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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024006914
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】家具及びその家具部品アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A47B 88/925 20170101AFI20240110BHJP
【FI】
A47B88/925
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023004196
(22)【出願日】2023-01-16
(31)【優先権主張番号】111125245
(32)【優先日】2022-07-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】504297766
【氏名又は名称】川湖科技股▲分▼有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】513240939
【氏名又は名称】川益科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】陳 庚金
(72)【発明者】
【氏名】蘇 芳成
(72)【発明者】
【氏名】湯 岳樺
(72)【発明者】
【氏名】王 俊強
【テーマコード(参考)】
3B160
【Fターム(参考)】
3B160AA01
3B160AB02
3B160AB22
3B160AB62
3B160DA12
3B160DA26
3B160DA32
(57)【要約】      (修正有)
【課題】家具及びその家具部品アセンブリを提供する。
【解決手段】側壁22,24と、カバー部材と、フィッティング36,38とを含む家具部品アセンブリを提供する。側壁は、取り付け機能部32aを含む。カバー部材は、取り付け機能部に取り外し可能に取り付けられている。フィッティングは、側壁の取り付け機能部に取り付けられ、これにより、カバー部材が取り付け機能部から取り外された後に、側壁に載せるように構成される。また、家具部品アセンブリを有する1つの家具が提供される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取り付け機能部が設けられている側壁と、
カバー部材と、
前記取り付け機能部に取り外し可能に取り付けられ、これにより前記側壁に配置されているフィッティングとを備え、
前記フィッティングが前記取り付け機能部から取り外された後に、前記カバー部材は、前記側壁の前記取り付け機能部に取り外し可能に取り付けられ、これにより前記側壁の前記取り付け機能部をカバーするように構成されている、家具部品アセンブリ。
【請求項2】
前記取り付け機能部は開口であり、前記フィッティングには取り付け部が設けられ、
前記フィッティングは、前記側壁の前記取り付け機能部からまだ取り外されていない場合に、前記取り付け部を介して前記開口に取り付けられる、請求項1記載の家具部品アセンブリ。
【請求項3】
前記側壁は、底部と頂部とを含み、前記頂部は、前記底部に対して第1所定高さを有し、前記頂部は、前記取り付け機能部が設けられ、
前記フィッティングは、底部と頂部とを含み、前記フィッティングの前記底部は、前記取り付け機能部に取り付けられるように構成され、
前記フィッティングは、前記側壁に載せられ、前記フィッティングの前記頂部は、前記側壁の前記底部に対して第2所定高さを有し、前記第2所定高さは前記第1所定高さよりも大きい、請求項2記載の家具部品アセンブリ。
【請求項4】
前記取り付け部は、第1取り付け部と第2取り付け部とを有し、前記第1取り付け部と前記第2取り付け部とは、前記フィッティングの前記底部に設けられ、前記開口の第1内壁と第2内壁とにそれぞれ取り付けられるように構成され、
前記第1取り付け部は、係合フックを有し、前記係合フックは、前記開口の前記第1内壁にフック係止されるように構成されている、請求項3記載の家具部品アセンブリ。
【請求項5】
前記フィッティングは、前方部分を有し、前記取り付け部は、前記フィッティングの前記前方部分に隣接して配置されている、請求項2記載の家具部品アセンブリ。
【請求項6】
前記フィッティングは、後方部分を有し、第1支持機能部が、前記フィッティングの前記後方部分に隣接して設けられ、
前記側壁には第2支持機能部が設けられ、前記第2支持機能部は、前記第1支持機能部を支持するように構成され、前記第1支持機能部によって支持されるように構成されている、請求項2記載の家具部品アセンブリ。
