IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シャーコ ニューロテック リミテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024069285
(43)【公開日】2024-05-21
(54)【発明の名称】ウェアラブルデバイス
(51)【国際特許分類】
   A61H 23/02 20060101AFI20240514BHJP
【FI】
A61H23/02 330
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024031870
(22)【出願日】2024-03-04
(62)【分割の表示】P 2021575271の分割
【原出願日】2020-06-26
(31)【優先権主張番号】1909176.8
(32)【優先日】2019-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(71)【出願人】
【識別番号】521550943
【氏名又は名称】シャーコ ニューロテック リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CHARCO NEUROTECH LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(72)【発明者】
【氏名】ソミン チョン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】パーキンソン病のような神経障害の物理的症状を軽減または排除できる機械的刺激を提供する改良されたウェアラブルデバイスを提供する。
【解決手段】ウェアラブルデバイス500の消散部分504は、開放された第1の端部504aおよび閉鎖された第2の端部504bを有する略円筒形で、消散部分504は、凹部を含む。凹部は、少なくとも1つの刺激要素502、充電部分516、およびコントローラ520を受容するように構成される。
【選択図】図9A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに少なくとも1つの機械的刺激を提供するように構成された少なくとも1つの刺
激要素と、
前記少なくとも1つの刺激要素によって提供される機械的刺激の有効面積を増加させる
ように構成された消散部分と、
を含む、ウェアラブルデバイス。
【請求項2】
機械的刺激をユーザに送達および/または伝達するように構成された表面を更に含む、
請求項1に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項3】
前記消散部分の少なくとも一部は、機械的刺激をユーザに送達するように構成された前
記表面の少なくとも一部を形成するように構成されている、請求項2に記載のウェアラブ
ルデバイス。
【請求項4】
前記少なくとも1つの刺激要素は、機械的刺激をユーザに送達するように構成された前
記表面の少なくとも一部を形成するように構成されている、請求項2または請求項3に記
載のウェアラブルデバイス。
【請求項5】
前記消散部分は、前記少なくとも1つの刺激要素を受容するように構成された凹部また
はアパチャを備える、請求項1~4のいずれか一項に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項6】
前記少なくとも1つの刺激要素が前記凹部またはアパチャによって受容されるとき、前
記少なくとも1つの刺激要素は、前記凹部またはアパチャの口部と実質的に面一である、
請求項5に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項7】
機械的刺激をユーザに送達するように構成された前記表面が、前記表面をユーザの皮膚
に接着するように構成された接着剤を含む、請求項2に直接的または間接的に従属する任
意の請求項に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項8】
前記表面がユーザの皮膚に接着されていないときに、前記表面の接着剤を被覆するよう
に構成された取り外し可能かつ交換可能なカバーを更に備える、請求項7に記載のウェア
ラブルデバイス。
【請求項9】
充電部分を更に備える、請求項1~8のいずれか一項に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項10】
前記充電部分は、外部電源から電力を無線で受信するように構成されている、請求項9
に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項11】
前記充電部分は、1つ以上のコイルまたは巻線である、または1つ以上のコイルまたは
巻線を含む、請求項10に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項12】
前記充電部分は、有線接続によって外部電源から電力を受信するように構成されている
、請求項9に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項13】
前記充電部分が前記凹部に配置されている、請求項5に直接的または間接的に従属する
、請求項9~12のいずれか一項に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項14】
前記少なくとも1つの刺激要素の出力がパルス出力である、またはパルス出力を含む、
請求項1~13のいずれか一項に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項15】
前記パルス出力は、周期出力である、または周期出力を含み、任意に、前記周期出力の
周波数が実質的に4Hz~0.25Hzであり、更に、任意に、前記周期出力の周波数が
実質的に1Hzである、請求項14に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項16】
前記パルス出力の各周期は、少なくとも第1のセグメントおよび第2のセグメントを含
み、任意に、前記第1のセグメントが、出力強度、周波数、および持続時間のうちの1つ
以上において前記第2のセグメントと異なる、請求項15に記載のウェアラブルデバイス
【請求項17】
前記第1のセグメントは、前記少なくとも1つの刺激要素の出力強度を第1の強度レベ
ルから第2の強度レベルに増加させることを含み、かつ
前記第2のセグメントは、前記少なくとも1つの刺激要素の出力強度を前記第2の強度
レベルから前記第1の強度レベルに減少させることを含む、請求項16に記載のウェアラ
ブルデバイス。
【請求項18】
前記第1のセグメントにおける出力強度の増加が実質的に線形である、および/または
、前記第2のセグメントにおける出力強度の減少が実質的に線形である、請求項17に記
載のウェアラブルデバイス。
【請求項19】
前記第1のセグメントにおける出力強度の増加率が、前記第2のセグメントにおける出
力強度の減少率とは異なり、かつ、任意に、前記第1のセグメントにおける出力強度の増
加率が、前記第2のセグメントにおける出力強度の減少率よりも低く、更に、任意に、前
記第1のセグメントにおける出力強度の増加率が、前記第2のセグメントにおける出力強
度の減少率よりも実質的に3倍~10倍低い、請求項17または請求項18に記載のウェ
アラブルデバイス。
【請求項20】
前記少なくとも1つの刺激要素の出力を制御するように構成されたコントローラを更に
備える、請求項1~19のいずれか一項に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項21】
ユーザから少なくとも1つのコマンドを受信し、前記少なくとも1つのコマンドを前記
コントローラに中継するように構成されたユーザ入力部を更に含む、請求項20に記載の
ウェアラブルデバイス。
【請求項22】
前記ユーザ入力部が、機械的刺激をユーザに送達するように構成された前記表面の実質
的に反対側に配置されている、請求項2または従属する任意の請求項に従属する場合の請
求項21に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項23】
前記ユーザ入力部が、
前記コントローラに、前記少なくとも1つの刺激要素に第1の出力を提供するように指
示させる第1のコマンドと、
前記コントローラに、前記少なくとも1つの刺激要素に第2の出力を提供するように指
示させる、前記第1のコマンドとは異なる第2のコマンドと、
を少なくとも受信するように構成されている、請求項21または請求項22に記載のウェ
アラブルデバイス。
【請求項24】
前記第1の出力は、前記第2の出力とは異なる機械的刺激の長さ、周波数、強度、およ
び強度の変化のうちの少なくとも1つである、または前記第2の出力とは異なる機械的刺
激の長さ、周波数、強度、および強度の変化のうちの少なくとも1つを含む、請求項25
に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項25】
請求項1~24のいずれか一項に記載のウェアラブルデバイスと、
前記ウェアラブルデバイスを受容し、保管するためのドッキングステーションであって
、基部と、端部に取り外し可能に取り付けられた蓋とを含む単一のユニットであるドッキ
ングステーションと、
を含む部品のキット。
【請求項26】
前記ドッキングステーションは、接着剤用のリザーバを含む、請求項25に記載の部品
のキット。
【請求項27】
デバイスのデータ処理構成によって実行されるソフトウェアアプリケーションを含むデ
バイス統合アプリケーションであって、
前記コントローラに、前記少なくとも1つの刺激要素に第1の出力を提供するように指
示させる第1のコマンドを受信するためのソフトウェアアプリケーションと、
前記コントローラに、前記少なくとも1つの刺激要素に第2の出力を提供するように指
示させる、前記第1のコマンドとは異なる第2のコマンドを受信するためのソフトウェア
アプリケーションと、
第1の出力または第2の出力を生成するためのソフトウェアアプリケーションと、
を含む、デバイス統合アプリケーション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェアラブルデバイスに関し、特に、機械的刺激を提供するように構成され
たウェアラブルデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
パーキンソン病または多発性硬化症(MS)等の神経障害に罹患している、または脳卒
中あるいは脊髄損傷を受けた個人は、しばしば運動に困難を経験する。これらの困難には
、立ちすくみ、こわばり、減速および振戦または震えが含まれるが、これらに限定される
ものではない。このことは、しばしば、このような個人が通常の日常活動を行う能力に重
大な影響を与える。場合によっては、これは自信喪失、自立性の喪失、一部のケースでは
うつ病のようなより重大な障害をもたらし得る。
【0003】
現在、英国では145,000人程度の人がパーキンソン病と診断されており、世界中
では約1000万人の患者がいると推定される。英国では1時間毎に2人がパーキンソン
病と診断されている。世界的には約230万人の人々がMSに罹患している。世界中で毎
年約1500万人の人々が脳卒中を患い、また毎年世界中で250,000~500,0
00人が脊髄損傷を受けている。更に、世界中で約6800万人の人々が吃音を患ってい
る。
【0004】
現在、このような状態の症状に対処するためのアプローチは、典型的には、複雑かつ費
用のかかる薬剤または脳深部電気刺激を中心に展開される。このような状態の症状に対処
するための非薬理学的および非侵襲的アプローチが好ましい。
【0005】
本発明は、上記に鑑みて考案されたものである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様によれば、ウェアラブルデバイスが提供される。ウェアラブルデバイスは、
パーキンソン病のような神経障害の物理的症状を軽減または排除するように構成すること
ができる。ウェアラブルデバイスは、ユーザに少なくとも1つの機械的刺激を提供するよ
うに構成された少なくとも1つの刺激要素を含むことができる。ウェアラブルデバイスは
、少なくとも1つの刺激要素によって提供される機械的刺激の有効面積を増加させるよう
に構成された消散部分も含むことができる。
【0007】
第2の態様によれば、ウェアラブルデバイスが提供される。ウェアラブルデバイスは、
パーキンソン病のような神経障害の物理的症状を軽減または排除するように構成すること
ができる。ウェアラブルデバイスは、ユーザに少なくとも1つの機械的刺激を提供するよ
うに構成された少なくとも1つの刺激要素を含むことができる。ウェアラブルデバイスは
、ユーザにパルス状の機械的刺激を提供するように構成されてもよい。ウェアラブルデバ
イスは、ユーザの皮膚に取り付け可能である、ユーザの皮膚から取り外し可能である、お
よび/またはユーザの皮膚に再取り付け可能であるように構成することができる。第2の
態様のウェアラブルデバイスは、第1の態様の特徴のうち1つ以上を含むことができ、そ
の逆も同様である。
【0008】
上述した2つの態様および/または以下の他の態様/実施形態のいずれかを参照して、
パーキンソン病のような神経障害の患者は、しばしば、立ちすくみ、減速、こわばりまた
は振戦を経験する。機械的な刺激(例えば、振動、圧力あるいは圧力の変化、ローリング
運動、タップまたは他の衝撃等)を印加することにより、このような症状を緩和または解
消することができる。少なくとも1つの刺激要素によって提供される機械的刺激の有効面
積を増加させることにより、機械的刺激の効果を最大化することができる。従って、機械
的刺激の印加は、少なくとも1つの刺激要素と直接接触する特定の局所的印加に限定され
るわけではない。むしろ、消散部分を設けることにより、機械的刺激を印加することがで
きる表面積を大幅に増大させることができる。これにより、所要電力を低減することがで
き、および/または、個人のより大きな表面積にわたって機械的刺激を提供するのに必要
な刺激要素の数量を減少させることができる。本発明のウェアラブルデバイスは、処方薬
剤の摂取に加えて使用することができ、体験している何らかの症状を軽減かつ管理するの
に役立ち得る。
【0009】
消散部分は、可撓性、弾性または粘弾性材料であることができ、またはそれらを含むこ
とができる。例えば、好適な材料は、シリコーン、ゴム、可撓性プラスチック、発泡体、
金属、金属の合金等のうちのいずれか1つ以上であることができ、またはそれを含むこと
ができる。
【0010】
ウェアラブルデバイスは、ユーザに機械的刺激を送達または伝達するように構成された
表面を備えることができる。消散部分の少なくとも一部は、ユーザに機械的刺激を送達ま
たは伝達するように構成された表面の少なくとも一部を形成するように構成されてもよい
。少なくとも1つの刺激要素は、ユーザに機械的刺激を送達するように構成された表面の
少なくとも一部を形成するように構成することができる。これにより、少なくとも1つの
刺激要素によって提供される同じ機械的刺激の異なる印加を可能にし得る。消散部分がユ
ーザに機械的刺激を送達するように構成された表面の一部を形成するように構成されてさ
えいれば、ユーザは機械的刺激を消散部分の領域に対応する領域にわたって実質的に一貫
して経験することができる。少なくとも1つの刺激要素が表面の一部も形成する場合、ユ
ーザは機械的刺激を複数の方法で経験し得る。上述した経験に加えて、刺激要素によって
形成された表面の一部は、消散部分によって形成された表面の部分とは異なる強度で、ユ
ーザに機械的刺激を送達または伝達するように構成されてもよい。刺激要素は、消散部分
よりも高い強度で、ユーザに機械的刺激を送達または伝達するように構成されてもよい。
ユーザは、少なくとも1つの刺激要素からの機械的刺激の直接的な印加により、より強い
局所的な機械的刺激を経験することができる。より大きな表面積にわたる局所的で強力な
機械的刺激およびより弱い機械的刺激の組み合わせは、立ちすくみ、こわばり、減速およ
び振戦に対する機械的刺激の印加の効果を更に改善することができる。
【0011】
少なくとも1つの刺激要素は、モータ、例えば、コインモータであることができ、また
はそれを含むことができる。モータは、振動刺激を提供するように構成されてもよい。あ
るいは、少なくとも1つの刺激要素は、1つ以上のローラ(例えば、モータによって駆動
される)または圧力要素、ピストン等(例えば、アクチュエータによって駆動される)を
含むことができる。
【0012】
消散部分は、少なくとも1つの刺激要素を受容するように構成された凹部またはアパチ
ャを含むことができる。消散部分は、少なくとも1つの刺激要素を少なくとも部分的に包
囲または内包することができる。少なくとも1つの刺激要素は、少なくとも1つの刺激要
素が凹部またはアパチャによって受容されるとき、凹部またはアパチャの口部と実質的に
面一であってもよい。このようにして、少なくとも1つの刺激要素は、ユーザに機械的刺
激を送達するように構成された表面の一部を形成することができる。消散部分は、略中空
形状(例えば、円形断面(円筒)、三角形断面、四角形断面、五角形断面または他の多角
形断面を有する角柱状)であることができ、またはそれを含むことができる。消散部分は
、閉鎖端部および開放端部を含み、開放端部から中空形状に延在する凹部を形成してもよ
い。あるいは、消散部分は、2つの開放端部を備えて、消散部分の端部間に延在するアパ
チャを形成してもよい。
【0013】
少なくとも1つの刺激要素によって提供される機械的刺激の有効面積を増加させるため
に、消散部分(凹部またはアパチャを含む)の表面積は、少なくとも1つの刺激要素の表
面積よりも著しく大きくてもよい。従って、少なくとも1つの刺激要素を消散部分の凹部
またはアパチャ内に配置することによって、よりコンパクトなデバイスを提供することが
できる。消散部分は、少なくとも1つの刺激要素が消散部分内に配置されている場合に、
少なくとも1つの刺激要素を内包し、保護するように作用してもよい。
【0014】
ユーザに機械的刺激を送達するように構成された表面は、ユーザの皮膚に表面を接着す
るように構成された接着剤を含むことができる。接着剤を使用してウェアラブルデバイス
の表面をユーザの皮膚に接着することにより、多くの利点を提供することができる。接着
剤は、使用可能とするためにウェアラブルデバイスに設けられてもよく、またはウェアラ
ブルデバイスに貼付可能であってもよい。例えば、接着剤を使用することにより、ユーザ
にウェアラブルデバイスを固定するためにしばしば利用されるクラスプまたはバックルの
ような任意の固定機構を必要としない。これは、立ちすくみ、こわばり、減速または振戦
を患っているユーザにとって特に有益であり得る。更に、接着剤は、表面とユーザの皮膚
との接触を改善し、機械的刺激のユーザへの送達の効率を向上させることができる。また
、最初に正しくまたは最適に配置されていない場合には、デバイスの容易な再位置決めを
可能にする。ウェアラブルデバイスは、更に、表面がユーザの皮膚に接着されていない場
