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特開2024-69402容器の内容物を混合するためのシステムおよび関連する使用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024069402
(43)【公開日】2024-05-21
(54)【発明の名称】容器の内容物を混合するためのシステムおよび関連する使用方法
(51)【国際特許分類】
   B01F 31/22 20220101AFI20240514BHJP
   B01F 35/213 20220101ALI20240514BHJP
   B01F 35/20 20220101ALI20240514BHJP
   B01F 35/71 20220101ALI20240514BHJP
   B01F 35/75 20220101ALI20240514BHJP
   B01F 35/42 20220101ALI20240514BHJP
   G01N 35/02 20060101ALI20240514BHJP
   B01F 101/23 20220101ALN20240514BHJP
【FI】
B01F31/22
B01F35/213
B01F35/20
B01F35/71
B01F35/75
B01F35/42
G01N35/02 D
B01F101:23
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024037971
(22)【出願日】2024-03-12
(62)【分割の表示】P 2022067531の分割
【原出願日】2018-03-23
(31)【優先権主張番号】62/476,364
(32)【優先日】2017-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500169900
【氏名又は名称】ジェン-プローブ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】デイビット エー. ビュゼ
(57)【要約】
【課題】容器の内容物を混合するための好適なシステムおよび関連する使用方法を提供すること。
【解決手段】容器内の流体を混合するための方法は、容器支持体(110)上の複数の容器(128、130)に混合手順を実施することを含んでもよく、複数の容器のうちの少なくとも一部分は異なるようにサイズ設定される。混合手順は、複数の混合段階を含んでもよく、各混合段階において、容器支持体は、単一のレートにて約5秒以上の持続時間の間混合運動に供されてもよく、また複数の混合段階のうちの少なくとも一つの混合段階に対する単一のレートは、複数の混合段階のうちの少なくとも一つのその他の混合段階に対する単一のレートとは異なってもよい。混合手順はまた、少なくとも一つの非混合段階を含んでもよく、容器支持体は混合運動に供されなくてもよい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
図面に記載の発明など。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本特許出願は、米国特許法第119条の下で2017年3月24日に出願された米国仮特許出願第62/476,364号の利益を主張し、参照により当該出願の全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、容器の内容物を混合するためのシステムおよび関連する使用方法を対象とする。
【背景技術】
【0003】
サンプル中の被分析物の存在を判定するための自動化された分析手順は、典型的には流体溶液および/または流体懸濁液の使用、処理、および/または操作を必要とする。こうした流体溶液および流体懸濁液は、しばしば、プローブチップを有する流体抽出装置(例えば、ロボットピペッタ)によってアクセスすることができる容器内で保存される。プローブチップを有する流体抽出装置は、正確な量の容器の流体内容物を取り出すことができる。容器の流体内容物は、プローブチップを有する流体抽出装置の動作中に容器の開放端(例えば、キャップされておらず、大気中に露出される)を通してアクセスされる場合があるが、貫通可能シール、フィルター、および/またはセプタムを通して容器の内容物にアクセスすることが必要になる場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
容器内の流体溶液は、溶質を溶液の状態で維持するために混合を必要とする場合がある。容器内の流体懸濁液は、固体粒子または半固体粒子などの物質を懸濁液中に維持するために混合を必要とする場合がある。容器内の流体溶液および/または流体懸濁液を混合するプロセスが不適切である場合、プローブチップを有する流体抽出装置は、望ましい量の溶質および/または懸濁物質を有しない流体溶液および/または流体懸濁液の量を取り出す場合がある。その一方で、混合するプロセスは、流体内容物の表面における泡の形成をもたらす可能性がある。洗浄剤ベースの流体内容物は、攪拌されたときに特に泡を形成しやすい。泡は、プローブチップを有する流体抽出装置が正確な量の流体内容物を取り出すことを困難にする場合がある。例えば、泡の存在は、装置が流体内容物を容器内に実際に存在するより多く感知することによって、プローブチップを有する流体抽出装置により不正確なレベル感知をもたらす可能性がある。泡がプローブチップを有する流体抽出装置に入る場合もあり、結果としてプローブチップを有する流体抽出装置が容器の流体内容物を少ししか吸引せず、所望の量を得られない可能性がある。これらの要因はいずれも、流体内容物を使用して分析手順を実施することから得られる結果に影響を与える場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様では、本開示は、容器内の流体を混合するための方法を対象とする。方法は、容器支持体上の複数の容器に混合手順を実施することを含んでもよく、複数の容器のうちの少なくとも一部分は異なるようにサイズ設定される。混合手順は、複数の混合段階を含んでもよく、各混合段階において、容器支持体は、単一のレートにて約5秒以上の持続時間の間混合運動に供されてもよく、また複数の混合段階のうちの少なくとも一つの混合段階に対する単一のレートは、複数の混合段階のうちの少なくとも一つのその他の混合段階に対する単一のレートとは異なってもよい。混合手順はまた、少なくとも一つの非混合段階を含んでもよく、容器支持体は混合運動に供されなくてもよい。
【0006】
容器支持体を混合運動に供することは、容器支持体の中心からずれた軸を中心として容器支持体を回転することを含んでもよい。容器支持体を混合運動に供することは、容器支持体の中心を通して延在する軸を中心として容器支持体を回転することを含んでもよい。単一のレートの各々は、容器支持体の速度であってもよく、また容器支持体の速度は、複数の混合段階のうちの一つの混合段階から隣接した混合段階へと進むように変化してもよい。単一のレートの各々は、回転軸を中心とした容器支持体の回転の周波数であってもよく、また回転の周波数は、複数の混合段階のうちの一つの混合段階から隣接する混合段階へと進むように変化してもよい。容器支持体を混合運動に供することによって、容器内の流体の渦がもたらされる場合がある。流体の渦は流体内に波の形成をもたらす場合があり、波の振幅は一つ以上の所定の閾値に達する場合がある。フィードバックが混合手順の実施後に得られる場合があり、また混合手順はフィードバックに基づいて修正されてもよい。フィードバックは、複数の容器のうちの一つ以上の容器内の一つ以上の流体を混合する際に、複数の混合段階の有効性を表示している場合がある。フィードバックは、複数の容器のうちの一つ以上の容器内の一つ以上の流体において形成される泡の量を表示している場合がある。混合手順は、混合段階の第一のサイクルおよび混合段階の第二のサイクルを含んでもよく、第一のサイクルの混合段階の単一のレートは、第二のサイクルの混合段階の単一のレートと同一であり、また第一のサイクルの混合段階の持続時間は、第二のサイクルの混合段階の持続時間より長い。少なくとも一つの非混合段階では、容器支持体は不動であってもよい。少なくとも一つの非混合段階では、容器は動かされてもよい。混合手順は、少なくとも一回繰り返されてもよい。
【0007】
別の態様では、本開示は、容器内の流体を混合するための方法を対象とする。方法は、容器支持体上の複数の容器に混合手順を実施することを含んでもよく、複数の容器のうちの少なくとも一部分は異なるようにサイズ設定される。混合手順は、約5秒以上の第一の持続時間の間第一のレートにおける容器支持体の混合運動を含む、第一の混合段階を含んでもよい。混合手順は、第一の混合段階の後に実施される第二の混合段階を含んでもよく、第二の混合段階は、約5秒以上の第二の持続時間の間第二のレートにおける容器支持体の混合運動を含んでもよく、第一のレートは第二のレートと異なり、かつ第一の持続時間は第二の持続時間と異なる。第二の混合段階の後、混合運動のうちのいずれかは、第三の持続時間の間実施されなくてもよい。
【0008】
混合運動は、容器支持体の回転を含んでもよい。容器支持体の回転は、容器支持体の中心からずれた回転軸を中心とした容器支持体の回転を含んでもよい。容器支持体の回転は、容器支持体の中心を通して延在する回転軸を中心とした容器支持体の回転を含んでもよい。第一のレートおよび第二のレートのうちの少なくとも一つは、容器支持体の速度を含んでもよい。第一のレートおよび第二のレートのうちの少なくとも一つは、容器支持体の回転の周波数を含んでもよい。第一のレートは、第二のレートより大きくてもよい。第一の持続時間は、第二の持続時間より短くてもよい。混合手順は、少なくとも一回繰り返されてもよい。
【0009】
また別の態様では、本開示は、容器内の流体を混合するための方法を対象とする。方法は、容器支持体上の複数の容器に混合手順を実施することを含んでもよい。混合手順は、第一のレートにて約5秒より長い第一の持続時間の間容器支持体を動かすことを含む第一の段階を含んでもよく、第一のレートおよび第一の持続時間は複数の容器のうちの第一の容器内の流体を実質的に均一に混合するように選択されてもよく、また第一の容器は第一のサイズを有してもよい。混合手順はまた、第一の段階の後に実施される第二の段階を含んでもよく、第二の段階は、第二のレートにて約5秒より長い第二の持続時間の間容器支持体を動かすことを含んでもよく、第一のレートは第二のレートと異なる。第二のレートおよび第二の持続時間は、複数の容器のうちの第二の容器内の流体を実質的に均一に混合するように選択されてもよい。第二の容器は、第一のサイズと異なる第二のサイズを有してもよい。混合手順はまた、第二の段階の後に実施される第三の段階を含んでもよく、第三の段階は、第三の持続時間の間容器支持体を動かさないことを含んでもよく、また持続時間は第一の容器および第二の容器のうちの少なくとも一つの流体内に形成された泡が消散できるように選択されてもよい。
【0010】
