(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024069425
(43)【公開日】2024-05-21
(54)【発明の名称】スロット付きプレートスカラップ
(51)【国際特許分類】
B01J 8/00 20060101AFI20240514BHJP
【FI】
B01J8/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024038803
(22)【出願日】2024-03-13
(62)【分割の表示】P 2022544241の分割
【原出願日】2021-01-26
(31)【優先権主張番号】62/967,833
(32)【優先日】2020-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】598055242
【氏名又は名称】ユーオーピー エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】マリー、ジョン クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】グロット、ジェフリー アール.
(72)【発明者】
【氏名】クバッキ、メーガン
(72)【発明者】
【氏名】ブリッジ、ニコラス ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】ロック、カー エル.
(72)【発明者】
【氏名】ペータース、ケネス ディー.
(57)【要約】 (修正有)
【課題】半径方向反応器のための改善されたスカラップ設計を提供する。
【解決手段】半径方向反応器200内の装置であって、前記半径方向反応器の外壁の周囲に延在する垂直に細長い導管225であって、前記導管が、内面230及び外面235並びに一対の対向する側面237であって、前記内面が、それに複数のスロットを有し、前記一対の対向する側面が、それに複数の開口部239を有する、内面及び外面並びに一対の対向する側面と、前記垂直に細長い導管の一端におけるライザ215と、を備える、垂直に細長い導管と、前記半径方向反応器内の垂直に配向された円筒中央パイプ260と、前記中央パイプ及び前記内面によって画定された触媒床240と、前記内面から前記外面まで延在する少なくとも1つの補剛材とを備える、装置とする。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半径方向反応器(200)内の装置であって、
前記半径方向反応器の外壁の周囲に延在する垂直に細長い導管(225)であって、前記導管(225)が、内面(230)及び外面(235)並びに一対の対向する側面(237)であって、前記内面(230)が、それに複数のスロットを有し、前記一対の対向する側面(237)が、それに複数の開口部(239)を有する、内面(230)及び外面(235)並びに一対の対向する側面(237)と、前記垂直に細長い導管(225)の一端におけるライザ(215)と、を備える、垂直に細長い導管(225)と、
前記半径方向反応器(200)内の垂直に配向された円筒中央パイプ(260)と、
前記中央パイプ(260)及び前記内面によって画定された触媒床(240)と、を備える、装置。
【請求項2】
前記内面(105)から前記外面(110)まで延在する少なくとも1つの補剛材(120)を更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つの補剛材(120)が、前記垂直に細長い導管(100)の高さ未満、垂直に延在する、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記複数のスロット(125)が、前記内面(105)に実質的にわたって途切れることなく延在するか、又は前記複数のスロット(125)が、前記内面(105)の中実部分によって分離された少なくとも2つの列のスロット(125)に分割されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記内面(105)が、前記一対の対向する側面(115)よりも多くのスロット(125)を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記外面(110)が、1つ以上の開口部を有するプレートを備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記垂直に細長い導管(225)の上部における前記内面(230)から前記外面(235)までの距離が、前記垂直に細長い導管(225)上のより低い場所における前記内面(230)から前記外面(235)までの距離とは異なり、前記触媒床(240)の上部における前記中央パイプ(260)から前記垂直に細長い導管(225)の前記内面(230)までの距離が、前記触媒床(240)のより低い場所において測定された距離とは異なる、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記垂直に細長い導管(225)の前記上部における前記内面(230)から前記外面(235)までの前記距離が、前記垂直に細長い導管(225)上の前記より低い場所における前記内面(230)から前記外面(235)までの前記距離よりも大きく、前記触媒床(240)の上部における前記中央パイプ(260)から前記垂直に細長い導管(2250)の前記内面(230)までの前記距離が、前記触媒床(240)のより低い場所において測定された前記距離未満である、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記ライザ(215)から前記装置の反対端における蒸気出口を更に備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記導管(300)が、2つ以上のセグメント(305、310)を含み、各セグメント(305)が、別のセグメント(310)上のコネクタ(320)と接続するための少なくとも1つのコネクタ(315)を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の装
置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の記載)
