(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024069321
(43)【公開日】2024-05-21
(54)【発明の名称】制御システム及び方法
(51)【国際特許分類】
H04N 7/18 20060101AFI20240514BHJP
B60R 1/28 20220101ALI20240514BHJP
B60R 1/20 20220101ALI20240514BHJP
【FI】
H04N7/18 J
B60R1/28 200
B60R1/20 100
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024033967
(22)【出願日】2024-03-06
(62)【分割の表示】P 2022514224の分割
【原出願日】2020-08-27
(31)【優先権主張番号】1912628.3
(32)【優先日】2019-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(71)【出願人】
【識別番号】512308720
【氏名又は名称】ジャガー ランド ローバー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Jaguar Land Rover Limited
【住所又は居所原語表記】Abbey Road Whitley Coventry CV3 4LF UNITED KINGDOM
(74)【代理人】
【識別番号】100100158
【弁理士】
【氏名又は名称】鮫島 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100112911
【弁理士】
【氏名又は名称】中野 晴夫
(72)【発明者】
【氏名】ハトザキス,ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ゴビンダンクッティ,アナンド
(57)【要約】 (修正有)
【課題】牽引する車両の乗員に対する支援を提供する。
【解決手段】制御システム(1)は、牽引車(V1)に結合された被牽引車(V2)のヒッチ角(α)を示すヒッチ角データを受信するように構成されている。制御システム(1)は、少なくとも第1画像データ(DIMG1)の第1及び第2画像データサブセットを選択する。第1の画像データサブセット及び第2の画像データサブセットを示す信号(SOUT1)は、第1のビューポート(VPL、VPR)及び第2のビューポート(VPL、VPR)を牽引車(V1)の乗員に対して表示するための少なくとも1つのディスプレイ(5)に対して出力される。制御システム(1)は、ヒッチ角データに依存して、第1の画像データサブセット及び第2の画像データサブセットを選択するように構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
牽引車の乗員に支援を提供するための制御システムであって、1つ以上のコントローラを備え、前記制御システムは、
牽引車に結合された被牽引車のヒッチ角度を示すヒッチ角度データを受け取り、
少なくとも第1の画像データの第1および第2の画像データサブセットを選択し、前記第1の画像データサブセットは、前記牽引車の第1の側の第1のビューポートを表し、前記第2の画像データサブセットは、前記牽引車の第2の側の第2のビューポートを表し、
前記牽引車の乗員に対して前記第1のビューポートおよび前記第2のビューポートを表示するために、前記第1の画像データサブセットおよび前記第2の画像データサブセットを示す信号を前記少なくとも1つのディスプレイに出力し、
前記制御システムは、ヒッチ角データに依存して前記第1の画像データサブセットおよび前記第2の画像データサブセットを選択するように構成され、
前記第1の画像データサブセットは、前記ヒッチ角データが前記被牽引車が前記牽引車の第1の側に配置されることを示すとき、前記第2のビューポートに対して前記第1のビューポートの目立ち具合を増加させるように選択され、
前記第2の画像データサブセットは、前記ヒッチ角データが前記被牽引車が前記牽引車の第2の側に配置されることを示すとき、前記第1のビューポートに対して前記第2のビューポートの目立ち具合を増加させるように選択されることを特徴とする、制御システム。
【請求項2】
車両の乗員に支援を提供するための制御システムであって、1つ以上のコントローラを備え、制御システムは、
操舵角度を示す操舵角データを受信し、
少なくとも第1の画像データの第1及び第2の画像データサブセットを選択し、
前記第1の画像データサブセットは、車両の第1の側の第1のビューポートを表し、
前記第2のサブ画像データは、車両の第2の側の第2のビューポートを表し、
前記第1のビューポートおよび前記第2のビューポートを前記車両の乗員に表示するために、前記第1の画像データサブセットおよび前記第2の画像データサブセットを示す信号を前記少なくとも1つのディスプレイに出力し、
前記制御システムは、操舵角データに依存して前記第1の画像データサブセットおよび前記第2の画像データサブセットを選択するように構成され、
前記第1の画像データサブセットは、前記操舵角データが前記車両の第1の側の前記第1のビューポートに向かう走行方向を示すときに前記第2のビューポートに対する前記第1のビューポートの目立ち具合を増大させるように選択され、
前記第2の画像データサブセットは、前記操舵角データが前記車両の第2の側の前記第2のビューポートに向かう走行方向を示すときに前記第1のビューポートに対する前記第2のビューポートの目立ち具合を増大させるように選択される、ことを特徴とする制御システム。
【請求項3】
前記制御システムは、
第1の画像装置から第1の画像データを受信し、
前記第1の画像データは、前記牽引車の前記第1の側における第1の画像を表し、
前記第1の画像データサブセットは、前記第1の画像データから選択され、
前記第1のビューポートは、前記第1の画像の一部を構成する、請求項1または2に記載の制御システム。
【請求項4】
前記制御システムは、
第2の画像装置から第2の画像データを受信し、
前記第2の画像データは、前記牽引車の前記第2の側の第2の画像を表し、
前記第2の画像データサブセットは、前記第2の画像データから選択され、
前記第2のビューポートは、前記第2の画像の一部を構成する、請求項1、2、又は3のいずれか1項に記載の制御システム。
【請求項5】
前記第1の画像データは、第1の撮像装置から受信されて第1の画像を表し、
前記第1の画像データサブセット及び前記第2の画像データサブセットは、前記第1の画像データから選択される、請求項1又は2に記載の制御システム。
【請求項6】
前記第1のビューポートの目立ち具合を高めることは、前記第2のビューポートに対して前記第1のビューポートのサイズを大きくすることを含み、および/または、前記第2のビューポートの目立ち具合を高めることは、前記第1のビューポートに対して前記第2のビューポートのサイズを大きくすることを含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の制御システム。
【請求項7】
前記第1のビューポートのサイズを大きくすることは、前記第1のビューポートの幅を大きくすることを含み、前記第2のビューポートのサイズを大きくすることは、前記第2のビューポートの幅を大きくすることを含む、請求項6に記載の制御システム。
【請求項8】
請求項1~7のいずれかに記載の制御システムを含む車両。
【請求項9】
牽引車の乗員に支援を提供する方法であって、前記方法は、
牽引車に結合された被牽引車のヒッチ角度を決定すること、
前記牽引車の第1の側にある第1のビューポートと前記牽引車の第2の側にある第2のビューポートを選択すること、
前記第1のビューポートおよび前記第2のビューポートを前記牽引車の乗員に対して表示することを含み、
前記第1のビューポートおよび前記第2のビューポートは、決定されたヒッチ角に依存して選択され、
前記決定されたヒッチ角が、前記被牽引車が前記牽引車の前記第1の側に配置されることを示すとき、前記第1のビューポートの目立ち具合は、前記第2のビューポートに対して増大され、