容器支持体を動かすことは、容器支持体を回転することを含んでもよい。容器支持体を回転することは、容器支持体の中心からずれた回転軸を中心として容器支持体を回転させることを含んでもよい。容器支持体を回転することは、容器支持体の中心を通して延在する回転軸を中心として容器支持体を回転することを含んでもよい。第一のレートおよび第二のレートのうちの少なくとも一つは、容器支持体の速度を含んでもよい。第一のレートおよび第二のレートのうちの少なくとも一つは、容器支持体の回転の周波数を含んでもよい。第一のレートは、第二のレートより大きくてもよい。第一の持続時間は、第二の持続時間と異なってもよい。第一の持続時間は、第二の持続時間より短くてもよい。混合手順は、少なくとも一回繰り返されてもよい。混合手順は、第三の段階の後に実施される第四の段階をさらに含んでもよく、第四の段階は、第一のレートにて第一の持続時間より短い第四の持続時間の間、容器支持体を動かすことを含む。第四の持続時間は、第一の持続時間の継続時間の半分であってもよい。混合手順は、第四の段階の後に実施される第五の段階をさらに含んでもよく、第五の段階は、第二のレートにて第二の持続時間より短い第五の持続時間の間、容器支持体を動かすことを含む。
【0011】
また別の態様では、本開示は、容器内の流体を混合するための方法を対象とする。方法は、第一の容器内の流体の混合度を表示している値の第一の組をもたらすために第一の容器が動くことができるレートの第一の組を特定することと、第二の容器内の流体の混合度を表示している値の第二の組をもたらすために第二の容器が動くことができるレートの第二の組を特定することと、を含んでもよい。方法はまた、値の第一の組に少なくとも部分的に基づいて、レートの第一の組から第一のレートを選択することと、値の第二の組に少なくとも部分的に基づいて、レートの第二の組から第二のレートを選択することと、を含んでもよい。方法はまた、容器支持体を混合運動に供することを含んでもよく、混合運動は第一のレートにて約5秒より長い第一の持続時間の間、および第二のレートにて約5秒より長い第二の持続時間の間実施され、第一の容器および第二の容器は混合運動中は容器支持体上に配置されてもよい。方法はまた、第三の持続時間の間、容器支持体を混合運動の無い状態に供することを含んでもよく、その間第一の容器および第二の容器は容器支持体上に配置されてもよい。
【0012】
レートの第一の組およびレートの第二の組は、容器支持体の速度を含んでもよい。レートの第一の組およびレートの第二の組は、容器支持体の回転の周波数を含んでもよい。値の第一の組および値の第二の組は、第一の容器および第二の容器内の流体の動きに対応してもよい。第一のレートは、第二のレートとは異なっていてもよい。第一のレートは、第一の容器内の流体の混合に対する少なくとも所定の値の閾値に達する値の第一の組の値に対応する最小レートであってもよい。第一のレートは、値の第一の組の最大値をもたらす場合がある。第二のレートは、第二の容器内の流体の混合に対する少なくとも所定の値の閾値に達する値の第二の組の値に対応する最小レートであってもよい。第二のレートは、値の第二の組の最大値をもたらす場合がある。レートの第一の組から第一のレートを選択することは、値の第二の組に少なくとも部分的に基づいてもよい。
【0013】
また別の態様では、本開示は、容器内の流体を混合するための方法を対象とする。方法は、容器支持体上の複数の容器に混合手順を実施することを含んでもよい。混合手順は、順序付けられた工程を含んでもよい。順序付けられた工程は、第一のレートにて約5秒より長い第一の持続時間の間、容器支持体を動かす工程、第二のレートにて約5秒より長い第二の持続時間の間、容器支持体を動かす工程であって、第一のレートは第二のレートと異なる、工程、および容器支持体を停止する工程、そして第三の持続時間の間容器支持体を動かさない工程を含んでもよい。方法はまた、容器支持体を動かすことの結果として複数の容器のうちの少なくとも一つの中に収容される流体内に泡が出現する程度を判定することを含んでもよい。方法はまた、判定された程度に基づいて、混合手順の一つ以上の態様を修正することを含んでもよい。
【0014】
流体内に泡が出現する程度を判定することは、感知装置を流体の中へと挿入することを含んでもよく、感知装置は流体内の泡を検出するよう構成されている。混合手順の一つ以上の態様を修正することは、第一のレートを低減することを含んでもよい。混合手順の一つ以上の態様を修正することは、第一の持続時間を低減することを含んでもよい。混合手順の一つ以上の態様を修正することは、第二のレートを低減することを含んでもよい。混合手順の一つ以上の態様を修正することは、第二の持続時間を低減することを含んでもよい。混合手順の一つ以上の態様を修正することは、第三の持続時間を増加することを含んでもよい。
【0015】
また別の態様では、本開示は、容器内の流体を混合するための方法を対象とする。方法は、容器支持体上の複数の容器に混合手順を実施することを含んでもよい。混合手順は、順序付けられた工程を含んでもよい。順序付けられた工程は、第一のレートにて約5秒より長い第一の持続時間の間、容器支持体を動かす工程、第二のレートにて約5秒より長い第二の持続時間の間、容器支持体を動かす工程であって、第一のレートは第二のレートと異なる、工程、および容器支持体を停止する工程、そして第三の持続時間の間容器支持体を動かさない工程を含んでもよい。方法はまた、容器支持体を動かすことの結果として複数の容器のうちの少なくとも一つの中に収容される流体を混合することの有効性を判定することを含んでもよい。方法はまた、判定された有効性に基づいて、混合手順の一つ以上の態様を修正することを含んでもよい。
【0016】
流体を混合することの有効性を判定することは、流体の異なる部分の光学密度測定値を取り、光学密度測定値を比較して、光学密度測定値の間の差異が所定の閾値を満たすかどうかを判定することを含んでもよい。混合手順の一つ以上の態様を修正することは、第一のレートを増加することを含んでもよい。混合手順の一つ以上の態様を修正することは、第一の持続時間を増加することを含んでもよい。混合手順の一つ以上の態様を修正することは、第二のレートを増加することを含んでもよい。混合手順の一つ以上の態様を修正することは、第二の持続時間を増加することを含んでもよい。混合手順の一つ以上の態様を修正することは、第三の持続時間を低減することを含んでもよい。
【0017】
また別の態様では、本開示は、容器内の流体を混合するための方法を対象とする。方法は、容器支持体上の複数の容器に混合手順を実施することを含んでもよく、混合手順は順序付けられた工程を含む。順序付けられた工程は、容器支持体を約5秒より長い第一の持続時間の間第一のレートにおける混合運動に供することを含んでもよく、第一のレートおよび第一の持続時間は複数の容器のうちの第一の容器内の流体を実質的に均一に混合するように選択されてもよく、また第一の容器は第一のサイズを有してもよい。順序付けられた工程はまた、容器支持体を約5秒より長い第二の持続時間の間第二のレートにおける混合運動に供することを含んでもよく、第一のレートは第二のレートとは異なっていてもよく、第二のレートおよび第二の持続時間は複数の容器のうちの第二の容器内の流体を実質的に均一に混合するように選択され、また第二の容器は第一のサイズと異なる第二のサイズを有してもよい。順序付けられた工程は、容器支持体上で混合運動を第三の持続時間の間実施しないことも含んでもよい。方法はまた、第一の容器内の流体および第二の容器内の流体のうちの少なくとも一つに泡が出現する程度を表示している値を判定することを含んでもよい。方法はまた、値が閾値と異なる場合、混合手順の一つ以上の態様を修正することを含んでもよく、混合手順の一つ以上の態様を修正することは、第一のレート、第一の持続時間、第二のレート、第二の持続時間、および第三の持続時間のうちの一つ以上を修正することを含み、修正は閾値に向かって値を動かすように選択されてもよい。
【0018】
第一の容器および第二の容器の中の流体のうちの少なくとも一つの中に泡が出現する程度を表示している値を判定することは、感知装置を流体の少なくとも一つの中へと挿入することを含んでもよく、感知装置は、流体のうちの少なくとも一つの中で泡を検出するように構成されている。混合手順の一つ以上の態様を修正することは、第一のレートを低減することを含んでもよい。混合手順の一つ以上の態様を修正することは、第一の持続時間を低減することを含んでもよい。混合手順の一つ以上の態様を修正することは、第二のレートを低減することを含んでもよい。混合手順の一つ以上の態様を修正することは、第二の持続時間を低減することを含んでもよい。混合手順の一つ以上の態様を修正することは、第三の持続時間を増加することを含んでもよい。
【0019】
また別の態様では、本開示は、複数の異なるようにサイズ設定された容器内の流体を混合するためのシステムを対象とする。システムは、その上に複数の異なるようにサイズ設定された容器を受容するための容器支持体を含んでもよい。システムはまた、容器支持体に動作可能に連結された駆動システムを含んでもよく、駆動システムは、容器支持体を混合運動で動かすように構成されてもよい。システムはまた、駆動システムに動作可能に連結されたコントローラを含んでもよく、コントローラは、駆動システムの動作を制御して、容器支持体を用いて混合手順を実施するように構成されてもよい。混合手順では、容器支持体は第一のレートにおける混合運動で約5秒より長い第一の持続時間の間動かされてもよく、容器支持体は第二のレートにおける混合運動で約5秒より長い第二の持続時間の間動かされてもよく、第一のレートは第二のレートと異なり、また容器支持体は第三の持続時間の間いかなる混合運動においても動かされなくてもよい。
【0020】
駆動システムは、容器支持体の中心からずれた軸を中心として容器支持体を回転させるように構成されてもよい。駆動システムは、容器支持体の中心を通して延在する軸を中心として容器支持体を回転させるように構成されてもよい。第一のレートおよび第二のレートのうちの少なくとも一つは、容器支持体の速度を含んでもよい。第一のレートおよび第二のレートのうちの少なくとも一つは、容器支持体の回転の周波数を含んでもよい。第一のレートは、第二のレートより大きくてもよい。第一の持続時間は、第二の持続時間と異なってもよい。第一の持続時間は、第二の持続時間より短くてもよい。混合手順では、容器支持体は、第一のレートおよび第二のレート以外の一つ以上のレートにおける混合運動でその他の持続時間の間動かされてもよい。コントローラは、混合手順を少なくとも一回繰り返すようにさらに構成されてもよい。
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
容器内の流体を混合するための方法であって、
容器支持体上の複数の容器に混合手順を実施することを含み、前記複数の容器の少なくとも一部分が異なるようにサイズ設定され、前記混合手順が、
複数の混合段階であって、各混合段階において、前記容器支持体が、約5秒以上の持続時間の間単一のレートにおける混合運動に供され、かつ前記複数の混合段階のうちの少なくとも一つの混合段階に対する前記単一のレートが、前記複数の混合段階のうちの少なくとも一つの他の混合段階に対する前記単一のレートと異なる、混合段階と、
