(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024069130
(43)【公開日】2024-05-21
(54)【発明の名称】家庭用薄葉紙収納箱
(51)【国際特許分類】
B65D 83/08 20060101AFI20240514BHJP
A47K 10/16 20060101ALI20240514BHJP
A47K 10/20 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
B65D83/08 B
A47K10/16 C
A47K10/20 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023079997
(22)【出願日】2023-05-15
(31)【優先権主張番号】P 2022179448
(32)【優先日】2022-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2022202983
(32)【優先日】2022-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000122298
【氏名又は名称】王子ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加塩 龍一
【テーマコード(参考)】
2D135
3E014
【Fターム(参考)】
2D135AA20
2D135AB03
2D135AB10
2D135AD28
3E014LB01
3E014LB03
(57)【要約】
【課題】最上位の家庭用薄葉紙を取り出し易く、しかもその取出し後は、続く家庭用薄葉紙を妨げなく取り出すことができる。
【解決手段】本発明は、家庭用薄葉紙がポップアップ式に取り出し可能に収納されている直方体形状の家庭用薄葉紙収納箱であって、天面にその長手方向へ隣接して設けられ当該長手方向と直交する幅方向の反対方向へ交互に切り開かれて谷折りされることにより当該家庭用薄葉紙の取出口を形成する複数の羽部を有し、当該各羽部には、その付け根部にそれぞれ第1の谷折り線が形成されているとともに、当該複数の羽部のうちの少なくとも一の羽部には当該第1の谷折り線よりも先端側に第2の谷折り線が形成され、当該各羽部を当該第1の谷折り線または当該第2の谷折り線で選択的に谷折りすることにより、当該取出口の開口幅と当該複数の羽部のうちの少なくとも一の羽部の天面上方への突出高さとを可変としたものである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
家庭用薄葉紙がポップアップ式に取り出し可能に収納されている直方体形状の家庭用薄葉紙収納箱であって、天面にその長手方向へ隣接して設けられ当該長手方向と直交する幅方向の反対方向へ交互に切り開かれて谷折りされることにより当該家庭用薄葉紙の取出口を形成する複数の羽部を有し、当該各羽部には、その付け根部にそれぞれ第1の谷折り線が形成されているとともに、当該複数の羽部のうちの少なくとも一の羽部には当該第1の谷折り線よりも先端側に第2の谷折り線が形成され、当該各羽部を当該第1の谷折り線または当該第2の谷折り線で選択的に谷折りすることにより、当該取出口の開口幅と当該複数の羽部のうちの少なくとも当該一の羽部の天面上方への突出高さとを可変としたことを特徴とする家庭用薄葉紙収納箱。
【請求項2】
前記第2の谷折り線は、前記各羽部にそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項1に記載の家庭用薄葉紙収納箱。
【請求項3】
前記一の羽部の前記第2の谷折り線と当該一の羽部に前記長手方向へ隣接する他の羽部の前記第2の谷折り線とは、実質的に同一直線上に位置していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の家庭用薄葉紙収納箱。
【請求項4】
前記一の羽部の前記第2の谷折り線と当該一の羽部に前記長手方向へ隣接する他の羽部の前記第2の谷折り線とは、前記幅方向に離間していると共に、各第2の谷折り線は、隣接する羽部の前記第1の谷折り線同士の幅方向における間隔の中心線よりも各羽部の前記第1の谷折り線側に位置していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の家庭用薄葉紙収納箱。
【請求項5】
前記各羽部は、その前記幅方向の長さが同一であり、前記一の羽部の前記第1の谷折り線と当該一の羽部に前記長手方向へ隣接する他の羽部の前記第1の谷折り線との前記幅方向の間隔は、当該各羽部の前記幅方向の長さと実質的に同一であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の家庭用薄葉紙収納箱。
【請求項6】
前記一の羽部の前記第2の谷折り線と前記他の羽部の前記第2の谷折り線とは、前記幅方向に離間していると共に、各第2の谷折り線は、隣接する羽部の前記第1の谷折り線同士の幅方向における間隔の中心線よりも各羽部の前記第1の谷折り線側に位置していることを特徴とする請求項5に記載の家庭用薄葉紙収納箱。
【請求項7】
前記第1の谷折り線および前記第2の谷折り線は、前記天面に凸設された折筋であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の家庭用薄葉紙収納箱。
【請求項8】
前記第1の谷折り線は、前記天面に凸設された折筋であり、前記第2の谷折り線は、前記天面に凹設された折筋であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の家庭用薄葉紙収納箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家庭用薄葉紙収納箱に関する。
【背景技術】
【0002】
ティシュペーパー、ハンドタオル、キッチンタオル等の家庭用薄葉紙がポップアップ式に取り出し可能に収納されている家庭用薄葉紙収納箱では、コストの削減や環境上の理由により、内部の家庭用薄葉紙を取り出す取出口を塞ぐスリット付きプラスチックフィルムが設けられていない、所謂フィルムレス構造のものが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1に開示されているフィルムレス構造の家庭用薄葉紙収納箱では、天面にその長手方向に隣接して設けられ当該長手方向と直交する幅方向の反対方向へ交互に切り開かれて谷折りされることにより内部の家庭用薄葉紙を取り出すことができる取出口を形成する二つの羽部を有し、当該取出口を通して内部の家庭用薄葉紙を取り出すことができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記特許文献1のような従来のフィルムレス構造の家庭用薄葉紙収納箱では、二つの羽部の長さを長くすれば、取出口を幅広に形成でき、これにより、最上位の家庭用薄葉紙の取出時に最上位の家庭用薄葉紙が摘み易くなって最上位の家庭用薄葉紙を取り出し易くすることができる。
