PGM時間)をマイクロ秒(μs)単位で表し、Y軸は読み取り電流(I
read)をマイクロアンペア(μA)単位で表す。「PGM」動作中、選択メモリセルCSには大電流が流れ、未選択メモリセルCA、CBは抑制され電流が流れない。
【0087】
図23を参照すると、X軸は消去時間(ERS時間)を表し、単位はマイクロ秒(μs)であり、Y軸は読み取り電流(I
read)を表し、単位はマイクロアンペア(μA)である。「ERS」動作後、選択メモリセルCSは電流が流れず、未選択メモリセルCA、CBは高電流を維持する。
【0088】
以上の結果から、「PGM」であっても「ERS」であっても、メモリセルCSを確実に選択することができ、メモリセルCA、CBを抑制することができることが分かる。
【0089】
図24を参照すると、X軸は第3ゲート構造216のバイアス電圧をボルト(V)単位で表し、Y軸は「PGM」状態での読み取り電流(I
read)をマイクロアンペア(μA)単位で表す。「Read」において、-2Vは第1ゲート構造212に印加され、3Vは第2ゲート構造214に印加され、2.5Vは第1ビット線BL1に印加される。「Read」動作の後、選択メモリセルCS及び未選択メモリセルCBは、メモリセルCBも電流を寄与しないようにするために、同じビット線(すなわち、第1ビット線BL1)に接続される。ここで、メモリセルCBをオフにする必要があり、そうしないとリーク電流が発生し、スニークパスが形成されることになる。したがって、スニークパスの形成を回避し、選択メモリセルCSを正しく読み取るために、未選択第3ゲート構造216(例えば、第4島構造2161)に十分に高いバイアス電圧(例えば、5Vなど、矢印で示す4.5Vより大きい)を印加する必要がある。
【0090】
本発明の一実施形態によれば、メモリ構造の第1ゲート構造及び第3ゲート構造は、両方とも3つの島構造を有し、本発明のメモリ構造は、サイリスタの動作機構によって動作される。本発明のメモリ構造は、拡張可能性が高く、動作速度が速く、各種の電気的特性は、現在の業界のDRAMよりも優れていることが分かれる。
【0091】
本発明を例として、また好ましい実施形態の観点から説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではないことを理解されたい。むしろ、様々な修正並びに同様の構成及び手順をカバーすることを意図しており、したがって、添付の特許請求の範囲には、そのような修正並びに同様の構成及び手順の全てを網羅するために最も広義の解釈が与えられるべきである。