(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024069277
(43)【公開日】2024-05-21
(54)【発明の名称】外科用クランプを使用する、アブレーションのためのシステム、デバイス、および方法
(51)【国際特許分類】
A61B 18/14 20060101AFI20240514BHJP
A61B 18/12 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
A61B18/14
A61B18/12
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024030025
(22)【出願日】2024-02-29
(62)【分割の表示】P 2020561052の分割
【原出願日】2019-04-24
(31)【優先権主張番号】15/970,404
(32)【優先日】2018-05-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ヴィスワナータン,ラジュ
(72)【発明者】
【氏名】ロング,ゲイリー エル.
(57)【要約】
【課題】電気穿孔アブレーション治療のためのシステム、デバイス、および方法を提供する。
【解決手段】デバイスが、複数の第1の電極を含む第1のジョー、および複数の第2の電極を含む第2のジョーを含む。第1のジョーおよび第2のジョーが、実質的に堅く、細長く、共同で縦軸を画定してもよい。第1のジョーおよび第2のジョーが、使用中に互いの間に組織を係合するように構成されてもよい。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の第1の電極を含む、第1のジョーと、
複数の第2の電極を含む、第2のジョーであって、前記第1のジョーおよび前記第2のジョーが、実質的に堅く、細長く、共同で縦軸を画定し、前記第1のジョーおよび前記第2のジョーがさらに、使用中に互いの間に組織を係合するように構成される、第2のジョーと、を備え、
前記複数の第1の電極の各電極が、前記縦軸に直交する、前記第1のジョーおよび前記第2のジョーの断面内で、前記複数の第1の電極の各電極の長さより短い幅を有し、前記複数の第1の電極が、前記縦軸に対して横方向に相隔たり、
前記複数の第2の電極の各電極が、前記縦軸に直交する前記断面内で、前記複数の第2の電極の各電極の長さより短い幅を有し、前記複数の第2の電極が、前記縦軸に対して横方向に相隔たり、
前記複数の第1の電極および前記複数の第2の電極が、少なくとも約200ボルトの振幅を有するパルス波形の受信に応答して、アブレーションエネルギーを前記組織へ送達するように構成される、電極対を含み、少なくとも1つの電極対が、前記縦軸に直交する前記断面内で、互いの斜め向かいに配置される、前記複数の第1の電極のうちの電極および前記複数の第2の電極のうちの電極を含む、装置。
【請求項2】
前記縦軸が、直線部分および曲線部分のうちの1つ以上を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
各電極対では、前記複数の第1の電極のうちの前記電極が、陽極として構成され、前記複数の第2の電極のうちの前記電極が、陰極として構成される、請求項1の装置。
【請求項4】
前記陽極が、前記縦軸に直交する前記断面の中で、前記陰極から横方向に相隔たる、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記複数の第1の電極のうちの少なくとも2つの電極が、第1の尺度だけ相隔たり、前記第1のジョーおよび前記第2のジョーが、使用中に互いの間で前記組織と係合するとき、第2の尺度だけ相隔たり、前記第2の尺度対前記第1の尺度の比率は、約0.1:1と約12:1との間である、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記縦軸に直交する前記断面の中にある、前記複数の第1の電極のうちの少なくとも2つの電極の中間点間の距離は、約1mmと約10mmとの間である、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記複数の第1の電極のうちのいずれか2つの隣接する電極が、約0.5mmと約10mmとの間の第1の尺度だけ相隔たり、前記複数の第2の電極のうちのいずれか2つの隣接する電極が、約0.5mmと約10mmとの間の第2の尺度だけ相隔たる、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記複数の第1の電極のうちのいずれか2つの隣接する電極が、第1の尺度だけ相隔たり、前記複数の第2の電極のうちのいずれか2つの隣接する電極が、第2の尺度だけ相隔たり、前記第1の尺度対前記第2の尺度の比率は、約0.05:1と約20:1との間である、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記複数の第1の電極のうちのいずれか2つの隣接する電極が、第1の尺度だけ相隔たり、前記複数の第2の電極のうちのいずれか2つの隣接する電極が、第2の尺度だけ相隔たり、前記第1の尺度に対する、前記複数の第1の電極のうちのいずれかの電極の前記幅対、前記複数の第2の電極のうちのいずれかの電極の前記幅の比率は、約0.01:1と約10:1との間である、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記複数の第1の電極および前記複数の第2の電極の各電極が、約10mmと約120mmとの間の長さを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記第1および第2のジョーが、体腔、器官系、もしくは解剖構造を通ってまたはその周辺に、前記第1および第2のジョーを位置づける第1の構成と、前記組織を係合する第2の構成との間を移行するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記第1および第2のジョーが、前記第2の構成で間隙の距離だけ相隔たる、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記複数の第1の電極の各電極の断面形状、および前記複数の第2の電極の各電極の断面形状は、実質的に四角形である、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記複数の第1の電極および前記複数の第2の電極の各電極が、曲線部分を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記曲線部分が、約1cm以上の曲率半径を有する、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記曲線部分がJ字形を有する、請求項14に記載の装置。
【請求項17】
前記複数の第1の電極および前記複数の第2の電極の各電極が、使用中に前記組織と電気接触する露出部分を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記複数の第1の電極および前記複数の第2の電極の各電極の前記露出部分が、平坦または凸状である、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記第1および第2のジョーが、互いと平行に延在する、請求項1に記載の装置。
【請求項20】
コントローラを備える、パルス発生器であって、前記パルス発生器が、前記複数の第1の電極および前記複数の第2の電極の各電極に結合され、前記コントローラが、プロセッサおよびメモリを備え、前記パルス発生器が、
前記パルス波形を生成し、
前記複数の第1の電極のうちの電極および前記複数の第2の電極のうちの電極を少なくとも含む、電極の第1のセットを、パルス波形の送達のために構成し、
前記電極の第1のセットへ、前記パルス波形を送達するように構成される、パルス発生器をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項21】
前記パルス発生器がさらに、
前記複数の第1の電極のうちの電極および前記複数の第2の電極のうちの電極を少なくとも含む、電極の第2のセットを、組織の電気的活動を受信するために構成し、
前記電極の第2のセットを使用して、前記組織の電気的活動に対応する信号データを受信し、
前記信号データを使用して、心電図検査データを生成するように構成される、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記第1のジョーおよび前記第2のジョーに結合される、ハンドルをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項23】
前記ハンドルが、ジョー制御、電極選択制御、およびパルス波形制御のうちの1つ以上を含む、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記第1のジョーを前記第2のジョーに結合する旋回軸をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項25】
前記第1および第2のジョーを閉じるよう付勢するように構成される、ばねをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項26】
前記複数の第1の電極および前記複数の第2の電極に結合される、1つ以上のリード線をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項27】
前記複数の第1の電極および前記複数の第2の電極の各電極が、独立してアドレス可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項28】
第1の電極および第2の電極を含む、第1のジョーと、
第3の電極および第4の電極を含む第2のジョーであって、前記第1のジョーおよび前記第2のジョーが、実質的に堅く、細長く、共同で縦軸を画定し、前記第1のジョーおよび前記第2のジョーがさらに、使用中に互いの間に組織を係合するように構成され、前記縦軸に直交する、前記第1のジョーおよび前記第2のジョーの断面内で、前記第1の電極が、前記第3の電極の真向かいに配置され、前記第2の電極が、前記第4の電極の真向かいに配置され、前記第1の電極が、前記第4の電極の斜め向かいに配置される、第2のジョーと、
前記第1のジョーおよび前記第2のジョーに、動作可能に結合されるプロセッサであって、使用中に、
前記第1の電極を陽極として、前記第4の電極を陰極として構成し、
パルス電界アブレーションエネルギーを、前記第1の電極および前記第4の電極を介して送達するように構成される、プロセッサと、を備える装置。
【請求項29】
前記縦軸が、直線部分および曲線部分のうちの1つ以上を有する、請求項28に記載の装置。
【請求項30】
前記第1の電極および前記第2の電極が、約0.5mmと約10mmとの間の第1の尺度だけ相隔たり、前記第3の電極および前記第4の電極が、約0.5mmと約10mmとの間の第2の尺度だけ相隔たる、請求項28に記載の装置。
【請求項31】
前記第1の電極および前記第2の電極が、第1の尺度だけ相隔たり、前記第3の電極および前記第4の電極が、第2の尺度だけ相隔たり、前記第1の尺度対前記第2の尺度の比率は、約0.05:1と約20:1との間である、請求項28に記載の装置。
【請求項32】
前記第1の電極および前記第2の電極が、第1の尺度だけ相隔たり、前記第1の電極の幅対前記第1の尺度の比率は、約0.01:1と約10:1との間である、請求項28に記載の装置。
【請求項33】
前記第1、第2、第3、および第4の電極が、各々約10mmと約120mmとの間の長さを有する、請求項28に記載の装置。
【請求項34】
前記第1および第2のジョーが、体腔、器官系、もしくは解剖構造を通ってまたはその周辺に、前記第1および第2のジョーを位置づける第1の構成と、前記組織を係合する第2の構成との間を移行するように構成される、請求項28に記載の装置。
【請求項35】
前記第1および第2のジョーが、前記第2の構成で間隙の距離だけ相隔たる、請求項34に記載の装置。
【請求項36】
前記第1、第2、第3、および第4の電極の断面が、実質的に四角形である、請求項28に記載の装置。
【請求項37】
前記第1、第2、第3、および第4の電極が曲線部分を含む、請求項28に記載の装置。
【請求項38】
前記曲線部分が、約1cm以上の曲率半径を有する、請求項36に記載の装置。
【請求項39】
前記曲線部分がJ字形を有する、請求項36に記載の装置。
【請求項40】
前記第1、第2、第3、および第4の電極が、使用中に前記組織と電気接触する露出部分を含む、請求項38に記載の装置。
【請求項41】
前記電極の各々の前記露出部分が、平坦または凸状である、請求項39に記載の装置。
【請求項42】
前記第1および第2のジョーが、互いと平行に延在する、請求項28に記載の装置。
【請求項43】
コントローラを備える、パルス発生器であって、前記パルス発生器が、前記第1、第2、第3、および第4の電極に結合され、前記コントローラが、プロセッサおよびメモリを備え、前記パルス発生器が、
少なくとも約200ボルトのパルス波形を生成し、
前記第1、第2、第3、および第4の電極のうちの1つ以上を含む、電極の第1のセットを、パルス波形の送達のために構成し、
前記電極の第1のセットへ、前記パルス波形を送達するように構成される、パルス発生器をさらに備える、請求項28に記載の装置。
【請求項44】
前記発生器がさらに、
前記第1、第2、第3、および第4の電極のうちの1つ以上を含む、電極の第2のセットを、組織の電気的活動を受信するために構成し、
前記電極の第2のセットを使用して、前記組織の電気的活動に対応する信号データを受信し、
前記信号データを使用して、心電図検査データを生成するように構成される、請求項28に記載の装置。
【請求項45】
前記第1のジョーおよび前記第2のジョーに結合される、ハンドルをさらに備える、請求項28に記載の装置。
【請求項46】
前記ハンドルが、ジョー制御、電極選択制御、およびパルス波形制御のうちの1つ以上を含む、請求項28に記載の装置。
【請求項47】
前記第1のジョーを前記第2のジョーに結合する旋回軸をさらに備える、請求項28に記載の装置。
【請求項48】
前記第1および第2のジョーを閉じるよう付勢するように構成される、ばねをさらに備える、請求項28に記載の装置。
【請求項49】
前記第1、第2、第3、および第4の電極に結合される、1つ以上のリード線をさらに備える、請求項28に記載の装置。
【請求項50】
前記第1の電極、第2の電極、第3の電極、および第4の電極の各々が、独立してアドレス可能である、請求項28に記載の装置。
【請求項51】
不可逆的電気穿孔によって組織をアブレーションする方法であって、
装置の第1のジョーと第2のジョーとの間の前記組織をクランプすることであって、前記第1のジョーが、複数の第1の電極を含み、前記第2のジョーが、複数の第2の電極を含み、前記第1のジョーおよび前記第2のジョーが、実質的に堅く、細長く、共同で縦軸を画定し、
前記複数の第1の電極の各電極が、前記縦軸に直交する、前記第1のジョーおよび前記第2のジョーの断面内で、前記複数の第1の電極の各電極の長さより短い幅を有し、前記複数の第1の電極が、前記縦軸に対して横方向に相隔たり、
前記複数の第2の電極の各電極が、前記縦軸に直交する前記断面内で、前記複数の第2の電極の各電極の長さより短い幅を有し、前記複数の第2の電極が、前記縦軸に対して横方向に相隔たることと、
前記複数の第1の電極のうちの電極を陽極として構成することと、
前記複数の第2の電極のうちの電極を、陰極として構成することであって、前記陽極および前記陰極が、前記縦軸に直交する前記断面内で、互いの斜め向かいに配置され、横方向に相隔たることと、
アブレーションエネルギーを、前記陽極および前記陰極を介して前記組織へ送達することと、を含む方法。
【請求項52】
前記縦軸が、直線部分および曲線部分のうちの1つ以上を有する、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記組織をクランプすることが、前記装置を前進させる第1の構成と、前記組織をクランプする第2の構成との間で、前記第1および第2のジョーを移行させることを含む、51に記載の方法。
【請求項54】
前記組織が、肺静脈の心房底部の領域である、請求項51に記載の方法。
【請求項55】
前記パルス波形が、
パルスの第1のセットを含む、階層の第1のレベルであって、各パルスが、パルス持続時間と、連続パルスを分離する第1の時間間隔とを有する、階層の第1のレベルと、
パルスの第2のセットとしてパルスの複数の第1のセットと、パルスの連続する第1のセットを分離する第2の時間間隔とを含む、前記階層の第2のレベルであって、前記第2の時間間隔が、前記第1の時間間隔の少なくとも3倍の期間である、前記階層の第2のレベルと、
パルスの第3のセットとしてパルスの複数の第2のセットと、パルスの連続する第2のセットを分離する第3の時間間隔とを含む、前記階層の第3のレベルであって、前記第3の時間間隔が、前記第2のレベルの時間間隔の少なくとも30倍の期間である、前記階層の第3のレベルと、を含む、請求項51に記載の方法。
【請求項56】
前記複数の第1の電極および前記複数の第2の電極のうちの1つ以上の電極を使用して、前記組織の電気的活動に対応する信号データを受信することと、
前記信号データを使用して、心電図検査データを生成することと、をさらに含む、51に記載の方法。
【請求項57】
前記第1および第2のジョーを、体腔、器官系、または解剖構造を通ってまたはその周辺に位置づけることをさらに含む、51に記載の方法。
【請求項58】
前記複数の第1の電極および前記複数の第2の電極の各電極が、独立してアドレス可能である、請求項49に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2018年5月3日出願の米国出願第15/970,404号の利益を主張し、その開示全体は、参照することによってその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] 本明細書に記載する実施形態は、概して、治療上の電気エネルギー送達用の医療機器に関し、より具体的には、組織をアブレーションするために、電気エネルギーを送達する外科用クランプデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 過去20年で電気穿孔の技法は、研究室から臨床応用へと前進してきた一方で、高電圧および高電界の短いパルスが組織に及ぼす影響については、過去40年間以上調査されている。短く高いDC電圧を組織に印加し、それによって、通常1センチメートルあたり数百ボルトの範囲で局所的に高電界を生成させると、細胞膜の中に細孔が生成することによって、細胞膜が破壊されうる。この電気的に駆動される細孔生成(すなわち電気穿孔)の正確なメカニズムは、よく分かっていないものの、比較的高電界の印加によって、細胞膜の脂質二重層に不安定性が生成され、膜の中に局所的なギャップまたは細孔の分布を発生させると考えられている。膜に印加される電界が閾値より大きい場合、電気穿孔は不可逆的であり、細孔が開いたままとなって、膜全体で物質の交換が可能となり、壊死および/またはアポトーシス(細胞死)をもたらす。続いて、組織は自然なプロセスで治癒する。パルスDC電圧が、適正な状況下で電気穿孔を駆動することが知られているものの、既知のアプローチでは、特に、心外膜カテーテルデバイスによる不整脈のアブレーション治療という観点では、1つ以上のデバイスの進路決定、配置、および治療送達の容易さ、ならびに安全なエネルギー送達は提供されない。
【0004】
[0004] それゆえ、健康な組織への障害を最小化しながら、関心領域の組織へ選択的に、電気穿孔アブレーション治療を効率的に送達できるデバイスへのニーズがある。特に、所望の組織領域へ効率的に電気穿孔治療を送達しながら、同時に、望ましくない組織領域に不可逆的電気穿孔が発生するのを最小化できるデバイスへのニーズがある。
【発明の概要】
【0005】
