(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024069379
(43)【公開日】2024-05-21
(54)【発明の名称】高粘度シール材料塗布システム
(51)【国際特許分類】
B05C 5/00 20060101AFI20240514BHJP
B05D 1/26 20060101ALI20240514BHJP
B05D 3/00 20060101ALI20240514BHJP
B05D 7/24 20060101ALI20240514BHJP
B05C 11/10 20060101ALI20240514BHJP
B05B 12/00 20180101ALI20240514BHJP
【FI】
B05C5/00 101
B05D1/26 Z
B05D3/00 D
B05D3/00 B
B05D7/24 301N
B05C11/10
B05B12/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024037105
(22)【出願日】2024-03-11
(62)【分割の表示】P 2022052629の分割
【原出願日】2014-07-29
(31)【優先権主張番号】13/964,713
(32)【優先日】2013-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100086380
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100103078
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100130650
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 泰光
(74)【代理人】
【識別番号】100168044
【弁理士】
【氏名又は名称】小淵 景太
(74)【代理人】
【識別番号】100168099
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 伸太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100200609
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 智和
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン グレン キーナー
(72)【発明者】
【氏名】トレント ロブ ローガン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】高粘度シール材料の量、形状、及び/または厚さを正確に塗布できるノズルシステムを含む装置を提供する。
【解決手段】シール材料を塗布する方法及び装置においては、ノズルシステム120は、ロボット機器128を用いて、構造物104に対して位置決めされる。シール材料は、ノズルシステム120とロボット機器128を用いて、構造物104上に所定数の流れ131で塗布し、所望の形状140を備えているシール材料堆積物138を形成し、前記シール材料102は、所定の閾値114より大きな粘度112を備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボット機器への取付け用に構成したロボット取付け要素と、
所定の閾値より大きな粘度を有するシール材料を保持する供給源への取付け用に構成した供給源取付け要素と、
構造物に前記シール材料を所定数の流れで塗布して、所望の形状を有するシール材料堆積物を形成するように構成したノズルシステムと、を含む装置。
【請求項2】
ノズルシステムが、構造物へのシール材料の塗布中、前記構造物から少なくとも0.5インチ離れて保持されるように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
ノズルシステムが、構造物へのシール材料の塗布中、前記構造物から少なくとも1.0インチ離れて保持されるように構成されている、請求項1又は2のいずれかに記載の装置。
【請求項4】
ロボット機器が、構造物に対してノズルシステムを移動するように構成され、シール材料が、所望のレベルの均一性及び精度で塗布されるようにする、請求項2又は3のいずれかに記載の装置。
【請求項5】
シール材料堆積物の所望の形状が、その長さ方向に沿って、実質的に均一な厚さ及び幅を有するビードである、請求項1~4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
ノズルシステムに関連付けられるとともに、前記ノズルシステムを介して流れるシール材料の温度を制御し、前記シール材料の粘度を変化させるように構成した温度制御要素を更に含む、請求項1~5のいずれかに記載の装置。
【請求項7】
ノズルシステムが、所定の塗布パターンを用いて、単一流モード及び複数流モードの一方で、構造物上にシール材料を塗布するように構成されている、請求項1~6のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
ノズルシステムが、構造物の所定数の標的部に対して、所定数の流れでシール材料を塗布するように構成され、シール材料堆積物が硬化したときに、所定数の標的部上に所望の形状を有するシール部を形成する、請求項1~7のいずれかに記載の装置。
【請求項9】
ロボット機器取付け要素、供給源取付け要素、及びノズルシステムが、シール材料塗布システムを構成し、当該シール材料塗布システムが、ロボット機器用のエンドエフェクタである、請求項1~8のいずれかに記載の装置。
【請求項10】
ロボット機器を用いて、構造物に対してノズルシステムを位置決めすることと、
前記ノズルシステムとロボット機器を用いて、前記構造物上に所定数の流れで、シール材料を塗布して、所望の形状を備えているシール材料堆積物を形成すること、を含むシール材料の塗布方法であって、
前記シール材料は、所定の閾値より大きな粘度を有している、方法。
【請求項11】
ノズルシステムとロボット機器を用いて、構造物上にシール材料を塗布することが、
前記構造物に沿ってノズルシステムを移動させ、同時に、前記ロボット機器を用いて、前記ノズルシステムからシール材料を吐出させ、前記シール材料が、所望のレベルの均一性及び精度で塗布されるようにすること、を含んでいる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
ロボット機器を用いて、構造物に対してノズルシステムを位置決めすることが、
前記ロボット機器を用いて、前記構造物に対してノズルシステムを位置決めし、前記ノズルシステムが、構造物から少なくとも約0.5インチ離れて保持されるようにすることと、
前記構造物に沿ってノズルシステムを移動させ、同時に、前記ロボット機器を用いて、前記ノズルシステムからシール材料を吐出させることと、
前記構造物と、ノズルシステムの端部との間に少なくとも約0.5インチの所定の距離を維持し、同時に、前記ロボット機器を用いて、前記構造物に沿って、ノズルシステムを移動させることと、を含んでいる、請求項10又は請求項11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
構造物上にシール材料を塗布することが、
前記構造物上へのシール材料の塗布中、ノズルシステム用の複数のパラメータを制御すること、を含んでいる、請求項10~12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
構造物上へのシール材料の塗布中、ノズルシステム用の複数のパラメータを制御することが、
吐出させる前記シール材料の流速、前記シール材料の温度、前記ノズルシステムの並進速度、又は前記ノズルシステムの回転速度の少なくとも一つを制御すること、を含んでいる、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
構造物上にシール材料と塗布することが、
前記シール材料の粘度を変化させ、ノズルシステムを介して、前記シール材料の流速を変更することと、
前記ノズルシステムを用いて、単一流モードと複数流モードの一方で、所定の塗布パターンにて、前記構造物上にシール材料を塗布することと、を含んでいる、請求項10~14のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示内容は、一般に流体塗布に関し、特に、高粘度シール材料塗布に関する。更に詳細には、本開示内容は、自動システムを用いて、高粘度シール材料を塗布する装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