本出願は、2020年1月30日に出願された米国仮特許出願第62/967,833号の利益を主張し、当該仮出願の内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本発明は、流体粒子接触の分野、並びに流体及び粒子を接触させるための装置に関する。本発明は更に、円筒形容器に取り付けられた半径方向流システムで使用される環状微粒子床の外側保持壁を形成する流体導管に関する。そのようなシステムでは、流体は、典型的には、複数の外側の垂直に配置された導管部材の内面の開口部を通って、又は容器の内壁よりも小さな直径を有する円筒形のスクリーンバスケット部材の開口部を通して、微粒子床の内外に半径方向内向き又は外向きに方向づけられる。流体は、環状の微粒子床の内側保持壁を形成する垂直に配置された中央パイプの開口部を通過する。本発明は、より具体的には、少なくとも1つの反応器壁に対して少なくとも1つのテーパ状側面を有する流体導管に関する。
【0003】
多種多様なプロセスは、半径方向流反応器を使用して、流体と固体との間の接触を提供する。固体は、通常、流体が反応して生成物を形成する触媒材料を含む。これらのプロセスは、炭化水素変換、ガス処理、及び分離のための吸着を含む様々なプロセスにわたる。
【0004】
半径方向流反応器は、反応器が環状構造を有し、環状分散及び収集デバイスが存在するように構築される。分散及び収集のためのデバイスは、いくつかのタイプのススクリーン化された表面を組み込んでいる。スクリーン化された表面は、触媒床を所定の位置に保持し、反応器の表面にわたる圧力の分散を補助して、反応器床を通る半径方向流を促進するためのものである。スクリーンは、メッシュ、ワイヤ又は他の材料のいずれか、プロファイルワイヤ、又は穿孔プレートであり得る。移動床の場合、スクリーン又はメッシュは、流体が床を通って流れることを許容しながら、固体触媒粒子の損失を防止するための障壁を提供する。固体触媒粒子は、上部において添加され、装置を通って流れ、触媒の上の流体の流れを可能にするスクリーン化された包囲体を通過しながら、底部において取り出される。スクリーンは、好ましくは、非反応性材料で構築される。
【0005】
床内に触媒粒子を保持するために使用されるスクリーン又はメッシュは、粒子が通過することができないように十分に小さい開口を有するようにサイズ決定される。容器は、典型的には、触媒、吸収剤、樹脂、又は活性炭などの粒子状材料の床を含有する反応器である。粒子床を半径方向に通過する流体は通常、ガスであるが、液体又は液体/ガス混合物であってもよい。従来技術のシステムでは、環状の粒子床の外壁支持体は、容器の壁に適合する凸状の内面及び外面を有する個々のスカラップ部材のリングであることが多い。スカラップ部材は、粒子状材料のサイズよりも直径が小さい穿孔を包含する金属プレートから形成することができる。それらはまた、支持ロッドに溶接された複数の密接に離間したワイヤを有するスクリーン要素を含む、それらの凸状の内面で形成され得る。そのようなスカラップは、容器の上部内の開口部を通してそれらを持ち上げることによって、必要に応じて設置又は交換することができるようなサイズであることが多い。別のタイプの先行技術システムは、容器の外壁から内向きに離間された円筒形スクリーンバスケット部材を含む。そのような円筒形のスクリーンバスケット部材は、内側スクリーンパイプ部材と協働して、そのような内側部材と外側部材との間に位置付けられた粒子床が均一な厚さを有するようにする。しかしながら、システムは、スカラップ型スクリーンのように、容器
内の小さな上部開口部を通して、大径スクリーンを設置又は取り出すことができないので、非常に高価である。他の実施形態では、個々のスカラップの代わりに、個々のスカラップのリングと同じ領域を覆うように取り付けられたスクリーンによって同じ機能を果たすことができる。
【0006】
外側容器の内側表面の周りにスカラップ部材を有する先行技術システムの例としては、Hansen,Jr.の米国特許第3,167,399号、及びKovesらの米国特許第5,209,908号が挙げられる。Farnhamの米国特許第4,374,094号は、容器の側壁から離間した環状触媒床を囲む垂直スクリーンセグメントを示す。Schuurmanの米国特許第4,540,547号は、スクリーンセグメントのリングが中央に位置する触媒床を取り囲み、流出物がスクリーン表面を通過した後に流出物を受容する外側環状チャンバから触媒を分離する移動床反応器を示している。Nagaokaの欧州特許第0483975号は、当接した側壁及びスクリーン化された内壁を有する垂直に配置された器物のリングを含む半径方向流反応器内で粒子状触媒を保持するためのデバイスを示し、器物は触媒で充填され、環状外側流体チャンバと内側円筒流体チャンバとの間に位置付けられる。
【0007】
したがって、半径方向流反応器のための改善されたスカラップが必要とされている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の垂直に細長い導管の実施形態を示す。
【
図2】本発明の垂直に細長い導管の別の実施形態を示す。
【
図3】本発明の垂直に細長い導管の別の実施形態を示す。
【
図4】テーパ状前壁を有する装置の実施形態を示す。
【
図5A】セグメント化された導管の様々な実施形態を図示する。
【
図5B】セグメント化された導管の様々な実施形態を図示する。
【
図5C】セグメント化された導管の様々な実施形態を図示する。
【
図5D】セグメント化された導管の様々な実施形態を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
触媒が環状領域を流れる半径方向流反応器では問題が存在し、環状領域は、内側のスクリーン化されたパーティション及び外側のスクリーン化されたパーティションによって画定され、これにより、触媒床、又は粒状固体を保持するための粒子保持容量が画定される。通常はガスである流体は、パーティション及び触媒床を超えて流れ、触媒と反応し、通常はガスである生成物流体を生成する。反応器は、ガスが流れるスクリーンで触媒を保持する。これらのスクリーンの寸法は、典型的には、均一な半径方向及び軸方向のガス分散を提供するために必要な圧力降下を最小限に抑えるように確立されるが、これは、反応器内にかなりの容積を必要とする。これらのプロセスの既存の先行技術のスカラップ及び外側バスケットは全て、スカラップ/バスケットの長さに沿って一定の断面積を有する。
