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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024069138
(43)【公開日】2024-05-21
(54)【発明の名称】自律走行計画装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   B60W 50/00 20060101AFI20240514BHJP
   B60W 60/00 20200101ALI20240514BHJP
   B60W 40/04 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
B60W50/00
B60W60/00
B60W40/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023135976
(22)【出願日】2023-08-24
(31)【優先権主張番号】10-2022-0148579
(32)【優先日】2022-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】鄭 在默
(72)【発明者】
【氏名】具 滋厚
(72)【発明者】
【氏名】申 世浩
【テーマコード(参考)】
3D241
【Fターム(参考)】
3D241BA00
3D241DC25Z
3D241DC59Z
(57)【要約】
【課題】一実施形態に係る電子層とは、能動的に利用可能な検出範囲を確保することにある。
【解決手段】一実施形態に係る電子装置は、移動体に配置され、検出データを生成するセンサ、移動体の走行計画に基づいて移動体に対して予測された移動体位置及び関心領域を決定し、予測された位置及び関心領域内センサの利用可能な検出領域(available sensing region)に基づいてターゲット位置オフセットを選択し、ターゲット位置オフセットに基づいて移動体の走行計画をアップデートするプロセッサを含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子装置であって、
移動体に配置され、検出データを生成するセンサと、
前記移動体の走行計画に基づいて、前記移動体に対して予測された移動体位置及び関心領域を決定し、
前記予測された位置及び前記関心領域内の前記センサの利用可能な検出領域に基づいて、ターゲット位置オフセットを選択し、
ターゲット位置オフセットに基づいて前記移動体の走行計画をアップデートするプロセッサと、
を含む、電子装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記移動体の速度、前記移動体の走行計画、及び前記移動体の経路に基づいて予測時点における前記移動体の位置を予測する、請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記走行計画に応じて前記移動体の走行車路又は走行予定車路のうち少なくとも1つに基づいて前記関心領域を決定する、請求項1に記載の電子装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記走行計画に対応する車路の幅及び道路の線型に基づいて前記関心領域を決定する、請求項1に記載の電子装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記移動体がオブジェクトに接近することに応答して、前記オブジェクトが地面から離隔した高さに対応する地点を含む前記関心領域を決定し、
前記オブジェクトは交通情報を提供する、請求項1に記載の電子装置。
【請求項6】
前記センサの利用可能な検出領域は、前記関心領域及び前記センサの検出範囲の重複領域のうち障害物オブジェクトによって遮られていない領域である、請求項1に記載の電子装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記予測された移動体位置を基準にする調整可能な走行範囲内で前記ターゲット位置オフセットを選択する、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電子装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、前記調整可能な走行範囲を前記移動体の走行車路に基づいて決定する、請求項7に記載の電子装置。
【請求項9】
前記調整可能な走行範囲は、走行車路から前記移動体の離脱を制限する範囲である、請求項7に記載の電子装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、前記調整可能な走行範囲内の複数の位置オフセットにおけるセンサ範囲評価に基づいて前記ターゲット位置オフセットを選択する、請求項7に記載の電子装置。
【請求項11】
前記調整可能な走行範囲内の複数の位置オフセットは、前記センサから前記移動体の前方に離隔されるオフセット、前記センサから前記移動体の後方に離隔されるオフセット、前記センサから前記移動体の第1側方に離隔されるオフセット、及び前記センサから前記第1側方に反対となる前記移動体の第2側方に離隔されるオフセットを含み、
前記プロセッサは、前記移動体の前記予測された位置に基づいて前記複数の位置オフセットのうち前記ターゲット位置オフセットを選択する、請求項7に記載の電子装置。
【請求項12】
前記関心領域は、前記センサから近い第1地点と前記センサから遠い第2地点を含む複数の地点を含み、
前記プロセッサは、
第1地点と第2地点に対して割り当てられたスコアがそれぞれ異なるように、複数の地点にスコアを割り当て、
前記複数の地点に割り当てられたスコアに基づいて、前記複数の位置オフセットのそれぞれに対する評価スコアを算出し、
前記評価スコアに基づいて前記複数の位置オフセットのうち前記ターゲット位置オフセットを選択する、請求項11に記載の電子装置。
【請求項13】
前記プロセッサは、
前記ターゲット位置オフセットに対応する位置を指示する能動検出レイヤを生成し、
前記能動検出レイヤと共に走行のための他のレイヤに基づいて前記走行計画を決定する、請求項1に記載の電子装置。
【請求項14】
前記プロセッサは、前記センサの全体検出領域で非利用可能な検出領域の比率が閾値を超過することに応答して、前記センサの利用可能な検出領域を増加させることができる位置オフセットの探索を開始する、請求項1に記載の電子装置。
【請求項15】
前記プロセッサは、前記比率が前記閾値以下であることに応答して、前記アップデートされた走行計画を保持する、請求項14に記載の電子装置。
【請求項16】
前記移動体は車両であり、
前記プロセッサは、前記アップデートされた走行計画に応じて前記車両の速度、加速度、又は、ステアリングのうち少なくとも1つを制御する、請求項1に記載の電子装置。
【請求項17】
前記プロセッサは、
前記走行計画が車路変更を含むことに応答して、前記移動体が車路を変更する前に前記センサに対して利用可能な検出領域を追加するための走行車路内の位置に前記移動体を移動させ、
前記追加された利用可能な検出領域から検出された情報に基づいて前記走行計画をアップデートする、請求項16に記載の電子装置。
【請求項18】
前記走行計画は、旅行の目的先又は走行操作に基づいた中間の目的先のうち少なくとも1つに向かっている経路を含む、請求項1に記載の電子装置。
【請求項19】
プロセッサで実現される方法であって、
移動体の走行計画に基づいて前記移動体に対して予測された移動体位置及び関心領域を決定するステップと、
前記予測された位置及び前記関心領域内のセンサの利用可能な検出領域に基づいて、ターゲット位置オフセットを選択するステップと、
ターゲット位置オフセットに基づいて前記移動体の走行計画をアップデートするステップと、
を含む、方法。
【請求項20】
前記ターゲット位置オフセットは、前記センサから前記移動体の前方の第1オフセット距離、前記センサから前記移動体の後方に第2オフセット距離、前記センサから前記移動体の第1側方に第3オフセット距離、又は、前記センサから前記移動体の第2側方に第4オフセット距離のいずれか1つを含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下の開示は自律走行計画に関する。
【背景技術】
【0002】
自律走行システム(autonomous system)又はADAS(advanced driver assistance system)は、運転者(又は、搭乗者)の介入なしに指定された目的先まで走行状況を認識し自動運転可能なシステムであって、最近、自律走行車両が未来の交通手段として注目され、それに対する関心が高まっている。
【0003】
自律走行車両は、認知、判断、経路生成、及び車両制御動作で構成される。例示的に、自律走行車両は、認知ステップで収集された検出データに基づいて周辺状況を判断し、走行経路を生成することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一実施形態に係る電子層とは、能動的に利用可能な検出範囲を確保することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態に係る電子装置は、移動体に配置され、検出データを生成するセンサと、前記移動体の走行計画に基づいて、前記移動体に対して予測された移動体位置及び関心領域を決定し、前記予測された位置及び前記関心領域内の前記センサの利用可能な検出領域に基づいて、ターゲット位置オフセットを選択し、ターゲット位置オフセットに基づいて移動体の走行計画をアップデートするプロセッサとを含む。
【0006】
前記プロセッサは、前記移動体の速度、前記移動体の走行計画、及び前記移動体の経路に基づいて予測時点における前記移動体の位置を予測することができる。
【0007】
前記プロセッサは、前記走行計画に応じて前記移動体の走行車路又は走行予定車路のうち少なくとも1つに基づいて前記関心領域を決定することができる。
【0008】
前記プロセッサは、前記走行計画に対応する車路の幅及び道路の線型に基づいて前記関心領域を決定することができる。
【0009】
前記プロセッサは、前記移動体がオブジェクトに接近することに応答して、前記オブジェクトが地面から離隔した高さに対応する地点を含む前記関心領域を決定し、前記オブジェクトは交通情報を提供することができる。
【0010】
前記センサの利用可能な検出領域は、前記関心領域及び前記センサの検出範囲の重複領域のうち障害物オブジェクトによって遮られていない領域であってもよい。
【0011】
前記プロセッサは、前記予測された移動体位置を基準にする調整可能な走行範囲内で前記ターゲット位置オフセットを選択することができる。
【0012】
前記プロセッサは、前記調整可能な走行範囲を前記移動体の走行車路に基づいて決定することができる。
【0013】
前記調整可能な走行範囲は、走行車路から前記移動体の離脱を制限する範囲であってもよい。
【0014】
前記プロセッサは、前記調整可能な走行範囲内の複数の位置オフセットにおけるセンサ範囲評価に基づいて前記ターゲット位置オフセットを選択することができる。
【0015】