シール材料は、保護遮蔽部を提供するために用いられる粘性流体であってもよく、前記保護遮蔽部は、流体及び粒子が、前記遮蔽部を通過しないようにできる。更に、シール材料を用いて、接合部及び他の種類の界面及び標的部を密閉できる。いくつかの場合、シール材料を用いて、部品を腐食から保護できる。
【0003】
シール材料は、航空宇宙業界、自動車業界、及び他の業界を含む様々な業界で使用できるが、それらの業界に限定されない。航空宇宙業界では、シール材料を用いて、組立体、半組立体、機体部品、翼部品、及び/又は他の種類の部品を密閉できる。一般に、航空宇宙業界で用いられるシール材料は、自動車業界で用いられるシール材料より高粘度であってもよい。航空宇宙業界で用いられるシール材料は、自動車業界で用いられるシール材料に比べて、空気及び/又は空間を介した動作負荷及び移動によって生じるより多くの力に耐える必要がある。
【0004】
航空宇宙業界においては、異なる種類の塗布システムを用いて、シール材料を塗布できる。本明細書で使用する場合、シール材料を「塗布する」とは、ノズルから前記シール材料を吐出させること、及び/又は一つ以上の面に前記シール材料を付着させることを含んでいてもよい。ノズルからシール材料を吐出させることは、前記ノズルからシール材料を放出させることと同じである。
【0005】
航空宇宙業界で用いられるシール材料は高粘度であり、これらのシール材料の吐出及び塗布を困難にするため、望ましくない。その結果、これらのシール材料は、手動塗布することが必要になる。シール材料を塗布する既存の手動方法としては、例えば、手動装置を用いて、シール材料をブラシすること、浸漬すること、ロール塗布すること、及びスプレイすることなどが考えられるが、これらに限定されるものではない。
【0006】
しかし、シール材料を塗布するこれらの方法は、労働集約的であり、時間がかかるため、望ましくない。更に、これらの方法は、正確性に乏しく、制御もきかない点も望ましくない。場合によっては、シール材料は、溶媒で希釈し、前記シール材料の粘度を低減する必要がある。例えば、シール材料は、環境に対して有害な溶媒を用いて希釈し、スプレイ動作に十分になるまで前記シール材料の粘度を低減する必要が生じることもある。追加的に、これらの種類の方法に含まれる洗浄は、広範囲及び/又は高価となり、望ましくない。
【0007】
更に、シール材料を塗布するこれらの既存の方法は、塗布されるシール材料の量、形状、及び/又は厚さが正確ではない点でも望ましくない。その結果、これらの高粘度シール材料を用いて、塗布されるシールビード用の要件に適合させることは、困難になって、望ましくない。場合によっては、塗布されたシールビードを改善するために、マスク処理、マスク除去、再成形、及び/又はトリミングが必要となる。しかし、この処理は、労働集約的で、時間がかかり望ましいものではなく、広範囲の再処理を要する。
【0008】
自動車業界においてシール材料の吐出及び塗布のために現在利用されている自動方法の
中には、低粘度から中粘度のシール材料に使用することに適しているものもある。例えば、これらの方法は、約100,000センチポイズ(cP)未満の粘度を有するシール材料に適している。しかし、航空宇宙業界で用いられるシール材料は、その特性として100,000センチポイズより大きな粘度であり、これらの種類のシール材料によってその結果もたらされる問題のために、自動車業界で用いられる自動塗布方法は、これらの種類のシール材料と共に使用するには適していないと、航空宇宙技術者は考えるであろう。従って、上で議論した問題の少なくとも一部、及び他の可能な問題を考慮した方法及び装置を持つことが望まれる。
【発明の概要】
【0009】
一実施形態では、装置は、ロボット取付け要素、供給源取付け要素、及びノズルシステムを含んでいてもよい。ロボット取付け要素は、ロボット機器への取付け用に構成されている。供給源取付け要素は、所定の閾値より大きな粘度を備えているシール材料を保持する供給源への取付け用に構成されている。ノズルシステムは、所定数の流れで構造物上にシール材料を塗布し、所望の形状を有するシール材料堆積物を形成できるように構成されている。
【0010】
別の実施形態では、シール材料塗布システムは、ロボット取付け要素、供給源、供給源取付け要素、及びノズルシステムを含んでいてもよい。ロボット取付け要素は、ロボット機器へのシール材料塗布システムの取付け用に構成されている。供給源は、約100,000センチポイズより大きな粘度を備えているシール材料を保持できる。供給源取付け要素は、供給源へのシール材料塗布システムの取付け用に構成されている。ノズルシステムは、所望のレベルの均一性と精度を備えた所定数の流れで、構造物の複数の標的部の上にシール材料を塗布するように構成され、所望の形状を有するシール材料堆積物を形成し、前記シール材料堆積物を硬化させ、前記所定数の標的部にシール部を形成できる。
【0011】
更に別の実施形態では、シール材料を塗布する方法が提供される。ノズルシステムは、ロボット機器を用いて、構造物に対して位置決めできる。シール材料は、所定の閾値より大きな粘度を有しており、ノズルシステム及びロボット機器を用いて、構造物上に所定数の流れで塗布され、所望の形状を備えているシール材料堆積物を形成できる。
【0012】
更に別の実施形態では、航空宇宙機用の構造物にシール材料を塗布する方法が提供される。所定の閾値より大きな粘度を有するシール材料は、シール材料塗布システムのノズルシステム内に収容できる。ノズルシステムは、ロボット機器を用いて、構造物に対して位置決めし、前記ノズルシステムが、構造物上へのシール材料の塗布中、前記構造物から少なくとも0.5インチ(約1.27cm)離れて保持されるようにする。シール材料は、ノズルシステムから吐出できる。シール材料の粘度は、前記シール材料の吐出中に変化させ、吐出させるシール材料の流速を変更できる。前記ノズルシステムからシール材料を吐出させながら、ロボット機器を用いて、ノズルシステムを構造物に沿って移動させ、所望のレベルの均一性及び精度で、所定の塗布パターンに従って、所定数の流れで、前記シール材料を構造物上に塗布し、所望の形状を有するシール材料堆積物を形成する。硬化すると、シール材料堆積物は、剛性面及び所定の許容範囲内の所望の形状を有するシール部を形成できる。
【0013】
つまり、本発明の一つの側面によると、ロボット機器への取付け用に構成したロボット取付け要素と、所定の閾値より大きな粘度を備えているシール材料を保持する供給源への取付け用に構成した供給源取付け要素と、所定数の流れで構造物上に前記シール材料を塗布し、所望の形状を有するシール材料堆積物を形成するように構成したノズルシステムと、を含む装置が提供される。
【0014】
本装置では、ノズルシステムは、構造物上へのシール材料の塗布中、前記構造物から少なくとも0.5インチ離れて保持されるように構成すると有利である。
【0015】
本装置では、ノズルシステムは、構造物上へのシール材料の塗布中、前記構造物から少なくとも1.0インチ離れて保持されるように構成すると有利である。
【0016】
本装置では、ロボット機器は、構造物に対しノズルシステムを移動させ、所望のレベルの均一性及び精度で、シール材料を塗布するように構成すると有利である。
【0017】
本装置では、所望の形状のシール材料堆積物は、その長さ方向に沿って、実質的に均一の厚さ及び幅を有するビードであると有利である。
【0018】
本装置は更に、ノズルシステムに関連付けられるとともに、前記ノズルシステムを介して流れるシール材料の温度を制御し、前記シール材料の粘度を変化させるように構成した温度制御要素を含んでいると有利である。
【0019】
本装置では、ノズルシステムは、所定の塗布パターンにて、単一流モード及び複数流モードの一方で、構造物上にシール材料を塗布するように構成すると有利である。
【0020】
本装置では、所定の塗布パターンは、渦巻きパターンであると有利である。
【0021】
本装置では、ノズルシステムは、構造物の所定数の標的部の上に、所定数の流れでシール材料を塗布し、シール材料堆積物が硬化すると、所望の形状を有する所定数の標的部上にシール部が形成されるように構成すると有利である。
【0022】
本装置では、所定数の標的部の一つは、接合部、締付け要素、締付け要素の端部、一つ以上の部品の間の界面、溝、及び継ぎ目の一つから選択されると有利である。
【0023】
