(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024069159
(43)【公開日】2024-05-21
(54)【発明の名称】2.4G信号エンコードによりタイヤ空気圧検出器を喚起するモバイルリーダー
(51)【国際特許分類】
B60C 23/04 20060101AFI20240514BHJP
【FI】
B60C23/04 130E
B60C23/04 170
B60C23/04 150K
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023188962
(22)【出願日】2023-11-03
(31)【優先権主張番号】111142772
(32)【優先日】2022-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
2.ブルートゥース
3.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】507059369
【氏名又は名称】系統電子工業股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】SYSGRATION LTD.
【住所又は居所原語表記】5F.-1,No.1,Sec.1,Tiding Blvd.,Neihu Dist.,Taipei City,Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】呉泰郎
(57)【要約】
【課題】2.4G信号エンコードによりタイヤ空気圧検出器を喚起するモバイルリーダーを提供する。
【解決手段】リーダーメモリユニット、リーダー高周波トランシーバーモジュール、リーダーマスターコントローラー、及びリーダー入出力モジュールに電気的に接続され、前記リーダーMCUはリーダー低周波回路及びリーダー低周波アンテナを含まず、前記低周波は150KHz以下であるリーダーMCUと、前記リーダー入出力モジュールに電気的に接続されている表示装置と、前記リーダー入出力モジュールに電気的に接続されているキーボードと、を備えている。従来のタイヤ空気圧検出システムのように高周波アンテナ及び低周波アンテナを同時に使用する必要が無く、比較すると、本発明は従来のタイヤ空気圧検出システムではアンテナの種類が多過ぎて複雑であるという問題を確実に改善している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リーダーメモリユニット、リーダー高周波トランシーバーモジュール、リーダーマスターコントローラー、及びリーダー入出力モジュールに電気的に接続されているリーダーMCUであって、前記リーダーMCUはリーダー低周波回路及びリーダー低周波アンテナを含まず、前記低周波は150KHz以下であるリーダーMCUと、
前記リーダー入出力モジュールに電気的に接続されている表示装置と、
前記リーダー入出力モジュールに電気的に接続されているキーボードと、を備えていることを特徴とする2.4G信号エンコードによりタイヤ空気圧検出器を喚起するモバイルリーダー。
【請求項2】
前記リーダー高周波トランシーバーモジュールは、共有回路のリーダーBLE無線周波数ユニットと、リーダーOOK無線周波数ユニットと、リーダー高周波アンテナと、を備えていることを特徴とする請求項1に記載の2.4G信号エンコードによりタイヤ空気圧検出器を喚起するモバイルリーダー。
【請求項3】
前記リーダー高周波トランシーバーモジュールの信号伝送方式は、BLE、OOK、RFID、WI-FI、UWB、Zigbee、LPWANの何れか1つであることを特徴とする請求項1に記載の2.4G信号エンコードによりタイヤ空気圧検出器を喚起するモバイルリーダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2.4G信号エンコードによりタイヤ空気圧検出器を喚起するモバイルリーダーに関し、より詳しくは、高周波信号によりTPMS(Tire Pressure Monitoring System、タイヤ空気圧検出器)リーダーをトリガーし、2.4G信号エンコードにより作動を喚起するタイヤ空気圧検出器とペアリングし、配置するアンテナの種類を減らす。
【背景技術】
【0002】
タイヤ空気圧値は車両が安全に走行できるかどうかを決める重要な数値であり、科学技術の進歩に伴って、タイヤ空気圧値検出方式も大きく進歩した。路上に出る前に手動でメインホイールを測定する方式から、現在では各種電子設備により自動的に測定すると共に監視スクリーンに伝送して表示するように進化し、利便性が大きく向上している。
【0003】
一般的には完全なタイヤ空気圧検出システムは、少なくとも各タイヤにタイヤ空気圧検出器を設置する必要があり、車両のメインシステムにはデータ監視装置を配置する。車両の走行過程ではタイヤが高速回転する状態となるため、タイヤ空気圧検出器とデータ監視装置との間で有線伝送方式を使用するのは適切ではなく、無線方式で信号を伝送するしかなかった。現在のよくある方法では、
図3に示す如く、データを監視するリーダー及びTPMSに高周波アンテナ、低周波アンテナ、BLE制御回路、及び低周波制御回路をそれぞれ配置し、運用フローチャートでは低周波アンテナにより低周波信号を発射してTPMSをトリガーする。TPMSがトリガーされて覚醒した後、TPMSが電圧、温度、圧力等のデータを即時読み取ると共に、BLE無線周波数制御回路によりこれらのデータに応答し、受信すると共に表示するように低周波によりリーダーをトリガーする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のタイヤ空気圧検出システムはアンテナの種類が多過ぎて複雑であった。例えば、1つのTPMSは1つの高周波アンテナ及び低周波アンテナを備えているため、4つのタイヤでは4つの高周波アンテナ及び4つの低周波アンテナの計8個のアンテナを備えることになり、信号の伝送に大きな負担が掛かった。
