(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024069313
(43)【公開日】2024-05-21
(54)【発明の名称】放熱部材
(51)【国際特許分類】
H01L 23/473 20060101AFI20240514BHJP
F28D 15/02 20060101ALI20240514BHJP
F28D 15/04 20060101ALI20240514BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
H01L23/46 Z
F28D15/02 M
F28D15/04 A
F28D15/04 B
F28D15/02 101H
F28D15/02 102G
H05K7/20 W
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024033596
(22)【出願日】2024-03-06
(62)【分割の表示】P 2022503729の分割
【原出願日】2021-02-25
(31)【優先権主張番号】P 2020031035
(32)【優先日】2020-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2020031049
(32)【優先日】2020-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2020031059
(32)【優先日】2020-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】阿部 裕一
(57)【要約】
【課題】放熱部材において、放熱効率の更なる向上を図ることができる技術を提供する。
【解決手段】本開示による放熱部材は、セラミックスからなる平板状の中間部材、第1部材および第2部材を有する。中間部材は、互いに反対側に位置する第1面および第2面を貫通する複数の貫通孔を有する。第1部材は、中間部材の第1面と対向する第3面に第1溝部を有する。第2部材は、中間部材の第2面と対向する第4面に複数の第2溝部を有し、第4面の反対側に位置する第5面に熱源が配置される。第2溝部の内面の面粗さは、中間部材の第2面の面粗さよりも大きい。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
セラミックスからなる平板状の中間部材であって、互いに反対側に位置する第1面および第2面を貫通する複数の貫通孔を有する前記中間部材と、
セラミックスからなる平板状の第1部材であって、前記中間部材の前記第1面と対向する第3面に第1溝部を有する前記第1部材と、
セラミックスからなる平板状の第2部材であって、前記中間部材の前記第2面と対向する第4面に複数の第2溝部を有し、前記第4面の反対側に位置する第5面に熱源が配置される前記第2部材と
を有し、
前記第2溝部の内面の面粗さは、前記中間部材の前記第2面の面粗さよりも大きい、放熱部材。
【請求項2】
前記中間部材は、前記貫通孔の内面の面粗さが前記第1面の面粗さよりも大きい、請求項1に記載の放熱部材。
【請求項3】
前記貫通孔は、前記第1面側から前記第2面側に向かって縮径する、請求項1に記載の放熱部材。
【請求項4】
前記第1溝部および前記第2溝部は、格子状である、請求項1~3のいずれか一つに記載の放熱部材。
【請求項5】
前記中間部材は、前記第1面と前記貫通孔との間に面取部を有する、請求項1~4のいずれか一つに記載の放熱部材。
【請求項6】
前記第1溝部は、前記第3面に対して凹んだ第1凹部と、前記第1凹部内に位置する複数の第1凸部とを有し、
前記複数の第1凸部のうち少なくとも1つと前記第1面との間に隙間を有する、請求項1~5のいずれか一つに記載の放熱部材。
【請求項7】
前記第2溝部は、前記第4面に対して凹んだ第2凹部と、前記第2凹部内に位置する複数の第2凸部とを有し、
前記複数の第2凸部のうち少なくとも1つと前記第2面との間に隙間を有する、請求項1~6のいずれか一つに記載の放熱部材。
【請求項8】
前記中間部材は、縁部と、中央部と、前記中央部および前記縁部の間に位置し、前記中央部および前記縁部を繋ぐ複数の接続部とを有し、
前記複数の貫通孔は、前記接続部に位置する複数の第1貫通孔と、前記中央部に位置し、前記第1貫通孔よりも開口面積が大きい少なくとも1つの第2貫通孔とを含む、請求項1~7のいずれか一つに記載の放熱部材。
【請求項9】
前記中央部における前記貫通孔の密度は、前記接続部における前記貫通孔の密度よりも小さい、請求項8に記載の放熱部材。
【請求項10】
前記中間部材は、縁部と、中央部と、前記中央部および前記縁部の間に位置し、前記中央部および前記縁部を繋ぐ複数の接続部とを有し、
平面視において、前記第1溝部および前記第2溝部は、前記縁部と重複する、請求項1~9のいずれか一つに記載の放熱部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、放熱部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、作動液の蒸発および凝縮のサイクルを利用して高温部から低温部へ効率良く熱を移動させる放熱部材(ヒートパイプ)が知られている。
