(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024006939
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】取付アタッチメント、及びそれが取り付けられている清掃セット
(51)【国際特許分類】
A47L 13/22 20060101AFI20240110BHJP
【FI】
A47L13/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023028749
(22)【出願日】2023-02-27
(31)【優先権主張番号】P 2022106059
(32)【優先日】2022-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000133445
【氏名又は名称】株式会社ダスキン
(74)【代理人】
【識別番号】100129791
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 真由美
(74)【代理人】
【識別番号】100184343
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】足立 知志
(72)【発明者】
【氏名】上田 将之
(72)【発明者】
【氏名】矢部 可織
【テーマコード(参考)】
3B074
【Fターム(参考)】
3B074AA08
3B074AB01
(57)【要約】
【課題】種々の清掃具に対して適用できる取付アタッチメントを提供する。
【解決手段】柄10と、柄10の遠位側に取り付けられている清掃部11とを備える清掃具1に対して、液剤容器3を取り付ける取付アタッチメント2であって、液剤容器3を保持しており、柄10に取り付けられる、容器保持部21と、容器保持部21よりも近位側において、柄10に取り付けられ、柄10の軸方向にスライドする、スライド作動部22であって、スライド作動部22が遠位側へスライドしたとき、液剤容器3から液剤を清掃部11の周囲に噴出させる、スライド作動部22と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
柄と、前記柄の遠位側に取り付けられている清掃部と、を備える清掃具に対して、液剤容器を取り付けるための取付アタッチメントであって、
前記液剤容器を保持しており、前記柄に取り付けられる、容器保持部と、
前記容器保持部よりも近位側において、前記柄に取り付けられ、前記柄の軸方向にスライドする、スライド作動部であって、前記スライド作動部が前記遠位側へスライドしたとき、前記液剤容器から液剤を前記清掃部の周囲に噴出させる、前記スライド作動部と、を備える、取付アタッチメント。
【請求項2】
前記柄は、近位側柄と、前記清掃部に繋がっている遠位側柄と、に分割され、
前記清掃具は、前記近位側柄と、前記遠位側柄と、を互いに結合する結合部を備え、
前記容器保持部は、前記結合部によって、前記近位側柄と前記遠位側柄と共に結合される、請求項1に記載の取付アタッチメント。
【請求項3】
前記取付アタッチメントは、前記結合部に結合されるアタッチメント側結合孔を備え、
前記遠位側柄と前記近位側柄の内の一方は、前記結合部に結合される清掃具側結合孔を備え、
前記近位側柄と前記遠位側柄の内の他方は、前記柄の径方向の外側に付勢されて、前記アタッチメント側結合孔と、前記清掃具側結合孔と、に対して前記柄の径方向に挿入されることによって、前記遠位側柄と前記近位側柄の内の一方と前記取付アタッチメントを結合する、ピン部材である前記結合部を備える、請求項2に記載の取付アタッチメント。
【請求項4】
前記液剤容器は、
前記液剤を噴出する噴出口と、
前記液剤が貯留される液剤容器本体と、
押圧されることによって、前記液剤容器本体から前記液剤を吸引して、前記噴出口を介して前記液剤を噴出する、ポンプと、を備え、
前記スライド作動部は、
前記容器保持部よりも前記近位側に位置する蓋部であって、前記スライド作動部が前記遠位側へスライドしたとき、前記ポンプが前記噴出口を介して前記液剤を噴出するように、前記ポンプを押圧する、前記蓋部と、
前記蓋部に繋がっており、前記柄に取り付けられ、前記柄の軸方向にスライドする、スライド部と、を備える、請求項1に記載の取付アタッチメント。
【請求項5】
前記容器保持部は、
前記液剤容器本体を内部に収容する収容部と、
前記収容部に繋がっている第1固定部と、
前記柄を前記第1固定部と共に径方向から挟持する第2固定部と、を備える、請求項4に記載の取付アタッチメント。
【請求項6】
前記容器保持部は、
前記液剤容器本体を把持する把持部と、
前記把持部に繋がっており、前記柄に固定される、固定部と、を備える、請求項4に記載の取付アタッチメント。
【請求項7】
前記収容部は、前記液剤容器本体を前記遠位側から支持する収容底壁部と、前記収容底壁部から前記近位側へ延びる収容側壁部と、を備え、
前記蓋部は、前記ポンプを前記近位側から押圧する蓋頂壁部と、前記蓋頂壁部から前記収容側壁部の外壁面に沿って前記遠位側へ延びる蓋側壁部と、を備え、
前記スライド作動部の前記スライド部は、前記柄の外壁面に沿って前記柄の軸方向に延びるスライド側壁部を備え、
前記スライド部は、前記スライド側壁部の内壁面が前記柄の外壁面に沿って前記柄の軸方向にスライドして、
前記蓋部は、前記蓋側壁部の内壁面が前記収容側壁部の外壁面に沿って前記柄の軸方向にスライドする、請求項5に記載の取付アタッチメント。
【請求項8】
前記収容側壁部の前記近位側には、前記収容部の径方向の外側に突出する収容部側嵌合部が形成されており、