少なくとも一つの非混合段階であって、前記容器支持体が前記混合運動に供されない、非混合段階と、を含む、方法。
(項目2)
前記容器支持体を前記混合運動に供することが、前記容器支持体の中心からずれた軸を中心として前記容器支持体を回転することを含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記容器支持体を前記混合運動に供することが、前記容器支持体の中心を通して延在する軸を中心として前記容器支持体を回転することを含む、項目1および2のいずれか一項に記載の方法。
(項目4)
前記単一のレートの各々が、前記容器支持体の速度であり、かつ前記容器支持体の前記速度が、前記複数の混合段階のうちの一つの混合段階から隣接した混合段階へと進むように変化する、項目1~3のいずれか一項に記載の方法。
(項目5)
前記単一のレートの各々が、回転軸を中心とした前記容器支持体の回転の周波数であり、かつ前記回転の周波数が一つの混合段階から前記複数の混合段階のうちの隣接する混合段階へと進むように変化する、項目1~3のいずれか一項に記載の方法。
(項目6)
前記容器支持体を前記混合運動に供することが、前記容器内の流体の渦をもたらす、項目1~5のいずれか一項に記載の方法。
(項目7)
前記流体の前記渦が前記流体内に波の形成をもたらし、かつ前記波の振幅が一つ以上の所定の閾値に達する、項目6に記載の方法。
(項目8)
前記混合手順の実施後、フィードバックを得ることと、前記フィードバックに基づいて前記混合手順を修正することと、をさらに含む、項目1~7のいずれか一項に記載の方法。
(項目9)
前記フィードバックが、前記複数の容器のうちの一つ以上の容器内での一つ以上の流体の混合における複数の混合段階の有効性を表示している、項目8に記載の方法。
(項目10)
前記フィードバックが、前記複数の容器のうちの一つ以上の容器内の一つ以上の流体中に形成される泡の量を表示している、項目8および9のいずれか一項に記載の方法。
(項目11)
前記混合手順が、混合段階の第一のサイクルおよび混合段階の第二のサイクルを含み、前記第一のサイクルの前記混合段階の前記単一のレートが、前記第二のサイクルの前記混合段階の前記単一のレートと同一であり、かつ前記第一のサイクルの前記混合段階の前記持続時間が、前記第二のサイクルの前記混合段階の前記持続時間より長い、項目1~10のいずれか一項に記載の方法。
(項目12)
前記少なくとも一つの非混合段階において、前記容器支持体が不動である、項目1~11のいずれか一項に記載の方法。
(項目13)
前記少なくとも一つの非混合段階において前記容器が動く、項目1~11のいずれか一項に記載の方法。
(項目14)
前記混合手順を少なくとも一回繰り返すことをさらに含む、項目1~13のいずれか一項に記載の方法。
(項目15)
容器内の流体を混合するための方法であって、
容器支持体上の複数の容器に混合手順を実施することを含み、前記複数の容器の少なくとも一部分が異なるようにサイズ設定され、前記混合手順が、
約5秒以上の第一の持続時間の間、第一のレートにおける前記容器支持体の混合運動を含む第一の混合段階と、
前記第一の混合段階の後に実施される第二の混合段階であって、第二のレートにおける約5秒以上の第二の持続時間の間の前記容器支持体の前記混合運動を含み、前記第一のレートが前記第二のレートと異なり、かつ前記第一の持続時間が前記第二の持続時間と異なる、第二の混合段階と、
前記第二の混合段階後、第三の持続時間の間いかなる混合運動も実施しないことと、を含む、方法。
(項目16)
前記混合運動が前記容器支持体の回転を含む、項目15に記載の方法。
(項目17)
前記容器支持体の回転が、前記容器支持体の中心からずれた回転軸を中心とした前記容器支持体の回転を含む、項目15および16のいずれか一項に記載の方法。
(項目18)
前記容器支持体の回転が、前記容器支持体の前記中心を通して延在する回転軸を中心とした前記容器支持体の回転を含む、項目15~17のいずれか一項に記載の方法。
(項目19)
前記第一のレートおよび前記第二のレートのうちの少なくとも一つが、前記容器支持体の速度を含む、項目15~18のいずれか一項に記載の方法。
(項目20)
前記第一のレートおよび前記第二のレートのうちの少なくとも一つが、前記容器支持体の回転の周波数を含む、項目15~18のいずれか一項に記載の方法。
(項目21)
前記第一のレートが前記第二のレートより大きい、項目15~20のいずれか一項に記載の方法。
(項目22)
前記第一の持続時間が前記第二の持続時間より短い、項目15~21のいずれか一項に記載の方法。
(項目23)
前記混合手順を少なくとも一回繰り返すことをさらに含む、項目15~22のいずれか一項に記載の方法。
(項目24)
容器内の流体を混合するための方法であって、
容器支持体上の複数の容器に混合手順を実施することを含み、前記混合手順が、
第一のレートにて約5秒より長い第一の持続時間の間前記容器支持体を動かすことを含む第一の段階であって、前記第一のレートおよび前記第一の持続時間が前記複数の容器のうちの第一の容器内の流体を実質的に均一に混合するように選択され、かつ前記第一の容器が第一のサイズを有する、第一の段階と、
前記第一の段階の後に実施される第二の段階であって、第二のレートにて約5秒より長い第二の持続時間の間前記容器支持体を動かすことを含み、前記第一のレートが前記第二のレートとは異なり、かつ前記第二のレートおよび前記第二の持続時間が前記複数の容器のうちの第二の容器内の流体を実質的に均一に混合するように選択され、また前記第二の容器が前記第一のサイズと異なる第二のサイズを有する、第二の段階と、
前記第二の段階の後に実施される第三の段階であって、第三の持続時間の間前記容器支持体を動かさないことを含み、かつ前記第三の持続時間が第一の容器および第二の容器のうちの少なくとも一つの流体内に形成された泡を消散できるように選択される、第三の段階と、を含む、方法。
(項目25)
前記容器支持体を動かすことが、前記容器支持体を回転することを含む、項目24に記載の方法。
(項目26)
前記容器支持体を回転することが、前記容器支持体の中心からずれた回転軸を中心として前記容器支持体を回転することを含む、項目24および25のいずれか一項に記載の方法。
(項目27)
前記容器支持体を回転することが、前記容器支持体の前記中心を通して延在する回転軸を中心として前記容器支持体を回転することを含む、項目24~26のいずれか一項に記載の方法。
(項目28)
前記第一のレートおよび前記第二のレートのうちの少なくとも一つが、前記容器支持体の速度を含む、項目24~27のいずれか一項に記載の方法。
(項目29)
前記第一のレートおよび前記第二のレートのうちの少なくとも一つが、前記容器支持体の回転の周波数を含む、項目24~27のいずれか一項に記載の方法。
(項目30)
前記第一のレートが前記第二のレートより大きい、項目24~28のいずれか一項に記載の方法。
(項目31)
前記第一の持続時間が前記第二の持続時間と異なる、項目24~30のいずれか一項に記載の方法。
(項目32)
前記第一の持続時間が前記第二の持続時間より短い、項目24~31のいずれか一項に記載の方法。
(項目33)
前記混合手順を少なくとも一回繰り返すことをさらに含む、項目24~32のいずれか一項に記載の方法。
(項目34)
前記混合手順が前記第三の段階の後に実施される第四の段階をさらに含み、前記第四の段階が前記第一のレートにて前記第一の持続時間より短い第四の持続時間の間、前記容器支持体を動かすことを含む、項目25~34のいずれか一項に記載の方法。
(項目35)
前記第四の持続時間が、前記第一の持続時間の期間の半分である、項目34に記載の方法。
(項目36)
前記混合手順が、前記第四の段階の後に実施される第五の段階をさらに含み、前記第五の段階が、前記第二のレートにて前記第二の持続時間より短い第五の持続時間の間、前記容器支持体を動かすことを含む、項目35に記載の方法。
(項目37)
容器内の流体を混合するための方法であって、
第一の容器内の流体の混合度を表示している値の第一の組をもたらすために前記第一の容器が動くことができるレートの第一の組を特定することと、第二の容器内の流体の混合度を表示している値の第二の組をもたらすために前記第二の容器が動くことができるレートの第二の組を特定することと、
前記値の第一の組に少なくとも部分的に基づいて、前記レートの第一の組から第一のレートを選択することと、前記値の第二の組に少なくとも部分的に基づいて、前記レートの第二の組から第二のレートを選択することと、
容器支持体を混合運動に供することであって、前記混合運動が前記第一のレートにて約5秒より長い第一の持続時間の間、および前記第二のレートにて約5秒より長い第二の持続時間の間実施され、前記第一の容器および第二の容器が前記混合運動中に前記容器支持体上に配置される、ことと、
第三の持続時間の間、前記容器支持体を混合運動の無い状態に供することであって、その間前記第一の容器および第二の容器が前記容器支持体上に配置される、ことと、を含む方法。
(項目38)
前記レートの第一の組およびレートの第二の組が、前記容器支持体の速度を含む、項目37に記載の方法。
(項目39)
前記レートの第一の組およびレートの第二の組が、前記容器支持体の回転の周波数を含む、項目37および38のいずれか一項に記載の方法。
(項目40)
前記値の第一の組および値の第二の組が、前記第一の容器および第二の容器内の前記流体の動きに対応する、項目37~39のいずれか一項に記載の方法。
(項目41)
前記第一のレートが前記第二のレートと異なる、項目37~40のいずれか一項に記載の方法。
(項目42)
前記第一のレートが、前記第一の容器内の前記流体の混合のために少なくとも所定の閾値に達する前記値の第一の組の値に対応する最小レートである、項目37~41のいずれか一項に記載の方法。
(項目43)
前記第一のレートが前記値の第一の組の最大値をもたらす、項目37~42のいずれか一項に記載の方法。
(項目44)
前記第二のレートが、前記第二の容器内の前記流体の混合のために少なくとも所定の閾値に達する前記値の第二の組の値に対応する最小レートである、項目37~43のいずれか一項に記載の方法。
(項目45)
前記第二のレートが前記値の第二の組の最大値をもたらす、項目37~44のいずれか一項に記載の方法。
(項目46)
前記レートの第一の組から前記第一のレートを選択することが、前記値の第二の組に少なくとも部分的に基づく、項目37~45のいずれか一項に記載の方法。
(項目47)
容器内の流体を混合するための方法であって、
容器支持体上の複数の容器に混合手順を実施することであって、前記混合手順が、以下の順序付けられた工程、すなわち、
第一のレートにて約5秒より長い第一の持続時間の間、前記容器支持体を動かす工程と、
第二のレートにて約5秒より長い第二の持続時間の間前記容器支持体を動かす工程であって、前記第一のレートが前記第二のレートと異なる、工程と、
前記容器支持体を停止する工程と、前記容器支持体を第三の持続時間の間動かさない工程と、を含む、実施することと、
前記容器支持体を動かすことの結果として、前記複数の容器のうちの少なくとも一つの中に収容される流体内に泡が出現する程度を判定することと、