【0005】
そこで、本発明者は上記の、すなわち、従来のタイヤ空気圧検出システムで使用するアンテナの種類が多すぎるという欠点が改善可能と考え、鋭意検討を重ねた結果、合理的設計で上記の課題を効果的に改善する本発明の提案に至った。
【0006】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、2.4G信号エンコードによりタイヤ空気圧検出器を喚起するモバイルリーダーを提供することにある。すなわち、リーダー高周波トランシーバーモジュールを配置することで、本発明は高周波信号を利用してペアリングされた2.4G信号エンコードにより作動を喚起するタイヤ空気圧検出器との信号伝送を行う。本発明にはリーダー高周波アンテナのみを配置し、ペアリングされた2.4G信号エンコードにより作動を喚起するタイヤ空気圧検出器にはTPMS高周波アンテナのみを配置するため、従来のタイヤ空気圧検出システムのように高周波アンテナ及び低周波アンテナを同時に使用する必要が無く、比較すると本発明は従来のタイヤ空気圧検出システムではアンテナの種類が多過ぎて複雑であるという問題を確実に改善している。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的と効果を達成するために、本発明のある態様の2.4G信号エンコードによりタイヤ空気圧検出器を喚起するモバイルリーダーは、リーダーメモリユニット、リーダー高周波トランシーバーモジュール、リーダーマスターコントローラー、及びリーダー入出力モジュールに電気的に接続され、前記リーダーMCUはリーダー低周波回路及びリーダー低周波アンテナを含まず、前記低周波は150KHz以下であるリーダーMCUと、前記リーダー入出力モジュールに電気的に接続されている表示装置と、前記リーダー入出力モジュールに電気的に接続されているキーボードと、を備えている。
【0008】
後述する明細書及び図面の記載から、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施例に係る2.4G信号エンコードによりタイヤ空気圧検出器を喚起するモバイルリーダーの実用化システムのブロックを概略的に示す。
【
図2】本発明の一実施例に係る2.4G信号エンコードによりタイヤ空気圧検出器を喚起するモバイルリーダーの実用化システムの一例を概略的に示す。
【
図3】従来のタイヤ空気圧検出システムを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0011】
本発明に係る実施の形態をより容易に理解するため、
図1と
図2も併せて参照する。
【0012】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。本発明の一態様に係る2.4G信号エンコードによりタイヤ空気圧検出器を喚起するモバイルリーダーAは、リーダーメモリユニット11、リーダー高周波トランシーバーモジュール12、リーダーマスターコントローラー124、及びリーダー入出力モジュール125に電気的に接続されているリーダーMCU 1(microcontroller)であって、前記リーダー高周波トランシーバーモジュール12は共有回路のリーダーBLE無線周波数ユニット121と、リーダーOOK無線周波数ユニット122と、リーダー高周波アンテナ123とを含み、前記リーダーMCU 1はリーダー低周波回路及びリーダー低周波アンテナを含まず、前記低周波は150KHz以下であるリーダーMCU 1(microcontroller)と、前記リーダー入出力モジュール125に電気的に接続されている表示装置13と、前記リーダー入出力モジュール125に電気的に接続されているキーボード14と、を備えている。
【0013】
前記リーダー高周波トランシーバーモジュール12の信号伝送方式は、BLE、OOK、RFID、WI-FI、UWB、Zigbee、LPWANの何れか1つであり、本実施例ではOOKとブルートゥース伝送とを組み合わせたものを例とする。
【0014】
名詞の略称は、OOK(On-Off Keying)、TPMS(Tire Pressure Monitoring System)、BLE(Bluetooth Low Energy)、RFID (Radio Frequency IDentification)、UWB(Ultra-wideband)、LPWAN(Low-Power Wide-Area Network)である。
【0015】
リーダーメモリユニット11はユーザーの設定を保存するために用いられている。
【0016】
リーダーマスターコントローラー124はリーダーMCU 1内部の全ての部材間の信号伝送及び動作を協調させるために用いられている。
【0017】
本発明はリーダーOOK無線周波数ユニット122が配置されているリーダー高周波トランシーバーモジュール12を使用することで、本発明がリーダーOOK無線周波数ユニット122を利用してOOK信号によりペアリングされた2.4G信号エンコードにより作動を喚起するタイヤ空気圧検出器2との信号伝送を行う。こうすることで、本発明にはリーダー高周波アンテナ123のみを配置すればよく、ペアリングされた2.4G信号エンコードにより作動を喚起するタイヤ空気圧検出器2もTPMS高周波アンテナ2143を配置するのみでよく、従来のタイヤ空気圧検出システムのように高周波アンテナ及び低周波アンテナを同時に使用する必要が無い。比較すると本発明は、従来のタイヤ空気圧検出システムではアンテナの種類が多過ぎて複雑であるという問題を確実に改善している。
