(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024069275
(43)【公開日】2024-05-21
(54)【発明の名称】電気機器、及び、機器システム
(51)【国際特許分類】
H01M 50/244 20210101AFI20240514BHJP
H01M 50/247 20210101ALI20240514BHJP
H01M 50/296 20210101ALI20240514BHJP
【FI】
H01M50/244 A
H01M50/247
H01M50/296
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024029951
(22)【出願日】2024-02-29
(62)【分割の表示】P 2022545619の分割
【原出願日】2021-08-06
(31)【優先権主張番号】P 2020142074
(32)【優先日】2020-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村上 淳一
(72)【発明者】
【氏名】田賀 秀行
(57)【要約】
【課題】 電気機器に装着されるバッテリパックの構造を簡単化することができる技術を開示する。
【解決手段】 バッテリパックは、バッテリ側端子と、ハウジングを備えており、ハウジングは、バッテリ側端子の近傍に溝部を有している。電気機器は、本体ケースと、本体ケースに取付けられており、バッテリパックの溝部に係合可能なフックと、を備えている。溝部にフックが係合することによって、バッテリパックが電気機器に固定される。
【選択図】
図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリパックを着脱可能な電気機器であって、
前記バッテリパックは、バッテリ側端子と、ハウジングを備えており、
前記ハウジングは、前記バッテリ側端子の近傍に溝部を有しており、
前記電気機器は、
本体ケースと、
前記本体ケースに取付けられており、前記バッテリパックの前記溝部に係合可能なフックと、を備えており、
前記溝部に前記フックが係合することによって、前記バッテリパックが前記電気機器に固定される、電気機器。
【請求項2】
前記電気機器は、さらに、
前記バッテリ側端子に対応する機器側端子を有する端子ユニットを備えており、
前記フックは、前記本体ケースの外側で、前記端子ユニットに取り付けられている、請求項1に記載の電気機器。
【請求項3】
前記電気機器は、さらに、
前記端子ユニットと前記フックとの間に設けられている付勢部材を備えており、
前記付勢部材は、前記フックを、前記バッテリパックを前記電気機器に固定しないアンロック位置から、前記バッテリパックを前記電気機器に固定するロック位置へ向けて付勢する、請求項2に記載の電気機器。
【請求項4】
前記端子ユニット及び前記フックの一方が、軸方向に突出する突出部を備えており、
前記端子ユニット及び前記フックの他方が、前記突出部を摺動可能に保持する陥凹部を備えており、
前記フックが前記端子ユニットに対して、前記突出部の軸周りに回動可能に取り付けられている、請求項2又は3に記載の電気機器。
【請求項5】
前記本体ケースは、前記バッテリ側端子に対応する機器側端子が取付けられている上壁と、底壁と、前記バッテリパックのスライド方向に延びるレールを有しており、前記上壁から上方に延びる立設部と、を備えており、
前記立設部の上端は、前記フックの上端よりも上方に位置している、請求項1から3のいずれか一項に記載の電気機器。
【請求項6】
前記電気機器は充電器である、請求項1から5のいずれか一項に記載の電気機器。
【請求項7】
前記バッテリパックは、さらに、前記ハウジングに着脱可能な端子カバーを備えており、
前記ハウジングは、前記電気機器に対向する第1ハウジング面と、前記第1ハウジング面よりも内側に陥凹した端子インターフェース部と、を備えており、
前記端子インターフェース部に、前記バッテリ側端子と、前記溝部と、前記端子カバーを前記端子インターフェース部に取付けるためのカバー取付部と、が設けられており、
前記端子カバーが前記端子インターフェース部に取り付けられていない状態において、前記端子インターフェース部に設けられる前記溝部に前記フックが係合することによって、前記バッテリパックが前記電気機器に固定される、請求項1から6のいずれか一項に記載の電気機器。
【請求項8】
前記端子インターフェース部は、前記第1ハウジング面よりも内側に陥凹しており、前記バッテリパックのスライド方向に直交する第1インターフェース面と、前記スライド方向に延びており、前記第1ハウジング面と前記第1インターフェース面とを接続する第2インターフェース面と、を備えており、
前記カバー取付部は、前記第2インターフェース面から前記端子インターフェース部の内側に突出する第2突出部を備えており、
前記溝部が、前記第2突出部と前記第1インターフェース面との間に画定される、請求項7に記載の電気機器。
【請求項9】
バッテリパックと、前記バッテリパックを着脱可能な電気機器と、を備える機器システムであって、
前記バッテリパックは、
バッテリ側端子と、
ハウジングと、を備えており、
前記ハウジングは、前記バッテリ側端子の近傍に溝部を有しており、
前記電気機器は、
本体ケースと、
前記本体ケースに取付けられており、前記バッテリパックの前記溝部に係合可能なフックと、を備えており、
前記溝部に前記フックが係合することによって、前記バッテリパックが前記電気機器に固定される、機器システム。
【請求項10】
前記バッテリパックは、さらに、
前記ハウジングに着脱可能な端子カバーを備えており、
前記ハウジングは、前記電気機器に対向する第1ハウジング面と、前記第1ハウジング面よりも内側に陥凹した端子インターフェース部と、を備えており、
前記端子インターフェース部に、前記バッテリ側端子と、前記溝部と、前記端子カバーを前記端子インターフェース部に取付けるためのカバー取付部と、が設けられている、請求項9に記載の機器システム。
【請求項11】
前記端子インターフェース部は、前記第1ハウジング面よりも内側に陥凹しており、前記バッテリパックのスライド方向に直交する第1インターフェース面と、前記スライド方向に延びており、前記第1ハウジング面と前記第1インターフェース面とを接続する第2インターフェース面と、を備えており、
前記カバー取付部は、前記第2インターフェース面から前記端子インターフェース部の内側に突出する第2突出部を備えており、
前記溝部が、前記第2突出部と前記第1インターフェース面との間に画定される、請求項10に記載の機器システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、電気機器、及び、機器システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特表2008-512833号公報には、バッテリパックを着脱可能な電気機器が開示されている。バッテリパックは、バッテリ側端子と、ハウジングを備えており、ハウジングは、バッテリ側端子から離れている位置に溝部を有している。電気機器は、本体ケースと、本体ケースに取付けられており、バッテリパックの溝部に係合可能なロック機構と、を備えている。溝部にロック機構が係合することによって、バッテリパックが電気機器に固定される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特表2008-512833号公報の電気機器では、バッテリ側端子から比較的に離れている位置に溝部が設けられている。この場合、電気機器のフックがバッテリパックの溝部に係合しており、バッテリパックが電気機器に固定されている状態において、バッテリ側端子ががたつくことがある。
【0004】
本明細書では、バッテリパックが電気機器に固定されている状態におけるバッテリ側端子のがたつきを抑制することができる技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書は、バッテリパックを着脱可能な電気機器を開示する。前記バッテリパックは、バッテリ側端子と、ハウジングを備えており、前記ハウジングは、前記バッテリ側端子の近傍に溝部を有していてもよい。前記電気機器は、本体ケースと、前記本体ケースに取付けられており、前記バッテリパックの前記溝部に係合可能なフックと、を備えており、前記溝部に前記フックが係合することによって、前記バッテリパックが前記電気機器に固定されてもよい。
【0006】
上記の構成によると、フックは、バッテリ側端子の近傍に設けられている溝部に係合する。溝部がバッテリ側端子の近傍に設けられているため、バッテリパックが電気機器に固定されている状態において、バッテリ側端子がしっかりと固定される。従って、バッテリパックが電気機器に固定されている状態におけるバッテリ側端子のがたつきを抑制することができる。