前記判定された程度に基づいて、前記混合手順の一つ以上の態様を修正することと、を含む、方法。
(項目48)
前記流体内に泡が出現する前記程度を判定することが、感知装置を前記流体の中へと挿入することを含み、前記感知装置が前記流体内の泡を検出するよう構成される、項目47に記載の方法。
(項目49)
前記混合手順の一つ以上の態様を修正することが、前記第一のレートを低減することを含む、項目47および48のいずれか一項に記載の方法。
(項目50)
前記混合手順の一つ以上の態様を修正することが、前記第一の持続時間を低減することを含む、項目47~49のいずれか一項に記載の方法。
(項目51)
前記混合手順の一つ以上の態様を修正することが、前記第二のレートを低減することを含む、項目47~50のいずれか一項に記載の方法。
(項目52)
前記混合手順の一つ以上の態様を修正することが、前記第二の持続時間を低減することを含む、項目47~51のいずれか一項に記載の方法。
(項目53)
前記混合手順の一つ以上の態様を修正することが、前記第三の持続時間を増加することを含む、項目47~52のいずれか一項に記載の方法。
(項目54)
容器内の流体を混合するための方法であって、
容器支持体上の複数の容器に混合手順を実施することであって、前記混合手順が、以下の順序付けられた工程、すなわち、
第一のレートにて約5秒より長い第一の持続時間の間、前記容器支持体を動かす工程と、
第二のレートにて約5秒より長い第二の持続時間の間前記容器支持体を動かす工程であって、前記第一のレートが前記第二のレートと異なる、工程と、
前記容器支持体を停止する工程と、前記容器支持体を第三の持続時間の間動かさない工程と、を含む、実施することと、
前記容器支持体を動かすことの結果として、前記複数の容器のうちの少なくとも一つの中に収容される流体を混合することの有効性を判定することと、
前記判定された有効性に基づいて、前記混合手順の一つ以上の態様を修正することと、を含む、方法。
(項目55)
前記流体を混合することの前記有効性を判定することが、前記流体の異なる部分の光学密度測定値を取り、かつ前記光学密度測定値を比較して、前記光学密度測定値の間の差異が所定の閾値を満たすかどうかを判定することを含む、項目54に記載の方法。
(項目56)
前記混合手順の一つ以上の態様を修正することが、前記第一のレートを増加することを含む、項目54および55のいずれか一項に記載の方法。
(項目57)
前記混合手順の一つ以上の態様を修正することが、前記第一の持続時間を増加することを含む、項目54~56のいずれか一項に記載の方法。
(項目58)
前記混合手順の一つ以上の態様を修正することが、前記第二のレートを増加することを含む、項目54~57のいずれか一項に記載の方法。
(項目59)
前記混合手順の一つ以上の態様を修正することが、前記第二の持続時間を増加することを含む、項目54~58のいずれか一項に記載の方法。
(項目60)
前記混合手順の一つ以上の態様を修正することが、前記第三の持続時間を低減することを含む、項目54~59のいずれか一項に記載の方法。
(項目61)
容器内の流体を混合するための方法であって、
容器支持体上の複数の容器に混合手順を実施することであって、前記混合手順が、以下の順序付けられた工程、すなわち、
第一のレートにて約5秒より長い第一の持続時間の間前記容器支持体を混合運動に供する工程であって、前記第一のレートおよび前記第一の持続時間が前記複数の容器のうちの第一の容器内の流体を実質的に均一に混合するように選択され、かつ前記第一の容器が第一のサイズを有する、工程と、
第二のレートにて約5秒より長い第二の持続時間の間前記容器支持体を前記混合運動に供する工程であって、前記第一のレートが前記第二のレートとは異なり、前記第二のレートおよび前記第二の持続時間が前記複数の容器のうちの第二の容器内の流体を実質的に均一に混合するように選択され、かつ前記第二の容器が前記第一のサイズと異なる第二のサイズを有する、工程と、
前記容器支持体上の前記混合運動を第三の持続時間の間実施しない工程と、を含む、実施することと、
前記第一の容器内の前記流体および前記第二の容器内の前記流体のうちの少なくとも一つに泡が出現する程度を表示している値を判定することと、
前記値が閾値と異なる場合、前記混合手順の一つ以上の態様を修正することであって、前記混合手順の一つ以上の態様を修正することが、前記第一のレート、前記第一の持続時間、前記第二のレート、前記第二の持続時間、および前記第三の持続時間のうちの一つ以上を修正することを含み、前記修正が前記値を前記閾値に向かって動かすように選択される、ことと、を含む、方法。
(項目62)
前記第一の容器および第二の容器の中の前記流体のうちの少なくとも一つの中に泡が出現する前記程度を表示している前記値を判定することが、感知装置を前記流体の前記少なくとも一つの中へと挿入することを含み、前記感知装置が、前記流体のうちの前記少なくとも一つの中の泡を検出するように構成される、項目61に記載の方法。
(項目63)
前記混合手順の一つ以上の態様を修正することが、前記第一のレートを低減することを含む、項目61および62のいずれか一項に記載の方法。
(項目64)
前記混合手順の一つ以上の態様を修正することが、前記第一の持続時間を低減することを含む、項目61~63のいずれか一項に記載の方法。
(項目65)
前記混合手順の一つ以上の態様を修正することが、前記第二のレートを低減することを含む、項目61~64のいずれか一項に記載の方法。
(項目66)
前記混合手順の一つ以上の態様を修正することが、前記第二の持続時間を低減することを含む、項目61~65のいずれか一項に記載の方法。
(項目67)
前記混合手順の一つ以上の態様を修正することが、前記第三の持続時間を増加することを含む、項目61~66のいずれか一項に記載の方法。
(項目68)
複数の異なるようにサイズ設定された容器内で流体を混合するためのシステムであって、
前記複数の異なるようにサイズ設定された容器をその上に受容するための容器支持体と、
前記容器支持体に動作可能に連結された駆動システムであって、前記駆動システムが前記容器支持体を混合運動で動かすように構成されている駆動システムと、
前記駆動システムに動作可能に連結されたコントローラであって、前記コントローラが、前記駆動システムの動作を制御して、前記容器支持体を用いて混合手順を実施するように構成されているコントローラと、を備え、
前記容器支持体が、第一のレートにて約5秒より長い第一の持続時間の間、前記混合運動で動かされ、
前記容器支持体が、第二のレートにて約5秒より長い第二の持続時間の間、前記混合運動で動かされ、前記第一のレートが前記第二のレートとは異なり、
前記容器支持体が、第三の持続時間の間、いかなる混合運動でも動かない、システム。
(項目69)
前記駆動システムが前記容器支持体の中心からずれた軸を中心として前記容器支持体を回転させるように構成される、項目68に記載のシステム。
(項目70)
前記駆動システムが前記容器支持体の前記中心を通して延在する軸を中心として前記容器支持体を回転させるように構成される、項目68および69のいずれか一項に記載のシステム。
(項目71)
前記第一のレートおよび前記第二のレートのうちの少なくとも一つが、前記容器支持体の速度を含む、項目68~70のいずれか一項に記載のシステム。
(項目72)
前記第一のレートおよび前記第二のレートのうちの少なくとも一つが、前記容器支持体の回転の周波数を含む、項目68~70のいずれか一項に記載のシステム。
(項目73)
前記第一のレートが前記第二のレートより大きい、項目68~72のいずれか一項に記載のシステム。
(項目74)
前記第一の持続時間が前記第二の持続時間と異なる、項目68~73のいずれか一項に記載のシステム。
(項目75)
前記第一の持続時間が前記第二の持続時間より短い、項目68~74のいずれか一項に記載のシステム。
(項目76)
前記混合手順において、前記容器支持体が、その他の持続時間の間、前記第一のレートおよび第二のレート以外の一つ以上のレートにおける前記混合運動で動かされる、項目68~75のいずれか一項に記載のシステム。
(項目77)
前記コントローラが、前記混合手順を少なくとも一回繰り返すようにさらに構成される、項目68~76のいずれか一項に記載のシステム。
【0021】
本明細書内に組み込まれ、かつ本明細書の一部を構成する添付図面は、様々な実施例を図示し、また記述とともに本開示の実施例の原理を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、本開示の実施例による流体容器混合装置の上部斜視図である。
図2図2は、図1の装置の下部斜視図である。
図3図3は、図1の装置の電力および制御システムの概略図である。
図4図4は、図1の装置の一部分の軌道運動の概略図である。
図5図5は、本開示の実施例による、流体内容物で部分的に充填されたインサートおよび容器の断面図である。
図6図6は、本開示の実施例による、インサート、容器、および図5の流体内容物、ならびにピペットチップの断面図である。
図7図7は、本開示の実施例による方法のフローチャートである。
図8図8は、本開示の実施例による方法の別のフローチャートである。
図9A図9Aは、本開示の実施例による、図8のフローチャート内の工程に関連付けられたデータを示すグラフである。
図9B図9Bは、本開示の実施例による、図8のフローチャート内の工程に関連付けられたデータを示すグラフである。
図9C図9Cは、本開示の実施例による、図8のフローチャート内の工程に関連付けられたデータを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
ここで、添付図面に図示されている本開示の実施例を詳細に参照する。可能な限り、同一または同様の部品を参照するために、図面全体を通して同一の参照番号が使用されることになる。以下の考察では、「約」、「実質的に」、「およそ」などの相対的用語は、述べられた値、数値、または別の方法による値において、場合によっては±10%の変動を示すために使用される。
【0024】
混合装置
流体容器混合装置100を図1図3に示す。装置100は、一つ以上の容器を保持するように構成された容器支持体プラットフォーム101を含んでもよい。図示した実施例では、容器支持体プラットフォーム101は、例えば、プラットフォーム101の中心にある回転軸を中心として回転可能である。容器支持体プラットフォーム101は、複数の流体容器126、128、130を保持するように構成された容器トレイ110と、容器トレイ110が搭載される、別の方法で取り付けられる、またはこれと統合されるターンテーブル150(図2に示す)と、を含んでもよい。
【0025】
プラットフォーム101はまた、例えば、プラットフォーム101の中心からずれた軌道中心を中心とした軌道経路で動くことができるように構成される。本明細書の文脈では、プラットフォーム101(流体容器トレイ110およびターンテーブル150)の動きを記述するために使用されるとき、軌道、軌道の、または類似の用語は、プラットフォーム101の回転の中心軸を中心としたプラットフォーム101の回転またはスピンとは独立して、プラットフォーム101の全体がこれによって軌道中心を中心として動く、動きの経路を指す場合がある。図4は、ターンテーブル150の軌道運動を図示する。軌道運動中に、ターンテーブル150は、ターンテーブル150の中心が軌道中心Cに中心がある円Cを中心として軌道を周回するように動かされてもよい。ターンテーブル150が位置150、150、150、150を通して移動するにつれて、ターンテーブル150の中心は、位置C、C、C、Cを通して動く。
