(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024069168
(43)【公開日】2024-05-21
(54)【発明の名称】坩堝壁からの原料粉を使用した半導体結晶成長
(51)【国際特許分類】
C30B 29/36 20060101AFI20240514BHJP
【FI】
C30B29/36 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023190684
(22)【出願日】2023-11-08
(31)【優先権主張番号】18/053,796
(32)【優先日】2022-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】300057230
【氏名又は名称】セミコンダクター・コンポーネンツ・インダストリーズ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】イェスコ, ラデク
(72)【発明者】
【氏名】ヴァーレク, ルーカス
(72)【発明者】
【氏名】テシク, ヤン
【テーマコード(参考)】
4G077
【Fターム(参考)】
4G077BE08
4G077DA02
4G077EG11
4G077EG25
4G077HA12
(57)【要約】 (修正有)
【課題】PVTプロセスの成長能力及び効率を向上させ、半導体結晶を成長させるときの追加の柔軟性及び設計オプションを提供する。
【解決手段】半導体結晶を製造するための坩堝102は、加熱要素110に隣接して配置され得る。坩堝は、坩堝の両端に第1の種結晶サイトと第2の種結晶サイトとを含み得る。坩堝の外壁118と内壁との間に区画112が画定されてもよく、内壁は多孔性グラファイト膜で形成される。次いで、区画内に投入された原料粉は、昇華し、第1の種結晶サイトにおける第1の種結晶及び第2の種結晶サイトにおける第2の種結晶の結晶成長を提供するために、区画から内壁を通って拡散するために、加熱要素によって加熱され得る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体結晶を製造するための坩堝であって、
外壁と、
グラファイト膜を使用して形成され、内壁と前記外壁との間に区画を画定する内壁であって、前記グラファイト膜が、原料粉が加熱要素によって昇華されたときに前記区画内に配置された前記原料粉から昇華された蒸気の拡散を可能にするのに十分な多孔性を有する、内壁と、
第1の種結晶を受容するように配置された第1の種結晶サイトと、
前記第1の種結晶サイトから前記坩堝の反対端にあり、第2の種結晶を受容するように配置された第2の種結晶サイトと、
を備える、坩堝。
【請求項2】
前記坩堝が垂直配向を有し、前記第2の種結晶サイトが前記坩堝の底部にあるとき、前記坩堝内にあって前記第2の種結晶サイトの上方に配置されるグラファイトフィルタ
を備える、請求項1に記載の坩堝。
【請求項3】
半導体製造アセンブリであって、
加熱要素と、
前記加熱要素に隣接して配置され、坩堝の両端に第1の種結晶サイトと第2の種結晶サイトとを含む坩堝であって、前記坩堝が外壁を含み、前記坩堝が、多孔性グラファイト膜で形成された内壁を更に含み、前記外壁と前記内壁との間に画定された区画が原料粉を受容するように配置され、前記原料粉が、前記加熱要素によって加熱されると、昇華し、前記第1の種結晶サイトにおける第1の種結晶及び前記第2の種結晶サイトにおける第2の種結晶の結晶成長を提供するために、前記区画から前記内壁を通って拡散する、坩堝と
を備える、半導体製造アセンブリ。
【請求項4】
前記坩堝を第1の坩堝部分及び第2の坩堝部分に分離するように構成された分割器
を備える、請求項3に記載の半導体製造アセンブリ。
【請求項5】
半導体結晶を作製する方法であって、
坩堝の外壁と内壁との間に形成された区画内に原料粉を投入することであって、前記内壁がグラファイト膜を使用して形成されている、ことと、
前記原料粉を昇華させ、これによって昇華した原料粉を、前記内壁を通って前記内壁内の前記坩堝の少なくとも1つのチャンバ内に拡散させるために、加熱要素で前記原料粉を加熱することと、
第1の種結晶サイトに配置された第1の種結晶からの第1の結晶及び前記第1の種結晶サイトから前記坩堝の反対端にある第2の種結晶サイトに配置された第2の種結晶からの第2の結晶の前記チャンバ内の結晶成長を監視することと、
を含む、方法。
【請求項6】
前記第2の結晶を再昇華させ、前記第1の結晶の連続的な成長を可能にするために、前記坩堝内の温度勾配を調整すること
を更に含む、請求項5に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、半導体結晶の製造に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体結晶は一般に、製造、例えば種結晶から成長され、ウエハを形成するためにスライスされ、これらはその後、個々の半導体デバイスを形成するために使用され得る。炭化ケイ素(SiC)結晶などの半導体結晶を成長させるために、歴史的に複数の技術が使用されてきた。例えば、高温化学蒸着(HTCVD)、液相エピタキシ、溶液成長、及び物理的蒸気輸送(PVT)が使用されてきた。