【0006】
ところが、二つの羽部の長さを長くすると、最上位の家庭用薄葉紙を取り出し易くすることができる反面、最上位の家庭用薄葉紙の取出し後は、二つの羽部が、続く家庭用薄葉紙を挟みこむように家庭用薄葉紙収納箱の天面の上方へ高く突出して、続く家庭用薄葉紙の取り出しの妨げとなるという問題があった。
【0007】
本発明は、最上位の家庭用薄葉紙を取り出し易く、しかも最上位の家庭用薄葉紙の取出し後は、続く家庭用薄葉紙を妨げなく取り出すことができる家庭用薄葉紙収納箱を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る家庭用薄葉紙収納箱の第1形態は、家庭用薄葉紙がポップアップ式に取り出し可能に収納されている直方体形状の家庭用薄葉紙収納箱であって、天面にその長手方向へ隣接して設けられ当該長手方向と直交する幅方向の反対方向へ交互に切り開かれて谷折りされることにより当該家庭用薄葉紙の取出口を形成する複数の羽部を有し、当該各羽部には、その付け根部にそれぞれ第1の谷折り線が形成されているとともに、当該複数の羽部のうちの少なくとも一の羽部には当該第1の谷折り線よりも先端側に第2の谷折り線が形成され、当該各羽部を前記第1の谷折り線または当該第2の谷折り線で選択的に谷折りすることにより、当該取出口の開口幅と当該複数の羽部のうちの少なくとも当該一の羽部の天面上方への突出高さとを可変としたことを特徴とするものである。
【0009】
この構成により、最上位の家庭用薄葉紙の取出時には、各羽部をそれぞれ第1の谷折り線で谷折りすれば、取出口を幅広に形成でき、これによって、最上位の家庭用薄葉紙が摘み易くなって最上位の家庭用薄葉紙を取り出し易くすることができる。
【0010】
また、最上位の家庭用薄葉紙の取出し後は、複数の羽部のうちの少なくとも一の羽部を第2の谷折り線で谷折りすれば、当該一の羽部の天面上方への突出高さが低くなって、当該一の羽部が続く家庭用薄葉紙の取り出しの妨げとならないようにすることができ、これによって、続く家庭用薄葉紙を妨げなく取り出すことができる。
【0011】
本発明に係る家庭用薄葉紙収納箱の第2形態は、前記第2の谷折り線は、前記各羽部にそれぞれ形成されていることを特徴とする第1形態として記載のものである。
【0012】
この構成により、最上位の家庭用薄葉紙の取出し後、各羽部をそれぞれ第2の谷折り線で谷折りすれば、各羽部共、天面上方への突出高さが低くなり、当該各羽部が続く家庭用薄葉紙の取り出しの妨げとならないようにすることができ、これによって、続く家庭用薄葉紙をより妨げなく取り出すことができる。
【0013】
本発明に係る家庭用薄葉紙収納箱の第3形態は、前記一の羽部の前記第2の谷折り線と当該一の羽部に前記長手方向へ隣接する他の羽部の前記第2の谷折り線とは、実質的に同一直線上に位置していることを特徴とする第1形態または第2形態として記載のものである。
【0014】
この構成により、最上位の家庭用薄葉紙の取出し後は、一の羽部と当該一の羽部に隣接する他の羽部とをそれぞれ第2の谷折り線で谷折りすることにより、続く家庭用薄葉紙を当該一の羽部と当該他の羽部によって確実に挟み込んでより安定して保持することができ、これにより家庭用薄葉紙の残量が少なくなったときの家庭用薄葉紙のドロップバックをより確実に防止することができる。
【0015】
本発明に係る家庭用薄葉紙収納箱の第4形態は、前記一の羽部の前記第2の谷折り線と当該一の羽部に前記長手方向へ隣接する他の羽部の前記第2の谷折り線とは、前記幅方向に離間していると共に、各第2の谷折り線は、隣接する羽部の前記第1の谷折り線同士の幅方向における間隔の中心線よりも各羽部の前記第1の谷折り線側に位置していることを特徴とする第1形態または第2形態として記載のものである。
【0016】
この構成により、最上位の家庭用薄葉紙の取出し後は、一の羽部と当該一の羽部に長手方向へ隣接する他の羽部とをそれぞれ第2の谷折り線で谷折りすることにより、前記第3形態と比較して、続く家庭用薄葉紙の取出し抵抗が低減されて、続く家庭用薄葉紙を円滑に取り出すことができる。
【0017】
本発明に係る家庭用薄葉紙収納箱の第5形態は、前記各羽部は、その前記幅方向の長さが同一であり、前記一の羽部の前記第1の谷折り線と当該一の羽部に前記長手方向へ隣接する他の羽部の前記第1の谷折り線との前記幅方向の間隔は、前記各羽部の前記幅方向の長さと実質的に同一であることを特徴とする第1形態または第2形態に記載のものである。
【0018】
この構成により、最上位の家庭用薄葉紙の取出時には、各羽部をそれぞれ第1の谷折り線で谷折りすれば、取出口を可及的に幅広に形成でき、これによって、最上位の家庭用薄葉紙がより摘み易くなって最上位の家庭用薄葉紙をより取り出し易くすることができる。
【0019】
本発明に係る家庭用薄葉紙収納箱の第6形態は、前記一の羽部の前記第2の谷折り線と前記他の羽部の前記第2の谷折り線とは、前記幅方向に離間していると共に、各第2の谷折り線は、隣接する羽部の前記第1の谷折り線同士の幅方向における間隔の中心線よりも各羽部の前記第1の谷折り線側に位置していることを特徴とする第5形態として記載のものである。
【0020】
この構成により、第5形態と同様に、最上位の家庭用薄葉紙をより取り出し易くすることができるだけでなく、最上位の家庭用薄葉紙の取出し後は、第4形態と同様に、続く家庭用薄葉紙を円滑に取り出すことができる。
【0021】
本発明に係る家庭用薄葉紙収納箱の第7形態は、前記第1の谷折り線および前記第2の谷折り線は、前記天面に凸設された折筋であることを特徴とする第1形態乃至第6形態のいずれかの形態として記載のものである。
【0022】
この構成により、各羽部が第1の谷折り線または前記第2の谷折り線で谷折りし易く、家庭用薄葉紙の取出し作業性を向上することができる。
【0023】
本発明に係る家庭用薄葉紙収納箱の第8形態は、前記第1の谷折り線は、前記天面に凸設された折筋であり、前記第2の谷折り線は、前記天面に凹設された折筋であることを特徴とする第1形態乃至第6形態のいずれかのいずれか形態として記載のものである。
【0024】
