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特開2024-69222海藻マスクに関する方法、組成物および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024069222
(43)【公開日】2024-05-21
(54)【発明の名称】海藻マスクに関する方法、組成物および装置
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/25 20060101AFI20240514BHJP
   A61K 8/02 20060101ALI20240514BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20240514BHJP
   A61K 8/73 20060101ALI20240514BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
A61K8/25
A61K8/02
A61K8/34
A61K8/73
A61Q19/00
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024021615
(22)【出願日】2024-02-16
(62)【分割の表示】P 2020564896の分割
【原出願日】2019-06-25
(31)【優先権主張番号】62/689,736
(32)【優先日】2018-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】510007012
【氏名又は名称】ラクレード,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100109634
【弁理士】
【氏名又は名称】舛谷 威志
(74)【代理人】
【識別番号】100160831
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 元
(72)【発明者】
【氏名】ペリコ,マイケル
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ユーザ固有の個人用製品の形成および開発に対応する装置を利用しつつ、個人の顔または身体に塗布されるために、天然および合成的に変更された材料に基づいて十分に安定したマスクを生成することができる製品を提供する。
【解決手段】化粧品マスクとして使用するための調合物であって、(a)溶媒と、(b)保水剤と、(c)増粘剤と、(d)酸と、(e)所定量の精製水と、(f)有効量の寒天とを含み、半固体出発調合物は、加熱されるとヒドロゲルを形成することを特徴とする調合物を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧品マスクとして使用するための調合物であって、
(a)溶媒と、
(b)保水剤と、
(c)増粘剤と、
(d)酸と、
(e)所定量の精製水と、
(f)有効量の寒天とを含み、
半固体出発調合物は、加熱されるとヒドロゲルを形成することを特徴とする調合物。
【請求項2】
前記半固体出発調合物が、加熱されると、まだ温かい間に個人の皮膚に塗布され、次いで、前記調合物が皮膚上で完全に冷却されると、ゲル状材料を形成する請求項1に記載の調合物。
【請求項3】
前記溶媒は、プロパンジオールである請求項1に記載の調合物。
【請求項4】
前記保水剤は、グリセリンである請求項1に記載の調合物。
【請求項5】
前記増粘剤は、シリカである請求項1に記載の調合物。
【請求項6】
前記酸は、ヒアルロン酸である請求項1に記載の調合物。
【請求項7】
前記精製水の前記所定量は、50wt%を超える量である請求項1に記載の調合物。
【請求項8】
前記寒天は、ゲリジウムカーチラギネウム(Gelidium cartilagineum)に由来する請求項1に記載の調合物。
【請求項9】
ボスウェリアカルテリ(Boswellia carterii)、ピサムサティバム(Pisum sativum)およびククミスサティバス(Cucumis sativus)からなる群から選択される少なくとも1つのオイルまたは抽出物をさらに含む請求項1に記載の調合物。
【請求項10】
前記少なくとも1つのオイルまたは抽出物の量は、合計で全調合物の2%以下である請求項9に記載の調合物。
【請求項11】
所定量のローカストビーンガムを含む粘度増強剤をさらに含む請求項1に記載の調合物。
【請求項12】
有効量のクロロフィリン-銅錯体をさらに含む請求項1に記載の調合物。
【請求項13】
皮膚コンディショニング剤をさらに含み、前記皮膚コンディショニング剤は、上皮成長因子の合成形態である請求項1に記載の調合物。
【請求項14】
ビタミンE、ビタミンCおよびビタミンBからなる群から選択される少なくとも2つのビタミンをさらに含む請求項1に記載の調合物。