【0003】
特許文献1には、平板状の上部材と平板状の下部材との間に平板状の中間部材を介在させた金属製のヒートパイプが開示されている。上部材の下面および下部材の上面には、それぞれ格子状の溝が形成されている。また、中間部材には、放射状に延びる複数の蒸気孔と、毛細管力を発生させる複数の微細な貫通孔とが形成されている。
【0004】
特許文献1に記載のヒートパイプでは、上部材および下部材の各凹部に蒸気孔が連通することで、作動液の蒸気を平面方向へ拡散させる蒸気拡散流路が形成される。また、上部材および下部材の各凹部に貫通孔が連通することで、平面方向と直交する垂直方向に作動液を帰還させる微細な毛細管流路が形成される。
【0005】
また、特許文献2には、セラミックスからなるヒートパイプが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4112602号公報
【特許文献2】特開昭59-173690号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示は、放熱部材において、放熱効率の更なる向上を図ることができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様による放熱部材は、セラミックスからなる平板状の中間部材、第1部材および第2部材を有する。中間部材は、互いに反対側に位置する第1面および第2面を貫通する複数の貫通孔を有する。第1部材は、中間部材の第1面と対向する第3面に第1溝部を有する。第2部材は、中間部材の第2面と対向する第4面に複数の第2溝部を有し、第4面の反対側に位置する第5面に熱源が配置される。また、第2溝部の内面の面粗さは、中間部材の第2面の面粗さよりも大きい。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、放熱効率の更なる向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施形態に係る放熱部材の斜視図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る第1部材をZ軸負方向側からZ軸正方向に見た図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る第2部材をZ軸正方向側からZ軸負方向に見た図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る中間部材をZ軸正方向側からZ軸負方向に見た図である。
【
図5】
図5は、中間部材30における中央部周辺の拡大図である。
【
図6】
図6は、
図4に示す中間部材に対して
図2に示す溝形成領域および
図3に示す溝形成領域を重畳させた図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る放熱部材における作動液の流れを説明するための図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る放熱部材における作動液の流れを説明するための図である。
【
図10】
図10は、第1変形例に係る貫通孔の構成を示す図である。
【
図11】
図11は、第2変形例に係る貫通孔の構成を示す図である。
【
図12】
図12は、第3変形例に係る放熱部材の側面図である。
【
図13】
図13は、第4変形例に係る放熱部材の側面図である。
【
図14】
図14は、第5変形例に係る放熱部材の側面図である。
【
図15】
図15は、第6変形例に係る放熱部材の側面図である。
【
図16】
図16は、第7変形例に係る放熱部材の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本開示による放熱部材を実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本開示が限定されるものではない。また、各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0012】
また、以下に示す実施形態では、「一定」、「直交」、「垂直」あるいは「平行」といった表現が用いられる場合があるが、これらの表現は、厳密に「一定」、「直交」、「垂直」あるいは「平行」であることを要しない。すなわち、上記した各表現は、例えば製造精度、設置精度などのずれを許容するものとする。
【0013】
また、以下参照する各図面では、説明を分かりやすくするために、互いに直交するX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向を規定し、Z軸正方向を鉛直上向き方向とする直交座標系を示す場合がある。
【0014】
まず、実施形態に係る放熱部材の全体構成について
図1を参照して説明する。
図1は、実施形態に係る放熱部材の斜視図である。
【0015】
