(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024069338
(43)【公開日】2024-05-21
(54)【発明の名称】端株注文の執行方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/04 20120101AFI20240514BHJP
【FI】
G06Q40/04
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024034614
(22)【出願日】2024-03-07
(62)【分割の表示】P 2022097216の分割
【原出願日】2018-02-08
(31)【優先権主張番号】62/456,253
(32)【優先日】2017-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/547,174
(32)【優先日】2017-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.コンパクトフラッシュ
(71)【出願人】
【識別番号】519282007
【氏名又は名称】ドライブウェルス テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100102406
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 健二
(74)【代理人】
【識別番号】100100240
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 孝
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン ストーク,マイケル
(57)【要約】
【課題】
端数ベースの買いまたは売り注文を執行する方法、および想定ベースの買い注文を執行する方法を提供する。
【解決手段】
処理ユニットは、買いまたは売り注文の端株部分を受領すること、第1のキューに端株部分を提供すること、単元株部分が執行されると第2のキューに端株部分を提供すること、部分的に端株データベースを用いて端株部分の買いまたは売り注文を実行することをしてよい。処理ユニットは、想定ベースの買い注文の推定される端株部分を受領すること、推定される端株部分を第1のキューに提供し、推定される端株部分の数量を再計算すること、推定される単元株部分が執行されると再計算された推定される端株部分を第2のキューに提供すること、十分な数量が格納されていれば端株データベースから端株の買いを執行すること、第2の推定される端株部分を再計算すること、第1の額に応じて第2の推定される端株部分を調整することをしてよい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端数ベースの買いまたは売り注文を執行する方法であって、
プロセッサにより実行可能なコードを格納している非一時的なプロセッサ可読媒体に通信可能に結合された少なくとも1つのプロセッサを含む処理ユニットによって、端株からなる買いまたは売り注文の端株部分を受領するステップと、
前記端株部分を第1のキューに提供するステップと、
前記端株部分に対応する前記買いまたは売り注文の単元株部分が或る価格で執行された後、前記端株部分を第2のキューに提供するステップと、
買い注文の場合、
十分な数量の端株が端株データベースに格納されているかどうかを判断するステップ、および
十分な数量が存在すれば、前記端株データベースから前記第2のキュー内の前記端株部分に対する端株を買うステップ、
からなる第1の取引を実行するステップと、
売り注文の場合、
前記第2のキュー内の前記端株部分の前記端株を前記端株データベースに売るステップ
からなる第2の取引を実行するステップと、
前記第1の取引または前記第2の取引が完了すると、レポートを生成するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記買いまたは売り注文は、第1の参加者の第1の通信ユニットを通して提供され、
前記単元株部分の前記執行は、第2の参加者の第2の通信ユニットを通してレポートされる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
端株を前記買うステップは、前記単元株部分が執行された前記価格、または前記価格の改善があればリアルタイムの価格で執行される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の取引はさらに、
十分な数量が存在しなければ、買い付ける株部分の数量を決定するステップと、
前記数量の株部分を買い付けるステップと、
前記買い付けされた数量の株部分を前記端株データベースに格納するステップと、
前記端株データベースから、前記第2のキュー内の前記端株部分に対する端株の買いを執行するステップと
からなる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
買い付ける株部分の前記数量は、前記第1のキュー内の端株部分の数量および前記第2のキュー内の株の数量に応じて決定される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
端株の前記買いは、前記単元株部分が執行された価格、または前記価格の改善があればリアルタイムの価格で執行される、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記レポートは、第1の参加者の第1の通信ユニットに提供される買いまたは売り注文レポートに含まれる、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
第1の参加者により用いられアカウント処理ユニットを含むマネージドアカウントシステムから、一掃アカウントの少なくとも1つの端株を買い付けるステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記アカウント処理ユニットは、端株取引を執行する方法を実行するように構成されている、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
想定ベースの買い注文を執行する方法であって、
プロセッサにより実行可能なコードを格納している非一時的なプロセッサ可読媒体に通信可能に結合された少なくとも1つのプロセッサを含む処理ユニットによって、第1の額を有する想定ベースの買い注文の第1の推定される端株部分を受領するステップであって、
前記第1の推定される端株部分は、計算された数量からなる、前記受領するステップと、
前記第1の推定される端株部分を第1のキューに提供するステップと、
前記推定される端株部分の前記計算された数量を再計算するステップと、
前記想定ベースの買い注文の推定される単元株部分の売買が執行された後、前記再計算された数量からなる第2の推定される端株部分を第2のキューに提供するステップと、
十分な数量の端株が端株データベースに格納されているかどうかを判断するステップと、
十分な数量が格納されていれば、前記端株データベースからの端株の買いを執行するステップと、
前記第2の推定される端株部分の第2の額を判断するステップと、
前記第1の額に応じて前記第2の推定される端株部分を調整するステップと、
前記端株の買いの執行が完了すると、レポートを生成するステップと、
を含む方法。
【請求項11】
前記想定ベースの買い注文は、第1の参加者の第1の通信ユニットを通して提供され、
前記単元株部分の前記執行は、第2の参加者の第2の通信ユニットを通してレポートされる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記推定された端株部分の数量は、前記第1の額およびリアルタイムの価格に応じて再計算される、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記方法は、
十分な数量が存在しなければ、買い付ける株の数量を決定するステップと、
前記数量の株を買い付けるステップと、
端株の前記買いの前記執行前に、前記買い付けされた数量の株を前記端株データベースに格納するステップと、
をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
買い付ける株の前記数量は、前記第1のキュー内の端株の数量および前記第2のキュー内の株の数量に応じて決定される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
端株の前記買いは、前記単元株部分が執行された価格、または価格改善があればリアルタイムの価格で執行される、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記レポートは、第1の参加者の第1の通信ユニットに提供される想定ベースの買い注文レポートに含まれる、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
第1の参加者により用いられアカウント処理ユニットを含むマネージドアカウントシステムから、一掃アカウントの少なくとも1つの端株を買い付けるステップ
をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