前記蓋側壁部の前記遠位側には、前記収容部側嵌合部よりも前記遠位側に位置している、前記蓋部の径方向の内側に突出する蓋部側嵌合部が形成されており、
前記収容部側嵌合部と前記蓋部側嵌合部が互いに前記柄の軸方向に嵌合することによって、前記蓋部は前記収容部と嵌合する、請求項7に記載の取付アタッチメント。
【請求項9】
前記収容側壁部は、前記近位側において、前記収容部側嵌合部と共に前記収容側壁部に対して垂直な水平方向に変位できる撓み部を有する、請求項8に記載の取付アタッチメント。
【請求項10】
前記噴出口は、
前記ポンプと接続している第1部と、
前記清掃具の前方に延びる前方軸に沿って延びて、先端が所定の方向に折れ曲がる第2部であって、前記前方軸周りに回転するように前記第1部に嵌合している前記第2部と、を有して、
前記蓋部には、前記第2部の先端を下向きに規制するように、前記蓋側壁部に沿って延びる噴出口先端ガイド部が形成されている、請求項9に記載の取付アタッチメント。
【請求項11】
前記蓋部には、前記蓋頂壁部から下方に向けて突出して、前記清掃具の前後方向に垂直な左右方向に延びるガイド壁部が形成され、
前記ガイド壁部は、
前記噴出口を前記清掃具の前方に規制するように、前記ガイド壁部の前記左右方向における中央において、前記前方に向けて開口している、切り欠きであって、前記切り欠きの下部が前記近位側から前記遠位側に向けて前記左右方向に末広がりとなる、前記切り欠きを有する、請求項9に記載の取付アタッチメント。
【請求項12】
請求項1に記載の液剤容器を取り付けるための取付アタッチメントと、清掃具と、を備える、清掃セット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取付アタッチメント、及びそれが取り付けられている清掃セットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、洗剤供給式モップが開示されている。洗剤供給式モップは、柄に取り付けられ、洗剤が貯留される、容器(以下、洗剤容器と呼称する)と、洗剤容器内の洗剤をモップの払拭部へ供給できる、洗剤制御装置とを備える。洗剤供給式モップの使用者は、洗剤制御装置を操作することによって、洗剤を払拭部へ供給しながら該払拭部を用いて床面の清掃を実施できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
洗剤供給式モップは、洗剤を払拭部へ供給しながら清掃を実施できるため、清掃作業の効率化が図れる。一方、市場で流通している一般的なモップなどの清掃具は、洗剤を払拭部などの清掃部へ供給する機能を有していないため、例えば、モップの使用者が、床面を清掃するとき、モップから外部の洗剤容器に持ち替えて、該洗剤容器を操作して、洗剤を、清掃を行う床面へ噴出する必要がある。よって、使用者が一般的なモップを用いる場合、清掃作業の効率化を図ることが難しい。したがって、一般的なモップを含む種々の清掃具に対して洗剤容器を取り付けて、洗剤を清掃部へ供給する手段が望まれている。
【0005】
そこで、本発明は、種々の清掃具に対して適用できる取付アタッチメントを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
まず、本発明は、柄と、前記柄の遠位側に取り付けられている清掃部と、を備える清掃具に対して、液剤容器を取り付ける取付アタッチメントであって、
前記液剤容器を保持しており、前記柄に取り付けられる、容器保持部と、
前記容器保持部よりも近位側において、前記柄に取り付けられ、前記柄の軸方向にスライドする、スライド作動部であって、前記スライド作動部が前記遠位側へスライドしたとき、前記液剤容器から液剤を前記清掃部の周囲に噴出させる、前記スライド作動部と、を備える、取付アタッチメントを提供する。
【0007】
本発明において開示する取付アタッチメントは、容器保持部とスライド作動部を清掃具の柄に取り付けるという簡略な構造によって、清掃具に取り付けられる。よって、この取付アタッチメントは種々の清掃具に対して適用できる。
【0008】
また、取付アタッチメントを清掃具に取り付けることによって、清掃具と液剤容器を1つのセットとすることができる。よって、清掃作業の効率化が図れる。
【0009】
さらに、スライド作動部は、遠位側へスライドしたとき、液剤容器から液剤を清掃部の周囲に噴出させるため、清掃具の使用者は清掃具を持ちながらスライド作動部を操作して液剤を噴出させることができる。よって、使用者が清掃具から外部の液剤容器に持ち替えて該液剤容器を操作する必要がないので、使用者の作業負担が軽減される。
【0010】
また、前記柄は、近位側柄と、前記清掃部に繋がっている遠位側柄と、に分割され、
前記清掃具は、前記近位側柄と、前記遠位側柄と、を互いに結合する結合部を備え、
前記容器保持部は、前記結合部によって、前記近位側柄と前記遠位側柄と共に結合されてもよい。
【0011】
本構成によれば、容器保持部が、結合部によって、近位側柄と遠位側柄と共に結合されることにより、液剤容器は清掃具に対して位置決めされる。
【0012】
また、前記取付アタッチメントは、前記結合部に結合されるアタッチメント側結合孔を備え、
前記遠位側柄と前記近位側柄の内の一方は、前記結合部に結合される清掃具側結合孔を備え、
前記近位側柄と前記遠位側柄の内の他方は、前記柄の径方向の外側に付勢されて、前記アタッチメント側結合孔と、前記清掃具側結合孔と、に対して前記柄の径方向に挿入されることによって、前記遠位側柄と前記近位側柄の内の一方と前記取付アタッチメントを結合する、ピン部材である前記結合部を備えてもよい。
【0013】
