(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024069133
(43)【公開日】2024-05-21
(54)【発明の名称】焦点移動を制御するオーバーレイ計測装置と方法、及びこのためのプログラム貯蔵媒体
(51)【国際特許分類】
H01L 21/66 20060101AFI20240514BHJP
G02B 7/28 20210101ALI20240514BHJP
G02B 7/36 20210101ALI20240514BHJP
【FI】
H01L21/66 J
G02B7/28 H
G02B7/36
【審査請求】有
【請求項の数】24
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023102201
(22)【出願日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】10-2022-0148326
(32)【優先日】2022-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】523164931
【氏名又は名称】アウロス テクノロジー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】チェ ソン-ユン
(72)【発明者】
【氏名】ハム ヒョ-シク
【テーマコード(参考)】
2H151
4M106
【Fターム(参考)】
2H151AA15
2H151BA47
2H151BA52
2H151FA47
4M106AA01
4M106AA09
4M106BA05
4M106BA06
4M106CA39
4M106DB02
4M106DB07
4M106DB12
4M106DB16
4M106DB20
(57)【要約】 (修正有)
【課題】焦点移動を制御するオーバーレイ計測装置、方法及びプログラム貯蔵媒体を提供する。
【解決手段】焦点移動を制御するオーバーレイ計測装置100は、対物レンズ120を動作させて、ウエハとの距離を調節するレンズフォーカスアクチュエータ125の動作を制御するプロセッサ170を含む。プロセッサは、基準イメージの2つの層のそれぞれに対するフォーカスグラフを獲得し、獲得したフォーカスグラフに対する基準フォーカスを識別し、測定イメージが獲得されると、識別された基準フォーカスに基づいて、獲得された測定イメージの2つの層に対する明暗インデックスを識別し、基準イメージの2つの層のそれぞれにおいて、識別された明暗インデックスのそれぞれに対応するフォーカスを識別し、基準フォーカスと識別されたフォーカスとの間の差を計算し、測定イメージに該当するフォーカスに対物レンズ120を移動させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
焦点移動を制御するオーバーレイ計測装置において、
オーバーレイ計測ターゲットに照明を向けるように構成された照明部;
前記ターゲットにおける1つ以上の焦点別イメージを獲得するため対物レンズ及び検出機を含む収集部;
前記対物レンズを動作させて、ウエハとの距離を調節するレンズフォーカスアクチュエータ;及び
前記レンズフォーカスアクチュエータの動作を制御するプロセッサを含み、
前記プロセッサは、
前記1つ以上の焦点別イメージから2つの層のそれぞれに対するフォーカスグラフを獲得し、
前記獲得されたフォーカスグラフに対する基準フォーカスを識別して、前記対物レンズを移動させるように設定された、
オーバーレイ計測装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
測定イメージが獲得されると、前記識別された基準フォーカスに基づいて、前記獲得された測定イメージの2つの層に対する明暗インデックスを識別し、
前記1つ以上の焦点別イメージの2つの層のそれぞれにおいて、前記識別された明暗インデックスのそれぞれに対応するフォーカスを識別するように設定された、
請求項1に記載のオーバーレイ計測装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記基準フォーカスと、前記識別されたフォーカスとの間の差を計算し、
前記計算された差に基づいて、前記測定イメージに該当するフォーカスに前記対物レンズを移動させるように設定された、
請求項2に記載のオーバーレイ計測装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記1つ以上の焦点別イメージの第1層の第1フォーカスグラフと、第2層の第2フォーカスグラフに基づいて前記基準フォーカスを識別し、
前記測定イメージの2つの第3明暗インデックスを識別し、
前記測定イメージの2つの第4明暗インデックスを識別するように設定された、
請求項3に記載のオーバーレイ計測装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記2つの層のそれぞれにおいて、中間、各層別最大値、2つの層間の最小の最大値に該当するフォーカスを前記基準フォーカスと決定するように設定された、
請求項1に記載のオーバーレイ計測装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記2つの第3明暗インデックスと前記2つの第4明暗インデックスとの間に、最短フォーカス距離を有する、1つの第3明暗インデックスと1つの第4明暗インデックスを識別するように設定された、
請求項4に記載のオーバーレイ計測装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、
