(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024069190
(43)【公開日】2024-05-21
(54)【発明の名称】広域スペクトルキナーゼ結合剤
(51)【国際特許分類】
G01N 33/573 20060101AFI20240514BHJP
C07D 239/48 20060101ALI20240514BHJP
C12Q 1/48 20060101ALI20240514BHJP
C12N 9/00 20060101ALI20240514BHJP
C07F 5/02 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
G01N33/573 A
C07D239/48
C12Q1/48 Z
C12N9/00
C07F5/02 D
【審査請求】有
【請求項の数】23
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024015596
(22)【出願日】2024-02-05
(62)【分割の表示】P 2020566944の分割
【原出願日】2019-05-30
(31)【優先権主張番号】62/677,956
(32)【優先日】2018-05-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】593089149
【氏名又は名称】プロメガ コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Promega Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(72)【発明者】
【氏名】コロナ シーザー
(72)【発明者】
【氏名】マイセンハイマー ポンチョ
(72)【発明者】
【氏名】ロバース マシュー
(72)【発明者】
【氏名】ヴァスタ ジェームズ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】広域スペクトルプロテインキナーゼ結合剤である化合物、かかる化合物を含む検出可能なトレーサー、及びプロテインキナーゼの検出のためのその使用方法を提供する。
【解決手段】下式の広域スペクトルキナーゼ結合剤。
(CC-1861)
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下式の広域スペクトルキナーゼ結合剤。
(CC-1852)
【請求項2】
下式の広域スペクトルキナーゼ結合剤。
(CC-1861)
【請求項3】
下式の部分を含む、機能的要素または固体表面に結合された広域スペクトルキナーゼ結合剤:
(前記機能的要素または固体表面に結合されたもの)。
【請求項4】
下式の部分を含む、機能的要素または固体表面に結合された広域スペクトルキナーゼ結合剤:
(前記機能的要素または固体表面に結合されたもの)。
【請求項5】
前記固体表面が、沈降粒子、膜、ガラス、チューブ、ウェル、自己組織化単分子層、表面プラズモン共鳴チップ、または電子伝導性表面を備えた固体支持体から選択される、請求項3または4に記載の広域スペクトルキナーゼ結合剤。
【請求項6】
前記沈降粒子が、磁性粒子である、請求項5に記載の広域スペクトルキナーゼ結合剤。
【請求項7】
前記機能的要素が、検出可能な要素、親和性要素、及び捕捉要素から選択される、請求項3または4に記載の広域スペクトルキナーゼ結合剤。
【請求項8】
前記検出可能な要素が、フルオロフォア、発色団、放射性核種、電子不透過性分子、MRI造影剤、SPECT造影剤、または質量タグを含む、請求項7に記載の広域スペクトルキナーゼ結合剤。
【請求項9】
CC-1852またはCC-1861が機能的要素に直接結合している、請求項3~8のいずれか1項に記載の広域スペクトルキナーゼ結合剤。
【請求項10】
前記CC-1852またはCC-1861がリンカーを介して機能的要素に結合されている、請求項3~8のいずれか1項に記載の広域スペクトルキナーゼ結合剤。
【請求項11】
前記リンカーが、-[(CH2)2O]n-(式中、nは1~20である)を含む、請求項10に記載の広域スペクトルキナーゼ結合剤。
【請求項12】
前記リンカーが、アミド結合によってCC-1852またはCC-1861、及び/または機能的要素と結合される、請求項11に記載の広域スペクトルキナーゼ結合剤。
【請求項13】
下記構造:
(式中、Xは機能的要素または固体表面である)を含む、請求項3~8及び10~12のいずれか1項に記載の広域スペクトルキナーゼ結合剤。
【請求項14】
Xが、フルオロフォアである、請求項13に記載の広域スペクトルキナーゼ結合剤。
【請求項15】
下記構造:
を含む、請求項14に記載の広域スペクトルキナーゼ結合剤。
【請求項16】
下記構造:
(式中、Xは機能的要素または固体表面である)を含む、請求項3~4及び10~12のいずれか1項に記載の広域スペクトルキナーゼ結合剤。
【請求項17】
Xが、フルオロフォアである、請求項16に記載の広域スペクトルキナーゼ結合剤。
【請求項18】
下記構造:
を含む、請求項17に記載の広域スペクトルキナーゼ結合剤。
【請求項19】
非天然存在比の1つ以上の安定した重同位体を含む、請求項1~18のいずれか1項に記載の広域スペクトルキナーゼ結合剤。
【請求項20】
請求項1~19のいずれか1項に記載の広域スペクトルキナーゼ結合剤を含む組成物。
【請求項21】
試料中のキナーゼを検出または定量化する方法であって、前記試料を請求項3~4または7~19のいずれか1項に記載の組成物と接触させる工程と、それによって生成されたシグナルの前記機能的要素を検出または定量化する工程と、を含む、前記方法。
【請求項22】
前記それによって生成された信号の機能的要素が、蛍光、質量分析、光学イメージング、磁気共鳴イメージング(MRI)、及びエネルギー転移によって検出または定量化される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
試料からキナーゼを単離する方法であって、前記試料を請求項3~13、16、及び19のいずれか1項に記載の広域スペクトルキナーゼ結合剤と接触させる工程と、前記固体表面の前記機能的要素及び結合したキナーゼを前記試料の非結合部分から分離する工程と、を含む、前記方法。
【請求項24】
試料中のキナーゼが何であるかを特徴付ける方法であって、請求項23に記載の方法によって試料からキナーゼを単離する工程と、単離されたキナーゼを質量分析によって分析する工程と、を含む、前記方法。
【請求項25】
キナーゼと非修飾生体分子との間の相互作用を監視する方法であって、試料を、請求項3~13、16、及び19のいずれか1項に記載の広域スペクトルキナーゼ結合剤と接触させる工程を含む、前記方法。
【請求項26】
前記試料が、細胞、細胞ライセート、体液、組織、生物学的試料、インビトロ試料、及び環境試料から選択される、請求項21~25のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書では、広域スペクトルプロテインキナーゼ結合剤である化合物、かかる化合物を含む検出可能なトレーサー、及びプロテインキナーゼの検出のためのその使用方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
ヒトゲノムは約560個のプロテインキナーゼを含み、それらはすべてのヒト遺伝子の約2%を構成している(Manning et al.(2002)Science 298(5600):1912-1934.、本明細書に参照によりその開示内容の全体を援用する)。すべてのヒトタンパク質の最大30%がキナーゼ活性によって改変される可能性があり、キナーゼは細胞経路の大部分、特にシグナル伝達に関与する経路を調節することが知られている。キナーゼの化学的活性には、ヌクレオシド三リン酸(通常はATP)からリン酸基を転移させ、これを遊離ヒドロキシル基を有する特定のアミノ酸に共有結合させることが含まれる。ほとんどのキナーゼはセリンとスレオニンの両方に作用し(セリン/スレオニンキナーゼ)、他のキナーゼはチロシンに作用し(チロシンキナーゼ)、いくつかは3つすべてに作用する(二重特異性キナーゼ)(Dhanasekaran & Premkumar(September 1998).Oncogene.17(11 Reviews):1447-55.、本明細書に参照によりその開示内容の全体を援用する)。異常なキナーゼシグナル伝達が多くの疾患や状態に関連している。
【0003】
いずれも本明細書に参照によりその全容を援用するところの米国特許出願公開第2014/0323346号及びZhang et al.(J.Proteome Res.2013,12,3104-3116)は、プロテインキナーゼ結合剤について記載している。細胞キナーゼのプロファイリング、キナーゼ精製などを可能とする、広い特異性を有する改良されたキナーゼリガンドが求められている。
【発明の概要】
【0004】
本明細書では、広域スペクトルプロテインキナーゼ結合剤である化合物、かかる化合物を含む検出可能なトレーサー、及びプロテインキナーゼの検出のためのその使用方法を提供する。
【0005】
いくつかの実施形態では、本明細書において下式の広域スペクトルキナーゼ結合剤が提供される:
(CC-1852)。
【0006】
いくつかの実施形態では、本明細書において下式の広域スペクトルキナーゼ結合剤が提供される:
(CC-1861)。
【0007】
いくつかの実施形態では、本明細書において下式の広域スペクトルキナーゼ結合剤が提供される:
(CTx-0294885)。
【0008】
いくつかの実施形態では、本明細書において、下式の部分を含む、機能的要素または固体表面に結合された広域スペクトルキナーゼ結合剤(例えば、CC-1852)が提供される:
が機能的要素または固体表面に結合されたもの(CC-1816、CC-1817など)。
【0009】
いくつかの実施形態では、本明細書において、下式の部分を含む、機能的要素または固体表面に結合された広域スペクトルキナーゼ結合剤(例えば、CC-1861)が提供される:
が機能的要素または固体表面に結合されたもの(CC-1803、CC-1804など)。
【0010】
いくつかの実施形態では、本明細書において、下式の部分を含む、機能的要素または固体表面に結合された広域スペクトルキナーゼ結合剤(例えば、CTx-0294885)が提供される:
が機能的要素または固体表面に結合されたもの(CC-1290、CC-1294など)。
【0011】
いくつかの実施形態では、本明細書において、固体表面に結合された広域スペクトルキナーゼ結合剤であって、固体表面が、沈降粒子、膜、ガラス、チューブ、ウェル、自己組織化単分子膜、表面プラズモン共鳴チップ、または電子伝導性表面を有する固体支持体から選択される、広域スペクトルキナーゼ結合剤が提供される。いくつかの実施形態では、沈降粒子は磁性粒子である。
【0012】
いくつかの実施形態では、本明細書において、機能的要素に連結された広域スペクトルキナーゼ結合剤であって、機能的要素が、検出可能要素、親和性要素、及び捕捉要素から選択される、広域スペクトルキナーゼ結合剤が提供される。いくつかの実施形態では、検出可能要素は、フルオロフォア、発色団、放射性核種、電子不透過性 (electron opaque) 分子、MRI造影剤、SPECT造影剤、または質量タグを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される広域スペクトルキナーゼ結合剤(例えば、CC-1852、CC-1861、またはCTx-0294885)は、機能的要素に直接結合される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される広域スペクトルキナーゼ結合剤(例えば、CC-1852、CC-1861、またはCTx-0294885)は、リンカーを介して機能的要素に結合される。いくつかの実施形態では、リンカーは、-[(CH2)2O]n-を含み、式中、nは1~20(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、またはこれらの間の範囲である)である。いくつかの実施形態では、リンカーは、アミド結合によって、本明細書に記載される広域スペクトルキナーゼ結合剤(例えば、CC-1852、CC-1861、またはCTx-0294885)、及び/または機能的要素に結合される。
【0013】
いくつかの実施形態では、本明細書において下記構造を有する広域スペクトルキナーゼ結合剤が提供される:
(式中、Xは機能的要素または固体表面である)。いくつかの実施形態では、Xはフルオロフォアである。いくつかの実施形態では、本明細書において下記構造を有する広域スペクトルキナーゼ結合剤が提供される。
【0014】
いくつかの実施形態では、本明細書において下記構造を有する広域スペクトルキナーゼ結合剤が提供される:
(式中、Xは機能的要素または固体表面である)。いくつかの実施形態では、Xはフルオロフォアである。いくつかの実施形態では、本明細書において下記構造を有する広域スペクトルキナーゼ結合剤が提供される。
【0015】
いくつかの実施形態では、本明細書において下記構造を有する広域スペクトルキナーゼ結合剤が提供される:
(式中、Xは機能的要素または固体表面である)。いくつかの実施形態では、Xはフルオロフォアである。いくつかの実施形態では、本明細書において下記構造を有する広域スペクトルキナーゼ結合剤が提供される。
【0016】
いくつかの実施形態では、本明細書の広域スペクトルキナーゼ結合剤は、非天然存在比の1つ以上の安定な重同位体を含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、本明細書において、試料中のキナーゼを検出または定量化する方法であって、試料を本明細書の広域スペクトルキナーゼ結合剤と接触させ、それによって生成されるシグナルの機能的要素を検出または定量化することを含む方法が提供される。いくつかの実施形態では、それによって生成される信号の機能的要素は、蛍光、質量分析、光学イメージング、磁気共鳴イメージング(MRI)、及びエネルギー転移(例えば、FRET、BRET、ALPHA)によって検出または定量化される。
【0018】
いくつかの実施形態では、本明細書において、試料からキナーゼを単離する方法であって、試料を本明細書の広域スペクトルキナーゼ結合剤と接触させることと、固体表面の機能的要素及び結合したキナーゼを試料の非結合部分から分離することと、を含む方法が提供される。いくつかの実施形態では、方法は、本明細書に記載される方法により試料からキナーゼを単離することと、単離されたキナーゼを質量分析によって分析することと、を含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、本明細書において、キナーゼと非修飾生体分子との相互作用を監視する方法であって、試料を本明細書の広域スペクトルキナーゼ結合剤と接触させることを含む方法が提供される。
【0020】
いくつかの実施形態では、本明細書の方法は、細胞、細胞ライセート、体液、組織、生物学的試料、インビトロ試料、及び環境試料から選択される試料を使用して行われる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1A】生細胞で発現された多種類のキナーゼ/NanoLuc(登録商標)融合タンパク質に対してキナーゼトレーサーによって生成されたBRETの結果の概要を示す。アッセイシグナルは、トレーサーの存在下/トレーサーコントロールなしでのBRETの比を求めることにより評価した。アッセイは以下のようにカテゴリー分けした。すなわち、3倍よりも高いシグナル(緑のセル)、2~3倍のシグナル(黄色のセル)、及び1.5~2倍のシグナル(赤のセル)。
【
図1B-1】生細胞で発現された多種類のキナーゼ/NanoLuc(登録商標)融合タンパク質に対してキナーゼトレーサーによって生成されたBRETの結果の概要を示す。アッセイシグナルは、トレーサーの存在下/トレーサーコントロールなしでのBRETの比を求めることにより評価した。アッセイは以下のようにカテゴリー分けした。すなわち、3倍よりも高いシグナル(緑のセル)、2~3倍のシグナル(黄色のセル)、及び1.5~2倍のシグナル(赤のセル)。
【
図1C-1】広域スペクトルキナーゼトレーサーと、生細胞で発現された個々のキナーゼ/NanoLuc(登録商標)融合タンパク質との間で観察された個々のBRETシグナルを示す。アッセイシグナルは、トレーサーの存在下/トレーサーコントロールなしでのBRETの比を求めることにより評価した。アッセイは以下のようにカテゴリー分けした。すなわち、3倍よりも高いシグナル(緑のセル)、2~3倍のシグナル(黄色のセル)、及び1.5~2倍のシグナル(赤のセル)。
【
図1D-1】広域スペクトルキナーゼトレーサーと、生細胞で発現された個々のキナーゼ/NanoLuc(登録商標)融合タンパク質との間で観察された個々のBRETシグナルを示す。アッセイシグナルは、トレーサーの存在下/トレーサーコントロールなしでのBRETの比を求めることにより評価した。アッセイは以下のようにカテゴリー分けした。すなわち、3倍よりも高いシグナル(緑のセル)、2~3倍のシグナル(黄色のセル)、及び1.5~2倍のシグナル(赤のセル)。
【
図1E-1】広域スペクトルキナーゼトレーサーと、生細胞で発現された個々のキナーゼ/NanoLuc(登録商標)融合タンパク質との間で観察された個々のBRETシグナルを示す。アッセイシグナルは、トレーサーの存在下/トレーサーコントロールなしでのBRETの比を求めることにより評価した。アッセイは以下のようにカテゴリー分けした。すなわち、3倍よりも高いシグナル(緑のセル)、2~3倍のシグナル(黄色のセル)、及び1.5~2倍のシグナル(赤のセル)。