前記決定されたヒッチ角が、前記被牽引車が前記牽引車の前記第2の側に配置されることを示すとき、前記第2のビューポートの目立ち具合は、前記第1のビューポートに対して増大される、方法。
【請求項10】
車両の乗員に支援を提供する方法であって、前記方法は、
前記車両の操舵角度を決定することと、
牽引車の第1の側にある第1のビューポートと、牽引車の第2の側にある第2のビューポートとを選択するステップと
前記第1のビューポートおよび前記第2のビューポートを前記牽引車の乗員に対して表示することを含み、
前記第1のビューポートおよび前記第2のビューポートは、決定された前記操舵角に依存して選択され、
前記決定された操舵角が前記車両の前記第1の側の前記第1のビューポートに向かう移動方向を示すとき、前記第1のビューポートの目立ち具合は前記第2のビューポートに対して増大され、
前記決定された操舵角が前記車両の前記第2の側の前記第2のビューポートに向かう移動方向を示すとき、前記第2のビューポートの目立ち具合は前記第1のビューポートに対して増大される、ことを特徴とする方法。
【請求項11】
前記第1のビューポートは、第1の画像の一部を含むか、または前記第1の画像の一部からなり、
前記第1の画像は、前記牽引車の前記第1の側に配置された第1の撮像装置によって撮像される、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
前記第2のビューポートは、第2の画像の一部から構成されるか、または前記第2の画像の一部から成り、
前記第2の画像は、前記牽引車の第2の側に配置された第2の撮像装置によって撮像されることを特徴とする、請求項9、10、又は11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1のビューポートおよび前記第2のビューポートは、ともに前記第1の画像から選択される、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項14】
前記第1ビューポートの目立ち具合を高めることは、前記第2ビューポートに対して前記第1ビューポートのサイズを大きくすることを含み、および/または
前記第2ビューポートの目立ち具合を高めることは、前記第1ビューポートに対して前記第2ビューポートのサイズを大きくすることを含む、請求項9~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記第1のビューポートのサイズを増加させることは、前記第1のビューポートの幅を増加させることを含み、
前記第2のビューポートのサイズを増加させることは、前記第2のビューポートの幅を増加させることを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
実行されると、請求項9~15のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成されたコンピュータソフトウェア。
【請求項17】
1つ以上の電子プロセッサによって実行されると、1つ以上の電子プロセッサに請求項9~15のいずれか1項に記載の方法を実行させる命令を記憶する非一過性のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、制御システム及び方法に関する。本発明の態様は、車両乗員に支援を提供するための制御システム、車両、車両乗員を支援する方法、コンピュータソフトウェアおよび非一過性のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に関連する。
【背景技術】
【0002】
車両の周囲の領域の画像を撮影するために動作する1つ以上のカメラを含むカメラシステムを車両に提供することが知られている。カメラシステムは、典型的には、ユーザに対して出力されるよりも広い視野を有するカメラを利用する。カメラシステムは、例えば合成画像(鳥瞰図など)を形成するために、各カメラの視野の固定部分のみを選択するように構成される。カメラシステムによって提供される異なる透視ビューは、水平および垂直の視野が固定された画像の変換によって実現されてもよい。画像変換を適用することは、画像データの品質の劣化につながり、潜在的に、結果として得られる合成画像の知覚品質の低下につながる可能性がある。
【0003】
本発明の目的は、先行技術に関連する1つ以上の欠点に対処することである。
【発明の概要】
【0004】
本発明の態様及び形態は、添付の特許請求の範囲に記載されるように、車両乗員に援助を提供するための制御システム、車両、車両乗員を援助する方法、コンピュータソフトウェア及び非一過性のコンピュータ読取可能な記憶媒体を提供する。
【0005】
本発明の一態様によれば、牽引車の乗員に援助を提供するための制御システムが提供され、この制御システムは、1つ以上のコントローラを備え、この制御システムは、
牽引車に結合された被牽引車のヒッチ角度を示すヒッチ角度データを受け取り、
少なくとも第1の画像データの第1および第2の画像データサブセットを選択し、第1の画像データサブセットは、牽引車の第1の側の第1のビューポートを表し、第2の画像データサブセットは、牽引車の第2の側の第2のビューポートを表し、
前記牽引車の乗員に対して前記第1のビューポートおよび前記第2のビューポートを表示するために、前記第1の画像データサブセットおよび前記第2の画像データサブセットを示す信号を前記少なくとも1つのディスプレイに出力し、
制御システムは、ヒッチ角データに依存して第1の画像データサブセットおよび第2の画像データサブセットを選択するように構成され、第1の画像データサブセットは、ヒッチ角データが被牽引車が牽引車の第1の側に配置されることを示す場合に第2のビューポートに対して第1のビューポートの目立ち具合(顕著性)を増加させるように選択され、第2の画像データサブセットは、ヒッチ角データが被牽引車が牽引車の第2の側に配置されることを示す場合に第1のビューポートに対して第2のビューポートの目立ち具合を増大させるように選択される、ように構成される。
【0006】
前記又は各コントローラは、前記牽引車に結合された被牽引車のヒッチ角度を示すヒッチ角度データを受信するための少なくとも1つの電子プロセッサを含んでいてもよい。少なくとも1つの電子プロセッサは、ヒッチ角データを受信するための1つまたは複数の電気入力を含んでいてもよい。少なくとも1つの電子プロセッサは、第1及び第2の画像データサブセットを選択するように構成されてもよい。
【0007】
前記又は各コントローラは、少なくとも1つの電子プロセッサに電気的に結合され、そこに記憶された命令を有する少なくとも1つのメモリデバイスを含んでもよい。少なくとも1つの電子プロセッサは、少なくとも1つのメモリデバイスにアクセスし、その上で命令を実行するように構成されてもよい。少なくとも1つの電子プロセッサは、ヒッチ角データに依存して、第1の画像データサブセット及び第2の画像データサブセットを選択するように構成されてもよい。
【0008】
少なくとも1つの電子プロセッサは、第1の画像データサブセット及び第2の画像データサブセットを示す信号を出力するための1つ又は複数の電気出力を含んでいてもよい。少なくとも1つの電子プロセッサは、スクリーンなどの適切な表示装置に信号を出力してもよい。
【0009】
制御システムは、牽引車の操舵角度を示す操舵角データを受信してもよい。制御システムは、ヒッチ角データおよび操舵角データに依存して、第1の画像データサブセットおよび第2の画像データサブセットを選択するように構成されてもよい。
【0010】
本発明のさらなる態様によれば、車両の乗員に支援を提供するための制御システムが提供され、制御システムは、1つまたは複数のコントローラを備え、制御システムは、
車両の操舵角度を示す操舵角データを受信し、
少なくとも第1の画像データの第1および第2の画像データサブセットを選択し、第1の画像データサブセットは、車両の第1の側の第1のビューポートを表し、第2のサブ画像データは、車両の第2の側の第2のビューポートを表し、
前記第1のビューポートおよび前記第2のビューポートを前記車両の乗員に表示するために、前記第1の画像データサブセットおよび前記第2の画像データサブセットを示す信号を前記少なくとも1つのディスプレイに出力し、