【請求項15】
2wt%未満の量の加水分解コラーゲンをさらに含む請求項1に記載の調合物。
【請求項16】
有効量の活性炭をさらに含む請求項1に記載の調合物。
【請求項17】
半固体調合物を加熱するための装置であって、
(a)ハウジングと、
(b)内側ボウルと、
(c)取り外し可能なバスケットと、
(d)電源と、
(e)通気口を有する蓋と、
を含むことを特徴とする装置。
【請求項18】
前記ハウジングは、軽量材料で構成され、インジケータライトおよび電源ボタンをさらに含む請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記半固体調合物の加熱によって、前記調合物の沸点直下の温度になる請求項17に記載の装置。
【請求項20】
前記半固体調合物が、前記取り外し可能なバスケットに入れられる請求項17に記載の装置。
【請求項21】
前記電源は、150Wである請求項17に記載の装置。
【請求項22】
個人の皮膚の一部を処置する方法であって、
(a)請求項1の前記調合物の所定量を提供するステップと、
(b)加熱装置の提供し、前記(a)の調合物を加熱するステップと、
(c)前記調合物を液化させるステップと、
(d)個人の皮膚に前記調合物を塗布する前に、前記液化された調合物を冷却するステップと、
を含むことを特徴とする方法。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は一般に、温かい液体のフェイスマスクおよびボディマスクの開発および適用の分野に関する。具体的には、関連分野は、人間の被験者に適用するための海藻ベースのフェイスマスクおよびボディマスクを作製および使用するための方法、組成物、および装置を含む。
【背景技術】
【0002】
個人の顔または身体に適用するためのゲル状マスク(gel-like mask)を使用する利点は、当該技術分野で知られている。特に、これらのマスクは、所定の健康因子を改善するという明確な目的に対して、個人の皮膚、毛髪または他の領域に特殊な活性剤(specialized active agents)を供給するために、一般に薄いシートとして予め形成される。
【0003】
化粧品分野における種々の製品として、傷の治癒の側面を促進するために、またはユーザの外観を改善する明確な意図のためのビタミン、保湿剤(moisturizers)、調整剤(conditions)もしくは類似の化合物を含む活性剤を個人の皮膚に供給するために、このようなマスクが販売されている。
【0004】
予め形成されたフェイスマスクが当該技術分野で知られているが、合成マスクまたはヒドロゲルマスクと区別するために天然物マスク(natural product masks)が市場に入ったのはごく最近のことである。当該技術分野で知られているヒドロゲルは、重合により製造されるポリアクリル酸(またはその塩)に基づくか、または化学合成によってゲルを形成するさらなる生成物、例えばポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルアルコール(PVA)または他のカルボマーを含む。
【0005】
他方、天然物マスクは、天然原料または天然ポリマー(セルロース、ゼラチン、多糖類およびそれらの混合物を含む)から開発されたものである。さらに、海藻ベースおよびケルプベースの多糖類を含む原料から直接得られる天然物がある。
【0006】
残念ながら、天然物を使用する予め形成されたマスクは、天然物が、所望の利益をもたらすように意図された方法で個人の皮膚に塗布されるのに十分に安定したゲルを形成することができないという欠点を有する。
【0007】
したがって、ユーザ固有の個人用製品の形成および開発に対応する装置を利用しつつ、個人の顔または身体に塗布されるために、天然および合成的に変更された材料に基づいて十分に安定したマスクを生成することができる製品および装置を開発することが、当該技術分野で依然として必要とされている。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、個人への適用のために化粧品マスクをカスタマイズするための方法、組成物および装置を提供し、化粧品マスクは、加熱された場合に、個人への特定の適用のためにカスタマイズされるゲル状調合物(gel-like formulation)を含む。
【0009】
1つの態様において、本発明は、沸点に近い温度への物質の加熱、次いで、その物質が、個人の顔または身体への適用のためのゲル状マスクの形態をとることができる温度への冷却の間で揺れ動く方法で、物質を加熱するように具体的に設計された装置を記載する。
【0010】
別の態様では、本発明は、溶媒、保水剤(humectant)、増粘剤、酸、水、および有効量の寒天を含む半固体出発調合物(semi-solid starting formulation)を提供する。ここで、半固体出発調合物は加熱されるとヒドロゲルを形成する。好ましくは、半固体出発調合物は、加熱されると、まだ温かい間に個人の皮膚に塗布され、次いで、調合物が皮膚上で完全に冷却されると、ゲル状材料を形成する。
