(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024069278
(43)【公開日】2024-05-21
(54)【発明の名称】自動ドア装置、表示制御装置、表示制御方法、及び表示制御プログラム
(51)【国際特許分類】
E05F 15/73 20150101AFI20240514BHJP
E06B 7/28 20060101ALI20240514BHJP
G09F 19/22 20060101ALI20240514BHJP
G09F 19/14 20060101ALI20240514BHJP
G09F 23/00 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
E05F15/73
E06B7/28 Z
G09F19/22 Z
G09F19/14
G09F23/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024030301
(22)【出願日】2024-02-29
(62)【分割の表示】P 2022561343の分割
【原出願日】2021-10-12
(31)【優先権主張番号】P 2020188864
(32)【優先日】2020-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】503405689
【氏名又は名称】ナブテスコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】飯白 豊充
(57)【要約】
【課題】自動ドア周辺に位置する人又は物に適した情報を提供する自動ドア装置、表示制御装置、表示制御方法、及び表示制御プログラムを提供する。
【解決手段】表示制御装置(30)は、屋外起動センサ(15)及び屋内起動センサ(16)が検知した人又は物の位置情報に基づいて、左屋外ディスプレイ(35)、右屋外ディスプレイ(36)、左屋内ディスプレイ(37)、及び右屋内ディスプレイ(38)のうちから情報を表示するディスプレイを決定する決定部(32)と、決定部(32)により決定されたディスプレイに情報を表示する表示制御部(33)とを備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部に設けられた自動ドアと、
複数の検知エリアを有する前記自動ドアの起動センサと、
前記自動ドアに設けられた複数の表示部と、
前記起動センサが検知した人又は物の位置情報に基づいて、前記複数の表示部のうちから情報を表示する表示部を決定する決定部と、
前記決定部により決定された表示部に情報を表示する表示制御部とを備える
自動ドア装置。
【請求項2】
前記位置情報は、前記起動センサが前記人又は物を検知した前記検知エリアの位置の情報である
請求項1に記載の自動ドア装置。
【請求項3】
前記決定部は、前記位置情報から推定された前記人又は物の移動方向に基づいて、情報を表示する表示部を決定する
請求項1又は2に記載の自動ドア装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記位置情報から推定された前記人又は物の移動方向に基づいて、前記表示部に表示する情報の内容を変更する
請求項1~3のいずれか一項に記載の自動ドア装置。
【請求項5】
前記決定部は、前記位置情報に基づいて、情報を表示する表示部を、前記人又は物に近い場所の表示部に決定する
請求項3に記載の自動ドア装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、前記位置情報に基づいて、前記人又は物が前記自動ドアを通過すると判断したときに第1情報を表示し、前記人又は物が前記自動ドアを通過しないと判断したときに第2情報を表示する
請求項4に記載の自動ドア装置。
【請求項7】
前記表示部は、前記自動ドアの第1面と、第1面とは反対側の第2面とに設けられており、
前記決定部は、情報を表示する表示部を、前記自動ドアに近づいてくる人又は物と対向する面に設けられた表示部に決定する
請求項3に記載の自動ドア装置。
【請求項8】
複数の検知エリアを有する自動ドアの起動センサが検知した人又は物の位置情報に基づいて、複数の表示部のうちから情報を表示する表示部を決定する決定部と、
前記決定部により決定された表示部に情報を表示する表示制御部とを備える
表示制御装置。
【請求項9】
前記位置情報は、前記起動センサが前記人又は物を検知した前記検知エリアの位置の情報である
請求項8に記載の表示制御装置。
【請求項10】
前記決定部は、前記位置情報から推定された前記人又は物の移動方向に基づいて、情報を表示する表示部を決定する
請求項8又は9に記載の表示制御装置。
【請求項11】
前記表示制御部は、前記位置情報から推定された前記人又は物の移動方向に基づいて、前記表示部に表示する情報の内容を変更する
請求項8~10のいずれか一項に記載の表示制御装置。
【請求項12】
前記決定部は、前記位置情報に基づいて、情報を表示する表示部を、前記人又は物に近い場所の表示部に決定する
請求項10に記載の表示制御装置。
【請求項13】
前記表示制御部は、前記位置情報に基づいて、前記人又は物が前記自動ドアを通過すると判断したときに第1情報を表示し、前記人又は物が前記自動ドアを通過しないと判断したときに第2情報を表示する
請求項11に記載の表示制御装置。
【請求項14】
複数の検知エリアを有する自動ドアの起動センサが検知した人又は物の位置情報に基づいて、複数の表示部のうちから情報を表示する表示部を決定する決定処理と、
前記決定処理により決定された表示部に情報を表示する表示処理とを備える
表示制御方法。
【請求項15】
コンピュータに、
複数の検知エリアを有する自動ドアの起動センサが検知した人又は物の位置情報に基づいて、複数の表示部のうちから情報を表示する表示部を決定する決定処理と、
前記決定処理により決定された表示部に情報を表示する表示処理とを実行させる