【発明の概要】
【0003】
1つの一般的な態様によれば、半導体結晶を製造するための坩堝は、外壁と、グラファイト膜を使用して形成され、内壁と外壁との間に区画を画定する内壁とを含むことができ、グラファイト膜は、原料粉が加熱要素によって昇華されたときに区画内に配置された原料粉から昇華された蒸気の拡散を可能にするのに十分な多孔性を有する。坩堝は、第1の種結晶を受容するように配置された第1の種結晶サイトと、第1の種結晶サイトから坩堝の反対端にあり、第2の種結晶を受容するように配置された第2の種結晶サイトとを含み得る。
【0004】
別の一般的な態様によれば、半導体製造アセンブリは、加熱要素と、加熱要素に隣接して配置された坩堝とを含み得る。坩堝は、坩堝の両端に第1の種結晶サイトと第2の種結晶サイトとを含むことができ、外壁を含むことができる。坩堝は、多孔性グラファイト膜で形成された内壁を含むことができ、外壁と内壁との間に画定された区画は原料粉を受容するように配置され、原料粉は、加熱要素によって加熱されると、昇華し、第1の種結晶サイトにおける第1の種結晶及び第2の種結晶サイトにおける第2の種結晶の結晶成長を提供するために、区画から内壁を通って拡散する。
【0005】
別の一般的な態様によれば、半導体結晶を作製する方法は、坩堝の外壁と内壁との間に形成された区画内に原料粉を投入することを含み得、内壁は、グラファイト膜を使用して形成される。本方法は、原料粉を昇華させ、これによって昇華した原料粉を、内壁を通って内壁内の坩堝の少なくとも1つのチャンバ内に拡散させるために、加熱要素で原料粉を加熱することを含み得る。本方法は、第1の種結晶サイトに配置された第1の種結晶からの第1の結晶及び第1の種結晶サイトから坩堝の反対端にある第2の種結晶サイトに配置された第2の種結晶からの第2の結晶のチャンバ内の結晶成長を監視することを含み得る。
【0006】
添付の図面及び以下の説明において、1つ以上の実装形態の詳細が記述される。他の特徴は、本説明及び図面から、並びに請求項から明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】半導体結晶成長のためのデバイスの断面図である。
【
図2】線A-Aに沿った、
図1のデバイスの図である。
【
図3】
図1の半導体結晶成長のためのデバイスの第1の実装形態の断面図である。
【
図4】
図1の半導体結晶成長のためのデバイスの第2の実装形態の断面図である。
【
図5】
図1の半導体結晶成長のためのデバイスの第3の実装形態の断面図である。
【
図6】
図1の半導体結晶成長のためのデバイスの第4の実装形態の断面図である。
【
図7】
図1~
図6のデバイスのうちの1つ以上を使用して半導体結晶を製造するための例示的なプロセスフローを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
説明される技術は、PVTプロセスの成長能力及び効率を向上させ、半導体結晶を成長させるときの追加の柔軟性及び設計オプションを提供するために、使用され得る。その結果、SiC結晶を含む半導体結晶の生産を増加させることができ、SiCデバイスの採用を改善することができる。
【0009】
昇華法としても知られるPVT法では、SiC粉末は、誘導コイルなどの適切な熱源を使用して、昇華温度まで加熱され得る。得られたSiC蒸気はその後、例えば、加熱要素と、加熱要素及び坩堝の相対配置とによって、坩堝内に作り出された温度勾配を使用して、坩堝内に配置された種結晶に輸送され得る。次いで、SiC蒸気は、所望のサイズ及び長さのSiC結晶を成長させるために、種結晶上に堆積され得る。
【0010】
残念ながら、このプロセスは、得られる結晶の結晶構造が十分な品質であることを保証するために、典型的には非常にゆっくり行われなければならない。その結果、典型的なPVTプロセスのスループットは非常に低い。結果として、例えば、SiC結晶の生産は、このようなデバイスを形成する際のSiCの多くの有利な特性にもかかわらず、SiC半導体デバイスの生産、採用、及び使用における制限因子である。
【0011】
上記で言及されたように、従来の結晶成長プロセス、例えばSiC結晶成長プロセスの成長速度は、結晶品質及び一貫性を保証するために、遅くなるように設計されている。例えば、従来のプロセスの能力又はスループットは、6インチ結晶で1週間あたり4~10mmの範囲であり得る。
【0012】
例示的な実装形態では、成長能力は、坩堝内で2つの結晶を同時に成長させることによって向上させることができる。説明されるアプローチは、例えば、第2の結晶の成長のために通常は浪費されるエネルギーを利用して、結晶成長の効率を向上させる。単一のこのようなデバイス構成要素が2つの結晶を同時に成長させるために活用されるように、単一の結晶を成長させるために典型的に使用されるデバイス構成要素を共有することによって、効率を更に向上させることができる。
【0013】
図1は、例えばPVTプロセスの一部としての、半導体結晶成長のための半導体製造アセンブリの断面図である。