前記識別された1つの第3明暗インデックスに該当するフォーカス値と、前記識別された1つの第4明暗インデックスに該当するフォーカス値とが同一であるかを識別するように設定された、
請求項6に記載のオーバーレイ計測装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、
前記基準フォーカスの値から前記計算された差を差し引き、
前記レンズフォーカスアクチュエータを動作させて、前記対物レンズを前記差し引かれたフォーカスの位置に対応するように移動させる、
請求項3に記載のオーバーレイ計測装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、
前記ウエハの各計測ポイントごとに、前記計算された差に基づいて、前記レンズフォーカスアクチュエータを介して前記対物レンズの移動を制御するように設定された、
請求項3に記載のオーバーレイ計測装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、
前記検出機を介して前記対物レンズの現在位置に該当するイメージを獲得するように設定された、
請求項1に記載のオーバーレイ計測装置。
【請求項11】
前記プロセッサは、
前記ウエハが配置されたステージの移動に基づいてイメージを獲得するように設定された、
請求項10に記載のオーバーレイ計測装置。
【請求項12】
オーバーレイ計測装置の焦点移動を制御する方法において、
1つ以上の焦点別イメージから2つの層のそれぞれに対するフォーカスグラフを獲得する過程;及び
前記獲得されたフォーカスグラフに対する基準フォーカスを識別して、対物レンズを移動させる過程を含む、
オーバーレイ計測装置の焦点移動を制御する方法。
【請求項13】
前記対物レンズを移動させる過程は、
測定イメージが獲得されると、前記識別された基準フォーカスに基づいて、前記獲得された測定イメージの2つの層に対する明暗インデックスを識別する過程;及び
前記1つ以上の焦点別イメージの2つの層のそれぞれにおいて、前記識別された明暗インデックスのそれぞれに対応する、
請求項12に記載のフォーカスを識別する過程を含む方法。
【請求項14】
前記対物レンズを移動させる過程は、
前記基準フォーカスと、前記識別されたフォーカスとの間の差を計算する過程;及び
前記計算された差に基づいて、前記測定イメージに該当するフォーカスに前記対物レンズを移動させる過程を含む、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記識別された明暗インデックスのそれぞれに対応するフォーカスを識別する過程は、
前記1つ以上の焦点別イメージの第1層の第1フォーカスグラフと第2層の第2フォーカスグラフを用いて、前記基準フォーカスを識別する過程;
前記測定イメージの2つの第3明暗インデックスを識別する過程;及び
前記測定イメージの2つの第4明暗インデックスを識別する過程を含む、
請求項14に記載のオーバーレイ計測装置の焦点移動を制御する方法。
【請求項16】
前記基準フォーカスを識別する過程は、
前記2つの層のそれぞれにおいて、中間、各層別最大値、2つの層間の最小の最大値に該当するフォーカスを前記基準フォーカスと決定する過程を含む、
請求項12に記載のオーバーレイ計測装置の焦点移動を制御する方法。
【請求項17】
前記2つの第3明暗インデックスと、前記2つの第4明暗インデックスとの間に、最短フォーカス距離を有する、1つの第3明暗インデックスと1つの第4明暗インデックスを識別する過程をさらに含む、
請求項15に記載のオーバーレイ計測装置の焦点移動を制御する方法。
【請求項18】
前記1つの第3明暗インデックスと、前記1つの第4明暗インデックスを識別する過程は、
前記識別された1つの第3明暗インデックスに該当するフォーカス値と、前記識別された1つの第4明暗インデックスに該当するフォーカス値とが同一であるかを識別する過程を含む、
請求項17に記載のオーバーレイ計測装置の焦点移動を制御する方法。
【請求項19】
前記対物レンズを移動させる過程は、
前記基準フォーカスの値から前記計算された差を差し引く過程;及び
前記対物レンズを前記差し引かれたフォーカスの位置に対応するように移動させる過程を含む、
請求項14に記載のオーバーレイ計測装置の焦点移動を制御する方法。
【請求項20】
ウエハの各計測ポイントごとに、前記計算された差に基づいて、前記対物レンズの移動を制御する過程をさらに含む、
請求項14に記載のオーバーレイ計測装置の焦点移動を制御する方法。
【請求項21】
前記対物レンズの現在位置に該当するイメージを獲得する過程をさらに含む、
請求項14に記載のオーバーレイ計測装置の焦点移動を制御する方法。
【請求項22】
オーバーレイ計測装置の焦点移動を制御する命令語等を含むプログラムを含む、コンピュータ読み取り可能な貯蔵媒体において、
前記プログラムは、
1つ以上の焦点別イメージから2つの層のそれぞれに対するフォーカスグラフを獲得する命令語等;及び
前記獲得されたフォーカスグラフに対する基準フォーカスを識別して、対物レンズを移動させる命令語等を含む、
オーバーレイ計測装置の焦点移動を制御するコンピュータ読み取り可能な貯蔵媒体。
【請求項23】
前記プログラムは、
測定イメージが獲得されると、前記識別された基準フォーカスに基づいて、前記獲得された測定イメージの2つの層に対する明暗インデックスを識別する命令語等;及び
前記1つ以上の焦点別イメージの2つの層のそれぞれにおいて、前記識別された明暗インデックスのそれぞれに対応するフォーカスを識別する命令語等を含む、
請求項22に記載のコンピュータ読み取り可能な貯蔵媒体。
【請求項24】
前記プログラムは、