【0026】
図2に示すように、ターンテーブル150は、中心軸を中心として回転するように構成された円形のディスクを含んでもよい。他の実施例では、ターンテーブル150は、ターンテーブル150の平面に概して直交する軸を中心として回転するように構成された別の形状を有してもよい。ターンテーブル150は、十分な強度、剛性、および機械加工性を有する任意の好適な材料で形成されてもよく、また重量が軽くてもよい。好適な例示的な材料としては、アルミニウム、ステンレス鋼、または好適なプラスチック(例えば、数ある中でも、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリプロピレン、ポリエチレン)が挙げられる。
【0027】
装置100は、プラットフォーム101に連結された回転駆動システム200(図2に示す)も含んでもよい。回転駆動システム200は、図3に関連して記述したように、プラットフォーム101の回転またはインデックスを生じさせるように構成および配置される。図示した実施例では、回転駆動システム200は、プラットフォーム101の中心にある回転軸を中心としてプラットフォーム101を回転させてもよい。装置100はまた、プラットフォーム101に連結された軌道駆動システム300を含んでもよい。軌道駆動システム300は、図4に関連して記述したように、プラットフォーム101の軌道運動を生じさせるように構成される。代替的に、装置100は、プラットフォーム101を動かすための、任意の他の好適な駆動システム(複数可)、軌道、回転、または別の方法を含んでもよい。例えば、装置100は、ボルテックスミキサー、軌道ミキサー、揺動ミキサー、オーバーヘッドミキサー、ローリングミキサー、およびスイングミキサーの中のものと類似したモータおよび/またはアクチュエータを含んでもよい。
【0028】
図1および図2に示すように、容器トレイ110は、より大きい容器受容部112、より小さい容器受容部113、およびなおより小さい容器受容部116などの様々なサイズの複数のカップ様の概して円筒状の容器受容部を含んでもよく、様々なサイズの容器(例えば、ボトル)を受容および保持するように構成される。例えば、受容部112、113、116は、大きい流体容器128、中程度の流体容器130、および小さい流体容器126をそれぞれ受容および保持してもよい。加えて、異なる容器のサイズを収容するために、受容部112、113、116のために別個のドロップインアダプタが提供されてもよい。アダプタは、受容部112、113、116の直径より小さい直径を有する容器の受容部112、113、116内の導入および固定された定置を許容する場合がある。容器トレイ110は円形の形状であってもよく、また容器受容部112、113、116は容器トレイ110の中心軸を中心として対称的に配置されてもよい。容器トレイ110は、任意の好適な材料で形成されてもよく、また一実施例では成形プラスチックで形成される。
【0029】
図3は、装置100の動作を制御するための制御システムの概略図である。上述したように、装置100は、容器の流体内容物を攪拌するための容器の中心軸を中心とした回転および/または容器の軌道運動を独立してまたは同時に提供するように構成されてもよい。ターンテーブル150の回転は、図3において矢印Rによって示され、これは中心Cを中心としたターンテーブル150の回転を表す。ターンテーブル150の回転は、駆動システム200によって動力を与えられてもよく、また特に駆動モータ202によって動力を与えられてもよい。軌道運動は、駆動モータ302を備える駆動システム300によって動力を与えられる。駆動モータ202、302は、これも制御可能な電源814に接続されているコントローラ802に連結され、かつコントローラ802によって制御されてもよい。コントローラ802は、電力および動作制御信号を駆動モータ202、302へと提供してもよい。また、コントローラ802は、ロータリーエンコーダカウントの形態だけでなく、その他のフィードバックセンサー信号の形態で駆動モータ202、302からデータを受信してもよい。フィードバックセンサー808は、装置100に連結されてもよく、また、例えば、回転ホームフラグ、位置ホームフラグなどを含んでもよい。センサー808は、駆動モータ202、302の動作用の制御信号の生成に使用される位置のステータスまたは他のステータス、フィードバックを提供するために、コントローラ802に接続されてもよい。
【0030】
回転駆動システム200および軌道駆動システム300は、プラットフォーム101(容器トレイ110およびターンテーブル150)を中央回転軸を中心として独立して回転させることができ、または一つ以上の軌道軸を中心として動かすことができるように、相互に独立して動作してもよい。回転駆動システム200および軌道駆動システム300はまた、軌道経路を中心としてプラットフォーム101を同時に回転し、かつ動かすために、同時に動作してもよく、これは、容器トレイ110内の容器の中の流体内容物の混合の改善を容易にする場合がある。回転駆動システム200は、米国特許出願公開第2014/0263163号に記載されるターンテーブル駆動システムと実質的に同様であってもよい。軌道駆動システム300は、米国特許出願公開第2014/0263163号に記載されるボルテックス駆動システムと実質的に同様であってもよい。
【0031】
コントローラ802およびこれによって制御される構成要素のうちの一つ以上などの本開示の態様は、制御およびコンピューティングハードウエア構成要素、ユーザー作成ソフトウエア、データ入力構成要素、ならびにデータ出力構成要素を介して実施される。ハードウエア構成要素は、マイクロプロセッサおよびコンピュータなどのコンピューティングモジュールおよび制御モジュール(例えば、システムコントローラ(複数可))を含み、一つ以上の入力値を受信し、入力値に対して操作または別の方法で作用するための命令を提供する非一時的機械可読媒体上に保存された一つ以上のアルゴリズム(例えば、ソフトウエア)を実行し、かつ一つ以上の出力値を出力することによってコンピュータによる工程および/または制御工程を生じさせるように構成される。こうした出力は、ユーザーに情報(例えば機器の状態またはこれによって実施されるプロセスに関する情報)を提供するために、ユーザーに対して表示もしくは別の方法で示されてもよく、またはこうした出力は他のプロセスおよび/もしくは制御アルゴリズムに対する入力を含んでもよい。データ入力構成要素は、制御およびコンピューティングハードウエア構成要素によって使用するために、データがこれによって入力される要素を含む。こうしたデータ入力は、位置センサー、モータエンコーダだけでなく、手動入力要素(キーボード、タッチスクリーン、マイクロホン、スイッチ、手動操作式スキャナーなど)を含んでもよい。データ出力構成要素は、ハードドライブもしくは他の記憶媒体、モニター、プリンター、インジケータライト、または可聴信号要素(例えば、ブザー、ホーン、ベル等)を備えてもよい。ソフトウエアは、制御ハードウエアおよびコンピューティングハードウエアによって実行されたとき、制御ハードウエアおよびコンピューティングハードウエアに一つ以上の自動化した、または半自動化したプロセスを実施させる、非一時的コンピュータ可読媒体上に保存された命令を含む。
【0032】
容器およびインサート
混合装置100の容器トレイ110上に搬送された容器126、128、130の流体内容物は、流体溶液および/または流体懸濁液を含んでもよい。代表的な流体内容物は、ケイ素または磁気応答性粒子もしくはビーズなどの、固体支持体を含有する試薬を含んでもよい。例えば、米国特許第5,234,809号および米国特許第6,534,273号を参照のこと。固体支持体は約0.68~約1.00μmの直径を有してもよい。こうした固体支持体は、増幅および/または検出の阻害剤を除去するためのサンプル処理手順において核酸を固定化するために有用である可能性がある。その他の好適な試薬としては、例えば、米国特許第8,420,317号に記載のアルカリショック処理に使用される標的強化試薬が挙げられる。本開示の他の場所で考察されるように、流体内容物の混合(例えば、流体内容物を含有する容器を攪拌することによる)は、流体内の懸濁液中の、懸濁物質および/または沈殿した、もしくは別の方法で溶液/懸濁液から析出した再懸濁物質を維持するために役立つ場合がある。その他の好適な試薬としては、Thermo Fisher Scientific(登録商標)によって提供されるChargeSwitch(登録商標)核酸精製キットで使用されるもの、および米国特許出願公開第2006/0084089号に記載されるものが挙げられうる。懸濁された粒子または固体支持体が不在である場合でさえも、流体溶液の一つ以上の構成要素が溶液から出て沈殿し、容器の外へと引き出される溶液の濃度に潜在的に影響を与える可能性がある場合がある。濃度のわずかな変化でさえも、こうした溶液で実施される試験またはアッセイに悪影響を及ぼす可能性がある。
【0033】
容器は、ロボットピペッタなどのプローブチップを有する流体抽出装置による容器の各々の流体内容物へのアクセスの準備完了の状態を許容するために、開放状態で搬送される場合がある。その他の実施例では、試薬のエアロゾル散布を制限するため、および試薬の蒸発をさらに制御するために、容器は、密封されてもよく、かつ/またはフィルターもしくはセプタムを含んでもよい。プローブチップを有する流体抽出装置は、容器の流体内容物にアクセスして、容器から流体を吸引または別の方法で抽出し、かつ/または追加的な流体を容器の中へと分注しうる。プローブチップを有する流体抽出装置は、例えば、容器内に残っている流体の体積を計算するために使用することができる、容器内の流体の高さを判定または検証する目的で、容器内の流体表面を検出するように構成されたピペッタを含んでもよい。この目的のための好適なピペッタは、米国特許第6,914,555号に開示されている。例えば、容量式レベル感知を含むレベル感知は、吸引工程が開始されてもよいという信号、または容器の流体内容物の少なくとも一部分を吸引するための吸引工程の開始のための信号にも使用されうる。例えば、一旦液体の表面が検出されると、ピペッタは、液体が容器から吸引されるにつれて下向きの経路に沿って進み続けてもよい。代替的に、液体の表面が検出された後、ピペッタは、吸引が開始される前に所定の距離を下降してもよい。後者のアプローチでは、ピペッタは吸引中に静止したままである場合がある。ピペッタは、容量式液体レベル検出(cLLD)および圧力ベースの液体レベル検出(pLLD)のうちの少なくとも一つ以上を採用してもよい。容量式液体レベル検出は、ピペッタのチップホルダー上に搭載された導電性の使い捨てピペットチップの使用によって実施されてもよい。追加的に、または代替的に、ピペッタを通って流れる流体内の不連続性を検出すること、および/または米国特許第6,914,555号によって開示されているように圧力信号における不規則性を検出することによって、ピペッタは、分注された流体または吸引された流体内の泡の存在などの不規則性を特定するための一つ以上のセンサーを含んでもよい。
