IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 海南浙江大学研究院の特許一覧

特開2024-69122プロバイオティクスコンビネーションを豚回腸炎予防用生物学的薬剤の製造に使用する方法
<>
  • 特開-プロバイオティクスコンビネーションを豚回腸炎予防用生物学的薬剤の製造に使用する方法 図1
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024069122
(43)【公開日】2024-05-21
(54)【発明の名称】プロバイオティクスコンビネーションを豚回腸炎予防用生物学的薬剤の製造に使用する方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 35/747 20150101AFI20240514BHJP
   A23K 10/18 20160101ALI20240514BHJP
   A23K 50/30 20160101ALI20240514BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20240514BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240514BHJP
   A61K 35/744 20150101ALI20240514BHJP
【FI】
A61K35/747
A23K10/18
A23K50/30
A61P1/04
A61P43/00 121
A61K35/744
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023028224
(22)【出願日】2023-02-27
(31)【優先権主張番号】202211401636.8
(32)【優先日】2022-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】523069511
【氏名又は名称】海南浙江大学研究院
【氏名又は名称原語表記】HAINAN INSTITUTE OF ZHEJIANG UNIVERSITY
【住所又は居所原語表記】Building 11, Yonyou Industrial Park, Yazhou Bay Science and Technology City, Yazhou District, Sanya , Hainan Province, China
(74)【代理人】
【識別番号】100205936
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 海龍
(74)【代理人】
【識別番号】100132805
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 貴之
(72)【発明者】
【氏名】韓 新燕
(72)【発明者】
【氏名】馬 原菲
(72)【発明者】
【氏名】劉 通
(72)【発明者】
【氏名】余 東遊
(72)【発明者】
【氏名】銭 利純
(72)【発明者】
【氏名】王 争光
(72)【発明者】
【氏名】趙 鵬挙
【テーマコード(参考)】
2B005
2B150
4C087
【Fターム(参考)】
2B005EA01
2B150AA03
2B150AB10
2B150AC02
2B150AC06
4C087AA01
4C087AA02
4C087BC56
4C087BC65
4C087CA09
4C087NA05
4C087NA14
4C087ZA66
4C087ZC61
4C087ZC75
(57)【要約】
【課題】本発明は、プロバイオティクスコンビネーションを豚回腸炎予防用生物学的薬剤の製造に使用する方法に関し、バイオロジーの技術分野に属するものである。