前記基準フォーカスと、前記識別されたフォーカスとの間の差を計算する命令語等;及び
前記計算された差に基づいて、前記測定イメージに該当するフォーカスに前記対物レンズを移動させる命令語等を含む、
請求項23に記載のコンピュータ読み取り可能な貯蔵媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、焦点移動を制御するオーバーレイ計測装置と方法、及びこのためのプログラム貯蔵媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、技術の発展に伴い、ウエハの特性を計測する半導体デバイスのサイズが小さくなり、計測装置の集積回路の密度は増加している。集積回路をウエハに形成するためには、特定の位置で所望の回路の構造及び要素等が順次形成されるよう多くの製造過程を経らなければならない。これら製造過程は、ウエハ上にパターン化した層を順次生成させる。
【0003】
かかる繰り返した積層工程等によって、集積回路内に電気的に活性化したパターンが生成される。このとき、個々の構造が生産工程で許容する誤差範囲内に整列されていないと、電気的に活性化したパターンの間に干渉が起こり、これら現象によって、製造された回路の性能及び信頼性に問題が生じ得る。これら層間に整列誤差を測定及び検証するために、ウエハに対するイメージにおける明暗又は位相差によって焦点位置を探す。
【0004】
ところが、従来よりオートフォーカスのためレーザ反射面が一定しておらず、焦点位置を正確に探すことができない問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
よって、本発明は、正確な焦点距離を探すように焦点移動を制御するオーバーレイ計測装置、及びこのためのプログラム貯蔵媒体を提供することである。
【0006】
本発明の目的は、以上で言及した目的に制限されず、言及していない本発明の他の目的及び長所は、下記の説明によって理解することができ、本発明の実施形態によってより明らかに理解することができる。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に示した手段及びその組み合わせによって実現できることが分かりやすい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達するために、本発明の一実施形態による焦点移動を制御するオーバーレイ計測装置は、オーバーレイ計測ターゲットに照明を向けるように構成された照明部;前記ターゲットにおける1つ以上の焦点別イメージを獲得するため対物レンズ及び検出機を含む収集部;前記対物レンズを動作させて、ウエハとの距離を調節するレンズフォーカスアクチュエータ;及び前記レンズフォーカスアクチュエータの動作を制御するプロセッサを含み、前記プロセッサは、前記1つ以上の焦点別イメージから2つの層のそれぞれに対するフォーカスグラフを獲得し、前記獲得されたフォーカスグラフに対する基準フォーカスを識別して、前記対物レンズを移動させることができる。
【0008】
また、本発明の一実施形態によるオーバーレイ計測装置の焦点移動を制御する方法は、1つ以上の焦点別イメージから2つの層のそれぞれに対するフォーカスグラフを獲得する過程と、前記獲得されたフォーカスグラフに対する基準フォーカスを識別して、対物レンズを移動させる過程と、を含むことができる。
【0009】
また、本発明の一実施形態によるオーバーレイ計測装置の焦点移動を制御する命令語等を含むプログラムを含む、コンピュータ読み取り可能な貯蔵媒体において、前記プログラムは、1つ以上の焦点別イメージから2つの層のそれぞれに対するフォーカスグラフを獲得する命令語等と、前記獲得されたフォーカスグラフに対する基準フォーカスを識別して、対物レンズを移動させる命令語等と、を含むことができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、基準フォーカスと、測定イメージにおけるフォーカスとの間の差を用いて、測定イメージにおける基準フォーカスの位置を移動させるように、レンズフォーカスアクチュエータを介して対物レンズの移動を制御することにより、明暗の高い焦点位置を探すことができる。
【0011】
また、本発明は、基準イメージの2つのフォーカスグラフを介して基準フォーカスを識別することにより、測定イメージの2つの層の明暗インデックスを識別することができる。
【0012】
また、本発明は、基準フォーカスの値から、前記基準フォーカスと、前記識別されたフォーカスとの間の差を差し引くことにより、対物レンズの焦点距離を決定することができる。
【0013】
上述した効果並びに本発明の具体的な効果は、以下の発明を実施するための形態を説明すると共に記述する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施形態によるオーバーレイ計測装置の概念図である。
【
図2】本発明の一実施形態によるオーバーレイ計測装置の焦点移動を制御する方法を示した手順図である。
【
図3】本発明の一実施形態による2つの層のフォーカスグラフを示した例示図である。
【
図4】
図4(a)は、本発明の一実施形態による基準イメージの2つの層に対するフォーカスグラフを示した例示図である。
図4(b)は、本発明の一実施形態によって獲得されたイメージの2つの層における基準フォーカスに対する明暗インデックスを示した例示図である。
図4(c)は、
図4の(b)で獲得した明暗インデックスの差を
図4の(a)のイメージに対するフォーカスグラフに適用した例示図である。
図4(d)は、
図4の(c)で獲得したフォーカス差に基づいて基準フォーカスを調節した例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