合に、表面の接着剤を覆うように構成された取り外し可能かつ交換可能なカバーを備える
ことができる。カバーは、ウェアラブルデバイスがユーザの皮膚に接着されていない際の
、接着剤の乾燥や、異物(例えば、湿気、埃または他の粒子)による汚染を防止すること
ができる。接着剤は、医療用グレードの接着剤であることができ、またはそれを含むこと
ができる。接着剤は、表面をユーザの皮膚に例えば2日以上の長期間にわたり、例えば、
3日、4日、5日、6日、7日、10日、最も好ましくは14日以上、接着するように構
成することができる。これにより、皮膚に接着剤が残存している状態での固定およびユー
ザの皮膚からのウェアラブルデバイスの取り外しを低減することによって、ユーザの操作
の容易性を更に向上させることができる。充電後にウェアラブルデバイスを取り付けるた
めに再度同じ接着剤が使用される。最終的に、接着剤を必要な日数、例えば14日以上に
わたり使用した場合、接着剤を新たな接着剤層に交換することができる。
【0015】
ウェアラブルデバイスは、更に、充電部分(例えば、電気充電部分)を備えてもよい。
充電部分は、ウェアラブルデバイスの再充電可能な電源(バッテリ等)を充電するように
構成されてもよい。充電部分は、(例えば、USB充電等のピン充電方法または他の適切
な方法を使用して)外部電源から無線で電力を受信するように構成されていてもよい。充
電部分は、1つ以上のコイルまたは巻線であることができ、またはそれを含むことができ
る。充電部分は、消散部分の凹部内に配置されてもよい。無線で電力を受信するように構
成された充電部分は、立ちすくみ、振戦、減速またはこわばりに苦しむユーザの操作の容
易性を更に向上させることができる。このような充電部分は、ウェアラブルユニットを充
電するために、ウェアラブルユニット内の充電ポートに物理的に接続される有線充電コネ
クタの必要性を排除することができる。コネクタ等の充電部品をポートに物理的に接続す
ることは、立ちすくみ、振戦、減速またはこわばりを患っている個人にとっては困難であ
り得る。無線で電力を受信するように構成された充電部分は、例えば、外部電源の所定の
距離内にウェアラブルユニットを単に配置するだけで、より簡単な充電処理を行うことが
できる。
【0016】
ウェアラブルデバイスは、ハウジングを備えることができる。ハウジングは、消散部分
を少なくとも部分的に包囲するように構成されてもよい。ハウジングは、プラスチック材
料(例えば、ポリプロピレンまたはポリカーボネート)あるいは金属または金属の合金(
例えば、アルミニウム)であることができ、または含むことができる。ハウジングは、曝
露されるユーザに機械的刺激を送達するように構成された表面を残すように構成されても
よい。ハウジングは、消散部分の軸方向に延在する部分を包囲するように構成されていて
もよい(例えば、ハウジングは、消散部分の端面を覆うように構成されなくてもよい)。
ハウジングは、消散部分の性能に影響を及ぼす可能性のある衝撃、スクラッチまたは他の
劣化から消散部分を保護することができる。
【0017】
少なくとも1つの刺激要素の出力は、パルス出力であることができ、またはそれを含む
ことができる。パルス出力は、周期的な出力であることができ、またはそれを含むことが
できる。周期的な出力の周波数は、実質的に300Hz~0Hzであることができ、実質
的に200Hz~0Hzであってもよく、実質的に80Hz~0Hzであってもよく、実
質的に40Hz~0Hzであってもよく、実質的に20Hz~0Hzであってもよく、実
質的に4Hz~0.25Hzであってもよく、実質的に1Hzであってもよい。パルス状
の機械的刺激を印加することにより、強度が強すぎる、あるいは大きすぎる(不快感や炎
症を生じさせ得る)、または強度が弱すぎる、あるいは小さすぎる(立ちすくみ、減速、
こわばりまたは振戦等の物理的症状の緩和に効果が少ない)、一定または連続的な機械的
刺激を加えるという欠点を回避することができる。パルス状の機械的刺激はまた、少なく
とも1つの刺激要素の出力の周波数および強度の変動を可能にすることで、ユーザにキュ
ーサインを提供することができる(例えば、パルス状の機械的刺激はメトロノームまたは
タイミングインジケータとして機能することができる)。規則的、律動的または周期的な
変動を含むパルス出力は、感覚機能障害を調整することができ、ユーザがパルス出力によ
って提供されるキューに焦点を合わせることで、パルス状の機械的刺激に対する自身の動
きのタイミングを整合することができる。このようにすることで、立ちすくみ、振戦、こ
わばりまたは減速を更に減少させることができる。例えば、可視光キューサインまたは聴
覚キュー音ではなく、(機械的刺激を用いて)触知キューサインを提供することは、有益
であり得る。可視光および聴覚キューサインは、ユーザがキューサインに能動的に関与す
ることを必要とする。キューサインに能動的に焦点を合わせることにより、目的のタスク
への集中力が低下し、意図した効果とは逆の効果が得られる可能性がある。対照的に、ユ
ーザは、本質的に、能動的に焦点を合わせる必要なしに機械的な刺激または触知キューを
意識することができ、従って、触知キューサインの使用は、運動およびタスクの完了の改
善を助けるために大きな利益を提供することができる。
【0018】
パルス出力の各周期は、少なくとも第1のセグメントおよび第2のセグメントを含む。
第1のセグメントは、パルス出力の各周期の実質的に75%~90%を構成することがで
きる。第1のセグメントは、少なくとも1つの刺激要素の出力強度を第1の強度レベルか
ら第2の強度レベルまで増加させることを含み得る。第2のセグメントは、少なくとも1
つの刺激要素の出力強度を第2の強度レベルから第1の強度レベルまで減少させることを
含み得る。第1の強度レベルは、実質的にゼロ(少なくとも1つの刺激要素からの出力な
し)であってもよい。第1のセグメントにおける出力強度の増加は、実質的に線形であっ
てもよく、または実質的に非線形であってもよい。第2のセグメントにおける出力強度の
低下は、実質的に線形であってもよく、または実質的に非線形であってもよい。第1のセ
グメントにおける出力強度の増加率は、第2のセグメントにおける出力強度の減少率と異
なっていてもよい。第1セグメントにおける出力強度の増加率は、第2セグメントにおけ
る出力強度の減少率よりも低くてもよい。第1のセグメントにおける出力強度の増加率は
、第2のセグメントにおける出力強度の減少率よりも実質的に3倍~10倍低くてもよい
。第1のセグメントの持続時間は、第2のセグメントの持続時間よりも3倍~10倍長く
てもよい。各周期の第1のセグメントと第2のセグメントとの相対的持続時間における差
、および/または、各周期における第1のセグメントと第2のセグメントとの間の増減率
の差は、立ちすくみ、振戦、こわばりまたは減速等の物理的な症状を更に低減するために
ユーザが経験するパルス出力に寄与する、および/またはパルス出力を強化することがで
きる。
【0019】
ウェアラブルデバイスは、少なくとも1つの刺激要素の出力を制御するように構成され
たコントローラを更に備えることができる。ウェアラブルデバイスは、ユーザ入力部も含
むことができる。ユーザ入力部は、ユーザから少なくとも1つのコマンドを受信するよう
に構成することができる。ユーザ入力部は、少なくとも1つのコマンドをコントローラに
中継するように構成されてもよい。その際、ウェアラブルデバイスは、tо-useアプ
リケーション(to-use application)で構成されてもよい。このようなアプリケーション
は、更に、スマートフォン、タブレット、パームトップ等の外部デバイスと一体化されて
もよい。ユーザ入力部は、ユーザに機械的刺激を送達するように構成された表面と実質的
に対向して配置されてもよい。ユーザ入力部を実質的に表面の反対側に配置することによ
り、ウェアラブルデバイスを装着したときに(例えば、ユーザに機械的刺激を送達するよ
うに構成された表面がユーザの皮膚に接着している、またはさもなければユーザの皮膚に
接触している場合に)、ユーザ入力部への容易かつ簡単なアクセスを可能にすることがで
きる。これは、立ちすくみ、振戦、こわばりまたは減速を患っている個人にとって特に有
益であり得る。
【0020】
ユーザ入力部は、少なくとも1つの刺激要素に異なる出力を提供するように指示するた
めの1つ以上のコマンドを受信するように構成されてもよい。ユーザ入力部は、コントロ
ーラにより、少なくとも1つの刺激に第1の出力を提供するよう指示させる第1のコマン
ドを少なくとも受信するように構成されてもよい。ユーザ入力部は、コントローラにより
少なくとも1つの刺激要素に第2の出力を提供するよう指示させる、第1のコマンドとは
異なる第2のコマンドを受信するように構成されてもよい。第1の出力は、第2の出力と
は異なる機械的刺激の長さ、周波数、強度、および強度の変化のうちの少なくとも1つで
あることができ、またはそれを含むことができる。例えば、第1の出力は、所定の期間(
例えば、実質的に1分~5分の間、例えば、実質的に2分間)に提供されるパルス状の機
械的刺激を含み得る一方、第2の出力は、コントローラが少なくとも1つの刺激要素にそ
うでない指示をするまで、連続的に提供される実質的に類似のパルス状の機械的刺激を含
むことができる。第1の出力は、短時間で完了することができる特定のタスク(例えば、
靴紐を結ぶ、短いメモを書くまたはタイプする、歯を磨く、道路を横断する等)を補助す
るために有益であり得る。ユーザは、第1の出力が適切である場合には、少なくとも1つ
の刺激要素の出力を積極的に停止させる必要がない場合もある。第2の出力は、例えば、
長時間(例えば、15分までまたは30分まで等、5分以上)にわたるウォーキングまた
は長文を書くあるいはタイプする等の、長さがより明確でなく、より長時間続く可能性が
高いタスクを支援する場合に役立ち得る。
【0021】
第3の態様によれば、パーツキットが提供される。パーツキットは、第1または第2の
態様のウェアラブルデバイスを含むことができる。パーツキットは、ドッキングステーシ
ョンを含むことができる。
【0022】
ドッキングステーションは、(例えば、ウェアラブルデバイスがユーザによって装着さ
れていない場合に)ウェアラブルデバイスを収容するように構成された凹部を備えること
ができる。ドッキングステーションは、凹部内に収容されたときにウェアラブルデバイス
を支持してもよい。ドッキングステーションは、電力を無線で送信するように構成されて
もよい。ドッキングステーションは、ワイヤレス充電送信機を備えることができる。ドッ
キングステーションは、電力を無線送信するように構成された導電性材料の1つ以上のコ
イルまたは巻線を含むことができる。ドッキングステーションは、ウェアラブルデバイス
に電力を無線送信するように構成されてもよい。ドッキングステーションは、ウェアラブ
ルデバイスがドッキングステーションの凹部内に収容されたときに、ウェアラブルデバイ
スに電力を無線送信するように構成されてもよい。ドッキングステーションは、有線接続
を使用して外部電源に接続して、ウェアラブルデバイスに無線送信される(例えば、ワイ
ヤレス充電送信機への)電力を提供するように構成されてもよい。
【0023】
ドッキングステーションは、少なくとも第1の部分および第2の部分を含むことができ
る。第1の部分は、基部であることができ、またはそれを含むことができる。第2の部分
は、蓋またはクロージャであることができ、またはそれを含むことができる。第1の部分
および第2の部分は、一緒に接続されてウェアラブルデバイスのためのハウジングまたは
ケースを形成してもよい。ハウジングまたはケースは、保管中または輸送中にウェアラブ
ルデバイスを保護することができる。第1の部分および第2の部分は、例えば、圧入また
は締まり嵌め、弾性クリップおよびフランジ、または相補的なねじ山のような対応する雄
および雌の係合特性を使用して解放可能に取り付け可能である。第1の部分および第2の
ユニットは、第1の部分および第2の部分が連結または取り付けられた場合に、ウェアラ
ブルデバイスをケース内に確実に包囲するようにドッキングステーションの内部凹部を形
成することができる。
【0024】
第1の部分は、ウェアラブルデバイスを受容するように構成された凹部を含むことがで
きる。第1の部分は、ワイヤレス充電送信機を含むことができる。凹部は、第1の部分の
外面に配置されてもよい。凹部は、第1の部分の上面に配置されてもよい。第1の部分の
下面は、第1の部分の上面と実質的に対向していてもよい。第1の部分は、通常使用時に
下面に載置または立設されてもよい。更に、第1の部分は、後の使用のために追加の接着
剤を収容するためのリザーバを含むことができる。(例えば、ウェアラブルユニットが凹
部内に受け入れられて、ドッキングステーションから無線で電力を受信する場合)第2の
部分は、通常の使用において第1の部分に接続されていなくてもよい。第2の部分は、ウ
ェアラブルデバイスを保管または輸送するために第1の部分に接続されてもよい。
【0025】
ドッキングステーションは、接着材料のリザーバを備えることができる。リザーバ内の
接着材料は、ウェアラブルデバイスに貼付されて、ウェアラブルデバイスをユーザの皮膚
に取り付けることができる。リザーバは、ドッキングステーションの第1の部分に配置す
ることができる。あるいは、リザーバは、ドッキングステーションの第2の部分に配置さ
れてもよい。ドッキングステーションの外面(例えば、端壁または側壁)は、ドッキング
ステーションから交換可能に取り外し可能であり、リザーバ(例えば、ユーザ用)へのア
クセスを提供することができる。リザーバは、接着材料で再充填可能であってもよい。ド
ッキングステーションから交換可能に取り外し可能な外面の大きさは、ウェアラブルデバ
イス(例えば、ユーザに機械的刺激を送達または伝達するように構成された表面)がリザ
ーバ内を通過し、リザーバ内の接着剤に接触し得るのに十分な大きさであり得る。これに
より、必要に応じて、ウェアラブルデバイスに追加の接着剤を容易に貼付することができ
る。
【0026】
第4の態様によれば、ユーザに機械的刺激を印加する方法が提供される。方法は、第1
または第2の態様のウェアラブルデバイスを使用して、ユーザに機械的刺激を印加するス
テップを含み得る。この方法は、立ちすくみ、こわばり、減速または振戦(神経障害に罹
患している個人がしばしば示す)等の物理的症状を緩和するために使用されてもよく、ま
たは、吃音等の言語障害に罹患している人々の話し方における滑らかさを改善するために
使用されてもよい。
【0027】
この方法は、ユーザの胸骨に機械的刺激を印加するステップを含むことができる。この
方法は、ユーザの耳の後部に機械的刺激を印加するステップを含むことができる。この方
法は、ユーザ(例えば、ユーザの胸骨)にパルス状の機械的刺激を印加するステップを含
むことができる。パルス状の機械的刺激は、周期的な機械的刺激であることができ、また
はそれを含むことができる。周期的な機械的刺激の周波数は、実質的に4Hz~0.25
Hzであることができ、実質的に1Hzであり得る。パルス状の機械的刺激を印加するこ
とにより、強度が強すぎる、あるいは高すぎる(不快感や炎症を生じさせ得る)、または
強度が弱すぎる、あるいは低すぎる(立ちすくみ、減速、こわばりまたは振戦等の物理的
症状の緩和に効果が少ない)、一定または連続的な機械的刺激を印加するという欠点を回
避することができる。パルス状の機械的刺激はまた、少なくとも1つの刺激要素の出力の
周波数および強度の変動を可能にすることで、ユーザにキューサインを提供することがで
きる(例えば、パルス状の機械的刺激は、メトロノームまたはタイミングインジケータと
して機能することができる)。規則的、律動的または周期的な変動を含むパルス出力は、
感覚機能障害を調整することができ、ユーザがパルス出力によって提供されるキューに焦
点を合わせることで、パルス状の機械的刺激に対する自身の動きのタイミングを整合する
ことができる。このようにすることで、立ちすくみ、振戦、こわばりまたは減速を更に減
少させることができる。例えば、可視光キューサインまたは聴覚キュー音ではなく、(機
械的刺激を用いて)触知キューサインを提供することは、有益であり得る。可視光および
聴覚キューサインは、ユーザがキューサインに能動的に関与することを必要とする。キュ
ーサインに能動的に焦点を合わせることにより、目的のタスクへの集中力が低下し、意図
した効果とは逆の効果が得られる可能性がある。対照的に、ユーザは、本質的に、能動的
に焦点を合わせる必要なしに機械的な刺激または触知キューを意識することができ、従っ
て、触知キューサインの使用は、運動およびタスクの完了の改善を助けるために大きな利
益を提供することができる。
【0028】
任意に、感覚機能障害を調節する、または神経障害または神経疾患に関連する物理的症
状を緩和するためのウェアラブルデバイスが提供される。ウェアラブルデバイスは、ユー
ザに少なくとも1つの機械的刺激を提供するように構成された少なくとも1つの刺激要素
であって、機械的刺激がパルス出力を含む、少なくとも1つの刺激要素と、少なくとも1
つの刺激要素によって提供される機械的刺激の有効面積を増加させるように構成された消
散部分であって、少なくとも1つの刺激要素に結合された消散部分とを含み、ウェアラブ
ルデバイスは、動作時に、ユーザの身体と物理的に接触している。ユーザは、例えばパー
キンソン病、アルツハイマー病、多発性硬化症等の神経障害または神経疾患を患っている
可能性がある。上記疾患において、患者は、運動に影響を及ぼす神経障害を患っている。
この点に関して、ウェアラブルデバイスは、少なくとも1つの刺激要素によりパルス出力
を生成することを可能にするように構成されている。結果的に、パルス出力は、有効では
あるが、ユーザのためのキューサインとして作用する緩やかな電気的(または振動触覚)
刺激を提供する。パルス出力は、連続波形として、またはバイナリ機械的刺激として生成
され得る規則的、律動的または周期的な変動を含む。バイナリ機械的刺激は、感覚機能障
害の調節を可能にし、かつ、パルス出力に対する自身の動きのタイミングを整合するため
にパルス出力によって提供されるキューにユーザが集中することを可能にする触知キュー
サインを提供する。このようにして、上述した医学的症状に関連する立ちすくみ、振戦、
こわばりまたは減速を更に低減することができる。触知キューサインは、目的のタスクへ
の集中力を損ないつつ能動的に集中する必要なしに、ユーザが本来的に機械的刺激または
触知キューサインを意識することができる故、運動の改善やタスクの完了を助けるのに有
益であり得る。
【0029】
パルス出力は、平衡パルス出力である。平衡パルス出力は、高振幅によって特徴付けら
れる対称的な正の部分(陰極パルス)と、非常に低い振幅、好ましくはゼロであるが、実
質的に等しいパルス持続時間を有することを特徴とする負の部分(陽極パルス)とを生じ
させる。
【0030】
パルス出力は、ユーザの6~50%の改善、好ましくは32%の改善をもたらす。32
%までの改善は、ニューロンの活性化並びにパルス刺激に基づく運動の整合のために観察
される。更に、運動の整合は、パルス出力に対する自身の運動のタイミングを整合するた
めに、パルス出力によって提供されるキューにユーザが焦点を合わせることに関連付けら
れる。このようにすることで、上述した医学的障害に関連した立ちすくみ、振戦、こわば