【解決手段】本発明は、ジョンソン乳酸菌とバチルスサブチリスが1:3の比例に混合されたプロバイオティクスが動物の体内に入ることにより、回腸内の病原性バクテリアのコロニー形成を大幅に抑制、低減し、回腸炎の発病を予防し、下痢率を低減し、子豚の成長をサポートすることができる。また、炎症促進因子の含量を低減し、腸内炎症の発病を抑制することができる。混合型プロバイオティクスを子豚に投げ与えることにより、飼養期間内の子豚の成長を均等にし、いろいろな治療用薬物の用量を低減し、ひね豚をなくし、豚のリスティング率を確保することができる。それにより、経済的収益を大幅に向上させ、養豚場の運営と管理を改善することができる。したがって、プロバイオティクスの混合物は、安全であり、有効である生物学的添加剤であり、豚回腸炎の予防において幅広く使用することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロバイオティクスコンビネーションを豚回腸炎予防用生物学的薬剤の製造に使用する方法であって、前記プロバイオティクスコンビネーションはジョンソン乳酸菌(Lactobacillus johnsonii)とバチルスサブチリス(Bacillus subtilis)であることを特徴とするプロバイオティクスコンビネーションを豚回腸炎予防用生物学的薬剤の製造に使用する方法。
【請求項2】
ジョンソン乳酸菌とバチルスサブチリスの質量比例は1:3であることを特徴とする請求項1に記載のプロバイオティクスコンビネーションを豚回腸炎予防用生物学的薬剤の製造に使用する方法。
【請求項3】
前記プロバイオティクスコンビネーションの用量は20~150mg/kgであることを特徴とする請求項1に記載のプロバイオティクスコンビネーションを豚回腸炎予防用生物学的薬剤の製造に使用する方法。
【請求項4】
豚回腸炎予防用生物学的薬剤であって、前記豚回腸炎予防用生物学的薬剤の活性成分はプロバイオティクスコンビネーションを含み、前記プロバイオティクスコンビネーションはジョンソン乳酸菌(Lactobacillus johnsonii)とバチルスサブチリス(Bacillus subtilis)であることを特徴とする豚回腸炎予防用生物学的薬剤。
【請求項5】
ジョンソン乳酸菌とバチルスサブチリスの質量比例は1:3であることを特徴とする請求項4に記載の豚回腸炎予防用生物学的薬剤。
【請求項6】
前記豚回腸炎予防用生物学的薬剤の用量は20~150mg/kgであることを特徴とする請求項4に記載の豚回腸炎予防用生物学的薬剤。
【請求項7】
ジョンソン乳酸菌(Lactobacillus johnsonii)とバチルスサブチリス(Bacillus subtilis)が添加されることを特徴とする飼料。
【請求項8】
請求項4~6のうちいずれか一項に記載の豚回腸炎予防用生物学的薬剤を添加することを特徴とする飼料の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バイオロジーの技術分野に属し、具体的に、プロバイオティクスコンビネーションを豚回腸炎予防用生物学的薬剤の製造に使用する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
豚増殖性腸炎(porcine proliferative enteritis)を豚回腸炎ともいう。豚回腸炎は、ロッソニアイントラセルラリス(Lawsonia intracellularis)により感染しかつ回腸とコロンのクリプト内の未成熟の豚細胞に腺腫性過形成(Adenomatous hyperplasia)が形成されることを特徴とする豚の感染性腸病気(intestinal disease)である。豚回腸炎の重要な臨床特徴は下痢であり、6~20週間育てかつ断乳した子豚が慢性の豚回腸炎に感染する確率が高い。慢性の豚回腸炎に感染する子豚の臨床特徴は、気力が衰え(One’s spirits are drooping)、毛が乱雑になり、食欲不振(Poor appetite)が生じ、間欠性下痢(Intermittent diarrhea)が現れ、糞便が液状またはペースト状になりかつ深い色になることにある。4~12個月育てた豚は急性の豚回腸炎に感染する確率が高い。急性の豚回腸炎に感染する豚の臨床特徴は、糞便が石炭のような黒色になるか或いは血液が含まれており、豚が突然死ぬことにある。病理の変化は主として、豚回腸に現れる。すなわち、回腸粘膜の肥厚、充血または出血、懸腸膜の腫れ、リンパ節の腫れ等の症状が現れる。病理学診断(pathological examination)によると、腸絨毛(intestinal villus)の長さが短くなり、クリプトの深さが深くなることを分かることができる。腸上皮細胞(intestinal epithelial cell)と腺上皮細胞(glandular epitheliuml cell)の増殖により、大量のマクロファージ(Macrophage)と好中性(neutrophil)の浸潤が形成されるおそれがある。ロッソニアイントラセルラリスに感染するクリプト細胞(Crypt cell)は通常、成熟の腸管上皮(intestinal epithelia)に成長することができない。それにより、ロッソニアイントラセルラリスに感染する豚の(腸管の)吸収機能が低下し、豚の成長が遅くなり、飼料が豚肉に変換される変換率(Conversion Rate)が低下し、養殖のコストが増加するおそれがある。研究によると、養豚業(Pig industry)の約96%の養豚場(pig farm)の豚が回腸炎に感染するそうである。回腸炎に感染することにより豚一頭あたりに3.5~7ドルの損失を被り、養豚業に多大な損失を与えるおそれがある。