【0034】
容器が開放状態にあるとき、容器の流体内容物は大気に露出され、従って蒸発の影響を受けやすい。混合は結果として大気への流体内容物の流体表面の露出の増加をもたらし、これによって蒸発速度を潜在的に加速するため、混合は、この問題を悪化させる場合がある。容器(例えば、容器600)からの蒸発の量を低減するための蒸発を制限するインサート400を図5および図6に示す。インサート400は、2017年3月3日に出願された米国仮出願第62/466,856号に開示されるインサートの特徴を含んでもよい。インサート400の使用は、一部の事例では、任意選択である。
【0035】
インサート400は、第一の(上部)端404から第二の(下部)端406に向かって延在する壁403を有する本体402を含んでもよい。内腔408は、本体402を通して第一の端404から第二の端406まで延在してもよい。第一の端404および第二の端406の各々は、開き、かつ内腔408と連通しうる。本体400は、壁403を通して延在する複数の開口部を含んでもよい。複数の開口部の各々は、内腔408の中へと延在してもよい。本体400は、例えば、一つ以上の開口部の列414、416を含んでもよい。開口部414、416は、異なるサイズおよび/または形状を有してもよい。開口部は貫通孔であってもよい。任意の好適な数の開口部410が、インサート400上に含まれてもよい。しかしながら、より多くの数の開口部は、インサート400および容器600の中の試薬の混合を改善する場合があるが、一方でより多くの数の開口部では、より少ない開口部しか有しない設計と比べて蒸発量が増加する場合がある。また、試薬の混合を促進するために、少なくとも一つの開口部を容器600内の試薬の上部流体ラインの下に配置することも意図されている。
【0036】
インサート400は、第二の端406から第一の端404へと向かって延在する一つ以上の軸方向スロット430を含んでもよい。様々な実施例において、インサート400は、第一の端404から第二の端406に向かって延在する一つ以上のスリット438によって画定される一つ以上の弾力性のあるタブ436を含んでもよい。タブ436は、半径方向内向きに方向付けられた力に応答して半径方向内向きに曲がるように構成されてもよい(例えば、インサート400が容器600の開口部の中へと挿入されるとき)。半径方向内向きに曲げられたとき、タブは、インサート400を容器600の中へと固定するのを助ける場合がある半径方向外向きに方向付けられた力を加える場合がある。上述のタブおよびスリットの配置に対して追加的に、または代替的に、インサート400は、米国特許出願公開第2014/0263163号に記載される戻り止めを含めて、容器600の内表面を係合しうる一つ以上の戻り止め(図示せず)を含んでもよい。例えば、一つ以上の戻り止めは、容器600の内表面上に位置する対応する陥凹部と係合しうる。例えば、スナップ嵌め構成、摩擦嵌め構成、ラッチ、およびこれに類するものを含む、その他の好適な保持特性も意図されている。一部の実施例では、タブ436のうちの一つ以上は、面取り付き上面439を含んでもよい。面取り付き上面439は、ピペットチップ、または物質のその他の装置の容器600の中への挿入を支援する場合がある。面取りを用いないでも、ピペットチップ700をインサート400の中へと向けるときに、ピペットチップ700をインサート400の上部の棚状部分に接触できる可能性がある。
【0037】
図6では、インサート400は容器600の中に位置付けられて示される。インサート400は、容器600の首部604の上部にある開口部602を通して容器600の中へと挿入されてもよい。図5および図6に示すように、インサート400の第一の端404は、容器の首部604に隣接して配置されてもよく、インサート400の第二の端406は、容器600の下面606と接触してもよい。容器インサート400のスロット(複数可)430は、インサート400の下部の第二の端406が、容器600の下面606と密封接触を形成するのを防止する場合がある。
【0038】
様々な実施例において、インサート400が容器600の中へと完全に挿入されたとき、一対のタブ436を分離する各スリット438の下方端は、容器600の首部604の下に延在してもよく、これによって容器600の首部604のすぐ下に小さい通気孔を作り出す。小さい通気孔は、容器600内に真空が形成されるのを防止する役に立つ場合があり、また液体で充填されるときに空気が容器600から漏れ出るのを許容する場合がある。タブ436の弾力性、または半径方向外向き方向のタブの付勢は、容器600の中にインサート400を固定するために、タブ436を容器600の首部604の内表面605に対して押す場合がある。
【0039】
インサート400の開口部414、416およびスロット430は、懸濁液中の固体支持体を含む容器600内の流体を、容器600内のインサート400の内側の空間(例えば、内腔408)とインサート400の外側の空間との間で流すことができるようにする場合がある。第二の開口部416は、薄膜の形成に対して抵抗性である場合があり、容器600内側で真空が形成されるのを防止する役に立つ場合がある。これは、インサート400の内側の上部流体レベル610が、インサート400の外側でかつ容器600の中の上部流体レベル612と実質的に同一の高さであることを確実にするのに役立つ場合がある。本明細書で使用される場合、「固体支持体」は、インサート400の第一の開口部414を通過するのに十分な任意の幾何学的形状の固体物質または物体を指す場合がある。固体支持体は、それが含有される流体媒体内で感知できるほど溶解しない任意の材料を含んでもよい。固体支持体材料の実施例としては、金属、ケイ素、ガラス、ゴム、およびプラスチックが挙げられる。一部の実施形態では、固体支持体は、磁気応答性材料から形成されるか、またはこれを含む。その他の実施形態では、固体支持体は、対象となる被分析物を結合するように適合されてもよい。固体支持体は、粒子またはビーズ形態であってもよい。
【0040】
流体レベル610、612は、容器600内の流体内容物の流体表面を画定しうる。静止高さ613は、容器600の下部と流体表面との間の距離であってもよい。混合中、容器600内の流体内容物は、容器600の内部壁に沿って円形状経路で伝播する波の形態で容器600中を渦巻く場合がある。こうした波は、図5において破線615で示す。波615の上端部617は、流体内容物の静止高さ613の上方にある。上端部617と静止高さ613との間の距離は、波615の振幅619である。振幅619の大きさは、流体内容物が受ける混合のレベルを表示し、これについて、より大きい振幅はより小さい振幅よりも、流体内容物のより大きい動き/攪拌を表示している。
【0041】
方法
本開示による方法800を図7に示す。方法800は、工程801で開始してもよく、インサート400は容器600の内側に位置付けられてもよい。方法800は工程804へと進んでもよく、ここで、容器600が試薬で充填される。工程801および工程804の順序は交換可能であってもよいことが意図されている。方法800は、任意選択で工程805へと進んでもよく、ここで容器600は密封され、そして、例えば、代理店またはエンドユーザーへと輸送される。工程801、804および805は、工程がエンドユーザーによって実施される前、またはエンドユーザーによって操作される機械によって実施される前に、製造者によって実施されてもよい。したがって、方法800の以下の工程は、工程801、804および805とは独立した方法の別個の工程としてもよい。
【0042】
方法800は工程806へと進んでもよく、ここで容器600およびインサート400は容器トレイ110の中に位置付けられてもよい(図1を参照のこと)。あるいは、インサート400を有する容器600は、その中にいかなる流体も収容することなく、容器トレイ110の中に位置付けられてもよい。この実施例において、容器600は、容器トレイ110の中に位置付けられた後に試薬で充填されてもよい。容器トレイ110は、その上に異なるサイズおよび/または充填レベルの複数の容器を有してもよい。
【0043】
次いで、方法800は工程807に進んでもよく、ここで容器トレイ110内の一つ以上の容器600の流体内容物は、回転、軌道運動、反転、振動、および/または別の好適な混合運動によって混合および/または攪拌されてもよい。混合後、流体の濃度および/または流体内の固体支持体の分布は、インサート400の内側と外側との両方で実質的に同一(均一)であってもよい。代替的に、濃度は必ずしも実質的に均一ではなくてもよく、むしろ部分的に混合されてもよい。混合有効性は、例えば、容器の攪拌後に容器インサートの中から取られた流体内容物のアリコートを用いた光学密度測定値を取ることによって、経験的に評価されてもよい。これらのアリコートの光学密度測定値は、溶質が溶解している場合、および/または固体支持体が流体内容物内に均一に分布している場合、同様になるであろう。混合有効性はまた、化学反応方法およびその他の好適なプロセスを使用して実施されてもよい。例えば、流体内容物のサンプルは、容器の異なる領域から取られ、かつ分光光度法を使用してその吸光度について試験されてもよい。次いで、吸光度を比較して、サンプルの間に濃度の差異があるかどうかを判定してもよい。
【0044】
本明細書で使用される場合、「望ましい混合有効性」は、容器の流体内容物に対して実質的に均一な濃度(例えば、均質性)が達成されている状況、ならびに実質的に均一な濃度は達成されていないが、混合の閾値レベルには達している他の状況に適用される。材料の混合の閾値レベルは、例えば、結果にそれほど重大な(材料がその意図される使用にあるとき、誤差の許容可能なマージン(例えば、真の値の±5%であるが、異なる状況ではマージンが異なる場合がある)を超えるほどの)影響を与えない程度でのみ均質性とは異なる濃度(または濃度プロファイル)を表示する場合がある。望ましい混合有効性に達しない場合、溶質の準最適濃度は、ボトル600および/もしくはインサート400の内側に形成される場合があり、ならびに/または固体支持体の準最適濃度がボトル600および/またはインサート400の内側に形成される場合がある。本明細書で使用される場合、「準最適濃度」という語句は、濃度が高すぎるかまたは低すぎることのいずれかを意味し、潜在的に、結果は誤差の許容可能なマージンの外側に結果として収まる。例えば、試薬が適正に/十分に混合されていない場合、この試薬を使用して処理されるサンプルは、異なる濃度の試薬を受容することになり、これはアッセイ性能の差異につながる可能性がある。アッセイの結果が同等であるように、各サンプルが同一の濃度の試薬を受容することが望ましい。
【0045】