前述した目的、特徴及び長所は、添付の図面を参照して詳細に後述され、これによって、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明の技術思想を容易に実施することができる。本発明の説明にあたり、本発明に係る公知の技術に関する具体的な説明が、本発明の要旨を曖昧にすると判断される場合には、詳細な説明を省略する。以下では、添付の図面を参照して、本発明による好ましい実施形態を詳説することとする。図面における同じ参照符号は、同一又は類似の構成要素を示すために使われる。
【0016】
たとえ第1、第2などは、様々な構成要素を述べるために使われるものの、これら構成要素は、これらの用語によって制限されないことは勿論である。これらの用語は、単に一構成要素を他構成要素と区別するために使うものであって、特に逆の記載がない限り、第1構成要素は、第2構成要素であってもよいことは勿論である。
【0017】
以下では、構成要素の「上部(又は下部)」又は構成要素の「上(又は下)」に任意の構成が配されるということは、任意の構成が、上記構成要素の上面(又は下面)に接して配されるだけでなく、上記構成要素と、上記構成要素上に(又は下に)配された任意の構成との間に他の構成が介在し得ることを意味する。
【0018】
また、ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」又は「接続」されると記載されている場合、上記構成要素は、互いに直接に連結されるか、或いは接続されていてもよいが、各構成要素の間に他の構成要素が「介在」するか、各構成要素が他の構成要素を介して「連結」、「結合」又は「接続」されていてもよいと理解しなければならない。
【0019】
全明細書において、特に逆の記載がない限り、各構成要素は、単数であってもよく、複数であってもよい。
【0020】
本明細書で使われる単数の表現は、文脈上明らかに他に意味しない限り、複数の表現を含む。本出願における「構成される」又は「含む」などの用語は、明細書上に記載の複数の構成要素、又は複数の段階を必ずしも全て含むものと解釈されてはならず、そのうち一部の構成要素又は一部の段階は、含まれていなくてもよく、又はさらなる構成要素又は段階をさらに含むことができると解釈しなければならない。
【0021】
全明細書において、「A及び/又はB」とするとき、これは特に逆の記載がない限り、A、B又はA及びBを意味し、「C~D」とするとき、これは特に逆の記載がない限り、C以上かつD以下であることを意味する。
【0022】
以下では、本発明の幾つかの実施形態による焦点移動を制御するオーバーレイ計測装置と方法、及びこのためのプログラム貯蔵媒体を説明することとする。
【0023】
図1は、本発明の一実施形態によるオーバーレイ計測装置の概念図である。
【0024】
図1を参照すると、本発明の一実施形態によるオーバーレイ計測装置100は、ウエハ140に形成された相異する層にそれぞれ形成された第1オーバーレイマーク(OM1)と第2オーバーレイマーク(OM2)との間の誤差を計測する装置である。
【0025】
例えば、第1オーバーレイマーク(OM1)は、以前層(previous layer)に形成されたオーバーレイマークであり、第2オーバーレイマーク(OM2)は、現在層(current layer)に形成されたオーバーレイマークであってもよい。オーバーレイマークは、ダイ領域に半導体デバイスを形成するため層を形成するとともに、スクライブレーンに形成される。例えば、第1オーバーレイマーク(OM1)は、絶縁膜パターンと共に形成され、第2オーバーレイマーク(OM2)は、絶縁膜パターン上に形成されるフォトレジストパターンと共に形成されていてもよい。
【0026】
かかる場合、第2オーバーレイマーク(OM2)は、外部に露出しているが、第1オーバーレイマーク(OM1)は、フォトレジスト層によって遮られた状態であり、フォトレジスト材料からなる第2オーバーレイマーク(OM2)とは、光学的性質が異なる酸化物からなる。また、第1オーバーレイマーク(OM1)と第2オーバーレイマーク(OM2)の物理的位置は、相異するものの、焦点面は、同一であるか、もしくは相異していてもよい。
【0027】
本発明の一実施形態によるオーバーレイ計測装置100は、光源110、第1ビームスプリッタ(beam splitter)112、第1ミラー113、第1スペクトラムフィルタ(color filter)114、第2スペクトラムフィルタ115、ビームコンバイナ(beam combiner)116、第2ミラー117、リレーレンズ118、偏光フィルタ121、絞り151、第2検出機133、フォーカスアクチュエータ134、ズームレンズ132、第1検出機131、第2ビームスプリッタ130、光学素子127、第3ビームスプリッタ124、ラムダ波長板122、対物レンズ120、レンズフォーカスアクチュエータ125、絞り151、AF161、及びプロセッサ170を含むことができる。本発明は、第1スペクトラムフィルタと第2スペクトラムフィルタを種々のフィルタに取り替えることができる。そして、スペクトラムフィルタは、フィルタホイール、線状並進デバイス、フリッパデバイスのうち少なくとも1つを含むことができる。
【0028】
例えば、第1検出機131、第2ビームスプリッタ130、ズームレンズ132、第2検出機133、及びアクチュエータ134は、オーバーレイ計測ターゲットに照明を向けるように構成され、これを照明部と称することができる。前記照明部は、少なくとも1つの照明源からオーバーレイ計測ターゲットに照明を向けることができる。例えば、オーバーレイ計測ターゲットは、ウエハを含むことができる。