りまたは減速を更に低減することができる。触知キューサインは、目的のタスクへの集中
力を損ないつつ能動的に集中する必要なしに、ユーザが本来的に機械的刺激または触知キ
ューサインを意識することができる故、運動の改善やタスクの完了を助けるのに有益であ
り得る。
【0031】
ウェアラブルデバイスは、機械的係合によってユーザの身体と物理的に接触し、機械的
係合は、接着剤、ストラップ、ロケット、ブレスレット、バンド、ベルト、真空カップ、
磁石のうちのいずれかによるものである。ユーザの身体、即ち、ユーザの皮膚との物理的
接触により、ウェアラブルデバイスからユーザに触覚刺激を送信することができる。ウェ
アラブルデバイスは、胸骨、腕、肩、手首、首、足首、脚およびこめかみ等の任意の身体
部分に対して配置することができる。前記身体部分は、ユーザによる、および普通の生活
ができなくなったユーザの介護者や家族によるデバイスへの容易なアクセスを可能にする
。ウェアラブルデバイスの魅力的なデザインは、装飾品として誇示されるデバイスとして
の役割を果たす。しかしながら、一部のユーザにとって、ウェアラブルデバイスを見せび
らかすことが快適ではない場合があり、例えば布片の下に隠れている任意の他の身体部分
にデバイスを装着する場合もある。例えば、ウェアラブルデバイスは、大腿部またはユー
ザの背中に配置されてもよい。
【0032】
接着剤用リザーバは、ドッキングステーションの基部またはドッキングステーションの
蓋に設けられ、リザーバは、ドッキングステーションの基部またはドッキングステーショ
ンの蓋から回転可能に取り外し可能である。ウェアラブルデバイスは、例えば接着剤によ
って、ユーザの皮膚に、好ましくは胸骨に取り付け可能である。接着剤は、その裏面に接
着剤の層を含む面ファスナ材料の消耗パッドとして設けられる。ユーザの皮膚に向けて面
するように配置されたループ材の裏面に医療用グレードの接着剤が設けられており、また
、ウェアラブルデバイスの消散部分上等に、ウェアラブルデバイスに向けて面するように
配置されたフック材の裏面には、より強力な接着剤が設けられている。面ファスナ材料は
、フックおよびループによって合わせて取り付けられ、ウェアラブルデバイスをユーザの
身体と物理的に接触させて保持する。接着剤の消耗パッドは、接着剤用リザーバ内の層に
供給および貯蔵される。リザーバの独特の設計は、ウェアラブルデバイスに現在使用され
ている接着剤の消耗パッドが所望の効果を示すことができない場合に、貯蔵された接着剤
の消耗パッドにアクセスすることを可能にする。リザーバの外方に回転することにより、
接着剤の消耗パッドを所定の位置に保持することができ、またドッキングステーションを
最小限のジャークおよび配向変化に曝すことでドッキングステーションの寿命を向上させ
ることができる。
【0033】
任意の態様からの任意の特徴は、任意の他の態様の特徴と任意の組み合わせで組み合わ
せることができる。例えば、第1の態様または第2の態様のデバイスは、第4の態様を参
照して記載された特徴のいずれかを含む方法を使用してもよい。更に、第4の態様の方法
は、第1または第2の態様のデバイスを参照して記載された任意の特徴のいずれかを含む
ことができる。
【0034】
本発明の別個の態様および実施形態に関連して説明される特徴は、一緒に使用されても
よく、および/または可能な限り交換可能であってもよい。同様に、簡素化のために、特
徴が単一の実施形態の文脈で説明されている場合、これらの特徴は、別々に、または任意
の適切なサブコンビネーションで提供されてもよい。本方法に関連して記載された特徴は
、デバイスおよびデバイスの使用に関連して定義可能な対応する特徴を有することができ
、またこれらの実施形態が具体的に想定される。
【0035】
次に、本発明を添付の図面を参照して、単なる例示として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本発明の一実施形態による、凹部を有する消散部分を含むウェアラブルデバイスの図である。
図2】本発明の一実施形態による、アパチャを有する消散部分を含むウェアラブルデバイスの図である。
図3】本発明の一実施形態による、接着剤を含むウェアラブルデバイスの図である。
図4A】本発明の一実施形態による、充電部分を含むウェアラブルデバイスの図である。
図4B】本発明の一実施形態による、充電部分を含むウェアラブルデバイスの図である。
図4C】本発明の一実施形態による、ウェアラブルデバイスのためのユニットまたはケースの図である。
図4D】本発明の一実施形態による、ウェアラブルデバイスのためのユニットまたはケースの図である。
図4E】本発明の一実施形態による、ユニットまたはドッキングステーションを示す。
図4F】本発明の好ましい実施形態による、ユニットまたはドッキングステーションの図である。
図4G】本発明の好ましい実施形態による、ユニットまたはドッキングステーションの図である。
図4H】本発明の好ましい実施形態による、ユニットまたはドッキングステーションの図である。
図4I】本発明の好ましい実施形態による、ウェアラブルデバイスを収容するユニットまたはドッキングステーションの図である。
図4J】本発明の一実施形態による、消耗性接着パッドの図である。
図5】本発明の一実施形態による、少なくとも1つの刺激要素の出力を制御するためのコントローラを含むウェアラブルデバイスの図である。
図6】本発明の一実施形態による、少なくとも1つの刺激要素の出力を示す図である。
図6A】本発明の様々な実施形態による、ウェアラブルデバイスのデューティ比閾値決定を示すグラフである。
図6B】本発明の様々な実施形態による、ウェアラブルデバイスのデューティ比閾値決定を示すグラフである。
図6C】本発明の様々な実施形態による、ウェアラブルデバイスのデューティ比閾値決定を示すグラフである。
図6D】本発明の様々な実施形態による、ウェアラブルデバイスのデューティ比閾値決定を示すグラフである。
図6E】本発明の様々な実施形態による、ウェアラブルデバイスのデューティ比閾値決定を示すグラフである。
図7】本発明の一実施形態による、別のウェアラブルデバイスの図である。
図8】本発明の一実施形態による、ウェアラブルデバイスを動作させるための制御方式を示す図である。
図9A】本発明の一実施形態による、ハウジングおよびインサートを備える別のウェアラブルデバイスの図である。
図9B】本発明の一実施形態による、ハウジングおよびインサートを備える別のウェアラブルデバイスの図である。
図9C】本発明の一実施形態による、ハウジングおよびインサートを備える別のウェアラブルデバイスの図である。
図10】本発明の一実施形態による、ウェアラブルデバイスおよびドッキングステーションの概略図である。
図11A】本発明の一実施形態による、動作時に、モバイルアプリケーションソフトウェアによって追跡するように構成されたウェアラブルデバイスの概略図である。
図11B】本発明の一実施形態による、動作時に、モバイルアプリケーションソフトウェアによって追跡するように構成されたウェアラブルデバイスの概略図である。
図12A】本発明の一実施形態による、モバイルアプリケーションソフトウェアのユーザインタフェースの概略図である。
図12B】本発明の一実施形態による、モバイルアプリケーションソフトウェアのユーザインタフェースの概略図である。
図12C】本発明の一実施形態による、モバイルアプリケーションソフトウェアのユーザインタフェースの概略図である。
図13A】本発明の一実施形態による、モバイルアプリケーションソフトウェアのユーザインタフェースの概略図である。
図13B】本発明の一実施形態による、モバイルアプリケーションソフトウェアのユーザインタフェースの概略図である。
図13C】本発明の一実施形態による、モバイルアプリケーションソフトウェアのユーザインタフェースの概略図である。
図14A】本発明の一実施形態による、モバイルアプリケーションソフトウェアのユーザインタフェースの概略図である。
図14B】本発明の一実施形態による、モバイルアプリケーションソフトウェアのユーザインタフェースの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
多様な図面における同様の参照番号および名称は同様の要素を示すものとする。
【0038】
図1は、本発明によるウェアラブルデバイス100の一実施形態を示す。ウェアラブル
デバイス100は、少なくとも1つの刺激要素102を含む。少なくとも1つの刺激要素
102は、ウェアラブルデバイス100のユーザに少なくとも1つの機械的刺激を提供す
るように構成される。ウェアラブルデバイス100は、消散部分104も含む。消散部分
104は、少なくとも1つの刺激要素102によって提供される機械的刺激の有効面積を
増加させるように構成される。
【0039】
図示の実施形態では、少なくとも1つの刺激要素102は、ウェアラブルデバイス10
0のユーザに振動刺激を提供するように構成されているが、少なくとも1つの刺激要素に
よって提供される機械的刺激はまた、またはその代わりに、圧力あるいは圧力における変
化、ローリング運動、タップまたは他の衝撃等であることができ、またはそれを含むこと
ができる。特に、機械的刺激または衝撃は、筋肉およびニューロンに影響を及ぼす力とし
て受信されることが理解されよう。このような衝撃は、ニュートン(N)単位で測定する
ことができる。図示の実施形態では、少なくとも1つの刺激要素102は、刺激要素が動
作しているときにユーザに振動刺激を提供するように構成されたモータ(例えば、コイン
モータ)を含む。いくつかの実施形態では、モータは、振動触覚刺激を生成するための電
動モータである。いくつかの実施形態では、モータの出力速度は、実質的に5000RP
M~20000RPMであり、例えば、実質的に12000RPMである。いくつかの実
施形態では、モータの幅または直径は、実質的に5mm~20mmであり、例えば、実質
的に10mmである。いくつかの実施形態では、モータの厚さは、実質的に1mm~5m
mであり、例えば、実質的に2mmである。いくつかの実施形態では、モータは、ユーザ
の皮膚に近接して配置されることで、刺激要素が動作しているときにユーザに振動刺激を
提供する。いくつかの実施形態では、モータは、シリコーンのような可撓性または弾性材
料の層で包囲され、続いて、刺激要素が動作しているときにユーザに振動刺激を提供する
ように配置される。あるいは、モータは、シリコーンのような可撓性または弾性材料の層
に着座し、続いて、可撓性または弾性材料の基層を介して皮膚に接触するように配置され
ることで、刺激要素が動作しているときにユーザに振動刺激を提供する。有利には、可撓
性または弾性材料、好ましくはシリコーンの層は、モータに起因する(多くの場合妨げと
なる)騒音を低減し、ユーザにとって快適な振動刺激を提供する。
【0040】
消散部分104は、少なくとも1つの刺激要素102の表面積よりも大きい表面積にわ
たって機械的刺激を伝達することによって、少なくとも1つの刺激要素102によって提
供される機械的刺激の有効面積を増加させるように構成される。いくつかの実施形態では
、消散部分104は、可撓性または弾性材料を含む。例えば、粘弾性材料、またはシリコ
ーン、ゴム、可撓性プラスチック、発泡体等のような粘弾性高分子材料を使用することが
できる。消散部分104は、ユーザの皮膚に(直接的または間接的に、例えば接着剤、ま
たは真空カップを介して)接触するように構成されたウェアラブルデバイス100の(近
位)表面106の少なくとも一部を形成する。表面106は、ユーザに刺激要素102か
らの機械的刺激を送達および/または伝達するように構成される。図示の実施形態では、
少なくとも1つの刺激要素102は、表面106の少なくとも一部も形成する。代替的な
実施形態では、少なくとも1つの刺激要素102は、表面106の一部を形成しなくても
よい(例えば、表面106の一部から後退していてもよい)。刺激要素102は、消散部
分104に設けられてもよく、または収容されてもよい。図示の実施形態では、消散部分
104は、少なくとも1つの刺激要素102と直接接触している。代替的な実施形態では
、消散部分104は、例えば、ウェアラブルデバイス100の1つ以上の他の構成要素を
介して、少なくとも1つの刺激要素と間接的に接触している。いくつかの実施形態では、
消散部分104の直径または幅は、実質的に10mm~40mmである。いくつかの実施
形態では、消散部分104は、少なくとも3mmの厚さを有する、または含む。いくつか
の実施形態では、消散部分104は、凹部またはアパチャ108を含まない消散部分10
4の全ての寸法において、少なくとも3mmの厚さを有する、または含む。例えば、少な
くとも1つの刺激要素102を取り囲む全方向において、消散部分104は、3mm~1
0mmの厚さを有する。
【0041】
図示の実施形態では、消散部分104は、第1の端部(または近位端)104aおよび
第2の端部(または遠位端)104bを有する略円筒形状である、またはそれを含む。「
近位」とは、ユーザの皮膚上に配置可能な端部を指し、「遠位」とは、反対または最外端
を指す。消散部分104は、他の形状(例えば、三角形、正方形、五角形またはその他の
多角柱形状)を有する、または含むことができる。第1の端部104aは、ユーザの皮膚
に接触するように構成された表面106の少なくとも一部を形成する。図示の実施形態で
は、消散部分104の第1の端部104aは、凹部108を含む。少なくとも1つの刺激
要素102は、凹部108内に収容されるように構成されている。図示の実施形態では、
少なくとも1つの刺激要素102は、(凹部108を示す実線で示すように、少なくとも
1つの刺激要素102が凹部108と実質的に同じ大きさになるように)凹部108を全
方向に実質的に満たしている。このようにして、消散部分104は、少なくとも1つの刺
激要素102が露出した状態で残る、第1の端部104aを除いて、少なくとも1つの刺
激要素102を包囲するように構成される。代替的な実施形態では、少なくとも1つの刺
激要素102は、凹部108よりも小さい(凹部108を示す破線で示すように、凹部1
08が少なくとも1つの刺激要素102によって満たされない更なる深さを含むように、
しかしながら、凹部108が少なくとも1つの刺激要素102に対して更なる深さおよび
更なる幅の一方または両方を含むことができることが理解されよう)。このような実施形
態では、凹部108は、少なくとも1つの刺激要素102と、ウェアラブルデバイス10
0の1つ以上の他の構成要素(例えば、少なくとも1つの刺激要素102に電力を供給す
るように構成されたバッテリのような電源)との組み合わせによって実質的に満たされる
ように構成される。図示された実施形態では、凹部108は、消散部分104の形状と実
質的に類似した形状を有する、または含むが、凹部108は、別の形状(例えば、少なく
とも1つの刺激要素102の形状および/またはウェアラブルデバイス100の1つ以上
の他の構成要素の形状に実質的に類似する形状)を有する、または含むことができる。一
実施形態では、刺激要素102は、少なくとも横方向(即ち、近位-遠位方向に実質的に
垂直)において、凹部108内に緊密な締まり嵌めを有することができる。付加的または
代替的に、任意の/全方向に緊密な締まり嵌めがなくてもよく、他の手段を設けて、刺激
要素102と消散部分104との間を接続させる、または接続を形成してもよい。
【0042】
図示の実施形態では、表面106(の少なくとも一部)を形成するために、少なくとも
1つの刺激要素102が凹部108内に受け入れられる場合、少なくとも1つの刺激要素
102は、凹部108の口部と実質的に面一である。代替的な実施形態では、少なくとも
1つの刺激要素102は、凹部108の口部から後退しており、表面106の一部を形成
しない(しかしながら、消散部分104は、機械的刺激が、少なくとも1つの刺激要素1
02よりも大きい有効面積にわたって依然として拡散されることを確実とする)。図示の
実施形態では、第2の端部104bは、消散部分104の略円筒形状の閉鎖端部を含む。
第2の端部104bは、ウェアラブルデバイス100の外側または遠位の表面を形成する
ように構成される。
【0043】
代替的な実施形態では、図2に示すように、第2の端部104bは開口しており、凹部
108は、消散部分104から開口した第2の端部104bまで貫通して消散部分104
を貫通するアパチャ(例えば、両端にて開口した凹部)を形成する。いくつかのこのよう
な実施形態では、少なくとも1つの刺激要素102およびウェアラブルデバイス100の
任意の他の構成要素が凹部またはアパチャ108内に確実に固定または配置された状態を
維持するように、更なるキャッピング層110が設けられる。代替的な実施形態では、キ
ャッピング層は設けられていない。(ウェアラブルデバイス100の構成要素が互いに十
分に密接して、かつ十分な力で、凹部またはアパチャ108内で接触することで、ウェア
ラブルデバイス100の1つ以上の構成要素がアパチャまたは凹部108から意図せず逃
げるのを防止するように、)少なくとも1つの刺激要素102およびウェアラブルデバイ
ス100の1つ以上の他の構成要素を、例えば、摩擦嵌合または接着剤を使用して、アパ
チャ108内に固定することができる。キャッピング層110は、ウェアラブルデバイス
100の外面を形成するように構成される。いくつかの実施形態では、キャッピング層1
10は、消散部分104と同じ材料である、または、同じ材料を含む。
【0044】
いくつかの実施形態では、消散部分104(および、任意に、少なくとも1つの刺激要
素102)によって少なくとも部分的に形成された近位表面106は、ユーザの皮膚に直
接接触するように構成される。例えば、いくつかの実施形態では、ウェアラブルデバイス
100は、ブレスレット、ペンダント、アンクレット、アームバンド、リストバンド、ま
たは、アイテムをユーザが着用する際に、表面106がユーザの皮膚に接触するように配
置されるよう、ユーザによって着用されるように構成された他のアイテムのうちの1つに
組み込まれる。ユーザによって着用されるアイテムは、ウェアラブルデバイス100をユ
ーザの皮膚に保持し、ウェアラブルデバイス100の表面106とユーザの皮膚との間の
接触圧力を維持するように構成される。
【0045】
代替的な実施形態では、図3に示すように、近位表面106は、表面106をユーザの
皮膚に接着するように構成された接着剤112(例えば、接着剤の層)を含む、またはそ
れが設けられている。いくつかのこのような実施形態では、接着剤112は、医療用グレ
ードの接着剤であることができ、またはそれを含むことができる。好適な接着剤は、例え
ば、DuploMED ELE77301である。いくつかの実施形態では、接着剤11
2は、長期にわたり、例えば7日間まで、表面106をユーザの皮膚に接着するように構
成される。いくつかの実施形態では、接着剤112は、ユーザの快適性および清潔性を維
持するために、防水性、発汗防止性および通気性のうち少なくとも1つを有する。いくつ
かの実施形態では、接着剤112は、ユーザの快適性および清潔性を維持するために、耐
水性、耐汗性のうちの少なくとも一方を有する。有利には、防水性および発汗防止性の接
着剤は、例えば、入浴、ウォーターアクティビティ等の期間のような高湿条件下でウェア