制御システムは、操舵角データに依存して第1の画像データサブセットおよび第2の画像データサブセットを選択するように構成され、第1の画像データサブセットは、操舵角データが車両の第1の側の第1のビューポートに向かう走行方向を示すときに第2のビューポートに対する第1のビューポートの目立ち具合を増大させるように選択され、第2の画像データサブセットは、操舵角データが車両の第2の側の第2のビューポートに向かう走行方向を示すときに第1のビューポートに対する第2のビューポートの目立ち具合を増大させるように選択されるように構成される。
【0011】
前記又は各コントローラは、前記車両の操舵角を示す操舵角データを受信するための少なくとも1つの電子プロセッサを含んでいてもよい。少なくとも1つの電子プロセッサは、操舵角データを受信するための1つまたは複数の電気入力を含んでいてもよい。少なくとも1つの電子プロセッサは、第1及び第2の画像データサブセットを選択するように構成されてもよい。
【0012】
前記又は各コントローラは、少なくとも1つの電子プロセッサに電気的に結合され、そこに格納された命令を有する少なくとも1つのメモリデバイスを含んでもよい。少なくとも1つの電子プロセッサは、少なくとも1つのメモリデバイスにアクセスし、その上で命令を実行するように構成されてもよい。少なくとも1つの電子プロセッサは、ヒッチ角データに依存して、第1の画像データサブセット及び第2の画像データサブセットを選択するように構成されてもよい。
【0013】
少なくとも1つの電子プロセッサは、第1の画像データサブセット及び第2の画像データサブセットを示す信号を出力するための1つ又は複数の電気出力を含んでいてもよい。少なくとも1つの電子プロセッサは、スクリーンなどの適切な表示デバイスに信号を出力してもよい。
【0014】
制御システムは、車両に結合されたトレーラなどの被牽引車のヒッチ(連結)角度を示すヒッチ角度データを受信するように構成されていてもよい。制御システムは、操舵角データ及びヒッチ角データに依存して、第1の画像データサブセット及び第2の画像データサブセットを選択するように構成されてもよい。
【0015】
少なくとも特定の実施形態において、制御システムは、車両の運転者のために改善された状況認識を提供してもよい。第1及び第2のビューポートのディスプレイは、関心領域の増加した認識を提供するように制御されてもよい。関心領域は、例えば、車両またはトレーラなどの被牽引車の進行方向に対応する領域を表すことができる。第1及び第2のビューポートの表示を動的に変更することによって、少なくとも特定の実施形態では、制御システムによって出力される品質が改善され得る。
【0016】
第1ビューポート及び第2ビューポートは、別々の画像として表示されてもよい。あるいは、第1および第2のビューポートは、合成画像の少なくとも一部を形成してもよい。合成画像は、例えば、前記第1及び第2のビューポートから構成されてもよいし、構成されてもよい。合成画像は、任意選択で、例えば第3の撮像装置によって撮像された第3の画像に由来する第3のビューポートを含んでいてもよい。前記第3の撮像装置は、前記車両に集中的に搭載されてもよい。あるいは、第3の撮像装置は、車両に結合されたトレーラ上に配置されてもよい。第3の撮像装置は、例えば、後方向きの向きでトレーラに搭載されてもよい。第3の撮像装置は、適切な位置及び向きを有するトレーラの後部に搭載されてもよい。第3の撮像画像は、トレーラの後方の領域を構成してもよいし、構成されてもよい。第1及び第2のビューポートは、合成画像において、第3のビューポートの対向する側に表示されてもよい。
【0017】
第1及び第2のビューポートの目立ち具合は、動的に調整することができる。一例として、合成画像の構成は、決定されたアーティキュレーション角及び/又は操舵角に依存して変更されてもよい。第1及び第2のビューポートによって占められる合成画像の比率は、動的に調整されてもよい。第1及び第2のビューポートの各々は、例えば、合成画像の一部を形成する副画像を構成してもよい。第1及び第2のビューポートのサイズ及び/又は位置は、決定された連結角及び/又は決定された操舵角に依存して変更されてもよい。例えば、被牽引車の走行方向(又は軌道)は、アーティキュレーション角及び操舵角の両方に依存して決定されてもよい。第1及び第2のビューポートの相対的な目立ち具合は、決定された被牽引車の移動方向に応じて調整されてもよい。
【0018】
制御システムは、第1の撮像装置から第1の画像データを受信するように構成されてもよく、第1の画像データは、牽引車の第1の側面の第1の画像を表す。第1の画像データサブセットは、第1の画像データから選択される。第1ビューポートは、第1画像の一部を構成してもよいし、第1画像の一部から構成されてもよい。
【0019】
制御システムは、第2の撮像装置から第2の画像データを受信するように構成されてもよく、第2の画像データは、牽引車の第2の側における第2の画像を表す。第2の画像データのサブセットは、第2の画像データから選択されてもよい。第2ビューポートは、第2画像の一部を構成してもよいし、第2画像の一部から構成されてもよい。
【0020】
第1の画像データは、第1の撮像装置から受信されてもよい。第1の画像データは、第1の画像を表してもよい。第1及び第2画像データサブセットは、第1画像データから選択されてもよい。第1及び第2の画像データサブセットは、互いに部分的に重なってもよい。しかし、第1画像データサブセットと第2画像データサブセットとの間に重なりが生じる可能性は小さいと考えられる。第1画像データサブセットと第2画像データサブセットとは、互いに独立したものであってもよい。第1の画像データサブセットは、第2の画像データサブセットと別個のものであってもよい。第1の撮像装置は、広角撮像装置、例えば、広角レンズを有する光学カメラであってもよい。第1画像データサブセット及び第2画像データサブセットは、いずれも第1画像データから選択されてもよい。第1画像データサブセット及び第2画像データサブセットは、第1画像データの離散的な部分から構成されてもよい。
【0021】
第1ビューポートの目立ち具合を高めることは、第2ビューポートに対する第1ビューポートのサイズを増大させることを含んでもよい。第1のビューポートのサイズを大きくすることは、第1のビューポートの幅を大きくすることを含んでもよい。代替的に、または追加的に、第1ビューポートおよび第2ビューポートの相対的な位置または向きを変更することによって、第1ビューポートの目立ち具合を増加させてもよい。
【0022】
第2のビューポートの目立ち具合を増加させることは、第1のビューポートに対する第2のビューポートのサイズを増加させることを含んでもよい。第2のビューポートのサイズを増加させることは、第2のビューポートの幅を増加させることを含んでいてもよい。代替的に、または追加的に、第2ビューポートの目立ち具合は、第1および第2ビューポートの相対的な位置または向きを変更することによって増加されてもよい。
【0023】
本発明のさらなる態様によれば、本明細書に記載される制御システムを備える車両が提供される。車両は、トレーラなどの被牽引車に結合される牽引車であってもよい。制御システムは、車両が反転しているときにのみ、アシストを提供するように構成されてもよい。
【0024】
本発明のさらに別の態様によれば、牽引車の乗員に援助を提供する方法が提供され、この方法は、
牽引車に結合された被牽引車のヒッチ角度を決定するステップと、
牽引車の第1の側にある第1のビューポートおよび牽引車の第2の側にある第2のビューポートを選択するステップと、
前記第1のビューポートおよび前記第2のビューポートを前記牽引車の乗員に対して表示するステップとを含み、
第1および第2のビューポートは、決定されたヒッチ角度に依存して選択され、
決定されたヒッチ角度が、被牽引車が牽引車の第1の側に配置されることを示すとき、第1のビューポートの目立ち具合は、第2のビューポートに対して増加され、
決定されたヒッチ角度が、被牽引車が牽引車の第2の側に配置されることを示すとき、第2のビューポートの目立ち具合は、第1のビューポートに対して増加される。
【0025】
