(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024069233
(43)【公開日】2024-05-21
(54)【発明の名称】タピナロフを調製するためのプロセス
(51)【国際特許分類】
C07C 45/63 20060101AFI20240514BHJP
C07C 49/687 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
C07C45/63
C07C49/687
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024022828
(22)【出願日】2024-02-19
(62)【分割の表示】P 2022148508の分割
【原出願日】2018-11-13
(31)【優先権主張番号】62/584,192
(32)【優先日】2017-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
(71)【出願人】
【識別番号】520137154
【氏名又は名称】ダーマヴァント サイエンシーズ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100104411
【弁理士】
【氏名又は名称】矢口 太郎
(72)【発明者】
【氏名】アンドリューズ、イアン ポール
(72)【発明者】
【氏名】カランドラ、ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】デービス、タイラー アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】スディーニ、ラヴィンダー レディ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】(E)-2-クロロ-2-イソプロピル-5-スチリルシクロヘキサン-1,3-ジオン(化合物(IIa))又はその塩を調製するためのプロセスを提供する。
【解決手段】化合物(III)又はその塩を、1,3-ジクロロ-5,5-ジメチルヒダントイン等から選択されるハロゲン化剤でハロゲン化する工程を含む、化合物(IIa)又はその塩を調製するためのプロセス。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(IIa)の化合物またはその塩を調製するためのプロセスであって、
前記プロセスは、式(III)の化合物またはその塩
を、1,3-ジクロロ-5,5-ジメチルヒダントイン(DCDMH)、N-クロロスクシンイミド(NCS)、および、トリクロロイソシアヌル酸(TCCA)から選択されるハロゲン化剤でハロゲン化して、式(IIa)の化合物またはその塩を形成する工程を含む、プロセス。
【請求項2】
請求項1記載のプロセスにおいて、前記式(III)化合物またはその塩は、式(IVa)の化合物またはその塩
を環化して、前記式(III)の化合物またはその塩を形成する工程を含むプロセスによって調製されるものである、プロセス。
【請求項3】
請求項2記載のプロセスにおいて、前記式(IVa)の化合物またはその塩は、式(V)の化合物またはその塩
をエステル化して、前記式(IVa)の化合物またはその塩を形成する工程を含むプロセスによって調製されるものである、プロセス。
【請求項4】
請求項3記載のプロセスにおいて、前記式(V)の化合物またはその塩は、式(VI)の化合物またはその塩
を、塩基の存在下で脱炭酸して、前記式(V)の化合物またはその塩を形成する工程を含むプロセスによって調製されるものである、プロセス。
【請求項5】
請求項4記載のプロセスにおいて、前記式(VI)の化合物またはその塩は、
i)トランス-シンナムアルデヒドまたはその塩を、メチルイソブチルケトンと縮合して、式(VIII)の化合物またはその塩
を形成する工程と、
ii)マロン酸ジエチルを、前記式(VIII)の化合物またはその塩に添加して、式(VIIa)の化合物またはその塩
を形成する工程と、および、
iii)前記式(VIIa)の化合物またはその塩を加水分解して、前記式(VI)の化合物またはその塩を形成する工程と、
を含むプロセスによって調製されるものである、プロセス。
【請求項6】
式(IIa)の化合物またはその塩
であって、
a)トランス-シンナムアルデヒドまたはその塩を、メチルイソブチルケトンと縮合して、式(VIII)の化合物またはその塩
を形成する工程と、
b)マロン酸ジエチルを、前記式(VIII)の化合物またはその塩に添加して、式(VIIa)の化合物またはその塩
を形成する工程と、
c)前記式(VIIa)の化合物またはその塩を加水分解して、式(VI)の化合物またはその塩
を形成する工程と、
d)前記式(VI)の化合物またはその塩を、塩基の存在下で脱炭酸して、式(V)の化合物またはその塩
を形成する工程と、
e)前記式(V)の化合物またはその塩をエステル化して、式(IVa)の化合物またはその塩
を形成する工程と、
f)前記式(IVa)の化合物またはその塩を環化して、式(III)の化合物またはその塩
を形成する工程と、および、
g)前記式(III)の化合物またはその塩を、1,3-ジクロロ-5,5-ジメチルヒダントイン(DCDMH)、N-クロロスクシンイミド(NCS)、および、トリクロロイソシアヌル酸(TCCA)から選択されるハロゲン化剤でハロゲン化して、前記式(IIa)の化合物またはその塩を形成する工程と、
を含むプロセスによって調製される、式(IIa)の化合物またはその塩。
【請求項7】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年11月10日に提出された「PROCESS」と題された米国仮特許出願第62/584,192号の利益および優先権を主張し、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【発明の概要】
【0002】
本発明のいくつかの実施形態は、式(I)の化合物またはその塩の調製のためのプロセス、およびそこで使用される新規中間体を提供する。
【化1】
【0003】
本発明のいくつかの実施形態は、式(IIa)の化合物またはその塩、
【化2】
およびそれを調製するためのプロセスを説明する。
【0004】
本発明のいくつかの実施形態は、式(IVa)の化合物またはその塩、
【化3】
およびそれを調製するためのプロセスを説明する。
【0005】
本発明のいくつかの実施形態は、式(V)の化合物またはその塩、
【化4】
およびそれを調製するためのプロセスを説明する。
【0006】
本発明のいくつかの実施形態は、式(VI)の化合物またはその塩、
【化5】
およびそれを調製するためのプロセスを説明する。
【0007】
本発明のいくつかの実施形態は、本発明のプロセスに従って調製された式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物、および薬学的に許容される賦形剤を含む薬学的組成物を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】結晶性固体形態(形態1)の式(I)の化合物のX線粉末回折(XRPD)パターンを示す。
【
図2】結晶性固体形態の式(I)の化合物の酢酸溶媒和物のX線粉末回折(XRPD)パターンを示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
式(I)の3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-トランス-スチルベン((E)-2-イソプロピル-5-スチリルベンゼン-1,3-ジオールまたはタピナロフとしても知られる)は、細菌由来の天然物である。
【化6】
【0010】
この化合物は、抗菌、抗酸化、および抗がん活性を含む、いくつかの潜在的に有用な生物学的反応を有する。PCT特許出願WO200142231は、抗乾癬薬およびプロテインキナーゼ阻害剤としてのポリヒドロキシスチルベンおよび酸化スチルベンを開示している。
【0011】
式(I)の化合物の合成へのいくつかの経路が、当該技術分野において知られている。中国特許出願第CN101648851号は、ホーナー・ワズワース・エモンズオレフィン化による(E)-オレフィンの形成を介した合成経路を説明している。フリーデル・クラフツアルキル化による置換レゾルシノール誘導体へのイソプロピル基の導入を介した経路も知られている。
【0012】
既知の生合成経路に類似した代替合成アプローチは、Kronenwerthら(Eur.J.Org.Chem.2014,8026-8028)によって説明された。しかしながら、この経路には、中間体および最終生成物の収率が低いという合成全体の問題がある。イソプロピルスチルベン中の微量の水銀の不完全な除去に関連する毒性の問題もあり、この経路は、医薬品の大規模製造には不適切である。
【0013】
Schampら(Tetrahedron,1973,29,3857-3859)は、対応する1,3-シクロヘキサンジオンからの2-メチル-、2-ベンジル-、および2-アセチルレゾルシノールなどの単純な2-置換レゾルシノールの合成を開示する。報告されている条件には、1,3-シクロヘキサンジオンの塩素化に続いて、ジメチルホルムアミド中の乾燥塩化水素の25%溶液での加熱によるHClの排除が含まれる。
【0014】
式(I)の化合物の大規模製造のための効率的かつ拡張可能な経路、特に潜在的な毒性問題のない高収率合成が必要とされている。
【0015】
本発明は、下のスキーム1に要約されるプロセスに関するいくつかの実施形態を提供する。
【0016】
式(I)の化合物の調製-プロセスA
いくつかの実施形態は、式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物の調製のためのプロセスであって、
【化7】
プロセスステップ(a)、(b)、および(c)のうちの1つ以上を含み、
(a)が、式(II)の化合物またはその塩を形成するための
【化8】
式(III)の化合物またはその塩の反応と
【化9】
(式中、Xが、Cl、Br、またはIである)、その後、(ii)式(II)の化合物またはその塩の、式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物への変換と、を含み、
(b)が、式(VI)の化合物またはその塩の、
【化10】
式(III)の化合物またはその塩への変換と、
【化11】
その後、式(III)の化合物またはその塩の、式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物への変換と、を含み、
(c)が、式(IX)の化合物またはその塩の、
【化12】
式(VI)の化合物またはその塩への変換と、
【化13】
その後、式(VI)の化合物またはその塩の、式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物への変換と、を含むプロセスを説明する。
【0017】
いくつかの実施形態は、プロセスステップ(a)~(c)のうちの少なくとも1つを含む、式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物を作製するためのプロセスを説明する。本発明のプロセスは、プロセスステップ(a)、(b)および(c)のうちの1つ、2つ、または3つすべてを含み得る。
【0018】
プロセスステップ(a)、(b)および(c)の各々の生成物は、任意に結晶化されてもよい。
【0019】
いくつかの実施形態では、プロセス(a)、(b)または(c)によって調製される式(I)の化合物は、結晶性固体形態である。一実施形態では、実質的に
図1に示されるようなX線粉末回折パターンを有する結晶性固体形態(形態1)の式(I)の化合物が提供される。別の実施形態では、15.0、17.8、19.1、20.2、21.5、22.4、23.3、24.5、26.2、および27.9度(すべての値±0.1°2θ実験誤差)に特定のピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする結晶性固体状態の式(I)の化合物が提供される。別の実施形態では、15.0、17.8、19.1、20.2、21.5、22.4、23.3、24.5、26.2、および27.9度(すべての値±0.1°2θ実験誤差)から選択される少なくとも9つ、または少なくとも8つ、または少なくとも7つ、または少なくとも6つ、または少なくとも5つ、または少なくとも4つ、または少なくとも3つの特定のピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする結晶性固体状態の式(I)の化合物が提供される。
【0020】
プロセスステップ(a)
いくつかの実施形態では、Xは、Clである。
【0021】
XがClであるいくつかの実施形態では、反応は、1,3-ジクロロ-5,5-ジメチルヒダントイン(DCDMH)、N-クロロスクシンイミド(NCS)、およびトリクロロイソシアヌル酸(TCCA)からなる群から選択される塩素化試薬を使用して実行される。
【0022】
いくつかの実施形態では、塩素化試薬は、DCDMHである。
【0023】
いくつかの実施形態では、式(II)の化合物またはその塩の、式(I)の化合物またはその塩への変換は、適切な溶媒中で、場合により添加剤材料を用いて実行される。
【0024】
そのような変換は、いくつかの溶媒を用いて良好な収率で達成されることがわかった。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物またはその塩を得るための式(II)の化合物またはその塩の変換は、ジメチルホルムアミド(DMF)、1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2(1H)-ピリミジノン(DMPU)、ジメチルアセトアミド(DMAC)、およびスルホランからなる群から選択される極性非プロトン性溶媒である好適な溶媒中で実行される。
【0025】
DMFなどの溶媒の使用は操作上簡単であったが、医薬品の製造におけるその使用は、その生殖毒性のために潜在的な懸念事項である。したがって、医薬品の大規模製造に使用するのに好適な代替溶媒が求められていた。
【0026】
しかしながら、式(II)の化合物またはその塩(例えば、XがClである)の、式(I)の化合物またはその塩への変換は、いくつかの一般的に使用される溶媒を含む代替溶媒の場合、十分に進行しなかった。そのような状況では、塩化ベンジルエチルアンモニウムなどの添加剤材料の使用が、この反応を良好な収率で促進することがわかった。これを下の表1に示す。
【表1】
【0027】
したがって、式(II)の化合物またはその塩(Xは、Clである)の、式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物への変換における、様々な異なる添加剤材料の使用について、さらなる調査を実行した。これらの結果を下の表2に示す。
【表2】
【0028】
いくつかの実施形態では、式(II)の化合物またはその塩の、式(I)の化合物またはその塩への変換は、第四級アンモニウム塩、例えば第四級臭化アンモニウム塩または第四級塩化アンモニウム塩である添加剤試薬の存在下で実行される。いくつかの実施形態では、第四級臭化アンモニウム塩は、臭化テトラブチルアンモニウムである。いくつかの実施形態では、第四級塩化アンモニウム塩は、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、および塩化テトラメチルアンモニウムからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、第四級塩化アンモニウム塩は、塩化テトラエチルアンモニウムである。
【0029】
いくつかの実施形態では、添加剤試薬の存在下で式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物を得るための、式(II)の化合物またはその塩の変換は、アセトニトリル、トルエン、2-メチルテトラヒドロフラン、酢酸イソプロピル、アセトン、およびメチルイソブチルケトンからなる群から選択される溶媒中で実行される。アセトニトリルが溶解度および高沸点の最良の組み合わせを提供することがわかった。いくつかの実施形態では、この変換は、アセトニトリルである溶媒中で実行される。
【0030】
本開示の実施形態は、式(IIa)の化合物またはその塩を説明する。
【化14】
【0031】
式(I)の化合物は、その酢酸溶媒和物の形態で調製することができる。本開示のいくつかの実施形態は、その酢酸溶媒和物の形態の式(I)の化合物を説明する。式(I)の化合物の酢酸溶媒和物の形成は、本発明のプロセスに不純物および色除去能力を提供することがわかった。その後、式(I)の化合物の酢酸溶媒和物を、式(I)の化合物に変換することができる。
【0032】
いくつかの実施形態では、結晶性固体形態の式(I)の化合物の酢酸溶媒和物が提供される。いくつかの実施形態では、実質的に
図2に示されるようなX線粉末回折パターンを有する結晶性固体形態の式(I)の化合物の酢酸溶媒和物が提供される。別の実施形態では、6.7、10.2、11.1、15.4、16.9、17.2、および24.8度(すべての2θ値、±0.1°2θ実験誤差)に特定のピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする結晶性固体状態の式(I)の化合物の酢酸溶媒和物が提供される。別の実施形態では、6.7、10.2、11.1、15.4、16.9、17.2、および24.8度(すべての2θ値、±0.1°2θ実験誤差)のピークから選択される少なくとも6つ、または少なくとも5つ、または少なくとも4つ、または少なくとも3つの特定のピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする結晶性固体状態の式(I)の化合物の酢酸溶媒和物が提供される。
【0033】
いくつかの実施形態では、プロセスは、式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物の再結晶化のステップをさらに含む。いくつかの実施形態では、再結晶化は、メタノールおよび水を使用して実行される。
【0034】
プロセスステップ(b)
いくつかの実施形態では、式(VI)の化合物またはその塩の、式(III)の化合物またはその塩への変換は、式(V)の化合物またはその塩を形成するための式(VI)の化合物またはその塩の脱炭酸と、
【化15】
続いて、式(IV)の化合物またはその塩を形成するための式(V)の化合物またはその塩のエステル化と