ラブルデバイスを使用することを可能にする。更に、接着剤112は、皮膚が年齢に伴い
より脆弱かつ敏感な高齢の患者への使用に適している。いくつかの実施形態では、防水性
および発汗防止性の接着剤は、普通に生活ができない患者のために、湿気の拭き取りのよ
うな患者介護を可能にする。接着剤112は耐久性があり、接着剤112を頻繁に交換す
る必要性を低減する。更に、接着剤112の耐水性および耐汗性により、14日間以上連
続的にウェアラブルデバイスを使用することが可能となる。通気性接着剤は、皮膚に優し
い医療用グレードの接着剤であり、ユーザの皮膚の接着剤への長時間の曝露に伴う潜在的
な炎症を防止する。
【0046】
いくつかの実施形態では、ウェアラブルデバイスは、ウェアラブルデバイス100がユ
ーザに接着されていないときに接着剤112を被覆および保護するように構成されたカバ
ー114を備える。カバー114は、アクリルフィルムまたは層であることができ、また
はそれを含むことができる。カバー114は、(例えば、カバー114を接着剤112か
ら剥離することによって)接着剤112から取り外し可能であり、かつ接着剤112上で
交換可能であるように構成される。いくつかの実施形態では、カバー114は、接着剤1
12からカバー114を取り外すために、および/または、接着剤112上のカバー11
4を交換するために、ユーザがカバー114を容易に保持することを可能にするタブ11
4aを含む。いくつかの実施形態では、接着剤112は、ウェアラブルデバイス100を
封止し、かつ、消散部分104内にウェアラブルデバイス100の構成要素を保持するの
を支援するように構成される。いくつかの実施形態では、接着剤112は、凹部108内
に受容されるように構成された材料の軟質(例えば、容易に圧縮可能な)層の上に(少な
くとも部分的に)配置される。いくつかの実施形態では、材料の軟質層は、表面106の
少なくとも一部を形成するように構成される。いくつかの実施形態では、表面106が、
貼付または配置される接着剤112のために平坦な表面であることを確実にするために材
料の軟質層を使用する。材料の軟質層は、例えば、消散部分104と少なくとも1つの刺
激要素102との間の表面の何らかの隙間または破断を満たす。(少なくとも1つの刺激
要素102が、ユーザの皮膚に接触し、ユーザに機械的刺激を送達するように構成された
表面106の一部を形成しないように、)例えば、少なくとも1つの刺激要素102が、
消散部分104の第1の端部104aまたは凹部108から後退している場合、材料の軟
質層は、少なくとも1つの刺激要素102を被覆または包囲して、配置または貼付される
接着剤112のための実質的に一定の水平面(例えば、消散部分104の凹部108の口
部と同じ高さ)を提供する。あるいは、少なくとも1つの刺激要素102が凹部の口部と
面一であるが、凹部108の直径にわたって延在していない場合、材料の軟質層は、少な
くとも1つの刺激要素102を包囲することで(例えば、凹部108内の少なくとも1つ
の刺激要素102の周囲の空間を実質的に充填して)、配置または貼付される接着剤11
2のための実質的に一定の水平面を提供する。材料の軟質層は、ウレタン(例えば、医療
用ウレタン)、ゴム、シリコーンまたは他の可撓性材料であることができ、またはそれを
含むことができる。材料の軟質層は、表面106がユーザの皮膚と接触しているときに、
ユーザに対するウェアラブルデバイス100の快適性を向上させることができる。材料の
軟質層は、凹部108内に永久的に配置されていなくてもよく、(例えば、ユーザがウェ
アラブルデバイス100を順次装着する間に)取り外し可能であっても、または交換可能
であってもよい。材料の軟質層は、凹部108に挿入される前に接着剤112でコーティ
ングされてもよい。材料の軟質層は、材料の軟質層、接着剤112およびカバー114を
含むインサートの一部として提供されてもよい。接着剤112は、カバー114と材料の
軟質層との間に挟まれてもよい。材料の軟質層は、凹部108内に挿入されて、少なくと
も1つの刺激要素102を包囲または被覆して、実質的に水平な表面106を形成するこ
とができる。続いて、ウェアラブルデバイス100をユーザの皮膚に接着するために、カ
バー114を取り外して接着剤112を露出させることができる。
【0047】
図4Aおよび図4Bは、本発明によるウェアラブルデバイス200の実施形態を示す。
ウェアラブルデバイス200は、上記のウェアラブルデバイス100に関連して説明され
たものと実質的に同様の特徴を含む(関連する場合、同様または対応する参照番号が使用
されている)。ウェアラブルデバイス200は、充電部分216を含む。(充電部分21
6により充電するように構成されているバッテリ等のウェアラブルデバイス200の電源
を介して直接的または間接的に、)少なくとも1つの刺激要素202に給電するように電
力を供給するために、充電部分216は、電力を受信するように構成される。図示の実施
形態では、充電部分216は、外部電源から無線で電力を受信するように構成されている
。いくつかの実施形態では、充電部分216は、外部電源(例えば、1つ以上の給電され
たコイルまたは巻線)から無線で電力を受信するように構成された1つ以上のコイルまた
は巻線である、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のコイルまたは巻
線は、リッツ線または銅線であることができ、またはそれを含むことができる。いくつか
の実施形態では、充電部分216は、有線接続(例えば、ピン充電または他の適切な方法
)を介して外部電源から電力を受信するように構成される。
【0048】
図示の実施形態では、充電部分216は、凹部208内に受容される、または位置する
ように構成される。図4Aに示す実施形態では、充電部分216は、凹部208内の少な
くとも1つの刺激要素202を少なくとも部分的に包囲する。充電部分216は、少なく
とも1つの刺激要素202を少なくとも部分的に受容するように構成された凹部218を
含む。代替的な実施形態では、凹部218は、充電部分216の厚さを貫通して、充電部
分216を貫通するアパチャを形成する。このような実施形態では、少なくとも1つの刺
激要素202は、凹部またはアパチャ218内に少なくとも部分的に収容される。いくつ
かの実施形態では、充電部分216は、充電部分216が表面206の一部を形成しない
ように、消散部分204の凹部208内に収容される。即ち、充電部分216は、凹部2
08内に収容されたときに、消散部分204の第1の端部204aから後退している。従
って、図4Aに示すようないくつかの実施形態では、少なくとも1つの刺激要素202は
、充電部分216から突出している(例えば、面一ではない)。図4Bに示すような代替
的な実施形態では、充電部分216は、少なくとも1つの刺激要素202を少なくとも部
分的に受け入れるように構成された凹部を含まない。むしろ、充電部分216と少なくと
も1つの刺激要素202との両方が、互いに重複することなく、凹部208内で受け入れ
られる。いくつかの実施形態では、充電部分216および少なくとも1つの刺激要素20
2は、互いに重なり合うように凹部208内に配置される。少なくとも1つの刺激要素1
02は、充電部分216よりも凹部208の口部により近接して配置される。図示の実施
形態では、少なくとも1つの刺激要素202は、表面206の一部を形成するが、代替的
な実施形態では、少なくとも1つの刺激要素202は、消散部分204の第1の端部20
4aから後退している。図4Aまたは図4Bの実施形態では、刺激要素202は、消散部
分204と直接的に接触していないか、または部分的にのみ直接的に接触しているかのい
ずれかである。しかしながら、刺激は、依然として、充電部分216を介して消散され、
伝達されることができる。凹部208内のウェアラブルデバイス200の構成要素の空間
的配置は、上述した構成とは異なるように配置されてもよいことが理解されよう。いくつ
かの実施形態では、充電部分216は、凹部208内の最大空間を占有する一方で、ウェ
アラブルデバイス200の他の構成要素も凹部208内に配置することができるような形
状を備え、および/またはそのように凹部内に配置される。充電部分216の最大体積は
、ウェアラブルデバイス200のバッテリ寿命を最大化または増加させることができる。
【0049】
好ましい実施形態では、充電部分216は、有線接続を介して外部電源から電力を受信
するように構成される。この点について、ウェアラブルデバイス200は、外部電源に対
して他端にて接続された有線コネクタの充電ヘッドを受け入れるための受入溝を有する充
電スロット(図示せず)を備える。充電スロットの受入溝は、受入溝に相補的な大きさお
よび形状を有する有線コネクタの充電ヘッドを収容するように適切な大きさおよび形状を
有する。この点について、充電スロットの受入溝および有線コネクタの充電ヘッドは、ロ
ックおよびキーとして機能する。充電ヘッドは、限定するものではないが、様々なサイズ
の円筒状ピン、USB、またはユニバーサルAC-DCコネクタを含む、多様な形状およ
びサイズを有することができる。一実施形態では、充電スロットは、USBフォームファ
クタ、例えば、USB-Aコネクタ、USB-Bコネクタ、またはUSB-Cコネクタの
有線コネクタを受け入れるように成形される。別の実施形態では、充電スロットは、ピン
型の有線コネクタ、例えばポゴピンコネクタを受け入れるように成形される。更に別の実
施形態では、充電スロットは、2ピン充電式の有線コネクタを受け入れるように成形され
る。
【0050】
いくつかの実施形態では、ウェアラブルデバイス200は、5Vの電圧が印加されると
、53ミリアンペア(mA)~110ミリアンペア(mA)の範囲の充電率で充電される
。5Vは、ウェアラブルデバイス200の電子回路におけるバッテリまたは電力供給源に
よって供給される直流電圧である。いくつかの実施形態では、電圧は、2.5~5Vの範
囲、任意に、2.9~3Vである。いくつかの実施形態では、電圧は3Vである。いくつ
かの実施形態では、電圧は2.5~5Vの範囲である。更に、このような電圧条件では、
LEDが5mAの最大電流まで駆動される。この明るさは、ライトガイドを介して十分に
視認できない可能性があることが理解されよう。ウェアラブルデバイス200の電力調整
機能は、3V3レギュレータの出力に2.999Vの測定値を提供する。いくつかの実施
形態では、ウェアラブルデバイス200は、二重極性充電用に設計される。いくつかの実
施形態では、全ての異なるタイプの充電スロット(またはポート)に加えて、ウェアラブ
ルデバイス200は、バッテリポートおよびプログラミングポートを備える。
【0051】
いくつかの実施形態では、ウェアラブルデバイス200の構成要素は、所望の温度およ
び湿度に適している。いくつかの実施形態では、ウェアラブルデバイス200は、1の湿
度感度レベル(MSL)を有し、動作温度は、0℃~125℃の範囲である。いくつかの
実施形態では、ウェアラブルデバイス200は、1の湿度感度レベル(MSL)を有し、
動作温度は、-40℃~85℃の範囲である。いくつかの実施形態では、ウェアラブルデ
バイス200は、1の湿度感度レベル(MSL)を有し、動作温度は、-40℃~125
℃の範囲である。
【0052】
図4C図4D、および図4Eは、ユニットまたはドッキングステーション250を示
す。ユニット250は、ウェアラブルデバイス200がユーザによって装着されていない
ときにウェアラブルデバイス200を固定および保持するように構成されている。図示の
実施形態では、ユニット250は、ウェアラブルデバイス200を受容するように構成さ
れた凹部252を含む。凹部252は、ウェアラブルデバイス200が配置されるように
構成された受容面252aを含む。凹部252は、受容面252a上でのウェアラブルデ
バイス200の移動を阻止するように構成された包囲壁252bも含む。図示の実施形態
では、包囲壁252bは、受容面252aの周辺部の周囲の受容面252aに対して高さ
が異なる。包囲壁252bは、主として、受容面252aの周辺部の半分に連続して配置
される。図示の実施形態では、受容面252aは、包囲壁252bに向けて鋭角(90°
未満、例えば、実質的に15°~25°)で傾斜している。受容面252aと包囲壁25
2bとの間の角度は、ウェアラブルデバイス200を受容面252aに保持するのに役立
ち、またウェアラブルデバイス200が受容面252aから意図せず落下するのを防止す
る。図示された実施形態では、ユニット250内の凹部252の下には、ユニット250
のワイヤレス充電送信機254(図示しないが、位置は描写されている)が配置される。
ワイヤレス充電送信機254は、ウェアラブルデバイス200の充電部分216に無線で
電力を送信するように構成される。いくつかの実施形態では、ワイヤレス充電送信機25
4は、導電性材料の1つ以上のコイルまたは巻線である、またはそれを含む。ユニット2
50は、更に、ユニット250を外部電源(例えば、商用電源)に接続して、ワイヤレス
充電送信機254に電力を供給するように構成された電力接続部256を備える。電力接
続部256は、外部電源への有線接続を受信するように構成される。このように、ユニッ
ト250を商用電源等の外部電源に接続することにより、充電部分216をワイヤレス充
電することができるワイヤレス充電送信機254に電力が供給される。
【0053】
図示の実施形態では、凹部252は、ユニット250の、第1の部分または基部251
の外面251aに配置される。通常の使用において、外面251aは、凹部252に収容
されているときに第1の部分または基部251がウェアラブルデバイス200を支持する
ように、第1の部分251の上面であってもよい。電力接続部256は、第1の部分25
1に配置される。いくつかの実施形態では、ユニット250は、更に、第2の部分258
を含む。第2の部分258は、効率的に第1の部分251の凹部252を閉鎖するように
構成された蓋またはカバーである、またはそれを含む。第2の部分258および第1の部
分251は、例えば、圧入または摩擦嵌め、弾性クリップおよびフランジまたは相補的ね
じ山のような対応する雄および雌係合特性を使用して、互いに解放可能に取り付け可能で
ある。第2の部分258は、第1の部分251の凹部252と相補的な凹部259を含む
。また、第2の部分258が第1の部分251に取り付けられると、凹部259および凹
部252は、(例えば、ウェアラブルデバイス200の移動を防止するために)ウェアラ
ブルデバイス200を内部凹部内に確実に包囲するように構成された、ユニット250の
内部凹部を形成する。このように、ユニット250は、例えば、保管中または輸送中に、
ウェアラブルユニット200のケースとして機能するように構成される。
【0054】
いくつかの実施形態では、ユニット250の第1の部分251は、第1の部分251内
に、ウェアラブルデバイス200をユーザの皮膚に接着するための更なる接着剤を収容ま
たは貯蔵することができるリザーバ260(図4Eに示す)を含む。いくつかの実施形態
では、第1の部分251の外面251a´(例えば、端壁または側壁)の一部は、第1の
部分251から取り外し可能(交換可能)であり、リザーバ260へのアクセスを提供す
る。いくつかの実施形態では、外面251aは、第1の部分251から取り外すために外
面251a´の部分に力を印加することを可能にするノッチ251a´´を含む。いくつ
かの実施形態では、リザーバ260は再充填可能である。更なる接着剤は、リザーバ26
0から個別に回収可能であり、かつウェアラブルデバイス200に別個に貼付され得る、
個別の接着剤の別個の層(例えば、接着剤の積層)でリザーバ260に提供され得る。
【0055】
図4F図4Gおよび図4Hは、本発明の好ましい実施形態によるユニットまたはドッ
キングステーション270を示す。ユニット270は、ウェアラブルデバイス200がユ
ーザによって装着されていないときにウェアラブルデバイス200を固定および保持する
ように構成される。図示の実施形態では、ユニット270は、一端で基部274(以下、
第1の部分と称する)に取り付けられた蓋272(以下、第2の部分と称する)を有する
単一の本体を含む。図示したように、ユニット270は、ウェアラブルデバイス200を
受容するように構成された凹部276(図4Gに示す)を含む。凹部276は、ウェアラ
ブルデバイス200が配置されるように構成された受容面276a(図4Gに示す)を含
む。凹部276は、受容面276a上のウェアラブルデバイス200の移動を防止するよ
うに構成された包囲壁(図示せず)も含む。図示の実施形態では、包囲壁は、受容面27
6aの周辺部の周囲の受容面276aに対して高さが異なる。周囲壁は、主に、受容面2
76aの周辺部の半分に連続して配置される。図示の実施形態では、受容面276aは、
包囲壁に向けて鋭角(90°未満、例えば、実質的に15°~25°)で傾斜している。
受容面276aと包囲壁との間の角度は、ウェアラブルデバイス200を受容面276a
に保持するのに役立ち、またウェアラブルデバイス200が受容面276aから意図せず
落下するのを防止する。いくつかの実施形態では、受容面276aは、小さな磁石(図示
せず)を含む。受容面276aの磁石は、ウェアラブルデバイス200を受容面276a
に保持するのに役立つ。ウェアラブルデバイス200は、潜在的に磁気的であり、また、
受容面276aにおける磁石のような他の磁石の反対の極に引き付けられる様々な構成要
素を含むことが理解されよう。ユニット270は、更に、ユニット270を外部電源(例
えば、商用電源)に接続して、ウェアラブルデバイス200に電力を供給するように構成
された電力接続部278(または充電スロット)を備える。いくつかの実施形態では、ユ
ニット270は、更に、ウェアラブルデバイスをワイヤレスで充電するように構成される
。この点について、ユニット270は、ウェアラブルデバイス200に無線で電力を送信
するように構成されてもよい。ユニット270は、ウェアラブルデバイス200がユニッ
ト270の凹部276内に受容されたときに、電力を無線送信するように構成されてもよ
い。ユニット270は、電力を無線送信するように構成された、導電性材料の1つ以上の
コイルまたは巻線のようなワイヤレス充電送信機を含むことができる。
【0056】
図示の実施形態では、凹部276は、ユニット270の第1の部分(即ち、基部)27
4の外面274aに配置される。通常の使用において、外面274aは、凹部276に受
容されているときに第1の部分274がウェアラブルデバイス200を支持するように、
第1の部分274の上面であってもよい。電力接続部278は、第1の部分274に配置
される。ユニット270の第2の部分(即ち、蓋)272は、第1の部分274の凹部2
76を閉鎖するように構成される。第2の部分272および第1の部分274が、例えば
、クランプファスナのようなファスナ等の対応する雄および雌係合特性を使用して、互い
に解放可能に取り付けられて、凹部276へのアクセスを可能にするように、第2の部分
272および第1の部分274は、端部280にて互いに接続されている。第2の部分2
72は、第1の部分274の凹部276と相補的な凹部282を含む。また、第2の部分