表示制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動ドア装置、表示制御装置、表示制御方法、及び表示制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の情報配信システムでは、情報配信センターから通信手段を介して広告情報を送信して建物の出入口に設置された自動ドアの扉に広告情報を表示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1に記載の情報配信システムでは、建物の出入口である自動ドアに広告情報を表示することで、建物を利用する人に広告情報を提供しているが、自動ドア周辺に位置する人に合わせて情報を提供していない。このため、自動ドア周辺に位置する人又は物を含む人又は物に適した情報を提供することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する自動ドア装置は、開口部に設けられた自動ドアと、複数の検知エリアを有する前記自動ドアの起動センサと、前記自動ドアに設けられた複数の表示部と、前記起動センサが検知した人又は物の位置情報に基づいて、前記複数の表示部のうちから情報を表示する表示部を決定する決定部と、前記決定部により決定された表示部に情報を表示する表示制御部とを備える。
【0006】
上記構成によれば、自動ドアの起動センサが検知した人又は物の位置情報に基づいて決定した表示部に情報を表示するため、自動ドア周辺に位置する人又は物に適した情報を提供することができる。
【0007】
上記自動ドア装置について、前記位置情報は、前記起動センサが前記人又は物を検知した前記検知エリアの位置の情報であることが好ましい。
上記自動ドア装置について、前記決定部は、前記位置情報から推定された前記人又は物の移動方向に基づいて、情報を表示する表示部を決定することが好ましい。
【0008】
上記自動ドア装置について、前記表示制御部は、前記位置情報から推定された前記人又は物の移動方向に基づいて、前記表示部に表示する情報の内容を変更することが好ましい。
【0009】
上記自動ドア装置について、前記決定部は、前記位置情報に基づいて、情報を表示する表示部を、前記人又は物に近い場所の表示部に決定することが好ましい。
上記自動ドア装置について、前記表示制御部は、前記位置情報に基づいて、前記人又は物が前記自動ドアを通過すると判断したときに第1情報を表示し、前記人又は物が前記自動ドアを通過しないと判断したときに第2情報を表示することが好ましい。
【0010】
上記自動ドア装置について、前記表示部は、前記自動ドアの第1面と、第1面とは反対側の第2面とに設けられており、前記決定部は、情報を表示する表示部を、前記自動ドアに近づいてくる人又は物と対向する面に設けられた表示部に決定することが好ましい。
【0011】
上記課題を解決する表示制御装置は、複数の検知エリアを有する自動ドアの起動センサが検知した人又は物の位置情報に基づいて、複数の表示部のうちから情報を表示する表示部を決定する決定部と、前記決定部により決定された表示部に情報を表示する表示制御部とを備える。
【0012】
上記構成によれば、自動ドアの起動センサが検知した人又は物の位置情報に基づいて決定した表示部に情報を表示するため、自動ドア周辺に位置する人又は物に適した情報を提供することができる。
【0013】
上記表示制御装置について、前記位置情報は、前記起動センサが前記人又は物を検知した前記検知エリアの位置情報であることが好ましい。
上記表示制御装置について、前記決定部は、前記位置情報から推定された前記人又は物の移動方向に基づいて、情報を表示する表示部を決定することが好ましい。
【0014】
上記表示制御装置について、前記表示制御部は、前記位置情報から推定された前記人又は物の移動方向に基づいて、前記表示部に表示する情報の内容を変更することが好ましい。
【0015】
上記表示制御装置について、前記決定部は、前記位置情報に基づいて、情報を表示する表示部を、前記人又は物に近い場所の表示部を決定することが好ましい。
上記表示制御装置について、前記表示制御部は、前記位置情報に基づいて、前記人又は物が前記自動ドアを通過すると判断したときに第1情報を表示し、前記人又は物が前記自動ドアを通過しないと判断したときに第2情報を表示することが好ましい。
【0016】
上記課題を解決する表示制御方法は、複数の検知エリアを有する自動ドアの起動センサが検知した人又は物の位置情報に基づいて、複数の表示部のうちから情報を表示する表示部を決定する決定処理と、前記決定処理により決定された表示部に情報を表示する表示処理とを備える。
【0017】
上記方法によれば、自動ドアの起動センサが検知した人又は物の位置情報に基づいて決定した表示部に情報を表示するため、自動ドア周辺に位置する人又は物に適した情報を提供することができる。
【0018】
上記課題を解決する表示制御プログラムは、コンピュータに、複数の検知エリアを有する自動ドアの起動センサが検知した人又は物の位置情報に基づいて、複数の表示部のうちから情報を表示する表示部を決定する決定処理と、前記決定処理により決定された表示部に情報を表示する表示処理とを実行させる。前記プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体に格納されてもよい。
【0019】
上記プログラムによれば、自動ドアの起動センサが検知した人又は物の位置情報に基づいて決定した表示部に情報を表示するため、自動ドア周辺に位置する人又は物に適した情報を提供することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、自動ドア周辺に位置する人又は物に適した情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】自動ドア装置の第1実施形態の構成を示す平面図。
【
図2】第1実施形態の自動ドア装置の電気的構成を示すブロック図。
【
図3】第1実施形態の自動ドア装置における人又は物の位置を示す平面図。
【
図4】第1実施形態の自動ドア装置における人又は物の位置を示す平面図。
【