【0010】
米国特許第10,384,181号は、1つの解決策を記載している。装置は、下向き、又は重力方向に、ガスのクロスフローと共に固体が装置を通って流れるように配向されており、したがって、下向き及び上向きという用語の使用は、重力方向に対する方向に関する。
【0011】
触媒床深さ及び容積は変化し、半径方向流反応器の動作に利点が提供される。これは、化学産業において反応器容器容積を最大利用するのに有用であり、上記の米国特許第10,384,181号の特許の設計を使用すると、反応器内の総触媒含有量を20%超増加させることが可能である。上記の米国特許第10,384,181号の特許の設計の更なる利点は、触媒がより効率的に利用され得ることである。触媒は反応空間を通過する際
にコークの蓄積により不活性化するため、反応器のより低い領域での滞留時間を長くすることは、触媒を不活性化させることを伴うプロセス化学に好ましい。クロスフロー型内側スクリーンのピンニング設計と反応器全体の圧力降下の制約の中で、床の深さの大幅な増加を達成するために、液圧バランシングが使用される。容器の底部に見られる経路の長さは、33%を超えて増加させることさえできる場合がある。
【0012】
改質スカラップのサイズ決め(深さ)は、典型的には、供給分散のための許容可能な圧力降下を達成し、システム全体の圧力降下を最小限に抑えるために、ライザ入口構成要素に左右される。これにより、機器全体の大きな容積が得られる。スカラップ及び同等の機能的な反応器内部構成要素は、スカラップ/バスケットの長さに沿って断面積が変化するように構成されている(入口/出口ノズル付近で断面積が大きく、反対端において断面積が小さくなっている)。場合によっては、この構成を逆にすることができる。
【0013】
半径方向流反応器では、反応器は、内面及び外面を備え、触媒は、内面と外面との間に配設され、円筒形構造を形成する。所望の流動特性に応じて、内面を入口パーティション、外面を出口パーティションとすることも可能である。代替的に、外面は入口パーティションであり得、内面は出口パーティションであり得る。選択の決め手となる特徴には、流体中の化学物質のモル数の増減による流体の膨張又は収縮、並びに流体中の温度変化など、流体の流量が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0014】
‘181特許のスカラップ設計では、スカラップの上部から下部にかけて背面包囲体部分を輪郭削り/テーパ加工することにより、圧力降下最小化及び分散のためのライザをスカラップの上部及び下流部分に収容し、元の設計サイズの名目上50%に近づく容積減少に対応して、断面を徐々に減少させる。後面包囲体部分を輪郭削り/テーパ加工することにより、均一な触媒床深さを確立する平坦なプロファイルのワイヤ前面を維持することも可能であり、リバンプサービスのために実現可能な新しい交換できる設計を作製することができる。供給の95+%はスカラップ内のライザに入り、包囲されたスカラップ内に収容されるため、輪郭削り/テーパ加工されたスカラップの後ろのポケットは影響を受けず、反応器は変更又は設計修正なしで円筒形のままであり得る。上部から底部までの徐々に減少する断面はまた、速度水頭変換(一定速度又は減速に近づく)を低減し、システムに組み込まれた圧力降下の減少を伴う妥当な分散を可能にするのに有利である。
【0015】
従来技術のスカラップは、スカラップの長さに沿って一定の断面積を有する。’181特許設計の個別のスカラップは、一体型のバスケットよりも有利であり得る。個々のスカラップは、個々のセクションに設置することができ、(バスケット全体を交換するのとは対照的に)修復又は個別に交換することができる。更に、1つのスカラップが損傷に起因して、触媒の封じ込めを失っても、バスケット全体の封じ込めは失われない。モジュール式(個別のセクション)バスケットは、プロファイルワイヤから作製されたテーパ状の前面を使用して形成することができる。
【0016】
‘181の設計では、入口ノズルに最も近い端部は、液圧に必要な完全な断面積を有し得る。断面積は、長さに沿って、他方の端部において物理的最小値まで減少する。これは、スカラップの容積を有意な量(30%~50%)減少させる。また、触媒床の平均断面積が増加するため、スカラップ/反応器全体の長さもわずかに減少し得る。スカラップの重量が減少することで設置が容易になり得、コストも削減することができる。
【0017】
後部包囲体プレートは、スカラップの頂部から底部まで輪郭削り/テーパ加工することができる。スカラップの上部における圧力降下の最小化及び分散のためのライザのサイズ決めは、スカラップの下流部分から切り離される。スカラップの下流部分は、元の設計サイズの名目上60%に近づく容積減少に対応して、断面が徐々に減少するように最適化
することができる。後面包囲体部分を輪郭削り/テーパ加工することにより、均一な触媒床深さを確立する平坦なプロファイルのワイヤ前面を維持することも可能であり、リバンプ又は改造サービスのための実現可能な新しい交換できる設計を作製することができる。供給の95+%はスカラップ内のライザに入り、包囲されたスカラップ内に収容されるため、輪郭削り/テーパ加工されたスカラップの後ろのポケットは影響を受けず、反応器は円筒形のままであり得る。
【0018】
‘181設計のテーパ状スカラップは、既存のスカラップと同様の方法で反応器内に設置される。設置されると、テーパ状スカラップは、触媒床を包含する効果的な連続する外側バスケットを形成し、触媒床の上流に蒸気の入口分散容積を提供する(入口半径方向流の場合であるが、外向きの半径方向流の場合は逆になる)。
【0019】
‘181設計のスカラップは、半径方向流反応器内の触媒床に均一に分散されたプロセス流を提供する。設計は、隣接するスカラップ間の間隙への触媒の流れを遮断するための閉鎖ストリップを備えた単一長設計のプロファイルワイヤ/支持ロッド構造を特徴とする。
【0020】
別の改善されたスカラップ設計が開発されている。スカラップは、半径方向反応器の外壁の周囲に延在する垂直に細長い導管を備える。導管は、内面及び外面、及び一対の対向する側面を備える。