【0029】
例えば、光源110、第1ビームスプリッタ(beam splitter)112、第1ミラー113、第1スペクトラムフィルタ(color filter)114、第2スペクトラムフィルタ115、ビームコンバイナ(beam combiner)116、第2ミラー117、絞り151、リレーレンズ118、偏光フィルタ121、ラムダ波長板122、及び第3ビームスプリッタ124は、ターゲットにおける1つ以上の焦点別イメージを獲得するために構成され、収集部と称することができる。例えば、前記収集部は、対物レンズ及び検出機を含むことができる。
【0030】
図1に示されたオーバーレイ計測装置100の構成は、一実施形態によるものであり、オーバーレイ計測装置100の構成要素等が
図1に示された実施形態に限定されるものではなく、必要に応じて、一部の構成要素を付加、変更又は削除することができる。例えば、オーバーレイ計測装置100は、プロセッサ170によってオーバーレイ計測装置100の各構成の動作を制御させる命令語等、プログラム、ロジッグなどを貯蔵するメモリ(不図示)を含むことができる。
【0031】
一実施形態によれば、光源110としては、ハロゲンランプ、キセノンランプ、スーパーコンティニュームレーザ(supercontinuum laser)、発光ダイオード、レーザ励起ランプ(laser induced lamp)などを用いることができる。
【0032】
一実施形態によれば、第1ビームスプリッタ112は、光源110から出たビームを2つのビームに分離する役割を担う。第1ビームスプリッタ112は、光源110から出たビームの一部は透過させ、一部は反射させて、光源110から出たビームを2つのビームに分離させる。
【0033】
一実施形態によれば、第1ミラー113は、第1ビームスプリッタ112と第2スペクトラムフィルタ115との間に設置されて、第1ビームスプリッタ112で反射したビームを第2スペクトラムフィルタ115に向かうようにビームの経路を変更させる。
【0034】
一実施形態によれば、第1スペクトラムフィルタ114は、第1ビームスプリッタ112から分離されたビームのうち、第1ビームスプリッタ112を透過したビームの中心波長及びバンド幅を、現在層に形成された第2オーバーレイマーク(OM2)のイメージ獲得に好適に調節する役割を担う。スペクトラムフィルタは、フィルタホイール、線状並進デバイス、フリッパデバイスのうち1つを用いることができる。
【0035】
一実施形態によれば、第2スペクトラムフィルタ115は、第1ビームスプリッタ112から分離されたビームのうち、第1ビームスプリッタ112で反射したビームの中心波長及びバンド幅を、以前層に形成された第1オーバーレイマーク(OM1)のイメージ獲得に好適に調節する役割を担う。
【0036】
一実施形態によれば、ビームコンバイナ(beam combiner)116は、第1スペクトラムフィルタ114と第2スペクトラムフィルタ115を通過した光を合わせる役割を担う。第1スペクトラムフィルタ114を通過した光は、ビームコンバイナ116を透過し、第2スペクトラムフィルタ115を通過したビームは、第2ミラー117によってビームコンバイナ116に向かうように、ビームの経路が変更された後、コンバイナ116で反射して、ビームコンバイナ116を透過したビームとさらに合わさった後、絞り151を通過する。
【0037】
一実施形態によれば、絞り151(例:ピンホール)は、ビームコンバイナを透過したビームを第1オーバーレイマーク(OM1)の撮影に適した形態に変更する役割を担う。
【0038】
一実施形態によれば、第2検出機133は、第2ビームスプリッタ130で反射したビームを検出する。第2検出機133は、フォーカスアクチュエータ(focus actuator)134に設置されて、第2ビームスプリッタ130と第2検出機133との間の距離が調節される。第2検出機133は、第1オーバーレイマーク(OM1)のイメージを獲得する。
【0039】
一実施形態によれば、第1検出機131は、第2ビームスプリッタ130を通過したビームを検出する。第1検出機131は、第2オーバーレイマーク(OM2)のイメージを獲得することができる。
【0040】
または、使用者の設定によって、第2検出機は、動作せず、第1検出機でのみ第1オーバーレイマーク(OM1)と第2オーバーレイマーク(OM2)のイメージ獲得を実施することができる。
【0041】
一実施形態によれば、ズームレンズ132は、第2ビームスプリッタ130とフォーカスアクチュエータ134との間に設置される。ズームレンズ132は、第2検出機133の位置変化値をフォーカスアクチュエータ134から受信し、これに基づいて、第2オーバーレイマーク(OM2)のイメージと、第1オーバーレイマーク(OM1)のイメージとの倍率を一致させる役割を担う。第1オーバーレイマーク(OM1)と第2オーバーレイマーク(OM2)との高さ差によって、第2検出機133と第2ビームスプリッタ130との間の光経路距離は、第1検出機131と第2ビームスプリッタ130との間の光経路距離と異なるため、第1検出機131で獲得されたイメージと、第2検出機133で獲得されたイメージとの倍率が相異し得る。正確なオーバーレイ誤差を測定するためには、倍率を一致させなければならない。
【0042】
一実施形態によれば、第2ビームスプリッタ130は、対物レンズ120で収集したビームを2つのビームに分離する役割を担う。第2ビームスプリッタ130は、チューブビームスプリッタとダイクロイックフィルタ(dichroic filter)とを含むことができる。ダイクロイックフィルタは、特定波長のビームを透過させるフィルタである。対物レンズ120で収集したビームは、ラムダ波長板122、第3ビームスプリッタ124及び光学素子127を経て、第2ビームスプリッタ130で2つのビームに分離される。すなわち、第1オーバーレイマーク(OM1)の検出に適したビームと、第2オーバーレイマーク(OM2)の検出に適したビームとに分離される。