【0003】
ロッソニアイントラセルラリスは腸内のコロニー形成細菌(Colonization bacteria)であり、それに感染する豚はいずれもロッソニアイントラセルラリスを携帯している。その病原菌は豚の糞便により体外に排出され、体外に排出される病原菌は強い感染性を有している。現在、ロッソニアイントラセルラリスを予防することができるワクチンが販売されているが、そのワクチンは、経口服用(Oral adminstration)をさせる必要があり、操作が煩雑であり、価格が高いとの欠点を有しているので、養豚場において大量に使用することができない。また、ロッソニアイントラセルラリスは成長の環境に対する要求が非常に厳しい。例えば、細胞内寄生(Intracellular parasitism)、マイクロエアロビック環境(Microaerobic environment)内の成長が求められるので、病原学(Etiology)に関する研究が迅速に発展することができない。
【0004】
動物の飼料にアンティビオティック(antibiotic)を添加することにより、動物の各疾病の発病を抑制し、畜産物(livestock products)の産量を向上させることができる。しかしながら、アンティビオティックを長期間使用すると、病原菌(pathogen)に薬物抵抗性(Drug resistance)が生じ、薬物抵抗性が畜産物から人類に転移するおそれがある。また、病原菌が空気により伝染(air-borne infection)するにより病原菌が人類に感染するおそれがある。したがって、動物が病原菌に対抗する能力を向上させ、かつアンティビオティックの濫用を減少させることができる代替方法を研究する必要がある。腸内の細菌は動物の体内の健康を維持する分野において重要な役割をしている。プロバイオティクス類の飼料添加剤を使用することにより、家畜(livestock)の生産を向上させ、動物の腸内の微生物フローラ(microbial flora)を改善し、病原菌の侵入とコロニー形成を有効に対抗し、有益のビタミンと短鎖脂肪酸(short-chain fatty acids)等の代謝産物(product of metabolism)の形成を確保し、ボディー免疫を増強させることができる。いろいろな研究によると、プロバイオティクスは、家畜の免疫のレベルと腸内の状態を向上させ、家畜の成長を大幅に促進することができる。
【0005】
以上のとおり、ロッソニアイントラセルラリスは特殊な環境において成長し、ロッソニアイントラセルラリスの成長にコストが多くかかり、ワクチン免疫(vaccine immunity)が形成されるので、豚回腸炎を容易に予防しかつ治療することができない。したがって、安全でありかつ有効であるプロバイオティクスを使用し、かつそれを飼料に添加することにより、豚回腸炎の予防の効果を向上させる必要がある。その方法は豚回腸炎の発病率を低減する1つの重要な措置である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の技術の欠点を解決するため、本発明は、ジョンソン乳酸菌とバチルスサブチリスが1:3の比例に混合されたプロバイオティクスを豚回腸炎予防用飼料の添加剤として使用することにより、豚回腸炎の感染を予防し、豚回腸炎に感染する子豚の腸管の状態を改善し、腸管の健康と成長を向上させることができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
従来の技術の欠点を解決するため、本発明はプロバイオティクスコンビネーション(Probiotics combination)を豚回腸炎予防用生物学的薬剤(biological agents)の製造に使用する方法を提供する。前記プロバイオティクスコンビネーションはジョンソン乳酸菌(Lactobacillus johnsonii)とバチルスサブチリス(Bacillus subtilis)である。