図5】第1実施形態の表示制御装置による動作を示すフローチャート。
【
図6】自動ドア装置の第2実施形態の構成を示す平面図。
【
図7】第2実施形態の自動ドア装置の電気的構成を示すブロック図。
【
図8】第2実施形態の自動ドア装置における人又は物の動きを示す平面図。
【
図9】第2実施形態の自動ドア装置における人又は物の動きを示す平面図。
【
図10】第2実施形態の自動ドア装置における人又は物の動きを示す平面図。
【
図11】第2実施形態の自動ドア装置における人又は物の動きを示す平面図。
【
図12】第2実施形態の自動ドア装置における人又は物の動きを示す平面図。
【
図13】第2実施形態の自動ドア装置における人又は物の動きを示す平面図。
【
図14】第2実施形態の自動ドア装置における人又は物の動きを示す平面図。
【
図15】第2実施形態の自動ドア装置における人又は物の動きを示す平面図。
【
図16】第2実施形態の表示制御装置による動作を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(第1実施形態)
以下、
図1~
図5を参照して、表示制御装置を自動ドア装置に具体化した第1実施形態について説明する。なお、表示制御装置は、表示制御方法及び表示制御プログラムに基づいて動作する。
【0023】
図1に示すように、マンション等の建物の出入口1(開口部)には、出入口1を開閉する両開き式の自動ドア装置10が設置されている。自動ドア装置10は、建物の外側である屋外から見て左側に位置する左扉11と、建物の外側である屋外から見て右側に位置する右扉12とを備えている。左扉11と右扉12とが互いに反対方向に移動することで出入口1が開閉される。
【0024】
出入口1の両端には、開閉しない固定された建具であって、ガラス板からなる左屋外フィックス13A、左屋内フィックス13B、右屋外フィックス14A、及び右屋内フィックス14Bが設置されている。左屋外フィックス13A及び左屋内フィックス13Bは、出入口1の左側に互いに対向して設置されている。そして、左扉11が開位置に移動すると左屋外フィックス13Aと左屋内フィックス13Bとの間に進入する。右屋外フィックス14A及び右屋内フィックス14Bは、出入口1の右側に互いに対向して設置されている。そして、右扉12が開位置に移動すると右屋外フィックス14Aと右屋内フィックス14Bとの間に進入する。
【0025】
左屋外フィックス13Aの背面には、左屋外ディスプレイ35が屋外に向かって映像が表示される状態で設置されている。左屋外ディスプレイ35は、左扉11の第1面である屋外側の面に備えられている。右屋外フィックス14Aの背面には、右屋外ディスプレイ36が屋外に向かって映像が表示される状態で設置されている。右屋外ディスプレイ36は、右扉12の第1面である屋外側の面に備えられている。左屋内フィックス13Bの背面には、左屋内ディスプレイ37が屋内に向かって映像が表示される状態で設置されている。左屋内ディスプレイ37は、左扉11の第2面である屋内側の面に備えられている。右屋内フィックス14Bの背面には、右屋内ディスプレイ38が屋内に向かって映像が表示される状態で設置されている。右屋内ディスプレイ38は、右扉12の第2面である屋内側の面に備えられている。
【0026】
自動ドア装置10の上部には、左扉11及び右扉12を駆動する駆動装置等が収納された図示しない無目が設けられている。無目の屋外側の外面の左右方向の中央には、人又は物を検知する屋外起動センサ15が設置されている。屋外起動センサ15は、左扉11及び右扉12の屋外側周辺に屋外検知エリアA1を形成し、屋外検知エリアA1に位置する人又は物を検知する。屋外検知エリアA1は、全閉状態の左扉11及び右扉12の屋外側に位置し、四角形状の検知エリアである。無目の屋内側の外面の左右方向の中央には、人又は物を検知する屋内起動センサ16が設置されている。屋内起動センサ16は、左扉11及び右扉12の屋内側周辺に屋内検知エリアA2を形成し、屋内検知エリアA2に位置する人又は物を検知する。屋内検知エリアA2は、全閉状態の左扉11及び右扉12の屋内側に位置し、四角形状の検知エリアである。屋外側には、入室装置17が設置されている。入室装置17には、インターホンや解錠ボタンが設けられている。入室装置17は、ユーザによって解錠操作が行われると、解錠信号を送信する。
【0027】
次に、
図2を参照して、自動ドア装置10の電気的な構成について説明する。
図2に示すように、自動ドア装置10は、左扉11及び右扉12を駆動するドア駆動装置21と、ドア駆動装置21を制御するドア制御装置20と、屋外起動センサ15と、屋内起動センサ16と、入室装置17とを備えている。ドア制御装置20は、演算部、通信インターフェース部、揮発性記憶部、不揮発性記憶部を備えている。演算部は、コンピュータプロセッサであって、不揮発性記憶部(記憶媒体)に記憶された制御プログラムに従ってドア駆動装置21を制御する。演算部は、自身が実行する処理の少なくとも一部を、ASIC等の回路(circuitry)により実現してもよい。制御プログラムは、一つのコンピュータプロセッサによって実行されてもよいし、複数のコンピュータプロセッサによって実行されてもよい。
【0028】
また、自動ドア装置10は、表示制御装置30を備えている。表示制御装置30は、演算部、通信インターフェース部、揮発性記憶部、不揮発性記憶部を備えている。演算部は、コンピュータプロセッサであって、不揮発性記憶部(記憶媒体)に記憶された制御プログラムに従って制御する。演算部は、自身が実行する処理の少なくとも一部を、ASIC等の回路(circuitry)により実現してもよい。制御プログラムは、一つのコンピュータプロセッサによって実行されてもよいし、複数のコンピュータプロセッサによって実行されてもよい。なお、表示制御装置30は、表示制御方法及び表示制御プログラムに従って制御を行う。不揮発性記憶部に記憶された制御プログラムには、起動センサ(屋外起動センサ15又は屋内起動センサ16)が検知した人又は物の位置情報に基づいて、複数の表示部(左屋外ディスプレイ35、右屋外ディスプレイ36、左屋内ディスプレイ37、及び右屋内ディスプレイ38)のうちから情報を表示する表示部を決定することと、そうして決定された表示部に情報を表示することとをコンピュータに実行させる表示制御プログラムが含まれる。この表示制御プログラムによってコンピュータが実行する処理には、起動センサ(屋外起動センサ15又は屋内起動センサ16)が検知した人又は物の位置情報に基づいて、複数の表示部(左屋外ディスプレイ35、右屋外ディスプレイ36、左屋内ディスプレイ37、及び右屋内ディスプレイ38)のうちから情報を表示する表示部を決定することと、そうして決定された表示部に情報を表示することとを含む表示制御方法が含まれる。