272が第1の部分274に取り付けられると、凹部282および凹部276は、(例え
ば、ウェアラブルデバイス200の移動を防止するために)ウェアラブルデバイス200
を内部凹部内に確実に包囲するように構成されたユニット270の内部凹部を形成する。
第2の部分272および第1の部分274は、その閉鎖端にて磁石片によって互いに取り
付けられることにより、ウェアラブルデバイス200を確実に包囲する。このように、ユ
ニット270は、例えば、保管中または輸送中に、ウェアラブルユニット200のケース
として機能するように構成される。
【0057】
図示された実施形態では、更なる接着剤を収容または貯蔵するためのリザーバ284が
ユニット270内に配置される。リザーバ284内の更なる接着剤は、使用時に、ウェア
ラブルデバイス200と、ウェアラブルデバイス200をユーザの皮膚に取り付けるため
にユーザの皮膚とに貼付するために使用可能である。図示するように、リザーバ284は
、ユニット270の第1の部分274に配置される。このような実施形態では、リザーバ
284を収容する、ユニット270の外面286(例えば、端壁または側壁)の一部が、
ユニット270から交換可能に取り外し可能であることで、リザーバ284へのアクセス
を提供する。リザーバ284は、リザーバ284を収容する外面286の一部を外方に回
転させることにより、交換可能に取り外し可能である。リザーバ284の大きさは、ウェ
アラブルデバイス200、例えば、ユーザに機械的刺激を送達または伝達するように構成
されたその表面(図示せず)をリザーバ284内に通過させ、リザーバ284内の更なる
接着剤と接触させるのに十分な大きさである。これにより、必要に応じて、ウェアラブル
デバイス200に更なる接着剤を容易に貼付することができる。いくつかの実施形態では
、リザーバ284は、更なる接着剤で再充填可能である。図示された実施形態では、リザ
ーバ284は、1つ以上の消耗性接着パッド288の形態で、更なる接着剤を収容または
貯蔵する(図4Gに示す)。1つ以上の消耗性接着パッド288は、リザーバ284から
個別に回収可能であり、かつウェアラブルデバイス200に個々に(または別個に)貼付
され得る、個別の別個の層(例えば、接着パッド288の積層)でリザーバ284に提供
される。1つ以上の消耗性接着パッド288は、ウェアラブルデバイス200の表面に対
応する(または取り付け可能な)側面がリザーバ284から露出するようにリザーバ28
4内に配置される。ウェアラブルデバイス200がリザーバ284内で押圧されると、消
耗性接着パッド288(上層)がウェアラブルデバイス200の表面に移送される。他(
または底層)の消耗性接着パッド288は、このプロセスの間、リザーバ284内に保持
される。消耗性接着パッド288は、カバーを容易に取り外すことを可能にするタブを有
する剥離可能なカバーを備える。
【0058】
いくつかの実施形態では、リザーバ284は、ユニット270の第2の部分272内に
配置される。同様に、第1の部分274のリザーバ内に1つ以上の消耗性接着パッド28
8を配置するために、1つ以上の消耗性接着パッド288は第2の部分272内に配置さ
れる。
【0059】
図4Iは、本発明の好ましい実施形態によるウェアラブルデバイス200を収容するユ
ニットまたはドッキングステーション270を示す。ユニット270は、ウェアラブルデ
バイス200がユーザによって装着されていない場合に、ウェアラブルデバイス200を
固定および保持するように構成されている。
【0060】
図示の実施形態では、ユニット270は、上述したように、一端が基部274(以下、
第1の部分と称する)に取り付けられた蓋272(以下、第2の部分と称する)を有する
単一の本体を含む。図示のように、ウェアラブルデバイス200は、ユニット270の凹
部276に受容される。具体的には、ウェアラブルデバイス200は、凹部276内の受
容面276aに配置される。より具体的には、受容面276aは、受容面276a上のウ
ェアラブルデバイス200の移動を防止するように構成された包囲壁(図示せず)によっ
て傾斜および包囲されている。ユニット270の第2の部分(即ち、蓋)272は、第1
の部分274の凹部276を閉鎖するように構成される。第2の部分272および第1の
部分274が、例えば、クランプファスナのようなファスナ等の対応する雄および雌係合
特性を使用して、互いに解放可能に取り付けられて、凹部276へのアクセスを可能とす
るように、第2の部分272および第1の部分274は、端部280にて互いに接続され
ている。第2の部分272は、第1の部分274の凹部276と相補的な凹部282を含
む。また、第2の部分272が第1の部分274に取り付けられると、凹部282および
凹部276は、(例えば、ウェアラブルデバイス200の移動を防止するために)ウェア
ラブルデバイス200を内部凹部内に確実に包囲するように構成されたユニット270の
内部凹部を形成する。第2の部分272および第1の部分274は、その閉鎖端にて磁石
片で互いに取り付けられることにより、ウェアラブルデバイス200を確実に包囲する。
このように、ユニット270は、例えば、保管中または輸送中に、ウェアラブルユニット
200のケースとして機能するように構成される。ウェアラブルデバイス200は、ユニ
ット270に配置された更なる接着剤を収容または貯蔵するためのリザーバ284から接
着剤の層を受け取る。更に、リザーバ284を含むユニット270の外面286の一部は
、外方に回転することによってユニット270から交換可能に取り外し可能であることで
、リザーバ284へのアクセスを提供する。リザーバ284の大きさは、ウェアラブルデ
バイス200、例えば、ユーザに機械的刺激を送達または伝達するように構成されたその
表面(図示せず)をリザーバ284内に通過させ、リザーバ284内の更なる接着剤と接
触させるのに十分な大きさである。これにより、必要に応じて、必要なときに、1つ以上
の消耗性接着パッド288の形態で、ウェアラブルデバイス200に更なる接着剤を容易
に貼付することができる。
【0061】
図4Jは、消耗性接着パッド288を示す。消耗性接着パッド288は、Velcro
(登録商標)等の接着剤を含む面ファスナを含む。面ファスナは、フック層290および
ループ層292を備える。フック層290およびループ層292は、フック層290にお
ける小さなフックと、ループ層292における小さなループとによって互いに結合するよ
うに構成されている。フック層290およびループ層292が一緒に押されると、フック
がループ内に捕捉され、2つの層が一時的に締結または結合する。2つの層は、フック層
290からループ層292を引っ張るまたは引き剥がすことにより分離される。フック層
290およびループ層292のそれぞれの裏面は、接着剤を含む。フック層290および
ループ層292上の接着剤は、異なるグレードおよび強度である。図示したように、消耗
性パッド288は、フック層290に結合された、接着剤294の第1の層と、ループ層
292に結合された、接着剤296の第2の層とを含む。消耗性接着パッド288は、ル
ープ層292に結合された、接着剤296の第2の層によってユーザの皮膚に取り付けら
れ、また、フック層290に結合された、接着剤294の第1の層によってウェアラブル
デバイス200の表面に取り付けられるように配置される。従って、接着剤296の第2
の層は、ユーザの皮膚と結合するため医療用グレードの接着剤であり、接着剤294の第
1の層は、ウェアラブルデバイス200と結合するためより強力な接着剤である。
【0062】
ウェアラブルデバイス200は、消耗性接着パッド288を使用してユーザの皮膚上に
配置することができる。ウェアラブルデバイス200は、消耗性接着パッド288のフッ
ク層290を接着剤294の第1の層を介してウェアラブルデバイス200上に取り付け
たままとしつつ、消耗性接着パッド288のループ層292を接着剤292の第2の層を
介して皮膚上に取り付けたままにした状態で、充電のため、または非使用時に取り外すこ
とができる。これにより、ウェアラブルデバイス200を充電している間に、所定の時間
にわたり、同じ消耗性接着パッド288を使用することが可能となる。最終的に、消耗性
接着パッド288を必要な日数、例えば14日以上、例えば20日間使用した場合には、
消耗性接着パッド288を除去することができ、上述のプロセスを使用して新しい消耗性
接着パッド288を貼付することができる。あるいは、消耗性接着パッド288がユーザ
の皮膚またはウェアラブルデバイス200に所望の接着を提供できない場合には、消耗性
接着パッド288を交換することができる。更に、フック層290は、数年ではないにし
ても数ヶ月は十分に持つほど強力である。しかしながら、フック層290が摩耗した場合
にも、フック層290をウェアラブルデバイス200から取り外すことができる。
【0063】
図5は、本発明によるウェアラブルデバイス300の一実施形態を示す。ウェアラブル
デバイス300は、上記のウェアラブルデバイス100およびウェアラブルデバイス20
0に関連して説明されたものと実質的に同様の特徴を含む(関連する場合には、同様また
は対応する参照番号が使用される)。ウェアラブルデバイス300は、コントローラ32
0を備える。
【0064】
コントローラ320は、少なくとも1つの刺激要素302の出力を制御するように構成
される。いくつかの実施形態では、コントローラ320は、少なくとも1つの刺激要素3
02の出力の強度(振幅)、持続時間および周波数のうちの少なくとも1つを制御するよ
うに構成される。例えば、いくつかの実施形態では、図6に示すように、コントローラ3
20は、少なくとも1つの刺激要素302にパルス(例えば、振動、圧力印加、ローリン
グ運動あるいはタッピングまたは他の衝撃のパルス)で出力させるように構成される。図
6は、パルス状の波形を示す。少なくとも1つの刺激要素302から出力される、図6
示すパルス状の波形を実現するために、コントローラ320は、出力強度に周期的な変動
を有する少なくとも1つの刺激要素302の連続的な出力(無期限または所定の時間にわ
たる)を生じさせるように構成される。例えば、各期間Pの第1のセグメントS1におい
て、少なくとも1つの刺激要素302からの出力強度は、期間Pの第2のセグメントS2
において第2の強度レベルI2に戻る前に、第2の強度レベルI2から第1の強度レベル
I1に減少してもよい(またはその逆も同様)。図6に示す出力では、第1の強度レベル
11から第2の強度レベルI2への出力強度の増加は、実質的に線形である。第2の強度
レベルI2から第1の強度レベルI1への出力強度における減少もまた、実質的に線形で
ある。しかしながら、第2の強度レベルI2から第1の強度レベルI1への出力強度の変
化率は、第1の強度レベルI1から第2の強度レベルI2に比べてはるかに大きい。セグ
メントS1およびセグメントS2における変化率の差は、少なくとも1つの刺激要素30
2の出力にパルス効果を提供する。
【0065】
図6に示す例示的な波形において、各期間Pにおける第1のセグメントS1の持続時間
は、期間Pの合計持続時間の約15%である。代替的な実施形態では、各期間Pの第1の
セグメントS1の持続時間は、期間Pの合計持続時間の実質的に5%~25%である。い
くつかの実施形態では、各期間Pの合計持続時間は、約1秒(例えば、約1Hzの周波数
)である。代替的な実施形態では、各期間Pの合計持続時間は、実質的に0.25秒~4
秒(例えば、実質的に4Hz~0.25Hzの周波数)である。いくつかの実施形態では
、各期間Pの合計持続時間は、実質的に0秒~300秒(例えば、実質的に300Hz~
0Hzの周波数)である。いくつかの実施形態では、第1の強度レベルI1は、実質的に
ゼロである(例えば、少なくとも1つの刺激要素302からの出力強度は実質的に存在し
ない)。いくつかの実施形態では、各期間Pは、出力強度レベルが実質的にゼロである第
3のセグメントを含むことができる。いくつかの実施形態では、期間Pの第3のセグメン
トは、図6に関連して説明したように、第1のセグメントS1と第2のセグメントS2と
の間に生じる。
【0066】
好ましい実施形態では、振動刺激は、特殊化されたパターンとして研究される。特殊化
されたパターンは、純粋に機械的であり、かつ集束された刺激および(メトロノームのよ
うな)キューイングを生成する。有利には、集束された刺激およびキューイングは、パー
キンソン病に対する治療として役立ち、波形で観察される6%の効力と比較して32%の
効力を示す。好ましい実施形態では、本開示のウェアラブルデバイス300は、集束され
た刺激とキューイングとの組み合わせを統合して、パーキンソン病のユーザを助け、彼ら
の運動の自由を回復させる。集束された振動刺激は、同期した振動におけるニューロンの
活性化の結果として、β波活動と同様の効果を生じさせる。β波活動の減少は覚醒状態を
示す一方、β波活動の増加にはパーキンソン病が反映されることが理解されよう。とりわ
け、感覚入力、特に固有受容性感覚に関する筋肉からの感覚入力は、(2016年、Hw
angらによって議論されたように)運動の開始および実行のための重要な因子である。
(2011年、Fristonらによって議論されたように)能動推論の理論は、パーキ
ンソン病の患者はこれらの入力を変調する際のキーステップに異常があること、および筋
肉の受容体を集束された振動で刺激することにより、それらの乱れまたは騒音を増加させ
ることによって、それらの不確実性を増大させ、(2006年、Kordingらによっ
て議論されたように)脳がより運動の準備が整っている状態(”ready-to-move” state
)を採用するように促すことが可能であることを指摘している。振動をパルス化すること
によってキューイングを達成する。適切なキューイング刺激は、歩幅および体肢協調性の
ような律動的な運動の要素における規則性を促進し、それによって、運動力を発生させる
脊髄ニューロンの発火パターンを安定化し、強化する。更に、キューイングは、環境中の
他の妨害刺激から意識的に注意をそらすことにより、故障時の脊椎回路の再始動を可能に
する。更に、キューイングは、パーキンソン病において損なわれる動きに直接的に先行し
て準備する動作の実行を容易にする。有利には、キューイングは、立ちすくみの減少をも
たらし、パーキンソン病を患う人の全体的な動きをより滑らかにする。
【0067】
更に、刺激パルスの強度および周期は、(ウェアラブルデバイス300をカスタマイズ
するように)ユーザによって設定および修正することができるパラメータである。一旦設
定されると、最小強度I1、最大強度I2、および周期Pを有するパターンが、更なるユ
ーザによる更新までそのまま繰り返される。ウェアラブルデバイスは、ユーザの運動を開
始するために、Pのような所定の持続時間の間、可変の期間にわたって、I1~I2のよ
うなパルスの可変強度についてユーザの好みに応じて最適化することができることが理解
されよう。例示的な実施形態では、デバイスは、100%の強度および200msのON
/OFF期間でプログラムされ得る。任意に、前記値は、ユーザによって(詳細には後述
するように、モバイルベースのアプリケーションプログラムを使用して)調整することが
できる。これにより、ユーザは、(図6A図6B図6C図6Dおよび図6Eに例示
するように)各個人にとって最も効果的な値への設定および調整について完全な柔軟性を
持つことができる。強度を制御することにより、即ち強度を100%~50%まで減少さ
せることにより、振動ははるかに柔らかく、かつ緻密であることが理解されるであろう。
【0068】
いくつかの実施形態では、図6A図6Eに示すように、少なくとも1つの刺激要素3
02から出力される、集束された刺激およびキューイングを達成するために、コントロー
ラ320は、出力強度において周期的変動を有する少なくとも1つの刺激要素302のパ
ルス出力の生成を引き起こすように構成される。ウェアラブルデバイス300のモータは
、例えば、300Hzで動作し、パルスを発生させるように動作可能である。いくつかの
実施形態では、各周期Pにおける第1のセグメントS1の持続時間および第2のセグメン
トS2の持続時間は、実質的に同じである。いくつかの実施形態では、各周期Pの合計持
続時間は、約1秒(例えば、約1Hzの周波数)である。いくつかの実施形態では、各周
期Pの合計持続時間は、実質的に0.25秒~4秒(例えば、実質的に4Hz~0.25
Hzの周波数)である。いくつかの実施形態では、各周期Pの合計持続時間は、実質的に
0秒~300秒(例えば、実質的に300Hz~0Hzの周波数)である。いくつかの実
施形態では、第1の強度レベルI1は、実質的にゼロ(例えば、少なくとも1つの刺激要
素302からの出力強度は実質的になし)であり、第2の強度レベルI2は、正の数(例
えば、少なくとも1つの刺激要素302からの最大出力強度)である。
【0069】
図6A図6B図6C図6Dおよび図6Eは、本発明の様々な実施形態による、ユ
ーザによって修正された異なるデューティ比におけるパルス刺激を示す。x軸は強度を表
し、y軸は期間を表す。図6Aに示すように、100%のデューティ比において、ウェア
ラブルデバイス300のモータは、(MAX(最大)と表記された)最大レベルにおいて
I2かつ0においてI1のパルス変動の強度によって示されるように、(例えば、3Vの
電圧で)完全にONまたは完全にOFFのいずれかであり、セグメントS1とセグメント
S2との間の期間は1ユニットである。図6Bに示すように、50%のデューティ比にお
いて、信号はパルス幅変調制御され、パルス変動の強度は、(MAX(最大)と表記され
た)最大レベルを下回る一方、セグメントS1とS2との間の期間は1ユニットである。
図6Cに示すように、パルス変動の強度は、(MAX(最大)と表記された)最大レベル
であり、セグメントS1とS2との間の期間は1ユニット未満であり、即ち、パルスは、
より高い周波数で発生する。図6Dに示すように、パルス変動の強度は、(MAX(最大
)と表記された)最大レベル未満であり、セグメントS1とS2との間の期間は、1ユニ
ット未満であり、即ち、パルスは、より高い周波数で発生する。図6Eに示すように、パ
ルス変動の強度は、(MAX(最大)と表記された)最大レベル未満であり、セグメント
S1とS2との間の期間は2ユニットであり、即ち、パルスは低周波数で発生する。
【0070】
いくつかの実施形態では、コントローラ320は、プリント回路基板(PCB)である
、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、バッテリ等の電源がPCB上に取り付け
られる。あるいは、バッテリは、ユニット250によって電力を供給されて、充電部分2
16内のワイヤの1つ以上のコイル上に設けられてもよい。
【0071】
コントローラ320は、PCBに取り付けられたユーザ入力部322(例えば、スイッ
チまたはタッチセンサ)を備える。ユーザ入力部322は、ユーザからのコマンドを受信
して、少なくとも1つの刺激要素302の出力を制御するようにコントローラ320に命
令を提供するように構成される。いくつかの実施形態では、ユーザ入力部322は、ウェ
アラブルデバイス304への接触またはウェアラブルデバイス304の外面への圧力印加