【0008】
好ましくは、ジョンソン乳酸菌とバチルスサブチリスは中国の現地の豚腸から採集するものであり、ジョンソン乳酸菌とバチルスサブチリスの質量比例は1:3である。
【0009】
好ましくは、前記プロバイオティクスコンビネーションの用量は20~150mg/kgである。
【0010】
プロバイオティクスが飼料の質量の20mg/kg~150mg/kgに占めるようにプロバイオティクスを混合することにより、ロッソニアイントラセルラリスの感染による豚回腸炎の発症を大幅に緩和することができる。
【0011】
本発明は豚回腸炎予防用生物学的薬剤を更に提供する。豚回腸炎予防用生物学的薬剤の活性成分(active ingredient)はプロバイオティクスコンビネーションを含み、前記プロバイオティクスコンビネーションはジョンソン乳酸菌(Lactobacillus johnsonii)とバチルスサブチリス(Bacillus subtilis)である。
【0012】
好ましくは、ジョンソン乳酸菌とバチルスサブチリスの質量比例は1:3である。
【0013】
好ましくは、生物学的薬剤の用量は20~150mg/kgである。
【0014】
本発明は飼料を更に提供し、その飼料にはジョンソン乳酸菌(Lactobacillus johnsonii)とバチルスサブチリス(Bacillus subtilis)が添加される。
【0015】
本発明は飼料の製造方法を更に提供し、その製造方法において前記生物学的薬剤を飼料に添加する。
【発明の効果】
【0016】
本発明の事項により下記発明の効果を奏することができる。
本発明の混合型プロバイオティクスが動物の体内に入ることにより、回腸内の病原性バクテリア(pathogenic bacterium)のコロニー形成(Colonization)を大幅に抑制、低減し、回腸炎の発病を予防し、下痢率を低減し、子豚の成長をサポートすることができる。また、炎症促進因子(proinflammatory factor)の含量を低減し、腸内炎症(intestinal inflammation)の発病を抑制することができる。混合型プロバイオティクスを子豚に投げ与えることにより、飼養期間内の子豚の成長を均等にし、いろいろな治療用薬物の用量を低減し、ひね豚(runt pig)をなくし、豚のリスティング率(Listing rate)を確保することができる。それにより、経済的収益を大幅に向上させ、養豚場(pig farm)の運営と管理を改善することができる。
【0017】
以上のとおり、プロバイオティクスの混合物は、安全であり、有効である生物学的添加剤であり、豚回腸炎の予防において幅広く使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施例に係るプロバイオティクスコンビネーションがロッソニアイントラセルラリスに感染した子豚の腸内状態とリンパ節の微視組織(Lymph node microstructure)に与える影響を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
基準材料(reference material)の購買センター(buying center)においてジョンソン乳酸菌(Lactobacillus johnsonii)N7、バチルスサブチリス(Bacillus subtilis)DE-7を購入する。ジョンソン乳酸菌の品番(article number)はCHCC135265であり、バチルスサブチリスの品番はCHCC109047である。豚回腸炎(porcine ileitis)用生ワクチン(live vaccine)はロッソニアイントラセルラリス(Lawsonia intracellularis)B3903であり、その豚回腸炎用生ワクチンをBoehringer Ingelheim会社の製品を購入することができる。
【0020】
(実施例1)