【0029】
表示制御装置30には、左屋外ディスプレイ35、右屋外ディスプレイ36、左屋内ディスプレイ37、及び右屋内ディスプレイ38がそれぞれ接続されている。表示制御装置30は、ネットワークNWを介してサーバー50に接続されている。サーバー50には、左屋外ディスプレイ35、右屋外ディスプレイ36、左屋内ディスプレイ37、及び右屋内ディスプレイ38に表示させる情報が記憶されている。表示制御装置30は、サーバー50からディスプレイに表示させる情報を予め取得する。なお、表示制御装置30は、緊急情報の場合にはサーバー50からその都度取得する。表示制御装置30は、サーバー50から取得した情報を左屋外ディスプレイ35、右屋外ディスプレイ36、左屋内ディスプレイ37、及び右屋内ディスプレイ38に表示させる。なお、表示制御装置30、左屋外ディスプレイ35、右屋外ディスプレイ36、左屋内ディスプレイ37、及び右屋内ディスプレイ38が表示装置に相当する。
【0030】
屋外起動センサ15、屋内起動センサ16、入室装置17、ドア制御装置20、表示制御装置30は、CAN40に接続されている。屋外起動センサ15は、人又は物を屋外検知エリアA1において検知するとCAN40を介してドア制御装置20及び表示制御装置30に検知信号を送信する。屋内起動センサ16は、人又は物を屋内検知エリアA2において検知するとCAN40を介してドア制御装置20及び表示制御装置30に検知信号を送信する。ドア制御装置20は、屋外起動センサ15及び屋内起動センサ16の検知結果に従ってドア駆動装置21を駆動制御する。
図3に示すように、ドア制御装置20は、屋内検知エリアA2において人又は物が検知されると左扉11及び右扉12を開動作させる。そして、ドア制御装置20は、屋外検知エリアA1及び屋内検知エリアA2において人又は物を検知しなくなると左扉11及び右扉12を閉動作させる。
図4に示すように、ドア制御装置20は、ユーザの操作によって入室装置17から解錠信号を受信すると左扉11及び右扉12を開動作させる。そして、ドア制御装置20は、屋外検知エリアA1及び屋内検知エリアA2において人又は物を検知しなくなると左扉11及び右扉12を閉動作させる。
【0031】
図2に示すように、表示制御装置30は、屋外起動センサ15及び屋内起動センサ16が人又は物を検知した位置情報を取得する位置情報取得部31を備えている。位置情報は、屋外起動センサ15及び屋内起動センサ16が人又は物を検知した検知エリアの位置の情報である。位置情報取得部31は、屋外起動センサ15から検知信号を受信すると、屋外検知エリアA1に人又は物がいること、言い換えれば屋外から屋内へ通過する人又は物がいること(すなわち、出入口1を通って建物の中に入ろうとする人又は物が存在すること)を表す位置情報を取得する。位置情報取得部31は、屋内起動センサ16から検知信号を受信すると、屋内検知エリアA2に人又は物がいること、言い換えれば屋内から屋外へ通過する人又は物がいること(すなわち、出入口1を通って建物の外に出ようとする人又は物が存在すること)を表す位置情報を取得する。
【0032】
表示制御装置30は、位置情報取得部31が取得した位置情報に基づいて左屋外ディスプレイ35、右屋外ディスプレイ36、左屋内ディスプレイ37、及び右屋内ディスプレイ38のうち情報を表示するディスプレイを決定する決定部32を備えている。決定部32により、情報を表示するディスプレイは、位置情報に基づいて人又は物に近い場所のディスプレイに決定される。決定部32は、屋外検知エリアA1に人又は物がいること、言い換えれば屋外から屋内へ通過する人又は物がいることを表す位置情報が位置情報取得部31により取得されるとそれに基づいて、情報を表示するディスプレイを左屋外ディスプレイ35及び右屋外ディスプレイ36に決定する。決定部32は、屋内検知エリアA2に人又は物がいること、言い換えれば屋内から屋外へ通過する人又は物がいることを表す位置情報が位置情報取得部31により取得されるとそれに基づいて、情報を表示するディスプレイを左屋内ディスプレイ37及び右屋内ディスプレイ38に決定する。
【0033】
表示制御装置30は、決定部32により決定されたディスプレイに情報を表示する表示制御部33を備えている。表示制御部33は、ディスプレイに表示する情報を選択する。例えば、表示制御部33は、屋外検知エリアA1に人又は物がいるとき、言い換えれば屋外から屋内へ通過する人又は物がいるときには、サーバー50から取得した建物周辺の店舗の広告情報や、行政広報情報等を選択する。また、表示制御部33は、屋内検知エリアA2に人又は物がいるとき、言い換えれば屋内から屋外へ通過する人又は物がいるときには、サーバー50から取得した天気情報や交通情報等、それら情報のアイコンやピクトグラム等を選択する。そして、表示制御部33は、選択した情報を決定部32が決定したディスプレイに表示させる。
【0034】
次に、
図5を併せ参照して、上記表示制御装置30の処理手順について説明する。
図5に示すように、表示制御装置30は、屋外起動センサ15及び屋内起動センサ16が人又は物を検知したか否かを判定する(ステップS11)。すなわち、表示制御装置30は、位置情報取得部31が屋外起動センサ15から送信された検知信号及び屋内起動センサ16から送信された検知信号の少なくとも一方を受信しているか否かを判定する。
【0035】