その一方で、過剰な攪拌が実施される(すなわち、望ましい混合有効性が達せられる点を過ぎる攪拌が生じる)場合、過剰な攪拌は、結果としてより高い蒸発の割合、スロッシング(すなわち、流体材料が容器の外側に渦巻く)、ならびに/または容器600および/もしくはインサート400の内側に泡を形成するより高い潜在的可能性をもたらす場合がある。準最適濃度、蒸発、スロッシング、および泡形成は、レベル感知および/または正確な吸引に悪影響を及ぼす場合がある。例えば、ピペッタベースのレベル感知が採用される場合、インサート400内の流体内容物の流体表面に泡を形成する場合があるピペットチップと泡との間の接触が、流体表面の不正確な位置の信号を送る可能性があり、また関連する分析器は、ピペットチップが実際に流体表面に接触する前に時期尚早な吸引工程を開始する可能性がある。加えて、泡の存在により、流体とともに泡がピペッタの中へと引き込まれることになり、これによって流体の体積の正確な吸引を阻害する。
【0046】
方法800は工程808へと進んでもよく、ここでピペットチップ700およびプローブチップを有する関連する流体抽出装置(例えば、自動化されたピペッタ)が容器600の中へと挿入されてもよい。次いで、方法800は工程809に進んでもよく、ここでピペットチップ700が容器600内の試薬と接触したという信号を送るためにレベル感知が行われうる。ピペットチップ700が試薬と接触していると判定されると、ピペットチップ700およびプローブチップを有する関連する流体抽出装置は、容器600のうちの一つからある量の試薬を吸引しうる。ピペットチップ700は、試薬のアリコートが吸引されるたびに同一の場所で容器600から試薬を吸引してもよい。吸引された試薬は、自動分析器によって実施される一つ以上のアッセイまたはその他の分析手順で使用されてもよい。分析手順は、例えば、核酸ベースのアッセイ、イムノアッセイ、化学アッセイ、およびこれに類するものを含む、サンプル中の被分析物の存在を判定するための任意の手順を含んでもよい。自動分析器の実施例としては、米国特許第9,598,723号および米国特許出願公開第2016/0060680 A1号に記載されているものが挙げられる。
【0047】
工程810である量の試薬が吸引された後、方法800は、任意選択の工程(図7には図示せず)に進んでもよく、ここで検知された容器600の流体レベルが最小閾値流体レベル(容器がこれより下ではもはや有用ではないデッドボリュームに対応する)より上方であるかどうかの判定がなされる。判定は、例えば、容量式レベル感知および/または米国特許第6,914,555号に記述される技法のうちのいずれかを含む、一つ以上の流体レベル感知技法などの任意の好適な機構によってなされてもよい。感知された流体レベルが最小閾値より高い場合、方法800は工程807に戻り、容器600の内容物を混合および/または攪拌してもよい。感知された流体レベルが最小閾値より低い場合、容器600は試薬で再充填されてもよく、または新しい容器600と交換されてもよい。
【0048】
工程806では、容器600は、一つ以上のその他の容器とともに容器トレイ110内に位置付けられてもよい。例えば、容器600は、容器トレイ110内の容器126、128、130(図1に示す)のうちの一つであってもよい。一部の事例では、容器トレイ110は容器で完全に充填されてもよい(すなわち、各受容部112、113、116が容器126、128、130を含む)。容器トレイ110内の容器は、一つ以上の異なる特徴(例えば、幾何学的形状、充填レベル、流体内容物粘度、流体含有量組成など)を有するので、一つの容器の流体内容物に対して望ましい混合有効性を作り出すやり方ですべての容器の流体内容物を同時に混合することは、別の容器の流体内容物の不適切な混合および/または別の容器の流体内容物の過剰な攪拌をもたらす場合がある。こうした事例では、全体的な望ましい混合有効性を達成する(例えば、望ましい混合有効性が各々の容器の流体内容物に対して達成される状態)目的で、工程807において容器に多段階混合手順が実施されてもよい。多段階混合手順は、全体的な望ましい混合有効性を達成するために必要とされる混合量を最小化し、これによって、混合される流体内容物の蒸発、スロッシング、および/または泡の形成を最小化するように最適化されてもよい。
【0049】
図8に示す方法812は、多段階混合手順を実施するための例示的な工程を説明する。方法812は、方法800のすべてもしくは一部分から離れて、またはこれと併せて実施されてもよい。例えば、方法812の工程814は、方法800の工程807の前の任意の時点で実施されてもよい。工程814は、多段階混合手順の段階の態様を特定することを含む。これは、例えば、混合運動で一つの容器を動かすことができるレートの第一の組を特定することが、その容器内の流体内容物を混合する際の混合運動の有効性を表示している値の第一の組をもたらすことを含んでもよい。工程814はまた、混合運動で少なくとも一つの他の容器を動かすことができる少なくとも一つの追加的なレートの組を特定することが、少なくとも一つの他の容器内の流体内容物を混合する際の混合運動の有効性を表示している少なくとも一つの追加的な値の組をもたらすことを含んでもよい。容器トレイ110内の容器が混合運動で動くことができるレートの組は、例えば、容器が軌道駆動システム300および回転駆動システム200(図2および図3に示す)のうちの一つ以上によって回転可能な複数の周波数(個別の周波数および/または周波数の範囲を含む)を含んでもよい。追加的に、または代替的に、レートの組は、容器をボルテックスミキサー、軌道ミキサー、揺動ミキサー、オーバーヘッドミキサー、ローリングミキサー、スイングミキサー、およびこれに類するものによって動かすことができる複数の速度および/または周波数(個別の値および/または範囲を含む)を含んでもよい。容器内の流体内容物を混合する際の混合運動の有効性を表示している値の組は、例えば、混合運動の結果として容器の内側の周りを伝播する波の複数の振幅619(図5に示す)を含んでもよい。
【0050】
図9A図9Cは、上述のレートの組および値の組の実施例を示すグラフを図示したものである。より具体的には、図9Aは、そのx軸に沿って、3Hz~6Hzの範囲の周波数824を示し、ここで磁気応答性の固体支持体材料を含む大きい容器(例えば、72mmの直径を有する280mLのボトル)のターゲットキャプチャー試薬(TCR)は、軌道駆動システム300による混合運動で動くことができる。図9Aは、そのy軸に沿って、大きい容器の流体内容物の攪拌における混合運動の有効性を表示している振幅値826を示す。曲線828は、大きい容器の流体内容物が11mm~70mmの範囲の異なる充填高さ830にあるときの、大きい容器に対する周波数の関数としての振幅を示す。図9Bおよび図9Cは、図9Aのグラフと類似のグラフを示し、図9Bの曲線832は、12mm~59mmの範囲の異なる充填高さ834における、中程度の容器(例えば、50mmの直径を有する125mLのボトル)に対する周波数の関数としての振幅を示し、また図9Cの曲線836は、11mm~48mmの範囲の異なる充填高さ838における、小さい容器(例えば、35mmの直径を有する60mLのボトル)に対する周波数の関数としての振幅を示す。グラフの各々における曲線のxの値は、容器のサイズ(すなわち、大きい、中程度、または小さい)のうちの一つの容器に対するレートの組と見なすことができ、また曲線のyの値はそのサイズの容器に対するレートの組と見なすことができる。
【0051】
図9A図9Cに示す一部のデータもしくはすべてのデータ、および/または任意のその他容器に対する類似したデータの一部またはすべては、コントローラ802によって受容されてもよく、または別の方法でコントローラ802内に保存されてもよい。例えば、データは、混合装置100がユーザーへと提供される前に、コントローラ802の中へとプログラムされてもよい。追加的に、または代替的に、データはユーザーによってコントローラ802の中へと入力されてもよい。追加的に、または代替的に、データは、外部ソースからインターネットのようなネットワークを通してコントローラ802へと電子的に伝送(例えば、アップロード)されてもよい。追加的に、または代替的に、データは、容器上のラベルまたはトランスミッタからデータを読み取るために、スキャナー、センサー、または類似の装置を使用して、コントローラ802によって容器自体から捕捉されてもよい。追加的に、または代替的に、コントローラ802は、複数の周波数で容器上で混合運動を実施し、そしてそれらの渦巻いている液体内容物の結果として得られた振幅を追跡し、次いで後で使用するために生成されたデータを保存することによって、データを生成してもよい。
【0052】
工程814はまた、混合運動を実施するためのレートの組の各々からレートを選択する、特定する、または他の方法で確立することを含んでもよい。レートは、例えば、望ましい混合有効性を示す最大値または所定の閾値に達する振幅をもたらす混合運動の周波数であってもよい。異なるタイプの容器が存在するときには、複数のレートが使用されてもよい。例えば、容器トレイ110内の各タイプの容器の流体内容物を混合するために、異なるレートが使用されてもよい。容器は、そのサイズに基づいてタイプへとグループ化されてもよい。代替的に、容器は、それらのサイズ、充填高さ、および/または内容物の任意の組み合わせに基づいて、タイプへとグループ化されてもよい。
【0053】
追加的に、または代替的に、レートは、例えば、二つ以上のタイプの容器内の流体内容物に対して最大振幅をもたらす混合運動の周波数であってもよく、容器のタイプのうちの一つ以上に対する最大振幅であってもよく、また容器のその他のタイプのうちの一つ以上に対する所定の閾値に達する振幅であってもよく、または所定の閾値を満たす容器の二つ以上のタイプに対する振幅であってもよい。追加的に、または代替的に、レートは、可能な限り多くのタイプの容器の流体内容物の振幅を結果的に最大化する混合運動の周波数であってもよい。単一のレートが不適切である事例では、複数のレートが使用されてもよい。この一つの実施例は、第一のレートにて第一の望ましい混合有効性が第一のタイプの容器に対して達成される場合であり、第一のレートとは異なる第二のレートにては第一の望ましい混合有効性は第一のタイプの容器に対して達成されず、第二のレートにて第二の望ましい混合有効性が第二のタイプの容器に対して達成され、第一のレートにては第二の混合有効性は第二のタイプの容器に対して達成されず、それ故に第一のレートおよび第二のレートは多段階混合手順の一部となる。追加的に、または代替的に、レートは、例えば、混合運動の二つ以上の周波数の平均(例えば、平均、中央値、またはモード)である混合運動の周波数であってもよい。数多くの事例では、レートの大きさは、容器のサイズに正比例しうる。言い換えれば、より大きい容器の流体内容物は、より低いレートにてより均一に混合される傾向があり、一方でより小さい容器の流体内容物はより高いレートにてより均一に混合される傾向がある。レートの各々は、混合手順の混合段階と関連付けられてもよい。
【0054】