を介して作動するように構成される。いくつかの実施形態では、接触または圧力印加部位
の形態であるユーザ入力部322は、ユーザの皮膚に接触するように構成された表面30
6とは実質的に反対側のウェアラブルデバイス300内に位置付けまたは配置される。こ
れにより、ウェアラブルデバイス300が装着されている場合またはユーザに接着してい
る場合に、ユーザ入力部322へのアクセスの容易性を向上させることができる。いくつ
かの実施形態では、表面306とは実質的に反対側のウェアラブルデバイス300の外面
は、ユーザ入力部322、例えば、消散部分304の第2の端部304b(または、消散
部分304の開口した第2の端部304bを被覆するキャッピング層310)を作動させ
るように作動される。いくつかの実施形態では、ユーザ入力部322は、ウェアラブルデ
バイス304の外面に設けられたボタンへの接触または圧力の印加を介して作動するよう
に構成される。ボタンは、ユーザの皮膚に接触するように構成された表面306とは実質
的に反対側のウェアラブルデバイス300の中央に位置付けまたは配置される。このよう
なボタンにより、コントローラ320に命令を提供するために、ユーザ入力部322によ
って接触または圧力の印加を検出することが可能となる。代替的な実施形態では、例えば
、消散部分304は、開口した第1および第2の端部304a、304bを有しているが
キャッピング層を有しておらず、ユーザ入力部322が露出されており、ユーザ入力部3
22への接触または圧力の印加を介して直接的に作動されるように構成されている。図7
に示すように、いくつかの実施形態では、ユーザ入力部322は、消散部分304の第2
の端部304bに隣接して、消散部分304の凹部またはアパチャ308内に位置付けら
れる。このような構成は、コントローラ320に命令を提供するために、ユーザ入力部3
22によって第2の端部304b(またはキャッピング層310)の接触または軽い圧力
印加の検出を可能にする。いくつかの実施形態では、コントローラ320は、ユーザ入力
部322を介して受信された複数の異なるコマンドを受信し、それらの間で決定するよう
に構成される。例えば、異なるコマンドは、異なる持続時間の接触または圧力印加を含む
ことができ、または所定の時間内に異なる数の接触または圧力印加を含むことができる。
異なるコマンドはそれぞれ、コントローラ320により、少なくとも1つの刺激要素30
2に異なる出力(例えば、異なる長さ、強度、出力の周波数、異なる出力波形等)を提供
させる結果となり得る。いくつかの実施形態では、コントローラ320は、ユーザ入力部
322を介して受信された3つ以上の異なるコマンドを受信し、それらの間で決定するよ
うに構成される。一実施例において、2つの連続的な接触または圧力印加(タップ)は、
コントローラにより、少なくとも1つの刺激要素302にBluetooth(登録商標
)をオンにさせる結果となり得る。一実施例では、例えば2秒等、長時間にわたる1回の
長い連続的な接触または圧力印加(タップ)は、コントローラ320により、少なくとも
1つの刺激要素302に、ウェアラブルデバイス300をオンまたはオフするよう命令を
提供させる結果となる。
【0072】
いくつかの実施形態では、ウェアラブルデバイス300は、発光ダイオード(LED)
層を含む。LED層は、ユーザの皮膚に接触するように構成された表面306とは実質的
に反対側のウェアラブルデバイス300内に位置付けまたは配置される。LED層は、プ
リント回路基板(PCB)上に位置付けまたは配置されてもよく、接触あるいは圧力印加
部位またはボタンを包囲する透明なシリコンを介して視認可能である。いくつかの実施形
態では、LEDは、ウェアラブルデバイス300における異なるレベルの(バッテリの)
充電を示す。一実施例において、青色光のようなLED層による光の異なる強度は、ウェ
アラブルデバイス300の異なる充電レベルを示す。例えば、明るい青色光は、実質的に
充電されたバッテリを象徴する一方、微弱な青色光は、実質的に消耗したバッテリを表す
。別の例では、LED層によって放射される光の異なる色調は、ウェアラブルデバイス3
00の異なる充電レベルを示すことができる。例えば、緑色光は、完全に充電されたバッ
テリを象徴するものであり、青色光は、部分的に充電されたバッテリを表し、赤色光は、
バッテリを再充電することを提案している。いくつかの実施形態では、LED層は、投薬
アラートを示す。これにより、ウェアラブルデバイス300が装着されている場合または
ユーザに接着している場合に、ユーザ入力部322へのアクセスの容易性を向上させるこ
とができる。
【0073】
ユーザ入力部322を使用して提供される命令に応答して、コントローラ320によっ
て提供される制御方式400の概略図を図8に示す。
【0074】
ステップ401において、ユーザは、ユーザ入力部322を作動させて、コントローラ
320に命令を提供する。
【0075】
ステップ402において、コントローラ320は、ユーザ入力部322の作動が第1の
コマンドに対応するか否かを判定する。いくつかの実施形態では、第1のコマンドは、(
例えば、ユーザ入力部322を作動させた後、接触または圧力印加を実質的に即時に解放
する)単一の接触または圧力印加を含む。ステップ402において、第1のコマンドが受
信されたとコントローラ320が判定した場合、コントローラ320は、ステップ403
において第1の出力を提供するように少なくとも1つの刺激要素302に指示する。いく
つかの実施形態では、少なくとも1つの刺激要素302の第1の出力は、2分までのパル
ス出力を含む。代替的な実施形態では、少なくとも1つの刺激要素302の第1の出力は
、1~5分間のパルス出力を含む。ステップ402において、コントローラ320により
、第1のコマンドが受信されたと判定されなかった場合、コントローラ320はステップ
404に進む。
【0076】
ステップ404において、コントローラ320は、ユーザ入力部322の作動が第2の
コマンドに対応するか否かを判定する。いくつかの実施形態では、第2のコマンドは、第
1のコマンドとは異なる。いくつかの実施形態では、第2のコマンドは、ダブルの接触ま
たは圧力印加を含む(例えば、各接触はユーザ入力部322を作動させた後、接触または
圧力印加を実質的に即時に解放し、2回の接触はそれぞれ、例えば2秒まで等、所定の期
間で受信される)。代替的な実施形態では、第2のコマンドは、プレスアンドホールドま
たはタッチアンドホールド(例えば、1秒等の所定のにわたる継続した接触または圧力印
加)を含む。ステップ404において、コントローラ320が第2のコマンドを受信した
と判定した場合、コントローラ320は、ステップ405において、少なくとも1つの刺
激要素302に第2の出力を提供するように指示する。いくつかの実施形態では、少なく
とも1つの刺激要素402の第2の出力は、コントローラ320が少なくとも1つの刺激
要素302の出力を停止または防止するよう指示するコマンドを受信するまで、連続的な
パルス出力を含み、第2の出力のパルス状波形は、第1の出力のパルス状波形と実質的に
類似している。他の実施形態では、第1の出力および第2の出力のパルス状波形は異なる
。このような実施形態では、第2の出力の持続時間は、コントローラ320が少なくとも
1つの刺激要素302の出力を停止または防止するよう指示するコマンドを受信するまで
、連続的なパルス出力を含み、または所定の時間にわたるパルス出力を含む。いくつかの
実施形態では、第2の出力の所定の期間は1分~5分である。第2の出力は、例えば、オ
ンにされてから約30分まで連続してもよい。ステップ404において、コントローラ3
20により、第1のコマンドが受信されたと判定されなかった場合、ステップ406に進
む。
【0077】
ステップ406において、コントローラ320は、ユーザ入力部322の作動が第3の
コマンドに対応するか否かを判定する。いくつかの実施形態では、第3のコマンドは、第
1および第2のコマンドとは異なる。いくつかの実施形態では、第3のコマンドは、ダブ
ルあるいはトリプルのタッチまたは圧力印加を含む(例えば、各接触はユーザ入力部32
2を作動させた後、接触または圧力印加を実質的に即時に解放し、2回または3回の接触
はそれぞれ、例えば2秒まで等の所定の期間で受信される)。代替的な実施形態では、第
2のコマンドは、プレスアンドホールドまたはタッチアンドホールド(例えば、1秒また
は2秒等の少なくとも所定の時間にわたる継続した接触または圧力印加)を含む。ステッ
プ406において、コントローラ320が第3のコマンドを受信したと判定した場合、コ
ントローラ320は、少なくとも1つの刺激要素302が現在出力を提供している場合、
少なくとも1つの刺激要素302に出力を停止するように指示する。第3のコマンドを受
信したときに、少なくとも1つの刺激要素302が現在出力を提供していない場合、コン
トローラ320は、少なくとも1つの刺激要素に引き続き出力を提供しないよう指示する
。ステップ406にて、コントローラ320が第3コマンドを受信したと判定しなかった
場合、コントローラ320はステップ408に進む。ステップ408において、コントロ
ーラ320は、ユーザ入力部を認識していないと判断し、少なくとも1つの刺激要素30
2に指示を提供しない。その場合、少なくとも1つの刺激要素302の現在の出力に変化
はない。ステップ408において、少なくとも1つの刺激要素302が出力を提供してい
る場合、その出力を提供し続け、ステップ408において、少なくとも1つの刺激要素3
02が出力を提供していない場合には、引き続き出力を提供しない。
【0078】
機械的刺激(例えば、振動、圧力変化、ローリング運動、タップまたは他の衝撃)をパ
ーキンソン病のような神経障害または神経疾患の患者に印加することにより、立ちすくみ
、振戦、こわばりまたは減速を減少または排除することができる。機械的刺激の印加によ
り、β波を低減または抑制することができ、これによりパーキンソン病等のこのような神
経疾患の物理的症状を軽減することができる。しかしながら、強すぎる(強度が高すぎる
)機械的刺激の印加は、物理的な症状を標的とするのに有効ではあるが、患者に炎症およ
び不快感をもたらす可能性がある。逆に、弱すぎる(強度が低すぎる)機械的刺激の印加
は、単に物理的な症状を効果的に標的とすることができない。(例えば、第1の強度レベ
ルと、第1の強度レベルよりも高いまたは低い第2の強度レベル等のような強度レベルの
異なる機械的刺激の間で変動する)パルス状の機械的刺激を印加することにより、不快感
や炎症をもたらすことなく、効果的な物理的症状の緩和または除去を達成することができ
る。パルス状の機械的刺激を印加する付加的な利点は、個人にキューサインを提供するた
めに、機械的刺激の周波数および強度の変動を制御することができる点である(効果にお
いて、パルス状の機械的刺激はメトロノームとしても機能することができる)。規則的か
つ律動的な出力を提供することにより、パルス状の機械的刺激はまた、個人が、規則的な
リズムに焦点を合わせ、パルス状の機械的刺激に対する自身の運動のタイミングを調整す
ることを可能にすることによって、感覚機能不全を調節することができる。このようにし
て、立ちすくみ、振戦、こわばりまたは減速を追加的にまたは更に低減することができる
【0079】
いくつかの実施形態では、ウェアラブルデバイス100、200、300は、ユーザの
胸骨上に配置され、ユーザに機械的刺激を印加して、立ちすくみ、こわばり、減速または
振戦等の神経障害の物理的症状を緩和する。代替的な実施形態では、ウェアラブルデバイ
ス100、200、300は、ユーザの身体の別の領域、例えば、手の甲、手首、足、ま
たは身体上の任意の他の適切な位置に配置される。ユーザに機械的刺激を送達するように
構成された表面106、206、306は、ユーザの皮膚と(直接的に、または、例えば
接着剤を介して間接的に)接触して配置される。胸骨上での印加は、例えば、コントロー
ラ320に接続されたユーザ入力部322を使用して、ウェアラブルデバイス100、2
00、300を制御するために(またはウェアラブルデバイス100、200、300を
単にオンにするために)ユーザへの容易なアクセスを提供する。有利には、胸骨上での印
加は、ウェアラブルデバイス100、200、300の機能のためのより大きな表面積を
提供し、例えば、ボタンを押すこと、デバイスをオンまたはオフにすること、デバイスを
脱ぐこと等、ユーザの家族または介護者によるデバイスへの容易な(即ち、視覚的な)ア
クセスおよび/またはデバイスとの相互作用を提供する。ユーザにアクセス可能であり、
並びにその家族または介護者に視認可能および/またはアクセス可能である身体の他の部
分を、ウェアラブルデバイス100、200、300をその上に配置するために選択して
もよいことが理解されよう。このような他の身体部分は、足首、脚、首、腕、肩、手首、
およびこめかみを含むが、これらに限定されるものではない。
【0080】
図9Aおよび図9Bは、本発明によるウェアラブルデバイス500の一実施形態を示す
。ウェアラブルデバイス500は、上記のウェアラブルデバイス100、200、300
に関連して説明されたものと実質的に同様の特徴を有する(関連する場合には、同様また
は対応する参照番号が使用される)。図9Bは、図9Aに示す実施形態の分解図である。
図9Aに示す実施形態では、消散部分504は、開放された第1の端部504aおよび閉
鎖された第2の端部504bを有する略円筒形である、またはそれを含む。消散部分50
4は、凹部508を含む。凹部508は、少なくとも1つの刺激要素502、充電部分5
16、およびコントローラ520を受容するように構成される。図示の実施形態では、凹
部508は、第1の凹部508aおよび第2の凹部508bを含む。第2の凹部508b
は、第1の凹部508aよりも小さい(例えば、第2の凹部508bは、第1の凹部50
8aよりも(近位-遠位方向における)深さおよび(近位-遠位方向に対して横方向の)
直径がより小さい。第2の凹部508bは、第1の凹部508aよりも第1の開口端部5
04aから離れて位置付けまたは配置される(例えば、第2の凹部508bは、第1の凹
部508aよりも凹部508内の深い位置に配置される)。第2の凹部508bは、第1
の凹部508aよりもよりデバイス500の遠位端部に向けて配置される。第1の凹部5
08aと第2の凹部508bとの間の大きさの違いに起因して、第1の凹部508aと第
2の凹部508bとの間には、肩部509が形成される。肩部509は、第2の凹部50
8bのための第2の口部を効果的に形成する。図示の実施形態では、コントローラ520
(例えば、プリント回路基板(PCB)である、またはそれを含む)が、第2の凹部50
8b内に受容されている。コントローラ520は、第2の凹部508bの第2の口部と実
質的に面一に(例えば、肩部509と実質的に面一に)構成される。
【0081】
充電部分516は、第1の凹部508a内に配置される。肩部509は、充電部分51
6が第2の凹部508bに進入するのを防ぐ。肩部509は、凹部508内に、充電部分
516を凹部508内に確実に受容するように充電部分516が配置された表面の少なく
とも一部を形成する。図示の実施形態では、コントローラ520は、充電部分516に隣
接して配置される。これにより、コントローラ520を充電部分516に容易に接続する
ことができる。いくつかの実施形態では、充電部分516は、(例えば、コントローラ5
20に給電するためにコントローラ520に接続される、またはコントローラ520のP
CB形成部に取り付けられる)バッテリ等の電源に接続される。図示の実施形態では、コ
ントローラ520は、充電部分516を受容するように構成された表面の一部も(肩部5
09と共に)形成する。図示の実施形態では、充電部分516は、第1の凹部508aの
深さ全体を貫通しない。むしろ、充電部分516は、凹部508の口部から後退する(例
えば、消散部分504の第1の端部504aから後退する)ように配置される。これによ
り、ユーザに機械的刺激を送達するように構成された表面506上に接着剤512(接着
層等)を配置することができる。
【0082】
図示の実施形態では、充電部分516は、少なくとも1つの刺激要素502を少なくと
も部分的に受容するように構成された凹部518を含む。これにより、少なくとも1つの
刺激要素502が、凹部508内で、消散部分504に対して確実に保持されることを可
能にする。
【0083】
図示の実施形態では、充電部分516はまた、少なくとも1つの刺激要素502に消散
部分504を間接的に機械的に接続するように機能する。このように、少なくとも1つの
刺激要素502によって提供される機械的刺激は、充電部分516を介して消散部分50
4に伝達され得る。従って、表面506の少なくとも一部を形成する消散部分504は、
少なくとも1つの刺激要素502によって提供される機械的刺激の有効面積を増加させる
ように構成される(例えば、消散部分504の半径は、少なくとも1つの刺激要素502
の半径よりも大きいことにより、消散部分504は、少なくとも1つの刺激要素502よ
りも大きい表面積にわたって機械的刺激を印加することが可能となる)。構成要素の内部
配置が異なる他の実施形態では、消散部分504は、少なくとも1つの刺激要素502と
直接接触して、機械的刺激の有効面積を増大させる。
【0084】
図示の実施形態では、少なくとも1つの刺激要素502は、それが受容されている凹部
518の深さを越えて延在する。図示の実施形態では、少なくとも1つの刺激要素502
は、表面506と実質的に面一である(例えば、消散部分504の第1の端部504aと
実質的に面一である)。図示の実施形態における、充電部分516(表面506から後退
している)、少なくとも1つの刺激要素502および消散部分504の配置は、表面50
6(消散部分504と少なくとも1つの刺激要素502との間)に隣接する環状領域を提
供する。環状領域は、ユーザの皮膚にウェアラブルデバイス500を接着させることを可
能にする接着剤512を受容するように構成されている。図示の実施形態では、接着剤5
12は、消散部分504の第1の端部504aと、表面506を形成する少なくとも1つ
の刺激要素502と実質的に面一である。代替的な実施形態では、接着剤512は、表面
506自体に貼付されてもよい。図示された実施形態では、接着剤512はまた、ウェア
ラブルデバイスを密封し、充電部分516、少なくとも1つの刺激要素502およびコン
トローラ520を消散部504の凹部508内に保持するのを助ける。ウェアラブルデバ
イス500がユーザの皮膚に接着されていないときに、接着剤512を被覆する取り外し
可能かつ交換可能なカバー514が設けられる。代替的な実施形態では、接着剤512は
、環状領域内に受容されるように構成された材料の軟質層512a(例えば、ウレタン、
シリコーン、ゴムまたは他の可撓性材料である、またはそれを含む)上に配置されて、実
質的に一定の平坦な表面506(例えば、消散部分504の第1の端部504aと同じ高
さまたはそれと実質的に面一である)を形成する。これを図9Cに示す。材料の軟質層5
12aは、環状領域と実質的に類似した形状を有する、または含むことができる。接着剤
512、軟質層512aおよびカバー514は、ユーザの皮膚への貼付前にウェアラブル