そして、表示制御装置30は、屋外起動センサ15から送信された検知信号及び屋内起動センサ16から送信された検知信号を受信していないと判定した場合には(ステップS11:NO)、ステップS11に移行して、屋外起動センサ15及び屋内起動センサ16が人又は物を検知するまで待機する。
【0036】
一方、表示制御装置30は、屋外起動センサ15から送信された検知信号及び屋内起動センサ16から送信された検知信号の少なくとも一方を受信していると判定した場合には(ステップS11:YES)、人又は物の位置情報を取得する(ステップS12)。すなわち、位置情報取得部31は、屋外起動センサ15から検知信号を受信すると、屋外検知エリアA1に人又は物がいること、言い換えれば屋外から屋内へ通過する人又は物がいることを表す位置情報を取得する。また、位置情報取得部31は、屋内起動センサ16から検知信号を受信すると、屋内検知エリアA2に人又は物がいること、言い換えれば屋内から屋外へ通過する人又は物がいることを表す位置情報を取得する。
【0037】
続いて、表示制御装置30は、取得した位置情報が屋外か否かを判定する(ステップS13)。すなわち、表示制御装置30は、位置情報取得部31が屋外起動センサ15から検知信号を受信したことによる屋外検知エリアA1に人又は物がいること、言い換えれば屋外から屋内へ通過する人又は物がいることを表す位置情報を取得したか否かを判定する。
【0038】
そして、表示制御装置30は、位置情報取得部31が屋内起動センサ16から検知信号を受信したことによる屋内検知エリアA2に人又は物がいること、言い換えれば屋内から屋外へ通過する人又は物がいることを表す位置情報を取得したと判定した場合(すなわち、位置情報が屋内であると表示制御装置30が判定した場合)には(ステップS13:NO)、ステップS17に移行する。
【0039】
ステップS17において、表示制御装置30は、屋内ディスプレイを選択する。すなわち、決定部32は、情報を表示するディスプレイを、屋内検知エリアA2に位置するユーザが屋内すなわち建物の内側から見ることができる左屋内ディスプレイ37及び右屋内ディスプレイ38に決定する。
【0040】
続いて、表示制御装置30は、位置情報に合わせた情報を選択する(ステップS18)。すなわち、表示制御部33は、屋内検知エリアA2に人又は物がいるとき、言い換えれば屋内から屋外へ通過する人又は物がいるときには、天気情報や交通情報等、それら情報のアイコンやピクトグラム等を選択する。
【0041】
続いて、表示制御装置30は、情報を表示する(ステップS19)。すなわち、表示制御部33は、選択した情報を決定部32が決定した左屋内ディスプレイ37及び右屋内ディスプレイ38に表示させる。
【0042】
一方、表示制御装置30は、位置情報が屋外であると判定した場合には(ステップS13:YES)、屋外ディスプレイを選択する(ステップS14)。すなわち、決定部32は、情報を表示するディスプレイを、屋外検知エリアA1に位置するユーザが屋外すなわち建物の外側から見ることができる左屋外ディスプレイ35及び右屋外ディスプレイ36に決定する。
【0043】
続いて、表示制御装置30は、位置情報に合わせた情報を選択する(ステップS15)。すなわち、表示制御部33は、屋外検知エリアA1に人又は物がいるとき、言い換えれば屋外から屋内へ通過する人又は物がいるときには、建物周辺の店舗の広告情報や、行政広報情報等を選択する。
【0044】
続いて、表示制御装置30は、情報を表示する(ステップS16)。すなわち、表示制御部33は、選択した情報を決定部32が決定した左屋外ディスプレイ35及び右屋外ディスプレイ36に表示させる。
【0045】
なお、ステップS13において、屋外と屋内とのどちらにも人又は物を検知した場合には、ステップS14以降の処理(すなわち、ステップS14~S16の処理)及びステップS17以降の処理(すなわち、ステップS17~S19の処理)の両方を行う。すなわち、表示制御部33は、屋外ディスプレイ及び屋内ディスプレイの両方に情報を表示させる。
【0046】
次に、第1実施形態の効果について説明する。
(1)自動ドア装置10の屋外起動センサ15及び屋内起動センサ16が検知した人又は物の位置情報に基づいて決定した左屋外ディスプレイ35、右屋外ディスプレイ36、左屋内ディスプレイ37、及び右屋内ディスプレイ38に情報を表示する。このため、自動ドア装置10の周辺に位置する人又は物に適した情報を提供することができる。
【0047】
(2)屋外起動センサ15が検知した屋外検知エリアA1の位置及び屋内起動センサ16が検知した屋内検知エリアA2の位置の情報を取得することで、自動ドア装置10に対して建物の屋内と屋外のどちら側に人又は物がいるかがわかる。このため、人又は物が自動ドア装置10を通る方向に合わせて適した情報を提供することができる。
【0048】
(3)屋外起動センサ15が検知した屋外検知エリアA1の位置及び屋内起動センサ16が検知した屋内検知エリアA2の位置の情報を取得することで人又は物に近い場所のディスプレイがわかるので、人又は物の位置に合わせて適した情報を提供することができる。
【0049】
(第2実施形態)
以下、
図6~
図16を参照して、表示制御装置を自動ドア装置に具体化した第2実施形態について説明する。この実施形態は、位置情報取得部31が取得する位置情報が上記第1実施形態と異なっている。以下第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0050】
図6に示すように、店舗等の建物の出入口2には、出入口2を開閉する両開き式の自動ドア装置10が設置されている。自動ドア装置10は、建物の外側である屋外から見て左側に位置する左扉11と、建物の外側である屋外から見て右側に位置する右扉12とを備えている。左扉11と右扉12とが互いに反対方向に移動することで出入口2が開閉される。
【0051】
第2実施形態の自動ドア装置10は、第1実施形態の構成から左屋内フィックス13B及び右屋内フィックス14Bが省略され、これらに設置される左屋内ディスプレイ37及び右屋内ディスプレイ38も省略されている。また、第2実施形態の自動ドア装置10は、第1実施形態の構成から屋内起動センサ16も省略されている。