図1の例では、坩堝102は、重複する(例えば、同じ)時間枠で2つの半導体結晶104、106を成長させるように構成され得る。本説明では、坩堝102は、半導体結晶104、106を保持、形成、又は別途製造するのに適した任意の容器、チャンバ、又は他の入れ物を指すと理解されるべきである。
【0014】
図1の例では、坩堝102は、第1の結晶が頂部又は第1の種結晶サイトに形成された頂部結晶104と呼ばれ得るように、垂直構成で示されている。第2の結晶は、第1の結晶サイトから坩堝102の反対端にある底部又は第2の種結晶サイトに形成された、底部結晶106と呼ばれ得る。しかしながら、
図6に示されるように、
図1のデバイスはまた、水平構成など、他の構成で実施されてもよい。
【0015】
更に
図1では、支持部材108は、加熱要素110に対して坩堝102を支持及び配置するように構成されてもよい。例えば、加熱要素110は、無線周波数(RF)コイル、又は抵抗ヒータを表してもよい。
【0016】
坩堝102は、中空壁坩堝、例えば中空円筒体として示されており、その中に、原料粉114を受容、収容、又は保持するための区画112が設けられている。膜116は、多孔性グラファイトなど、多孔性又は半多孔性材料を使用して形成された、坩堝102の壁を表す。
【0017】
図1の線A-Aに沿った
図2を参照すると、区画112は、外壁118と、膜116を使用して形成された内壁との間に円筒形又はドーナツ形で形成されてもよい。このような実装形態では、
図2に示されるように頂部結晶104、膜116、及び外壁118は同心円状に形成されてもよい。他の実装形態もまた可能であり、例えば坩堝102は円形である必要がなく、例えば楕円形又は卵形であってもよい。
【0018】
図1及び
図2の例では、チャンバ又は高温域120が膜116に形成され、そこで頂部結晶104及び底部結晶106の両方が成長する。以下の様々な例では、頂部結晶104が成長する高温域120の上部分は、上部チャンバ又は上部高温域120aと呼ばれてもよく、底部結晶106が成長する高温域120の下部分は、下部チャンバ又は下部高温域120bと呼ばれてもよい。
【0019】
坩堝102、支持部材108、及び加熱要素110を使用して、PVTプロセスは、昇華及び再凝縮プロセスとして実施されてもよく、得られたガス又は蒸気が多孔性膜116を通って拡散し、頂部結晶104及び底部結晶106の両方で再凝縮するように高温域120内に配向され得るように、原料粉114を昇華させる温度勾配が作り出される。
【0020】
多くの従来のシステムでは、原料粉は、坩堝の下/底部分内に少なくとも部分的に分散されてもよく、これにより、下部空間が結晶成長に利用されることを防ぐ。更に、SiC結晶を形成するとき、残留炭素が、望ましくない断熱材として従来の坩堝の下/底部分に形成される可能性があるが、これは最善の場合には吸収熱の形態のエネルギーを浪費する可能性があり、最悪の場合には所望の昇華を生じさせるのに必要な温度に達するのを妨げる可能性がある。
【0021】
上記の欠点を回避しようと試みる他の従来のアプローチでは、パイプ又は他の入口構成要素を構築し、坩堝内に配置する必要があり得る。このようなアプローチは、より高額であり、より誤作動しやすく、坩堝内の貴重な空間を消費する可能性がある。
【0022】
図1のデバイス及び関連技術を使用して、原料粉114は、坩堝壁118の全長に沿って(及び膜116の全長に沿って)効果的に分散され得る。このアプローチは、多くの利点及び特徴を提供し、その多くが以下で説明される。
【0023】
例えば、上述のように原料粉114を分散させることにより、結晶レベルに近い(例えば、
図1の坩堝102の頂部及び底部に近い)原料粉は、坩堝102の中央に近い原料粉よりも加熱要素110によってあまり加熱されない(例えば、加熱要素110からの熱が坩堝102の中央付近に集中するとき)。したがって、結晶レベルに近い原料粉は、坩堝102内に所望の温度勾配を確立することを容易にするために使用され得る。
【0024】
図1の例では、図示される設計は、水平方向及び垂直方向の両方で、中心部分の周りで対称である。例えば、上部高温域120aは下部高温域120bと本質的に同じであり、頂部結晶104及び底部結晶106は同時に成長し得る。
【0025】
本明細書の様々な例において図示及び説明されるように、このような対称性は必要とされない。例えば、頂部結晶104及び底部結晶106を互いに異なるように、例えば異なる速度又は異なる品質で成長させるように調整することができる。いくつかの例では、以下でより詳細に説明されるように、
図1の構造は、例えば、頂部結晶104の追加又は継続的な成長を可能にするために底部結晶106を再昇華させることを含む、単結晶を生産するために使用されてもよい。
【0026】
図3の例では、上部高温域120aと下部高温域120bとの間に分割器302が配置され得る。例えば、分割器302は、原料粉114から昇華された蒸気が上部高温域120と下部高温域120bとの間で移動するのを防止する、比較的底多孔性の膜、例えばグラファイト膜であってもよい。
【0027】