本発明のさらに別の態様によれば、車両の乗員に援助を提供する方法が提供され、この方法は、
車両の操舵角度を決定するステップと、
牽引車の第1の側にある第1のビューポートおよび牽引車の第2の側にある第2のビューポートを選択するステップと、
前記第1のビューポートおよび前記第2のビューポートを前記牽引車の乗員に対して表示するステップを含み、
第1および第2のビューポートは、決定された操舵角に依存して選択され、
決定された操舵角が車両の第1の側の第1のビューポートに向かう移動方向を示すとき、第1のビューポートの目立ち具合は第2のビューポートに対して増大し、
決定された操舵角が車両の第2の側の第2のビューポートに向かう移動方向を示すとき、第2のビューポートの目立ち具合は第1のビューポートに対して増大する。
【0026】
第1ビューポートは、第1画像の一部から構成されてもよいし、第1画像の一部から構成されてもよい。第1の画像は、牽引車の第1の側に配置された第1の撮像装置によって撮像されてもよい。
【0027】
第2ビューポートは、第2画像の一部から構成されてもよいし、第2画像の一部から構成されてもよい。第2の画像は、牽引車の第2の側に配置された第2の撮像装置によって撮像されてもよい。
【0028】
第1及び第2のビューポートは、両方とも第1の画像から選択されてもよい。
【0029】
第1のビューポートの目立ち具合を増大させることは、第2のビューポートに対する第1のビューポートのサイズを増大させることを含んでもよい。第1のビューポートのサイズを増加させることは、第1のビューポートの幅を増加させることを含んでいてもよい。 代替的に、または追加的に、第1ビューポートおよび第2ビューポートの相対的な位置または向きを変更することによって、第1ビューポートの目立ち具合を増加させてもよい。
【0030】
第2のビューポートの目立ち具合を増加させることは、第1のビューポートに対する第2のビューポートのサイズを増加させることを含んでもよい。第2のビューポートのサイズを増加させることは、第2のビューポートの幅を増加させることを含んでいてもよい。代替的に、または追加的に、第2ビューポートの目立ち具合は、第1および第2ビューポートの相対的な位置または向きを変更することによって増加されてもよい。
【0031】
本発明のさらなる態様によれば、実行されると、本明細書に記載の方法を実行するように配置されるコンピュータソフトウェアが提供される。
【0032】
本発明のさらに別の態様によれば、1つ以上の電子プロセッサによって実行されると、1つ以上の電子プロセッサに本明細書に記載の方法を実行させる命令をその上に記憶する、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体が提供される。
【0033】
本出願の範囲内で、前の段落、特許請求の範囲及び/又は以下の説明及び図面に記載された様々な態様、実施形態、例及び代替案、特にその個々の特徴は、独立して又は任意の組み合わせで取り得ることが明示的に意図される。すなわち、すべての実施形態および/または任意の実施形態の特徴は、そのような特徴が両立しない場合を除き、任意の方法および/または組み合わせで結合することができる。出願人は、元々そのように請求されていないが、他の請求項の任意の特徴に依存し、及び/又はそれを組み込むように、元々提出された請求項を修正する権利を含む、元々提出された請求項を変更し、又はそれに応じて新しい請求項を提出する権利を留保する。
【0034】
次に、本発明の1つ以上の実施形態について、添付図面を参照しながら、例示的にのみ説明する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】
図1は、被牽引車に結合された牽引車に実装された本発明の一実施形態による制御システムの概略図を示す。
【
図3】
図3は、牽引車と被牽引車とが互いに整列しているときに生成される合成画像である。
【
図4】
図4は、牽引車と被牽引車が第一の連結位置にあるときの合成画像である。
【
図5】
図5は、牽引車と被牽引車が第二の連結位置にあるときに生成された合成画像である。
【
図6】
図6は、牽引車と被牽引車が第3の連結位置にあるときに生成された合成画像である。
【
図7】
図7は、牽引車と被牽引車が第4の連結位置にあるときに生成される合成画像である。
【
図8】
図8は、本発明の一実施形態に係る制御システムの動作を表すブロック図である。
【
図9】
図9は、本発明の実施形態に係る制御システムのコントローラを表す概略図である;及び
【
図10】
図10は、本発明のさらなる実施形態に係る制御システムの動作を表すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の一実施形態に係る制御システム1について、添付図を参照しながら説明する。制御システム1は、車両V1の運転者DRVに対する支援を行うのに好適である。
【0037】
図1に示すように、車両V1は牽引車であり、多関節連結部2によって被牽引車V2に連結されている。
図1には、牽引車V1と被牽引車V2の模式図が示されている。本実施形態における牽引車V1は、自動車である。他の種類の牽引車V1も考えられ、例えば、ユーティリティビークル、スポーツユーティリティビークル、トラクタ、トラック等である。本実施形態に係る被牽引車V2は、トレーラである。牽引車V1は、第1縦軸XV1を有し、被牽引車V2は、第2縦軸XV2を有する。
図2に、牽引車V1の概略図を示す。
【0038】
図2に示すように、第1及び第2の撮像装置C1、C2は、牽引車V1上に配置されている。第1及び第2の撮像装置C1、C2は、牽引車V1の対向する側面に配置されている。第1撮像装置C1は、牽引車V1の左側に配置され、第2撮像装置C2は、牽引車V1の右側に配置されている。本実施形態における第1及び第2の撮像装置C1、C2は、それぞれの第1及び第2のサイドハウジング4-1,4-2に装着されている。なお、第1及び第2の撮像装置C1、C2の取付位置は、他の取付位置も想定される。本実施形態における第1及び第2の撮像装置C1、C2は、光学カメラである。第1及び第2の撮像装置C1、C2は、牽引車V1と被牽引車V2の対向する側面の第1及び第2の横方向画像IMG1、IMG2を撮影するために、後向き方向に向けられている。
図1に示すように、第1及び第2の撮像装置C1、C2は、それぞれの第1及び第2の視野FOV1、FOV2を有している。第1及び第2の撮像装置C1、C2は、第1の縦軸XV1に対して鋭角に傾斜しているそれぞれの第1及び第2の光軸01,02を有している。第1及び第2の視野FOV1、FOV2は、牽引車V1の側面へのカバー率を高めるように配向される。使用時、第1撮像装置C1は、第1横方向画像IMG1を表す第1画像データDIMG1を生成する。第1撮像装置C1は、第1横方向画像IMG1を表す当該第1画像データDIMG1からなる第1信号SIN1を出力する。使用時において、第2の撮像装置C2は、第2の横方向画像IMG2を表す第2の画像データDIMG2を生成する。第2の撮像装置C2は、第2の横方向画像IMG2を表す前記第2の画像データDIMG2からなる第2の信号SIN2を出力する。
【0039】
第3の撮像装置C3は、牽引車V2の後部に配置され、後向き方向に向いている。第3の撮像装置C3は、牽引車V1の後部において、例えばリアナンバープレート(図示せず)の上方に中心的に取り付けられている。第3の撮像装置C3の他の取り付け位置も考えられる。第3の撮像装置C3は、中央カメラC3を含んで構成される。第3の撮像装置C3は、第1の長手方向軸XV1に実質的に平行な光軸を有する。第3の撮像装置C3は、牽引車V1の後方への中央領域を包含する第3の視野FOV3を有している。第3の撮像装置C3は、第1の長手方向軸XV1と整列している第3の光軸03を有している。使用時、第3の撮像装置C3は、中央画像IMG3に対応する第3画像データDIMG3を生成する。中央車両画像IMG3は、第3の撮像装置C3によって撮像された牽引車V1の後方向きのシーンから構成される。第3の撮像装置C3は、第3車両画像IMG3に対応する前記第3画像データDIMG3からなる第3信号SIN3を出力する。
【0040】