この構成により、各羽部を第1の谷折り線で谷折りし易く、最上位の家庭用薄葉紙の取出し作業性を向上することができる。また、最上位の家庭用薄葉紙を取出した後、羽部を第2の谷折り線で谷折りした状態では、第2の谷折り線を境として羽部の先端側に傾倒モーメントが作用し、最上位の家庭用薄葉紙に続く家庭用薄葉紙の保持性を向上することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、最上位の家庭用薄葉紙の取出時には、各羽部をそれぞれ第1の谷折り線で谷折りすれば、取出口を幅広に形成でき、これによって、最上位の家庭用薄葉紙が摘み易くなって最上位の家庭用薄葉紙を取り出し易くすることができる。また、最上位の家庭用薄葉紙の取出し後は、複数の羽部のうちの少なくとも一の羽部を第2の谷折り線で谷折りすれば、当該一の羽部の天面上方への突出高さが低くなって、当該一の羽部が続く家庭用薄葉紙の取り出しの妨げとならないようにすることができ、これによって、続く家庭用薄葉紙を妨げなく取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る開封前の家庭用薄葉紙収納箱の全体斜視図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係る家庭用薄葉紙収納箱の展開図である。
【
図4】本発明の第1実施形態の第1変形例に係る、展開した家庭用薄葉紙収納箱の断面図であり、
図2のIII-III方向断面図である。
【
図5】本発明の第1実施形態に係る、家庭用薄葉紙収納箱の蓋部付近の拡大平面図である。
【
図6】本発明の第1実施形態に係る、開封して内部の家庭用薄葉紙を取り出す際の家庭用薄葉紙収納箱の全体斜視図である。
【
図7】本発明の第1実施形態の第2変形例に係る、家庭用薄葉紙収納箱の蓋部付近の拡大平面図である。
【
図8】本発明の第2実施形態に係る、家庭用薄葉紙収納箱の蓋部付近の拡大平面図である。
【
図9】本発明の第2実施形態に係る、開封して内部の家庭用薄葉紙を取り出す際の家庭用薄葉紙収納箱の全体斜視図である。
【
図10】本発明の第2実施形態の変形例に係る、家庭用薄葉紙収納箱の蓋部付近の拡大平面図である。
【
図11】本発明の第3実施形態に係る、家庭用薄葉紙収納箱の蓋部付近の拡大平面図である。
【
図12】本発明の第3実施形態に係る、開封して内部の家庭用薄葉紙を取り出す際の家庭用薄葉紙収納箱の全体斜視図である。
【
図13】本発明の第4実施形態に係る、家庭用薄葉紙収納箱の蓋部付近の拡大平面図である。
【
図14】本発明の第4実施形態に係る、開封して内部の家庭用薄葉紙を取り出す際の家庭用薄葉紙収納箱の全体斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、
図1から
図14を参照しながら本発明を実施するための形態を詳細に説明する。但し、本発明は本形態の態様に限定されるものではない。
【0028】
なお、本明細書および特許請求の範囲の記載において、本発明に係る家庭用薄葉紙収納箱の場合、「高さ方向」とは家庭用薄葉紙収納箱の内フラップが折れ曲がるための縁辺と平行な方向、「幅方向」とは家庭用薄葉紙収納箱の外フラップが折れ曲がるための縁辺と平行な方向、「長手方向」とは家庭用薄葉紙収納箱の内フラップの表面に直交する方向、をそれぞれ指すものとして参照される。「高さ方向」、「幅方向」、および「長手方向」はそれぞれ直交するものとする。
【0029】
また、本明細書および特許請求の範囲の記載において、「矩形」とは、長方形のほか正方形を含むものであり、「直方体」とは、直方体、略直方体のほか立方体、略立方体も含むものである。
【0030】
そして、本明細書および特許請求の範囲の記載において、「幅方向の反対方向へ交互に切り開かれて谷折りされる」とは、当該幅方向に直交して延びている谷折り線において谷折りする構成(
図5、
図8、および
図13を参照)だけでなく、当該幅方向に交差して延びている谷折り線において谷折りする構成も含むものである(
図7、
図10、および
図11を参照)。
【0031】
さらに、本明細書および特許請求の範囲の記載において、「取出口の開口幅」とは、各羽部を第1の谷折り線または第2の谷折り線にて谷折りしたときに形成される取出口の幅方向の長さを指すものとして参照される。
【0032】
加えて、本明細書の記載において、「平行」とは、平行および略平行を含むものであり、「直交」とは、直交および略直交を含むものである。
【0033】
<第1実施形態>
<構造>
図1は本発明の第1実施形態に係る開封前の家庭用薄葉紙収納箱10の全体斜視図であり、
図2は本実施形態に係る家庭用薄葉紙収納箱10の展開図であり、
図3は
図2のIII-III方向断面図である。また、
図5は本実施形態に係る、家庭用薄葉紙収納箱10の蓋部16付近の拡大平面図であり、
図6は本実施形態に係る、開封して内部の家庭用薄葉紙Pを取り出す際の家庭用薄葉紙収納箱10の全体斜視図である。
【0034】
本実施形態に係る家庭用薄葉紙収納箱10は、直方体形状を呈しており、その内部には家庭用薄葉紙(以下、家庭用薄葉紙の一例であるティシュペーパーとする)Pが交互に折り畳まれて積層された家庭用薄葉紙束が収納されている。なお、本発明に係る家庭用薄葉紙収納箱には、ティシュペーパーのほか、ハンドタオル、キッチンタオル等の家庭用薄葉紙が収納され適用されうる。
【0035】
本実施形態に係る家庭用薄葉紙収納箱10は、
図1および
図2に示すように、天面11および底面13の2つの対向する矩形の面部、一対の対向する矩形の第1側面12、14、一対の対向する矩形の第2側面21、22、を備えて構成される。
【0036】
本実施形態では、
図1および
図2に示すように、第2側面21は、2つの内フラップ121、141と、上フラップ111および下フラップ131の2つの外フラップとで構成されており、第2側面22は、第2側面21の構成と同様に、2つの内フラップ122、142と、上フラップ112および下フラップ132の2つの外フラップとで構成される。
【0037】
また、本実施形態に係る家庭用薄葉紙収納箱10では、上フラップ111は、
図1および
図2に示すように、下フラップ131に一部重なるように配置されており、上フラップ112は、下フラップ132に一部重なるように配置されている。それら重なった部分は、接着剤等によって接着されている。
【0038】
天面11は、相互に平行な第1縁辺L1および第2縁辺L2と、第1縁辺L1と直交する相互に平行な第5縁辺L5および第6縁辺L6と、を有する。
【0039】
一対の第1側面12、14のうち一方の第1側面12は、第1縁辺L1と平行な第3縁辺L3と、第1縁辺L1と直交する相互に平行な第7縁辺L7および第8縁辺L8と、を有し、第1縁辺L1から延びて直角に折れ曲がっている。
【0040】