分割器302はまた、下部高温域120bからの上部高温域120aの物理的な分割を表すか、又はこれと併せて使用されてもよい。すなわち、坩堝102は、例えば、2つの坩堝構成要素を互いにネジ留めするためのネジ接続を使用して、又は磁化表面、接着剤、若しくは他の接合/分離技術を使用して、2つの別個の坩堝構成要素に物理的に分離されることが可能であり得る。このようにして、第1の坩堝部分(例えば、上部坩堝部分)及び第2の坩堝部分(例えば、下部坩堝部分)が画定され得る。
【0028】
その結果、例えば、頂部結晶104及び底部結晶106は、互いに比較的独立して成長することができる。例えば、頂部結晶104又は底部結晶106の一方が欠陥を経験した場合、坩堝102は分離されてもよく、欠陥のある結晶は除去され得る。坩堝102はその後、結晶成長が継続し得るように、再接合及び密封され得る。
【0029】
これら及び他の例では、原料粉114もまた、分割器302によって物理的に分離されてもよい。例えば、原料粉114は、図示されるように、上部原料粉114a及び下部原料粉114bに分離されてもよい。したがって、坩堝102が分離されると、上部原料粉114a又は下部原料粉114bを独立して交換することができる。
【0030】
例えば、底部結晶106に欠陥があることが判明した場合、坩堝102の下部分は分離されてもよく、欠陥のある結晶は、上述のように除去されてもよい。その後、下部坩堝部分が再装着され得るように、下部原料粉114bが交換されてもよい。
【0031】
図3の例では、分割器302は、下部高温域120bから上部高温域120aを分離する低多孔性材料と、上述の物理的分割器又は分離機構との両方を含み得る。別の例では、分割器302は、低多孔性材料を必要とすることなく、物理的分割器/分離機構のみを含み得る。
【0032】
このような例では、
図3の実装形態は、単結晶を成長させるために使用され得る。例えば、欠陥のある、又は低品質の底部結晶106を除去するために下部坩堝部分が取り外される上記の例では、下部原料粉114bを補充し、次いで頂部結晶104のみの成長を継続(例えば、仕上げ)することによって、処理を継続することができる。このような場合、頂部結晶104は、頂部結晶104及び底部結晶106が一緒に成長するシナリオよりも長い長さに成長することができる。
【0033】
図4の例では、高多孔性フィルタ402が含まれ、底部結晶106の上に配置される。例えば、フィルタ402は、任意の粒子を(例えば、膜116から)濾過紙ながら、底部結晶106の成長を促進する原料粉114から昇華した蒸気の通過を許容するのに十分に高い多孔性のグラファイト膜を表してもよい。したがって、フィルタ402は、下部高温域120b内に存在し得る任意の粒子が底部結晶106上に降りていくのを防止する際に有用であり得、そうでなければ、成長プロセス、及び底部結晶106の結果的な品質を損なう可能性がある。
【0034】
より詳細には、フィルタ402の水平多孔性グラファイト膜は、プロセス蒸気種に対して透過性が高くてもよく、ガス封入部内に生じた、又はグラファイト壁から放出された粒子の堆積を防止する。フィルタ402の多孔性膜の底面を出る任意の蒸気は、一般に、他のグラファイト表面と既に反応しており、底部結晶106上に落下する可能性のある新しい粒子が形成されないように、底面とは反応しない。
【0035】
フィルタ402は、他の有利な特徴を有してもよい。例えば、フィルタ402は、その選択された厚さ及び底部結晶106に対する配置に応じて、底部結晶106の付近のガス組成及び温度場に影響を及ぼす可能性がある。
【0036】
図4の例は、
図3の分割器302と併せて使用されているフィルタ402を示す。しかしながら、別の例示的な実施形態では、フィルタ402は、分割器302なしで使用され得ることが理解されるだろう。例えば、フィルタ402は、
図1の実装形態に含まれてもよい。
【0037】
図5を参照すると、上述のように、加熱要素110によって提供される熱の温度勾配は、頂部結晶104及び底部結晶106を成長させるために昇華された原料粉を種結晶に配向するための主要な制御手段である。例えば、原料粉114から頂部結晶104へ、及び底部結晶106への負の温度勾配は、例えば、およそ5C/cmで確立されてもよい。
【0038】
例えば、坩堝102が加熱要素110として抵抗又はRFコイルヒータ内に配置されると、坩堝102内の温度は、加熱要素110の垂直中心から、例えば対称軸又は対称面502からの距離と共に低下する。
図1~
図4の実施形態では、坩堝102の対応する対称軸又は対称面504は、負の温度勾配が坩堝102内の頂部結晶104及び底部結晶106に対しても対称となるように、加熱要素110の対称面502と位置合わせされてもよい。
【0039】
しかしながら、
図5の例では、図示されるように、加熱要素110の対称面502は、坩堝102の対称面504からずれている。したがって、坩堝102内の温度勾配は、
図1~
図4の例とは異なり、頂部結晶104及び/又は底部結晶106を成長させることに対する制御の異なる又は追加の態様を可能にする。
【0040】
例えば、いくつかの実装形態では、支柱又は追加の断熱材(
図5には図示せず)など、坩堝設計に含まれる追加の構成要素又は要素は、坩堝102内の温度分布に影響を及ぼす可能性があり、所望の温度勾配に悪影響を及ぼす可能性がある。
図5に示されるように対称面502、504をずらすことで、