【0011】
これらの特徴、ならびに様々な代替の実施形態は、本発明の以下の詳細な説明の内容から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明の新規な特徴は、本発明の特許請求の範囲の形式において具現化され、本明細書に記載される。本発明の特徴および利点は、本発明の例示的な実施形態および好ましい特徴を記載する以下の本発明の詳細な説明ならびに添付の図面を参照することによって最もよく理解され得る。
【0013】
図1図1は、本発明の装置における加熱前の半固体調合物を含む容器を示す。
【0014】
図2図2は、本発明の方法のステップを示す。
【0015】
図3図3は、本発明に記載の物質の加熱/冷却に使用するための特殊な加熱装置を示す。
【0016】
図4図4は、本発明の装置および要素の個々のコンポーネントを示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本明細書では、ユーザのために個別化されたフェイスマスクおよびボディマスクの制作における使用に関する方法、組成物および装置が記載される。マスクは、天然および合成的に変更された生成物ベースの物質の使用によって処方される。当該物質は、特殊な装置へ挿入された後に塗布される。装置は、物質を沸点に近い温度まで加熱し、その後、物質は、個人の皮膚に適用するために十分に冷却される。
【0018】
いくつかの実施形態において、本発明の方法は、以下のステップ、すなわち、マスク適用のための所望の領域を洗浄するステップと、熱ゲル生成装置(thermo gel creation apparatus)に半固体調合物を入れるステップと、半固体調合物がゲル状物質に変化するように、熱ゲル生成装置が半固体調合物を加熱することを可能にするステップと、個人の顔または身体に層状に、冷却されるとマスクになるように、ゲル状物質を塗布するステップと、15分~45分の間、所定の位置で、マスクを冷却し安定させるステップと、を含む。任意選択的に、マスクが冷却されて所定の位置で安定する時間は、10分~40分の間である。
【0019】
代替の実施形態では、本発明の装置は、半固体調合物を沸点に近い温度にするために加熱要素を提供する。任意に、調合物が沸点に近い温度になると、次いで、熱を除去するか、または冷却要素を装置に加えることによって、調合物を冷却させる。一旦、調合物が身体の皮膚の火傷を回避するのに十分に冷却されると、調合物は、個人の顔、身体または皮膚上にブラッシングされ、それによってマスクを形成する。好ましくは、マスクは、顔または身体に塗布されている間、少なくとも10分~少なくとも40分の期間、冷却される。最も好ましくは、冷却時間は15分~30分である。
【0020】
所定の実施形態において、天然および合成的に変更された調合物は、以下のバリエーションの材料を使用して作製される。
【0021】
セルロース誘導体:本明細書において使用に適したセルロース誘導体の例としては、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、プロピオン酸カルボン酸セルロースアセテート(cellulose acetate propionate carboxylate)、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、メチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、微結晶セルロース、セルロース硫酸ナトリウム、およびそれらの混合物が挙げられる。本明細書において、アルキル置換セルロースも有用である。これらのポリマーにおいて、セルロースポリマーのヒドロキシ基は、ヒドロキシアルキル化(好ましくはヒドロキシエチル化またはヒドロキシプロピル化)されてヒドロキシアルキル化セルロースを形成し、次いでこれは、エーテル結合を介してC10~C30の直鎖または分岐鎖アルキル基でさらに修飾される。典型的には、これらのポリマーは、C10~C30の直鎖または分枝鎖アルコールとヒドロキシアルキルセルロースとのエーテルである。本明細書で有用なアルキル基の例には、ステアリル、イソステアリル、ラウリル、ミリスチル、セチル、イソセチル、ココイル(すなわち、ココナッツオイルのアルコールに由来するアルキル基)、パルミチル、オレイル、リノレイル、リノレニル、リシノレイル、ベヘニル、およびそれらの混合物からなる群から選択されるものが含まれる。
【0022】