底面13は、第3縁辺L3と平行な第4縁辺L4と、第3縁辺L3と直交する相互に平行な第9縁辺L9および第10縁辺L10と、を有しており、第3縁辺L3から延び、直角に折れ曲がって天面11と対向している。
【0041】
一対の第1側面12、14のうち他方の第1側面14は、第2縁辺L2と直交する相互に平行な第11縁辺L11および第12縁辺L12を有し、第2縁辺L2から延び、直角に折れ曲がって第1側面12と対向している。
【0042】
内フラップ121は、第1側面12の第7縁辺L7から延びて直角に折れ曲がり、内フラップ122は、第1側面12の第8縁辺L8から延び、直角に折れ曲がって内フラップ121と対向している。また、内フラップ141は、第1側面14の第11縁辺L11から延びて直角に折れ曲がり、内フラップ142は、第1側面14の第12縁辺L12から延び、直角に折れ曲がって内フラップ141と対向している。
【0043】
上フラップ111は、天面11の第5縁辺L5から延びて直角に折れ曲がっており、上フラップ112は、天面11の第6縁辺L6から延び、直角に折れ曲がって上フラップ111と対向している。また、下フラップ131は、底面13の第9縁辺L9から延びて直角に折れ曲がっており、下フラップ132は、底面13の第10縁辺L10から延び、直角に折れ曲がって下フラップ131と対向している。
【0044】
本実施形態では、天面11にミシン目CL、第1の谷折り線FL1、および第2の谷折り線FL2を形成することによって、天面11に第1の羽部161および第2の羽部162を有する蓋部16が設けられている。使用者が、天面11に形成されたミシン目CLを破断し、蓋部16としての各羽部161、162を第1の谷折り線FL1または第2の谷折り線FL2にて谷折りすることによって、天面11には取出口16oが形成される。
【0045】
本実施形態では、
図3に示すように、第1の羽部161の第1の谷折り線FL1および第2の谷折り線FL2は、天面11に凸設された折筋prである。本実施形態では、
図3に示すように、第1の谷折り線FL1および第2の谷折り線FL2の凸設された折筋prはそれぞれ、天面11の外面側に凸であり窪みgを有する。第2の羽部162の第1の谷折り線FL1および第2の谷折り線FL2についても同様である。
【0046】
この構成により、各羽部161、162が第1の谷折り線FL1または第2の谷折り線FL2で谷折りし易く、家庭用薄葉紙Pの取出し作業性を向上することができる。なお、当該構成は、後述の第2から第4実施形態、およびそれらの変形例の第1の谷折り線FL1または第2の谷折り線FL2に適用可能である。
【0047】
図4は本実施形態の第1変形例に係る、展開した家庭用薄葉紙収納箱の断面図であり、
図2のIII-III方向断面図である。本変形例に係る家庭用薄葉紙収納箱10を構成する各要素のうち、同様の機能を有するものについては、第1実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0048】
本実施形態の第1変形例では、
図4に示すように、第1の羽部161の第1の谷折り線FL1は、天面11に凸設された折筋prであり、第2の谷折り線FL2は、天面11に凹設された折筋reである。本変形例では、
図4に示すように、第1の谷折り線FL1の凸設された折筋prは、天面11の外面側に凸であり窪みgを有し、第2の谷折り線FL2の凹設された折筋reは、天面11の外面側に凹であり窪みgを有する。第2の羽部162の第1の谷折り線FL1および第2の谷折り線FL2についても同様である。
【0049】
この構成により、各羽部161、162を第1の谷折り線FL1で谷折りし易く、最上位の家庭用薄葉紙Pの取出し作業性を向上することができる。また、最上位の家庭用薄葉紙Pを取出した後、羽部161(または162)を第2の谷折り線FL2で谷折りした状態では、第2の谷折り線FL2を境として羽部161(または162)の先端側に傾倒モーメントが作用し、最上位の家庭用薄葉紙Pに続く家庭用薄葉紙Pの保持性を向上することができる。なお、当該構成は、後述の第2から第4実施形態、およびそれらの変形例の第1の谷折り線FL1または第2の谷折り線FL2に適用可能である。
【0050】
本実施形態やその第1変形例において、天面11に凸設された折筋prの窪みgおよび凹設された折筋reの窪みgは、例えば0.3mm程度である。本発明では、第1の谷折り線FL1の凸設された折筋prの窪みg、第2の谷折り線FL1の凸設された折筋prの窪みg、第2の谷折り線FL1の凹設された折筋reの窪みgは、同じでもいいし、異ならせてもよい。また、凸設された折筋prは、各羽部161、162の各谷折り線FL1(および/またはFL2)に沿って押圧部材を天面11の内面側から型押しして形成され得、凹設された折筋reは、各羽部161、162の各谷折り線FL2に沿って押圧部材を天面11の外面側から型押しして形成され得る。
【0051】
本実施形態では、天面11のみにミシン目CLが形成されているが、これに限られず、例えば、家庭用薄葉紙収納箱10に収納された家庭用薄葉紙Pを取り出しやすくすることを目的とした底側から持ち上げるための舌片(リフトアップ機能部)を底面13に形成するために、底面13の一部にミシン目を設けてもよい。
【0052】
本発明に係る家庭用薄葉紙収納箱10は、
図1および
図2に示すように、家庭用薄葉紙Pがポップアップ式に取り出し可能に(一組一組交互に折重ねられ継続して箱から取り出し可能に)収納されている直方体形状の家庭用薄葉紙収納箱10であって、天面11にその長手方向へ隣接して設けられ長手方向と直交する幅方向の反対方向へ交互に切り開かれて谷折りされることにより家庭用薄葉紙Pの取出口16oを形成する複数の羽部(第1実施形態では第1の羽部161および第2の羽部162)を有し、各羽部には、その付け根部にそれぞれ第1の谷折り線FL1が形成されているとともに、当該複数の羽部のうちの少なくとも一の羽部には第1の谷折り線FL1よりも先端側に第2の谷折り線FL2が形成され、当該各羽部を第1の谷折り線FL1または第2の谷折り線FL2で選択的に谷折りすることにより、取出口16oの開口幅と当該複数の羽部のうちの少なくとも当該一の羽部の天面11上方への突出高さとを可変としたものである。
【0053】
この構成により、最上位の家庭用薄葉紙Pの取出時には、各羽部(第1実施形態では第1の羽部161および第2の羽部162)をそれぞれ第1の谷折り線FL1で谷折りすれば、取出口16oを幅広に形成でき、これによって、最上位の家庭用薄葉紙Pが摘み易くなって最上位の家庭用薄葉紙Pを取り出し易くすることができる。
【0054】