図5の非対称設計が頂部結晶104及び底部結晶106の対称成長を可能にするように、このような効果を打ち消すことができる。
【0041】
しかしながら、別の例示的な実装形態では、頂部結晶104及び底部結晶106の非対称成長が望ましい場合がある。例えば、上記で言及されたように、底部結晶106は欠陥があると判定されてもよく、頂部結晶104の成長は、坩堝102内の温度勾配が相応に調整され得るように、その後優先されてもよい。
【0042】
加えて、又は代わりに、底部結晶106は、頂部結晶104をより長く、及び/又は直径をより広く成長させるための技術の一部として使用されてもよい。例えば、上記で言及されたように、底部結晶106は、頂部結晶104の追加の連続的な成長を可能にするために、再昇華されてもよい。
【0043】
いくつかの実装形態では、原料粉114bから形成された蒸気は、上部高温域120aに移動してもよく、原料粉114aから形成された蒸気は、下部高温域120bに移動してもよい。対称面502、504を調整することにより、原料粉114aは、原料粉114bよりも比較的速く消費され得る。
【0044】
したがって、いくつかの実装形態では、加熱要素110は、上部高温域120aに隣接する原料粉114bよりも速く下部高温域120bに隣接する原料粉114bを消費するように調整され得る。次いで、
図3及び
図4に関連して上述された技術を使用して、坩堝102の下部分は、原料粉114bが補充され得るように取り外すことができ、その後、坩堝102の下部分は、坩堝102の上部分に再装着することができ、結晶成長は継続し得る。
【0045】
図6の例では、坩堝102及び加熱要素110は、坩堝102及び加熱要素110が水平に配置されるように
図1~
図5の例から90度回転される。有利には、このような実装形態では、例えば
図4のフィルタ402を必要とすることなく、頂部結晶104又は底部結晶106のいずれかの種成長面上のデブリの落下が最小限に抑えられる。例えば、デブリは、膜116、分割器302、又はフィルタ402など、グラファイト表面又は材料のいずれかからのグラファイト粒子を含んでもよい。
【0046】
別の例では、様々な支持又は他の構造が、坩堝102内に含まれてもよい。例えば、頂部結晶104及び/又は底部結晶106の一方又は両方のための支持構造が含まれてもよい。このような支持構造はまた、グラファイトを使用して形成されてもよく、したがって、グラファイトデブリの潜在的な発生源でもあり得る。
【0047】
本明細書で説明されるように、PVT法による半導体結晶、特にSiC結晶の成長は、望ましくないほど遅い。説明される技術は、プロセスの効率も向上しながら、従来の技術の能力/スループットを増加、例えば潜在的に倍増させることができる。
【0048】
例えば、効率は、第2の結晶の成長のための従来の技術において典型的には底部断熱に浪費されるエネルギーを利用して、向上させることができる。効率はまた、1つではなく2つの結晶の成長のために消耗部品(例えば、支持構造又は断熱材)を共有することによって、向上させることもできる。説明される技術はまた、本明細書で説明される同時結晶成長により、改善された電力利用(例えば、生産される結晶の単位あたりのエネルギー節約)を提供する。
【0049】
効率の向上に加えて、説明される技術は、半導体結晶の設計及び実装において更なる柔軟性を提供する。例えば、2つの結晶は、全く同じ方法で、又は様々な成長条件で、一緒に成長し得る。
【0050】
図7は、
図1~
図6のデバイスのうちの1つ以上を使用して半導体結晶を製造するための例示的なプロセスフローを示すフローチャートである。
図7の例では、原料粉は、坩堝の中空壁の区画内に投入されてもよく、坩堝の構成要素、及び原料粉の前処理を実行することができる(702)。
【0051】
例えば、坩堝構成要素(例えば、種結晶支持構造、又は原料粉収容構造)の前処理は、例えば下部高温域120bにおける、坩堝構成要素の温度処理を含んでもよい。このような温度処理は、坩堝構成要素を浄化し、結晶成長の開始前に任意の潜在的な不純物が放出及び除去されていることを保証するために、使用され得る。
【0052】
例えば、PVTプロセスは、高温(例えば、2000度C以上)で行われ、いくつかのグラファイト構成要素は、それらの製造/生産中に十分に浄化されていない可能性がある(例えば、十分な高温に曝露されていない可能性がある)。いくつかの前処理ステップ中に、このような坩堝構成要素は、例えば、プロセスを乾式で、すなわち種結晶又は原料粉を存在させずに行うことによって、PVTプロセスで使用される予想温度に対応する温度に曝露され得る。
【0053】
その結果、坩堝構成要素又は種結晶のいずれも損傷させることなく、単一の前処理ステップにおいて任意の不純物を洗い流すことができる。例示的な実装形態では、このような前処理を行うことから結晶成長処理への移行は、例えば、追加の原料粉を提供し、及び/又は種結晶を設置するために、上述のような分割器302を使用して坩堝102を分離させることによって、簡単であり得る。
【0054】