【0007】
また、本明細書は、バッテリパックと、前記バッテリパックを着脱可能な電気機器と、を備える機器システムを開示する。前記バッテリパックは、バッテリ側端子と、ハウジングと、を備えており、前記ハウジングは、前記バッテリ側端子の近傍に溝部を有していてもよい。前記電気機器は、本体ケースと、前記本体ケースに取付けられており、前記バッテリパックの前記溝部に係合可能なフックと、を備えており、前記溝部に前記フックが係合することによって、前記バッテリパックが前記電気機器に固定されてもよい。
【0008】
上記の構成によると、フックは、バッテリ側端子の近傍に設けられている溝部に係合する。溝部がバッテリ側端子の近傍に設けられているため、バッテリパックが電気機器に固定されている状態において、バッテリ側端子がしっかりと固定される。従って、バッテリパックが電気機器に固定されている状態におけるバッテリ側端子のがたつきを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1実施例に係る機器システム2のブロック図である。
【
図2】第1実施例に係る充電器10を左方上方前方から見た斜視図である。
【
図3】第1実施例に係る充電器10を上方から見た上面図である。
【
図7】第1実施例において、端子ユニット14が取外された状態の充電器10を左方上方前方から見た斜視図である。
【
図8】第1実施例に係る端子ユニット14及びフック16の分解図である。
【
図9】第1実施例に係る端子ユニット14を左方上方前方から見た斜視図である。
【
図10】第1実施例に係る端子ユニット14を上方から見た上面図である。
【
図11】第1実施例に係る端子ユニット14を左方下方後方から見た斜視図である。
【
図12】第1実施例に係るフック16の動作を表わす断面図である(1)。
【
図13】第1実施例に係るフック16の動作を表わす断面図である(2)。
【
図14】第1実施例に係るフック16の動作を表わす断面図である(3)。
【
図15】第1実施例に係るフック16の動作を表わす断面図である(4)。
【
図16】第1実施例に係る側方リブ94eと側方リブ94fとの間隔を決定するための概略図である。
【
図17】第1実施例に係るバッテリパック200を左方下方前方から見た斜視図である。
【
図18】第1実施例に係るバッテリパック200を右方下方前方から見た斜視図である。
【
図19】第1実施例に係るバッテリパック200を下方から見た下面図である。
【
図20】第1実施例に係るバッテリパック200の右係合部210aの近傍を左方前方下方から見た斜視断面図である。
【
図21】第1実施例に係るバッテリパック200の前方断面図である。
【
図22】第1実施例において、端子カバー250が取付けられた状態におけるバッテリパック200を左方下方前方から見た斜視図である。
【
図23】第1実施例に係るバッテリパック200の端子カバー250を右方前方下方から見た斜視図である。
【
図24】第1実施例に係るバッテリパック200の端子カバー250を左方後方上方から見た斜視図である。
【
図25】第1実施例において、端子カバー250が取付けられた状態におけるバッテリパック200の右方断面図である。
【
図26】第1実施例に係るバッテリパック200が充電器10に取り付けられた状態を左方上方前方から見た斜視図である。
【
図27】第2実施例に係る充電器10を上方から見た上面図である。
【
図28】
図27のXXVIII-XXVIII線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
1つまたはそれ以上の実施形態において、バッテリパックを着脱可能な電気機器が開示される。バッテリパックは、バッテリ側端子と、ハウジングを備えており、ハウジングは、バッテリ側端子の近傍に溝部を有していてもよい。電気機器は、本体ケースと、本体ケースに取付けられており、バッテリパックの溝部に係合可能なフックと、を備えていてもよい。溝部にフックが係合することによって、バッテリパックが電気機器に固定されてもよい。
【0011】
1つまたはそれ以上の実施形態において、電気機器は、さらに、バッテリ側端子に対応する機器側端子を有する端子ユニットを備えており、フックは、本体ケースの外側で、端子ユニットに取り付けられていてもよい。
【0012】
電気機器の内部に水が浸入することは望ましくない。フックが、本体ケースの内側で端子ユニットに取付けられている場合、本体ケースの内側から外側までフックが延在するための開口を本体ケースに設ける必要がある。この場合、その開口を通過して電気機器の内部に水が浸入する可能性がある。上記の構成によると、フックが本体ケースの外側で端子ユニットに取付けられているために、本体ケースの内側から外側までフックが延在するための開口を本体ケースに設けなくてもよい。従って、電気機器の内部に水が浸入することを抑制することができる。
【0013】
1つまたはそれ以上の実施形態において、電気機器は、さらに、端子ユニットとフックとの間に設けられている付勢部材を備えており、付勢部材は、フックを、バッテリパックを電気機器に固定しないアンロック位置から、バッテリパックを電気機器に固定するロック位置へ向けて付勢してもよい。
【0014】
上記の構成によると、バッテリパックが電気機器に取付けられた後に、作業者がフックを操作しなくても、バッテリパックが電気機器に固定される状態が維持される。従って、作業者の利便性を向上させることができる。
【0015】
1つまたはそれ以上の実施形態において、端子ユニット及びフックの一方が、軸方向に突出する突出部を備えており、端子ユニット及びフックの他方が、突出部を摺動可能に保持する陥凹部を備えており、フックが端子ユニットに対して、突出部の軸周りに回動可能に取り付けられていてもよい。
【0016】
上記の構成によると、比較的に簡単な構成で、バッテリパックが電気機器に固定されている状態と、バッテリパックが電気機器に固定されていない状態と、を切り替えることができる。
【0017】
1つまたはそれ以上の実施形態において、本体ケースは、バッテリ側端子に対応する機器側端子が取付けられている上壁と、底壁と、バッテリパックのスライド方向に延びるレールを有しており、上壁から上方に延びる立設部と、を備えていてもよい。立設部の上端は、フックの上端よりも上方に位置していてもよい。
【0018】
上記の構成によると、立設部の上端及びフックの上端が下方に向けられている状態で、電気機器が落下した場合に、立設部が地面に接触する。このため、電気機器が落下した場合に、フックが地面に接触し、損傷することを抑制することができる。
【0019】
1つまたはそれ以上の実施形態において、電気機器は充電器であってもよい。
【0020】
電気機器が充電器である場合、バッテリパックが充電されている間、バッテリパックが電気機器に固定されている必要がある。上記の構成によると、溝部にフックが係合することによって、バッテリパックが充電器に固定される。従って、バッテリパックが充電されている間、バッテリパックを充電器に固定することができる。
【0021】
1つまたはそれ以上の実施形態において、バッテリパックは、さらに、ハウジングに着脱可能な端子カバーを備えていてもよい。ハウジングは、電気機器に対向する第1ハウジング面と、第1ハウジング面よりも内側に陥凹した端子インターフェース部と、を備えていてもよい。端子インターフェース部に、バッテリ側端子と、溝部と、端子カバーを端子インターフェース部に取付けるためのカバー取付部と、が設けられていてもよい。端子カバーが端子インターフェース部に取り付けられていない状態において、端子インターフェース部に設けられる溝部にフックが係合することによって、バッテリパックが電気機器に固定されてもよい。
【0022】
上記の構成によると、溝部及びカバー取付部のいずれかが、端子インターフェース部に設けられていない構成と比較して、バッテリパックのサイズを小型化することができ、バッテリパックが取付けられる電気機器のサイズも小型化することができる。
【0023】
1つまたはそれ以上の実施形態において、端子インターフェース部は、第1ハウジング面よりも内側に陥凹しており、バッテリパックのスライド方向に直交する第1インターフェース面と、スライド方向に延びており、第1ハウジング面と第1インターフェース面とを接続する第2インターフェース面と、を備えていてもよい。カバー取付部は、第2インターフェース面から端子インターフェース部の内側に突出する第2突出部を備えていてもよい。溝部が、第2突出部と第1インターフェース面との間に画定されてもよい。
【0024】