また、最上位の家庭用薄葉紙Pの取出し後は、複数の羽部(第1実施形態では第1の羽部161および第2の羽部162)のうちの少なくとも当該一の羽部を第2の谷折り線FL2で谷折りすれば、当該一の羽部の天面上方への突出高さが低くなって、当該一の羽部が続く家庭用薄葉紙Pの取り出しの妨げとならないようにすることができ、これによって、続く家庭用薄葉紙Pを妨げなく取り出すことができる。
【0055】
本実施形態に係る家庭用薄葉紙収納箱10では、より具体的には、
図1および
図2に示すように、第2の谷折り線FL2は、各羽部161、162にそれぞれ形成されている。
【0056】
この構成により、最上位の家庭用薄葉紙Pの取出し後、各羽部161、162をそれぞれ第2の谷折り線FL2で谷折りすれば、各羽部161、162共、天面上方への突出高さが低くなり、当該各羽部161、162が続く家庭用薄葉紙Pの取り出しの妨げとならないようにすることができ、これによって、続く家庭用薄葉紙Pをより妨げなく取り出すことができる。
【0057】
また、本実施形態に係る家庭用薄葉紙収納箱10では、より具体的には、
図1、
図2、および
図5に示すように、複数の羽部161、162のうち、一の羽部161の第2の谷折り線FL2と一の羽部161に長手方向へ隣接する他の羽部162の第2の谷折り線FL2とは、実質的に同一直線上に位置している。
【0058】
この構成により、最上位の家庭用薄葉紙Pの取出し後は、第1の羽部161と第1の羽部161に隣接する第2の羽部162とをそれぞれ第2の谷折り線FL2で谷折りすることにより、続く家庭用薄葉紙Pを第1の羽部161と第2の羽部162によって確実に挟み込んでより安定して保持することができ(
図6を参照)、これにより家庭用薄葉紙Pの残量が少なくなったときの家庭用薄葉紙Pのドロップバックをより確実に防止することができる。
【0059】
<家庭用薄葉紙収納箱のブランクシート>
図2に示されるように、本実施形態における家庭用薄葉紙収納箱10のブランクシート(単にブランクともいう)10Bにおいて、第1側面12は、天面11に折り曲げ線L1(第1縁辺)を介して接続されており、底面13は、第1側面12に折り曲げ線L3(第3縁辺)を介して接続されており、第1側面14は、天面11に折り曲げ線L2(第2縁辺)を介して接続されている。
【0060】
内フラップ121は、第1側面12に折り曲げ線L7(第7縁辺)を介して接続されており、内フラップ122は、第1側面12に折り曲げ線L8(第8縁辺)を介して接続されている。内フラップ141は、第1側面14に折り曲げ線L11(第11縁辺)を介して接続されており、内フラップ142は、第1側面14に折り曲げ線L12(第12縁辺)を介して接続されている。
【0061】
上フラップ111は、天面11に折り曲げ線L5(第5縁辺)を介して接続されており、上フラップ112は、天面11に折り曲げ線L6(第6縁辺)を介して接続されている。また、下フラップ131は、底面13に折り曲げ線L9(第9縁辺)を介して接続されており、下フラップ132は、底面13に折り曲げ線L10(第10縁辺)を介して接続されている。
【0062】
本実施形態に係るブランクシート10Bは、底面13と第1側面14とを繋ぐための継ぎ代15を備える。継ぎ代15は、折り曲げ線L4(第4縁辺)を介して底面13と接続されている。尚、本発明では、継ぎ代15は、底面13ではなく、第1側面14から接続されても良い。
【0063】
本実施形態に係るブランクシート10Bでは、
図2に示すように、天面11にその長手方向へ隣接して設けられ長手方向と直交する幅方向の反対方向へ交互に切り開かれて谷折りされることにより家庭用薄葉紙Pの取出口16oを形成する第1の羽部161、第2の羽部162を有するように、また、各羽部161、162がその付け根部およびそれより先端側にて谷折りできるように、ミシン目CL、第1の谷折り線FL1、および第2の谷折り線FL2が形成されている。
【0064】
本実施形態では、
図2および
図5に示すように、概して天面11にミシン目CL(後述の第1乃至第3のミシン目CL1~CL3)を略逆S字状に形成することによって第1の羽部161および第2の羽部162を有する蓋部16が設けられている。より具体的には、第1の羽部161は、
図5に示すように、湾曲した第1のミシン目CL1と、幅方向と平行な直線形状の第2のミシン目CL2と、第1の谷折り線FL1とで囲まれた領域を有し、当該領域内には、先端と第1の谷折り線FL1の間に第1の谷折り線FL1と平行に第2の谷折り線FL2が形成されている。第2の羽部162は、
図5に示すように、湾曲した第3のミシン目CL3と、幅方向と平行な直線形状の直線形状の第2のミシン目CL2と、第1の谷折り線FL1とで囲まれた領域を有し、当該領域内には、先端と第1の谷折り線FL1の間に第1の谷折り線FL1と平行に第2の谷折り線FL2が形成されている。そして、第1の羽部161の第2の谷折り線FL2と、第2の羽部162の第2の谷折り線FL2とは、一直線状に配置されている。なお、第1の谷折り線FL1および第2の谷折り線FL2は
図7に示される第1実施形態の第2変形例のように、家庭用薄葉紙収納箱10の長手方向に対して傾斜するように形成されていてもよい。
図7は、本発明の第1実施形態の第2変形例に係る、家庭用薄葉紙収納箱10の蓋部16’付近の拡大平面図である。本変形例に係る家庭用薄葉紙収納箱10を構成する各要素のうち、同様の機能を有するものについては、第1実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。本変形例では、
図7に示すように、概して天面11にミシン目CL(後述の第1乃至第3のミシン目CL1~CL3)を略逆S字状に形成することによって第1の羽部161’および第2の羽部162’を有する蓋部16’が設けられている。より具体的には、第1の羽部161’は、
図7に示すように、湾曲した第1のミシン目CL1と、幅方向と平行な直線形状の第2のミシン目CL2と、長手方向に対して傾斜している第1の谷折り線FL1とで囲まれた領域を有し、当該領域内には、先端と第1の谷折り線FL1の間に第1の谷折り線FL1と平行に第2の谷折り線FL2が形成されている。第2の羽部162’は、
図7に示すように、湾曲した第3のミシン目CL3と、幅方向と平行な直線形状の直線形状の第2のミシン目CL2と、長手方向に対して傾斜している第1の谷折り線FL1とで囲まれた領域を有し、当該領域内には、先端と第1の谷折り線FL1の間に第1の谷折り線FL1と平行に第2の谷折り線FL2が形成されている。そして、第1の羽部161’の第2の谷折り線FL2と、第2の羽部162’の第2の谷折り線FL2とは、長手方向に対して傾斜し一直線状に配置されている。この構成により、取出口16oが家庭用薄葉紙収納箱10の長手方向に対して傾斜するため、家庭用薄葉紙Pの残量が少なくなったときの家庭用薄葉紙Pのドロップバックをより効果的に防止することができる。