【
図1F-1】広域スペクトルキナーゼトレーサーと、生細胞で発現された個々のキナーゼ/NanoLuc(登録商標)融合タンパク質との間で観察された個々のBRETシグナルを示す。アッセイシグナルは、トレーサーの存在下/トレーサーコントロールなしでのBRETの比を求めることにより評価した。アッセイは以下のようにカテゴリー分けした。すなわち、3倍よりも高いシグナル(緑のセル)、2~3倍のシグナル(黄色のセル)、及び1.5~2倍のシグナル(赤のセル)。
【
図2A】代表的なキナーゼ/NanoLuc(登録商標)融合タンパク質を用いた生細胞におけるBRET標的結合の結果を示す。各キナーゼ/Nluc融合タンパク質をコードするプラスミドDNAをトランスフェクトされた細胞を段階希釈したトレーサー1804(左パネル)で処理したところ、特定のBRETが用量依存的に増加した。固定濃度のトレーサー1804に対して非標識試験化合物を滴定することにより、各キナーゼの標的結合を観察することができる(右パネル)。示される各例で、BRET信号は1294と比較してトレーサー1804でより優れていた。
【
図2B】代表的なキナーゼ/NanoLuc(登録商標)融合タンパク質を用いた生細胞におけるBRET標的結合の結果を示す。各キナーゼ/Nluc融合タンパク質をコードするプラスミドDNAをトランスフェクトされた細胞を段階希釈したトレーサー1804(左パネル)で処理したところ、特定のBRETが用量依存的に増加した。固定濃度のトレーサー1804に対して非標識試験化合物を滴定することにより、各キナーゼの標的結合を観察することができる(右パネル)。示される各例で、BRET信号は1294と比較してトレーサー1804でより優れていた。
【
図2C】代表的なキナーゼ/NanoLuc(登録商標)融合タンパク質を用いた生細胞におけるBRET標的結合の結果を示す。各キナーゼ/Nluc融合タンパク質をコードするプラスミドDNAをトランスフェクトされた細胞を段階希釈したトレーサー1804(左パネル)で処理したところ、特定のBRETが用量依存的に増加した。固定濃度のトレーサー1804に対して非標識試験化合物を滴定することにより、各キナーゼの標的結合を観察することができる(右パネル)。示される各例で、BRET信号は1294と比較してトレーサー1804でより優れていた。
【
図3】広域スペクトルキナーゼ結合剤CC-1852、CC-1861及びCTx-02994885の化学構造を示す。
【
図4】CC-1861とCTx-0294885の標的結合を測定するためのNanoBRET(商標)標的結合のワークフローを示す図である。NanoBRET(商標)トレーサーを約50%の標的占有率の値で導入した。試験化合物の占有率は、生細胞におけるNanoBRET(商標)トレーサーの競合的置換によって測定される。
【
図5】300nMのCC-1861とCTx-0294885の生細胞における標的結合の効力の縮約されたヒートマップである。標的結合は、生きたHEK293細胞におけるNanoBRET(商標)トレーサーに対する競合的置換によって測定した。赤は占有率が高いことを示し、緑は占有率が低いことを示す。
【
図6】300nMのCC-1861とCTx-0294885の生細胞における標的結合の効力の詳細なヒートマップである。標的結合は、生きたHEK293細胞におけるNanoBRET(商標)トレーサーに対する競合的置換によって測定した。赤は占有率が高いことを示し、緑は占有率が低いことを示す。
【
図7】CC-1861とCTx-0294884の細胞内親和性の比較を示す。NanoBRET(商標)アッセイは、生きたHEK293細胞におけるNanoBRET(商標)トレーサーの競合的置換によって行った。CC-1861の細胞内親和性は、試験した4つの標的のうち3つでCTx-0294885よりも強かった。
【
図8】生細胞内のさまざまなキナーゼに対するCC-1861とCTx-0294885の細胞内親和性値の詳細な比較を示す。値は、生細胞内のNanoBRET(商標)トレーサーの競合的置換によって測定した。
【発明を実施するための形態】
【0022】
定義
本明細書に記載される方法及び材料と同様、または同等のいずれの方法及び材料も本発明の実施または試験にあたって使用することが可能であるが、いくつかの好ましい実施形態の組成物、方法、及び材料を本明細書で説明する。しかしながら、本明細書に記載される特定の分子、組成物、方法論またはプロトコールは、通常の実験手法及び最適化に従って異なり得るため、本発明はこれらに限定されない点を、本材料及び方法を説明するのに先立って理解されたい。また、本明細書において使用される用語は、あくまで本発明の特定の型または実施形態を説明するためのものであって、本明細書に記載される実施形態の範囲を限定することを目的としたものではない点を理解されたい。
【0023】
別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野における当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有するものとする。しかしながら、矛盾が生じる場合には、定義を含めて本明細書が優先するものとする。したがって、本明細書に記載される実施形態との関連では以下の定義が適用される。
【0024】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用するところの単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈上特に示されない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば「(a peptide)ペプチド」と言った場合には複数のペプチド及び当業者には周知のそれらの均等物を指す、といった具合である。
【0025】
本明細書で使用するところの「及び/または」は、列挙される項目の任意の、全ての組み合わせを含み、列挙される個別の項目も含む。例えば、「A、B、及び/またはC」には、A、B、C、AB、AC、BC、及びABCが含まれ、それぞれが「A、B、及び/またはC」という記載によって個別に記述されているものと見なされる。
【0026】
本明細書で使用するところの「含む」なる用語及びその言語的変化形は、更なる特徴(複数可)、要素(複数可)、方法ステップ(複数可)などの存在を排除することなく、列挙された特徴(複数可)、要素(複数可)、方法ステップ(複数可)などの存在を示す。逆に、「からなる」なる用語及びそれらの言語的変化形は、列挙された特徴(複数可)、要素(複数可)、方法ステップ(複数可)などの存在を示し、通常に付随する混入物を除いて、記載されていない特徴(複数可)、要素(複数可)、方法ステップ(複数可)などを除外する。「~から本質的になる」なる句は、列挙された特徴(複数可)、要素(複数可)、方法ステップ(複数可)など、及び組成、システム、または方法の基本的な性質に実質的に影響を与えない更なる特徴(複数可)、要素(複数可)、方法ステップ(複数可)などを意味する。本明細書の多くの実施形態は、オープンな「含む」言語を使用して記載されている。かかる実施形態は、かかる文言を用いて特許請求または記載される場合もある複数のクローズの「からなる」及び/または「本質的にからなる」の実施形態を包含する。
【0027】
本明細書で使用するところの「CC-1852」なる用語は、下記構造の化合物:
(CC-1852)
または、下記構造を有する分子実体の部分/置換基:
(例、CC-1816、CC-1817)を指す。
【0028】
本明細書で使用するところの「CC-1861」なる用語は、下記構造の化合物:
(CC-1861)、または
下記構造を有する分子実体の部分/置換基:
(例、CC-1803、CC-1804など)を指す。
【0029】
本明細書で使用するところの「CTx-0294885」なる用語は、下記構造の化合物:
(CTx-0294885)、または
下記構造を有する分子実体の部分/置換基:
(例、CC-1294、CC-1290など)を指す。
【0030】
本明細書で使用するところの「トレーサー」なる用語は、目的の分析物(例えば、目的のタンパク質(例えば、キナーゼ)など)に結合して、定量化可能または検出可能な(例えば、任意の適当な生化学的または生物物理学的方法(例えば、光学的、磁気的、電気的、共鳴イメージングにより、質量により、放射線により、など)により検出または定量化される)特性を示す目的の化合物または薬剤を指す。トレーサーは、フルオロフォア、放射性核種、質量タグに、また、磁気共鳴イメージング(MRI)、平面シンチグラフィー(PS)、ポジトロン放出断層撮影(PET)、単一光子放射型コンピューター断層撮影(SPECT)、及びコンピューター断層撮影(CT)用の造影剤(例えば、金属イオン、同位体、または放射性核種が結合した金属イオンキレート剤)などに連結された(例えば、直接または適切なリンカーを介して)目的の分析物に結合する目的の化合物または薬剤を含み得る。
【0031】
本明細書で使用するところの「試料」なる用語は、その最も広い意味で使用される。1つの意味において、試料とは、任意の供給源から得られる検体または培養物、ならびに生物学的試料及び環境試料を含む意味を有する。生物学的試料は、動物(ヒトを含む)から取得し得、流体、固体、組織、及び気体を含むことができる。生物学的試料には、血漿、血清などの血液製剤が含まれる。試料は、細胞ライセートまたは精製された形態の酵素、ペプチド、及び/または本明細書に記載されるポリペプチドを指す場合もある。細胞ライセートは、溶解剤で溶解された細胞、またはウサギ網状赤血球もしくは小麦胚芽ライセートなどのライセートを含み得る。試料には、無細胞発現系も含まれ得る。環境試料としては、表面物質、土壌、水、結晶、及び工業用試料などの環境物質が挙げられる。しかしながら、これらの例は、本発明に適用可能な試料の種類を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0032】
本明細書で使用するところの「直鎖状に連結された原子」なる用語は、主鎖または骨格を形成しないペンダント、側鎖、またはH原子を除く、鎖またはポリマーの骨格原子を指す。
【0033】
本明細書で使用するところの「機能的要素」なる用語は、本明細書に記載される化合物(例えば、CC-1852、CC-1861、CTx-029485)、これらの誘導体または類似体など)に(例えば、直接または適当なリンカーを介して)結合された、検出可能な、反応性、親和性、または他の形で生物活性の物質または部分を指す。本明細書に記載される実施形態において用途をみいだし得る他の更なる機能的要素には、「局在化要素」、「検出要素」などが含まれる。
【0034】
本明細書で使用するところの「捕捉要素」なる用語は、対応する「捕捉剤」と共有相互作用を形成する分子実体を指す。
【0035】
本明細書で使用するところの「親和性要素」なる用語は、対応する「親和性剤」と安定した非共有相互作用を形成する分子実体を指す。
【0036】
本明細書で使用するところの「固体支持体」なる用語は、基質、変異タンパク質、薬物様分子、及び他の試験成分などの試薬が結合している、または結合させることができる任意の固体または固定材料に関連して使用される。固体支持体の例としては、顕微鏡スライド、マイクロタイタープレートのウェル、カバースリップ、ビーズ、粒子、樹脂、細胞培養フラスコ、及び他の多くの適当な品目が含まれる。ビーズ、粒子、または樹脂は、磁性または常磁性であってよい。
【0037】
本明細書で使用する場合、化学構造において、下記表示:
は、1つの部分の別の部分との結合点を表す。
【0038】
詳細な説明
本明細書では、広域スペクトルプロテインキナーゼ結合剤である化合物、かかる化合物を含む検出可能なトレーサー、及びプロテインキナーゼの検出のためのその使用方法を提供する。
【0039】
いくつかの実施形態では、本明細書に提供されるのは、広範囲のプロテインキナーゼに結合する(例えば、プロテインキナーゼに特異的であるが、プロテインキナーゼ間では特異的ではない)化合物である。いくつかの実施形態では、化合物CC-1852、CC-1861、及び/またはCTx-0294885:
(CC-1861)、
(CC-1852)、
(CTx-0294885)、
が提供される。いくつかの実施形態では、本明細書において、CC-1861、CC-1852、及び/またはCTx-0294885部分を含む化合物または分子実体:
(例、CC-1803、CC-1804)、
(例、CC-1816、CC-1817)、
(例、CC-1290、CC-1294)、
機能的要素(例えば、CC-1861、CC-1852、CTx-0294885のピペラジンの4位の窒素に結合したもの)が提供される。いくつかの実施形態では、本明細書において、CC-1852、CC-1861、CTx-0294885の類似体または誘導体、及び/またはCC-1852、CC-1861、CTx-0294885の類似体または誘導体を含む化合物または分子実体、ならびに機能的要素(例えば、CC-1816、CC-1817、CC-1803、CC-1804、CC-1290、CC-1294などの類似体または誘導体)が提供される。いくつかの実施形態では、CC-1852、CC-1861、CTx-0294885、またはそれらの類似体または誘導体は、機能的要素に直接(単一の共有結合を介して)結合される。いくつかの実施形態では、CC-1852、CC-1861、CTx-0294885、またはそれらの類似体または誘導体(例えば、CC-1816、CC-1817、CC-1803、CC-1804、CC-1290、CC1294など)は、機能的要素に間接的に(リンカーを介して)結合される。
【0040】
いくつかの実施形態では、本明細書の化合物(例えば、CC-1852、CC-1861、CTx-0294885、それらの類似体または誘導体などを含む)は、機能的要素(例えば、検出可能な要素、リンカーなど)への化学的結合に適した反応性基を有する。これらの反応性基は、化合物上に存在する(例えば、CC-1852、CC-1861、CTx-0294885、それらの類似体または誘導体などのピペラジンの4位に)か、または適当なリンカーによって連結され得る(例えば、CC-1852、CC-1861、CTx-029488、それらの類似体または誘導体のピペラジンの4位に結合されたもの(例えば、CC-1816、CC-1817、CC-1803、CC-1804、CC-1290、CC-1294など)など)。いくつかの実施形態では、化合物上の反応性基は、機能的要素上に存在するかまたは導入された反応性パートナーと特異的に(例えば、生体直交化学またはクリックケミストリーを介して)反応するように構成される。例示的なクリック反応は、化合物がアルキンまたはアジドを有し、機能的要素が相補基(例えば、アジドまたはアルキン)を有する銅触媒クリックである。適切な銅触媒の存在下でこれら2つの化学種同士を混合すると、化合物はトリアゾールを介して機能的要素に共有結合される。他の多くの生体直交反応が報告されており(例えば、本明細書に参照によりその全容を援用するPatterson,D.M.,et al.(2014).“Finding the Right (Bioorthogonal)Chemistry.”ACS Chemical Biology 9(3):592-605.)、化合物(例えば、CC-1852、CC-1861、CTx-0294885、それらの類似体または誘導体(例えば、CC-1816、CC-1817、CC-1803、CC-1804、CC-1290、CC1294など)などを含む)及び相補的な反応種を含む機能的要素は、本発明の実施形態である。
【0041】
いくつかの実施形態では、本明細書の化合物(例えば、CC-1852、CC-1861、CTx-0294885、それらの類似体または誘導体(例えば、CC-1816、CC-1817、CC-1803、CC-1804、CC-1290、CC1294)など)など)は、適切なリンカーによって機能的要素(例えば、検出可能な要素、固体表面など)と繋がれる。いくつかの実施形態では、本明細書の化合物(例えば、CC-1852、CC-1861、CTx-0294885、それらの類似体または誘導体(例えば、CC-1816、CC-1817、CC-1803、CC-1804、CC-1290、CC1294など)などを含むもの)を機能的要素(例えば、検出可能な要素、固体表面など)に連結するリンカーが、本明細書の組成物の一部として提供される。
【0042】
いくつかの実施形態では、リンカーは、本明細書の化合物(例えば、CC-1852、CC-1861、CTx-0294885、それらの類似体または誘導体(例えば、CC-1816、CC-1817、CC-1803、CC-1804、CC-1290、CC-1294など)など)と機能的要素(例えば、検出可能な要素、固体表面など)との間に充分な距離を与えることでそれぞれが他方との連結によって阻害されることなく(または最小限の阻害で)機能することができる。例えば、リンカーは、キナーゼ結合剤がキナーゼに結合して、検出可能な部分が検出可能となるような充分な距離を与える(例えば、両者の間の干渉がない、または最小限となる)。いくつかの実施形態では、リンカーは、本明細書中の化合物(例えば、CC-1852、CC-1861、CC-CTx-0294885、それらの類似体または誘導体(例えば、CC-1816、CC-1817、CC-1803、CC-1804、CC-1290、CC1294など)など)と機能的要素(検出可能な要素、固体表面など)とを5オングストローム~1000オングストローム(端点を含む)の長さで離間させる。適切なリンカーは、本明細書の化合物と機能的要素とを5オングストローム、10オングストローム、20オングストローム、50オングストローム、100オングストローム、150オングストローム、200オングストローム、300オングストローム、400オングストローム、500オングストローム、600オングストローム、700オングストローム、800オングストローム、900オングストローム、1000オングストローム、及びその中の任意の適当な範囲(例えば、5~100オングストローム、50~500オングストローム、150~700オングストロームなど)で離間させる。いくつかの実施形態では、リンカーは、本明細書の化合物と機能的要素とを原子1~200個(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、120、140、160、180、200、またはその中の任意の適当な範囲(例えば、2~20、10~50など))で離間させる。