デバイス500の凹部508に貼付または挿入されるように構成された単一のエンティテ
ィまたはインサートとして提供され得る。凹部508内の環状領域に軟質層512aを挿
入することにより、ウェアラブルデバイス500にインサートを貼付してもよい。その後
、カバー514は、ウェアラブルデバイス500をユーザの皮膚に接着するために、接着
剤512を露出させるために除去または剥離され得る。カバー514は、表面506をユ
ーザの皮膚に接着する前の接着剤512の露出を防止することができる。複数のインサー
トを(上述したように)ドッキングステーション250のリザーバ260内に配置しても
よく、必要なときに個別に取り出してもよい。
【0085】
好ましい実施形態では、接着剤512は、図4Jに示すような面ファスナ、例えばVe
lcro(登録商標)内に配置される。フック層およびループ層はそれぞれ裏面に接着剤
を含む。フック層およびループ層の接着剤は、異なるグレードおよび強度である。取り付
けるためにユーザの皮膚に対向するループ層の裏面には医療用グレードの接着剤が設けら
れ、ウェアラブルデバイス500に取り付けられるフック層の裏面には強力な接着剤が設
けられる。より強力な接着剤を有するフック層をウェアラブルデバイス500に取り付け
たままにしつつ、医療用グレードの接着剤を有するループ層を皮膚に取り付けたまま、充
電のために、または使用する必要がない場合にウェアラブルデバイス500を取り外すこ
とができる。これにより、ウェアラブルデバイス500を連続的に、即ち、1日24時間
、または間欠的に使用することができ、即ち、充電のために取り外すことができる。最終
的に、接着剤が皮膚上でその効果を示さなくなった場合には、接着剤を新たな接着剤層と
交換することができる。更に、フック層に対応する接着剤は、数年とは言わないまでも数
ヶ月は持続するのに十分な強度を有する。しかしながら、フック層が摩耗した場合には、
フック層をウェアラブルデバイス500から取り外すこともできる。
【0086】
図示の実施形態では、消散部分504は、第2の端部504bから凹部508に(特に
、第2の凹部508bに)延在する凸部504cを含む。凸部504cは、ユーザ入力部
(図示しないが、ウェアラブルデバイス300に関連して上述したユーザ入力部322に
類似)と相互作用するように構成されている。従って、図示の実施形態では、消散部分5
04の第2の端部504bを作動させることによってユーザ入力部を作動させて、凸部5
04cをユーザ入力部に接触させるか、または凸部504cを用いてユーザ入力部に検出
可能な圧力を印加する。第2の端部504bが開口している場合にも同様の効果を達成す
ることができるが、代わりに凸部を含むキャッピング層を使用したことが理解されよう。
代替的な実施形態では、消散部分504の第2の端部504bが開放され、ユーザ入力部
がユーザによって直接的に作動されるように露出される。理解され得るように、ユーザ入
力部は、ウェアラブルデバイス400がユーザの皮膚に接着されている間に、ユーザ入力
部へのアクセスの容易性を改善するために、消散部分504の第1の端部504aと実質
的に反対側(例えば、表面506と実質的に反対側)に配置される。ウェアラブルデバイ
ス500は、少なくとも1つの刺激要素502の出力を制御するためにコントローラ52
0に命令を提供するようユーザ入力部にアクセスする、またはユーザ入力部を作動させる
ために、ユーザの皮膚から取り外す必要がない。
【0087】
図示の実施形態では、ウェアラブルデバイス500はまた、ハウジング524を含む。
ハウジング524は、消散部分504を部分的に包囲するように構成される。消散部分5
04の第1の端部504aおよび第2の端部504bは、ハウジング524によって完全
に被覆さていないか、または包囲されていないので、ウェアラブルデバイス500の適切
な機能を妨害しない。図示の実施形態では、ハウジング524は、各端部に円形の開口部
またはアパチャを有し、ハウジング524の各端部はそれぞれ、消散部分の第1の端部5
04aおよび第2の端部504aのうちの一方に隣接して配置される。いくつかの実施形
態では、ハウジング524は、消散部分504を、消散部分504の性能に影響し得る衝
撃、スクラッチまたは他の劣化から保護するように構成されたプラスチック材料(例えば
、ポリプロピレンまたはポリカーボネート)を含む。図示の実施形態では、ハウジング5
24の内面は、消散部分504の外面の肩部523と相互作用するように構成された肩部
524aを含む。肩部523、524aは、ハウジング524が消散部分504上に適正
に位置しているときに合わせ面となるように構成されている。肩部523、524aを接
続してハウジング524を消散部分504に固定するために接着剤を使用してもよい。消
散部分の開口した第2の端部504bと共にキャッピング層を使用する代替的な実施形態
では、キャッピング層は、消散部分504の第2の端部504bに接触および/または接
合するように構成される。このような実施形態では、キャッピング層上(例えば、周縁部
上)の肩部は、ハウジング524の肩部524aと相互作用してもよい。キャッピング層
は、消散部分504の第2の端部504bに隣接するハウジング524の円形のアパチャ
を実質的に満たすことができる。第2の端部504bに隣接して配置されたユーザ入力部
は、キャッピング層への接触または圧力の印加によって作動され得る。更なる代替的な実
施形態では、キャッピング層は設けられず、ハウジング524は、消散部分504の開放
された第2の端部504b(例えば、アパチャ508ではなく第2の端部504bの固体
表面)に直接的に配置される。略円筒状の消散部分504の平坦で開放された第2の端部
504bは、ハウジング524の肩部524aと相互作用する肩部として作用するように
構成されている。第2の端部504bに隣接するハウジング524の円形アパチャにより
、ユーザは第2の端部504bに隣接して(即ち、第1の端部504aと実質的に反対側
、または表面506の実質的に反対側に)配置されたユーザ入力部を作動させるために直
接的にアクセスすることが可能となる。ハウジング524のようなハウジングは、上記の
ウェアラブルデバイス100、200、300のいずれかに組み込むことができることが
理解されるであろう。
【0088】
いくつかの実施形態では、ハウジング524は、例えばアルミニウムケーシング、好ま
しくは陽極酸化されたアルミニウムのような金属ケーシングを含み、消散部分504を、
消散部分504の性能に影響を及ぼし得る衝撃、スクラッチまたは他の劣化から保護する
ように構成される。有利には、アルミニウムケーシングは、ウェアラブルデバイス内で生
成される音(即ち、モータ、コントローラまたはバッテリによって生成される騒音)に対
して優れた吸音材として作用することにより、騒音を低減することを可能にする。更に、
有利には、アルミニウムケーシングは軽量で、非常に強く、自然に電子機器を保護し、美
しい仕上がりとなる故、ウェアラブルデバイス100のビジュアルアピールを高める。更
に、アルミニウムは100%リサイクル可能かつ無毒な材料であり、それ故環境にも非常
に優しい。
【0089】
いくつかの実施形態では、ハウジング524は、ステップ層526を含む。ステップ層
526は、ハウジング524における溝または畦(大工仕事における面取りまたはベベル
に類似)を形成することによって製造される。ステップ層526は、典型的には、ハウジ
ング524の外面において、20°~75°、好ましくは45°の角度で形成される。ス
テップ層526は、ユーザの安全、並びにウェアラブルデバイス500の端縁への損傷の
防止のために、鋭い端縁を生成することなくハウジング524内にブレンドする連続した
ライニングを含む。ウェアラブルデバイス500の人間工学的設計は、パーキンソン病に
罹患している患者のような動きが制限された患者に適した、しっかりしたグリップ等の、
快適な取扱いおよび他の物理的作業条件を可能にする。これに関連して、ステップ層52
6と共にウェアラブルデザイン500の円筒設計は、ウェアラブルデバイス500の使用
中または取り外す間に、ウェアラブルデバイス500を誤って叩き落すおよび/または落
下させるリスクを防止する。有利には、ステップ層526は、ウェアラブルデバイス50
0をユーザの皮膚に配置する間およびそれを取り外す間、ウェアラブルデバイス500を
快適に掴むことを可能にする。更に、有利には、ステップ層526は、水または汗がウェ
アラブルデバイス500から流出することを可能にする。これにより、ウェアラブルデバ
イス500を長時間にわたりユーザの皮膚に取り付けることができる。いくつかの実施形
態では、ウェアラブルデバイス500は、1日の開始(例えば、起床)から日中にわたっ
て振動刺激を求める患者を支援するために1日24時間使用することができる。
【0090】
ウェアラブルデバイス500の様々な構成要素の特徴および相互作用は、性能や機能性
を何ら損なうことなく、小型でコンパクトなデバイスを可能にし、ユーザの皮膚に接着さ
れている間および接着されていない間の両方において、ユーザによる容易な操作を可能に
する。これは、ウェアラブルデバイス500がユーザの皮膚に接着されておらず、(上述
したように)代わりに、ウェアラブルアイテムに組み込まれ、かつウェアラブルアイテム
を介してユーザの皮膚に接触して保持される場合にも当てはまることが理解されよう。
【0091】
図10は、本発明によるウェアラブルデバイス100、200、300、500および
ドッキングステーションまたはユニット250の一実施形態の概略図を示す。概略図は、
意図したように操作するために、ウェアラブルデバイス100、200、300、500
およびユニット250の様々な構成要素が相互作用するまたは互いに通信する方法を示す
図10に示すように、ユニット250の電力接続部256は、商用電源または他の外部
電源に接続されるように構成されている。電力接続部256は、ワイヤレス充電送信機2
54と通信(例えば、電気通信)している。図示の実施形態では、電力接続部256もま
た、ユニット250のコントローラと通信している。いくつかの実施形態では、ユニット
250のコントローラは、例えば、ワイヤレス充電送信機254からウェアラブルデバイ
ス100、200、300、500の充電部分216、516への無線電力転送の効率を
制御するために、電力接続部256からワイヤレス充電送信機254への電力供給を制御
するように構成される。電力接続部256もまた、ユニット250のコントローラに電力
を供給するように構成される。ワイヤレス充電送信機254は、充電部分216、516
とワイヤレス充電送信機254との間の破線で示すように、充電部分216、516に無
線で電力を送信するように構成されている。いくつかの実施形態では、電力接続部256
は、ワイヤレス充電送信機254を外部電源に(例えば、ユニット250のコントローラ
を介さずに)より直接的に接続してもよい。いくつかの実施形態では、ユニット250の
コントローラは、ウェアラブルデバイス100、200、300、500のコントローラ
320、520と(例えば、図10に示すように、有線接続を介して、またはWIFIの
ような無線接続を介して)通信するように構成される。例えば、ウェアラブルデバイス1
00、200、300、500のコントローラ320、520は、ウェアラブルデバイス
100、200、300、500の電源が完全に充電されたときを判断することができ、
ウェアラブルデバイス100、200、300、500の充電部分216、516への電
力の無線送信を停止するようにワイヤレス充電送信機254に指示するようにユニット2
50のコントローラと通信することができる。
【0092】
ウェアラブルデバイス100、200、300、500の充電部分216、516は、
ウェアラブルデバイス100、200、300、500の電源(例えば、バッテリ)と通
信し、かつ電源に電力を供給するように構成される。いくつかの実施形態では、図10
電源の実線によって示すように(また、関連する実線は、電源とコントローラ320、5
20と充電部分216、516との間の接続を示す)、電源がコントローラまたはPCB
320、520とは別個に位置付けられる。代替的な実施形態では、電源は、図10の電
源の破線で示されるように(関連する破線は電源を充電部分216、516に接続する)
、ウェアラブルデバイス100、200、300、500のコントローラ320、520
に配置される、または取り付けられる(例えば、一体化される、または一部となる)。電
源は、ウェアラブルデバイス100、200、300、500のコントローラまたはPC
B320、520および少なくとも1つの刺激要素102、202、302、502に電
力を供給するように構成される。コントローラ320、520は、動作中に刺激要素10
2、202、302、502の出力を制御する命令を提供するために、刺激要素102、
202、302、502と通信するように構成される。図示の実施形態では、コントロー
ラ320、520は、(コントローラ320、520の一部であってもよく、例えばコン
トローラ320、520に取り付けられている)ユーザ入力部322と通信する。ユーザ
入力部322は、押下可能なスイッチまたはタッチセンサであってもよい。ユーザ入力部
322は、例えば、上述したように、刺激要素102、202、302、502の出力を
制御するために、ユーザからコントローラ320、520に命令を提供するために、ユー
ザによって作動されるように構成される。
【0093】
いくつかの実施形態では、ウェアラブルデバイス100、200、300、500は、
機能性を増加または改善するための追加の構成要素を含む。例えば、ウェアラブルデバイ
ス100、200、300、500が、薬剤をしばしば必要とする様々な神経障害に関連
する物理的症状を軽減または排除するために使用される場合、ウェアラブルデバイス10
0、200、300、500は、投薬リマインダを含むことができる。投薬リマインダは
、ウェアラブルデバイスから放出される可聴または可視アラートのようなアラートの形態
をとることができる。あるいは、投薬リマインダは、少なくとも1つの刺激要素102、
202、302、502からの更なる機械的刺激を含むことができる。投薬リマインダは
、薬剤を摂取すべき特定の時間に対応して、特定の時間にアクティブになるように構成す
る、または少なくとも1つの刺激要素102、202、302、502の出力後の所定の
時間後にアクティブになるように構成することができる。特定の時間または所定の期間は
、コントローラ320、520にプログラムされてもよい。付加的または代替的に、ウェ
アラブルデバイス100、200、300、500は、更に、転倒検出システムを備える
ことができる。転倒検出システムは、ユーザの移動を測定するように構成された1つ以上
の加速度計を含むことができる。1つ以上の加速度計からの読み取りは、ユーザが転倒し
たか否かを識別するために(例えば、コントローラ320、520によって)分析するこ
とができる。ウェアラブルデバイス100、200、300、500は、更に、ユーザが
転倒したことを示すように構成されたアラートシステム(例えば、可聴、可視または触覚
アラート)を含むことができる。
【0094】
いくつかの実施形態では、図11Aに示すように、ウェアラブルデバイス600は、動
作中、アプリケーションソフトウェアによって追跡するように構成される。ウェアラブル
デバイス600は、外部デバイス602(以下、「デバイス」と称する)と一体化された
to-useアプリケーションソフトウェアを有する。少なくとも1つの互換デバイス6
02に統合されたそのようなto-useアプリケーションソフトウェアは、デバイス統
合アプリケーションと呼ばれる。互換デバイス602は、該互換デバイス602上のデバ
イス統合アプリケーションを実行するように構成される。デバイス602は、携帯電話、
ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、デスクトップコンピュータ、パー
ムトップコンピュータおよびスマートウォッチを含むが、これらに限定されるものではな
い。「デバイス統合アプリケーション」という用語は、該デバイス602のプロセッサを
使用することによって、デバイス602によって実行するためのソフトウェアプログラム
を指す。特に、デバイス統合アプリケーションは、デバイス602のハードウェアおよび
/またはソフトウェア要素に命令を提供するようにプログラムされた所定の機能のセット
を含む。更に、デバイス統合アプリケーションは、デバイス602のディスプレイ604
上にユーザインタフェースを提供するように構成されることで、ユーザが特定の関連タス
クを実行することを可能にする。一実施例では、デバイス統合アプリケーションは、アプ
リケーションプログラミングインタフェースである。一実施形態では、デバイス統合アプ
リケーションは、組織に関係している。従って、デバイス統合アプリケーションは、組織
によって提供される予めプログラムされたガイドラインに従って機能する。デバイス統合
アプリケーションは、その設置時に予めプログラムされたガイドラインに従って機能する
ように構成される。
【0095】
いくつかの実施形態では、デバイス統合アプリケーションは、ウェアラブルデバイス3
00がユーザに装着されているとき、またはウェアラブルデバイス300がユーザに接着
されているとき(即ち、動作中)、ユーザ入力部322にアクセスするためのキューとし
て、ユーザ606が接触または軽度の圧力を印加することを可能にする。ユーザ入力部3
22上のユーザ606による接触または軽度の圧力の印加は、コントローラ320に、ユ
ーザ入力部322の受信に基づく出力を提供するように、少なくとも1つの刺激要素30
2に指示する命令を提供するように構成される。いくつかの実施形態では、デバイス統合
アプリケーションは、ユーザ606が処方された薬剤の摂取をリマインドする時をデバイ
ス602に指示することを可能にする。この場合、デバイス統合アプリケーションは、例
えば、薬剤の名称、薬剤の投与量、薬剤の服用時期等に関する処方情報を含む。更に、デ
バイス統合アプリケーションは、ユーザの要求に基づいて(換言すると、特定の要件を満
たすように調整されて)ウェアラブルデバイス600を構成することを可能にする。この
ような実施形態では、デバイス統合アプリケーションは、刺激アラートに加えて識別可能
なアラートを生成することを可能にする。有利には、識別可能なアラートは、普通の生活
ができないユーザ606を助けるためにユーザ606の家族または介護者に対する、視覚
的、聴覚的、またはそれらの組み合わせのようなアラートパターンを含む。いくつかの実
施形態では、デバイス統合アプリケーションは、医師との予約をスケジューリングし、そ
のための事前の通知(またはリマインダ)を送信することを可能にする。事前の通知は、
所定の期間、例えば、予約期日の2日、1日、6時間、および2時間前等に基づいて生成
することができることが理解されるであろう。
【0096】
いくつかの実施形態では、デバイス統合アプリケーションは、ウェアラブルデバイス6
00の常用、症状、症状の変化および進行、ウェアラブルデバイス600の有効性、並び
に症状の治療(薬剤、治療等を含む)を追跡および記録することを可能にする。いくつか
の実施形態では、デバイス統合アプリケーションは、ユーザ606によって記録されたデ