【0065】
従来、家庭用薄葉紙がポップアップ式に取り出し可能に収納されている家庭用薄葉紙収納箱では、コストの削減や環境上の理由により、内部の家庭用薄葉紙を取り出す取出口を塞ぐスリット付きプラスチックフィルムが設けられていない、所謂フィルムレス構造のものが知られている。
【0066】
例えば、特許文献1に開示されているフィルムレス構造の家庭用薄葉紙収納箱では、天面にその長手方向に隣接して設けられ当該長手方向と直交する幅方向の反対方向へ交互に切り開かれて谷折りされることにより内部の家庭用薄葉紙を取り出すことができる取出口を形成する二つの羽部を有し、当該取出口を通して内部の家庭用薄葉紙を取り出すことができるようになっている。
【0067】
ところで、上記特許文献1のような従来のフィルムレス構造の家庭用薄葉紙収納箱では、二つの羽部の長さを長くすれば、取出口を幅広に形成でき、これにより、最上位の家庭用薄葉紙の取出時に最上位の家庭用薄葉紙が摘み易くなって最上位の家庭用薄葉紙を取り出し易くすることができる。
【0068】
ところが、二つの羽部の長さを長くすると、最上位の家庭用薄葉紙を取り出し易くすることができる反面、最上位の家庭用薄葉紙の取出し後は、二つの羽部が、続く家庭用薄葉紙を挟みこむように家庭用薄葉紙収納箱の天面の上方へ高く突出して、続く家庭用薄葉紙の取り出しの妨げとなるという問題があった。
【0069】
本実施形態によれば、最上位の家庭用薄葉紙Pの取出時には、各羽部161、162をそれぞれ第1の谷折り線FL1で谷折りすれば、取出口16oを幅広に形成でき、これによって、最上位の家庭用薄葉紙Pが摘み易くなって最上位の家庭用薄葉紙Pを取り出し易くすることができる。また、最上位の家庭用薄葉紙Pの取出し後は、第1の羽部161、第2の羽部162のうちの少なくとも一の羽部を第2の谷折り線FL2で谷折りすれば、当該一の羽部の天面上方への突出高さが低くなって、当該一の羽部が続く家庭用薄葉紙Pの取り出しの妨げとならないようにすることができ、これによって、続く家庭用薄葉紙Pを妨げなく取り出すことができる。
【0070】
さらに、本実施形態では、家庭用薄葉紙Pを使用しないときには、第1の羽部161、第2の羽部162を閉じて取出口16oを塞げば、取出口16oからのごみや塵埃の侵入を防止でき、内部の家庭用薄葉紙Pを衛生的に保つことができる。
【0071】
なお、本実施形態では、第1の羽部161の第2の谷折り線FL2と、第2の羽部162の第2の谷折り線FL2とは、一直線状に配置しているが、これに限らず、本発明では、次に説明する第2実施形態のように、第1の羽部161の第2の谷折り線FL2と第2の羽部162の第2の谷折り線FL2とを幅方向に離間すると共に、各第2の谷折り線FL2が、隣接する羽部の第1の谷折り線FL1同士の幅方向における間隔の中心線よりも各羽部の第1の谷折り線FL1側に位置するように設けるようにしてもよい(後述の
図8、
図9、および
図10を参照)。
【0072】
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態では、取出口を形成するための羽部の形状を第1実施形態と異ならせている。
【0073】
図8は本実施形態に係る、家庭用薄葉紙収納箱10’の蓋部16’’付近の拡大平面図であり、
図9は本実施形態に係る、開封して内部の家庭用薄葉紙Pを取り出す際の家庭用薄葉紙収納箱10’の全体斜視図である。本実施形態に係る家庭用薄葉紙収納箱10’を構成する各要素のうち、同様の機能を有するものについては、第1実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0074】
本実施形態に係る家庭用薄葉紙収納箱10’では、より具体的には、
図8および
図9に示すように、各羽部161’’、162’’は、その幅方向の長さ(その先端からの第1の谷折り線FL1までの距離)が同一であり、第1の羽部161’’、 第2の羽部162’’のうち、一の羽部の第1の谷折り線FL1と当該一の羽部に隣接する他の羽部の第1の谷折り線FL1との幅方向の間隔(すなわち当該2本の第1の谷折り線FL1の間隔)は、各羽部161’’、162’’の幅方向の長さと実質的に同一である(
図8中のdで表される長さを参照)。本実施形態では、蓋部16’’は、第1実施形態と同様に、
図8に示すように、湾曲状の第1のミシン目CL1、幅方向に平行に延びている直線状の第2のミシン目CL2、および湾曲状の第3のミシン目CL3で構成される略逆S字形状のミシン目、並びに、第1の谷折り線FL1および第2の谷折り線FL2で形成された第1の羽部161’’と第2の羽部162’’を含んで構成される。
【0075】
この構成により、最上位の家庭用薄葉紙Pの取出時には、各羽部161’’、162’’をそれぞれ第1の谷折り線FL1で谷折りすれば、取出口16o’を可及的に幅広に形成でき、これによって、最上位の家庭用薄葉紙Pがより摘み易くなって最上位の家庭用薄葉紙Pをより取り出し易くすることができる。
【0076】
また、本実施形態では、第1の羽部161’’の第2の谷折り線FL2と第2の羽部162’’の第2の谷折り線FL2とは、幅方向に離間していると共に、各第2の谷折り線FL2は、隣接する羽部の第1の谷折り線FL1同士の幅方向における間隔の中心線よりも各羽部の第1の谷折り線FL1側に位置している(
図8、
図9や後述の
図10を参照)。
【0077】
この構成により、最上位の家庭用薄葉紙Pの取出し後は、各羽部161’’、162’’をそれぞれ第2の谷折り線FL2で谷折りすることにより、第1実施形態と比較して、続く家庭用薄葉紙Pの取出し抵抗が低減されて、続く家庭用薄葉紙Pを円滑に取り出すことができる。
【0078】
また、本実施形態では、各羽部161’’、162’’の第2の谷折り線FL2からその先端側の長さが、一の羽部(第1の羽部161’’または第2の羽部162’’)の第2の谷折り線FL2と当該一の羽部に隣接する他の羽部(第2の羽部162’’または第1の羽部161’’)の第2の谷折り線FL2との幅方向の間隔よりも大きい。
【0079】
この構成により、最上位の家庭用薄葉紙Pの取出し後は、第1の羽部161’’および第2の羽部162’’を第2の谷折り線FL2で谷折りして天面11からその上方へ斜めに立ち上げることにより、続く家庭用薄葉紙Pを第1の羽部161’’と第2の羽部162’’によって確実に挟み込んでより安定して保持することができる(
図9を参照)。
【0080】