【0043】
いくつかの実施形態では、リンカーは、1つ以上(例えば、1~20個(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、またはそれらの間の任意の範囲)の-(CH2)2O-(オキシエチレン)基(例えば、-(CH2)2O-(CH2)2O-(CH2)2O-(CH2)2O-、-(CH2)2O-(CH2)2O-(CH2)2O-(CH2)2O-CH2)2O-、-(CH2)2O-(CH2)2O-(CH2)2O-(CH2)2O-CH2)2O-(CH2)2O-など)を含む。いくつかの実施形態では、リンカーは、-(CH2)2O-(CH2)2O-(CH2)2O-(CH2)2O-である。
【0044】
いくつかの実施形態では、リンカーは、本明細書の化合物(例えば、CC-1852、CC-1861、CTx-0294885、それらの類似体または誘導体(例えば、CC-1816、CC-1817、CC-1803、CC-1804、CC-1290、CC1294など)など)に、本明細書の化合物(例えば、CC-1852、CC-1861、CTx-0294885、それらの類似体または誘導体(例えば、CC-1816、CC-1817、CC-1803、CC-1804、CC-1290、CC1294など)など)のピペラジンの4位において結合させられる。いくつかの実施形態では、本明細書の化合物(例えば、CC-1852、CC-1861、CTx-0294885、それらの類似体または誘導体(例えば、CC-1816、CC-1817、CC-1803、CC-1804、CC-1290、CC1294など)など)のピペラジンの4位のNが、リンカーの末端とアミド結合を形成する。いくつかの実施形態では、リンカーは、1つ以上(例えば、2個、3個、4個、5個、6個、またはそれ以上またはそれらの間の範囲)のアミドを含む。
【0045】
いくつかの実施形態では、リンカーは、2つ以上の「リンカー部分」(L1、L2など)を含む。いくつかの実施形態では、リンカーは、切断可能な(例えば、酵素的に切断可能、化学的に切断可能などの)部分(Y)と、0個、1個、2個、またはそれ以上の「リンカー部分」(L1、L2、など)とを含む。いくつかの実施形態では、リンカー部分は、アルキル、アルケニル、またはアルキニル鎖、及び主鎖ヘテロ原子(例えば、O、S、N、Pなど)の任意の組み合わせを含む直鎖または分岐鎖である。いくつかの実施形態では、リンカー部分は、-O-、-S-、-CH=CH-、=C=、炭素-炭素三重結合、C=O、NH、SH、OH、CNなどから選択される1つ以上の骨格基を含む。いくつかの実施形態では、リンカー部分は、任意の適切な有機官能基(例えば、OH、NH2、CN、=O、SH、ハロゲン(例えば、Cl、Br、F、I)、COOH、CH3など)を含む1つ以上の置換基、ペンダント、側鎖などを含む。
【0046】
特定の実施形態では、リンカー部分は、アルキルカルバメート基(例えば、(CH2)nOCONH、(CH2)nNHCOOなど)を含む。いくつかの実施形態では、アルキルカルバメートは、COO末端が本明細書の化合物(例えば、CC-1852、CC-1861、CTx-0294885、それらの類似体または誘導体(例えば、CC-1816、CC-1817、CC-1803、CC-1804、CC-1290、CC1294など)など)に向けられ、NH末端が機能的要素に向けられるような向きを有する。いくつかの実施形態では、アルキルカルバメートは、NH末端が化合物に向けられ、COO末端が機能的要素に向けられるような向きを有する。いくつかの実施形態では、リンカーまたはリンカー部分は、単一のアルキルカルバメート基を含む。いくつかの実施形態では、リンカーまたはリンカー部分は、2個以上のアルキルカルバメート基(例えば、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個など)を含む。
【0047】
いくつかの実施形態では、リンカー部分は、1つより多い直鎖状に連結されたC、S、N、及び/またはO原子を含む。いくつかの実施形態では、リンカー部分は、1つ以上のアルキルカルバメート基を含む。いくつかの実施形態では、リンカー部分は、1つ以上のアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシルなど)を含む。いくつかの実施形態では、リンカー部分は、1~200個の直鎖状に連結された原子(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、120、140、160、180、200個、またはその中の任意の適切な範囲(例えば、2~20個、10~50個、6~18個))を含む。いくつかの実施形態では、リンカー部分は、1~200個の長さの直鎖状に連結された原子(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、120、140、160、180、200個、またはその中の任意の適切な範囲(例えば、2~20個、10~50個、6~18個))である。
【0048】
いくつかの実施形態では、本明細書の化合物(例えば、CC-1852、CC-1861、CTx-0294885、それらの類似体または誘導体(例えば、CC-1816、CC-1817、CC-1803、CC-1804、CC-1290、CC1294など)など)は、機能的要素(例えば、検出可能な要素、捕捉要素、固体表面など)に(例えば、直接またはリンカーを介して)結合される。
【0049】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組成物(例えば、CC-1852、CC-1861、CTx-0294885、それらの類似体または誘導体(例えば、CC-1816、CC-1817、CC-1803、CC-1804、CC-1290、CC1294など)などを含む)は、生体適合性(例えば、細胞適合性)及び/または細胞透過性である。したがって、いくつかの実施形態では、適切な機能的要素(例えば、検出可能な捕捉要素)は、そのような組成物との関連で細胞適合性及び/または細胞透過性であるものである。いくつかの実施形態では、添加要素を含む組成物は、細胞外に添加される場合、細胞膜を通過して細胞に入ることができる(例えば、拡散、エンドサイトーシス、能動輸送、受動輸送などにより)。いくつかの実施形態では、適切な機能的要素及びリンカーは、それらの特定の機能以外に、細胞適合性及び/または細胞透過性に基づいて選択される。
【0050】
ある特定の実施形態では、機能的要素は、本明細書の化合物(例えば、CC-1852、CC-1861、CTx-0294885、それらの類似体または誘導体(例えば、CC-1816、CC-1817、CC-1803、CC-1804、CC-1290、CC1294など)などを含む)または化合物に結合した分析物(例えば、キナーゼ)の検出を可能とする検出可能な特性を有する。検出可能な機能的要素としては、放射または吸収、磁気、電子スピン共鳴、静電容量、誘電定数、または導電性などの特徴的な電磁スペクトル特性を有するもの、ならびに強磁性、常磁性、反磁性、発光、電気化学発光、蛍光、リン光、有色、抗原性であるもの、または固有の質量を有するものが挙げられる。機能的要素としては、限定されるものではないが、核酸分子(例えば、DNAまたはRNA(例えば、オリゴヌクレオチドまたはヌクレオチド))、タンパク質(例えば、発光タンパク質、ペプチド、造影剤(例えば、MRI造影剤)、放射性核種、親和性タグ(例えば、ビオチンまたはストレプトアビジン)、ハプテン、アミノ酸、脂質、脂質二重層、固体支持体、フルオロフォア、発色団、レポーター分子、放射性核種、電子不透過性分子、MRI造影剤(例えば、マンガン、ガドリニウム(III)、または酸化鉄粒子)、またはそれらの配位子などが挙げられる。特定の機能的要素を検出する方法、または特定の機能的要素とそれに結合したものを含む組成物を単離する方法が理解されている。
【0051】
いくつかの実施形態では、官能基は、固体支持体であるか、または固体支持体を含む。適切な固体支持体としては、磁性粒子、セファロース、またはセルロースビーズなどの沈降粒子;膜;ガラス、例えば、スライドグラス;セルロース、アルギン酸塩、プラスチック、または他の合成的により調製されたポリマー(例えば、エッペンドルフチューブまたはマルチウェルプレートのウェル);自己組織化単分子層;表面プラズモン共鳴チップ;または電子伝導面を備えた固体支持体などが挙げられる。
【0052】
例示的な検出可能な機能的要素としては、ハプテン(例えば、キーホールリンペットヘモシアニンなどの免疫原性を増強するのに有用な分子)、切断可能な標識(例えば、光切断可能なビオチン)及び蛍光標識(例えば、N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)修飾クマリン及びスクシンイミドまたはスルホノスクシンイミド修飾BODIPY(UV及び/または可視励起蛍光検出で検出可能)、ローダミン(R110、ロドール、CRG6、テキサスメチルレッド(TAMRA)、Rox5、FAM、またはフルオレセイン)、クマリン誘導体(例えば、7アミノクマリン、7-ヒドロキシクマリン、2-アミノ-4-メトキシナフタレン、1-ヒドロキシピレン、レゾルフィン、フェナレノンまたはベンズフェナレノン(米国特許第4,812,409号))、アクリジノン(米国特許第4,810,636号)、アントラセン、ならびにα及びβ-ナフトールの誘導体、フッ素化フルオレセイン及びロドールを含むフッ素化キサンテン誘導体(例えば、米国特許第6,162,931号)、及び生物発光分子(例えば、ルシフェラーゼ(例えば、オプロフォラス誘導体ルシフェラーゼ(例えば、米国特許出願第12/773,002号、米国特許出願第13/287,986号、本明細書に参照によりその全容を援用する)またはGFPもしくはGFP誘導体)が挙げられる。蛍光(または生物発光)機能的要素を使用することでリン酸化などの系の変化をリアルタイムで感知することができる。金属イオンの化学センサーなどの蛍光分子を用いて組成物と結合するタンパク質を標識することができる。BODIPY、ローダミングリーン、GFP、または赤外線色素などの生物発光または蛍光官能基は、機能的要素としての用途があり、例えば、(BRET、FRET、LRET、または電気泳動を用いた)相互作用研究に用いることができる。
【0053】
別の部類の機能的要素としては、電磁放射線を使用して検出可能な分子が含まれ、限定されるものではないが、キサンテンフルオロフォア、ダンシルフルオロフォア、クマリン及びクマリン誘導体、蛍光アクリジニウム部分、ベンゾピレン系フルオロフォア、ならびに7-ニトロベンズ-2-オキサ-1,3-ジアゾール、及び3-N-(7-ニトロベンズ-2-オキサ-1,3-ジアゾール-4-イル)-2,3-ジアミノ-プロピオン酸が挙げられる。好ましくは、蛍光分子は、天然アミノ酸とは異なる波長で高い量子収率の蛍光を有し、より好ましくは、スペクトルの可視部分、またはUV及び可視部分の両方で励起され得る高い量子収率の蛍光を有する。事前に選択された波長で励起すると、分子は視覚的に、または従来の蛍光検出方法を使用して、低濃度で検出可能となる。ルテニウムキレート及びその誘導体、またはニトロキシドアミノ酸及びその誘導体などの電気化学発光分子は、フェムトモル範囲及びそれ以下で検出可能である。
【0054】
いくつかの実施形態では、機能的要素はフルオロフォアである。本明細書の化合物に連結するための(例えば、蛍光トレーサーを形成するための)適当なフルオロフォアとしては、限定されるものではないが、キサンテン誘導体(例えば、フルオレセイン、ローダミン、オレゴングリーン、エオシン、テキサスレッドなど)、シアニン誘導体(例えば、シアニン、インドカルボシアニン、オキサカルボシアニン、チアカルボシアニン、メロシアニンなど)、ナフタレン誘導体(例えば、ダンシル及びプロダン誘導体)、オキサジアゾール誘導体(例えば、ピリジルオキサゾール、ニトロベンゾオキサジアゾール、ベンゾオキサジアゾールなど)、ピレン誘導体(例えば、カスケードブルー)、オキサジン誘導体(例、ナイルレッド、ナイルブルー、クレシルバイオレット、オキサジン170など)、アクリジン誘導体(例えば、プロフラビン、アクリジンオレンジ、アクリジンイエローなど)、アリールメチン誘導体(例えば、オーラミン、クリスタルバイオレット、マラカイトグリーン)など)、テトラピロール誘導体(例えば、ポルフィン、フタロシアニン、ビリルビンなど)、CF色素(Biotium)、BODIPY(Invitrogen)、ALEXA FLuoR(Invitrogen)、DYLIGHT FLUOR(Thermo Scientific、Pierce)、ATTO及びTRACY(Sigma Aldrich)、FluoProbes(Interchim)、DY及びMEGASTOKES(Dyomics)、SULFO CY色素(CYANDYE、LLC)、SETAU AND SQUARE DYES(SETA BioMedicals)、QUASAR及びCAL FLUOR色素(Biosearch Technologies)、SURELIGHT DYES(APC、RPE、PerCP、Phycobilisomes)(Columbia Biosciences)、APC、APCXL、RPE、BPE(Phyco-Biotech)、自己蛍光タンパク質(例えば、YFP、RFP、mCherry、mKate)、量子ドットナノ結晶などが挙げられる。いくつかの実施形態では、フルオロフォアは、本明細書に参照によりその全容を援用する米国特許出願第13/682,589号に記載されるものなどのローダミン類似体(例えば、カルボキシローダミン類似体)である。
【0055】
蛍光分子以外に、電磁場及び放射線に対する分子の相互作用及び応答に基づく物理的特性を有する様々な分子が、本明細書に記載される組成物及び方法に用いられる。これらの特性には、電磁スペクトルのUV、可視、及び赤外領域での吸収、ラマン活性を有し、共鳴ラマン分光法、電子スピン共鳴活性、及び核磁気共鳴によって更に増強できる発色団の存在、ならびに例えば質量分析計による分子質量が挙げられる。
【0056】
いくつかの実施形態では、機能的要素は捕捉要素である。いくつかの実施形態では、捕捉要素はタンパク質(例えば、酵素)の基質であり、捕捉剤はそのタンパク質である。いくつかの実施形態では、捕捉要素は「共有結合性基質」、すなわち、捕捉要素が反応するタンパク質または酵素と共有結合を形成するものである。基質は、酵素と相互作用する際に酵素と共有結合を形成する反応性基(例えば、修飾基質)を含んでもよく、または酵素は、共有結合した中間体を基質と再結合させることができない変異体とすることができる。いくつかの実施形態では、基質は、基質と共有結合を形成する変異体タンパク質(例えば、変異体デハロゲナーゼ)によって認識される。かかる実施形態では、基質とタンパク質(例えば、デハロゲナーゼ)の野生型との相互作用によって生成物が生じ、野生型タンパク質が再生されるのに対して、基質(例えば、ハロアルカン)とタンパク質(例えば、デハロゲナーゼ)の変異体との相互作用によってタンパク質と基質との間に安定した結合が形成される(例えば、共有結合が形成される)。基質は、通常はそのタンパク質によって一時的にのみ結合されるその基質と超安定結合または共有結合を形成するように改変された任意の変異タンパク質に適した任意の基質とすることができる。いくつかの実施形態では、タンパク質は、変異体加水分解酵素またはデハロゲナーゼである。いくつかの実施形態では、タンパク質は変異体デハロゲナーゼであり、基質はハロアルカンである。いくつかの実施形態では、ハロアルカンは、末端ハロゲン(例えば、Cl、Br、F、Iなど)でキャップされたアルカン(例えば、C2~C20)を含む。いくつかの実施形態では、ハロアルカンは、式A-Xのものであり、式中、Xは、ハロゲン(例えば、Cl、Br、F、Iなど)であり、Aは、2~20個の炭素を含むアルカンである。ある特定の実施形態において、Aは、2~12個の炭素からなる直鎖セグメントを含む。ある特定の実施形態では、Aは、2~12個の炭素からなる直鎖セグメントである。いくつかの実施形態では、ハロアルカンは、変異デハロゲナーゼとの相互作用を妨げない任意のさらなるペンダントまたは置換を含むことができる。
【0057】
いくつかの実施形態では、捕捉剤はSNAPタグであり、捕捉要素はベンジルグアニンである(例えば、本明細書に参照によりその全容を援用するCrivat G,Taraska JW(January 2012).Trends in Biotechnology 30(1):8-16.を参照)。いくつかの実施形態では、捕捉剤は、CLIPタグであり、捕捉要素は、ベンジルシトシンである(例えば、本明細書に参照によりその全容を援用するGautier,et al.Chem Biol.2008 Feb;15(2):128-36.を参照)。
【0058】