本構成によれば、結合部がアタッチメント側結合孔と清掃具側結合孔に対して柄の径方向に挿入されることによって、遠位側柄と近位側柄と取付アタッチメントとが結合される。したがって、液剤容器は清掃具に対して位置決めされる。
【0014】
また、前記液剤容器は、
前記液剤を噴出する噴出口と、
前記液剤が貯留される液剤容器本体と、
押圧されることによって、前記液剤容器本体から前記液剤を吸引して、前記噴出口を介して前記液剤を噴出する、ポンプと、を備え、
前記スライド作動部は、
前記容器保持部よりも前記近位側に位置する蓋部であって、前記スライド作動部が前記遠位側へスライドしたとき、前記ポンプが前記噴出口を介して前記液剤を噴出するように、前記ポンプを押圧する、蓋部と、
前記蓋部に繋がっており、前記柄に取り付けられ、前記柄の軸方向にスライドする、スライド部と、を備えてもよい。
【0015】
本構成によれば、スライド部が遠位側へスライドすることによって、蓋部がポンプを押圧して、液剤が噴出口を介して噴出される。よって、清掃具の使用者は清掃具の柄を持ちながらスライド部を操作して液剤を噴出させることができるため、使用者の作業負担が軽減される。
【0016】
また、前記容器保持部は、
前記液剤容器本体を内部に収容する収容部と、
前記収容部に繋がっている第1固定部と、
前記柄を前記第1固定部と共に径方向から挟持する第2固定部と、を備えてもよい。
【0017】
本構成によれば、第1固定部と第2固定部とが柄を径方向から挟持することによって、液剤容器は清掃具に対して取り付けられる。
【0018】
また、前記容器保持部は、
前記液剤容器本体を把持する把持部と、
前記把持部に繋がっており、前記柄に固定される、固定部と、を備えてもよい。
【0019】
本構成によれば、固定部が柄に固定されることによって、液剤容器は清掃具に対して取り付けられる。
【0020】
また、前記収容部は、前記液剤容器本体を前記遠位側から支持する収容底壁部と、前記収容底壁部から前記近位側へ延びる収容側壁部と、を備え、
前記蓋部は、前記ポンプを前記近位側から押圧する蓋頂壁部と、前記蓋頂壁部から前記収容側壁部の外壁面に沿って前記遠位側へ延びる蓋側壁部と、を備え、
前記スライド作動部の前記スライド部は、前記柄の外壁面に沿って前記柄の軸方向に延びるスライド側壁部を備え、
前記スライド部は、前記スライド側壁部の内壁面が前記柄の外壁面に沿って前記柄の軸方向にスライドして、
前記蓋部は、前記蓋側壁部の内壁面が前記収容側壁部の外壁面に沿って前記柄の軸方向にスライドしてもよい。
【0021】
本構成によれば、スライド側壁部の内壁面が柄の外壁面に沿って柄の軸方向にガイドされるように、スライド部が遠位側へスライドすることによって、蓋部も遠位側へスライドする。この結果、蓋頂壁部はポンプを近位側から押圧するため、液剤が噴出口を介して噴出される。よって、清掃具の使用者は清掃具の柄を持ちながらスライド部を操作して液剤を噴出させることができるため、使用者の作業負担が軽減される。また、蓋部は、蓋側壁部の内壁面が収容側壁部の外壁面に沿って柄の軸方向にガイドされるため、安定して遠位側へスライドできる。
【0022】
また、前記収容側壁部の前記近位側には、前記収容部の径方向の外側に突出する収容部側嵌合部が形成されており、
前記蓋側壁部の前記遠位側には、前記収容部側嵌合部よりも前記遠位側に位置している、前記蓋部の径方向の内側に突出する蓋部側嵌合部が形成されており、
前記収容部側嵌合部と前記蓋部側嵌合部が互いに前記柄の軸方向に嵌合することによって、前記蓋部は前記収容部と嵌合してもよい。
【0023】
本構成によれば、蓋部は、収容部と嵌合することによって、収容部から柄の近位側に向けて抜け難くなる。よって、清掃作業の間、蓋部が誤って収容部から外れることが防止される。
【0024】
また、前記収容側壁部は、前記近位側において、前記収容部側嵌合部と共に前記収容側壁部に対して垂直な水平方向に変位できる撓み部を有してもよい。
【0025】
撓み部が収容部の内側に押圧されることによって、蓋部は、蓋部側嵌合部と収容部側嵌合部との間の干渉を抑えながら、収容部と容易に嵌合できる。蓋部が収容部と嵌合した後、撓み部の収容部の内側への押圧が解除されることによって、蓋部側嵌合部と収容部側嵌合部は互いに水平方向にオーバーラップして、蓋部は収容部から外れ難くなる。したがって、例えば、蓋部側嵌合部と収容部側嵌合部のオーバーラップ代を大きくして、蓋部を収容部から外れ難くしたとしても、撓み部を収容部の内側に押圧することによって、蓋部を収容部に容易に嵌合できる。
【0026】
また、前記噴出口は、
前記ポンプと接続している第1部と、
前記清掃具の前方に延びる前方軸に沿って延びて、先端が所定の方向に折れ曲がる第2部であって、前記前方軸周りに回転するように前記第1部に嵌合している前記第2部と、を有して、
前記蓋部には、前記第2部の先端を下向きに規制するように、前記蓋側壁部に沿って延びる噴出口先端ガイド部が形成されていてもよい。
【0027】
液剤容器の噴出口が回転するタイプである場合、噴出口先端ガイド部によって、噴出口の第2部の先端を下向きに規制することにより、液剤を清掃具の前方に噴出し易くなる。
【0028】
また、前記蓋部には、前記蓋頂壁部から下方に向けて突出して、前記清掃具の前後方向に垂直な左右方向に延びるガイド壁部が形成され、
前記ガイド壁部は、
前記噴出口を前記清掃具の前方に規制するように、前記蓋部の前記左右方向における中央において、前記前方に向けて開口している、切り欠きであって、前記切り欠きの下部が前記近位側から前記遠位側に向けて前記左右方向に末広がりとなる、前記切り欠きを有してもよい。
【0029】
