(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024069224
(43)【公開日】2024-05-21
(54)【発明の名称】非平滑フィルムを含む、複合物品、及びそれを含む調度品
(51)【国際特許分類】
B32B 5/26 20060101AFI20240514BHJP
B32B 27/12 20060101ALI20240514BHJP
B32B 27/32 20060101ALI20240514BHJP
B32B 1/00 20240101ALI20240514BHJP
B32B 5/28 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
B32B5/26
B32B27/12
B32B27/32 E
B32B1/00 Z
B32B5/28
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024021897
(22)【出願日】2024-02-16
(62)【分割の表示】P 2020567932の分割
【原出願日】2019-06-06
(31)【優先権主張番号】62/681,607
(32)【優先日】2018-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】514102858
【氏名又は名称】ハンファ アズデル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100128428
【弁理士】
【氏名又は名称】田巻 文孝
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ リーチン
(72)【発明者】
【氏名】メイソン マーク オー
(57)【要約】
【課題】多孔質コア層と、前記多孔質コア層の第1の表面上に配置された非平滑フィルムと、を含む、熱可塑性複合物品を提供する。複合物品は、必要に応じて、調度品、調度品シャーシ、または調度品構成要素に使用できる。
【解決手段】
1つ以上の表面に非平滑フィルムを含む、軽量強化熱可塑性(LWRT)複合物品の特定の態様である。いくつかの構成で、複合物品は、フィルム層の少なくとも1つが非平滑な表面を含む、多層フィルムを含む。一態様で、調度品は、上面、上面に結合された側面、及び側面に結合された裏面を含み、ここで、上面、側面、及び裏面が一緒になって、ユーザがアクセス可能な内部収納領域を形成し、裏面は、熱可塑性材料によって一緒に保持された強化繊維のウェブと、コア層上に配置された多層フィルムと、を含むコア層を含み、多層フィルムの非平滑フィルム層は、調度品の裏面の外面上に配置される。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
調度品であって、前記調度品が、
上面と、
前記上面に結合された側面と、
前記側面に結合された裏面と、を含み、前記上面、前記側面、及び前記裏面が一緒になって、ユーザがアクセス可能な内部収納領域を形成し、前記裏面が、熱可塑性材料によって一緒に保持された強化繊維のウェブと、コア層上に配置された多層フィルムと、を含む前記コア層を含み、前記多層フィルムの非平滑フィルム層が、前記調度品の前記裏面の外面上に配置される、調度品。
【請求項2】
前記コア層が、20重量%~80重量%の強化繊維及び20重量%~80重量%の熱可塑性材料を含む、請求項1に記載の調度品。
【請求項3】
前記強化繊維がガラス繊維を含み、前記熱可塑性材料がポリオレフィンを含む、請求項2に記載の調度品。
【請求項4】
前記多層フィルムが、前記非平滑フィルム層の下にポリオレフィンフィルム層を含む、請求項1に記載の調度品。
【請求項5】
前記裏面の前記外面が、触針式段差計を使用して試験した場合、機械方向に12マイクロメートル未満、直交方向に17マイクロメートル未満の表面粗さを備える、請求項1に記載の調度品。
【請求項6】
前記裏面の前記外面が、前記機械方向に15マイクロメートル未満、前記直交方向に20マイクロメートル未満のRMS粗さを備える、請求項1に記載の調度品。
【請求項7】
前記裏面の前記外面が、前記機械方向に90マイクロメートル未満、前記直交方向に125マイクロメートル未満の最大粗さを備える、請求項1に記載の調度品。
【請求項8】
前記裏面の前記外面が、30mN/m未満の表面エネルギーを含む、請求項1に記載の調度品。
【請求項9】
前記多層フィルムの厚さが、0.1mmと0.2mmの間である、請求項1に記載の調度品。
【請求項10】
前記多層フィルムが、前記非平滑フィルム層と接着剤層との間に結着層を含む、請求項1に記載の調度品。
【請求項11】
前記調度品が、少なくとも1つの引き出しを受けるように構成される、請求項1に記載の調度品。
【請求項12】
前記調度品が、少なくとも1つの扉を受けるように構成される、請求項1に記載の調度品。
【請求項13】
前記調度品が、少なくとも1つの引き戸を受けるように構成される、請求項1に記載の調度品。
【請求項14】
前記裏面が、1600gsm未満の坪量及び4mm未満の厚さを備える、請求項1に記載の調度品。
【請求項15】
前記コア層が、強化ガラス繊維及びポリプロピレン熱可塑性材料を含む、請求項1に記載の調度品。
【請求項16】
前記多層フィルムが、前記非平滑フィルム層と下位層との間に結着層を含む、請求項15に記載の調度品。
【請求項17】
前記下位層が接着剤を含み、前記非平滑フィルム層がポリオレフィン及び充填剤を含む、請求項16に記載の調度品。
【請求項18】
前記接着剤が、90~150℃の溶融温度を有するホットメルト接着剤を含む、請求項17に記載の調度品。
【請求項19】
前記裏面がセルロースを含まない、請求項1に記載の調度品。
【請求項20】
少なくとも1つの側面が、熱可塑性材料によって一緒に保持された強化繊維のウェブを備える、第2のコア層と、前記第2のコア層上に配置された第2の多層フィルムと、を含み、前記第2の多層フィルムの非平滑フィルム層が、前記調度品の前記側面の外面上に配置される、請求項1に記載の調度品。
【請求項21】
調度品シャーシを含む調度品に支持及び形状を提供するように構成された前記調度品シャーシであって、記調度品シャーシが、熱可塑性材料によって一緒に保持された強化繊維のウェブを含むコア層を含む、裏打ち層を含み、前記裏打ち層が更に、前記コア層上に配置された多層フィルムを含み、前記多層フィルムの非平滑フィルム層が、前記裏打ち層の外面上に配置される、調度品シャーシ。
【請求項22】
前記コア層が、20重量%~80重量%の強化繊維及び20重量%~80重量%の熱可塑性材料を含む、請求項21に記載の調度品シャーシ。
【請求項23】
前記強化繊維がガラス繊維を含み、前記熱可塑性材料がポリオレフィンを含む、請求項22に記載の調度品シャーシ。
【請求項24】
前記多層フィルムが、非平滑フィルム層の下にポリオレフィンフィルム層を含む、請求項21に記載の調度品シャーシ。
【請求項25】
前記裏打ち層の前記外面が、触針式段差計を使用して試験した場合、機械方向に12マイクロメートル未満、直交方向に17マイクロメートル未満の表面粗さを備える、請求項21に記載の調度品シャーシ。
【請求項26】
前記裏打ち層の前記外面が、前記機械方向に15マイクロメートル未満、前記直交方向に20マイクロメートル未満のRMS粗さを備える、請求項21に記載の調度品シャーシ。
【請求項27】
前記裏打ち層の前記外面が、前記機械方向に90マイクロメートル未満、前記直交方向に125マイクロメートル未満の最大粗さを備える、請求項21に記載の調度品シャーシ。
【請求項28】
前記裏打ち層の前記外面が、30mN/m未満の表面エネルギーを含む、請求項21に記載の調度品シャーシ。
【請求項29】
前記多層フィルムの厚さが、0.1mmと0.2mmの間である、請求項21に記載の調度品シャーシ。
【請求項30】
前記多層フィルムが、前記非平滑フィルム層と接着剤層との間に結着層を含む、請求項21に記載の調度品シャーシ。
【請求項31】
前記シャーシが、少なくとも1つの引き出しを受けるように構成される、請求項21に記載の調度品シャーシ。
【請求項32】
前記シャーシが、少なくとも1つの扉を受けるように構成される、請求項21に記載の調度品シャーシ。
【請求項33】
前記シャーシが、少なくとも1つの引き戸を受けるように構成される、請求項21に記載の調度品シャーシ。
【請求項34】
前記裏打ち層が、1600gsm未満の坪量及び4mm未満の厚さを含む、請求項21に記載の調度品シャーシ。
【請求項35】
前記コア層が、強化ガラス繊維及びポリプロピレン熱可塑性材料を含む、請求項21に記載の調度品シャーシ。
【請求項36】
前記多層フィルムが、前記非平滑フィルム層と下位層との間に結着層を含む、請求項35に記載の調度品シャーシ。
【請求項37】
前記下位層が接着剤を含み、前記非平滑フィルム層がポリオレフィン及び充填剤を含む、請求項36に記載の調度品シャーシ。
【請求項38】
前記接着剤が、90~150℃の溶融温度を有するホットメルト接着剤を含む、請求項37に記載の調度品シャーシ。
【請求項39】
前記裏打ち層がセルロースを含まない、請求項21に記載の調度品シャーシ。
【請求項40】
前記シャーシが、熱可塑性材料によって一緒に保持された強化繊維のウェブを備える、第2のコア層と、前記第2のコア層上に配置された第2の多層フィルムと、を含む、少なくとも1つの側面を備え、前記第2の多層フィルムの非平滑フィルム層が、前記調度品の前記側面の外面上に配置される、請求項21に記載の調度品シャーシ。
【請求項41】
上面、前記上面に結合された側面、及び前記側面に結合された裏面を含む、キャビネットであって、前記キャビネットの前記裏面が、熱可塑性材料によって一緒に保持された強化繊維のウェブと、コア層上に配置された多層フィルムと、を含む前記コア層を含み、前記多層フィルムの非平滑フィルム層が、前記キャビネットの前記裏面の外面上に配置される、キャビネット。
【請求項42】
前記裏面がセルロースを含まない、請求項41に記載のキャビネット。
【請求項43】
少なくとも1つの固定具を受けるように構成された陳列ケースであって、前記陳列ケースが、熱可塑性材料によって一緒に保持された強化繊維のウェブを備える、コア層と、前記コア層上に配置された多層フィルムと、を含む、裏面を備え、前記多層フィルムの非平滑フィルム層が、前記陳列ケースの前記裏面の外面上に配置される、陳列ケース。
【請求項44】
前記裏面がセルロースを含まない、請求項43に記載の陳列ケース。
【請求項45】
シャーシ及び少なくとも1つの非平滑な表面を含む、調度品であって、前記非平滑な表面が、コア層、及び前記コア層上に配置された多層フィルムを含み、前記コア層が、強化繊維及び熱可塑性材料を含み、前記多層フィルムが、前記少なくとも1つの非平滑な表面の外面上の非平滑フィルム層を含む、調度品。
【請求項46】
少なくとも1つの非平滑な表面を含む、非自動車用シャーシであって、前記非平滑な表面が、コア層、及び前記コア層上に配置された多層フィルムを含み、前記コア層が、強化繊維及び熱可塑性材料を含み、前記多層フィルムが、前記少なくとも1つの非平滑な表面の外面上の非平滑フィルム層を含む、非自動車用シャーシ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本出願は、2018年6月6日出願の米国特許仮出願第62/681,607号に対する優先権及び利益を主張し、その開示全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本明細書に記載の特定の例は、1つ以上の表面上の非平滑フィルムを含む、複合物品に関する。更に具体的には、本明細書に記載の特定の例は、1つ以上の非平滑フィルムを備える、調度品、調度品組み立て体などに関する。
【背景技術】
【0003】
複合材料は、建設及び建造、自動車及びレクリエーショナル・ビークルなどの様々な業種で幅広い用途がある。これらの業種で使用するために、複合材料はしばしば特定の物理的特性を持っている必要がある。
【発明の概要】
【0004】
1つ以上の表面に非平滑フィルムを含む、軽量強化熱可塑性(LWRT)複合物品の特定の態様、実施形態、構成及び例である。いくつかの構成で、複合物品は、フィルム層の少なくとも1つが非平滑な表面を含む、多層フィルムを含み得る。
【0005】
一態様で、調度品は、上面、上面に結合された側面、及び側面に結合された裏面を含み、ここで、上面、側面、及び裏面が一緒になって、ユーザがアクセス可能な内部収納領域を形成し、裏面は、熱可塑性材料によって一緒に保持された強化繊維のウェブと、コア層上に配置された多層フィルムと、を含むコア層を含み、多層フィルムの非平滑フィルム層は、調度品の裏面の外面上に配置される。
【0006】
いくつかの構成で、コア層は、20重量%~80重量%の強化繊維、及び20重量%~80重量%の熱可塑性材料を含む。他の構成で、強化繊維はガラス繊維を含み、熱可塑性材料はポリオレフィンを含む。いくつかの実施形態で、多層フィルムは、非平滑フィルム層の下にポリオレフィンフィルム層を含む。
【0007】
他の実施形態で、裏面の外面は、触針式段差計を使用して試験した場合、機械方向に12マイクロメートル未満、直交方向に17マイクロメートル未満の表面粗さを備える。
【0008】
いくつかの例で、裏面の外面は、機械方向に15マイクロメートル未満、直交方向に20マイクロメートル未満のRMS粗さを備える。
【0009】
他の例で、裏面の外面は、機械方向に90マイクロメートル未満、直交方向に125マイクロメートル未満の最大粗さを備える。
【0010】
いくつかの実施形態で、裏面の外面は、30mN/m未満の表面エネルギーを備える。
【0011】
他の例で、多層フィルムの厚さは、0.1mmと0.2mmの間である。
【0012】
いくつかの例で、多層フィルムは、非平滑フィルム層と接着剤層との間に結着層を含む。
【0013】
いくつかの例で、調度品は、少なくとも1つの引き出しを受けるように構成される。他の例で、調度品は、少なくとも1つの扉を受けるように構成される。いくつかの例で、調度品は、少なくとも1つの引き戸を受けるように構成される。
【0014】
他の実施形態で、裏面は、1600gsm未満の坪量及び4mm未満の厚さを備える。いくつかの例で、コア層は、強化ガラス繊維及びポリプロピレン熱可塑性材料を備える。他の例で、多層フィルムは、非平滑フィルム層と下位層との間に結着層を備える。いくつかの実施形態で、下位層は接着剤を含み、非平滑フィルム層はポリオレフィン及び充填剤を含む。いくつかの例で、接着剤は、90~150℃の溶融温度を有するホットメルト接着剤を含む。
【0015】
他の例で、裏面はセルロースを含まない。
【0016】
いくつかの例で、少なくとも1つの側面は、熱可塑性材料によって一緒に保持された強化繊維のウェブを備える、第2のコア層と、第2のコア層上に配置された第2の多層フィルムと、を含み、ここで、第2の多層フィルムの非平滑フィルム層は、調度品の側面の外面上に配置される。
【0017】
別の態様で、調度品シャーシを備える調度品に支持及び形状を提供するように構成された、調度品シャーシが提供される。いくつかの構成で、調度品シャーシは、熱可塑性材料によって一緒に保持された強化繊維のウェブを備える、コア層を備える、裏打ち層を含み、ここで、裏打ち層は、コア層上に配置された多層フィルムを更に含み、多層フィルムの非平滑フィルム層は、裏打ち層の外面上に配置される。
【0018】
特定の実施形態で、コア層は、20重量%~80重量%の強化繊維、及び20重量%~80重量%の熱可塑性材料を含む。他の実施形態で、強化繊維はガラス繊維を含み、熱可塑性材料はポリオレフィンを含む。特定の例で、多層フィルムは、非平滑フィルム層の下にポリオレフィンフィルム層を含む。いくつかの例で、裏打ち層の外面は、触針式段差計を使用して試験した場合、機械方向に12マイクロメートル未満、直交方向に17マイクロメートル未満の表面粗さを備える。他の例で、裏打ち層の外面は、機械方向に15マイクロメートル未満、直交方向に20マイクロメートル未満のRMS粗さを備える。追加の例で、裏打ち層の外面は、機械方向に90マイクロメートル未満、直交方向に125マイクロメートル未満の最大粗さを備える。いくつかの実施形態で、裏打ち層の外面は、30mN/m未満の表面エネルギーを備える。
【0019】
いくつかの例で、多層フィルムの厚さは、0.1mmと0.2mmの間である。他の例で、多層フィルムは、非平滑フィルム層と接着剤層との間に結着層を含む。
【0020】
特定の例で、シャーシは、少なくとも1つの引き出しを受けるように構成される。他の例で、シャーシは、少なくとも1つの扉を受けるように構成される。いくつかの実施形態で、シャーシは、少なくとも1つの引き戸を受けるように構成される。特定の例で、裏打ち層は、1600gsm未満の坪量及び4mm未満の厚さを備える。いくつかの実施形態で、コア層は、強化ガラス繊維及びポリプロピレン熱可塑性材料を備える。他の実施形態で、多層フィルムは、非平滑フィルム層と下位層との間に結着層を備える。いくつかの例で、下位層は接着剤を含み、非平滑フィルム層はポリオレフィン及び充填剤を含む。いくつかの実施形態で、接着剤は、90~150℃の溶融温度を有するホットメルト接着剤を含む。特定の例で、裏打ち層はセルロースを含まない。他の例で、シャーシは、熱可塑性材料によって一緒に保持された強化繊維のウェブを備える、第2のコア層と、第2のコア層上に配置された第2の多層フィルムと、を含む、少なくとも1つの側面を備え、ここで、第2の多層フィルムの非平滑フィルム層は、調度品の側面の外面上に配置される。
【0021】
別の態様で、上面、上面に結合された側面、及び側面に結合された裏面を備える、キャビネットが説明される。特定の構成で、キャビネットの裏面は、熱可塑性材料によって一緒に保持された強化繊維のウェブを含むコア層と、コア層上に配置された多層フィルムと、を含み、ここで、多層フィルムの非平滑フィルム層は、キャビネットの裏面の外面上に配置される。場合によっては、裏面はセルロースを含まない。
【0022】