【0043】
一実施形態によれば、前記光学素子127は、ホットミラー(hot mirror)及びコールドミラー(cold mirror)を含むことができる。
【0044】
一実施形態によれば、第3ビームスプリッタ124は、コンバイナ116を介して合わさったビームをさらに2つのビームに分離する役割を担う。ビームコンバイナ116を介して合わさったビームは、リレーレンズ118及び偏光フィルタ121を経て偏光された状態で、第3ビームスプリッタ124において2つのビームに分離される。
【0045】
一実施形態によれば、対物レンズ120は、コンバイナ116で合わさった後、第3ビームスプリッタ124で反射した後、ラムダ波長板122を経て、円偏光になったビームをウエハ140の測定位置に集光させて、測定位置における反射したビームを収集する役割を担う。対物レンズ120は、レンズフォーカスアクチュエータ(lens focus actuator)125に設置される。
【0046】
一実施形態によれば、レンズフォーカスアクチュエータ125は、対物レンズ120とウエハ140との間の距離を調節して、焦点面が第1オーバーレイマーク(OM1)又は第2オーバーレイマーク(OM2)に位置するように調節することができる。レンズフォーカスアクチュエータ125は、プロセッサ170の制御下で、対物レンズ120をウエハ方向(例:Y方向)に垂直移動して、焦点距離を調節することができる。
【0047】
一実施形態によれば、光学素子127は、ビームスプリッタを透過したビームの経路に対して45゜を成すように設置される。これは、オートフォーカスモジュールにビームを送るためのものであり、長波長ビームを反射させて、短波長ビームを透過させるか、もしくは短波長ビームを反射させて、長波長ビームを透過させることを特徴とする。光学素子は、ホットミラー又はコールドミラーのうち1つから構成可能である。
【0048】
オートフォーカスセンサは、ウエハの測定領域で反射した反射光によって、焦点位置による信号を獲得する。また、オートフォーカスセンサは、焦点位置を調節するように、ウエハの測定領域と対物レンズとの間の距離を調節するアクチュエータを調節することができる。
【0049】
フォーカススキャン時、第1検出機131における各計測ポイントごとに、第1イメージ等(例:基準イメージ)を獲得することができる。例えば、前記基準イメージは、1つ以上の焦点別イメージを含むことができる。
【0050】
一実施形態によれば、プロセッサ170は、第1イメージ等(例:基準イメージ)の2つの層(例:第1層及び第2層)のそれぞれに対するフォーカスグラフ(例:第1フォーカスグラフ及び第2フォーカスグラフ)を獲得し、前記獲得されたフォーカスグラフに対する基準フォーカスを重点、層別最大値、両レーザ間の最小の最大値のうち1つに識別することができる。例えば、プロセッサ170は、第1フォーカスグラフにおける第1最大明暗インデックス(例:350)と、第2フォーカスグラフにおける第2最大明暗インデックス(例:440)との間に該当するフォーカス(例:395)を基準フォーカスと決定することができる。
【0051】
一実施形態によれば、プロセッサ170は、測定イメージが検出機から獲得されると、前記識別された基準フォーカスに基づいて、前記獲得された測定イメージ等の2つの層(例:第3層及び第4層)のフォーカスグラフのそれぞれ(例:第3フォーカスグラフ及び第4フォーカスグラフ)に基づいて明暗インデックスを識別することができる。前記プロセッサ170は、検出機を介して対物レンズ120の現在位置に該当するイメージを獲得することができる。そして、プロセッサ170は、ウエハ140が配置されたステージの移動に基づいてイメージを獲得することができる。
【0052】
一実施形態によれば、プロセッサ170は、第1イメージ(例:基準イメージ)の第1層の第1フォーカスグラフと第2層の第2フォーカスグラフを用いて、基準フォーカス(例:500)を識別することができる。そして、プロセッサ170は、第2イメージ(例:測定イメージ)の第3フォーカスグラフに基づいて、前記識別された基準フォーカスに対する2つの第3明暗インデックスを識別し、前記測定イメージの第4フォーカスグラフに基づいて、前記識別された基準フォーカスに対する2つの第4明暗インデックスを識別することができる。
【0053】
一実施形態によれば、プロセッサ170は、2つの第3明暗インデックスと2つの第4明暗インデックスとの間に、最短フォーカス距離を有する、1つの第3明暗インデックスと1つの第4明暗インデックスを識別することができる。そして、プロセッサ170は、前記識別された1つの第3明暗インデックスに該当するフォーカス値と、前記識別された1つの第4明暗インデックスに該当するフォーカス値とが同一であるかを識別することができる。
【0054】
一実施形態によれば、プロセッサ170は、基準イメージの2つの層のそれぞれを介して識別された明暗インデックスのそれぞれに対応するフォーカスを識別し、基準フォーカス(例:500)と識別されたフォーカス550との間の差(例:50)を計算することができる。
【0055】
そして、プロセッサ170は、前記計算された差に基づいて、前記測定イメージに該当するフォーカスに対物レンズ120を移動させることができる。プロセッサ170は、レンズフォーカスアクチュエータ125を制御して、対物レンズ120の焦点距離を調節することができる。