基質(例えば、ハロアルカン基質)と共有結合する変異体タンパク質(例えば、変異体加水分解酵素(例えば、変異体デハロゲナーゼ)を含む系は、それぞれ本明細書に参照によってその全容を援用するところの、例えば、米国特許第7,238,842号、米国特許第7,425,436号、米国特許第7,429,472号、米国特許第7,867,726号に記載されている。
【0059】
いくつかの実施形態では、機能的要素は、親和性要素(例えば、親和性薬剤に結合するもの)である。そのようなペアの例としては、親和性剤としての抗体と親和性要素としての抗原、親和性要素としてのHisタグと親和性剤としてのニッケルカラム、親和性剤及び親和性要素としてそれぞれ高親和性を有するタンパク質と小分子(例えば、ストレプトアビジンとビオチン)などが挙げられる。親和性分子の例としては、免疫原性分子(例えば、タンパク質、ペプチド、炭水化物、または脂質のエピトープ(例えば、その分子に特異的な抗体を調製するのに有用な任意の分子));ビオチン、アビジン、ストレプトアビジン、及びそれらの誘導体;金属結合分子;ならびにこれらの分子の断片及び組み合わせなどの分子が挙げられる。例示的な親和性分子としては、His5(HHHHH)(配列番号1)、HisX6(HHHHHH)(配列番号2)、C-myc(EQKLISEEDL)(配列番号3)、Flag(DYKDDDDK)(配列番号4)、SteptTag(WSHPQFEK)(配列番号5)、HAタグ(YPYDVPDYA)(配列番号7)、チオレドキシン、セルロース結合ドメイン、キチン結合ドメイン、S-ペプチド、T7ペプチド、カルモジュリン結合ペプチド、C末端RNAタグ、金属結合ドメイン、金属結合反応性基、アミノ酸反応性基、インテイン、ビオチン、ストレプトアビジン、及びマルトース結合タンパク質が挙げられる。親和性分子の別の例は、ダンシルリシンである。ダンシル環と相互作用する抗体は市販されているか(Sigma Chemical、St.Louis,Mo.)、またはAntibodies:A Laboratory Manual(Harlow and Lane,1988)に記載されるような既知のプロトコールを用いて調製することができる。
【0060】
いくつかの実施形態では、本明細書において、本明細書の化合物(例えば、CC-1852、CC-1861、CTx-0294885、それらの類似体または誘導体(例えば、CC-1816、CC-1817、CC-1803、CC-1804、CC-1290、CC1294など)などを含む)を、単独で、または機能的要素に(例えば、適当なリンカーを介して直接)結合された状態で使用して、系(例えば、細胞、細胞ライセート、試料、生化学的溶液または混合物、組織、生物など)内のキナーゼを検出、単離、分析、特徴付けなどを行う方法が提供される。
【0061】
いくつかの実施形態では、本明細書において、試料中の1つ以上のキナーゼを検出する方法であって、試料を本明細書の化合物(例えば、CCー1852、CCー1861、CTxー0294885、それらの類似体または誘導体(例えば、CC-1816、CC-1817、CC-1803、CC-1804、CC-1290、CC1294など)などを含む)と接触させることを含む方法が提供される。いくつかの実施形態では、本明細書において、試料から1つ以上のキナーゼを単離するための方法が提供される。
【0062】
いくつかの実施形態では、試料を本明細書の化合物(例えば、CC-1852、CC-1861、CTx-0294885、それらの類似体または誘導体(例えば、CC-1816、CC-1817、CC-1803、CC-1804、CC-1290、CC1294など)などを含む)と接触させることによって試料中のキナーゼの存在、量、及び/または集団を(例えば、どのキナーゼが及び/またはどの量で存在するか)分析することによって試料を特徴付けるための方法が提供される。
【0063】
いくつかの実施形態では、本明細書において、疾患または病態を診断する方法であって、試料を本明細書の化合物(例えば、CC-1852、CC-1861、CTx-0294885、その類似体または誘導体(例えば、CC-1816、CC-1817、CC-1803、CC-1804、CC-1290、CC1294など)などを含む)と接触させることによって、対象からの試料中の1つ以上のキナーゼの存在または量を検出することを含み、試料中の1つ以上のキナーゼの存在または量が、疾患、状態、またはその素因を示すものである、方法が提供される。
【0064】
いくつかの実施形態では、本明細書では、治療処置に対する対象の応答を監視する方法であって、(a)治療処置の投与前に試料を本明細書の化合物(例えば、CC-1852、CC-1861、CTx-0294885、それらの類似体または誘導体(例えば、CC-1816、CC-1817、CC-1803、CC-1804、CC-1290、CC1294など)などを含む)と接触させることによって、対象からの試料中の1つ以上のキナーゼの存在または量を検出することと、(b)治療処置の投与後に試料を本明細書の化合物(例えば、CC-1852、CC-1861、CTx-0294885、類似体または治療的治療の投与後のその誘導体(例えば、CC-1816、CC-1817、CC-1803、CC-1804、CC-1290、CC1294など)などを含む)と接触させることによって、対象からの試料中の1つ以上のキナーゼの存在または量を検出することと、を含み、1つ以上のキナーゼの存在または量の変化が、治療処置に対する対象の応答を示す、方法が提供される。
【0065】
いくつかの実施形態では、本明細書の化合物が結合するキナーゼは、電気泳動、ゲル濾過、高圧または高速圧力液体クロマトグラフィー、質量分析、アフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、化学抽出、磁気ビーズ分離、沈殿、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)、またはそれらの任意の組み合わせを含む任意の手段によって化合物及び/またはそれに結合する機能的要素の固有の特性を利用することにより検出、定量化、及び/または単離される。単離されたキナーゼ(複数可)は、構造的及び機能的研究、診断用途、生物学的または医薬試薬の調製、薬剤開発用のツールとして、及びタンパク質相互作用の研究、タンパク質複合体の単離及び特性評価などに使用することができる。
【0066】
いくつかの実施形態では、試料中の本明細書の化合物(例えば、CC-1852、CC-1861、CTx-0294885、それらの類似体または誘導体(例えば、CC-1816、CC-1817、CC-1803、CC-1804、CC-1290、CC1294など)などを含む)及び/またはそれに結合した分析物(例えば、キナーゼ)を検出及び/または定量化するための方法が提供される。いくつかの実施形態では、本明細書の化合物(例えば、CC-1852、CC-1861、CTx-0294885、それらの類似体または誘導体(例えば、CC-1816、CC-1817、CC-1803、CC-1804、CC-1290、CC1294など)など)及び/またはそれに結合した分析物(例えば、キナーゼ)の検出及び/または定量化を行うための方法は、化合物に結合した機能的要素(例えば、捕捉要素、親和性要素、検出可能な要素(例えば、フルオロフォア、ルシフェラーゼ、キレート化放射性核種、キレート化造影剤など)が何であるか、及び/または化合物の特定の改変(例えば、質量タグ(例えば、重同位体(例えば、13C、15N、2Hなど)によって決まる。例えば、本明細書の化合物(例えば、CC-1852、CC-1861、CTx-0294885、それらの類似体または誘導体(例えば、CC-1816、CC-1817、CC-1803、CC-1804、CC-1290、CC1294など)などを含む)がフルオロフォアまたは他の発光機能的要素に連結されている場合、それに結合した化合物及び/または分析物(例えば、キナーゼ)は、放射される光(例えば、蛍光)の量またはその変化を検出、定量化、または監視するために提供されるシステム、機器、及び/または装置を使用して試料中で検出/定量化することができる。いくつかの実施形態では、検出、定量化、及び/または監視は、分光光度計、蛍光光度計、ルミノメーター、光電子増倍管、フォトダイオード、ネフロメーター、光子カウンター、電極、電流計、電圧計、容量性センサー、フローサイトメーター、CCDなどの1つ以上を含む機器、システムまたは装置によって行われる。
【0067】
蛍光機能的要素以外に、電磁場及び放射線に対する機能的要素の相互作用及び応答に基づく物理的特性を有する様々な機能的要素を使用して本明細書の化合物(例えば、CC-1852、CC-1861、CTx-0294885、その類似体または誘導体(例えば、CC-1816、CC-1817、CC-1803、CC-1804、CC-1290、CC1294など)などを含む)及び/または結合したキナーゼを検出することができる。これらの特性には、電磁スペクトルのUV、可視、及び赤外領域での吸収、ラマン活性を有し、共鳴ラマン分光法、電子スピン共鳴活性、及び核磁気共鳴によって更に増強できる発色団の存在、ならびに例えば質量分析計による分子質量が挙げられる。
【0068】
いくつかの実施形態では、(a)プロテインキナーゼ(例えば、表1A~Oまたはそのバリアント)と生物発光タンパク質との融合体、及び(b)フルオロフォアに連結された本明細書の広域スペクトルキナーゼ結合部分を含むシステムが提供され、生物発光タンパク質の発光スペクトルがフルオロフォアの励起スペクトルと重なることにより、広域スペクトルキナーゼ結合部分がプロテインキナーゼと結合する際、生物発光タンパク質とフルオロフォアとの間でBRETが検出可能である。同様のBRETシステム(例えば、NANOLUC(登録商標)ルシフェラーゼを用いたもの)が、例えば、国際特許出願第PCT/US13/74765号(本明細書に参照によりその全容を援用する)に記載されており、その実施形態は本明細書のシステム及び方法で用いられる。
【0069】
いくつかの態様において、本明細書の化合物は、以下の一般的なファミリーまたはサブグループのものであるタンパク質キナーゼを含む、広範囲のキナーゼと結合する:AGC(例えば、PKA、PKG及びPKCサブファミリーを含む)、CAMK(例えば、カルシウム/カルモジュリン依存性プロテインキナーゼ)、CK1(例えば、カゼインキナーゼ1)、CMGC(例えば、CDK、MAPK、GSK3及びCLKサブファミリーを含む)、NEK、RGC(例えば、受容体グアニル酸シクラーゼ)、STE、TKL(例えば、チロシンプロテインキナーゼ様)、及びTyr(例、チロシンプロテインキナーゼ)。いくつかの実施形態では、本明細書の化合物は、ADCK、アルファ型、FAST、PDK/BCKDK、PI3/PI4キナーゼ、RIO型などの非典型キナーゼファミリーの1つ以上のキナーゼに結合する。いくつかの実施形態では、本明細書の化合物は、任意の適切な生物のキナーゼに結合する。いくつかの実施形態では、本明細書の化合物は、表1A~Oに記載されるものなどのヒト及び/またはマウスキナーゼ、及び/または他の生物からのホモログ及び類似体に結合する。
【0070】
=================================
表1A AGC Ser / Thrプロテインキナーゼファミリー
=================================
AKT1 AKT1_HUMAN (P31749 ) AKT1_MOUSE (P31750)
AKT2 AKT2_HUMAN (P31751 ) AKT2_MOUSE (Q60823)
AKT3 AKT3_HUMAN (Q9Y243 ) AKT3_MOUSE (Q9WUA6)
CDC42BPA MRCKA_HUMAN(Q5VT25)MRCKA_MOUSE(Q3UU96)
CDC42BPB MRCKB_HUMAN(Q9Y5S2)MRCKB_MOUSE(Q7TT50)
CDC42BPG MRCKG_HUMAN(Q6DT37)MRCKG_MOUSE(Q80UW5)
CIT CTRO_HUMAN(O14578)CTRO_MOUSE(P49025)
DMPK DMPK_HUMAN(Q09013)DMPK_MOUSE(P54265)
GRK1 RK_HUMAN(Q15835)RK_MOUSE(Q9WVL4)
GRK2 ARBK1_HUMAN (P25098 ) ARBK1_MOUSE (Q99MK8)
GRK3 ARBK2_HUMAN (P35626 ) ARBK2_MOUSE (Q3UYH7)
GRK4 GRK4_HUMAN (P32298 ) GRK4_MOUSE (O70291)
GRK5 GRK5_HUMAN (P34947 ) GRK5_MOUSE (Q8VEB1)
GRK6 GRK6_HUMAN (P43250 ) GRK6_MOUSE (O70293)
GRK7 GRK7_HUMAN (Q8WTQ7 )
LATS1 LATS1_HUMAN (O95835 ) LATS1_MOUSE (Q8BYR2)
LATS2 LATS2_HUMAN (Q9NRM7 ) LATS2_MOUSE (Q7TSJ6)
MAST1 MAST1_HUMAN (Q9Y2H9 ) MAST1_MOUSE (Q9R1L5)
MAST2 MAST2_HUMAN (Q6P0Q8 ) MAST2_MOUSE (Q60592)
MAST3 MAST3_HUMAN (O60307 ) MAST3_MOUSE (Q3U214)
MAST4 MAST4_HUMAN (O15021 ) MAST4_MOUSE (Q811L6)
MASTL GWL_HUMAN(Q96GX5)GWL_MOUSE(Q8C0P0)
PDPK1 PDPK1_HUMAN (O15530 ) PDPK1_MOUSE (Q9Z2A0)
PDPK2P PDPK2_HUMAN (Q6A1A2 )
PKN1 PKN1_HUMAN (Q16512 ) PKN1_MOUSE (P70268)
PKN2 PKN2_HUMAN (Q16513 ) PKN2_MOUSE (Q8BWW9)
PKN3 PKN3_HUMAN (Q6P5Z2 ) PKN3_MOUSE (Q8K045)
PRKACA KAPCA_HUMAN(P17612)KAPCA_MOUSE(P05132)
PRKACB KAPCB_HUMAN(P22694)KAPCB_MOUSE(P68181)
PRKACG KAPCG_HUMAN(P22612)
PRKCA KPCA_HUMAN(P17252)KPCA_MOUSE(P20444)
PRKCB KPCB_HUMAN(P05771)KPCB_MOUSE(P68404)
PRKCD KPCD_HUMAN(Q05655)KPCD_MOUSE(P28867)
PRKCE KPCE_HUMAN(Q02156)KPCE_MOUSE(P16054)
PRKCG KPCG_HUMAN(P05129)KPCG_MOUSE(P63318)
PRKCH KPCL_HUMAN(P24723)KPCL_MOUSE(P23298)
PRKCI KPCI_HUMAN(P41743)KPCI_MOUSE(Q62074)
PRKCQ KPCT_HUMAN(Q04759)KPCT_MOUSE(Q02111)
PRKCZ KPCZ_HUMAN(Q05513)KPCZ_MOUSE(Q02956)
PRKG1 KGP1_HUMAN (Q13976 ) KGP1_MOUSE (P0C605)
PRKG2 KGP2_HUMAN (Q13237 ) KGP2_MOUSE (Q61410)
PRKX PRKX_HUMAN(P51817)PRKX_MOUSE(Q922R0)
PRKY PRKY_HUMAN(O43930)
ROCK1 ROCK1_HUMAN (Q13464 ) ROCK1_MOUSE (P70335)
ROCK2 ROCK2_HUMAN (O75116 ) ROCK2_MOUSE (P70336)
RPS6KA1 KS6A1_HUMAN (Q15418 ) KS6A1_MOUSE (P18653)
RPS6KA2 KS6A2_HUMAN (Q15349 ) KS6A2_MOUSE (Q9WUT3)
RPS6KA3 KS6A3_HUMAN (P51812 ) KS6A3_MOUSE (P18654)
RPS6KA4 KS6A4_HUMAN (O75676 ) KS6A4_MOUSE (Q9Z2B9)
RPS6KA5 KS6A5_HUMAN (O75582 ) KS6A5_MOUSE (Q8C050)
RPS6KA6 KS6A6_HUMAN (Q9UK32 ) KS6A6_MOUSE (Q7TPS0)
RPS6KB1 KS6B1_HUMAN (P23443 ) KS6B1_MOUSE (Q8BSK8)
RPS6KB2 KS6B2_HUMAN (Q9UBS0 ) KS6B2_MOUSE (Q9Z1M4)
SGK1 SGK1_HUMAN (O00141 ) SGK1_MOUSE (Q9WVC6)
SGK2 SGK2_HUMAN (Q9HBY8 ) SGK2_MOUSE (Q9QZS5)
SGK3 SGK3_HUMAN (Q96BR1 ) SGK3_MOUSE (Q9ERE3)
STK38 STK38_HUMAN (Q15208 ) STK38_MOUSE (Q91VJ4)
STK38L ST38L_HUMAN (Q9Y2H1 ) ST38L_MOUSE (Q7TSE6)
==================================
表1B CAMK Ser / Thrプロテインキナーゼファミリー
==================================
SMKX_MOUSE(Q8C0X8)
BRSK1 BRSK1_HUMAN (Q8TDC3 ) BRSK1_MOUSE (Q5RJI5)
BRSK2 BRSK2_HUMAN (Q8IWQ3 ) BRSK2_MOUSE (Q69Z98)
CAMK1 KCC1A_HUMAN (Q14012 ) KCC1A_MOUSE (Q91YS8)