追加の態様で、少なくとも1つの固定具を受けるように構成された、陳列ケースが提供される。いくつかの例で、陳列ケースは、熱可塑性材料によって一緒に保持された強化繊維のウェブを含むコア層と、コア層上に配置された多層フィルムと、を含む裏面を含み、ここで、多層フィルムの非平滑フィルム層は、陳列ケースの裏面の外面上に配置される。特定の例で、裏面はセルロースを含まない。
【0023】
別の態様で、シャーシ及び少なくとも1つの非平滑な表面を備える、調度品が開示される。いくつかの例で、非平滑な表面は、コア層、及びコア層上に配置された多層フィルムを含み、コア層は、強化繊維及び熱可塑性材料を含み、多層フィルムは、少なくとも1つの非平滑な表面の外面上の非平滑フィルム層を含む。
【0024】
別の態様で、少なくとも1つの非平滑な表面を含む、非自動車用シャーシが説明される。いくつかの例で、非平滑な表面は、コア層、及びコア層上に配置された多層フィルムを含み、コア層は、強化繊維及び熱可塑性材料を含み、多層フィルムは、少なくとも1つの非平滑な表面の外面上の非平滑フィルム層を含む。
【0025】
更なる態様、構成、実施形態、例及び特徴が、以下により詳細に記載される。
【0026】
複合物品の特定の例示的な構成は、以下の図を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1A】特定の構成による、片方の表面上の非平滑フィルム層に結合された、プリプレグまたはコア層を備える、複合物品の図である。
【
図1B】特定の構成による、片方の表面上の非平滑フィルム層と、もう片方の表面上のスキン層に結合された、プリプレグまたはコア層を備える、複合物品の図である。
【
図1C】特定の構成による、複合物品の片方の表面上の非平滑フィルム層の図である。
【
図2A】特定の実施形態による、片方の表面上の非平滑な二層フィルムに結合された、プリプレグまたはコア層を備える、複合物品の図である。
【
図2B】特定の例による、片方の表面上の非平滑な二層フィルムと、もう片方の表面上のスキン層に結合された、プリプレグまたはコア層を備える、複合物品の図である。
【
図2C】特定の例による、複合物品の片方の表面上の非平滑な二層フィルムの図である。
【
図3A】特定の実施形態による、片方の表面上の非平滑な三層フィルムに結合された、プリプレグまたはコア層を備える、複合物品の図である。
【
図3B】特定の例による、片方の表面上の非平滑な三層フィルムと、もう片方の表面上のスキン層に結合された、プリプレグまたはコア層を備える、複合物品の図である。
【
図3C】特定の例による、複合物品の片方の表面上の非平滑な三層フィルムの図である。
【
図4A】特定の例による、片方の表面上の非平滑な四層フィルムに結合された、プリプレグまたはコア層を備える、複合物品の図である。
【
図4B】特定の構成による、片方の表面上の非平滑な四層フィルムと、もう片方の表面上のスキン層に結合された、プリプレグまたはコア層を備える、複合物品の図である。
【
図4C】特定の構成による、複合物品の片方の表面上の非平滑な四層フィルムの図である。
【
図5】いくつかの例による、結合された2つのプリプレグまたはコア層と、非平滑フィルム層と、を備える、複合物品の図である。
【
図6】いくつかの例による、結合された2つのプリプレグまたはコア層と、二層の非平滑フィルムと、を備える、複合物品の図である。
【
図7】いくつかの例による、結合された2つのプリプレグまたはコア層と、三層の非平滑フィルムと、を備える、複合物品の図である。
【
図8】いくつかの例による、結合された2つのプリプレグまたはコア層と、非平滑な四層フィルムと、を備える、複合物品の図である。
【
図9】いくつかの例による、天井タイルグリッドの図である。
【
図10】いくつかの例による、キュービクルパネルの図である。
【
図11】いくつかの例による、壁パネルの図である。
【
図12】いくつかの実施形態による、レクリエーショナル・ビークルの内部パネルの図である。
【
図13】いくつかの実施形態による、レクリエーショナル・ビークルの外部パネルの図である。
【
図14】いくつかの構成による、調度品キャビネットの図である。
【
図15】いくつかの構成による、引き出し付きの調度品キャビネットの図である。
【
図16A】いくつかの構成による、扉付きの調度品キャビネットの図である。
【
図16B】いくつかの構成による、引き戸付きの調度品キャビネットの図である。
【
図17】いくつかの構成による、調度品シャーシの図である。
【
図18A】非平滑フィルムへの染料の添加を示す、写真である。
【
図18B】非平滑フィルム上に添加された染料の広がりを示す、写真である。
【0028】
本開示の利点を考えると、当業者であれば、図に示す例示的な表現が便宜上提供されて、より良い理解を容易にすることを認識するであろう。図の構成要素の正確な形状、長さ、幅、厚さ、幾何学的配置、及び全体的な配向は、使用目的と所望の特性によって異なり得る。
【発明を実施するための形態】
【0029】
互いに結合された2つ以上の層を含み得る、複合物品のいくつかの構成の例が記載されている。様々な層が図に示され、以下に説明されるが、異なる層の厚さ、サイズ、及び形状は同じである必要はなく、図に示されるものとは異なる厚さ、サイズ、及び形状であり得る。更に、構成要素の正確な配置または層化を変更することができる、または中間層が、図に示される例示的な層の間に存在し得る。多層フィルムが説明される場合、フィルムは、2つ、3つ、またはそれ以上の層を含み得て、それらのいずれも、非平滑化加工されていても加工されてなくてもよい。場合によっては、多層フィルムの最外層は、非平滑フィルム層を含み、多層フィルムの他の層は、非平滑フィルム層を含んでも含まなくてもよい。
【0030】
特定の実施形態で、本明細書に記載の物品は一般に、別の層に結合されたプリプレグまたはコア層を備える。プリプレグは、完全には形成されていないコア層であり得て、最終的なコア層を形成するために処理される材料を含み得る。例えば、プリプレグは、強化繊維と組み合わせて熱可塑性材料を含み得るが、完全には形成されていない、または熱の適用によって軟化状態で存在し得る。プリプレグは、コア層を提供するために、プレス、圧縮または所望の形状に成形することができる。プリプレグ層に結合された他の層は、コアを完全に形成する前に、またはコアを完全に形成した後に追加することができる。他の層は、接着剤を使用してプリプレグまたはコア層に結合することができ、または場合によっては、プリプレグまたはコア層と他の層との間に接着剤を使用せずに、プリプレグまたはコア層を他の層に直接結合することができる。
【0031】
特定の例で、プリプレグまたはコア層は、軽量強化熱可塑性(LWRT)物品に使用することができる。LWRTは、高い剛性対重量比、低い部品重量、単純で低コストの部品形成工程、低い熱膨張係数、再利用性などを含む、特定の望ましい特性を提供できるが、これらに限定されない。LWRTは、自動車業界で幅広い用途があり、内装と外装の両方の用途向けの様々な種類のソフトトリムが含まれる。レクリエーショナル・ビークル、商用トレーラートラック、及び同様の用途は、LWRT物品の幅広い用途の別のカテゴリを表す。完成した調度品、未完成の調度品、調度品シャーシ、天井タイル、オフィスパネル、キュービクルパネル、ならびに建設及び建造業界も、本書に記載のLWRT物品を使用する、またはそれを含めることができる。
【0032】
特定の例で及び
図1Aを参照すると、プリプレグまたはコア層110と、プリプレグまたはコア層110の表面112上に配置されたフィルム層120と、を含む、複合物品100が示される。特定の例で、プリプレグまたはコア層110は、熱可塑性材料及び強化繊維を含み得て、これらは、熱可塑性材料によってウェブの一般的な形態で所定の位置に保持され得る。繊維は一般に、任意の特定の配向や構成なしにランダムに配置できる。特定の例で、プリプレグまたはコア層110の熱可塑性材料は、繊維形態、粒子形態、樹脂形態、または他の適切な形態で存在し得る。特定の実施形態で、プリプレグまたはコア層110は一般に、空隙がプリプレグまたはコア層110に存在するように、かなりの量の連続気泡構造を含む。例えば、プリプレグまたはコア層110は、0~30%、10~40%、20~50%、30~60%、40~70%、50~80%、60~90%、0~40%、0~50%、0~60%、0~70%、0~80%、0~90%、10~50%、10~60%、10~70%、10~80%、10~90%、10~95%、20~60%、20~70%、20~80%、20~90%、20~95%、30~70%、30~80%、30~90%、30~95%、40~80%、40~90%、40~95%、50~90%、50~95%、60~95% 70~80%、70~90%、70~95%、80~90%、80~95%、またはこれらの例示的な範囲内の任意の例示的な値の空隙率または多孔度を含み得る。場合によっては、プリプレグまたはコア層110は、0%超(例えば、それは完全には固化されていない)から最大約95%までの多孔度または空隙率を含む。特に明記しない限り、特定の空隙率または多孔度を備える、プリプレグまたはコア層への言及は、プリプレグまたはコア層の総体積に基づいており、必ずしもプリプレグまたはコア層、プラス、プリプレグもしくはコア層と結合された任意の他の材料または層の総体積ではない。
【0033】
特定の実施形態にて、プリプレグまたはコア層110の熱可塑性材料は、少なくとも部分的に、可塑化及び非可塑化の両方のポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリルスチレン、ブタジエン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテトラクロレート、及びポリ塩化ビニルのうちの1つ以上、ならびにこれらの材料の相互または他のポリマー材料とのブレンドを含み得る。他の適切な熱可塑性プラスチックには、ポリアリーレンエーテル、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、熱可塑性ポリエステル、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー、非晶質ナイロン、ポリアリーレンエーテルケトン、ポリフェニレンスルファイド、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、液晶ポリマー、PARMAX(登録商標)として市販されているポリ(1,4フェニレン)化合物、耐熱性ポリカーボネート(例えば、Bayer製APEC(登録商標)PCなど)、耐熱性ナイロン、及びシリコーン、ならびにこれらの材料の相互または他のポリマー材料との合金及びブレンドが含まれるが、これらに限定されない。プリプレグまたはコア層110を形成するために使用される、未加工の熱可塑性材料は、粉末形態、樹脂形態、ロジン形態、繊維形態または他の適切な形態で使用できる。様々な形態の例示的な熱可塑性材料が本明細書に記載されており、例えば、米国特許公開第20130244528号及び米国特許第20120065283号にも記載されている。プリプレグまたはコア層110に存在する熱可塑性材料の正確な量は変動する可能性があり、例示的な量は約20重量%~約80重量%の範囲である。
【0034】
特定の例で、本明細書に記載のプリプレグまたはコア層110の強化繊維は、ガラス繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、合成有機繊維(特に、高弾性な有機繊維(例えば、パラ及びメタアラミド繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、または繊維としての使用に適した任意の高メルトフローインデックス樹脂))、天然繊維(例えば、アサ、サイザル、黄麻、亜麻、コイル、ケナフ及びセルロース繊維)、鉱物繊維(例えば、玄武岩、鉱物ウール(例えば、ロックまたはスラグウール)、ウォラストナイト、アルミナシリカなど、またはそれらの混合物)、金属繊維、金属化天然及び/または合成繊維、セラミック繊維、ヤーン繊維、またはこれらの混合物を含むことができる。場合によっては、1つの種類の強化繊維を、鉱物繊維(例えば、溶融鉱物をスピニングまたは線引きすることによって形成された繊維)と共に使用することができる。例示的な鉱物繊維には、鉱物ウール繊維、グラスウール繊維、ストーンウール繊維、及びセラミックウール繊維が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、前述の繊維のいずれかを使用前に化学的に処理して、所望の官能基を提供する、または繊維に他の物理的特性を付与することができる。プリプレグまたはコア層110の総繊維含有量は、プリプレグの約20重量%~約90重量%、更に具体的には、プリプレグの約30重量%~約70重量%であり得る。通常、プリプレグまたはコア層110を備える複合物品の繊維含有量は、複合物品の約20重量%と約90重量%の間、更に具体的には約30重量%と約80重量%の間(例えば、約40重量%と約70重量%の間)で変動する。使用される繊維の特定のサイズ及び/または配向は、少なくとも部分的に、使用されるポリマー材料及び/または得られるプリプレグの所望の特性に依存し得る。適切な追加の種類の繊維、繊維のサイズ及び量は、本開示の利点を考えると、当業者であれば容易に選択するであろう。1つの非限定的な例示にて、プリプレグまたはコア層を提供するために熱可塑性材料内に分散された繊維は一般に、約5マイクロメートルを超える直径、更に具体的には約5マイクロメートル~約22マイクロメートルの直径、及び約5mm~約200mmの長さを有する。更に具体的には、繊維の直径は約5マイクロメートル~約22マイクロメートルであり得て、繊維の長さは約5mm~約75mmであり得る。いくつかの構成で、難燃性材料が繊維形態で存在し得る。例えば、プリプレグまたはコア層110は、熱可塑性材料、強化繊維、及び難燃性材料を含む繊維(例えば、EG材料または無機難燃性材料を含む繊維)を含み得る。難燃性繊維は、本明細書に記載の難燃性材料のうちのいずれか1つ以上(例えば、適切なダイまたは他の装置を使用して押し出されて繊維に切断された、水酸化物と配合されたポリプロピレン繊維、または適切なダイまたは他の装置を使用して押し出されて繊維に切断された、水酸化物と配合されたポリプロピレン繊維と混合されたEG材料)を含み得る。
【0035】
いくつかの構成で、プリプレグまたはコア層110は、特定の用途の有害物質要件に関する制限を満たすために、実質的にハロゲンフリーまたはハロゲンフリーのプリプレグであり得る。他の例で、プリプレグは、ハロゲン化難燃剤(難燃性材料中に存在することができる、または難燃性材料に添加することができる)(例えば、1つ以上のF、Cl、Br、I及びAt、または例えばテトラブロモビスフェノールAポリカーボネート、もしくはモノハロ-、ジハロ-、トリハロ-もしくはテトラハロ-ポリカーボネートのようなハロゲンを含む、化合物)を含み得る。場合によっては、プリプレグ及びコアに使用される熱可塑性材料は、別の難燃剤を添加せずに、ある程度の難燃性を付与するために1つ以上のハロゲンを含み得る。例えば、熱可塑性材料は、難燃性材料が存在することに加えて、ハロゲン化され得る、または未加工の熱可塑性材料がハロゲン化され、それ自体で使用され得る。ハロゲン化難燃剤が存在する場合、難燃剤は、望ましくは、存在する他の成分に応じて変化し得る難燃剤の量で存在する。例えば、難燃性材料に加えて存在するハロゲン化難燃剤は、(プリプレグの重量に基づいて)約0.1重量%~約40重量%、更に具体的には約0.1重量%~約15重量%、例えば、約5重量%~約15重量%で存在し得る。必要に応じて、2つの異なるハロゲン化難燃剤を、プリプレグに加えることができる。他の例で、非ハロゲン化難燃剤(例えば、N、P、As、Sb、Bi、S、Se、及びTeのうちの1つ以上を含む、難燃剤)を添加することができる。いくつかの実施形態で、非ハロゲン化難燃剤は、リン含有材料を含み得て、そうしてプリプレグまたはコア層は、より環境に優しくなり得る。非ハロゲン化または実質的にハロゲンフリーの難燃剤が存在する場合、難燃剤は、望ましくは、存在する他の成分に応じて変化し得る難燃剤の量で存在する。例えば、実質的にハロゲンフリーの難燃剤は、(プリプレグの重量に基づいて)約0.1重量%~約40重量%、より具体的には約5重量%~約40重量%、例えば、プリプレグの重量に基づいて約5重量%~約15重量%で存在し得る。必要に応じて、2つの異なる実質的にハロゲンフリーの難燃剤を、プリプレグに加えることができる。特定の例で、本明細書に記載のプリプレグは、1つ以上の実質的にハロゲンフリーの難燃剤と組み合わせて、1つ以上のハロゲン化難燃剤を含むことができる。2つの異なる難燃剤が存在する場合、2つの難燃剤の組み合わせは、存在する他の成分に応じて変化し得る難燃剤の量で存在し得る。例えば、存在する難燃剤の総重量は、(プリプレグまたはコアの重量に基づいて)約0.1重量%~約40重量%、更に具体的には約5重量%~約40重量%、例えば、プリプレグまたはコアの重量に基づいて約2重量%~約14重量%であり得る。本明細書に記載のプリプレグまたはコアで使用される難燃剤は、熱可塑性材料及び繊維を含む混合物に添加することができ(ワイヤスクリーンまたは他の処理要素で混合物を廃棄する前に)、またはプリプレグまたはコアが形成された後に添加することができる。
【0036】
特定の例で、フィルム層120は、プリプレグまたはコア層110に直接結合することができる、または接着剤層は、プリプレグまたはコア層110とフィルム層120との間に存在することができる、またはフィルム層120自体は、接着剤層、もしくはフィルム層120の他の層をプリプレグもしくはコア層110に接着するように機能できる層を含み得る。使用できるフィルム層の様々な特定の構成について、以下で詳しく説明する。一般に、フィルム層は、物品全体に所望の物理的特性を提供することができる、1つ以上のポリマー層を含む。例えば、プリプレグまたはコア層110の粗い表面を隠すことによって、物品を滑らかにするように、フィルム層120を選択することができる。他の例で、フィルム層120は、特定の表面粗さが存在するように、物品に非平滑な表面を提供することができる。更に他の例で、フィルム層は、プリプレグまたはコア層110の下にある粗さを隠す、またはそれを覆い、同時に、フィルム層120を含む、複合物品に所望の質感または感触を提供し得る。特定の例で、粗い性質のプリプレグまたはコア層110をフィルム層120と組み合わせて使用して、非平滑なまたは滑らかでない表面を提供することができる。