前記アカウント処理ユニットは、端株取引を執行する方法を実行するように構成されている、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
想定ベースの売り注文を執行する方法であって、
プロセッサにより実行可能なコードを格納している非一時的なプロセッサ可読媒体に通信可能に結合された少なくとも1つのプロセッサを含む処理ユニットによって、第1の額を有する想定ベースの売り注文の執行された単元株部分の数量を受領するステップと、
前記執行された単元株部分の第2の額を計算するステップと、
前記想定ベースの売り注文の売りすぎ状態が存在するかどうかを判断するステップと、
売りすぎ状態が存在すれば、
前記売りすぎに相当する前記執行された単元株部分の数量を端株データベースに提供するステップ
からなる第1の取引を実行するステップと、
売りすぎ状態が存在しなければ、
前記第1の額と前記第2の額との差に相当する株の数量を計算するステップ、
前記計算された数量が執行のための最低数量を満たせば執行を実行するステップ、および
前記計算された数量が執行のための最低数量を満たさなければ執行をキャンセルするステップ、
からなる第2の取引を実行するステップと、
を含む方法。
【請求項20】
前記想定ベースの売り注文は、参加者の通信ユニットを通して提供される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記第2の額の前記計算は、リアルタイムの価格に応じて実行される、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
売りすぎ状態の前記存在は、前記第1の額および前記第2の額に応じて判断される、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記第2の取引の前記計算は、リアルタイムの価格に応じて実行される、請求項19に記載の方法。
【請求項24】
前記方法は、
前記第1の取引または前記第2の取引が完了すると、レポートを生成するステップ
をさらに含み、その結果、
前記レポートは、第1の参加者の第1の通信ユニットに提供される想定ベースの売り注文レポートに含まれる、請求項19に記載の方法。
【請求項25】
前記方法は、
第1の参加者により用いられアカウント処理ユニットを含むマネージドアカウントシステムから、一掃アカウントの少なくとも1つの端株を買い付けるステップ
をさらに含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記アカウント処理ユニットは、端株取引を執行する方法を実行するように構成されている、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
端株取引を執行する方法であって、
プロセッサ実行可能コードを格納している非一時的なプロセッサ可読媒体に通信可能に結合された少なくとも1つのプロセッサを含む第1の処理ユニットによって、前記第1の処理ユニットにより提供されたファンドまたは証券の売買注文の執行を示す第1の通信ユニットから第2の通信ユニットへのレポートを受領するステップと、
前記執行されたファンドまたは証券の構成部分が端数分配できるかどうかを判断するステップと、
端数分配できる第1の構成部分を少なくとも1つの第1のサブアカウントに割り当てるステップと、
端数分配できない第2の構成部分があれば、前記第2の構成部分を少なくとも1つの第2のサブアカウントに提供するステップであって、その結果、
少なくとも1つの第2のサブアカウントの前記ファンドまたは証券は、第2の処理ユニットによる精算に利用可能になる、前記提供するステップと、
を含む方法。
【請求項28】
前記第1の通信ユニットおよび前記第2の通信ユニットは、同一の通信ユニットである、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記判断は、分割可能な最小の株の数量に応じて実行される、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記第2の処理ユニットは、少なくとも1つの第2のサブアカウントの前記ファンドまたは証券を買い付けるように構成された端数対応処理ユニットである、請求項27に記載の方法。
【請求項31】
前記端数対応処理ユニットは、端数ベースの買いまたは売り注文を執行する方法、想定ベースの買い注文を執行する方法、および端株取引を執行する方法のうちの少なくとも1つを実行するように構成されている、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
少なくとも1つの第2のサブアカウントの前記ファンドまたは証券は、スケジュールされた間隔で買い付けされる、請求項31に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2017年2月8日出願の「端株売買システムおよび方法(Fractional Shares Trading System and Method)」と題する米国特許仮出願第62/456,253号、および2017年8月18日出願の「ハイブリッド促進アカウントシステムおよび方法(Hybrid Facilitation Account System and Methods)」と題する米国特許仮出願第62/547,174号の優先権を主張するものであり、両出願は、参照により援用される。
【0002】
本発明は、リアルタイム方式で、端数インベントリアカウントのエクスポージャーを軽減し、証券の想定ベースの(すなわち通貨ベースの)買いまたは売り注文への参加に対する暗黙の障壁を取り除く方法に関する。本発明はさらに、クライアントが、想定額で取引している場合に、売りすぎまたは買いすぎることがないことを確保し、それによって、より効率的な注文の取り扱いを提供するシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
端株とは、完全な一株に満たない株式持分である。通常、端株は、株式分割、配当再投資ファンド(DRIP)、および類似の法人活動から発生する。普通は、端株を市場から獲得することはできず、投資家にとって価値を有するものの売るのは難しい場合がある。
【0004】
一般に、ブローカー企業には、その端数インベントリの持ち高を、既存の注文すべてを満足するのに必要とされる分以下のインベントリをリアルタイム方式で保持するように管理するすべがない。既存の方法は、マイクロ投資を中心に設計されたものではない。持分の注文は、「一括され」ること、または買い付けされて単元株のインベントリの持ち高として将来のニーズを予想して保持されることが必要かもしれない。一括注文は、不活発な形の投資であり、活発且つリアルタイムでなく、したがって、最良執行要求に対し提供も合致もしない。
【0005】
過去の売買活動に基づいてクライアントによる動的な数の注文を満足するのに必要な持分のインベントリを予測することは、「場外」の自己勘定注文の数と、ブローカー企業がそのクライアントに代わって端株売買プログラムの執行を促進するために持ち高をとる必要がある証券の数とを増大させる。これは、企業の売買コストと、日中の価格変動に対する企業のインベントリアカウントにおけるそのリスクエクスポージャーとを増大させる。
【0006】
一般に、ブローカー企業には、クライアントの想定注文がそのリクエストした買いまたは売りの額を超過しないことを確実にするすべがない。売買方法およびシステムは、リアルタイムのマイクロ投資向けに構成されておらず、したがって、単元株を端数部分に分割しようとする場合に問題を生じる一方で、ブローカー企業およびそのクライアントのコストを多きく増大させる。
【0007】
一般に、ブローカー企業には、マネージドアカウントに対しリアルタイムの割り当てをマイクロ投資レベルで提供するすべがない。上述のとおり、端株売買の方法は、企業が注文を一括するか、単元株持ち高を買い付けるかのいずれかを要求し得る。ポートフォリオ割り当てにおけるずれは、ポートフォリオ割り当てにおいて容易または効率的に考慮されない。例として、第1の持分に70%の加重、さらに第2の持分に30%の加重の所望のポートフォリオを有するクライアントは、市場変動に基づき所望の加重から逸脱する。一般に、リバランスは、一日の終わりに、または所定の間隔で発生する。その時点でポートフォリオは、リバランスされてクライアントの所望のポートフォリオの70/30に近づけられるが、端株の制限が存在することにより正確ではない。
【0008】
一般に、ブローカー企業には、「残余端株」(すなわち、サブアカウントに割り当てできない、株の残りの端数部分)を考慮する方法がない。既存の方法は、完全な株を蓄積できるまで、端数部分がブローカー企業の所有アカウントにとどまることを要求することになり得、マイクロレベルでの調整はできない。その場合にも、完全な株が売られた後、新たな端数部分がまだ残る可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願明細書において開示される発明概念の実施形態は、(1)リアルタイムの端数インベントリの改善されたシステムおよび管理を提供することと、(2)端株部分を取引するシステムおよび方法を改善することと、(3)取引のライフサイクル全体を通して市場価格の動きを考慮に入れながら、発生する想定注文に関係するものとしての端株取引を効率的に執行するシステムおよび方法を改善することと、(4)端株部分をマネージドアカウントに割り当てるシステムおよび方法を改善することと、(5)買いまたは売り注文がそれらのリクエストされた額を超過しないような形で想定額での証券取引を実施するシステムおよび方法を改善することと、をし得る方法を対象とする。