CAMK1D KCC1D_HUMAN (Q8IU85 ) KCC1D_MOUSE (Q8BW96)
CAMK1G KCC1G_HUMAN (Q96NX5 ) KCC1G_MOUSE (Q91VB2)
CAMK2A KCC2A_HUMAN (Q9UQM7 ) KCC2A_MOUSE (P11798)
CAMK2B KCC2B_HUMAN (Q13554 ) KCC2B_MOUSE (P28652)
CAMK2D KCC2D_HUMAN (Q13557 ) KCC2D_MOUSE (Q6PHZ2)
CAMK2G KCC2G_HUMAN (Q13555 ) KCC2G_MOUSE (Q923T9)
CAMK4 KCC4_HUMAN (Q16566 ) KCC4_MOUSE (P08414)
CAMKV CAMKV_HUMAN(Q8NCB2)CAMKV_MOUSE(Q3UHL1)
CASK CSKP_HUMAN(O14936)CSKP_MOUSE(O70589)
CHEK1 CHK1_HUMAN (O14757 ) CHK1_MOUSE (O35280)
CHEK2 CHK2_HUMAN (O96017 ) CHK2_MOUSE (Q9Z265)
DAPK1 DAPK1_HUMAN (P53355 ) DAPK1_MOUSE (Q80YE7)
DAPK2 DAPK2_HUMAN (Q9UIK4 ) DAPK2_MOUSE (Q8VDF3)
DAPK3 DAPK3_HUMAN (O43293 ) DAPK3_MOUSE (O54784)
DCLK1 DCLK1_HUMAN (O15075 ) DCLK1_MOUSE (Q9JLM8)
DCLK2 DCLK2_HUMAN (Q8N568 ) DCLK2_MOUSE (Q6PGN3)
DCLK3 DCLK3_HUMAN (Q9C098 ) DCLK3_MOUSE (Q8BWQ5)
Gm4922 SMKZ_MOUSE(Q8C0N0)
Gm7168 SMKY_MOUSE(A0AUV4)
HUNK HUNK_HUMAN(P57058)HUNK_MOUSE(O88866)
KALRN KALRN_HUMAN(O60229)KALRN_MOUSE(A2CG49)
MAPKAPK2 MAPK2_HUMAN (P49137 ) MAPK2_MOUSE (P49138)
MAPKAPK3 MAPK3_HUMAN (Q16644 ) MAPK3_MOUSE (Q3UMW7)
MAPKAPK5 MAPK5_HUMAN (Q8IW41 ) MAPK5_MOUSE (O54992)
MARK1 MARK1_HUMAN (Q9P0L2 ) MARK1_MOUSE (Q8VHJ5)
MARK2 MARK2_HUMAN (Q7KZI7 ) MARK2_MOUSE (Q05512)
MARK3 MARK3_HUMAN (P27448 ) MARK3_MOUSE (Q03141)
MARK4 MARK4_HUMAN (Q96L34 ) MARK4_MOUSE (Q8CIP4)
MELK MELK_HUMAN(Q14680)MELK_MOUSE(Q61846)
MKNK1 MKNK1_HUMAN (Q9BUB5 ) MKNK1_MOUSE (O08605)
MKNK2 MKNK2_HUMAN (Q9HBH9 ) MKNK2_MOUSE (Q8CDB0)
MYLK MYLK_HUMAN(Q15746)MYLK_MOUSE(Q6PDN3)
MYLK2 MYLK2_HUMAN (Q9H1R3 ) MYLK2_MOUSE (Q8VCR8)
MYLK3 MYLK3_HUMAN (Q32MK0 ) MYLK3_MOUSE (Q3UIZ8)
MYLK4 MYLK4_HUMAN (Q86YV6 ) MYLK4_MOUSE (Q5SUV5)
NIM1K NIM1_HUMAN (Q8IY84 ) NIM1_MOUSE (Q8BHI9)
NUAK1 NUAK1_HUMAN (O60285 ) NUAK1_MOUSE (Q641K5)
NUAK2 NUAK2_HUMAN (Q9H093 ) NUAK2_MOUSE (Q8BZN4)
OBSCN OBSCN_HUMAN(Q5VST9)OBSCN_MOUSE(A2AAJ9)
PASK PASK_HUMAN(Q96RG2)PASK_MOUSE(Q8CEE6)
PHKG1 PHKG1_HUMAN (Q16816 ) PHKG1_MOUSE (P07934)
PHKG2 PHKG2_HUMAN (P15735 ) PHKG2_MOUSE (Q9DB30)
PIM1 PIM1_HUMAN (P11309 ) PIM1_MOUSE (P06803)
PIM2 PIM2_HUMAN (Q9P1W9 ) PIM2_MOUSE (Q62070)
PIM3 PIM3_HUMAN (Q86V86 ) PIM3_MOUSE (P58750)
PNCK KCC1B_HUMAN(Q6P2M8)KCC1B_MOUSE(Q9QYK9)
PRKAA1 AAPK1_HUMAN (Q13131 ) AAPK1_MOUSE (Q5EG47)
PRKAA2 AAPK2_HUMAN (P54646 ) AAPK2_MOUSE (Q8BRK8)
PRKD1 KPCD1_HUMAN (Q15139 ) KPCD1_MOUSE (Q62101)
PRKD2 KPCD2_HUMAN (Q9BZL6 ) KPCD2_MOUSE (Q8BZ03)
PRKD3 KPCD3_HUMAN (O94806 ) KPCD3_MOUSE (Q8K1Y2)
PSKH1 KPSH1_HUMAN (P11801 ) KPSH1_MOUSE (Q91YA2)
PSKH2 KPSH2_HUMAN (Q96QS6 )
SIK1 SIK1_HUMAN (P57059 ) SIK1_MOUSE (Q60670)
SIK2 SIK2_HUMAN (Q9H0K1 ) SIK2_MOUSE (Q8CFH6)
SIK3 SIK3_HUMAN (Q9Y2K2 ) SIK3_MOUSE (Q6P4S6)
SNRK SNRK_HUMAN(Q9NRH2)SNRK_MOUSE(Q8VDU5)
SPEG SPEG_HUMAN(Q15772)SPEG_MOUSE(Q62407)
STK11 STK11_HUMAN (Q15831 ) STK11_MOUSE (Q9WTK7)
STK17A ST17A_HUMAN (Q9UEE5 )
STK17B ST17B_HUMAN (O94768 ) ST17B_MOUSE (Q8BG48)
STK33 STK33_HUMAN (Q9BYT3 ) STK33_MOUSE (Q924X7)
STK40 STK40_HUMAN (Q8N2I9 ) STK40_MOUSE (Q7TNL3)
Smok2a SMK2A_MOUSE (Q9QYZ6)
Smok2b SMK2B_MOUSE (Q9QYZ3)
Smok3a SMK3A_MOUSE (C0HKC8)
Smok3b SMK3B_MOUSE (C0HKC9)
Stk-ps2 SMKW_MOUSE(Q8C0V7)
TRIB1 TRIB1_HUMAN (Q96RU8 ) TRIB1_MOUSE (Q8K4K4)
TRIB2 TRIB2_HUMAN (Q92519 ) TRIB2_MOUSE (Q8K4K3)
TRIB3 TRIB3_HUMAN (Q96RU7 ) TRIB3_MOUSE (Q8K4K2)
TRIO TRIO_HUMAN(O75962)TRIO_MOUSE(Q0KL02)
TSSK1B TSSK1_HUMAN (Q9BXA7 ) TSSK1_MOUSE (Q61241)
TSSK2 TSSK2_HUMAN (Q96PF2 ) TSSK2_MOUSE (O54863)
TSSK3 TSSK3_HUMAN (Q96PN8 ) TSSK3_MOUSE (Q9D2E1)
TSSK4 TSSK4_HUMAN (Q6SA08 ) TSSK4_MOUSE (Q9D411)
TSSK6 TSSK6_HUMAN (Q9BXA6 ) TSSK6_MOUSE (Q925K9)
TTN TITIN_HUMAN(Q8WZ42)TITIN_MOUSE(A2ASS6)
Tssk5 TSSK5_MOUSE (Q8C1R0)
=================================
表1C CK1 Ser / Thrプロテインキナーゼファミリー
=================================
CSNK1A1 KC1A_HUMAN (P48729 ) KC1A_MOUSE (Q8BK63)
CSNK1A1L KC1AL_HUMAN (Q8N752 )
CSNK1D KC1D_HUMAN (P48730 ) KC1D_MOUSE (Q9DC28)
CSNK1E KC1E_HUMAN (P49674 ) KC1E_MOUSE (Q9JMK2)
CSNK1G1 KC1G1_HUMAN (Q9HCP0 ) KC1G1_MOUSE (Q8BTH8)
CSNK1G2 KC1G2_HUMAN (P78368 ) KC1G2_MOUSE (Q8BVP5)
CSNK1G3 KC1G3_HUMAN (Q9Y6M4 ) KC1G3_MOUSE (Q8C4X2)
TTBK1 TTBK1_HUMAN (Q5TCY1 ) TTBK1_MOUSE (Q6PCN3)
TTBK2 TTBK2_HUMAN (Q6IQ55 ) TTBK2_MOUSE (Q3UVR3)
VRK1 VRK1_HUMAN (Q99986 ) VRK1_MOUSE (Q80X41)
VRK2 VRK2_HUMAN (Q86Y07 ) VRK2_MOUSE (Q8BN21)
VRK3 VRK3_HUMAN (Q8IV63 ) VRK3_MOUSE (Q8K3G5)
==================================
表1D CMGC Ser / Thrプロテインキナーゼファミリー
==================================
CDK1 CDK1_HUMAN (P06493 ) CDK1_MOUSE (P11440)
CDK10 CDK10_HUMAN (Q15131 ) CDK10_MOUSE (Q3UMM4)
CDK11A CD11A_HUMAN (Q9UQ88 )
CDK11B CD11B_HUMAN (P21127 ) CD11B_MOUSE (P24788)
CDK12 CDK12_HUMAN (Q9NYV4 ) CDK12_MOUSE (Q14AX6)
CDK13 CDK13_HUMAN (Q14004 ) CDK13_MOUSE (Q69ZA1)
CDK14 CDK14_HUMAN (O94921 ) CDK14_MOUSE (O35495)
CDK15 CDK15_HUMAN (Q96Q40 ) CDK15_MOUSE (Q3V3A1)
CDK16 CDK16_HUMAN (Q00536 ) CDK16_MOUSE (Q04735)
CDK17 CDK17_HUMAN (Q00537 ) CDK17_MOUSE (Q8K0D0)
CDK18 CDK18_HUMAN (Q07002 ) CDK18_MOUSE (Q04899)
CDK19 CDK19_HUMAN (Q9BWU1 ) CDK19_MOUSE (Q8BWD8)
CDK2 CDK2_HUMAN (P24941 ) CDK2_MOUSE (P97377)
CDK20 CDK20_HUMAN (Q8IZL9 ) CDK20_MOUSE (Q9JHU3)
CDK3 CDK3_HUMAN (Q00526 ) CDK3_MOUSE (Q80YP0)
CDK4 CDK4_HUMAN (P11802 ) CDK4_MOUSE (P30285)
CDK5 CDK5_HUMAN (Q00535 ) CDK5_MOUSE (P49615)
CDK6 CDK6_HUMAN (Q00534 ) CDK6_MOUSE (Q64261)
CDK7 CDK7_HUMAN (P50613 ) CDK7_MOUSE (Q03147)
CDK8 CDK8_HUMAN (P49336 ) CDK8_MOUSE (Q8R3L8)
CDK9 CDK9_HUMAN (P50750 ) CDK9_MOUSE (Q99J95)
CDKL1 CDKL1_HUMAN (Q00532 ) CDKL1_MOUSE (Q8CEQ0)
CDKL2 CDKL2_HUMAN (Q92772 ) CDKL2_MOUSE (Q9QUK0)
CDKL3 CDKL3_HUMAN (Q8IVW4 ) CDKL3_MOUSE (Q8BLF2)
CDKL4 CDKL4_HUMAN (Q5MAI5 ) CDKL4_MOUSE (Q3TZA2)
CDKL5 CDKL5_HUMAN (O76039 ) CDKL5_MOUSE (Q3UTQ8)
CLK1 CLK1_HUMAN (P49759 ) CLK1_MOUSE (P22518)
CLK2 CLK2_HUMAN (P49760 ) CLK2_MOUSE (O35491)
CLK3 CLK3_HUMAN (P49761 ) CLK3_MOUSE (O35492)
CLK4 CLK4_HUMAN (Q9HAZ1 ) CLK4_MOUSE (O35493)
DYRK1A DYR1A_HUMAN (Q13627 ) DYR1A_MOUSE (Q61214)
DYRK1B DYR1B_HUMAN (Q9Y463 ) DYR1B_MOUSE (Q9Z188)
DYRK2 DYRK2_HUMAN (Q92630 ) DYRK2_MOUSE (Q5U4C9)
DYRK3 DYRK3_HUMAN (O43781 ) DYRK3_MOUSE (Q922Y0)
DYRK4 DYRK4_HUMAN (Q9NR20 ) DYRK4_MOUSE (Q8BI55)
GSK3A GSK3A_HUMAN (P49840 ) GSK3A_MOUSE (Q2NL51)
GSK3B GSK3B_HUMAN (P49841 ) GSK3B_MOUSE (Q9WV60)
HIPK1 HIPK1_HUMAN (Q86Z02 ) HIPK1_MOUSE (O88904)
HIPK2 HIPK2_HUMAN (Q9H2X6 ) HIPK2_MOUSE (Q9QZR5)
HIPK3 HIPK3_HUMAN (Q9H422 ) HIPK3_MOUSE (Q9ERH7)
HIPK4 HIPK4_HUMAN (Q8NE63 ) HIPK4_MOUSE (Q3V016)
ICK ICK_HUMAN(Q9UPZ9)ICK_MOUSE(Q9JKV2)
MAK MAK_HUMAN(P20794)MAK_MOUSE(Q04859)
MAPK1 MK01_HUMAN (P28482 ) MK01_MOUSE (P63085)
MAPK10 MK10_HUMAN (P53779 ) MK10_MOUSE (Q61831)
MAPK11 MK11_HUMAN (Q15759 ) MK11_MOUSE (Q9WUI1)
MAPK12 MK12_HUMAN (P53778 ) MK12_MOUSE (O08911)
MAPK13 MK13_HUMAN (O15264 ) MK13_MOUSE (Q9Z1B7)
MAPK14 MK14_HUMAN (Q16539 ) MK14_MOUSE (P47811)
MAPK15 MK15_HUMAN (Q8TD08 ) MK15_MOUSE (Q80Y86)
MAPK3 MK03_HUMAN (P27361 ) MK03_MOUSE (Q63844)
MAPK4 MK04_HUMAN (P31152 ) MK04_MOUSE (Q6P5G0)
MAPK6 MK06_HUMAN (Q16659 ) MK06_MOUSE (Q61532)
MAPK7 MK07_HUMAN (Q13164 ) MK07_MOUSE (Q9WVS8)
MAPK8 MK08_HUMAN (P45983 ) MK08_MOUSE (Q91Y86)
MAPK9 MK09_HUMAN (P45984 ) MK09_MOUSE (Q9WTU6)
MOK MOK_HUMAN(Q9UQ07)MOK_MOUSE(Q9WVS4)
NLK NLK_HUMAN(Q9UBE8)NLK_MOUSE(O54949)
PRPF4B PRP4B_HUMAN (Q13523 ) PRP4B_MOUSE (Q61136)
SRPK1 SRPK1_HUMAN (Q96SB4 ) SRPK1_MOUSE (O70551)
SRPK2 SRPK2_HUMAN (P78362 ) SRPK2_MOUSE (O54781)
SRPK3 SRPK3_HUMAN (Q9UPE1 ) SRPK3_MOUSE (Q9Z0G2)
=================================
表1E NEK Ser / Thrプロテインキナーゼファミリー
=================================
NEK1 NEK1_HUMAN (Q96PY6 ) NEK1_MOUSE (P51954)
NEK10 NEK10_HUMAN (Q6ZWH5 ) NEK10_MOUSE (Q3UGM2)
NEK11 NEK11_HUMAN (Q8NG66 ) NEK11_MOUSE (Q8C0Q4)
NEK2 NEK2_HUMAN (P51955 ) NEK2_MOUSE (O35942)
NEK3 NEK3_HUMAN (P51956 ) NEK3_MOUSE (Q9R0A5)
NEK4 NEK4_HUMAN (P51957 ) NEK4_MOUSE (Q9Z1J2)
NEK5 NEK5_HUMAN (Q6P3R8 ) NEK5_MOUSE (Q7TSC3)
NEK6 NEK6_HUMAN (Q9HC98 ) NEK6_MOUSE (Q9ES70)
NEK7 NEK7_HUMAN (Q8TDX7 ) NEK7_MOUSE (Q9ES74)
NEK8 NEK8_HUMAN (Q86SG6 ) NEK8_MOUSE (Q91ZR4)
NEK9 NEK9_HUMAN (Q8TD19 ) NEK9_MOUSE (Q8K1R7)