【0037】
フィルム層120が1つの層を含む、特定の実施形態で、フィルム層120の1つの層は、フィルム層の外表面にいくらかの質感を提供する。フィルム層120の各面は、非平滑化される必要はない。例えば、プリプレグまたはコア層110に面し、表面112上に配置されたフィルム層120の側面は、滑らかであり得る、粗い場合がある、非平滑化加工され得る、または他の物理的特性を有し得る。表面112とは反対側に面する、フィルム層120の側面は、フィルム層120を含む、物品全体にいくらかの質感を提供し得る。様々な材料がフィルム層120に存在することができるが、フィルム層120は通常は、1つ以上の熱可塑性材料を含む。例えば、フィルムの特定の層は、米国特許第20170217121号に記載の材料を含み得る。
【0038】
いくつかの構成で、複合物品は、プリプレグまたはコア層110の別の表面に配置された、追加の層を含み得る。
図1Bを参照すると、スキン層160は、プリプレグまたはコア層110の表面114上に配置されているとして示されている。必要に応じて、スキン層160は、フィルム層120と同じであってもよく、または異なっていてもよい。例えば、層160は、例えば、スクリム(例えば、繊維系スクリム)、箔、織布、不織布を含み得る、またはプリプレグまたはコア層110上に配置された無機コーティング、有機コーティング、もしくは熱硬化性コーティングとして存在し得る。他の例で、層160は、1996年付けのISO4589に従って測定されるように、約22を超える限界酸素指数を含み得る。繊維系スクリムが層160として(または、その一部として)存在する場合、繊維系スクリムは、ガラス繊維、アラミド繊維、グラファイト繊維、炭素繊維、無機鉱物繊維、金属繊維、金属化合成繊維、及び金属化無機繊維のうちの少なくとも1つを含み得る。熱硬化性コーティングが層160として(または、その一部として)存在する場合、コーティングは、不飽和ポリウレタン、ビニルエステル、フェノール及びエポキシのうちの少なくとも1つを含み得る。無機コーティングが層160として(または、その一部として)存在する場合、無機コーティングは、Ca、Mg、Ba、Si、Zn、Ti及びAlから選択される、カチオンを含む鉱物を含み得る、または石膏、炭酸カルシウム及びモルタルのうちの少なくとも1つを含み得る。不織布が層160として(または、その一部として)存在する場合、不織布は、熱可塑性材料、熱硬化性結合剤、無機繊維、金属繊維、金属化無機繊維、及び金属化合成繊維を含み得る。層120、160の厚さは、同じでも異なっていてもよい。必要に応じて、中間層(図示せず)を、層110と層120との間に、または層110と層160との間に存在させることができる。
【0039】
特定の実施形態で及び
図1Cを参照すると、フィルム層120は、1つ以上の熱可塑性材料と、フィルム層120の表面122上に存在する非平滑な表面と、を含み得る。表面124は、非平滑で滑らかであり得る、または非平滑な領域及び滑らかな領域を有し得る。表面122の質感は、表面全体にわたって同じまたは均一である必要はない。例えば、質感を提供するための表面122の突起または窪みは、異なるサイズ及び/または深さを有し得る。いくつかの例で、フィルム層120は、これらに限定されないが、可塑化及び非可塑化の両方のポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリルスチレン、ブタジエン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテトラクロレート、ポリ塩化ビニル、及びこれらの材料の相互または他のポリマー材料とのブレンドを含む、1つ以上の熱可塑性材料を含み得る。フィルム層120に存在することができる、他の適切な熱可塑性材料には、ポリアリーレンエーテル、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、熱可塑性ポリエステル、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー、非晶質ナイロン、ポリアリーレンエーテルケトン、ポリフェニレンスルファイド、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、液晶ポリマー、PARMAX(登録商標)として市販されているポリ(1,4フェニレン)化合物、耐熱性ポリカーボネート(例えば、Bayer製APEC(登録商標)PCなど)、耐熱性ナイロン、及びシリコーン、ならびにこれらの材料の相互または他のポリマー材料との合金及びブレンドが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの例で、フィルム層は、ホモポリマー、コポリマー、ポリマーブレンドなどとして存在することができる、1つ以上のポリオレフィン材料を含み得る。フィルム層は、層に押し出しまたは共押し出しすることができ、パターンまたは他の特徴は、フィルム層120の表面122にエンボス加工、プレス加工、または他の方法で形成され得る。例えば、表面122は、物理的処理(例えば、サンドブラスト、粉体コーティング、サンディング、エッチングなど)に供されて、表面122に質感を付与することができる。表面は、表面にいくらかの質感を付与するために、突起または窪み、あるいはその両方を含み得る。必要に応じて、接着剤層(図示せず)をフィルム層120と共に使用して、フィルム層120を下にあるコア層または他の層に結合することができる。いくつかの実施形態で、フィルム層120は、ポリウレタン材料を含み得る、または層120は、ポリウレタン接着剤材料と共に使用され得る。フィルム層120は、必要に応じて、添加剤(例えば、着色剤または充填剤(例えば、繊維、粒子など))を含むことができる。
【0040】
特定の例で及び
図2Aを参照すると、プリプレグまたはコア層210と、プリプレグまたはコア層210の表面212上に配置された二層フィルム220と、を含む、複合物品200が示される。特定の例で、プリプレグまたはコア層210は、プリプレグまたはコア層110に関連して説明したような、材料及び構成のいずれかを含み得る。例えば、プリプレグまたはコア層210は、熱可塑性材料及び強化繊維を含み得て、これらは、熱可塑性材料によってウェブの一般的な形態で所定の位置に保持され得る。繊維は一般に、任意の特定の配向や構成なしにランダムに配置できる。特定の例で、プリプレグまたはコア層210の熱可塑性材料は、繊維形態、粒子形態、樹脂形態、または他の適切な形態で存在し得る。特定の実施形態で、プリプレグまたはコア層210は一般に、空隙がプリプレグまたはコア層210に存在するように、かなりの量の連続気泡構造を含む。例えば、プリプレグまたはコア層210は、0~30%、10~40%、20~50%、30~60%、40~70%、50~80%、60~90%、0~40%、0~50%、0~60%、0~70%、0~80%、0~90%、10~50%、10~60%、10~70%、10~80%、10~90%、10~95%、20~60%、20~70%、20~80%、20~90%、20~95%、30~70%、30~80%、30~90%、30~95%、40~80%、40~90%、40~95%、50~90%、50~95%、60~95% 70~80%、70~90%、70~95%、80~90%、80~95%、またはこれらの例示的な範囲内の任意の例示的な値の空隙率または多孔度を含み得る。場合によっては、プリプレグまたはコア層210は、0%超(例えば、それは完全には固化されていない)から最大約95%までの多孔度または空隙率を含む。特に明記しない限り、特定の空隙率または多孔度を備える、プリプレグまたはコア層210への言及は、プリプレグまたはコア層210の総体積に基づいており、必ずしもプリプレグまたはコア層210、プラス、プリプレグもしくはコア層210と結合された任意の他の材料または層の総体積ではない。
【0041】
特定の実施形態にて、プリプレグまたはコア層210の熱可塑性材料は、少なくとも部分的に、可塑化及び非可塑化の両方のポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリルスチレン、ブタジエン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテトラクロレート、及びポリ塩化ビニルのうちの1つ以上、ならびにこれらの材料の相互または他のポリマー材料とのブレンドを含み得る。他の適切な熱可塑性プラスチックには、ポリアリーレンエーテル、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、熱可塑性ポリエステル、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー、非晶質ナイロン、ポリアリーレンエーテルケトン、ポリフェニレンスルファイド、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、液晶ポリマー、PARMAX(登録商標)として市販されているポリ(1,4フェニレン)化合物、耐熱性ポリカーボネート(例えば、Bayer製APEC(登録商標)PCなど)、耐熱性ナイロン、及びシリコーン、ならびにこれらの材料の相互または他のポリマー材料との合金及びブレンドが含まれるが、これらに限定されない。プリプレグまたはコア層210を形成するために使用される、未加工の熱可塑性材料は、粉末形態、樹脂形態、ロジン形態、繊維形態または他の適切な形態で使用できる。様々な形態の例示的な熱可塑性材料が本明細書に記載されており、例えば、米国特許公開第20130244528号及び米国特許第20120065283号にも記載されている。プリプレグまたはコア層210に存在する熱可塑性材料の正確な量は、変動する可能性があり、例示的な量は、約20重量%~約80重量%の範囲である。
【0042】
特定の例で、本明細書に記載のプリプレグまたはコア層210の強化繊維は、ガラス繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、合成有機繊維(特に、高弾性な有機繊維(例えば、パラ及びメタアラミド繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、または繊維としての使用に適した任意の高メルトフローインデックス樹脂))、天然繊維(例えば、アサ、サイザル、黄麻、亜麻、コイル、ケナフ及びセルロース繊維)、鉱物繊維(例えば、玄武岩、鉱物ウール(例えば、ロックまたはスラグウール)、ウォラストナイト、アルミナシリカなど、またはそれらの混合物)、金属繊維、金属化天然及び/または合成繊維、セラミック繊維、ヤーン繊維、またはこれらの混合物を含むことができる。場合によっては、1つの種類の強化繊維を、鉱物繊維(例えば、溶融鉱物をスピニングまたは線引きすることによって形成された繊維)と共に使用することができる。例示的な鉱物繊維には、鉱物ウール繊維、グラスウール繊維、ストーンウール繊維、及びセラミックウール繊維が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、前述の繊維のいずれかを使用前に化学的に処理して、所望の官能基を提供する、または繊維に他の物理的特性を付与することができる。プリプレグまたはコア層210の総繊維含有量は、プリプレグの約20重量%~約90重量%、更に具体的には、プリプレグの約30重量%~約70重量%であり得る。通常、プリプレグまたはコア層210を備える複合物品の繊維含有量は、複合物品の約20重量%と約90重量%の間、更に具体的には約30重量%と約80重量%の間(例えば、約40重量%と約70重量%の間)で変動する。使用される繊維の特定のサイズ及び/または配向は、少なくとも部分的に、使用されるポリマー材料及び/または得られるプリプレグの所望の特性に依存し得る。適切な追加の種類の繊維、繊維のサイズ及び量は、本開示の利点を考えると、当業者であれば容易に選択するであろう。1つの非限定的な例示にて、プリプレグまたはコア層を提供するために熱可塑性材料内に分散された繊維は一般に、約5マイクロメートルを超える直径、更に具体的には約5マイクロメートル~約22マイクロメートルの直径、及び約5mm~約200mmの長さを有する。更に具体的には、繊維の直径は約5マイクロメートル~約22マイクロメートルであり得て、繊維の長さは約5mm~約75mmであり得る。いくつかの構成で、難燃性材料が繊維形態で存在し得る。例えば、プリプレグまたはコア層210は、熱可塑性材料、強化繊維、及び難燃性材料を含む繊維(例えば、EG材料または無機難燃性材料を含む繊維)を含み得る。難燃性繊維は、本明細書に記載の難燃性材料のうちのいずれか1つ以上(例えば、適切なダイまたは他の装置を使用して押し出されて繊維に切断された、水酸化物と配合されたポリプロピレン繊維、または適切なダイまたは他の装置を使用して押し出されて繊維に切断された、水酸化物と配合されたポリプロピレン繊維と混合されたEG材料)を含み得る。
【0043】
いくつかの構成で、プリプレグまたはコア層210は、特定の用途の有害物質要件に関する制限を満たすために、実質的にハロゲンフリーまたはハロゲンフリーのプリプレグであり得る。他の例で、プリプレグは、ハロゲン化難燃剤(難燃性材料中に存在することができる、または難燃性材料に添加することができる)(例えば、1つ以上のF、Cl、Br、I及びAt、または例えばテトラブロモビスフェノールAポリカーボネート、もしくはモノハロ-、ジハロ-、トリハロ-もしくはテトラハロ-ポリカーボネートのようなハロゲンを含む、化合物)を含み得る。場合によっては、プリプレグ及びコアに使用される熱可塑性材料は、別の難燃剤を添加せずに、ある程度の難燃性を付与するために1つ以上のハロゲンを含み得る。例えば、熱可塑性材料は、難燃性材料が存在することに加えて、ハロゲン化され得る、または未加工の熱可塑性材料がハロゲン化され、それ自体で使用され得る。ハロゲン化難燃剤が存在する場合、難燃剤は、望ましくは、存在する他の成分に応じて変化し得る難燃剤の量で存在する。例えば、難燃性材料に加えて存在するハロゲン化難燃剤は、(プリプレグの重量に基づいて)約0.1重量%~約15重量%、更に具体的には約1重量%~約13重量%、例えば、約5重量%~約13重量%で存在し得る。必要に応じて、2つの異なるハロゲン化難燃剤を、プリプレグに加えることができる。他の例で、非ハロゲン化難燃剤(例えば、N、P、As、Sb、Bi、S、Se、及びTeのうちの1つ以上を含む、難燃剤)を添加することができる。いくつかの実施形態で、非ハロゲン化難燃剤は、リン含有材料を含み得て、そうしてプリプレグまたはコア層は、より環境に優しくなり得る。非ハロゲン化または実質的にハロゲンフリーの難燃剤が存在する場合、難燃剤は、望ましくは、存在する他の成分に応じて変化し得る難燃剤の量で存在する。例えば、実質的にハロゲンフリーの難燃剤は、(プリプレグの重量に基づいて)約0.1重量%~約40重量%、より具体的には約5重量%~約40重量%、例えば、プリプレグの重量に基づいて約5重量%~約15重量%で存在し得る。必要に応じて、2つの異なる実質的にハロゲンフリーの難燃剤を、プリプレグに加えることができる。特定の例で、本明細書に記載のプリプレグは、1つ以上の実質的にハロゲンフリーの難燃剤と組み合わせて、1つ以上のハロゲン化難燃剤を含むことができる。2つの異なる難燃剤が存在する場合、2つの難燃剤の組み合わせは、存在する他の成分に応じて変化し得る難燃剤の量で存在し得る。例えば、存在する難燃剤の総重量は、(プリプレグまたはコアの重量に基づいて)約0.1重量%~約40重量%、更に具体的には約5重量%~約40重量%、例えば、プリプレグまたはコアの重量に基づいて約2重量%~約15重量%であり得る。本明細書に記載のプリプレグまたはコアで使用される難燃剤は、熱可塑性材料及び繊維を含む混合物に添加することができ(ワイヤスクリーンまたは他の処理要素で混合物を廃棄する前に)、またはプリプレグまたはコアが形成された後に添加することができる。
【0044】
特定の例で、二層フィルム220は、プリプレグまたはコア層210に直接結合することができる、または接着剤層は、プリプレグまたはコア層210と二層フィルム220との間に存在することができる、または二層フィルム220自体の層のうちの1つは、接着剤層、もしくは二層フィルム220の他の層をプリプレグまたはコア層210に接着するように機能できる層を含み得る。一般に、二層フィルム220は、物品全体に所望の物理的特性を提供することができる、1つ以上のポリマー層を含む。例えば、プリプレグまたはコア層210の粗い表面を隠すことによって、物品を滑らかにするように、二層フィルム220を選択することができる。他の例で、二層フィルム220は、特定の表面粗さが存在するように、物品に質感を提供することができる。更に他の例で、二層フィルム220は、プリプレグまたはコア層210の下にある粗さを隠す、またはそれを覆い、同時に、二層フィルム220を含む、複合物品に所望の質感または感触を提供し得る。特定の例で、粗い性質のプリプレグまたはコア層210を二層フィルム220と組み合わせて使用して、非平滑なまたは滑らかでない表面を提供することができる。
【0045】
特定の実施形態で、二層フィルム220は、フィルム220の外表面にいくらかの質感を提供することができる。フィルム220の各面は、非平滑化される必要はない。例えば、プリプレグまたはコア層210に面し、表面212上に配置されたフィルム220の側面は、滑らかであり得る、粗い場合がある、非平滑化加工され得る、または他の物理的特性を有し得る。表面212とは反対側に面する、フィルム220の側面は、フィルム220を含む、物品全体にいくらかの質感を提供し得る。様々な材料がフィルム220に存在することができるが、フィルム220は通常、1つ以上の熱可塑性材料を含む。例えば、フィルムの特定の層は、米国特許第20170217121号に記載の材料を含み得る。いくつかの例で、二層フィルム220の少なくとも1つの層は、熱可塑性材料を含み、非平滑な表面を提供し、二層フィルム220の他の層は、接着剤層として機能する。米国特許第20170217121号に記載されているように、フィルム220の層は、充填剤を含んでも、含まなくてもよい。