本装置では、シール材料の粘度の所定の閾値は、約100,000センチポイズより大きいと有利である。
【0024】
本装置では、供給源は、シール材料カートリッジであると有利である。
【0025】
本装置では、ロボット取付け要素、供給源取付け要素、及びノズルシステムは、シール材料塗布システムを構成すると有利である。
【0026】
本装置では、シール材料塗布システムは、ロボット機器用のエンドエフェクタであると有利である。
【0027】
本装置では、構造物は、工作物、部品の組立体、及び半組立体の一つから選択されると有利である。
【0028】
本装置では、構造物は、航空宇宙機用の複数の部品を含んでいると有利である。
【0029】
本装置では、構造物上に塗布するシール材料は、硬化すると、剛性面及び所定の許容範囲内の所望の形状を有するシール部を形成すると有利である。
【0030】
本発明の別の側面によると、ロボット機器へのシール材料塗布システムの取付け用に構成したロボット取付け要素と、約100,000センチポイズより大きな粘度を有するシール材料を保持する供給源と、前記供給源にシール材料塗布システムを取り付けるように
構成した供給源取付け要素と、所望のレベルの均一性及び精度にて所定数の流れで、構造物の所定数の標的部上に前記シール材料を塗布し、所望の形状を有するシール材料堆積物を形成し、前記シール材料堆積物を硬化させると、前記所定数の標的部上にシール部を形成するように構成したノズルシステムと、を含んでいるシール材料塗布システムが提供される。
【0031】
本発明の更に別の側面によると、シール材料を塗布する方法が提供され、前記方法は、ロボット機器を用いて、構造物に対してノズルシステムを位置決めすることと、前記ノズルシステムとロボット機器を用いて、前記構造物上に所定数の流れで、前記シール材料を塗布し、所望の形状を有するシール材料堆積物を形成することと、を含み、前記シール材料が、所定の閾値より大きな粘度を備えている。
【0032】
本方法では、ノズルシステム及びロボット機器を用いて、構造物上にシール材料を塗布することは、前記構造物に沿ってノズルシステムを移動させ、同時に、前記ロボット機器を用いて、前記ノズルシステムからシール材料を吐出させ、所望のレベルの均一性及び精度で、前記シール材料を塗布することを含んでいると有利である。
【0033】
本方法では、ロボット機器を用いて、構造物に対してノズルシステムを位置決めすることは、前記ロボット機器を用いて、前記構造物に対してノズルシステムを位置決めし、前記ノズルシステムが、前記構造物から少なくとも約0.5インチ離れて保持されるようにすることを含んでいると有利である。
【0034】
本方法では、ノズルシステム及びロボット機器を用いて、構造物上にシール材料を塗布することは、ノズルシステムからシール材料を吐出させながら、前記ロボット機器を用いて前記構造物に沿ってノズルシステムを移動させることと、前記ロボット機器を用いて前記構造物に沿ってノズルシステムを移動させるあいだ、前記構造物とノズルシステムの端部との間に少なくとも約0.5インチの所定距離を維持することと、を含んでいると有利である。
【0035】
本方法では、構造物上にシール材料を塗布することは、前記構造物上へのシール材料の塗布中に、ノズルシステム用の複数のパラメータを制御することを含んでいると有利である。
【0036】
本方法では、構造物上へのシール材料の塗布中、ノズルシステム用の複数のパラメータを制御することは、吐出させるシール材料の流速、前記シール材料の温度、前記ノズルシステムの並進速度、又は前記ノズルシステムの回転速度の少なくとも一つを制御することを含んでいると有利である。
【0037】
本方法では、構造物上にシール材料を塗布することは、前記シール材料の粘度を変化させ、ノズルシステムを介した前記シール材料の流速を変化させることと、所定の塗布パターンを用いて、単一流モード及び複数流モードの一方で、前記ノズルシステムを用いて構造物上にシール材料を塗布することと、を含んでいると有利である。
【0038】
本方法では、所定の塗布パターンを用いて、単一流モード及び複数流モードの一方で、ノズルシステムを用いて構造物上にシール材料を塗布することは、渦巻きパターンを用いて、前記単一流モード及び複数流モードの一方で、前記ノズルシステムを用いて構造物上にシール材料を塗布することを含んでいると有利である。
【0039】
本方法では、構造物上にシール材料を塗布することは、前記構造物上にシール材料を塗布し、シール材料堆積物の所望の形状が、その長さ方向に沿って実質的に均一な厚さ及び
幅を有するビードであるようにすることを含んでいると有利である。
【0040】
本方法は更に、シール材料堆積物を硬化させ、剛性面及び所定の許容範囲内の所望の形状を有するシール部を形成することを含んでいると有利である。
【0041】
本発明の更に別の側面によると、航空宇宙機用の構造物上にシール材料を塗布する方法が提供され、前記方法は、シール材料塗布システムのノズルシステム内に、所定の閾値より大きな粘度を有する前記シール材料を収容することと、ロボット機器を用いて、前記構造物に対してノズルシステムを位置決めし、前記ノズルシステムが、前記構造物上へのシール材料の塗布中、前記構造物から少なくとも0.5インチ離れて保持されるようにすることと、前記ノズルシステムからシール材料を吐出させ、前記シール材料の吐出中、前記シール材料の粘度を変化させ、吐出させるシール材料の流速を変更することと、ノズルシステムからシール材料を吐出させながら、前記ロボット機器を用いて前記構造物に沿ってノズルシステムを移動させ、所望のレベルの均一性及び精度で、所定の塗布パターンにて、所定数の流れで、前記構造物上にシール材料を塗布し、所望の形状を有するシール材料堆積物を形成することと、前記シール材料堆積物を硬化させ、剛性面及び所定の許容範囲内の所望の形状を有するシール部を形成することと、を含んでいる。
【0042】
上記特徴及び機能は、本開示内容の様々な実施形態で別個に実現でき、更に複数の他の実施形態内で組み合わせてもよく、更なる詳細は、以下の説明及び図面を参照しながら理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0043】
実施形態に特有であると思われる新規な特徴は、添付の特許請求の範囲に記載されている。しかし、実施形態、並びにその好ましい使用方式、別の目的及び特徴は、添付の図面を参照しながら行う、本開示内容における実施形態の以下の詳細な説明によって最もよく理解されるであろう。
【
図1】一実施形態に係るシール材料塗布システムを示すブロック図である。
【
図2】一実施形態に係るシール材料塗布システムを示す図である。
【
図3】一実施形態に従って、異なる形状のシールビードを形成できるシナリオの一覧表的な図である。
【
図4】渦巻きパターンを用いて、シール材料堆積物を形成するための、一実施形態に係るノズルシステムを示す図である。
【
図5】渦巻きパターンを用いて、シール材料堆積物を形成するための、一実施形態に係るノズルシステムを示す図である。
【
図6】一実施形態に係るシール材料の塗布過程を示すフローチャートである。
【
図7】一実施形態に従って、航空宇宙機の構造物上にシール材料を塗布する過程を示すフローチャートである。
【
図8】一実施形態に係る航空機製造及び保守方法を示すフローチャートである。
【
図9】一実施形態に係る航空機を示すブロック図である。
【詳細な説明】
【0044】
実施形態は、異なる検討項目を認識した上で成立したものである。例えば、実施形態は、高粘度を備えているシール材料を塗布する方法及び装置を持つことが望ましいことを認識した上で成立している。特に、実施形態では、約100,000センチポイズより大きな粘度を備えているシール材料を塗布する方法及び装置を持つことが望ましいことを認識した上で成立している。
【0045】
従って、実施形態は、シール材料を塗布する方法及び装置を提供する。一実施形態では、ノズルシステムは、ロボット機器を用いて、構造物に対して位置決めできる。シール材
料は、ノズルシステム及びロボット機器を用いて、所望のパターンで構造物上に塗布し、前記シール材料は、所定の閾値より大きな粘度を備えている。本実施形態では、シール材料は、約100,000センチポイズより大きな粘度を備えていてもよい。
【0046】
ここで図面、特に、
図1を参照すると、シール材料塗布システムが、一実施形態に従って示されている。本実施形態では、シール材料塗布システム100を用いて、構造物104上にシール材料102を塗布できる。特に、シール材料塗布システム100を用いて、シール材料102を吐出又は放出させることも、構造物104上にシール材料102を付着させることもできる。