【化16】
(式中、Rが、C
1~4アルキルである)、その後、式(III)の化合物またはその塩を形成するための式(IV)の化合物またはその塩の環化と、を含む。
【0035】
いくつかの実施形態では、式(VI)の化合物またはその塩の、式(V)の化合物またはその塩への変換は、塩基の存在下での脱炭酸を含む。いくつかの実施形態では、塩基は、イミダゾール、ピリジン、およびルチジン(2,6-ジメチルピリジン)から選択される。特定の実施形態では、塩基は、トリエチルアミンである。
【0036】
いくつかの実施形態では、Rは、メチル、エチル、プロピル、またはブチルである。いくつかの実施形態では、Rは、t-ブチルである。いくつかの実施形態では、Rは、メチルである。
【0037】
いくつかの実施形態では、式(V)の化合物またはその塩の、式(IV)の化合物またはその塩へのエステル化は、メタノールを使用して行われ、例えば、エステル化は、メタノールおよび塩酸を使用して行われる。
【0038】
いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物またはその塩の、式(III)の化合物またはその塩への環化は、カリウムtert-ブトキシドを使用して行われる。
【0039】
いくつかの実施形態では、式(III)の化合物またはその塩は、酸性化され、メチルシクロヘキサンでの沈殿によって単離される。
【0040】
いくつかの実施形態では、式(VI)の化合物またはその塩の、式(III)の化合物またはその塩への変換は、式(V)の化合物またはその塩および式(IV)またはその塩が単離されないようにはめ込まれる。
【0041】
いくつかの実施形態は、式(IVa)の化合物またはその塩を説明する。
【化17】
【0042】
式(IVa)の化合物、すなわち(E)-メチル7-メチル-5-オキソ-3-スチリルオクタノエートは、以下のデータによって特徴付けられる。
【0043】
1H NMR(500MHz,DMSO)δ7.33(m,2H),7.29(m,2H),7.20(m,1H),6.37(d,1H,J=16.0Hz),6.15(dd,1H,J=8.1Hz,J=16.0Hz),3.56(s,3H),3.09(m,1H),2.60(m,2H),2.50(dd,1H,6.1Hz,J=15.4Hz),2.42(dd,1H,J=8.1Hz,J=15.4Hz),2.29(d,2H,7.0Hz),2.00(m,1H),0.82(s,6H,6.7Hz)。
【0044】
13C NMR(125MHz,DMSO)δ208.7(C),171.8(C),136.8(C),131.9(CH),129.5(CH),128.5(CH),127.2(CH),125.9(CH),51.4(CH2),51.2(CH3),46.7(CH2),38.5(CH2),34.4(CH),23.8(CH),22.29(CH3),22.26(CH3)。
【0045】
HRMS-APCI(m/z)[M+H]+ C18H25O3に対する計算値、289.1798;実測値、289.1719。
【0046】
いくつかの実施形態では、式(V)の化合物またはその塩が提供される。
【化18】
【0047】
式(V)の化合物、すなわち(E)-7-メチル-5-オキソ-3-スチリルオクタン酸は、以下のデータによって特徴付けられる。
【0048】
1H NMR(700MHz,DMSO)δ12.13(s,1H),7.33(m,2H),7.29(m,2H),7.20(m,1H),6.37(d,1H,J=16Hz),6.17(dd,1H,J=8.0Hz,J=16.0Hz),3.07(m,1H),2.60(m,2H),2.46(dd,1H,J=6.2Hz,J=15.5Hz),2.33(dd,1H,J=8.0,J=15.5Hz),2.30(d,2H,J=7.1Hz),2.0(m,1H),0.82(d,6H,J=6.6Hz)。
【0049】
13C NMR(176MH,DMSO)δ208.8(C),172.9(C),136.9(C),132.2(CH),129.3(CH),128.5(CH),127.1(CH),125.9(CH),51.4(CH2),46.8(CH2),38.9(CH2),34.4(CH),23.8(CH),22.3(CH3),22.3(CH3)。
【0050】
HRMS-APCI(m/z)[M+H]+ C17H23O3に対する計算値、275.1642;実測値、275.1635。
【0051】
いくつかの実施形態では、式(VI)の化合物またはその塩が提供される。
【化19】
【0052】
式(III)の化合物またはその塩は、本明細書に記載の方法(例えば、プロセスステップ(a))または当業者に既知の方法によって(例えば、Kronenwerth,M.et al.に記載されている方法によって)式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物に変換され得る。いくつかの実施形態では、式(III)の化合物またはその塩は、プロセスステップ(a)によって、式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物に変換され得る。
【0053】
プロセスステップ(c)
いくつかの実施形態では、式(IX)の化合物またはその塩の、式(VI)の化合物またはその塩への変換は、式(VIII)の化合物またはその塩を形成するための、式(IX)の化合物またはその塩の、メチルイソブチルケトンとの縮合と、
【化20】
続いて、式(VII)の化合物またはその塩を形成するためのマロン酸エステル(R
1O(O)C-CH
2-C(O)OR
2)の添加と
【化21】
(式中、R
1およびR
2が、独立して、C
1~4アルキルである)、
その後、式(VI)の化合物またはその塩を形成するための式(VII)の化合物またはその塩の加水分解と、を含む。
【0054】
いくつかの実施形態では、式(IX)の化合物またはその塩の、式(VIII)の化合物またはその塩への縮合は、水酸化リチウム、水酸化カリウム、または水酸化ナトリウムを使用して行われ、例えば、縮合は、メタノール中の水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムを使用して行われる。
【0055】
いくつかの実施形態では、式(VIII)の化合物またはその塩の、式(VII)の化合物またはその塩への変換は、ジ-tert-ブチルマロネートまたはマロン酸ジエチルであるマロン酸エステルの添加を含む。
【0056】
いくつかの実施形態では、式(IX)の化合物またはその塩の、式(VI)の化合物またはその塩への変換は、式(VII)および式(VIII)の化合物またはその塩が単離されないようにはめ込まれる。
【0057】
いくつかの実施形態では、式(VIIa)の化合物またはその塩が提供される。
【化22】
【0058】
式(VIIa)の化合物、すなわち(E)-ジエチル2-(7-メチル-5-オキソ-1-フェニルオクタ-1-エン-3-イル)マロネートは、以下のデータによって特徴付けられる。
【0059】
1H NMR(700MHz,DMSO)δ7.30(m,2H),7.30(m,SH0,7.21(m,1H),6.39(d,1H)J=15.8Hz),6.14(dd,1H,J=15.99Hz,J=8.9Hz),4.12(q,2H,J=7.13Hz),4.06(m,2H),3.68(d,1H,J=8.1Hz),3.33(m,1H),2.73(dd,1H,J=16.9Hz,J=9.0Hz),2.63(m,1H),2.28(d,2H,6.9Hz),1.98(m,1H,6.7Hz),1.16(t,3H,J=7.1Hz),1.10(t,3H,J=7.0Hz),0.81(d,3H,J=6.6Hz),0.80(d,3H,J=6.7Hz)。
【0060】
13C NMR(176MHz,DMSO)δ208.1(C),167.7(C),167.6(C),136.6(C),131.4(CH),128.9(CH),127.4(CH),125.9(CH),61.0(CH2),60.8(CH2),55.0(CH),51.3(CH2),44.8(CH2),37.7(CH),23.8(CH),22.3(CH3),22.2(CH3),13.9(CH3),13.9(CH3)。
【0061】
HRMS-APCI(m/z)[M+H]+ C22H31O5に対する計算値、375.2166;実測値、375.2158。
【0062】
式(VI)の化合物またはその塩は、本明細書に記載の方法(例えば、プロセスステップ(a)および(b))または当業者に既知の方法によって(例えば、Kronenwerth,M.et al.に記載されている方法によって)式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物に変換され得る。いくつかの実施形態では、式(VI)の化合物またはその塩は、プロセスステップ(a)および(b)によって、式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物に変換され得る。
【0063】
式(I)の化合物の調製-プロセスB
本明細書のいくつかの実施形態は、式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物を調製するためのプロセスであって、
【化23】
式(II)の化合物またはその塩を芳香族化して
【化24】
(式中、Xが、Cl、Br、またはIである)、式(I)の化合物を得ることを含む。いくつかの実施形態では、プロセスは、式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物を精製することをさらに含む。いくつかの実施形態では、精製は、式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物の結晶化を含む。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、本明細書に記載の任意の実施形態に記載されている結晶形である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、結晶形1である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、無水結晶である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、実質的に
図1に示されるようなX線粉末回折パターンを有する。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、15.0、17.8、19.1、20.2、21.5、22.4、23.3、24.5、26.2、および27.9度(すべての値±0.1°2θ実験誤差)に特定のピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする結晶性固体状態にある。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、15.0、17.8、19.1、20.2、21.5、22.4、23.3、24.5、26.2、および27.9度(すべての値±0.1°2θ実験誤差)から選択される少なくとも9つ、または少なくとも8つ、または少なくとも7つ、または少なくとも6つ、または少なくとも5つ、または少なくとも4つ、または少なくとも3つの特定のピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする結晶性固体状態にある。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、結晶性固体形態の酢酸溶媒和物である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、実質的に
図2に示されるようなX線粉末回折パターンを有する結晶性固体形態の酢酸溶媒和物である。別の実施形態では、式(I)の化合物は、6.7、10.2、11.1、15.4、16.9、17.2、および24.8度(すべての2θ値、±0.1°2θ実験誤差)に特定のピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする結晶性固体状態の酢酸溶媒和物である。別の実施形態では、式(I)の化合物は、6.7、10.2、11.1、15.4、16.9、17.2、および24.8度(すべての2θ値、±0.1°2θ実験誤差)のピークから選択される少なくとも6つ、または少なくとも5つ、または少なくとも4つ、または少なくとも3つの特定のピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする結晶性固体状態の酢酸溶媒和物である。いくつかの実施形態では、Xは、Clである。いくつかの実施形態では、芳香族化は、好適な溶媒中で、および任意に添加剤試薬を用いて実行される。いくつかの実施形態では、芳香族化は、ジメチルホルムアミド(DMF)、1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2(1H)-ピリミジノンからなる群から選択される極性非プロトン性溶媒である好適な溶媒中で実行される。いくつかの実施形態では、芳香族化は、アセトニトリル、トルエン、2-メチルテトラヒドロフラン、酢酸イソプロピル、アセトン、およびメチルイソブチルケトンからなる群から選択される溶媒中の添加剤試薬の存在下で実行される。いくつかの実施形態では、芳香族化は、添加剤試薬の存在下、アセトニトリル中で実行される。いくつかの実施形態では、添加剤試薬は、第四級アンモニウム塩である。いくつかの実施形態では、第四級アンモニウム塩は、臭化テトラブチルアンモニウム、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、および塩化テトラメチルアンモニウムからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、第四級アンモニウム塩は、塩化テトラエチルアンモニウムである。いくつかの実施形態では、芳香族化は、塩化テトラエチルアンモニウムを含むアセトニトリル中で実行される。
【0064】
いくつかの実施形態では、プロセスは、式(III)の化合物またはその塩を、
【化25】
ハロゲン化剤でハロゲン化して、式(II)の化合物またはその塩を得ることをさらに含む。いくつかの実施形態では、ハロゲン化剤は、1,3-ジクロロ-5,5-ジメチルヒダントイン(DCDMH)、N-クロロスクシンイミド(NCS)、およびトリクロロイソシアヌル酸(TCCA)から選択される。いくつかの実施形態では、ハロゲン化剤は、DCDMHであり、式(II)の化合物またはその塩は、式(IIa)の化合物またはその塩である。
【化26】
いくつかの実施形態では、ハロゲン化は、メタノール中で実行される。いくつかの実施形態では、ハロゲン化剤は、DCDMHであり、ハロゲン化は、メタノール中で実行される。
【0065】
いくつかの実施形態では、プロセスは、式(IV)の化合物またはその塩
【化27】
(式中、Rが、C
1~4アルキルである)を環化して、式(III)の化合物またはその塩を得ることをさらに含む。いくつかの実施形態では、Rは、メチル、エチル、プロピル、またはブチルからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、Rは、t-ブチルである。いくつかの実施形態では、Rは、メチルである。いくつかの実施形態では、環化は、式(IV)の化合物またはその塩を塩基と接触させることを含む。いくつかの実施形態では、環化は、カリウムtert-ブトキシドを使用して行われる。いくつかの実施形態では、環化は、2-メチルテトラヒドロフラン中で実行される。いくつかの実施形態では、環化は、式(IV)の化合物またはその塩、例えば(IVa)の化合物またはその塩を、2-メチルテトラヒドロフラン中のカリウムtert-ブトキシドで処理することを含む。いくつかの実施形態では、式(III)の化合物またはその塩は、さらに酸性化され、メチルシクロヘキサンでの沈殿によって単離される。
【0066】
いくつかの実施形態では、プロセスは、式(V)の化合物またはその塩をエステル化して、
【化28】
式(IV)の化合物またはその塩を得ることをさらに含む。いくつかの実施形態では、エステル化を、メタノールおよび塩酸を使用して実行して、化合物(IV)を得る。いくつかの実施形態では、エステル化は、式(V)の化合物またはその塩をメタノール中の塩酸水溶液で処理することを含む。
【0067】
いくつかの実施形態では、プロセスは、式(VI)の化合物またはその塩を脱炭酸して、
【化29】
式(V)の化合物またはその塩を得ることをさらに含む。いくつかの実施形態では、脱炭酸は、塩基の存在を含む。いくつかの実施形態では、塩基は、イミダゾール、ピリジン、およびルチジン(2,6-ジメチルピリジン)から選択される。いくつかの実施形態では、塩基は、トリメチルアミンである。いくつかの実施形態では、脱炭酸は、式(VI)の化合物またはその塩を、トリメチルアミンの存在下で加熱することを含む。
【0068】
いくつかの実施形態では、プロセスは、式(VII)の化合物またはその塩
【化30】
(式中、R
1およびR
2の各々が、独立して、C
1~4アルキルである)を加水分解して、式(VI)の化合物またはその塩を得ることをさらに含む。いくつかの実施形態では、R
1およびR
2の各々は、エチル(VIIa)である。いくつかの実施形態では、加水分解は、式(VII)の化合物またはその塩を水酸化ナトリウムで処理することを含む。いくつかの実施形態では、加水分解は、式(VII)の化合物またはその塩を、エタノール中の水酸化ナトリウムで処理することを含む。いくつかの実施形態では、プロセスは、式(VIIa)の化合物またはその塩を、エタノール中の水酸化ナトリウムで処理することを含む、式(VIIa)の化合物またはその塩を加水分解することを含む。
【0069】
いくつかの実施形態では、プロセスは、ジアルキルマロン酸エステル(R
1O(O)C-CH
2-C(O)OR
2(式中、各R
1およびR
2は、独立して、C
1~4アルキルである)を、式(VIII)の化合物またはその塩に添加して、
【化31】
式(VII)の化合物またはその塩を得ることをさらに含む。いくつかの実施形態では、ジアルキルマロン酸エステルは、ジ-tert-ブチルマロネートまたはマロン酸ジエチルである。いくつかの実施形態では、添加は、ジアルキルマロン酸エステルを、臭化リチウム/トリエチルアミンの存在下で式(VIII)の化合物またはその塩と接触させることを含む。
【0070】