【0046】
いくつかの構成で、複合物品は、プリプレグまたはコア層210の別の表面に配置された、追加の層を含み得る。
図2Bを参照すると、スキン層260は、プリプレグまたはコア層210の表面214上に配置されているとして示されている。必要に応じて、スキン層260は、フィルム層120と同じであってもよく、または異なっていてもよい。例えば、層260は、例えば、スクリム(例えば、繊維系スクリム)、箔、織布、不織布を含み得る、またはプリプレグまたはコア層210上に配置された無機コーティング、有機コーティング、もしくは熱硬化性コーティングとして存在し得る。他の例で、層260は、1996年付けのISO4589に従って測定されるように、約22を超える限界酸素指数を含み得る。繊維系スクリムが層260として(または、その一部として)存在する場合、繊維系スクリムは、ガラス繊維、アラミド繊維、グラファイト繊維、炭素繊維、無機鉱物繊維、金属繊維、金属化合成繊維、及び金属化無機繊維のうちの少なくとも1つを含み得る。熱硬化性コーティングが層260として(または、その一部として)存在する場合、コーティングは、不飽和ポリウレタン、ビニルエステル、フェノール及びエポキシのうちの少なくとも1つを含み得る。無機コーティングが層260として(または、その一部として)存在する場合、無機コーティングは、Ca、Mg、Ba、Si、Zn、Ti及びAlから選択される、カチオンを含む鉱物を含み得る、または石膏、炭酸カルシウム及びモルタルのうちの少なくとも1つを含み得る。不織布が層260として(または、その一部として)存在する場合、不織布は、熱可塑性材料、熱硬化性結合剤、無機繊維、金属繊維、金属化無機繊維、及び金属化合成繊維を含み得る。フィルム220及び層260の厚さは、同じであっても異なっていてもよい。必要に応じて、中間層(図示せず)を、層210とフィルム220との間に、または層210と層260との間に存在させることができる。
【0047】
特定の実施形態で及び
図2Cを参照すると、二層フィルム220は、1つ以上の熱可塑性材料と、フィルム層220の表面221上に存在する非平滑な表面と、を含み得る。二層フィルム220は、例えば、介在層または材料なしに、互いに直接結合することができる、または接着剤、スポット溶接もしくは他の手段を介して互いに結合することができる、第1フィルム層222及び第2フィルム層224を含み得る。表面223は、非平滑で滑らかであり得る、または非平滑な領域及び滑らかな領域を有し得る。表面221の質感は、表面全体にわたって同じまたは均一である必要はない。例えば、質感を提供するための表面221の突起または窪みは、異なるサイズ及び/または深さを有し得る。いくつかの例で、二層フィルム220の各層222、224は、これらに限定されないが、可塑化及び非可塑化の両方のポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリルスチレン、ブタジエン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテトラクロレート、ポリ塩化ビニル、及びこれらの材料の相互または他のポリマー材料とのブレンドを含む、1つ以上の熱可塑性材料を含み得る。二層フィルム220の層222、224のそれぞれに存在することができる、他の適切な熱可塑性材料には、ポリアリーレンエーテル、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、熱可塑性ポリエステル、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー、非晶質ナイロン、ポリアリーレンエーテルケトン、ポリフェニレンスルファイド、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、液晶ポリマー、PARMAX(登録商標)として市販されているポリ(1,4フェニレン)化合物、耐熱性ポリカーボネート(例えば、Bayer製APEC(登録商標)PCなど)、耐熱性ナイロン、及びシリコーン、ならびにこれらの材料の相互または他のポリマー材料との合金及びブレンドが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの例で、フィルム層222、224はそれぞれ、ホモポリマー、コポリマー、ポリマーブレンドなどとして存在することができる、1つ以上のポリオレフィン材料を含み得る。フィルム層222、224は、層に押し出しまたは共押し出しすることができ、パターンまたは他の特徴は、フィルム層222の表面221にエンボス加工、プレス加工、または他の方法で形成され得る。例えば、表面221は、物理的処理(例えば、サンドブラスト、粉体コーティング、サンディング、エッチングなど)に供されて、表面221に質感を付与することができる。必要に応じて、接着剤層(図示せず)をフィルム層220と共に使用して、フィルム層220を下にあるコア層または他の層に結合することができる。いくつかの例で、層222、224のうちの1つは、ポリウレタン材料(例えば、ポリウレタン接着剤)を含み得る。いくつかの実施形態で、層222は、ポリオレフィン材料(例えば、ポリエチレンまたはポリプロピレン)を含み得て、層224は、ホットメルト接着剤層(例えば、約90℃~150℃の溶融温度を有するもの)として構成され得る。他の構成で、層222は、ポリオレフィン材料(例えば、ポリエチレンまたはポリプロピレン)を含み得て、層224は、コア層210、またはコア層210と層224の間に存在する接着剤層に結合できる、結着層として構成され得る。フィルム層222、224のいずれか1つ以上は、必要に応じて、添加剤(例えば、着色剤または充填剤(例えば、繊維、粒子など))を含み得る。あるいは、フィルム層222、224のうちの任意の1つ以上は、充填剤を含まない場合がある。層222、224は、ほぼ同じ厚さを有するものとして示されているが、任意の1つの層の全体の厚さは、他の層と同じでも、異なっていてもよい。いくつかの例で、二層フィルム220は、約0.1~約0.2mmの全体の厚さを含み得るが、より薄いまたはより厚い二層フィルム層も使用できる。
【0048】
特定の例で及び
図3Aを参照すると、プリプレグまたはコア層310と、プリプレグまたはコア層310の表面312上に配置された三層フィルム320と、を含む、複合物品300が示される。特定の例で、プリプレグまたはコア層310は、プリプレグまたはコア層110に関連して説明したような、材料及び構成のいずれかを含み得る。例えば、プリプレグまたはコア層310は、熱可塑性材料及び強化繊維を含み得て、これらは、熱可塑性材料によってウェブの一般的な形態で所定の位置に保持され得る。繊維は一般に、任意の特定の配向や構成なしにランダムに配置できる。特定の例で、プリプレグまたはコア層310の熱可塑性材料は、繊維形態、粒子形態、樹脂形態、または他の適切な形態で存在し得る。特定の実施形態で、プリプレグまたはコア層310は一般に、空隙がプリプレグまたはコア層310に存在するように、かなりの量の連続気泡構造を含む。例えば、プリプレグまたはコア層310は、0~30%、10~40%、20~50%、30~60%、40~70%、50~80%、60~90%、0~40%、0~50%、0~60%、0~70%、0~80%、0~90%、10~50%、10~60%、10~70%、10~80%、10~90%、10~95%、20~60%、20~70%、20~80%、20~90%、20~95%、30~70%、30~80%、30~90%、30~95%、40~80%、40~90%、40~95%、50~90%、50~95%、60~95% 70~80%、70~90%、70~95%、80~90%、80~95%、またはこれらの例示的な範囲内の任意の例示的な値の空隙率または多孔度を含み得る。場合によっては、プリプレグまたはコア層310は、0%超(例えば、それは完全には固化されていない)から最大約95%までの多孔度または空隙率を含む。特に明記しない限り、特定の空隙率または多孔度を備える、プリプレグまたはコア層310への言及は、プリプレグまたはコア層310の総体積に基づいており、必ずしもプリプレグまたはコア層310、プラス、プリプレグもしくはコア層310と結合された任意の他の材料または層の総体積ではない。
【0049】
特定の実施形態にて、プリプレグまたはコア層310の熱可塑性材料は、少なくとも部分的に、可塑化及び非可塑化の両方のポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリルスチレン、ブタジエン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテトラクロレート、及びポリ塩化ビニルのうちの1つ以上、ならびにこれらの材料の相互または他のポリマー材料とのブレンドを含み得る。他の適切な熱可塑性プラスチックには、ポリアリーレンエーテル、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、熱可塑性ポリエステル、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー、非晶質ナイロン、ポリアリーレンエーテルケトン、ポリフェニレンスルファイド、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、液晶ポリマー、PARMAX(登録商標)として市販されているポリ(1,4フェニレン)化合物、耐熱性ポリカーボネート(例えば、Bayer製APEC(登録商標)PCなど)、耐熱性ナイロン、及びシリコーン、ならびにこれらの材料の相互または他のポリマー材料との合金及びブレンドが含まれるが、これらに限定されない。プリプレグまたはコア層310を形成するために使用される、未加工の熱可塑性材料は、粉末形態、樹脂形態、ロジン形態、繊維形態または他の適切な形態で使用できる。様々な形態の例示的な熱可塑性材料が本明細書に記載されており、例えば、米国特許公開第20130244528号及び米国特許第20120065283号にも記載されている。プリプレグまたはコア層310に存在する熱可塑性材料の正確な量は、変動する可能性があり、例示的な量は、約20重量%~約80重量%の範囲である。
【0050】
特定の例で、本明細書に記載のプリプレグまたはコア層310の強化繊維は、ガラス繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、合成有機繊維(特に、高弾性な有機繊維(例えば、パラ及びメタアラミド繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、または繊維としての使用に適した任意の高メルトフローインデックス樹脂))、天然繊維(例えば、アサ、サイザル、黄麻、亜麻、コイル、ケナフ及びセルロース繊維)、鉱物繊維(例えば、玄武岩、鉱物ウール(例えば、ロックまたはスラグウール)、ウォラストナイト、アルミナシリカなど、またはそれらの混合物)、金属繊維、金属化天然及び/または合成繊維、セラミック繊維、ヤーン繊維、またはこれらの混合物を含むことができる。場合によっては、1つの種類の強化繊維を、鉱物繊維(例えば、溶融鉱物をスピニングまたは線引きすることによって形成された繊維)と共に使用することができる。例示的な鉱物繊維には、鉱物ウール繊維、グラスウール繊維、ストーンウール繊維、及びセラミックウール繊維が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、前述の繊維のいずれかを使用前に化学的に処理して、所望の官能基を提供する、または繊維に他の物理的特性を付与することができる。プリプレグまたはコア層310の総繊維含有量は、プリプレグまたはコア層310の約20重量%~約90重量%、更に具体的には、プリプレグまたはコア層310の約30重量%~約70重量%であり得る。通常、プリプレグまたはコア層310を備える複合物品の繊維含有量は、複合物品の約20重量%と約90重量%の間、更に具体的には約30重量%と約80重量%の間(例えば、約40重量%と約70重量%の間)で変動する。使用される繊維の特定のサイズ及び/または配向は、少なくとも部分的に、使用されるポリマー材料及び/または得られるプリプレグの所望の特性に依存し得る。適切な追加の種類の繊維、繊維のサイズ及び量は、本開示の利点を考えると、当業者であれば容易に選択するであろう。1つの非限定的な例示にて、プリプレグまたはコア層を提供するために熱可塑性材料内に分散された繊維は一般に、約5マイクロメートルを超える直径、更に具体的には約5マイクロメートル~約22マイクロメートルの直径、及び約5mm~約200mmの長さを有する。更に具体的には、繊維の直径は約5マイクロメートル~約22マイクロメートルであり得て、繊維の長さは約5mm~約75mmであり得る。いくつかの構成で、難燃性材料が繊維形態で存在し得る。例えば、プリプレグまたはコア層310は、熱可塑性材料、強化繊維、及び難燃性材料を含む繊維(例えば、EG材料または無機難燃性材料を含む繊維)を含み得る。難燃性繊維は、本明細書に記載の難燃性材料のうちのいずれか1つ以上(例えば、適切なダイまたは他の装置を使用して押し出されて繊維に切断された、水酸化物と配合されたポリプロピレン繊維、または適切なダイまたは他の装置を使用して押し出されて繊維に切断された、水酸化物と配合されたポリプロピレン繊維と混合されたEG材料)を含み得る。
【0051】
いくつかの構成で、プリプレグまたはコア層310は、特定の用途の有害物質要件に関する制限を満たすために、実質的にハロゲンフリーまたはハロゲンフリーのプリプレグであり得る。他の例で、プリプレグは、ハロゲン化難燃剤(難燃性材料中に存在することができる、または難燃性材料に添加することができる)(例えば、1つ以上のF、Cl、Br、I及びAt、または例えばテトラブロモビスフェノールAポリカーボネート、もしくはモノハロ-、ジハロ-、トリハロ-もしくはテトラハロ-ポリカーボネートのようなハロゲンを含む、化合物)を含み得る。場合によっては、プリプレグ及びコアに使用される熱可塑性材料は、別の難燃剤を添加せずに、ある程度の難燃性を付与するために1つ以上のハロゲンを含み得る。例えば、熱可塑性材料は、難燃性材料が存在することに加えて、ハロゲン化され得る、または未加工の熱可塑性材料がハロゲン化され、それ自体で使用され得る。ハロゲン化難燃剤が存在する場合、難燃剤は、望ましくは、存在する他の成分に応じて変化し得る難燃剤の量で存在する。例えば、難燃性材料に加えて存在するハロゲン化難燃剤は、(プリプレグの重量に基づいて)約0.1重量%~約40重量%、更に具体的には約1重量%~約13重量%、例えば、約5重量%~約13重量%で存在し得る。必要に応じて、2つの異なるハロゲン化難燃剤を、プリプレグに加えることができる。他の例で、非ハロゲン化難燃剤(例えば、N、P、As、Sb、Bi、S、Se、及びTeのうちの1つ以上を含む、難燃剤)を添加することができる。いくつかの実施形態で、非ハロゲン化難燃剤は、リン含有材料を含み得て、そうしてプリプレグまたはコア層は、より環境に優しくなり得る。非ハロゲン化または実質的にハロゲンフリーの難燃剤が存在する場合、難燃剤は、望ましくは、存在する他の成分に応じて変化し得る難燃剤の量で存在する。例えば、実質的にハロゲンフリーの難燃剤は、(プリプレグの重量に基づいて)約0.1重量%~約40重量%、より具体的には約5重量%~約40重量%、例えば、プリプレグの重量に基づいて約5重量%~約15重量%で存在し得る。必要に応じて、2つの異なる実質的にハロゲンフリーの難燃剤を、プリプレグに加えることができる。特定の例で、本明細書に記載のプリプレグは、1つ以上の実質的にハロゲンフリーの難燃剤と組み合わせて、1つ以上のハロゲン化難燃剤を含むことができる。2つの異なる難燃剤が存在する場合、2つの難燃剤の組み合わせは、存在する他の成分に応じて変化し得る難燃剤の量で存在し得る。例えば、存在する難燃剤の総重量は、(プリプレグまたはコアの重量に基づいて)約0.1重量%~約40重量%、更に具体的には約5重量%~約40重量%、例えば、プリプレグまたはコアの重量に基づいて約2重量%~約15重量%であり得る。本明細書に記載のプリプレグまたはコアで使用される難燃剤は、熱可塑性材料及び繊維を含む混合物に添加することができ(ワイヤスクリーンまたは他の処理要素で混合物を廃棄する前に)、またはプリプレグまたはコアが形成された後に添加することができる。
【0052】
特定の例で、三層フィルム320は、プリプレグまたはコア層310に直接結合することができる、または接着剤層は、プリプレグまたはコア層310と三層フィルム320との間に存在することができる、または三層フィルム320自体の層のうちの1つは、接着剤層、もしくは三層フィルム320の他の層をプリプレグまたはコア層310に接着するように機能できる層を含み得る。一般に、三層フィルム320は、物品全体に所望の物理的特性を提供することができる、1つ以上のポリマー層を含む。例えば、プリプレグまたはコア層310の粗い表面を隠すことによって、物品を滑らかにするように、三層フィルム320を選択することができる。他の例で、三層フィルム320は、特定の表面粗さが存在するように、物品に質感を提供することができる。更に他の例では、三層フィルム320は、プリプレグまたはコア層310の下にある粗さを隠す、またはそれを覆い、同時に、三層フィルム320を含む、複合物品に所望の質感または感触を提供し得る。特定の例で、粗い性質のプリプレグまたはコア層310を三層フィルム320と組み合わせて使用して、非平滑なまたは滑らかでない表面を提供することができる。
【0053】