【0010】
一側面において、本願明細書において開示される発明概念の実施形態は、端数ベースの買いまたは売り注文を執行する方法を対象とする。適切に構成されると、端数対応処理ユニット(FPU:fracker processing unit)は、買いまたは売り注文の端株部分を受領することと、第1のキューに端株部分を提供することと、単元株部分が執行されると第2のキューに端株部分を提供することと、部分的に端株データベースを用いて端株部分の買いまたは売り注文を実行することとをしてもよい。
【0011】
さらなる側面において、本願明細書において開示される発明概念の実施形態は、想定ベースの買い注文を執行する方法を対象とする。適切に構成されると、FPUは、想定ベースの買い注文の推定される端株部分を受領することと、推定される端株部分を第1のキューに提供し、推定される端株部分の数量を再計算することと、推定される単元株部分が執行されると再計算された推定される端株部分を第2のキューに提供することと、十分な数量が格納されていれば端株データベースから端株の買いを執行することと、第2の推定される端株部分を再計算することと、第1の額に応じて第2の推定される端株部分を調整することとをしてもよい。
【0012】
さらなる側面において、本願明細書において開示される発明概念の実施形態は、想定ベースの売り注文を執行する方法を対象とする。適切に構成されると、FPUは、想定ベースの売り注文の執行された単元株部分の数量を受領することと、執行された単元株部分の第2の額を計算し、売りすぎ状態が存在すれば第1の取引を実行することと、売りすぎ状態が存在しなければ第2の取引を実行することとをしてもよい。
【0013】
さらなる側面において、本願明細書において開示される発明概念の実施形態は、マネージドアカウントにおいて端株取引を執行する方法を対象とする。適切に構成されると、アカウント処理ユニットは、ファンドまたは証券の売買注文の執行を示すレポートを受領することと、執行されたファンドまたは証券の割り当てを決定することと、割り当てリスティングに従って割り当てできる執行されたファンドまたは証券の第1の構成部分を1つ以上の第1のサブアカウントに提供することと、執行されたファンドまたは証券の考慮できない第2の構成部分があれば1つ以上の第2のサブアカウント(例えば一掃アカウント)に提供することとをしてもよく、その結果、1つ以上の第2のサブアカウント内の執行されたファンドまたは証券は、FPUによる買い付けのために利用可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本願明細書において開示される発明概念による、数量ベースおよび想定ベースの注文執行システムの機能ブロック図を示す。
【
図2】本願明細書において開示される発明概念による注文ゲートウェイを示す。
【
図3】本願明細書において開示される発明概念による端数対応処理ユニットを示す。
【
図4】本願明細書において開示される発明概念による、端数ベースの買いまたは売り注文を執行する方法を開示するフローチャートの例示的な実施形態を示す。
【
図5】本願明細書において開示される発明概念による、想定ベースの買い注文を執行する方法を開示するフローチャートの例示的な実施形態を示す。
【
図6】本願明細書において開示される発明概念による、想定ベースの売り注文を執行する方法を開示するフローチャートの例示的な実施形態を示す。
【
図7】本願明細書において開示される発明概念による、マネージドアカウントシステムの機能ブロック図を示す。
【
図8】本願明細書において開示される発明概念による、マネージドアカウントに対し端株取引を完全に執行する方法を開示するフローチャートの例示的な実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下の記載では、本願明細書において開示される発明概念の実施形態が完全に理解されるよう、いくつかの具体的な詳細が提示される。なお、当業者には当然のことながら、本願明細書において開示される発明概念の実施形態は、具体的な詳細のうちの1つ以上を用いずに実施されること、または他のコンポーネントなどと組み合わせて実施されることができる。他の場合には、本願明細書において開示される発明概念の様々な実施形態の側面をわかりにくくすることを避けるために、周知の実装または動作は詳細に図示または記載されていない。
【0016】
以下、
図1を参照する。本願明細書に記載される発明概念の実装に適した数量ベースおよび想定ベースの注文執行システム100の実施形態は、第1の通信ユニット110、第2の通信ユニット120、注文ゲートウェイ130、執行管理システム(EMS:execution management system)140、端数対応処理ユニット(FPU)150、および市場データソース160を含む。
【0017】
第1の通信ユニット110および第2の通信ユニット120は、1つ以上の通信デバイス/システムを含んでもよく、1つ以上の通信デバイス/システムそれぞれが、第1および第2の参加者によりそれぞれ用いられ、注文ゲートウェイ130、EMS140、およびFPU150を含むがこれらに限定されない、システム100の他の部分と通信するように構成される。一部の実施形態において、第1および第2の参加者は、個人、事業体、単元株部分のエージェンシー側の執行をする場外ブローカー、および/または他の金融機関を含むことができるが、これに限定はされない。なお、
図1は、第1の参加者の単一の第1の通信ユニット110および第2の参加者の単一の第2の通信ユニット120を示すが、これらはそれぞれ、異なる位置を有する2者以上の参加者の2つ以上の通信ユニットを表し得る。つまり、注文ゲートウェイ130と通信可能に結合された第1の通信ユニット110およびEMS140と通信可能に結合された第1の通信ユニット110、ならびに注文ゲートウェイ130と通信可能に結合された第2の通信ユニット120およびFPU150と通信可能に結合された第2の通信ユニット120が、それぞれ、異なる位置を有する異なる第1および第2の参加者により所有および/または操作されてもよい。
【0018】
注文ゲートウェイモジュール130は、買いおよび/または売り注文を含む数量ベースおよび/または想定ベースのリクエストを受けるように構成された任意のモジュールを含むことができるであろう。一部の実施形態において、数量ベースの注文は、整数の株(例えば1株、50株、200株など…)の注文を含むことができ、端数ベースの注文は、整数部分および端数部分(例えば1.5000株、50.6667株、200.0001株など…)からなる注文を含むことができるであろう。一部の実施形態において、想定ベースの注文は、想定価額(例えば$500.00USD(Unites States dollars:米ドル)の証券)で提示されるものとすることができるであろう。
【0019】
注文ゲートウェイモジュール130は、すべての注文タイプに対してプライマリリスクマネージャとしての機能を果たすことができるであろう。一部の実施形態において、注文ゲートウェイモジュール130は、様々な入力およびブローカー企業により設定されたリスク閾値に基づいて一連のリスククエリおよびチェックを実行することができるであろう。一部の実施形態において、注文ゲートウェイモジュール130は、(a)リスク管理結果に基づいて売買を却下し第1の参加者に応答を返すべきか、(b)リクエストを執行のために第2の参加者に直接転送すべきか、または(c)リクエストをFPU150に転送すべきかを見分ける、スマート注文ルーティングシステムを用いて構成できるであろう。
【0020】
以下、
図2を参照する。注文ゲートウェイモジュール130は、注文キュー132、リスクチェッカ134、および部分ルータ136を含むことができるであろう。注文キュー132は、第1の通信ユニット110により提供される1つ以上の注文を受領することによりオンボードプロセスを開始するように構成できるであろう。注文キュー132は、これらの注文のいずれかまたはすべてを先入れ先出し(FIFO:first-in,first-out)方式で処理するように構成できるであろう。一部の実施形態において、これらの注文は、数量ベースの買い注文、数量ベースの売り注文、想定ベースの買い注文、および/または想定ベースの売り注文を含むことができるであろう。受領されると、注文は、注文を1つ以上の内部リスクチェックにかけるリスクチェッカ134に提供されてもよい。
【0021】
リスクチェッカ134は、注文を1つ以上の内部リスクチェックを含むリスク管理計画にかけるように構成されたモジュールを含むことができるであろう。一部の実施形態において、内部リスクチェックは、「アカウントルール」、「顧客プロファイル情報」、「承認済み証券リスト」、および/または「想定価額および推定される数量の変換」を含むことができるであろう。
【0022】
「アカウントルール」は、アカウントのタイプおよび規制の観点から許可される活動に基づくルールを含むことができるであろう。例として、ルールは、「ショート」取引が個人退職勘定(IRA:individual retirement account)において執行されるのを禁止することができるであろう。
【0023】
「顧客プロファイル情報」は、アカウントオンボードプロセス中に内部データベースから獲得された情報を含むことができるであろう。一部の実施形態において、顧客プロファイル情報は、例えば意図される取引を執行する十分な購買力がアカウントにあるかどうかを評価するために、リスクベースのチェックに統合できるであろう。