【0052】
自動ドア装置10は、人又は物を検知する屋外移動検知センサ115を備えている。屋外移動検知センサ115は、出入口2の天井に設置されている。屋外移動検知センサ115は、左屋外フィックス13Aから左扉11、右扉12、右屋外フィックス14Aまでの屋外側に屋外移動検知エリアA11を形成し、屋外移動検知エリアA11に位置する人又は物を検知する。屋外移動検知エリアA11は、左屋外フィックス13Aの屋外側、全閉状態の左扉11及び右扉12の屋外側、右屋外フィックス14Aの屋外側に位置し、四角形状の検知エリアである。
【0053】
図7に示すように、屋外移動検知センサ115は、人又は物の位置を検知するとともに、人又は物を検知した位置の時間変化を検知する。屋外移動検知センサ115は、人又は物を検知した位置の時間変化を含む時系列情報を検知信号としてCAN40を介してドア制御装置20及び表示制御装置30に送信する。位置情報取得部31は、位置情報としての時系列情報に基づいて屋外移動検知エリアA11における人又は物の位置を取得するとともに、人又は物の移動方向を推定する。なお、位置情報取得部31は、人又は物の位置の変化をつないだ移動ベクトルが左扉11又は右扉12に向いているときに、人又は物が左扉11又は右扉12に向かっていると推定する。
【0054】
決定部32は、位置情報取得部31が取得した位置情報に基づいて、情報を表示するディスプレイを、人又は物に近い場所のディスプレイに決定する。また、決定部32は、情報を表示するディスプレイを、出入口2に近づいてくる人又は物と対向する面に備えられたディスプレイに決定する。表示制御部33は、位置情報から推定された人又は物の移動方向に基づいて、ディスプレイに表示する情報の内容を変更する。すなわち、表示制御部33は、位置情報取得部31が取得した位置情報に基づいて、人又は物が出入口2を通過すると判断したときに第1情報を表示し、人又は物が出入口2を通過しないと判断したときに第2情報を表示する。第1情報は、出入口2が設けられた店舗に入る人又は物に対する情報であるため、例えば、出入口2が設けられた店舗の店舗情報である。第2情報は、出入口2が設けられた店舗に入らない人又は物に対する情報であるため、例えば、出入口2が設けられた店舗の周辺情報である。なお、第2情報は、更に進行方向に位置する店舗情報であることが好ましい。
【0055】
図8に示すように、ドア制御装置20は、屋外移動検知エリアA11の右屋外フィックス14Aの屋外側の位置において人又は物が検知され、その人又は物が右屋外フィックス14Aの面と平行であって左方向への移動が検知されると、左扉11及び右扉12を開動作させない。表示制御装置30は、検知された人又は物に近い右屋外ディスプレイ36に、出入口2が設けられた店舗の周辺情報等の第2情報を表示する。表示制御装置30は、検知された人又は物の進行方向である左方向の先に位置する店舗情報を表示することが好ましい。
【0056】
図9に示すように、ドア制御装置20は、屋外移動検知エリアA11の右扉12の屋外側の位置において人又は物が検知され、その人又は物が右扉12に向かう方向への移動が検知されると、左扉11及び右扉12を開動作させる。表示制御装置30は、左屋外ディスプレイ35及び右屋外ディスプレイ36に店舗情報等の第1情報を表示する。
【0057】
図10に示すように、ドア制御装置20は、屋外移動検知エリアA11の左扉11の屋外側の位置において人又は物が検知され、その人又は物が左扉11の面と平行であって左方向への移動が検知されると、左扉11及び右扉12を開動作させない。表示制御装置30は、検知された人又は物に近い左屋外ディスプレイ35に周辺情報等の第2情報を表示する。表示制御装置30は、検知された人又は物の進行方向である左方向の先に位置する店舗情報を表示することが好ましい。
【0058】
図11に示すように、ドア制御装置20は、屋外移動検知エリアA11の左扉11及び右扉12の屋外側の位置において人又は物が検知され、その人又は物が左扉11及び右扉12に向かう方向への移動が検知されると、左扉11及び右扉12を開動作させる。表示制御装置30は、左屋外ディスプレイ35及び右屋外ディスプレイ36に店舗情報等の第1情報を表示する。
【0059】
図12は、屋外移動検知エリアA11に二人が位置する状況を示している。
図12に示すように、ドア制御装置20は、屋外移動検知エリアA11の左屋外フィックス13Aの屋外側の位置において人又は物が検知され、その人又は物が左屋外フィックス13Aの面と平行であって右方向への移動が検知されると、左扉11及び右扉12を開動作させない。表示制御装置30は、検知された人又は物に近い左屋外ディスプレイ35に周辺情報等の第2情報を表示する。表示制御装置30は、検知された人又は物の進行方向である右方向の先に位置する店舗情報を表示することが好ましい。また、ドア制御装置20は、屋外移動検知エリアA11の右屋外フィックス14Aの屋外側の位置において別の人又は物が検知され、その人又は物が右屋外フィックス14Aの面と平行であって左方向への移動が検知されると、左扉11及び右扉12を開動作させない。表示制御装置30は、検知された別の人又は物に近い右屋外ディスプレイ36に周辺情報等の第2情報を表示する。表示制御装置30は、検知された別の人又は物の進行方向である左方向の先に位置する店舗情報を表示することが好ましい。
【0060】
図13は、屋外移動検知エリアA11に二人が位置する状況を示している。
図13に示すように、ドア制御装置20は、屋外移動検知エリアA11の左扉11の屋外側の位置において人又は物が検知され、その人又は物が左扉11に向かう方向への移動が検知されると、左扉11及び右扉12を開動作させる。表示制御装置30は、検知された人又は物に近い左屋外ディスプレイ35に店舗情報等の第1情報を表示する。また、ドア制御装置20は、屋外移動検知エリアA11の右扉12の屋外側の位置において別の人又は物が検知され、その人又は物が右扉12に向かう方向への移動が検知されると、左扉11及び右扉12を開動作させる。表示制御装置30は、検知された別の人又は物に近い右屋外ディスプレイ36に店舗情報等の第1情報を表示する。