【請求項7】
さらに第1パネルを備え、前記第1パネルと前記フィッティングの前記前方部分との一方には、第1接続機能部が設けられ、
前記第1パネルと前記フィッティングの前記前方部分との他方には、前記第1接続機能部と接続する第2接続機能部が設けられている、請求項5記載の家具部品アセンブリ。
【請求項8】
前記第1接続機能部は、ヘッド部と、前記ヘッド部に接続された延長部とを含み、前記第2接続機能部は、入口開口と、前記入口開口に連通する受け入れ室とを含み、
前記ヘッド部は、前記入口開口から前記受け入れ室に進入し、前記受け入れ室の中の所定壁と係合し、これにより、前記フィッティングと前記第1パネルとを取り外し可能に接続するように構成されている、請求項7記載の家具部品アセンブリ。
【請求項9】
さらに第2パネルを備え、前記第2パネルには、第1係合構造が設けられ、
第2係合構造が、前記フィッティングの前記後方部分に隣接して設けられ、前記第1係合構造と係合するように構成され、これにより、前記フィッティングと前記第2パネルとを取り外し可能に接続する、請求項6記載の家具部品アセンブリ。
【請求項10】
前記第2パネルと前記フィッティングとの一方には、係合部が設けられ、前記第2パネルと前記フィッティングとの他方には、解除部が設けられ、前記解除部は、解除可能に前記係合部と接続するように構成されている、請求項9記載の家具部品アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家具に関する。さらに詳細には、本発明は、ユーザのニーズに応じて少なくとも1つのフィッティングを取り付けることができる1つの家具、及びその家具の家具部品アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、引き出し壁と、引き出し壁に取り付けることができる壁要素とを開示している。引き出し壁は、開口とカバー部材とを含む。カバー部材は、閉鎖位置にあるときは開口を閉じ、開放位置にあるときは開口を露出する。バネ素子は、カバー部材と相互作用するように構成されている。壁要素はフックを有する。フックは、引き出し壁の開口に取り付けられている。フックは、それによって、開口を閉じる閉位置から開口を露出させる開位置へ、バネ素子の弾性力に抗してカバー部材を移動させるように構成されている。この特許における引き出し壁の技術的特徴の1つは、カバー部材がその作動位置に関係なく引き出し壁の中に留まることである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】中国特許第110520013B号
【特許文献2】米国特許第11122895号
【特許文献3】米国特許第10966523号
【特許文献4】米国特許第10772421号
【発明の概要】
【0004】
しかしながら、異なるユーザのニーズを満足させるために、上記の方式で2つの家具部品を一緒に配置することは必ずしも望ましくない。従って、上に引用した特許で開示されたものとは異なる製品を開発することが重要である。
【0005】
本発明は、ユーザのニーズに応じて少なくとも1つのフィッティングを取り付けることができる1つの家具、及びその家具の家具部品アセンブリに関する。
【0006】
本発明の一態様によれば、家具部品アセンブリは、側壁と、カバー部材と、フィッティングとを含む。側壁は、底部と頂部とを含み、頂部は、底部に対して第1所定高さを有し、頂部は、取り付け機能部が設けられ;フィッティングは、底部と頂部とを含み、フィッティングの底部は、取り付け機能部に取り付けられるように構成され;フィッティングは、側壁に載せられ、フィッティングの頂部は、側壁の底部に対して第2所定高さを有するように構成され、第2所定高さは第1所定高さよりも大きい。
【0007】
好ましくは、取り付け機能部は開口であり;フィッティングの底部には、第1取り付け部と第2取り付け部とが設けられ、第1取り付け部と第2取り付け部とは、開口の第1内壁と第2内壁とにそれぞれ取り付けられるように構成されている。
【0008】
好ましくは、第1取り付け部は、係合フックを有し、係合フックは、開口の第1内壁にフック係止されるように構成されている。
【0009】
好ましくは、第1取り付け部と第2取り付け部との間にギャップが存在する。
【0010】
好ましくは、フィッティングは、前方部分を有し、第1取り付け部と第2取り付け部とは、フィッティングの前方部分に隣接して配置されている。
【0011】