いくつかの実施形態では、プロセスは、トランス-シンナムアルデヒド(式(IX)の化合物)またはその塩を、
【化32】
メチルイソブチルケトンと縮合して、式(VIII)の化合物またはその塩を形成することをさらに含む。いくつかの実施形態では、縮合は、メチルイソブチルケトンを、水酸化リチウム、水酸化カリウム、または水酸化ナトリウムの存在下でトランス-シンナムアルデヒドまたはその塩で処理することを含み、例えば、縮合は、メタノール中の水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムを使用して行われる。いくつかの実施形態では、縮合は、メチルイソブチルケトンを、メタノール中の水酸化ナトリウムの存在下でトランス-シンナムアルデヒドまたはその塩で処理することを含む。
【0071】
式(I)の化合物の調製-プロセスC
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物を調製するためのプロセスであって、
【化33】
a)式(VI)の化合物またはその塩を脱炭酸して、
【化34】
式(V)の化合物またはその塩を形成することと、
【化35】
b)式(V)の化合物またはその塩をエステル化して、式(IV)の化合物またはその塩を形成することと
【化36】
(式中、Rが、C
1~4アルキルである)、
c)式(IV)の化合物またはその塩を環化して、式(III)の化合物またはその塩を形成することと、
【化37】
d)式(III)の化合物またはその塩をハロゲン化して、式(II)の化合物またはその塩を形成することと
【化38】
(式中、Xが、Br、Cl、およびIから選択される)、
e)式(II)の化合物またはその塩を芳香族化して、式(I)の化合物またはその塩を形成することと、を含むプロセスが本明細書に記載される。
【0072】
いくつかの実施形態では、プロセスは、ステップc)において式(III)の化合物またはその塩を単離することをさらに含む。いくつかの実施形態では、プロセスは、ステップd)において式(II)の化合物またはその塩を単離することを含む。いくつかの実施形態では、プロセスは、ステップe)から得られた式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物を精製することをさらに含む。いくつかの実施形態では、精製は、式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物の結晶化を含む。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、本明細書に記載の任意の実施形態に記載されている結晶形である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、結晶形1である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、無水結晶である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、実質的に
図1に示されるようなX線粉末回折パターンを有する。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、15.0、17.8、19.1、20.2、21.5、22.4、23.3、24.5、26.2、および27.9度(すべての値±0.1°2θ実験誤差)に特定のピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする結晶性固体状態にある。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、15.0、17.8、19.1、20.2、21.5、22.4、23.3、24.5、26.2、および27.9度(すべての値±0.1°2θ実験誤差)から選択される少なくとも9つ、または少なくとも8つ、または少なくとも7つ、または少なくとも6つ、または少なくとも5つ、または少なくとも4つ、または少なくとも3つの特定のピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする結晶性固体状態にある。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、結晶性固体形態の酢酸溶媒和物である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、実質的に
図2に示されるようなX線粉末回折パターンを有する結晶性固体形態の酢酸溶媒和物である。別の実施形態では、式(I)の化合物は、6.7、10.2、11.1、15.4、16.9、17.2、および24.8度(すべての2θ値、±0.1°2θ実験誤差)に特定のピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする結晶性固体状態の酢酸溶媒和物である。別の実施形態では、式(I)の化合物は、6.7、10.2、11.1、15.4、16.9、17.2、および24.8度(すべての2θ値、±0.1°2θ実験誤差)のピークから選択される少なくとも6つ、または少なくとも5つ、または少なくとも4つ、または少なくとも3つの特定のピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする結晶性固体状態の酢酸溶媒和物である。
【0073】
いくつかの実施形態では、ステップa)における式(VI)の化合物またはその塩の脱炭酸は、塩基の存在を含む。いくつかの実施形態では、塩基は、イミダゾール、ピリジン、およびルチジン(2,6-ジメチルピリジン)から選択される。いくつかの実施形態では、塩基は、トリメチルアミンである。いくつかの実施形態では、脱炭酸は、式(VI)の化合物またはその塩を、トリメチルアミンの存在下で加熱することを含む。
【0074】
いくつかの実施形態では、ステップb)における式(IV)の化合物またはその塩のRは、メチル、エチル、プロピル、またはブチルからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、ステップb)における式(IV)の化合物またはその塩のRは、t-ブチルである。いくつかの実施形態では、ステップb)における式(IV)の化合物またはその塩のRは、メチルである。いくつかの実施形態では、ステップb)における式(V)の化合物またはその塩のエステル化を、メタノールおよび塩酸を使用して実行して、化合物(IV)またはその塩もしくは溶媒和物を得る。いくつかの実施形態では、エステル化は、式(V)の化合物またはその塩をメタノール中の塩酸水溶液で処理することを含む。
【0075】
いくつかの実施形態では、環化は、式(IV)の化合物またはその塩を塩基と接触させることを含む。いくつかの実施形態では、環化は、カリウムtert-ブトキシドを使用して行われる。いくつかの実施形態では、環化は、2-メチルテトラヒドロフラン中で実行される。いくつかの実施形態では、環化は、式(IV)の化合物またはその塩、例えば(IVa)の化合物またはその塩を、2-メチルテトラヒドロフラン中のカリウムtert-ブトキシドで処理することを含む。いくつかの実施形態では、式(III)の化合物またはその塩は、さらに酸性化され、メチルシクロヘキサンでの沈殿によって単離される。
【0076】
いくつかの実施形態では、ステップd)における式(II)の化合物またはその塩のXは、Cl、Br、またはIである。いくつかの実施形態では、ステップd)における式(II)の化合物またはその塩のXは、Clである。いくつかの実施形態では、ハロゲン化は、式(III)の化合物またはその塩をハロゲン化剤で処理することを含む。いくつかの実施形態では、ハロゲン化剤は、1,3-ジクロロ-5,5-ジメチルヒダントイン(DCDMH)、N-クロロスクシンイミド(NCS)、およびトリクロロイソシアヌル酸(TCCA)から選択される。いくつかの実施形態では、ハロゲン化剤は、DCDMHであり、式(II)の化合物またはその塩は、式(IIa)の化合物またはその塩である
【0077】
いくつかの実施形態では、ステップe)における芳香族化は、好適な溶媒中で、および任意に添加剤試薬を用いて実行される。いくつかの実施形態では、ステップe)における芳香族化は、ジメチルホルムアミド(DMF)、1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2(1H)-ピリミジノンからなる群から選択される極性非プロトン性溶媒である好適な溶媒中で実行される。いくつかの実施形態では、ステップe)における芳香族化は、アセトニトリル、トルエン、2-メチルテトラヒドロフラン、酢酸イソプロピル、アセトン、およびメチルイソブチルケトンからなる群から選択される溶媒中の添加剤試薬の存在下で実行される。いくつかの実施形態では、芳香族化は、添加剤試薬の存在下、アセトニトリル中で実行される。いくつかの実施形態では、添加剤試薬は、第四級アンモニウム塩である。いくつかの実施形態では、第四級アンモニウム塩は、臭化テトラブチルアンモニウム、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、および塩化テトラメチルアンモニウムからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、第四級アンモニウム塩は、塩化テトラエチルアンモニウムである。いくつかの実施形態では、芳香族化は、塩化テトラエチルアンモニウムを含むアセトニトリル中で実行される。
【0078】
いくつかの実施形態では、ステップb)のRは、メチルであり、ステップd)のXは、クロロである。
【0079】
いくつかの実施形態では、ステップa)における式(VI)の化合物またはその塩は、
i.トランス-シンナムアルデヒドまたはその塩を、メチルイソブチルケトンと縮合して、式(VIII)の化合物またはその塩を形成することと、
【化39】
ii.式R
1O(O)C-CH
2-C(O)OR
2のジアルキルマロン酸エステル(式中、R
1およびR
2の各々が、独立して、C
1~4アルキルである)を、式(VIII)の化合物またはその塩に添加して、式(VII)の化合物またはその塩を形成することと
【化40】
(式中、各R
1およびR
2が、ジアルキルマロン酸エステルについて定義されたとおりである)、
iii.式(VII)の化合物またはその塩を加水分解して、式(VI)の化合物またはその塩を形成することと、を含むプロセスによって調製される。
【0080】
いくつかの実施形態では、ステップi.における縮合は、メチルイソブチルケトンを、水酸化リチウム、水酸化カリウム、または水酸化ナトリウムの存在下でトランス-シンナムアルデヒドまたはその塩で処理することを含み、例えば、縮合は、メタノール中の水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムを使用して行われる。いくつかの実施形態では、ステップi.における縮合は、メチルイソブチルケトンを、メタノール中の水酸化ナトリウムの存在下でトランス-シンナムアルデヒドまたはその塩で処理することを含む。
【0081】
いくつかの実施形態では、ステップii.におけるR1およびR2の各々は、エチルである。いくつかの実施形態では、ステップii.におけるジアルキルマロン酸エステルは、ジ-tert-ブチルマロネートまたはマロン酸ジエチルである。いくつかの実施形態では、ステップii.における添加は、マロン酸エステルを、臭化リチウム/トリエチルアミンの存在下で式(VIII)の化合物またはその塩と接触させることを含む。
【0082】
式(I)の化合物の調製-プロセスD
本明細書のいくつかの実施形態は、式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物を調製するためのプロセスであって、
【化41】
a)式(VI)の化合物を
【化42】
触媒トリエチルアミンと共に加熱して、式(V)の化合物を形成することと、
【化43】
b)式(V)の化合物をメタノールおよび塩酸水溶液と共に加熱して、式(IVa)の化合物を形成することと、
【化44】
c)式(IVa)の化合物の冷却溶液を、カリウムtert-ブトキシドで処理して、式(III)の化合物を形成することと、
【化45】
d)式(III)の化合物を、1,3-ジクロロ-5,5-ジメチルヒダントインと共に加熱して、式(IIa)の化合物を形成することと、
【化46】
e)式(IIa)の化合物を、塩化テトラエチルアンモニウムと共に加熱して、式(I)の化合物、その塩または溶媒和物を形成することと、を含むプロセスを説明する。
【0083】
いくつかの実施形態では、プロセスは、結晶化によってステップe)からの式(I)の化合物を精製することをさらに含む。いくつかの実施形態では、プロセスは、ステップc)、ステップci)の後、式(III)の化合物を単離することをさらに含む。いくつかの実施形態では、プロセスは、ステップd)の後、ステップdi)の後、式(IIa)の化合物を単離することをさらに含む。いくつかの実施形態では、プロセスは、ステップe)から得られた式(I)の化合物を精製することをさらに含む。いくつかの実施形態では、精製は、式(I)の結晶化を含む。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、本明細書に記載の任意の実施形態に記載されている結晶形である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、結晶形1である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、無水結晶である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、実質的に
図1に示されるようなX線粉末回折パターンを有する。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、15.0、17.8、19.1、20.2、21.5、22.4、23.3、24.5、26.2、および27.9度(すべての値±0.1°2θ実験誤差)に特定のピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする結晶性固体状態にある。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、15.0、17.8、19.1、20.2、21.5、22.4、23.3、24.5、26.2、および27.9度(すべての値±0.1°2θ実験誤差)から選択される少なくとも9つ、または少なくとも8つ、または少なくとも7つ、または少なくとも6つ、または少なくとも5つ、または少なくとも4つ、または少なくとも3つの特定のピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする結晶性固体状態にある。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、結晶性固体形態の酢酸溶媒和物である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、実質的に
図2に示されるようなX線粉末回折パターンを有する結晶性固体形態の酢酸溶媒和物である。別の実施形態では、式(I)の化合物は、6.7、10.2、11.1、15.4、16.9、17.2、および24.8度(すべての2θ値、±0.1°2θ実験誤差)に特定のピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする結晶性固体状態の酢酸溶媒和物である。別の実施形態では、式(I)の化合物は、6.7、10.2、11.1、15.4、16.9、17.2、および24.8度(すべての2θ値、±0.1°2θ実験誤差)のピークから選択される少なくとも6つ、または少なくとも5つ、または少なくとも4つ、または少なくとも3つの特定のピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする結晶性固体状態の酢酸溶媒和物である。
【0084】
いくつかの実施形態では、ステップa)における式(VI)の化合物は、
i.メチルイソブチルケトンを、メタノール性水酸化ナトリウムの存在下でトランス-シンナムアルデヒドで処理して、式(VIII)の化合物を形成することと、
【化47】
ii.式(VIII)の化合物を、臭化リチウムおよびトリエチルアミンの存在下でマロン酸ジエチルで処理して、式(VIIa)の化合物を形成することと、
【化48】
iii.式(VIIa)の化合物を、水酸化ナトリウムおよびエタノールで加水分解して、式(VI)の化合物を得ることと、を含むプロセスによって調製される。
【0085】
式(I)の化合物の調製-プロセスE
いくつかの実施形態は、下のスキーム2に示され、実施例で詳細に説明される本発明の特定の実施形態のプロセスを説明する。
【0086】
式(VI)の化合物の調製のためのプロセス
本明細書のいくつかの実施形態は、式(VI)の化合物またはその塩を調製するためのプロセスであって
【化49】
a)トランス-シンナムアルデヒドまたはその塩またはその塩を、メチルイソブチルケトンと縮合して、式(VIII)の化合物またはその塩を形成することと、
【化50】
b)マロン酸ジエチルを、式(VIII)の化合物またはその塩に添加して、式(VIIa)の化合物またはその塩を形成することと、
【化51】
c)式(VIIa)の化合物またはその塩を加水分解して、式(VI)の化合物またはその塩を形成することと、を含むプロセスを説明する。
【0087】
いくつかの実施形態では、ステップa)における縮合は、メチルイソブチルケトンを、水酸化リチウム、水酸化カリウム、または水酸化ナトリウムの存在下でトランス-シンナムアルデヒドまたはその塩で処理することを含み、例えば、縮合は、メタノール中の水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムを使用して行われる。いくつかの実施形態では、ステップa)における縮合は、メチルイソブチルケトンを、メタノール中の水酸化ナトリウムの存在下でトランス-シンナムアルデヒドまたはその塩で処理することを含む。いくつかの実施形態では、ステップb)における添加は、マロン酸ジエチルを、臭化リチウム/トリエチルアミンの存在下で式(VIIIa)の化合物またはその塩と接触させることを含む。
【0088】
式(V)の化合物の調製のためのプロセス
本明細書のいくつかの実施形態は、式(V)の化合物またはその塩を調製するためのプロセスであって、
【化52】
式(VI)の化合物またはその塩を、
【化53】