【0021】
導管の内面(すなわち、触媒に面する側)は、それに開口部を有する。それは、スクリーン、メッシュ、プロファイルワイヤなどを含み得る。
【0022】
いくつかの実施形態では、導管の内面(すなわち、触媒に面する側)は、複数のスロットを有するプレートを備える。スロットは、触媒の錠剤を包含するのに十分に小さくなければならない。スロットのサイズは、特定のプロセスで使用される触媒の錠剤のサイズに依存する。スロットは、典型的には、幅1mm以下である。スロットは、内面に実質的にわたって途切れることなく延在し得るか、又はプレートの中実部分によって分離されたスロットの列が存在し得る。「内面に実質的にわたって途切れることなく」という用語は、スロットが、プレートの中実部分によって内面にわたって途切れることなく距離の70%超、又は75%超、又は80%超、又は85%超、又は90%超、又は95%超延在することを意味する。スロットは、任意の好適なプロセスを使用してプレート内で切断され得るが、レーザ切断、水ジェット切断、又は場合によってはより薄いプレートでは、スロットをプレートに打ち抜くことを含むが、これらに限定されない。
【0023】
導管の側面はまた、隣接する導管間のガス流を許容するために、(内面よりも程度が低いが)複数の開口部を有するプレートを備え得る。開口部は、スロット、穴などであり得る。側面は、内面内のスロットによって覆われた領域の5~15%を覆う開口部を有し得る。
【0024】
導管の一端にライザがある。ライザは、導管が使用されるプロセスに応じて、上部又は底部にあり得る。
【0025】
外面は、固体であり得るか、又は1つ以上の開口部を有し得るプレートを備える。開口部は、スロット、穴などであり得る。外面に開口部を含めると、導管後方の金属触媒コーキング(MCCコーキング)を防止するために少量の流れが提供される。MCCコーキングは、プロセス流体が反応器内の内部金属と反応するときに起こり得る。
【0026】
スロット付きプレート導管設計は、任意選択的に、1つ以上の構造補剛材を含み得る
が、補剛材は必要とされない。補剛材は、半径方向流反応器プロセスで遭遇する半径方向床圧力及び軸方向床圧力の両方に対して設計を強化する。これらの補剛材は、内面に垂直な導管の内面の垂直長さに沿って延びるように設置される。補剛材は、導管の内面又は外面(又は両方)に(例えば、溶接によって)接続される。補剛材は、典型的には2~4mmの厚さであり、導管の内面(触媒に面する側)を支持するように均一に離間される。補剛材は、導管のテーパ(存在する場合)に一致するように切断される。補剛材は、導管の分離された区画間のガス連通を許容するためのスロット又は穴を有し得る。
【0027】
構造補剛材のこの設計により、流入するプロセス流体の流れが、導管の別個のセルに入る前に、より完全に均一な流れになることが可能となる。このタイプの他の発明は、支持ロッドの長さに沿った穿孔に依拠しているため、製作コストがかかるだけでなく、支持ロッドの構造的な完全性も低下させる。
【0028】
いくつかの実施形態では、補剛材は、触媒床の上部から延在する。他の実施形態では、補剛材の上部は、触媒床の上部まで延在しない。導管の別個のセル間の流体分散と、触媒床の上部に対する構造補剛材の上部終端の場所との影響を、計算流体力学(CFD)を使用して検討した。結果は、補剛材の上部を触媒床の上部と一致させるよりも、上部終端点を触媒床の上部の下方にすることで、流体分散が大きく改善されることを示していた。触媒床の上部から下の距離は、一般に、スロット付き内面と中央パイプ上のスクリーンとの間の距離の約半分~約2倍の範囲である。これは、例えば、6~30の範囲に変換される。
【0029】
導管は、必要な強度を維持しながら、従来技術の構造よりも安価で軽量である。
【0030】
導管は、実質的に長方形である。内面及び外面は、典型的には真っ直ぐである。いくつかの実施形態では、内面及び/又は外面は、反応器壁の曲率(例えば、360度を導管の数で割ったもの以下)に対応するように湾曲していてもよい。
【0031】
導管は、導管の長さに沿ってテーパ状又は非テーパ状であり得る。テーパ状導管では、上部における内面と外面との間の距離は、より低い場所における距離とは異なる。上部は、設計に応じて、底部よりも広いか、又は狭くすることができる。非テーパ状導管では、内面と外面との間の距離は、長さに沿って一定である。
【0032】
非テーパ状導管は、テーパ状設計に比べ、製作及び修復が容易で、かつ安価である。更に、非テーパ状設計は、テーパ状設計よりも触媒床内部の更に均一な蒸気分散を有する。
【0033】
スロット付きプレートスカラップは、ステンレス鋼を含むがこれらに限定されない任意の好適な材料から作製され得る。
【0034】
スロット付きプレート/補剛材構成により、リバンプユニットの強度を拡張可能にすることが可能となる。古い設計又は経年変化により中央パイプが弱くなっているため、強度を下げたスカラップが必要なユニットもある。中央パイプは、導管よりも強度が必要であるか、そうでなければ、不良が、触媒封じ込めの損失を引き起こす可能性がある。導管は、補剛材の数及び/又は厚さを調整する(又はそれらを完全に取り除く)、前面プレートの厚さを薄くする、若しくはその両方を組み合わせることで、様々なレベルの強度に設計することができる。これは、顧客が他の既存の機器によって、導管の強度の程度に制限され得るリバンプ改造を行う場合に重要である。
【0035】
損傷したスロット付き前面導管に対する修復作業は、支持ロッド/プロファイルワイ
ヤ構造と比較してはるかに容易である。プロファイルワイヤは標準品ではなく、特に多くのプロセスで必要とされる高ステンレス鋼のグレードでは、数社からのみ供給されている。更に、プロファイルワイヤは、溶接するのが非常に困難である。対照的に、スロット付き前面は、損傷した導管上に溶接、調達、及び設置することが非常に単純である。
【0036】