=================================
表1FSTE Ser / Thrプロテインキナーゼファミリー
=================================
MAP2K1 MP2K1_HUMAN (Q02750 ) MP2K1_MOUSE (P31938)
MAP2K2 MP2K2_HUMAN (P36507 ) MP2K2_MOUSE (Q63932)
MAP2K3 MP2K3_HUMAN (P46734 ) MP2K3_MOUSE (O09110)
MAP2K4 MP2K4_HUMAN (P45985 ) MP2K4_MOUSE (P47809)
MAP2K5 MP2K5_HUMAN (Q13163 ) MP2K5_MOUSE (Q9WVS7)
MAP2K6 MP2K6_HUMAN (P52564 ) MP2K6_MOUSE (P70236)
MAP2K7 MP2K7_HUMAN (O14733 ) MP2K7_MOUSE (Q8CE90)
MAP3K1 M3K1_HUMAN (Q13233 ) M3K1_MOUSE (P53349)
MAP3K10 M3K10_HUMAN (Q02779 ) M3K10_MOUSE (Q66L42)
MAP3K11 M3K11_HUMAN (Q16584 ) M3K11_MOUSE (Q80XI6)
MAP3K12 M3K12_HUMAN (Q12852 ) M3K12_MOUSE (Q60700)
MAP3K13 M3K13_HUMAN (O43283 ) M3K13_MOUSE (Q1HKZ5)
MAP3K14 M3K14_HUMAN (Q99558 ) M3K14_MOUSE (Q9WUL6)
MAP3K15 M3K15_HUMAN (Q6ZN16 ) M3K15_MOUSE (A2AQW0)
MAP3K19 M3K19_HUMAN (Q56UN5 ) M3K19_MOUSE (E9Q3S4)
MAP3K2 M3K2_HUMAN (Q9Y2U5 ) M3K2_MOUSE (Q61083)
MAP3K20 M3K20_HUMAN (Q9NYL2 ) M3K20_MOUSE (Q9ESL4)
MAP3K21 M3K21_HUMAN (Q5TCX8 ) M3K21_MOUSE (Q8VDG6)
MAP3K3 M3K3_HUMAN (Q99759 ) M3K3_MOUSE (Q61084)
MAP3K4 M3K4_HUMAN (Q9Y6R4 ) M3K4_MOUSE (O08648)
MAP3K5 M3K5_HUMAN (Q99683 ) M3K5_MOUSE (O35099)
MAP3K6 M3K6_HUMAN (O95382 ) M3K6_MOUSE (Q9WTR2)
MAP3K7 M3K7_HUMAN (O43318 ) M3K7_MOUSE (Q62073)
MAP3K8 M3K8_HUMAN (P41279 ) M3K8_MOUSE (Q07174)
MAP3K9 M3K9_HUMAN (P80192 ) M3K9_MOUSE (Q3U1V8)
MAP4K1 M4K1_HUMAN (Q92918 ) M4K1_MOUSE (P70218)
MAP4K2 M4K2_HUMAN (Q12851 ) M4K2_MOUSE (Q61161)
MAP4K3 M4K3_HUMAN (Q8IVH8 ) M4K3_MOUSE (Q99JP0)
MAP4K4 M4K4_HUMAN (O95819 ) M4K4_MOUSE (P97820)
MAP4K5 M4K5_HUMAN (Q9Y4K4 ) M4K5_MOUSE (Q8BPM2)
MINK1 MINK1_HUMAN (Q8N4C8 ) MINK1_MOUSE (Q9JM52)
MYO3A MYO3A_HUMAN (Q8NEV4 ) MYO3A_MOUSE (Q8K3H5)
MYO3B MYO3B_HUMAN (Q8WXR4 ) MYO3B_MOUSE (Q1EG27)
NRK NRK_HUMAN(Q7Z2Y5)NRK_MOUSE(Q9R0G8)
OXSR1 OXSR1_HUMAN (O95747 ) OXSR1_MOUSE (Q6P9R2)
PAK1 PAK1_HUMAN (Q13153 ) PAK1_MOUSE (O88643)
PAK2 PAK2_HUMAN (Q13177 ) PAK2_MOUSE (Q8CIN4)
PAK3 PAK3_HUMAN (O75914 ) PAK3_MOUSE (Q61036)
PAK4 PAK4_HUMAN (O96013 ) PAK4_MOUSE (Q8BTW9)
PAK5 PAK5_HUMAN (Q9P286 ) PAK5_MOUSE (Q8C015)
PAK6 PAK6_HUMAN (Q9NQU5 ) PAK6_MOUSE (Q3ULB5)
PBK TOPK_HUMAN(Q96KB5)TOPK_MOUSE(Q9JJ78)
SLK SLK_HUMAN(Q9H2G2)SLK_MOUSE(O54988)
STK10 STK10_HUMAN (O94804 ) STK10_MOUSE (O55098)
STK24 STK24_HUMAN (Q9Y6E0 ) STK24_MOUSE (Q99KH8)
STK25 STK25_HUMAN (O00506 ) STK25_MOUSE (Q9Z2W1)
STK26 STK26_HUMAN (Q9P289 ) STK26_MOUSE (Q99JT2)
STK3 STK3_HUMAN (Q13188 ) STK3_MOUSE (Q9JI10)
STK39 STK39_HUMAN (Q9UEW8 ) STK39_MOUSE (Q9Z1W9)
STK4 STK4_HUMAN (Q13043 ) STK4_MOUSE (Q9JI11)
STRADA STRAA_HUMAN(Q7RTN6)STRAA_MOUSE(Q3UUJ4)
STRADB STRAB_HUMAN(Q9C0K7)STRAB_MOUSE(Q8K4T3)
TAOK1 TAOK1_HUMAN (Q7L7X3 ) TAOK1_MOUSE (Q5F2E8)
TAOK2 TAOK2_HUMAN (Q9UL54 ) TAOK2_MOUSE (Q6ZQ29)
TAOK3 TAOK3_HUMAN (Q9H2K8 ) TAOK3_MOUSE (Q8BYC6)
TNIK TNIK_HUMAN(Q9UKE5)TNIK_MOUSE(P83510)
=================================
表1G TKL Ser / Thrプロテインキナーゼファミリー
=================================
ACVR1 ACVR1_HUMAN (Q04771 ) ACVR1_MOUSE (P37172)
ACVR1B ACV1B_HUMAN (P36896 ) ACV1B_MOUSE (Q61271)
ACVR1C ACV1C_HUMAN (Q8NER5 ) ACV1C_MOUSE (Q8K348)
ACVR2A AVR2A_HUMAN (P27037 ) AVR2A_MOUSE (P27038)
ACVR2B AVR2B_HUMAN (Q13705 ) AVR2B_MOUSE (P27040)
ACVRL1 ACVL1_HUMAN (P37023 ) ACVL1_MOUSE (Q61288)
AMHR2 AMHR2_HUMAN (Q16671 ) AMHR2_MOUSE (Q8K592)
ANKK1 ANKK1_HUMAN (Q8NFD2 ) ANKK1_MOUSE (Q8BZ25)
ARAF ARAF_HUMAN(P10398)ARAF_MOUSE(P04627)
BMPR1A BMR1A_HUMAN (P36894 ) BMR1A_MOUSE (P36895)
BMPR1B BMR1B_HUMAN (O00238 ) BMR1B_MOUSE (P36898)
BMPR2 BMPR2_HUMAN (Q13873 ) BMPR2_MOUSE (O35607)
BRAF BRAF_HUMAN(P15056)BRAF_MOUSE(P28028)
ILK ILK_HUMAN(Q13418)ILK_MOUSE(O55222)
IRAK1 IRAK1_HUMAN (P51617 ) IRAK1_MOUSE (Q62406)
IRAK2 IRAK2_HUMAN (O43187 ) IRAK2_MOUSE (Q8CFA1)
IRAK3 IRAK3_HUMAN (Q9Y616 ) IRAK3_MOUSE (Q8K4B2)
IRAK4 IRAK4_HUMAN (Q9NWZ3 ) IRAK4_MOUSE (Q8R4K2)
KSR1 KSR1_HUMAN (Q8IVT5 ) KSR1_MOUSE (Q61097)
KSR2 KSR2_HUMAN (Q6VAB6 ) KSR2_MOUSE (Q3UVC0)
LIMK1 LIMK1_HUMAN (P53667 ) LIMK1_MOUSE (P53668)
LIMK2 LIMK2_HUMAN (P53671 ) LIMK2_MOUSE (O54785)
LRRK1 LRRK1_HUMAN (Q38SD2 ) LRRK1_MOUSE (Q3UHC2)
LRRK2 LRRK2_HUMAN (Q5S007 ) LRRK2_MOUSE (Q5S006)
RAF1 RAF1_HUMAN (P04049 ) RAF1_MOUSE (Q99N57)
RIPK1 RIPK1_HUMAN (Q13546 ) RIPK1_MOUSE (Q60855)
RIPK2 RIPK2_HUMAN (O43353 ) RIPK2_MOUSE (P58801)
RIPK3 RIPK3_HUMAN (Q9Y572 ) RIPK3_MOUSE (Q9QZL0)
RIPK4 RIPK4_HUMAN (P57078 ) RIPK4_MOUSE (Q9ERK0)
TESK1 TESK1_HUMAN (Q15569 ) TESK1_MOUSE (O70146)
TESK2 TESK2_HUMAN (Q96S53 ) TESK2_MOUSE (Q8VCT9)
TGFBR1 TGFR1_HUMAN (P36897 ) TGFR1_MOUSE (Q64729)
TGFBR2 TGFR2_HUMAN (P37173 ) TGFR2_MOUSE (Q62312)
TNNI3K TNI3K_HUMAN (Q59H18 ) TNI3K_MOUSE (Q5GIG6)
=========================
表1H Tyrプロテインキナーゼファミリー
=========================
AATK LMTK1_HUMAN(Q6ZMQ8)LMTK1_MOUSE(Q80YE4)
ABL1 ABL1_HUMAN (P00519 ) ABL1_MOUSE (P00520)
ABL2 ABL2_HUMAN (P42684 ) ABL2_MOUSE (Q4JIM5)
ALK ALK_HUMAN(Q9UM73)ALK_MOUSE(P97793)
AXL UFO_HUMAN(P30530)UFO_MOUSE(Q00993)
BLK BLK_HUMAN(P51451)BLK_MOUSE(P16277)
BMX BMX_HUMAN(P51813)BMX_MOUSE(P97504)
BTK BTK_HUMAN(Q06187)BTK_MOUSE(P35991)
CSF1R CSF1R_HUMAN (P07333 ) CSF1R_MOUSE (P09581)
CSK CSK_HUMAN(P41240)CSK_MOUSE(P41241)
DDR1 DDR1_HUMAN (Q08345 ) DDR1_MOUSE (Q03146)
DDR2 DDR2_HUMAN (Q16832 ) DDR2_MOUSE (Q62371)
EGFR EGFR_HUMAN(P00533)EGFR_MOUSE(Q01279)
EPHA1 EPHA1_HUMAN (P21709 ) EPHA1_MOUSE (Q60750)
EPHA10 EPHAA_HUMAN(Q5JZY3)EPHAA_MOUSE(Q8BYG9)
EPHA2 EPHA2_HUMAN (P29317 ) EPHA2_MOUSE (Q03145)
EPHA3 EPHA3_HUMAN (P29320 ) EPHA3_MOUSE (P29319)
EPHA4 EPHA4_HUMAN (P54764 ) EPHA4_MOUSE (Q03137)
EPHA5 EPHA5_HUMAN (P54756 ) EPHA5_MOUSE (Q60629)
EPHA6 EPHA6_HUMAN (Q9UF33 ) EPHA6_MOUSE (Q62413)
EPHA7 EPHA7_HUMAN (Q15375 ) EPHA7_MOUSE (Q61772)
EPHA8 EPHA8_HUMAN (P29322 ) EPHA8_MOUSE (O09127)
EPHB1 EPHB1_HUMAN (P54762 ) EPHB1_MOUSE (Q8CBF3)
EPHB2 EPHB2_HUMAN (P29323 ) EPHB2_MOUSE (P54763)
EPHB3 EPHB3_HUMAN (P54753 ) EPHB3_MOUSE (P54754)
EPHB4 EPHB4_HUMAN (P54760 ) EPHB4_MOUSE (P54761)
EPHB6 EPHB6_HUMAN (O15197 ) EPHB6_MOUSE (O08644)
ERBB2 ERBB2_HUMAN (P04626 ) ERBB2_MOUSE (P70424)
ERBB3 ERBB3_HUMAN (P21860 ) ERBB3_MOUSE (Q61526)
ERBB4 ERBB4_HUMAN (Q15303 ) ERBB4_MOUSE (Q61527)
FER FER_HUMAN(P16591)FER_MOUSE(P70451)
FES FES_HUMAN(P07332)FES_MOUSE(P16879)
FGFR1 FGFR1_HUMAN (P11362 ) FGFR1_MOUSE (P16092)
FGFR2 FGFR2_HUMAN (P21802 ) FGFR2_MOUSE (P21803)
FGFR3 FGFR3_HUMAN (P22607 ) FGFR3_MOUSE (Q61851)
FGFR4 FGFR4_HUMAN (P22455 ) FGFR4_MOUSE (Q03142)
FGR FGR_HUMAN(P09769)FGR_MOUSE(P14234)
FLT1 VGFR1_HUMAN (P17948 ) VGFR1_MOUSE (P35969)
FLT3 FLT3_HUMAN (P36888 ) FLT3_MOUSE (Q00342)
FLT4 VGFR3_HUMAN (P35916 ) VGFR3_MOUSE (P35917)
FRK FRK_HUMAN(P42685)FRK_MOUSE(Q922K9)
FYN FYN_HUMAN(P06241)FYN_MOUSE(P39688)
HCK HCK_HUMAN(P08631)HCK_MOUSE(P08103)
IGF1R IGF1R_HUMAN (P08069 ) IGF1R_MOUSE (Q60751)
INSR INSR_HUMAN(P06213)INSR_MOUSE(P15208)
INSRR INSRR_HUMAN(P14616)INSRR_MOUSE(Q9WTL4)
ITK ITK_HUMAN(Q08881)ITK_MOUSE(Q03526)
JAK1 JAK1_HUMAN (P23458 ) JAK1_MOUSE (P52332)
JAK2 JAK2_HUMAN (O60674 ) JAK2_MOUSE (Q62120)
JAK3 JAK3_HUMAN (P52333 ) JAK3_MOUSE (Q62137)
KDR VGFR2_HUMAN(P35968)VGFR2_MOUSE(P35918)
KIT KIT_HUMAN(P10721)KIT_MOUSE(P05532)
LCK LCK_HUMAN(P06239)LCK_MOUSE(P06240)
LMTK2 LMTK2_HUMAN (Q8IWU2 ) LMTK2_MOUSE (Q3TYD6)
LMTK3 LMTK3_HUMAN (Q96Q04 ) LMTK3_MOUSE (Q5XJV6)
LTK LTK_HUMAN(P29376)LTK_MOUSE(P08923)
LYN LYN_HUMAN(P07948)LYN_MOUSE(P25911)
MATK MATK_HUMAN(P42679)MATK_MOUSE(P41242)
MERTK MERTK_HUMAN(Q12866)MERTK_MOUSE(Q60805)
MET MET_HUMAN(P08581)MET_MOUSE(P16056)
MST1R RON_HUMAN(Q04912)RON_MOUSE(Q62190)
MUSK MUSK_HUMAN(O15146)MUSK_MOUSE(Q61006)
NTRK1 NTRK1_HUMAN (P04629 ) NTRK1_MOUSE (Q3UFB7)
NTRK2 NTRK2_HUMAN (Q16620 ) NTRK2_MOUSE (P15209)
NTRK3 NTRK3_HUMAN (Q16288 ) NTRK3_MOUSE (Q6VNS1)
PDGFRA PGFRA_HUMAN(P16234)PGFRA_MOUSE(P26618)
PDGFRB PGFRB_HUMAN(P09619)PGFRB_MOUSE(P05622)
PTK2 FAK1_HUMAN (Q05397 ) FAK1_MOUSE (P34152)
PTK2B FAK2_HUMAN (Q14289 ) FAK2_MOUSE (Q9QVP9)
PTK6 PTK6_HUMAN (Q13882 ) PTK6_MOUSE (Q64434)
PTK7 PTK7_HUMAN (Q13308 ) PTK7_MOUSE (Q8BKG3)
RET RET_HUMAN(P07949)RET_MOUSE(P35546)