塩基の存在下で脱炭酸して、式(V)の化合物またはその塩を形成することを含むプロセスを説明する。いくつかの実施形態では、塩基は、イミダゾール、ピリジン、およびルチジン(2,6-ジメチルピリジン)から選択される。いくつかの実施形態では、塩基は、トリメチルアミンである。いくつかの実施形態では、脱炭酸は、式(VI)の化合物またはその塩を、トリメチルアミンの存在下で加熱することを含む。いくつかの実施形態では、式(VI)の化合物またはその塩は、本明細書に記載の任意のプロセスによって調製される。いくつかの実施形態では、式(VI)の化合物またはその塩は、
a)トランス-シンナムアルデヒドまたはその塩を、メチルイソブチルケトンと縮合して、式(VIII)の化合物またはその塩を形成することと、
【化54】
b)マロン酸ジエチルを、式(VIII)の化合物またはその塩に添加して、式(VIIa)の化合物またはその塩を形成することと、
【化55】
c)式(VIIa)の化合物またはその塩を加水分解して、式(VI)の化合物またはその塩を形成することと、を含むプロセスによって調製される。
【0089】
本明細書のいくつかの実施形態は、式(V)の化合物またはその塩を調製するためのプロセスであって、
【化56】
a)トランス-シンナムアルデヒドまたはその塩を、メチルイソブチルケトンと縮合して、式(VIII)の化合物またはその塩を形成することと、
【化57】
b)マロン酸ジエチルを、式(VIII)の化合物またはその塩に添加して、式(VIIa)の化合物またはその塩を形成することと、
【化58】
c)式(VIIa)の化合物またはその塩を加水分解して、式(VI)の化合物またはその塩を形成することと、
【化59】
d)式(VI)の化合物またはその塩を、塩基の存在下で脱炭酸して、式(V)の化合物またはその塩を形成することと、を含むプロセスを説明する。
【0090】
いくつかの実施形態では、ステップa)における縮合は、メチルイソブチルケトンを、水酸化リチウム、水酸化カリウム、または水酸化ナトリウムの存在下でトランス-シンナムアルデヒドまたはその塩で処理することを含み、例えば、縮合は、メタノール中の水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムを使用して行われる。いくつかの実施形態では、ステップa)における縮合は、メチルイソブチルケトンを、メタノール中の水酸化ナトリウムの存在下でトランス-シンナムアルデヒドまたはその塩で処理することを含む。いくつかの実施形態では、ステップb)における添加は、マロン酸ジエチルを、臭化リチウム/トリエチルアミンの存在下で式(VIIIa)の化合物またはその塩と接触させることを含む。いくつかの実施形態では、ステップd)における塩基は、イミダゾール、ピリジン、およびルチジン(2,6-ジメチルピリジン)から選択される。いくつかの実施形態では、ステップd)における塩基は、トリメチルアミンである。いくつかの実施形態では、ステップd)における脱炭酸は、式(VI)の化合物またはその塩を、トリメチルアミンの存在下で加熱することを含む。
【0091】
式(IVa)の化合物の調製のためのプロセス
本明細書のいくつかの実施形態は、式(IVa)の化合物またはその塩を調製するためのプロセスであって、
【化60】
式(V)の化合物またはその塩をエステル化して、
【化61】
式(IVa)の化合物またはその塩を形成することを含むプロセスを説明する。いくつかの実施形態では、式(V)の化合物またはその塩のエステル化を、メタノールおよび塩酸を使用して実行して、化合物(IVa)を得る。いくつかの実施形態では、エステル化は、式(V)の化合物またはその塩をメタノール中の塩酸水溶液で処理することを含む。いくつかの実施形態では、式(V)の化合物またはその塩は、本明細書に記載の任意の方法によって調製される。いくつかの実施形態では、式(V)の化合物またはその塩は、式(VI)の化合物またはその塩を、
【化62】
塩基の存在下で脱炭酸して、式(V)の化合物またはその塩を形成することを含むプロセスによって調製される。いくつかの実施形態では、式(VI)の化合物またはその塩は、本明細書に記載の任意のプロセスによって調製される。いくつかの実施形態では、式(VI)の化合物またはその塩は、
i.トランス-シンナムアルデヒドまたはその塩またはその塩を、メチルイソブチルケトンと縮合して、式(VIII)の化合物またはその塩を形成することと、
【化63】
ii.マロン酸ジエチルを、式(VIII)の化合物またはその塩に添加して、式(VIIa)の化合物またはその塩を形成することと、
【化64】
iii.式(VIIa)の化合物またはその塩を加水分解して、式(VI)の化合物またはその塩を形成することと、を含むプロセスによって調製される。
【0092】
本明細書のいくつかの実施形態は、式(IVa)の化合物またはその塩を調製するためのプロセスであって、
【化65】
a)トランス-シンナムアルデヒドまたはその塩を、メチルイソブチルケトンと縮合して、式(VIII)の化合物またはその塩を形成することと、
【化66】
b)マロン酸ジエチルを、式(VIII)の化合物またはその塩に添加して、式(VIIa)の化合物またはその塩を形成することと、
【化67】
c)式(VIIa)の化合物またはその塩を加水分解して、式(VI)の化合物またはその塩を形成することと、
【化68】
d)式(VI)の化合物またはその塩を、塩基の存在下で脱炭酸して、式(V)の化合物またはその塩を形成することと、
【化69】
e)式(V)の化合物またはその塩をエステル化して、式(IVa)の化合物またはその塩を形成することと、を含むプロセスを説明する。
【0093】
いくつかの実施形態では、ステップa)における縮合は、メチルイソブチルケトンを、水酸化リチウム、水酸化カリウム、または水酸化ナトリウムの存在下でトランス-シンナムアルデヒドまたはその塩で処理することを含み、例えば、縮合は、メタノール中の水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムを使用して行われる。いくつかの実施形態では、ステップa)における縮合は、メチルイソブチルケトンを、メタノール中の水酸化ナトリウムの存在下でトランス-シンナムアルデヒドまたはその塩で処理することを含む。いくつかの実施形態では、ステップb)における添加は、マロン酸ジエチルを、臭化リチウム/トリエチルアミンの存在下で式(VIIIa)の化合物またはその塩と接触させることを含む。いくつかの実施形態では、ステップd)における塩基は、イミダゾール、ピリジン、およびルチジン(2,6-ジメチルピリジン)から選択される。いくつかの実施形態では、ステップd)における塩基は、トリメチルアミンである。いくつかの実施形態では、ステップd)における脱炭酸は、式(VI)の化合物またはその塩を、トリメチルアミンの存在下で加熱することを含む。いくつかの実施形態では、ステップe)における式(V)の化合物またはその塩のエステル化を、メタノールおよび塩酸を使用して実行して、化合物(IVa)を得る。いくつかの実施形態では、ステップe)におけるエステル化は、式(V)の化合物またはその塩をメタノール中の塩酸水溶液で処理することを含む。
【0094】
式(IIa)の化合物の調製のためのプロセス
本明細書のいくつかの実施形態は、式(IIa)の化合物またはその塩を調製するためのプロセスであって、
【化70】
式(III)の化合物またはその塩をハロゲン化して、
【化71】
式(IIa)の化合物またはその塩を形成することを含むプロセスを説明する。いくつかの実施形態では、ハロゲン化は、式(III)の化合物またはその塩をハロゲン化剤で処理することを含む。いくつかの実施形態では、ハロゲン化剤は、1,3-ジクロロ-5,5-ジメチルヒダントイン(DCDMH)、N-クロロスクシンイミド(NCS)、およびトリクロロイソシアヌル酸(TCCA)から選択される。いくつかの実施形態では、ハロゲン化剤は、DCDMHである。いくつかの実施形態では、式(III)の化合物またはその塩は、本明細書に記載の任意のプロセスによって調製される。いくつかの実施形態では、式(III)の化合物またはその塩は、式(IVa)の化合物またはその塩を環化して、
【化72】
式(III)の化合物またはその塩を形成することを含むプロセスによって調製される。いくつかの実施形態では、式(IVa)の化合物またはその塩は、本明細書に記載の任意のプロセスによって調製される。いくつかの実施形態では、式(IVa)の化合物またはその塩は、式(V)の化合物またはその塩をエステル化することを含むプロセスによって調製される。
【化73】
いくつかの実施形態では、式(V)の化合物またはその塩は、本明細書に記載の任意のプロセスによって調製される。いくつかの実施形態では、式(V)の化合物またはその塩は、式(VI)の化合物またはその塩を、
【化74】
塩基の存在下で脱炭酸して、式(V)の化合物またはその塩を形成することを含むプロセスによって調製される。いくつかの実施形態では、式(VI)の化合物またはその塩は、本明細書に記載の任意のプロセスによって調製される。いくつかの実施形態では、式(VI)の化合物またはその塩は、
i.トランス-シンナムアルデヒドまたはその塩を、メチルイソブチルケトンと縮合して、式(VIII)の化合物またはその塩を形成することと、
【化75】
ii.マロン酸ジエチルを、式(VIII)の化合物またはその塩に添加して、式(VIIa)の化合物またはその塩を形成することと、
【化76】
iii.式(VIIa)の化合物またはその塩を加水分解して、式(VI)の化合物またはその塩を形成することと、を含むプロセスによって調製される。
【0095】
本明細書のいくつかの実施形態は、式(IIa)の化合物またはその塩を調製するためのプロセスであって、
【化77】
a)トランス-シンナムアルデヒドまたはその塩を、メチルイソブチルケトンと縮合して、式(VIII)の化合物またはその塩を形成することと、
【化78】
b)マロン酸ジエチルを、式(VIII)の化合物またはその塩に添加して、式(VIIa)の化合物またはその塩を形成することと、
【化79】
c)式(VIIa)の化合物またはその塩を加水分解して、式(VI)の化合物またはその塩を形成することと、
【化80】
d)式(VI)の化合物またはその塩を、塩基の存在下で脱炭酸して、式(V)の化合物またはその塩を形成することと
【化81】
e)式(V)の化合物またはその塩をエステル化して、式(IVa)の化合物またはその塩を形成することと、
【化82】
f)式(IVa)の化合物またはその塩を環化して、式(III)の化合物またはその塩を形成することと、
【化83】
g)式(III)の化合物またはその塩をハロゲン化して、式(IIa)の化合物またはその塩を形成することと、を含むプロセスを説明する。
【0096】
いくつかの実施形態では、ステップa)における縮合は、メチルイソブチルケトンを、水酸化リチウム、水酸化カリウム、または水酸化ナトリウムの存在下でトランス-シンナムアルデヒドまたはその塩で処理することを含み、例えば、縮合は、メタノール中の水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムを使用して行われる。いくつかの実施形態では、ステップa)における縮合は、メチルイソブチルケトンを、メタノール中の水酸化ナトリウムの存在下でトランス-シンナムアルデヒドまたはその塩で処理することを含む。いくつかの実施形態では、ステップb)における添加は、マロン酸ジエチルを、臭化リチウム/トリエチルアミンの存在下で式(VIIIa)の化合物またはその塩と接触させることを含む。いくつかの実施形態では、ステップd)における塩基は、イミダゾール、ピリジン、およびルチジン(2,6-ジメチルピリジン)から選択される。いくつかの実施形態では、ステップd)における塩基は、トリメチルアミンである。いくつかの実施形態では、ステップd)における脱炭酸は、式(VI)の化合物またはその塩を、トリメチルアミンの存在下で加熱することを含む。いくつかの実施形態では、ステップe)における式(V)の化合物またはその塩のエステル化を、メタノールおよび塩酸を使用して実行して、化合物(IVa)を得る。いくつかの実施形態では、ステップe)におけるエステル化は、式(V)の化合物またはその塩をメタノール中の塩酸水溶液で処理することを含む。いくつかの実施形態では、ステップg)におけるハロゲン化は、式(III)の化合物またはその塩をハロゲン化剤で処理することを含む。いくつかの実施形態では、ハロゲン化剤は、1,3-ジクロロ-5,5-ジメチルヒダントイン(DCDMH)、N-クロロスクシンイミド(NCS)、およびトリクロロイソシアヌル酸(TCCA)から選択される。いくつかの実施形態では、ハロゲン化剤は、DCDMHである。
【0097】
プロセスAによって調製される式(I)の化合物
本明細書のいくつかの実施形態は、
【化84】
a)式(VI)の化合物またはその塩を脱炭酸して、
【化85】
式(V)の化合物またはその塩を形成することと、
【化86】
b)式(V)の前記化合物またはその塩をエステル化して、式(IV)の化合物またはその塩を形成することと
【化87】
(式中、Rが、C
1~4アルキルである)、
c)式(IV)の化合物またはその塩を環化して、式(III)の化合物またはその塩を形成することと、
【化88】
d)式(III)の化合物またはその塩をハロゲン化して、式(II)の化合物またはその塩を形成することと、
【化89】
(式中、Xが、Br、Cl、およびIから選択される)、
e)式(II)の化合物またはその塩を芳香族化して、式(I)の化合物またはその塩を形成することと、を含むプロセスによって調製される、式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物を説明する。
【0098】
いくつかの実施形態は、プロセスが、式(III)の化合物またはその塩を単離することをさらに含む、式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物を説明する。いくつかの実施形態は、プロセスが、式(II)の化合物またはその塩を単離することを含む、式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物を説明する。いくつかの実施形態は、プロセスが、ステップe)から得られた式Iの化合物を精製することをさらに含む、式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物を説明する。いくつかの実施形態では、精製は、式(I)の結晶化を含む。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、結晶形1である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、無水結晶である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、実質的に
図1に示されるようなX線粉末回折パターンを有する。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、15.0、17.8、19.1、20.2、21.5、22.4、23.3、24.5、26.2、および27.9度(すべての値±0.1°2θ実験誤差)に特定のピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする結晶性固体状態にある。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、15.0、17.8、19.1、20.2、21.5、22.4、23.3、24.5、26.2、および27.9度(すべての値±0.1°2θ実験誤差)から選択される少なくとも9つ、または少なくとも8つ、または少なくとも7つ、または少なくとも6つ、または少なくとも5つ、または少なくとも4つ、または少なくとも3つの特定のピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする結晶性固体状態にある。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、結晶性固体形態の酢酸溶媒和物である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、実質的に
図2に示されるようなX線粉末回折パターンを有する結晶性固体形態の酢酸溶媒和物である。別の実施形態では、式(I)の化合物は、6.7、10.2、11.1、15.4、16.9、17.2、および24.8度(すべての2θ値、±0.1°2θ実験誤差)に特定のピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする結晶性固体状態の酢酸溶媒和物である。別の実施形態では、式(I)の化合物は、6.7、10.2、11.1、15.4、16.9、17.2、および24.8度(すべての2θ値、±0.1°2θ実験誤差)のピークから選択される少なくとも6つ、または少なくとも5つ、または少なくとも4つ、または少なくとも3つの特定のピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする結晶性固体状態の酢酸溶媒和物である。
【0099】
いくつかの実施形態では、ステップa)における式(VI)の化合物またはその塩の脱炭酸は、塩基の存在を含む。いくつかの実施形態では、塩基は、イミダゾール、ピリジン、およびルチジン(2,6-ジメチルピリジン)から選択される。いくつかの実施形態では、塩基は、トリメチルアミンである。いくつかの実施形態では、脱炭酸は、式(VI)の化合物またはその塩を、トリメチルアミンの存在下で加熱することを含む。
【0100】
いくつかの実施形態では、ステップb)における式(IV)の化合物またはその塩のRは、メチル、エチル、プロピル、またはブチルからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、ステップb)における式(IV)の化合物またはその塩のRは、t-ブチルである。いくつかの実施形態では、ステップb)における式(IV)の化合物またはその塩のRは、メチルである。いくつかの実施形態では、ステップb)における式(V)の化合物またはその塩のエステル化を、メタノールおよび塩酸を使用して実行して、化合物(IV)を得る。いくつかの実施形態では、エステル化は、式(V)の化合物またはその塩をメタノール中の塩酸水溶液で処理することを含む。
【0101】