【0061】
図14は、屋外移動検知エリアA11に二人が位置する状況を示している。
図14に示すように、ドア制御装置20は、屋外移動検知エリアA11の左扉11の屋外側の位置において人又は物が検知され、その人又は物が左扉11の面と平行であって左方向への移動が検知されると、左扉11及び右扉12を開動作させない。表示制御装置30は、検知された人又は物に近い左屋外ディスプレイ35に周辺情報等の第2情報を表示する。表示制御装置30は、検知された人又は物の進行方向である左方向の先に位置する店舗情報を表示することが好ましい。また、ドア制御装置20は、屋外移動検知エリアA11の右屋外フィックス14Aの屋外側の位置において別の人又は物が検知され、その人又は物が右扉12の面と平行であって右方向への移動が検知されると、左扉11及び右扉12を開動作させない。表示制御装置30は、検知された別の人又は物に近い右屋外ディスプレイ36に周辺情報等の第2情報を表示する。表示制御装置30は、検知された別の人又は物の進行方向である右方向の先に位置する店舗情報を表示することが好ましい。
【0062】
図15は、屋外移動検知エリアA11に二人が位置する状況を示している。
図15に示すように、ドア制御装置20は、屋外移動検知エリアA11の右扉12の屋外側の位置において人又は物が検知され、その人又は物が右扉12に向かう方向への移動が検知されると、左扉11及び右扉12を開動作させる。表示制御装置30は、左屋外ディスプレイ35に店舗情報等の第1情報を表示する。また、ドア制御装置20は、屋外移動検知エリアA11の右屋外フィックス14Aの屋外側の位置において別の人又は物が検知され、その人又は物が右扉12の面と平行であって右方向への移動が検知されると、左扉11及び右扉12を開動作させない。表示制御装置30は、検知された別の人又は物に近い右屋外ディスプレイ36に周辺情報等の第2情報を表示する。表示制御装置30は、検知された別の人又は物の進行方向である右方向の先に位置する店舗情報を表示することが好ましい。
【0063】
次に、
図16を併せ参照して、上記表示制御装置30の処理手順について説明する。
図16に示すように、表示制御装置30は、屋外移動検知センサ115が人又は物を検知したか否かを判定する(ステップS21)。すなわち、表示制御装置30は、位置情報取得部31が屋外移動検知センサ115から送信された検知信号を受信しているか否かを判定する。
【0064】
そして、表示制御装置30は、屋外移動検知センサ115から送信された検知信号を受信していないと判定した場合には(ステップS21:NO)、ステップS21に移行して、屋外移動検知センサ115が人又は物を検知するまで待機する。
【0065】
一方、表示制御装置30は、屋外移動検知センサ115から送信された検知信号を受信していると判定した場合には(ステップS21:YES)、人又は物の位置情報を取得する(ステップS22)。すなわち、位置情報取得部31は、屋外移動検知センサ115から検知信号を受信すると、人又は物を検知した位置の時間変化を含む時系列情報を位置情報として取得する。
【0066】
続いて、表示制御装置30は、取得した位置情報から、検知された人又物が左扉11及び右扉12の少なくとも一方に向かってくるか否かを判定する(ステップS23)。すなわち、表示制御装置30は、位置情報取得部31が時系列情報から取得した人又は物の移動ベクトルが左扉11及び右扉12の少なくとも一方に向かう方向であるか否かを判定する。
【0067】
そして、表示制御装置30は、位置情報取得部31が時系列情報から取得した人又は物の移動ベクトルが左扉11及び右扉12の少なくとも一方に向かう方向でないと判定した場合(すなわち、検知された人又は物が左扉11及び右扉12に向かってこないと判定した場合)には(ステップS23:NO)、ステップS27に移行する。
【0068】
ステップS27において、表示制御装置30は、近いディスプレイを選択する。すなわち、決定部32は、情報を表示するディスプレイを、屋外移動検知エリアA11に位置するユーザが屋外すなわち建物の外側から見ることができる左屋外ディスプレイ35及び右屋外ディスプレイ36の少なくとも一方に決定する。決定部32は、情報を表示するディスプレイを、
図8に示すような場合には、右屋外ディスプレイ36のみに決定し、
図10に示すような場合には、左屋外ディスプレイ35のみに決定し、
図14に示すような場合には、左屋外ディスプレイ35及び右屋外ディスプレイ36に決定する。
【0069】
続いて、表示制御装置30は、検知された人又は物の移動方向に合わせた情報を選択する(ステップS28)。すなわち、表示制御部33は、検知された人又は物の移動方向が左方向であるときには、出入口2が設けられた店舗の周辺情報として、左方向の先に位置する店舗情報を選択する。また、表示制御部33は、検知された人又は物の移動方向が右方向であるときには、出入口2が設けられた店舗の周辺情報として、右方向の先に位置する店舗情報を選択する。
【0070】
続いて、表示制御装置30は、情報を表示する(ステップS29)。すなわち、表示制御部33は、選択した情報を決定部32が決定した左屋外ディスプレイ35及び右屋外ディスプレイ36の少なくとも一方に表示させる。
【0071】
一方、表示制御装置30は、検知された人又は物が左扉11及び右扉12に向かってくると判定した場合には(ステップS23:YES)、屋外ディスプレイを選択する(ステップS24)。すなわち、決定部32は、情報を表示するディスプレイを、屋外移動検知エリアA11に位置するユーザが屋外すなわち建物の外側から見ることができる左屋外ディスプレイ35及び右屋外ディスプレイ36に決定する。
【0072】
続いて、表示制御装置30は、検知された人又は物の移動方向に合わせた情報を選択する(ステップS25)。すなわち、表示制御部33は、出入口2が設けられた店舗の店舗情報を選択する。
【0073】