【0024】
「承認済み証券リスト」は、売買プラットフォーム上で売買につき承認された基準証券を含むことができるであろう。リストは、カウンターパーティに基づいて変更でき、一部のカウンターパーティは、承認済み証券リストに含まれる多数の証券全体のうち限られたサブセットしか提供できないかもしれない。
【0025】
「想定価額および推定される数量の変換」は、想定ベースの注文を推定される株の数量に変換し、当該の計算を利用してアカウントに十分なファンドがあるかどうかを判断するための命令を含むことができるであろう。一部の実施形態において、市場データソース160により提供されたリアルタイム価格および/またはNBBO(National Best Bid or Offer:最良気配値)価格が推定に使用されてもよい。
【0026】
部分ルータ136は、注文を却下するべきかまたは許可するべきかを見分け、それを後の執行のために提示するための命令を用いて構成されたモジュールを含むことができるであろう。一部の実施形態において、部分ルータ136は、注文の却下をEMS140にレポートでき(例えば好ましくないリスク管理結果)、EMS140は次に、注文の却下を第1の通信ユニット110にレポートすることができるであろう。一部の実施形態において、端数ベースの注文の株の数量は、単元株部分と端株部分とに分割でき、単元株部分および端株部分は、エージェンシー方式での執行のために第2の市場参加者120に、プリンシパル方式での執行のためにFPU150に、それぞれルーティング/提供されてもよく、エージェンシー取引およびプリンシパル取引は、当業者には周知の取引方法である。一部の実施形態において、想定ベースの注文の推定される株の数量は、推定される単元株部分と推定される端株部分とに分割でき、推定される単元株部分および端株部分は、それぞれ第2の市場参加者120およびFPU150にルーティング/提供されてもよい。
【0027】
再び
図1を参照する。EMS140は、第1の通信ユニット110にレポートを提供するように構成されてもよい。一部の実施形態において、EMS140は、注文ゲートウェイモジュール130、第2の参加者120、および/またはFPU150により提供される応答を受領するように構成されてもよい。
【0028】
以下、
図3を参照する。FPU150は、保留キュー152、進行中キュー154、端数対応バランサ156、および/または端株データベース158を含んでもよい。FPU150は、端株売買のための命令を実行するプライマリエンジンとして構成されてもよい。FPU150および/またはAPU(account processing unit:アカウント処理ユニット)510(後述)は、ランダムアクセスメモリ(RAM:random access memory)、読み取り専用メモリ(ROM:read-only memory)、コンパクトディスク(CD:compact disc)、ハードディスクドライブ、ディスケット、ソリッドステートメモリ、セキュアデジタルカード、およびコンパクトフラッシュカードを含むがこれに限定されない、デジタルメモリストレージデバイスまたは非一時的コンピュータ可読媒体に恒久的または一時的に格納可能なソフトウェアまたはコンピュータ命令コードを実行する、任意の電子データ処理ユニットを含むことができるであろう。FPU150および/またはAPU510は、本願明細書において具現化された特定の機能のために開発されたアルゴリズムを含むソフトウェアまたはコンピュータ命令コードの実行により駆動されてもよい。FPU150および/またはAPU510は、本願明細書において開示される実施形態のためにカスタマイズされた特定用途向け集積回路(ASIC:application-specific integrated circuit)であってもよい。電子データ処理ユニットの一般的な例は、マイクロプロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、プログラマブルロジックデバイス(PLD:Programmable Logic Device)、プログラマブルゲートアレイ(PGA:Programmable Gate Array)、および信号生成器であるが、本願明細書の実施形態について、「プロセッサ」という用語はそのような処理ユニットに限定されず、その意味は狭く解釈されるように意図されていない。例として、FPU150および/またはAPU510はさらに、2つ以上の電子データ処理ユニットを含むことができるであろう。一部の実施形態において、FPU150および/またはAPU510は、注文ゲートウェイモジュール130、EMS140、および/またはマネージドアカウントシステム500(後述)を含むがこれらに限定されない他の任意のシステムにより、またはそれと併せて使用されるプロセッサ(単数または複数)とすることができるであろう。
【0029】
一部の実施形態において、「プログラムされた」という用語と「構成された」という用語とは同義語である。FPU150および/またはAPU510は、入力データの受領を促進するためにシステムおよび/またはソースに電子的に結合され且つ/または通信可能に結合されてもよい。一部の実施形態において、動作可能なように結合されているとは、電子的に結合されている、と交換可能とみなされてもよい。直接接続が行われることは必須ではなく、代わりに、入力データのそのような受領および出力データの提供は、バスを介して、ワイヤレスネットワークを介して、または物理もしくは仮想コンピュータポートを介しFPU150および/またはAPU510により受信および/または送信される信号として、提供できるであろう。FPU150および/またはAPU510は、下記で詳細に説明される方法を実行するようにプログラムまたは構成されてもよい。一部の実施形態において、FPU150は、第2の参加者120、および/または市場データソース160を含むがこれらに限定されない様々なシステムおよび/またはユニットからデータを受領するようにプログラムまたは構成されてもよく、APU510は、EMS140を含むがこれに限定されない様々なシステムおよび/またはユニットからデータを受領するようにプログラムまたは構成されてもよい。
【0030】
図3を再び参照する。保留キュー152は、端株部分および推定される端株部分を含むがこれらに限定されない、1つ以上の端株部分を注文ゲートウェイモジュール130から受領するように構成されてもよい。一部の実施形態において、保留キュー152は、1つの端株部分を進行中キュー154に提供するように構成されてもよい。一部の実施形態において、当該1つの端株部分は、保留キュー152が端株部分をFIFO方式で処理するように構成されている場合、キューの先頭に位置することができるであろう。
【0031】
進行中キュー154は、保留キュー152から端株部分を受領するように構成できるであろう。一部の実施形態において、進行中キュー154内の端株部分は、方法により下記で詳細に開示されるように端数対応バランサ156により執行できるであろう。
【0032】
端数対応バランサ156は、プリンシパル方式で端株部分(単数または複数)を執行するように構成されたモジュールであってもよい。一部の実施形態において、端数対応バランサ156は、インベントリリスクエクスポージャーを調整および設定する制御を含むことができる、ユーザにより課されたパラメータを用いて構成できるであろう。実質的に、ユーザは、端株データベース158において特定の証券を一株を超えて保持することを選択してもよい。これにより、高需要時にFPU150がより効率的に売買できるようにすることができるであろう。基本は、現在の注文を執行するのに必要な分以下を保持することである。このパラメータに基づき、端数対応バランサ156は、端株データベース158において保持された株を買っても、または売ってもよい。
【0033】
図1を再び参照する。市場データソース160は、リアルタイム市場フィードを表す市場データの任意のソースを含むことができるであろう。注文ゲートウェイ130およびFPU150は双方とも、それぞれの機能を実行するときに、全米市場システム規約(RegNMS:Regulation National Market System)の要件および/または任意の統制機関に合致するように、最良気配値(NBBO)価格フィードを使うことができるであろう。RegNMSは、米国証券取引委員会(SEC:Securities and Exchange Commission)により「株式のNMSを現代化および強化するように設計された一連のイニシアチブ」として米国(US:United States)において公布および表現された金融規制である。RegNMSは、市場での競争を促進することにより投資家がその注文について裁量価格での執行を受けることを保証するよう意図されている。
【0034】
以下、
図4~
図6を参照する。フローチャート200~400は、端数ベースおよび/または想定ベースの売買を執行する方法の例を開示し、FPU150は、フローチャートにおいて具現化されたモジュールに対応する命令を用いてプログラムまたは構成されてもよい。一部の実施形態において、FPU150は、例として注文ゲートウェイモジュール130および/もしくはEMS140、またはタスクを実行するのに適した他の任意のシステムにある、プロセッサまたは複数プロセッサの組み合わせであってもよい。さらに、FPU150は、FPU150の二方向のデータ通信、すなわちデータの受領および提供を促進するために1つ以上の入力インターフェースを有するプリント回路カードなど、これに限定されないモジュールのプロセッサであってもよい。フローチャートにおいて具現化される以下のモジュールを実現するための必要に応じて、データを獲得するとは、データを受領するおよび/または読み出すと同義語および/または交換可能であり、データを提供するとは、データを利用可能にするまたは供給すると同義語および/または交換可能である。