上記の構成によると、第2突出部と第1インターフェース面との間に画定される溝部を利用して、バッテリパックを電気機器に固定することができ、かつ、端子カバーを電気機器のハウジングに取付けることができる。
【0025】
1つまたはそれ以上の実施形態において、バッテリパックと、バッテリパックを着脱可能な電気機器と、を備える機器システムが開示される。バッテリパックは、バッテリ側端子と、ハウジングと、を備えており、ハウジングは、バッテリ側端子の近傍に溝部を有しており、電気機器は、本体ケースと、本体ケースに取付けられており、バッテリパックの溝部に係合可能なフックと、を備えており、溝部にフックが係合することによって、バッテリパックが電気機器に固定されてもよい。
【0026】
1つまたはそれ以上の実施形態において、バッテリパックは、さらに、ハウジングに着脱可能な端子カバーを備えていてもよい。ハウジングは、電気機器に対向する第1ハウジング面と、第1ハウジング面よりも内側に陥凹した端子インターフェース部と、を備えていてもよい。端子インターフェース部に、バッテリ側端子と、溝部と、端子カバーを端子インターフェース部に取付けるためのカバー取付部と、が設けられていてもよい。
【0027】
上記の構成によると、溝部及びカバー取付部のいずれかが、端子インターフェース部に設けられていない構成と比較して、バッテリパックのサイズを小型化することができ、バッテリパックが取付けられる電気機器のサイズも小型化することができる。
【0028】
1つまたはそれ以上の実施形態において、端子インターフェース部は、第1ハウジング面よりも内側に陥凹しており、バッテリパックのスライド方向に直交する第1インターフェース面と、スライド方向に延びており、第1ハウジング面と第1インターフェース面とを接続する第2インターフェース面と、を備えていてもよい。カバー取付部は、第2インターフェース面から端子インターフェース部の内側に突出する第2突出部を備えていてもよい。溝部が、第2突出部と第1インターフェース面との間に画定されてもよい。
【0029】
上記の構成によると、第2突出部と第1インターフェース面との間に画定される溝部を利用して、バッテリパックを電気機器に固定することができ、かつ、端子カバーを電気機器のハウジングに取付けることができる。
【0030】
(第1実施例)
図1~
図26を参照して、実施例の機器システム2について説明する。
図1、
図26に示すように、機器システム2は、バッテリパック200と、バッテリパック200を着脱可能な充電器10と、を備える。充電器10は、バッテリパック200を充電するためのバッテリ関連機器である。バッテリパック200は、芝刈機などの作業機(図示省略)に電力を供給するための電源である。バッテリパック200は、作業機に着脱可能に構成されている。充電器10は、作業機から取り外された状態のバッテリパック200を充電するように構成されている。以下では、
図2の充電器10を載置面に載置した場合に、載置面に直交する方向を上下方向と呼び、上下方向に直交する方向を左右方向と呼び、上下方向と左右方向に直交する方向を前後方向と呼ぶ。
【0031】
(充電器10の構成)
図2~
図11を参照して、充電器10について説明する。
図2に示すように、充電器10は、本体ケース12と、端子ユニット14と、フック16と、を備えている。本体ケース12は、上側ケース20と、下側ケース22と、を備えている。上側ケース20と下側ケース22は、ネジ(図示省略)によって固定されている。充電器10が載置面に載置された場合、下側ケース22の底壁22aが、載置面に対向する。本体ケース12の左側面の下部には、上側ケース20と下側ケース22が固定されることによって画定されるコード取り出し口24が設けられている。コード取り出し口24は、電源コード(図示省略)を通過させるための孔である。
【0032】
図7に示すように、上側ケース20の上壁20aは、前方上壁30と、後方上壁32と、中央上壁34と、で構成されている。前方上壁30は、後方上壁32の前方に設けられており、前側が下方に傾くように傾斜している。前方上壁30には、バッテリパック200の充電状態を示す表示部36が設けられている。中央上壁34は、前方上壁30及び後方上壁32に囲まれている。中央上壁34の高さは、後方上壁32の高さよりも低い。
図5に示すように、中央上壁34は、前側が下方に傾くように傾斜している。中央上壁34の傾斜角度は、前方上壁30の傾斜角度よりも小さい。
図7に示すように、中央上壁34には、開口40が設けられている。開口40の周りには、中央上壁34の上面34aから上方に延伸する上方リブ50が設けられている。上方リブ50は、開口40の全周を囲んでいる。上方リブ50の左右両側には、取付部52、54が設けられている。
図4に示すように、取付部52、54は、中央上壁34及び上方リブ50を上下方向に貫通する貫通孔52a、54aを有する。取付部52、54は、端子ユニット14を上側ケース20に取付けるために利用される。
図2に示すように、端子ユニット14が開口40を上方から覆っている。
【0033】
図2に示すように、上側ケース20は、さらに、立設部42を備える。立設部42は、前方上壁30から上方に延びる前方立設部44と、後方上壁32から上方に延びる後方立設部46と、を備える。前方立設部44は、前方上壁30の右端部、及び、左端部に形成されている。前方立設部44の上端は、前側が下方に傾くように傾斜している。後方立設部46は、後方上壁32の右端部、左端部、及び、後端部に形成されている。後方立設部46の右壁には、左方向に突出する前方レール46a及び後方レール46bが設けられている。
図3に示すように、後方立設部46の左壁には、右方向に突出する前方レール46a及び後方レール46bが設けられている。前方レール46a及び後方レール46bは、上下方向に延びている。右壁に設けられている前方レール46a、後方レール46bは、それぞれ、後述するバッテリパック200の第1右案内溝260、第2右案内溝262(
図18参照)に対応する形状を有している。左壁に設けられている前方レール46a、後方レール46bは、それぞれ、後述するバッテリパック200の第1左案内溝264、第2左案内溝266(
図17参照)に対応する形状を有している。前方レール46a及び後方レール46bによって、バッテリパック200のスライド方向(本実施例では上下方向)が画定される。後方立設部46の左側の後壁と右側の後壁の間には、凹部48が設けられている。
【0034】
図8に示すように、フック16は、操作部70と、操作部70の後端から上方に延びる後壁部72と、係合部74と、連結部76と、後方突出部78と、を備える。操作部70は、充電器10からバッテリパック200を取り外す際に作業者によって操作される。係合部74及び連結部76は、後壁部72の左右両端から後側に延びている。係合部74の上面は、後側が下方に傾くように傾斜しており、係合部74の下面は、前後方向及び左右方向を含む平面と略平行である。係合部74は、後壁部72の上端に設けられている。連結部76は、係合部74よりも下方に設けられている。連結部76には、後述する端子ユニット14の側方突出部96、98に対応する形状を有する陥凹部80が設けられている。後方突出部78は、後壁部72から後側に延びている。後方突出部78は、連結部76よりも下方に設けられている。後方突出部78には、バネ140が取付けられる。
図5に示すように、フック16の上端は、前方立設部44の上端よりも下方に位置する。本実施例において、フック16が作業者に操作されていない状態において、フック16の上端と前方立設部44の上端との間の距離D1は、2[mm]である。
【0035】
図8、
図9に示すように、端子ユニット14は、基部90と、基部90の上面90aから上方に延びる前側リブ92と、上面90aから上方に延びる側方リブ94a~94fを備える。側方リブ94a~94fは、前後方向および上下方向を含む平面に沿って延びている。側方リブ94a~94fは、左右方向に間隔を空けて設けられている。前側リブ92は、左右方向および上下方向を含む平面に沿って延びており、側方リブ94a~94fの前部を接続している。一番左側に配置される側方リブ94fの前方下部には、左方向に突出する側方突出部96が設けられている。
図10に示すように、一番右側に配置される側方リブ94aの前方下部には、右側に突出する側方突出部98が設けられている。左右方向から見たときに、側方突出部96、98は円形状を有する。側方突出部96、98は、左右方向に延びる軸Aに沿って突出している。側方突出部96、98をフック16の陥凹部80に挿入させることで、フック16を端子ユニット14に取付けることができる。フック16が端子ユニット14に取付けられている状態において、フック16は、端子ユニット14に対して、側方突出部96、98の軸Aを回動軸として回動することができる。