図1に示すように、放熱部材1は、第1部材10、第2部材20および中間部材30を有する。第1部材10、第2部材20および中間部材30は、いずれも板状であり、第1部材10と第2部材20とで中間部材30を挟み込むように積層される。
【0016】
放熱部材1は、内部空間を有しており、この内部空間には作動液が封入される。作動液としては、たとえば、水、炭化水素系化合物、エタノールまたはメタノールなどの有機液体、アンモニアなどの液体が用いられ得る。
【0017】
第1部材10は、作動液注入孔14および気体排出孔15を有している。作動液は、作動液注入孔14から放熱部材1の内部空間に注入される。この作動液の注入に伴い、第1部材10の内部空間に存在する気体が気体排出孔15から外部へ排出される。作動液注入孔14は、第1部材10の四隅のうち1つの角部の近傍に位置し、気体排出孔15は、作動液注入孔14と対角線上に位置する角部の近傍に位置する。
【0018】
作動液注入孔14および気体排出孔15は、封止部材4,5によって閉塞される。作動液注入孔14および気体排出孔15が閉塞されることにより、放熱部材1の内部空間が密閉されて作動液が内部空間に封止された状態となる。これにより、たとえば高温負荷時における内圧の上昇に耐えることができ、熱拡散性を高めることができる。
【0019】
封止部材4,5としては、たとえば、第1部材10、第2部材20および中間部材30と同じ材質のセラミックスが用いられ得る。また、封止部材4,5としては、第1部材10、第2部材20および中間部材30と異なる材質のセラミックスが用いられてもよい。また、封止部材4,5としては、セラミックスに限らず、金属および樹脂等が用いられてもよい。また、作動液注入孔14および気体排出孔15と封止部材4,5との間には、接着剤が介在してもよい。かかる接着剤としては、たとえば、シリコーンやポリイミドなどの樹脂が用いられ得る。
【0020】
作動液は、たとえば作動領域100の内部空間の全体積に対して10体積%以上95体積%以下の割合で充填される。好ましくは、上記割合は、30体積%以上75体積%以下である。さらに好ましくは、上記割合は、40体積%以上65体積%以下である。また、放熱部材1の内部空間のうち作動液以外の残部は、蒸気化した作動液を一部含む真空状態となっている。これにより、高温環境下においても気液平衡を保つことができることからドライアウトしにくく、また、低温環境下においても効率よく熱拡散するため、様々な温度域において熱拡散性を高くすることができる。
【0021】
第1部材10、第2部材20および中間部材30は、セラミックスからなる。第1部材10、第2部材20および中間部材30を構成するセラミックスとしては、たとえば、アルミナ(Al2O3)、ジルコニア(ZrO2)、炭化珪素(SiC)、窒化珪素(Si3N4)、窒化アルミニウム(AlN)、コージェライト(Mg2Al3(AlSi5O18))、シリコン含浸炭化珪素(SiSiC)などが用いられ得る。また、第1部材10、第2部材20および中間部材30を構成するセラミックスは、単結晶体であってもよい。
【0022】
金属製の放熱部材は、材質や工法上の理由から剛性が得られにくく、薄型化が困難であった。また、金属製の放熱部材は、作動液と接触する部分が金属であることから、耐腐食性の点で改善の余地があった。これに対し、実施形態に係る放熱部材1は、第1部材10、第2部材20および中間部材30が全てセラミックスからなるため、金属製の放熱部材と比較して薄型化が容易であり、耐腐食性にも優れる。
【0023】
図1に示す例において、放熱部材1は、第1部材10を上向きにした状態で設置されているが、放熱部材1の設置の態様は
図1の例に限定されない。たとえば、放熱部材1は、第1部材10を下向きにして設置されてもよい。また、放熱部材1は、
図1に示すような横置きに限らず縦置きされてもよい。
【0024】
次に、第1部材10の構成について
図2を参照して説明する。
図2は、実施形態に係る第1部材10をZ軸負方向側からZ軸正方向に見た図である。
【0025】
図2には、第1部材10の下面、具体的には、中間部材30の上面(第1面)と対向する面(第3面)を示している。
図2に示すように、第1部材10は、第3面に格子状の第1溝部11を有する。
【0026】
第1溝部11は、第3面に対して凹んだ第1凹部11aと、第1凹部11a内に位置する複数の第1凸部11bとを有する。第1凹部11aは、第3面の中央部に位置しており、平面視における輪郭はたとえば四角形である。複数の第1凸部11bは、第1凹部11a内において互いに間隔を空けて縦方向(Y軸方向)および横方向(X軸方向)に配列されている。これら第1凹部11aおよび複数の第1凸部11bにより、第1溝部11は格子状を有する。
【0027】
以下、第1部材10の第3面のうち、第1溝部11が位置する領域を「溝形成領域100」と記載する。なお、上述した作動液注入孔14および気体排出孔15は、溝形成領域100に位置している。
【0028】
次に、第2部材20の構成について
図3を参照して説明する。
図3は、実施形態に係る第2部材20をZ軸正方向側からZ軸負方向に見た図である。