特定の実施形態で、三層フィルム320は、フィルム320の外表面にいくらかの質感を提供することができる。フィルム320の各面は、非平滑化される必要はない。例えば、プリプレグまたはコア層310に面し、表面312上に配置されたフィルム320の側面は、滑らかであり得る、粗い場合がある、非平滑化加工され得る、または他の物理的特性を有し得る。表面312とは反対側に面する、フィルム320の側面は、フィルム320を含む、物品全体にいくらかの質感を提供し得る。様々な材料がフィルム320に存在することができるが、フィルム320は通常、1つ以上の熱可塑性材料を含む。例えば、フィルムの特定の層は、米国特許第20170217121号に記載の材料を含み得る。いくつかの例で、三層フィルム320の少なくとも1つの層は、熱可塑性材料を含み、非平滑な表面を提供する。いくつかの例で、三層フィルム320の1つの層は、接着剤層として機能し得る。場合によっては、結着層が、非平滑な表面層と三層フィルム320の接着剤層との間に存在し得る。米国特許第20170217121号に記載されているように、フィルム320の種々のフィルム層は、充填剤を含んでも、含まなくてもよい。
【0054】
特定の構成で及び
図3Cを参照すると、三層フィルム320は、1つ以上の熱可塑性材料と、フィルム層320の表面321上に存在する非平滑な表面と、を含み得る。三層フィルム320は、第1フィルム層322、第2フィルム層324、及び第3フィルム層326を含み得る。フィルム層322、324、326のそれぞれは、例えば、介在層または材料なしに、互いに直接結合することができる、または接着剤、スポット溶接もしくは他の手段を介して互いに結合することができる。表面323は、非平滑で滑らかであり得る、または非平滑な領域及び滑らかな領域を有し得る。表面321の質感は、表面全体にわたって同じまたは均一である必要はない。例えば、質感を提供するための表面321の突起または窪みは、異なるサイズ及び/または深さを有し得る。いくつかの例で、三層フィルム320の各層322、324、326は、これらに限定されないが、可塑化及び非可塑化の両方のポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリルスチレン、ブタジエン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテトラクロレート、ポリ塩化ビニル、及びこれらの材料の相互または他のポリマー材料とのブレンドを含む、1つ以上の熱可塑性材料を含み得る。三層フィルム320の層322、324、326のそれぞれに存在することができる、他の適切な熱可塑性材料には、ポリアリーレンエーテル、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、熱可塑性ポリエステル、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー、非晶質ナイロン、ポリアリーレンエーテルケトン、ポリフェニレンスルファイド、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、液晶ポリマー、PARMAX(登録商標)として市販されているポリ(1,4フェニレン)化合物、耐熱性ポリカーボネート(例えば、Bayer製APEC(登録商標)PCなど)、耐熱性ナイロン、及びシリコーン、ならびにこれらの材料の相互または他のポリマー材料との合金及びブレンドが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの例で、フィルム層322、324、326はそれぞれ、ホモポリマー、コポリマー、ポリマーブレンドなどとして存在することができる、1つ以上のポリオレフィン材料を含み得る。フィルム層322、324、326は、層に押し出しまたは共押し出しすることができ、パターンまたは他の特徴は、フィルム層322の表面321にエンボス加工、プレス加工、または他の方法で形成され得る。例えば、表面321は、物理的処理(例えば、サンドブラスト、粉体コーティング、サンディング、エッチングなど)に供されて、表面321に質感を付与することができる。必要に応じて、接着剤層(図示せず)をフィルム層320と共に使用して、フィルム層320を下にあるコア層または他の層に結合することができる。いくつかの例で、層322、326のうちの1つは、ポリウレタン材料(例えば、ポリウレタン接着剤)を含み得る。いくつかの実施形態で、層322は、ポリオレフィン材料(例えば、ポリエチレンまたはポリプロピレン)を含み得て、層326は、ホットメルト接着剤層(例えば、約90℃~150℃の溶融温度を有するもの)として構成され得る。他の構成で、層322は、ポリオレフィン材料(例えば、ポリエチレンまたはポリプロピレン)を含み得て、層324は、結着層として構成され得て、例えば、それも、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレンまたはポリプロピレン)を含み得て、層326は、本明細書に記載されるホットメルト接着剤として構成され得る。いくつかの実施形態で、外層(例えば、層322)は、表面に存在する質感を有する、ポリウレタン材料を含み得る。フィルム層322、324及び326のいずれか1つ以上は、必要に応じて、添加剤(例えば、着色剤または充填剤(例えば、繊維、粒子など))を含み得る。あるいは、フィルム層322、324、及び326のいずれか1つ以上は、充填剤を含まなくてもよい。層322、324、及び326は、ほぼ同じ厚さを有するものとして示されているが、任意の1つの層の全体の厚さは、他の層と同じでも、異なっていてもよい。いくつかの例で、三層フィルム320は、約0.1~約0.2mmの全体の厚さを含み得るが、より薄いまたはより厚い三層フィルム層も使用できる。
【0055】
特定の例で及び
図4Aを参照すると、プリプレグまたはコア層410と、プリプレグまたはコア層410の表面412上に配置された四層フィルム420と、を含む、複合物品400が示される。特定の例で、プリプレグまたはコア層410は、プリプレグまたはコア層110に関連して説明したような、材料及び構成のいずれかを含み得る。例えば、プリプレグまたはコア層410は、熱可塑性材料及び強化繊維を含み得て、これらは、熱可塑性材料によってウェブの一般的な形態で所定の位置に保持され得る。繊維は一般に、任意の特定の配向や構成なしにランダムに配置できる。特定の例で、プリプレグまたはコア層410の熱可塑性材料は、繊維形態、粒子形態、樹脂形態、または他の適切な形態で存在し得る。特定の実施形態で、プリプレグまたはコア層410は一般に、空隙がプリプレグまたはコア層410に存在するように、かなりの量の連続気泡構造を含む。例えば、プリプレグまたはコア層410は、0~30%、10~40%、20~50%、30~60%、40~70%、50~80%、60~90%、0~40%、0~50%、0~60%、0~70%、0~80%、0~90%、10~50%、10~60%、10~70%、10~80%、10~90%、10~95%、20~60%、20~70%、20~80%、20~90%、20~95%、30~70%、30~80%、30~90%、30~95%、40~80%、40~90%、40~95%、50~90%、50~95%、60~95% 70~80%、70~90%、70~95%、80~90%、80~95%、またはこれらの例示的な範囲内の任意の例示的な値の空隙率または多孔度を含み得る。場合によっては、プリプレグまたはコア層410は、0%超(例えば、それは完全には固化されていない)から最大約95%までの多孔度または空隙率を含む。特に明記しない限り、特定の空隙率または多孔度を備える、プリプレグまたはコア層410への言及は、プリプレグまたはコア層410の総体積に基づいており、必ずしもプリプレグまたはコア層410、プラス、プリプレグもしくはコア層410と結合された任意の他の材料または層の総体積ではない。
【0056】
特定の実施形態にて、プリプレグまたはコア層410の熱可塑性材料は、少なくとも部分的に、可塑化及び非可塑化の両方のポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリルスチレン、ブタジエン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテトラクロレート、及びポリ塩化ビニルのうちの1つ以上、ならびにこれらの材料の相互または他のポリマー材料とのブレンドを含み得る。他の適切な熱可塑性プラスチックには、ポリアリーレンエーテル、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、熱可塑性ポリエステル、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー、非晶質ナイロン、ポリアリーレンエーテルケトン、ポリフェニレンスルファイド、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、液晶ポリマー、PARMAX(登録商標)として市販されているポリ(1,4フェニレン)化合物、耐熱性ポリカーボネート(例えば、Bayer製APEC(登録商標)PCなど)、耐熱性ナイロン、及びシリコーン、ならびにこれらの材料の相互または他のポリマー材料との合金及びブレンドが含まれるが、これらに限定されない。プリプレグまたはコア層410を形成するために使用される、未加工の熱可塑性材料は、粉末形態、樹脂形態、ロジン形態、繊維形態または他の適切な形態で使用できる。様々な形態の例示的な熱可塑性材料が本明細書に記載されており、例えば、米国特許公開第20130244528号及び米国特許第20120065283号にも記載されている。プリプレグまたはコア層410に存在する熱可塑性材料の正確な量は、変動する可能性があり、例示的な量は、約20重量%~約80重量%の範囲である。
【0057】
特定の例で、本明細書に記載のプリプレグまたはコア層410の強化繊維は、ガラス繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、合成有機繊維(特に、高弾性な有機繊維(例えば、パラ及びメタアラミド繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、または繊維としての使用に適した任意の高メルトフローインデックス樹脂))、天然繊維(例えば、アサ、サイザル、黄麻、亜麻、コイル、ケナフ及びセルロース繊維)、鉱物繊維(例えば、玄武岩、鉱物ウール(例えば、ロックまたはスラグウール)、ウォラストナイト、アルミナシリカなど、またはそれらの混合物)、金属繊維、金属化天然及び/または合成繊維、セラミック繊維、ヤーン繊維、またはこれらの混合物を含むことができる。場合によっては、1つの種類の強化繊維を、鉱物繊維(例えば、溶融鉱物をスピニングまたは線引きすることによって形成された繊維)と共に使用することができる。例示的な鉱物繊維には、鉱物ウール繊維、グラスウール繊維、ストーンウール繊維、及びセラミックウール繊維が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、前述の繊維のいずれかを使用前に化学的に処理して、所望の官能基を提供する、または繊維に他の物理的特性を付与することができる。プリプレグまたはコア層410の総繊維含有量は、プリプレグまたはコア層410の約20重量%~約90重量%、更に具体的には、プリプレグまたはコア層410の約30重量%~約70重量%であり得る。通常、プリプレグまたはコア層410を備える複合物品の繊維含有量は、複合物品の約20重量%と約90重量%の間、更に具体的には約30重量%と約80重量%の間(例えば、約40重量%と約70重量%の間)で変動する。使用される繊維の特定のサイズ及び/または配向は、少なくとも部分的に、使用されるポリマー材料及び/または得られるプリプレグの所望の特性に依存し得る。適切な追加の種類の繊維、繊維のサイズ及び量は、本開示の利点を考えると、当業者であれば容易に選択するであろう。1つの非限定的な例示にて、プリプレグまたはコア層を提供するために熱可塑性材料内に分散された繊維は一般に、約5マイクロメートルを超える直径、更に具体的には約5マイクロメートル~約22マイクロメートルの直径、及び約5mm~約200mmの長さを有する。更に具体的には、繊維の直径は約5マイクロメートル~約22マイクロメートルであり得て、繊維の長さは約5mm~約75mmであり得る。いくつかの構成で、難燃性材料が繊維形態で存在し得る。例えば、プリプレグまたはコア層410は、熱可塑性材料、強化繊維、及び難燃性材料を含む繊維(例えば、EG材料または無機難燃性材料を含む繊維)を含み得る。難燃性繊維は、本明細書に記載の難燃性材料のうちのいずれか1つ以上(例えば、適切なダイまたは他の装置を使用して押し出されて繊維に切断された、水酸化物と配合されたポリプロピレン繊維、または適切なダイまたは他の装置を使用して押し出されて繊維に切断された、水酸化物と配合されたポリプロピレン繊維と混合されたEG材料)を含み得る。
【0058】
いくつかの構成で、プリプレグまたはコア層410は、特定の用途の有害物質要件に関する制限を満たすために、実質的にハロゲンフリーまたはハロゲンフリーのプリプレグであり得る。他の例で、プリプレグは、ハロゲン化難燃剤(難燃性材料中に存在することができる、または難燃性材料に添加することができる)(例えば、1つ以上のF、Cl、Br、I及びAt、または例えばテトラブロモビスフェノールAポリカーボネート、もしくはモノハロ-、ジハロ-、トリハロ-もしくはテトラハロ-ポリカーボネートのようなハロゲンを含む、化合物)を含み得る。場合によっては、プリプレグ及びコアに使用される熱可塑性材料は、別の難燃剤を添加せずに、ある程度の難燃性を付与するために1つ以上のハロゲンを含み得る。例えば、熱可塑性材料は、難燃性材料が存在することに加えて、ハロゲン化され得る、または未加工の熱可塑性材料がハロゲン化され、それ自体で使用され得る。ハロゲン化難燃剤が存在する場合、難燃剤は、望ましくは、存在する他の成分に応じて変化し得る難燃剤の量で存在する。例えば、難燃性材料に加えて存在するハロゲン化難燃剤は、(プリプレグの重量に基づいて)約0.1重量%~約15重量%、更に具体的には約1重量%~約13重量%、例えば、約5重量%~約13重量%で存在し得る。必要に応じて、2つの異なるハロゲン化難燃剤を、プリプレグに加えることができる。他の例で、非ハロゲン化難燃剤(例えば、N、P、As、Sb、Bi、S、Se、及びTeのうちの1つ以上を含む、難燃剤)を添加することができる。いくつかの実施形態で、非ハロゲン化難燃剤は、リン含有材料を含み得て、そうしてプリプレグまたはコア層は、より環境に優しくなり得る。非ハロゲン化または実質的にハロゲンフリーの難燃剤が存在する場合、難燃剤は、望ましくは、存在する他の成分に応じて変化し得る難燃剤の量で存在する。例えば、実質的にハロゲンフリーの難燃剤は、(プリプレグの重量に基づいて)約0.1重量%~約40重量%、より具体的には約5重量%~約40重量%、例えば、プリプレグの重量に基づいて約5重量%~約15重量%で存在し得る。必要に応じて、2つの異なる実質的にハロゲンフリーの難燃剤を、プリプレグに加えることができる。特定の例で、本明細書に記載のプリプレグは、1つ以上の実質的にハロゲンフリーの難燃剤と組み合わせて、1つ以上のハロゲン化難燃剤を含むことができる。2つの異なる難燃剤が存在する場合、2つの難燃剤の組み合わせは、存在する他の成分に応じて変化し得る難燃剤の量で存在し得る。例えば、存在する難燃剤の総重量は、(プリプレグまたはコアの重量に基づいて)約0.1重量%~約40重量%、更に具体的には約51重量%~約40重量%、例えば、プリプレグまたはコアの重量に基づいて約2重量%~約15重量%であり得る。本明細書に記載のプリプレグまたはコアで使用される難燃剤は、熱可塑性材料及び繊維を含む混合物に添加することができ(ワイヤスクリーンまたは他の処理要素で混合物を廃棄する前に)、またはプリプレグまたはコアが形成された後に添加することができる。
【0059】
特定の例で、四層フィルム420は、プリプレグまたはコア層410に直接結合することができる、または接着剤層は、プリプレグまたはコア層410と四層フィルム420との間に存在することができる、または四層フィルム420自体の層のうちの1つは、接着剤層、または四層フィルム420の他の層をプリプレグもしくはコア層410に接着するように機能できる層を含み得る。一般に、四層フィルム420は、物品全体に所望の物理的特性を提供することができる、1つ以上のポリマー層を含む。例えば、プリプレグまたはコア層410の粗い表面を隠すことによって、物品を滑らかにするように、四層フィルム420を選択することができる。他の例で、四層フィルム420は、特定の表面粗さが存在するように、物品に質感を提供することができる。更に他の例で、四層フィルム420は、プリプレグまたはコア層410の下にある粗さを隠す、またはそれを覆い、同時に、四層フィルム420を含む、複合物品に所望の質感または感触を提供し得る。特定の例で、粗い性質のプリプレグまたはコア層410を四層フィルム420と組み合わせて使用して、非平滑なまたは滑らかでない表面を提供することができる。
【0060】
特定の実施形態で、四層フィルム420は、フィルム420の外表面にいくらかの質感を提供することができる。フィルム420の各面は、非平滑化される必要はない。例えば、プリプレグまたはコア層410に面し、表面412上に配置されたフィルム420の側面は、滑らかであり得る、粗い場合がある、非平滑化加工され得る、または他の物理的特性を有し得る。表面412とは反対側に面する、フィルム420の側面は、フィルム420を含む、物品全体にいくらかの質感を提供し得る。様々な材料がフィルム420に存在することができるが、フィルム420は通常、1つ以上の熱可塑性材料を含む。例えば、フィルムの特定の層は、米国特許第20170217121号に記載の材料を含み得る。いくつかの例では、四層フィルム420の少なくとも1つの層は、熱可塑性材料を含み、非平滑な表面を提供する。いくつかの例で、四層フィルム420の1つの層は、接着剤層として機能し得る。場合によっては、結着層が、非平滑層と三層フィルム420の接着剤層との間に存在し得る。米国特許第20170217121号に記載されているように、フィルム420の種々のフィルム層は、充填剤を含んでも、含まなくてもよい。