スロット付きプレート設計は、従来技術の導管に対する多くの改善を提供する。第1に、隣接する導管間に閉鎖ストリップ又はシールはない。これにより、触媒が隣接する導管間の空間に充填され、反応器内の触媒の量が増加し、これが収率を上昇させることが可能となる。導管間の触媒は、導管の側面がスロットを有する結果として活性しており、隣接する導管の間の空間にプロセスガスが流れ込むことが可能となる。蒸気流の一部分は、側面のスロットを通って出て、導管の間に位置する触媒を通過して流れる。触媒容積は、反応器の形状に応じて最大10%増加することができ(例えば、最大9%、又は最大8%、又は最大7%、又は最大6%、又は最大5%、又は最大4%、又は最大3%、又は最大2%、又は2%~10%、又は2%~9%、又は2%~8%、又は2%~7%、又は2%~6%、又は2%~5%、又は2%~4%、又は3%~10%、又は4%~10%、又は5%~10%、又は6%~10%、又は7%~10%、又は8%~10%)、これは著しい上昇である。
【0037】
加えて、閉鎖ストリップ又はシール機構を使用しないと、個々の導管の設置及び取り外しを簡素化し、設置時間を短縮する。閉鎖ストリップ及び/又はシール機構は、現場での取り付け作業、並びに現場での溶接及び検査を多く必要とする。これは、スロット付き内面導管設計で排除される。
【0038】
スロット付き内面を有する導管は、低圧力降下型である。スロット付き内面により、従来の深い支持ロッドを利用して強度を提供していた導管に比べ、導管の長さの下方に大幅により低い軸方向の摩擦圧力降下が可能となる。支持ロッドにより、導管の長さにかなりの量の軸方向の摩擦圧力降下が加えられる。この軸方向の摩擦圧力降下が大きいため、触媒床内の蒸気の不均等分散が大きくなる。蒸気の不均等分散は、より低い収率をもたらし得る。また、触媒のボイドブロー及び触媒の流動化が起こりやすくなり、反応器内の圧力降下が高まり得、それによってユニットの停止が引き起こされる。対照的に、本設計は、突起のない平坦なプレート構造を特徴とし、これは、軸方向の圧力降下を減少させ、プロセスガスの軸方向分散を向上させる。これは、半径方向流反応器の操作費に直接影響を及ぼすことになる。
【0039】
低圧力降下前面スロット付きプレート設計の別の利点は、導管の深さ(すなわち、内面から外面まで)を小さく設計することが可能となることである。これは、軸方向の摩擦圧力降下が、導管の内側の断面積及び粗さによる圧力降下に基づくという事実によるものである。新しい導管は、支持ロッドを利用する導管と比較して粗さが非常に低いため、断面積を、同じ軸方向の摩擦圧力降下を達成しつつ大幅により小さくすることができる。これにより、触媒容積の更なる増加が可能となる。また、中央パイプと導管の内面との間の距離を増加させることが可能になり、反応器内の点検及び設置、かつ補修作業のための人員アクセスの増加がもたらされる。反応器内の典型的な距離は、10”~18”の範囲であり、人員アクセスを更に1インチ又は2インチだけ増加させて、アクセスし易さを実質的に変えることができる。更に、新しい反応器をより小さな反応器の直径で設計することが可能となり、反応器のコスト、反応器の重量、構造、基礎などを低減することで、反応器の資本コストを削減する。
【0040】
導管は、より短い長さで製造することができるように設計されている。これらのセグメントは、共に取り付けられ、反応器内の設置前又は設置中に、顧客の現場において接続することができる。導管は、2つ以上のセグメント(例えば、2、3、4、5、又はそれ
以上)で作製することができる。セグメントは、反応器内に接続することができる。これにより、導管を設置するために反応器内部の残りを取り外す必要はないため、設置時間が減少する。更に、セグメント化された構造により、導管が標準的なサイズの出荷器物で出荷されることが可能となる。
【0041】
「複数」という用語は、2つ以上を意味する。
【0042】
本発明の一態様は、半径方向反応器内の装置であり、一実施形態では、装置は、半径方向反応器の外壁の周囲に延在する垂直に細長い導管であって、導管が、内面及び外面、並びに一対の対向する側面であって、内面が、それに複数のスロットを有し、一対の対向する側面が、それに複数の開口部を有する、内面及び外面、並びに一対の対向する側面、及び垂直に細長い導管の一端におけるライザを備える、垂直に細長い導管と、半径方向反応器内の垂直に配向された円筒中央パイプと、中央パイプ及び内面によって画定された触媒床と、を備える。
【0043】
いくつかの実施形態では、装置は、内面から外面まで延在する少なくとも1つの補剛材を更に備える。
【0044】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの補剛材は、垂直に細長い導管の高さ未満、垂直に延在する。
【0045】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの補剛材は、垂直に細長い導管の底部から垂直に細長い導管の上部の下方の場所まで垂直に延在し、この場所は、内面と中央パイプとの間の距離の半分~2倍の範囲の距離である。
【0046】
いくつかの実施形態では、複数のスロットは、内面に実質的にわたって途切れることなく延在する。
【0047】
いくつかの実施形態では、複数のスロットは、内面の中実部分によって分離された少なくとも2列のスロットに分割される。
【0048】
いくつかの実施形態では、内面は、一対の対向する側面よりも多くのスロットを有する。
【0049】
いくつかの実施形態では、外面は、1つ以上の開口部を有するプレートを備える。
【0050】
いくつかの実施形態では、内面が平坦であるか、又は外面が平坦であるか、又はその両方である。
【0051】
いくつかの実施形態では、垂直に細長い導管の上部における前面から背面までの距離は、垂直に細長い導管上のより低い場所における前面から背面までの距離とは異なり、触媒床の上部における中央パイプから垂直に細長い導管の内面までの距離は、触媒床のより低い場所において測定された距離とは異なる。
【0052】
いくつかの実施形態では、垂直に細長い導管の上部における前面から背面までの距離は、垂直に細長い導管上のより低い場所における前面から背面までの距離よりも大きく、触媒床の上部における中央パイプから垂直に細長い導管の内面までの距離は、触媒床のより低い場所において測定された距離未満である。
【0053】
いくつかの実施形態では、装置は、ライザから装置の反対端における蒸気出口を更に
備える。
【0054】
いくつかの実施形態では、導管は、2つ以上のセグメントを含み、各セグメントは、別のセグメント上のコネクタと接続するための少なくとも1つのコネクタを有する。
【0055】