第1、第2、第3の撮像装置C1、C2、C3は、1秒間に複数の画像フレームを撮像するように動作可能なデジタルビデオカメラである。第1、第2及び第3の撮像装置C3は、例えば約180°の画角を有する広角レンズを有していてもよい。第1、第2及び第3の撮像装置C1、C2、C3は、より狭い画角を有していてもよいことが理解される。第1、第2及び第3の撮像デバイスC1、C2、C3は、モノカメラであってもよいし、ステレオカメラであってもよい。第3の撮像装置C3は、牽引車V1の駐車補助を行うための反転カメラとして機能することができる。
【0041】
制御システム1は、1つ又は複数の制御装置10を含んで構成される。制御装置10は、第1、第2及び第3の撮像装置C1、C2,C3のそれぞれと通信可能である。特に、制御システム1は、第1、第2及び第3の画像データDIMG1、DIMG2、DIMG3を受信するように構成される。制御装置10は、第1画像データDIMG1、第2画像データDIMG2及び第3画像データDIMG3の各々の少なくとも一部からなる合成画像IMGCOMを生成するように構成されている。合成画像IMGCOMは、少なくとも実質的にリアルタイムで生成される。制御装置10は、合成画像IMGCOMを表現する合成画像データDCOMを生成する。合成画像データDCOMは、例えば牽引車V1の車室内の計器盤(図示せず)又はセンターコンソール(図示せず)に設けられた表示画面5に出力される。表示画面5は、例えば、車両インフォテインメントシステムの一部を構成してもよい。制御装置10は、合成画像データDCOMを構成する出力信号SOUT1を生成する。
【0042】
図3~
図7に、合成画像IMGCOMの模式図が示されている。本明細書では、合成画像IMGCOMは、横軸X及び縦軸Yを参照して説明され、合成画像IMGCOMは、縦中心線CLYを有する。合成画像IMGCOMは、中央ビューポートVPC、左ビューポートVPL、及び右ビューポートVPRによって構成されている。中央ビューポートVPCは、第3撮像素子C3から受信した第3画像IMG3の一部又は全部で構成され、又は構成されている。左ビューポートVPLは、第1の撮像装置C1によって撮像された第1の画像IMG1の少なくとも一部で構成され、又は構成される。左ビューポートVPLは、第1画像データDIMG1の第1画像データ部分集合を選択することにより生成される。右ビューポートVPRは、第2の撮像素子C2によって撮像された第2の画像IMG2の少なくとも一部から構成されるか、または、第2の画像IMG2によって撮像された第2の画像IMG2の少なくとも一部から構成される。右ビューポートVPRは、第2画像データDIMG2の第2画像データサブセットを選択することにより生成される。合成画像IMGCOMは、牽引車V1の後方及び側方の領域を実質的に連続的に表現している。第1、第2及び第3の画像IMG1、IMG2、IMG3は、実質的に中断されない合成視野を提供するように選択され得る。代替的に、又は追加的に、例えば牽引車V1上の第1、第2及び第3の撮像装置C1、C2、C2の異なる位置を考慮するために、第1、第2及び第3の画像IMG1、IMG2、IMG3のうちの1つ以上に画像処理技術(ブレンド、スケーリング、透視シフト等)が適用されてもよい。
【0043】
本実施形態では、合成画像IMGCOM内の中央ビューポートVPCの寸法は、実質的に固定されている。特に、中央ビューポートVPCの幅WCは固定されている。中央ビューポートVPCの寸法を少なくとも実質的に一定に保つことによって、ユーザは、牽引車V1の後方の中央領域の一貫したビューを提供される。IMGCOM内の中央ビューポートVPCの横方向の限界を識別するために、1つ以上のグラフィック要素またはインジケータが表示されてもよい。代替的に、または追加的に、合成画像IMGCOM内の牽引車2の横方向の範囲を特定するために、1つまたは複数のグラフィカル要素またはインジケータが表示されてもよい。代替の実施形態では、中央ビューポートVPCの寸法は、可変であり得る。制御システム1は、左右のビューポートVPL,VPRの相対的な目立ち具合を調整するように構成される。本実施形態では、左右のビューポートVPL,VPRの相対的な目立ち具合は、左右のビューポートVPL,VPRの各々の寸法を動的に変更することによって制御される。本実施形態では、少なくとも、左右のビューポートVPL,VPRの各々の幅(すなわち、水平方向X軸における寸法)が調整される。制御装置1は、第1画像データDIMG1から第1画像データサブセットを選択して左ビューポートVPLを生成し、第2画像データDIMG1から第2画像データサブセットを選択して右ビューポートVPRを生成するよう構成されている。第1及び第2の画像データサブセットは、第1及び第2の画像データDIMG1、DIMG2の適切なセット又は不適切なセットであってよい。特定の実施形態では、第1および第2のデータサブセットはそれぞれ、第1および第2の画像データDIMG1、DIMG2のそれぞれの一部のみから構成されてもよい。代替的に、または追加的に、左右のビューポートVPL,VPRのそれぞれの高さ(すなわち、垂直Y軸の寸法)を調整することができる。変形例では、左右のビューポートVPL,VPRを外した表示位置を変更することにより、左右のビューポートVPL,VPRの相対的な目立ち具合を制御してもよい。
【0044】
合成画像IMGCOMの幅を実質的に一定に保つために、左右のビューポートVPL,VPRの幅は相補的に調節される。左ビューポートVPLの幅WLの増加は、右ビューポートVPRの幅WRの対応する減少を伴う。逆に、右ビューポートVPRの幅WRの増加は、左ビューポートVPLの幅WLの減少に対応することを伴う。合成画像IMGCOM内の中央ビューポートVPCの横方向の位置は、左右のビューポートVPL,VPRの幅の変化に依存して調整される。中央ビューポートVPCは、左ビューポートVPLの幅WLの減少(および右ビューポートVPRの幅WRの対応する増加)がある場合、合成画像IMGCOMの垂直中心線CLYの左側にシフトする。逆に、右ビューポートVPRの幅WRの縮小(及びそれに伴う左ビューポートVPLの幅WLの拡大)により、中央ビューポートVPCは合成画像IMGCOMの垂直中心線CLYより右側に移動する。変形例では、合成画像IMGCOMの幅は可変であってよい。例えば、中央ビューポートVPCの位置及び寸法を固定し、左右のビューポートVPL,VPRの各々の幅を変化させてもよい。合成画像IMGCOMの幅の変化は、例えば、情報やグラフィックを再配置することで、ディスプレイ5内に収容することができる。
【0045】
以上のように、牽引車V1は、被牽引車V2と多関節連結部2によって連結されている。ヒッチ(関節)角aは、第1の長手方向軸XV1と第2の長手方向軸XV2との角度的な向きを規定する。牽引車V1と被牽引車V2とが互いに実質的に整列しているとき、ヒッチ角αは0度(α=0°)である。ヒッチ角αは、本明細書では、被牽引車V2が牽引車V1に対して(上から見て)時計回り方向に変位する場合には正の変数(+ve)であり、被牽引車V2が牽引車V1に対して(上から見て)反時計回り方向に変位する場合には負の変数(-ve)であるとして説明される。なお、ヒッチ角αの基準フレームは逆でもよいことは理解されよう。ヒッチ角αが0度(α=0°)である場合、牽引車V1と被牽引車V2とは、実質的に一直線に並ぶ。第1及び第2縦軸XVI,XV2は、ヒッチ角αがゼロ度(α=0°)であるとき、互いに整列している。ヒッチ角αがゼロ度より大きい場合(α>0°)、被牽引車V2は、牽引車V1の右側(後方から見た場合)に外側に突出するように配向される。ヒッチ角αが0度未満(α<0°)の場合、被牽引車V2は、牽引車V1の左側(後方から見た場合)に外向きに突出するように配向される。
【0046】
なお、ヒッチ角αは、例えば、多関節連結体2に設けられたヒッチ角センサ6によって測定することができる。制御装置1は、ヒッチ角センサ6によって取り込まれたヒッチ角データからなるヒッチ角信号SIN4を受信する。代替的に、又は追加的に、制御システム1は、被牽引車V2の前部の少なくとも一部(例えば、被牽引車の前面及び/又は被牽引車V1に連結された連結部材)を包含する第3の撮像装置C3によって撮像された第3画像IMG3を解析することによってヒッチ角αを決定してもよい。被牽引車V2には、ヒッチ角αの判定を容易にするために、任意にターゲットが取り付けられてもよい。