【0061】
特定の構成で及び
図4Cを参照すると、四層フィルム420は、1つ以上の熱可塑性材料と、フィルム層420の表面421上に存在する非平滑な表面と、を含み得る。四層フィルム420は、第1フィルム層422、第2フィルム層424、第3フィルム層426、及び第4フィルム層428を含み得る。フィルム層422、424、426、428のそれぞれは、例えば、介在層または材料なしに、互いに直接結合することができる、または接着剤、スポット溶接もしくは他の手段を介して互いに結合することができる。表面423は、非平滑で滑らかであり得る、または非平滑な領域及び滑らかな領域を有し得る。表面341の質感は、表面全体にわたって同じまたは均一である必要はない。例えば、質感を提供するための表面421の突起または窪みは、異なるサイズ及び/または深さを有し得る。いくつかの例で、四層フィルム420の各層422、424、426、428は、これらに限定されないが、可塑化及び非可塑化の両方のポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリルスチレン、ブタジエン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテトラクロレート、ポリ塩化ビニル、及びこれらの材料の相互または他のポリマー材料とのブレンドを含む、1つ以上の熱可塑性材料を含み得る。四層フィルム420の層422、424、426、428のそれぞれに存在することができる、他の適切な熱可塑性材料には、ポリアリーレンエーテル、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、熱可塑性ポリエステル、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー、非晶質ナイロン、ポリアリーレンエーテルケトン、ポリフェニレンスルファイド、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、液晶ポリマー、PARMAX(登録商標)として市販されているポリ(1,4フェニレン)化合物、耐熱性ポリカーボネート(例えば、Bayer製APEC(登録商標)PCなど)、耐熱性ナイロン、及びシリコーン、ならびにこれらの材料の相互または他のポリマー材料との合金及びブレンドが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの例で、フィルム層422、424、426、428はそれぞれ、ホモポリマー、コポリマー、ポリマーブレンドなどとして存在することができる、1つ以上のポリオレフィン材料を含み得る。フィルム層422、424、426、428は、層に押し出しまたは共押し出しすることができ、パターンまたは他の特徴は、フィルム層422の表面421にエンボス加工、プレス加工、または他の方法で形成され得る。例えば、表面421は、物理的処理(例えば、サンドブラスト、粉体コーティング、サンディング、エッチングなど)に供されて、表面421に質感を付与することができる。必要に応じて、接着剤層(図示せず)をフィルム層420と共に使用して、フィルム層420を下にあるコア層または他の層に結合することができる。いくつかの例で、層424、428のうちの1つは、ポリウレタン材料(例えば、ポリウレタン接着剤)を含み得る。いくつかの実施形態で、層422は、ポリオレフィン材料(例えば、ポリエチレンまたはポリプロピレン)を含み得て、層428は、ホットメルト接着剤層(例えば、約90℃~150℃の溶融温度を有するもの)として構成され得る。他の構成で、層422は、ポリオレフィン材料(例えば、ポリエチレンまたはポリプロピレン)を含み得て、層424は、結着層として構成され得て、例えば、それも、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレンまたはポリプロピレン)を含み得て、層426は、ポリオレフィン材料またはポリウレタン材料を含み得て、層428は、本明細書に記載されるホットメルト接着剤として構成され得る。いくつかの実施形態で、外層(例えば、層422)は、表面に存在する質感を有する、ポリウレタン材料を含み得る。フィルム層422、424、426、428のいずれか1つ以上は、必要に応じて、添加剤(例えば、着色剤または充填剤(例えば、繊維、粒子など))を含み得る。あるいは、フィルム層422、424、426、428のいずれか1つ以上は、充填剤を含まなくてもよい。層422、424、426及び428は、ほぼ同じ厚さを有するものとして示されているが、任意の1つの層の全体的な厚さは、他の層と同じでも、異なっていてもよい。いくつかの例で、四層フィルム420は、約0.1~約0.2mmの全体の厚さを含み得るが、より薄いまたはより厚い三層フィルム層も使用できる。
【0062】
単層、二層、三層、及び四層フィルムが、様々な図にて本明細書で示されかつ説明されているが、必要に応じて、5、6、7、8、またはそれ以上の層も使用できることは、本開示の利点を考えると、当業者であれば認識するであろう。5層以上のフィルムを使用する場合、多層フィルムは望ましくは、多層フィルムを含む、物品の表面にいくらかの質感を付与する。
【0063】
特定の実施形態で、本明細書に記載のプリプレグまたはコア層は、スタックまたはプライの物品に存在することができる。
図5を参照すると、物品は、第2のプリプレグまたはコア層515上に積み重ねられた、第1のプリプレグまたはコア層510を含む。単層非平滑フィルム520は、層510の表面上に配置される。単層非平滑フィルム520は、フィルム120と同様に構成することができる。図示されていないが、スキン層は、層515の表面516上に配置することができる。例えば、表面516上に配置された層は、フィルム層520と同じでもよく、または異なっていてもよい。表面516上に配置された層は、例えば、スクリム(例えば、繊維系スクリム)、箔、織布、不織布を含み得る、またはプリプレグまたはコア層515上に配置された無機コーティング、有機コーティング、もしくは熱硬化性コーティングとして存在し得る。他の例で、表面516上に配置された層は、1996年付けのISO4589に従って測定されるように、約22を超える限界酸素指数を含み得る。繊維系スクリムが表面516上に配置された層として(または、その一部として)存在する場合、繊維系スクリムは、ガラス繊維、アラミド繊維、グラファイト繊維、炭素繊維、無機鉱物繊維、金属繊維、金属化合成繊維、及び金属化無機繊維のうちの少なくとも1つを含み得る。熱硬化性コーティングが表面516上に配置された層として(または、その一部として)存在する場合、コーティングは、不飽和ポリウレタン、ビニルエステル、フェノール及びエポキシのうちの少なくとも1つを含み得る。無機コーティングが表面516上に配置された層として(または、その一部として)存在する場合、無機コーティングは、Ca、Mg、Ba、Si、Zn、Ti及びAlから選択される、カチオンを含む鉱物を含み得る、または石膏、炭酸カルシウム及びモルタルのうちの少なくとも1つを含み得る。不織布が表面516上に配置された層として(または、その一部として)存在する場合、不織布は、熱可塑性材料、熱硬化性結合剤、無機繊維、金属繊維、金属化無機繊維、及び金属化合成繊維を含み得る。必要に応じて、中間層(図示せず)を、層510と層520との間に、または層510と層515との間に存在させることができる。層510、515は、同じでも異なっていてもよい。更に、層510、515は、同じ材料を含み得るが、異なる厚さを有し得る。いくつかの例で、層510、515は、異なる量の同じ材料を含み得て、例えば、より多くの繊維が、層510、515のうちの1つに存在し得る。
【0064】
いくつかの例で、積み重ねられたプリプレグまたはコア層を有する物品は、二層フィルムを含み得る。
図6を参照すると、物品は、第2のプリプレグまたはコア層615上に積み重ねられた、第1のプリプレグまたはコア層610を含む。二層非平滑フィルム620は、層610の表面上に配置される。二層非平滑フィルム620は、例えば、フィルム220と同様に構成することができる。図示されていないが、スキン層は、層615の表面616上に配置することができる。例えば、表面616上に配置された層は、フィルム層620と同じでもよく、または異なっていてもよい。表面616上に配置された層は、例えば、スクリム(例えば、繊維系スクリム)、箔、織布、不織布を含み得る、またはプリプレグまたはコア層615上に配置された無機コーティング、有機コーティング、もしくは熱硬化性コーティングとして存在し得る。他の例で、表面616上に配置された層は、1996年付けのISO4589に従って測定されるように、約22を超える限界酸素指数を含み得る。繊維系スクリムが表面616上に配置された層として(または、その一部として)存在する場合、繊維系スクリムは、ガラス繊維、アラミド繊維、グラファイト繊維、炭素繊維、無機鉱物繊維、金属繊維、金属化合成繊維、及び金属化無機繊維のうちの少なくとも1つを含み得る。熱硬化性コーティングが表面616上に配置された層として(または、その一部として)存在する場合、コーティングは、不飽和ポリウレタン、ビニルエステル、フェノール及びエポキシのうちの少なくとも1つを含み得る。無機コーティングが表面616上に配置された層として(または、その一部として)存在する場合、無機コーティングは、Ca、Mg、Ba、Si、Zn、Ti及びAlから選択される、カチオンを含む鉱物を含み得る、または石膏、炭酸カルシウム及びモルタルのうちの少なくとも1つを含み得る。不織布が表面616上に配置された層として(または、その一部として)存在する場合、不織布は、熱可塑性材料、熱硬化性結合剤、無機繊維、金属繊維、金属化無機繊維、及び金属化合成繊維を含み得る。必要に応じて、中間層(図示せず)を、層610と層620との間に、または層610と層615との間に存在させることができる。層610、615は、同じでも異なっていてもよい。更に、層610、615は、同じ材料を含み得るが、異なる厚さを有し得る。いくつかの例で、層610、615は、異なる量の同じ材料を含み得て、例えば、より多くの繊維が、層610、615のうちの1つに存在し得る。
【0065】
いくつかの例で、積み重ねられたプリプレグまたはコア層を有する物品は、三層フィルムを含み得る。
図7を参照すると、物品は、第2のプリプレグまたはコア層715上に積み重ねられた、第1のプリプレグまたはコア層710を含む。三層非平滑フィルム720は、層710の表面上に配置される。三層非平滑フィルム720は、例えば、フィルム320と同様に構成することができる。図示されていないが、スキン層は、層715の表面716上に配置することができる。例えば、表面716上に配置された層は、フィルム層720と同じでもよく、または異なっていてもよい。表面716上に配置された層は、例えば、スクリム(例えば、繊維系スクリム)、箔、織布、不織布を含み得る、またはプリプレグまたはコア層715上に配置された無機コーティング、有機コーティング、もしくは熱硬化性コーティングとして存在し得る。他の例で、表面716上に配置された層は、1996年付けのISO4589に従って測定されるように、約22を超える限界酸素指数を含み得る。繊維系スクリムが表面716上に配置された層として(または、その一部として)存在する場合、繊維系スクリムは、ガラス繊維、アラミド繊維、グラファイト繊維、炭素繊維、無機鉱物繊維、金属繊維、金属化合成繊維、及び金属化無機繊維のうちの少なくとも1つを含み得る。熱硬化性コーティングが表面716上に配置された層として(または、その一部として)存在する場合、コーティングは、不飽和ポリウレタン、ビニルエステル、フェノール及びエポキシのうちの少なくとも1つを含み得る。無機コーティングが表面716上に配置された層として(または、その一部として)存在する場合、無機コーティングは、Ca、Mg、Ba、Si、Zn、Ti及びAlから選択される、カチオンを含む鉱物を含み得る、または石膏、炭酸カルシウム及びモルタルのうちの少なくとも1つを含み得る。不織布が表面716上に配置された層として(または、その一部として)存在する場合、不織布は、熱可塑性材料、熱硬化性結合剤、無機繊維、金属繊維、金属化無機繊維、及び金属化合成繊維を含み得る。必要に応じて、中間層(図示せず)を、層710と層720との間に、または層710と層715との間に存在させることができる。層710、715は、同じでも異なっていてもよい。更に、層710、715は、同じ材料を含み得るが、異なる厚さを有し得る。いくつかの例で、層710、715は、異なる量の同じ材料を含み得て、例えば、より多くの繊維が、層710、715のうちの1つに存在し得る。
【0066】
いくつかの例で、積み重ねられたプリプレグまたはコア層を有する物品は、四層フィルムを含み得る。
図8を参照すると、物品は、第2のプリプレグまたはコア層815上に積み重ねられた、第1のプリプレグまたはコア層810を含む。四層非平滑フィルム820は、層810の表面上に配置される。四層非平滑フィルム820は、例えば、フィルム420と同様に構成することができる。図示されていないが、スキン層は、層815の表面816上に配置することができる。例えば、表面816上に配置された層は、フィルム層820と同じでもよく、または異なっていてもよい。表面816上に配置された層は、例えば、スクリム(例えば、繊維系スクリム)、箔、織布、不織布を含み得る、またはプリプレグまたはコア層815上に配置された無機コーティング、有機コーティング、もしくは熱硬化性コーティングとして存在し得る。他の例で、表面816上に配置された層は、1996年付けのISO4589に従って測定されるように、約22を超える限界酸素指数を含み得る。繊維系スクリムが表面816上に配置された層として(または、その一部として)存在する場合、繊維系スクリムは、ガラス繊維、アラミド繊維、グラファイト繊維、炭素繊維、無機鉱物繊維、金属繊維、金属化合成繊維、及び金属化無機繊維のうちの少なくとも1つを含み得る。熱硬化性コーティングが表面816上に配置された層として(または、その一部として)存在する場合、コーティングは、不飽和ポリウレタン、ビニルエステル、フェノール及びエポキシのうちの少なくとも1つを含み得る。無機コーティングが表面816上に配置された層として(または、その一部として)存在する場合、無機コーティングは、Ca、Mg、Ba、Si、Zn、Ti及びAlから選択される、カチオンを含む鉱物を含み得る、または石膏、炭酸カルシウム及びモルタルのうちの少なくとも1つを含み得る。不織布が表面816上に配置された層として(または、その一部として)存在する場合、不織布は、熱可塑性材料、熱硬化性結合剤、無機繊維、金属繊維、金属化無機繊維、及び金属化合成繊維を含み得る。必要に応じて、中間層(図示せず)を、層810と層820との間に、または層810と層815との間に存在させることができる。層810、815は、同じでも異なっていてもよい。更に、層810、815は、同じ材料を含み得るが、異なる厚さを有し得る。いくつかの例で、層810、815は、異なる量の同じ材料を含み得て、例えば、より多くの繊維が、層810、815のうちの1つに存在し得る。
【0067】
示されていないが、積み重ねられたまたは結合されたプリプレグまたはコア層を含む物品は更に、5、6、7またはそれ以上のフィルム層を有する、フィルムも含み得る。
【0068】
追加の層(例えば、装飾層、非平滑層、着色層など)も、本明細書に記載の複合物品に存在し得る。例えば、装飾層は、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、熱可塑性ポリエステル、熱可塑性エラストマーなどの熱可塑性フィルムから形成され得る。装飾層は更に、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタンなどから形成された、フォームコアを含む、多層構造であり得る。布(例えば、天然繊維及び合成繊維から作製された織布、ニードルパンチなどの後の有機繊維の非織布、起毛生地、編物、植毛生地、または他のそのような材料)を、フォームコアに結合することができる。布は更に、感圧接着剤、及びホットメルト接着剤(例えば、ポリアミド、変性ポリオレフィン、ウレタン及びポリオレフィン)を含む、熱可塑性接着剤でフォームコアに結合することができる。装飾層は更に、スパンボンド、熱接着、スパンレース、メルトブロー、湿式、及び/または乾式工程を使用して製造することができる。断熱層も、本明細書に記載の物品の1つ以上の表面に結合することができ、断熱層は、必要に応じて、連続または独立、例えば、連続気泡フォームまたは独立気泡フォームであり得る。
【0069】
特定の実施形態で、本明細書に記載の物品(例えば、
図1A~
図8に関連して記載されているもの)のいずれか1つ以上は、天井タイルとして構成され得る。例えば、天井タイルは、非平滑フィルムにより生じる、非平滑な表面を含み得る。
図9を参照すると、支持構造によって形成されたグリッド内に配置された複数の天井タイル(例えば、タイル910)を備えた、支持構造902、903、904及び905を含む、天井タイル900のグリッドが示されている。本明細書に記載されるように、非平滑フィルムは、天井タイルに表面の質感を提供することができる。場合によっては、天井タイル910は、単層非平滑フィルムに結合されたコア層を含む。他の例で、天井タイル910は、二層非平滑フィルムに結合された、コア層を含む。いくつかの例で、天井タイル910は、三層非平滑フィルムに結合された、コア層を含む。いくつかの実施形態で、天井タイル910は、四層非平滑フィルムに結合された、コア層を含む。5、6、7またはそれ以上の層のフィルムを備えた天井タイルも製造され得る。
【0070】
特定の例で、本明細書に記載の物品(例えば、
図1A~
図8に関連して記載されているもの)のいずれか1つ以上は、キュービクルパネルとして構成され得る。