いくつかの実施形態では、ステップc)における環化は、式(IV)の化合物またはその塩を塩基と接触させることを含む。いくつかの実施形態では、環化は、カリウムtert-ブトキシドを使用して行われる。いくつかの実施形態では、環化は、2-メチルテトラヒドロフラン中で実行される。いくつかの実施形態では、環化は、式(IV)の化合物またはその塩、例えば(IVa)の化合物またはその塩を、2-メチルテトラヒドロフラン中のカリウムtert-ブトキシドで処理することを含む。いくつかの実施形態では、式(III)の化合物またはその塩は、さらに酸性化され、メチルシクロヘキサンでの沈殿によって単離される。
【0102】
いくつかの実施形態では、ステップd)における式(II)の化合物またはその塩のXは、Cl、Br、またはIである。いくつかの実施形態では、ステップd)における式(II)の化合物またはその塩のXは、Clである。いくつかの実施形態では、ハロゲン化は、式(III)の化合物またはその塩をハロゲン化剤で処理することを含む。いくつかの実施形態では、ハロゲン化剤は、1,3-ジクロロ-5,5-ジメチルヒダントイン(DCDMH)、N-クロロスクシンイミド(NCS)、およびトリクロロイソシアヌル酸(TCCA)から選択される。いくつかの実施形態では、ハロゲン化剤は、DCDMHであり、式(II)の化合物またはその塩は、式(IIa)の化合物またはその塩である
【0103】
いくつかの実施形態では、ステップe)における芳香族化は、好適な溶媒中で、および任意に添加剤試薬を用いて実行される。いくつかの実施形態では、ステップe)における芳香族化は、ジメチルホルムアミド(DMF)、1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2(1H)-ピリミジノンからなる群から選択される極性非プロトン性溶媒である好適な溶媒中で実行される。いくつかの実施形態では、ステップe)における芳香族化は、アセトニトリル、トルエン、2-メチルテトラヒドロフラン、酢酸イソプロピル、アセトン、およびメチルイソブチルケトンからなる群から選択される溶媒中の添加剤試薬の存在下で実行される。いくつかの実施形態では、芳香族化は、添加剤試薬の存在下、アセトニトリル中で実行される。いくつかの実施形態では、添加剤試薬は、第四級アンモニウム塩である。いくつかの実施形態では、第四級アンモニウム塩は、臭化テトラブチルアンモニウム、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、および塩化テトラメチルアンモニウムからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、第四級アンモニウム塩は、塩化テトラエチルアンモニウムである。いくつかの実施形態では、芳香族化は、塩化テトラエチルアンモニウムを含むアセトニトリル中で実行される。
【0104】
いくつかの実施形態では、ステップb)のRは、メチルであり、ステップd)のXは、クロロである。
【0105】
いくつかの実施形態は、式(VI)の化合物またはその塩が、本明細書に記載の任意のプロセスによって調製される、式(I)の化合物またはその塩を説明する。いくつかの実施形態は、式(VI)の化合物またはその塩が、
i.トランス-シンナムアルデヒドまたはその塩を、メチルイソブチルケトンと縮合して、式(VIII)の化合物またはその塩を形成することと、
【化90】
ii.式R
1O(O)C-CH
2-C(O)OR
2のジアルキルマロン酸エステル(式中、R
1およびR
2の各々が、独立して、C
1~4アルキルである)を、式(VIII)の化合物またはその塩に添加して、式(VII)の化合物またはその塩を形成することと
【化91】
(式中、各R
1およびR
2が、ジアルキルマロン酸エステルについて定義されたとおりである)、
iii.式(VII)の前記化合物またはその塩を加水分解して、式(VI)の前記化合物またはその塩を形成することと、を含むプロセスによって調製される、式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物を説明する。
【0106】
いくつかの実施形態では、ステップi.における縮合は、メチルイソブチルケトンを、水酸化リチウム、水酸化カリウム、または水酸化ナトリウムの存在下でトランス-シンナムアルデヒドまたはその塩で処理することを含み、例えば、縮合は、メタノール中の水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムを使用して行われる。いくつかの実施形態では、ステップi.における縮合は、メチルイソブチルケトンを、メタノール中の水酸化ナトリウムの存在下でトランス-シンナムアルデヒドまたはその塩で処理することを含む。
【0107】
いくつかの実施形態では、ステップii.におけるR1およびR2の各々は、エチルである。いくつかの実施形態では、ステップii.におけるジアルキルマロン酸エステルは、ジ-tert-ブチルマロネートまたはマロン酸ジエチルである。いくつかの実施形態では、ステップii.における添加は、マロン酸エステルを、臭化リチウム/トリエチルアミンの存在下で式(VIII)の化合物またはその塩と接触させることを含む。
【0108】
プロセスBによって調製される式(I)の化合物
本明細書のいくつかの実施形態は、
【化92】
a)式(VI)の化合物またはその塩を脱炭酸して、
【化93】
式(V)の化合物またはその塩を形成することと、
【化94】
b)式(V)の化合物またはその塩をエステル化して、式(IVa)の化合物またはその塩を形成することと、
【化95】
c)式(IVa)の化合物またはその塩を環化して、式(III)の化合物またはその塩を形成することと、
【化96】
d)式(III)の化合物またはその塩をハロゲン化して、式(IIa)の化合物またはその塩を形成することと、
【化97】
e)式(IIa)の化合物またはその塩を芳香族化して、式(I)の化合物またはその塩を形成することと、を含むプロセスによって調製される、式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物を説明する。
【0109】
いくつかの実施形態は、プロセスが、式(III)の化合物またはその塩を単離することをさらに含む、式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物を説明する。いくつかの実施形態は、プロセスが、式(IIa)の化合物またはその塩を単離することを含む、式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物を説明する。いくつかの実施形態は、プロセスが、ステップe)から得られた式(I)の化合物を精製することをさらに含む、式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物を説明する。いくつかの実施形態では、精製は、式(I)の結晶化を含む。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、結晶形1である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、無水結晶である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、実質的に
図1に示されるようなX線粉末回折パターンを有する。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、15.0、17.8、19.1、20.2、21.5、22.4、23.3、24.5、26.2、および27.9度(すべての値±0.1°2θ実験誤差)に特定のピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする結晶性固体状態にある。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、15.0、17.8、19.1、20.2、21.5、22.4、23.3、24.5、26.2、および27.9度(すべての値±0.1°2θ実験誤差)から選択される少なくとも9つ、または少なくとも8つ、または少なくとも7つ、または少なくとも6つ、または少なくとも5つ、または少なくとも4つ、または少なくとも3つの特定のピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする結晶性固体状態にある。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、結晶性固体形態の酢酸溶媒和物である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、実質的に
図2に示されるようなX線粉末回折パターンを有する結晶性固体形態の酢酸溶媒和物である。別の実施形態では、式(I)の化合物は、6.7、10.2、11.1、15.4、16.9、17.2、および24.8度(すべての2θ値、±0.1°2θ実験誤差)に特定のピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする結晶性固体状態の酢酸溶媒和物である。別の実施形態では、式(I)の化合物は、6.7、10.2、11.1、15.4、16.9、17.2、および24.8度(すべての2θ値、±0.1°2θ実験誤差)のピークから選択される少なくとも6つ、または少なくとも5つ、または少なくとも4つ、または少なくとも3つの特定のピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする結晶性固体状態の酢酸溶媒和物である。
【0110】
いくつかの実施形態では、ステップa)における式(VI)の化合物またはその塩の脱炭酸は、塩基の存在を含む。いくつかの実施形態では、塩基は、イミダゾール、ピリジン、およびルチジン(2,6-ジメチルピリジン)から選択される。いくつかの実施形態では、塩基は、トリメチルアミンである。いくつかの実施形態では、脱炭酸は、式(VI)の化合物またはその塩を、トリメチルアミンの存在下で加熱することを含む。
【0111】
いくつかの実施形態では、ステップb)における式(V)の化合物またはその塩のエステル化を、メタノールおよび塩酸を使用して実行して、式(IVa)の化合物を得る。いくつかの実施形態では、エステル化は、式(V)の化合物またはその塩をメタノール中の塩酸水溶液で処理することを含む。
【0112】
いくつかの実施形態では、ステップc)における環化は、式(IVa)の化合物またはその塩を塩基と接触させることを含む。いくつかの実施形態では、環化は、カリウムtert-ブトキシドを使用して行われる。いくつかの実施形態では、環化は、2-メチルテトラヒドロフラン中で実行される。いくつかの実施形態では、環化は、式(IVa)の化合物またはその塩を、2-メチルテトラヒドロフラン中のカリウムtert-ブトキシドで処理することを含む。いくつかの実施形態では、式(III)の化合物またはその塩は、さらに酸性化され、メチルシクロヘキサンでの沈殿によって単離される。
【0113】
いくつかの実施形態では、ステップd)におけるハロゲン化は、式(III)の化合物またはその塩をハロゲン化剤で処理することを含む。いくつかの実施形態では、ハロゲン化剤は、1,3-ジクロロ-5,5-ジメチルヒダントイン(DCDMH)、N-クロロスクシンイミド(NCS)、およびトリクロロイソシアヌル酸(TCCA)から選択される。いくつかの実施形態では、ハロゲン化剤は、DCDMHである。
【0114】
いくつかの実施形態では、ステップe)における芳香族化は、好適な溶媒中で、および任意に添加剤試薬を用いて実行される。いくつかの実施形態では、ステップe)における芳香族化は、ジメチルホルムアミド(DMF)、1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2(1H)-ピリミジノンからなる群から選択される極性非プロトン性溶媒である好適な溶媒中で実行される。いくつかの実施形態では、ステップe)における芳香族化は、アセトニトリル、トルエン、2-メチルテトラヒドロフラン、酢酸イソプロピル、アセトン、およびメチルイソブチルケトンからなる群から選択される溶媒中の添加剤試薬の存在下で実行される。いくつかの実施形態では、芳香族化は、添加剤試薬の存在下、アセトニトリル中で実行される。いくつかの実施形態では、添加剤試薬は、第四級アンモニウム塩である。いくつかの実施形態では、第四級アンモニウム塩は、臭化テトラブチルアンモニウム、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、および塩化テトラメチルアンモニウムからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、第四級アンモニウム塩は、塩化テトラエチルアンモニウムである。いくつかの実施形態では、芳香族化は、塩化テトラエチルアンモニウムを含むアセトニトリル中で実行される。
【0115】
いくつかの実施形態は、式(VI)の化合物またはその塩が、本明細書に記載の任意のプロセスによって調製される、式(I)の化合物またはその塩を説明する。いくつかの実施形態は、式(VI)の化合物またはその塩が、
i.トランス-シンナムアルデヒドまたはその塩を、メチルイソブチルケトンと縮合して、式(VIII)の化合物またはその塩を形成することと、
【化98】
ii.ジエチルマロン酸エステルを、式(VIII)の化合物またはその塩に添加して、式(VIIa)の化合物またはその塩を形成することと、
【化99】
iii.式(VIIa)の化合物またはその塩を加水分解して、式(VI)の化合物またはその塩を形成することと、を含むプロセスによって調製される、式(I)の化合物またはその塩を説明する。
【0116】
いくつかの実施形態では、ステップi.における縮合は、メチルイソブチルケトンを、水酸化リチウム、水酸化カリウム、または水酸化ナトリウムの存在下でトランス-シンナムアルデヒドまたはその塩で処理することを含み、例えば、縮合は、メタノール中の水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムを使用して行われる。いくつかの実施形態では、ステップi.における縮合は、メチルイソブチルケトンを、メタノール中の水酸化ナトリウムの存在下でトランス-シンナムアルデヒドまたはその塩で処理することを含む。
【0117】
いくつかの実施形態では、ステップii.における添加は、ジエチルマロン酸エステルを、臭化リチウム/トリエチルアミンの存在下で式(VIII)の化合物またはその塩と接触させることを含む。
【0118】
プロセスCによって調製される式(I)の化合物
いくつかの実施形態は、
【化100】
a)式(VI)の化合物を、
【化101】
触媒トリエチルアミンと共に加熱して、式(V)の化合物を形成することと、
【化102】
b)式(V)の化合物をメタノールおよび塩酸水溶液と共に加熱して、式(IVa)の化合物を形成することと、
【化103】
c)式(IVa)の化合物を、カリウムtert-ブトキシドで処理して、式(III)の化合物を形成することと、
【化104】
d)式(III)の化合物を、1,3-ジクロロ-5,5-ジメチルヒダントインで塩素化して、式(IIa)の化合物を形成することと、
【化105】
e)式(IIa)の化合物を、塩化テトラエチルアンモニウムと共に加熱して、式(I)の化合物、その塩または溶媒和物を形成することと、を含むプロセスによって調製される、式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物を説明する。
【0119】
いくつかの実施形態は、プロセスが、式(III)の化合物を単離することをさらに含む、式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物を説明する。いくつかの実施形態は、プロセスが、式(IIa)の化合物を単離することを含む、式(I)の化合物を説明する。いくつかの実施形態は、プロセスが、ステップe)から得られた式(I)の化合物を精製することをさらに含む、式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物を説明する。いくつかの実施形態では、精製は、式(I)の結晶化を含む。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、結晶形1である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、無水結晶である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、実質的に
図1に示されるようなX線粉末回折パターンを有する。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、15.0、17.8、19.1、20.2、21.5、22.4、23.3、24.5、26.2、および27.9度(すべての値±0.1°2θ実験誤差)に特定のピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする結晶性固体状態にある。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、15.0、17.8、19.1、20.2、21.5、22.4、23.3、24.5、26.2、および27.9度(すべての値±0.1°2θ実験誤差)から選択される少なくとも9つ、または少なくとも8つ、または少なくとも7つ、または少なくとも6つ、または少なくとも5つ、または少なくとも4つ、または少なくとも3つの特定のピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする結晶性固体状態にある。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、結晶性固体形態の酢酸溶媒和物である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、実質的に
図2に示されるようなX線粉末回折パターンを有する結晶性固体形態の酢酸溶媒和物である。別の実施形態では、式(I)の化合物は、6.7、10.2、11.1、15.4、16.9、17.2、および24.8度(すべての2θ値、±0.1°2θ実験誤差)に特定のピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする結晶性固体状態の酢酸溶媒和物である。別の実施形態では、式(I)の化合物は、6.7、10.2、11.1、15.4、16.9、17.2、および24.8度(すべての2θ値、±0.1°2θ実験誤差)のピークから選択される少なくとも6つ、または少なくとも5つ、または少なくとも4つ、または少なくとも3つの特定のピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする結晶性固体状態の酢酸溶媒和物である。