好ましくは、フィッティングは、後方部分を有し、第1支持機能部が、フィッティングの後方部分に隣接して設けられ;側壁には第2支持機能部が設けられ、第2支持機能部は、第1支持機能部を支持するように構成され、第1支持機能部によって支持されるように構成されている。
【0012】
好ましくは、家具部品アセンブリはさらに第1パネルを備え;第1パネルとフィッティングの前方部分との一方に、第1接続機能部が設けられ;第1パネルとフィッティングの前方部分との他方に、第1接続機能部と接続する第2接続機能部が設けられている。
【0013】
好ましくは、第1接続機能部は、ヘッド部と、ヘッド部に接続された延長部とを含み、第2接続機能部は、入口開口と、入口開口に連通する受け入れ室とを含み;ヘッド部は、入口開口から受け入れ室に進入し、受け入れ室の中の所定壁と係合し、これにより、フィッティングと第1パネルとを取り外し可能に接続するように構成されている。
【0014】
好ましくは、家具部品アセンブリはさらに第2パネルを備え、第2パネルには、第1係合構造が設けられ;第2係合構造が、フィッティングの後方部分に隣接して設けられ、第1係合構造と係合するように構成され、これにより、フィッティングと第2パネルとを取り外し可能に接続する。
【0015】
好ましくは、第2パネルとフィッティングとの一方には、係合部が設けられ、第2パネルとフィッティングとの他方には、解除部が設けられ、解除部は、解除可能に係合部と接続するように構成されている。
【0016】
本発明の他の態様によれば、家具部品アセンブリは、側壁と、カバー部材と、フィッティングとを備えている。側壁は、取り付け機能部を備えている。フィッティングは、取り付け機能部に取り外し可能に取り付けられ、従って、側壁に配置されている。フィッティングが取り付け機能部から取り外された後、カバー部材は、側壁の取り付け機能部に取り外し可能に取り付けられ、それによって側壁の取り付け機能部をカバーするように構成されている。
【0017】
好ましくは、取り付け機能部は開口であり、フィッティングには取り付け部が設けられている。側壁の取り付け機能部からまだ取り外されていない場合に、フィッティングは、取り付け部を介して、開口に取り付けられている。
【0018】
好ましくは、取り付け部は、係合フックを有し、係合フックは、開口の内壁にフック係止されるように構成されている。
【0019】
好ましくは、フィッティングは、前方部分を有し、取り付け部は、フィッティングの前方部分に隣接して配置されている。
【0020】
好ましくは、フィッティングは、後方部分を有し、第1支持機能部が、フィッティングの後方部分に隣接して設けられ;側壁には第2支持機能部が設けられ、第2支持機能部は、第1支持機能部を支持するように構成され、第1支持機能部によって支持されるように構成されている。
【0021】
本発明のさらに他の態様によれば、1つの家具は、底パネルと、第1側壁と、第2側壁と、第1パネルと、第2パネルとを備えている。第1側壁と第2側壁とは、それぞれ、底パネルの左側と右側とに配置されている。第1パネルと第2パネルとは、それぞれ、底パネルの前側と後側とに配置されている。第1側壁と第2側壁とのうちの1つは、取り付け機能部を含む。カバー部材は、取り付け機能部に取り外し可能に取り付けられている。第1側壁と第2側壁との一方は、カバー部材が取り付け機能部から取り外された後、取り付け機能部を介してフィッティングが取り付けられるように構成され、これにより、フィッティングが第1側壁と第2側壁との一方の上に載せられるようにする。
【0022】
好ましくは、取り付け機能部は開口であり;フィッティングには、第1取り付け部と第2取り付け部とが設けられ、第1取り付け部と第2取り付け部とは、開口の第1内壁と第2内壁とにそれぞれ取り付けられるように構成され;第1取り付け部は、係合フックを有し、係合フックは、開口の第1内壁にフック係止されるように構成されている。
【0023】
好ましくは、フィッティングは前方部分を有する。第1パネルとフィッティングの前方部分との一方には、第1接続機能部が設けられ、第1パネルとフィッティングの前方部分との他方には、第1接続機能部と接続するように構成された第2接続機能部が設けられている。好ましくは、第1接続機能部は、ヘッド部と、ヘッド部に接続された延長部とを有し、第2接続機能部は、入口開口と、入口開口に連通する受け入れ室とを有する。ヘッド部は、入口開口を介して受け入れ室に進入し、受け入れ室内の少なくとも1つの所定壁と係合し、これにより、フィッティングと第1パネルとを取り外し可能に接続するように構成されている。
【0024】