本発明の別の態様は、半径方向反応器内の装置である。一実施形態では、装置は、半径方向反応器の外壁の周囲に延在する垂直に細長い導管であって、導管が、内面及び外面、並びに一対の対向する側面であって、内面が、それに複数のスロットを有し、一対の対向する側面が、それに複数のスロットを有する、内面及び外面、並びに一対の対向する側面、及び垂直に細長い導管の一端におけるライザを備える、垂直に細長い導管と、半径方向反応器内の垂直に配向された円筒中央パイプと、中央パイプ及び内面によって画定された触媒床と、を備える。
【0056】
いくつかの実施形態では、装置は、内面から外面まで延在する少なくとも1つの補剛材を更に備える。
【0057】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの補剛材は、垂直に細長い導管の高さ未満、垂直に延在する。
【0058】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの補剛材は、垂直に細長い導管の底部から垂直に細長い導管の上部の下方の場所まで垂直に延在し、この場所は、内面と中央パイプとの間の距離の半分~2倍の範囲の距離である。
【0059】
いくつかの実施形態では、複数のスロットは、内面に実質的にわたって途切れることなく延在する。
【0060】
いくつかの実施形態では、複数のスロットは、内面の中実部分によって分離された少なくとも2列のスロットに分割される。
【0061】
いくつかの実施形態では、内面は、一対の対向する側面よりも多くのスロットを有する。
【0062】
いくつかの実施形態では、外面は、1つ以上の開口部を有するプレートを備える。
【0063】
いくつかの実施形態では、内面が平坦であるか、又は外面が平坦であるか、又はその両方である。
【0064】
いくつかの実施形態では、垂直に細長い導管の上部における前面から背面までの距離は、垂直に細長い導管上のより低い場所における前面から背面までの距離とは異なり、触媒床の上部における中央パイプから垂直に細長い導管の内面までの距離は、触媒床のより低い場所において測定された距離とは異なる。
【0065】
いくつかの実施形態では、垂直に細長い導管の上部における前面から背面までの距離は、垂直に細長い導管上のより低い場所における前面から背面までの距離よりも大きく、触媒床の上部における中央パイプから垂直に細長い導管の内面までの距離は、触媒床のより低い場所において測定された距離未満である。
【0066】
いくつかの実施形態では、装置は、ライザから装置の反対端における蒸気出口を更に備える。
【0067】
いくつかの実施形態では、導管は、2つ以上のセグメントを含み、各セグメントは、別のセグメント上のコネクタと接続するための少なくとも1つのコネクタを有する。
【0068】
本発明の別の態様は、装置である。一実施形態では、装置は、半径方向反応器の外壁の周囲に延在する垂直に細長い導管であって、導管が、内面及び外面、並びに一対の対向する側面であって、内面が、それに複数のスロットを有し、一対の対向する側面が、それに複数のスロットを有する、内面及び外面、並びに一対の対向する側面、及び垂直に細長い導管の一端におけるライザを備える、垂直に細長い導管を備える。
【0069】
いくつかの実施形態では、装置は、内面から外面まで延在する少なくとも1つの補剛材を更に備える。
【0070】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの補剛材は、垂直に細長い導管の高さ未満、垂直に延在する。
【0071】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの補剛材は、垂直に細長い導管の底部から垂直に細長い導管の上部の下方の場所まで垂直に延在し、この場所は、反応器内の内面と中央パイプとの間の距離の半分~2倍の範囲の距離である。
【0072】
いくつかの実施形態では、複数のスロットは、内面に実質的にわたって途切れることなく延在する。
【0073】
いくつかの実施形態では、複数のスロットは、内面の中実部分によって分離された少なくとも2列のスロットに分割される。
【0074】
いくつかの実施形態では、内面は、一対の対向する側面よりも多くのスロットを有する。
【0075】
いくつかの実施形態では、外面は、1つ以上の開口部を有するプレートを備える。
【0076】
いくつかの実施形態では、内面が平坦であるか、又は外面が平坦であるか、又はその両方である。
【0077】
いくつかの実施形態では、垂直に細長い導管の上部における前面から背面までの距離は、垂直に細長い導管上のより低い場所における前面から背面までの距離とは異なる。
【0078】
いくつかの実施形態では、垂直に細長い導管の上部における前面から背面までの距離は、垂直に細長い導管上のより低い場所における前面から背面までの距離よりも大きい。
【0079】
いくつかの実施形態では、装置は、ライザから装置の反対端における蒸気出口を更に備える。
【0080】
いくつかの実施形態では、導管は、2つ以上のセグメントを含み、各セグメントは、別のセグメント上のコネクタと接続するための少なくとも1つのコネクタを有する。
【0081】
図1~
図3は、導管の異なる実施形態を図示する。
図1では、導管100は、内面105、外面110、及び一対の対向する側面115を有する。導管100は、内面105と外面110との間に延在する2つの補剛材120を有する。内面105は、複数のスロット125を含む。示されるように、複数のスロット125は、内面105の2つの中実部分によって分離された3つの列内に配置されている。側面115内に複数のスロット1
35が存在する。
【0082】
図2は、導管100の別の実施形態を図示する。この実施形態では、3つの補剛材120が存在する。複数のスロット125は、内面105の3つの中実部分130によって分離された4つの列内に配置されている。
【0083】
図3の実施形態では、複数のスロット125は、内面105にわたって延在する。複数のスロット125を分離する中実部分はない。
【0084】