図9に示すように、前側リブ92の下部には、凹み部100が設けられている。フック16が端子ユニット14に取付けられている状態において、バネ140の一部が凹み部100に配置される。
【0036】
図10に示すように、端子ユニット14の基部90には、複数の機器側端子120が取付けられている。複数の機器側端子120は、バッテリパック200への充電のために使用される充電端子122a、122bと、バッテリパック200との信号の送受信のために使用される信号端子124a~124eと、を備える。基部90の上面90aは、前側リブ92、及び、側方リブ94a~94fによって、5個の端子領域TR1~TR5に区画されている。端子領域TR1、TR5には、それぞれ、充電端子122a、122bが設けられている。端子領域TR2には、信号端子124aが設けられている。端子領域TR3には、信号端子124b、124cが設けられている。端子領域TR4には、信号端子124d、124eが設けられている。充電端子122a、122bは、左右方向において、信号端子124a~124eよりも外側に設けられている。充電端子122aは、信号端子124a~124eの右側に設けられており、充電端子122bは、信号端子124a~124eの左側に設けられている。信号端子124b、124cは、前後に並んで設けられている。信号端子124d、124eは、前後に並んで設けられている。信号端子124aは、左右方向において、充電端子122aと信号端子124bの間に設けられている。充電端子122a、122b、及び、信号端子124a~124eの下部は、本体ケース12内に収容されている端子基板130(
図4~
図6参照)に接続されている。
【0037】
図5に示すように、端子領域TR3において、信号端子124bと信号端子124cとの間には、信号端子124bが設けられている前側部分FP3の高さと、信号端子124cが設けられている後側部分RP3の高さと、を変更するための段差部102が設けられている。前側部分FP3は、前側が下方に傾くように傾斜しており、後側部分RP3は、後側が下方に傾くように傾斜している。言い換えると、前側部分FP3は、信号端子124b側が段差部102側よりも下方に位置するように傾斜しており、後側部分RP3は、信号端子124c側が段差部102側よりも下方に位置するように傾斜している。また、端子領域TR3を画定する前側リブ92の下部には、端子領域TR3の前側部分FP3に到達した水を排水するための排水孔104が設けられている。端子領域TR4内の構造は、信号端子124d、124eが設けられている点を除いて、端子領域TR3内の構造と同様である。
【0038】
図6に示すように、端子領域TR1において、充電端子122aと前側リブ92との間には、境界部106が設けられている。端子領域TR1において、境界部106よりも前側の前側部分FP1は、前側が下方に傾くように傾斜しており、境界部106よりも後側の後側部分RP1は、後側が下方に傾くように傾斜している。また、端子領域TR1を画定する前側リブ92の下部には、排水孔104が設けられている。端子領域TR2、TR5内の形状は、充電端子122b、信号端子124aが設けられている点を除いて、端子領域TR1内と同様の形状を有する。
【0039】
図11に示すように、端子ユニット14は、さらに、下方リブ110と、2個のボス部112、114と、端子固定部116a~116eと、を備えている。下方リブ110は、基部90の下面90bから下方に延びている。下方リブ110の内側の輪郭は、上側ケース20の上方リブ50(
図7参照)の外側の輪郭と対応する形状を有する。
図4~
図6に示すように、下方リブ110は、上側ケース20の上方リブ50の外側に位置するように設けられている。また、
図5、
図6に示すように、排水孔104は、下方リブ110よりも前側リブ92側に設けられている。
図11に示すように、端子固定部116a~116eは、基部90の下面90bから下方に延びている。端子固定部116aには充電端子122aが固定されており、端子固定部116bには信号端子124aが固定されており、端子固定部116cには信号端子124b、124cが固定されており、端子固定部116dには信号端子124d、124eが固定されており、端子固定部116eには充電端子122bが固定されている。ボス部112、114は、下面90bから下方に延びている。ボス部112、114は、それぞれ、上側ケース20の取付部52、54に対応する位置に設けられている。
図4に示すように、ボス部112、114の外径は、取付部52、54の貫通孔52a、54aの径よりも小さい。本実施例では、貫通孔52a、54aの径よりも大きい外径を有する鍔部Cを備えるネジBがボス部112、114に螺合される。本体ケース12の取付部52、54が、ネジBの鍔部Cと、端子ユニット14の基部90の下面90bと、の間に挟持されることによって、端子ユニット14が本体ケース12に取付けられる。端子ユニット14が本体ケース12に取付けられている状態において、端子ユニット14の基部90は、本体ケース12の上壁20aの一部と言うこともできる。端子ユニット14が本体ケース12に取付けられている状態において、ボス部112、114と取付部52、54との間には左右方向に隙間Sが設けられている。また、端子ユニット14の下方リブ110と上側ケース20の上方リブ50との間にも、左右方向に隙間Sが設けられている。即ち、端子ユニット14は、本体ケース12に対して、水平方向にわずかに移動することができる。なお、変形例では、ネジBは、鍔部を備えていなくてもよい。本変形例では、貫通孔52a、54aよりも大きい外径を有するワッシャを利用すればよい。
【0040】
図16を参照して、側方リブ94eと側方リブ94fとの間の距離D2を決定する手法の一例を説明する。充電端子122bは、充電のために利用される端子であるために、信号端子124a~124eよりも高電圧が印可されている。このため、作業者の指が、充電端子122bに接触しないように、距離D2を決定することが望ましい。本実施例では、作業者の小指を模擬した物体300が、側方リブ94eと側方リブ94fとの間に侵入した場合でも、物体300の先端と充電端子122bの上端との距離D4が、1.5[mm]以上となるように、距離D2を決定する。本実施例において、側方リブ94e、側方リブ94fの上端と、充電端子122bの上端と、の間の距離D3は約11[mm]である。この場合、距離D2を約7[mm]よりも小さくすることで、物体300が、側方リブ94eと側方リブ94fとの間に侵入したとしても、距離D4を1.5[mm]以上にすることができる。このため、本実施例では、距離D2は、約7[mm]であり、距離D3は、約5[mm]である。このように、距離D3等に基づいて、距離D2を決定することができる。充電端子122aが設けられている端子領域TR1を画定する側方リブ94aと側方リブ94bとの間の距離も、約7[mm]である。なお、例えば、距離D3が15[mm]である場合に、距離D2を10[mm]とすると、距離D4が3[mm]となる。
【0041】
(バッテリパック200の構成)
図17~
図25を参照して、バッテリパック200について説明する。
図17、
図18に示すように、バッテリパック200は、ハウジング202を備えている。ハウジング202は、前側ハウジング202aと後側ハウジング202bとによって構成されている。ハウジング202は、本体部220と、右側支持部222と、左側支持部224と、把持部226と、を備えている。本体部220は、略直方体形状を有している。右側支持部222は、本体部220の上面の右端近傍から上方に向けて突出している。左側支持部224は、本体部220の上面の左端近傍から上方に向けて突出している。把持部226は、左右方向に延びており、右側支持部222の左面の上端近傍と、左側支持部224の右面の上端近傍を接続している。バッテリパック200の重量は、例えば、1.0kg~4.0kgの範囲内であって、より具体的には2.2kgである。バッテリパック200の定格電圧は、例えば、36V-108Vの範囲内であって、より具体的には57.6Vである。バッテリパック200の定格容量は、例えば、3.0Ah-12.0Ahの範囲内であって、より具体的には4.0Ahである。
【0042】
本体部220の左右方向の中央近傍の前下部には、端子インターフェース(以下では、「IF」と記載することがある)部230が形成されている。端子IF部230は、前部及び下部が開口する凹部形状を有する。端子IF部230は、IF上面230aと、IF後面230bと、IF右面230cと、IF左面230d(