【0018】
本発明が2.4G信号エンコードにより作動を喚起するタイヤ空気圧検出器2とペアリングされる実際の態様について更なる理解を促すため、ここでは2.4G信号エンコードにより作動を喚起するタイヤ空気圧検出器2の態様を提供する。2.4G信号エンコードにより作動を喚起するタイヤ空気圧検出器2は無線周波数OOKによりトリガーされ、且つ、第1TPMSメモリユニット211、第1TPMS通信インターフェース212、第1TPMSマスターコントローラー213、及びTPMS高周波トランシーバーモジュール214に電気的に接続され、前記TPMS高周波トランシーバーモジュール214は、共有回路のTPMS-BLE無線周波数ユニット2141と、TPMS-OOK無線周波数ユニット2142と、TPMS高周波アンテナ2143と、を含む第1TPMS-MCU 21と、第2TPMSメモリユニット221、第2TPMS通信インターフェース222、第2TPMSマスターコントローラー223、及び前記第1TPMS-MCU 21に電気的に接続されている第2TPMS-MCU 22と、を備えている。前記第1TPMS-MCU 21及び前記第2TPMS-MCU 22は共にTPMS低周波回路及びTPMS低周波アンテナを含まず、前記低周波は150KHz以下である。
【0019】
第1TPMSメモリユニット211及び第2TPMSメモリユニット221は本発明とのペアリングに関する情報を保存するために用いられている。
【0020】
第1TPMS通信インターフェース212及び第2TPMS通信インターフェース222は、第1TPMS-MCU21及び第2TPMS-MCU22の各ユニット間のデータ伝送を実現するために用いられている。
【0021】
第1TPMSマスターコントローラー213は第1TPMS-MCU 21内部の全ての部材間の信号伝送及び動作を協調させるために用いられている。
【0022】
第2TPMSマスターコントローラー223は第2TPMS-MCU 22内部の全ての部材間の信号伝送及び動作を協調させるために用いられている。
【0023】
上述した内容に続き、本発明と2.4G信号エンコードにより作動を喚起するタイヤ空気圧検出器2との組み合わせについて更に詳述する。本発明はリーダーOOK無線周波数ユニット122を利用してOOK信号によりペアリングされた2.4G信号エンコードにより作動を喚起するタイヤ空気圧検出器2を喚起し、2.4G信号エンコードにより作動を喚起するタイヤ空気圧検出器2は無線周波数信号を利用してそのデータに応答する。本発明はリーダーOOK無線周波数ユニット122によりTPMS応答信号を受信すると共に表示装置13に表示し、キーボード14は本発明の操作及びトリガー動作の制御を提供する。このリーダーOOK無線周波数ユニット122の信号は、特定のエンコードされたOOK信号でもよく、且つ信号は無線周波数でもあり、リーダーBLE無線周波数ユニット121とはリーダー高周波アンテナ123を共有し、リーダー低周波回路及び動作リーダー低周波アンテナを省略している。リーダーOOK無線周波数ユニット122は1つの特定のエンコードされたOOK信号を発射し、第1TPMS-MCU 21が無線周波数OOKトリガー信号を受信した後、電圧、温度、圧力等のデータを読み取るように第2TPMS-MCU 22に即時通知し、且つこれらデータを第1TPMS-MCU 21に返信し、TPMS高周波トランシーバーモジュール214により本発明に伝送し、本発明はこれを受信すると共に表示する。この方法によりTPMS低周波回路及びTPMS低周波アンテナを省略することで、1台の車両に4つの2.4G信号エンコードにより作動を喚起するタイヤ空気圧検出器2を配置する場合は、4つのTPMS高周波アンテナ2143のみが必要となり、従来の設計では8つのアンテナが必要であったのに比べて使用するアンテナの種類及び周辺回路がより少なくなり、信号の伝送の負担も小さくなり、コストも低くなり、製品を販売する上での競争力が高まっている。
【0024】
本明細書に記載される2.4G信号エンコードは、リーダー OOK無線周波数ユニット122及びTPMS-OOK無線周波数ユニット2142の伝送周波数である。
【0025】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0026】
A 2.4G信号エンコードによりタイヤ空気圧検出器を喚起するモバイルリーダー
1 リーダーMCU
11 リーダーメモリユニット
12 リーダー高周波トランシーバーモジュール
121 リーダーBLE無線周波数ユニット
122 リーダーOOK無線周波数ユニット
123 リーダー高周波アンテナ
124 リーダーマスターコントローラー
125 リーダー入出力モジュール
13 表示装置
14 キーボード
2 2.4G信号エンコードにより作動を喚起するタイヤ空気圧検出器
21 第1TPMS-MCU
211 第1TPMSメモリユニット
212 第1TPMS通信インターフェース
213 第1TPMSマスターコントローラー
214 TPMS高周波トランシーバーモジュール
2141 TPMS-BLE無線周波数ユニット
2142 TPMS-OOK無線周波数ユニット
2143 TPMS高周波アンテナ
22 第2TPMS-MCU
221 第2TPMSメモリユニット
222 第2TPMS通信インターフェース
223 第2TPMSマスターコントローラー