液剤容器本体が収容部に収容されている状態で、蓋部を収容部に嵌合させるとき、切り欠きによって、液剤容器の噴出口が、蓋部の左右方向における中央に案内されて、切り欠きの上部を通過するように配置される。この構成により、噴出口は、前方を向くように規制されて、液剤を清掃具の前方に噴出し易くなる。
【0030】
また、本発明は、液剤容器を取り付けるための取付アタッチメントと、清掃具と、を備える、清掃セットを提供する。
【0031】
本発明において開示する清掃セットによって、清掃具と液剤容器を1つのセットとすることができる。よって、清掃作業の効率化が図れる。
【発明の効果】
【0032】
したがって、本発明に係る取付アタッチメントは、種々の清掃具に対して適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る清掃セットの斜視図。
【
図3】
図1の断面IIIに沿った清掃セットの断面図。
【
図4】
図2の断面IVに沿った清掃セットの断面拡大図。
【
図6】
図1の断面VIに沿った取付アタッチメントの断面図。
【
図7】
図3の取付アタッチメントのスライド作動部がスライドした状態を示す断面図。
【
図8】本発明の第2の実施形態に係る清掃セットの断面図。
【
図9】本発明の第3の実施形態に係る清掃セットの斜視図。
【
図10】
図9の断面Xに沿った清掃セットの断面図。
【
図12】
図9の断面XIIに沿った取付アタッチメントの断面図。
【
図13】本発明の第4の実施形態に係る清掃セットの斜視図。
【
図14】
図13の断面XIVに沿った取付アタッチメントの断面図。
【発明を実施するための形態】
【0034】
[第1の実施形態]
以下、本発明の第1の実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
【0035】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る清掃セット100の斜視図である。
図1において、清掃セット100は、清掃具1と、清掃具1に取り付けられている取付アタッチメント2と、取付アタッチメント2によって保持される液剤容器3と、を備える。第1の実施形態において、清掃具1は、モップであるが、例えば、ブラシや掃除機などの清掃において液剤と共に用いられる他の清掃具であってもよい。また、液剤容器3は、清掃用の洗剤が貯留される洗剤ボトルであるが、例えば、清掃用の水やフォームが貯留される袋状のパウチなどの他の液剤容器であってもよい。
【0036】
[清掃具]
清掃具1は、円筒状の柄10と、柄10の一端に取り付けられており、清掃の際に床面の払拭を行う清掃部11と、を備える。第1の実施形態において、柄10の軸線方向において、清掃部11へ向かう方向を遠位側と呼称して、その反対の方向を近位側と呼称する。また、
図1の左下へ向かう方向を前方と呼称して、その反対の方向を後方と呼称する。清掃具1の使用者は、床面の清掃を実施するとき、柄10を把持して、清掃部11を前方へ向けて進ませる。さらに、後方から前方に向かって右側を右方向と呼称して、その反対の方向を左方向と呼称する。
【0037】
清掃部11は、左右方向に長い長方形状に拡がっており、清掃時に床面に接地して前方に進みながら床面を拭き取る接地面13を有する。第1の実施形態において、清掃部11は、モップの払拭部であり、接地面13には、破線で示す清掃用シートが取り付けられている。
【0038】
図2は、
図1の清掃セット100の側面図である。清掃具1の柄10は、近位側柄14と、近位側柄14よりも遠位側に配置されており、清掃部11に繋がっている遠位側柄15と、に分割されている。近位側柄14と遠位側柄15は、後述する結合部16によって互いに結合されることにより、柄10を構成する。
【0039】
図3は、
図1の断面IIIに沿った清掃セット100の断面図である。遠位側柄15の近位側の端部には、遠位側へ凹んでいる窪み17が設けられている。この窪み17は、近位側柄14の遠位側の端部が柄10の軸方向に挿入されることによって、近位側柄14の遠位側の端部と互いに嵌合する。
【0040】
図4は、
図2の断面IVに沿った清掃セット100の断面拡大図である。第1の実施形態において、遠位側柄15の近位側の外壁面には、左右方向に対向する一対の清掃具側結合孔18が設けられている。また、近位側柄14の遠位側の外壁面には、左右方向の外側にそれぞれ突出しており、遠位側柄15の清掃具側結合孔18と嵌合する一対の結合部16が取り付けられている。この結合部16は、それぞれ、左右方向に伸び縮みするピン部材、より具体的にはプランジャであり、左右方向の外側に付勢されることによって、清掃具側結合孔18に対して柄10の径方向に挿入される。
【0041】
近位側柄14の遠位側の端部が遠位側柄15の窪み17と嵌合しているとき、近位側柄14の結合部16が、それぞれ、左右方向の外側に付勢されて清掃具側結合孔18に挿入されることによって、近位側柄14と遠位側柄15は互いに結合して柄10を構成する。
【0042】
図1に示すように、清掃具1は、単独では、液剤容器を有していない。
【0043】
[取付アタッチメント]
図1に示すように、取付アタッチメント2は、柄10に取り付けられる容器保持部21と、容器保持部21よりも近位側において、柄10に取り付けられるスライド作動部22と、を備える。
【0044】
図3に示すように、容器保持部21は、液剤容器3を内部に収容する四角形の筒状の収容部23を備える。この収容部23は、液剤容器3を遠位側から支持するように柄10の径方向に延びて液剤容器3の遠位側の底面に当接する収容底壁部23aと、液剤容器3を保持するように収容底壁部23aの周縁から液剤容器3の外壁面に沿って近位側へ延びる収容側壁部23bと、を備える。