図18参照)と、を備えている。IF上面230aは、前後方向および左右方向に沿っており、下方を向いており、本体部220の下面220aよりも上方にオフセットして配置されている。IF後面230bは、上下方向および左右方向に沿っており、前方を向いており、本体部220の前面220bよりも後方にオフセットして配置されている。IF右面230cは、前後方向および上下方向に沿っており、左方を向いて配置されている。IF左面230d(
図18参照)は、前後方向および上下方向に沿っており、右方を向いて配置されている。さらに、端子IF部230は、IF右面230cとIF左面230dの間で左右方向に並んで配置された複数の端子収容部232~240を備えている。端子収容部232~240は、端子IF部230のIF後面230bから前方に延びており、かつ、端子IF部230のIF上面230aから下方に延びている。それぞれの端子収容部232~240の下面は、本体部220の下面220aよりも上方で、略同一平面上に配置されている。それぞれの端子収容部232~240の前面は、本体部220の前面220bよりも後方で、略同一平面上に配置されている。それぞれの端子収容部232~240の下面には、端子用開口232a~240aが形成されている。端子用開口232a~240aは、前後方向に長手方向を有するスリット状の貫通孔である。
【0043】
図19、
図21に示すように、端子収容部232~240には、複数のバッテリ側端子242が収容されている。
図19に示すように、複数のバッテリ側端子242は、バッテリ側電力端子244a、244bと、バッテリ側信号端子246a~246fと、を備える。バッテリ側電力端子244aは、一番右側の端子収容部232に収容されている。バッテリ側電力端子244bは、一番左側の端子収容部240に収容されている。バッテリ側信号端子246a、246bは、一番右側の端子収容部232の左側の端子収容部234に収容されている。バッテリ側信号端子246a、246bは、前後に並んで設けられている。バッテリ側信号端子246c、246dは、中央の端子収容部236に収容されている。バッテリ側信号端子246c、246dは、前後に並んで設けられている。バッテリ側信号端子246e、246fは、一番左側の端子収容部240の右側の端子収容部238に収容されている。バッテリ側信号端子246e、246fは、前後に並んで設けられている。バッテリ側電力端子244a、244bは、それぞれ、充電器10の充電端子122a、122b(
図3参照)に対応する端子である。バッテリ側電力端子244a、244bは、充電器10にバッテリパック200が取付けられている状態において、充電のために使用される。バッテリ側信号端子246a、246c~246fは、それぞれ、充電器10の信号端子124a、124b~124e(
図3参照)に対応する端子である。バッテリ側信号端子246a、246c~246fは、充電器10にバッテリパック200が取付けられている状態において、充電器10との信号の送受信のために使用される。なお、芝刈機などの作業機にバッテリパック200が取付けられる場合に、バッテリ側電力端子244a、244bは、作業機の機器側電力端子に接続され、放電のために使用される。また、芝刈機などの作業機にバッテリパック200が取付けられる場合に、バッテリ側信号端子246b~246fは、それぞれ、作業機の機器側信号端子に接続され、作業機との信号の送受信のために使用される。
【0044】
図17に示すように、端子IF部230のIF右面230cには、左方に向けて突出する右係合部210aが形成されている。
図18に示すように、端子IF部230のIF左面230dには、右方に向けて突出する左係合部210bが形成されている。右係合部210aと左係合部210bは、互いに左右対称の位置および形状を有している。
図20に示すように、右係合部210aは、上端がIF上面230aに接続しており、後端がIF後面230bに接続している右基部214aと、右基部214aの前端下部から前方に向けて延びる右延伸部216aと、右延伸部216aの前端から下方に向けて延びる右先端部218aと、を備えている。IF上面230a、右基部214a、及び、右延伸部216aによって、前後方向に延びる右溝部212aが画定される。同様に、左係合部210bは、上端がIF上面230aに接続しており、後端がIF後面230bに接続している左基部214bと、左基部214bの前端下部から前方に向けて延びる左延伸部216bと、左延伸部216bの前端から下方に向けて延びる左先端部218bと、を備えている。IF上面230a、左基部214b、及び、左延伸部216bによって、前後方向に延びる左溝部212bが画定される。
【0045】
図21に示すように、右溝部212a及び左溝部212bは、複数のバッテリ側端子242の近傍に設けられている。右溝部212a及び左溝部212bには、充電器10のフック16の係合部74(
図8参照)が係合される。ここで、複数のバッテリ側端子242の近傍とは、例えば、バッテリ側端子242と右溝部212a及び左溝部212bとの間の距離が、30[mm]以下であることを意味する。本実施例では、複数のバッテリ側端子242のうち端子収容部232に収容されるバッテリ側電力端子244aと右溝部212aとの間の距離D11、及び、複数のバッテリ側端子242のうち端子収容部240に収容されるバッテリ側電力端子244bと左溝部212bとの間の距離D12が、30[mm]以下である。なお、距離D11、D12は、15[mm]以下であってもよい。
図5に示すように、フック16の上端は、立設部42(詳細には前方立設部44)の上端よりも下方に位置していることが望ましい。このため、
図21において、例えば、バッテリ側端子242の下端と、右溝部212a及び左溝部212bの下端と、の間の上下方向の距離D13を15[mm]以下にすると、フック16の上端が立設部42の上端よりも下方に位置している構造を維持しつつ、右溝部212a、左溝部212bに係合するフック16の上端、及び、立設部42の上端の位置を低くすることができ、充電器10の上下方向の大きさを小さくすることができる。また、例えば、バッテリ側端子242と、右溝部212a及び左溝部212bと、の間の左右方向の距離(即ち距離D11、D12)を15[mm]以下にすることで、フック16の左右方向の大きさを小さくすることできる。
【0046】
図22に示すように、端子IF部230には、端子カバー250を着脱可能である。端子カバー250は、端子IF部230に対して後方にスライドさせることで端子IF部230に取り付けることができる。また、端子カバー250は、端子IF部230に対して前方にスライドさせることで端子IF部230から取り外すことができる。
【0047】
図23に示すように、端子カバー250は、下板部250aと、前板部250bと、右板部250cと、左板部250d(
図24参照)と、を備えている。端子カバー250は、例えば樹脂製の部材であって、下板部250aと、前板部250bと、右板部250cと、左板部250dは、一体的に形成されている。下板部250aは、前後方向および左右方向に沿った略平板形状を有している。下板部250aは、長手方向が左右方向に沿っており、短手方向が前後方向に沿った、略長方形状を有している。下板部250aの下面には、下方に向けて突出しており、左右方向に延びる指かけ凸部250eが形成されている。指かけ凸部250eは、下板部250aの前後方向の中央よりも後方に配置されている。前板部250bは、下板部250aの前端から上方に向けて延びている。前板部250bは、上下方向および左右方向に沿った平板形状を有している。前板部250bは、長手方向が左右方向に沿っており、短手方向が上下方向に沿った略長方形状を有している。
【0048】
右板部250cの右面には、右方に向けて突出する右レール250fと、右方に向けて突出する右係合凸部250gと、がさらに形成されている。右レール250fは、前後方向に沿って延びている。右板部250cには、右係合凸部250gの上方で前後方向に延びる上スリット250hと、右係合凸部250gの下方で前後方向に延びる下スリット250iと、が形成されている。同様に、
図24に示すように、左板部250dの左面には、左方に向けて突出する左レール250jと、左方に向けて突出する左係合凸部250kと、がさらに形成されている。左レール250jは、前後方向に沿って延びている。左板部250dには、左係合凸部250kの上方で前後方向に延びる上スリット250lと、左係合凸部250kの下方で前後方向に延びる下スリット250mと、が形成されている。
【0049】