【0029】
図3には、第2部材20の上面、具体的には、中間部材30の下面(第2面)と対向する面(第4面)を示している。
図3に示すように、第2部材20は、第4面に格子状の第2溝部21を有する。
【0030】
第2溝部21は、第4面に対して凹んだ第2凹部21aと、第2凹部21a内に位置する複数の第2凸部21bとを有する。第2凹部21aは、第4面の中央部に位置しており、平面視における輪郭はたとえば四角形である。複数の第2凸部21bは、第2凹部21a内において互いに間隔を空けて縦方向(Y軸方向)および横方向(X軸方向)に配列されている。これら第2凹部21aおよび複数の第2凸部21bにより、第2溝部21は格子状を有する。
【0031】
以下、第2部材20の第4面のうち、第2溝部21が位置する領域を「溝形成領域200」と記載する。
【0032】
第2部材20における溝形成領域200の大きさは、第1部材10における溝形成領域100の大きさと同一である。また、第2部材20の第4面における溝形成領域200の位置は、第1部材10の第3面における溝形成領域100の位置と同一である。
【0033】
第2部材20の上面(第4面)の反対側に位置する下面(第5面)には、熱源が配置される。
【0034】
このように、第1溝部11および第2溝部21の形状を格子状とすることで、放熱部材1の内部空間において作動液を効率よく循環させることができる。なお、第1溝部11および第2溝部21の形状は、必ずしも格子状であることを要しない。
【0035】
次に、中間部材30の構成について
図4を参照して説明する。
図4は、実施形態に係る中間部材30をZ軸正方向側からZ軸負方向に見た図である。
【0036】
図4に示すように、中間部材30は、矩形枠状の縁部31と、縁部31の内方に位置する平面視円形の中央部32と、中央部32および縁部31の間に位置し、中央部32および縁部31を繋ぐ複数の接続部33とを有する。
図4に示す例において、中央部32は、中間部材30の中央に位置する。また、複数の接続部33は、互いに間隔をあけて、中央部32から縁部31に向かって拡幅しながら放射状に延びる。
【0037】
中間部材30は、さらに、複数の蒸気孔35と複数の貫通孔37とを有する。複数の蒸気孔35および複数の貫通孔37は、いずれも、中間部材30の上面(第1面)および下面(第2面)を貫通する。
【0038】
複数の蒸気孔35は、作動液の蒸気の流路の一部として機能する。複数の蒸気孔35は、隣り合う2つの接続部33の間に位置している。すなわち、複数の蒸気孔35と複数の接続部33とは周方向に交互に位置している。複数の蒸気孔35は、複数の接続部33と同様、互いに間隔をあけて、中央部32から縁部31に向かって拡幅しながら放射状に延びる。
【0039】
複数の貫通孔37は、作動液の流路の一部として機能する。貫通孔37は、上述した蒸気孔35と比較して開口面積が小さい微細な孔である。具体的には、貫通孔37は、貫通孔37を通過する作動液に毛細管現象を発生させることができる程度に小さい。
【0040】
複数の貫通孔37は、中間部材30の中央部32と複数の接続部33とに位置している。ここで、複数の貫通孔37の具体的な構成について
図5を参照して説明する。
図5は、中間部材30における中央部32周辺の拡大図である。
【0041】
図5に示すように、複数の貫通孔37は、中間部材30をZ軸正方向からZ軸負方向に見たときの開口径(言い換えれば、第1部材10側の開口径)が異なる複数種類(ここでは、3種類)の貫通孔、具体的には、複数の第1貫通孔37a、1つの第2貫通孔37bおよび複数の第3貫通孔37cを含む。
【0042】
複数の第1貫通孔37aは、中間部材30の各接続部33に位置している。たとえば、第1部材10側から見た第1貫通孔37aの開口径は、たとえば250μm以上700μm以下である。
【0043】
第2貫通孔37bは、中間部材30の中央部32の中央に位置している。第2貫通孔37bは、第1貫通孔37aよりも大径である。たとえば、第1部材10側から見た第2貫通孔37bの開口径は、たとえば550μm以上900μm以下である。なお、第2貫通孔37bは、中央部32に複数設けられてもよい。
【0044】
複数の第3貫通孔37cは、中間部材30の各接続部33に位置している。具体的には、複数の第3貫通孔37cは、接続部33のうち中央部32近傍の領域に位置している。また、複数の第3貫通孔37cは、中間部材30の中央部32にも位置している。具体的には、複数の第3貫通孔37cは、中央部32の外周部側すなわち接続部33近傍の領域に位置している。第3貫通孔37cは、第1貫通孔37aよりも小径である。たとえば、第1部材10側から見た第3貫通孔37cの開口径は、たとえば200~400μmである。
【0045】
このように、複数の貫通孔37は、中間部材30の中央から外周に向かって、開口径が大きい第2貫通孔37b、開口径が小さい第3貫通孔37c、開口径が中程度である第1貫通孔37aの順に位置している。
【0046】