同様に、原料粉の品質を保証するために、原料粉処理が行われてもよい。例えば、いくつかの原料粉は、成長する結晶の品質を低下させる可能性がある、様々な量のシリカ及び遊離グラファイトを含み得る。原料粉は存在するが対応する高温域内にいかなる種結晶も存在しない状態で高温プロセスを実行することにより、原料粉からこのような不純物を除去することが可能である。粉末前処理のもう1つの理由は、結晶成長の開始時にプロセスガスの化学量論を修正する意図であり得る。化学量論は、とりわけ、粉末状態の関数である。すると、上述のような坩堝構成要素の熱処理と同様に、原料粉処理段階から結晶成長段階に坩堝を移行させることは簡単である。
【0055】
前処理が完了すると、種結晶が配置され得る(704)。種結晶は、任意の機能的な方法によって、坩堝の内側に固定され得る。例えば、種結晶は、頂部結晶のための種の上に配置されたグラファイト種ホルダに接着されてもよく、又はグラファイト種ホルダ上に配置され、底部結晶のための種の縁部で底部から支持される。有利には、底部種結晶は、適所に保持されるために接着される必要がない。
【0056】
坩堝に対して所望の相対配置で坩堝の周りに加熱要素を配置することを含む、温度勾配制御が提供され得る(706)。例えば、加熱要素は、同時に同じサイズの2つの結晶を成長させるために、
図1に示されるように、坩堝の周りに対称的に配置されてもよい。
【0057】
結晶成長は、監視されてもよい(708)。例えば、結晶成長は、結晶の欠陥について監視されてもよい。いくつかの例では、
図7に示されるように、例えば、成長している2つの結晶の相対的な成長速度、サイズ、又は割合を制御するために、結晶監視に応答して温度勾配制御が使用される制御ループが開始され得る。
【0058】
別の例では、2つの結晶が最初に対照的に成長するということが起こり得る。次いで、加熱要素及び/又は坩堝は、互いに対して移動し得る。このようにして、例えば、頂部結晶の成長源として機能するために、底部結晶が昇華されてもよい。
【0059】
いくつかの例では、結晶成長が完了したことを監視が示す場合、プロセスは終了し得る(712)。別の例では、原料粉を追加するために、及び/又は結晶を除去及び/又は追加するために、坩堝部分が取り外され、再装着されてもよい(710)。例えば、上述のように、より長い結晶の連続的な成長を可能にするために、枯渇した原料粉が交換されてもよい。
【0060】
図7のプロセスは、多くの異なる結晶成長技術及び結果を可能にする。例えば、6インチ径結晶及び8インチ径結晶を一緒に成長させることが可能である。別の例では、成長するにつれて、成長している結晶の直径を連続的に変化させることが可能である。例えば、結晶は、最初に6インチ結晶として成長してもよいが、結晶成長が進行するにつれて、8インチ径に拡大されてもよい。
【0061】
本明細書で説明されるように、坩堝内に原料粉を収容するための中空壁を形成するために、及び(例えば、原料粉区画から)坩堝壁を通る昇華された原料粉の拡散を可能にするため又はこれを引き起こすために、多孔性又は透過性グラファイトの膜(例えば、
図1の膜116)が使用され得る。多孔性グラファイトはまた、
図3の分割器302など、坩堝の2つの高温域領域間の分割器として、又は
図4のフィルタ402によって示されるような、下部結晶を保護するためのフィルタとしても使用され得る。
【0062】
これら及び関連する機能を可能にし、提供するために、多孔性グラファイト材料のパラメータを適切に選択することができる。選択されるグラファイトパラメータは、例えば、多孔性、密度、グレード、厚さ、及び/又は孔径を含んでもよい。
【0063】
同様に、他のグラファイト要素は、ガス化学量論、温度、熱流束、及び温度勾配の分布に影響を及ぼすように設計及び使用されてもよい。全てのこのような高温域構成要素は、他のプロセスパラメータと組み合わせて設計され得る。このようなプロセスパラメータは、例えば、2000~2300℃であり得る種上の温度、プロセス圧力(例えば、0.1~10mbar)、圧力、温度、原料粉特性によって決定されるプロセスガスの組成、及び上述のような前処理を含み得る。処理パラメータはまた、加熱要素の設計(例えば、単一要素螺旋対複数の螺旋セグメントであってもよく、所望の直径、高さ、及び周波数を有する加熱コイル)、並びに加熱コイルに対する坩堝の位置(例えば、垂直配向で、坩堝の頂部がコイル中心の上方の設計された高さに設定され得る)を含んでもよい。したがって、例えば、所望のポリタイプ(例えば、4H)及び品質(例えば、転位密度)のSiC結晶が、種結晶上で所望の成長速度(例えば、100~300um/時)で成長し得る。
【0064】
より具体的な例示的な実装形態では、高多孔性グラファイト(例えば、>0.4)は、説明された坩堝の膜壁(例えば、坩堝102の膜116)を構築するために使用され得る。壁厚は、それを通る蒸気の十分な輸送を可能にするのに十分な薄さ(例えば、2~5mm)に設定され得る。結晶成長速度は、部分的に壁厚に基づいて計算され得る。
【0065】
様々な実装形態で使用され得る原料粉の重量は、3~10kgの範囲内であり得る。説明された実装形態は、坩堝102の説明された中空円筒の使用を通じてこれらのレベルの原料粉重量を支持することができ、これは、例えば膜116の、多孔性グラファイト材料に対する負荷を同時に減少させながら、薄い壁を可能にする。