図25に示すように、端子カバー250を端子IF部230に取り付ける際には、端子カバー250の右レール250fの下面が、右係合部210aの右延伸部216aの上面に対して摺動するとともに、端子カバー250の左レール250jの下面が左係合部210bの左延伸部216bの上面に対して摺動する。そして、端子カバー250の右係合凸部250gが右係合部210aの右先端部218aに接触すると、右係合凸部250gが左側に弾性変形するとともに、端子カバー250の左係合凸部250kが左係合部210bの左先端部218bに接触すると、左係合凸部250kが右側に弾性変形する。そして、右係合凸部250gが右係合部210aの右先端部218aよりも後方に移動すると、右係合凸部250gの弾性変形が解除されることによって、右係合凸部250gが右係合部210aの右先端部218aと係合するとともに、左係合凸部250kが左係合部210bの左先端部218bよりも後方に移動すると、左係合凸部250k弾性変形が解除されることによって、左係合凸部250kが左係合部210bの左先端部218bと係合する。これにより、端子カバー250が端子IF部230に対して固定される。以下では、右係合部210a、右溝部212a、右基部214a、右延伸部216a、左係合部210b、左溝部212b、左基部214b、及び、左延伸部216bを総称して、「カバー取付部252」と記載することがある。
【0050】
図22に示すように、端子カバー250を端子IF部230(詳細にはカバー取付部252)に取り付けた状態では、端子カバー250の下板部250aによって、端子収容部232~240(
図17参照)の下面、及び、端子収容部232~240の端子用開口232a~240a(
図17参照)が覆われている。また、端子カバー250を端子IF部230に取り付けた状態では、端子カバー250の前板部250bによって、端子収容部232~240(
図17参照)の前面が覆われている。
【0051】
端子カバー250を端子IF部230から取り外す際には、ユーザは、指かけ凸部250eに指をかけて、端子カバー250を端子IF部230に対して前方に向けてスライドさせる。これによって、端子カバー250の右係合凸部250g(
図25参照)が右係合部210aの右先端部218aと係合解除されるとともに、端子カバー250の左係合凸部250k(
図25参照)が左係合部210bの左先端部218bと係合解除されることで、端子カバー250が端子IF部230から取り外される。
【0052】
図18に示すように、本体部220の右面220cには、上下方向に延びる第1右案内溝260と、上下方向に延びる第2右案内溝262が形成されている。第1右案内溝260は、右面220cの前後方向の中央と右面220cの前端の間で、右面220cの前端寄りに配置されており、第2右案内溝262は、右面220cの前後方向の中央と右面220cの後端の間で、右面220cの後端寄りに配置されている。第1右案内溝260、第2右案内溝262は、それぞれ、充電器10の右側の前方レール46a、後方レール46b(
図3参照)に対応する位置に設けられている。
図17に示すように、本体部220の左面220dには、上下方向に延びる第1左案内溝264と、上下方向に延びる第2左案内溝266が形成されている。第1左案内溝264は、左面220dの前後方向の中央と左面220dの前端の間で、左面220dの前端寄りに配置されており、第2左案内溝266は、左面220dの前後方向の中央と左面220dの後端の間で、左面220dの後端寄りに配置されている。第1左案内溝264、第2左案内溝266は、それぞれ、充電器10の左側の前方レール46a、後方レール46b(
図3参照)に対応する位置に設けられている。第1右案内溝260と第1左案内溝264は、互いに左右対称の位置および形状を有している。第2右案内溝262と第2左案内溝266は、互いに左右対称の位置および形状を有している。
【0053】
(バッテリパック200の充電器10への取付方法、及び、取外し方法)
続いて、
図12~
図15を参照して、バッテリパック200の充電器10への取付方法、及び、取外し方法について説明する。
【0054】
まず、
図12~
図14を参照して、バッテリパック200の充電器10への取付方法について説明する。
図12に示すように、バッテリパック200が取付けられていない状態において、フック16は、バネ140(
図8参照)によって、後壁部72が上下方向に対して略平行になるように付勢されている。この状態において、バッテリパック200を充電器10に取付けるために、作業者がバッテリパック200を下方に移動させると、バッテリパック200の右係合部210aの右先端部218aの下端及び左係合部210bの左先端部218bの下端が、充電器10のフック16の係合部74に接触する。そして、
図13に示すように、作業者が、バッテリパック200をさらに下ろしていくと、軸Aを回動軸としてフック16が回動する。具体的には、係合部74が前方に移動すると共に、操作部70が下方に移動する。
【0055】
そして、
図14に示すように、バッテリパック200の右係合部210aの右延伸部216aの上端及び左係合部210bの左延伸部216bの上端が充電器10のフック16の係合部74よりも下方に移動すると、バネ140の付勢力によって、軸Aを回動軸としてフック16が回動する。具体的には、係合部74が後方に移動すると共に、操作部70が上方に移動する。これにより、充電器10の係合部74がバッテリパック200の右溝部212a及び左溝部212bに入り込む。この状態において、充電器10からバッテリパック200を取外すために、バッテリパック200を上方に移動させようとしても、バッテリパック200の右係合部210aの右延伸部216aの上端及び左係合部210bの左延伸部216bの上端が係合部74の下端に接触し、バッテリパック200を上方に移動させることができない。従って、
図14に示す状態が、バッテリパック200の右溝部212a及び左溝部212bにフック16が係合しており、バッテリパック200が充電器10に固定されている状態である。以下では、バッテリパック200を充電器10に固定するフック16の位置をロック位置と記載することがある。この状態において、バッテリパック200の充電が行われる。
【0056】
そして、作業者は、バッテリパック200の充電が完了すると、充電器10からバッテリパック200取外す。まず、作業者は、フック16の操作部70を押し下げる。この場合、
図15に示すように、フック16が軸Aを回動軸として回動し、係合部74が前方に移動する。これにより、バッテリパック200の右係合部210aの右延伸部216a及び左係合部210bの左延伸部216bの上方に係合部74が配置されていない状態になる。このため、作業者は、バッテリパック200を上方に移動させることができ、充電器10からバッテリパック200を取外すことができる。以下では、バッテリパック200を充電器10に固定しないフック16の位置をアンロック位置と記載することがある。そして、作業者は、充電器10からバッテリパック200を取外した後に、フック16の操作部70から手を放す。この場合、
図12に示すように、バネ140の付勢力によって、軸Aを回動軸としてフック16が回動する。具体的には、係合部74が後方に移動すると共に、操作部70が上方に移動して、フック16の位置がアンロック位置からロック位置に変更される。
【0057】
一実施形態に係る充電器10は、
図1~
図15に示すように、本体ケース12と、本体ケース12に取付けられており、バッテリパック200の右溝部212a及び左溝部212bに係合可能なフック16と、を備えている。そして、
図15に示すように、右溝部212a及び左溝部212bにフック16が係合することによって、バッテリパック200が充電器10に固定される。
図14に示すように、フック16は、バッテリ側端子242の近傍に設けられている右溝部212a及び左溝部212bに係合する。右溝部212a及び左溝部212bがバッテリ側端子242の近傍に設けられているため、バッテリパック200が充電器10に固定されている状態において、バッテリ側端子242がしっかりと固定される。従って、バッテリパック200が充電器10に固定されている状態におけるバッテリ側端子242のがたつきを抑制することができる。また、上記の構成によると、フック16を利用して、バッテリパック200と充電器10とを固定する構成において、バッテリ側端子242の近傍に右溝部212a及び左溝部212bが設けられていない構成と比較して、フック16のサイズを小型化することができる。この結果、充電器10のサイズを小型化することができる。また、フック16の構造を単純化することができる。
【0058】
一実施形態に係る充電器10は、
図2に示すように、バッテリ側端子242に対応する機器側端子120を有する端子ユニット14を備え、フック16は、本体ケース12の外側で、端子ユニット14に取り付けられている。上記の構成によると、フック16が本体ケース12の外側で端子ユニット14に取付けられているために、本体ケース12の内側から外側までフック16が延在するための開口を本体ケース12に設けなくてもよい。従って、充電器10の内部に水が浸入することを抑制することができる。