好ましくは、フィッティングは後方部分を含み;第2パネルには、第1係合構造が設けられ;第2係合構造が、フィッティングの後方部分に隣接して設けられ、第1係合構造と係合するように構成され、これにより、フィッティングと第2パネルとを取り外し可能に接続する。
【0025】
好ましくは、さらに、第2パネルには係合部が設けられ、フィッティングには、解除部が設けられ、解除部は、解除可能に係合部と接続するように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の実施形態による家具の斜視図である。
図2】家具の高さを増やすために、フィッティングが使用できることを示す斜視図である。
図3】第1視野角から、家具とフィッティングとを示す部分分解図である。
図4】第2視野角から、家具とフィッティングとを示す部分分解図である。
図5】家具の側壁にそれぞれフィッティングを取り付ける第1ステップを示す側面図である。
図5A】家具の側壁にそれぞれフィッティングを取り付ける第1ステップを示す部分背面図である。
図6】家具の側壁にそれぞれフィッティングを取り付ける第2ステップを示す側面図である。
図7】家具の側壁にそれぞれフィッティングを取り付ける第3ステップを示す側面図である。
図7A】家具の側壁にそれぞれフィッティングを取り付ける第3ステップを示す部分背面図である。
図8】所定の視野角から、家具の第1パネルと、フィッティングのうちの1つとを示す部分分解図である。
図9】家具の第1パネルにフィッティングを取り付ける第1ステップを示す側面図である。
図9A】別の視野角から見て、家具の第1パネルにフィッティングを取り付ける第1ステップを示す部分正面斜視図である。
図10】家具の第1パネルにフィッティングを取り付ける第2ステップを示す側面図である。
図10A】別の視野角から見て、家具の第1パネルにフィッティングを取り付ける第2ステップを示す部分正面斜視図である。
図11】第1視野角から、家具の第2パネルとフィッティングの1つとを示す部分分解図である。
図12】第2視野角から、家具の第2パネルとフィッティングとを示す部分分解図である。
図13】家具の第2パネルにフィッティングを取り付ける第1ステップを示す背面図である。
図13A】家具の第2パネルにフィッティングを取り付ける第1ステップを示す部分側面図である。
図14】家具の第2パネルにフィッティングを取り付ける第2ステップを示す背面図である。
図14A】家具の第2パネルにフィッティングを取り付ける第2ステップを示す部分側面図である。
図15】フィッティングが家具の第2パネルに取り付けられ、解除部はまだ操作される必要があることを示す。
図16】フィッティングが家具の第2パネルに取り付けられ、解除部が操作されていることを示す。
図17】フィッティングが家具の側壁からそれぞれどのように取り外されるかを示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1を参照すると、本発明の一実施形態による家具20は、これに限定されないが、例えば、引き出しである。家具20は、第1側壁22と、第2側壁24と、底パネル26と、第1パネル28と、第2パネル30とを備えている。
【0028】
第1側壁22と第2側壁24とは、例えば、それぞれ、底パネル26の左側及び右側に配置されている。用語「左側及び右側」は、単に、側壁の相対的位置の理解を容易にするためにのみ使用される。即ち、左側と右側とは交換可能であり、側壁の実際の位置を制限することを意図しない。第1パネル28と第2パネル30とは、例えば、それぞれ、底パネル26の前側と後側とに配置されている。第1パネル28は、例えば、前パネルであり、第2パネル30は、例えば、後パネル(又は背面パネル)である。しかし、本発明は、図示されるように、正面方向と背面方向とが正確に合致するように、2つのパネルを必要としない。
【0029】
第1側壁22と、第2側壁24と、底パネル26と、第1パネル28と、第2パネル30とはともに、物品を受け入れるための受け入れ空間を、画定する。
【0030】