天然ポリマー:本明細書において使用に適した天然ポリマーには、ゼラチン、多糖類、およびそれらの混合物が含まれる。本明細書で使用する多糖類は、好ましくは紅色の海藻多糖類(red seaweed polysaccharides)、グルコマンナン(glucomannans)、ガラクトマンナン、発酵多糖類またはその誘導体、褐色の海藻多糖類(brown seaweed polysaccharides)、海洋無脊椎動物の抽出物、デンプンまたはその誘導体、天然果実の抽出物、植物繊維誘導体、ケルプ(kelp)、天然植物の浸出液、樹脂ガム、およびそれらの混合物から選択される。好ましくは、ローカストビーンガムが、本発明の半固体調合物のための増粘剤および粘度増強剤として使用される。
【0023】
ゼラチン:本明細書においてゼラチンが装置に使用される場合、高分子量ゼラチンを低分子量ゼラチンと組み合わせて溶解度を制御する。20,000以下の低分子量のゼラチンは、ゲル化能力に乏しい。ゼラチンは、コラーゲンの不可逆的に加水分解された形態であり、ここで、加水分解によって、タンパク質フィブリル(protein fibrils)が、より小さなペプチドになる。このゼラチンは、加水分解コラーゲンとしても知られている。この好ましい実施形態は、本発明において、最適な方法で水分を維持し、皮膚の弾力性を補助するゲル化剤として使用される。
【0024】
褐色の海藻多糖類:褐色の海藻多糖類として分類される多糖類は、褐藻綱(Phaebophyceae)の様々な種から抽出することによって単離される。本明細書において使用に適した褐色の海藻多糖類には、アルギン、アルギン酸、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸カルシウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコール、およびそれらの混合物が含まれる。
【0025】
紅色の海藻多糖類:紅色の海藻多糖類として分類される多糖類は、紅藻網(Rhodophyceae)のクラスに属する海洋植物種から単離される。紅色の海藻多糖類は、水性ゲルに機械的強度を提供する。好ましくは、本明細書で使用する紅色の海藻多糖類は、寒天、アガロース、カッパ-カラギーナン(kappa-carrageenan)およびフルセラリア(furcellaran)、またはそれらの混合物から選択される。
【0026】
グルコマンナン:グルコマンナンは、グルコースおよびマンノース残基の本質的に直鎖状の骨格を含む多糖類である。グルコマンナンは、その直鎖骨格に結合した短い側枝を有し、アセチル基が、糖単位のC-6位にランダムに存在する。一般に、アセチル基は、6糖単位あたり1つ~20糖単位あたり1つ見られる。本明細書で使用するのに適したグルコマンナンまたはその誘導体は、グルコースに対するマンノースの比が約0.2~約3である。本明細書で使用するのに好ましいグルコマンナンには、コンニャクマンナンおよび脱アセチル化コンニャクマンナン(deacetylated konjac mannan)、またはそれらの混合物が含まれる。
【0027】
プロパンジオール:プロパンジオール、またはプロピレングリコールは、粘性があり、無色であり、本発明において溶媒として使用される合成有機化合物である。それはまた、防腐剤として使用され、ケルプ(アルギン酸プロピレングリコールは、ケルプ由来のアルギン酸のエステルである)に由来する。プロパンジオールまたは下記の構造体を有する化合物は、本発明で使用される溶媒および/または防腐剤の好ましい実施形態である。
【0028】
寒天:寒天(Agar, or agar-agar)は、紅藻(red algae)に由来し、以下の構造体を有するゼリー状物質である。
寒天の化学構造は、2つの多糖類のアガロースおよびアガロペクチンの混合物からなる。多糖混合物の約70%を構成するアガロースは、アガロビオース(D-ガラクトースおよび3,6-アンヒドロ-L-ガラクトピラノースからなる二糖類)の繰り返し単位を含む線状ポリマーである。寒天混合物のその他の30%近くを構成するアガロペクチンは、D-ガラクトースおよびL-ガラクトースの繰り返し単位も含む複数のより小さな分子の融合物(amalgamation)である。寒天は一般に、剪断力に耐性があり、ヒステリシスとして知られる特性を示す(寒天は、65℃の室温でゲルのままであり、約85℃で溶融する一方、約36℃で固化する)。寒天は、本発明の好ましいゲル化剤であり、半固体調合物が安定に加熱され、次いで冷却されるとゲル状物質になるために、理想的である。
【0029】
グリセリン:本発明の半固体調合物の好ましい保水剤であるグリセリンは、以下の構造を有するポリオール化合物である。
ポリオール化合物は、水への溶解性および化合物の吸湿性を含む特性をもたらす3つのヒドロキシル基を有する。グリセリンは、植物源(例えば、大豆またはヤシ)から誘導されるか、または合成的に生成される。グリセリンは、本発明の半固体調合物に適切な潤滑特性を提供する。
【0030】