【0066】
上述のように、ヒータの垂直対称面に対する坩堝の垂直位置は、所望の軸方向(例えば、垂直)温度勾配を確立するために使用され得る。したがって、成長している両方の結晶について所望の軸方向温度勾配が達成されるように、高温域を設計し、坩堝が配置することができる。アセンブリを適所に保持する任意の支柱(例えば、
図1の支持部材108)、及びその特性は、高温域設計において考慮されるべきであり、対称成長のための非対称設計をもたらし得る。このような調整の必要性は、
図6に示されるように、アセンブリ及びヒータ要素の径方向対称軸を水平に配置することによって回避することができる。補償を必要とし得る別の非対称性は、坩堝の片側、例えば坩堝の頂部に位置し得る、高温計覗き穴の使用から生じる。
【0067】
上部及び下部坩堝チャンバは、
図3の分割器302など、ガス蒸気に対する透過性が低い(例えば、<0.3cm2/秒)壁又は別の分割器によって分離され得る。このように、2つのチャンバは、坩堝の中央領域から生じるガス蒸気に関して競合しない。分割器302の例示的な材料は、高密度(例えば、>1.7g/cm3)、低多孔性(例えば、<15%)静水圧グラファイトを含む。
【0068】
これらの実装形態では、やはり上述のように、上部及び下部プロセスチャンバは2つの別個の部品から作製され得る。その後、これらの部品の対向する壁は、分離壁として機能し得る。これらの2つのチャンバは、上下に配置されてもよく、又は例えば接着剤若しくはネジ溝によって、物理的に接合されてもよい。
【0069】
説明された技術は、例えば、単一のプロセス実行中に2つの結晶を成長させることによって、PVT坩堝の生産性、能力、及びスループットの向上を可能にする。説明された二重成長プロセスは、加熱要素の中央部品の周りの限られた容積内に位置する原料粉を用いて、従来の単結晶プロセスとほぼ同じサイズの結晶を生成するように実施され得る。したがって、単位時間及び単位空間(レイアウト)あたりに生産される材料の量は、最大で2倍になり得る。更に、結晶成長中に消費され得る任意のグラファイト又は断熱材料は、このような材料が1つのみではなく2つの結晶の成長のために消費され得るので、費用効率よく使用することができる。
【0070】
本明細書では実施例1と呼ばれる、第1の例示的な実装形態では、半導体結晶を製造するための坩堝は、
外壁と、
グラファイト膜を使用して形成され、内壁と外壁との間に区画を画定する内壁であって、グラファイト膜が、原料粉が加熱要素によって昇華されたときに区画内に配置された原料粉から昇華された蒸気の拡散を可能にするのに十分な多孔性を有する、内壁と、
第1の種結晶を受容するように配置された第1の種結晶サイトと、
第1の種結晶サイトから坩堝の反対端にあり、第2の種結晶を受容するように配置された第2の種結晶サイトと、
を備える。
【0071】
実施例2は、
坩堝が垂直配向を有し、第2の種結晶サイトが坩堝の底部にあるとき、坩堝内にあって第2の種結晶サイトの上方に配置されるグラファイトフィルタ
を備える、実施例1の坩堝を含む。
【0072】
実施例3は、
坩堝を第1の坩堝部分及び第2の坩堝部分に分離するように構成された分割器
を備える、実施例1の坩堝を含む。
【0073】
実施例4は、分割器が、第1の坩堝部分と第2の坩堝部分との間の蒸気の通過を許容しない多孔性を有するグラファイト膜を含む、実施例3の坩堝を含む。
【0074】
実施例5は、坩堝が、分割器において、第1の種結晶サイトを含む第1の坩堝部分及び第2の種結晶サイトを含む第2の坩堝部分に取り外し可能である、実施例3の坩堝を含む。
【0075】
実施例6は、坩堝が円筒形である、実施例1の坩堝を含む。
【0076】
本明細書では実施例7と呼ばれる、第7の例示的な実装形態では、半導体製造アセンブリは、
加熱要素と、
加熱要素に隣接して配置され、坩堝の両端に第1の種結晶サイトと第2の種結晶サイトとを含む坩堝であって、坩堝が外壁を含み、坩堝が、多孔性グラファイト膜で形成された内壁を更に含み、外壁と内壁との間に画定された区画が原料粉を受容するように配置され、原料粉が、加熱要素によって加熱されると、昇華し、第1の種結晶サイトにおける第1の種結晶及び第2の種結晶サイトにおける第2の種結晶の結晶成長を提供するために、区画から内壁を通って拡散する、坩堝と
を備える。
【0077】
実施例8は、加熱要素が無線周波数(RF)コイルを含み、坩堝がRFコイル内に配置されている、実施例7の半導体製造アセンブリを含む。
【0078】
実施例9は、坩堝が加熱要素内に垂直に配置されている、実施例7の半導体製造アセンブリを含む。
【0079】
実施例10は、第2の種結晶サイトが、坩堝の底部に配置され、
第2の種結晶の上方に配置されたグラファイトフィルタ
を含む、実施例9の半導体製造アセンブリを含む。
【0080】
実施例11は、坩堝が、加熱要素内に水平に配置されている、実施例7の半導体製造アセンブリを含む。
【0081】
実施例12は、
坩堝を第1の坩堝部分及び第2の坩堝部分に分離するように構成された分割器
を備える、実施例7の半導体製造アセンブリを含む。
【0082】