ROR1 ROR1_HUMAN (Q01973 ) ROR1_MOUSE (Q9Z139)
ROR2 ROR2_HUMAN (Q01974 ) ROR2_MOUSE (Q9Z138)
ROS1 ROS1_HUMAN (P08922 ) ROS1_MOUSE (Q78DX7)
RYK RYK_HUMAN(P34925)RYK_MOUSE(Q01887)
SRC SRC_HUMAN(P12931)SRC_MOUSE(P05480)
SRMS SRMS_HUMAN(Q9H3Y6)SRMS_MOUSE(Q62270)
STYK1 STYK1_HUMAN (Q6J9G0 ) STYK1_MOUSE (Q6J9G1)
SYK KSYK_HUMAN(P43405)KSYK_MOUSE(P48025)
Smok1 SMOK1_MOUSE (Q9QYZ4)
Smoktcr SMKTR_MOUSE(A2KF29)
TEC TEC_HUMAN(P42680)TEC_MOUSE(P24604)
TEK TIE2_HUMAN(Q02763)TIE2_MOUSE(Q02858)
TIE1 TIE1_HUMAN (P35590 ) TIE1_MOUSE (Q06806)
TNK1 TNK1_HUMAN (Q13470 ) TNK1_MOUSE (Q99ML2)
TNK2 ACK1_HUMAN (Q07912 ) ACK1_MOUSE (O54967)
TXK TXK_HUMAN(P42681)TXK_MOUSE(P42682)
TYK2 TYK2_HUMAN (P29597 ) TYK2_MOUSE (Q9R117)
TYRO3 TYRO3_HUMAN (Q06418 ) TYRO3_MOUSE (P55144)
YES1 YES_HUMAN(P07947)YES_MOUSE(Q04736)
ZAP70 ZAP70_HUMAN (P43403 ) ZAP70_MOUSE (P43404)
=====
表1I その他のキナーゼ
=====
AAK1 AAK1_HUMAN (Q2M2I8 ) AAK1_MOUSE (Q3UHJ0)
AURKA AURKA_HUMAN(O14965)AURKA_MOUSE(P97477)
AURKB AURKB_HUMAN(Q96GD4)AURKB_MOUSE(O70126)
AURKC AURKC_HUMAN(Q9UQB9)AURKC_MOUSE(O88445)
BMP2K BMP2K_HUMAN (Q9NSY1 ) BMP2K_MOUSE (Q91Z96)
BUB1 BUB1_HUMAN (O43683 ) BUB1_MOUSE (O08901)
BUB1B BUB1B_HUMAN (O60566 ) BUB1B_MOUSE (Q9Z1S0)
CAMKK1 KKCC1_HUMAN (Q8N5S9 ) KKCC1_MOUSE (Q8VBY2)
CAMKK2 KKCC2_HUMAN (Q96RR4 ) KKCC2_MOUSE (Q8C078)
CDC7 CDC7_HUMAN (O00311 ) CDC7_MOUSE (Q9Z0H0)
CHUK IKKA_HUMAN(O15111)IKKA_MOUSE(Q60680)
CSNK2A1 CSK21_HUMAN (P68400 ) CSK21_MOUSE (Q60737)
CSNK2A2 CSK22_HUMAN (P19784 ) CSK22_MOUSE (O54833)
CSNK2A3 CSK23_HUMAN (Q8NEV1 )
DSTYK DUSTY_HUMAN(Q6XUX3)DUSTY_MOUSE(Q6XUX1)
EIF2AK1 E2AK1_HUMAN (Q9BQI3 ) E2AK1_MOUSE (Q9Z2R9)
EIF2AK2 E2AK2_HUMAN (P19525 ) E2AK2_MOUSE (Q03963)
EIF2AK3 E2AK3_HUMAN (Q9NZJ5 ) E2AK3_MOUSE (Q9Z2B5)
EIF2AK4 E2AK4_HUMAN (Q9P2K8 ) E2AK4_MOUSE (Q9QZ05)
ERN1 ERN1_HUMAN (O75460 ) ERN1_MOUSE (Q9EQY0)
ERN2 ERN2_HUMAN (Q76MJ5 ) ERN2_MOUSE (Q9Z2E3)
GAK GAK_HUMAN(O14976)GAK_MOUSE(Q99KY4)
HASPIN HASP_HUMAN(Q8TF76)HASP_MOUSE(Q9Z0R0)
IKBKB IKKB_HUMAN(O14920)IKKB_MOUSE(O88351)
IKBKE IKKE_HUMAN(Q14164)IKKE_MOUSE(Q9R0T8)
MLKL MLKL_HUMAN(Q8NB16)MLKL_MOUSE(Q9D2Y4)
MOS MOS_HUMAN(P00540)MOS_MOUSE(P00536)
NRBP1 NRBP_HUMAN(Q9UHY1)NRBP_MOUSE(Q99J45)
NRBP2 NRBP2_HUMAN (Q9NSY0 ) NRBP2_MOUSE (Q91V36)
PAN3 PAN3_HUMAN (Q58A45 ) PAN3_MOUSE (Q640Q5)
PDIK1L PDK1L_HUMAN (Q8N165 ) PDK1L_MOUSE (Q8QZR7)
PEAK1 PEAK1_HUMAN (Q9H792 ) PEAK1_MOUSE (Q69Z38)
PIK3R4 PI3R4_HUMAN (Q99570 ) PI3R4_MOUSE (Q8VD65)
PINK1 PINK1_HUMAN (Q9BXM7 ) PINK1_MOUSE (Q99MQ3)
PKDCC PKDCC_HUMAN(Q504Y2)PKDCC_MOUSE(Q5RJI4)
PKMYT1 PMYT1_HUMAN (Q99640 ) PMYT1_MOUSE (Q9ESG9)
PLK1 PLK1_HUMAN (P53350 ) PLK1_MOUSE (Q07832)
PLK2 PLK2_HUMAN (Q9NYY3 ) PLK2_MOUSE (P53351)
PLK3 PLK3_HUMAN (Q9H4B4 ) PLK3_MOUSE (Q60806)
PLK4 PLK4_HUMAN (O00444 ) PLK4_MOUSE (Q64702)
PLK5 PLK5_HUMAN (Q496M5 ) PLK5_MOUSE (Q4FZD7)
POMK SG196_HUMAN(Q9H5K3)SG196_MOUSE(Q3TUA9)
PRAG1 PRAG1_HUMAN (Q86YV5 ) PRAG1_MOUSE (Q571I4)
PXK PXK_HUMAN(Q7Z7A4)PXK_MOUSE(Q8BX57)
RNASEL RN5A_HUMAN(Q05823)RN5A_MOUSE(Q05921)
RPS6KC1 KS6C1_HUMAN (Q96S38 ) KS6C1_MOUSE (Q8BLK9)
RPS6KL1 RPKL1_HUMAN (Q9Y6S9 ) RPKL1_MOUSE (Q8R2S1)
SBK1 SBK1_HUMAN (Q52WX2 ) SBK1_MOUSE (Q8QZX0)
SBK2 SBK2_HUMAN (P0C263 ) SBK2_MOUSE (P0C5K1)
SBK3 SBK3_HUMAN (P0C264 ) SBK3_MOUSE (P0C5K0)
SCYL1 SCYL1_HUMAN (Q96KG9 ) SCYL1_MOUSE (Q9EQC5)
SCYL2 SCYL2_HUMAN (Q6P3W7 ) SCYL2_MOUSE (Q8CFE4)
SCYL3 PACE1_HUMAN (Q8IZE3 ) PACE1_MOUSE (Q9DBQ7)
SGK494 SG494_HUMAN (Q96LW2 ) SG494_MOUSE (Q5SYL1)
STK16 STK16_HUMAN (O75716 ) STK16_MOUSE (O88697)
STK31 STK31_HUMAN (Q9BXU1 ) STK31_MOUSE (Q99MW1)
STK32A ST32A_HUMAN (Q8WU08 ) ST32A_MOUSE (Q8BGW6)
STK32B ST32B_HUMAN (Q9NY57 ) ST32B_MOUSE (Q9JJX8)
STK32C ST32C_HUMAN (Q86UX6 ) ST32C_MOUSE (Q8QZV4)
STK35 STK35_HUMAN (Q8TDR2 ) STK35_MOUSE (Q80ZW0)
STK36 STK36_HUMAN (Q9NRP7 ) STK36_MOUSE (Q69ZM6)
STKLD1 STKL1_HUMAN (Q8NE28 ) STKL1_MOUSE (Q80YS9)
TBCK TBCK_HUMAN(Q8TEA7)TBCK_MOUSE(Q8BM85)
TBK1 TBK1_HUMAN (Q9UHD2 ) TBK1_MOUSE (Q9WUN2)
TEX14 TEX14_HUMAN (Q8IWB6 ) TEX14_MOUSE (Q7M6U3)
TLK1 TLK1_HUMAN (Q9UKI8 ) TLK1_MOUSE (Q8C0V0)
TLK2 TLK2_HUMAN (Q86UE8 ) TLK2_MOUSE (O55047)
TP53RK PRPK_HUMAN(Q96S44)PRPK_MOUSE(Q99PW4)
TTK TTK_HUMAN(P33981)TTK_MOUSE(P35761)
UHMK1 UHMK1_HUMAN (Q8TAS1 ) UHMK1_MOUSE (P97343)
ULK1 ULK1_HUMAN (O75385 ) ULK1_MOUSE (O70405)
ULK2 ULK2_HUMAN (Q8IYT8 ) ULK2_MOUSE (Q9QY01)
ULK3 ULK3_HUMAN (Q6PHR2 ) ULK3_MOUSE (Q3U3Q1)
ULK4 ULK4_HUMAN (Q96C45 ) ULK4_MOUSE (Q3V129)
WEE1 WEE1_HUMAN (P30291 ) WEE1_MOUSE (P47810)
WEE2 WEE2_HUMAN (P0C1S8 ) WEE2_MOUSE (Q66JT0)
WNK1 WNK1_HUMAN (Q9H4A3 ) WNK1_MOUSE (P83741)
WNK2 WNK2_HUMAN (Q9Y3S1 ) WNK2_MOUSE (Q3UH66)
WNK3 WNK3_HUMAN (Q9BYP7 ) WNK3_MOUSE (Q80XP9)
WNK4 WNK4_HUMAN (Q96J92 ) WNK4_MOUSE (Q80UE6)
====================================
表1J. ADCKプロテインキナーゼファミリー
====================================
ADCK1 ADCK1_HUMAN (Q86TW2 ) ADCK1_MOUSE (Q9D0L4)
ADCK2 ADCK2_HUMAN (Q7Z695 ) ADCK2_MOUSE (Q6NSR3)
ADCK5 ADCK5_HUMAN (Q3MIX3 ) ADCK5_MOUSE (Q80V03)
COQ8A COQ8A_HUMAN (Q8NI60 ) COQ8A_MOUSE (Q60936)
COQ8B COQ8B_HUMAN (Q96D53 ) COQ8B_MOUSE (Q566J8)
==========================================
表1K.アルファ型プロテインキナーゼファミリー
==========================================
ALPK1 ALPK1_HUMAN (Q96QP1 ) ALPK1_MOUSE (Q9CXB8)
ALPK2 ALPK2_HUMAN (Q86TB3 ) ALPK2_MOUSE (Q91ZB0)
ALPK3 ALPK3_HUMAN (Q96L96 ) ALPK3_MOUSE (Q924C5)
EEF2K EF2K_HUMAN (O00418 ) EF2K_MOUSE (O08796)
TRPM6 TRPM6_HUMAN (Q9BX84 ) TRPM6_MOUSE (Q8CIR4)
TRPM7 TRPM7_HUMAN (Q96QT4 ) TRPM7_MOUSE (Q923J1)
====================================
表1L.FASTプロテインキナーゼファミリー
====================================
FASTK FASTK_HUMAN(Q14296)FASTK_MOUSE(Q9JIX9)
=========================================
表1M.PDK / BCKDKプロテインキナーゼファミリー
=========================================
BCKDK BCKD_HUMAN(O14874)BCKD_MOUSE(O55028)
PDK1 PDK1_HUMAN (Q15118 ) PDK1_MOUSE (Q8BFP9)
PDK2 PDK2_HUMAN (Q15119 ) PDK2_MOUSE (Q9JK42)
PDK3 PDK3_HUMAN (Q15120 ) PDK3_MOUSE (Q922H2)
PDK4 PDK4_HUMAN (Q16654 ) PDK4_MOUSE (O70571)
===============================
表1N.PI3 / PI4-キナーゼファミリー
===============================
ATM ATM_HUMAN(Q13315)ATM_MOUSE(Q62388)
ATR ATR_HUMAN(Q13535)ATR_MOUSE(Q9JKK8)
MTOR MTOR_HUMAN(P42345)MTOR_MOUSE(Q9JLN9)
PIK3CA PK3CA_HUMAN (P42336 ) PK3CA_MOUSE (P42337)
PIK3CG PK3CG_HUMAN (P48736 ) PK3CG_MOUSE (Q9JHG7)
PRKDC PRKDC_HUMAN(P78527)PRKDC_MOUSE(P97313)
SMG1 SMG1_HUMAN (Q96Q15 ) SMG1_MOUSE (Q8BKX6)
========================================
表1O.RIO型Ser / Thrキナーゼファミリー
========================================
RIOK1 RIOK1_HUMAN (Q9BRS2 ) RIOK1_MOUSE (Q922Q2)
RIOK2 RIOK2_HUMAN (Q9BVS4 ) RIOK2_MOUSE (Q9CQS5)
RIOK3 RIOK3_HUMAN (O14730 ) RIOK3_MOUSE (Q9DBU3)
【実施例0071】
実験
すべての出発物質及び試薬は商業的供給元から購入し、特に断らない限り、受け取ったままの状態で使用した。以下の実施例で使用される略語は次のとおりである。Bocはtert-ブチルオキシカルボニルであり、DCMはジクロロメタンであり、DMFはN,N-ジメチルホルムアミドであり、ESIはエレクトロスプレーイオン化であり、HATUは1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム-3-オキシドヘキサフルオロホスフェートであり、HPLCは高速液体クロマトグラフィーであり、MSは質量分析であり、RTは室温であり、TFAはトリフルオロ酢酸である。
【0072】
実施例1
Tert-ブチル(15-(4-(4-((5-クロロ-4-((2-(メチルカルバモイル)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)ピペラジン-1-イル)-15-オキソ-3,6,9,12-テトラオキサペンタデシル)カルバメート
化合物CC-1290
2-((5-クロロ-2-((4-(ピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)-N-メチルベンズアミド(200.0mg、0.46mmol)及び2,2-ジメチル-4-オキソ-3,8,11,14,17-ペンタオキサ-5-アザイコサン-20-酸(250.0mg、0.69mmol)及びHATU(208.4mg、0.55mmol)をDMF(5mL)に取り込み、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(238.7μL、1.37mmol)を加えた。混合物を3時間撹拌し、揮発性物質を減圧下で除去した。粗生成物を最小量のジクロロメタンに取り、セライトに吸収させ、そして自由流動性の固体となるまで乾燥させた。混合物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーに供して所望の生成物(192.0mg、53.3%)を白色固体として得た。[M+H]
+C
38H
54ClN
8O
8のMS(ESI+)m/z計算値785.38、実測値785.60。
【0073】
実施例2
化合物CC-1294
Tert-ブチル(15-(4-(4-((5-クロロ-4-((2-(メチルカルバモイル)フェニル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)ピペラジン-1-イル)-15-オキソ-3,6,9,12-テトラオキサペンタデシル)カルバメート(125.0mg、0.16mmol)をDCM(2.0mL)に加えた溶液を、100μLのトリイソプロピルシラン、次いでトリフルオロ酢酸(2mL)で処理した。混合物に蓋をし、3時間撹拌し、揮発性物質を減圧下で除去して黄色の油状物を得た。混合物を高真空下で乾燥させ、残留物をジエチルエーテルで処理して黄色の固体を得た。ジエチルエーテルをデカントし、残留物を高真空下で30分間乾燥させた。粗生成物を撹拌しながら無水DMF(5mL)に取り、N、N-ジイソプロピルエチルアミン(277μL、1.59mmol)で処理した。反応液を10分間撹拌し、NanoBRET(商標)590SEトレーサー(Promega Corporation、74.5mg、0.17mmol)を加え、反応液を暗所で2時間撹拌した。揮発性物質を減圧下で除去して青色のフィルムを得、これをアミン修飾シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによって精製して生成物(118.5mg 74.8%)を青色固体として得た。[M+H]