[0005] 本明細書に記載するのは、不可逆的電気穿孔により組織をアブレーションするためのシステム、デバイス、および方法についてである。そのような電気穿孔送達システム、デバイス、および方法によって、エネルギー送達の安全性を高め、様々な不整脈の治療的処置を含む、電気穿孔の臨床応用分野を広げることができる。いくつかの実施形態では、装置は、複数の第1の電極を含む第1のジョーを含んでもよい。第2のジョーは、複数の第2の電極を含んでもよい。第1のジョーおよび第2のジョーが、実質的に堅く、細長くてもよく、共同で縦軸を画定してもよい。第1のジョーおよび第2のジョーがさらに、使用中に互いの間に組織を係合するように構成されてもよい。複数の第1の電極の各電極が、縦軸と平行に測定されるその電極の長さより短い、縦軸に直交する幅を有してもよい。複数の第1の電極が、縦軸に対して横方向に相隔たってもよい。複数の第2の電極の各電極が、縦軸と平行に測定されるその電極の長さより短い、縦軸に直交する幅を有してもよい。複数の第2の電極が、縦軸に対して横方向に相隔たってもよい。複数の第1の電極および複数の第2の電極の各電極が、少なくとも約200ボルトのパルス波形を送達するように構成されてもよい。
【0006】
[0006] いくつかの実施形態では、装置が、複数の第1の電極を含む第1のジョーと、複数の第2の電極を含む第2のジョーとを含み、第1のジョーおよび第2のジョーが、実質的に堅く、細長く、共同で縦軸を画定し、第1のジョーおよび第2のジョーがさらに、使用中に互いの間に組織を係合するように構成される。複数の第1の電極の各電極が、縦軸に直交する、第1のジョーおよび第2のジョーの断面内で、その電極の長さより短い幅を有することができ、複数の第1の電極が、縦軸に対して横方向に相隔たる。複数の第2の電極の各電極が、縦軸に直交する断面内で、その電極の長さより短い幅を有することができ、複数の第2の電極が、縦軸に対して横方向に相隔たる。複数の第1の電極および複数の第2の電極が、少なくとも約200ボルトの振幅を有するパルス波形の受信に応答して、アブレーションエネルギーを組織へ送達するように構成される、電極対または電極のセットを含むことができ、少なくとも1つの電極対、または電極の少なくとも1つのセットが、縦軸に直交する断面内で、互いの斜め向かいに配置される、複数の第1の電極のうちの電極および複数の第2の電極のうちの電極を含む。
【0007】
[0007] いくつかの実施形態では、複数の第1の電極および複数の第2の電極の各電極が、独立してアドレス可能であってもよい。いくつかの実施形態では、縦軸が、直線部分および曲線部分のうちの1つ以上を有する。いくつかの実施形態では、複数の第1の電極のうちの電極が、陽極として構成されてもよく、複数の第2の電極からの電極が、陰極として構成されてもよく、陽極は、陰極の真向かいに配置される。いくつかの実施形態では、複数の第1の電極からの電極が、陽極として構成されてもよく、複数の第1の電極からの別の電極が、陰極として構成される。陽極が、陰極から横方向に相隔たってもよい。いくつかの実施形態では、複数の第1の電極のうちの少なくとも2つが、第1の尺度だけ相隔たってもよい。第1のジョーおよび第2のジョーが、例えば、使用中に互いの間に組織を係合するとき、第2の尺度だけ相隔たってもよい。第2の尺度対第1の尺度の比率は、約0.1:1と約12:1との間であってもよい。いくつかの実施形態では、縦軸に直交する断面の中にある、複数の第1の電極のうちの少なくとも2つの中間点間の距離は、約1mmと約10mmとの間であってもよい。
【0008】
[0008] いくつかの実施形態では、複数の第1の電極のうちのいずれか2つの隣接する電極が、約0.5mmと約10mmとの間の第1の尺度だけ相隔たってもよく、複数の第2の電極のうちのいずれか2つの隣接する電極が、約0.5mmと約10mmとの間の第2の尺度だけ相隔たってもよい。いくつかの実施形態では、複数の第1の電極のうちのいずれか2つの隣接する電極が、第1の尺度だけ相隔たってもよく、複数の第2の電極のうちのいずれか2つの隣接する電極が、第2の尺度だけ相隔たる。第1の尺度対第2の尺度の比率は、約0.05:1と約20:1との間であってもよい。
【0009】
[0009] いくつかの実施形態では、複数の第1の電極のうちのいずれか2つの隣接する電極が、第1の尺度だけ相隔たってもよく、複数の第2の電極のうちのいずれか2つの隣接する電極が、第2の尺度だけ相隔たってもよい。第1の尺度に対する、複数の第1の電極のうちのいずれかの電極の幅対、複数の第2の電極のうちのいずれかの電極の幅の比率は、約0.01:1と約10:1との間であってもよい。いくつかの実施形態では、複数の第1の電極および複数の第2の電極の各電極が、約10mmと約120mmとの間の長さを有してもよい。
【0010】
[0010] いくつかの実施形態では、第1および第2のジョーが、体腔、器官系、もしくは解剖構造を通ってまたはその周辺に、第1および第2のジョーを位置づける第1の構成と、組織を係合する第2の構成との間を移行するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、第1および第2のジョーが、第2の構成で間隙の距離だけ相隔たってもよい。いくつかの実施形態では、複数の第1の電極および複数の第2の電極の各電極の断面(または断面形状)が、実質的に四角形であってもよい。いくつかの実施形態では、複数の第1の電極および複数の第2の電極の各電極が、曲線部分を含んでもよい。これらの実施形態のうちのいくつかでは、曲線部分が約1cm以上の曲率半径を有してもよい。いくつかの実施形態では、曲線部分がJ字形を有してもよい。
【0011】
[0011] いくつかの実施形態では、複数の第1の電極および複数の第2の電極の各電極が、使用中に組織と電気接触する露出部分を含んでもよい。これらの実施形態のうちのいくつかでは、複数の第1の電極および複数の第2の電極の各電極の露出部分が、平坦または凸状であってもよい。いくつかの実施形態では、第1および第2のジョーが互いに平行で、例えば、互いと平行に延在してもよい。いくつかの実施形態では、パルス発生器は発生器を含んでもよい。発生器が、複数の第1の電極および複数の第2の電極の各電極に結合されてもよい。コントローラは、プロセッサおよびメモリを含んでもよい。発生器が、少なくとも約200ボルトのパルス波形を生成するように構成されてもよい。複数の第1の電極および複数の第2の電極からの電極の第1のセットは、パルス波形の送達のために構成されてもよい。いくつかの実施形態では、パルス波形が、電極の第1のセットへ送達されてもよい。これらの実施形態のうちのいくつかでは、発生器がさらに、複数の第1の電極および複数の第2の電極から電極の第2のセットを、組織の電気的活動を受信するために構成し、電極の第2のセットを使用して、組織の電気的活動に対応する信号データを受信するように構成されてもよい。信号データを使用して、心電図検査データを生成してもよい。
【0012】
[0012] いくつかの実施形態では、ハンドルは、第1のジョーおよび第2のジョーに結合されてもよい。これらの実施形態のうちのいくつかでは、ハンドルが、ジョー制御、電極選択制御、およびパルス波形制御のうちの1つ以上を含んでもよい。いくつかの実施形態では、旋回軸によって、第1のジョーを第2のジョーに結合してもよい。いくつかの実施形態では、ばねは、第1および第2のジョーを閉じるよう付勢するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、1つ以上のリード線は、複数の第1の電極および複数の第2の電極に結合されてもよい。
【0013】
[0013] いくつかの実施形態では、装置が、第1の電極および第2の電極を含む、第1のジョーを含んでもよい。第2のジョーが、第3の電極および第4の電極を含んでもよい。第1のジョーおよび第2のジョーが、実質的に堅く、細長く、共同で縦軸を画定してもよい。第1のジョーおよび第2のジョーがさらに、使用中に互いの間に組織を係合するように構成されてもよい。第1の電極が、第3の電極の真向かいに配置されてもよい。第2の電極が、第4の電極の真向かいに配置されてもよい。プロセッサは、第1のジョーおよび第2のジョーに動作可能に結合されてもよい。プロセッサが、使用中に、第1の電極を陽極として、第3の電極を陰極として構成するように構成されてもよい。パルス電界アブレーションエネルギーを、第1の電極および第3の電極を介して送達してもよい。
【0014】
[0014] いくつかの実施形態では、第1の電極、第2の電極、第3の電極、および第4の電極の各々が、独立してアドレス可能である。いくつかの実施形態では、縦軸が、直線部分および曲線部分のうちの1つ以上を有してもよい。いくつかの実施形態では、第1の電極および第2の電極が、約0.5mmと約10mmとの間の第1の尺度だけ相隔たってもよく、第3の電極および第4の電極が、約0.5mmと約10mmとの間の第2の尺度だけ相隔たってもよい。いくつかの実施形態では、第1の電極および第2の電極が、第1の尺度だけ相隔たってもよく、第3の電極および第4の電極が、第2の尺度だけ相隔たってもよい。第1の尺度対第2の尺度の比率は、約0.05:1と約20:1との間であってもよい。いくつかの実施形態では、第1の電極および第2の電極が、第1の尺度だけ相隔たってもよい。第1の電極の幅対第1の尺度の比率は、約0.01:1と約10:1との間であってもよい。いくつかの実施形態では、第1、第2、第3、および第4の電極が、各々約10mmと約120mmとの間の長さを有してもよい。
【0015】
[0015] いくつかの実施形態では、第1および第2のジョーが、体腔、器官系、もしくは解剖構造を通ってまたはその周辺に、第1および第2のジョーを位置づける第1の構成と、組織を係合する第2の構成との間を移行するように構成されてもよい。これらの実施形態のうちのいくつかでは、第1および第2のジョーが、第2の構成で間隙の距離だけ相隔たってもよい。いくつかの実施形態では、第1、第2、第3、および第4の電極の断面が、実質的に四角形であってもよい。いくつかの実施形態では、第1、第2、第3、および第4の電極が、曲線部分を含んでもよい。
【0016】
[0016] これらの実施形態のうちのいくつかでは、曲線部分が約1cm以上の曲率半径を有してもよい。これらの実施形態のうちのいくつかでは、曲線部分がJ字形を有してもよい。いくつかの実施形態では、第1、第2、第3、および第4の電極が、使用中に組織と電気接触する露出部分を含んでもよい。これらの実施形態のうちのいくつかでは、電極の各々の露出部分が、平坦または凸状であってもよい。いくつかの実施形態では、第1および第2のジョーが平行であってもよい。
【0017】
[0017] いくつかの実施形態では、パルス発生器はコントローラを含んでもよい。パルス発生器が、第1、第2、第3、および第4の電極に結合されてもよい。コントローラが、プロセッサおよびメモリを含んでもよい。発生器が、少なくとも約200ボルトのパルス波形を生成するように構成されてもよい。第1、第2、第3、および第4の電極からの電極の第1のセットは、パルス波形の送達のために構成されてもよい。パルス波形が、電極の第1のセットへ送達されてもよい。
【0018】
[0018] いくつかの実施形態では、発生器がさらに、第1、第2、第3、および第4の電極から電極の第2のセットを、組織の電気的活動を受信するために構成するように構成されてもよい。組織の電気的活動に対応する信号データは、電極の第2のセットを使用して受信されてもよい。信号データを使用して、心電図検査データを生成してもよい。
【0019】
[0019] いくつかの実施形態では、ハンドルは、第1のジョーおよび第2のジョーに結合されてもよい。これらの実施形態のうちのいくつかでは、ハンドルが、ジョー制御、電極選択制御、およびパルス波形制御のうちの1つ以上を含んでもよい。いくつかの実施形態では、旋回軸によって、第1のジョーを第2のジョーに結合してもよい。いくつかの実施形態では、ばねは、第1および第2のジョーを閉じるよう付勢するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、1つ以上のリード線は、第1、第2、第3、および第4の電極に結合されてもよい。
【0020】
[0020] いくつかの実施形態では、不可逆的電気穿孔によって組織をアブレーションする方法は、装置の第1のジョーと第2のジョーとの間の組織をクランプするステップを含んでもよい。第1のジョーが、複数の第1の電極を含んでもよく、第2のジョーが、複数の第2の電極を含んでもよい。第1のジョーおよび第2のジョーが、実質的に堅く、細長くてもよく、共同で縦軸を画定してもよい。複数の第1の電極の各電極が、その電極の縦軸と平行な長さより短い、縦軸に直交する幅を有してもよい。複数の第1の電極が、縦軸に対して横方向に相隔たってもよい。複数の第2の電極の各電極が、その電極の縦軸と平行な長さより短い、縦軸に直交する幅を有してもよい。複数の第2の電極が、縦軸に対して横方向に相隔たってもよい。複数の第1の電極のうちの電極は、陽極として構成されてもよい。複数の第2の電極のうちの電極は、陰極として構成されてもよい。陽極および陰極が、縦軸を隔てて斜めに配置されてもよく、縦軸に対して横方向に相隔たってもよい。アブレーションエネルギーを、陽極および陰極を介して組織へ送達してもよい。
【0021】
[0021] いくつかの実施形態では、縦軸が、直線部分および曲線部分のうちの1つ以上を有してもよい。いくつかの実施形態では、組織をクランプすることが、装置を前進させる第1の構成と、組織をクランプする第2の構成との間で、第1および第2のジョーを移行させることを含んでもよい。いくつかの実施形態では、組織が、肺静脈の心房底部の領域であってもよい。いくつかの実施形態では、パルス波形は、パルス波形の階層の第1のレベルが、パルスの第1のセットを含むことを含んでもよく、各パルスが、パルス持続時間と、連続パルスを分離する第1の時間間隔とを有する。パルス波形の階層の第2のレベルは、パルスの第2のセットとして、パルスの複数の第1のセットを含んでもよく、第2の時間間隔は、パルスの連続する第1のセットを分離し、第2の時間間隔が、第1の時間間隔の少なくとも3倍の期間である。パルス波形の階層の第3のレベルは、パルスの第3のセットとして、パルスの複数の第2のセットを含んでもよく、第3の時間間隔は、パルスの連続する第2のセットを分離し、第3の時間間隔が、第2のレベルの時間間隔の少なくとも30倍の期間である。
【0022】
[0022] いくつかの実施形態では、組織の電気的活動に対応する信号データは、複数の第1の電極および複数の第2の電極のうちの1つ以上を使用して、受信されてもよい。信号データを使用して、心電図検査データを生成してもよい。いくつかの実施形態では、第1および第2のジョーが、体腔、器官系、または解剖構造を通ってまたはその周辺に位置づけられてもよい。いくつかの実施形態では、複数の第1の電極および複数の第2の電極の各電極が、独立してアドレス可能であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1A】
図1Aは、実施形態による、アブレーションデバイスの概略斜視図である。
【
図1B】
図1Bは、実施形態による、アブレーションデバイスの概略断面側面図である。
【
図2A】
図2Aは、実施形態による、アブレーションデバイスの断面側面図における、電位の陰影付き外形図の形態によるシミュレーション結果である。
【
図2B】
図2Bは、実施形態による、電極が
図2Aよりもさらに相隔たる、アブレーションデバイスの断面側面図における、電位の陰影付き外形図の形態によるシミュレーション結果である。
【
図2C】
図2Cは、実施形態による、電極が
図2Bよりもさらに相隔たる、アブレーションデバイスの断面側面図における、電位の陰影付き外形図の形態によるシミュレーション結果である。
【
図3A】
図3Aは、実施形態による、アブレーションデバイスの断面側面図における、電位の陰影付き外形図の形態によるシミュレーション結果である。
【
図3B】
図3Bは、実施形態による、電極が
図3Aよりもさらに相隔たる、アブレーションデバイスの断面側面図における、電位の陰影付き外形図の形態によるシミュレーション結果である。
【
図3C】
図3Cは、実施形態による、電極が
図3Bよりもさらに相隔たる、アブレーションデバイスの断面側面図における、電位の陰影付き外形図の形態によるシミュレーション結果である。
【
図4A】
図4Aは、実施形態による、アブレーションデバイスの断面側面図における、電位の陰影付き外形図の形態によるシミュレーション結果である。
【
図4B】
図4Bは、実施形態による、ジョーが
図4Aよりもさらに相隔たる、アブレーションデバイスの断面側面図における、電位の陰影付き外形図の形態によるシミュレーション結果である。
【
図4C】
図4Cは、実施形態による、ジョーが
図4Bよりもさらに相隔たる、アブレーションデバイスの断面側面図における、電位の陰影付き外形図の形態によるシミュレーション結果である。
【
図4D】
図4Dは、実施形態による、ジョーが
図4Cよりもさらに相隔たる、アブレーションデバイスの断面側面図における、電位の陰影付き外形図の形態によるシミュレーション結果である。
【
図4E】
図4Eは、実施形態による、ジョーが
図4Dよりもさらに相隔たる、アブレーションデバイスの断面側面図における、電位の陰影付き外形図の形態によるシミュレーション結果である。
【
図5A】
図5Aは、実施形態による、電界を生成するアブレーションデバイスの概略断面側面図である。
【
図5B】
図5Bは、実施形態による、ジョーが
図5Aよりもさらに相隔たる、アブレーションデバイスの断面側面図における、電位の陰影付き外形図の形態によるシミュレーション結果である。
【
図5C】
図5Cは、実施形態による、ジョーが
図5Bよりもさらに相隔たる、アブレーションデバイスの断面側面図における、電位の陰影付き外形図の形態によるシミュレーション結果である。
【
図5D】
図5Dは、実施形態による、
図5Cでの印加より高電圧を使用する、アブレーションデバイスの断面側面図における、電位の陰影付き外形図の形態によるシミュレーション結果である。
【
図5E】
図5Eは、実施形態による、ジョーが
図5Dよりもさらに相隔たる、アブレーションデバイスの断面側面図における、電位の陰影付き外形図の形態によるシミュレーション結果である。
【
図5F】
図5Fは、実施形態による、
図5Eでの印加より高電圧を使用する、アブレーションデバイスの断面側面図における、電位の陰影付き外形図の形態によるシミュレーション結果である。
【
図6】
図6は、実施形態による、電気穿孔システムのブロック図である。
【
図7】
図7は、実施形態による、アブレーションデバイスの側面図である。
【
図8】
図8は、実施形態による、アブレーションデバイスの遠位端の斜視図である。
【
図9A】
図9Aは、実施形態による、アブレーションデバイスの遠位端の斜視図である。
【
図9B】
図9Bは、実施形態による、組織がデバイスのアーム間に配置された、
図9Aに示すアブレーションデバイスの遠位端の斜視図である。
【
図10】
図10は、実施形態による、肺静脈がデバイスのアーム間に配置された、アブレーションデバイスの遠位端の斜視図である。
【
図11】
図11は、実施形態による、組織アブレーションのための方法を示す。
【
図12】
図12は、実施形態による、各パルスに定義されたパルス幅で連続する電圧パルスを含む、例示的な波形である。
【
図13】
図13は、実施形態による、パルス幅、パルス間の間隔、およびパルスのグループ化を含む、パルスの階層を概略的に示す。
【
図14】
図14は、実施形態による、入れ子型階層の異なるレベルを含む、単相パルスの入れ子型階層の概略図を提供する。
【
図15】
図15は、実施形態による、入れ子型階層の異なるレベルを含む、二相パルスの入れ子型階層の概略図である。
【
図16】
図16は、実施形態により、心電図および心臓ペーシング信号の時系列を、心房および心室不応期と共に概略的に示し、不可逆的電気穿孔アブレーションの時間枠を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