ータを収集かつ分析し、それを使用してグラフとして改善を測定および提供するように構
成される。いくつかの実施形態では、デバイス統合アプリケーションは(例えば、電子メ
ールまたは他のデバイス統合アプリケーションを介して)、通信ネットワーク608を介
してユーザの医師または内科医にウェアラブルデバイス600の日々の分析を報告する。
付加的または代替的に、デバイス統合アプリケーションは、読み取りが所定の閾値を超え
たときに、自動アラートをトリガする。代替的な実施形態では、ウェアラブルデバイス6
00は、何らかのBluetooth(登録商標)接続なしに使用されるように動作可能
である。ウェアラブルデバイス600は、第1のコマンド、即ち、5分間の刺激に対して
1回の接触または圧力の印加と、連続的な刺激に対する第2のコマンドとを含む。このよ
うな実施形態では、デバイス統合アプリケーションを介して、ウェアラブルデバイス60
0は、投薬アラートを提供するとともに、アラートシステム、振動振幅、デューティ比、
振動波形、バッテリステータス、およびウェアラブルデバイス600のオン/オフを管理
するように構成される。いくつかの実施形態では、デバイス統合アプリケーションは、例
えば、緊急事態においてウェアラブルデバイスにアクセスするのを許可された、ユーザの
医師、介護者、または家族によって、ウェアラブルデバイス600を遠隔位置からトリガ
するために使用される。ウェアラブルデバイス600はスタンドアロンデバイスであり、
その機能のために新しいソフトウェアまたはハードウェアを必要としないことが理解され
るであろう。
【0097】
図11Bは、スマートフォン等のデバイス604へのデバイス統合アプリケーションの
成功したインストールの例示的な実装である。図示のように、デバイス統合アプリケーシ
ョンのロゴまたはアイコン610は、スマートフォンディスプレイ604上において視認
可能である。デバイス統合アプリケーションは、(図12A図12B図12C図1
3A、図13B図13C図14Aおよび図14Bに詳細に示すように)例えば、様々
なゲーム、自己評価、投薬アラート等の複数のオプションを有するメインメニュー612
を含む。デバイス統合アプリケーションは、1つのオプション612aからメインメニュ
ーに戻り、別のオプションを選択することによって、メインメニュー612上の様々なオ
プション間のトグルを可能にする。種々のゲームは、パーキンソン病に罹患している患者
のようなユーザの速度および精度を試験するように設計されている。一実施例において、
種々のゲームのうちの1つに、スクリーン上に示された2つの点の間に、指を用いて螺旋
および/または直線を描くものを含む。ユーザ606は、運動を改善するのに役立つ複数
の試みを行うことができる。別の実施例では、種々のゲームのうちの1つに、ディスプレ
イ内の変化を識別し追跡するもの、例えば、指を使用して制限時間内に可能な限り多くの
バルーンをポッピングするものや、スクリーン上の交互のドットを、指を使用して制限時
間内に可能な限り速くタップするもの等を含む。自己評価は、ユーザに対するアンケート
を含む。ユーザは、ユーザの健康に関して医師または介護者に追跡および通知するために
、定期的に、例えば週毎、自己評価アンケートを記入する必要がある。アンケートは、「
歩行に伴う問題」、「入浴または着替えに伴う問題」、「日常生活に伴う問題」、「痛み
/不快」、「不安/うつ」等の質問に対して回答するために、例えば、「なし、軽度、中
程度、重度および不可能」の範囲の所定の尺度の応答からユーザが選択することを必要と
し得る。デバイス統合アプリケーションは、ユーザ606が現在の質問に対する回答を登
録した後に新たな質問に移動することを可能にする。更に、デバイス統合アプリケーショ
ンは、ユーザ606が0~100の尺度で総合的な健康(生活の質(QOL))を評価す
ることを可能にし、ここで0はユーザ606が想定可能な中で最悪であり、100は最良
の健康状態である。更に、デバイス統合アプリケーションは、次回の投薬の期限および投
薬の12時間または24時間フォーマットでの時間のような投薬アラートを提供する。更
に、前記アラートが対処され、その時間に対する投薬が行われた場合には、ユーザ606
にログを提供して、回答(はい、またはいいえ)を登録する。更に、設定アイコンは、ユ
ーザ606がアラームを設定することを可能にし、処方の詳細(即ち、薬剤および用量)
および各投薬の頻度を提供する。有利には、デバイス統合アプリケーションは、ユーザ6
06によって記録されたデータを、ユーザ606の進行を追跡するためにそれぞれの医師
に送信することを可能にする。
【0098】
いくつかの実施形態では、ウェアラブルデバイス100、200、300、500、6
00は、神経障害または神経疾患に関連する、感覚機能不全を調整する、または物理的症
状を緩和するために使用される。ウェアラブルデバイス100、200、300、500
、600は、ユーザに少なくとも1つの機械的刺激を提供するように構成された少なくと
も1つの刺激要素を含み、ここで、機械的刺激は、パルス出力と、少なくとも1つの刺激
要素によって提供される機械的刺激の有効面積を増加させるように構成された消散部分で
あって、少なくとも1つの刺激要素に結合される消散部分とを含み、ウェアラブルデバイ
ス100、200、300、500、600は、動作時に、ユーザの身体と物理的に接触
する。ユーザは、神経障害または神経疾患、例えばパーキンソン病、アルツハイマー病、
多発性硬化症に罹患している場合がある。前記疾患において、患者は、運動に影響を及ぼ
す神経障害を被っている。これに関して、ウェアラブルデバイス100、200、300
、500、600は、少なくとも1つの刺激要素によりパルス出力を生成することを可能
にするように構成される。結果的に、パルス出力は、有効ではあるが、ユーザのためのキ
ューサインとして機能する緩やかな電気的(または振動触覚)刺激を提供する。パルス出
力は、連続波形としてまたはバイナリ機械的刺激として生成され得る規則的、律動的また
は周期的変動を含む。バイナリ機械的刺激は、感覚機能不全を調節し、ユーザがパルス出
力によって提供されるキューに集中することを可能にする触知キューサインを提供するこ
とで、パルス出力に対する自身の運動のタイミングを調節することを可能にする。このよ
うにすることで、上述した医学的症状に関連した立ちすくみ、振戦、こわばり、減速を更
に低減することができる。有利には、触知キューサインは、目的のタスクへの集中力を損
ないつつ能動的に集中する必要なしに、ユーザが本来的に機械的刺激または触知キューサ
インを意識することができる故、運動やタスクの完了の改善を助けるのに有益であり得る
【0099】
いくつかの実施形態では、パルス出力は、平衡パルス出力である。平衡パルス出力は、
高振幅によって特徴付けられる対称的な正の部分(陰極パルス)と、非常に低い振幅、好
ましくはゼロであるが、実質的に等しいパルス持続時間を有することを特徴とする負の部
分(陽極パルス)とを生じさせる。更に、パルス出力は、結果的にユーザの6~50%を
改善し、好ましくは32%の改善をもたらす。32%までの改善は、パルス刺激に基づく
、ニューロンの活性化及び運動の整合に対して観察される。更に、運動の整合は、パルス
出力に対する自身の運動のタイミングを整合するためパルス出力によって提供されるキュ
ーにユーザが焦点を合わせることに関連している。
【0100】
いくつかの実施形態では、ウェアラブルデバイス100、200、300、500、6
00は、機械的係合によってユーザの身体と物理的に接触しており、機械的係合は、接着
剤、ストラップ、ロケット、ブレスレット、バンド、ベルト、真空カップ、磁石のうちの
いずれかによるものである。ユーザの身体、即ち、ユーザの皮膚との物理的接触は、ウェ
アラブルデバイス100、200、300、500、600からの触覚刺激のユーザへの
伝達を有効にする。ウェアラブルデバイス100、200、300、500、600は、
胸骨、腕、肩、手首、首、足首、脚、およびこめかみ等の任意の身体部分に対して配置す
ることができる。前記身体部分は、ユーザおよび普通の生活ができないユーザの介護者ま
たは家族がウェアラブルデバイス100、200、300、500、600に容易にアク
セスすることを可能にする。ウェアラブルデバイス100、200、300、500、6
00の魅力的なデザインは、装飾品として誇示されるデバイスを提供する。しかしながら
、一部のユーザにとって、ウェアラブルデバイス100、200、300、500、60
0を見せびらかすことが快適ではない場合があり、また例えば衣服の下に隠れている任意
の他の身体部分にウェアラブルデバイス100、200、300、500、600を装着
する場合もある。例えば、ウェアラブルデバイス100、200、300、500、60
0は、大腿部またはユーザの背中に配置されてもよい。
【0101】
接着剤用リザーバは、ドッキングステーションの基部またはドッキングステーションの
蓋に設けられ、リザーバは、ドッキングステーションの基部またはドッキングステーショ
ンの蓋から回転可能に取り外し可能である。ウェアラブルデバイス100、200、30
0、500、600は、例えば接着剤によって、ユーザの皮膚に、好ましくは胸骨に取り
付け可能である。接着剤は、その裏面に接着剤の層を含む面ファスナ材料の消耗性パッド
として設けられる。上述したように、ユーザの皮膚に向けて面するように配置されたルー
プ材の裏面には医療用グレードの接着剤が設けられており、その消散部分等の、ウェアラ
ブルデバイスに向けて面するように配置されたフック材の裏面には、より強力な接着剤が
設けられている。面ファスナ材料は、フックおよびループによって合わせて取り付けられ
、ウェアラブルデバイスをユーザの身体と物理的に接触させて保持する。接着剤の消耗性
パッドは、接着剤用リザーバ内の層に供給され、貯蔵される。リザーバの独特の設計は、
ウェアラブルデバイスに現在使用されている接着剤の消耗性パッドが所望の効果を示すこ
とができない場合に、貯蔵された接着剤の消耗性パッドにアクセスすることを可能にする
。有利には、リザーバを外方に回転することにより、接着剤の消耗性パッドを所定の位置
に保持することができ、ドッキングステーションを最小限のジャークおよび配向変化に曝
すことによりドッキングステーションの寿命を向上させることができる。
【0102】
本開示は、パーキンソン病のような、運動を制限されたユーザに振動刺激を提供するた
めのウェアラブルデバイスを提供する。本開示のウェアラブルデバイスは、集束された刺
激とキューイングとの組み合わせを用いて、振動刺激を生成して、ユーザが移動の自由を
回復させるのを助ける。ウェアラブルデバイスは、ユーザにとって極めて快適であるだけ
でなく、スマートかつ視覚的に魅力的である。更に、振動刺激は、騒音制御、放熱等の点
で、ユーザにとって快適である。ウェアラブルデバイスは、ユーザが最大の利益を享受す
るパターン、強度および周波数を精練するために、刺激の変数を変更する等という点で、
ユーザの要求に適合するように調整される。ウェアラブルデバイスは、パーキンソン病を
患う人々に改善された歩様およびより良い生活の質を提供する。ウェアラブルデバイスは
、パーキンソン病の非侵襲的治療であり、それによって生成される振動触覚刺激の影響は
、リハビリテーションプログラムの文脈で拡張され、この技術の長期的な利益を実証する
。ウェアラブルデバイスは、神経可塑性に関連する脳の変化を誘導し、刺激に対する応答
性を高めることができる。更に、ウェアラブルデバイスは、スタンドアロンデバイスであ
り、ユーザの総合的な健康(生活の質)を記録し分析するためのデバイス統合アプリケー
ションソフトウェアによって操作することができる。
【0103】
本開示を読むことにより、他の変形および修正が当業者には明らかであろう。このよう
な変形および修正は、ウェアラブルデバイスの技術において既に知られており、本明細書
に既に記載されている特徴の代わりに、またはそれに加えて使用され得る同等および他の
特徴を含み得る。
【0104】
添付の特許請求の範囲は、特定の特徴の組み合わせに向けられているが、本発明の開示
の範囲は、本明細書に開示されている任意の新規の特徴または任意の新規の特徴の組み合
わせを、請求項に記載されている本発明に関連するかどうか、および本発明と同じ技術的
問題のいずれかまたは全てを軽減するかどうかに関わらず、明示的もしくは暗黙的、また
はそれらの任意の一般化のいずれかを含むことが理解されるべきである。
【0105】
別の実施形態の文脈で説明される特徴はまた、単一の実施形態で組み合わせて提供され
てもよい。逆に、簡素化のために単一の実施形態の文脈で説明された様々な特徴を、別個
に、または任意の適切なサブコンビネーションで提供することもできる。本出願人は、本
出願またはそれに由来する任意の更なる出願の手続き中に、そのような特徴および/また
はそのような特徴の組み合わせに新しい請求の範囲を定式化することができることをここ
に通知する。記載されたデバイスおよびシステムの特徴は、対応する方法に組み込む/そ
れにおいて使用することができる。
【0106】
完全性のために、「含む」という用語は、他の要素またはステップを除外するものでは
なく、「a」または「an」という用語は、複数を除外するものではなく、単一のプロセ
ッサまたは他のユニットは、特許請求の範囲に列挙された複数の手段の機能を満たすこと
ができ、また、特許請求の範囲における任意の参照符号は、特許請求の範囲を限定するも
のと解釈されるべきではない。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図4H
図4I
図4J
図5
図6
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図10
図11A
図11B
図12A
図12B
図12C
図13A
図13B
図13C
図14A
図14B
【手続補正書】
【提出日】2024-03-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
神経障害を有するユーザに少なくとも1つの機械的刺激を提供するためのウェアラブルデバイス(100)であって、
前記ユーザに前記少なくとも1つの機械的刺激を提供するように構成された少なくとも1つの刺激要素(102)であって、前記少なくとも1つの刺激要素(102)の出力は、パルス出力を含む、前記刺激要素(102)と、
前記少なくとも1つの刺激要素(102)の出力を制御するように構成されたコントローラ(320)と、
前記少なくとも1つの刺激要素(102)によって提供される機械的刺激の有効面積を増加させるように構成された消散部分(104)と、
を含み、
前記パルス出力は、集束された振動触覚刺激とキューイングとの組み合わせを前記ユーザに提供することを特徴とする、
ウェアラブルデバイス(100)
【請求項2】
前記機械的刺激を前記ユーザに送達および/または伝達するように構成された表面(306)を更に含み、前記消散部分(104)の少なくとも一部は、前記機械的刺激を前記ユーザに送達するように構成された前記表面(106)の少なくとも一部を形成するように構成されている、請求項1に記載のウェアラブルデバイス(100)
【請求項3】
前記少なくとも1つの刺激要素(102)は、機械的刺激を前記ユーザに送達するように構成された前記表面(106)の少なくとも一部を形成するように構成されている、請求項に記載のウェアラブルデバイス(100)
【請求項4】
前記消散部分(104)は、前記少なくとも1つの刺激要素(102)を受容するように構成された凹部またはアパチャを備える、請求項1~のいずれか一項に記載のウェアラブルデバイス(100)
【請求項5】
機械的刺激を前記ユーザに送達するように構成された前記表面(106)が、前記表面(106)前記ユーザの皮膚に接着するように構成された接着剤を含む、請求項2、または請求項2に直接的または間接的に従属する請求項3または4に記載のウェアラブルデバイス(100)
【請求項6】
充電部分(216)を更に備え、前記充電部分(216)は、前記少なくとも1つの刺激要素(102)に給電する、請求項1~のいずれか一項に記載のウェアラブルデバイス(100)
【請求項7】
前記パルス出力は、周期的な出力である、または周期的な出力を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のウェアラブルデバイス(100)
【請求項8】
前記パルス出力の各周期は、少なくとも第1のセグメントおよび第2のセグメントを含む、請求項に記載のウェアラブルデバイス(100)
【請求項9】
前記第1のセグメントは、前記少なくとも1つの刺激要素(102)の出力強度を第1の強度レベルから第2の強度レベルに増加させることを含み、かつ
前記第2のセグメントは、前記少なくとも1つの刺激要素(102)の出力強度を前記第2の強度レベルから前記第1の強度レベルに減少させることを含む、請求項に記載のウェアラブルデバイス(100)
【請求項10】
前記第1のセグメントにおける出力強度の増加率が、第2のセグメントにおける出力強度の減少率とは異なる、請求項に記載のウェアラブルデバイス(100)
【請求項11】
ーザ入力部が、
前記コントローラに、前記少なくとも1つの刺激要素(102)に第1の出力を提供するように指示させる第1のコマンドと、
前記コントローラに、前記少なくとも1つの刺激要素(102)に第2の出力を提供するように指示させる、前記第1のコマンドとは異なる第2のコマンドと、
を少なくとも受信するように構成されている、請求項1~10のいずれか一項に記載のウェアラブルデバイス(100)
【請求項12】
前記振動触覚刺激は、実質的に300Hz~0Hzの周波数を有する、請求項1~11のいずれか一項に記載のウェアラブルデバイス(100)。
【請求項13】
前記少なくとも1つの刺激要素(102)は、振動刺激を前記ユーザに提供するように構成されたモータを備える、請求項1~12のいずれか一項に記載のウェアラブルデバイス(100)。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載のウェアラブルデバイス(100)と、
前記ウェアラブルデバイス(100)を受容し、保管するためのドッキングステーション(250)であって、基部(274)と、端部に取り外し可能に取り付けられた蓋(272)とを含む単一のユニットである、前記ドッキングステーション(250)と、
を含む部品のキット。
【請求項15】
デバイスのデータ処理構成によって実行されるソフトウェアアプリケーションを含むデバイス統合アプリケーションであって、
請求項1~13のいずれか一項に記載の前記ウェアラブルデバイス(100)の前記コントローラ(320)に、前記少なくとも1つの刺激要素(102)に第1の出力を提供するように指示させる第1のコマンドを受信するためのソフトウェアアプリケーションと、
前記コントローラ(320)に、前記少なくとも1つの刺激要素(102)に第2の出力を提供するように指示させる、前記第1のコマンドとは異なる第2のコマンドを受信するためのソフトウェアアプリケーションと、
第1の出力または第2の出力を生成するためのソフトウェアアプリケーションと、
を含む、デバイス統合アプリケーション。
【外国語明細書】