前記調整可能な走行範囲内の複数の位置オフセットは、前記センサから前記移動体の前方に離隔されるオフセット、前記センサから前記移動体の後方に離隔されるオフセット、前記センサから前記移動体の第1側方に離隔されるオフセット、及び前記センサから前記第1側方に反対となる前記移動体の第2側方に離隔されるオフセットを含み、前記プロセッサは、前記移動体の前記予測された位置に基づいて前記複数の位置オフセットのうち前記ターゲット位置オフセットを選択することができる。
【0016】
前記関心領域は、前記センサから近い第1地点と前記センサから遠い第2地点を含む複数の地点を含み、前記プロセッサは、第1地点と第2地点に対して割り当てられたスコアがそれぞれ異なるように、複数の地点にスコアを割り当て、前記複数の地点に割り当てられたスコアに基づいて、複数の位置オフセットのそれぞれに対する評価スコアを算出し、前記評価スコアに基づいて前記複数の位置オフセットのうち前記ターゲット位置オフセットを選択することができる。
【0017】
前記プロセッサは、前記ターゲット位置オフセットに対応する位置を指示する能動検出レイヤを生成し、前記能動検出レイヤと共に走行のための他のレイヤに基づいて前記走行計画を決定することができる。
【0018】
前記プロセッサは、前記センサの全体検出領域で非利用可能な検出領域の比率が閾値を超過することに応答して、前記センサの利用可能な検出領域を増加させることができる位置オフセットの探索を開始することができる。
【0019】
前記プロセッサは、前記比率が前記閾値以下であることに応答して、前記アップデートされた走行計画を保持することができる。
【0020】
前記移動体は車両であり、前記プロセッサは、前記アップデートされた走行計画に応じて前記車両の速度、加速度、又は、ステアリングのうち少なくとも1つを制御することができる。
【0021】
前記プロセッサは、前記走行計画が車路変更を含むことに応答して、前記移動体が車路を変更する前に前記センサに対して利用可能な検出領域を追加するための走行車路内の位置に前記移動体を移動させ、前記追加された利用可能な検出領域から検出された情報に基づいて前記走行計画をアップデートすることができる。
【0022】
前記走行計画は、旅行の目的先又は走行操作に基づいた中間の目的先のうち少なくとも1つに向かっている経路を含むことができる。
【0023】
一実施形態に係るプロセッサで実現される方法は、移動体の走行計画に基づいて前記移動体に対して予測された移動体位置及び関心領域を決定するステップと、前記予測された位置及び前記関心領域内センサの利用可能な検出領域に基づいて、ターゲット位置オフセットを選択するステップと、ターゲット位置オフセットに基づいて移動体の走行計画をアップデートするステップとを含むことができる。
【0024】
前記ターゲット位置オフセットは、前記センサから前記移動体の前方の第1オフセット距離、前記センサから前記移動体の後方に第2オフセット距離、前記センサから前記移動体の第1側方に第3オフセット距離、又は、前記センサから前記移動体の第2側方に第4オフセット距離のいずれか1つを含むことができる。
【発明の効果】
【0025】
一実施形態に係る電子装置は、走行中に能動的に利用可能な検出範囲を確保することで、より安全な走行計画を樹立することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】一実施形態に係るセンサの視野を確保するための自律走行例を説明する図である。
図2】一実施形態に係るセンサの視野の能動検出方法を示すフローチャートである。
図3】一実施形態に係る関心領域を示す。
図4】一実施形態に係るセンサの検出範囲評価に基づいたターゲット位置オフセットの選択を示すフローチャートである。
図5】一実施形態に係る調整可能な走行範囲内の候補位置オフセットを示す。
図6】一実施形態に係る候補位置オフセットごとに検出範囲評価を示す。
図7】一実施形態に係る候補位置オフセットごとに検出範囲評価を示す。
図8】一実施形態に係る候補位置オフセットごとに検出範囲評価を示す。
図9】一実施形態に係る道路線形により決定された関心領域における検出範囲評価を示す。
図10】一実施形態により地面から離隔した位置を含む関心領域における検出範囲評価を示す。
図11】一実施形態により地面から離隔した位置を含む関心領域における検出範囲評価を示す。
図12】一実施形態に係るセンサ視野の能動検出を用いた走行計画の生成方法を示すフローチャートである。
図13】一実施形態に係る能動検出位置レイヤを用いた走行計画の決定を説明する。
図14】一実施形態に係る能動検出位置レイヤを用いた走行計画の決定を説明する。
図15】一実施形態に係る能動検出のために選択されたターゲット位置オフセットで確保される追加視野の例示を説明する。
図16】一実施形態に係る能動検出のために選択されたターゲット位置オフセットで確保される追加視野の例示を説明する。
図17】一実施形態に係る電子装置の構成を示すブロック図である。
図18】一実施形態に係る電子装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
実施形態に対する特定な構造的又は機能的な説明は単なる例示のための目的として開示されたものであって、様々な形態に変更されることができる。したがって、実施形態は特定な開示形態に限定されるものではなく、本明細書の範囲は技術的な思想に含まれる変更、均等物ないし代替物を含む。
【0028】
第1又は第2などの用語を複数の構成要素を説明するために用いることがあるが、このような用語は1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的としてのみ解釈されなければならない。例えば、第1構成要素は第2構成要素と命名することができ、同様に、第2構成要素は第1構成要素にも命名することができる。
【0029】
いずれかの構成要素が他の構成要素に「連結」されているか「接続」されていると言及されたときには、その他の構成要素に直接的に連結されているか又は接続されているが、中間に他の構成要素が存在し得るものと理解されなければならない。
【0030】
単数の表現は、文脈上、明白に異なる意味をもたない限り複数の表現を含む。本明細書において、「含む」又は「有する」等の用語は、明細書上に記載した特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものが存在することを示すものであって、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品、又はこれを組み合わせたものなどの存在又は付加の可能性を予め排除しないものとして理解しなければならない。
【0031】
本文書において、「A又はB」、「A及びBの少なくとも1つ」、「A又はBのいずれか1つ」、「A、B、又はC」、「A、B及びCの少なくとも1つ」といった各フレーズは、そのフレーズに該当するフレーズと共に記載されている項目のいずれか1つ又はすべて可能な組み合わせを含むことができる。
【0032】
異なるように定義さがれない限り、技術的又は科学的な用語を含んで、ここで用いる全ての用語は、本実施形態が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。一般的に用いられる予め定義された用語は、関連技術の文脈上で有する意味と一致する意味を有するものと解釈されなければならず、本明細書で明白に定義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味として解釈されることはない。
【0033】
以下、添付する図面を参照しながら実施形態を詳細に説明する。図面を参照して説明する際に、図面符号に拘わらず同じ構成要素は同じ参照符号を付与し、これに対する重複する説明は省略する。
【0034】
図1は、一実施形態に係るセンサの視野を確保するための自律走行例を説明する図である。
【0035】
一実施形態によれば、電子装置は、センサを介して移動体110周辺の状況を認識することができる。電子装置は、認識された周辺状況に基づいて移動体110の走行計画101を樹立してもよい。移動体110は、例えば、車両であってもよい。走行計画101を樹立可能な電子装置の搭載された車両を自律走行車両であると示す。本明細書において、移動体110の例示として車両を主に説明するが、これに限定されることなく、エアークラフト(aircraft(航空機))又はウォータークラフト(watercraft(船))であってもよい。以下、車両は、例えば、自動車、トラック、トラクター、スクーター、バイク、サイクル、水陸両用車、雪上車、ボート、公共交通手段、バス、モノレール、汽車、トラム、自律走行車両、無人航空機、自転車、歩行補助装置(WAD、walking assist device)、ロボット、ドローン及び飛行機のような飛行体のような全ての運送、配達、又は通信手段を意味する。一部の例として、車両は、例えば、自律走行車両、スマートモビリティー、電気自動車、知能型車両、電気自動車(EV、electrical vehicle)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV、plug-in hybrid EV)、ハイブリッド自動車(HEV、hybrid EV)又はハイブリッド自動車、先端運転者補助システム(ADAS、advanced driver assistance system)及び/又は自律走行(AD、autonomous driving)システムが装着されている知能型車両であってもよい。
【0036】
一部の例として、自律走行車両は、1つ以上のセンサ、カメラ、レーダー(RADAR(radio detection and ranging))、ライダー(LiDAR(light detection and ranging))センサ、赤外線センサ及び/又は超音波センサ、及び/又は周辺環境に関する情報を収集する他のデータキャプチャー装置を備えた自律走行車両である。自律走行車両は、アルゴリズム、マシーンラーニング(機械学習)、及びその他の人工知能技術を用いてセンサデータを解釈し、該当情報に基づいて意志決定を行うオンボードコンピュータシステムにより制御されてもよい。コンピュータシステムは、車両の速度、方向、加速及び制動はもちろん、照明、暖房、及びエアコンのようなその他のシステムを制御してもよい。一部の例として、自律走行車両に他の車両、インフラ及び/又は中央制御システムと相互に作用するための通信技術が装着されてもよい。自律走行車両は、例えば、完全自律、半自律、及び中央制御システムによって制御される遠隔制御のような様々なモードとして作動することができる。
【0037】
センサは、移動体110に配置されてもよい。センサは、移動体110の自律又は補助走行に関する情報を収集することができる。移動体110でセンサは、移動体110の前面、後面、側面、上面、又は、下面のうち少なくとも1つに配置されてもよい。本明細書において、説明の便宜のために移動体110の上面に配置されたセンサが、移動体110の正面に向かっている検出方向(sensing direction)を有する例示について主に説明している。ただし、センサの配置及び検出方向がこれに限定されず、設計に応じて変わり得る。
【0038】