第1側壁22と第2側壁24とは、実質的に同じ構造的構成を有する。第2側壁24は、取り付け機能部32a(例えば、限定されないが、開口である)が設けられ、カバー部材34aは、取り付け機能部32aに取り外し可能に取り付けられている。第2側壁24は、カバー部材34aが取り付け機能部32aから取り外された後、取り付け機能部32aを介して、フィッティングが取り付けられるように構成されている。同様に、第1側壁22は、別の取り付け機能部32b(例えば、限定されないが、開口である)が設けられ、別のカバー部材34bは、取り外し可能に取り付け機能部32bに取り付けられている。第1側壁22は、カバー部材34bが取り付け機能部32bから取り外された後に、取り付け機能部32bを介してもう1つのフィッティングが取り付けるように構成されている。なお、仮に、図1で、第1側壁22のカバー部材34bは、まだ取り付け機能部32bから取り外される必要がある場合であって、図1の第2側壁24のカバー部材34aが取り付け機能部32aから取り外されていない場合には、カバー部材34aは、取り付け機能部32aをカバーし(図1に示すように、第1側壁22のカバー部材34bが取り付け機能部32bをカバーするのと同様に)、防塵効果を発揮するようになることに留意するものとする。
【0031】
図2を参照すると、家具20は、長さ方向Xと、幅方向Yと、高さ方向Zとを有する。長さ方向Xと、幅方向Yと、高さ方向Zとは、互いに垂直である。2つのカバー部材34a及び34bが第2側壁24と第1側壁22とからそれぞれ取り外された後、第1側壁22と第2側壁24とは、例えば、第1フィッティング36と第2フィッティング38とが第1側壁22と第2側壁24とにそれぞれ載せられた(stacked)状態で、第1フィッティング36と第2フィッティング38とがそれぞれ取り付けられてよい。従って、ユーザのニーズに応じて、第1フィッティング36と第2フィッティング38とは、家具20の2つの側壁22及び24の高さを追加及び増加することができ、増加した高さを、第1パネル28と第2パネル30との高さと合致させることが可能である。
【0032】
図3及び図4を参照すると、第2側壁24(本明細書では、略して側壁とも称する)と、カバー部材34aと、第2フィッティング38(本明細書では、略してフィッティングとも称する)とが、家具部品アセンブリを構成する。同様に、第1側壁22(本明細書では、略して側壁とも称する)と、カバー部材34bと、第1フィッティング36(本明細書では、略してフィッティングとも称する)とが、別の家具部品アセンブリを構成する。
【0033】
第1側壁22と第2側壁24との一方(例えば、第2側壁24)は、底部40と頂部42とを含む。頂部42は、取り付け機能部32aが設けられ、カバー部材34aは、第2側壁24の取り付け機能部32aから取り外されて、第2フィッティング38が第2側壁24に取り付けられるようになっている。さらに具体的には、第2フィッティング38は、底部44と頂部46とを含む。第2フィッティング38の底部44は、第2側壁24の取り付け機能部32aに取り付けられるように構成されている。
【0034】
好ましくは、第2フィッティング38は、前方部分48と後方部分50とを有する。第2フィッティング38の前方部分48は、第1パネル28に接続するように構成され、第2フィッティング38の後方部分50は、第2パネル30に接続するように構成されている。
【0035】
図5図6、及び図7を参照すると、第2側壁24の頂部42は、底部40に対して第1所定高さH1を有する。カバー部材34aが第2側壁24の取り付け機能部32aから取り外されると、第2フィッティング38の底部44は、第2側壁24の取り付け機能部32aに取り付けられ(例えば、取り外し可能に取り付けられ)、第2フィッティング38は、第2側壁24に配置され、例えば、第2フィッティング38は、第2側壁24に載せられ(図7参照)、第2フィッティング38の頂部46は、第2側壁24の底部40に対して第2所定高さH2を有する。第2所定高さH2は第1所定高さH1よりも大きい(図7参照)。
【0036】
好ましくは、第2フィッティング38には、第1取り付け部52と第2取り付け部54とのような、少なくとも1つの取り付け部が設けられている。第1取り付け部52と第2取り付け部54とは、ともに第2フィッティング38の底部44に配置されている。
【0037】
好ましくは、第1取り付け部52(ここでは略して取り付け部とも称する)は、係合フック56を有し、係合フック56は、ガイド機能部58を有する。ここでガイド機能部58は、例えば、傾斜面又は湾曲面であるが、これに限定されない。同様に、第2取り付け部54は、ガイド区間59を有し、ガイド区間59は、例えば、傾斜面又は湾曲面であるが、これに限定されない。
【0038】
好ましくは、第1取り付け部52と第2取り付け部54とは、プラスチックなどの可撓性材料で作られているが、これに限定されない。
【0039】
好ましくは、ギャップGが、第1取り付け部52と第2取り付け部54との間に存在する(図5参照)。
【0040】
好ましくは、第1取り付け部52と第2取り付け部54とは、第2フィッティング38の前方部分48に隣接して配置されている。
【0041】