[0053] 本明細書に記載するのは、不可逆的電気穿孔により組織をアブレーションするように、パルス電界を選択的かつ迅速に印加するためのシステム、デバイス、および方法である。概して、本明細書に記載するシステム、デバイス、および方法を、不可逆的電気穿孔によって心房細動を治療するために、組織をクランプ(例えば、保持)しながら、所望の関心領域に電界強度を生成するように使用してもよい。アブレーションデバイスは、互いの間で組織の一部分を保持(例えば、クランプ、把持、加圧)するように構成されてもよい、電極のセットを各々有する、ジョーまたはアームのセットを含み、減少させたエネルギーの送達で組織アブレーションを提供してもよい。電極のセットが、使用中に組織に接触するように構成されてもよい。ジョーが、肺静脈などの組織を把持するために、閉鎖構成から開放構成へ移行してもよい。ジョーのセットが、開放構成と閉鎖構成との間のいずれかの中間構成に、連続的にまたは別個のステップで変形してもよいことが理解される。例えば、ジョーの間に組織を置くことが可能になるように、ジョーが閉鎖構成から開放構成へ移行してもよい。その後、ジョーを共により近づけて、互いの間に配置した組織へ加圧力を印加して、エネルギー送達の標的を組織の所望部分にしてもよい。
【0025】
[0054] 本明細書に記載する不可逆的電気穿孔システムは、1つ以上の電圧パルス波形をアブレーションデバイス(例えば、クランプ、クリップ、鉗子、止血鉗子)の選択された電極のセットへ印加して、関心領域(例えば、肺静脈の部分)へエネルギーを送達するように構成された、信号発生器およびプロセッサを含み、高度に構成可能な電極チャネルのセット(例えば、独立した任意の電極選択を可能にする)を提供してもよい。アブレーションデバイスが、概して、組織を互いの間に保持するように構成される、一対の対向可能部材を含んでもよい。いくつかの実施形態では、対向可能部材が、互いに対して移動可能であってもよい。本明細書に開示するパルス波形によって、様々な不整脈(例えば、心房細動)の治療的処置を支援することができる。信号発生器によって生成されるパルス波形を送達するために、アブレーションデバイスが、1つ以上の細長く平行な電極を備えてもよい。いくつかの実施形態では、電極は、各電極が、デバイスの他のいかなる電極からも独立して制御され(例えば、エネルギーを送達し)うるように、独立してアドレス可能であってもよい。例えば、陽極-陰極のエネルギー送達シーケンスを選択して、組織の所望の領域をアブレーションし、および/または短絡の可能性を減少させてもよい。このように、電極によって、組織の電気穿孔のために、異なるタイミングで異なるエネルギー波形を相乗的に送達してもよい。
【0026】
[0055] 本明細書で使用する「電気穿孔」という用語は、細胞膜の細胞外環境への透過性を変化させる、電界の細胞膜への印加を指す。本明細書で使用する「可逆的電気穿孔」という用語は、細胞膜の細胞外環境への透過性を一時的に変化させる、電界の細胞膜への印加を指す。例えば、可逆的電気穿孔を受ける細胞には、電界が取り除かれると閉じる1つ以上の細孔が、細胞膜の中に一時的および/または断続的に形成されうる。本明細書で使用する「不可逆的電気穿孔」という用語は、細胞膜の細胞外環境への透過性を永久に変化させる、電界の細胞膜への印加を指す。例えば、不可逆的電気穿孔を受ける細胞には、電界が取り除かれても存続する1つ以上の細孔が、細胞膜の中に形成されうる。
【0027】
[0056] 本明細書に開示するような電気穿孔エネルギー送達のためのパルス波形は、不可逆的電気穿孔に関連する電界閾値を低下させることによって、組織へのエネルギー送達の安全性、効率、および有効性を高め、それゆえ、送達される総エネルギーの減少と共に、より効果的なアブレーション損傷をもたらしうる。いくつかの実施形態では、本明細書で開示する電圧パルス波形が階層的で、入れ子構造を有してもよい。例えば、パルス波形が、関連する時間尺度を有する、パルスの階層的なグループを含んでもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に開示する方法、システム、およびデバイスは、「SYSTEMS, APPARATUSES AND METHODS FOR DELIVERY OF ABLATIVE ENERGY TO TISSUE」と題する、2016年10月19日出願の国際出願第PCT/US2016/057664号、および「SYSTEMS, APPARATUSES AND METHODS FOR DELIVERY OF ABLATIVE ENERGY TO TISSUE」と題する、2017年10月27日出願の米国出願第15/796,375号に記載の方法、システム、およびデバイスのうちの1つ以上を含んでもよく、それらの各々の内容は、参照することによってその全体が本明細書に組み込まれる。
【0028】
[0057] いくつかの実施形態では、システムがさらに、パルス波形の生成をペーシングされた心拍に同期させるように使用する、心臓刺激装置を含んでもよい。心臓刺激装置が、心臓を心臓刺激装置で電気的にペーシングし、心周期の周期性および予測性を確立するように、ペーシング捕捉を保証してもよい。定期的な心周期の不応期内の時間枠を、電圧パルス波形送達のために選択してもよい。それゆえ、電圧パルス波形は、心臓の洞調律が乱れるのを回避するように、心周期の不応期に送達されてもよい。アブレーションデバイスが、異なる構成(例えば、コンパクトおよび拡張)に変形して、デバイスを誘導し体腔内に位置づけてもよい。いくつかの実施形態では、システムが随意に1つ以上の対極板を含んでもよい。
【0029】
[0058] 概して、組織をアブレーションするために、デバイスが外科的に標的の場所に置かれてもよい。心臓での用途において、電圧パルス波形が送達される電極が、アブレーションデバイスの1対のジョーの対向する側面上に配置されてもよい。本明細書に記載する方法が、電極と接触して、組織(例えば、肺静脈)をジョーの間に置くことを含んでもよい。パルス波形が生成され、デバイスの1つ以上の電極へ送達されて、組織をアブレーションしてもよい。いくつかの実施形態では、パルス波形が、心臓の洞調律の乱れを回避するように、心臓のペーシング信号と同期して生成されてもよい。いくつかの実施形態では、電極が、陽極-陰極(例えば、二極)サブセットで構成されてもよい。パルス波形が、組織アブレーションを支援し、健康な組織への障害を減少させるように、階層的な波形を含んでもよい。
【0030】
I.システム
概要
[0059] 本明細書に開示するのは、組織アブレーションを支援するように、電圧パルス波形の選択的で迅速な印加による組織アブレーションのために構成されるシステムおよびデバイスであり、不可逆的電気穿孔をもたらす。概して、本明細書に記載する組織をアブレーションするためのシステムは、信号発生器と、電気穿孔を駆動するように、DC電圧の選択的で迅速な印加のために1つ以上の電極を有する、アブレーションデバイスとを含んでもよい。陽極および陰極の電極選択に対する、独立したサブセットの選択により、電圧を選択される電極のサブセットに印加してもよい。アブレーションデバイスが、信号発生器の1つ以上の電極チャネルに結合されてもよい。各電極チャネルは、陽極または陰極として、独立して構成されてもよく、電圧パルス波形は、所定の順序で、電極チャネルのうちの1つ以上を通って送達されてもよい。心刺激用のペーシング信号を生成および使用して、ペーシング信号と同期して、信号発生器によってパルス波形を生成してもよい。
【0031】
[0060] 概して、本明細書に記載するシステムおよびデバイスは、デバイスのジョーの間に保持される、組織をアブレーションするように構成される、1つ以上のアブレーションデバイスを含む。
図7は、組織アブレーションのために、組織を保持しエネルギーを送達するように構成される、アブレーションデバイス(700)の側面図である。アブレーションデバイス(700)が、本体(例えば、シャフト、細長い部材)(720)の遠位端に結合される、第1のジョー(710)および第2のジョー(712)を含んでもよい。本体(720)の近位端は、ハンドル(730)に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、ハンドル(730)が、本明細書でより詳細に説明するように、ジョー(710、720)のうちの1つ以上およびエネルギー送達を制御するように構成されうる、アクチュエータ(740)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、アクチュエータ(740)が、レバー、引き金、ボタン、スライド、スイッチ、および同類のもののうちの1つ以上など、入力デバイスを含んでもよい。例えば、ユーザがアクチュエータを係合して、ジョーを移行させ開放構成に保持して、ジョーの間に保持された組織の開放を可能にしてもよい。組織の所望部分が、開いたジョーの間に位置づけられるとき、ユーザが、アクチュエータを係脱して、組織アブレーションに好適な閉鎖構成へジョーを移行させてもよい。代替的に、ユーザがアクチュエータを係合して、開放構成から閉鎖構成へジョーを移行させて、例えば、デバイスが体腔の中へ前進するのを可能にしてもよい。デバイスが、組織の所望部分に隣接しているとき、ユーザがアクチュエータを係脱して、ジョーを開放構成へ移行させて、組織の所望部分を開いたジョーの間に位置づけるのを可能にしてもよい。組織をジョーの間に配置して、その後、ユーザが、アクチュエータを係合して、組織アブレーションに好適な閉鎖構成へジョーを移行させてもよい。
【0032】
[0061] いくつかの実施形態では、アクチュエータは、係合されているとき、アクチュエータによって、ジョーを1:1の比率または何らかの他の比率で移動させるような、ジョーの直接的な移動用に構成されてもよい。すなわち、アクチュエータが、アクチュエータに印加される力の量に基づいて、ジョーにより印加する力を限定、減衰、および/または増幅するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、アブレーションデバイス(740)が、異なる構成の間でジョー(710、720)を付勢するように構成される、ばねを含んでもよい。例えば、アブレーションデバイスが、体腔の中へ前進するか、または体腔から後退するとき、ジョー(710、720)の間に保持される組織へ、圧縮力を印加するために、ばねがジョー(710、720)に結合し、ジョー(710、720)を組織アブレーション構成へ付勢するように構成されてもよく、ジョーが互いに接触する閉鎖構成へ、ジョーが移行してもよい。
【0033】
[0062]
図6は、組織アブレーションのために電圧パルス波形を送達するように構成される、アブレーションシステム(600)を示す。システム(600)は、信号発生器(610)、アブレーションデバイス(640)、および随意に心臓刺激装置(650)を含んでもよい。信号発生器(610)が、少なくとも1つのアブレーションデバイス(640)へ、および随意に心臓刺激装置(650)へ結合されてもよい。アブレーションデバイス(640)が、第1のジョー(650a)および第2のジョー(650b)を含んでもよい。第1のジョー(650a)が、1つ以上の電極(642a、642b、…、642n)のセットを含んでもよい。第2のジョー(650a)が、1つ以上の電極(644a、644b、…、644n)のセットを含んでもよい。
【0034】
信号発生器
[0063] 信号発生器(610)が、例えば、心臓組織など、組織の不可逆的電気穿孔用のパルス波形を生成するように構成されてもよい。信号発生器(610)が、電圧パルス波形発生器であり、アブレーションデバイス(640)の電極(642a、642b、…、642n、および644a、644b、…、644n)のセットへパルス波形を送達してもよい。信号発生器(610)が、高周波(RF)、直流(DC)インパルス(電気穿孔に使用される高電圧、超短パルスなど)、刺激範囲インパルス、および/ハイブリッド電気インパルスを含むが、これらに限定されない、いくつかのタイプの信号を生成および送達してもよい。例えば、信号発生器(610)が、単相(DC)パルスまたは二相パルス(両極性のパルス)を生成してもよい。信号発生器(610)が、プロセッサ(620)、メモリ(622)、電極チャネル(624a、624b、…、624n、および625a、625b、…、625n)のセット、エネルギー源(626)、検知回路(628)、ルーティングコンソール(630)、およびユーザインターフェース(632)を含んでもよい。1つ以上の信号発生器の構成要素が、通信バスを使用して結合されてもよい。プロセッサ(620)が、メモリ(622)、電極チャネル(624a、624b、…、624n、および625a、625b、…、625n)、エネルギー源(626)、検知回路(628)、ルーティングコンソール(630)、ユーザインターフェース(632)、アブレーションデバイス(640)、および心臓刺激装置(650)のうちの1つ以上から受信したデータを組み込んで、信号発生器(610)によって生成される、電圧パルス波形のパラメータ(例えば、振幅、幅、デューティサイクル、タイミングなど)を決定してもよい。メモリ(622)がさらに、パルス波形生成および送達、電極チャネル構成、ならびに/または心臓ペーシングの同期など、システム(600)に関連するモジュール、プロセス、および/または機能を、プロセッサ(620)に実行させる命令を記憶してもよい。例えば、メモリ(622)が、陽極/陰極構成データ、電極チャネル構成データ、パルス波形データ、不具合データ、エネルギー放出データ、心臓ペーシングデータ、患者データ、臨床データ、手順データ、筋電図検査データ、センサーデータ、温度データ、および/または同類のものを記憶するように構成されてもよい。
【0035】
[0064] いくつかの実施形態では、アブレーションデバイス(640)が、本明細書に記載するパルス波形を受信および/または送達するように構成される、カテーテルを含んでもよい。例えば、アブレーションデバイス(640)が、左心房の心外膜腔の中へ導入され、1つ以上の電極(642a、642b、…、642n、および644a、644b、…、644n)を心臓組織(例えば、肺静脈)に整列させるように位置づけられ、次いで、パルス波形を送達して組織をアブレーションしてもよい。アブレーションデバイス(140)が、いくつかの実施形態では、独立してアドレス可能な電極のセットでありうる、1つ以上の電極(642a、642b、…、642n、および644a、644b、…、644n)を含んでもよい。例えば、電極(642a、642b、…、642n、および644a、644b、…、644n)が、例えば、1つの陽極および1つの陰極を含むサブセット、2つの陽極および2つの陰極を含むサブセット、2つの陽極および1つの陰極を含むサブセット、1つの陽極および2つの陰極を含むサブセット、3つの陽極および1つの陰極を含むサブセット、3つの陽極および2つの陰極を含むサブセット、ならびに/または同類のものなど、1つ以上の陽極-陰極サブセットにグループ化されてもよい。電極のセット(642a、642b、…、642n、および644a、644b、…、644n)が、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12個、またはそれ以上の電極といった、いかなる数の電極を含んでもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に開示する方法、システム、およびデバイスは、「SYSTEMS, DEVICES, AND METHODS FOR SIGNAL GENERATION」と題する、2018年4月26日出願の国際特許出願第PCT/US2018/029552号、「SYSTEMS, DEVICES, AND METHODS FOR FOCAL ABLATION」と題する、2019年1月18日出願の国際出願第PCT/US2019/014226号、および「CATHETERS, CATHETER SYSTEMS, AND METHODS FOR PUNCTURING THROUGH A TISSUE STRUCTURE AND ABLATING A TISSUE REGION」と題する、2013年3月14日出願の国際出願第PCT/US2013/031252号に記載する方法、システム、ならびにデバイスのうちの1つ以上を含んでもよく、それらの内容は、参照することによってそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0036】
[0065] いくつかの実施形態では、プロセッサ(620)が、命令もしくはコードのセットを動作させる、および/または実行するように構成される、いかなる好適な処理デバイスであってもよく、1つ以上のデータプロセッサ、画像処理プロセッサ、グラフィックスプロセッシングユニット、物理演算ユニット、デジタル信号プロセッサ、および/または中央処理装置を含んでもよい。プロセッサ(620)が、例えば、汎用プロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、および/または同類のものであってもよい。プロセッサ(620)が、システムおよび/もしくはシステムに関連するネットワーク(図示せず)に関連する、アプリケーションプロセス、および/もしくは他のモジュール、プロセス、および/もしくは機能を動作させる、ならびに/または実行するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、プロセッサが、マイクロコントローラユニットおよびFPGAユニットの両方を備え、マイクロコントローラが、電極の順序に関する命令をFPGAへ送ってもよい。基礎となるデバイス技術は、例えば、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)のような金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)技術、エミッタ結合論理(ECL)のようなバイポーラ技術、高分子技術(例えば、シリコン共役ポリマーおよび金属共役ポリマー金属構造)、アナログとデジタルとの混合、および/または同類のものといった、様々な構成要素のタイプで提供されてもよい。
【0037】
[0066] いくつかの実施形態では、メモリ(622)が、データベース(図示せず)を含んでもよく、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、メモリバッファ、ハードドライブ、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能読み取り専用メモリ(EEPROM)、読み取り専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリなどであってもよい。メモリ(622)が、パルス波形生成、電極チャネル構成、および/または心臓ペーシングなど、システム(600)に関連するモジュール、プロセス、および/または機能を、プロセッサ(620)に実行させる命令を記憶してもよい。
【0038】
[0067] いくつかの実施形態では、電極チャネルのセット(624a、624b、…、624n、および625a、625b、…、625n)は、アクティブな固体スイッチのセットを含んでもよい。電極チャネル(624a、624b、…、624n、および625a、625b、…、625n)のセットが、各電極チャネルに対する独立した陽極/陰極構成を含む、いくつかの手段で構成されてもよい。例えば、電極チャネル(624a、624b、…、624n、および625a、625b、…、625n)が、例えば、1つの陽極および1つの陰極を含むサブセット、2つの陽極および2つの陰極を含むサブセット、2つの陽極および1つの陰極を含むサブセット、1つの陽極および2つの陰極を含むサブセット、3つの陽極および1つの陰極を含むサブセット、3つの陽極および2つの陰極を含むサブセット、ならびに/または同類のものなど、1つ以上の陽極-陰極サブセットにグループ化されてもよい。電極チャネル(624a、624b、…、624n、および625a、625b、…、625n)のセットが、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12個、またはそれ以上の電極チャネルといった、いかなる数のチャネルを含んでもよい。エネルギー送達には、電極チャネル(624a、624b、…、624n、および625a、625b、…、625n)のいかなる組み合わせ、およびエネルギー送達シーケンスのいかなる順番を使用してもよい。