【0047】
制御装置10は、決定されたヒッチ角αに依存して、左及び右ビューポートVPL,VPRの相対的なサイズを調整するように動的に構成される。制御装置10は、ヒッチ角センサ6からヒッチ角信号を受信し、牽引車V1に対する被牽引車V2の向きを判定する。牽引車V2が牽引車V1の左側で外側に突出するように方向付けられている場合(すなわち、ヒッチ角αが0度未満(α<0°))、第1の画像データサブセットは、左ビューポートVPLの幅が増加するように選択され、第2の画像データサブセットは、右ビューポートVPRの幅が減少するように選択される。被牽引車V2が牽引車V1の右側の外側に突出するように配向されている場合(すなわち、ヒッチ角αが0度より大きい(α>0°))、第1画像データサブセットは、左ビューポートVPLの幅が減少するように選択され、第2画像データサブセットは、右ビューポートVPRの幅が増加するように選択される。左右のビューポートVPL,VPRの幅は、決定されたヒッチ角αに比例し、左右のビューポートVPL,VPRの幅WL,WRを変更することにより、ディスプレイ5へ出力するビューを動的に制御することが可能である。少なくとも特定の実施形態では、運転者DRVは、牽引車V1の側方への視界の動的な表現を提供されてもよい。
【0048】
本実施形態では、制御装置10は、牽引車V1が反転している(すなわち、後方に走行する)場合にのみ、左右のビューポートVPL,VPRのサイズを変更するように構成されている。牽引車V1の走行方向は、選択された変速比に依存して決定されてもよい。本実施形態における制御装置10は、現在の変速比を決定するために、変速制御ユニット7から変速信号SIN5を受信する。制御装置10は、リバースギアが選択された場合に、牽引車V1がリバースしていると判断する。制御装置10は、選択された変速比が前進方向の走行を提供する場合、左右のビューポートVPL,VPRの幅を設定するように構成されてもよい。制御装置10は、選択された変速比が逆方向の走行を提供するときに、左右のビューポートVPL、RRの幅を修正するように構成されてもよい。代替的に、または追加的に、制御装置10は、例えばユーザ入力に依存して、ユーザが選択したモードで左および右ビューポートVPL,VPRの寸法を修正するように構成されてもよい。変形例では、制御装置10は、牽引車V1が前方に走行しているときに、左右のビューポートVPL,VPRの大きさを修正するように構成されてもよい。牽引車V1の走行方向は、例えば、選択された伝達比が前方走行を提供するときを決定することによって、伝達制御ユニット7を形成する伝達信号SIN5に依存して決定されてもよい。左右のビューポートVPL,VPRの相対的な大きさは、ヒッチ角αおよび/または操舵角βに依存して決定されてもよい。合成画像IMGCOMは、例えば、ユーザ入力に依存して、表示のために選択的に出力されてもよい。代替的に、または追加的に、得られた画像(複数可)は、例えばデジタルミラー機能を提供するために、表示のために連続的に出力されてもよい。合成画像IMGCOMを表示するために、1つ以上の専用表示画面が提供されてもよい。表示画面は、例えば、リアビューミラーに組み込まれてもよい。
【0049】
次に、合成画像IMGCOMの構成を調整するための制御システム1の動作について、
図3~
図7を参照して説明する。合成画像IMGCOM内の左右のビューポートVPL,VPRの相対的目立ち具合の変更は、例えば、以下の構成からなる漸進的に実施されることが理解される。左右のビューポートVPL,VPRの幅WL,WRを連続的または段階的に変化させる。
【0050】
図3に示す構成では、牽引車V1及び被牽引車V2は、ヒッチ角α(第1及び第2の縦軸VX1 ,VX2の間で測定)が実質的にゼロ度(α=0°)となるように整列される。制御システム1は、合成画像IMGCOM内で、左右のビューポートVPL,VPRが実質的に同じ幅を有するように、第1及び第2の画像データサブセットを選択するように構成される。
【0051】
図4に示す構成では、牽引車V1及び被牽引車V2は、正の変数(+ve)である第1のヒッチ角α1(第1及び第2の縦軸VX1、VX2間で測定)で連結される。一例として、第1ヒッチ角α1は、約30度(α1”+30°)の値を有する正の変数であってよい。被牽引車V2は、被牽引車V1の右側面において外側に突出している。制御システム1は、合成画像IMGCOM内で、左ビューポートVPLの幅が減少し、右ビューポートVPRの幅が増加するように、第1及び第2の画像データサブセットを選択するように構成される。
【0052】
図5に示す構成では、牽引車V1及び被牽引車V2は、正の変数(+ve)である第2ヒッチ角α2(第1及び第2縦軸VX1,VX2間で測定)で連結される。一例として、第2のヒッチ角α2は、約45度(α2~+45°)の値を有する正の変数であってよい。被牽引車V2は、被牽引車V1の右側面において外側に突出している。制御システム1は、合成画像IMGCOM内で、左ビューポートVPLの幅がさらに減少し、右ビューポートVPRの幅が増加するように、第1及び第2の画像データサブセットを選択するように構成される。図示された配置では、左ビューポートVPLの幅はゼロ(0)に減少される。第2ヒッチ角α2は、最大ヒッチαに対応してもよい(例えば、ジャックナイフ角に対応する)。
【0053】
図6に示す構成では、牽引車V1及び被牽引車V2は、負の変数(-ve)である第3ヒッチ角α3(第1及び第2縦軸VX1,VX2間で測定)で連結されている。一例として、第3のヒッチ角a3は、約30度(α1”-30°)の値を有する負の変数であってもよい。被牽引車V2は、被牽引車V1の左側面において外側に突出している。制御システム1は、合成画像IMGCOM内で、左ビューポートVPLの幅WLが増加し、右ビューポートVPRの幅WRが減少するように、第1及び第2の画像データサブセットを選択するように構成される。
【0054】
図7に示す構成では、牽引車V1及び被牽引車V2は、負の変数(-ve)である第4ヒッチ角α4(第1及び第2縦軸VX1,VX2の間で計測)で連結されている。一例として、第4のヒッチ角α4は、約45度(α4”-45°)の値を有する負の変数であってもよい。被牽引車V2は、被牽引車V1の左側面において外側に突出している。制御システム1は、合成画像IMGCOM内で、左ビューポートVPLの幅WLが最大値まで増加し、右ビューポートVPRの幅WRが最小値まで減少するように、第1及び第2の画像データサブセットを選択するように構成される。図示された配置では、右ビューポートVPRの幅WRはゼロ(0)に減少される。第4のヒッチ角α4は、予め定義されたヒッチ角閾値に対応してもよい。ヒッチ角閾値は、最大ヒッチ角α(例えばジャックナイフ角に相当する)を表してもよい。
【0055】
次に、
図8に示すブロック
図100を参照しながら、制御システム1の動作について説明する。制御システム1が起動される(BLOCK105)。制御システム1は、変速機制御装置7からの送信信号SIN5を受信し、牽引車V1がリバース状態であると判定する(BLOCK110)。制御システム1は、各第1、第2及び第3の撮像装置C1、C2、C3から第1、第2及び第3画像データDIMG1、DIMG2、DIMG3を受信する(BLOCK115)。制御システム1は、ヒッチ角センサ6からヒッチ角信号SIN4を受信し、ヒッチ角αを決定する(BLOCK120)。制御システム1は、決定されたヒッチ角αに依存して第1及び第2の画像データサブセットを選択し、制御システム1は、決定されたヒッチ角αに依存して合成画像IMGCOMを生成する(BLOCK 125)。合成画像IMGCOMは、中央ビューポートVPC、左ビューポートVPL、及び右ビューポートVPRから構成される。ヒッチ角αが0度(0°)の場合、左ビューポートVPLと右ビューポートVPRが実質的に同じ幅を有するように合成画像IMGCOMが生成される(BLOCK130)。ヒッチ角αが0度より大きい場合(α>0°)、左ビューポートVPLの幅WLが右ビューポートVPRの幅WRより小さくなるように合成画像IMGCOMが生成される(BLOCK135)。また、ヒッチ角αが0度未満(α<0°)の場合、左ビューポートVPLの幅(WL)が右ビューポートVPRの幅(WR)より大きくなるように合成画像IMGCOMを生成する(BLOCK140)。制御システム1は、合成画像IMGCOMを少なくとも実質的にリアルタイムで生成するように構成される。合成画像IMGCOMは、ヒッチ角αの変化に依存して動的に変更され、合成画像IMGCOMは、ディスプレイ7に出力される(BLOCK145)。制御システム1は、牽引車V1が後退している間、合成画像IMGCOMの生成を継続する。制御システム1は、変速機制御装置7から、前進ギヤが選択され、牽引車V1が前進走行中であることを示す変速信号SIN5を受信する(BLOCK150)。その後、本処理は終了する(BLOCK155)。