自動運転車に搭載されたセンサの検出範囲(例えば、視野(field of view、FOV))は、様々な周辺環境によって制限される。センサの視野は、例えば、センサを介して観測可能な領域であり、センサによってキャプチャーされる最大領域を示す。センサの視野を全体検出領域(full sensing region)に示してもよい。例えば、図1に示すように、センサの視野は、他の障害物オブジェクト190によって遮られることがある。障害物オブジェクト190は、センサの視野を妨害するオブジェクトを示す。本明細書で障害物オブジェクト190が移動体110のような道路を走行する他の車両であって、大型貨物トラックである例示を主に説明するが、これに限定されることはない。障害物オブジェクト190は、道路構造物(例えば、歩道橋、トンネル)又は人(例えば、歩行者)を含んでもよい。センサの視野が障害物オブジェクト190によって制限される場合、移動体110の周辺状況に対する情報収集が制限され得る。情報収集が制限される場合、電子装置は、センサに見えない領域(invisible region)に対する危険度を判別することができない。
【0039】
本明細書において、道路は、車両が走行する道を示し、道路は車路(lane(車線))を含んでもよい。車路は、車路境界線によって区分される。車路境界線は車路を定義する線として、道路面にペインティングされた実線又は点線などであってもよく、道路の外郭に沿って配置された縁石(kerb)などであってもよい。
【0040】
一実施形態に係る電子装置は、センサの視野を確保する必要があるか否かを判断する。電子装置は、センサの最適視野を確保するための走行計画101(例えば、能動検出軌跡)を生成してもよい。電子装置が搭載されている移動体110(例えば、自律走行車両)が生成された走行計画101による軌跡を走行することで、電子装置は正確な周辺環境情報を認識することができる。例えば、図1において電子装置は、センサの利用可能な検出領域111(available sensing region)を増加できる位置を探索し得る。任意の移動体110の位置で利用可能な検出領域111は、センサの全体検出領域のうち障害物オブジェクト190によって遮られた領域を除外(又は、排除)した領域を示す。言い換えれば、利用可能な検出領域111は、センサの全体検出領域のうち障害物オブジェクト190によって(それほど遮られていなかったり)遮られていない領域を示す。例えば、全体検出領域は、センサの視野角及び最大検出距離に基づいた領域であってもよい。利用可能な検出領域111は、視野角内で最大検出距離又は障害物オブジェクト190までの距離に基づいた領域である。参考として、全体検出領域のうち障害物オブジェクト190によって遮られた検出領域は、センサに見られないことから、非利用可能な検出領域(unavailable sensing region)のように示す。センサによって検出可能な信号の直進性により、センサを基準にして障害物オブジェクト190の向かい側の領域からの信号は、センサに到達されないためである。センサの利用可能な検出領域111は、下記の図3を参照してより詳細に説明する。
【0041】
電子装置は、利用可能な検出領域111の増加のために探索された位置又は隣接する位置を経由するように走行計画101を決定することができる。電子装置は、移動体110により走行車路内で探索された位置に向かって移動するよう誘発されることで、移動体110に付着したセンサの利用可能な検出領域111を増加させ得る。図1において、電子装置は、移動体110により走行車路内で横方向に位置オフセット109だけ移動する走行計画101が実行される。電子装置は、移動体110が位置オフセット109だけ移動した後修正された位置で追加された利用可能な検出領域111に基づいた検出データを用いて走行計画101をアップデートすることができる。追加された利用可能な検出領域111では、既存に利用可能な検出領域111では見られていない新しい障害物オブジェクトが含まれてもよい。したがって、電子装置は、先行車両を追い越す走行計画101を試みることなく、現在の走行車路を保持する走行計画101を実行することができる。
【0042】
電子装置は、認識された周辺環境情報を様々な自律走行計画101に活用できる。電子装置は、センサの視野が制限される状況を脱出するために、能動的にセンサ視野を増加させる位置(例えば、能動検出位置)を決定する。電子装置は、能動検出位置に基づいて走行計画101を効率よく決定することができる。
【0043】
図2は、一実施形態に係るセンサの視野の能動検出方法を示すフローチャートである。図2の動作は、図示するような順及び方式により実行されてもよい。しかし、図示された実施形態を逸脱しない範囲内で一部動作の順が変更されたり一部の動作が省略されてもよい。また、図2に示された動作は、並列的又は同時に実行されてもよい。図2に示す1つ以上のブロック及びブロックの組合せは、指定された機能を行う特殊目的のハードウェア基盤コンピュータ又は特殊目的のハードウェアと命令語(例えば、コンピュータ又はプロセッサ命令語)の組合せによって実現されてもよい。例えば、動作210~230は、コンピューティング装置(例えば、電子装置1700のプロセッサ1720)によって実行されてもよい。以下、図2の説明に加えて、図1の説明は図2にも適用可能である。
【0044】
ステップS210において、電子装置は、移動体の走行計画に基づいて関心領域を決定する。例えば、電子装置は、移動体の走行計画に基づいて移動体に対して移動体の予測された位置及び関心領域を決定してもよい。移動体の予測された位置は、時間の特定量(例えば、現在時点から時間の量)以後の走行計画に応じて移動体が移動する場合、移動体があると予測される位置を示す。関心領域は、移動体が走行計画に応じて移動するために視野が確保されなければならない領域を含んでもよい。関心領域の決定は、下記の図3を参照して説明する。
【0045】
ステップS220において、電子装置は、関心領域内センサの利用可能な検出領域に基づいて、ターゲット位置オフセットを決定する。センサは、上述したように移動体に配置され、検出範囲に対する検出データを生成してもよい。例えば、電子装置は、予測された位置を基準にして決定された関心領域内センサの利用可能な検出領域(available sensing region)に基づいてターゲット位置オフセットを選択してもよい。ターゲット位置オフセットは、予測された移動体位置に対して適用されるオフセットを示す。ターゲット位置オフセットは適用されるとき、ステップS210において、予測された移動体位置を基準にしてセンサの利用可能な検出範囲を増加又は最大化させるオフセットを示す。位置オフセットは、下記の図5を参照して説明し、ターゲット位置オフセットの決定は、下記の図6図8を参照して説明する。
【0046】
ステップS230において、電子装置は、ターゲット位置オフセットに基づいて移動体の走行計画を決定する。例えば、電子装置は、ターゲット位置オフセットに基づいて移動体の走行計画を決定してもよい。電子装置は、移動体に予測された移動体位置にターゲット位置オフセットを適用した地点、又は、その隣接する地点を通過するよう誘発する走行計画を決定してもよい。したがって、電子装置は、移動体が受動的に検出データのみを活用するものではなく、移動体が能動的に最適な検出可能な位置に沿って走行するように誘発し得る。電子装置は、能動的に確保した追加検出領域の情報を介して、より積極的な走行計画を決定することができる。
【0047】
図3は、一実施形態に係る関心領域を示す。
【0048】
一実施形態によれば、電子装置は、走行計画(例えば、自律走行計画又は現在の走行計画)に該当する関心領域を選定することができる。関心領域320は、予測された移動体310の位置311に基づいて選定されてもよい。例えば、電子装置は、移動体310の速度(速力)(例えば、V)及び移動体310の走行計画による経路に基づいて、予測時点における移動体310の位置311を予測できる。予測時点は、基準時点(例えば、現在時点)から時間(例えば、時間tsim)が経過した時点を示す。図3において、電子装置は移動体310が基準時点から予測時点まで走行車路381に沿って等速で移動した位置を予測された移動体位置311として決定してもよい。移動体310の基準時点で縦方向軸(例えば、x軸)位置を0に仮定する場合、予測時点で縦方向軸位置は
であってもよい。Vは移動体310の基準時点における速度、tsimは基準時点から予測時点までの経過時間を示す。
【0049】
実施形態によると、電子装置は、走行計画によって移動体310の走行車線381又は走行予定車線382のうち少なくとも一つに基づいて関心領域320を決定することができる。例えば、電子装置は、走行計画に対応する車路の幅及び道路線形に基づいて関心領域320を決定できる。関心領域320は、予測された移動体位置311を基準にして走行計画に対応する車路の道路線形に従う形態及び車路の幅に基づいて決定してもよい。関心領域320は、予測された移動体位置311を基準にして後方領域及び前方領域を含んでもよい。後方領域は、予測された移動体位置311の後方に対応する領域を示す。前方領域は、予測された移動体位置311の前方に対応する領域を示す。図3に示す関心領域320は、前方領域の長さが後方領域の長さよりも長い領域である。
【0050】
関心領域320の幅は、走行計画が車路変更を含むか否かに基づいて決定される。例示的に、走行計画による経路が走行車路381のみを含んでいる場合、関心領域320は、走行車路381の幅及び走行車路381の道路線形に従う長さを有する形態の領域として決定されてもよい。走行計画による経路が走行車路381及び走行予定車路382を含む場合、関心領域320は、走行車路381と走行予定車路382の幅、及び道路線形に従う長さを有する形態の領域に決定されてもよい。参考として、図3において、走行計画が左側に車路変更を含み、関心領域320は、横方向(例えば、y軸方向)に2つの車路(例えば、走行車路381及び走行車路381の左側車路)の幅を有してもよい。
【0051】
関心領域320の長さは、道路380(road)又は車路(lane)の線型に従う長さであってもよい。電子装置は、移動体310の速度に基づいて関心領域320の長さを調整できる。例えば、電子装置は、移動体310の速度が第1速度である場合、関心領域320の長さを第1長さとして決定してもよい。電子装置は、移動体310の速度が第1速度よりも大きい第2速度である場合、関心領域320の長さを第1長さよりも長い第2長さとして決定してもよい。言い換えれば、電子装置は、移動体310の速度が増加するほど、関心領域320の長さが増加される。反対に、電子装置は、移動体310の速度が減少するほど、関心領域320の長さは低減される。電子装置は。最小の長さ及び最大の長さの間で移動体310の速度により関心領域320の長さを増加させたり減少させてもよい。例示的に、前方領域の長さが移動体310の速度に依存して変化し、後方領域の長さは固定されてもよい。ただし、これに限定することなく、設計に応じて後方領域の長さも移動体310の速度に依存して変化してもよい。
【0052】
参考として、図3では、道路線形が直線であるため関心領域320も縦方向(例えば、x軸方向)の長さを有する例示が示されているが、これに限定されることなく、図9では、道路線形が曲線である場合の関心領域320が説明される。
【0053】
例えば、関心領域320は、地面に平行な平面領域、又は地面に交差する平面領域のうち少なくとも1つの領域を含んでもよい。ただし、関心領域320がこれに限定されることなく、関心領域320は、3次元空間(例えば、3次元ボリューム)の領域であってもよい。本明細書において、説明の便宜のために関心領域320が2次元平面の領域である例示を主に説明する。関心領域320は、地面に平行な第1関心領域及び地面に交差する第2関心領域を含んでもよい。