【0039】
[0068] 電極チャネル(624a、624b、…、624n、および625a、625b、…、625n)のセットが、ルーティングコンソール(630)に結合された電極のセット(642)へ、エネルギーを送達するように、ルーティングコンソール(630)に結合されてもよい。電極チャネル(624a、624b、…、624n、および625a、625b、…、625n)のセットが、エネルギー(例えば、パルス波形)を受信するように、エネルギー源(626)へ結合されてもよい。プロセッサ(620)が、パルスごと、オペレータ入力ごと、および/または同類のものに構成されうる、各電極チャネル(624)に対して陽極/陰極構成を構成するように、各電極チャネル(624a、624b、…、624n、および625a、625b、…、625n)へ結合されてもよい。プロセッサ(620)およびエネルギー源(626)が、電極チャネル(624a、624b、…、624n、および625a、625b、…、625n)のセットを通って、電極(642、644)のセットへパルス波形を送達するように、共同で構成されてもよい。いくつかの実施形態では、本明細書で詳細に説明するように、各電極チャネル(624a、624b、…、624n、および625a、625b、…、625n)が、電子スイッチ(例えば、バイポーラトランジスタ)および駆動回路を含んでもよい。いくつかの実施形態では、各電極チャネル(624a、624b、…、624n、および625a、625b、…、625n)が、低周波および高周波操作用にブートストラップ構成を有してもよい。例えば、電極チャネルを通って送達される電圧パルスのパルス持続期間は、約1マイクロ秒と約1000マイクロ秒との間の範囲であってもよい。二相モードでは、これは、電圧パルスに関連する周波数に対して、約500Hzと約500KHzとの間の近似の周波数範囲に対応する。
【0040】
[0069] いくつかの実施形態では、プロセッサ(620)およびメモリ(622)と共にコントローラを含むパルス発生器は、第1の電極のセット(642)および第2の電極のセット(644)の各電極に結合されてもよい。パルス発生器および/またはコントローラが、パルス波形を生成するように構成され、パルス波形の送達のために、第1の電極のセット(642)および第2の電極のセット(644)の電極の第1のセットを構成してもよい。パルス波形が、電極の第1のセット(642)へ送達されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の電極のセット(642)および第2の電極のセット(644)の電極の第2のセットは、組織の電気的活動を受信するために構成されてもよい。組織の電気的活動に対応する信号データが、電極の第2のセットを使用して受信されてもよい。信号データを使用して、心電図検査データを生成してもよい。
【0041】
[0070] いくつかの実施形態では、エネルギー源(626)は、エネルギーを変換し、信号発生器(610)に結合される電極のセット(642、644)へ供給するように構成されてもよい。信号発生器(610)のエネルギー源(626)が、DC電源を含み、AC/DC切替器として構成されてもよい。いくつかの実施形態では、信号発生器(610)のエネルギー源(626)が、約300Vと約5000Vとの間の範囲の電圧により矩形波パルスを送達してもよい。これらの実施形態のうちのいくつかでは、エネルギー源(626)が、エネルギーを貯蔵するように構成されてもよい。例えば、エネルギー源(626)が、電源からのエネルギーを貯蔵するように、1つ以上のコンデンサを含んでもよい。これらの例は、純粋に非限定的な説明の目的で含まれているものの、パルス持続期間、パルスの間隔、パルスのグループ化などの範囲を伴う、様々なパルス波形は、臨床用途に応じて生成されてもよいことに留意すること。
【0042】
[0071] いくつかの実施形態では、検知回路(628)は、信号発生器(610)に結合されるデバイス(例えば、電極チャネル(624)に結合される電極(642))へ送達している電流の量を決定するように構成されてもよい。本明細書でより詳細に説明するように、また検知回路(628)を、電極チャネルの不具合を分類し、コンデンサの放電を監視し、および/またはアーク放電を感知するのに使用してもよい。いくつかの実施形態では、検知回路(628)が、直流検知回路および/またはローサイド検知回路であってもよい。検知回路が、1つ以上の演算増幅器、差動増幅器(DA)、計装用増幅器(IA)、および/または電流シャントモニタ(CSM)を含んでもよい。
【0043】
[0072] いくつかの実施形態では、ルーティングコンソール(630)が、アブレーションデバイス(640)の電極のセット(642)を、電極チャネル(624a、624b、…、624n、および625a、625b、…、625n)のセットへ電気的に結合するように構成されてもよい。ルーティングコンソール(630)が、電極チャネル(624a、624b、…、624n、および625a、625b、…、625n)のセットを使用して、電極のセット(642)へエネルギーを選択的に送達するように構成されてもよい。電極のセット(642、644)を各々有する、1つ以上のアブレーションデバイス(640)が、ルーティングコンソール(630)に結合されてもよい。電極のセット(642、644)が、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12個、またはそれ以上の電極といった、いかなる数の電極を含んでもよい。いくつかの実施形態では、アブレーションデバイス(640)が、3つの電極を含み、第1のジョー(650a)が第1の電極(642a)を有し、第2のジョー(650b)が第2の電極(644a)および第3の電極(644b)を有してもよい。
【0044】
[0073] いくつかの実施形態では、エネルギー送達用に構成される(例えば、陽極/陰極対の電極チャネルとして構成される)電極チャネル(624a、624b、…、624n、および625a、625b、…、625n)が、互いに隣接していなくてもよい。例えば、電極チャネル(624a、624b、…、624n、および625a、625b、…、625n)のセットが、N個の電極チャネル(624a、624b、…、624n、および625a、625b、…、625n)のセットを平行配列で含んでもよい。一実施形態では、第1の電極チャネルが、N個の電極チャネル(624a、624b、…、624n、および625a、625b、…、625n)の平行配列の中にある、第1の電極チャネル(624a)に対応してもよい。第2および第3の電極チャネル(624b、624c)のうちの1つ以上が、N個の電極チャネル(624a、624b、…、624n、および625a、625b、…、625n)の平行配列の中で、第1の電極チャネル(624a)に隣接していなくてもよい。
【0045】
[0074] 多電極アブレーションデバイスによって、組織を標的にする正確なエネルギー送達が可能になりうる。いくつかの実施形態では、アブレーションデバイス(640)の電極(642、644)が、エネルギー送達用に(例えば、陽極/陰極対の電極(642、644)として)構成されてもよく、アブレーションデバイス(640)のそれぞれの平行配列上で、対向するジョーに配置されてもよい。例えば、アブレーションデバイス(640)が、N個の電極(142n)の平行配列として第1の電極のセット(642)を有する、第1のジョー(650a)と、M個の電極(644n)の平行配列として第2の電極のセット(644)を有する、第2のジョー(650b)とを含んでもよい。アブレーションデバイス(640)に結合される信号発生器(610)が、アブレーションデバイス(640)のM個の電極(642n、644n)に対応する、N個の電極チャネルを有する電極チャネル(624a、624b、…、624n、および625a、625b、…、625n)のセットを含んでもよい。一実施形態では、N個の電極チャネル(624a、624b、…、624n、および625a、625b、…、625n)のうちの第1の電極チャネル(624a)が、第1のジョー(650a)のM個の電極(642n)の平行配列の中にある、第1の電極(642a)に対応してもよい。N個の電極チャネル(624n)のうちの第2および第3の電極チャネル(624b、624c)のうちの1つ以上が、M個の電極(642n)の平行配列の中で、第1の電極(642a)に隣接する電極のいずれにも対応しない場合がある。例えば、第2の電極チャネル(642b)が、第2のジョー(650b)のM個の電極(644n)の平行配列の中にある、第2の電極(644a)に対応してもよい。
【0046】
[0075] 本明細書でより詳細に説明するように、構成可能な電極チャネルおよび電極の選択によって、所望の関心領域をアブレーションするための電極の位置付けに柔軟性を提供しうる。いくつかの実施形態では、ルーティングコンソール(630)が、アブレーションデバイス(640)の4つまたは6つの電極のセット(642、644)に結合してもよい。ルーティングコンソール(630)が、電極チャネル選択および1つ以上の電極(642、644)へのエネルギー送達のために、プロセッサ(620)ならびに/またはユーザインターフェース(632)から入力を受信してもよい。追加的または代替的に、ルーティングコンソール(630)が、心臓刺激装置(650)に結合し、パルス波形と患者の心周期との同期に使用されるデバイスからデータを(例えば、ペーシングデバイスから心臓ペーシングデータを)受信するように構成されてもよい。
【0047】
[0076] いくつかの実施形態では、ユーザインターフェース(632)は、オペレータとシステム(600)との間の通信インターフェースとして構成されてもよい。ユーザインターフェース(632)が、入力デバイスおよび出力デバイス(例えば、タッチ面およびタッチディスプレイ)を含んでもよい。例えば、メモリ(622)からの患者データは、ユーザインターフェース(632)によって受信され、目に見えるように、および/または聞こえるように出力されてもよい。検知回路(628)からの電流データを受信し、ユーザインターフェース(632)のディスプレイ上に出力してもよい。別の例として、1つ以上のボタン、ノブ、ダイヤル、スイッチ、トラックボール、タッチ面、および/または同類のものを有する入力デバイスをオペレータが制御することによって、信号発生器(610)および/またはアブレーションデバイス(640)への制御信号を生成してもよい。
【0048】
[0077] いくつかの実施形態では、ユーザインターフェース(632)の入力デバイスは、オペレータ入力用のタッチ面を含んでもよく、静電容量、抵抗、赤外線、光学画像、分散信号、音響パルス認識、および表面弾性波技術を含む、複数のタッチ感度技術のいずれかを使用して、タッチ面上の接触および動きを検出するように構成されてもよい。追加的または代替的に、ユーザインターフェース(632)が、ステップスイッチまたは足踏みペダルを含んでもよい。
【0049】
[0078] いくつかの実施形態では、ユーザインターフェース(632)の出力デバイスは、ディスプレイデバイスおよびオーディオデバイスのうちの1つ以上を含んでもよい。ディスプレイデバイスが、発光ダイオード(LED)、液晶ディスプレイ(LCD)、エレクトロルミネセントディスプレイ(ELD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、薄膜トランジスタ(TFT)、および有機発光ダイオード(OLED)のうちの少なくとも1つを含んでもよい。オーディオデバイスが、患者データ、センサーデータ、システムデータ、他のデータ、アラーム、警報、および/または同類のものを聞こえるように出力してもよい。オーディオデバイスが、スピーカー、圧電オーディオデバイス、磁歪スピーカー、および/またはデジタルスピーカーのうちの少なくとも1つを含んでもよい。一実施形態では、信号発生器(610)および/またはアブレーションデバイス(640)に不具合が検出されると、オーディオデバイスが可聴警報を出力してもよい。
【0050】
[0079] いくつかの実施形態では、信号発生器(610)が、台車またはカート上に取り付けられてもよい。いくつかの実施形態では、ユーザインターフェース(632)が、信号発生器(610)と同じまたは異なる筐体の中に形成されてもよい。ユーザインターフェース(632)が、備品(例えば、ベッド柵)、壁、天井など、いかなる好適な物体に取り付けられてもよいか、または自立してもよい。いくつかの実施形態では、入力デバイスが、信号発生器(610)の有線および/もしくは無線受信機へ、制御信号を送信するように構成される、有線ならびに/または無線送信機を含んでもよい。
【0051】
[0080] いくつかの実施形態では、ペーシングデバイスを含む心臓刺激装置(650)は、ペーシングデバイスを介して患者へ送達される、心臓ペーシング信号を生成するように構成されてもよい。ペーシング信号の指標は、心臓刺激装置(650)によって信号発生器(610)へ送信されてもよい。ペーシング信号に基づいて、電圧パルス波形の指標は、プロセッサ(620)によって選択、計算、および/またはそうでなければ識別され、信号発生器(610)によって生成されてもよい。いくつかの実施形態では、信号発生器(610)が、ペーシング信号(例えば、共通の不応枠内の)の指標と同期して、電圧パルス波形を生成するように構成されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、共通の不応枠が、心室ペーシング信号の実質的な直後に(または非常に小さな遅延の後に)開始し、その後約150msと約250msとの間の期間持続してもよい。そのような実施形態では、パルス波形全体をこの期間内に送達しうる。
【0052】
[0081] いくつかの実施形態では、本明細書に記載するシステムが、システム(600)の複数部分の周辺に滅菌バリアを作るように構成される、1つ以上の滅菌カバーを含んでもよい。いくつかの実施形態では、システム(600)が、滅菌野を形成するように、1つ以上の滅菌カバーを含んでもよい。例えば、滅菌カバーを、信号発生器のユーザインターフェースの上に置いてもよい。滅菌カバーが、例えば、システム構成要素の少なくとも一部分を覆うように構成される、滅菌覆布を含んでもよい。一実施形態では、滅菌カバー(例えば、滅菌覆布)が、システム(600)のユーザインターフェース(632)に対して、滅菌バリアを作るように構成されてもよい。滅菌覆布が透明で、オペレータにユーザインターフェース(632)が見えるようにし、手動で操作することを可能にしてもよい。滅菌カバーが、1つ以上のシステム構成要素の周りにぴったりと合ってもよく、または構成要素を滅菌野内で調整するのが可能になるように、緩く垂らして掛かっていてもよい。
アブレーションデバイス
【0053】
[0082] 本明細書に記載するシステムが、心房細動を治療するために、組織をアブレーションするように構成される、1つ以上の多電極アブレーションデバイスを含んでもよい。概して、アブレーションデバイスが、アブレーションエネルギーの送達のために、互いの間で組織を物理的に係合、保持、および(随意に)加圧する大きさおよび形状である、第1のジョーならびに第2のジョーを含んでもよい。いくつかの実施形態では、第1のジョーおよび第2のジョーの遠位端は、組織へ解放可能に結合されるときに、断裂、穿刺、および他の障害による組織への障害のリスクを減らすように、概して非侵襲的であってもよい。例えば、第1のジョーおよび第2のジョーによって、非侵襲的な表面および縁部(例えば、丸みを帯びてとがっていない)を形成して、障害を引き起こすことなく組織に接触および/または組織を保持してもよい。金属電極のセットが、ジョーの各々に配置され、また、断裂および穿刺による組織への障害のリスクを減らすように、概して非侵襲的であってもよい。例えば、電極の縁部が、組織障害を減少させ、電極の中央部分および周辺部分で生成される電界の均一性を増加させるように、丸みを帯びていてもよい。電極が、ジョーの長さに概して平行に延在する、細長い部材(例えば、棒、ストリップ)を、概して形成してもよい。電極が、電極の幅または高さ/深さ寸法より大きい長さを有してもよい。本明細書でより詳細に説明するジョーが、ポリマーまたはセラミック材料など、電気絶縁材料から構成されてもよい。
【0054】
[0083] 信号発生器によって生成されるパルス波形を送達するために、アブレーションデバイスの1つ以上の電極が、少なくとも約300Vの電位を維持するために構成される絶縁導線を、その対応する絶縁を誘導破壊することなく有してもよい。いくつかの実施形態では、導線の各々の絶縁が、すべての値および中間の部分範囲を含め、誘導破壊することなく、その厚さにわたって約200Vから約3,000Vの間の電位差を維持してもよい。いくつかの実施形態では、電極は、各電極が、デバイスの他のいかなる電極からも独立して制御され(例えば、エネルギーを送達し)うるように、独立してアドレス可能であってもよい。このように、電極によって、組織の電気穿孔のために、異なるタイミングで異なるエネルギー波形を相乗的に送達してもよい。電極が、
図6に関して上で考察したように、例えば、ハンドルへつながる絶縁導線に接続して、信号発生器によって生成されるパルス波形を受信してもよい。
【0055】
[0084]
図1Aは、
図6のアブレーションデバイスに構造上および/または機能上類似しうる、第1のジョー(102)ならびに第2のジョー(104)を含む、例示的なアブレーションデバイス(100)の概略斜視図である。
図1Bに示すように、第1のジョー(102)が、第1の電極(110a、110b、…、110n)のセット(例えば、第1の複数の電極)を含んでもよく、第2のジョー(104)が、第2の電極(120a、120b、…、120n)のセット(例えば、第2の複数の電極)を含んでもよい。第1のジョー(102)および第2のジョー(104)が相隔たり、実質的に平行で(例えば、互いと平行に延在する)、使用中に互いの間に組織(130)を係合するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、第1のジョー(102)および第2のジョー(104)が、異なるジョーの尺度(132)(例えば、間隙、距離)を有する構成のゼットの間を移行してもよい。いくつかの実施形態では、第1のジョー(102)および第2のジョー(104)が、第1および第2のジョーを体腔、器官系、もしくは解剖構造に貫通させる第1の構成と、組織(130)を係合する第2の構成との間を移行するように構成されてもよい。第1のジョー(102)および第2のジョー(104)が、第2の構成で間隙の距離(例えば、本明細書でより詳細に説明する第3の尺度(132))だけ相隔たってもよい。第1のジョー(102)および第2のジョー(104)が、共同で縦軸(140)を画定するように構成されてもよい。第1のジョー(102)および第2のジョー(104)が、実質的に堅くてもよい。
【0056】
[0085] 第1の電極のセット(110)および第2の電極のセット(120)が、ジョー(102、104)の縦軸(140)と平行に配列されてもよい。第1の電極(110)の各々が、隣接する第1の電極(110)から第1の尺度(106)(例えば、間隙、距離)だけ相隔たってもよく、第2の電極(120)の各々が、隣接する第2の電極(120)から第2の尺度(108)だけ相隔たってもよい。第1の電極のセット(110)が、第2のジョー(104)と向かい合う第1のジョー(102)の側面上に配置され、第1の電極のセット(110)の各々が、縦軸(140)に対して横方向に相隔たってもよい。同様に、第2の電極のセット(120)が、第1のジョー(102)と向かい合う第2のジョー(104)の側面上に配置され、第2の電極のセット(120)の各々が、縦軸(140)に対して横方向に相隔たってもよい。
図1Bに示すように、第1の電極のセット(110)および第2の電極のセット(120)の各電極が、使用中に組織(130)と電気接触する露出部分を含んでもよい。第1の電極のセット(110)および第2の電極のセット(120)の各電極の露出部分が、平坦または凸状であってもよい。
【0057】
[0086]