シリカ:好ましくは、本発明の調合物は、増粘剤および沈降防止剤(anti-settling agent)として所定の増強された特性を供給するために、親水性ヒュームドシリカ(未処理ヒュームドシリカ粉末)を利用する。また、この形態のシリカは、より良好な吸着速度を提供し、混合されて個人の皮膚に塗布されると、調合物の固化防止(anti-caking)を発揮する。
【0031】
クロロフィリン-銅錯体:銅クロロフィリン(Cu-Chl)は、抗酸化効果や脱臭効果等の生物活性特性(bioactive properties)に起因して、所定の健康上の利点があることが知られている異なるクロリン分子のクロロフィル由来の混合物である。本明細書で使用される好ましい実施形態は、以下の構造を有する銅誘導体である。
【0032】
フレグランス:本発明の半固体調合物は、本明細書中に記載される方法において使用するためのさらなる健康上の利点を有する好ましいフレグランスの選択をさらに含む。具体的には、所定のオイルおよび抽出物が使用される。すなわち、ボスウェリアカルテリ(Boswellia carterii)由来のオイル(フランキンセンスオイル)、ピサムサティバム(Pisum sativum)の抽出物(スイートピーオイル)、およびククミスサティバス(Cucumis sativus)抽出物(キュウリ抽出物)が使用される。好ましくは、各オイルまたは抽出物は、全調合物の2%未満の量で存在する。
【0033】
合成ペプチド:所定のペプチドは、タンパク質の生物活性特性に基づいて、皮膚コンディショニングおよび/または皮膚の再生を大幅に改善することが示されている。好ましくは、本発明の半固体調合物は、皮膚コンディショニング剤として合成的に誘導された上皮成長因子(Epidermal Growth Factor)を含む。
【0034】
:ヒアルロン酸(HA)は、身体によって自然に生成され、皮膚、結合組織および眼において最大量である。その主な機能は、水を保持し、所定の組織を湿潤/潤滑に保つことである。HAは、本明細書中に記載される方法の一部として、皮膚を水和し、修復し、湿潤化するために、本調合物において利用される。
【0035】
ビタミン:皮膚に塗布される物質の最終形態にとって重要なビタミンには、ビタミンE(トコフェロール)、ビタミンC(アスコルビン酸)およびビタミンB(ナイアシンアミド)が含まれる。これらの特定のビタミンは、本明細書において、抗酸化および皮膚修復特性、UV光線からの保護ならびに皮膚の色調の改善のために、それぞれ使用される。
【0036】
活性炭:任意選択で、半固体調合物は、皮膚内の毛穴から汚れおよび油を抽出するための活性炭を含み得る。
【0037】
実施例
I.調合物の組成
【0038】
半固体調合物は、以下の表に従って、以下の実施形態を含み、新規な成分配列に基づいて開発された。
【表1】
【表2】
【0039】
調合物AおよびBは、本発明の組成物のための好ましい実施形態である。2つの調合物間の主な違いは、脂性肌に使用される、調合物Bにおける活性炭要素の添加である。
【0040】
これらの組成物は、USPグレードの製造技術を用いて処方され、半固体調合物を内側に付着させない容器に保存された。
【0041】
図1は、本発明の半固体調合物10の安定した形態を維持する代表的な容器15を示す。
【0042】
II.半固体調合物を液体に変換し、次いで皮膚に適用するために冷却するための新規な加熱装置の使用
【0043】
図2に概説された例示的な方法ステップによれば、半固体調合物10を個人の皮膚に適切に塗布するように、使用前に半固体調合物10を溶融するため、加熱装置50によって調合物の沸点直下の温度まで調合物を(約25分間)最初に加熱しなければならない(図3)。その後、任意選択で、加熱装置50は、ユーザが適切な時間で調合物を塗布するために温度を低下させる(および低下した温度を維持する)。これにより、半固体の初期形態から、次いで溶融され、塗布前にゲル状物質になる半液体調合物10の変更を可能にする。調合物がゲル状の段階に達すると、ゲル状調合物は、皮膚に塗布され、ここで、本発明のサーマルマスクまたは化粧品マスクの最終製品を形成するために適切に冷却される。
【0044】
任意選択で、アプリケータを使用して、ゲル状調合物を個人の皮膚に塗布する。
【0045】
図3は、加熱装置50の好ましい実施形態を示す。加熱装置50は、半固体調合物10が溶融前に最初に入れられる、より小さい取り外し可能なバスケット68を収容することができる内側ボウル(図示せず)を有する断熱ハウジング60を備える。
【0046】
また、加熱装置50は、加熱段階中に調合物の温度に応じて異なる色を表示するインジケータライト62および電源ボタン64を備えることができる。蓋66は、加熱全体を通して適切な温度を維持するために、通気口67を伴い、加熱装置50の上に配置される。
【0047】