【0120】
いくつかの実施形態は、式(VI)の化合物またはその塩が、本明細書に記載の任意のプロセスによって調製される、式(I)の化合物またはその塩を説明する。いくつかの実施形態は、式(VI)の化合物が、
i.メチルイソブチルケトンを、メタノール性水酸化ナトリウムの存在下でトランス-シンナムアルデヒドで処理して、式(VIII)の化合物を形成することと、
【化106】
ii.式(VIII)の化合物を、臭化リチウムおよびトリエチルアミンの存在下でマロン酸ジエチルで処理して、式(VIIa)の化合物を形成することと、
【化107】
iii.式(VIIa)の化合物を、水酸化ナトリウムおよびエタノールで加水分解して、式(VI)の化合物を形成することと、を含むプロセスによって調製される、式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物を説明する。
【0121】
プロセスによって調製される式(VI)の化合物
本明細書のいくつかの実施形態は、
【化108】
a)トランス-シンナムアルデヒドまたはその塩を、メチルイソブチルケトンと縮合して、式(VIII)の化合物またはその塩を形成することと、
【化109】
b)マロン酸ジエチルを、式(VIII)の化合物またはその塩に添加して、式(VIIa)の化合物またはその塩を形成することと、
【化110】
c)式(VIIa)の化合物またはその塩を加水分解して、式(VI)の化合物またはその塩を形成することと、を含むプロセスによって調製される、式(VI)の化合物またはその塩を説明する。
【0122】
いくつかの実施形態では、ステップa)における縮合は、メチルイソブチルケトンを、水酸化リチウム、水酸化カリウム、または水酸化ナトリウムの存在下でトランス-シンナムアルデヒドまたはその塩で処理することを含み、例えば、縮合は、メタノール中の水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムを使用して行われる。いくつかの実施形態では、ステップa)における縮合は、メチルイソブチルケトンを、メタノール中の水酸化ナトリウムの存在下でトランス-シンナムアルデヒドまたはその塩で処理することを含む。いくつかの実施形態では、ステップb)における添加は、マロン酸ジエチルを、臭化リチウム/トリエチルアミンの存在下で式(VIIIa)の化合物またはその塩と接触させることを含む。
【0123】
プロセスによって調製される式(V)の化合物
本明細書のいくつかの実施形態は、
【化111】
式(VI)の化合物またはその塩を、
【化112】
塩基の存在下で脱炭酸して、式(V)の化合物またはその塩を形成することを含むプロセスによって調製される、式(V)の化合物またはその塩を説明する。いくつかの実施形態では、塩基は、イミダゾール、ピリジン、およびルチジン(2,6-ジメチルピリジン)から選択される。いくつかの実施形態では、塩基は、トリメチルアミンである。いくつかの実施形態では、脱炭酸は、式(VI)の化合物またはその塩を、トリメチルアミンの存在下で加熱することを含む。いくつかの実施形態では、式(VI)の化合物またはその塩は、本明細書に記載の任意のプロセスによって調製される。いくつかの実施形態は、式(VI)の化合物またはその塩が、
i.トランス-シンナムアルデヒドまたはその塩を、メチルイソブチルケトンと縮合して、式(VIII)の化合物またはその塩を形成することと、
【化113】
ii.マロン酸ジエチルを、式(VIII)の化合物またはその塩に添加して、式(VIIa)の化合物またはその塩を形成することと、
【化114】
iii.式(VIIa)の化合物またはその塩を加水分解して、式(VI)の化合物またはその塩を形成することと、を含むプロセスによって調製される、式(V)の化合物またはその塩を説明する。
【0124】
本明細書のいくつかの実施形態は、
【化115】
a)トランス-シンナムアルデヒドまたはその塩を、メチルイソブチルケトンと縮合して、式(VIII)の化合物またはその塩を形成することと、
【化116】
b)マロン酸ジエチルを、式(VIII)の化合物またはその塩に添加して、式(VIIa)の化合物またはその塩を形成することと、
【化117】
c)式(VIIa)の化合物またはその塩を加水分解して、式(VI)の化合物またはその塩を形成することと、
【化118】
d)式(VI)の化合物またはその塩を、塩基の存在下で脱炭酸して、式(V)の化合物またはその塩を形成することと、を含むプロセスによって調製される、式(V)の化合物またはその塩を説明する。
【0125】
いくつかの実施形態では、ステップa)における縮合は、メチルイソブチルケトンを、水酸化リチウム、水酸化カリウム、または水酸化ナトリウムの存在下でトランス-シンナムアルデヒドまたはその塩で処理することを含み、例えば、縮合は、メタノール中の水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムを使用して行われる。いくつかの実施形態では、ステップa)における縮合は、メチルイソブチルケトンを、メタノール中の水酸化ナトリウムの存在下でトランス-シンナムアルデヒドまたはその塩で処理することを含む。いくつかの実施形態では、ステップb)における添加は、マロン酸ジエチルを、臭化リチウム/トリエチルアミンの存在下で式(VIIIa)の化合物またはその塩と接触させることを含む。いくつかの実施形態では、ステップd)における塩基は、イミダゾール、ピリジン、およびルチジン(2,6-ジメチルピリジン)から選択される。いくつかの実施形態では、ステップd)における塩基は、トリメチルアミンである。いくつかの実施形態では、ステップd)における脱炭酸は、式(VI)の化合物またはその塩を、トリメチルアミンの存在下で加熱することを含む。
【0126】
プロセスによって調製される式(IVa)の化合物
本明細書のいくつかの実施形態は、
【化119】
式(V)の化合物またはその塩をエステル化して、
【化120】
式(IVa)の化合物またはその塩を形成することを含むプロセスによって調製される、式(IVa)の化合物またはその塩を説明する。いくつかの実施形態では、式(V)の化合物またはその塩のエステル化を、メタノールおよび塩酸を使用して実行して、化合物(IVa)またはその塩を得る。いくつかの実施形態では、エステル化は、式(V)の化合物またはその塩をメタノール中の塩酸水溶液で処理することを含む。いくつかの実施形態は、式(V)の化合物またはその塩が、本明細書に記載の任意のプロセスによって調製される、式(IVa)の化合物またはその塩を説明する。いくつかの実施形態は、式(V)の化合物またはその塩が、式(VI)の化合物またはその塩を、
【化121】
塩基の存在下で脱炭酸して、式(V)の化合物またはその塩を形成することを含むプロセスによって調製される、式(IVa)の化合物またはその塩を説明する。いくつかの実施形態は、式(V)の化合物またはその塩が、本明細書に記載の任意のプロセスによって調製される、式(IVa)の化合物またはその塩を説明する。いくつかの実施形態は、式(V)の化合物またはその塩が、式(VI)の化合物またはその塩を、
【化122】
塩基の存在下で脱炭酸して、式(V)の化合物またはその塩を形成することを含むプロセスによって調製される、式(IVa)の化合物またはその塩を説明する。いくつかの実施形態は、式(VI)の化合物またはその塩が、本明細書に記載の任意のプロセスによって調製される、式(IVa)の化合物またはその塩を説明する。いくつかの実施形態は、式(VI)の化合物またはその塩が、
i.トランス-シンナムアルデヒドまたはその塩を、メチルイソブチルケトンと縮合して、式(VIII)の化合物またはその塩を形成することと、
【化123】
ii.マロン酸ジエチルを、式(VIII)の化合物またはその塩に添加して、式(VIIa)の化合物またはその塩を形成することと、
【化124】
iii.式(VIIa)の化合物またはその塩を加水分解して、式(VI)の化合物またはその塩を形成することと、を含むプロセスによって調製される、式(IVa)の化合物またはその塩を説明する。
【0127】
本明細書のいくつかの実施形態は、
【化125】
a)トランス-シンナムアルデヒドまたはその塩を、メチルイソブチルケトンと縮合して、式(VIII)の化合物またはその塩を形成することと、
【化126】
b)マロン酸ジエチルを、式(VIII)の化合物またはその塩に添加して、式(VIIa)の化合物またはその塩を形成することと、
【化127】
c)式(VIIa)の化合物またはその塩を加水分解して、式(VI)の化合物またはその塩を形成することと、
【化128】
d)式(VI)の化合物またはその塩を、塩基の存在下で脱炭酸して、式(V)の化合物またはその塩を形成することと、
【化129】
e)式(V)の化合物またはその塩をエステル化して、式(IVa)の化合物またはその塩を形成することと、を含むプロセスによって調製される、式(IVa)の化合物またはその塩を説明する。
【0128】
いくつかの実施形態では、ステップa)における縮合は、メチルイソブチルケトンを、水酸化リチウム、水酸化カリウム、または水酸化ナトリウムの存在下でトランス-シンナムアルデヒドまたはその塩で処理することを含み、例えば、縮合は、メタノール中の水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムを使用して行われる。いくつかの実施形態では、ステップa)における縮合は、メチルイソブチルケトンを、メタノール中の水酸化ナトリウムの存在下でトランス-シンナムアルデヒドまたはその塩で処理することを含む。いくつかの実施形態では、ステップb)における添加は、マロン酸ジエチルを、臭化リチウム/トリエチルアミンの存在下で式(VIIIa)の化合物またはその塩と接触させることを含む。いくつかの実施形態では、ステップd)における塩基は、イミダゾール、ピリジン、およびルチジン(2,6-ジメチルピリジン)から選択される。いくつかの実施形態では、ステップd)における塩基は、トリメチルアミンである。いくつかの実施形態では、ステップd)における脱炭酸は、式の化合物またはその塩VIを、トリメチルアミンの存在下で加熱することを含む。いくつかの実施形態では、ステップe)における式(V)の化合物またはその塩のエステル化を、メタノールおよび塩酸を使用して実行して、化合物(IVa)を得る。いくつかの実施形態では、ステップe)におけるエステル化は、式(V)の化合物またはその塩をメタノール中の塩酸水溶液で処理することを含む。
【0129】
プロセスによって調製される式(IIa)の化合物
本明細書のいくつかの実施形態は、
【化130】
式(III)の化合物またはその塩をハロゲン化して、
【化131】
式(IIa)の化合物またはその塩を形成することを含むプロセスによって調製される、式(IIa)の化合物またはその塩を説明する。いくつかの実施形態では、ハロゲン化は、式(III)の化合物またはその塩をハロゲン化剤で処理することを含む。いくつかの実施形態では、ハロゲン化剤は、1,3-ジクロロ-5,5-ジメチルヒダントイン(DCDMH)、N-クロロスクシンイミド(NCS)、およびトリクロロイソシアヌル酸(TCCA)から選択される。いくつかの実施形態は、式(III)の化合物またはその塩が、本明細書に記載の任意のプロセスによって調製される、式(IIa)の化合物またはその塩を説明する。いくつかの実施形態は、式(III)の化合物またはその塩が、式(IVa)の化合物またはその塩を環化して、
【化132】
式(III)の化合物またはその塩を形成することを含むプロセスによって調製される、式(IIa)の化合物またはその塩を説明する。いくつかの実施形態は、式(IVa)の化合物またはその塩が、本明細書に記載の任意のプロセスによって調製される、式(IIa)の化合物またはその塩を説明する。いくつかの実施形態は、式(IVa)の化合物またはその塩が、式(V)の化合物またはその塩をエステル化することを含むプロセスによって調製される、式(IIa)の化合物またはその塩を説明する。
【化133】
いくつかの実施形態は、式(V)の化合物またはその塩が、本明細書に記載の任意のプロセスによって調製される、式(IIa)の化合物またはその塩を説明する。いくつかの実施形態は、式(V)の化合物またはその塩が、式(VI)の化合物またはその塩を、
【化134】
塩基の存在下で脱炭酸して、式(V)の化合物またはその塩を形成することを含むプロセスによって調製される、式(IIa)の化合物またはその塩を説明する。いくつかの実施形態は、式(VI)の化合物またはその塩が、本明細書に記載の任意のプロセスによって調製される、式(IIa)の化合物またはその塩を説明する。いくつかの実施形態は、式(VI)の化合物またはその塩が、
i.トランス-シンナムアルデヒドまたはその塩を、メチルイソブチルケトンと縮合して、式(VIII)の化合物またはその塩を形成することと、
【化135】
ii.マロン酸ジエチルを、式(VIII)の化合物またはその塩に添加して、式(VIIa)の化合物またはその塩を形成することと、
【化136】
iii.式(VIIa)の化合物またはその塩を加水分解して、式(VI)の化合物またはその塩を形成することと、を含むプロセスによって調製される、式(IIa)の化合物またはその塩を説明する。
【0130】
本明細書のいくつかの実施形態は、
【化137】
a)トランス-シンナムアルデヒドまたはその塩を、メチルイソブチルケトンと縮合して、式(VIII)の化合物またはその塩を形成することと、
【化138】
b)マロン酸ジエチルを、式(VIII)の化合物またはその塩に添加して、式(VIIa)の化合物またはその塩を形成することと、
【化139】
c)式(VIIa)の化合物またはその塩を加水分解して、式(VI)の化合物またはその塩を形成することと、
【化140】
d)式(VI)の化合物またはその塩を、塩基の存在下で脱炭酸して、式(V)の化合物またはその塩を形成することと、
【化141】
e)式(V)の化合物またはその塩をエステル化して、式(IVa)の化合物またはその塩を形成することと、
【化142】
f)式(IVa)の化合物またはその塩を環化して、式(III)の化合物またはその塩を形成することと、
【化143】
g)式(III)の化合物またはその塩をハロゲン化して、式(IIa)の化合物またはその塩を形成することと、を含むプロセスによって調製される、式(IIa)の化合物またはその塩を説明する。
【0131】
いくつかの実施形態では、ステップa)における縮合は、メチルイソブチルケトンを、水酸化リチウム、水酸化カリウム、または水酸化ナトリウムの存在下でトランス-シンナムアルデヒドまたはその塩で処理することを含み、例えば、縮合は、メタノール中の水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムを使用して行われる。いくつかの実施形態では、ステップa)における縮合は、メチルイソブチルケトンを、メタノール中の水酸化ナトリウムの存在下でトランス-シンナムアルデヒドまたはその塩で処理することを含む。いくつかの実施形態では、ステップb)における添加は、マロン酸ジエチルを、臭化リチウム/トリエチルアミンの存在下で式(VIIIa)の化合物またはその塩と接触させることを含む。いくつかの実施形態では、ステップd)における塩基は、イミダゾール、ピリジン、およびルチジン(2,6-ジメチルピリジン)から選択される。いくつかの実施形態では、ステップd)における塩基は、トリメチルアミンである。いくつかの実施形態では、ステップd)における脱炭酸は、式(VI)の化合物またはその塩を、トリメチルアミンの存在下で加熱することを含む。いくつかの実施形態では、ステップe)における式(V)の化合物またはその塩のエステル化を、メタノールおよび塩酸を使用して実行して、化合物(IVa)を得る。いくつかの実施形態では、ステップe)におけるエステル化は、式(V)の化合物またはその塩をメタノール中の塩酸水溶液で処理することを含む。いくつかの実施形態では、ステップg)におけるハロゲン化は、式(III)の化合物またはその塩をハロゲン化剤で処理することを含む。いくつかの実施形態では、ハロゲン化剤は、1,3-ジクロロ-5,5-ジメチルヒダントイン(DCDMH)、N-クロロスクシンイミド(NCS)、およびトリクロロイソシアヌル酸(TCCA)から選択される。いくつかの実施形態では、ハロゲン化剤は、DCDMHである。
【0132】
化合物
いくつかの実施形態は、実質的に
図1に示されるようなX線粉末回折パターンを有する結晶性固体形態(形態1)の式(I)の化合物を説明する。いくつかの実施形態では、形態1の式(I)の化合物は、15.0、17.8、19.1、20.2、21.5、22.4、23.3、24.5、26.2、および27.9度(すべての値±0.1°2θ実験誤差)に特定のピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする。別の実施形態では、形態1の式(I)の化合物は、15.0、17.8、19.1、20.2、21.5、22.4、23.3、24.5、26.2、および27.9度(すべての値±0.1°2θ実験誤差)から選択される少なくとも9つ、または少なくとも8つ、または少なくとも7つ、または少なくとも6つ、または少なくとも5つ、または少なくとも4つ、または少なくとも3つの特定のピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、少なくとも80%が形態1である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、少なくとも85%が形態1である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、少なくとも90%が形態1である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、少なくとも95%が形態1である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、少なくとも99%が形態1である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、または約99%が形態1である。
【0133】
いくつかの実施形態は、式(I)の化合物の酢酸溶媒和物を説明する。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物の酢酸溶媒和物は、実質的に