なお、本実施形態では、第1の羽部161’’の第1の谷折り線FL1と第2の羽部162’’の第1の谷折り線FL1との幅方向の間隔を各羽部161’’、162’’の長さと実質的に同一とするとともに、第1の羽部161’’の第2の谷折り線FL2と第2の羽部162’’の第2の谷折り線FL2とを幅方向に離間するように設けたが、これに限らず、第1の羽部161’’の第1の谷折り線FL1と第2の羽部162’’の第1の谷折り線FL1との幅方向の間隔を各羽部161’’、162’’の長さと実質的に同一として、第1の羽部161’’の第2の谷折り線FL2と第2の羽部162’’の第2の谷折り線FL2とを実質的に同一直線上に位置するように設けるようにしてもよい。
【0081】
また、第1の谷折り線FL1および第2の谷折り線FL2は
図10に示される第2実施形態の変形例のように、家庭用薄葉紙収納箱10’の長手方向に対して傾斜するように形成されていてもよい。
【0082】
図10は、本発明の第2実施形態の変形例に係る、家庭用薄葉紙収納箱10’の蓋部16’’’付近の拡大平面図である。本変形例に係る家庭用薄葉紙収納箱10’を構成する各要素のうち、同様の機能を有するものについては、第2実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。本変形例では、
図10に示すように、各羽部161’’’、162’’’は、その長さ(その先端からの第1の谷折り線FL1までの距離)が同一であり、第1の羽部161’’’、 第2の羽部162’’’のうち、一の羽部の第1の谷折り線FL1と当該一の羽部に隣接する他の羽部の第1の谷折り線FL1との間隔は、各羽部161’’’、162’’’の当該長さと実質的に同一である(
図10中のd’で表される長さを参照)。本変形例では、蓋部16’’’は、第1実施形態の変形例と同様に、
図10に示すように、湾曲状の第1のミシン目CL1、幅方向に平行に延びている直線状の第2のミシン目CL2、および湾曲状の第3のミシン目CL3で構成される略逆S字形状のミシン目、並びに、長手方向に対して傾斜している第1の谷折り線FL1および第2の谷折り線FL2で形成された第1の羽部161’’’と第2の羽部162’’’を含んで構成される。この構成により、取出口16o’が家庭用薄葉紙収納箱10の長手方向に対して傾斜するため、家庭用薄葉紙Pの残量が少なくなったときの家庭用薄葉紙Pのドロップバックをより効果的に防止することができる。
【0083】
<第3実施形態>
本発明の第3実施形態では、取出口を形成するための羽部の形状、ミシン目、谷折り線それぞれの配置や構成を第1実施形態と異ならせており、概して、第1の谷折り線FL1と第2の谷折り線FL2との間の間隔が長手方向端部側から長手方向中央部側へ向けて徐々に狭くなるように、第2の谷折り線FL2を第1の谷折り線FL1に対して傾斜させている。
【0084】
図11は本実施形態に係る、家庭用薄葉紙収納箱10’’の蓋部16’’’’付近の拡大平面図であり、
図12は本実施形態に係る、開封して内部の家庭用薄葉紙Pを取り出す際の家庭用薄葉紙収納箱10’’の全体斜視図である。本実施形態に係る家庭用薄葉紙収納箱10’’を構成する各要素のうち、同様の機能を有するものについては、第1実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0085】
本実施形態では、蓋部16’’’’は、
図11に示すように、湾曲状の第1のミシン目CL1、直線状の第2のミシン目(後述の共通のミシン目)CL2、および湾曲状の第3のミシン目CL3で構成される略S字形状のミシン目、並びに、後述する構成を有する第1の谷折り線FL1および第2の谷折り線FL2で形成された第1の羽部161’’’’と第2の羽部162’’’’を含んで構成される。
【0086】
より具体的には、本実施形態に係る家庭用薄葉紙収納箱10’’は、
図11および
図12に示すように、各羽部161’’’’、162’’’’において、第1の谷折り線FL1と第2の谷折り線FL2との間の間隔が長手方向端部側から長手方向中央部側へ向けて徐々に狭くなるとともに、第2の谷折り線FL2の長手方向中央部側の端部A1(またはA2)が、第1の谷折り線FL1と隣接する羽部の第2の谷折り線FL2との間に位置するように、第2の谷折り線FL2が第1の谷折り線FL1に対して傾斜するものである。ここで、第1の羽部161’’’’の第2の谷折り線FL2において、第2のミシン目CL2との交わる部分であり長手方向中央部側の端部をA1部、第1のミシン目CL1との交わる部分であり長手方向端部側の端部をB1部とし、第2の羽部162’’’’の第2の谷折り線FL2において、第2のミシン目CL2との交わる部分であり長手方向中央部側の端部をA2部、第3のミシン目CL3との交わる部分であり長手方向端部側の端部をB2部とする。また、第1の羽部161’’’’の第1の谷折り線FL1において第2のミシン目CL2との交わる部分であり長手方向中央部側の端部をC1部とし、第2の羽部162’’’’の第1の谷折り線FL1において第2のミシン目CL2との交わる部分であり長手方向中央部側の端部をC2部とする。
【0087】
つまり、第1の羽部161’’’’において、第2の谷折り線FL2の長手方向中央部側の端部A1が、第1の羽部161’’’’の第1の谷折り線FL1の長手方向中央部側の端部C1と第2の羽部162’’’’の第2の谷折り線FL2の長手方向中央部側の端部A2との間に位置するように、第2の谷折り線FL2が第1の谷折り線FL1に対して傾斜しており、第2の羽部162’’’’において、第2の谷折り線FL2の長手方向中央部側の端部A2が、第2の羽部162’’’’の第1の谷折り線FL1の長手方向中央部側の端部C2と第1の羽部161’’’’の第2の谷折り線FL2の長手方向中央部側の端部A1との間に位置するように、第2の谷折り線FL2が第1の谷折り線FL1に対して傾斜している。
【0088】
この構成により、最上位の家庭用薄葉紙Pの取出し後、各羽部161’’’’、162’’’’を第2の谷折り線FL2で谷折りすれば、各羽部161’’’’、162’’’’のA1部とA2部間に隙間が形成され、A1部とA2部間の間隙により、続く家庭用薄葉紙Pの取出し抵抗が低減されて、続く家庭用薄葉紙Pを円滑に取り出すことができ、しかも続く家庭用薄葉紙Pの取り出し後は、その後に続く家庭用薄葉紙PをB1部、B2部にて挟み込んで安定して保持することができる。
【0089】
さらに、本実施形態に係る家庭用薄葉紙収納箱10’’は、
図11および