図4に示すように、本発明の装置は、構成部品に分割されている。加熱装置50は60Hzで110V~220Vの電圧を有し、総電力は150Wである。それによって、電源コード74は、適切なACコンセントに接続される。この電源は、内側ボウル70が取り外し可能なバスケット68を最適な温度に加熱して、初期の半固体調合物10を沸点直下の温度に液化することを可能にする。取り外し可能なバスケット68はユーザを熱から保護するために、ハンドル72を介して加熱装置50から取り外すことができる。ガスケット71は、温度を維持し、ハウジング60に断熱性を提供するために設けられている。
【0048】
本発明は以下の理由により、既存の技術水準を上回る改善を提供する。第1に、市販されている現在の製品は、予め形成されたマスクであるか、または低温で塗布される液体であるかのいずれかである。これは、実際に皮膚の毛穴を閉じ、それによって、本発明の物質の皮膚へのより深い浸透を妨げ、その結果、ユーザに対する効能および処置的価値(therapeutic value)の損失を生じる。第2に、市販されている既存の製品は水ベースであり、(塗布される厚さのレベルに応じて)最大1時間の皮膚上での長い乾燥時間を必要とする。本発明は、所望の効能を失うことなく数分で除去することができるゲル状材料を使用して、温かい温度で塗布し冷却する。さらに、ゲル状マスクは、最初の温かい適用(したがって、ユーザの皮膚の毛穴を開く)という利点を提供し、マスクが冷えるときにマスクを所定の位置に維持する(それによって、剥離によって顔または身体から除去することを容易にし、液体形態と比較した場合に残留物をほとんど、または全く残さない)という追加の利点を提供する。
【0049】
本明細書に開示された特徴の全ては、任意の組合せで組み合わせることができる。本明細書に開示された各特徴は、同一、同等または類似の目的を果たす代替的特徴によって置換することができる。したがって、特に断らない限り、開示される各特徴は、同等または類似の特徴の一般的なシリーズの一例にすぎない。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形は複数形を含む。例えば、「a」、「an」、および「the」という用語には、明記されていない限り、複数形の参照を含む。さらに、一連の要素に先行する用語「少なくとも」は一連の要素のすべてを指すものとして理解されるべきである。本明細書に例示的に記載された本発明は、本明細書に具体的に開示されていない任意の要素または限定無しで適切に実施することができる。したがって、例えば、用語「含む」、「備える」、「含有する」等は、拡張的にかつ限定無しで読まれるべきである。さらに、本明細書で使用される用語および表現は、限定ではなく説明の用語として使用されており、そのような用語および表現の使用において、将来的に示され説明される均等物またはその任意の部分を排除する意図はなく、特許請求の範囲の本発明の範囲内で様々な修正が可能であることが認識される。したがって、本発明は好ましい実施形態および任意の特徴によって具体的に開示されてきたが、本明細書に開示された本発明の修正および変形は当業者に頼ることができ、そのような修正および変形は本明細書に開示された本発明の範囲内であると考えられることを理解されたい。本発明は、本明細書において広くかつ一般的に記載されてきた。包括的開示の範囲内に入るより狭い種および亜属のグループ(narrower species and subgeneric groupings)の各々もまた、これらの本発明の一部を形成する。これは、除かれる材料が具体的にそこに存在するか否かに関わらず、属から任意の主題を除くネガティブリミテーションまたは条件を伴う各発明の一般的な説明を含む。さらに、発明の特徴または態様がマーカッシュグループに関して記載されている場合、当業者は、本発明がそれによって、マーカッシュグループの任意の個々の部材または部材のサブグループに関しても記載されていることを認識するのであろう。また、上記の説明は例示を意図したものであり、限定を意図したものではないことを理解されたい。多くの実施形態は、上記の説明を検討することにより当業者に明らかになるのであろう。したがって、本発明の範囲は、上記の説明を参照せずに決定されるべきであり、その代わりに、添付の特許請求の範囲、ならびにそのような請求項が権利を有する均等物の全範囲を参照して決定されるべきである。当業者は、日常的な実験のみを用いて、記載された本発明の特定の実施形態に対する多くの均等物を認識するか、または確認することができるであろう。このような均等物は、以下の特許請求の範囲に含まれることが意図されている。
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2024-03-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧品マスクとして使用するための調合物であって、
(a)溶媒と、
(b)保水剤と、
(c)増粘剤と、
(d)酸と、
(e)所定量の精製水と、
(f)有効量の寒天とを含み、
半固体出発調合物は、加熱されるとヒドロゲルを形成することを特徴とする調合物。
【外国語明細書】