中間部材30の中央部32は、接続部33と比べて蒸気孔35までの距離が長いことから、中央部32において作動液の環流が停滞し易い。すなわち、放熱部材1の中央部は、ヒートスポットになり易い。これに対し、実施形態に係る放熱部材1では、中間部材30の中央部32に開口径が大きい第2貫通孔37bを設けることで、中央部32において発生した蒸気を第2貫通孔37bから低温側へ移動させることができる。これにより、放熱部材1の中央部における作動液の環流を促進することができる。したがって、放熱部材1の中央部がヒートスポットとなることを抑制することができる。
【0047】
中間部材30の中央部32における貫通孔37の密度は、中間部材30の接続部33における貫通孔37の密度よりも小さい。言い換えれば、中間部材30をZ軸正方向側からZ軸負方向に見たときに、中央部32の面積に占める貫通孔37(第2貫通孔37bおよび複数の第3貫通孔37c)の開口面積の割合は、接続部33の面積に占める貫通孔37(複数の第1貫通孔37aおよび複数の第3貫通孔37c)の開口面積の割合と比較して少ない。このように、中央部32における貫通孔37の密度を相対的に小さくすることで、中間部材30の強度低下を抑制することができる。
【0048】
図6は、
図4に示す中間部材30に対して
図2に示す溝形成領域100および
図3に示す溝形成領域200を重畳させた図である。
【0049】
図6に示すように、第1部材10および第2部材20に形成される溝形成領域100,200は、中間部材30の縁部31と重複する。つまり、溝形成領域100,200は、中間部材30において複数の蒸気孔35および複数の貫通孔37が形成される領域(以下、「孔形成領域」と記載する)よりも外方に広がっている。
【0050】
このように、第1部材10および第2部材20の溝形成領域100,200を中間部材30の孔形成領域よりも広くすることで、溝形成領域100,200を孔形成領域と同程度とした場合と比較して、放熱部材1の内部空間を外方に広げることができる。
【0051】
熱源は、放熱部材1の中央部に配置され、放熱部材1の温度は、熱源から離れるほど、すなわち、放熱部材1の外周部に近くなるほど低くなる。また、作動液の蒸気は、低温領域に移動することによって凝縮して液体となる。したがって、放熱部材1の内部空間を外方に広げることで、作動液の凝縮がより生じ易くなる。このため、ドライアウトを生じ難くすることができる。
【0052】
なお、ここでは、第1溝形成領域110および第2溝形成領域120が中間部材30の孔形成領域よりも外方に広がっている場合の例を示したが、これに限らず、中間部材30の孔形成領域が第1溝形成領域110および第2溝形成領域120よりも外方に広がっていてもよい。
【0053】
次に、実施形態に係る放熱部材1における作動液の流れについて
図7および
図8を参照して説明する。
図7および
図8は、実施形態に係る放熱部材1における作動液の流れを説明するための図である。なお、
図7は、
図6に示す図から縁部31を省略した図であり、
図8は、
図7におけるIX-IX矢視断面図である。また、
図7および
図8では、蒸気の流れを白抜きの矢印で示し、液体の流れを黒塗りの矢印で示している。
【0054】
作動液は、熱源により加熱されることで気化して蒸気となる。上述したように、熱源は、第2部材20(
図1,
図3参照)の下面(第5面)の中央部に配置される。このため、作動液の蒸気は、熱源が配置される高温側空間(第2部材20と中間部材30とで挟まれた空間)の中央部において発生する。
【0055】
作動液の蒸気は、溝形成領域200(第2溝部21)を通って放熱部材1の面内方向(XY平面方向)に拡散しつつ(
図7に示す白抜きの矢印参照)、複数の蒸気孔35を通って上方の低温側空間(第1部材10と中間部材30とで挟まれた空間)へ移動する(
図8参照に示す白塗りの矢印参照)。
【0056】
低温側空間へ移動した蒸気は、温度の低下によって凝縮して液体となる。液体化した作動液は、溝形成領域100(第1溝部11)の毛細管力により、溝形成領域100を放熱部材1の中央部へ向かって移動する(
図7に示す黒塗りの矢印参照)。この過程において、作動液は、貫通孔37に入り込み、貫通孔37の毛細管力によって高温側空間へ戻される(
図8に示す黒塗りの矢印参照)。以上のサイクルが繰り返されることで、放熱部材1は、熱源から熱を移動させることができる。
【0057】
次に、中間部材30に形成される貫通孔37の具体的な構成について
図9を参照して説明する。
図9は、
図8に示すH部の拡大図である。
【0058】
図9に示すように、貫通孔37は、中間部材30の板面のうち低温側の面である上面301(第1面)から高温側の面である下面302(第2面)に向かって縮径している。言い換えれば、貫通孔37の開口径は、低温側から高温側に向かって狭くなっている。
【0059】
貫通孔37の低温側の開口径を相対的に大きくすることで、作動液が貫通孔37に入り込み易くなる。また、貫通孔37の高温側の開口径を相対的に小さくすることで、貫通孔37における毛細管力の大きさを高温側に向かうに従って大きくすることができる。これにより、低温側から貫通孔37に入り込んだ作動液を、徐々に大きくなる毛細管力によって高温側へ加速度的に引っ張ることができる。