【0054】
地面に平行な第1関心領域は、例えば、地面に平行しながら単一車路に対応する幅を有する領域、又は、地面に平行して2つの車路のような1つ以上の車路に対応する幅を有する領域を含んでもよい。走行計画が移動体310の車路保持である場合、電子装置は、移動体310が現在の走行中である車路(例えば、現在車路)を含む関心領域320(例えば、単一車路に対応する幅を有する領域)を決定してもよい。走行計画が移動体310の回転(例えば、左折又は右折)である場合、電子装置は、車両が回転するとき通過する車路又は道路380の部分を含む関心領域320(例えば、単一車路に対応する幅を有する領域)を決定してもよい。走行計画が移動体310の車路変更である場合、電子装置は、移動体310が変更しようと意図した車路及び移動体310の現在車路を含む関心領域320(例えば、2つの車路に対応する幅を有する領域)を決定してもよい。参考として、地面に交差する第2関心領域は、下記の図10及び図11を参照して説明する。
【0055】
また、電子装置は、関心領域320内の地点に対してセンサについて確保される視野(field of view、FOV)を評価するために用いられるスコア(例えば、視野スコア)をマッピングしてもよい。関心領域320に視野スコアがマッピングされたマップを視野スコアマップと示す。スコアは、例えば、視野リウォード(reward(報酬))又は視野コスト(cost)であってもよい。関心領域320に視野リウォードがマッピングされた場合に視野リウォードマップ、視野コストがマッピングされた場合に視野コストマップと示す。図3では、関心領域320の地点に視野リウォードがマッピングされた例が示されている。視野リウォードとして関心領域スコア(ROI score)が設定してもよく、0点に近いほどセンサに近い地点、1点に近いほどセンサから遠い地点である。
【0056】
関心領域320に対する視野リウォードマップ(FOV reward map)は、センサから距離が遠い地点であるほど高い視野リウォードを有し、近い地点であるほど低い視野リウォードを有してもよい。関心領域320の高い視野リウォードは、センサから遠い地点まで視野が確保されていることを示す。反対に、関心領域320の低い視野リウォードは、センサから近い地点まで視野が確保されていることを示す。言い換えれば、視野リウォードが高まるほど、視野がさらに多く確保されていることを示す(例えば、能動又は遮られていない視野の領域が増加する)。
【0057】
一実施形態に係る電子装置は、関心領域320及びセンサの検出範囲350の重複領域のうち、障害物オブジェクト390によって遮られていない領域をセンサの利用可能な検出領域360として決定することができる。移動体310の予測された位置311と同様に、電子装置は、障害物オブジェクト390に対しても基準時点における速度(例えば、各障害物オブジェクト390の速度)及び進行方向に基づいて移動するものと予想できる。予測時点における障害物オブジェクト390の位置を予測された障害物位置に示す。電子装置は、移動体310及び障害物オブジェクト390の予測された位置に基づいて、位置オフセットごとに利用可能な検出領域360を判断する。参考として、図3は、位置オフセットが(0,0)である場合であって、縦方向軸(例えば、x軸)及び横方向軸(例えば、y軸)へのオフセットがそれぞれ0である例が示されている。言い換えれば、予測された移動体位置311における利用可能な検出領域360が示されている。
【0058】
電子装置は、任意の位置オフセットで利用可能な検出領域360に基づいてセンサ範囲評価を行うことができる。例えば、電子装置は、関心領域320のうち利用可能な検出領域360に属する地点にマッピングされたスコア(例えば、視野リウォード)に基づいてセンサ範囲評価データを生成することができる。センサ範囲評価は、下記の図6図8を参照して説明する。
【0059】
本明細書で理解を助けるために、関心領域320に視野リウォードがマッピングされる例示を主に説明するが、これに限定されることなく、視野コストがマッピングされてもよい。視野リウォード及び視野コストは、センサの視野を評価する尺度(measure)を示す。関心領域320に対する視野コストマップ(FOV cost map)は、センサから距離が遠い地点であるほど低い視野コストを有し、近い地点であるほど高い視野コストを有する。関心領域320において、低い視野コストはセンサから遠い地点の視野が確保されていることを示す。関心領域320において、高い視野コストは、センサから近い地点の視野が確保されていることを示す。言い換えれば、視野コストが低くなるほど、視野がさらに多く確保されていることを示す。
【0060】
図3図6図7図8、及び図9では、地面に平行な第1関心領域の例を説明し、図10及び図11では、地面に垂直な第2関心領域の例を説明する。ただし、関心領域320がこれに限定されず、関心領域320は、走行計画の樹立に要求される情報が示される地点を含むように予測された移動体位置311を基準にして動的に調整されることができる。
【0061】
図4は、一実施形態に係るセンサの検出範囲評価に基づいたターゲット位置オフセットの選択を示すフローチャートである。図4の動作は、図4に示された順及び方式で実行されてもよい。しかし、図示された実施形態を逸脱しない範囲内で一部動作の順が変更されたり、一部の動作が省略されてもよい。また、図4に示された動作は並列的又は同時に実行されてもよい。図4に示す1つ以上のブロック及びブロックの組合せは、指定された機能を行う特殊目的のハードウェア基盤コンピュータ又は特殊目的のハードウェアと命令語(例えば、コンピュータ又はプロセッサ命令語)の組合せによって実現されてもよい。例えば、動作421~424は、コンピューティング装置(例えば、電子装置1700のプロセッサ1720又は電子装置1700のプロセッサ1720)によって実行されてもよい。以下の図4に対する説明に加えて、図1図3の説明は図4にも適用可能である。
【0062】
ステップS421において、電子装置は、センサの全体検出領域を決定する。例えば、電子装置は、移動体に装着されたセンサの検出方向及び視野角と移動体の予測された位置に基づいて全体検出領域を決定してもよい。
【0063】
ステップS422において、電子装置は、調整可能な走行範囲を決定する。調整可能な走行範囲は、前述したセンサの視野確保のために走行計画を調整可能又は調節可能な1つの領域範囲を示す。後述する検出範囲評価のための位置オフセットは、調整可能な走行範囲内に配置されてもよい。調整可能な走行範囲及び調整可能な走行範囲内の複数の位置オフセット(例えば、候補位置オフセット)は、下記の図5を参照して説明する。
【0064】
また、電子装置は、位置オフセットごとに利用可能な検出領域を決定してもよい。図3を参照して上述したように、利用可能な検出領域は、関心領域とセンサの全体検出範囲が重複する領域のうち、障害物オブジェクトにより(それほど遮られていない)遮られていない領域であってもよい。電子装置は、センサの検出データに基づいて障害物オブジェクトを検出する。電子装置は、障害物オブジェクトの検出結果(例えば、障害物オブジェクトまでの距離及び障害物オブジェクトの大きさ)に基づいて、関心領域内で利用可能な検出領域を決定してもよい。電子装置は、関心領域内で障害物オブジェクトを検出した部分に対しては、センサから障害物オブジェクトの間の領域を利用可能な検出領域として決定してもよい。電子装置は、障害物オブジェクトが検出されていない部分に対しては、センサからセンサの最大検出距離に対応する地点又は関心領域の境界の間の領域を利用可能な検出領域として決定してもよい。
【0065】
ステップS423において、電子装置は、調整可能な走行範囲内の複数の位置オフセットに対してセンサの検出範囲評価を行う。例えば、電子装置は、各位置オフセットで利用可能な検出領域に基づいて評価スコアを算出してもよい。利用可能な検出領域がセンサから遠い地点を多く含むほど、高い評価スコアが算出される。センサから遠い地点まで検出利用可能なことは、センサの視野が遠い地点まで確保されていることを示す。評価スコアの算出は、下記の図6図8を参照して説明する。
【0066】
ステップS424において、電子装置は、検出範囲評価に基づいて複数の位置オフセットのうちターゲット位置オフセットを選択する。例えば、電子装置は、ステップS423で候補位置オフセットごとに検出範囲評価を行うことで、各候補位置オフセットにおける利用可能な検出領域に基づいた評価スコアを算出してもよい。電子装置は、算出された評価スコアに基づいて候補位置オフセットのうちターゲット位置オフセットを選択する。評価スコアが視野リウォードに基づいたスコアである場合、電子装置は、最も高い視野リウォード合計を有する位置オフセットをターゲット位置オフセットとして決定してもよい。ただし、これに限定されることなく、評価スコアが視野コストに基づいたスコアである場合、電子装置は、最も低い視野コスト合計を有する位置オフセットをターゲット位置オフセットとして決定してもよい。
【0067】
図5は、一実施形態に係る調整可能な走行範囲内の候補位置オフセットを示す。
【0068】
一実施形態に係る電子装置は、調整可能な走行範囲520を選定する。調整可能な走行範囲520は、現在又は予測した走行状況を基準にして衝突が防止されて安全の確保される範囲内で選定ことができる。例えば、電子装置は、調整可能な走行範囲520を移動体510の走行車路に基づいて決定してもよい。電子装置は、移動体の幅591及び走行車路の幅592に基づいて調整可能な走行範囲520を決定し得る。調整可能な走行範囲520は、移動体510の走行車路離脱を制限する範囲であってもよい。調整可能な走行範囲520の横方向範囲は、移動体510の外郭(例えば、移動体510の側面)が車路境界線によって定義される走行車路領域を逸脱しないように、移動体510の横方向に移動できる範囲を示す。言い換えれば、調整可能な走行範囲520の横方向範囲は、移動体510の外郭が走行車路領域内に含まれている横方向移動範囲を示す。ただし、前述した調整可能な走行範囲520の横方向範囲を前述したものに限定されることなく、設計に応じて、走行車路に隣接する車路に対応する部分まで含んでもよい。
【0069】
図5において、調整可能な走行範囲520の縦方向範囲は、横方向範囲のような長さに示されているが、これに限定されることはない。調整可能な走行範囲520の縦方向範囲は設計に応じて変わり得る。例示的に、調整可能な走行範囲520の縦方向範囲は、移動体510の速度により変化してもよい。移動体510の速度が増加すれば、調整可能な走行範囲520の縦方向範囲も増加し、移動体510の速度が減少すれば縦方向範囲も減少してもよい。
【0070】