方法812の工程814はまた、レートの各々に対して期間を選択する、特定する、または別の方法で確立することを含んでもよく、その期間は、レートの各々にて混合運動がどれくらい長く実施されるかを画定する。期間は、例えば、容器の内容物をあるレートで混合するときに、望ましい混合有効性が確実に達成されるために必要な最短時間を含んでもよい。期間の大きさは、レートの大きさに反比例しうる。言い換えれば、期間はより高いレートに対してはより短い場合があり、より短いレートに対してはより長い場合がある。これとともに、レートおよびその対応する期間は、混合手順の混合段階を画定する。期間は、例えば、約5秒以上であってもよく、その時間の間、容器の回転の周波数および/または速度は、そのレートにて実質的に一定のままであってもよい。
【0055】
上記で概説した実施例では一つのレートを容器の各タイプに関連付けて使用することを記載しているが、方法812は、任意の所与のタイプの容器に対して、複数の個別のレートおよび/または連続的なレートの範囲などの複数のレートを使用することを含んでもよいことが意図される。混合段階の間、混合運動は、確立された期間(例えば、5秒以上の持続時間)の間、複数の個別のレートにて、かつ/またはレートの連続的な範囲にわたって実行されてもよい。ある容器に対して一つのレートを使用するかまたはその容器に対して複数のレートを使用するかどうかの判定は、容器容積、その流体内容物の粘度、およびこれに類するものを含む要因に基づいてもよい。
【0056】
工程814はまた、多段階混合手順の非混合段階に対する期間を確立することを含んでもよい。非混合段階では、混合運動を停止してもよい(混合運動はない)。例えば、軌道駆動システム300を停止してもよく、かつ次の混合段階まで再度開始しなくてもよい。混合運動がないときでさえも、コントローラ802は、容器の非混合の動き(例えば、混合運動を構成しない動き)、例えば、ピペッティングのために容器を位置付けること、および/または容器をピペッティングステーションへと動かすこと、を実施してもよい。例えば、非混合の動きは、混合運動の経路をたどらない動きを含んでもよく、かつ/またはより少ないレートにて、また混合運動の動きより短い時間生じる場合がある。
【0057】
容器の流体内容物の上面は、非混合の動きの間、約0の振幅を有してもよい。非混合段階は、混合段階のすべてが実施された後で起こる多段階混合手順の単一の連続的な段階であってもよい。あるいは、多段階混合手順の中には複数の非混合段階があってもよく、これらの非混合段階のうちの少なくとも一つは二つの混合段階の間に行われる。非混合段階は、容器から流体内容物を吸引するためにどれくらいの時間が必要かに応じて、および/または流体内容物中の泡の量を低減させるためにどれくらいの時間が必要かに応じて、同一または異なる期間を有してもよい。
【0058】
工程814はまた、多段階混合手順の混合段階および非混合段階を実施する順序を確立することを含んでもよい。一実施例では、より低いレートを用いた混合段階の前に、より高いレートを用いた混合段階が実施されてもよい。これに対する一つの理由は、より高いレートにて混合中に形成された泡は、より低いレートにて混合する間に流体表面の周辺部へと動く場合があり、結果として、ピペッタがある量の流体材料を吸引する場合がある場所である、流体表面の中央領域ではより少ない泡しか存在しないようになる。
【0059】
一部の事例では、多段階混合手順は異なる混合サイクルを含んでもよく、各サイクルは複数の混合段階および少なくとも一つの非混合段階を含む。例えば、混合手順は、混合段階の第一のサイクルおよび少なくとも一つの非混合段階を含んでもよく、混合段階は、容器内の流体内容物の初期混合を実施するために選択される特徴を有する。混合手順は、混合段階の第二のサイクルと、一つ以上の非混合段階とを含んでもよく、混合段階は、第一のサイクルであらかじめ混合された容器の流体内容物を混合するように選択される(例えば、いずれかの溶質が溶液から出て沈殿し、かつ/または固体支持体が沈降する前であることが好ましい)。第一のサイクルの段階のレートおよび期間は、結果として第二のサイクルのものより大きい容器の流体内容物の攪拌の程度をもたらす場合がある。第二のサイクルの一つ以上の態様は、不必要な混合を確実に回避するために、第一のサイクルとは異なってもよい。例えば、第二のサイクルでは、混合段階のレートのうちの一つ以上を低減してもよく、混合段階の期間のうちの一つ以上を低減してもよく、かつ/または一つ以上の非混合段階の期間(複数可)が改変されてもよい。適切なサイクルは、工程816で混合手順が実施されたときに選択され、かつ使用されてもよい。また、二つのサイクルのうちの早いほうの非混合段階の間の、任意の容器からの流体内容物の吸引中に、容器の流体レベルの何らかの変化に応答して、混合サイクル間の類似の変化が実施され得ることも意図される。
【0060】
方法812の工程816は、方法800の工程807の間に行うことができ、この工程では多段階混合手順が実施される。複数のタイプの容器が容器トレイ110内にある場合、多段階混合手順の性能は、複数の混合段階および少なくとも一つの非混合段階を実行することを含んでもよい。段階は、コントローラ802によって、例えば、回転駆動システム200および/もしくは軌道駆動システム300、または代替的に、ボルテックスミキサー、軌道ミキサー、揺動ミキサー、オーバーヘッドミキサー、ローリングミキサー、ならびにスイングミキサー内のものと類似したモータおよび/もしくはアクチュエータの制御を通して実施されてもよい。
【0061】
方法812の工程818は、方法800の工程808の間または下流の任意の時点で行うことができ、この工程では多段階混合手順の有効性を表示しているフィードバックが得られる場合がある。フィードバックは、ピペッタ上か、別個の機器上か、または別の方法で容器の周囲の環境内に位置付けられたか、のいずれかの一つ以上のセンサーによって提供されてもよい。フィードバックは、例えば、沈殿物の形成および/または固体支持体が流体内に均一に分散される程度に関するデータを含んでもよい。追加的に、または代替的に、フィードバックは、容器内の泡の形成または存在に関するデータを含んでもよい。
【0062】
方法812の工程820は、これも方法800の工程808の間またはその後の任意の時点で行うことができ、この工程ではコントローラ802は、フィードバックデータに基づいて多段階混合手順を修正するようプログラムされてもよい。例えば、フィードバックデータが、均一性の程度(例えば、溶液中の溶質および/または懸濁液中の固体支持体)および/または容器内の泡の形成が一つ以上の閾値に適合しないことを示す場合、多段階混合手順は、工程814へとサイクルして戻ることによって修正(「はい」)されてもよい。上述のように、ピペッタを通って流れる流体内の不連続性を検出すること、および/または圧力信号における不規則性を検出することによって、分注された流体または吸引された流体内の泡の存在などの不規則性を特定するための一つ以上のセンサーによって泡の形成の程度が判定されてもよい。追加的に、または代替的に、泡の形成の程度は、目視、ピペッタによるレベル検出の高さ、および/またはカメラを用いた画像解析によって判定されてもよく、そのうちの一つ以上は、混合割合および継続時間のリアルタイムのオンザフライの調整を提供しうる。均一性の程度が所定の閾値より低い場合、工程814では、混合を強化するために混合段階のうちの一つ以上のレートおよび/もしくは持続時間を増加させてもよく、かつ/または溶質が溶液から析出する、および/もしくは懸濁液から固体支持体が析出するのにより少ない時間しか与えないように、非混合段階のうちの一つ以上の持続時間を低減してもよい。泡の量が過度である場合(すなわち、所定の閾値より多い)、工程814では、混合段階のうちの一つ以上のレートおよび/または持続時間を低減してもよく、かつ/または混合中に泡の発生をより少なくするため、および/または非混合段階の間に泡に消散する時間を提供するために、非混合段階のうちの一つ以上の持続時間を増加してもよい。
【0063】
追加的に、または代替的に、多段階混合手順を設計するとき、充填高さは考慮に入れられる一つの要因でありうるので、容器から流体内容物が吸引された結果としての容器のうちの一つ以上の充填高さの変化は、多段階混合手順の修正を正当化する場合がある。コントローラ802は、ピペッタによって感知された現在の流体レベルと過去の流体レベルとを比較し、ピペッタの中への吸引の数を追跡し、かつ/またはピペッタによって吸引された容積を追跡することによって、容器の充填高さをモニターしてもよい。追加的に、または代替的に、容器の外側にある容量式センサー、視覚/撮像システム、容器およびその内容物の計量のための秤または類似の計量装置、容器内フロートセンサー、超音波またはドップラーベースのセンサー、およびこれに類するものを使用して、充填高さがモニターされてもよい。多段階混合手順を修正することは、混合段階のレートのうちの一つ以上、および/または混合段階および非混合段階の期間のうちの一つ以上の修正を含んでもよく、フィードバックデータを一つ以上の閾値の順守に至らせる。その一方で、フィードバックデータが一つ以上の閾値を順守している場合、多段階混合手順は、方法812が後に続く混合のために工程816に戻る際に調整することなく(「いいえ」)繰り返されてもよい。多段階混合手順を繰り返すことは、容器内の流体内容物を長期間にわたって適切に混合された状態に保つのに役立つ。
【0064】
一つの特定の実施例では、一つ以上の大きいTCRの容器(280mLの容積および72mmの直径を有するボトル)、一つ以上の中程度のTCRの容器(125mLの容積および50mmの直径を有するボトル)、および一つ以上の小さいTCRの容器(60mLの容積および35mmの直径を有するボトル)を容器トレイ110(図1に示す)の中へと挿入すること、ならびに図9A図9Cのグラフと関連付けられたデータを使用することが関与し、多段階混合手順の第一のサイクルは、5Hzの周波数にて運転される軌道駆動システム300(図2および図3に示す)を使用する30秒間の混合運動を実施すること、これに続いて3Hzの周波数にて60秒間の混合運動を実施すること、そして第一のサイクルの開始から30分が経過するまで混合運動を実施するのをやめることを含んでもよい。多段階混合手順の後続の保守サイクルは、規則的な時間間隔(例えば、30分ごと)で実施されてもよく、第一のサイクルの二つの混合段階と同一の周波数であるが、半分の期間の間(例えば、5Hzにて15秒間および3Hzにて30秒間)、二つの混合段階を実施することを含んでもよい。
【0065】
混合方法の追加的および/または代替的方法は、米国特許第7,135,145号に記載されている。本明細書で参照される米国特許出願公開および米国特許の各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0066】
本開示の範囲を逸脱することなく、開示されたシステムおよびプロセスにおいて様々な修正および変更を行うことができることが、当業者には明らかであろう。本開示のその他の実施例は、本明細書の考慮および本明細書に開示した発明の実施から、当業者には明らかであろう。本明細書および実施例は、単に例示的なものとして見なされることが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
【外国語明細書】