【0056】
例えば、プロセッサ170は、前記基準フォーカスの値から、前記計算された差を差し引き、前記レンズフォーカスアクチュエータ125を動作させて、前記対物レンズ120を前記差し引かれたフォーカスの位置に対応するように移動させることができる。
【0057】
一実施形態によれば、プロセッサ170は、ウエハの各計測ポイントごとに、前記計算された差に基づいて、レンズフォーカスアクチュエータ125を介して対物レンズ140の移動を制御することができる。
【0058】
これらプロセッサ170は、オーバーレイ計測装置内に別途構成されるか、又は他の構成要素にプログラム化して貯蔵することもできる。
【0059】
図2は、本発明の一実施形態によるオーバーレイ計測装置の焦点移動を制御する方法を示した手順図である。
図3は、本発明の一実施形態による2つの層のフォーカスグラフを示した例示図である。
図4の(a)は、本発明の一実施形態による基準イメージの2つの層に対するフォーカスグラフを示した例示図である。
図4の(b)は、本発明の一実施形態による獲得したイメージの2つの層における基準フォーカスに対する明暗インデックスを示した例示図である。
図4の(c)は、
図4の(b)で獲得した明暗インデックスの差を
図4の(a)のイメージに対するフォーカスグラフに適用した例示図である。
図4の(d)は、
図4の(c)で獲得したフォーカス差に基づいて基準フォーカスを調節した例示図である。
【0060】
以下、
図2、
図3及び
図4の(a)~(d)を参照して、本発明の一実施形態によるオーバーレイ計測装置の焦点移動を制御する方法を詳説すると、次のとおりである。
【0061】
一実施形態によれば、プロセッサ170は、オーバーレイ計測装置が測定を始めるかを識別することができる(S210)。プロセッサ170は、第1検出機における計測ポイント(例:サイト)に対する明暗を測定する動作を始めるかを判断することができる。
【0062】
一実施形態によれば、プロセッサ170は、基準イメージの2つの層のそれぞれに対するフォーカスグラフを獲得することができる(S212)。プロセッサ170は、ウエハに対する明暗を測定する動作が始まると判断されると、メモリ(不図示)から基準イメージの2つの層のそれぞれに対するフォーカスグラフを獲得することができる。
【0063】
図3を参照すると、1つのイメージは、複数の層(例:2つの層)を含み、各々の層は、フォーカス位置ごとに明暗が相異し得、プロセッサ170は、これら各フォーカス位置における明暗インデックスを介して当該層の明暗を示すフォーカスグラフを識別することができる。
【0064】
例えば、第1フォーカスグラフ310は、第1層(例:以前層)に対する明暗インデックスを示し、第2フォーカスグラフ320は、第2層(例:現在層)に対する明暗インデックスを示す。
【0065】
例えば、第1フォーカスグラフ310の場合、フォーカスが440で最大明暗インデックス35を有し、第2フォーカスグラフ320の場合、フォーカスが350で最大明暗インデックス35を有する。
【0066】
例えば、1つのフォーカスグラフ(例:第1フォーカスグラフ310)における同じ明暗インデックス(例:19)を有するフォーカスは、2つ(440,520)である。
【0067】
このように、プロセッサ170は、ウエハに対する明暗を測定する動作が始まると判断されると、基準イメージの2つの層のそれぞれに対するフォーカスグラフを獲得することができる。
【0068】
一実施形態によれば、プロセッサ170は、獲得されたフォーカスグラフに対する基準フォーカスを識別することができる(S214)。プロセッサ170は、基準イメージ内2つの層のそれぞれのフォーカスグラフを用いて、基準フォーカスを重点、層別最大値、2つの層間の最小の最大値のうち1つに決定することができる。前記プロセッサ170は、各々のフォーカスグラフを介して最大明暗インデックスを有するフォーカス位置を識別することができる。
【0069】
図4の(a)を参照すると、プロセッサ170は、基準イメージを獲得することができる。そして、プロセッサ170は、基準イメージにおける第1層(例:以前層)の第1フォーカスグラフ411を介して、最大明暗インデックス(例:5)を有するフォーカス(例:460)を識別することができる。また、プロセッサ170は、第2層(例:現在層)の第2フォーカスグラフ412を介して最大明暗インデックス3を有するフォーカス(例:540)を識別することができる。
【0070】
そして、プロセッサ170は、各々の層(例:第1層、第2層)における最大明暗インデックス(例:5,3)にそれぞれ該当するフォーカス位置(例:460,540)を用いて、基準となる基準フォーカス413のフォーカス位置(例:500)を識別することができる。
【0071】
例えば、プロセッサ170は、最大明暗インデックス(例:5,3)を有するフォーカス位置(例:460,540)の中間を、基準フォーカス413に対するフォーカス位置(例:500)と判断することができる。
【0072】
一実施形態によれば、プロセッサ170は、測定イメージが獲得されるかを識別することができる(S216)。プロセッサ170は、測定しようとするウエハに対する測定イメージを検出機から獲得することができる。
【0073】
一実施形態によれば、プロセッサ170は、基準フォーカスに基づいて、測定イメージの2つの層に基づいて(例:2つの層の仮想フォーカスグラフ)、明暗インデックスを識別することができる(S218)。プロセッサ170は、ウエハに対する測定イメージが獲得されると、獲得された測定イメージの2つの層のそれぞれに対する明暗インデックスを基準フォーカスに基づいて識別することができる。
【0074】