+C
49H
58BClF
2N
11O
7のMS(ESI+)m/z計算値996.46、実測値996.4。
【0074】
実施例3
Tert-ブチル(15-(4-(3-アミノフェニル)ピペラジン-1-イル)-15-オキソ-3,6,9,12テトラオキサペンタデシル)カルバメート
化合物CC-1815
2,5-ジオキソピロリジン-1-イル2,2-ジメチル-4-オキソ-3,8,11,14,17-ペンタオキサ-5-アザイコサン-20-オエート(525.0mg、1.14mmol)及び3-(ピペラジン-1-イル)アニリン(200.0mg、1.13mmol)をジクロロメタン(10.0mL)に溶解し、黄色の懸濁液を得た。N,N-ジイソプロピルエチルアミン(590μL、3.39mmol)を加え、混合物を2時間撹拌した。粗混合物をセライトに吸収させ、揮発性物質を減圧下で除去し、粗生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーに供して生成物(590.0mg、100%)を黄色の固体として得た。
【0075】
実施例4
2-((2-((3-(4-(1-アミノ-3,6,9,12-テトラオキサペンタデカン-15-オイル)ピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-5-クロロピリミジン-4-イル)アミノ)ベンズアミド
化合物CC-1816
2-((2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)アミノ)ベンズアミド(294.3mg、1.04mmol)及びtert-ブチル(15-(4-(3-アミノフェニル)ピペラジン-1-イル)-15-オキソ-3,6,9,12-テトラオキサペンタデシル)カルバメート(600.0mg、1.14mmol)を2-メトキシエタノール(8mL)に加えた溶液を100℃に一晩加熱した。混合物を室温に冷却し、揮発性物質を減圧下で除去して、赤色の固体を得て、これを高真空下で乾燥させた。Bocを脱保護した粗残留物を最小量のジクロロメタンに溶解し、セライトに吸収させ、自由流動性固体にまで乾燥させ、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによって精製して所望の生成物(270.0mg、33.7%)を赤黄色固体として得た。[M+H]
+C
32H
44ClN
8O
6のMS(ESI+)m/z計算値671.31、実測値671.30。
【0076】
実施例5
化合物CC-1817
2-((2-((3-(4-(1-アミノ-3,6,9,12-テトラオキサペンタデカン-15-オイル)ピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-5-クロロピリミジン-4-イル)アミノ)ベンズアミド(250.0mg、0.037mmol)を無水DMF(5mL)に攪拌しながら取り込んだ。混合物に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(22.2μL、0.03mmol)を加え、反応物を10分間撹拌した。NanoBRET(商標)590SEトレーサー(PromegaCorp.、17.5mg、0.038mmol)を加え、反応物を暗所で2時間撹拌した。揮発性物質を減圧下で除去して青色のフィルムを得、これを8mLの1:1:0.01のアセトニトリル、水、トリフルオロ酢酸に取り、逆相分取HPLC精製に供して生成物(12.0mg 32.8%)を青色固体として得た。[M+H]
+C
48H
56BClF
2N
11O
7のMS(ESI+)m/z計算値982.41、実測値982.67。
【0077】
実施例6
Tert-ブチル 4-(4-((4-((2-カルバモイルフェニル)アミノ)-5-クロロピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)ピペラジン-1-カルボキシレート
化合物CC-1790
2-((2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)アミノ)ベンズアミド(500mg、1.77mmol)及びtert-ブチル 4-(4-アミノフェニル)ピペラジン-1-カルボキシレート(583.8、1.94mmol)を2-メトキシエタノール(6mL)に加えた溶液を100℃に一晩加熱した。混合物を室温に冷却し、揮発性物質を減圧下で除去して褐色の固体を得、これを高真空下で乾燥させた。粗残留物を最小量のジクロロメタンに溶解し、セライトに吸収させ、そして自由流動性の固体に乾燥させた。混合物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製して所望の生成物(200.0mg、21.6%)を黄色固体として得た。[M+H]
+C
26H
31ClN
7O
3のMS(ESI+)m/z計算値524.22、実測値524.19。
【0078】
実施例7
2-((5-クロロ-2-((4-(ピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)ベンズアミド-TFA
化合物CC-1795
Tert-ブチル4-(4-((4-((2-カルバモイルフェニル)アミノ)-5-クロロピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)ピペラジン-1-カルボキシレート(200.0mg、0.38mmol)をDCM(3.0mL)に加えた溶液を300μLのトリイソプロピルシラン、次いでトリフルオロ酢酸(3mL)で処理した。混合物に蓋をし、4時間撹拌し、揮発性物質を減圧下で除去して紫色の油状物を得た。混合物を高真空下で乾燥させ、残留物をジエチルエーテルで処理して、暗色の固体を得た。エーテルをデカントし、ジエチルエーテルの追加部分を加えてデカントした後、残留物を高真空下で一晩乾燥させた。得られた固体を1:1:0.01のアセトニトリル、水、トリフルオロ酢酸に溶解し、逆相分取HPLC精製に供して所望の生成物(136.0mg、84.1%)を黄色の固体として得た。
【0079】
実施例8
tert-ブチル (15-(4-(4-((4-((2-カルバモイルフェニル)アミノ)-5-クロロピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)ピペラジン-1-イル)-15-オキソ-3,6,9,12-テトラオキサペンタデシル)カルバメート
化合物CC-1796
2-((5-クロロ-2-((4-(ピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)ベンズアミド(100.0mg、0.24mmol)、2,5-ジオキソピロリジン-1-2,2-ジメチル-4-オキソ-3,8,11,14,17-ペンタオキサ-5-アザイコサン-20-オエート(163.7mg、353.9mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(127.3μL、0.71mmol)をジクロロメタン(10mL)に加えた溶液を2時間撹拌した。粗生成物をセライトに吸収させ、自由流動性の固体に乾燥させ、混合物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーに供して、所望の生成物(156.0mg、85.7%)を黄色固体として得た。[M+H]
+C
37H
52ClN
8O
8のMS(ESI+)m/z計算値771.38、実測値771.35。
【0080】
実施例9
2-((2-((4-(4-(1-アミノ-3,6,9,12-テトラオキサペンタデカン-15-オイル)ピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-5-クロロピリミジン-4-イル)アミノ)ベンズアミド-TFA
化合物CC-1803
tert-ブチル(15-(4-(4-((4-((2-カルバモイルフェニル)アミノ)-5-クロロピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)ピペラジン-1-イル)-15-オキソ-3,6,9,12-テトラオキサペンタデシル)カルバメート(100.0mg、0.13mmol)をDCM(3.0mL)に加えた溶液を300μLのトリイソプロピルシラン、次いでトリフルオロ酢酸(3mL)で処理した。混合物に蓋をして、1時間撹拌した。揮発性物質を減圧下で除去し、混合物を高真空下で乾燥させた。残留物をジエチルエーテルで処理して、赤色の固体を得て、デカントし、ジエチルエーテルの追加部分を加えてデカントした後、残留物を真空下で一晩乾燥させた。得られた固体を1:1:0.01のアセトニトリル、水、トリフルオロ酢酸に溶解し、逆相分取HPLCに供して、所望の生成物(67.9mg、66.7%)を黄色の固体として得た。[M+H]
+C
32H
44ClN
8O
6MSの(ESI+)m/z計算値671.31、実測値671.35。
【0081】
実施例10
化合物CC-1804
2-((2-((4-(4-(1-アミノ-3,6,9,12-テトラオキサペンタデカン-15-オイル)ピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-5-クロロピリミジン-4-イル)アミノ)ベンズアミド-TFA(20.0mg、0.03mmol)を5mlの無水DMFに攪拌しながら取り込んだ。混合物にN,Nージイソプロピルエチルアミン(22.2μL、0.03mmol)を加え、反応液を10分間撹拌した。NanoBRET(商標)590SEトレーサー(Promega Corp.、16.3mg、0.038mmol)を加え、反応液を暗所で90分間撹拌した。揮発性物質を減圧下で除去して青色のフィルムを得、これを8mLの1:1:0.01のアセトニトリル、水、トリフルオロ酢酸に取り、逆相分取HPLC精製に供して、生成物(24.8mg、99.0%)を青色固体として得た。[M+H]
+C
48H
57BC
lF
2N
11O
7のMS(ESI+)m/z計算値983.31、実測値983.42。
【0082】
実施例11
CC-1294から誘導されたNanoBRET(商標)トレーサーと新規の阻害剤から誘導されたNanoBRET(商標)トレーサーを用いた細胞内キナーゼ標的結合の包括的分析を導くため、本明細書の実施形態を発展させる実験を行った。96ウェルプレートのウェル中、各ウェル当たり20,000個のHEK293細胞にキナーゼ/NanoLuc(登録商標)(Nluc)融合タンパク質を発現させるためのpFN31K及びpFN32Kプラスミドをトランスフェクトした。トランスフェクションは、3:1のFuGENE HD:プラスミド比を用いて行った。トランスフェクションの24時間後に細胞を0.5μMのCC-1804、CC-1852、または1μMのCC-1294の存在下で2時間処理した。インキュベーション後、NanoBRET(登録商標)標的結合(TE)基質/阻害剤溶液を1Xの最終濃度まで加えた。NanoBRETをGlomax(登録商標)Discoverプレートリーダーで測定した。相対BRETシグナルを求めるため、トレーサーから生じたBRETをトレーサーの非存在下のBRETで割った。
図1A~Bに示されるように、予想外に広いスペクトルの標的結合/キナーゼプロファイリングが、CC-1294と比較してCC-1804及びCC-1852で観察された。
【0083】
実施例12
CC-1294によっては実現されず、CC-1804によって固有に実現される、新規な生細胞標的結合アッセイを実証するため、本明細書の実施形態を発展させる実験を行った。96ウェルプレートのウェル中、各ウェル当たり20,000個のHEK293細胞にキナーゼ/NanoLuc(登録商標)(Nluc)融合タンパク質を発現させるためのpFN31K及びpFN32Kプラスミドをトランスフェクトした。トランスフェクションは、3:1のFuGENE HD:プラスミド比を用いて行った。トランスフェクションの24時間後、細胞を
図2A~Cに示される異なる濃度のトレーサー及び異なる濃度のコントロール阻害剤の存在下で2時間処理した。インキュベーション後、NanoBRET(商標)-TE基質/阻害剤溶液を1Xの最終濃度まで加え、BRETをGlomax(登録商標)Discoverプレートリーダーで測定した。
【0084】
実施例13
親分子CC-1861とCTx-0294885の広域スペクトルの細胞内キナーゼ標的結合を分析するため、本明細書の実施形態を発展させる実験を行った(
図3)。96ウェルプレートのウェル中、各ウェル当たり20,000個のHEK293細胞にpFN31K及びpFN32Kプラスミドから発現されたキナーゼ/Nluc融合タンパク質をトランスフェクトした。トランスフェクションは、3:1のFuGENE HD:プラスミド比を用いて行った。トランスフェクションの24時間後に細胞を試験化合物として300nMのCC-1861、300nMのCTx-0294885、または0.1%DMSO(溶媒)の存在下、最適化した濃度で導入したNanoBRET(商標)トレーサー(K4、K5、K7、K8、K9、K10、K11)の存在下で2時間処理した。分析は、BRET=0(完全な占有率のコントロール試料)を測定するためにタグ付けしていないNlucを用いることでも行った。インキュベーション後、NanoBRET(登録商標)-TE基質/阻害剤溶液を1Xの最終濃度まで加えた。NanoBRETをGlomax(登録商標)Discoverプレートリーダーで測定した。生のBRET比の値を生成するため、アクセプター放射値(例えば、610nm)を各試料のドナー放射値(例えば、450nm)で割った。
【0085】
下式により部分占有率を測定した。
占有率(%)=[1-(X-Z)/(Y-Z)]*100
式中、X=試験化合物及びトレーサーの存在下でのBRETであり、Y=トレーサーのみの存在下でのBRET(占有率=0のコントロール)であり、Z=完全占有率コントロールのBRET(すなわち、タグ付けされていないNluc融合タンパク質からのBRET)である。
【0086】
評価を行った200種類のキナーゼのうち、71種類のキナーゼがCTxよりもCC-1861に対して選択的であり、4種類のみのキナーゼがCC-1861よりもCTxに対して選択的であった(
図5)。
【0087】
実施例14
非改変CC-1861とCTx-0294885のキナーゼ親和性の増加を示すため、本明細書の実施形態を発展させる実験を行った。96ウェルプレートのウェル中、各ウェル当たり20,000個のHEK293細胞にpFN31K及びpFN32Kプラスミドから発現されたキナーゼ/Nluc融合タンパク質をトランスフェクトした。トランスフェクションは、3:1のFuGENE HD:プラスミド比を用いて行った。トランスフェクションの24時間後、細胞を、トレーサー及び示される異なる濃度のコントロール阻害剤の存在下で2時間処理した。インキュベーション後、NanoBRET(商標)-TE基質/阻害剤溶液を1Xの最終濃度まで加え、BRETをGlomax(登録商標)Discoverプレートリーダーで測定した。
【0088】
CC-1861は、CTxと比較して阻害剤の効力の増加を示している(
図7)。CC-1861は、スクリーニングしたキナーゼの多くでCTx-0294885と比較して効力の改善が対数シフトで0.5よりも大きく、CC-1861が改良された広域スペクトルキナーゼ結合剤であることが示された(
図8)。
【0089】
実施例15
2-((5-クロロ-2-((4-(ピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)ベンズアミド
化合物CC-1861
DCM(2.0mL)に加えたTert-ブチル 4-(4-((4-((2-カルバモイルフェニル)アミノ)-5-クロロピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)ピペラジン-1-カルボキシレート(90.0mg、0.17mmol)をトリイソプロピルシラン(200μL、0.17mmol)、次いでトリフルオロ酢酸(2.0mL)で処理した。蓋をした混合物を3時間撹拌し、揮発性物質を減圧下で除去して、黄色の油状物を得た。残留物を20mLのジエチルエーテルで処理して、白色の固体を得た。エーテルをデカントし、得られた白色固体を20mLの新鮮なジエチルエーテルで粉砕した。エーテルをデカントし、得られた白色固体を高真空下で20分間乾燥させた。残留物をメタノール(10mL)に溶解し、45mgの炭酸カリウムで処理した。得られた混合物を1時間撹拌し、セライトに吸収させ、DCM中、メタノールの勾配を用いたフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーに供した。画分を含む生成物をプールし、濃縮して、生成物(50.0mg、68.7%)を白色固体として得た。[M+H]
+C
21H
22ClN
7OのMS(ESI+)m/z計算値:424.17、実測値424.24。
前記固体表面が、沈降粒子、膜、ガラス、チューブ、ウェル、自己組織化単分子層、表面プラズモン共鳴チップ、または電子伝導性表面を備えた固体支持体から選択される、請求項2に記載の広域スペクトルキナーゼ結合剤。