【0035】
図4は、端数ベースの買いまたは売り注文を執行する方法の例を開示するフローチャート200を示し、FPU150は、フローチャート200において具現化されたモジュールに対応する命令を用いてプログラムまたは構成されてもよい。フローチャート200の方法は、注文ゲートウェイモジュール130により提供された端株部分をFPU150が受領する、モジュール202により開始する。一部の実施形態において、第1の通信ユニット110が、注文ゲートウェイモジュール130に、第1の参加者から発生する端数ベースの買いまたは売り注文を提供した可能性があり、その結果、注文ゲートウェイモジュール130は、注文の数量を端株部分および対応する単元株部分に分離した可能性があり、そのうち後者は第2の参加者によるエージェンシー方式での単元株部分の買いまたは売り執行のために第2の通信ユニット120に提供される。
【0036】
フローチャート200の方法は、FPU150が端株部分を保留キュー152に提供する、モジュール204に進む。一部の実施形態において、保留キュー152が、先行する注文から受領されたほかの端株部分により既にポピュレートされていれば、保留キュー152にFIFO方式を適用して、端株部分は保留キュー152の最後尾に置かれてもよい。
【0037】
フローチャート200の方法は、FPU150が、端株部分の対応する単元株部分が第1の価格で第2の通信ユニット120により執行された後、および/または執行に関する第1のレポートが生成されて後で第1の通信ユニット110を介して第1の参加者に配信されるようEMS140に提供された後に、端株部分を進行中キュー154に提供する、モジュール206に進む。第1の価格は、FPU150に提供されてもよい。一部の実施形態において、進行中キュー154は、先行する端株部分が進行中キュー154により処理された後、端株部分が保留キューの先頭に到達したときに、端株部分を受領してもよい。
【0038】
フローチャート200の方法は、注文が買い注文であるか売り注文であるかに応じてモジュール208またはモジュール214に進む。買い注文の場合、フローチャート200の方法は、モジュール208に進み、売り注文の場合、フローチャート200の方法は、モジュール214に進む。
【0039】
モジュール208に進むと、端数対応バランサ156は、端株データベース158が進行中キュー154内の端株部分の数量を処理するのに十分な数量を有するかどうかを判断してもよい。
【0040】
十分な数量がある場合、フローチャート200の方法は、端数対応バランサ156が第1の価格で端株部分を執行する、モジュール210に進む。一部の実施形態において、執行は、価格の改善があれば(すなわちNBBO価格が第1の価格よりも低い)リアルタイムNBBO(すなわち第2の価格)で実行されてもよい。次に、フローチャート200の方法はモジュール216に移る。
【0041】
十分な数量がない場合、フローチャート200の方法は、端数対応バランサ156が、市場から買い付ける株(単数または複数)の数量を決定し、株(単数または複数)を受領し、端株データベース158に株(単数または複数)を格納する、モジュール212に進む。一部の実施形態において、株(単数または複数)の数量は、進行中キュー154および保留キュー152両方における数量を合計することにより決定されてもよい。次に、フローチャート200の方法はモジュール210に移る。
【0042】
モジュール206から進んで、フローチャート200の方法は、端数対応バランサ156が第1の価格で、または改善があれば第2の価格で端株部分を執行する、モジュール214に進む。
【0043】
フローチャート200の方法は、端数対応バランサ156が端株部分の執行について第2のレポートを生成する、モジュール216に進む。一部の実施形態において、第2のレポートが端数対応バランサ156により生成されて、後で第1の通信ユニット110を介して第1の参加者に配信されるようにEMS140に提供されてもよい。次に、フローチャート200の方法は終了する。
【0044】
図5は、想定ベースの買い注文を執行する方法の例を開示するフローチャート300を示し、FPU150は、フローチャート300において具現化されたモジュールに対応する命令を用いてプログラムまたは構成されてもよい。フローチャート300の方法は、注文ゲートウェイモジュール130により提供された第1の推定される端株部分をFPU150が受領する、モジュール302により開始する。一部の実施形態において、第1の通信ユニット110が注文ゲートウェイモジュール130に、第1の参加者から発生する想定ベースの買い注文を提供した可能性があり、その結果、注文ゲートウェイモジュール130は、注文の推定される数量を計算して推定される数量を第1の推定される端株部分および対応する推定される単元株部分に変換した可能性があり、そのうち後者は第2の参加者による推定される単元株部分の売り執行のために第2の通信ユニット120に提供される。
【0045】
フローチャート300の方法は、FPU150が第1の推定される端株部分を保留キュー152に提供する、モジュール304に進む。一部の実施形態において、保留キュー152が、先行する注文から受領されたほかの端株部分により既にポピュレートされていれば、保留キュー152にFIFO方式を適用して、第1の推定される端株部分は保留キュー152の最後尾に置かれてもよい。
【0046】
フローチャート300の方法は、FPU150が、端株部分の対応する推定される単元株部分が第1の価格で第2の通信ユニット120により執行された後、および/または執行に関する第1のレポートが生成されて後で第1の通信ユニット110を介して第1の参加者に配信されるようEMS140に提供された後に、第1の推定される端株部分の数量を再計算する、モジュール306に進み、第1の価格は、FPU150に提供されてもよい。一部の実施形態において、再計算は、リアルタイムNBBO(すなわち第2の価格)で実行されてもよい。一部の実施形態において、再計算は、先行する端株部分が進行中キュー154により処理された後、推定される端株部分が保留キュー152の先頭に到達すると、実行されてもよい。
【0047】
フローチャート300の方法は、FPU150が、再計算された数量からなる第2の端株部分を進行中キュー154に提供する、モジュール308に進む。
【0048】
フローチャート300の方法は、端数対応バランサ156が、端株データベース158が進行中キュー154内の第2の端株部分の数量を処理するのに十分な数量を有するかどうかを判断する、モジュール310に進む。
【0049】
十分な数量がある場合、フローチャート300の方法は、端数対応バランサ156が第1の価格で、または改善があればリアルタイムNBBOで第2の端株部分を執行する、モジュール312に進む。次に、フローチャート300の方法はモジュール316に移る。
【0050】
十分な数量がない場合、フローチャート300の方法は、端数対応バランサ156が、市場から買い付ける株(単数または複数)の数量を決定し、株(単数または複数)を受領し、端株データベース158に株(単数または複数)を格納する、モジュール314に進む。一部の実施形態において、株(単数または複数)の数量は、進行中キュー154および保留キュー152両方における数量を合計することにより決定されてもよい。次に、フローチャート300の方法はモジュール312に移る。
【0051】
モジュール312から進んで、フローチャート300の方法は、端数対応バランサ156が、モジュール312において執行される第2の端株部分の金額を判断する、モジュール316に進む。一部の実施形態において、金額が想定ベースの買い注文の金額よりも大きい場合に調整係数が決定されてもよく、そのような場合、買いすぎを防止するべく、第2の端株部分の金額を想定ベースの買い注文の金額と等しくするため、またはそれをわずかに下回らせるために、株の数量が削減されてもよい。
【0052】
フローチャート300の方法は、端数対応バランサ156が、モジュール302の第1の推定される端株部分の執行について第2のレポートを生成する、モジュール318に進む。一部の実施形態において、第2のレポートが端数対応バランサ156により生成されて、後で第1の通信ユニット110を介して第1の参加者に配信されるようにEMS140に提供されてもよい。次に、フローチャート300の方法は終了する。
【0053】
図6は、想定ベースの売り注文を執行する方法の例を開示するフローチャート400を示し、FPU150は、フローチャート400において具現化されたモジュールに対応する命令を用いてプログラムまたは構成されてもよい。フローチャート400の方法は、FPU150が、注文ゲートウェイモジュール130により提供された執行された単元株部分の数量を受領する、モジュール402により開始し、執行された単元株部分は、第1の通信ユニット110を介して受領された金額の想定ベースの売り注文の変換から生じて第1の価格での執行のために第2の通信ユニット120に提供された、単元株部分の数量であってもよい。
【0054】