図10を参照すると、サイドパネル1010、1030及びセンターパネル1020を含む、キュービクル1000の上面図が示される。パネル1010~1030のいずれか1つ以上は、本明細書に記載のLWRT物品のうちの1つ(例えば、非平滑フィルムを含むもの)を含み得る。場合によっては、キュービクルパネルは、単層非平滑フィルムに結合された、コア層を含む。他の例で、キュービクルパネルは、二層非平滑フィルムに結合された、コア層を含む。いくつかの例で、キュービクルパネルは、三層非平滑フィルムに結合された、コア層を含む。いくつかの実施形態で、キュービクルパネルは、四層非平滑フィルムに結合された、コア層を含む。5、6、7またはそれ以上の層のフィルムを備えたキュービクルパネルも製造され得る。
【0071】
特定の場合に、本明細書に記載の物品(例えば、
図1A~
図8を参照して記載されているもの)のいずれか1つ以上は、壁板または壁パネルとして構成され得る。壁板または壁パネルは、住宅建築及び商業ビルの用途で使用する(例えば、建物内のスタッドまたは構造部材を覆うために、天井のジョイストまたはトラスなどを覆うために)ように構成されることができる、または自動車用途で使用することができる(例えば、レクリエーショナル・ビークルのパネル、天井、床材などとして)。必要に応じて、壁パネルは、別の基材(例えば、タイル、木製パネル、石膏、コンクリートバッカーボード、発泡体、または住宅、商業及び自動車のセッティングで一般的に使用される他の壁パネル基材)に結合されることができる。
図11を参照すると、壁パネル1100の側面図が示される。パネル1100は、本明細書に記載のLWRT物品のいずれか1つを含み得る。場合によっては、壁パネル1100は、熱可塑性材料によって一緒に保持された複数の強化繊維のランダムな配置を備える、連続気泡構造のウェブを含む、多孔質コア層1110と、コア層1110上に配置された非平滑フィルム層1120と、を含む。図示されていないが、コア層1110は、下にある基材または他の材料に結合することができる。場合によっては、壁パネルは、単層非平滑フィルムに結合されたコア層を含む。他の例で、壁パネルは、二層非平滑フィルムに結合された、コア層を含む。いくつかの例で、壁パネルは、三層非平滑フィルムに結合された、コア層を含む。いくつかの実施形態で、壁パネルは、四層非平滑フィルムに結合された、コア層を含む。5、6、7またはそれ以上の層のフィルムを備えた壁パネルも製造され得る。
【0072】
特定の構成で、本明細書に記載の物品(例えば、
図1A~
図8に関連して記載されているもの)のいずれか1つ以上は、小型トレーラーまたはレクリエーショナル・ビークル(RV)の内部パネルまたは壁として構成され得る。パネルまたは壁は、例えば、トレーラーまたはレクリエーショナル・ビークルの内側の骨格構造を覆うために使用でき、トレーラーまたはレクリエーショナル・ビークルの内部と外部の間の発泡体または他の断熱材に結合することができる。必要に応じて、トレーラーまたはRVの内部パネルは、例えば、布、プラスチック、タイルなどの別の基材に結合することができる。
図12を参照すると、レクリエーショナル・ビークル1200の側面図が示されている。内部パネル1210は、本明細書に記載のLWRT物品のいずれか1つを含み得る。場合によっては、内部パネル1210は、単層非平滑フィルムに結合された、コア層を含む。他の例で、内部パネル1210は、二層非平滑フィルムに結合された、コア層を含む。いくつかの例で、内部パネル1210は、三層非平滑フィルムに結合された、コア層を含む。いくつかの実施形態で、内部パネル1210は、四層非平滑フィルムに結合された、コア層を含む。5、6、7またはそれ以上の層のフィルムを備えた内部パネルも製造され得る。
【0073】
特定の構成で、本明細書に記載の物品(例えば、
図1A~
図8に関連して記載されているもの)のいずれか1つ以上は、吸音するために及び難燃性を提供するためにレクリエーショナル・ビークル(RV)の外部パネルまたは壁として構成され得る。パネルまたは壁は、例えば、レクリエーショナル・ビークルの外側の骨格構造を覆うために使用でき、レクリエーショナル・ビークルの内部と外部の間の発泡体または他の断熱材に結合することができる。必要に応じて、RVの外部パネルは、例えば、金属、ガラス繊維などの別の基材に結合することができる。
図13を参照すると、本明細書に記載のLWRT物品のいずれか1つとして構成することができる、外部パネル1310を備える、レクリエーショナル・ビークル1300の側面図が示されている。必要に応じて、パネル1310は、内部パネル(例えば、パネル1210)に結合することができる。場合によっては、外部パネル1310は、単層非平滑フィルムに結合された、コア層を含む。他の例で、外部パネル1310は、二層非平滑フィルムに結合された、コア層を含む。いくつかの例で、外部パネル1310は、三層非平滑フィルムに結合された、コア層を含む。いくつかの実施形態で、外部パネル1310は、四層非平滑フィルムに結合された、コア層を含む。5、6、7またはそれ以上の層のフィルムを備えた外部パネルも製造され得る。
【0074】
いくつかの実施形態では、レクリエーショナル・ビークルの内部パネルは、前面及び裏面を含むコア層を含み、コア層は、熱可塑性材料によって一緒に保持された強化繊維のウェブを含む。内部パネルは更に、コア層の前面に配置された多層フィルムを含み得て、ここで、多層フィルムの非平滑フィルム層は、コア層の前面の内面上に及びレクリエーショナル・ビークルの内部容積に向かって配置される。
【0075】
いくつかの例で、内部パネルのコア層は、20重量%~80重量%の強化繊維及び20重量%~80重量%の熱可塑性材料を含む。いくつかの例で、強化繊維はガラス繊維を含み、熱可塑性材料はポリオレフィンを含む。特定の例で、多層フィルムは、非平滑フィルム層の下にポリオレフィンフィルム層を含む。他の例で、レクリエーショナル・ビークルの内部パネルの内面は、触針式段差計を使用して測定した場合、機械方向に12マイクロメートル未満、直交方向に15マイクロメートル未満の表面粗さを備える。表面粗さが特定の値より下であり得る場合でも、表面上にいくらかの質感を提供するために、ゼロより大きくなることができる。いくつかの例で、レクリエーショナル・ビークルの内部パネルの内面は、機械方向に15マイクロメートル未満、直交方向に15マイクロメートル未満のRMS粗さを備える。RMS表面粗さが特定の値より下であり得る場合でも、表面上にいくらかの質感を提供するために、ゼロより大きくなることができる。他の例で、レクリエーショナル・ビークルの内部パネルの内面は、機械方向に90マイクロメートル未満、直交方向に120マイクロメートル未満の最大粗さを備える。最大表面粗さが特定の値より下であり得る場合でも、表面上にいくらかの質感を提供するために、ゼロより大きくなることができる。特定の実施形態で、レクリエーショナル・ビークルの内部パネルの内面は、触針式段差計を使用して試験した場合、機械方向に8マイクロメートル未満、直交方向に8マイクロメートル未満の表面粗さ、機械方向に10マイクロメートル未満、直交方向に9マイクロメートル未満のRMS粗さ、及び機械方向に55マイクロメートル未満、直交方向に50マイクロメートルの最大粗さを備える。
【0076】
いくつかの実施形態で、レクリエーショナル・ビークルのパネルのフィルムは、0.1mmと0.2mmの間の多層フィルムの厚さを含み得る。場合によっては、多層フィルムは、非平滑フィルム層と接着剤層との間に結着層を含む。他の構成で、コア層は、裏面に配置されたスクリムを含む。RVの内部パネルの正確な坪量は異なり得るが、場合によっては、RVの内部パネルは、1平方メートルあたり1200g(gsm)未満の坪量を備える。同様に、RVの内部パネルの全体の厚さは変化し得て、例えば、RVの内部パネルは4mm未満の厚さを含み得る。いくつかの実施形態で、コア層は、強化ガラス繊維及びポリプロピレン熱可塑性材料、ならびに所望により無機難燃性材料を含み、多層フィルムは、非平滑フィルム層と下層との間の結着層を含む。いくつかの例で、非平滑フィルム層は、充填剤を含んでも、含まなくてもよい。多層フィルムが層として接着剤を含む場合、接着剤は、約90~150℃の溶融温度を有するホットメルト接着剤を含む。場合によっては、RVの内部パネルはセルロースを含まない。
【0077】
特定の実施形態で、本明細書に記載の多層非平滑フィルムは、レクリエーショナル・ビークルの天井タイル内で、またはレクリエーショナル・ビークルの天井タイルとして使用することができる。例えば、RVの天井タイルは、前面及び裏面を含むコア層を含み得て、コア層は、熱可塑性材料によって一緒に保持された強化繊維のウェブを含む。RVの天井タイルは更に、コア層の前面に配置された多層フィルムを含み得て、ここで、多層フィルムの非平滑フィルム層は、コア層の前面の内面上に及びRVの内部容積に向かって配置される。多層フィルムは更に、前面に配置された接着剤層と、非平滑フィルム層と接着剤層との間の結着層と、を含み得る。場合によっては、RVの天井タイルのコア層は、20重量%~80重量%の強化繊維及び20重量%~80重量%の熱可塑性材料を含む。他の例で、強化繊維はガラス繊維を含み、熱可塑性材料はポリオレフィンを含む。特定の構成で、多層フィルムは、非平滑フィルム層の下にポリオレフィンフィルム層を含む。
【0078】
いくつかの例で、レクリエーショナル・ビークルの天井タイルの内面は、触針式段差計を使用して試験した場合、機械方向に12マイクロメートル未満、直交方向に15マイクロメートル未満の表面粗さを備える。表面粗さが特定の値より下であり得る場合でも、表面上にいくらかの質感を提供するために、ゼロより大きくなることができる。いくつかの例で、レクリエーショナル・ビークルの天井タイルの内面は、機械方向に15マイクロメートル未満、直交方向に15マイクロメートル未満のRMS粗さを備える。RMS粗さが特定の値より下であり得る場合でも、表面上にいくらかの質感を提供するために、ゼロより大きくなることができる。他の例で、レクリエーショナル・ビークルの天井タイルの内面は、機械方向に90マイクロメートル未満、直交方向に120マイクロメートル未満の最大粗さを備える。最大粗さが特定の値より下であり得る場合でも、表面上にいくらかの質感を提供するために、ゼロより大きくなることができる。1つの構成で、レクリエーショナル・ビークルの天井タイルの内面は、触針式段差計を使用して試験した場合、機械方向に8マイクロメートル未満、直交方向に8マイクロメートル未満の表面粗さ、機械方向に10マイクロメートル未満、直交方向に9マイクロメートル未満のRMS粗さ、及び機械方向に55マイクロメートル未満、直交方向に50マイクロメートルの最大粗さを備える。
【0079】
いくつかの例で、RVの天井タイルの多層フィルムの厚さは、0.1mmと0.2mmの間である。追加の例で、コア層は、裏面に配置されたスクリムを含む。いくつかの例で、コア層は、強化ガラス繊維及びポリプロピレン熱可塑性材料、ならびに所望により無機難燃性材料を含む。いくつかの構成では、非平滑フィルム層は、ポリオレフィン及び充填剤を含む。いくつかの実施形態では、多層フィルムの接着剤層は、90~150℃の溶融温度を有するホットメルト接着剤を含み得る、またはそれとして構成され得る。いくつかの例で、天井タイルはセルロースを含まない。
【0080】
他の構成で、本明細書に記載の非平滑フィルムは、自動車パネル、車両基部シールド、ヘッドライナー、ロードフロアなどを含む、非RV自動車用途で使用できる。例えば、自動車のシャーシの内側に結合するように構成された自動車の内部パネルは、非平滑フィルムを含み得る。自動車の内部パネルは、熱可塑性材料によって一緒に保持された強化繊維のウェブを含む、コア層を含み、パネルは、コア層上に配置された非平滑多層フィルムを更に含み、非平滑多層フィルムの非平滑層は、内面に向かって配置され、非平滑多層フィルムは、非平滑多層フィルムがない場合の表面粗さと比較して、自動車の内部パネルの表面粗さを低減する。例えば、多層フィルムの存在は、(コア層の表面粗さと比較して)表面粗さを10%、20%、30%、40%または50%以上減少させ得る。
【0081】
特定の例で、本明細書に記載の非平滑フィルムは、調度品などの非自動車または非RVの物品に使用できる。例えば、
図14を参照すると、上面1410、前面1410に結合された側面1412、1414、及び側面1412、1414に結合された裏面1420を含む、陳列キャビネット1400が示される。表面1410、1412、1414、及び1420は一緒になって、ユーザがアクセス可能な内部収納領域を形成する。図示されていないが、キャビネット1400は、前面、例えば、キャビネットの内容物を見るためのガラス面または他の材料を含み得る。あるいは、扉または他の装置をキャビネット1400に取り付けて、キャビネット1400内の内容物を視界から保護することができる。キャビネット1400の1つ以上の表面は、プリプレグまたはコア層と、プリプレグまたはコア層に結合された非平滑フィルム層と、を含む複合物品として構成され得る。いくつかの例で、裏面1420は、熱可塑性材料によって一緒に保持された強化繊維のウェブと、コア層上に配置された多層フィルムと、を含むコア層を含み得て、ここで、多層フィルムの非平滑フィルム層は、調度品1400の裏面1420の外面上に配置される。物品1400の表面のうちの2つ以上が非平滑フィルム層を含む場合、非平滑フィルム層は、同じ構成、厚さ、または層の数を有する必要はない。
【0082】
いくつかの例で、調度品1400のコア層は、20重量%~80重量%の強化繊維及び20重量%~80重量%の熱可塑性材料を含み得る。他の実施形態で、強化繊維はガラス繊維を含み、熱可塑性材料はポリオレフィンを含む。いくつかの構成で、調度品1400の多層フィルムは、非平滑フィルム層の下にポリオレフィンフィルム層を含む。他の例で、裏面1420の外面は、触針式段差計を使用して試験した場合、機械方向に12マイクロメートル未満、直交方向に17マイクロメートル未満の表面粗さを備える。表面粗さが特定の値より下であり得る場合でも、表面上にいくらかの質感を提供するために、ゼロより大きくなることができる。別の構成で、裏面1420の外面は、機械方向に15マイクロメートル未満、直交方向に20マイクロメートル未満のRMS粗さを含む。RMS粗さが特定の値より下であり得る場合でも、表面上にいくらかの質感を提供するために、ゼロより大きくなることができる。特定の構成で、裏面1420の外面は、機械方向に90マイクロメートル未満、直交方向に125マイクロメートル未満の最大粗さを含む。最大粗さが特定の値より下であり得る場合でも、表面上にいくらかの質感を提供するために、ゼロより大きくなることができる。いくつかの例で、裏面1420の外面は、30mN/m未満の表面エネルギーを備える。特定の例で、調度品1400の多層フィルムの厚さは、0.1mmと0.2mmの間である。特定の構成で、調度品の多層フィルムは、非平滑フィルム層と接着剤層との間に結着層を含む。
【0083】
いくつかの構成で、調度品は、少なくとも1つの引き出しを受けるように構成され得る。例えば、
図15を参照すると、キャビネット1500は、引き出し1510及び裏面1520を含むとして示される。裏面1520は、例えば、本明細書に記載の複合物品を含み得る。キャビネット1500の他の表面は更に、非平滑フィルム、及び/または本明細書に記載の非平滑フィルムを含む複合物品を含み得る。他の構成で、調度品は、少なくとも1つの扉を受けるように構成され得る(または、それを備えることができる)。
図16Aを参照すると、キャビネット1600は、扉1610及び裏面を備える。裏面1620は、例えば、本明細書に記載の複合物品を含み得る。キャビネット1600の他の表面は更に、非平滑フィルム、及び/または本明細書に記載の非平滑フィルムを含む複合物品を含み得る。必要に応じて、扉1610の外表面は、本明細書に記載の非平滑フィルムを含み得る、または本明細書に記載の非平滑フィルムを備えた複合物品を含み得る。キャビネットが扉を備える場合、扉は、
図16Aに示すように、ヒンジ1612、1614を介して閉鎖可能である必要はない。代わりに、扉は、
図16Bに示すように、引き戸1660として構成され得る。
図16Bのキャビネット1650は、本明細書に記載の非平滑フィルムを含み得る、または本明細書に記載の非平滑フィルムを備えた複合物品を含み得る。例えば、キャビネット1650の裏面1670は、本明細書に記載の非平滑フィルムを含み得る、または本明細書に記載の非平滑フィルムを備えた複合物品を含み得る。
【0084】
調度品のいくつかの例では、裏面(及び/または非平滑フィルムを含む調度品の他の表面)は、1600gsm未満の坪量及び4mm未満の厚さを含む。場合によっては、調度品のコア層は、強化ガラス繊維及びポリプロピレン熱可塑性材料を備え、所望により、多層フィルムは、非平滑フィルム層と下位層との間に結着層を備える。他の例で、下位層は接着剤を含み、非平滑フィルム層はポリオレフィン及び充填剤を含む、または充填剤を含まなくてもよい。いくつかの例で、接着剤は、90~150℃の溶融温度を有するホットメルト接着剤を含む。調度品の特定の実施形態で、裏面はセルロースを含まない。調度品のいくつかの例で、少なくとも1つの側面は、熱可塑性材料によって一緒に保持された強化繊維のウェブを備える、第2のコア層と、第2のコア層上に配置された第2の多層フィルムと、を含み、第2の多層フィルムの非平滑フィルム層は、調度品の側面の外面上に配置される。
【0085】
他の例で、本明細書に記載の複合物品は、調度品シャーシで使用できる。例えば、調度品シャーシは、熱可塑性材料によって一緒に保持された強化繊維のウェブを含む、コア層を含む、裏打ち層を含み得て、ここで、裏打ち層は、コア層上に配置された多層フィルムを更に含み、多層フィルムの非平滑フィルム層は、裏打ち層の外面上に配置される。