【0060】
このように、放熱部材1によれば、貫通孔37をテーパ状に形成することで、作動液の循環効率を高めることができる。また、放熱部材1によれば、貫通孔37をテーパ状に形成することで、作動液や蒸気の逆流を抑制することもできる。
【0061】
なお、上述したように、複数の貫通孔37のうち第2貫通孔37b(
図5参照)は、蒸気の流路としても利用される。このため、第2貫通孔37bについては、蒸気が移動し易いように、開口径が一定のストレート状に形成されてもよい。
【0062】
貫通孔37の内面371の面粗さは、中間部材30の上面301(第1面)の面粗さよりも大きい。面粗さが大きくなるほど濡れ性が高くなる。このため、作動液は、面粗さがより大きい貫通孔37の内部に入り込み易くなる。
【0063】
このように、貫通孔37の内面371の面粗さを中間部材30の上面301(第1面)の面粗さよりも大きくすることで、作動液の循環効率を高めることができる。
【0064】
また、第2溝部21の内面211の面粗さは、貫通孔37の内面371の面粗さよりも大きい。これにより、作動液は、貫通孔37の内部から第2溝部21に排出されやすくなる。
【0065】
このように、第2溝部21の内面211の面粗さを貫通孔37の内面371の面粗さよりも大きくすることで、作動液の循環効率を高めることができる。
【0066】
次に、上述した放熱部材1の製造方法の一例について説明する。まず、第1部材10、第2部材20および中間部材30の原料を用い、ドクターブレード法またはロールコンパクション法等にてグリーンシートを形成し、複数のグリーンシートを積層することによって積層体を得る。
【0067】
つづいて、得られた積層体に対してレーザ加工や金型による打ち抜きを施すことにより、第1部材10、第2部材20および中間部材30の各成形体を得る。たとえば、積層体に対してレーザ加工を施すことにより、複数の蒸気孔35および複数の貫通孔37が形成された中間部材30の成形体を得ることができる。このときのレーザ加工により、貫通孔37の内面371の面粗さを中間部材30の上面301(第1面)の面粗さよりも大きくすることができる。
【0068】
また、得られた積層体に対してレーザ加工を施すことにより、溝形成領域100,200が形成された第1部材10および第2部材20の成形体が得られる。このときのレーザ加工におけるレーザの出力を調整することにより、第2溝部21の内面211の面粗さを貫通孔37の内面371の面粗さよりも大きくすることができる。
【0069】
つづいて、第1部材10、第2部材20および中間部材30の各成形体を、第2部材20、中間部材30および第1部材10の順番で積層して焼成することにより、第1部材10、第2部材20および中間部材30が一体化した焼成体が得られる。このように、第1部材10、第2部材20および中間部材30は一体成形される。したがって、接着剤等が不要であることから、信頼性の高い放熱部材1を得ることができる。
【0070】
つづいて、第1部材10に設けられた作動液注入孔14から焼成体の内部に作動液を注入する。焼成体の内部に存在する気体は、作動液の注入に伴って第1部材10の気体排出孔15から外部へ排出される。
【0071】
つづいて、封止部材4,5および接着剤を用いて作動液注入孔14および気体排出孔15を閉塞する。これにより、放熱部材1が得られる。
【0072】
(第1変形例)
図10は、第1変形例に係る貫通孔の構成を示す図である。
図10に示すように、第1変形例に係る放熱部材1Aは、中間部材30Aを有する。
【0073】
第1変形例に係る中間部材30Aは、上面301(第1面)と貫通孔37との間に面取部372を有する。面取部372は、たとえば、上面301(第1面)と貫通孔37の内面371と接続する湾曲凸面を有する。
【0074】
このように、上面301(第1面)と貫通孔37との間に面取部372を設けることで、作動液が貫通孔37に入り込み易くすることができる。
【0075】
なお、面取部372は、必ずしも曲面状(R面状)であることを要せず、たとえば平面状(C面状)であってもよい。
【0076】
面取部372を有する中間部材30Aの成形体を製造する場合、たとえば、グリーンシートの積層体に対してレーザ加工や金型による打ち抜きを施す際に、レーザ加工の出力を調整したり金型の形状を調整したりすればよい。その後、得られた成形体を第1部材10および第2部材20とともに焼成することにより、第1部材10、第2部材20および中間部材30Aが一体化した焼成体を得ることができる。
【0077】
(第2変形例)
図11は、第2変形例に係る貫通孔の構成を示す図である。
図11に示すように、第2変形例に係る放熱部材1Bは、中間部材30Bを有する。
【0078】
第2変形例に係る中間部材30Bは、XY平面に対して蛇行している。そして、放熱部材1Bは、第1溝部11が有する複数の第1凸部11bの少なくとも1つと中間部材30Bの上面301との間に第1の隙間310を有する。
【0079】