【0056】
なお、本実施形態では、制御装置10は、牽引車V1に配置されている。制御装置10は、1つ以上の電子プロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)等)を有する制御ユニット又は計算装置を構成することができ、単一の制御ユニット又は計算装置を構成してもよく、代替的に制御装置10の異なる機能が異なる制御ユニット又は計算装置において具現化又はホストされてもよいことが理解される。本明細書で使用される場合、「コントローラ」、「制御ユニット」、または「計算デバイス」という用語は、単一のコントローラ、制御ユニット、または計算デバイス、および必要な制御機能を提供するために集合的に動作する複数のコントローラ、制御ユニット、または計算デバイスを含むと理解されるであろう。実行されると、制御装置10に本明細書に記載される制御技術(本明細書に記載される方法に必要とされる機能の一部または全部を含む)を実施させる、命令のセットが提供され得る。命令のセットは、制御装置10の前記1つ以上の電子プロセッサに埋め込まれ得る;または、代替的に、命令のセットは、制御装置10において実行されるソフトウェアとして提供され得る。第1のコントローラまたは制御ユニットは、1つまたは複数のプロセッサ上で実行されるソフトウェアで実装され得る。1つ以上の他のコントローラまたは制御ユニットは、1つ以上のプロセッサ、任意選択的に第1のコントローラまたは制御ユニットと同じ1つ以上のプロセッサ上で実行されるソフトウェアで実装されてもよい。他の配置も有用である。
【0057】
図9に示されるように、又は各制御装置10は、第1、第2及び第3イメージング装置C1、C2、C3から1つ又は複数の入力信号SIN1、SIN2、SIN3を受信するための1つ又は複数の電気入力(複数可)14と、出力信号SOUT1を出力するための1つ又は複数の電気出力(複数可)16とを有する少なくとも一つの電子プロセッサ12から構成される。または各制御装置10は、少なくとも1つの電子プロセッサ12に電気的に結合され、そこに記憶された命令20を有する少なくとも1つのメモリデバイス18をさらに備える。少なくとも1つの電子プロセッサ12は、本明細書に記載された方法(複数可)を実行するように、少なくとも1つのメモリデバイス18にアクセスし、その上で命令20を実行するように構成される。
【0058】
電子プロセッサ12は、電子命令を実行するように構成された任意の適切な電子プロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、ASICなど)で構成されてもよい。電子メモリデバイス18、または各電子メモリデバイスは、任意の適切なメモリデバイスから構成されてもよく、様々なデータ、情報、閾値(複数可)、ルックアップテーブルまたは他のデータ構造、および/または命令をそこにまたはその上に格納してもよい。実施形態では、メモリデバイス18は、ソフトウェア、ファームウェア、プログラム、アルゴリズム、スクリプトのための情報および命令を有する。本明細書に記載される方法論の全てまたは一部を支配し得る、その中またはその上に格納されたアプリケーションなど。プロセッサ、または各、電子プロセッサ12は、メモリデバイス18にアクセスし、そのまたはそれらの命令および情報を実行および/または使用して、本明細書に記載される機能性および方法論の一部または全部を実行または実行することができる。
【0059】
少なくとも1つのメモリデバイス18は、機械または電子プロセッサ/計算機によって読み取り可能な形態で情報を格納するための任意の機構を含んでいてもよいコンピュータ読み取り可能な記憶媒体(例えば、非一過性のまたは非一時的な記憶媒体)を含んでいてよく、これには限定されないが、磁気記憶媒体(例えば、磁気記憶媒体(例えばフロッピーディスク)、光学記憶媒体(例えばCD-ROM)、光磁気記憶媒体;読み取り専用メモリ(ROM);ランダムアクセスメモリ(RAM)、消去可能プログラマブルメモリ(例えばEPROM ad EEPROM);フラッシュメモリ、または電気または他の種類の媒体であってそのような情報/命令を記憶するためのものを含むがこれらに限定されない。
【0060】
第1画像データDIMG1を構成する第1信号SIN1は、1つ以上の入力(複数可)14を介して制御装置10に入力される。制御装置10と第1、第2及び第3の撮像装置C1、C2、C3のそれぞれとの間の接続は、有線接続であってもよいし、無線接続であってもよい。例えば、第1、第2及び第3の撮像装置C1、C2、C3は、イーサネット/ブロードRリーチ接続又は非圧縮シリアル化ビデオ接続などの車両通信ネットワーク上で制御装置10に接続され得る。使用時には、第1、第2及び第3の画像データDIMG1、DIMG3、DIMG3が制御装置10に入力される。制御装置10は、第1、第2及び第3の画像IMG1、IMG2 、IMG3 の各々の少なくとも一部を合成して、合成画像IMGCOMを生成するように構成される。
【0061】
本願発明の範囲から逸脱することなく、本発明に様々な変更及び修正を加えることができることは理解されよう。
【0062】
本明細書では、制御システム1は、ヒッチ角αに依存して合成画像IMGCOMを生成するものとして説明したが、代替的に、又は追加的に、制御システム1は、牽引車V1の操舵角βに依存して合成画像IMGCOMを生成するよう構成されてもよい。操舵角βは、例えば、牽引車V1のステアリングホイールに関連付けられた操舵角センサ8によって出力されてもよい。
図2に示すように、舵角センサ8は、舵角信号SIN6を制御装置1へ出力してもよい。操舵角信号SIN6は、操舵角センサ8が取り込んだ操舵角データから構成される。左右のビューポートVPL,VPRの幅WL,WRは、操舵角βに依存して動的に調整されてもよい。制御システム1は、被牽引車V2とともに、または被牽引車V2なしで使用され得ることが理解されよう。第1の副画像データは、操舵角データが車両V1の左側への走行方向を示している場合に、右ビューポートVPRに対して左ビューポートVPLの突出度を高めるように選択されてもよい。また、第2副画像データは、操舵角データが車両V1の右側に向かう走行方向を示す場合に、左ビューポートVPLに対して右ビューポートVPRの突出量を増加させるように選択されてもよい。制御システム1は、前方を向いた向きを有する1つ以上の撮像装置Cnから合成画像IMGCOMを形成するように構成されてもよい。例えば、第1及び第2の撮像装置C1、C2は、第1及び第2の視野FOV1、FOV2が前方に突出するように第1及び第2のサイドハウジング4-1,4-2に装着されてもよい。第1及び第2の撮像装置C1、C2の取り付け位置は、他の位置も想定される。第3の撮像装置C3は、例えば、車両V1のグリルやフロントバンパーなどの中央部に取り付けられてもよい。あるいは、第3の撮像装置C3は、バックミラーの前方に取り付けられてもよい。さらなる変形例では、第3の撮像装置C3は、車両V1の下側の地面を構成する画像を撮像するために、車両V1の下側に取り付けられてもよい。例えば、第3の撮像装置C3は、エンジンルームの下方に搭載されてもよい。制御システム1は、車両V1が前方及び/又は後方に走行しているときに動作するように構成されていてもよい。
【0063】
制御システム1は、被牽引車V2上に配置された1つ以上の前方向撮像装置Cnから画像データを受信してもよい。例えば、制御システム1は、牽引車V1の少なくとも一部を含む画像を受信してもよい。合成画像IMGCOMは、牽引車V1に沿った障害物(複数可)の識別を容易にしてもよい。