図12に示すように、各羽部161’’’’、162’’’’を第2の谷折り線FL2で谷折りしたときに取出口16o’’を画成する共通のミシン目(第2のミシン目)CL2と第2の谷折り線FL2との挟角θ1(またはθ2)が鈍角となるように、共通のミシン目CL2を第2の谷折り線FL2に対して傾斜させたものである。
【0090】
この構成により、最上位の家庭用薄葉紙Pの取出し後、続く家庭用薄葉紙Pの取り出し時に、A1部(またはA2部)での家庭用薄葉紙Pの引っ掛かりが低減されて続く家庭用薄葉紙Pを円滑に取り出すことができる。
【0091】
また、本実施形態によれば、第1実施形態と同様に、最上位の家庭用薄葉紙Pが摘み易くなって最上位の家庭用薄葉紙Pを取り出し易くすることができ、最上位の家庭用薄葉紙Pの取出し後は、続く家庭用薄葉紙Pを妨げなく取り出すことができる。
【0092】
なお、本実施形態では、
図11および
図12に示すように、共通のミシン目CL2が家庭用薄葉紙収納箱10’’の天面の長手方向中心位置よりも長手方向片側に偏倚しており、第1の羽部161’’’’の大きさが第2の羽部162’’’’の大きさよりも小さくなっている(第1の羽部161’’’’の長手方向における長さが第2の羽部162’’’’の長手方向における長さよりも短くなっている)が、本発明ではこの限りではなく、例えば、共通のミシン目CL2が家庭用薄葉紙収納箱10’’の天面の長手方向中心位置を通るように配置され、第1の羽部161’’’’の大きさと第2の羽部162’’’’の大きさとが同じであってもよいし、共通のミシン目CL2と第2の谷折り線FL2との挟角θ1(またはθ2)が鈍角となれば、共通のミシン目CL2を幅方向に対して傾斜させずに幅方向に平行となるように配置する態様も許容され得る。
【0093】
さらに、本実施形態に係る家庭用薄葉紙収納箱10’’は、
図11および
図12に示すように、各羽部161’’’’、162’’’’の第1の谷折り線FL1はそれぞれ、長手方向と平行に延びており、全体としてS字状の第1のミシン目CL1、第2のミシン目CL2、および第3のミシン目CL3において、第1のミシン目CL1および第3のミシン目CL3の外側に湾曲する部分は、第1の谷折り線FL1よりも外側に突出しているが、本発明ではこの限りではなく、例えば、各羽部161’’’’、162’’’’の第1の谷折り線FL1をそれぞれ、長手方向に対して傾斜させてもよいし、第1のミシン目CL1、第2のミシン目CL2、および第3のミシン目CL3を全体として逆S字状となるようにしてもよいし、第2実施形態のように、第1の羽部161’’’’の第1の谷折り線FL1と第2の羽部162’’’’の第1の谷折り線FL1との幅方向の間隔を各羽部161’’’’、162’’’’の幅方向の長さと実質的に同一としてもよい。
【0094】
<第4実施形態>
本発明の第4実施形態では、取出口を形成するための羽部の数と形状、および谷折り線の配置構成を第1実施形態と異ならせている。
【0095】
図13は本実施形態に係る、家庭用薄葉紙収納箱10’’’の蓋部16’’’’’付近の拡大平面図であり、
図14は本実施形態に係る、開封して内部の家庭用薄葉紙Pを取り出す際の家庭用薄葉紙収納箱10’’’の全体斜視図である。本実施形態に係る家庭用薄葉紙収納箱10’’’を構成する各要素のうち、同様の機能を有するものについては、第1実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0096】
本実施形態では、
図13および
図14に示すように、第1の羽部161’’’’’には、第1実施形態と同様に、第1の羽部161’’’’’の付け根部に第1の谷折り線FL1が形成され、第1の羽部161’’’’’の先端側に第2の谷折り線FL2が形成され、第1の羽部161’’’’’を挟むようにそれぞれ位置する第3の羽部163および第4の羽部164の付け根部には、第1の谷折り線FL1のみがそれぞれ形成されている。本実施形態では、蓋部16’’’’’は、
図13に示すように、第1の羽部161’’’’’と第3の羽部163と第4の羽部164とを含んで構成される。
【0097】
具体的には、本実施形態では、天面11に略W字状の第4のミシン目CL4を形成し、第1の谷折り線FL1および第2の谷折り線FL2を形成することで、蓋部16’’’’’が設けられる。詳細には、第1の羽部161’’’’’は、
図13に示すように、ジグザグ状に湾曲した第4のミシン目CL4と、(
図13中における右側の)第1の谷折り線FL1とで囲まれた領域を有し、当該領域内には、先端と第1の谷折り線FL1の間に第1の谷折り線FL1と平行に第2の谷折り線FL2が形成されている。また、第3の羽部163および第4の羽部164はそれぞれ、
図13に示すように、ジグザグ状に湾曲した第4のミシン目CL4と、(
図13中における左側の)第1の谷折り線FL1とで囲まれた領域を有する。
【0098】
本実施形態によれば、第1実施形態と同様に、最上位の家庭用薄葉紙Pが摘み易くなって最上位の家庭用薄葉紙Pを取り出し易くすることができ、最上位の家庭用薄葉紙Pの取出し後は、続く家庭用薄葉紙Pを妨げなく取り出すことができる。
【0099】
<その他>
本発明は、上述した実施形態や、随所に述べた変形例に限られることなく、本発明の技術的思想から逸脱しない範囲で、適宜の変更や変形が可能である。
【0100】
例えば、上述した実施形態において、「ミシン目」は、開封する機能を有するのであれば別の脆弱線でもよい。また、「ミシン目」の形状は、上述した実施形態に限られず、取り出し易さ等を考慮して、他の曲線形状や直線形状、これらの組み合わせであってもよい。
【0101】
また、上述した実施形態において、第1の谷折り線FL1および第2の谷折り線FL2は、谷折りできる構成であればよく、それぞれ天面11に凹設された折筋reとするようにしてもよく、また各羽部を形成するミシン目と接続または若干量だけ離間する構成とするようにしてもよい。
【符号の説明】
【0102】
10、10’、10’’、10’’’ 家庭用薄葉紙収納箱
10B 家庭用薄葉紙収納箱のブランクシート
11 天面
12、14 第1側面
13 底面
21、22 第2側面
121、122、141、142 内フラップ
111、112 上フラップ
131、132 下フラップ
16、16’、16’’、16’’’、16’’’’、16’’’’’ 蓋部
16o、16o’、16o’’、16o’’’ 取出口
161、161’、161’’、161’’’、161’’’’、161’’’’’ 第1の羽部
162、162’、161’’、161’’’、161’’’’ 第2の羽部
163 第3の羽部
164 第4の羽部
CL ミシン目
CL1~CL4 第1乃至第4のミシン目
FL1 第1の谷折り線
FL2 第2の谷折り線
P 家庭用薄葉紙
pr 凸設された折筋
re 凹設された折筋