【0047】
構造物104は、工作物、部品の組立体、半組立体、又はいくつかの他の種類の構造の形態を取ることができる。一実施形態では、構造物104は、所定数の部品106及び/又は所定数の表面108から構成されている。本明細書において、「所定数の」品目とは、一つ以上の品目をいう。このように、所定数の部品106は、一つ以上の部品を含んでおり、所定数の表面108は、一つ以上の表面を含んでいる。
【0048】
形態に依存して、構造物104は、構造物104の所定数の表面108に露出した、シール材料102を塗布する対象となる所定数の標的部110を備えていている。言い換えると、所定数の標的部110は、シール材料102を塗布することを必要とする。所定数の標的部110は、例えば、接合部、締付け要素、締付け要素の端部、一つ以上の部品の間の界面、溝、継ぎ目、又はいくつかの他の種類の形態を取ることができるが、これらの形態に限定されるものではない。
【0049】
本実施形態では、シール材料102は、粘性112(粘度)を有する。粘度112は、所定の閾値114より大きな高粘度であってもよい。所定の閾値114は、例えば、約100,000センチポイズ(cP)であってもよいが、これに限定されない。もちろん、他の実施形態では、所定の閾値114は、約200,000センチポイズ、約300,000センチポイズ、又はいくつかの他の粘度であってもよい。このように、シール材料102は、高粘度シール材料116の形態を取ることができる。
【0050】
状況に依存して、シール材料102は、単成分系又は多成分系であってもよい。言い換えると、シール材料102は、任意の数の成分にて構成できる。
【0051】
図のように、シール材料塗布システム100は、供給源取付け要素118、ノズルシステム120、及びロボット取付け要素122を含んでいてもよい。供給源取付け要素118は、シール材料塗布システム100への供給源124の取付け用に構成されている。本実施形態では、供給源124は、シール材料塗布システム100に対するシール材料102の供給源である。言い換えると、供給源124は、シール材料塗布システム100にシール材料102を送出又は提供するために用いられる装置、システム、又はその他の種類のものであってもよい。例えば、供給源124は、タンク、ドラム、シール材料カートリッジ、シール材料チューブ、流体容器、又はいくつかの他の種類の供給源の形態を取ることができるが、これらに制限されない。一実施形態では、供給源124は、シール材料102を保持する55ガロンドラムの形態を取ることができる。
【0052】
ノズルシステム120は、シール材料102の吐出又は放出用に構成されている。本実施形態では、ノズルシステム120は、約500ポンド/平方インチ(psi)より大きな圧力で、シール材料102を吐出させるために使用できる。いくつかの実施形態では、ノズルシステム120は、シール材料吐出ノズルシステムとも呼ばれる。
【0053】
一実施形態では、温度制御要素126は、ノズルシステム120に関連付けされている
。本明細書においては、一つの部品を他の部品に「関連付ける」とは、図示の例における物理的関連付けをいう。
【0054】
例えば、温度制御要素126等の第一部品は、いくつかの適切な方法で、第二部品に固定又は取り付けることによって、ノズルシステム120等の前記第二部品と関連付けられるといえるが、これに制限されない。第一部品は、第三部品を用いて、第二部品に接続してもよい。更に、第一部品は、第二部品の一部及び/又は延長部であることによって、前記第二部品と関連付けられるともいえる。
【0055】
温度制御要素126は、ノズルシステム120からシール材料102を吐出させる際、シール材料102の加熱及び/又は冷却を行うように構成される。シール材料102は、加熱及び/又は冷却を行い、シール材料102の粘度112を変更できる。例えば、シール材料102を加熱すれば、シール材料102の粘度112を低減させることができるが、これに限定されることはない。また、シール材料102を冷却すれば、シール材料102の粘度112を増大させることができる。
【0056】
このように、温度制御要素126を用いて、シール材料102の粘度112を制御し、粘度112が、所定の許容範囲内で所望の粘度になるようにする。所望の粘度を選択し、例えば、所望の速度‐速度に限定されないが‐などの所望の条件で、シール材料102がノズルシステム120から流れるようにする。従って、シール材料102を構造物104上に塗布する条件は、温度制御要素126を用いて制御できる。
【0057】
ロボット取付け要素122は、ロボット機器128にシール材料塗布システム100を取付けるように構成されている。ロボット機器128は、異なる形態を取ることができる。例えば、ロボット機器128は、ロボット作業機、ロボットアーム、ロボット操作システム、ロボット操縦機、又はいくつかの他の種類の自動又は半自動システムの形態を取ることができるが、これらには限定されない。一実施形態では、ロボット機器128は、ロボットアーム130の形態を取ることができる。
【0058】
シール材料塗布システム100は、ロボット取付け要素122を介して、ロボットアーム130に取付けできる。本実施形態では、シール材料塗布システム100は、ロボットアーム130のエンドエフェクタと考えてもよい。エンドエフェクタは、アーム端工具(end-of-arm tooling:EOAT)とも呼ばれる。このように、ロボット取付け要素122
は、ロボットアーム端工具取付け要素とも呼ばれる。
【0059】
本実施形態では、ロボットアーム130を用いて、ノズルシステム120の案内又は操作を行うことができる。本明細書において、ノズルシステム120を「操作する」とは、ノズルシステム120を移動すること、ノズルシステム120を位置決めすること、及び/又はノズルシステム120の向きを変更することを含んでいてもよい。ロボットアーム130を用いて、正確且つ均一にシール材料102を塗布することができる。更に、ロボットアーム130を用いて、シール材料塗布システム100の操作又は案内を行うことは、構造物104上へのシール材料102の塗布を、均一、確実、及び正確に繰返し行うことができる。
【0060】
本実施形態では、ノズルシステム120を用いて、複数の異なる方法で、構造物104にシール材料102を塗布できる。例えば、シール材料102は、ノズルシステム120を用いて、単一流モード132及び複数流モード134のいずれかにて、所定数の流れ131で、ノズルシステム120から吐出できる。単一流モード132では、所定数の流れ131は、シール材料102の単一流となる。複数流モード134では、所定数の流れ131は、材料の二つ以上の流れを含む。いくつかの実施形態では、シール材料の流れは、
シール材料のストランド、フィラメント、又はリボンとも呼ばれる。
【0061】
一実施形態として、シール材料102は、複数流モード134のノズルシステム120を用いて、ノズルシステム120から一つ以上のフィラメントとして吐出できる。特に、シール材料102は、機械支援又は気流誘導塗布法を用いて、一つ以上の薄いフィラメントとして塗布できる。この機械支援又は気流誘導塗布法を用いて、シール材料102の塗布に際して、シール材料102の回転及び/又は方向を制御することができる。
【0062】
もちろん、状況に依存して、他のモードを用いて、構造物104にシール材料102を塗布してもよい。これらの他のモードは、例えば、接触モード、非接触モード、圧力モード、混合モード、及び/又は他の種類のモードを含むが、これらに制限されない。
【0063】
更に、ノズルシステム120は、所定の塗布パターン136にて、シール材料102を吐出できる。所定の塗布パターン136は、ノズルシステム120を移動させ、構造物104にシール材料102を塗布するためのパターンである。例えば、所定の塗布パターン136は、シール材料102をノズルシステム120から吐出させる際、特定の方向にノズルシステム120を並進させる単なる直線パターンであってもよいが、これに限定されない。
【0064】
別の実施形態では、所定の塗布パターン136は、ノズルシステム120を円軌道にて移動させると同時に並進させ、構造物104にシール材料102の渦巻きを形成する渦巻きパターンの形態を取ることもできる。例えば、シール材料102の一つ以上のストランドは、シール材料102を構造物104に塗布する際、制御された円軌道に渦を巻かせてもよいが、これに限定されるものではない。
【0065】