【0045】
図2に示すように、容器保持部21は、収容部23の後方に繋がっており、柄10の軸方向に長い長方形状に拡がる第1固定部27aと、収容部23及び第1固定部27aから分離しており、第1固定部27aに対応するように柄10の軸方向に長い長方形状に拡がる第2固定部27bと、を備える。
【0046】
図5は、
図1の清掃セット100の背面図であり、第1固定部27aと第2固定部27bの結合を詳細に示している。第1固定部27aと第2固定部27bは、左右方向の両側において、柄10の軸方向に所定の間隔で配置されている三対、すなわち合計で6個のボルト締結部40によって締結されている。したがって、第1固定部27aと第2固定部27bは、ボルト締結部40によって互いに締結されることにより、柄10を径方向から挟持している。
【0047】
図3に示すように、液剤容器3は、液剤を噴出するように前方に延びている筒状の噴出口31と、噴出口31よりも遠位側において、液剤が貯留される液剤容器本体32と、噴出口31と液剤容器本体32との間で柄10の軸方向に延びているポンプ33と、を備える。液剤容器本体32は、噴出口31とポンプ33が収容部23から近位側へ突出している状態で、収容部23の内部に収容されている。
【0048】
ポンプ33は、近位側の端部が噴出口31に繋がっており、遠位側の端部が液剤容器本体32の内部に挿入されている。したがって、ポンプ33は、遠位側へ押圧されることによって、液剤容器本体32から液剤を吸引して液剤を噴出口31に向けて送達する。また、噴出口31は、前方の端部が遠位側に向けて傾斜している。したがって、噴出口31は、ポンプ33によって液剤を送達されることにより、液剤を遠位側に噴出する。本発明において、液剤を噴出することは、液体状の液剤を噴射すること、霧状の液剤を噴霧すること、また、泡状の液剤を吐出することなどを含む。
【0049】
上述のスライド作動部22は、容器保持部21の収容部23と液剤容器3のポンプ33よりも近位側に位置している蓋部24と、蓋部24から近位側へ延びて柄10に取り付けられる円筒状のスライド部25と、を備える。蓋部24は、スライド作動部22が遠位側へスライドしたとき、ポンプ33を押圧するように構成されている。
【0050】
蓋部24は、柄10の径方向に延びてポンプ33の近位側の端部に当接する蓋頂壁部24aと、蓋頂壁部24aの周縁から収容側壁部23bの外壁面に沿って遠位側へ延びる蓋側壁部24bと、を備える。蓋部24は、蓋側壁部24bが柄10の軸方向に収容側壁部23bと嵌合することによって、収容部23と嵌合する。したがって、蓋部24は、収容部23と嵌合している状態で、蓋頂壁部24aが遠位側へ押圧されることによって、蓋側壁部24bの内壁面が収容側壁部23bの外壁面に沿ってガイドされるように、遠位側へスライドして、ポンプ33を押圧する。
【0051】
図6は、
図1の断面VIに沿った取付アタッチメント2の断面図である。収容側壁部23bの近位側には、左右方向の外側に突出する収容部側嵌合部28aが形成されている。蓋側壁部24bの遠位側には、収容部側嵌合部28aよりも遠位側に位置している、左右方向の内側に突出する蓋部側嵌合部28bが形成されている。蓋部側嵌合部28bは収容部側嵌合部28aよりも遠位側に位置するため、収容部側嵌合部28aと蓋部側嵌合部28bは、容易に外れないように、互いに柄10の軸方向に嵌合している。したがって、蓋部24は収容部23と嵌合する。
【0052】
図1に示すように、蓋側壁部24bの前方の外壁面には、蓋側壁部24bの遠位側の周縁から蓋側壁部24bの外壁面に沿って近位側へ延びる切り欠き24cが設けられている。液剤容器3の噴出口31は、切り欠き24cを通過して前方へ突出している。噴出口31は、切り欠き24cにより、柄10の周方向に回り止めされており、前方へ突出する姿勢が保持される。
【0053】
スライド部25は、柄10の外壁面に沿って柄10の軸方向に延びるスライド側壁部25aを備える。スライド部25は、スライド側壁部25aの円筒状の内壁面が柄10の円筒状の外壁面を囲むように、柄10に取り付けられている。したがって、スライド部25は、柄10に取り付けられている状態で、遠位側へ付勢されることによって、スライド側壁部25aの内壁面が柄10の円筒状の外壁面に沿ってガイドされるように、蓋部24と共に遠位側へスライドする。
【0054】
図2に示すように、容器保持部21には、容器保持部21の遠位側の端部から遠位側柄15の外壁面に沿って遠位側へ延びて左右方向に対向する一対のアタッチメントフランジ26が繋がっている。このアタッチメントフランジ26には、それぞれ、左右方向に対向する一対のアタッチメント側結合孔26aが設けられている。このアタッチメント側結合孔26aは、遠位側柄15の清掃具側結合孔18と共に、結合部16が左右方向に挿入されるように構成されている。
【0055】
図4に示すように、近位側柄14の遠位側の端部が遠位側柄15の窪み17と嵌合しているとき、近位側柄14の結合部16が、それぞれ、左右方向の外側に付勢されて清掃具側結合孔18及びアタッチメント側結合孔26aに挿入されることによって、取付アタッチメント2の容器保持部21は近位側柄14と遠位側柄15と共に結合される。
【0056】
したがって、第1の実施形態の取付アタッチメント2は、液剤容器3を保持しており、柄10に取り付けられる、容器保持部21と、容器保持部21よりも近位側において、柄10に取り付けられ、柄10の軸方向にスライドする、スライド作動部22とを備える。この取付アタッチメント2により、液剤供給装置を単独で有していない清掃具1に対して、液剤容器3を取り付けることができる。