かかる放熱部材1Bによれば、第1溝部11だけでなく、第1の隙間310にも作動液を流通させることができる。作動液は、第1の隙間310における毛細管力によって貫通孔37へ導かれて貫通孔37へ入り込む。このように、放熱部材1Bによれば、第1の隙間310を有することで、作動液の循環効率をさらに高めることができる。
【0080】
また、放熱部材1Bは、第2溝部21が有する複数の第2凸部21bの少なくとも1つと中間部材30Bの下面302との間に第2の隙間320を有する。
【0081】
かかる放熱部材1Bによれば、第2溝部21だけでなく第2の隙間320にも作動液の蒸気を流通させることができる。このように、放熱部材1Bによれば、第2の隙間320を有することで、作動液の蒸気の拡散を促進させることができる。すなわち、作動液の循環効率を高めることができる。
【0082】
XY平面に対して蛇行している中間部材30Bの成形体を製造する場合、たとえば、グリーンシートを積層する際に積層体に対して加える圧力を調整すればよい。たとえば、積層体に対して圧力を不均一に加えることで、XY平面に対して蛇行している中間部材30Bの成形体を得ることができる。その後、得られた成形体を第1部材10および第2部材20とともに焼成することにより、第1部材10、第2部材20および中間部材30Bが一体化した焼成体を得ることができる。
【0083】
また、第2溝部21の内面211の面粗さは、中間部材30の下面302(第2面)の面粗さよりも大きい。これにより、作動液は、中間部材30の下面302(第2面)から第2溝部21に排出されやすくなる。
【0084】
このように、第2溝部21の内面211の面粗さを中間部材30の下面302(第2面)の面粗さよりも大きくすることで、作動液の循環効率を高めることができる。
【0085】
なお、中間部材30の上面301(第1面)、貫通孔37の内面371、下面302(第2面)、第2溝部21の内面211の面粗さは、例えば算術平均粗さRaがそれぞれ0.08μm以上0.4μm以下、0.3μm以上0.6μm以下、0.08μm以上0.4μm以下、0.5μm以上0.8μm以下の範囲内で調整しても良い。
【0086】
(第3変形例)
図12は、第3変形例に係る放熱部材の側面図である。
図12に示すように、放熱部材1Cは、高温側である第2部材20の下面(第5面)に導体6を有していてもよい。
【0087】
金属製の放熱部材は、放熱部材自体が導体となるため、回路等を形成するためには絶縁体を設ける必要がある。これに対し、絶縁体であるセラミックスからなる放熱部材1Cによれば、導体6を配線や電極として使用することで、電子部品を直接実装することが可能である。
【0088】
(第4変形例)
図13は、第4変形例に係る放熱部材の側面図である。
図13に示すように、放熱部材1Dは、高温側である第2部材20の下面(第5面)に、導体6の少なくとも一部を覆う被覆層7を有していてもよい。
【0089】
(第5変形例)
図14は、第5変形例に係る放熱部材の側面図である。
図14に示すように、放熱部材1Eは、低温側である第1部材10の上面(第6面)にヒートシンク8を有していてもよい。ヒートシンク8の材質は、金属であってもよいし、セラミックスであってもよい。ヒートシンク8は、たとえば複数のフィン81を有する。これにより、放熱効果をさらに高めることができる。
【0090】
(第6変形例)
図15は、第6変形例に係る放熱部材の側面図である。
図15に示すように、放熱部材1Fは、セラミックスからなる複数のフィン18が上面(第6面)に一体的に形成された第1部材10Fを有していてもよい。第1部材10Fは、たとえば、グリーンシートの積層体に対して金型による打ち抜きやレーザ加工を施して複数のフィン18を形成した成形体を焼成することにより得られる。かかる放熱部材1Fによれば、フィン18を取り付けるための接着剤等が不要となるため、信頼性を向上させることができる。また、接着剤等によって放熱が妨げられることがない。
【0091】
複数のフィン18のうち一部は、第1部材10Fの溝形成領域100、第2部材20の溝形成領域200、中間部材30の蒸気孔35および貫通孔37によって形成される放熱部材1Fの内部空間よりも外方に位置していることが好ましい。これにより、放熱効果をさらに高めることができる。
【0092】
(第7変形例)
図16は、第7変形例に係る放熱部材の側面図である。
図16に示すように、放熱部材1Gは、低温側である第1部材10の上面(第6面)に温調プレート9を有していてもよい。温調プレート9は、たとえば、水冷式、空冷式、抵抗加熱式のものを用いることができる。
【0093】
上述してきたように、実施形態に係る放熱部材(一例として、放熱部材1,1A~1G)は、セラミックスからなる平板状の中間部材(一例として、中間部材30,30A,30B)、第1部材(一例として、第1部材10,10F)および第2部材(一例として、第2部材20)を有する。中間部材は、互いに反対側に位置する第1面(一例として、上面301)および第2面(一例として、下面302)を貫通する複数の貫通孔(一例として、貫通孔37)を有する。第1部材は、中間部材の第1面と対向する第3面(一例として、下面)に第1溝部(一例として、第1溝部11)を有する。第2部材は、中間部材の第2面と対向する第4面(一例として、上面)に複数の第2溝部(一例として、第2溝部21)を有し、第4面の反対側に位置する第5面(一例として、下面)に熱源が配置される。また、第2溝部の内面の面粗さは、中間部材の第2面の面粗さよりも大きい。これにより、作動液は、中間部材の第2面から第2溝部に排出されやすくなるため、作動液の循環効率を高めることができる。