一実施形態によれば、電子装置は、予測された移動体位置を基準にする調整可能な走行範囲520(adjustable driving range)内でターゲット位置オフセットを選択することができる。複数の位置オフセット521は、調整可能な走行範囲520内にあってもよい。図5に示された各位置オフセットは、移動体510において、センサ511が配置された地点を零点(例えば、(0,0)オフセット)にし、複数の位置オフセット521は互いに離隔してもよい。複数の位置オフセット521は、上述したように移動体510の走行車路からの離脱が制限される範囲内にある。調整可能な走行範囲520は、少なくとも4つの位置オフセット521を含んでもよい。例示的に、調整可能な走行範囲520内の複数の位置オフセット521は、予測された移動体位置を基準にして前方に離隔されるオフセット、後方に離隔されるオフセット、第1側方(例えば、移動体510の進行方向を基準にして左側)に離隔するオフセット、及び第1側方に反対となる第2側方(例えば、移動体510の進行方向を基準にして右側)に離隔するオフセットを含んでもよい。
【0071】
位置オフセット521間の単位間隔522(例えば、50cm)は、縦方向(例えば、x軸)及び横方向(例えば、y軸)に対して等間隔であると示されているが、これに限定されることはない。参考として、後述する図6において、(-2、2)オフセットは、零点を基準にして縦方向に-2の単位間隔522、横方向に2の単位間隔522だけ離隔したオフセットを示す。言い換えれば、(-2、2)オフセットは、零点(例えば、予測された移動体位置)から後方に2の単位間隔522、移動体510の進行方向を基準にして左側に2の間隔522だけ離隔したオフセットであってもよい。同様に、図7において、(2,2)オフセットは、零点(原点)を基準にして縦方向に2の単位間隔522、横方向に2の単位間隔522だけ離隔したオフセットを示す。言い換えれば、2,2オフセットは、予測された移動体位置から前方に2の単位間隔522、左側に2の単位間隔522だけ離隔したオフセットを示す。図8において、(-2、0)オフセットは、零点を基準にして縦方向に-2の単位間隔522だけ離隔したオフセットを示す。言い換えれば、(-2、0)オフセットは、予測された移動体位置を基準にして後半に2の単位間隔522だけ離隔したオフセットを示す。
【0072】
参考として、候補位置オフセット521の個数、候補位置オフセット521間の間隔522が固定されるものと説明したが、これに限定されることはない。例示的に、移動体510の速度により調整可能な走行範囲520内の位置オフセット521の個数及び位置オフセット521間の間隔522が変化するように設計されてもよい。
【0073】
一実施形態に係る電子装置は、複数の位置オフセット521のうちターゲット位置オフセットを選択することができる。上述したように電子装置は、各位置オフセットにおけるセンサ511の視野範囲評価に基づいてターゲット位置オフセットを選択してもよい。下記の図6図8では、位置オフセットごとの視野範囲評価について説明する。
【0074】
図6図8は、一実施形態に係る候補位置オフセットごとに検出範囲評価を示す。
【0075】
例示的に、図6図8において、図3と同様に、走行計画が移動体610,710,810の進行方向を基準にして左側車路への変更を含んでもよい。左側車路に変更するとき左側の視野情報が重要であるため、説明の便宜のために複数の位置オフセットのうちにも零点に比べて左側車路に隣接する候補位置オフセットにおける視野範囲評価が例示的に説明されている。ただし、これは残りの候補位置オフセットにおける視野範囲評価を排除するものではない。図3と同様に、予測時点に対して予測された移動体位置及び障害物オブジェクト690,790,890の予測された位置は、基準時点における個別速度及び移動方向に基づいて決定されてもよい。予測された移動体位置を零点にし、零点に位置オフセットが適用された位置における利用可能な検出領域660,760,860が示されている。
【0076】
一実施形態によれば、電子装置は、位置オフセットでセンサの視野をシミュレーションすることができる。例えば、電子装置は、調整可能な走行範囲内の複数の位置オフセットにおけるセンサ範囲評価に基づいて、複数の位置オフセットのうちターゲット位置オフセットを選択してもよい。例えば、電子装置は、関心領域620,720,820に含まれた地点に割り当てられたスコア、及び位置オフセットごとの利用可能な検出領域660,760,860に基づいて該当位置オフセットに対するセンサ範囲評価を生成することができる。
【0077】
電子装置は、各位置オフセットに対して、予測された移動体位置に該当位置オフセットを適用した位置を基準にしてセンサ範囲評価を行うことができる。例えば、図6において、電子装置は、予測された移動体位置に(-2、2)オフセットが適用された位置612で利用可能な検出領域660を決定してもよい。図7において、電子装置は、予測された移動体位置に(2,2)オフセットが適用された位置713で利用可能な検出領域760を決定してもよい。図8において、電子装置は、予測された移動体位置(-2、0)オフセットが適用された位置814で利用可能な検出領域860を決定してもよい。
【0078】
電子機器は、複数の位置オフセットのそれぞれについて、複数の地点のうちセンサの利用可能な検出領域660、760、860に含まれる地点に割り当てられたスコアに基づいて、当該位置オフセットに対する評価スコアを算出することができる。電子装置は、利用可能な検出領域660、760、860に対応する関心領域620、720、820内の地点に割り当てられた視野スコアを識別することができる。前述の関心領域620,720,820は、センサから近い第1地点とセンサから遠い第2地点を含む複数の地点を含む。関心領域620,720,820において、第1地点と第2地点に対して異なるスコアが割り当てられてもよい。図6図8では、関心領域620、720、820にスコアとして視野リウォード(例えば、ROIスコア)がマッピングされている例が示されている。第2地点に割り当てられたスコア(例えば、視野リウォード)が第1地点に割り当てられたスコアよりも大きくてもよい。言い換えれば、センサから遠い地点ほど、高い視野リウォードスコアがマッピングされる関心領域に視野スコアがマッピングされたマップを視野スコアマップ(例えば、視野リウォードマップ)とも示してもよい。
【0079】
例えば、電子装置は、調整可能な走行範囲内の各位置(例えば、予測された移動体位置を基準にして位置オフセットに対応する位置)で、前述した視野スコアマップに基づいてセンサの検出範囲を評価することができる。例えば、電子装置は、位置オフセットごとにセンサの検出範囲評価(sensing range evaluation)を行ってもよい。検出範囲評価に基づいた評価データは、関心領域620,720,820内で該当センサに利用可能な検出領域660,760,860の視野スコアの合算を含んでもよい。
【0080】
一実施形態に係る電子装置は、前述した検出範囲評価に基づいて位置オフセットのうちターゲット位置オフセットを選択することができる。例えば、電子装置は、算出された評価スコアに基づいて複数の位置オフセットのうちターゲット位置オフセットを選択してもよい。電子装置は、複数の位置オフセットに対して個別的に算出された視野スコア合算に基づいて、複数の位置オフセットのうちターゲット位置オフセットを選択してもよい。例えば、電子装置は、位置オフセットに対する検出範囲評価(例えば、視野スコアの合算)を比較してもよい。電子装置は、視野リウォードの合算が最大である位置オフセットをターゲット位置オフセットとして決定してもよい。例えば、電子装置は、下記の数式(1)によりターゲット位置オフセットを選択し得る。
【0081】
【数1】
【0082】
前述した数式(1)において、FOVはi番目の位置オフセットに対して関心領域620,720,820のうち利用可能な検出領域660,760,860を示す。ROI_Scorex、yは、i番目の位置オフセットに対して利用可能な検出領域660,760,860に属する地点(例えば、縦方向座標x、横方向座標y)の視野スコアを示す。数式(1)において、視野スコアが視野リウォードスコアである例示について説明される。電子装置は、前述した数式(1)のように、最も大きい視野スコア合算を有するターゲット位置オフセットを指示することを決定してもよい。電子装置は、予測された移動体位置(例えば、零点)からターゲット位置オフセットだけ離隔した位置を能動検出位置として決定する。能動検出位置は、調整可能な走行範囲内でセンサ視野を増加又は最大化させる位置を示す。上述したように、視野リウォードの合算が最大であるターゲット位置オフセット(又は、能動検出位置)は、与えられた走行計画内でセンサの視野を最大化できるオフセット(又は、位置)として解釈され得る。
【0083】
例えば、図6図8を参照すると、図6で(-2、2)オフセットにおける利用可能な検出領域660の視野スコア合算が、残りのオフセットにおける検出領域760,860の視野スコア合算よりも大きくてもよい。電子装置は、利用可能な検出領域の単なる面積基盤ではない、センサからの距離により加重されるスコアに基づいてターゲット位置オフセットを選択することができる。したがって、電子装置は、より遠い距離に対する視野を効率よく確保することができる。
【0084】
図9は、一実施形態に係る道路線形により決定された関心領域における検出範囲評価を示す。
【0085】
上述したように、関心領域920は、走行計画に対応する車路の道路線形に従う形態及び車路の幅に基づいて決定されることができる。関心領域920は、移動体の予測された位置911に基づいて決定されてもよい。図9において、理解を助けるために、移動体910が走行中である道路が曲線道路980である例示について説明する。電子装置は、曲線道路980の線型にしたがって、車路(例えば、走行車路981及び隣接車路982)の幅を有する形態の関心領域920を決定することができる。電子装置は、センサで検出可能な信号の直進性により関心領域920内の利用可能な検出領域960を決定し得る。例示的に、利用可能な検出領域960は、センサの視野角内でセンサから障害物オブジェクト990までの距離、関心領域920の境界までの距離、及び最大検出距離のうち最も小さい距離に対応する地点とセンサとの間の領域である。
【0086】
図3図9では地面に平行する第1関心領域を主に説明し、下記の図10及び図11では地面に交差する第2関心領域について説明する。参考として、本明細書において、第1関心領域に対する全体検出領域及び利用可能な検出領域は、地面に垂直な方向に向かっている領域を示す。
【0087】
図10及び図11は、一実施形態により地面から離隔した位置を含む関心領域における検出範囲評価を示す。
【0088】
一実施形態によれば、電子装置は、走行計画に応じて移動体1010,1110のランドマーク1080,1180へのアクセスを予測することに基づいて、ランドマーク1080,1180の情報が必要であると判断してもよい。電子装置は、走行計画及びマップデータに基づいて移動体1010,1110がランドマーク1080,1180に接近する予定であるかを判断してもよい。電子装置は、移動体の予測された位置1011,1111及びランドマーク1080,1180の間の距離が閾値距離未満である場合、移動体1010,1110がランドマーク1080,1180に接近する予定であると決定してもよい。移動体位置1011,1111及びランドマーク1080,1180間の距離は、GNSS(global navigation satellite system)信号に基づいた移動体の位置座標、及びマップデータの地理的情報(例えば、ランドマーク1080,1180の地理的座標)に基づいて算出されてもよい。マップデータはマップに関する情報を含んでもよく、例えば、ランドマーク1080,1180に関する情報(例えば、ランドマーク1080,1180の種類、ランドマーク1080,1180の地理的位置、ランドマーク1080,1180の大きさ、ランドマーク1080,1180の形状、及びランドマーク1080,1180の高さ)を含んでもよい。ランドマーク1080,1180は地面から離隔されてもよいが、このようなランドマーク1080,1180に対する視野を確保するためには、地面から離隔した地点に対する視野スコアがマッピングされた関心領域が使用されてもよい。