言い換えると、渦巻きパターンは、薄いシール材料102の多数の密に重複している円の形態で、シール材料102を塗布することによって形成できる。場合によっては、シール材料102をノズルシステム120から吐出させる際、シール材料102に向かって圧縮空気を誘導し、塗布されるシール材料102の一つ以上のストランドの延伸、もしくは制御及び操作を行ってもよい。
【0066】
ノズルシステム120は、構造物104にシール材料102を塗布し、所望の形状140を有するシール材料堆積物138を形成できる。シール材料堆積物138は、構造物104上における未硬化のシール材料102であってもよい。所望の形状140は、例えば、ビード142の形態を取ることができるが、これに限定されない。ビード142は、単一流モード132又は複数流モード134で、ノズルシステム120を用いて形成できる。ビード142は、厚いストランド又はリボンの形態となったシール材料102であってもよい。一実施形態では、シール材料塗布システム100を用いて、ビード142の長さ全体にわたって実質的に均一な厚さ及び幅を備えているビード142を形成できる。
【0067】
シール材料塗布システム100は、安定な制御されたパターンで、シール材料102を塗布するように構成でき、前記パターンは、必要に応じて一貫して繰り返すことができる。更に、シール材料塗布システム100は、寸法及び材料特性に関して、調整可能で一貫しているシール材料102のパターンを形成できる。このように、シール材料塗布システム100は、例えば、航空宇宙分野‐この分野に限定されないが‐などの要件に適合するようにシール材料102を塗布する構成である。
【0068】
所望のシール材料堆積物138を形成できるようにするために、例えば、ノズルシステム120用の所定数のパラメータ143を選択してもよいが、この方法に限定されない。所定数のパラメータ143は、シール材料102の流速、シール材料102の温度、ノズ
ルシステム120の並進速度、ノズルシステム120の回転速度、又はいくつかの他の種類のパラメータの少なくとも一つを含む。
【0069】
本明細書で使用される場合、語句「少なくとも一つ」は、品目のリストと共に使用されるとき、一つ以上の列挙された品目の異なる組合せであってもよく、リスト内の各品目の一つだけが必要とされてもよいことを意味する。品目は、特定の対象、物、又は分類であってもよい。言い換えると、「少なくとも一つ」というときは、品目の任意の組合せ又は所定数の品目がリストから用いられてもよいが、リスト内の全ての品目が必要とされるとは限らないことを意味する。
【0070】
例えば、「品目A、品目B、および品目Cの少なくとも一つ」は、品目A単独、品目Aと品目Bの組合せ、品目B単独、品目Aと品目Bと品目Cの組合せ、又は品目Bと品目Cの組合せなどを意味する。場合によっては、「品目A、品目B、および品目Cの少なくとも一つ」は、例えば、二つの品目Aと一つの品目Bと10個の品目Cの組合せ、4個の品目Bと7個の品目Cの組合、又はいくつかの他の適切な組合せを意味し得る。
【0071】
シール材料102の流速は、シール材料102が、ノズルシステム120から流れ出る速度である。流速は、流出速度とも呼ばれる場合もある。シール材料102の流速は、例えば、シール材料102の粘度112を制御することによって制御できるが、これに限定されない。ノズルシステム120内の温度制御要素126を用いて、シール材料102の温度を変えることによって、シール材料102の粘度112を変更し、それにより吐出させるシール材料102の流速を増大又は減少させることができる。
【0072】
ノズルシステム120の並進速度は、ノズルシステム120が、構造物104に沿って特定の方向に移動する速度である。並進速度は、移動速度とも呼ばれることもある。ノズルシステム120の回転速度は、ノズルシステム120を回転させる速度、又はノズルシステム120が円軌道を移動する速度である。
【0073】
ノズルシステム120の並進速度及び/又は回転速度を変更し、構造物104上に形成されるシール材料堆積物138の厚さ及び/又は体積を変更できる。限定的ではないが、例えば、並進速度を低減させることで、形成されるシール材料堆積物138の厚さ及び/又は体積を増大できる。更に、回転速度を増大させれば、形成されるシール材料堆積物138の厚さ及び/又は体積を増大できる。
【0074】
更に、シール材料塗布システム100では、シール材料102の塗布作業中、ノズルシステム120が構造物104から所定の距離144に位置決めされる。所定の距離144は、ノズルシステム120の端部146と、構造物104との間の距離である。
【0075】
一実施形態では、所定の距離144は、約0.5インチ以上の距離であってもよい。例えば、ロボット機器128を用いて、シール材料102の塗布作業中、構造物104から少なくとも約0.5インチ離れてノズルシステム120を位置決めされるが、これに限定されない。別の例では、ロボット機器128を用いて、シール材料102の塗布作業中、構造物104から少なくとも約1.0インチ離れてノズルシステム120を位置決めされる。従って、シール材料塗布システム100を用いて、シール材料102を正確に吐出及び塗布できる。
【0076】
図1に示されるシール材料塗布システム100は、実施形態における実際上の物理的又は構造的制限を暗示するものではない。図示された部品に加えて又はその代わりに、他の部品を使用することもできる。いくつかの部品は、任意的である。また、ブロックは、いくつかの部品の機能を示す。実際の実施に際しては、これらのブロックの一つ以上を、組
合せ、又は、分割、又は組合せと分割の両方を行って、異なるブロックへと仕立ててもよい。
【0077】
限定的ではないが、例えば、供給源取付け要素118は、ロボット取付け要素122と関連付けられる場合もある。状況に応じて、供給源取付け要素118は、ロボット取付け要素122に取り付けてもよいし、又はロボット取付け要素の一部として構成してもよい。
【0078】
上記説明によれば、シール材料塗布システム100は、シール材料102の塗布用に構成されているが、シール材料塗布システム100、又はシール材料塗布システム100と同様に構成した塗布システムは、構造物に対して他の種類の高粘度流体を塗布するために用いてもよい。限定的ではないが、これらの高粘度流体は、例えば、接着剤材料、コーキング材料、及び/又は他の種類の流体を含んでいてもよい。シール材料102以外の高粘度流体を塗布するために使用する場合、シール材料塗布システム100は、一般に、流体塗布システムとも呼ばれる。
【0079】
ここで
図2を参照すると、シール材料塗布システムの一実施形態が示されている。本実施形態では、シール材料塗布システム200は、
図1のシール材料塗布システム100実例である。
【0080】
図示のように、シール材料塗布システム200は、供給源取付け要素201、カートリッジ202、ノズルシステム204、及びロボット取付け要素205を含んでいてもよい。供給源取付け要素201、カートリッジ202、ノズルシステム204、及びロボット取付け要素205は、
図1における供給源取付け要素118、供給源124、ノズルシステム120、及びロボット取付け要素122の各々に対する実例である。
【0081】
本実施形態では、カートリッジ202は、約200,000センチポイズの粘度を有するシール材料207を保持できる。
図2では、カートリッジ202がシール材料207を供給するように示されているが、他の種類の供給源又は送出システムを用いて、シール材料塗布システム200のノズルシステム204に、シール材料207の送出、又は提供を行なうようにしてもよい。
【0082】
供給源取付け要素201を用いて、ノズルシステム204にカートリッジ202を取付けることもできる。ノズルシステム204を用いて、シール材料207を吐出させることができる。更に、限定的ではないが、ロボット取付け要素205を用いて、例えば、シール材料塗布システム200をロボット機器(図示せず)に取り付けることができる。限定的ではないが、ロボット機器(図示せず)は、例えば、
図1のロボットアーム130等のロボットアームの形態をとってもよい。シール材料塗布システム200は、このロボットアームによって操作し、シール材料207が、所望のレベルの信頼性、均一性、及び精度で塗布されるようにする。実施形態によっては、ロボット取付け要素205を用いて、他のシステム及び/又は機器に、シール材料塗布システム200を取り付ける場合もある。
【0083】
本実施形態では、シール材料塗布システム200を用いて、構造物214の部品210と部品212の間に形成された界面206に、シール材料207を塗布される。特に、シール材料堆積物215は、界面206上に形成される。シール材料堆積物215は、