実施例13は、分割器が、第1の坩堝部分と第2の坩堝部分との間に、原料粉から昇華された蒸気の通過を許容しない多孔性を有するグラファイト膜を含む、実施例12の半導体製造アセンブリを含む。
【0083】
実施例14は、坩堝が、分割器において、第1の種結晶サイトを含む第1の坩堝部分及び第2の種結晶サイトを含む第2の坩堝部分に取り外し可能である、実施例12の半導体製造アセンブリを含む。
【0084】
実施例15は、坩堝が円筒形である、実施例7の半導体製造アセンブリを含む。
【0085】
実施例16は、
坩堝を支持するように配置され、加熱要素によって提供される加熱に応答して発生する坩堝内の温度勾配を制御するために、加熱要素に対して坩堝を移動させるように構成されている、支持部材
を備える、実施例7の半導体製造アセンブリを含む。
【0086】
本明細書では実施例17と呼ばれる、第17の例示的な実装形態では、半導体結晶を作製する方法は、
坩堝の外壁と内壁との間に形成された区画内に原料粉を投入することであって、内壁がグラファイト膜を使用して形成されている、ことと、
原料粉を昇華させ、これによって昇華した原料粉を、内壁を通って内壁内の坩堝の少なくとも1つのチャンバ内に拡散させるために、加熱要素で原料粉を加熱することと、
第1の種結晶サイトに配置された第1の種結晶からの第1の結晶及び第1の種結晶サイトから坩堝の反対端にある第2の種結晶サイトに配置された第2の種結晶からの第2の結晶のチャンバ内の結晶成長を監視することと、
を含む。
【0087】
実施例18は、
第1の種結晶サイトを含む第1の坩堝部分を第2の種結晶サイトを含む第2の坩堝部分から取り外すことと、
第2の坩堝部分に含まれる区画の一部分内に追加の原料粉を投入することと、
を更に含む、実施例17の方法を含む。
【0088】
実施例19は、
坩堝内の温度勾配を制御するために、坩堝及び/又は加熱要素を互いに対して移動させること
を更に含む、実施例17の方法を含む。
【0089】
実施例20は、
第2の結晶を再昇華させ、第1の結晶の連続的な成長を可能にするために、坩堝内の温度勾配を調整すること
を更に含む、実施例17の方法を含む。
【0090】
前述の説明において、層、領域、基板、又は構成要素等の素子が、他の素子上にある、接続する、電気的に接続する、結合する、あるいは、電気的に結合すると称される場合、これが、他の素子上に直接配置可能であるか、接続できるか、あるいは、結合可能であるか、又は1つ以上の介在素子が存在し得ることも、理解されよう。一方、要素が、別の要素若しくは層上に直接あるか、直接接続しているか、又は、直接結合していると称される場合、介在要素又は層は、存在しない。本発明の詳細な説明を通じて、直接ある、直接接続する、又は、直接結合するという用語が使用されないこともあるが、直接ある、直接接続している、又は、直接結合しているものとして図示される要素は、そのようなものとして言及され得る。本出願の特許請求の範囲(含まれている場合)は、本明細書において説明される、又は、図面に示される例示的な関係を述べるように補正され得る。
【0091】
本明細書及び特許請求の範囲において使用される際、単数形は、文脈の観点において、特定の事例を明確に示さない限り、複数形を含み得る。空間的相対性を示す用語(例えば、全体にわたって、上、上方、下、下側、下方、下位等)は、図面で描示する配向に加えて、使用中、又は、操作中のデバイスの異なる配向を包含することを意図している。一部の実装形態では、上及び下という相対的な用語はそれぞれ、垂直方向に上及び垂直方向に下を含むことができる。一部の実装形態では、隣接するという用語は、横方向に隣接するか、又は、水平方向に隣接することを含むことができる。
【0092】
一部の実装形態は、様々な半導体処理及び/又はパッケージング技術を使用して実装され得る。いくつかの実装形態は、例えば、シリコン(Si)、ガリウムヒ素(GaAs)、窒化ガリウム(GaN)、炭化ケイ素(SiC)、及び/又はそれら等を含むが、それらに限定されない半導体基板に関連付けられた様々なタイプの半導体処理技術を使用して実装され得る。
【0093】
説明された実装形態の特定の特徴を、本明細書において説明されるとおりに例解してきたが、ここで、当業者は、多くの修正、代用、変更、及び、均等物を着想するであろう。それゆえ、添付の特許請求の範囲は、そのような修正及び変更の全てを実装形態の範囲内に収まるよう網羅することを意図することが、理解されるであろう。これらは、限定ではなく、単なる例示として提示されており、形態及び細部に様々な変更がなされ得ることを、理解されたい。本明細書において説明される装置及び/又は方法のいずれの部分も、相互に排他的な組み合わせを除き、任意の組み合わせで組み合わされ得る。本明細書において説明される実装形態は、説明される異なる実装形態の機能の様々な組み合わせ及び/又は部分組み合わせ、構成要素及び/又は特徴を含み得る。
【0094】
説明された実装形態の特定の特徴を、本明細書において説明されるとおりに例解してきたが、ここで、当業者は、多くの修正、代用、変更、及び、均等物を着想するであろう。それゆえ、添付の特許請求の範囲を、こうした修正及び変更の全てを実施形態の範囲内に含まれるものとして網羅することを意図していることが理解されよう。
【外国語明細書】