【0089】
ランドマーク1080,1180は、運転者に道路を走行するために必要な情報を提供するために、任意の地理的な位置に固定されているオブジェクトを示す。ランドマーク1080,1180は、例えば、交通安全標識(traffic sign)又は交通信号機(traffic light)、道路上の木の枝を含んでもよい。参考として、韓国道路交通法によれば、ランドマーク1080,1180は合計6種のクラスに分類されている。例えば、ランドマーク1080,1180は、注意標識、規制標識、指示標識、補助標識、路面表示、信号機などに分類されている。ただし、ランドマーク1080,1180の種類が上述したものに限定されず、国及び地理的な位置ごとに種類が変わり得る。
【0090】
例えば、走行計画で交通ランドマーク1080,1180(例えば、地面から離隔した交通安全標識又は信号機)の情報が要求される場合、電子装置は、予測された移動体位置1011,1111を基準にして交通ランドマーク1080,1180の高さに対応する地点まで含む関心領域を決定してもよい。電子装置は移動体1010,1110が走行計画に応じて交通情報を提供するオブジェクト(例えば、ランドマーク1080,1180)に接近する場合、オブジェクトが地面から離隔した高さに対応する地点を含む関心領域を決定してもよい。地面に交差する第2関心領域は、地面から離隔したランドマーク1080,1180に対応する高さの地点を含む領域であってもよい。第2関心領域は例示的に、地面に垂直な平面の領域であってもよい。例示的に、第2関心領域でランドマーク1080,1180に対応する地点にマッピングされた視野スコア(例えば、視野リウォードスコア)は、非ランドマーク(non-landmark)に対応する地点にマッピングされた視野スコアよりも大きくてもよい。
【0091】
図10を参照すると、電子装置は、予測された移動体位置1011を基準にして地面に垂直な関心領域を決定することができる。電子装置は、関心領域内でセンサの利用可能な検出領域1061,1062を決定してもよい。障害物オブジェクト1090によりセンサの視野が遮断される場合、センサの利用可能な検出領域1061が制限され、ランドマーク1080(例えば、信号機)がセンサに見られない。予測された移動体位置1011を基準にして(-2、0)オフセットが適用された位置1012(例えば、零点に比べて縦方向に後方位置)では、センサの利用可能な検出領域1062がランドマーク1080まで拡張され得る。障害物オブジェクト1090と移動体1010との間の距離が増加することで、センサの追加視野が確保されるためである。
【0092】
図10において、縦方向オフセットに対して同じ関心領域が設定される例示について説明したが、これに限定されることはない。図11を参照すれば、横方向オフセットごとに関心領域が設定されてもよい。図11において、縦方向軸はx軸、横方向軸はy軸、垂直方向軸はz軸に示されている。図11を参照すると、電子装置は、移動体の予測された位置1111に基づいて地面に垂直であるROIを決定する。電子装置は、ROIで使用可能な検出領域1161、1162、及び1163を決定することができる。センサのFOVが障害物オブジェクト1190によって遮られれば、センサの使用可能な検出領域1161,1162が制限されてランドマーク1180(例えば、信号機)がセンサに見られないこともある。
【0093】
位置1111の零点に比べて横方向オフセットが適用されている位置1112,1113において、電子装置は、関心領域内の利用可能な検出領域を決定することができる。地面に垂直な関心領域は、上述したようにランドマークに対応する部分に加重された視野スコアを有する。図11に示された例示では、(0、-2)オフセット(例えば、横方向に右側2の単位間隔だけ移動するオフセット)に対応する位置1113の利用可能な検出領域1163が、残りのオフセットに対応する位置1111,1112における利用可能な検出領域1161,1162に比べて高い視野スコア合算(例えば、視野リウォードスコアの合算)を有してもよい。利用可能な検出領域1163がランドマーク1180に対応する地点1183を含んでいるためである。したがって、電子装置は、(0、-2)オフセットをランドマークに対する視野を確保するためのターゲット位置オフセットとして決定してもよい。
【0094】
ただし、本明細書において、説明の便宜のために関心領域及び利用可能な検出領域を同じ平面であるものと説明したが、これに限定されることはない。関心領域は、3次元空間(例えば、3次元ボリューム)の領域であってもよく、3次元ボリューム内の地点に視野スコアがマッピングされてもよい。利用可能な検出領域も3次元ボリュームで算出されてもよく、利用可能な検出領域内の3次元地点にマッピングされた視野スコアの合算に基づいて位置オフセットごとの検出範囲評価が実行されてもよい。
【0095】
図12は、一実施形態に係るセンサ視野の能動検出を用いた走行計画の生成方法を示すフローチャートである。図12の動作は、図示するような順及び方式に実行されてもよい。しかし、図示された実施形態を逸脱しない範囲内で一部の動作の順が変更されたり、一部の動作が省略されてもよい。また、図12に示された動作は並列又は同時に実行されてもよい。図12に示す1つ以上のブロック及びブロックの組合せは、指定された機能を行う特殊目的のハードウェア基盤コンピュータ又は特殊目的のハードウェアと命令語(例えば、コンピュータ又はプロセッサ命令語)の組合せによって実現されてもよい。例えば、動作S1201~S1206は、コンピューティング装置1700(例えば、電子装置1700のプロセッサ1720又は電子装置1850のプロセッサ1820)によって実行されてもよい。以下の図12に対する説明に加えて、図1図11の説明は、図12にも適用可能である。
【0096】
ステップS1201において、電子装置は、走行の間に検出データを収集する。例えば、電子装置は、移動体に配置された1つ以上のセンサを介して周辺環境に対する検出データを生成してもよい。説明の便宜のために、主にセンサによる検出を説明するが、これに限定されることはない。移動体に複数のセンサが配置されている場合、電子装置は、複数のセンサによる検出データを収集することができる。
【0097】
ステップS1202において、電子装置は、検出データに基づいて移動体の周辺状況を決定する。例えば、電子装置は、検出データからオブジェクトを検出してもよい。電子装置は、検出データで障害物オブジェクト又はランドマークを識別する。電子装置は、障害物オブジェクトの種類及び大きさを決定し、障害物オブジェクトまでの距離を推定する。また、電子装置は、ランドマークによって指示される交通情報(例えば、信号機の停止信号、進行信号)を検出し、ランドマークまでの距離を推定できる。ただし、検出データに基づいた周辺状況の判断がこれに限定されず、電子装置は検出データを用いて移動体の走行に関する多様な情報を決定し得る。
【0098】
ステップS1203において、電子装置は、決定された周辺状況に基づいて走行計画を樹立する。例えば、電子装置は、周辺の障害物オブジェクトとの衝突を防止し、目的先に向かっている走行計画を樹立してもよい。例えば、走行計画は、旅行の目的先又はユーザの走行操作に基づいた中間の目的先(intermediate destination)のうち少なくとも1つに向かう経路を含んでもよい。旅行の目的先は、運転者が向かっている最終の目的先であってもよい。中間の目的先は、旅行の目的先に向かっている間に道路内で経由しなければならない地点、又は、ユーザの走行操作(例えば、車両の方向転換又は車路変更を意図した操作として方向指示などをターンオンする操作)により決定された中間地点を示す。例えば、走行途中にユーザにより車路変更を意図した走行操作が入力された場合、電子装置は、変更される車路上の地点を中間の目的先として設定することができる。
【0099】
一実施形態に係る電子装置は、前述した走行計画による走行の間センサの視野状況を監視することができる。電子装置は、センサの性能に比べて現在取得されたセンサ情報を比較してセンサ視野が十分に確保されているか否かについて判断する。電子装置はセンサ視野が足りない場合、センサ視野を確保するための位置又は位置オフセットを探索することができる。例えば、電子装置は、基準時点(例えば、現在時点)の移動体位置で非利用可能な検出領域を決定してもよい。電子装置は、センサの全体検出領域で非利用可能な検出領域の比率が閾値を超過することに応答して、センサの利用可能な検出領域を増加させ得る位置オフセットの探索を試み(attempt)又は開始(initiate)してもよい。参考として、電子装置は、非利用可能な検出領域の比率が閾値以下である場合、現在樹立された走行計画による走行を継続してもよい。
【0100】
ステップS1204において、電子装置は、センサの検出領域を増加させ得るターゲット位置オフセットを探索する。電子装置は、自律走行計画に応じて関心領域を設定してもよい。関心領域の設定及びターゲット位置オフセットの探索は、図1図11を参照して前述した。
【0101】
ステップS1205において、電子装置は、探索されたターゲット位置オフセットに基づいて走行計画をアップデートする。電子装置は、ターゲット位置オフセットに基づいて走行計画を決定してもよい。例えば、電子装置は、予測された移動体位置を基準にしてターゲット位置オフセットに対応する地点又は近接した地点を通過するように走行計画をアップデートしてもよい。電子装置は、ターゲット位置オフセットに基づいて能動検出位置を決定する。電子装置は、能動検出位置に基づいて能動検出位置レイヤを生成してもよい。電子装置は、能動検出位置レイヤを含む様々な走行情報レイヤを用いて走行計画(例えば、走行経路)をアップデートしてもよい。ターゲット位置オフセットに基づいた走行計画のアップデートは、下記の図13及び図14を参照して説明する。
【0102】
ステップS1206において、電子装置は、アップデートされた走行計画に応じて走行するように移動体を制御する。例えば、電子装置は、アップデートされた走行計画に応じて車両の速度、加速度、又は、ステアリングのうち少なくとも1つを制御してもよい。
【0103】
一実施形態に係る電子装置は、上述したように能動検出位置を探索することで、周辺状況をさらに精密かつ多様に認識することができる。電子装置は、自律走行計画に必要な様々な情報を追加生成し、より安全で効率的な自律走行を行うことができる。
【0104】
図13及び図14は、一実施形態に係る能動検出位置レイヤを用いた走行計画の決定を説明する。
【0105】
ステップS1301において、電子装置は、能動検出のためのターゲット位置オフセットを探索する。例えば、電子装置は、図1図11を参照して前述したように、予測された移動体位置を基準にしてセンサの利用可能な検出領域が増加する位置オフセットを決定することができる。
【0106】