【0059】
一実施形態に係る充電器10は、
図8に示すように、端子ユニット14とフック16との間に設けられているバネ140を備えており、バネ140は、フック16を、バッテリパック200を充電器10に固定しないアンロック位置(
図15参照)から、バッテリパック200を充電器10に固定するロック位置(
図14参照)へ向けて付勢する。上記の構成によると、バッテリパック200が充電器10に取付けられた後に、作業者がフック16を操作しなくても、バッテリパック200が充電器10に固定される状態が維持される。従って、作業者の利便性を向上させることができる。
【0060】
一実施形態に係る充電器10では、
図8、
図9に示すように、端子ユニット14が、左右方向に突出する側方突出部96、98を備えており、フック16が、側方突出部96、98を摺動可能に保持する陥凹部80を備えている。そして、フック16が端子ユニット14に対して、側方突出部96、98の軸A周りに回動可能に取り付けられている。上記の構成によると、比較的に簡単な構成で、バッテリパック200が充電器10に固定されている状態と、バッテリパック200が充電器10に固定されていない状態と、を切り替えることができる。
【0061】
一実施形態に係る充電器10では、
図2、
図3、
図7に示すように、本体ケース12は、バッテリ側端子に対応する機器側端子120が取付けられている上壁20aと、底壁22aと、バッテリパック200のスライド方向に延びる前方レール46a及び後方レール46bを有しており、上壁20aから上方に延びる立設部42と、を備えている。
図5に示すように、立設部42の上端は、フック16の上端よりも上方に位置している。上記の構成によると、立設部42の上端及びフック16の上端が下方に向けられている状態で、充電器10が落下した場合に、立設部42が地面に接触する。このため、充電器10が落下した場合に、フック16が地面に接触し、損傷することを抑制することができる。
【0062】
一実施形態において、
図17、
図18に示すように、バッテリパック200は、さらに、ハウジング202に着脱可能な端子カバー250を備えている。ハウジング202が、充電器10に対向する下面220aと、下面220aよりも内側に陥凹した端子IF部230と、を備えている。端子IF部230に、バッテリ側端子242と、右溝部212a及び左溝部212bと、端子カバー250を端子IF部230に取付けるためのカバー取付部252と、が設けられている。端子カバー250が端子IF部230に取り付けられていない状態(
図26)において、端子IF部230に設けられる右溝部212a及び左溝部212bにフック16が係合することによって、バッテリパック200が充電器10に固定される。上記の構成によると、右溝部212a、左溝部212b、及び、カバー取付部252のいずれかが、端子IF部230に設けられていない構成と比較して、バッテリパック200のサイズを小型化することができ、バッテリパック200が取付けられる充電器10のサイズも小型化することができる。
【0063】
一実施形態において、端子IF部230は、ハウジング202の下面220aよりも内側に陥凹しており、バッテリパック200のスライド方向(即ち上下方向)に直交するIF上面230aと、スライド方向に延びており、ハウジング202の下面220aとIF上面230aとを接続するIF右面230c及びIF左面230dと、を備えている。カバー取付部252は、IF右面230c及びIF左面230dから端子IF部230の内側に突出している右延伸部216a及び左延伸部216bを備えている。右溝部212a及び左溝部212bが、右延伸部216a及び左延伸部216bと、IF上面230aと、の間に画定される。上記の構成によると、右溝部212a及び左溝部212bを利用して、バッテリパック200を充電器10に固定することができ、かつ、端子カバー250を充電器10のハウジング202に取付けることができる。
【0064】
一実施形態に係る機器システム2は、
図1~
図26に示すように、バッテリパック200と、バッテリパック200を着脱可能な充電器10と、を備える。バッテリパック200は、バッテリ側端子と、ハウジング202と、を備えている。ハウジング202は、バッテリ側端子の近傍に右溝部212a及び左溝部212bを有している。充電器10は、本体ケース12と、本体ケース12に取付けられており、バッテリパック200の右溝部212a及び左溝部212bに係合可能なフック16と、を備えている。そして、右溝部212a、左溝部212bにフック16が係合することによって、バッテリパック200が充電器10に固定される。上記の構成によると、右溝部212a及び左溝部212bを利用して、バッテリパック200を充電器10に固定させることができる。従って、充電器10の構造を簡単化することができる。また、バッテリパック200が充電されている間、バッテリパック200を充電器10に固定することができる。
【0065】
一実施形態に係る機器システム2において、バッテリパック200は、
図17、
図18に示すように、さらに、ハウジング202に着脱可能な端子カバー250を備えている。ハウジング202が、充電器10に対向する下面220aと、下面220aよりも内側に陥凹した端子IF部230と、を備えている。端子IF部230に、バッテリ側端子242と、右溝部212a及び左溝部212bと、カバー取付部252と、が設けられている。上記の構成によると、右溝部212a、左溝部212b、及び、カバー取付部252のいずれかが、端子IF部230に設けられていない構成と比較して、バッテリパック200のサイズを小型化することができ、バッテリパック200が取付けられる充電器10のサイズも小型化することができる。
【0066】
一実施形態に係る機器システム2では、
図17、
図18に示すように、端子IF部230は、ハウジング202の下面220aよりも内側に陥凹しており、バッテリパック200のスライド方向(即ち上下方向)に直交するIF上面230aと、スライド方向に延びており、ハウジング202の下面220aとIF上面230aとを接続するIF右面230c及びIF左面230dと、を備えている。カバー取付部252は、IF右面230c及びIF左面230dから端子IF部230の内側に突出する右延伸部216a及び左延伸部216bを備えている。右溝部212a及び左溝部212bが、右延伸部216a及び左延伸部216bと、IF上面230aと、の間に画定される。上記の構成によると、右溝部212a及び左溝部212bを利用して、バッテリパック200を充電器10に固定することができ、かつ、端子カバー250を充電器10のハウジング202に取付けることができる。
【0067】
(対応関係)
充電器10が、「電気機器」の一例である。バネ140が、「付勢部材」の一例である。側方突出部96、98が、「突出部」の一例である。ハウジング202の下面220aが、「第1ハウジング面」の一例である。端子IF部230のIF上面230aが、「第1インターフェース面」の一例である。端子IF部230のIF右面230c及びIF左面230dが、「第2インターフェース面」の一例である。右延伸部216a及び左延伸部216bが、「第2突出部」の一例である。
【0068】
(第2実施例)
図27、
図28を参照して、本実施例の充電器410について説明する。本実施例の充電器410は、端子ユニット414、及び、本体ケース12の中央上壁434の構造が、第1実施例の充電器10と異なる。なお、以下では、実施例間で共通する構造については、同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0069】
図28に示すように、端子ユニット414は、基部490の下面490bから下方に延びる下方リブ510を備えている。端子ユニット414の一番右側に配置される側方リブ94aと下方リブ510との間、及び、端子ユニット414の一番左側に配置される側方リブ94fと上方リブ50との間には、取付部512、514が設けられている。取付部512、514は、端子ユニット414の基部490を上下方向に貫通する貫通孔512a、514aを有する。
【0070】