前記プロセッサ170は、基準イメージにおける基準フォーカス413を用いて、測定イメージの2つの層のそれぞれについて明暗インデックスを識別することができる。
【0075】
図4の(b)を参照すると、前記プロセッサ170は、基準イメージの基準フォーカス413を基準に、測定イメージの第1層に対する第1フォーカスグラフ421に基づく第1明暗インデックス(例:1.75)と、第2層に対する第2フォーカスグラフ422に基づく第2明暗インデックス(例:3)を識別することができる。
【0076】
例えば、前記第1フォーカスグラフ421と前記第2フォーカスグラフ422は、発明の説明のため
図4に示しているものの、前記プロセッサ170は、第1層に対する第1フォーカスグラフ421と、第2層に対する第2フォーカスグラフ422を生成しなくてもよい。すなわち、前記プロセッサ170は、測定イメージが獲得されると、前記基準フォーカスに基づいて、前記測定イメージの2つの層の明暗インデックスを識別することができる。
【0077】
一実施形態によれば、プロセッサ170は、基準イメージの2つの層のそれぞれで識別された明暗インデックスのそれぞれに対応するフォーカスを識別することができる(S220)。プロセッサ170は、前記過程(S218)で識別された第1明暗インデックス(例:1.75)と第2明暗インデックス(例:3)との間の差を計算し、計算された差と同じ差を有するインデックスを基準イメージの2つのフォーカスグラフを介して識別することができる。
【0078】
前記プロセッサ170は、基準フォーカス413を基準として、測定イメージの2つのフォーカスグラフ421,422に基づいて明暗インデックス差(例:3-1.75=1.25)を計算することができる。そして、前記プロセッサ170は、計算された明暗インデックス差(例:1.25)に該当するフォーカス位置を基準イメージにおける2つのフォーカスグラフを介して判断することができる。
【0079】
図4の(c)を参照すると、プロセッサ170は、
図4の(b)の明暗インデックス差(例:1.25)と同じ明暗インデックス差を有するフォーカスがどこであるかを判断することができる。
【0080】
例えば、プロセッサ170は、第1フォーカスグラフ411における明暗インデックスが1.75である地点が2つであり、第2フォーカスグラフ412における明暗インデックスが3である地点が2つであることを判断することができる。その後、プロセッサ170は、第1フォーカスグラフ411における2つの地点と、第2フォーカスグラフ412における2つの地点との間に、フォーカスが同一である地点(例:433,434)を識別することができる。
【0081】
このように、プロセッサ170は、
図4の(b)の明暗インデックス差(例:1.25)と同一である地点が、第1フォーカスグラフ411の第1地点434と、第2フォーカスグラフ412の第2地点433であると判断することができ、これを識別されたフォーカスと決定することができる。
【0082】
一実施形態によれば、プロセッサ170は、前記基準フォーカスと、前記識別されたフォーカスとの間の差を計算することができる(S222)。プロセッサ170は、識別されたフォーカス値(例:550)から基準フォーカスの値500を差し引いて、フォーカス差(例:50)を計算することができる。
【0083】
一実施形態によれば、プロセッサ170は、前記計算された差に基づいて、前記測定イメージに該当するフォーカスに対物レンズを移動させることができる(S224)。プロセッサ170は、フォーカス差を用いて、測定イメージにおける基準フォーカスを決定することができる。
【0084】
図4の(d)を参照すると、プロセッサ170は、レンズフォーカスアクチュエータ125を制御し、対物レンズ120の焦点距離を基準フォーカス413の位置(例:500)で識別されたフォーカス433の位置450に調節することができる。
【0085】
上述したように、本発明は、基準イメージの2つの層のそれぞれに対するフォーカスグラフを介して基準フォーカスを識別し、識別された基準フォーカスと、測定イメージを介して識別されたフォーカスとの間の差に基づいて、対物レンズ120の焦点距離を調節することにより、測定イメージにおける明暗が最も高い焦点位置を探すことができる。
【0086】
以上で上述した各々の手順図における各ステップは、図示の順序に関係なく動作することができるか、もしくは同時に行うことができる。また、本発明の少なくとも1つの構成要素と、上記少なくとも1つの構成要素で行われる少なくとも1つの動作は、ハードウェア及び/又はソフトウェアで具現可能である。
【0087】
以上のように、本発明について例示の図面を参照して説明したが、本発明は、本明細書で開示の実施形態と図面によって限定されるものではなく、本発明の技術思想範囲内における通常の技術者にとって様々な変形を行えることは明らかである。さらに、本発明の実施形態を前述しながら、本発明の構成による作用効果を明示的に記載して説明しなかったとしても、当該構成によって予測可能な効果も認めるべきであることは当然である。
【符号の説明】
【0088】
100 オーバーレイ計測装置
110 光源
112 第1ビームスプリッタ
113 第1ミラー
114 第1スペクトラムフィルタ
115 第2スペクトラムフィルタ
116 ビームコンバイナ
117 第2ミラー
118 リレーレンズ
120 対物レンズ
121 偏光フィルタ
122 ラムダ波長板
124 第3ビームスプリッタ
125 レンズフォーカスアクチュエータ
127 光学素子
130 第2ビームスプリッタ
131 第1検出機
132 ズームレンズ
133 第2検出機
134 フォーカスアクチュエータ
151 絞り
161 AF
170 プロセッサ