図4は、上部から底部まで触媒床深さがどのように変化するかを図示し、テーパ状導管が使用される場合、反応器内の触媒容積の増加が提供される。反応器200では、反応器シェル205が示されている。本発明の実施形態では、蒸気210は、開口220を通してライザ215に入ることが示されている。導管225は、スロット付き内面230、外面235、及びスロット239を有する側面237を有する。いくつかの実施形態では、スロット付き内面230と表面245との間に触媒床240が示されており、これはスクリーン材料であり得る。触媒床240は、D1以上のD2、及びD2以上のD3、及び触媒床240の上部において取られた直径以上のD3を有する、サイズが変化する直径を有する。また、
図4には、反応器200の中央パイプ部分260内に蒸気流255として上向き方向に循環するように示されている、半径方向流蒸気250も示されている。
【0085】
図5A~
図5Dは、セグメント化された構造の様々な実施形態を図示する。
図5A及び
図5Bは、2つのセグメント導管300の正面図及び側面図を示す。2つのセグメント導管300は、第1のセグメント305及び第2のセグメント310を含む。第1のセグメント305は、第2のセグメント310上のコネクタ320と嵌合するためのコネクタ315を有する。
図5C及び
図5Dは、3つのセグメント導管400の正面図及び側面図を示す。3つのセグメント導管400は、第1のセグメント405、第2のセグメント410、及び第3のセグメント415を含む。第1のセグメント405は、第2のセグメント410のコネクタ425と嵌合するためのコネクタ420を有する。第2のセグメント410は、第3のセグメント415のコネクタ435と嵌合するためのコネクタ430を有する。
【0086】
特定の実施形態
以下を特定の実施形態と併せて説明するが、本明細書は、前述の説明及び添付の特許請求の範囲の範囲を例解するものであり、限定することを意図するものではないことが理解されよう。
【0087】
本発明の第1の実施形態は、半径方向反応器内の装置であり、装置は、半径方向反応器の外壁の周囲に延在する垂直に細長い導管であって、導管が、内面及び外面、並びに一対の対向する側面であって、内面が、それに複数のスロットを有し、一対の対向する側面が、それに複数の開口部を有する、内面及び外面、並びに一対の対向する側面、及び垂直に細長い導管の一端におけるライザを備える、垂直に細長い導管と、半径方向反応器内の垂直に配向された円筒中央パイプと、中央パイプ及び内面によって画定された触媒床と、を備える。本発明の実施形態は、本項における先の実施形態から本項における第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、内面から外面に延在する少なくとも1つの補剛材を更に備える。本発明の実施形態は、本項における先の実施形態から本項における第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、少なくとも1つの補剛材が、垂直に細長い導管の高さ未満、垂直に延在する。本発明の実施形態は、本項における先の実施形態から本項における第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、少なくとも1つの補剛材は、垂直に細長い導管の底部から垂直に細長い導管の上部の下方の場所まで垂直に延在し、この場所は、内面と中央パイプとの間の距離の半
分~2倍の距離である。本発明の実施形態は、本項における先の実施形態から本項における第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、複数のスロットは、内面に実質的にわたって途切れることなく延在している。本発明の実施形態は、本項における先の実施形態から本項における第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、複数のスロットは、内面の中実部分によって分離された少なくとも2列のスロットに分割されている。本発明の実施形態は、本項における先の実施形態から本項における第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、内面は、一対の対向する側面よりも多くのスロットを有する。本発明の実施形態は、本項における先の実施形態から本項における第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、外面は、1つ以上の開口部を有するプレートを備える。本発明の実施形態は、本項における先の実施形態から本項における第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、内面が平坦であるか、又は外面が平坦であるか、又はその両方である。本発明の実施形態は、本項における先の実施形態から本項における第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、垂直に細長い導管の上部における前面から背面までの距離は、垂直に細長い導管上のより低い場所における前面から背面までの距離とは異なり、触媒床の上部における中央パイプから垂直に細長い導管の内面までの距離は、触媒床のより低い場所において測定された距離とは異なる。本発明の実施形態は、本項における先の実施形態から本項における第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、垂直に細長い導管の上部における前面から背面までの距離は、垂直に細長い導管上のより低い場所における前面から背面までの距離よりも大きく、触媒床の上部における中央パイプから垂直に細長い導管の内面までの距離は、触媒床のより低い場所において測定された距離未満である。本発明の実施形態は、本項における先の実施形態から本項における第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、ライザから装置の反対端における蒸気出口を更に備える。本発明の実施形態は、本項における先の実施形態から本項における第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、導管は、2つ以上のセグメントを含み、各セグメントは、別のセグメント上のコネクタと接続するための少なくとも1つのコネクタを有する。
【0088】