【0057】
[液剤の噴出方法]
図7は、
図3の取付アタッチメント2のスライド作動部22がスライドした状態の断面図である。清掃具1の使用者がスライド部25を遠位側へスライドすることによって、スライド部25に繋がっている蓋部24はスライド部25と共に遠位側へスライドする。蓋頂壁部24aは、ポンプ33の近位側の端部に当接しているため、液剤容器3のポンプ33を遠位側へ押圧する。ポンプ33は、蓋頂壁部24aに押圧されることによって、液剤容器本体32から液剤を吸引して液剤を噴出口31に向けて送達して噴出口31を介して清掃部11の前方へ液剤を噴出する。
【0058】
清掃具1の使用者は、清掃部11の前方へ噴出された液剤を清掃部11の接地面13で拭き取ることによって、液剤を清掃部11に染み込ませて、床面の清掃を実施できる。第1の実施形態において、液剤容器3は、清掃部11の前方へ液剤を噴出するが、清掃部11の左右方向や後方などの清掃部11の周囲の任意の位置へ液剤を噴出するように構成されていてもよい。
【0059】
このように構成した取付アタッチメント2は、以下の特徴を有する。
【0060】
取付アタッチメント2は、容器保持部21とスライド作動部22を清掃具1の柄10に取り付けるという簡略な構造によって、清掃具1に取り付けられる。よって、この取付アタッチメント2は種々の清掃具1に対して適用できる。
【0061】
また、取付アタッチメント2を清掃具1に取り付けることによって、清掃具1と液剤容器3を1つのセットとすることができる。よって、清掃作業の効率化が図れる。
【0062】
さらに、スライド作動部22は、遠位側へスライドしたとき、液剤容器3から液剤を清掃部11の周囲に噴射させるため、清掃具1の使用者は清掃具1を持ちながらスライド作動部22を操作して液剤を噴出させることができる。よって、使用者が清掃具1から外部の液剤容器に持ち替えて該液剤容器を操作する必要がないので、使用者の作業負担が軽減される。
【0063】
容器保持部21が、結合部16によって、近位側柄14と遠位側柄15と共に結合されることにより、液剤容器3は清掃具1に対して位置決めされる。
【0064】
結合部16がアタッチメント側結合孔26aと清掃具側結合孔18に対して柄10の径方向に挿入されることによって、遠位側柄15と近位側柄14と取付アタッチメント2とが結合される。したがって、液剤容器3は清掃具1に対して位置決めされる。
【0065】
スライド部25が遠位側へスライドすることによって、蓋部24がポンプ33を押圧して、液剤が噴出口31を介して噴出される。よって、清掃具1の使用者は清掃具1の柄10を持ちながらスライド部25を操作して液剤を噴出させることができるため、使用者の作業負担が軽減される。
【0066】
第1固定部27aと第2固定部27bとが柄10を径方向から挟持することによって、液剤容器3は清掃具1に対して取り付けられる。
【0067】
スライド側壁部25aの内壁面が柄10の外壁面に沿って柄10の軸方向にガイドされるように、スライド部25が遠位側へスライドすることによって、蓋部24も遠位側へスライドする。この結果、蓋頂壁部24aはポンプ33を近位側から押圧するため、液剤が噴出口31を介して噴出される。よって、清掃具1の使用者は清掃具1の柄10を持ちながらスライド部25を操作して液剤を噴出させることができるため、使用者の作業負担が軽減される。また、蓋部24は、蓋側壁部24bの内壁面が収容側壁部23bの外壁面に沿って柄10の軸方向にガイドされるため、安定して遠位側へスライドできる。
【0068】
蓋部24は、収容部23と嵌合することによって、収容部23から柄10の近位側に向けて抜け難くなる。よって、清掃作業の間、蓋部24が誤って収容部23から外れることが防止される。
【0069】
本発明において開示する清掃セット100によって、清掃具1と液剤容器3を1つのセットとすることができる。よって、清掃作業の効率化が図れる。
【0070】
本発明は、上述の第1の実施形態に対して、以下の第2の実施形態から第4の実施形態に説明される少なくとも1つの構成を含むように、変更することができる。第2の実施形態から第4の実施形態において、第1の実施形態と同じ構成については説明を省略して、異なる構成だけを説明する。
【0071】
[第2の実施形態]
図8は、第2の実施形態に係る清掃セット200の断面図である。第1の実施形態では、容器保持部21は液剤容器本体32を内部に収容する収容部23を備えるが、
図8に示す第2の実施形態では、取付アタッチメント202の容器保持部221は液剤容器203の液剤容器本体232を把持する把持部223を備える。把持部223は、液剤容器203を遠位側から支持するように清掃具201の柄210の径方向に延びて液剤容器203の遠位側の底面に当接する把持底壁部223aと、液剤容器203の外壁面を前方から把持するように把持底壁部223aの前方から液剤容器203の外壁面に沿って近位側へ延びる把持前壁部223bと、液剤容器203の外壁面を後方から把持するように把持底壁部223aの後方から液剤容器203の外壁面に沿って近位側へ延びる把持後壁部223cと、液剤容器203の外壁面を左右方向から把持するように把持前壁部223bの近位側の端部から液剤容器203の外壁面に沿って把持後壁部223cへ延びる把持フレーム部223dと、を備える。容器保持部221はさらに、把持後壁部223cに繋がっており、柄210に固定される、環状の固定部227を備える。したがって、固定部227が柄210に固定されることによって、把持部223に把持されている液剤容器203は清掃具201に対して取り付けられる。