【0094】
中間部材は、貫通孔の内面の面粗さが第1面の面粗さよりも大きい。これにより、作動液が貫通孔の内部に入り込み易くなるため、作動液の循環効率を高めることができる。したがって、放熱効率の更なる向上を図ることができる。
【0095】
第1溝部および第2溝部は、格子状である。これにより、放熱部材の内部空間において作動液を効率よく循環させることができる。
【0096】
第2溝部の内面の面粗さは、貫通孔の内面の面粗さよりも大きい。これにより、作動液が貫通孔の内部から第2溝部に排出されやすくなるため、作動液の循環効率を高めることができる。
【0097】
第1溝部は、第3面に対して凹んだ第1凹部(一例として、第1凹部11a)と、第1凹部内に位置する複数の第1凸部(第1凸部11b)とを有する。また、実施形態に係る放熱部材は、複数の第1凸部のうち少なくとも1つと第1面との間に隙間(一例として、第1の隙間310)を有する。これにより、作動液が第1溝部だけでなく上記隙間にも流通するようになるため、作動液の循環効率を高めることができる。
【0098】
第2溝部は、第4面に対して凹んだ第2凹部(一例として、第2凹部21a)と、第2凹部内に位置する複数の第2凸部(一例として、第2凸部21b)とを有する。また、実施形態に係る放熱部材は、複数の第2凸部のうち少なくとも1つと第2面との間に隙間(一例として、第2の隙間320)を有する。これにより、作動液の蒸気が第2溝部だけでなく上記隙間にも流通するようになるため、作動液の循環効率を高めることができる。
【0099】
中間部材は、縁部(一例として、縁部31)と、中央部(一例として、中央部32)と、中央部および縁部の間に位置し、中央部および縁部を繋ぐ複数の接続部(一例として、接続部33)とを有する。また、複数の貫通孔は、接続部に位置する複数の第1貫通孔(一例として、第1貫通孔37a)と、中央部に位置し、第1貫通孔よりも開口面積が大きい少なくとも1つの第2貫通孔(一例として、第2貫通孔37b)とを含む。中間部材の中央部に開口径が大きい第2貫通孔を設けることで、放熱部材の中央部がヒートスポットとなることを抑制することができる。
【0100】
平面視において、第1溝部および第2溝部は、縁部と重複する。放熱部材の内部空間を外方に広げることで、作動液の凝縮が生じ易くなることから、ドライアウトを生じ難くすることができる。
【0101】
貫通孔は、第1面側から第2面側に向かって縮径する。低温側の開口径を相対的に大きくすることで、作動液が貫通孔に入り込み易くすることができる。また、高温側の開口径を相対的に小さくすることで、貫通孔における毛細管力の大きさを高温側に向かうに従って大きくすることができる。したがって、作動液の循環効率を高めることができる。すなわち、放熱効率の更なる向上を図ることができる。
【0102】
中間部材は、第1面と貫通孔との間に面取部(一例として、面取部372)を有する。これにより、作動液が貫通孔に入り込み易くすることができる。
【0103】
中間部材の中央部における貫通孔の密度は、中間部材の接続部における貫通孔の密度よりも小さい。このように、中央部における貫通孔の密度を相対的に小さくすることで、中間部材の強度低下を抑制することができる。
【0104】
なお、上述した実施形態および変形例では、貫通孔の形状が、中間部材の第1面側から第2面側に向かって縮径する形状(テーパ状)である場合の例について説明したが、貫通孔の形状は、テーパ状に限定されない。たとえば、貫通孔の形状は、中間部材の第1面側から第2面側に向かって拡径する形状(逆テーパ状)であってもよい。また、貫通孔の形状は、中間部材の第1面側から第2面側にかけて径が略一定な形状(ストレート状)であってもよい。
【0105】
今回開示された実施形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。実に、上記した実施形態は多様な形態で具現され得る。また、上記の実施形態は、添付の特許請求の範囲およびその趣旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。
【符号の説明】
【0106】
1 :放熱部材
4,5 :封止部材
6 :導体
7 :被覆層
8 :ヒートシンク
9 :温調プレート
10 :第1部材
11 :第1溝部
11a :第1凹部
11b :第1凸部
14 :作動液注入孔
15 :気体排出孔
20 :第2部材
21 :第2溝部
21a :第2凹部
21b :第2凸部
30 :中間部材
31 :縁部
32 :中央部
33 :接続部
35 :蒸気孔
37 :貫通孔
37a :第1貫通孔
37b :第2貫通孔
37c :第3貫通孔
100 :溝形成領域
200 :溝形成領域