第2フィッティング38は、第1所定位置P1(図5参照)から第1所定方向D1に第2側壁24に取り付けられるように構成されている。取り付けプロセスの間、第2フィッティング38の底部44での第1取り付け部52と第2取り付け部54とは、第2側壁24の取り付け機能部32aと揃えられる。図6に示すように、第1取り付け部52のガイド機能部58が取り付け機能部32aの第1内壁60に接触すると(第2取り付け部54のガイド区間59は、取り付け機能部32aの第2内壁62に接触するように構成されている)、係合フック56は、第2側壁24の取り付け機能部32a(例えば、開口)の中に容易にガイドされる。ギャップGにより、係合フック56は、1つの角度だけ曲げられて(ひねられて)、第2取り付け部54に近づく。この状態の第1取り付け部52は、弾性力を蓄積する(図6参照)。
【0042】
第2フィッティング38が、第1所定方向D1にさらに移動した後、第2所定位置P2(図7参照)に到達すると、第1取り付け部52は、蓄積された弾性力の解放に応答して第2取り付け部54から離れるように移動する。その結果、第1取り付け部52と第2取り付け部54とは、それぞれ第2側壁24の取り付け機能部32aの第1内壁60と第2内壁62とに取り付けられ、これにより、第2フィッティング38と第2側壁24とを取り外し可能に接続する(図7参照)。上述のように、第2側壁24の取り付け機能部32aからまだ取り外されていない場合に、第2フィッティング38は、取り付け部(例えば、第1取り付け部52)を介して、取り付け機能部32a(例えば、開口)に取り付けられていることが分かる。
【0043】
好ましくは、第1所定方向D1(図7参照)の逆方向である第2所定方向D2に、第2フィッティング38が第2側壁24から分離することを防止するように、第1取り付け部52の係合フック56は、取り付け機能部32aの第1内壁60にフック係止されるように構成されている。例えば、係合フック56は、第2フィッティング38と第2側壁24とが、家具20の高さ方向Zに互いに分離することを防止することができる。
【0044】
好ましくは、第2取り付け部54は、第2内壁62に押し付けられて密着性を確保するように構成されている(図7参照)。
【0045】
図5A及び図7Aに示すように、第1支持機能部64は、第2フィッティング38の後方部分50に隣接して設けられ、第2側壁24は、第2支持機能部66が設けられている(図5A及び図5参照)。第2フィッティング38が、第1所定位置P1(図5A及び図5参照)から第1所定方向D1に移動した後、第2所定位置P2(図7A及び図7参照)に到達すると、第2支持機能部66と第1支持機能部64とが互いに支持されて位置決め効果を生じる。第1支持機能部64と第2支持機能部66との一方は突起であり、第1支持機能部64と第2支持機能部66との他方は凹部である。しかし、実際には、本発明は、2つの支持機能部の構成に制限はない。
【0046】
図8を参照すると、第2フィッティング38の前方部分48は、第1パネル28に接続するように構成されている。好ましくは、第1パネル28と第2フィッティング38の前方部分48との一方には、第1接続機能部68が設けられ、第1パネル28と第2フィッティング38の前方部分48との他方には、第1接続機能部68と接続するように構成された第2接続機能部70が設けられている。例えば、第1接続機能部68は、ヘッド部72と延長部74とを有し、延長部74は、一端が第1パネル28に接続され、他端がヘッド部72に接続され、ヘッド部72は、延長部74よりも大きいサイズとされている。第2接続機能部70は、入口開口76と、入口開口76に連通する受け入れ室78とを有する。ヘッド部72は、入口開口76を介して受け入れ室78に進入し、受け入れ室78内の少なくとも1つの所定壁(例えば、第1所定壁80a及び/又は第2所定壁80b)と係合し、これにより、第2フィッティング38と第1パネル28とを取り外し可能に接続するように構成されている。
【0047】
図9図9A図10、及び図10Aを参照すると、第2フィッティング38が第1所定位置P1にある場合に、第1パネル28の第1接続機能部68のヘッド部72は、第2フィッティング38の第2接続機能部70の入口開口76に進入する(図9及び図9A参照)。第2フィッティング38が第1所定位置P1から第1パネル28に対して第1所定方向D1に移動された後、第2所定位置P2に到達した場合に、第1パネル28の第1接続機能部68のヘッド部72は、第2フィッティング38の第2接続機能部70の受け入れ室78に進入し、受け入れ室78内の少なくとも1つの所定壁(例えば、第1所定壁80a及び/又は第2所定壁80b)と係合する。第2フィッティング38と第1パネル28との間の取り外し可能な接続を達成する(図10及び図10A参照)。受け入れ室78の中で、ヘッド部72と少なくとも1つの所定壁(例えば、第1所定壁80a及び/又は第2所定壁80b)との係合は、例えば、第2フィッティング38と第1パネル28とが家具20の長さ方向Xに互いに分離することを防止することができる。