続いて、表示制御装置30は、情報を表示する(ステップS26)。すなわち、表示制御部33は、選択した情報を決定部32が決定した左屋外ディスプレイ35及び右屋外ディスプレイ36に表示させる。
【0074】
なお、ステップS23において、左扉11及び右扉12に向かってくる人又は物と左扉11及び右扉12に向かってこない人又は物との両方を検知した場合には、ステップS24以降の処理(すなわち、ステップS24~S26の処理)及びステップS27以降の処理(すなわち、ステップS27~S29の処理)の両方を行う。そして、ステップS24において屋外の近いディスプレイを選択し、ステップS25において店舗情報等の第1情報を選択する。一方、ステップS27において近いディスプレイを選択し、ステップS28において周辺情報等の第2情報を選択する。
【0075】
次に、第2実施形態の効果について説明する。なお、第2実施形態は、第1実施形態の(1)~(3)の効果に加え、以下の効果を奏する。
(4)屋外移動検知センサ115が検知した人又は物の位置の変化を取得することで人又は物の移動方向が分かる。このため、人又は物の移動方向に合わせて適したディスプレイに情報を表示することができる。
【0076】
(5)屋外移動検知センサ115が検知した人又は物の位置の変化を取得することで人又は物の移動方向が分かる。このため、人又は物の移動方向に合わせて適した情報を提供することができる。
【0077】
(6)人又は物が自動ドア装置10を通過するか否かを判断して、人又は物が自動ドア装置10を通過すると判断したときと人又は物が自動ドア装置10を通過しないと判断したときとで異なる情報をそれぞれ表示することで、人又は物の動きに合わせて適した情報を提供することができる。
【0078】
(7)屋外移動検知センサ115が検知した人又は物の位置の変化を取得することで人又は物の移動方向が分かるので、近づいてくる人又は物と対向する面に備えられたディスプレイに情報を表示することができる。このため、人又は物の移動方向に合わせて適したディスプレイに情報を表示することができる。
【0079】
(他の実施形態)
上記各実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記各実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0080】
・上記各実施形態では、左屋外ディスプレイ35を左屋外フィックス13Aの背面に設置したが、左屋外ディスプレイ35を左屋外フィックス13Aの表面に設置してもよい。また、左屋外フィックス13Aの背面又は表面に映像を投影させることにより情報を表示するようにしてもよい。また、右屋外ディスプレイ36を右屋外フィックス14Aの表面に設置してもよい。また、右屋外フィックス14Aの背面又は表面に映像を投影させることにより情報を表示するようにしてもよい。
【0081】
・上記第1実施形態では、左屋内ディスプレイ37を左屋内フィックス13Bの背面に設置したが、左屋内ディスプレイ37を左屋内フィックス13Bの表面に設置してもよい。また、左屋内フィックス13Bの背面又は表面に映像を投影させることにより情報を表示するようにしてもよい。また、右屋内ディスプレイ38を右屋内フィックス14Bの背面に設置したが、右屋内ディスプレイ38を右屋内フィックス14Bの表面に設置してもよい。また、右屋内フィックス14Bの背面又は表面に映像を投影させることにより情報を表示するようにしてもよい。
【0082】
・上記第2実施形態では、左屋内フィックス13B及び左屋内ディスプレイ37を省略するとともに、右屋内フィックス14B及び右屋内ディスプレイを省略した。しかしながら、左屋内フィックス13B及び左屋内ディスプレイ37を備えるとともに、右屋内フィックス14B及び右屋内ディスプレイ38を備えるようにしてもよい。
【0083】
・上記第2実施形態の自動ドア装置10は、屋内すなわち建物の内側に位置する人又は物を検知する屋内起動センサ16を備えてもよく、屋内起動センサ16が人又は物を検知すると左扉11及び右扉12が開動作するようにしてもよい。
【0084】
・上記各実施形態において、サーバー50はネットワークNWを介して接続されているので、サーバー50は、出入口1が設けられたマンションや出入口2が設けられた店舗等の建物に設置してもよいし、別の建物等に設置してもよい。
【0085】
・上記第2実施形態では、第2情報として、出入口2が設けられた店舗の周辺情報を表示したが、出入口2が設けられた店舗の情報以外の天気情報等の他の情報を第2情報として表示してもよい。
【0086】
・上記各実施形態において、複数の物体で構成されているものは、当該複数の物体を一体化してもよく、逆に一つの物体で構成されているものを複数の物体に分けることができる。一体化されているか否かにかかわらず、発明の目的を達成することができるように構成されていればよい。
【0087】
・上記各実施形態において、複数の機能が分散して設けられているものは、当該複数の機能の一部又は全部を集約して設けても良く、逆に複数の機能が集約して設けられているものを、当該複数の機能の一部又は全部が分散するように設けることができる。機能が集約されているか分散されているかにかかわらず、発明の目的を達成することができるように構成されていればよい。
【符号の説明】
【0088】
1 出入口
2 出入口
10 自動ドア装置
11 左扉
12 右扉
13A 左屋外フィックス
13B 左屋内フィックス
14A 右屋外フィックス
14B 右屋内フィックス
15 屋外起動センサ
16 屋内起動センサ
17 入室装置
20 ドア制御装置
21 ドア駆動装置
30 表示制御装置
31 位置情報取得部
32 決定部
33 表示制御部
35 左屋外ディスプレイ(表示部)
36 右屋外ディスプレイ(表示部)
37 左屋内ディスプレイ(表示部)
38 右屋内ディスプレイ(表示部)
40 CAN
50 サーバー
115 屋外移動検知センサ(起動センサ)
A1 屋外検知エリア
A2 屋内検知エリア
A11 屋外移動検知エリア
NW ネットワーク