図1Bに示すように、第1の電極のセット(110)のうちの少なくとも2つが、第1の尺度(106)だけ相隔たってもよく、第2の電極のセット(120)の少なくとも2つが、第2の尺度(108)だけ相隔たってもよい。第1のジョー(102)および第2のジョー(104)が、第3の尺度(132)だけ相隔たってもよい。例えば、第1の電極のセットが、約1mmと約6mmとの間の距離だけ相隔たってもよく、一方第2の電極のセットが、約1mmと約4mmとの間の距離だけ相隔たってもよい。第1のジョーおよび第2のジョーが、約1mmと約15mmとの間の距離だけ相隔たってもよい。
【0058】
[0087] いくつかの実施形態では、第1の電極のセット(110)および第2の電極のセット(120)の各電極が、縦軸(140)に平行なその電極の長さより短い、縦軸に直交する幅を有してもよく、第1の電極のセット(110)が、縦軸(140)に対して横方向に相隔たる。特に、第1の電極のセット(110)の各電極が、縦軸に直交する装置の断面(例えば、第1のジョー(102)および第2のジョー(104)の断面)内に、その電極の長さより短い幅を有し、第1の電極のセット(110)が横方向に相隔たる。いくつかの実施形態では、第1の電極のセット(110)のうちのいずれか2つの隣接する電極が、約0.5mmと約10mmとの間の第1の尺度を有してもよく、第2の電極のセット(120)のうちのいずれか2つの隣接する電極が、約0.5mmと約10mmとの間の第2の尺度を有してもよい。
【0059】
[0088] いくつかの実施形態では、第1の電極のセット(110)および第2の電極のセット(120)の各電極が、約1cmと約8cmとの間の長さ、約1mmと約5mmとの間の幅、および約0.5mmと約3mmとの間の高さを有してもよい。いくつかの実施形態では、第1の電極のセット(110)および第2の電極のセット(120)が、少なくとも約3:1の長さ対幅の比率を有してもよい。
【0060】
[0089] 第1の電極のセット(110)および第2の電極のセット(120)が、細長い電極の形状を有してもよい。いくつかの実施形態では、第1の電極のセット(110)および第2の電極のセット(120)の各電極が、実質的に四角形で、例えば、四角形の断面形状を有してもよい。他の実施形態では、第1の電極のセット(110)および第2の電極のセット(120)の各電極が、曲線部分を含んでもよい。
【0061】
[0090] いくつかの実施形態では、第1の電極のセット(110)および第2の電極のセット(120)の各電極が、独立してアドレス可能であってもよい。1つ以上のリード線が、第1の電極のセット(110)および第2の電極のセット(120)に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、電極が、概して楕円形または円形の断面を備えてもよい。電極の長半径の長さは、約0.5mmと約5mmとの間であってもよい。これらの実施形態のうちのいくつかでは、電極の長さ対幅の比率は、少なくとも約3:1であってもよい。
【0062】
[0091] いくつかの実施形態では、第1の電極のセット(110)のうちの電極が、陽極として構成されてもよく、第2の電極のセット(120)のうちの電極が、陰極として構成されてもよい。例えば、陽極が、陰極の真向かいに配置されてもよい。例えば、第1の電極対には、縦軸に直交する
図1Bの断面(例えば、対向するジョー(102、104)の断面)内に、対向するジョー(102、104)の上にある互いに真向かいの電極(110a、120a)を含んでもよく、第2の電極対には、縦軸に直交する断面内に、対向するジョー(102、104)の上にある互いに真向かいの電極(110b、120b)を含んでもよく、n個の電極についても同様である。
【0063】
[0092] 他の実施形態では、陽極が、縦軸に直交する断面内で、陰極の斜め向かいにあってもよい。いくつかの実施形態では、陽極が、概して、縦軸に対して陰極から横方向に相隔たってもよい。いくつかの実施形態では、第1の電極対には、縦軸に直交する断面内で、対向するジョー(102、104)の上で互いと横方向に相隔たる電極(110a、120b)を含んでもよく、第2の電極対には、縦軸に対して、対向するジョー(102、104)の上で互いと横方向に相隔たる電極(110b、120a)を含んでもよく、n個の電極についても同様である。
【0064】
[0093] いくつかの実施形態では、第1の電極のセット(110)のうちの1つの電極が、陽極として構成されてもよく、一方第1の電極のセット(110)のうちの別の電極が、陰極として構成されてもよい。いくつかの実施形態では、ジョーのうちの一方の1つの電極が、陽極として構成されてもよく、一方同じジョーの別の電極が、陰極として構成されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の電極対には、縦軸に直交する断面内で、同じ第1のジョー(102)の上で互いに隣接する電極(110a、110b)を含んでもよく、第2の電極対には、縦軸に直交する断面内で、同じ第2のジョー(104)の上で互いに隣接する電極(120a、120b)を含んでもよく、n個の電極についても同様である。
【0065】
[0094] 所定のアブレーション順序には、事前に定義された電極対の順序にわたる、アブレーションパルス波形の送達を含んでもよい。いくつかの実施形態では、順序づけられた送達は、心臓刺激装置および/またはペーシングデバイスからトリガーされてもよい。いくつかの実施形態では、本明細書でより詳細に説明するように、アブレーションパルス波形が、心臓の洞調律が乱れるのを回避するように、心周期の不応期に印加されてもよい。電極のうちの1つ以上が、組織の電気的活動に対応する信号データ(例えば、心電図検査データ)を受信するように構成されてもよい。
【0066】
[0095] いくつかの実施形態では、
図7に示すハンドルなどのハンドルは、第1のジョー(102)および第2のジョー(104)に結合されてもよい。ハンドルが、第1のジョー(102)と第2のジョー(104)との間の間隙および/または角度を制御するように構成される、ジョー制御、電極選択制御、ならびにパルス波形制御のうちの1つ以上を含んでもよい。いくつかの実施形態では、第1のジョー(102)および第2のジョー(104)が、旋回軸(図示せず)によって結合されてもよく、この場合、ジョーが互いに対して角度を形成してもよい。いくつかの実施形態では、デバイス(100)が、第1のジョー(102)および第2のジョー(104)を互いの方へ付勢するように構成される、ばね(図示せず)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、第1のジョー(102)が、ハンドルに対して固定されてもよく、一方第2のジョー(104)が、第1のジョー(102)に対して移動するように構成される。
【0067】
[0096]
図8は、
図6のアブレーションデバイスに構造上および/または機能上類似しうる、アブレーションデバイス(800)の遠位端の斜視図である。アブレーションデバイス(800)が、中を通って延在する内腔を有する本体(830)、第1のジョー(810)、および第2のジョー(820)を含んでもよい。第1のジョー(810)が、本体(830)の内腔を通って延在する、第1のシャフト(814)を含んでもよい。同様に、第2のジョー(820)が、本体(830)の内腔を通って延在する、第2のシャフト(824)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、ジョー(810、820)の一方または両方が、第1のジョーと第2のジョー(810、820)との間の間隙を変更するために、互いに対して方向(840)に移動してもよい。いくつかの実施形態では、ジョー(810、820)が、本体(830)の中へおよび本体(830)から前進ならびに後退できるように、ジョー(810、820)は、本体(830)に対して移動可能であってもよい。ジョー(810、820)の後退によって、ジョーの間にある組織の一部分を把持することが可能になる。移動可能なジョーを解放すると、次いで組織が、ジョーの間の適所にしっかりと保持されうる。
図8は、概して楕円(例えば、弓状)形状を有する、第1のジョー(810)および第2のジョー(820)を示す。ジョー(810、820)が、実質的に堅く、互いに平行であってもよい。
【0068】
[0097] 第1のジョー(810)の遠位端は、
図8に示す2つの電極(812a、812b)など、第1の電極のセットを含んでもよい。同様に、第2のジョー(812)の遠位端は、
図8に示す2つの電極(822a、822b)など、第2の電極のセットを含んでもよい。第1の電極(812a、812b)の対および第2の電極(822a、822b)の対が、それらの全長に沿って弓状であってもよいが、平行に配列されうる。各ジョーの細長い形状の接線ベクトルのセットを定義してもよく、局所の縦軸は、例えば、局所の縦軸が局所の接線ベクトルと平行であるように、一方のジョーの断面の中心を貫通してもよい。第1の電極(812a、812b)の各々が、互いに相隔たってもよく、第2の電極(822a、822b)の各々が、互いに相隔たってもよい。局所の電極断面が、局所の縦軸と概して垂直であってもよい。第1の電極のセット(812)および第2の電極のセット(822)が、細長い電極であってもよい。向かい合ったジョーの上にあるいくつかの電極が、1つのジョーの電極における法線が、他方のジョーの電極の方を真っ直ぐ指すように、互いの真向かいにあってもよい。いくつかの実施形態では、第1の電極のセット(812)および第2の電極のセット(822)の各電極が、実質的に四角形であってもよい。他の実施形態では、第1の電極のセット(812)および第2の電極のセット(822)の各電極が、概して弓形状または丸まった縁部などの曲線部分を含んでもよい。電極が、それぞれのジョーの湾曲に概して従う、湾曲を含んでもよい。
【0069】
[0098] 第1の電極(812a、812b)が、第2のジョー(820)と向かい合う、第1のジョー(810)の側面上に配置されてもよい。同様に、第2の電極(822a、822b)が、第1のジョー(810)と向かい合う、第2のジョー(820)の側面上に配置されてもよい。第1の電極(812a、812b)および第2の電極(822a、822b)の各電極が、使用中に組織と電気接触する露出部分を含んでもよい。第1の電極(812a、812b)および第2の電極(822a、822b)の各電極の露出部分が、平坦または凸状であってもよい。各電極(812a、812b、822a、822b)が、それらと関連する絶縁導線を有してもよい。絶縁導線が、対応するシャフトの中に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の電極のセット(812)および第2の電極のセット(822)の各電極が、独立してアドレス可能であってもよい。いくつかの実施形態では、電極(812a、812b、822a、822b)が、約1cmと約8cmとの間の長さ、約1mmと約5mmとの間の幅、および約0.5mmと約3mmとの間の高さを有してもよい。いくつかの実施形態では、電極(812a、812b、822a、822b)が、少なくとも約3:1の長さ対幅の比率を有してもよい。
【0070】
[0099] いくつかの実施形態では、第1の電極のセット(812)のうちの電極は、陽極として構成されてもよく、第2の電極のセット(822)のうちの電極は、陰極として構成されてもよい。例えば、陽極が、縦軸に直交する断面内で、陰極の真向かいに配置されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の電極対には、縦軸に直交する断面内に、対向するジョー(810、820)の上にある互いに真向かいの電極(812a、822a)を含んでもよく、第2の電極対には、縦軸に直交する断面内に、対向するジョー(810、820)の上にある互いに真向かいの電極(812b、822b)を含んでもよい。
【0071】
[0100] 他の実施形態では、陽極が、縦軸に対して陰極から横方向に相隔たり、および/または陰極と垂直な線と交差しないように、陽極は、陰極の斜め向かいにあってもよい。いくつかの実施形態では、第1の電極対には、対向するジョー(810、820)の上で互いと横方向に相隔たる電極(812a、822b)を含んでもよく、第2の電極対には、縦軸に対して、対向するジョー(810、820)の上で互いと横方向に相隔たる電極(812b、822a)を含んでもよい。組織が、互いに触れるジョーおよび/またはジョーの部分の間に、不完全に把持される場合、電極対のこの組み合わせによって、電極が電気的に短絡するリスクを、排除まではいかなくとも、減少させうる。
【0072】
[0101] いくつかの実施形態では、ジョーのうちの一方の1つの電極が、陽極として構成されてもよく、一方同じジョーの別の電極が、陰極として構成されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の電極対には、同じジョー(810)の上で互いに隣接する電極(812a、812b)を含んでもよく、第2の電極対には、同じジョー(820)の上で互いに隣接する電極(822a、822b)を含んでもよい。
【0073】
[0102] 概して、本明細書に記載する実施形態では、パルス電界アブレーションは、ジョーの間の組織に不可逆的電気穿孔を生成するために送達される。所定のアブレーション順序には、事前に定義された電極対のセット、例えば、2つの電極対のセットを構成するときの第1および第2の電極対にわたって、順次アブレーションパルス波形を送達することを含んでもよい。いくつかの実施形態では、順序づけられた送達が、心臓刺激装置および/またはペーシングデバイスからトリガーされてもよい。いくつかの実施形態では、本明細書でより詳細に説明するように、アブレーションパルス波形が、心臓の洞調律が乱れるのを回避するように、心周期の不応期に印加されてもよい。電極のうちの1つ以上が、組織の電気的活動に対応する信号データ(例えば、心電図検査データ)を受信するように構成されてもよい。
【0074】
[0103] いくつかの実施形態では、
図7に示すハンドルなどのハンドルは、第1のジョー(810)および第2のジョー(820)に結合されてもよい。ハンドルが、第1のジョー(810)と第2のジョー(820)との間の間隙および/または角度を制御するように構成される、ジョー制御、電極選択制御、ならびにパルス波形制御のうちの1つ以上を含んでもよい。いくつかの実施形態では、第1のジョー(810)および第2のジョー(820)が、旋回軸(図示せず)によって結合されてもよく、この場合、ジョーが互いに対して角度を形成してもよい。いくつかの実施形態では、デバイス(800)が、第1のジョー(810)および第2のジョー(820)を互いの方へ付勢するように構成される、ばね(図示せず)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、第1のジョー(810)が、ハンドルに対して固定されてもよく、一方第2のジョー(820)が、第1のジョー(810)に対して移動するように構成される。
【0075】
[0104]
図9A~9Bは、
図6のアブレーションデバイスに構造上および/または機能上類似しうる、アブレーションデバイス(900)の遠位端の斜視図である。アブレーションデバイス(900)が、第1のジョー(910)および第2のジョー(920)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、ジョー(910、920)の一方または両方が、第1のジョーと第2のジョー(910、920)との間の間隙を変更するために、互いに対してある方向に移動してもよい。
図9A~9Bは、概して楕円(例えば、弓状)形状を有する、第1のジョー(910)および第2のジョー(920)を示す。ジョー(910、920)が、実質的に堅く、互いに平行であってもよい。ジョー(910、920)が、共同で曲線の縦軸(950)を画定してもよい。
【0076】
[0105] 第1のジョー(910)の遠位端は、
図9A~9Bに示す3つの電極(912a、912b、912c)など、第1の電極のセットを含んでもよい。同様に、第2のジョー(912)の遠位端は、
図9A~9Bに示す3つの電極(922a、922b、922c)など、第2の電極のセットを含んでもよい。縦軸に直交する、3つの第1の電極(912a、912b、912c)および3つの第2の電極(922a、922b、922c)が、ジョーの長縁部の曲線と平行に配列されてもよい。
【0077】
[0106] 第1の電極(912a、912b、912c)の各々が、縦軸に直交する断面内で互いに相隔たってもよく、第2の電極(922a、922b、922c)の各々が、縦軸に直交する断面内で、互いに相隔たってもよい。第1の電極のセット(912)および第2の電極のセット(922)が、細長い電極であってもよい。いくつかの実施形態では、第1の電極のセット(912)および第2の電極のセット(922)の各電極が、実質的に四角形であってもよい。他の実施形態では、第1の電極のセット(912)および第2の電極のセット(922)の各電極が、概して弓形状または丸まった縁部などの曲線部分を含んでもよい。電極が、概して各電極がそのそれぞれのジョーの湾曲に従うような、湾曲を含んでもよい。
【0078】
[0107] 第1の電極(912a、912b、912c)が、第2のジョー(920)と向かい合う、第1のジョー(910)の側面上に配置されてもよい。同様に、第2の電極(922a、922b、922c)が、第1のジョー(910)と向かい合う、第2のジョー(920)の側面上に配置されてもよい。第1の電極(912a、912b、912c)および第2の電極(922a、922b、922c)の各電極が、使用中に組織と電気接触する露出部分を含んでもよい(
図9B)。第1の電極(912a、912b、912c)および第2の電極(922a、922b、922c)の各電極の露出部分が、平坦または凸状であってもよい。各電極(912a、912b、912c、922a、922b、922c)が、それらと関連する絶縁導線を有してもよい。絶縁導線が、対応するシャフトの中に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の電極のセット(912)および第2の電極のセット(922)の各電極が、独立してアドレス可能であってもよい。いくつかの実施形態では、電極(912a、912b、912c、922a、922b、922c)が、約1cmと約8cmとの間の長さ、約1mmと約5mmとの間の幅、および約0.5mmと約3mmとの間の高さを有してもよい。いくつかの実施形態では、電極(912a、912b、912c、922a、922b、922c)が、少なくとも約3:1の長さ対幅の比率を有してもよい。
【0079】
[0108] いくつかの実施形態では、第1の電極のセット(912)のうちの電極は、陽極として構成されてもよく、第2の電極のセット(922)のうちの電極は、陰極として構成されてもよい。例えば、陽極が、陰極の真向かいに配置されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の電極の対には、対向するジョー(910、920)の上で互いの真向かいにある電極(912a、922a)を含んでもよく、第2の電極の対には、対向するジョー(810、820)の上で互いの真向かいにある電極(912b、922b)を含んでもよく、第3の電極の対には、対向するジョー(910、920)の上で互いの真向かいにある電極(912c、922c)を含んでもよい。
【0080】
[0109] 他の実施形態では、陽極が、縦軸に対して陰極から横方向に相隔たり、および/または陰極と垂直な線と交差しないように、陽極は、縦軸に直交する断面内で、陰極の斜め向かいにあってもよい。いくつかの実施形態では、第1の電極の対には、縦軸に対して、対向するジョー(910、920)の上で互いと横方向に相隔たる電極(912a、922b)を含んでもよく、第2の電極の対には、縦軸に対して、対向するジョー(910、920)の上で互いと横方向に相隔たる電極(912b、922a)を含んでもよく、第3の電極の対には、縦軸に対して、対向するジョー(910、920)の上で互いと横方向に相隔たる電極(912b、922c)を含んでもよく、第4の電極の対には、縦軸に対して、対向するジョー(910、920)の上で互いと横方向に相隔たる電極(912c、922b)を含んでもよい。