図1のシール材料堆積物138の実例である。図示のように、シール材料塗布システム200を、構造物214に対して操作又は位置決めし、ノズルシステム204が、界面206から少なくとも1インチ離れて保持されるようにする。
【0084】
更に、本実施形態では、シール材料塗布システム200を用いて、ビード216を形成
することができる。ビード216は、
図1のビード138の実例である。ビード216は、ビード216の長さ方向に沿って、実質的に均一な厚さ及び幅を備えていてもよい。ビード216は、硬化又は固化すると、界面206にシール部218を形成する。本実施形態では、シール部218は、ビード216の形状を維持している。しかし、他の例では、ビード216は、再加工又は再成形して、シール部218が、いくつかの他の形状又は構成を有するようにしてもよい。限定的ではないが、例えば、ビード216を再成形し、シール部218が、所定の要件に適合する形状を有するように形成できる。異なる種類及び構成のシール部の断面図は、
図3に示されている。
【0085】
図2に示されたシール材料塗布システム200は、実施形態で実際に採用し得る物理的又は構造的制限を示すものではない。図示された部品に加えて又はその代わりに、他の部品を使用することもできる。いくつかの部品は、任意的であってもよい。
【0086】
図2に示した種々な部品は、
図1にブロック形態で示した部品が、物理的な構造としてどのような形態になるかを示す実例である。追加的に、
図2の部品いくつかは、
図1の部品に組み合わせることも、
図1の部品と共に使用することも、これら二つの組合せとすることもできる。
【0087】
ここで
図3を参照すると、実施形態に従って、異なる形状のシールビードが形成されるシナリオを断面図の一覧表として示されている。本実施形態では、表300は、シナリオ301、302、303、304、305、306、307、308、309、及び310を含んでいる。限定的ではないが、これらのシナリオの各々は、例えば、端部又は隅部などの標的部に関連した特性に基づいて、標的部の密閉、被覆、及び/又は保護に必要なシールビードの形状を特定する。以下で説明するシールビードの各々は、
図1のビード138の実例である。
【0088】
シナリオ301では、シール材料を用いて、形状312を有するシールビード311が形成される。シールビード311は、第一部品314と第二部品315によって形成される隅部313に設けられる。本実施形態においては、シールビード311の形状312は、ビード形状である。シールビード311の形状312は、第一部品314の厚さ316に基づいて選択される。
【0089】
更に、シナリオ302では、シール材料を用いて、形状319を有するシールビード318が形成される。シールビード318は、第一部品321と第二部品322によって形成される隅部320に設けられる。シールビード318の形状319は、第一部品321の厚さ323に基づいて選択される。
【0090】
シナリオ303では、シール材料を用いて、形状325を有するシールビード324が形成される。シールビード324は、第一部品327と第二部品328によって形成される隅部326に設けられる。シールビード324の形状325は、第一部品327の厚さ329に基づいて選択される。
【0091】
シナリオ304に示したように、シール材料を用いて、形状331を有するシールビード330が形成される。シールビード330は、第一部品333と第二部品334によって形成される端部332、及び第二部品334と第三部品336によって形成される隅部335に設けられる。シールビード330の形状331は、第一部品333の厚さ337に基づいて選択される。
【0092】
更に、シナリオ305では、シール材料を用いて、形状340を有するシールビード338が形成される。シールビード338は、第一部品342と第二部品343によって形
成される隅部341に設けられる。シールビード338の形状340は、第一部品342の厚さ344に基づいて選択される。
【0093】
シナリオ306では、シール材料を用いて、形状347を有するシールビード346と、形状349を有するシールビード348が形成される。シールビード346は、第一部品351と第二部品352によって形成される隅部350に設けられる。シールビード348は、第二部品352と第三部品355を結合している締付け要素354の端部353上に形成できる。シールビード346の形状347は、第一部品351の厚さ356に基づいて選択され、シールビード348の形状349は、締付け要素354の端部353の形状及び/又はサイズに基づいて選択される。
【0094】
シナリオ307で、シール材料を用いて、形状359を有するシールビード358、及び形状361を有するシールビード360が形成されるという点で異なる。シールビード358は、第一部品363と第二部品364によって形成される隅部362に設けられるが、シールビード360は、第一部品363と第二部品364によって形成される隅部365に設けられる。シールビード358の形状359とシールビード360の形状361は、第一部品363の厚さ366、及び隅部362と隅部365の間の距離367に基づいて選択される。シナリオ307では、シールビード358とシールビード360は、これらのシール部が互いに接触しないように形成される。
【0095】
図示のように、シナリオ308では、シール材料を用いて、形状369を有するシールビード368が形成される。シールビード368は、第一部品371と第二部品372によって形成される隅部370と隅部373に設けられる。シールビード368の形状369は、第一部品371の厚さ374、及び隅部370と隅部373の間の距離375に基づいて選択される。
【0096】
更に、シナリオ309では、シール材料を用いて、形状377を有するシールビード376が形成される。シールビード376は、第一部品379、第二部品380、及び第三部品381の間に形成される溝378内に設けられる。シールビード376に対する形状377は、溝378の形状382に基づいて選択される。
【0097】
更に、シナリオ310では、シール材料を用いて、形状385を有するシールビード384が形成される。シールビード384を形成することにより、第一部品387の縁部386、第二部品389の縁部388、第三部品391の縁部390、及び第三部品391と第四部品393によって形成される隅部392を密閉被覆できる。
【0098】
表300に示したシールビードの形状又は構成は、シール材料を用いて形成できる形状の例にすぎない。これらの形状は、特に、
図1のシール材料塗布システム100、及び/又は
図2のシール材料塗布システム200等のシール材料塗布システムを用いて形成できる。
【0099】
ここで
図4を参照すると、渦巻きパターン406にシール材料堆積物を形成するノズルシステムの実施形態が示されている。本実施形態では、ノズルシステム400は、
図1のノズルシステム120に対する実例の一つであってもよい。
【0100】
図示のように、ノズルシステム400を用いて、表面402上にシール材料を塗布し、シール材料堆積物404を形成する。シール材料堆積物404は、
図1のシール材料堆積物138に対する実例の一つである。本実施形態では、ノズルシステム400は、単一流モード、例えば
図1の単一流モード132、にて操作される。更に、ノズルシステム400は、渦巻きパターン406にシール材料堆積物404を形成できる。
【0101】
図示のように、ノズルシステム400は、矢印408の方向に並進させ、同時に、時計回りの方向410の円軌道にて移動させ、シール材料堆積物404を形成する。矢印408の方向に移動するノズルシステム400の並進速度と、時計回りの方向410に移動するノズルシステム400の回転速度は、表面402に形成されるシール材料堆積物404の厚さ、体積、及び/又は形状を決定する。
【0102】
ここで
図5を参照すると、渦巻きパターン506を用いてシール材料堆積物を形成するノズルシステムの実施形態が示されている。本実施形態では、ノズルシステム500は、
図1のノズルシステム120に対する実例一つである。
【0103】
図示のように、ノズルシステム500を用いて、表面502上にシール材料を塗布し、シール材料堆積物504を形成する。シール材料堆積物504は、
図1のシール材料堆積物138に対する一つの実例である。本実施形態では、ノズルシステム500は、単一流モード、例えば