この実験において、体重が6.5kgであり、21日間育てたスリーウエー異種交配(three-way crossing)子豚(piglet)54頭を選択し、その54頭の子豚を3組に分ける。各組において同類の3頭の子豚を選択し、同類の子豚を6頭ずつ選択する。実験を始まる28日前に、対比組とLaw組(ロッソニアイントラセルラリス組)の子豚にメーズ(maize)―大豆ミール(soybean meal)型基礎食(basal diet)を投与する。プロバイオティクス(Probiotic)組の子豚には基礎食に20mg/kgの混合型プロバイオティクスを添加した飼料を投与する(ジョンソン乳酸菌とバチルスサブチリスの質量比例は1:3である)。基礎食は米国のNRC(2012)により子豚の栄養に適合するように調合するものである。28日が過ぎると、5ml/一頭の量でLaw組とプロバイオティクス組の実験用豚に豚回腸炎用生ワクチンを投与することにより豚回腸炎を患った子豚模型を形成し、各子豚の所定の期間内の下痢の状況、精神状態及び採食の状況を記録する。実験の期間に畜群飼育(Herd breeding)方法で実験用豚を飼育する。飼育場所の面積は約10平方メートルであり、飼育場所には水飲用装置と自動ペットフィーダー(automatic pet feeder)が配置されている。各飼育場所の間には10メートルの安全距離が配置され、飼育者が1つの飼育場所から他の飼育場所に移動するとき、靴カバー(shoe cover)とラボコート(Lab Coat)の着換えをすることにより飼育場所の清潔を確保する。禁食(水を楽に飲むことができる)を12hを実施した後、d-28(ロッソニアイントラセルラリスを投げ与える前の28日)、d0(ロッソニアイントラセルラリスを投げ与えることにより回腸炎に感染した子豚のモデルを形成する)、d11(ロッソニアイントラセルラリスを投げ与える11日目)の採食量と体重の増加を記録し、毎日の体重の増加(ADG)とゲイン/フィード比(G/F)を計算する。
【0021】
実験が終わると、各組において6頭を任意に選択する(同類の子豚を2頭ずつ選択する)ことにより総計18頭の子豚を選択する。つぎに、18頭の子豚を殺して病変の状態を観察する。肉眼で病変の有無と程度を観察する。具体的に、回腸粘膜の肥厚(Mucosal thickening)及び充血、懸腸膜(mesentery)の充血及び懸腸膜のリンパ節(Lymph node)の腫れを観察する。約1×1cmの回腸、コロン(colon)及び懸腸膜のリンパ節のティッシュサンプル(tissue sample)を取った後、そのティッシュサンプルを光学的顕微鏡で観察する。観察によると、ロッソニアを患った子豚は、懸腸膜が充血し、リンパ節(Lymph node)の腫大が激しくなり、回腸粘膜(Ileal mucosa)の厚さが厚くなりかつ充血が激しくなったが、プロバイオティクス組の子豚の状態が大幅に改善することを分かることができる。表1に示すとおり、ロッソニアイントラセルラリスを投げ与える28日前に、プロバイオティクス組の子豚の体重の増加が他の組よりずいぶん高いことを分かることができる。ロッソニアイントラセルラリスを投げ上げた後、プロバイオティクス組のADGはLaw組のADGより58.1%向上し,F/Gは33.5%低下し、かつプロバイオティクス組の下痢率(Diarrhea rate)が随分低下することを分かることができる。飼料にプロバイオティクスを添加することにより、子豚の回腸、コロンの腸内の状態を大幅に改善し、懸腸膜のリンパ節の数量を低減することができる。以上の結果によると、対比組の子豚の状況は他の2組の子豚より優れており、つぎはプロバイオティクス組の子豚であることを分かることができる。結果によると、飼料に20mg/kgのジョンソン乳酸菌とバチルスサブチリスを添加してえた混合型プロバイオティクスは、子豚の豚回腸炎の感染を予防し、豚回腸炎を患った子豚の腸内の状態(Intestinal state)を大幅に向上させ、下痢率を低減し、子豚の成長をサポートすることができる。
【0022】
【表1】
【0023】
(実施例2)
この実験において、体重が9.1kgであり、32日間育てたスリーウエー異種交配子豚54頭を選択し、その54頭の子豚を3組に分ける。各組において同類の3頭の子豚を選択し、同類の子豚を6頭ずつ選択する。実験を始まる28日前に、対比組とLaw組の子豚にメーズ―大豆ミール型基礎食を投与する。プロバイオティクス組の子豚には基礎食に80mg/kgの混合型プロバイオティクスを添加した飼料を投与する(ジョンソン乳酸菌とバチルスサブチリスの質量比例は1:3である)。基礎食は米国のNRC(2012)により子豚の栄養に適合するように調合するものである。28日が過ぎると、6ml/一頭の量でLaw組とプロバイオティクス組の実験用豚に豚回腸炎用生ワクチンを投与することにより豚回腸炎を患った子豚模型を形成し、各子豚の所定の期間内の下痢の状況、精神状態及び採食の状況を記録する。実験の期間に畜群飼育方法で実験用豚を飼育する。飼育場所の面積は約10平方メートルであり、飼育場所には水飲用装置と自動ペットフィーダーが配置されている。各飼育場所の間には10メートルの安全距離が配置され、飼育者が1つの飼育場所から他の飼育場所に移動するとき、靴カバーとラボコートの着換えをすることにより飼育場所の清潔を確保する。禁食(水を楽に飲むことができる)を12hを実施した後、d-28、d0、d11の採食量と体重の増加を記録し、毎日の体重の増加(ADG)とゲイン/フィード比(G/F)を計算する。