図2に示されるようなX線粉末回折パターンを有する結晶性固体形態である。別の実施形態では、式(I)の化合物の酢酸溶媒和物は、6.7、10.2、11.1、15.4、16.9、17.2、および24.8度(すべての2θ値、±0.1°2θ実験誤差)に特定のピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする。別の実施形態では、式(I)の化合物の酢酸溶媒和物は、6.7、10.2、11.1、15.4、16.9、17.2、および24.8度(すべての2θ値、±0.1°2θ実験誤差)のピークから選択される少なくとも6つ、または少なくとも5つ、または少なくとも4つ、または少なくとも3つの特定のピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、少なくとも80%が式(I)の酢酸溶媒和物である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、少なくとも85%が式(I)の酢酸溶媒和物である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、少なくとも90%が式(I)の酢酸溶媒和物である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、少なくとも95%が式(I)の酢酸溶媒和物である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、少なくとも99%が式(I)の酢酸溶媒和物である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、または約99%が式(I)の酢酸溶媒和物である。
【0134】
式(I)の化合物の特定の形態のパーセンテージが、試料中に存在する式(I)のすべての形態に関して表されることは、当業者によって理解されるであろう。例えば、「式(I)の化合物は、少なくとも95%が形態1である」という表現は、存在する式(I)の化合物のすべての形態の少なくとも95%が形態1であることを伝えることを意味する。同様に、「式(I)の化合物は、少なくとも80%が式(I)のの酢酸溶媒和物である」という表現は、式(I)の化合物の試料の少なくとも80%が酢酸溶媒和物の形態であることを意味する。
【0135】
いくつかの実施形態は、式(IIa)の化合物またはその塩を説明する。
【化144】
【0136】
いくつかの実施形態は、式(IVa)の化合物またはその塩を説明する。
【化145】
【0137】
いくつかの実施形態は、式(V)の化合物またはその塩を説明する。
【化146】
【0138】
いくつかの実施形態は、式(VI)の化合物またはその塩を説明する。
【化147】
【0139】
薬学的組成物
本明細書の実施形態は、本明細書に記載の任意の実施形態に従って調製される式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物および薬学的に許容される賦形剤を含む薬学的組成物を説明する。
【0140】
いくつかの実施形態は、治療有効量の形態1の式(I)の化合物および薬学的に許容される賦形剤を含む薬学的組成物を説明する。いくつかの実施形態では、形態1の式(I)の化合物は、15.0、17.8、19.1、20.2、21.5、22.4、23.3、24.5、26.2、および27.9度2θ(±0.1°2θ)に特定のピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、形態1の式(I)の化合物は、15.0、17.8、19.1、20.2、21.5、22.4、23.3、24.5、26.2、および27.9度2θ(±0.1°2θ)から選択される少なくとも9つ、または少なくとも8つ、または少なくとも7つ、または少なくとも6つ、または少なくとも5つ、または少なくとも4つ、または少なくとも3つの特定のピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、少なくとも80%が形態1である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、少なくとも85%が形態1である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、少なくとも90%が形態1である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、少なくとも95%が形態1である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、少なくとも99%が形態1である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、または約99%が形態1である。
【0141】
いくつかの実施形態は、治療有効量の式(I)の化合物の酢酸溶媒和物および薬学的に許容される賦形剤を含む薬学的組成物を説明する。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物の酢酸溶媒和物は、6.7、10.2、11.1、15.4、16.9、17.2、および24.8度2θ(±0.1°2θ)に特定のピークを有するX線粉末回折を有する結晶性固体形態である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物の酢酸溶媒和物は、6.7、10.2、11.1、15.4、16.9、17.2、および24.8度2θ(±0.1°2θ)のピークから選択される少なくとも6つ、または少なくとも5つ、または少なくとも4つ、または少なくとも3つの特定のピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、少なくとも80%が式(I)の酢酸溶媒和物である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、少なくとも85%が式(I)の酢酸溶媒和物である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、少なくとも90%が式(I)の酢酸溶媒和物である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、少なくとも95%が式(I)の酢酸溶媒和物である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、少なくとも99%が式(I)の酢酸溶媒和物である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、または約99%が式(I)の酢酸溶媒和物である。
【0142】
いくつかの実施形態は、式(IIa)の化合物および薬学的に許容される賦形剤を含む薬学的組成物を説明する。
【0143】
いくつかの実施形態は、式(IVa)の化合物および薬学的に許容される賦形剤を含む薬学的組成物を説明する。
【0144】
いくつかの実施形態は、式(V)の化合物および薬学的に許容される賦形剤を含む薬学的組成物を説明する。
【0145】
いくつかの実施形態は、式(VI)の化合物および薬学的に許容される賦形剤を含む薬学的組成物を説明する。
【0146】
前述の薬学的組成物のいずれにおいても、式(I)の化合物は、治療有効量で存在する。
【0147】
Remington:The Science and Practice of Pharmacy,21st Edition 2006に記載される式(I)の化合物ならびにその塩および溶媒和物の薬学的組成物を調製する方法は、当業者に知られている。
【0148】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の任意のプロセスによって調製される式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物は、少なくとも80重量%純粋である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の任意のプロセスによって調製される式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物は、少なくとも85重量%純粋である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の任意のプロセスによって調製される式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物は、少なくとも90重量%純粋である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の任意のプロセスによって調製される式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物は、少なくとも95重量%純粋である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の任意のプロセスによって調製される式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物は、少なくとも99重量%純粋である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の任意のプロセスによって調製される式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物は、約90重量%、約91重量%、約92重量%、約93重量%、約94重量%、約95重量%、約96重量%、約97重量%、約98重量%、または約99重量%純粋である。
【0149】
定義
「C1~4アルキル」という用語は、少なくとも1個、多くとも4個の炭素原子を含有する直鎖または分岐鎖アルキルを意味する。本明細書で使用される「C1~4アルキル」の例には、メチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、イソブチル、イソプロピル、およびt-ブチルが含まれるが、これらに限定されない。
【0150】
本明細書における特定の式の化合物および「その塩」への言及は、遊離塩基として、またはその塩として、例えば、その薬学的に許容される塩としての化合物を網羅する。好適な薬学的に許容される塩の概説については、Berge et al.,J.Pharm.Sci.,66:1-19(1977)を参照されたい。
【0151】
特定の式の化合物の「溶媒和物」は、結晶化中に溶媒分子が結晶格子に組み込まれる場合に形成され得る。溶媒和物は、エタノール、イソプロピルアルコール、N,N-ジメチルスルホキシド(DMSO)、酢酸、エタノールアミン、および酢酸エチルなどの非水性溶媒を含み得るか、または溶媒和物は、結晶格子に組み込まれる溶媒として水を含み得る。
【0152】
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される賦形剤」は、薬学的組成物に形態または一貫性を与えることに関与する1つ以上の薬学的に許容される材料、組成物、またはビヒクルを指す。各賦形剤は、患者に投与したときに式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩の効力を実質的に低減させる相互作用が混合される場合、薬学的組成物の他の成分と適合性でなければならない。
【0153】
本明細書で使用される場合、「実質的に
図1に示されるような」または「実質的に
図2に示されるような」X線粉末回折パターンは、
図1または
図2のXRPDパターンを提供した化合物と同じ結晶形を持つ化合物を表すと当業者によって考えられるX線粉末回折パターンに関する。用いられる装置、湿度、温度、粉末結晶の配向、およびX線粉末回折パターンを得ることに関与する他のパラメーターが、外観、強度、および回折パターンの線の位置のいくらかの可変性を引き起こし得ることは、当業者に周知であり、理解される。したがって、「実質的に
図1に示されるような」または「実質的に
図2に示されるような」X線粉末回折パターンは、本明細書に提示されている回折パターンのうちのいずれか1つの各線を必ずしも示すとは限らず、および/またはデータの取得に関与する条件の違いから生じる、当該線の外観、強度、または位置のわずかな変化を示し得る。当業者は、結晶性化合物の試料が、それらのXRPDパターンの比較によって、本明細書に開示される形態と同じ形態または異なる形態を有するかどうかを(例えば、重ねることによって)決定することができる。
【0154】
以下の説明および特許請求の範囲を通して、文脈が他を必要としない限り、「含む(comprise)」という語、および「含む(comprises)」および「含む(comprising)」などの変形は、述べられた整数もしくはステップまたは整数のグループの包含を意味すると理解されるが、いかなる他の整数もしくはステップまたは整数もしくはステップのグループも除外するものではない。
【0155】
本明細書に記載の任意の実施形態による化合物、その薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物または薬学的組成物の「治療有効量」は、特定の疾患または障害の少なくとも1つの症状またはパラメーターに選択された効果をもたらすのに十分な量である。治療効果は、客観的(すなわち、いくつかの試験もしくはマーカーによって測定可能)または主観的(すなわち、対象が効果の兆候を示すかもしくは感じるか、または医師が変化を観察する)であり得る。本明細書で企図される効果は、必要に応じて、医学的治療および/または予防的治療の両方を含む。治療効果および/または予防効果を得るために本開示に従って投与される化合物の特定の用量は、例えば、投与される化合物、投与経路、他の活性成分の同時投与、治療される状態、用いられる特定の化合物の活性、用いられる特定の組成物、患者の年齢、体重、一般的な健康状態、性別、および食事;投与時間、投与経路、および用いられる特定の化合物の排泄速度、ならびに治療期間を含む、症例を取り巻く特定の状況によって決定される。投与される治療有効量は、前述の関連する状況および健全な医学的判断の行使を考慮して、医師によって決定される。本明細書に記載の任意の実施形態による化合物の治療有効量は、典型的に、生理学的に許容できる賦形剤組成物で投与した場合、組織中で有効な全身濃度または局所濃度を達成するのに十分であるような量である。
【0156】
本発明は、その特定の好ましい実施形態を参照してかなり詳細に説明されてきたが、他のバージョンも可能である。したがって、添付の特許請求の範囲の趣旨および範囲は、本明細書に含まれる説明および好ましいバージョンに限定されるべきではない。本発明の様々な実施形態は、以下の非限定的な実施例を参照して例示される。以下の実施例は、例示のみを目的としており、いかなる方法でも本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0157】
本明細書で使用される場合、これらのプロセス、スキーム、および実施例で使用される記号および規則は、現代の科学文献、例えば、the Journal of the American Chemical Society or the Journal of Biological Chemistryで使用されるものと一致している。特に明記しない限り、すべての出発材料は、商業的供給業者から入手し、さらに精製することなく使用した。具体的には、以下の略語が実施例において、および明細書全体で使用され得る。
【実施例0158】
一般的な実験手順すべての反応は、オーバーヘッド撹拌を備え、テフロンセプタムが取り付けられたジャケット付き実験室反応器内で、正圧の窒素下で行われた。
【0159】
材料:市販の溶媒および試薬をそのまま使用した。
【0160】
器具:
特に明記しない限り、プロトン核磁気共鳴スペクトル(1H NMR)は、25℃、400MHzで記録した。化学シフトは、テトラメチルシランからの100万分の1(ppm、δスケール)ダウンフィールドで表され、NMR溶媒中の残留プロトンを基準とする。データは次のように表される:化学シフト、多重度(s=一重項、d=二重項、sep=七重項、m=多重項および/または多重共鳴、br=広域)、積分、ヘルツ単位のカップリング定数、および割り当て。プロトンデカップリング炭素核磁気共鳴スペクトル(13C NMR)は、25℃、100MHzで記録した。化学シフトは、テトラメチルシランからの100万分の1(ppm、δスケール)ダウンフィールドで表され、溶媒の炭素共鳴を基準とする。高分解能質量分析(HRMS)は、Orbitrap質量分析計を使用して取得した。
【0161】
X線粉末回折(XRPD)データは、X′Celerator検出器を使用して、PANalytical X′Pert Pro粉末回折計、モデルPW3050/60上で取得した。取得条件は次のとおりであった。放射:Cu Kα、発生器張力:45kV、発生器電流:40mA、ステップサイズ:0.017°2θ、ステップあたりの時間:500秒、発散スリットタイプ:固定、発散スリットサイズ:0.4354°、測定温度:20~25℃、ゴニオメーター半径:240mm。試料は、試料を0.9mmのキャピラリー、またはバックグラウンドがゼロのシリコーン試料ホルダーに詰めることによって調製した。ピーク位置は、PANalytical X′Pert Highscore Plusソフトウェアを使用して取得した。誤差範囲は、ピーク割り当ての各々についておよそ±0.1°2θである。
【0162】
実施例1
(5E,7E)-2-メチル-8-フェニルオクタ-5,7-ジエン-4-オン(式(VIII)の化合物)の合成
【化148】
メタノール(100mL)中の水酸化ナトリウム(11.4g、284mmol、1.5当量)の溶液を、シンナムアルデヒド(式(IX)の化合物)(25g、189mmol、1当量)および-5℃のメチルイソブチルケトン(75mL、602mmol、3.2当量)の撹拌溶液に1時間かけて滴加した。添加が完了したら、反応混合物を0℃で2時間撹拌した。次いで、トルエン(250mL)および水(125mL)を0℃で反応器に直接添加し、撹拌している二相混合物を20℃に温めた。水層を除去し、有機層を水(2x75mL)で洗浄した。次いで、洗浄した有機層を、真空下での共沸蒸留により、75mLの最終溶液容量まで、またはカールフィッシャー滴定による分析で、0.2%未満の含水量が明らかになるまで乾燥させた。粗材料をさらに処理することなく次の変換に利用した。
【0163】
実施例2
(E)-ジ-tert-ブチル2-(7-メチル-5-オキソ-1-フェニルオクタ-1-エン-3-イル)マロネート(R