図1の単一流モード132、にて操作される。更に、ノズルシステム500は、渦巻きパターン506にてシール材料堆積物504を形成する。
【0104】
図示のように、ノズルシステム500は、矢印508の方向に並進させ、同時に、時計回りの方向510の円軌道で移動させ、シール材料堆積物504を形成する。矢印508の方向に移動するノズルシステム500の並進速度と、時計回りの方向510に移動するノズルシステム500の回転速度は、表面502に形成されるシール材料堆積物504の厚さ、体積、及び/又は形状を決定する。
【0105】
本実施形態では、シール材料堆積物504は、
図4のシール材料堆積物404に比べて、より大きな厚さを備えていても、より大きな体積のシール材料を含んでいてもよく、より堅固な形状を形成することもできる。特に、ノズルシステム500は、
図4のノズルシステム400より遅い並進速度、及びより速い回転速度で移動させる。
【0106】
ここで
図6を参照すると、シール材料を塗布する処理が、実施形態に従ってフローチャートにて示されている。
図6に示した処理は、
図1のシール材料塗布システム100を用いて実行できる。
【0107】
処理は、ロボット機器128を用いて構造物104に対してノズルシステム120を位置決めすることによって開始される(操作600)。本実施形態では、構造物104に対してノズルシステム120を操作することは、ノズルシステム120を位置決めし、ノズルシステム120が、構造物104から所望の距離に保持されるようにすることを含んでいる。
【0108】
その後、シール材料102は、ノズルシステム120及びロボット機器128を用いて、所定数の流れ131で構造物104上に塗布され、所望の形状140を有するシール材料堆積物138が形成される(操作602)。シール材料102は、所定の閾値114より大きな粘度112を有していてもよい。その後、処理は終了する。操作602では、所定の閾値114は、約100,000センチポイズであってもよい。
【0109】
更に、操作602では、ノズルシステム120は、供給源124からシール材料102を受取り、シール材料102を吐出させ、シール材料102が、構造物104上に塗布されるように構成してもよい。ノズルシステム120からシール材料102を吐出させる際、構造物104に対してノズルシステム120を操作することによって、シール材料102を構造物104上に塗布できる。構造物104に対してのノズルシステム120の操作は、例えば、ノズルシステム120を移動すること、ノズルシステム120を位置決めす
ること、ノズルシステム120を案内すること、及び/又は構造物104に対してノズルシステム120の方向を変更することを含んでいるが、これらに限定されるものではない。
【0110】
限定的ではないが、シール材料堆積物138に対する所望の形状140は、例えば、ビード142である。ノズルシステム120を所定の塗布パターン136に従って移動させることにより、所望の形状140を有するシール材料堆積物138を形成できる。更に、状況に応じて、ノズルシステム120は、ロボット機器128を用いて、例えば、単一流モード132、複数流モード134、又はいくつかの他の種類のモードで操作することにより、シール材料堆積物138が形成できる。ロボット機器128を用いてノズルシステム120を操作することにより、操作602を正確で制御された状態で実行できる。
【0111】
ここで
図7を参照すると、航空宇宙機の構造物上にシール材料を塗布する処理の一実施形態がフローチャートにて示されている。
図7に示した処理は、
図1の構造物104上にシール材料102を塗布ための、
図1のシール材料塗布システム100を用いて実行することができる。
【0112】
処理は、シール材料塗布システム100のノズルシステム120内に、所定の閾値114より大きな粘度112を有するシール材料102を収容することによって開始できる(操作700)。操作700では、所定の閾値114は、約100,000センチポイズであってもよい。その後、ノズルシステム120は、ロボット機器128を用いて、構造物104に対して位置決めし、構造物104上へのシール材料102の塗布作業中、ノズルシステム120が、構造物104から少なくとも0.5インチ離れて保持されるようにする(操作702)。
【0113】
その後、シール材料102は、所望の速度でノズルシステム120から吐出される(操作704)。シール材料102の吐出中にシール材料102の粘度112変化させことにより、吐出させるシール材料102の流速を変更できる(操作705)。
【0114】
ノズルシステム120は、構造物104に沿って移動され、同時に、ロボット機器128を用いて、ノズルシステム120からシール材料102を吐出させ、シール材料102が、所望のレベルの均一性及び精度で、所定の塗布パターン136にて、複数流れ131で構造物104上に塗布され、所望の形状140を有するシール材料堆積物138が形成される(操作706)。
【0115】
次に、シール材料堆積物138が硬化され、剛性面を有するシール部が所定の許容範囲内で所望の形状140で形成され(操作708)、その後、処理は終了する。操作708は、シール材料102内に存在する活性剤によって実行できる。これらの活性剤は、シール材料102がノズルシステム120内を流動する際、及び/又はノズルシステム120からのシール材料102を吐出させる際に、シール材料102に混合しても、それと組合せてもよい。
【0116】
もちろん、シール材料102を硬化させる操作708は、紫外光、熱、圧力、及び/又は他の種類の方法を利用する硬化システムを用いて実行する場合もある。場合によっては、硬化を通常の環境温度で行わせてもよい。このように、操作708は、用いられるシール材料102の種類に依存して、現在利用可能な任意の数の硬化手法を用いて実行できる。
【0117】
このように、シール材料塗布システム100を用いて、異なる種類の構造物に対して均一且つ正確に、シール材料102を塗布できる。これらの構造物は、航空宇宙機内の構造
物であってもよい。
【0118】
本開示内容は、
図8に示したような航空機製造及び保守方法800、及び
図9に示したような航空機900についての実施形態としても説明できる。まず
図8を参照すると、航空機製造及び保守方法が、実施形態に従ってフローチャートにて示されている。製造前において、航空機製造及び保守方法800は、
図9の航空機900の仕様及び設計802と資材調達804を含んでいる。
【0119】
製造中、
図9の航空機900の部品及び半組立体製造806及びシステム統合808が行われる。その後、
図9の航空機900は、認証及び納品810を経て、稼働812できる状態になる。顧客による稼働812状態では、
図9の航空機900は、定期的整備及び保守814を計画し、それは、改造、再構成、改修、及び他の整備又は保守を含んでいてもよい。
【0120】
航空機製造及び保守方法800の各処理は、システム構築業者、第三者、及び/又は事業者によって実行又は実施される。これらの例では、事業者は、顧客であってもよい。限定的ではないが、この説明におけるシステム構築業者は、任意の数の航空機製造業者及び主システム下請け業者を含んでいてもよく、第三者は、任意の数の供給業者、下請け業者、及び納入業者を含んでいてもよく、事業者は、航空会社、リース業者、軍隊、サービス機関等であってもよい。
【0121】
ここで
図9を参照すると、航空機の一実施形態が示されている。この例では、航空機900は、
図8の航空機製造及び保守方法800によって製造され、複数のシステム904及び内装906を備えた機体902を含んでいてもよい。システム904の例は、一つ以上の推進システム908、電気システム910、油圧システム912、及び環境システム914を含んでいる。任意の数の他のシステムが含まれていてもよい。航空宇宙産業の例を示したが、異なる例としては、自動車産業等の他の産業に適用することもできる。
【0122】
本明細書で具現化される装置及び方法は、
図8の航空機製造及び保守方法800の少なくとも一つの段階で使用できる。特に、
図1のシール材料塗布システム100を用いて、航空機製造及び保守方法800の任意の一つの段階で、航空機900の機体902の一つ以上の構造物上に、シール材料102を塗布できる。限定的ではないが、例えば、
図1のシール材料塗布システム100を用いて、部品及び半組立体製造806、システム統合808、稼働812、日常の整備及び保守814、又は航空機製造及び保守方法800のいくつかの他の段階の少なくとも一つ中で、シール材料102を塗布できる。
【0123】
一実施形態では、