一実施形態によれば、電子装置は、ターゲット位置オフセットに対応する位置を指示する能動検出位置レイヤ1310を生成することができる。電子装置は、予測された移動体位置からターゲット位置オフセットだけ離隔した位置を能動検出位置として決定してもよい。能動検出位置は、与えられた走行計画でセンサ視野が増加又は最大化される位置を示す。電子装置は、能動検出位置を指示する能動検出位置レイヤ1310を生成してもよい。能動検出位置レイヤ1310は、能動検出位置及び能動検出位置に隣接する位置に走行スコアがマッピングされたレイヤを示す。走行スコアは、走行計画の樹立基準となるスコアを示す。例えば、能動検出位置レイヤは、能動検出位置に関するスコア(例えば、走行リウォードスコア)を含むグリッドマップを含んでもよい。参考として、関心領域と能動検出位置レイヤ1310のスケールは異なってもよい。電子装置は、関心領域内で能動検出位置の座標をグリッドマップのグリッド座標に変換してもよい。電子装置は、変換された座標を基準にして走行スコアをマッピングしてもよい。能動検出位置レイヤ1310は、後述する異なる走行情報レイヤ1320のスコアを共に考慮して走行計画を樹立又はアップデートするために使用され得る。
【0107】
ステップS1302において、電子装置は、検出データを分析する。電子装置は、検出データを分析した結果に基づいて様々な走行情報レイヤ1320を生成してもよい。走行情報レイヤは、走行計画を樹立するために用いられる情報を含むレイヤとして、例示的に、グリッドマップレイヤであってもよい。能動検出位置レイヤ1310も走行情報レイヤの一種である。走行情報レイヤは、移動体の基準時点(例えば、現在時点)の位置を基準にして一定の範囲(例えば、走行関連範囲)内の地理的な領域に対するグリッドマップを含んでもよい。走行情報レイヤの個別位置(例えば、グリッドマップの各スペース)は、走行スコアを含んでもよい。
【0108】
走行スコアは、例示的に、走行リウォードスコア又は走行コストスコアであってもよい。例示的に、走行リウォードスコアが高いほど走行目的を達成するために役に立つ地点を示し、反対に、走行リウォードスコアが低いほど走行目的を妨害する地点を示す。走行コストスコアは、走行リウォードスコアとは反対に、低いほど走行に役に立ち、高いほど走行を妨害する地点を示す。参考として、走行関連範囲は、図1図12を参照して前述した関心領域とは異なる基準にして設定されているため、異なるスケール、大きさ、及び形態を有してもよい。本明細書において、説明の便宜のために走行リウォードスコアを例に挙げて説明するが、これに限定されることなく、設計に応じて走行コストスコアが使用されてもよい。
【0109】
参考として、走行情報レイヤは、例示的に、障害物レイヤ及び目的先レイヤを含んでもよい。ただし、走行情報レイヤの例示がこれに限定されることはない。障害物レイヤは、検出データに基づいて検出された障害物の位置を指示するレイヤである。図14を参照して後述するが、障害物に対応する位置には負(negative)の走行リウォードスコアがマッピングされてもよい。目的先レイヤは、走行目的により到達しなければならない旅行の目的先又は中間の目的先の位置を指示するレイヤである。図14を参照して後述するが、目的先に対応する位置には正(positive)の走行リウォードスコアがマッピングされてもよい。
【0110】
ステップS1303において、電子装置は走行計画を決定する。一実施形態に係る電子装置は、能動検出位置レイヤ1310と共に走行のための他のレイヤ(例えば、走行情報レイヤ)に基づいて走行計画を決定することができる。電子装置は、能動検出位置レイヤ1310及び走行情報レイヤ1320の走行スコアに基づいて走行計画をアップデートしてもよい。
【0111】
例えば、図14を参照すると、能動検出位置レイヤ1410、障害物レイヤ1420、及び目的先レイヤ1430が示されている。図3の参照して前述された例示と同様に、移動体1401が走行車路から左側車路に変更する計画が示されている。図14では、走行リウォードスコアを例に挙げて説明する。図示するように、能動検出位置レイヤ1410において、能動検出位置1411を基準にして周辺領域に走行リウォードスコア(例えば、加点)がマッピングされてもよい。障害物レイヤ1420において、障害物1421(例えば、他の車両)を基準にして周辺領域に走行リウォードスコア(例えば、減点)がマッピングされてもよい。目的先レイヤ1430には、目的先1431を基準にして周辺領域に走行リウォードスコア(例えば、加点)がマッピングされてもよい。各走行情報レイヤは、予測された移動体位置1402を基準にして設定された領域に対して生成されてもよい。
【0112】
電子装置(例えば、電子装置1700)は、前述したレイヤ1410,1420,1430に基づいて走行計画レイヤ1450を生成することができる。例えば、電子装置は、レイヤ1410,1420,1430の地点ごとの走行スコアを合算してもよい。電子装置はレイヤ1410,1420,1430のスコアを合算した結果を、走行計画レイヤ1450の各地点ごとのスコアとして決定する。電子装置は、走行計画レイヤ1450において、スコア(例えば、リウォード)が最大化される経路1409を算出することができる。電子装置は、算出された経路1409を含む走行計画を生成又はアップデートし得る。ただし、図14に示された走行経路のアップデートは、説明のための単なる例示として理解されなければならない。
【0113】
一実施形態に係る電子装置は、走行計画が車路変更を含む場合、移動体が車路を変更する前にセンサに対して利用可能な検出領域を追加するための走行車路内の位置に移動体を移動させることができる。電子装置は、追加された利用可能な検出領域から検出された情報に基づいて走行計画をアップデートしてもよい。したがって、電子装置は、車路を変更する前に自身の走行車路内で最大に検出情報を収集することで、移動体の安全を確保することができる。
【0114】
図15及び図16は、一実施形態に係る能動検出のために選択されたターゲット位置オフセットで確保される追加視野の例示を説明する。
【0115】
一実施形態に係る電子装置は、能動検出を介してセンサ視野をさらに確保することができる。図15に示された例示で、移動体1510のセンサは、障害物オブジェクト1590によって非利用可能な検出領域1561に対して情報を収集できなかった。電子装置は、障害物オブジェクト1590との距離が増加するターゲット位置オフセットで走行することで、追加検出領域1550を確保することができる。電子装置は、追加検出領域1550において、追加障害物1551を発見する。非利用可能な検出領域1562が減少し得る。したがって、電子装置は、都心状況で頻繁に発生する走行車路の停滞状況において、隣接車路への車路変更を追加検出領域1550で収集された情報も考慮して決定することができる。
【0116】
図16に示された例示にも同様に、移動体が左側後方にオフセット移動すること、センサの利用可能な視野が増加され得る。電子装置は、障害物1691,1692によって見えなかった新しい障害物1680を検出することができる。
【0117】
また、都心以外の道路で車線が1つである場合、中央線の追い越し可能な領域が存在してもよい。低速車両が多い場合、車路の中央だけで走行することは効率的ではない。一実施形態に係る電子装置は、前述したセンサ視野を確保するための能動検出を介して中央線の向かい側の反対側の車路の遠方で走行してくる車両の存在有無を判断することができる。したがって、電子装置は、十分な視野確保を通じて反対側車線の状況を把握し、危険度を正確に判断することができる。電子装置は、追い越しを含む自律走行の計画を効率よく樹立することができる。
【0118】
図17及び図18は、一実施形態に係る電子装置の構成を示すブロック図である。
【0119】
一実施形態に係る電子装置1700は、センサ1710、プロセッサ1720、メモリ1730、及び出力装置1740を含む。
【0120】
センサ1710は、信号(例えば、可視光線、レーダー信号、光、超音波、又は、赤外線)を受信することにより検出データを生成することができる。例えば、センサ1710は、カメラセンサ、レーダーセンサ、ライダーセンサ、超音波センサ、又は、赤外線センサを含んでもよい。カメラセンサは、物理的な地点(例えば、障害物オブジェクト上の地点)から反射した光(例えば、可視光線帯域の光)を受信及び検出することで検出データとしてイメージデータを生成してもよい。レーダーセンサは、レーダー信号を放射及び受信することによってレーダーデータを生成してもよい。ライダーセンサは、光を放射及び受信することでライダデータを生成してもよい。超音波センサは、超音波を放射及び受信することで超音波データを生成してもよい。赤外線センサは、オブジェクトから放出される赤外線を検出することで赤外線データを生成してもよい。ただし、これに限定されることなく、センサ1710は、走行のための様々な検出データを収集してもよい。例えば、センサ1710は、測位(localization)のためのGNSSモジュール及び移動体のモーション推定のためのIMU(inertial measurement unit)モジュールを含んでもよい。電子装置1700は、GNSS信号及びIMU信号に基づいて移動体の現在位置及び現在モーション(例えば、速度、加速度、角速度、及びステアリング方向)を決定することができる。
【0121】
プロセッサ1720は、電子装置1700の少なくとも1つの他の構成要素を制御し、様々なデータ又は算出の処理を行うことができる。プロセッサ1720は、電子装置1700の全般的な動作を制御し、電子装置1700の動作を行うための対応するプロセッサの読み出し可能な命令語を実行してもよい。プロセッサ1720は、例えば、メモリ1730に格納されたソフトウェアを実行してプロセッサ1720に接続されている電子装置1700のセンサ1710のような1つ以上のハードウェア構成要素を制御し、様々なデータ処理又は演算及びそのような構成要素の制御を行うことができる。
【0122】
プロセッサ1720は、移動体の走行計画に基づいて移動体に対して予測された移動体位置及び関心領域を決定することができる。プロセッサ1720は、予測された位置を基準にして決定された関心領域内のセンサ1710の利用可能な検出領域に基づいて、ターゲット位置オフセットを選択してもよい。プロセッサ1720は、選択されたターゲット位置オフセットに基づいて移動体の走行計画を決定することができる。ただし、プロセッサ1720の動作がそれに限定されることなく、プロセッサ1720は、図1図16を参照して前述した動作のうち少なくとも1つを時系列的又は並列的に行われてもよい。
【0123】
プロセッサ1720は、センサ視野を確保するために走行しなければならない軌跡を計画することができる。例えば、プロセッサ1720は、前述した能動検出位置又は能動検出位置に近接した位置を経由する軌跡を生成し得る。
【0124】
プロセッサ1720は、自律走行計画による経路を含む領域又は全体領域を関心領域として選定することができる。本明細書において、自律走行計画に応じて予測された移動体位置を基準にして、一定の範囲内領域が関心領域である例示を主に説明している。予測された移動体位置は、移動体が基準時点(例えば、現在時点)から予測時点まで同じ速度で走行計画に対応する車路の道路線形(road alignment)に沿って移動した位置として決定されてもよい。
【0125】