図17を参照すると、裏打ち層1710を備える、調度品シャーシ1700が示されている。調度品シャーシ1700の正確な構成は、シャーシ1700を備える調度品の最終構成に応じて変化し得る。例えば、シャーシ1700は、ベッドフレーム、マットレスフレーム、メモリフォームマットレスなどのマットレス内のマットレスサポート、ソファフレーム、椅子フレーム、テーブルフレーム、キャビネットフレーム、リクライナフレーム、オットマンフレーム、本棚フレーム、扉フレーム、ウィンドウフレーム、ヘッドボードフレーム、デスクフレーム、ビューローフレームとして構成され得、または他の調度品に使用できる。場合によっては、調度品シャーシに存在するプリプレグまたはコア層は、20重量%~80重量%の強化繊維及び20重量%~80重量%の熱可塑性材料を含む。いくつかの例で、プリプレグまたはコア層の強化繊維はガラス繊維を含み、プリプレグまたはコア層の熱可塑性材料はポリオレフィンを含む。いくつかの実施形態では、調度品シャーシ内に存在する多層フィルムは、非平滑フィルム層の下にポリオレフィンフィルム層を含む。
【0086】
いくつかの構成で、裏打ち層の外面は、触針式段差計を使用して試験した場合、機械方向に12マイクロメートル未満、直交方向に17マイクロメートル未満の表面粗さを備える。表面粗さが特定の値より下であり得る場合でも、表面上にいくらかの質感を提供するために、ゼロより大きくなることができる。いくつかの例で、裏打ち層の外面は、機械方向に15マイクロメートル未満、直交方向に20マイクロメートル未満のRMS粗さを備える。RMS粗さが特定の値より下であり得る場合でも、表面上にいくらかの質感を提供するために、ゼロより大きくなることができる。場合によっては、裏打ち層の外面は、機械方向に90マイクロメートル未満、直交方向に125マイクロメートル未満の最大粗さを備える。最大粗さが特定の値より下であり得る場合でも、表面上にいくらかの質感を提供するために、ゼロより大きくなることができる。いくつかの例で、裏打ち層の外面は、30mN/m未満の表面エネルギーを備える。他の例で、多層フィルムの厚さは、0.1mmと0.2mmの間である。特定の実施形態で、多層フィルムは、非平滑フィルム層と接着剤層との間に結着層を含む。特定の例で、シャーシは、少なくとも1つの引き出しを受けるように構成される。他の例で、シャーシは、少なくとも1つの扉を受けるように構成される。いくつかの実施形態で、シャーシは、少なくとも1つの引き戸を受けるように構成される。いくつかの実施形態で、裏打ち層は、1600gsm未満の坪量及び4mm未満の厚さを備える。特定の例で、コア層は、強化ガラス繊維及びポリプロピレン熱可塑性材料を備え、所望により、多層フィルムは、非平滑フィルム層と下位層との間に結着層を備える。いくつかの例で、下位層は接着剤を含み、非平滑フィルム層はポリオレフィン及び充填剤を含む、または充填剤を含まなくてもよい。いくつかの例で、接着剤は、90~150℃の溶融温度を有するホットメルト接着剤を含む。他の例で、調度品シャーシの裏打ち層はセルロースを含まない。いくつかの例で、調度品シャーシは、熱可塑性材料によって一緒に保持された強化繊維のウェブを備える、第2のコア層と、第2のコア層上に配置された第2の多層フィルムと、を含む、少なくとも1つの側面を備え、ここで、第2の多層フィルムの非平滑フィルム層は、調度品の側面の外面上に配置される。
【0087】
特定の例で、本明細書に記載の複合物品は、キャビネットで使用できる。例えば、キャビネットは、前面、前面に結合された側面、及び側面に結合された裏面を含み得、ここで、キャビネットの裏面は、熱可塑性材料によって一緒に保持された強化繊維のウェブと、コア層上に配置された多層フィルムと、を含むコア層を含み、多層フィルムの非平滑フィルム層は、キャビネットの裏面の外面上に配置される。必要に応じて、キャビネットの裏面は、セルロースを含まない場合がある。
【0088】
いくつかの例で、本明細書に記載の複合物品は、陳列ケースで使用できる。例えば、陳列ケースは、少なくとも1つの固定具を受けるように構成することができ、ここで、陳列ケースは、熱可塑性材料によって一緒に保持された強化繊維のウェブを含むコア層と、コア層上に配置された多層フィルムと、を含む裏面を含み、多層フィルムの非平滑フィルム層は、陳列ケースの裏面の外面上に配置される。場合によって、陳列ケースの裏面は、セルロースを含まない場合がある。
【0089】
他の構成で、調度品は、シャーシ及び少なくとも1つの非平滑な表面を含み得、ここで、非平滑な表面は、コア層、及びコア層上に配置された多層フィルムを含み、コア層は、強化繊維及び熱可塑性材料を含み、多層フィルムは、少なくとも1つの非平滑な表面の外面上の非平滑フィルム層を含む。
【0090】
いくつかの例で、非自動車用シャーシは、少なくとも1つの非平滑な表面を含み、非平滑な表面は、コア層、及びコア層上に配置された多層フィルムを含み、コア層は、強化繊維及び熱可塑性材料を含み、多層フィルムは、少なくとも1つの非平滑な表面の外面上の非平滑フィルム層を含む。
【0091】
特定の例で、本明細書に記載の物品のプリプレグまたはコアは一般に、細断ガラス繊維、熱可塑性材料、難燃性材料、及び連続気泡フィルム、及び/またはガラス繊維もしくは熱可塑性樹脂繊維(例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、PC/PBTのブレンド、またはPC/PETのブレンドなど)で作製した織布または不織布を使用して、調製することができる。いくつかの実施形態で、PP、PBT、PET、PC/PETブレンド、またはPC/PBTブレンドを熱可塑性材料として使用できる。プリプレグまたはコアを製造するために、熱可塑性材料、強化材料、難燃性材料(複数可)、及び/または他の添加剤を、インペラが取り付けられた無蓋混合タンクに含有される、分散発泡体内に添加できる、またはそれを計量して供給できる。いかなる特定の理論にも束縛されるものではないが、発泡体の封入された空気の空洞の存在により、ガラス繊維、熱可塑性材料、及び任意の難燃性材料を分散させるのを支援できる。いくつかの例で、ガラスと樹脂の分散混合物は、分配マニホールドを介して抄造機のワイヤセクションの上方にあるヘッドボックスにポンプで送ることができる。次に、分散した混合物が、真空を使用して可動ワイヤスクリーンに提供され、均一で繊維状の湿状ウェブを連続的に生成する際に、ガラス繊維、難燃性材料または熱可塑性プラスチックではなく、発泡体を除去することができる。湿状ウェブを適切な温度の乾燥機に通して、水分含有量を減らし、熱可塑性材料を溶融または軟化させることができる。ホットウェブが乾燥機を出るとき、例えば、非平滑フィルムなどの表面層は、ガラス繊維、熱可塑性材料、及び非平滑フィルムのウェブを一組の加熱ローラーのニップに通すことによってウェブ上に積層され得る。必要に応じて、例えば、別のフィルム層、スクリム層などの追加の層を更に、非平滑フィルムと共にウェブの片側または両側に取り付けて、製造された複合材料の取り扱いを容易にすることもできる。次に、複合材料をテンションロールに通し、後で最終複合材料を成形するために、所望のサイズに連続的に切断(断裁)できる。そのような複合材料を形成するのに使用される適切な材料及び処理条件を含む、そのような複合材料の調製に関する更なる情報は、例えば、米国特許第6,923,494号、同第4,978,489号、同第4,944,843号、同第4,964,935号、同第4,734,321号、同第5,053,449号、同第4,925,615号、同第5,609,966号、ならびに米国特許出願公開第2005/0082881号、同第2005/0228108号、同第2005/0217932号、同第2005/0215698号、同第2005/0164023号、及び同第2005/0161865号に記載されている。
【0092】
特定の例にて、複合物品を製造する方法は、熱可塑性材料、強化繊維、及び所望により難燃性材料を混合物中で組み合わせて、攪拌された水性フォームを形成することを含む。フォームはワイヤ支持体上に配置され、水は吸い出されて、熱可塑性材料、繊維、及び所望により難燃性材料を含む、ウェブまたは連続気泡構造を形成する。場合によっては、次に、ウェブは、熱可塑性材料の溶融温度を超える第1の温度に加熱される。場合によっては、次に、例えばニップローラーまたは他の装置を使用してウェブに圧力を加えて、ウェブ中に分散された難燃性材料を含む、熱可塑性複合シートを提供することができる。次に、非平滑フィルムを、所望により加熱して形成したプリプレグまたはコア上に配置して、非平滑フィルムをプリプレグまたはコアに結合させることができる。他の例で、非平滑フィルムを、熱成形の直前に、形成したプリプレグまたはコアに添加して、非平滑フィルムを、形成したプリプレグまたはコア層に結合することができる。
【0093】
いくつかの例で、非平滑フィルムの様々なフィルム層は、ウェブ、プリプレグ、またはコア層上の個々の層として配置することができる。例えば、一緒に非平滑フィルムを形成する個々の層は、プリプレグまたはコア層上に順次配置されて、複合物品を提供することができる。
【0094】
本明細書に記載の技術の更なるいくつかの新規かつ有用な態様を説明するために、特定の実施例を説明する。
【0095】
実施例1
以下の表1に示すように、2つの異なる複合物品を製造した。これらの複合物品は、例えば、RVまたはトレーラー用途で天井タイル及び壁パネル(例えば、内部壁パネル)として使用できる。
【表1】
【0096】
実施例2
実施例1の試験品の様々な機械的特性を測定した。結果を下の表2~表4に示す。機械方向(MD)及び直交方向(CD)の曲げ特性は、ASTM D790-2007に従って測定された。
【表2】
【表3】
【表4】
【0097】
機械方向で、ST-12369は、2.7mm厚のLWRT(上面のスクリム/960gsmコア/底面のスクリム)を含み、非平滑フィルムを有さない、RV2.7物品よりも22%剛性が高く、29%強度が高い。直交方向で、ST-12369の物品は、通常のRV2.7より67%強度が高く、37%剛性が高い。
【0098】
実施例3
実施例1の試験試料の表面粗さ測定は、触針式段差計(Mitutoyo SJ-201)を使用して実施された。粗さ平均(R
a)は、評価長にわたるプロファイル高さの絶対値の算術平均である。RMS粗さ(R
q)は、評価長にわたるプロファイル高さの二乗平均平方根平均である。最大粗さ(R
t)は、評価長内のプロファイルの最高点と最低点の間の垂直距離である。結果を下の表5に示す。R
a、R
q、及びR
tはすべて、非平滑フィルムをラミネートした後、露出面のあるLWRT(RV2.7)と比較して大幅に減少した。括弧内に標準偏差を示す。
【表5】
【0099】
実施例4
コア層への非平滑フィルムの剥離強度を試験するために、90度剥離試験の結果(DAN-419に従って測定)を実施した。結果を表6に示す。非平滑フィルムは、どのコア層からも剥がすことができなかった。
【表6】
【0100】
実施例5
実施例1の白色非平滑フィルムの表面粗さを、触針式段差計(Mitutoyo SJ-201)を使用して測定した。実施例3で説明したように、粗さ平均(R
a)は、評価長にわたるプロファイル高さの絶対値の算術平均であり、RMS粗さ(R
q)は、評価長にわたるプロファイル高さの二乗平均平方根平均であり、最大粗さ(R
t)は、評価長内のプロファイルの最高点と最低点の間の垂直距離である。結果を表7に示す。
【表7】
【0101】
実施例6
白色の非平滑フィルムの表面エネルギー測定は、染料溶液を使用して実行した。染料溶液の表面エネルギーは、約30mN/mである。結果の写真を
図18A及び
図18Bに示す。染料溶液は、非平滑フィルムの表面上に広がらず、ビーズ状になった。これは、フィルムの表面エネルギーが30mN/m未満であることと一致している。
【0102】
実施例7
以下の表8に示すように、複合物品を製造した。この複合物品は、例えば、調度品またはシャーシなどの非自動車用途で使用することができる。
【表8】
【0103】
実施例8
実施例7の試験品の様々な機械的特性を測定した。結果を下の表9~表11に示す。機械方向(MD)及び直交方向(CD)の曲げ特性は、ASTM D790-2007に従って測定された。
【表9】
【表10】
【表11】
【0104】
ST-12329は、2.7mm厚のLWRT(上面のスクリム/960gsmコア/底面のスクリム)で構成され、非平滑フィルムを有さない、RV2.7物品よりも32%剛性が高く、43%強度が高い。
【0105】
実施例9
実施例7の試験試料の表面粗さ測定は、触針式段差計(Mitutoyo SJ-201)を使用して実施された。粗さ平均(R
a)は、評価長にわたるプロファイル高さの絶対値の算術平均である。RMS粗さ(R
q)は、評価長にわたるプロファイル高さの二乗平均平方根平均である。最大粗さ(R
t)は、評価長内のプロファイルの最高点と最低点の間の垂直距離である。結果を下の表12に示す。R
a、R
q及びR
tはすべて、非平滑フィルムをラミネートした後、露出面のあるLWRT(RV2.7)と比較して大幅に減少した。括弧内に標準偏差を示す。
【表12】
【0106】
実施例10
ST-12329物品のコア層への非平滑フィルムの剥離強度を試験するために、90度剥離試験の結果(DAN-419に従って測定)を実施した。結果を表13に示す。非平滑フィルムは、どのコア層からも剥がすことができなかった。
【表13】
【0107】
本明細書に開示された実施例の要素を紹介する際に、冠詞「1つ(a)」、「1つ(an)」、「その(the)」及び「前記(said)」は、1つ以上の要素があることを意味するよう意図されている。「含んでいる(comprising)」「含んでいる(including)」及び「有している(having)」という語句は、非制限的であることが意図され、列挙される要素以外の追加の要素があり得ることを意味する。本開示の利点を考えると、実施例の種々の構成要素が、他の実施例の種々の構成要素と交換できる、または置換できることを、当業者であれば認識するであろう。
【0108】
特定の態様、構成、実施例、及び実施形態を上で説明したが、本開示の利点を考えると、開示された例示的な態様、構成、実施例、及び実施形態の追加、置換、修正、及び変更が可能であることを、当業者であれば認識するであろう。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
調度品であって、前記調度品が、
上面と、
前記上面に結合された側面と、
前記側面および前記上面に結合された裏面パネルと、を含み、前記上面、前記側面、及び前記裏面パネルが一緒になって、ユーザがアクセス可能な内部収納領域を形成し、前記裏面パネルが、ポリオレフィン系熱可塑性材料によって一緒に保持されたランダムに配置された強化繊維のウェブと、多孔質コア層の第1の表面上に配置された多層フィルムと、を含む前記多孔質コア層を含み、前記多層フィルムが、ポリオレフィン系熱可塑性材料からなる外側非平滑フィルム層を含み、前記多層フィルムの前記外側非平滑フィルム層が、前記調度品の前記裏面パネルの外面上に配置され、前記裏面パネルが、前記多孔質コア層の第2の表面上にスクリムまたはフィルムをさらに含み、前記調度品の前記裏面パネルがセルロースを含まず、前記多層フィルムが、前記多孔質コア層中の強化繊維から生成された前記多孔質コア層の表面粗さを覆う、調度品。
【請求項2】
前記多孔質コア層が、20重量%~80重量%の強化繊維及び20重量%~80重量%のポリオレフィン系熱可塑性材料を含む、請求項1に記載の調度品。
【請求項3】
前記多孔質コア層の前記強化繊維がガラス繊維を含み、前記多孔質コア層の前記熱可塑性材料がポリオレフィンを含む、請求項2に記載の調度品。
【請求項4】
前記多層フィルムが、前記外側非平滑フィルム層の下にポリオレフィンフィルム層を含み、前記多層フィルムが、0.1mmと0.2mmの間の厚さを有し、前記裏面パネルの前記外面が、機械方向に12マイクロメートル未満、直交方向に17マイクロメートル未満の表面粗さを備え、前記裏面パネルの前記外面が、前記機械方向に15マイクロメートル未満、前記直交方向に20マイクロメートル未満のRMS粗さを備え、前記裏面パネルの前記外面が、触針式段差計を使用して試験した場合、前記機械方向に90マイクロメートル未満、前記直交方向に125マイクロメートル未満の最大粗さを備え、前記多孔質コア層が、強化ガラス繊維及びポリプロピレン熱可塑性材料を含む、請求項1に記載の調度品。
【請求項5】
前記裏面パネルの前記外面が、触針式段差計を使用して試験した場合、機械方向に12マイクロメートル未満、直交方向に17マイクロメートル未満の表面粗さRaを備える、請求項1に記載の調度品。
【請求項6】
前記裏面パネルの前記外面が、前記機械方向に15マイクロメートル未満、前記直交方向に20マイクロメートル未満のRMS粗さを備える、請求項1に記載の調度品。
【請求項7】
前記裏面パネルの前記外面が、前記機械方向に90マイクロメートル未満、前記直交方向に125マイクロメートル未満の最大粗さを備える、請求項1に記載の調度品。
【請求項8】
前記裏面パネルの前記外面が、30mN/m未満の表面エネルギーを含む、請求項1に記載の調度品。
【請求項9】
前記多層フィルムの厚さが、0.1mmと0.2mmの間である、請求項1に記載の調度品。
【請求項10】
前記多層フィルムが、前記外側非平滑フィルム層と接着剤層との間に結着層を含む、請求項1に記載の調度品。
【請求項11】
前記調度品が、少なくとも1つの引き出しまたは少なくとも1つの引き戸を受けるように構成される、請求項1に記載の調度品。
【請求項12】
前記裏面パネルが、1600g/m2未満の坪量及び4mm未満の厚さを備える、請求項1に記載の調度品。
【請求項13】
前記多孔質コア層が、強化ガラス繊維及びポリプロピレン熱可塑性材料を含む、請求項1に記載の調度品。
【請求項14】
前記多層フィルムが、前記外側非平滑フィルム層と下位層との間に結着層を含む、請求項13に記載の調度品。
【請求項15】
前記下位層が接着剤を含み、前記外側非平滑フィルム層がポリオレフィン及び充填剤を含む、請求項14に記載の調度品。
【請求項16】
前記外側非平滑フィルム層が、前記調度品の前記裏面パネルの表面全体に不均一な質感を提供するための異なるサイズおよび深さの窪みを備える、請求項1に記載の調度品。
【請求項17】
前記多層フィルムと前記多孔質コア層との間にポリウレタン接着剤層をさらに含む、請求項1に記載の調度品。
【請求項18】
前記多層フィルムに隣接する前記多孔質コア層の表面が非平滑化加工されている、請求項1に記載の調度品。
【外国語明細書】