フローチャート400の方法は、執行された単元株部分の金額をFPU150が計算する、モジュール404に進む。一部の実施形態において、計算は、リアルタイムNBBO(すなわち第2の価格)で実行されてもよい。
【0055】
フローチャート400の方法は、FPU150が、想定ベースの売り注文が売りすぎになったかどうかを判断する、モジュール406に進む。一部の実施形態において、売りすぎ状態は、執行された単元株部分の数量の金額が想定ベースの売り注文の金額を超過すると発生し得る。
【0056】
売りすぎ状態が存在する場合、フローチャート400の方法は、端数対応バランサ156が、売りすぎに相当する執行された単元株部分の数量を端株データベース158に提供する、モジュール408に進む。次に、フローチャート400の方法はモジュール418に移る。
【0057】
売りすぎ状態が存在しない場合、フローチャート400の方法は、端数対応バランサ156が、想定ベースの売り注文の金額と、執行された単元株部分の計算された金額との差に相当する株(単数または複数)の数量を再計算する、モジュール410に進む。一部の実施形態において、計算は、リアルタイムNBBO(すなわち第3の価格)で実行されてもよい。
【0058】
フローチャート400の方法は、端数対応バランサ156が、再計算された株(単数または複数)の数量が執行に必要な最低数量を満たすかどうか判断する、をモジュール412に進む。
【0059】
最低数量が満たされている場合、フローチャート400の方法は、端数対応バランサ156が、再計算された株(単数または複数)の数量の売りを第3の価格で執行する、モジュール414に進む。次に、フローチャート400の方法はモジュール418に移る。
【0060】
最低数量が満たされていない場合、フローチャート400の方法は、端数対応バランサ156が、再計算された株(単数または複数)の数量に対する執行をキャンセルして、再計算された株(単数または複数)の数量に相当する金額をEMS140に返す、モジュール416に進む。
【0061】
フローチャート400の方法は、端数対応バランサ156が、モジュール408もしくは414において実行された執行またはモジュール416において実行されたキャンセルに関するレポートを生成する、モジュール418に進む。一部の実施形態において、レポートは、端数対応バランサ156により生成されて、後で第1の通信ユニット110を介して第1の参加者に配信されるようにEMS140に提供されてもよい。次に、フローチャート400の方法は終了する。
【0062】
以下、
図7を参照する。マネージドアカウントシステム(MAS:managed account system)500は、登録投資アドバイザ(RIA:registered investment advisor)など、これに限定されない個人および/または事業体のアカウントとすることができ、注文ゲートウェイ130および/またはEMS140、売買アドバイザアカウント520、割り当てリスティング530、サブアカウント540、および一掃アカウント550に通信可能に結合されたアカウント処理ユニット(APU)510を含んでもよい。一部の実施形態において、MAS500は、図のように注文ゲートウェイ130、EMS140、および/またはFPU150に通信可能に結合された第1の通信ユニット110を所有および/または操作する第1の参加者により用いられることができるであろう。
【0063】
売買アドバイザアカウント520は、サブアカウント540により売買に利用可能なファンドおよび/または証券の額を総計で計算するように構成されたモジュールとすることができるであろう。個人および/または事業体は、売買アドバイザアカウント520に注文を発生させてもよい。一部の実施形態において、注文は、数量ベースの注文であってもよい。一部の実施形態において、注文は、想定ベースの注文であってもよい。売買アドバイザアカウント520は、注文が発生した後、注文ゲートウェイ130に注文を提供するように構成されてもよい。売買アドバイザアカウント520は、注文が執行された後、EMS140によって提供された執行のレポートを受領するように構成されてもよい。
【0064】
割り当てリスティング530は、サブアカウント540のうちのどのサブアカウントに、端数分配できるファンドおよび/または証券が割り当てられるかを売買アドバイザアカウント520に通知するように構成されたモジュールを含むことができるであろう。サブアカウント540は、割り当ておよび端数分配できるファンドおよび/または証券を受領するように構成されたモジュールを含むことができるであろう。
【0065】
一掃アカウント550は、割り当てまたは端数分配できないファンドおよび/または証券を受領するように構成されたモジュールを含むことができるであろう。一部の実施形態において、FPU150は、一掃アカウント550から、当該アカウントを精算するために、ファンドおよび/または証券の端数部分を買い、または売るように構成できるであろう。一部の実施形態において、これらの端数部分は、スケジュールされた間隔で(例えば取引日の終了時に、取引日が始まる前になど)買われること、または売られることが可能であり、それによって、個人および/または事業体の一掃アカウント550に保持される端数持ち高がゼロに削減されてもよい。現在、企業には、これをマイクロレベルで行うすべがなく、完全な株が蓄積されてようやくこれを行うことができるが、それでもいくらかの端数部分が残される結果になる可能性が高い。
【0066】
図8は、端株取引を執行する方法の例を開示するフローチャート600を示し、APU510は、フローチャート600において具現化されたモジュールに対応する命令を用いてプログラムまたは構成されてもよい。フローチャート600の方法は、執行のために売買アドバイザアカウント520により注文ゲートウェイ130の通信ユニットに売買注文が入力されるのに応答して、執行されたファンドおよび/または証券の数量ならびに当該執行の平均価格を詳述するレポートを売買アドバイザアカウント520がEMS140の通信ユニットから受領する、モジュール602により開始する。一部の実施形態において、注文は、端数ベースの買いもしくは売り注文、想定ベースの買い注文、および/または想定ベースの売り注文を含むことができるであろう。一部の実施形態において、注文ゲートウェイ130およびEMS140の通信ユニットは同一のユニットであってもよい。一部の実施形態において、注文ゲートウェイ130およびEMS140の通信ユニットは異なるユニットであってもよい。
【0067】
フローチャート600の方法は、APU510が、ファンドおよび/または証券を端数分配できるかどうかを判断し、できる場合、ファンドおよび/または証券が割り当てリスティング530に基づきサブアカウント540に割り当てられる、モジュール604に進む。FPU150により端数分配可能なファンドおよび/または証券が十分な数量あれば、端数分配できる構成部分がサブアカウント540に割り当てられてもよく、なければ、端数分配できない構成部分が一掃アカウント550に「残余端株」として提供されてもよい。端数分配できる構成部分について、次にフローチャート600の方法は、APU510が、ファンドおよび/または証券の当該構成部分をサブアカウント540に提供する、モジュール606に進む。端数分配できない構成部分については、フローチャート600の方法は次に、APU510が当該ファンドおよび/または証券を一掃アカウント550に提供する、モジュール608に進み、その時点で当該ファンドおよび/または証券は、FPU150による精算に利用可能になる。
【0068】
限定ではなく例示を目的として、第1の参加者(例えばRIA)が、4つのサブアカウント540を有し、それぞれが売買に利用可能な同額のファンドを有すると想定する。4つのアカウントに対して、想定ベースの買い注文が注文ゲートウェイ130に提出され、応答として、16.0019株の数量を示すレポートがモジュール602において受領されたと想定する。割り当てリスティング530が、各アカウントへの100パーセントの割り当てを指示し、FPU150が、分割可能な最小の株の数量1万分の1(または小数点以下4桁)をもたらすように構成されると想定すると、APU510は、4.004株の数量(すなわち端数分配できる数量)をサブアカウント540に割り当ててもよく、4つのサブアカウントはそれぞれ1.0001株を受領してもよい。0.0003株(16.0019-16.0004)の量の株の残りの数量は、APU510の命令に従って分割可能な最小の株の数量に端数分配できないかもしれず、よって、APU510は、この残余端株を一掃アカウント550に提供してもよい。
【0069】
フローチャート600の方法は、APU150が、一掃アカウント550内の残余端株を買い、さらに/または一掃アカウント550を精算するように構成され得るFPU150に売る、モジュール610に進む。前の説明では、FPU150は、0.0003株の数量を買い付けることができるであろう。一部の実施形態では、これがスケジュールされた間隔で実行されてもよい。一部の実施形態において、残余端株の買いおよび/または売りは、それぞれ端株データベース158内の端株の数量を増加および/または減少できるであろう。次に、フローチャート600の方法は終了する。
【0070】