【0024】
実験が終わると、各組において6頭を任意に選択する(同類の子豚を2頭ずつ選択する)ことにより総計18頭の子豚を選択する。つぎに、18頭の子豚を殺して病変の状態を観察する。肉眼で病変の有無と程度を観察する。具体的に、回腸粘膜の肥厚及び充血、懸腸膜の充血及び懸腸膜のリンパ節の腫れを観察する。約1×1cmの回腸、コロン及び懸腸膜のリンパ節のティッシュサンプルを取った後、そのティッシュサンプルを光学的顕微鏡で観察する。観察によると(図1に示すとおり)、ロッソニアを患った子豚は、懸腸膜が充血し、リンパ節の腫大が激しくなり、回腸粘膜の厚さが厚くなりかつ充血が激しくなったが、プロバイオティクス組の子豚の状態が大幅に改善することを分かることができる。表2に示すとおり、ロッソニアイントラセルラリスを投げ与える28日前に、プロバイオティクス組の子豚の体重の増加が他の組よりずいぶん高いことを分かることができる。ロッソニアイントラセルラリスを投げ上げた後、プロバイオティクス組のADGはLaw組のADGより62.3%向上し,F/Gは42.3%低下し、かつプロバイオティクス組の下痢率が随分低下することを分かることができる。飼料にプロバイオティクスを添加することにより、子豚の回腸、コロンの腸内の状態を大幅に改善し、懸腸膜のリンパ節の数量を低減することができる。以上の結果によると、対比組の子豚の状況は他の2組の子豚より優れており、つぎはプロバイオティクス組の子豚であることを分かることができる。結果によると、飼料に80mg/kgのジョンソン乳酸菌とバチルスサブチリスを添加してえた混合型プロバイオティクスは、子豚の豚回腸炎の感染を予防し、豚回腸炎を患った子豚の腸内の状態を大幅に向上させ、下痢率を低減し、子豚の成長をサポートすることができる。
【0025】
【表2】
【0026】
(実施例3)
この実験において、体重が12.5kgであり、約40日間育てたスリーウエー異種交配子豚54頭を選択し、その54頭の子豚を3組に分ける。各組において同類の3頭の子豚を選択し、同類の子豚を6頭ずつ選択する。実験を始まる28日前に、対比組とLaw組の子豚にメーズ―大豆ミール型基礎食を投与する。プロバイオティクス組の子豚には基礎食に120mg/kgの混合型プロバイオティクスを添加した飼料を投与する(ジョンソン乳酸菌とバチルスサブチリスの質量比例は1:3である)。基礎食は米国のNRC(2012)により子豚の栄養に適合するように調合するものである。28日が過ぎると、6ml/一頭の量でLaw組とプロバイオティクス組の実験用豚に豚回腸炎用生ワクチンを投与することにより豚回腸炎を患った子豚模型を形成し、各子豚の所定の期間内の下痢の状況、精神状態及び採食の状況を記録する。実験の期間に畜群飼育方法で実験用豚を飼育する。飼育場所の面積は約10平方メートルであり、飼育場所には水飲用装置と自動ペットフィーダーが配置されている。各飼育場所の間には10メートルの安全距離が配置され、飼育者が1つの飼育場所から他の飼育場所に移動するとき、靴カバーとラボコートの着換えをすることにより飼育場所の清潔を確保する。禁食(水を楽に飲むことができる)を12hを実施した後、d-28、d0、d11の採食量と体重の増加を記録し、毎日の体重の増加(ADG)とゲイン/フィード比(G/F)を計算する。
【0027】