【0048】
図11及び図12を参照すると、第2フィッティング38の後方部分50は、第2パネル30に接続するように構成されている。好ましくは、第2パネル30は、2つの反対側の側面81a及び81bを有し、2つの側面81a及び81bのそれぞれに、第1係合構造82が設けられている(例として、側面81aのみを以下に述べる)(図11参照)。好ましくは、第2係合構造84(図12参照)は、第2フィッティング38の後方部分50に隣接して設けられ、側面81aの第1係合構造82に取り外し可能に係合するように構成され、これにより、第2フィッティング38と第2パネル30とを取り外し可能に接続する。
【0049】
好ましくは、第1係合構造82と第2係合構造84との一方は、取り付け空間S(図11を参照)を規定する突起である。第1係合構造82と第2係合構造84との他方は、延長部材と突起とが互いに支持されるか又は当接するように、取り付け空間Sに取り付けられる(例えば、挿入される)ように構成された延長部材である。ここで一例として、第1係合構造82は突起であり、取り付け空間Sを規定する。第2係合構造84は延長部材である。
【0050】
好ましくは、第2パネル30と第2フィッティング38との一方は、係合部86(図11参照)が設けられている。第2パネル30と第2フィッティング38との他方は、解除可能に係合部86と接続するように構成された解除部88(図11及び図12参照)が設けられている。ここで例えば、第2パネル30は係合部86が設けられ、第2フィッティング38は解除部88が設けられている。さらに第2パネル30は、側面81aに対して曲げられた折り曲げ区間87を含む。例えば、折り曲げ区間87は側面81aに垂直に接続され、係合部86は折り曲げ区間87に位置している。
【0051】
好ましくは、係合部86は、例えば、ストップ壁であり、ストップ壁は、例えば、概括的にC字形又は湾曲した輪郭を有するが、これに限定されない。好ましくは、第2フィッティング38の後方部分50には、補助接続部材90が設けられている。補助接続部材90は、第2フィッティング38の後方部分50に対して屈曲しているか、又は第2フィッティング38の後方部分50に垂直に接続されている。解除部88は、例えば、これに限定されないが、補助接続部材90に設けられた弾性部である。
【0052】
好ましくは、解除部88は、補助接続部材90に接続されている弾性区間89aと、弾性区間89aに配置されている操作区間89bとを含む。操作区間89bは、例えば、突起又は突出ブロックである。補助接続部材90は係合空間92を有し、係合空間92は、解除部88の周囲に沿って延び、係合部86の概括的にC字形又は湾曲した輪郭(ストップ壁)と合致する。
【0053】
図13図13A図14図14A、及び図15を参照すると、第2フィッティング38が、第1所定位置P1(図13参照)から第2パネル30に対して第1所定方向D1に移動された後、第2所定位置P2(図14参照)に到達した場合に、第2係合構造84と第1係合構造82とが互いに支持されるか、又は隣接するように、第2フィッティング38の第2係合構造84は、第2パネル30の第1係合構造82に取り付けられる(図14参照)。また、第2フィッティング38を第1所定位置P1から第2所定位置P2に第1所定方向D1に移動させる過程の中で、第2フィッティング38の解除部88が第2パネル30の折り曲げ区間87の壁面に接触して弾性力を蓄積する(図13A参照)。第2フィッティング38が第2所定位置P2に到達すると、解除部88が弾性力を解放して、これにより係合部86に解除可能に接続される(図14図14A図15参照)。
【0054】
好ましくは、解除部88が係合部86に接続された場合に、係合部86は、補助接続部材90の係合空間92に対応するか、又はその中に位置する。これにより、第2フィッティング38が第2所定方向D2(図14図14A、及び図15参照)に第2パネル30及び/又は第2側壁24から分離することを防止するために、解除部88と係合部86とが相互ブロッキング関係にはいる。
【0055】