なお、上述した方法の各ステップは、非一時的コンピュータ可読媒体に格納されたコンピュータ命令コードにおいて具現化されてもよい。方法は、明細書に記載されたステップのうちの1つ以上を含んでもよく、その1つ以上のステップは、互いに同時に実行されることを含め、任意の所望の順序で実行されてよい。例として、本願明細書において開示されたステップのうちの2つ以上が単一のステップに組み合わされてもよく、さらに/またはステップのうちの1つ以上が2つ以上のサブステップとして実行されてもよい。さらに、本開示の利益を有する当業者には当然のことながら、本願明細書において明示的に開示されていない、または本質的に存在していないステップが、本願明細書に記載されたステップに組み入れられもしくは追加されてもよく、または本願明細書に記載されたステップの1つ以上と置き換えられてもよい。
【0071】
本願明細書において使用されるとき、「実施形態」という用語は、限定ではなく例示として説明する働きをする実施形態を意味する。
【0072】
当業者には当然のことながら、先行する例および実施形態は、例示的であり、本願明細書において開示される発明概念の広範な範囲に対する限定ではない。本明細書を読み、図面を検討すると当業者に明らかになる、それらに対するすべての変更、置換、拡張、等価物、および改善は、本願明細書において開示された発明概念の広範な範囲の中に含まれるものとする。従って、添付の特許請求の範囲は、本願明細書において開示された発明概念の広範な範囲内に入る当該の変更、置換、拡張、等価物、および改善をすべて含むものとする。
【0073】
本願は種々の実装を開示し、とりわけ以下(1)-(32)で示す実装を開示するものである。
(1) 端数ベースの買いまたは売り注文を執行する方法であって、
プロセッサにより実行可能なコードを格納している非一時的なプロセッサ可読媒体に通信可能に結合された少なくとも1つのプロセッサを含む処理ユニットによって、端株からなる買いまたは売り注文の端株部分を受領するステップと、
前記端株部分を第1のキューに提供するステップと、
前記端株部分に対応する前記買いまたは売り注文の単元株部分が或る価格で執行された後、前記端株部分を第2のキューに提供するステップと、
買い注文の場合、
十分な数量の端株が端株データベースに格納されているかどうかを判断するステップ、および
十分な数量が存在すれば、前記端株データベースから前記第2のキュー内の前記端株部分に対する端株を買うステップ、
からなる第1の取引を実行するステップと、
売り注文の場合、
前記第2のキュー内の前記端株部分の前記端株を前記端株データベースに売るステップ
からなる第2の取引を実行するステップと、
前記第1の取引または前記第2の取引が完了すると、レポートを生成するステップと、
を含む方法。
【0074】
(2) 前記買いまたは売り注文は、第1の参加者の第1の通信ユニットを通して提供され、
前記単元株部分の前記執行は、第2の参加者の第2の通信ユニットを通してレポートされる、(1)に記載の方法。
【0075】
(3) 端株を前記買うステップは、前記単元株部分が執行された前記価格、または前記価格の改善があればリアルタイムの価格で執行される、(1)に記載の方法。
【0076】
(4) 前記第1の取引はさらに、
十分な数量が存在しなければ、買い付ける株部分の数量を決定するステップと、
前記数量の株部分を買い付けるステップと、
前記買い付けされた数量の株部分を前記端株データベースに格納するステップと、
前記端株データベースから、前記第2のキュー内の前記端株部分に対する端株の買いを執行するステップと
からなる、(1)に記載の方法。
【0077】
(5) 買い付ける株部分の前記数量は、前記第1のキュー内の端株部分の数量および前記第2のキュー内の株の数量に応じて決定される、(4)に記載の方法。
【0078】
(6) 端株の前記買いは、前記単元株部分が執行された価格、または前記価格の改善があればリアルタイムの価格で執行される、(4)に記載の方法。
【0079】
(7) 前記レポートは、第1の参加者の第1の通信ユニットに提供される買いまたは売り注文レポートに含まれる、(1)に記載の方法。
【0080】
(8) 第1の参加者により用いられアカウント処理ユニットを含むマネージドアカウントシステムから、一掃アカウントの少なくとも1つの端株を買い付けるステップ
をさらに含む、(1)に記載の方法。
【0081】
(9) 前記アカウント処理ユニットは、端株取引を執行する方法を実行するように構成されている、(8)に記載の方法。
【0082】
(10) 想定ベースの買い注文を執行する方法であって、
プロセッサにより実行可能なコードを格納している非一時的なプロセッサ可読媒体に通信可能に結合された少なくとも1つのプロセッサを含む処理ユニットによって、第1の額を有する想定ベースの買い注文の第1の推定される端株部分を受領するステップであって、
前記第1の推定される端株部分は、計算された数量からなる、前記受領するステップと、
前記第1の推定される端株部分を第1のキューに提供するステップと、
前記推定される端株部分の前記計算された数量を再計算するステップと、
前記想定ベースの買い注文の推定される単元株部分の売買が執行された後、前記再計算された数量からなる第2の推定される端株部分を第2のキューに提供するステップと、
十分な数量の端株が端株データベースに格納されているかどうかを判断するステップと、
十分な数量が格納されていれば、前記端株データベースからの端株の買いを執行するステップと、
前記第2の推定される端株部分の第2の額を判断するステップと、
前記第1の額に応じて前記第2の推定される端株部分を調整するステップと、
前記端株の買いの執行が完了すると、レポートを生成するステップと、
を含む方法。
【0083】
(11) 前記想定ベースの買い注文は、第1の参加者の第1の通信ユニットを通して提供され、
前記単元株部分の前記執行は、第2の参加者の第2の通信ユニットを通してレポートされる、(10)に記載の方法。
【0084】
(12) 前記推定された端株部分の数量は、前記第1の額およびリアルタイムの価格に応じて再計算される、(10)に記載の方法。
【0085】
(13) 前記方法は、
十分な数量が存在しなければ、買い付ける株の数量を決定するステップと、
前記数量の株を買い付けるステップと、
端株の前記買いの前記執行前に、前記買い付けされた数量の株を前記端株データベースに格納するステップと、
をさらに含む、(10)に記載の方法。
【0086】
(14) 買い付ける株の前記数量は、前記第1のキュー内の端株の数量および前記第2のキュー内の株の数量に応じて決定される、(13)に記載の方法。
【0087】
(15) 端株の前記買いは、前記単元株部分が執行された価格、または価格改善があればリアルタイムの価格で執行される、(13)に記載の方法。
【0088】
(16) 前記レポートは、第1の参加者の第1の通信ユニットに提供される想定ベースの買い注文レポートに含まれる、(10)に記載の方法。
【0089】
(17) 第1の参加者により用いられアカウント処理ユニットを含むマネージドアカウントシステムから、一掃アカウントの少なくとも1つの端株を買い付けるステップ
をさらに含む、(10)に記載の方法。
【0090】
(18) 前記アカウント処理ユニットは、端株取引を執行する方法を実行するように構成されている、(17)に記載の方法。
【0091】
(19) 想定ベースの売り注文を執行する方法であって、
プロセッサにより実行可能なコードを格納している非一時的なプロセッサ可読媒体に通信可能に結合された少なくとも1つのプロセッサを含む処理ユニットによって、第1の額を有する想定ベースの売り注文の執行された単元株部分の数量を受領するステップと、
前記執行された単元株部分の第2の額を計算するステップと、
前記想定ベースの売り注文の売りすぎ状態が存在するかどうかを判断するステップと、
売りすぎ状態が存在すれば、
前記売りすぎに相当する前記執行された単元株部分の数量を端株データベースに提供するステップ
からなる第1の取引を実行するステップと、
売りすぎ状態が存在しなければ、
前記第1の額と前記第2の額との差に相当する株の数量を計算するステップ、
前記計算された数量が執行のための最低数量を満たせば執行を実行するステップ、および
前記計算された数量が執行のための最低数量を満たさなければ執行をキャンセルするステップ、
からなる第2の取引を実行するステップと、
を含む方法。
【0092】
(20) 前記想定ベースの売り注文は、参加者の通信ユニットを通して提供される、(19)に記載の方法。
【0093】
(21) 前記第2の額の前記計算は、リアルタイムの価格に応じて実行される、(19)に記載の方法。
【0094】
(22) 売りすぎ状態の前記存在は、前記第1の額および前記第2の額に応じて判断される、(19)に記載の方法。
【0095】
(23) 前記第2の取引の前記計算は、リアルタイムの価格に応じて実行される、(19)に記載の方法。
【0096】
(24) 前記方法は、
前記第1の取引または前記第2の取引が完了すると、レポートを生成するステップ
をさらに含み、その結果、
前記レポートは、第1の参加者の第1の通信ユニットに提供される想定ベースの売り注文レポートに含まれる、(19)に記載の方法。
【0097】
(25) 前記方法は、
第1の参加者により用いられアカウント処理ユニットを含むマネージドアカウントシステムから、一掃アカウントの少なくとも1つの端株を買い付けるステップ
をさらに含む、(24)に記載の方法。
【0098】
(26)前記アカウント処理ユニットは、端株取引を執行する方法を実行するように構成されている、(25)に記載の方法。
【0099】
(27) 端株取引を執行する方法であって、
プロセッサ実行可能コードを格納している非一時的なプロセッサ可読媒体に通信可能に結合された少なくとも1つのプロセッサを含む第1の処理ユニットによって、前記第1の処理ユニットにより提供されたファンドまたは証券の売買注文の執行を示す第1の通信ユニットから第2の通信ユニットへのレポートを受領するステップと、