【0064】
次に、制御システム1の動作について、
図10に示すブロック
図200を参照して説明する。制御システム1が起動される(BLOCK205)。制御システム1は、変速機制御装置7から送信信号SIN5を受信し、牽引車V1が後退中であると判断する(BLOCK210)。制御システム1は、各第1、第2及び第3の撮像装置C1、C2、C3から第1、第2及び第3画像データDIMG1、DIMG2、DIMG3を受信する(BLOCK215)。制御システム1は、操舵角センサ8から操舵角信号SIN6を受信し、操舵角βを決定する(BLOCK220)。制御システム1は、決定された操舵角βに依存して第1及び第2の画像データサブセットを選択し、制御システム1は、決定されたヒッチ角αに依存して合成画像IMGCOMを生成する(BLOCK225)。合成画像IMGCOMは、中央ビューポートVPC、左ビューポートVPL及び右ビューポートVPRから構成される。操舵角βが0度(0°)である場合、合成画像IMGCOMは、左ビューポートVPLと右ビューポートVPRとが実質的に同じ幅を有するように生成される(BLOCK230)。操舵角度bが0度より大きい場合(α>0°)、左ビューポートVPLの幅WLが右ビューポートVPRの幅WRより小さくなるように合成画像IMGCOMが生成される(BLOCK235)。操舵角βが0度未満(α<0°)の場合、左ビューポートVPLの幅(WL)が右ビューポートVPRの幅(WR)より大きくなるように合成画像IMGCOMを生成する(BLOCK240)。制御システム1は、合成画像IMGCOMを少なくとも実質的にリアルタイムで生成するように構成される。合成画像IMGCOMは、操舵角βの変化に応じて動的に変更され、合成画像IMGCOMはディスプレイ7に出力される(BLOCK245)。制御システム1は、牽引車V1が後退している間、合成画像IMGCOMの生成を継続する。制御システム1は、変速機制御装置7から、前進ギヤが選択され、牽引車V1が前進走行中であることを示す変速信号SIN5を受信する(BLOCK250)。その後、処理を終了する(BLOCK255)。
【0065】
さらなる変形例では、合成画像IMGCOMは、牽引車V1に設けられた第1及び第2の撮像装置C1、C2によって撮像された第1及び第2の画像IMG1、IMG2を、牽引車V2に配置された撮像装置(図示せず)からの画像と合成することによって形成され得る。例えば、第3の撮像装置C3は、被牽引車V2に配置されていてもよい。第3の撮像装置C3は、例えば、第3視野FOV3が後方方向に向けられて被牽引車V2に搭載されてもよい。合成画像IMGCOMは、第1画像IMG1、第2画像IMG2、及び第3画像IMG3を合成することによって形成されてもよい。合成画像IMGCOMは、例えば、第1画像IMG1、第2画像IMG2、第3画像IMG3のうちの少なくとも1つの一部又は全部で構成されてもよい。
【0066】
さらにさらなる変形例では、制御装置10は、第4の画像を撮像するように構成された第4の撮像装置(図示せず)から画像データを受信してもよい。第4の撮像装置は、例えば、牽引車V1の高所に配置されてもよく、例えば、牽引車V1の屋根に取り付けられてもよく、牽引車V1に設けられたアンテナ(屋根取り付け型アンテナなど)に組み込まれてもよい。なお、合成画像IMGCOMは、第1画像、第2画像、第3画像及び第4画像を合成することにより形成されてもよい。合成画像IMGCOMは、例えば、第1画像、第2画像、第3画像及び第4画像のうち少なくとも1つの画像の一部又は全部を含んで構成されてもよい。第4の画像によって形成される合成画像IMGCOMのコンポーネントは、例えば固定(非可変)視野角を有する、固定ビューポートを構成してもよい。第4の画像は、第1、第2及び第3の画像IMG1、IMG2、IMG3を合成することによって形成される合成画像IMGCOMの部分の上又は下に表示されてもよい。第4の画像は、例えば、風景画の構図を有していてもよい。合成画像IMGCOMは、例えば、バックミラーに設けられる表示画面5に出力される。
【0067】
さらに別の変形例では、合成画像IMGCOMを形成することなく、左右のビューポートVPL,VPRを動的に調整することができる。例えば、左及び右のビューポートVPL,VPRは、それぞれの表示画面(図示せず)に出力されてもよいし、表示画面5へ出力されてもよい。また、左右のビューポートVPL,VPRは、センタービューポートVPCを介さずに表示されてもよい。左右のビューポートVPL,VPRの幅は、例えばヒッチ角α及び/又は操舵角βに依存して、本明細書に記載の技術を使用して動的に調整されてもよい。
【0068】
第1及び第2の撮像装置C1、C2は、第1及び第2のサイドハウジング4-1,4-2に取り付けられるものとして本明細書で説明されている。第1及び第2のサイドハウジング4-1,4-2は、任意に、それぞれサイドミラーを含んで構成されてもよい。あるいは、第1および第2のサイドハウジング4-1,4-2は、第1および第2の撮像装置C1、C2のための専用のアセンブリであってもよい。
【0069】
さらに別の変形例では、左右のビューポートVPL,VPRは、同じ画像から選択されてもよい。第3の撮像装置C3は、広角レンズで構成されてもよい。第1及び第2の画像IMG1、IMG2は、第3の撮像装置C3によって撮像された画像から選択されてもよい。
【0070】
説明した制御システム1は、牽引車V1及び/又は被牽引車V2の周辺領域の鳥瞰図(平面仰角図)を提供する合成画像IMGCOMを生成するように変更され得る。鳥瞰図画像は、画像IMG1、IMG2...の各々に適切な変換を適用することによって生成され得る。IMGnのそれぞれに適切な変換を適用し、適切なスティッチング技術を使用して画像を結合することにより、鳥瞰図画像を生成することができる。代替的に、又は追加的に、合成画像IMGCOMは、車両V1,V2の進行方向に依存して、前方ビューポート(車両V1,V2の前に配置される)及び/又は後方ビューポート(車両V1,V2の後ろに配置される)の範囲を調整するように動的に修正され得る。例えば、車両V1,V2が前方に走行しているときに前方ビューポートの目立ち具合を大きくし、牽引車V1が後方に走行しているときに後方ビューポートの目立ち具合を大きくしてもよい。制御システム1は、追加の撮像装置Cnから画像データを受信し得る。例えば、牽引車V2には、3つの撮像装置Cnが設けられていてもよい。例えば、少なくとも1つの撮像装置Cnが牽引車V2の各側面に設けられてもよく、任意で撮像装置Cnが牽引車V2の後部に設けられてもよい。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
牽引車の乗員に支援を提供するための制御システムであって、1つ以上のコントローラを備え、前記制御システムは、
牽引車に結合された被牽引車のヒッチ角度を示すヒッチ角度データを受け取り、
少なくとも第1の画像データの第1および第2の画像データサブセットを選択し、前記第1の画像データサブセットは、前記牽引車の第1の側の第1のビューポートを表し、前記第2の画像データサブセットは、前記牽引車の第2の側の第2のビューポートを表し、
前記牽引車の乗員に対して前記第1のビューポートおよび前記第2のビューポートを表示するために、前記第1の画像データサブセットおよび前記第2の画像データサブセットを示す信号を前記少なくとも1つのディスプレイに出力し、
前記制御システムは、ヒッチ角データに依存して前記第1の画像データサブセットおよび前記第2の画像データサブセットを選択するように構成され、
前記第1の画像データサブセットは、前記ヒッチ角データが前記被牽引車が前記牽引車の第1の側に配置されることを示すとき、前記第2のビューポートに対して前記第1のビューポートの目立ち具合を増加させるように選択され、
前記第2の画像データサブセットは、前記ヒッチ角データが前記被牽引車が前記牽引車の第2の側に配置されることを示すとき、前記第1のビューポートに対して前記第2のビューポートの目立ち具合を増加させるように選択されることを特徴とする、制御システム。
【外国語明細書】