【0072】
[第3の実施形態]
図9は、第3の実施形態に係る清掃セット300の斜視図である。第1の実施形態では、蓋部24は、液剤容器3の噴出口31が通過して露出する切り欠き24cを有しているが、
図9に示す第3の実施形態では、蓋部324は、蓋頂壁部324aと蓋側壁部324bから前方に延びて噴出口331の全体を覆うカバー350を有している。
【0073】
図10は、
図9の断面Xに沿った清掃セット300の断面図である。
図10に示す第3の実施形態では、液剤容器303の噴出口331は、ポンプ333と接続している第1部334と、前方に延びる前方軸335に沿って延びて、先端が下方に折れ曲がる第2部336であって、前方軸335周りに回転するように第1部334に嵌合している第2部336と、を有している。
【0074】
蓋部324は、前方の内側において、蓋頂壁部324aから下方に向けて蓋側壁部324bに沿って延びて、間隔を空けて左右方向に並んでいる一対の噴出口先端ガイド部324d,324eを有する。第2部336の先端は、一対の噴出口先端ガイド部324d,324eの間に配置されることによって、前方軸335周りの回転を妨げられて、下向きに規制される。
【0075】
図9と
図10に示す第3の実施形態では、液剤容器303は、噴出口331の第2部336が前方軸335周りに回転するタイプである。この場合、取付アタッチメント302は、噴出口先端ガイド部324d,324eによって、第2部336の先端を下向きに規制することにより、液剤を清掃具301の前方に噴出し易くなる。
【0076】
図11は、
図9の容器保持部321の斜視図である。収容側壁部323bは、左方向の近位側の端部から遠位側に向けて切り欠かれて、間隔を空けて前後方向に並んでいる一対の溝部329a,329bと、右方向の近位側の端部から遠位側に向けて切り欠かれて、間隔を空けて前後方向に並んでいる一対の溝部329c,329dとを有する。
【0077】
収容側壁部323bは、左方向の近位側の一対の溝部329a,329bの間に位置する撓み部329eと、右方向の近位側の一対の溝部329c,329dの間に位置する撓み部329fとを有する。撓み部329eと撓み部329fは、それぞれ、収容側壁部323bに繋がっている部分が固定されている片持ちはりとして、収容側壁部323bに対して垂直な左右方向に変位できる。
【0078】
図12は、
図9の断面XIIに沿った取付アタッチメント302の断面図である。収容部側嵌合部328aは、撓み部329e,329fの外表面から垂直な左右方向に突出している。
【0079】
撓み部329e,329fが収容部323の内側に押圧されることによって、蓋部324は、蓋部側嵌合部328bと収容部側嵌合部328aとの間の干渉を抑えながら、収容部323と容易に嵌合できる。蓋部324が収容部323と嵌合した後、撓み部329e,329fの収容部323の内側への押圧が解除されることによって、蓋部側嵌合部328bと収容部側嵌合部328aは互いに水平方向にオーバーラップして、蓋部324は収容部323から外れ難くなる。したがって、例えば、蓋部側嵌合部328bと収容部側嵌合部328aのオーバーラップ代を大きくして、蓋部324を収容部323から外れ難くしたとしても、撓み部329e,329fを収容部323の内側に押圧することによって、蓋部324を収容部323に容易に嵌合できる。
【0080】
[第4の実施形態]
図13は、本発明の第4の実施形態に係る清掃セット400の斜視図である。
図13に示す第4の実施形態では、蓋部424は、第3の実施形態と同様に、蓋頂壁部424aと蓋側壁部424bから前方に延びて噴出口431の全体を覆うカバー450を有している。
【0081】
図14は、
図13の断面XIVに沿った取付アタッチメント402の断面図である。蓋部424には、液剤容器403のポンプ433よりも前方の内側において、蓋頂壁部424aから下方に向けて突出して、左右方向に延びるガイド壁部424dが形成されている。
【0082】
ガイド壁部424dは、蓋部424の左右方向における中央において、前方に向けて開口している切り欠き424eを有する。切り欠き424eは、液剤容器403の噴出口431が通過できる幅を有する上部424fと、近位側から遠位側へ向けて左右方向に末広がりとなっている下部424gとを有する。
【0083】
液剤容器本体432が収容部423に収容されている状態で、蓋部424を収容部423に嵌合させるとき、切り欠き424eによって、噴出口431が、蓋部424の左右方向における中央に案内されて、切り欠き424eの上部424fを通過するように配置される。この構成により、噴出口431は、前方を向くように規制されて、液剤を清掃具401の前方に噴出し易くなる。
【0084】
[他の実施形態]
本発明は、上述の実施形態の構成に限定されず、種々の変更が可能である。
【0085】
上述の実施形態では、収容部23は、四角形の筒状であるが、例えば、丸い筒状、又は液剤容器3の形状に対応する断面形状を有する種々の筒状であってもよい。
【0086】
本発明の第1の態様は、
柄と、前記柄の遠位側に取り付けられている清掃部と、を備える清掃具に対して、液剤容器を取り付けるための取付アタッチメントであって、
前記液剤容器を保持しており、前記柄に取り付けられる、容器保持部と、
前記容器保持部よりも近位側において、前記柄に取り付けられ、前記柄の軸方向にスライドする、スライド作動部であって、前記スライド作動部が前記遠位側へスライドしたとき、前記液剤容器から液剤を前記清掃部の周囲に噴出させる、前記スライド作動部と、を備える、取付アタッチメントを提供する。