前記執行されたファンドまたは証券の構成部分が端数分配できるかどうかを判断するステップと、
端数分配できる第1の構成部分を少なくとも1つの第1のサブアカウントに割り当てるステップと、
端数分配できない第2の構成部分があれば、前記第2の構成部分を少なくとも1つの第2のサブアカウントに提供するステップであって、その結果、
少なくとも1つの第2のサブアカウントの前記ファンドまたは証券は、第2の処理ユニットによる精算に利用可能になる、前記提供するステップと、
を含む方法。
【0100】
(28) 前記第1の通信ユニットおよび前記第2の通信ユニットは、同一の通信ユニットである、(27)に記載の方法。
【0101】
(29) 前記判断は、分割可能な最小の株の数量に応じて実行される、(27)に記載の方法。
【0102】
(30) 前記第2の処理ユニットは、少なくとも1つの第2のサブアカウントの前記ファンドまたは証券を買い付けるように構成された端数対応処理ユニットである、(27)に記載の方法。
【0103】
(31) 前記端数対応処理ユニットは、端数ベースの買いまたは売り注文を執行する方法、想定ベースの買い注文を執行する方法、および端株取引を執行する方法のうちの少なくとも1つを実行するように構成されている、(30)に記載の方法。
【0104】
(32) 少なくとも1つの第2のサブアカウントの前記ファンドまたは証券は、スケジュールされた間隔で買い付けされる、(31)に記載の方法。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
想定ベースの売り注文を執行する方法であって、
プロセッサにより実行可能なコードを格納している非一時的なプロセッサ可読媒体に通信可能に結合された少なくとも1つのプロセッサによって、第1の額を有する想定ベースの売り注文の執行された単元株部分の数量を受領するステップと、
前記執行された単元株部分の第2の額を、前記少なくとも1つのプロセッサによって計算するステップと、
前記第1の額と前記第2の額との差に相当する株の計算された数量を判断するステップと、
前記計算された数量が執行のための最低数量を満たせば、ユーザにより課されたパラメータに基づいて、端数対応バランサにより前記想定ベースの売り注文を執行するステップであって、前記ユーザにより課されたパラメータはインベントリリスクエクスポージャーを調整および設定する制御を含み、前記ユーザにより課されたパラメータは、特定の証券の基本以下を保持し、かつ現在の注文を執行するのに使用される分以下を保持する端株データベースと関連付けられていることを特徴とする、前記想定ベースの売り注文を執行するステップと、
前記計算された数量が執行のための最低数量を満たさなければ、前記執行をキャンセルするステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記想定ベースの売り注文は、証券の想定価額で提示される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2の額の前記計算は、リアルタイムの価格に応じて実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
売りすぎ状態が存在しなければ前記執行が実行され、前記売りすぎ状態は前記第1の額および前記第2の額に応じて判断される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記執行は、リアルタイムの価格に応じて実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記方法は、
前記執行が完了するとレポートを生成するステップであって、前記レポートは参加者の通信ユニットに提供される想定ベースの売り注文レポートに含まれることを特徴とする、前記生成するステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記方法は、
参加者により用いられアカウント処理ユニットを含むマネージドアカウントシステムから、一掃アカウントの少なくとも1つの端株を買い付けるステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記アカウント処理ユニットは、端株取引を執行する方法を実行するように構成されている、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
想定ベースの売り注文を執行する方法であって、
プロセッサにより実行可能なコードを格納している非一時的なプロセッサ可読媒体に通信可能に結合された少なくとも1つのプロセッサによって、第1の額を有する想定ベースの売り注文の執行された単元株部分の数量を受領するステップと、
前記執行された単元株部分の第2の額を、前記少なくとも1つのプロセッサによって計算するステップと、
前記想定ベースの売り注文の売りすぎ状態が存在するかどうかを、前記少なくとも1つのプロセッサによって判断するステップと、
売りすぎ状態が存在しなければ、
前記第1の額と前記第2の額との差に相当する株の計算された数量を判断するステップ、
前記計算された数量が執行のための最低数量を満たせば、ユーザにより課されたパラメータに基づいて、端数対応バランサにより前記想定ベースの売り注文を執行するステップであって、前記ユーザにより課されたパラメータは、端株データベースに特定の証券の基本以下を保持すること、かつ現在の注文を執行するのに使用される分以下を保持することが選択されるように判断されることを特徴とする、前記想定ベースの売り注文を執行するステップ、および
前記計算された数量が執行のための最低数量を満たさなければ、前記執行をキャンセルするステップ、
からなる取引を実行するステップと、
を含む方法。
【請求項10】
前記想定ベースの売り注文は、参加者の通信ユニットを通して提供される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第2の額の前記計算は、リアルタイムの価格に応じて実行される、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記方法は、
前記執行が完了するとレポートを生成するステップであって、前記レポートは参加者の通信ユニットに提供される想定ベースの売り注文レポートに含まれることを特徴とする、前記生成するステップ
をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記方法は、
参加者により用いられアカウント処理ユニットを含むマネージドアカウントシステムから、一掃アカウントの少なくとも1つの端株を買い付けるステップ
をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記アカウント処理ユニットは、端株取引を執行する方法を実行するように構成されている、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
1つ以上のメモリと、
プロセッサにより実行可能なコードを格納している前記1つ以上のメモリに通信可能に結合された1つ以上のプロセッサと、
を含む装置であって、前記プロセッサにより実行可能なコードを実行するとき、前記1つ以上のプロセッサは、
第1の額を有する想定ベースの売り注文の執行された単元株部分の数量を受領することと、
前記執行された単元株部分の第2の額を計算することと、
第1の状態に基づき、
売りすぎに相当する前記執行された単元株部分の数量を端株データベースに提供すること
を含む第1の取引を実行することと、
第2の状態に基づき、
前記第1の額と前記第2の額との差に相当する株の数量を計算すること、
前記計算された数量が執行のための最低数量を満たせば、ユーザにより課されたパラメータに基づいて、端数対応バランサにより前記想定ベースの売り注文を執行することであって、前記ユーザにより課されたパラメータは、特定の証券の基本以下を保持し、かつ現在の注文を執行するのに使用される分以下を保持する前記端株データベースと関連付けられていることを特徴とする、前記想定ベースの売り注文を執行すること、および
前記計算された数量が執行のための最低数量を満たさなければ、前記執行をキャンセルすること、
を含む第2の取引を実行することと、
をするように構成されている、装置。
【請求項16】
前記第2の額の前記計算は、リアルタイムの価格に応じて実行される、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記1つ以上のプロセッサは、
前記第1の取引または前記第2の取引が完了するとレポートを生成することであって、前記レポートは参加者の通信ユニットに提供される想定ベースの売り注文レポートに含まれることを特徴とする、前記生成すること
をさらに行うよう構成されている、請求項15に記載の装置。
【請求項18】
前記1つ以上のプロセッサは、
リスクチェッカによって、1つ以上の内部リスクチェックを実行すること
をさらに行うよう構成されている、請求項15に記載の装置。
【請求項19】
前記想定ベースの売り注文は、証券の想定価額で提示される、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記想定ベースの売り注文は、参加者の通信ユニットを通して提供される、請求項15に記載の装置。