【0081】
[0110] いくつかの実施形態では、ジョーのうちの一方の1つの電極が、陽極として構成されてもよく、一方同じジョーの別の電極が、陰極として構成されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の電極の対には、同じ第1のジョー(910)の上で互いに隣接する電極(912a、912b)を含んでもよく、第2の電極の対には、同じ第1のジョー(910)の上で互いに隣接する電極(912b、912c)を含んでもよく、第3の電極の対には、同じ第2のジョー(920)の上で互いに隣接する電極(922a、922b)を含んでもよく、第4の電極の対には、同じ第2のジョー(920)の上で互いに隣接する電極(922b、922c)を含んでもよい。
【0082】
[0111] 所定のアブレーション順序には、事前に定義された電極対のセットにわたって、アブレーションパルス波形の順次送達を含んでもよい。いくつかの実施形態では、順序づけられた送達が、心臓刺激装置および/またはペーシングデバイスからトリガーされてもよい。いくつかの実施形態では、本明細書でより詳細に説明するように、アブレーションパルス波形が、心臓の洞調律が乱れるのを回避するように、心周期の不応期に印加されてもよい。電極のうちの1つ以上が、組織の電気的活動に対応する信号データ(例えば、心電図検査データ)を受信するように構成されてもよい。
【0083】
[0112]
図9Bは、本明細書に記載する1つ以上のアブレーション順序を経た後に、組織(930)に結合されるアブレーションデバイス(900)の斜視図である。
図9Bでは、組織(930)の少なくとも一部分は、デバイス(900)のジョー(910、920)の間に保持される。いくつかの実施形態では、組織アブレーションゾーン(932)は、ジョー(910、920)の電極(912aおよび912c、922aおよび922c)間の少なくとも端から端の幅に、実質的に対応する幅(940)を有してもよい。いくつかの実施形態では、組織(930)が、例えば、
図10に示すような、肺静脈の一部分を含んでもよい。ジョー(910、920)の間にある組織が、組織(940)の他の部分に対して加圧されてもよい。
【0084】
[0113] いくつかの実施形態では、
図7に示すハンドルなどのハンドルは、第1のジョー(910)および第2のジョー(920)に結合されてもよい。ハンドルが、第1のジョー(910)と第2のジョー(920)との間の間隙および/または角度を制御するように構成される、ジョー制御、電極選択制御、ならびにパルス波形制御のうちの1つ以上を含んでもよい。いくつかの実施形態では、第1のジョー(910)および第2のジョー(920)が、旋回軸(図示せず)によって結合されてもよく、この場合、ジョーが互いに対して角度を形成してもよい。いくつかの実施形態では、デバイス(900)が、第1のジョー(910)および第2のジョー(920)を互いの方へ付勢するように構成される、ばね(図示せず)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、第1のジョー(910)が、ハンドルに対して固定されてもよく、一方第2のジョー(920)が、第1のジョー(910)に対して移動するように構成される。
【0085】
[0114] 記載するような電極が、銀、パラジウム、ステンレス鋼、白金、チタン、白金イリジウム合金、金、銅、ニッケル、それらの組み合わせ、および同類のもののうちの1つ以上を含むが、これらに限定されない、いかなる好適な生体適合性導電材料から構成されてもよい。いくつかの実施形態では、電極材料が、めっきされ、コーティングされ、および/または他の方法で、異なる基板材料の最上部にある適切な厚さの層に加えられてもよい。いくつかの実施形態では、電極部分が、アニーリング、ハンダ付け、溶接、圧着、積層、それらの組み合わせ、および同類のものを使用して、結合されてもよい。開示するアブレーションデバイスのジョーおよび本体が、ポリマー、セラミック、ガラス、それらの組み合わせ、および同類のものを含む、いかなる好適な電気絶縁生体適合性材料から構成されてもよい。
【0086】
II.方法
[0115] また、本明細書に記載するのは、上に記載したシステムおよびデバイスを使用して、組織(例えば、肺静脈)をアブレーションするための方法である。本明細書に記載するアブレーションデバイスが、不整脈を引き起こすと特定された心臓の特徴部/構造のアブレーションに使用されてもよい。肺静脈は心臓の左心房に接続する。概して、本明細書に記載する方法は、1つ以上の肺静脈領域と接触して、デバイスを導入および配置することを含む。パルス波形は、デバイスの1つ以上の電極によって送達されて、組織をアブレーションしうる。いくつかの実施形態では、心臓ペーシング信号によって、送達されるパルス波形を心周期と同期させてもよい。追加的または代替的に、パルス波形が、階層のレベルのセットを含んでもよい。そうして行われる組織アブレーションが、ペーシングされた心拍に同調して送達されてもよい。必要に応じて以下で考察する方法を使用して、本明細書に記載するアブレーションデバイスのいずれかを、組織をアブレーションするように使用してもよいことは理解されるべきである。
【0087】
[0116] 非限定的な例として、いくつかの実施形態では、システムは、本明細書の開示に記載するデバイスのいずれを含んでもよい。
図11は、組織アブレーションプロセスの一実施形態のための方法(1100)である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載する電圧パルス波形が、心臓の洞調律が乱れるのを回避するように、心周期の不応期中に印加されてもよい。概して、方法(1100)が、デバイス(例えば、アブレーションデバイス(100)などのアブレーションデバイス、および/またはアブレーションデバイス(200、300、400、500、640、700、800、900、1000)のいずれかを、ステップ(1102)でいずれか好適な手段によって、患者の胸腔の中へ導入することを含む。患者の胸を外科的に露出させて、所望のアブレーション部位、例えば、後方左心房の領域にある肺静脈へのアクセスを提供してもよい。例えば、アブレーションデバイスのジョー/アームおよび本体が、斜角で胸腔に進入してもよい。患者の体の前側からのアクセスによって、患者の体の後側(肺静脈が位置しうる)へのアクセスが可能になる方法で、ジョー/アームを斜めに動かすことが助けになりうる。例えば、外科的切除によって、胸腔を開き露出させてもよい。いくつかの実施形態では、標的組織(例えば、肺静脈)へのアブレーションデバイスの前進を支援するように、ジョー/アームが密集し、および/または互いに接触する第1の構成で、アブレーションデバイスを前進させてもよい。例えば、
図10は、左心房(1040)の後側にある基底の場所(肺静脈を左心房へ接続する組織の部分)で、肺静脈(1030)に結合される第1のジョー(1010)および第2のジョー(1012)を有する、アブレーションデバイス(1000)の遠位端の斜視図である。アブレーションデバイス(1000)が、ステップ(1104)でジョー/アームの間で組織に接触するように変形してもよい。例えば、アブレーションデバイス(1000)のジョーが、閉鎖構成から開放構成へ移行して、肺静脈(1030)の一部分をジョー(1010、1020)の間に保持することが可能になってもよい。生理食塩水を胸腔の中へ導入して、電極を少なくとも一部囲み、組織への電流の最適な送達のための導電環境を作ってもよい。
【0088】
[0117]
図11に戻ると、ステップ1106で、例えば、
図6に関して記載するような信号発生器を使用して、デバイスの電極が、1つ以上の陽極/陰極サブセットに構成されてもよい。例えば、対向するジョー上にあり、縦軸に対して横方向に互いと相隔たる電極は、
図8および9に関して記載するように、陽極-陰極セットに構成されてもよい。この構成によって、短絡のリスクを減少してもよく、組織の加圧部分にわたる均一なアブレーションの生成を助けうる。いくつかの実施形態では、1つ以上の電極が、心電図検査データに対応する信号データを受信するように構成されてもよい。記録された信号データから、表示用に心電図検査データを生成してもよい。
【0089】
[0118] いくつかの実施形態では、ペーシング信号を、心臓の心刺激のために生成してもよい。その後、ペーシング信号が心臓に印加されてもよい。例えば、心臓が心臓刺激装置で電気的にペーシングされて、心周期の周期性および予測性を確立するように、ペーシング捕捉を保証してもよい。心房および心室ペーシングのうちの1つ以上を適用してもよい。ペーシング信号の指標は、信号発生器へ送信されてもよい。次いで、1つ以上の電圧パルス波形が送達されうる、心周期の不応期内の時間枠を画定してもよい。いくつかの実施形態では、不応時間枠はペーシング信号に続いてもよい。例えば、共通の不応時間枠が、心房と心室と両方の不応時間枠の間にあってもよい。
【0090】
[0119] パルス波形を、ペーシング信号と同期して生成してもよい(1108)。例えば、電圧パルス波形を、共通の不応時間枠で印加してもよい。いくつかの実施形態では、パルス波形を、ペーシング信号の指標に関して、時間オフセットを伴い生成してもよい。例えば、不応時間枠の開始は、時間オフセット分だけペーシング信号からずれてもよい。電圧パルス波形(複数可)が、対応する共通の不応時間枠にわたって、一連の心拍に印加されてもよい。
【0091】
[0120] いくつかの実施形態では、本明細書に記載するような、入れ子構造および時間間隔の階層を有する、階層的な電圧パルス波形は、不可逆的電気穿孔に有用であり、異なる組織のタイプにおいて制御および選択性を提供しうる。パルス波形は、信号発生器(例えば、信号発生器610)によって生成されてもよく、階層にレベルのセットを含んでもよい。様々な階層的な波形を、本明細書に開示するような信号発生器で生成してもよい。例えば、パルス波形が、パルスの第1のセットを含む、パルス波形の階層の第1のレベルを含んでもよい。各パルスが、パルス持続時間と、連続パルスを分離する第1の時間間隔とを有する。パルス波形の階層の第2のレベルは、パルスの第2のセットとして、パルスの複数の第1のセットを含んでもよい。第2の時間間隔によって、パルスの連続する第1のセットを分離してもよい。第2の時間間隔が、第1の時間間隔の少なくとも3倍の期間であってもよい。パルス波形の階層の第3のレベルは、パルスの第3のセットとして、パルスの複数の第2のセットを含んでもよい。第3の時間間隔によって、パルスの連続する第2のセットを分離してもよい。第3の時間間隔が、第2のレベルの時間間隔の少なくとも30倍の期間であってもよい。
【0092】
[0121] 本明細書の例では、別個の単相性および二相性波形を識別するものの、波形階層のいくつかの部分が単相である一方で、他の部分が二相である、組み合わせ波形もまた、当然のことながら生成されてもよいことは理解される。階層構造を有する電圧パルス波形を、異なる陽極-陰極サブセットにわたって(随意に時間遅延を伴い)印加してもよい。上述のように、陽極-陰極サブセットにわたって印加される波形のうちの1つ以上が、心周期の不応期中に印加されてもよい。生成されるパルス波形が、組織へ送達されてもよい。したがって、本明細書に記載する実施形態では、アブレーションされる組織の近接する経壁的なゾーンを生成して、左心房の本体から肺静脈を電気的に絶縁してもよい。
【0093】
[0122] いくつかの実施形態では、パルス波形が、アブレーションデバイスのジョーのセットの1つ以上の電極を経由して、患者の心臓の肺静脈へ送達されてもよい。他の実施形態では、本明細書に記載するような電圧パルス波形は、肺静脈のアブレーションおよび分離のために、対を成す陽極-陰極サブセットなどの電極サブセットへ選択的に送達されてもよい。例えば、第1のジョーの第1の電極は陽極として構成されてもよく、第2のジョーの第2の電極は陰極として構成されてもよい。これらのステップが、アブレーションされる肺静脈領域の所望の数だけ繰り返されてもよい。
【0094】
実施例
[0123]
図2A~2Cは、
図6のアブレーションデバイスに構造上および/または機能上類似しうる、アブレーションデバイス(200)の断面側面図に、電位の陰影付き外形図の形態でシミュレーション結果のセットを描写する。アブレーションデバイス(200)が、第1のジョー(202)および第2のジョー(204)を含む。第1のジョー(202)が、第1の電極(210)および第2の電極(220)を含んでもよい。第2のジョー(204)が、第3の電極(230)および第4の電極(240)を含んでもよい。第1のジョー(202)および第2のジョー(204)が相隔たり、実質的に平行で、使用中に互いの間に組織(260)を係合するように構成されてもよい。第1のジョー(202)および第2のジョー(204)が、第3の尺度(262、264、266)だけ相隔たってもよい。第1の電極(210)および第2の電極(220)が、第2のジョー(204)と向かい合う、第1のジョー(202)の側面上に配置されてもよい。同様に、第3の電極(230)および第4の電極(240)が、第1のジョー(202)と向かい合う、第2のジョー(204)の側面上に配置されてもよい。各電極(210、220、230、240)が、使用中に組織(260)と電気接触する露出部分を含んでもよい。第1の電極(210)および第2の電極(220)が、第1の尺度(203、206)だけ相隔たってもよい。第3の電極(230)および第4の電極(240)が、第2の尺度(205、207)だけ相隔たってもよい。電極(210、220、230、240)が、本明細書に記載する細長い電極であってもよい。いくつかの実施形態では、各電極(210、220、230、240)が、独立してアドレス可能であってもよい。
【0095】
[0124] いくつかの実施形態では、エネルギーを組織(260)へ送達するように構成される電極が、同じジョーの上で隣接する電極であってもよい。例えば、第1の電極(210)は陽極として構成されてもよく、第2の電極(220)は陰極として構成されてもよい。
図2A~2Cでは、第1のジョー(202)が、第1の電極(210)と第2の電極(220)との間にある組織(260)へ約200Vを送達して、約460V/cmの電界強度を有する、それぞれのアブレーションゾーン(270、272、274)を生成してもよい。第1の尺度(203、206)が、
図2Aでは1mm、
図2Bでは2mm、
図2Cでは3mmであってもよい。
図2A~2Cに示すように、電極(210、220)間の離隔を減少させることによって、より短い幅およびより大きな深さのアブレーションゾーンを生成しうる。
【0096】
[0125]
図3A~3Cは、アブレーションデバイス(300)の断面側面図に、電位の陰影付き外形図の形態でシミュレーション結果のセットを描写する。
図3A~3Cのプロットは、
図2A~2Cのプロットより高電圧、およびより大きな電極間の離隔をシミュレーションしている。アブレーションデバイス(300)が、第1のジョー(302)および第2のジョー(304)を含む。第1のジョー(302)が、第1の電極(310)および第2の電極(320)を含んでもよい。第2のジョー(304)が、第3の電極(330)および第4の電極(340)を含んでもよい。第1のジョー(302)および第2のジョー(304)が相隔たり、実質的に平行で、使用中に互いの間に組織(360)を係合するように構成されてもよい。第1のジョー(302)および第2のジョー(304)が、第3の尺度(360、362、364)だけ相隔たってもよい。第1の電極(310)および第2の電極(320)が、第2のジョー(304)と向かい合う、第1のジョー(302)の側面上に配置されてもよい。同様に、第3の電極(330)および第4の電極(340)が、第1のジョー(302)と向かい合う、第2のジョー(304)の側面上に配置されてもよい。各電極(310、320、330、340)が、使用中に組織(360)と電気接触する露出部分を含んでもよい。第1の電極(310)および第2の電極(320)が、第1の尺度(303、306、308)だけ相隔たってもよい。第3の電極(330)および第4の電極(340)が、第2の尺度(305、307、309)だけ相隔たってもよい。電極(310、320、330、340)が、本明細書に記載する細長い電極であってもよい。いくつかの実施形態では、各電極(310、320、330、340)が、独立してアドレス可能であってもよい。
【0097】
[0126] いくつかの実施形態では、エネルギーを組織(360)へ送達するように構成される電極が、同じジョーの上で隣接する電極であってもよい。例えば、第1の電極(310)は陽極として構成されてもよく、第2の電極(320)は陰極として構成されてもよい。
図3A~3Cでは、第1のジョー(302)が、第1の電極(310)と第2の電極(320)との間にある組織(360)へ約300Vを送達して、約460V/cmの電界強度を有する、それぞれのアブレーションゾーン(370、372、374)を生成してもよい。第1の尺度(303、306、308)が、
図3Aでは3mm、
図3Bでは4mm、
図3Cでは5mmであってもよい。
図3A~3Cに示すように、電極(310、320)間の離隔を減少させることによって、より短い幅およびより大きな深さのアブレーションゾーンを生成しうる。
図3Cの5mmの離隔によって、非近接のアブレーションゾーン(374)を生成しうる。
【0098】
[0127]
図4A~4Eは、アブレーションデバイス(400)の断面側面図に、電位の陰影付き外形図の形態でシミュレーション結果のセットを描写する。
図4A~4Eのプロットでは、
図2A~3Cに示すような、同じジョーの上で隣接する電極ではなく、対向するジョーの上にある電極を使用して電界を生成する。アブレーションデバイス(400)が、第1のジョー(402)および第2のジョー(404)を含む。第1のジョー(402)が、第1の電極(410)および第2の電極(420)を含んでもよい。第2のジョー(404)が、第3の電極(430)および第4の電極(440)を含んでもよい。第1のジョー(402)および第2のジョー(404)が相隔たり、実質的に平行で、使用中に互いの間に組織(460)を係合するように構成されてもよい。第1のジョー(402)および第2のジョー(404)が、第3の尺度(460、462、464、466、468)だけ相隔たってもよい。第1の電極(410)および第2の電極(420)が、第2のジョー(404)と向かい合う、第1のジョー(402)の側面上に配置されてもよい。同様に、第3の電極(430)および第4の電極(440)が、第1のジョー(402)と向かい合う、第2のジョー(404)の側面上に配置されてもよい。各電極(410、420、430、440)が、使用中に組織(460)と電気接触する露出部分を含んでもよい。第1の電極(410)および第2の電極(420)が、第1の尺度(403)だけ相隔たってもよい。第3の電極(430)および第4の電極(440)が、第2の尺度(405)だけ相隔たってもよい。電極(410、420、430、440)が、本明細書に記載する細長い電極であってもよい。いくつかの実施形態では、各電極(410、420、430、440)が、独立してアドレス可能であってもよい。
【0099】
[0128] いくつかの実施形態では、エネルギーを組織(460)へ送達するように構成される電極が、縦軸に直交する断面内で、異なるジョーの上で互いに真向かいにある電極であってもよい。例えば、第2の電極(420)は陽極として構成されてもよく、第4の電極(440)は陰極として構成されてもよい。
図4Aでは、第1のジョー(402)が、第2の電極(420)と第4の電極(440)との間にある組織(460)へ約200Vを送達して、ジョー(402、404)の間によって保持される組織(460)の深さにわたって、約460V/cmの電界強度を有する、アブレーションゾーン(470)を生成してもよい。
図4B~4Eでは、第1のジョー(402)が、第2の電極(420)と第4の電極(440)との間にある組織(360)へ約300Vを送達して、約460V/cmの電界強度を有する、それぞれのアブレーションゾーン(470、472、474、476、478)を生成してもよい。第3の尺度(460)が