上記から分かるように、第2フィッティング38と第2側壁24とは、取り外し可能に互いに取り付け可能である(図7参照)。第2フィッティング38と第1パネル28とは、取り外し可能に互いに取り付け可能である(図10及び図10A参照)。第2フィッティング38と第2パネル30とは、取り外し可能に互いに取り付け可能である(図14参照)。同様の原理に基づき、第1フィッティング36と第1側壁22とは、取り外し可能に互いに取り付け可能である。第1フィッティング36と第1パネル28とは、取り外し可能に互いに取り付け可能である。第1フィッティング36と第2パネル30とは、取り外し可能に互いに取り付け可能である。
【0056】
図15及び図16を参照すると、第2フィッティング38は、以下の操作手順によって第2パネル30と、第2側壁24と、第1パネル28とから取り外すことができる。
【0057】
まず、ユーザは、解除部88と係合部86(図16参照)との間の相互ブロッキング関係を終了させるために、解除部88に力Fを加え(例えば、ユーザは、解除部88を操作区間89bとともに駆動する)、これにより第2フィッティング38を第2所定方向D2に第2パネル30から分離することを可能にする。
【0058】
図17を参照すると、解除部88と係合部86との間の相互ブロッキング関係が終了した場合に、第2フィッティング38の後方部分50は、第2フィッティング38の前方部分48に対して第2所定方向D2にわずかに持ち上げられることが可能である(例えば、第2フィッティング38と第1パネル28との材料の可撓性、又は、第2フィッティング38と第1パネル28との間の組み立て隙間により、持ち上げが可能にされる)。ここで、第2フィッティング38の第1取り付け部52の係合フック56が1つの角度だけ曲げられ、取り付け機能部32aの第1内壁60にフック係止されなくなる。その結果、第2フィッティング38は、第2所定方向D2(図17参照)に第2側壁24から分離され、第1パネル28からも同様に(図10A図9A、及び図8に順次示されるように)分離されることが可能にされる。
【0059】
上記から、第2フィッティング38は、第2パネル30と、第2側壁24と、第1パネル28とから取り外しできることが分かる。同様の原理に基づいて、なお説明しなくても理解されるように、第1フィッティング36は、第2パネル30と、第1側壁22と、第1パネル28とから取り外しできる。
【0060】
なお、第2フィッティング38を第2側壁24の取り付け機能部32aから取り外した後、カバー部材34aを、逆に取り付け機能部32aに取り外し可能に取り付けて、取り付け機能部32aをカバーし、これにより、防塵効果を得ることができることは、言及に値する。同様に、第1フィッティング36が第1側壁22の取り付け機能部32bから取り外された後、カバー部材34bを、逆に取り付け機能部32bに取り外し可能に取り付けて、取り付け機能部32bをカバーし、これにより、さらに防塵効果を得ることができる(図1参照)。
【0061】
以上によれば、本発明の前述の実施形態で開示された家具及び家具部品アセンブリは、以下の特徴を有する。
【0062】
1:各カバー部材(34a又は34b)は、家具20の対応する側壁(24又は22)の取り付け機能部(32a又は32b)に取り外し可能に取り付けられ、各カバー部材(34a又は34b)は、対応する取り付け機能部(32a又は32b)をカバーするように構成され、それによって、防塵効果を生じる。
【0063】
2:必要に応じて、各カバー部材(34a又は34b)は、対応する側壁(24又は22)の取り付け機能部(32a又は32b)から取り外しができる。次いで、各フィッティング(36又は38)は、対応する側壁(22又は24)の取り付け機能部(32b又は32a)に取り外し可能に取り付けができ、家具20の対応する側壁(22又は24)に高さを追加又は増加することができる。
【0064】
3:各フィッティング(36又は38)と、対応する側壁(22又は24)とは、工具を使用せずに(図7参照)、取り外し可能に互いに取り付けができる。各フィッティング(36又は38)と第1パネル28とは、工具を使用せずに(図10及び図10A参照)、取り外し可能に互いに取り付けができる。及び/又は、各フィッティング(36又は38)と第2パネル30とは、工具を使用せずに(図14参照)、取り外し可能に互いに取り付けができる。
【0065】
本発明は、上述した好ましい実施形態を参照して開示したが、実施形態は、本発明の範囲を限定することを意図していないことが理解される。出願人が求める特許保護の範囲は、添付の請求項によって定義される。
図1
図2
図3
図4
図5
図5A
図6
図7
図7A
図8
図9
図9A
図10
図10A
図11
図12
図13
図13A
図14
図14A
図15
図16
図17