図8の部品及び半組立体製造806で製造される部品又は半組立体は、航空機900が、
図8の稼働812中である間に製造される部品又は半組立体と同様に生産又は製造できる。更に別の例として、一つ以上の装置の実施形態、方法の実施形態、又はそれらの組合せは、
図8の部品及び半組立体製造806、及びシステム統合808等の、製造段階で利用できる。一つ以上の装置の実施形態、方法の実施形態、又はそれらの組合せは、航空機900が稼働812中である間、及び/又は
図8の整備及び保守814中に利用できる。複数の異なる実施形態の仕様は、航空機900の組立を実質的に促進し、及び/又はコストを低減できる。
【0124】
異なる実施形態のフローチャート及びブロック図は、実施形態に係る装置及び方法のいくつかの可能な構造、機能、及び動作の実例を示している。この点では、フローチャート及びブロック図の各ブロックは、モジュール、セグメント、機能、及び/又は動作又は段階の一部を表しているといえよう。
【0125】
実施形態のいくつかの代替例では、ブロックにて示した一つ以上の機能は、図示の順番とは異なる順番にて行われてもよい。例えば、連続的に示した二つのブロックを実質的に同時に実行してもよい場合もあり、含まれる機能に依存して、ブロックを逆順に実行する場合もある。また、フローチャート又はブロック図に示したブロックに加えて、他のブロックを追加してもよい。
【0126】
異なる実施形態の説明は、例示及び説明のために提示されており、包括的なものではなく、開示した実施形態に制限するものでもない。多くの修正及び変形形態が、当業者には明らかであろう。更に、異なる実施形態は、他の所望の実施形態に比べて、異なる標的部を提供することになろう。記述の実施形態は、その原理、実際の用途を最もよく説明できるように選択されており、当業者なら本開示内容を理解して、想定される特定の用途に適するように様々な修正を加えた実施形態となるようにできるであろう。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボット機器への取付け用に構成したロボット取付け要素と、
約100,000センチポイズである所定の閾値より大きな粘度を有するシール材料を保持するとともに、前記ロボット取付け要素を介して前記ロボット機器へ取付けられる供給源と、
前記供給源への取付け用に構成した供給源取付け要素と、
構造物に前記シール材料を所定数の流れで塗布して、所望の形状を有するシール材料堆積物を形成するように構成し且つ前記供給源取付け要素を介して前記供給源とは別体として構成されたノズルシステムと、を含む装置であって、
前記ノズルシステムは、当該ノズルシステムに配置された温度制御要素を含んでおり、前記温度制御要素は、前記シール材料が前記ノズルシステムを通って、又は前記ノズルシステムから吐出される際に、前記シール材料の粘度を変化させるべく、前記シール材料の加熱及び冷却の両方が可能であり、
前記温度制御要素により、前記シール材料の粘度を変更し、それにより吐出させる前記シール材料の流速を増大又は減少させ、
前記所望の形状は、前記構造物の所定数の表面に露出した、接合部、締付け要素、締付け要素の端部、一つ以上の部品の間の界面、溝、継ぎ目、及び端部又は隅部などの標的部に関連した特性に基づいて決まる、装置。
【請求項2】
前記ノズルシステムが、前記構造物への前記シール材料の塗布中、前記構造物から少なくとも0.5インチ離れて保持されるように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ノズルシステムが、前記構造物への前記シール材料の塗布中、前記構造物から少なくとも1.0インチ離れて保持されるように構成されている、請求項1又は2のいずれかに記載の装置。
【請求項4】
前記ロボット機器が、前記構造物に対して前記ノズルシステムを移動するように構成され、前記シール材料が、所望のレベルの均一性及び精度で塗布されるようにする、請求項2又は3のいずれかに記載の装置。
【請求項5】
前記ノズルシステムが、所定の塗布パターンを用いて、単一流モード及び複数流モードの一方で、前記構造物上に前記シール材料を塗布するように構成されている、請求項1~4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
前記ノズルシステムが、前記構造物の所定数の標的部に対して、所定数の流れで前記シール材料を塗布するように構成され、前記シール材料堆積物が硬化したときに、前記所定数の標的部上に所望の形状を有するシール部を形成する、請求項1~5のいずれかに記載の装置。
【請求項7】
前記ロボット取付け要素、前記供給源取付け要素、及び前記ノズルシステムが、シール材料塗布システムを構成し、当該シール材料塗布システムが、前記ロボット機器用のエンドエフェクタである、請求項1~6のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
ロボット機器を用いて、構造物に対してノズルシステムを位置決めすることと、
前記ノズルシステムと前記ロボット機器を用いて、前記構造物上に所定数の流れで、シール材料を塗布して、所望の形状を備えているシール材料堆積物を形成すること、を含むシール材料の塗布方法であって、
その際、前記シール材料は、約100,000センチポイズである所定の閾値より大きな粘度を有しており、
前記構造物上に前記シール材料を塗布する際には、前記ノズルシステムに取付けられた供給源内の前記シール材料を前記ノズルシステムに導入し、かつ、前記シール材料の粘度を変化させるべく前記ノズルシステム内の前記シール材料を加熱及び/又は冷却し、
前記ノズルシステムは、当該ノズルシステムと前記供給源との間に配置された供給源取付け要素を介して前記供給源とは別体として構成されており、
前記シール材料の加熱及び/又は冷却は、前記ノズルシステムに配置され、前記シール材料が前記ノズルシステムを通って、又は前記ノズルシステムから吐出される際に、前記シール材料の加熱及び冷却の両方が可能である温度制御要素を用いて行われ、
前記温度制御要素により、前記シール材料の粘度を変更し、それにより吐出させる前記シール材料の流速を増大又は減少させ、
前記所望の形状は、構造物の所定数の表面に露出した、接合部、締付け要素、締付け要素の端部、一つ以上の部品の間の界面、溝、継ぎ目、及び端部又は隅部などの標的部に関連した特性に基づいて決まる、方法。
【請求項9】
前記ノズルシステムと前記ロボット機器を用いて、前記構造物上に前記シール材料を塗布することが、
前記構造物に沿って前記ノズルシステムを移動させ、同時に、前記ロボット機器を用いて、前記ノズルシステムから前記シール材料を吐出させ、前記シール材料が、所望のレベルの均一性及び精度で塗布されるようにすること、を含んでいる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ロボット機器を用いて、前記構造物に対して前記ノズルシステムを位置決めすることが、
前記ロボット機器を用いて、前記構造物に対して前記ノズルシステムを位置決めし、前記ノズルシステムが、前記構造物から少なくとも約0.5インチ離れて保持されるようにすることと、
前記構造物に沿って前記ノズルシステムを移動させ、同時に、前記ロボット機器を用いて、前記ノズルシステムから前記シール材料を吐出させることと、
前記構造物と、前記ノズルシステムの端部との間に少なくとも約0.5インチの所定の距離を維持し、同時に、前記ロボット機器を用いて、前記構造物に沿って、前記ノズルシステムを移動させることと、を含んでいる、請求項8又は請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記構造物上に前記シール材料を塗布することが、
前記構造物上への前記シール材料の塗布中、前記ノズルシステム用の複数のパラメータを制御すること、を含んでいる、請求項8~10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記構造物上への前記シール材料の塗布中、前記ノズルシステム用の前記複数のパラメータを制御することが、
前記ノズルシステムの並進速度、又は前記ノズルシステムの回転速度の少なくとも一つを制御すること、を含んでいる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記構造物上に前記シール材料を塗布することが、
前記ノズルシステムを用いて、単一流モードと複数流モードの一方で、所定の塗布パターンにて、前記構造物上に前記シール材料を塗布することと、を含んでいる、請求項8~12のいずれかに記載の方法。
【外国語明細書】