1+R
2=tBuである式VIIの化合物)の合成
【化149】
前のステップ(実施例1)で得られた濃縮溶液を、溶液の総容量が175mLになるようにトルエンで希釈した。次いで、トルエン中の(5E,7E)-2-メチル-8-フェニルオクタ-5,7-ジエン-4-オン(式(VIII)の化合物)の溶液に、20℃でジ-tert-ブチルマロネート(40.3mL、180mmol、0.95等量)、トリエチルアミン(13.1mL、94.5mmol、0.5等量)、および粉末臭化リチウム(3.28g、37.8mmol、0.2等量)を添加した。不均一な反応混合物を20℃で2時間撹拌した。次いで、水(200mL)を、撹拌反応混合物に直接投入した。層を分離させ、水層を廃棄した。得られた生成物溶液を、さらに処理することなく次の変換に利用した。あるいは、ジ-tert-ブチルマロネート付加生成物(E)-ジ-tert-ブチル2-(7-メチル-5-オキソ-1-フェニルオクタ-1-エン-3-イル)マロネート(式(VII)の化合物)は、トルエン溶液の濃縮およびイソプロピルアルコール/水(3:2)からの結晶化によっても単離され、(E)-ジ-tert-ブチル2-(7-メチル-5-オキソ-1-フェニルオクト-1-エン-3-イル)マロネート(式(VII)の化合物)を淡黄色の固体として生じ得る。
【0164】
1H NMR(400MHz,DMSO)δ7.32-7.29(m,4H),7.24-7.18(m,1H),6.38(d,1H,J=16Hz),6.12(dd,1H,J=16,8.4Hz),3.39(d,1H,J=8.4Hz),3.27-3.20(m,1H),2.70(dd,1H,J=16.8,9.2Hz),2.58(dd,1H,J=16.8,4.4Hz),2.28(d,2H,J=7.2Hz),1.98(sep,1H,J=6.8Hz),1.39(s,9H),1.33(S,9H),0.81(d,3H,J=6.4Hz),0.80(d,3H,J=6.4Hz)。
【0165】
13C NMR(100MHz,DMSO)δ208.2(C),167.0(C),166.8(C),136.7(C),131.2(CH),129.1(CH),128.6(CH),127.3(CH),125.9(CH),81.2(C),80.9(C),56.8(CH),51.4(CH2),45.0(CH2),37.7(CH),27.5(CH3),27.4(CH3),23.9(CH),22.3(CH3),22.2(CH3)。
【0166】
HRMS-APCI(m/z)[M+H]+ C26H39O5に対する計算値、431.2792;実測値、431.2754。
【0167】
実施例3
(E)-ジエチル2-(7-メチル-5-オキソ-1-フェニルオクタ-1-エン-3-イル)マロネート(式VIIaの化合物)の合成
【化150】
(5E,7E)-2-メチル-8-フェニルオクタ-5,7-ジエン-4-オン(約7.6モル)の濃縮溶液をトルエンで希釈する。次いで、トルエン中の(5E,7E)-2-メチル-8-フェニルオクタ-5,7-ジエン-4-オン(式(VIII)の化合物)の溶液に、20℃でマロン酸ジエチル(1.83kg、1.73L、1.5当量)、トリエチルアミン(1.15kg、1.58L、1.5当量)、および粉末臭化リチウム(131g、0.2当量)を添加した。不均一な反応混合物を、35~40℃で少なくとも8時間撹拌する。次いで、水(8L、8容量)を撹拌反応混合物に直接投入し、35℃で15~30分間撹拌する。層を分離させ、水層を廃棄する。得られた生成物溶液を、さらに処理することなく次の変換に利用する。あるいは、マロン酸ジエチル付加生成物(E)-ジエチル2-(7-メチル-5-オキソ-1-フェニルオクタ-1-エン-3-イル)マロネート(式(VIIa)の化合物)は、トルエン溶液の濃縮および結晶化によっても単離され、(E)-ジエチル2-(7-メチル-5-オキソ-1-フェニルオクタ-1-エン-3-イル)マロネート(式(VIIa)の化合物)を生じ得る。
【0168】
1H NMR(700MHz,DMSO)δ7.30(m,2H),7.30(m,SH0,7.21(m,1H),6.39(d,1H)J=15.8Hz),6.14(dd,1H,J=15.99Hz,J=8.9Hz),4.12(q,2H,J=7.13Hz),4.06(m,2H),3.68(d,1H,J=8.1Hz),3.33(m,1H),2.73(dd,1H,J=16.9Hz,J=9.0Hz),2.63(m,1H),2.28(d,2H,6.9Hz),1.98(m,1H,6.7Hz),1.16(t,3H,J=7.1Hz),1.10(t,3H,J=7.0Hz),0.81(d,3H,J=6.6Hz),0.80(d,3H,J=6.7Hz)。
【0169】
13C NMR(176MHz,DMSO)δ208.1(C),167.7(C),167.6(C),136.6(C),131.4(CH),128.9(CH),127.4(CH),125.9(CH),61.0(CH2),60.8(CH2),55.0(CH),51.3(CH2),44.8(CH2),37.7(CH),23.8(CH),22.3(CH3),22.2(CH3),13.9(CH3),13.9(CH3)。
【0170】
HRMS-APCI(m/z)[M+H]+ C22H31O5に対する計算値、375.2166;実測値、375.2158。
【0171】
実施例4
(E)-2-(7-メチル-5-オキソ-1-フェニルオクタ-1-エン-3-イル)マロン酸(式VIの化合物)の合成
【化151】
方法A
前のステップで得られた(E)-ジ-tert-ブチル2-(7-メチル-5-オキソ-1-フェニルオクタ-1-エン-3-イル)マロネート(式(VII)の化合物)のトルエン溶液を酢酸(50mL)で希釈し、酢酸(100mL)および濃塩酸水溶液(75mL)からなる撹拌溶液に60℃で1時間かけて滴加した。添加が完了したら、得られた溶液を60℃で4時間撹拌した。生成物混合物を30分かけて20℃に冷却し、水(200mL)を添加した。2層を20℃で激しく撹拌し、次いで静置した。次いで、水層を廃棄し、トルエン層を濃縮乾固させた。得られた油にトルエン(250mL)を添加し、溶液を撹拌しながら60℃に加熱した。次いで、温かいトルエン溶液を1時間かけて20℃までゆっくりと冷却し、その時点で(E)-2-(7-メチル-5-オキソ-1-フェニルオクタ-1-エン-3-イル)マロン酸(式(VI)の化合物)が溶液から沈殿した。次いで、固体を濾過し、ウェットケーキをトルエン(100mL)で洗浄した。次いで、ウェットケーキを真空下30℃で12時間乾燥させ、(E)-2-(7-メチル-5-オキソ-1-フェニルオクタ-1-エン-3-イル)マロン酸(式(VI)の化合物)を、白色の結晶性固体(37.3g、シンナムアルデヒド(式(IX)の化合物)から62%)として得た。
【0172】
方法B
実施例3からの(E)-ジエチル2-(7-メチル-5-オキソ-1-フェニルオクタ-1-エン-3-イル)マロネート(約7.6モル、式(VIIa)の化合物)のトルエン溶液に、20~30℃で、6M水酸化ナトリウム水溶液(5.05L、4当量)、トルエン(0.5Lまたは0.5容量)、および200プルーフエタノール(2容量)を入れ、内容物をTJ=20℃で少なくとも4時間撹拌した。完了したら、温度を35~50℃に調整し、少なくとも30分間撹拌した後、撹拌を停止し、層を分離した。添加中は温度を10℃以下に維持しながら、水層を0~5℃に冷却し、濃縮塩酸でpHを0~1に調整した(2.9Lまたは4.7等量を必要とした)。所望のpHに達したら、容器にTBME(3L、3容量)を入れ、二相混合物を20~25℃に温めた。混合物を15~30分間撹拌し、層を分離した。有機層にトルエン(7L、7容量)および水(6L、6容量)を添加し、混合物を15~30分間撹拌した。層を分離し、トルエンを添加して、16~18容量(3L、3容量)の充填を達成した。混合物を真空蒸留を使用して約9~9.5容量まで蒸留し、温度を40~45℃に調整し、混合物に5gの化合物VIを播種した(理論的収率に対して0.2%w/w)。混合物を40~45℃で30~60分間撹拌した。核形成が観察されたら、混合物をトルエンで12容量に希釈し、40~45℃で少なくとも1時間保持した。スラリーを0.5℃/分で10~20℃に冷却し、10~20℃で少なくとも1時間保持した。固体を濾過によって単離し、フィルターケーキをトルエン(2×7容量)で洗浄した。固体を真空オーブンで25~35℃で一晩乾燥させて、(E)-2-(7-メチル-5-オキソ-1-フェニルオクタ-1-エン-3-イル)マロン酸(式(VI)の化合物)を得た。
【0173】
1H NMR(400MHz,DMSO)δ12.78(br s,2H),7.32-7.27(m,4H),7.23-7.19(m,1H),6.39(d,1H,J=16Hz),6.17(dd,1H,J=16,8.4Hz),3.43(d,1H,J=8.4Hz),3.31-3.24(m,1H),2.72(dd,1H,J=16.8,8.8Hz),2.63(dd,1H,J=16.4,4Hz),2.28(d,2H,J=7.2Hz),1.98(sep,1H,J=6.8Hz),0.81(d,3H,J=6.4Hz),0.80(d,3H,J=6.4Hz)。
【0174】
13C NMR(100MHz,DMSO)δ208.4(C),169.6(C),169.5(C),136.8(C),130.9(CH),129.6(CH),128.5(CH),127.3(CH),126.0(CH),55.7(CH),51.4(CH2),45.1(CH2),37.6(CH),23.9(CH),22.3(CH3),22.2(CH3)。
【0175】
HRMS-APCI(m/z)[M+H]+ C18H23O5に対する計算値、319.1540;実測値、319.1528。
【0176】
実施例5
(E)-2-イソプロピル-5-スチリルシクロヘキサン-1,3-ジオン(式(III)の化合物)の合成
【化152】

トリエチルアミン(4.4mL、31.4mmol、0.25当量)を、トルエン(210mL)中の(E)-2-(7-メチル-5-オキソ-1-フェニルオクタ-1-エン-3-イル)マロン酸(式(VI)の化合物)(40.0g、126mmol、1当量)の撹拌スラリーに入れた。得られた混合物を110℃に加熱し、2時間撹拌した。次いで、非単離中間体(E)-7-メチル-5-オキソ-3-スチリルオクタン酸(式Vの化合物)を含有する反応混合物を20℃に冷却し、メタノール(120mL)および濃縮塩酸水溶液(10.5mL)を入れた。得られた溶液を60℃で4時間撹拌した。非単離中間体(E)-メチル7-メチル-5-オキソ-3-スチリルオクタノエート(式(IVa)の化合物)を含有する得られた混合物を20℃に冷却し、水(200mL)で洗浄した。次いで、洗浄した有機層を、真空蒸留により120mLの最終溶液容量まで乾燥させた。次いで、メチルエステル(E)-メチル7-メチル-5-オキソ-3-スチリルオクタノエート(式IVaの化合物)の溶液を0℃に冷却した。次いで、2-メチルテトラヒドロフラン(80mL)中のカリウムtert-ブトキシド(19.7g、176mmol、1.4当量)の溶液を、(E)-メチル7-メチル-5-オキソ-3-スチリルオクタノエート(式(IVa)の化合物)の冷却溶液に1時間かけて滴加した。添加が完了したら、反応混合物を30分かけて20℃に温めた。温めた溶液を20℃で1時間撹拌した。次いで、得られた生成物混合物に1.0Mの塩酸水溶液(180mL)を入れ、二相混合物を10分間撹拌した。次いで、水層を廃棄し、有機層を10%塩化ナトリウム水溶液(2×160mL)で洗浄した。次いで、(E)-2-イソプロピル-5-スチリルシクロヘキサン-1,3-ジオン(式(III)の化合物)の溶液に、メチルシクロヘキサン(400mL)を1時間かけて滴加し、その時点で生成物が沈殿し始めた。次いで、スラリーを濾過し、ウェットケーキをメチルシクロヘキサン(120mL)で洗浄した。次いで、ウェットケーキを真空下、30℃で12時間乾燥させて、(E)-2-イソプロピル-5-スチリルシクロヘキサン-1,3-ジオン(式(III)の化合物)を白色の結晶性固体(25.3g、(E)-2-(7-メチル-5-オキソ-1-フェニルオクタ-1-エン-3-イル)マロン酸から79%、(式(VI)の化合物)として得た。
【0177】
1H NMR(400MHz,DMSO)δ10.33(br s,1H,OH),7.39-7.37(m,2H),7.34-7.29(m,2H),7.24-7.20(m,1H),6.43(d,1H,J=16Hz),6.27(dd,1H,J=16,7.2Hz),3.08(sep,1H,J=7.2Hz),2.87-2.78(m,1H),2.40(br,4H),1.08(d,6H,J=7.2Hz)。
【0178】
13C NMR(100MHz,DMSO)δ136.8(C),132.5(CH),128.9(CH),128.6(CH),127.3(CH),126.0(CH),119.2(C),36.1(CH),22.6(CH),20.4(CH3)、他の炭素は、エノール互変異性化を受ける。
【0179】
HRMS-APCI(m/z)[M+H]+ C17H21O2に対する計算値、257.1536;実測値、257.1519。
【0180】
実施例6
(E)-2-クロロ-2-イソプロピル-5-スチリルシクロヘキサン-1,3-ジオン(式(IIa)の化合物)の合成
【化153】
1-Lジャケット付き実験室用反応器に、(E)-2-イソプロピル-5-スチリルシクロヘキサン-1,3-ジオン(式(III)の化合物)(55g、215mmol、1当量)およびメタノール(495mL)を入れ、不均一な懸濁液をもたらした。混合物を約45~50℃の内部温度に加熱し、その時点で均一な溶液が得られた。この溶液に、固体の1,3-ジクロロ-5,5-ジメチルヒダントイン(23.3g、118mmol、0.55当量)を5つの等しい分量で順次入れた。次いで、生成物溶液を10分かけて40℃に冷却し、146mgの(E)-2-クロロ-2-イソプロピル-5-スチリルシクロヘキサン-1,3-ジオン(式(IIa)の化合物)を播種した。混合物を30分間熟成させた後、60分かけて23℃に冷却した。次いで、水(330mL)を1時間かけてスラリーに滴加し、混合物を20℃で30分間撹拌した。次いで、スラリーをろ過し、ウェットケーキを1:1のメタノール/水(2×110mL)で洗浄した。次いで、ウェットケーキを45℃で12時間真空下で乾燥させて、(E)-2-クロロ-2-イソプロピル-5-スチリルシクロヘキサン-1,3-ジオン(式(IIa)の化合物)を、ジアステレオマーの約2:1混合物として存在する(60.0グラム、96%)白色の結晶性固体として得た。
【0181】
異性体1:
1H NMR(400MHz,DMSO)δ7.41-7.39(m,2H),7.36-7.32(m,2H),7.23-7.22(m,1H),6.54(d,1H,J=16Hz),6.32(dd,1H,J=16,7.2Hz),3.20-3.14(m,3H),2.84-2.77(m,1H),2.73-2.72(m,1H),2.70-2.69(m,1H),0.82(d,6H,J=6.8Hz)。
【0182】
13C NMR(100MHz,DMSO)δ198.5(C),136.5(C),130.4(CH),129.9(CH),128.6(CH),127.5(CH),126.1(CH),94.6(C),43.4(CH2),35.0(CH),32.8(CH),16.7(CH3)。
【0183】
異性体2:
1H NMR(400MHz,DMSO)δ7.33-7.28(m,4H),7.25-7.21(m,2H),6.35(dd,1H,J=16,2Hz),6.03(dd,1H,J=16,5.6Hz),3.48(dd,1H,J=14.8,6Hz),3.24-3.18(m,1H),3.10(sep,1H,J=6.4Hz),2.86(dd,1H,J=14.8,3.6Hz),0.83(d,6H,J=6.4Hz)。
【0184】
13C NMR(100MHz,DMSO)δ199.6(C),136.1(C),130.3(CH),130.1(CH),128.6(CH),127.7(CH),126.1(CH),94.5(C),42.2(CH2),34.7(CH),30.9(CH),16.9(CH3)。
【0185】
HRMS-APCI(m/z)[M+H]+ C17H20ClO2に対する計算値、291.1146;実測値、291.1132。
【0186】
実施例7
(E)-2-イソプロピル-5-スチリルベンゼン-1,3-ジオール(式(I)の化合物)の合成
【化154】
ジャケット付きの実験用反応器に、(E)-2-クロロ-2-イソプロピル-5-スチリルシクロヘキサン-1,3-ジオン(式(IIa)の化合物)(407g、1.4mol、1当量)、塩化テトラエチルアンモニウム(464g、2.8mol、2当量)、およびアセトニトリル(1.2L)を入れた。混合物を75~80℃に6時間加熱した。次いで、生成物混合物を30分かけて20℃に冷却し、tert-ブチルメチルエーテル(3.26L)で希釈した。得られた溶液を水で4回洗浄した(各洗浄2L)。得られた溶液を約610mLの容量に濃縮した。酢酸(815mL)を入れ、溶液を減圧下で約1.3Lの容量に濃縮した。得られたスラリーを均一になるまで55℃まで加熱し、次いで1時間かけてゆっくりと35℃まで冷却し、その間に生成物の沈殿が始まった。メチルシクロヘキサン(6.5L)を2時間かけてスラリーに添加した。添加が完了したら、混合物を1時間かけて約23℃までさらに冷却した。固体を濾過し、6:1のメチルシクロヘキサン/AcOHで2回洗浄した。次いで、単離した固体を80℃で24時間真空乾燥させて、(E)-2-イソプロピル-5-スチリルベンゼン-1,3-ジオール(式(I)の化合物)を白色の結晶性固体(305g、86%)として得た。
【0187】
1H NMR(400MHz,DMSO)δ9.05(s,2H,OH),7.58-7.55(m,2H),7.37-7.33(m,2H),7.27-7.22(m,1H),7.00(d,1H,J=16.4Hz),6.87(d,1H,J=16.4Hz),6.47(s,2H),3.43(sep,1H,J=7.2Hz),1.24(d,6H,J=7.2Hz)。
【0188】
13C NMR(100MHz,DMSO)δ156.4(C),137.0(C),134.7(C),128.9(CH),128.7(CH),127.4(CH),126.7(CH),126.3(CH),120.1(C),105.1(CH),23.7(CH),20.6(CH3)。
【0189】
HRMS-APCI(m/z)[M+H]+ C17H19O2に対する計算値、255.1380;実測値、255.1376。