開口40の周りには、中央上壁434の上面から上方に延伸する上方リブ450が設けられている。端子ユニット414の一番右側に配置される側方リブ94a、及び、上方リブ450よりも右側に、ボス部452が設けられており、端子ユニット414の一番左側に配置される側方リブ94f、及び、上方リブ450よりも左側に、ボス部454が設けられている。ボス部452、454は、中央上壁434の上面から上方に延びている。ボス部452、454は、それぞれ、端子ユニット414の取付部512、514に対応する位置に設けられている。ボス部452、454の外径は、取付部512、514の貫通孔512a、514aの径よりも小さい。本実施例では、貫通孔512a、514aの径よりも大きい外径を有する鍔部Cを備えるネジBがボス部452、454に螺合される。端子ユニット414が、ネジBと本体ケース12との間に挟持されることによって、端子ユニット414が本体ケース12に取付けられる。端子ユニット414が本体ケース12に取付けられている状態において、ボス部452、454と取付部512、514との間には左右方向に隙間Sが設けられている。このため、端子ユニット414は、本体ケース12に対して、水平方向にわずかに移動することができる。このような構成によっても、第1実施例の充電器10と同様の効果を奏することができる。
【0071】
本明細書によって開示される電池パックのさらなる特徴を以下に記す。
(特徴1)
バッテリパックを着脱可能な電気機器であって、
本体ケースと、
前記本体ケースに設けられている複数の端子と、を備え、
前記本体ケースは、前記複数の端子が設けられている第1上壁と、底壁を備え、
前記複数の端子は、第1方向において隣り合っている第1端子と第2端子を備え、
前記第1端子と前記第2端子との間の前記第1上壁の上面には、前記第1端子が設けられている第1部分の高さと、前記第2端子が設けられている第2部分の高さと、を変更するための段差部が設けられている、電気機器。
(特徴2)
前記上面において、
前記第1部分は、前記第1端子側が前記段差部側よりも下方に位置するように傾斜しており、
前記第2部分は、前記第2端子側が前記段差部側よりも下方に位置するように傾斜している、特徴1に記載の電気機器。
(特徴3)
前記複数の端子は、さらに、前記第1方向に直交する第2方向において、前記第1端子と隣り合っている第3端子を備え、
前記第1端子と前記第3端子との間の前記上面には、前記上面から上方に延びる第1リブが設けられている、特徴1に記載の電気機器。
(特徴4)
前記第1端子及び前記第2端子は、信号の通信のために利用される端子であり、
前記第3端子は、充電又は放電のために利用される端子であり、
前記電気機器は、さらに、
前記上面から上方に延び、前記第2方向において、前記第3端子に対して前記第1リブとは反対側に設けられている第2リブを備え、
前記第2方向に沿って見たときに、前記第1リブ及び前記第2リブのサイズが、前記第3端子のサイズよりも大きく、
前記第2方向における前記第1リブと前記第2リブとの間の距離は、所定距離よりも小さく、
前記所定距離は、前記第1リブと前記第2リブの間に作業者の指が侵入しても、作業者の指が前記第3端子に接触しない間隔である、特徴3に記載の電気機器。
(特徴5)
前記電気機器は、さらに、
前記上面から上方に延び、前記第2方向において、前記第1端子に対して前記第1リブとは反対側に設けられている第3リブと、
前記上面から上方に延び、前記第1方向において、前記第1端子に対して前記段差部とは反対側で、前記第1リブと前記第3リブを接続する接続リブと、を備える、特徴3又は4に記載の電気機器。
(特徴6)、
前記段差部と前記接続リブとの間には、排水孔が設けられている、特徴5に記載の電気機器。
(特徴7)
前記排水孔は、前記第1端子よりも前記接続リブ側に設けられている、特徴6に記載の電気機器。
(特徴8)
前記本体ケースは、さらに、上方から見たときに、前記第1上壁と一部が重なっており、前記第1上壁よりも下方に位置する第2上壁と、を備え、
前記第2上壁の上面から上方に延び、前記第1上壁の下面に接触する第4リブが設けられており、
前記第1上壁の前記下面には、前記下面から下方に延び、前記第2上壁の前記上面に接触する第5リブが設けられており、
前記排水孔は、前記第4リブ及び前記第5リブよりも接続リブ側に設けられている、特徴7に記載の電気機器。
【0072】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0073】
(第1変形例)フック16が、本体ケース12の内側で、端子ユニット14に取付けられていてもよい。
【0074】
(第2変形例)端子ユニット14とフック16との間にバネ140が設けられていなくてもよい。本変形例では、作業者が、フック16を操作することで、アンロック位置及びロック位置が切り替えられる。
【0075】
(第3変形例)フック16が左右方向に突出する突出部を有しており、端子ユニット14が突出部を摺動可能に保持する陥凹部を有していてもよい。
【0076】
(第4変形例)フック16が端子ユニット14に対して、前後方向に移動可能に取付けられていてもよい。
【0077】
(第5変形例)フック16の上端が、立設部42の上端よりも上方に位置していてもよい。
【0078】
(第6変形例)「電気機器」は、充電器10に限定されず、芝刈機などの作業機であってもよい。
【0079】
(第7変形例)端子IF部230とは異なる位置に、カバー取付部252が設けられていてもよい。本変形例では、端子IF部230内において、フック16の係合部74が係合する溝部を画定するための第2突出部が設けられている。当該溝部は、端子カバー250をバッテリパック200に取付けるためには利用されない。
【0080】
(第8変形例)端子IF30内において、右溝部212a及び左溝部212bとは別に、フック16の係合部74が係合する溝部が設けられていてもよい。例えば、右係合部210a及び左係合部210bよりも上方又は下方に、フック16の係合部74が係合する溝部を画定するための「第2突出部」が設けられていてもよい。
【0081】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的な有用性を持つものである。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリパックを着脱可能な電気機器であって、
本体ケースと、
前記本体ケースに設けられている複数の端子と、を備え、
前記本体ケースは、前記複数の端子が設けられている第1上壁と、底壁を備え、
前記複数の端子は、第1方向において隣り合っている第1端子と第2端子を備え、
前記第1端子と前記第2端子との間の前記第1上壁の上面には、前記第1端子が設けられている第1部分の高さと、前記第2端子が設けられている第2部分の高さと、を変更するための段差部が設けられている、電気機器。
【請求項2】
前記上面において、
前記第1部分は、前記第1端子側が前記段差部側よりも下方に位置するように傾斜しており、
前記第2部分は、前記第2端子側が前記段差部側よりも下方に位置するように傾斜している、請求項1に記載の電気機器。
【請求項3】
前記複数の端子は、さらに、前記第1方向に直交する第2方向において、前記第1端子と隣り合っている第3端子を備え、
前記第1端子と前記第3端子との間の前記上面には、前記上面から上方に延びる第1リブが設けられている、請求項1又は2に記載の電気機器。
【請求項4】
前記第1端子及び前記第2端子は、信号の通信のために利用される端子であり、
前記第3端子は、充電又は放電のために利用される端子であり、
前記電気機器は、さらに、
前記上面から上方に延び、前記第2方向において、前記第3端子に対して前記第1リブとは反対側に設けられている第2リブを備え、
前記第2方向に沿って見たときに、前記第1リブ及び前記第2リブのサイズが、前記第3端子のサイズよりも大きく、
前記第2方向における前記第1リブと前記第2リブとの間の距離は、所定距離よりも小さく、
前記所定距離は、前記第1リブと前記第2リブの間に作業者の指が侵入しても、前記作業者の指が前記第3端子に接触しない間隔である、請求項3に記載の電気機器。
【請求項5】
前記電気機器は、さらに、
前記上面から上方に延び、前記第2方向において、前記第1端子に対して前記第1リブとは反対側に設けられている第3リブと、
前記上面から上方に延び、前記第1方向において、前記第1端子に対して前記段差部とは反対側で、前記第1リブと前記第3リブを接続する接続リブと、を備える、請求項3又は4に記載の電気機器。
【請求項6】
前記段差部と前記接続リブとの間には、排水孔が設けられている、請求項5に記載の電気機器。
【請求項7】
前記排水孔は、前記第1端子よりも前記接続リブ側に設けられている、請求項6に記載の電気機器。
【請求項8】
前記本体ケースは、さらに、上方から見たときに、前記第1上壁と一部が重なっており、前記第1上壁よりも下方に位置する第2上壁と、を備え、
前記第2上壁の第2上面には、前記第2上面から上方に延びる第4リブが設けられており、
前記第1上壁の下面には、前記下面から下方に延び、上端が前記第4リブの下端よりも上方に位置する第5リブが設けられており、
前記排水孔は、前記第4リブ及び前記第5リブよりも前記接続リブ側に設けられている、請求項7に記載の電気機器。