実験が終わると、各組において6頭を任意に選択する(同類の子豚を2頭ずつ選択する)ことにより総計18頭の子豚を選択する。つぎに、18頭の子豚を殺して病変の状態を観察する。肉眼で病変の有無と程度を観察する。具体的に、回腸粘膜の肥厚及び充血、懸腸膜の充血及び懸腸膜のリンパ節の腫れを観察する。約1×1cmの回腸、コロン及び懸腸膜のリンパ節のティッシュサンプルを取った後、そのティッシュサンプルを光学的顕微鏡で観察する。観察によると、ロッソニアを患った子豚は、懸腸膜が充血し、リンパ節の腫大が激しくなり、回腸粘膜の厚さが厚くなりかつ充血が激しくなったが、プロバイオティクス組の子豚の状態が大幅に改善することを分かることができる。表3に示すとおり、ロッソニアイントラセルラリスを投げ与える28日前に、プロバイオティクス組の子豚の体重の増加が他の組よりずいぶん高いことを分かることができる。ロッソニアイントラセルラリスを投げ上げた後、プロバイオティクス組のADGはLaw組のADGより54.3%向上し,F/Gは34.6%低下し、かつプロバイオティクス組の下痢率が随分低下することを分かることができる。飼料にプロバイオティクスを添加することにより、子豚の回腸、コロンの腸内の状態を大幅に改善し、懸腸膜のリンパ節の数量を低減することができる。以上の結果によると、対比組の子豚の状況は他の2組の子豚より優れており、つぎはプロバイオティクス組の子豚であることを分かることができる。結果によると、飼料に120mg/kgのジョンソン乳酸菌とバチルスサブチリスを添加してえた混合型プロバイオティクスは、子豚の豚回腸炎の感染を予防し、豚回腸炎を患った子豚の腸内の状態を大幅に向上させ、下痢率を低減し、子豚の成長をサポートすることができる。
【0028】
【表3】
【0029】
(実施例4)
この実験において、体重が15.3kgであり、47日間育てたスリーウエー異種交配子豚54頭を選択し、その54頭の子豚を3組に分ける。各組において同類の3頭の子豚を選択し、同類の子豚を6頭ずつ選択する。実験を始まる28日前に、対比組とLaw組の子豚にメーズ―大豆ミール型基礎食を投与する。プロバイオティクス組の子豚には基礎食に150mg/kgの混合型プロバイオティクスを添加した飼料を投与する(ジョンソン乳酸菌とバチルスサブチリスの質量比例は1:3である)。基礎食は米国のNRC(2012)により子豚の栄養に適合するように調合するものである。28日が過ぎると、7ml/一頭の量でLaw組とプロバイオティクス組の実験用豚に豚回腸炎用生ワクチンを投与することにより豚回腸炎を患った子豚模型を形成し、各子豚の所定の期間内の下痢の状況、精神状態及び採食の状況を記録する。実験の期間に畜群飼育方法で実験用豚を飼育する。飼育場所の面積は約10平方メートルであり、飼育場所には水飲用装置と自動ペットフィーダーが配置されている。各飼育場所の間には10メートルの安全距離が配置され、飼育者が1つの飼育場所から他の飼育場所に移動するとき、靴カバーとラボコートの着換えをすることにより飼育場所の清潔を確保する。禁食(水を楽に飲むことができる)を12hを実施した後、d-28、d0、d11の採食量と体重の増加を記録し、毎日の体重の増加(ADG)とゲイン/フィード比(G/F)を計算する。
【0030】
【表4】
【0031】
実験が終わると、各組において6頭を任意に選択する(同類の子豚を2頭ずつ選択する)ことにより総計18頭の子豚を選択する。つぎに、18頭の子豚を殺して病変の状態を観察する。肉眼で病変の有無と程度を観察する。具体的に、回腸粘膜の肥厚及び充血、懸腸膜の充血及び懸腸膜のリンパ節の腫れを観察する。約1×1cmの回腸、コロン及び懸腸膜のリンパ節のティッシュサンプルを取った後、そのティッシュサンプルを光学的顕微鏡で観察する。観察によると、ロッソニアを患った子豚は、懸腸膜が充血し、リンパ節の腫大が激しくなり、回腸粘膜の厚さが厚くなりかつ充血が激しくなったが、プロバイオティクス組の子豚の状態が大幅に改善することを分かることができる。表4に示すとおり、ロッソニアイントラセルラリスを投げ与える28日前に、プロバイオティクス組の子豚の体重の増加が他の組よりずいぶん高いことを分かることができる。ロッソニアイントラセルラリスを投げ上げた後、プロバイオティクス組のADGはLaw組のADGより60.7%向上し,F/Gは37.1%低下し、かつプロバイオティクス組の下痢率が随分低下することを分かることができる。飼料にプロバイオティクスを添加することにより、子豚の回腸、コロンの腸内の状態を大幅に改善し、懸腸膜のリンパ節の数量を低減することができる。以上の結果によると、対比組の子豚の状況は他の2組の子豚より優れており、つぎはプロバイオティクス組の子豚であることを分かることができる。結果によると、飼料に150mg/kgのジョンソン乳酸菌とバチルスサブチリスを添加してえた混合型プロバイオティクスは、子豚の豚回腸炎の感染を予防し、豚回腸炎を患った子豚の腸内の状態を大幅に向上させ、下痢率を低減し、子豚の成長をサポートすることができる。
図1