図4Aで2mmであってもよく、第3の尺度(462)が
図4Bで3mmであってもよく、第3の尺度(464)が
図4Cで4mmであってもよく、第3の尺度(466)が
図4Dで5mmであってもよく、第3の尺度(468)が
図4Eで6mmであってもよい。
図4B~4Eに示すように、電極(420、440)間の離隔を減少させることによって、より大きな強さのアブレーションゾーンを生成しうる。
図4Eの6mmの離隔によって、非近接のアブレーションゾーン(478)を生成しうる。
【0100】
[0129]
図5A~5Fは、アブレーションデバイス(500)の断面側面図に、電位の陰影付き外形図の形態でシミュレーション結果のセットを描写する。
図5A~5Fのプロットでは、
図2A~3Cに示すような、同じジョーの上で隣接する電極ではなく、対向するジョーの上で斜めに配置される電極を使用して電界を生成する。アブレーションデバイス(500)が、第1のジョー(502)および第2のジョー(504)を含む。第1のジョー(502)が、第1の電極(510)および第2の電極(520)を含んでもよい。第2のジョー(504)が、第3の電極(530)および第4の電極(540)を含んでもよい。第1のジョー(502)および第2のジョー(504)が相隔たり、実質的に平行で、使用中に互いの間に組織(560)を係合するように構成されてもよい。第1のジョー(502)および第2のジョー(504)が、第3の尺度(560、562、564、566、568、569)だけ相隔たってもよい。第1の電極(510)および第2の電極(520)が、第2のジョー(504)と向かい合う、第1のジョー(502)の側面上に配置されてもよい。同様に、第3の電極(530)および第4の電極(540)が、第1のジョー(502)と向かい合う、第2のジョー(504)の側面上に配置されてもよい。各電極(510、520、530、540)が、使用中に組織(560)と電気接触する露出部分を含んでもよい。第1の電極(510)および第2の電極(520)が、第1の尺度(503)だけ相隔たってもよい。第3の電極(530)および第4の電極(540)が、第2の尺度(505)だけ相隔たってもよい。電極(510、520、530、540)が、本明細書に記載する細長い電極であってもよい。いくつかの実施形態では、各電極(510、520、530、540)が、独立してアドレス可能であってもよい。
【0101】
[0130] いくつかの実施形態では、エネルギーを組織(560)へ送達するように構成される電極が、対向する異なるジョーの上で横方向に相隔たり、隣接する電極であってもよい。例えば、第2の電極(520)は陽極として構成されてもよく、第3の電極(530)は陰極として構成されてもよい。ジョーが互いと接触する場合であっても、陽極および陰極は互いに接触しないため、電極のこの陽極-陰極構成によって、電気的短絡のリスクが減少する。
図5Aでは、第1のジョー(502)が、第2の電極(520)と第3の電極(540)との間にある組織(560)へ約200Vを送達して、ジョー(502、504)の間に保持される組織(460)の深さにわたって、約460V/cmの電界強度を有する、アブレーションゾーン(560)を生成してもよい。
図5B~5Cでは、第1のジョー(502)が、第2の電極(520)と第3の電極(530)との間にある組織(560)へ約300Vを送達して、約460V/cmの電界強度を有する、それぞれのアブレーションゾーン(572、574)を生成してもよい。
図5D~5Eでは、第1のジョー(502)が、第2の電極(520)と第3の電極(530)との間にある組織(560)へ約400Vを送達して、約460V/cmの電界強度を有する、それぞれのアブレーションゾーン(576、578)を生成してもよい)。
図5Fでは、第1のジョー(502)が、第2の電極(520)と第3の電極(530)との間にある組織(560)へ約500Vを送達して、約460V/cmの電界強度を有する、アブレーションゾーン(579)を生成してもよい。_それゆえ、印加される電圧を増加することによって、クランプ間の組織が比較的より厚いときに有用でありうる、より深いアブレーションゾーンを生み出してもよい。_非限定的な例のセットとして、第3の尺度(560)が
図5Aで2mmであってもよく、第3の尺度(562)が
図5Bで4mmであってもよく、第3の尺度(564)が
図5Cで5mmであってもよく、第3の尺度(566)が
図5Dで5mmであってもよく、第3の尺度(568)が
図5Eで6mmであってもよく、第3の尺度(569)が
図5Fで6mmであってもよい。
パルス波形
【0102】
[0131] 本明細書に開示するのは、不可逆的電気穿孔による組織アブレーションをもたらすように、パルス電界/波形を選択的かつ迅速に印加するための方法、システム、および装置である。本明細書に開示するパルス波形(複数可)は、本明細書に記載するシステム(600)、デバイス(例えば、200、300、400、500、640、700、800、900、1000)、および方法(例えば、1100)のうちのいずれを用いても有用である。いくつかの実施形態は、電極のセットを介して組織へエネルギーを送達するための、順序づけられた送達スキームと共に、パルス高電圧波形を対象にする。いくつかの実施形態では、ピーク電界値は減少および/または最小化されうる一方、同時に、充分な高電界強度を、組織アブレーションが所望される領域で維持しうる。またこれによって、過剰な組織障害または電気アーク放電の生成の可能性も減少し、局所的に高温に上昇する。いくつかの実施形態では、不可逆的電気穿孔に有用なシステムは、アブレーションデバイスの選択された複数の電極または電極のサブセットへ、パルス電圧波形を印加するように構成できる、信号発生器およびプロセッサを含む。いくつかの実施形態では、プロセッサが、入力を制御するように構成され、それによって、電極の陽極-陰極サブセットの選択された対が、所定の順序に基づいて順次トリガーされてもよく、一実施形態では、順序づけられた送達を、心臓刺激装置および/またはペーシングデバイスからトリガーしてもよい。いくつかの実施形態では、アブレーションパルス波形が、心臓の洞調律が乱れるのを回避するように、心周期の不応期に印加される。これを施行する1つの例示的な方法は、心臓を心臓刺激装置で電気的にペーシングし、心周期の周期性および予測性を確立するように、ペーシング捕捉を保証し、その後、アブレーション波形が送達されるこの周期サイクルの不応期内で、時間枠を明確に画定することである。
【0103】
[0132] いくつかの実施形態では、本明細書で開示するパルス電圧波形は、機構が階層的で、入れ子構造を有する。いくつかの実施形態では、パルス波形が、様々な関連する時間尺度を伴う、パルスの階層的なグループを含む。さらに、関連する時間尺度およびパルス幅、ならびにパルスおよび階層的なグループの数が、心臓ペーシングの頻度を伴うディオファントス不等式のセットのうちの1つ以上を満たすように選択されてもよい。
【0104】
[0133] 本明細書に開示するような電気穿孔エネルギー送達のためのパルス波形は、不可逆的電気穿孔に関連する電界閾値を低下させることによって、エネルギー送達の安全性、効率、および有効性を高め、減少した総エネルギーを送達しながら、より効果的なアブレーション損傷をもたらしうる。これによって、様々な不整脈の治療的処置を含む、電気穿孔の臨床応用の分野が広がりうる。
【0105】
[0134]
図12は、連続する矩形の二重パルスの形態を取るパルス電圧波形を示し、パルス(1200)など、各パルスがパルス幅または期間に関連付けられる。パルス幅/期間が、間のすべての値および部分範囲を含めて、約0.5マイクロ秒、約1マイクロ秒、約5マイクロ秒、約10マイクロ秒、約25マイクロ秒、約50マイクロ秒、約100マイクロ秒、約125マイクロ秒、約140マイクロ秒、約150マイクロ秒であってもよい。
図12のパルス波形は、全パルスの極性が同じである、単相パルスのセットを示す(ゼロベースラインから測定して、
図12ではすべて正である)。不可逆的電気穿孔の適用などのいくつかの実施形態では、各パルス(1200)の高さまたはパルス(1200)の電圧振幅が、間のすべての値および部分範囲を含めて、約300ボルト、約1,000ボルト、または約5,000ボルトの範囲であってもよい。
図12に示すように、パルス(1200)が、時に第1の時間間隔とも呼ばれる時間間隔(1202)だけ、隣接パルスから分離している。第1の時間間隔が、不可逆的電気穿孔を生成するために、間のすべての値および部分範囲を含めて、約10マイクロ秒、約50マイクロ秒、約100マイクロ秒、約200マイクロ秒、約500マイクロ秒、約800マイクロ秒、約1ミリ秒であってもよい。
【0106】
[0135]
図13では、入れ子型パルスの階層構造を伴う、パルス波形を紹介する。
図13は、パルス(1300)など一連の単相パルスを示し、パルス幅/パルス持続時間wは、連続パルス間の期間t
1(1302)などの時間間隔(時に第1の時間間隔とも呼ばれる)で分離され、数m
1個の連続するパルスが、パルスのグループ(1310)(時にパルスの第1のセットとも呼ばれる)を形成するように配列される。さらに、波形が、連続するグループ間の期間t
2の時間間隔(1312)(時に第2の時間間隔とも呼ばれる)で分離される、そのようなパルスのグループ(時にパルスの第2のセットとも呼ばれる)の数m
2個を有する。
図13に(1320)とマークが付いた、m
2個のそのようなパルスグループの集合が、階層の次のレベルを構成し、パケットおよび/またはパルスの第3のセットと呼ばれうる。パルス幅、およびパルス間の時間間隔t
1が両方、間のすべての値および部分範囲を含めて、マイクロ秒から数百マイクロ秒の範囲であってもよい。いくつかの実施形態では、時間間隔t
2が、時間間隔t
1より少なくとも3倍大きくてもよい。いくつかの実施形態では、比率t
2/t
1が、間のすべての値および部分範囲を含めて、約3と約300との間の範囲であってもよい。
【0107】
[0136]
図14ではさらに、入れ子型パルス階層波形の構造を詳述する。この図では、一連のm
1個のパルス(個々のパルスは図示せず)が、パルスのグループ(1400)(例えば、パルスの第1のセット)を形成する。1つのグループと次のグループとの間の期間t
2(例えば、第2の時間間隔)のグループ間の時間間隔(1410)で分離される、一連のm
2個のそのようなグループが、パケット132(例えば、パルスの第2のセット)を形成する。1つのパケットと次のパケットとの間の期間t
3(例えば、第3の時間間隔)の時間間隔(1412)で分離される、一連のm
3個のそのようなパケットが、階層における次のレベル、すなわち、図中で(1420)と名前を付けたスーパーパケット(例えば、パルスの第3のセット)を形成する。いくつかの実施形態では、時間間隔t
3が、時間間隔t
2より少なくとも約30倍大きくてもよい。いくつかの実施形態では、時間間隔t
3が、時間間隔t
2より少なくとも約50倍大きくてもよい。いくつかの実施形態では、比率t
3/t
2が、間のすべての値および部分範囲を含めて、約30と約800との間の範囲であってもよい。パルス階層における個々の電圧パルスの振幅は、間のすべての値および部分範囲を含めて、300ボルトから7,000ボルト以上までの範囲のいずれであってもよい。
【0108】
[0137]
図15では、階層構造を持つ二相性波形シーケンスの例を提供する。図に示す例では、(1500)などの二相パルスは、正の電圧部分だけでなく負の電圧部分も有して、パルスの1つのサイクルを完了する。期間t
1の隣接するサイクル間には、時間遅延(1502)(例えば、第1の時間間隔)があり、n
1個のそのようなサイクルが、パルスのグループ(1510)(例えば、パルスの第1のセット)を形成する。1つのグループと次のグループとの間の期間t
2のグループ間の時間間隔(1512)(例えば、第2の時間間隔)で分離される、一連のn
2個のそのようなグループは、パケット(1520)(例えば、パルスの第2のセット)を形成する。図はまた、パケット間の時間遅延(1532)(例えば、第3の時間間隔)の期間t
3を伴う、第2のパケット(1530)を示す。単相パルスの場合と同様に、階層構造のより高いレベルも形成されうる。各パルスの振幅または二相パルスの電圧振幅は、間のすべての値および部分範囲を含めて、300ボルトから7,000ボルト以上までの範囲のいずれであってもよい。パルス幅/パルス持続時間は、ナノ秒またはサブナノ秒から数十マイクロ秒までの範囲であってもよく、一方遅延t
1は、ゼロから数マイクロ秒までの範囲であってもよい。グループ間の時間間隔t
2が、パルス幅より少なくとも10倍大きくてもよい。いくつかの実施形態では、時間間隔t
3が、時間間隔t
2より少なくとも約20倍大きくてもよい。いくつかの実施形態では、時間間隔t
3が、時間間隔t
2より少なくとも50倍大きくてもよい。
【0109】
[0138] 本明細書に開示する実施形態は、階層の様々なレベルで波形要素/パルスを含む、階層的な波形として構築される波形を含む。
図13の(1300)などの個々のパルスが、階層の第1のレベルを含み、関連するパルス持続時間、および連続パルス間の第1の時間間隔を有する。パルスのセット、すなわち第1のレベル構造の要素は、
図13のパルスのグループ/パルスの第2のセット(1310)など、階層の第2のレベルを形成する。他のパラメータには、波形に関連するものとして、パルスの第2のセットの総持続時間(図示せず)、パルスの第1のレベル要素/第1のセットの総数、およびパルスの第2のレベル構造/第2のセットを記述する、連続する第1のレベル要素間の第2の時間間隔などのパラメータがある。いくつかの実施形態では、パルスの第2のセットの総持続時間が、間のすべての値および部分範囲を含めて、約20マイクロ秒と約10ミリ秒との間であってもよい。グループのセット、パルスの第2のセット、または第2のレベル構造の要素は、
図13のグループのパケット/パルスの第3のセット(1320)など、階層の第3のレベルを形成する。他のパラメータには、パルスの第3のセットの総持続時間(図示せず)、パルスの第2のレベル要素/第2のセットの総数、および第3のパルスのレベル構造/第3のセットを記述する、連続する第2のレベル要素間の第3の時間間隔がある。いくつかの実施形態では、パルスの第3のセットの総持続時間が、間のすべての値および部分範囲を含めて、約60マイクロ秒と約200ミリ秒との間であってもよい。波形の概して反復的または入れ子の構造が、構造の10レベルなど、より高い複数レベル以上まで継続してもよい。
【0110】
[0139] いくつかの実施形態では、本明細書に記載するような、入れ子構造および時間間隔の階層を伴う階層的な波形が、不可逆的電気穿孔のアブレーションエネルギー送達に有用であり、異なる組織タイプでの適用に、良好な制御および選択性を提供する。様々な階層的な波形を、好適なパルス発生器で生成してもよい。本明細書の例では、明確にするために、別個の単相性および二相性波形を識別するものの、波形階層のいくつかの部分が単相である一方で、他の部分が二相である、組み合わせ波形もまた生成/実装されてもよいことに留意すべきであることが理解される。
【0111】
[0140] いくつかの実施形態では、本明細書に記載するアブレーションパルス波形が、心臓の洞調律が乱れるのを回避するように、心周期の不応期中に印加される。いくつかの実施形態では、処置の方法には、心臓を心臓刺激装置で電気的にペーシングして、心周期の周期性および予測性を確立するようにペーシング捕捉を保証し、その後、1つ以上のパルスアブレーション波形が送達されうる心周期の不応期内に、時間枠を画定することを含む。
図16は、心房および心室ペーシングの両方が適用される例(例えば、右心房および右心室それぞれの中にある、ペーシングリードまたはカテーテルを用いる)を示す。時間を横軸に表し、
図16は、ペーシング信号によって駆動される一連のECG波形(1640、1642)と共に、(1600)および(1610)などの一連の心室ペーシング信号、ならびに一連の心房ペーシング信号(1620、1630)を示す。太い矢印によって
図16に示すように、心房ペーシング信号(1622)および心室ペーシング信号(1600)それぞれに続く、心房不応時間枠(1622)および心室不応時間枠(1602)がある。
図16に示すように、心房および心室不応時間枠(1622、1602)両方の内部にある、期間Trの共通の不応時間枠(1650)を画定してもよい。いくつかの実施形態では、電気穿孔アブレーション波形(複数可)が、この共通の不応時間枠(1650)に印加されてもよい。この不応時間枠(1622)の開始は、
図16に示すように、時間オフセット(1604)分だけペーシング信号(1600)からずれている。時間オフセット(1604)が、いくつかの実施形態では、約25ミリ秒より小さくてもよい。次の心拍では、同様に画定される不応時間枠(1652)が、アブレーション波形(複数可)の印加に利用可能な次の時間枠である。このように、共通の不応時間枠内に残る各心拍で、アブレーション波形(複数可)が、一連の心拍にわたって印加されうる。一実施形態では、パルス波形階層の中の、上で定義したようなパルスの各パケットは、所与の電極セットに対して1回の心拍に印加されてもよく、そのため、一連のパケットが一連の心拍にわたって印加される。
【0112】
[0141] 本開示の例および図は例示の目的を果たし、例えば、ジョーおよび電極の形状およびサイズ、電極の数などの逸脱ならびに変形が、本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書の教示に従って構築され配備されうることは理解されるべきである。
【0113】
[0142] 本明細書に使用するとき、数値および/もしくは範囲と連動して使用する場合の「約」ならびに/または「おおよそ」という用語は、概して、列挙する数値および/もしくは範囲に近い数値ならびに/または範囲を指す。いくつかの例では、「約」および「おおよそ」という用語が、列挙した値の±10%以内を意味してもよい。例えば、いくつかの例では、「約100[単位]」は100の±10%(例えば、90から110まで)を意味してもよい。「約」および「おおよそ」という用語が同じ意味で使われてもよい。
【0114】
[0143] 本明細書に記載するいくつかの実施形態は、コンピュータで実施する様々な操作を行うために、命令またはコンピュータコードを有する、非一時的コンピュータ可読媒体(非一時的プロセッサ可読媒体とも呼ばれうる)を伴うコンピュータストレージ製品に関する。コンピュータ可読媒体(またはプロセッサ可読媒体)は、一時的伝搬信号(例えば、空間またはケーブルなどの伝送媒体上で情報を運ぶ、伝搬電磁波)それ自体を含まないという意味で、非一時的である。媒体およびコンピュータコード(コードまたはアルゴリズムとも呼ばれうる)は、1つまたは複数の特定の目的のために、設計され構築されたものでありうる。非一時的コンピュータ可読媒体の例には、ハードディスク、フロッピーディスク、および磁気テープなどの磁気記憶媒体、コンパクトディスク/デジタルビデオディスク(CD/DVD)、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、およびホログラフィックデバイスなどの光学記憶媒体、光ディスクなどの光磁気記憶媒体、搬送波信号処理モジュール、ならびに特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、読み取り専用メモリ(ROM)、およびランダムアクセスメモリ(RAM)デバイスなど、プログラムコードを記憶し実行するように特別に構成されたハードウェアデバイスを含むが、それらに限定されない。本明細書に記載する他の実施形態は、例えば、本明細書に開示する命令および/またはコンピュータコードを含みうる、コンピュータプログラム製品に関する。
【0115】