プロセッサ1720は、ハードウェアの実現データ処理装置であってもよい。ハードウェアの実現データ処理装置1720は、例えば、メインプロセッサ(例えば、中央処理装置(CPU、central processing unit)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA、field-programmable gate array)、又は、アプリケーションプロセッサ(AP、application processor))又はメインプロセッサと独立的又はメインプロセッサと共に動作可能な補助プロセッサ(例えば、GPU、神経処理装置(NPU、neural processing unit)、イメージ信号プロセッサ(ISP、image signal processor)、センサハブプロセッサ、又は、通信プロセッサ(CP、communication processor))を含んでもよい。プロセッサ1720に関する詳しい事項は以下で提供される。
【0126】
メモリ1730は、能動検出位置を決定するために必要な情報を格納することができる。例えば、メモリ1730は、検出データ、能動検出位置、マップデータ、及び走行情報レイヤを格納してもよい。ただし、これは純なる例示であって、メモリ1730に格納される情報がこれに限定されることはない。一例として、メモリ1730は、プログラム(又は、アプリケーション、又は、ソフトウェア)を格納してもよい。格納されたプログラムは、電子装置1700を動作させるためにプロセッサ1720によりコーディングされて実行可能な構文(sntax)集合であってもよい。メモリ1730は、揮発性メモリ又は非揮発性メモリを含んでもよい。
【0127】
揮発性メモリデバイスは、動的ランダムアクセスメモリ(DRAM、dynamic random-access memory)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM、static random-access memory)、サイリスタRAM(T-RAM、thyristor RAM)、ゼロキャパシRAM(Z-RAM、zero capacitor RAM)、又は、ツイントランジスタRAM(TTRAM、twin transistor RAM)として実現されてもよい。
【0128】
非揮発性メモリ装置は、電気的に消されるプログラム可能読出し専用メモリ(EEPROM、electrically erasable programmable read-only memory)、フラッシュメモリ、磁気RAM(MRAM、magnetic RAM)、スピン伝達トルク(STT、spin-transfer torque)-MRAM、伝導性ブリッジRAM(CBRAM、conductive bridging RAM)で実現されてもよい。強誘電体RAM(FeRAM、ferroelectric RAM)、相変化RAM(PRAM、phase change RAM)、抵抗性RAM(RRAM、resistive RAM)、ナノチューブRRAM(nanotube RRAM)、ポリマーRAM(PoRAM、polymer RAM)、ナノフローティングゲートメモリ(NFGM、nano floating gate Memory)、ホログラムメモリ、分子電子メモリ装置)又は絶縁体抵抗変化メモリを含んでもよい。
【0129】
一部の例では、プロセッサ1710は、出力装置1740を介して電子装置1850の走行計画、移動体の予測位置、及び走行計画に基づいたROIを出力してもよい。一部の例では、プロセッサ1710は、選択されたオフセットを出力装置1740に表示してもよい。一部の例では、出力装置1740は、聴覚、視覚、又は触覚チャネルを介してユーザに出力を提供してもよい。出力装置1740は、例えば、スピーカ、ディスプレイ、タッチスクリーン、振動発生器、及びユーザに出力を提供できる異なる装置を含んでもよい。出力装置1740は、前述した例に限定されず、例えば、電子装置1740に動作的に接続されているコンピュータスピーカ及びアイグラスディスプレイ(EGD、eyeglass display)のような他の出力装置が説明された例示の範囲から逸脱することなく使用されてもよい。一実施形態では、出力装置1740は、ユーザインターフェースをレンダリングし、情報及び音声を出力し、及び/又はユーザ入力を受信する能力を提供する1つ以上のハードウェアコンポーネントを含む物理的な構造である。
【0130】
図18は、電子装置の構成の一実施形態を示す。
【0131】
図18に示すように、電子装置1850は、車両1800(例えば、自律走行車両)に搭載されてもよい。車両1800は、電子装置1850及びECU1860を含んでもよい。電子装置1850は、センサ1810、プロセッサ1820、メモリ1830、及び出力装置1840を含む。電子装置1850は図17に示す電子装置1700の例示であってもよく、センサ1810は図17に示すセンサ1710の例示であってもよく、プロセッサ1820は図17に示すプロセッサ1720の例示であってもよく、メモリ1830は図17に示すメモリ1730の例示であってもよく、出力装置1840は図17に示す出力装置1740の例示であってもよい。以下の図18に対する説明の他に、図17の説明は図18にも適用可能であり、ここに統合される。
【0132】
移動体が車両1800であってもよい。プロセッサ1820は、アップデートされた走行計画に応じて車両1800の速度、加速度、又は、ステアリングのうち少なくとも1つを制御することができる。例えば、プロセッサ1820は、電子制御ユニット(Electronic Control Unit、ECU)1860と電気的に接続されてもよい。プロセッサ1820は、ECU1860を制御する。
【0133】
ECU1860は、車両1800の動作を制御することができる。例えば、ECU1860は、プロセッサ1720の命令に応答して、車両1800の速度、加速度、又はステアリングの少なくとも1つを変更及び/又は調整してもよい。ECU1860は、所望の速度又は加速度を達成するために電気モータを駆動し、エンジンへの燃料噴射のためのスロットル(例えば、燃料バルブ)又は電気モータを制御してもよい。また、ECU1860はブレーキを作動させて、又はエンジンブレーキにより車両1800を減速させてもよい。ECU1860は、ステアリング角度も制御してもよい。
【0134】
一実施形態に係る電子装置1850は、前述した能動検出に基づいて確保されたセンサ視野を介して車両1800の安全を確保し、センサの認識性能を向上させ、効果的な自律走行計画を樹立することができる。
【0135】
以上で説明された実施形態は、ハードウェア構成要素、ソフトウェア構成要素、又はハードウェア構成要素及びソフトウェア構成要素の組み合せで具現される。例えば、本実施形態で説明した装置及び構成要素は、例えば、プロセッサ、コントローラ、ALU(arithmetic logic unit)、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor)、マイクロコンピュータ、FPA(field programmable array)、PLU(programmable logic unit)、マイクロプロセッサー、又は命令(instruction)を実行して応答する異なる装置のように、1つ以上の汎用コンピュータ又は特殊目的コンピュータを用いて具現される。処理装置は、オペレーティングシステム(OS)及びオペレーティングシステム上で実行される1つ以上のソフトウェアアプリケーションを実行する。また、処理装置は、ソフトウェアの実行に応答してデータをアクセス、格納、操作、処理、及び生成する。理解の便宜のために、処理装置は1つが使用されるものとして説明する場合もあるが、当技術分野で通常の知識を有する者は、処理装置が複数の処理要素(processing element)及び/又は複数類型の処理要素を含むことが把握する。例えば、処理装置は、複数のプロセッサ又は1つのプロセッサ及び1つのコントローラを含む。また、並列プロセッサ(parallel processor)のような、他の処理構成も可能である。
【0136】
ソフトウェアは、コンピュータプログラム、コード、命令、又はそのうちの一つ以上の組合せを含み、希望の通りに動作するよう処理装置を構成したり、独立的又は結合的に処理装置を命令することができる。ソフトウェア及び/又はデータは、処理装置によって解釈されたり処理装置に命令又はデータを提供するために、いずれかの類型の機械、構成要素、物理的装置、仮想装置、コンピュータ格納媒体又は装置、又は送信される信号波に永久的又は一時的に具体化することができる。ソフトウェアはネットワークに連結されたコンピュータシステム上に分散され、分散した方法で格納されたり実行され得る。ソフトウェア及びデータは一つ以上のコンピュータで読出し可能な記録媒体に格納され得る。
【0137】
本実施形態による方法は、様々なコンピュータ手段を介して実施されるプログラム命令の形態で具現され、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録される。記録媒体は、プログラム命令、データファイル、データ構造などを単独又は組み合せて含む。記録媒体及びプログラム命令は、本発明の目的のために特別に設計して構成されたものでもよく、コンピュータソフトウェア分野の技術を有する当業者にとって公知のものであり使用可能なものであってもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体の例として、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク及び磁気テープのような磁気媒体、CD-ROM、DVDのような光記録媒体、フロプティカルディスクのような磁気-光媒体、及びROM、RAM、フラッシュメモリなどのようなプログラム命令を保存して実行するように特別に構成されたハードウェア装置を含む。プログラム命令の例としては、コンパイラによって生成されるような機械語コードだけでなく、インタプリタなどを用いてコンピュータによって実行される高級言語コードを含む。
【0138】
上記で説明したハードウェア装置は、本発明に示す動作を実行するために1つ以上のソフトウェアモジュールとして作動するように構成してもよく、その逆も同様である。
【0139】
上述したように実施形態をたとえ限定された図面によって説明したが、当技術分野で通常の知識を有する者であれば、上記の説明に基づいて様々な技術的な修正及び変形を適用することができる。例えば、説明された技術が説明された方法と異なる順に実行され、及び/又は説明されたシステム、構造、装置、回路などの構成要素が説明された方法とは異なる形態に結合又は組み合わせられてもよく、他の構成要素又は均等物によって置き換え又は置換されたとしても適切な結果を達成することができる。
【0140】
したがって、他の具現、他の実施形態および特許請求の範囲と均等なものも後述する特許請求範囲の範囲に属する。
【符号の説明】
【0141】
車両:1800
電子装置:1700、1850
センサ:1710、1810
プロセッサ:1720、1820
メモリ:1730、1830
出力装置:1740、1840
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