【0087】
本発明の第2の態様は、
前記柄は、近位側柄と、前記清掃部に繋がっている遠位側柄と、に分割され、
前記清掃具は、前記近位側柄と、前記遠位側柄と、を互いに結合する結合部を備え、
前記容器保持部は、前記結合部によって、前記近位側柄と前記遠位側柄と共に結合される、第1の態様に記載の取付アタッチメントを提供する。
【0088】
本発明の第3の態様は、
前記取付アタッチメントは、前記結合部に結合されるアタッチメント側結合孔を備え、
前記遠位側柄と前記近位側柄の内の一方は、前記結合部に結合される清掃具側結合孔を備え、
前記近位側柄と前記遠位側柄の内の他方は、前記柄の径方向の外側に付勢されて、前記アタッチメント側結合孔と、前記清掃具側結合孔と、に対して前記柄の径方向に挿入されることによって、前記遠位側柄と前記近位側柄の内の一方と前記取付アタッチメントを結合する、ピン部材である前記結合部を備える、第2の態様に記載の取付アタッチメントを提供する。
【0089】
本発明の第4の態様は、
前記液剤容器は、
前記液剤を噴出する噴出口と、
前記液剤が貯留される液剤容器本体と、
押圧されることによって、前記液剤容器本体から前記液剤を吸引して、前記噴出口を介して前記液剤を噴出するポンプと、を備え、
前記スライド作動部は、
前記容器保持部よりも前記近位側に位置する蓋部であって、前記スライド作動部が前記遠位側へスライドしたとき、前記ポンプが前記噴出口を介して前記液剤を噴出するように、前記ポンプを押圧する、前記蓋部と、
前記蓋部に繋がっており、前記柄に取り付けられ、前記柄の軸方向にスライドする、スライド部と、を備える、第1の態様から第3の態様のいずれかに記載の取付アタッチメントを提供する。
【0090】
本発明の第5の態様は、
前記容器保持部は、
前記液剤容器本体を内部に収容する収容部と、
前記収容部に繋がっている第1固定部と、
前記柄を前記第1固定部と共に径方向から挟持する第2固定部と、を備える、第4の態様に記載の取付アタッチメントを提供する。
【0091】
本発明の第6の態様は、
前記容器保持部は、
前記液剤容器本体を把持する把持部と、
前記把持部に繋がっており、前記柄に固定される、固定部と、を備える、第4の態様に記載の取付アタッチメントを提供する。
【0092】
本発明の第7の態様は、
前記収容部は、前記液剤容器本体を前記遠位側から支持する収容底壁部と、前記収容底壁部から前記近位側へ延びる収容側壁部と、を備え、
前記蓋部は、前記ポンプを前記近位側から押圧する蓋頂壁部と、前記蓋頂壁部から前記収容側壁部の外壁面に沿って前記遠位側へ延びる蓋側壁部と、を備え、
前記スライド作動部の前記スライド部は、前記柄の外壁面に沿って前記柄の軸方向に延びるスライド側壁部を備え、
前記スライド部は、前記スライド側壁部の内壁面が前記柄の外壁面に沿って前記柄の軸方向にスライドして、
前記蓋部は、前記蓋側壁部の内壁面が前記収容側壁部の外壁面に沿って前記柄の軸方向にスライドする、第5の態様に記載の取付アタッチメントを提供する。
【0093】
本発明の第8の態様は、
前記収容側壁部の前記近位側には、前記収容部の径方向の外側に突出する収容部側嵌合部が形成されており、
前記蓋側壁部の前記遠位側には、前記収容部側嵌合部よりも前記遠位側に位置している、前記蓋部の径方向の内側に突出する蓋部側嵌合部が形成されており、
前記収容部側嵌合部と前記蓋部側嵌合部が互いに前記柄の軸方向に嵌合することによって、前記蓋部は前記収容部と嵌合する、第7の態様に記載の取付アタッチメントを提供する。
【0094】
本発明の第9の態様は、
前記収容側壁部は、前記近位側において、前記収容部側嵌合部と共に前記収容側壁部に対して垂直な水平方向に変位できる撓み部を有する、第8の態様に記載の取付アタッチメントを提供する。
【0095】
本発明の第10の態様は、
前記噴出口は、
前記ポンプと接続している第1部と、
前記清掃具の前方に延びる前方軸に沿って延びて、先端が所定の方向に折れ曲がる第2部であって、前記前方軸周りに回転するように前記第1部に嵌合している前記第2部と、を有して、
前記蓋部には、前記第2部の先端を下向きに規制するように、前記蓋側壁部に沿って延びる噴出口先端ガイド部が形成されている、第9の態様に記載の取付アタッチメントを提供する。
【0096】
本発明の第11の態様は、
前記蓋部には、前記蓋頂壁部から下方に向けて突出して、前記清掃具の前後方向に垂直な左右方向に延びるガイド壁部が形成され、
前記ガイド壁部は、
前記噴出口を前記清掃具の前方に規制するように、前記蓋部の前記左右方向における中央において、前記前方に向けて開口している、切り欠きであって、前記切り欠きの下部が前記近位側から前記遠位側に向けて前記左右方向に末広がりとなる、前記切り欠きを有する、第9の態様に記載の取付アタッチメントを提供する。
【0097】
本発明の第12の態様は、第1の態様から第11の態様のいずれかに記載の液剤容器を取り付けるための取付アタッチメントと、清掃具と、を備える、清掃セットを提供する。
【符号の説明】
【0098】
1 清掃具
2 取付アタッチメント
3 液剤容器
10 柄
11 清掃部
13 接地面
14 近位側柄
15 遠位側柄
16 結合部
17 窪み
18 清掃具側結合孔
21 容器保持部
22 スライド作動部
23 収容部
23a 収容底壁部
23b 収容側壁部
24 蓋部
24a 蓋頂壁部
24b 蓋側壁部
24c 切り欠き
25 スライド部
26 アタッチメントフランジ
26a アタッチメント側結合孔
27a 第1固定部
27b 第2固定部
28a 収容部側嵌合部
28b 蓋部側嵌合部
31 噴出口
32 液剤容器本体
33 ポンプ
40 ボルト締結部