本発明の第2の実施形態は、半径方向反応器内の装置であり、装置は、半径方向反応器の外壁の周囲に延在する垂直に細長い導管であって、導管が、内面及び外面、並びに一対の対向する側面であって、内面が、それに複数のスロットを有し、一対の対向する側面が、それに複数の開口部を有する、内面及び外面、並びに一対の対向する側面、及び垂直に細長い導管の一端におけるライザを備える、垂直に細長い導管と、半径方向反応器内の垂直に配向された円筒中央パイプと、中央パイプ及び内面によって画定された触媒床と、を備える。本発明の実施形態は、本項における先の実施形態から本項における第2の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、内面から外面に延在する少なくとも1つの補剛材を更に備える。本発明の実施形態は、本項における先の実施形態から本項における第2の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、少なくとも1つの補剛材が、垂直に細長い導管の高さ未満、垂直に延在する。本発明の実施形態は、本項における先の実施形態から本項における第2の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、外面は、1つ以上の開口部を有するプレートを備える。本発明の実施形態は、本項における先の実施形態から本項における第2の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、垂直に細長い導管の上部における前面から背面までの距離は、垂直に細長い導管上のより低い場所における前面から背面までの距離とは異なり、触媒床の上部における中央パイプから垂直に細長い導管の内面までの距離は、触媒床のより低い場所において測定された距離とは異なる。本発明の実施形態は、本項における先の実施形態から本項における第2の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、ライザから装置の反対端における蒸気出口を更に備える。本発明の実施形態は、本項における先の実施形態から本項における第2の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、導管は、2つ以上のセグメントを含み、各セグメントは、別のセグメント上のコネクタ
と接続するための少なくとも1つのコネクタを有する。
【0089】
本発明の第3の実施形態は、半径方向反応器内の装置であり、装置は、半径方向反応器の外壁の周囲に延在する垂直に細長い導管であって、導管が、内面及び外面、並びに一対の対向する側面であって、内面が、それに複数のスロットを有し、一対の対向する側面が、それに複数の開口部を有する、内面及び外面、並びに一対の対向する側面、及び垂直に細長い導管の一端におけるライザを備える、垂直に細長い導管を備える。本発明の実施形態は、本項における先の実施形態から本項における第3の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、内面から外面に延在する少なくとも1つの補剛材を更に備える。本発明の実施形態は、本項における先の実施形態から本項における第3の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、少なくとも1つの補剛材が、垂直に細長い導管の高さ未満、垂直に延在する。本発明の実施形態は、本項における先の実施形態から本項における第3の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、外面は、1つ以上の開口部を有するプレートを備える。本発明の実施形態は、本項における先の実施形態から本項における第3の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、垂直に細長い導管の上部における前面から背面までの距離は、垂直に細長い導管上のより低い場所における前面から背面までの距離とは異なる。本発明の実施形態は、本項における先の実施形態から本項における第3の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、ライザから装置の反対端における蒸気出口を更に備える。本発明の実施形態は、本項における先の実施形態から本項における第3の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、導管は、2つ以上のセグメントを含み、各セグメントは、別のセグメント上のコネクタと接続するための少なくとも1つのコネクタを有する。
【0090】
更に詳述することなく、前述の説明を使用して、当業者が、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく本発明を最大限まで利用し、かつ本発明の本質的な特性を容易に確認することができ、本発明の様々な変更及び修正を行い、様々な使用及び条件に適合させることができると考えられる。したがって、先行する好ましい特定の実施形態は、単なる例示として解釈されるべきであり、いかなるようにも本開示の残りを限定するものではなく、添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれる様々な修正及び同等の構成を網羅することを意図するものである。
【0091】
上記では、全ての温度は摂氏度で記載され、全ての部及び百分率は、別途記載のないかぎり、重量基準である。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半径方向反応器(200)内の装置であって、
前記半径方向反応器の外壁の周囲に延在する垂直に細長い導管(225)であって、前記導管(225)が、内面(230)及び外面(235)並びに一対の対向する側面(237)であって、前記内面(230)が、それに複数のスロットを有し、前記一対の対向する側面(237)が、それに複数の開口部(239)を有する、内面(230)及び外面(235)並びに一対の対向する側面(237)と、前記垂直に細長い導管(225)の一端におけるライザ(215)と、を備える、垂直に細長い導管(225)と、
前記半径方向反応器(200)内の垂直に配向された円筒中央パイプ(260)と、
前記中央パイプ(260)及び前記内面によって画定された触媒床(240)と、
前記内面(105)から前記外面(110)まで延在する少なくとも1つの補剛材(120)と
を備える、装置。
【外国語明細書】