[0144] 本明細書に記載するシステム、デバイス、および/または方法は、ソフトウェア(ハードウェア上で実行される)、ハードウェア、またはそれらの組み合わせによって行いうる。ハードウェアモジュールは、例えば、汎用プロセッサ(またはマイクロプロセッサもしくはマイクロコントローラ)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、および/または特定用途向け集積回路(ASIC)を含んでもよい。ソフトウェアモジュール(ハードウェア上で実行される)は、C、C++、Java(登録商標)、Ruby、Visual Basic(登録商標)、ならびに/または他のオブジェクト指向、手続き型、もしくは他のプログラミング言語および開発ツールを含む、様々なソフトウェア言語(例えば、コンピュータコード)で表現されうる。コンピュータコードの例には、マイクロコードまたはマイクロ命令、コンパイラによって生み出されるような機械命令、ウェブサービスを生み出すために使用されるコード、およびインタプリタを使用してコンピュータによって実行される、より高レベルの命令を包含するファイルを含むが、それらに限定されない。コンピュータコードのさらなる例には、制御信号、暗号化コード、および圧縮コードを含むが、それらに限定されない。
【0116】
[0145] 本明細書の特定の例および記載は、本質的に例示であり、実施形態は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される、本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書で教示する材料に基づいて、当業者によって開発されうる。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の電極および第2の電極を含む、第1のジョーと、
第3の電極および第4の電極を含む第2のジョーであって、前記第1のジョーおよび前記第2のジョーが、細長く、共同で縦軸を画定し、前記第1のジョーおよび前記第2のジョーがさらに、使用中に互いの間に組織を係合するように構成され、前記縦軸に直交する、前記第1のジョーおよび前記第2のジョーの断面内で、前記第1の電極が、前記第3の電極の真向かいに配置され、前記第2の電極が、前記第4の電極の真向かいに配置され、前記第1の電極が、前記第4の電極の斜め向かいに配置される、第2のジョーと、
前記第1のジョーおよび前記第2のジョーに、動作可能に結合されるプロセッサであって、使用中に、
前記第1の電極を陽極として、前記第4の電極を陰極として構成し、
パルス電界アブレーションエネルギーを、前記第1の電極および前記第4の電極を介して送達するように構成される、プロセッサと、を備える装置。
【請求項2】
前記第1の電極および前記第2の電極が、0.5mmと10mmとの間の第1の尺度だけ相隔たり、前記第3の電極および前記第4の電極が、0.5mmと10mmとの間の第2の尺度だけ相隔たる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1の電極および前記第2の電極が、第1の尺度だけ相隔たり、前記第3の電極および前記第4の電極が、第2の尺度だけ相隔たり、前記第1の尺度対前記第2の尺度の比率は、0.05:1と20:1との間である、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第1の電極および前記第2の電極が、第1の尺度だけ相隔たり、前記第1の電極の幅対前記第1の尺度の比率は、0.01:1と10:1との間である、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記第1、第2、第3、および第4の電極が、各々10mmと120mmとの間の長さを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記第1および第2のジョーが、体腔、器官系、もしくは解剖構造を通ってまたはその周辺に、前記第1および第2のジョーを位置づける第1の構成と、前記組織を係合する第2の構成との間を移行するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記第1および第2のジョーが、前記第2の構成で間隙の距離だけ相隔たる、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記第1、第2、第3、および第4の電極の断面が、四角形である、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記第1、第2、第3、および第4の電極が曲線部分を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記曲線部分が、1cm以上の曲率半径を有する、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記曲線部分がJ字形を有する、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
前記第1、第2、第3、および第4の電極が、使用中に前記組織と電気接触する露出部分を含む、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記電極の各々の前記露出部分が、平坦または凸状である、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記第1および第2のジョーを閉じるよう付勢するように構成される、ばねをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0116
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0116】
[0145] 本明細書の特定の例および記載は、本質的に例示であり、実施形態は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される、本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書で教示する材料に基づいて、当業者によって開発されうる。
本開示に含まれる技術的思想を以下に記載する。
(付記1)
複数の第1の電極を含む、第1のジョーと、
複数の第2の電極を含む、第2のジョーであって、前記第1のジョーおよび前記第2のジョーが、実質的に堅く、細長く、共同で縦軸を画定し、前記第1のジョーおよび前記第2のジョーがさらに、使用中に互いの間に組織を係合するように構成される、第2のジョーと、を備え、
前記複数の第1の電極の各電極が、前記縦軸に直交する、前記第1のジョーおよび前記第2のジョーの断面内で、前記複数の第1の電極の各電極の長さより短い幅を有し、前記複数の第1の電極が、前記縦軸に対して横方向に相隔たり、
前記複数の第2の電極の各電極が、前記縦軸に直交する前記断面内で、前記複数の第2の電極の各電極の長さより短い幅を有し、前記複数の第2の電極が、前記縦軸に対して横方向に相隔たり、
前記複数の第1の電極および前記複数の第2の電極が、少なくとも約200ボルトの振幅を有するパルス波形の受信に応答して、アブレーションエネルギーを前記組織へ送達するように構成される、電極対を含み、少なくとも1つの電極対が、前記縦軸に直交する前記断面内で、互いの斜め向かいに配置される、前記複数の第1の電極のうちの電極および前記複数の第2の電極のうちの電極を含む、装置。
(付記2)
前記縦軸が、直線部分および曲線部分のうちの1つ以上を有する、付記1に記載の装置。
(付記3)
各電極対では、前記複数の第1の電極のうちの前記電極が、陽極として構成され、前記複数の第2の電極のうちの前記電極が、陰極として構成される、付記1の装置。
(付記4)
前記陽極が、前記縦軸に直交する前記断面の中で、前記陰極から横方向に相隔たる、付記3に記載の装置。
(付記5)
前記複数の第1の電極のうちの少なくとも2つの電極が、第1の尺度だけ相隔たり、前記第1のジョーおよび前記第2のジョーが、使用中に互いの間で前記組織と係合するとき、第2の尺度だけ相隔たり、前記第2の尺度対前記第1の尺度の比率は、約0.1:1と約12:1との間である、付記1に記載の装置。
(付記6)
前記縦軸に直交する前記断面の中にある、前記複数の第1の電極のうちの少なくとも2つの電極の中間点間の距離は、約1mmと約10mmとの間である、付記1に記載の装置。
(付記7)
前記複数の第1の電極のうちのいずれか2つの隣接する電極が、約0.5mmと約10mmとの間の第1の尺度だけ相隔たり、前記複数の第2の電極のうちのいずれか2つの隣接する電極が、約0.5mmと約10mmとの間の第2の尺度だけ相隔たる、付記1に記載の装置。
(付記8)
前記複数の第1の電極のうちのいずれか2つの隣接する電極が、第1の尺度だけ相隔たり、前記複数の第2の電極のうちのいずれか2つの隣接する電極が、第2の尺度だけ相隔たり、前記第1の尺度対前記第2の尺度の比率は、約0.05:1と約20:1との間である、付記1に記載の装置。
(付記9)
前記複数の第1の電極のうちのいずれか2つの隣接する電極が、第1の尺度だけ相隔たり、前記複数の第2の電極のうちのいずれか2つの隣接する電極が、第2の尺度だけ相隔たり、前記第1の尺度に対する、前記複数の第1の電極のうちのいずれかの電極の前記幅対、前記複数の第2の電極のうちのいずれかの電極の前記幅の比率は、約0.01:1と約10:1との間である、付記1に記載の装置。
(付記10)
前記複数の第1の電極および前記複数の第2の電極の各電極が、約10mmと約120mmとの間の長さを有する、付記1に記載の装置。
(付記11)
前記第1および第2のジョーが、体腔、器官系、もしくは解剖構造を通ってまたはその周辺に、前記第1および第2のジョーを位置づける第1の構成と、前記組織を係合する第2の構成との間を移行するように構成される、付記1に記載の装置。
(付記12)
前記第1および第2のジョーが、前記第2の構成で間隙の距離だけ相隔たる、付記11に記載の装置。
(付記13)
前記複数の第1の電極の各電極の断面形状、および前記複数の第2の電極の各電極の断面形状は、実質的に四角形である、付記1に記載の装置。
(付記14)
前記複数の第1の電極および前記複数の第2の電極の各電極が、曲線部分を含む、付記1に記載の装置。
(付記15)
前記曲線部分が、約1cm以上の曲率半径を有する、付記14に記載の装置。
(付記16)
前記曲線部分がJ字形を有する、付記14に記載の装置。
(付記17)
前記複数の第1の電極および前記複数の第2の電極の各電極が、使用中に前記組織と電気接触する露出部分を含む、付記1に記載の装置。
(付記18)
前記複数の第1の電極および前記複数の第2の電極の各電極の前記露出部分が、平坦または凸状である、付記17に記載の装置。
(付記19)
前記第1および第2のジョーが、互いと平行に延在する、付記1に記載の装置。
(付記20)
コントローラを備える、パルス発生器であって、前記パルス発生器が、前記複数の第1の電極および前記複数の第2の電極の各電極に結合され、前記コントローラが、プロセッサおよびメモリを備え、前記パルス発生器が、
前記パルス波形を生成し、
前記複数の第1の電極のうちの電極および前記複数の第2の電極のうちの電極を少なくとも含む、電極の第1のセットを、パルス波形の送達のために構成し、
前記電極の第1のセットへ、前記パルス波形を送達するように構成される、パルス発生器をさらに備える、付記1に記載の装置。
(付記21)
前記パルス発生器がさらに、
前記複数の第1の電極のうちの電極および前記複数の第2の電極のうちの電極を少なくとも含む、電極の第2のセットを、組織の電気的活動を受信するために構成し、
前記電極の第2のセットを使用して、前記組織の電気的活動に対応する信号データを受信し、
前記信号データを使用して、心電図検査データを生成するように構成される、付記20に記載の装置。
(付記22)
前記第1のジョーおよび前記第2のジョーに結合される、ハンドルをさらに備える、付記1に記載の装置。
(付記23)
前記ハンドルが、ジョー制御、電極選択制御、およびパルス波形制御のうちの1つ以上を含む、付記22に記載の装置。
(付記24)
前記第1のジョーを前記第2のジョーに結合する旋回軸をさらに備える、付記1に記載の装置。
(付記25)
前記第1および第2のジョーを閉じるよう付勢するように構成される、ばねをさらに備える、付記1に記載の装置。
(付記26)
前記複数の第1の電極および前記複数の第2の電極に結合される、1つ以上のリード線をさらに備える、付記1に記載の装置。
(付記27)
前記複数の第1の電極および前記複数の第2の電極の各電極が、独立してアドレス可能である、付記1に記載の装置。
(付記28)
第1の電極および第2の電極を含む、第1のジョーと、
第3の電極および第4の電極を含む第2のジョーであって、前記第1のジョーおよび前記第2のジョーが、実質的に堅く、細長く、共同で縦軸を画定し、前記第1のジョーおよび前記第2のジョーがさらに、使用中に互いの間に組織を係合するように構成され、前記縦軸に直交する、前記第1のジョーおよび前記第2のジョーの断面内で、前記第1の電極が、前記第3の電極の真向かいに配置され、前記第2の電極が、前記第4の電極の真向かいに配置され、前記第1の電極が、前記第4の電極の斜め向かいに配置される、第2のジョーと、
前記第1のジョーおよび前記第2のジョーに、動作可能に結合されるプロセッサであって、使用中に、
前記第1の電極を陽極として、前記第4の電極を陰極として構成し、
パルス電界アブレーションエネルギーを、前記第1の電極および前記第4の電極を介して送達するように構成される、プロセッサと、を備える装置。
(付記29)
前記縦軸が、直線部分および曲線部分のうちの1つ以上を有する、付記28に記載の装置。
(付記30)
前記第1の電極および前記第2の電極が、約0.5mmと約10mmとの間の第1の尺度だけ相隔たり、前記第3の電極および前記第4の電極が、約0.5mmと約10mmとの間の第2の尺度だけ相隔たる、付記28に記載の装置。
(付記31)
前記第1の電極および前記第2の電極が、第1の尺度だけ相隔たり、前記第3の電極および前記第4の電極が、第2の尺度だけ相隔たり、前記第1の尺度対前記第2の尺度の比率は、約0.05:1と約20:1との間である、付記28に記載の装置。
(付記32)
前記第1の電極および前記第2の電極が、第1の尺度だけ相隔たり、前記第1の電極の幅対前記第1の尺度の比率は、約0.01:1と約10:1との間である、付記28に記載の装置。
(付記33)
前記第1、第2、第3、および第4の電極が、各々約10mmと約120mmとの間の長さを有する、付記28に記載の装置。
(付記34)
前記第1および第2のジョーが、体腔、器官系、もしくは解剖構造を通ってまたはその周辺に、前記第1および第2のジョーを位置づける第1の構成と、前記組織を係合する第2の構成との間を移行するように構成される、付記28に記載の装置。
(付記35)
前記第1および第2のジョーが、前記第2の構成で間隙の距離だけ相隔たる、付記34に記載の装置。
(付記36)
前記第1、第2、第3、および第4の電極の断面が、実質的に四角形である、付記28に記載の装置。
(付記37)
前記第1、第2、第3、および第4の電極が曲線部分を含む、付記28に記載の装置。
(付記38)
前記曲線部分が、約1cm以上の曲率半径を有する、付記36に記載の装置。
(付記39)
前記曲線部分がJ字形を有する、付記36に記載の装置。
(付記40)
前記第1、第2、第3、および第4の電極が、使用中に前記組織と電気接触する露出部分を含む、付記38に記載の装置。
(付記41)
前記電極の各々の前記露出部分が、平坦または凸状である、付記39に記載の装置。
(付記42)
前記第1および第2のジョーが、互いと平行に延在する、付記28に記載の装置。
(付記43)
コントローラを備える、パルス発生器であって、前記パルス発生器が、前記第1、第2、第3、および第4の電極に結合され、前記コントローラが、プロセッサおよびメモリを備え、前記パルス発生器が、
少なくとも約200ボルトのパルス波形を生成し、
前記第1、第2、第3、および第4の電極のうちの1つ以上を含む、電極の第1のセットを、パルス波形の送達のために構成し、
前記電極の第1のセットへ、前記パルス波形を送達するように構成される、パルス発生器をさらに備える、付記28に記載の装置。
(付記44)
前記発生器がさらに、
前記第1、第2、第3、および第4の電極のうちの1つ以上を含む、電極の第2のセットを、組織の電気的活動を受信するために構成し、
前記電極の第2のセットを使用して、前記組織の電気的活動に対応する信号データを受信し、
前記信号データを使用して、心電図検査データを生成するように構成される、付記28に記載の装置。
(付記45)
前記第1のジョーおよび前記第2のジョーに結合される、ハンドルをさらに備える、付記28に記載の装置。
(付記46)
前記ハンドルが、ジョー制御、電極選択制御、およびパルス波形制御のうちの1つ以上を含む、付記28に記載の装置。
(付記47)
前記第1のジョーを前記第2のジョーに結合する旋回軸をさらに備える、付記28に記載の装置。
(付記48)
前記第1および第2のジョーを閉じるよう付勢するように構成される、ばねをさらに備える、付記28に記載の装置。
(付記49)
前記第1、第2、第3、および第4の電極に結合される、1つ以上のリード線をさらに備える、付記28に記載の装置。
(付記50)
前記第1の電極、第2の電極、第3の電極、および第4の電極の各々が、独立してアドレス可能である、付記28に記載の装置。
(付記51)
不可逆的電気穿孔によって組織をアブレーションする方法であって、
装置の第1のジョーと第2のジョーとの間の前記組織をクランプすることであって、前記第1のジョーが、複数の第1の電極を含み、前記第2のジョーが、複数の第2の電極を含み、前記第1のジョーおよび前記第2のジョーが、実質的に堅く、細長く、共同で縦軸を画定し、
前記複数の第1の電極の各電極が、前記縦軸に直交する、前記第1のジョーおよび前記第2のジョーの断面内で、前記複数の第1の電極の各電極の長さより短い幅を有し、前記複数の第1の電極が、前記縦軸に対して横方向に相隔たり、
前記複数の第2の電極の各電極が、前記縦軸に直交する前記断面内で、前記複数の第2の電極の各電極の長さより短い幅を有し、前記複数の第2の電極が、前記縦軸に対して横方向に相隔たることと、
前記複数の第1の電極のうちの電極を陽極として構成することと、
前記複数の第2の電極のうちの電極を、陰極として構成することであって、前記陽極および前記陰極が、前記縦軸に直交する前記断面内で、互いの斜め向かいに配置され、横方向に相隔たることと、
アブレーションエネルギーを、前記陽極および前記陰極を介して前記組織へ送達することと、を含む方法。
(付記52)
前記縦軸が、直線部分および曲線部分のうちの1つ以上を有する、付記51に記載の方法。
(付記53)
前記組織をクランプすることが、前記装置を前進させる第1の構成と、前記組織をクランプする第2の構成との間で、前記第1および第2のジョーを移行させることを含む、付記51に記載の方法。
(付記54)
前記組織が、肺静脈の心房底部の領域である、付記51に記載の方法。
(付記55)
前記パルス波形が、
パルスの第1のセットを含む、階層の第1のレベルであって、各パルスが、パルス持続時間と、連続パルスを分離する第1の時間間隔とを有する、階層の第1のレベルと、
パルスの第2のセットとしてパルスの複数の第1のセットと、パルスの連続する第1のセットを分離する第2の時間間隔とを含む、前記階層の第2のレベルであって、前記第2の時間間隔が、前記第1の時間間隔の少なくとも3倍の期間である、前記階層の第2のレベルと、
パルスの第3のセットとしてパルスの複数の第2のセットと、パルスの連続する第2のセットを分離する第3の時間間隔とを含む、前記階層の第3のレベルであって、前記第3の時間間隔が、前記第2のレベルの時間間隔の少なくとも30倍の期間である、前記階層の第3のレベルと、を含む、付記51に記載の方法。
(付記56)
前記複数の第1の電極および前記複数の第2の電極のうちの1つ以上の電極を使用して、前記組織の電気的活動に対応する信号データを受信することと、
前記信号データを使用して、心電図検査データを生成することと、をさらに含む、付記51に記載の方法。
(付記57)
前記第1および第2のジョーを、体腔、器官系、または解剖構造を通ってまたはその周辺に位置づけることをさらに含む、付記51に記載の方法。
(付記58)
前記複数の第1の電極および前記複数の第2の電極の各電極が、独立してアドレス可能である、付記49に記載の方法。
【外国語明細書】