(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024069428
(43)【公開日】2024-05-21
(54)【発明の名称】外科用器具
(51)【国際特許分類】
A61B 17/16 20060101AFI20240514BHJP
【FI】
A61B17/16
【審査請求】有
【請求項の数】22
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024038872
(22)【出願日】2024-03-13
(62)【分割の表示】P 2021505206の分割
【原出願日】2019-07-22
(31)【優先権主張番号】00945/18
(32)【優先日】2018-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CH
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ブルートゥース
(71)【出願人】
【識別番号】517002926
【氏名又は名称】シンセス・ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Synthes GmbH
【住所又は居所原語表記】Luzernstrasse 19/21, 4528 Zuchwil, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ウィンドルフ・マルクス
(72)【発明者】
【氏名】バルジャス・ビクトル
(72)【発明者】
【氏名】バルガ・ペーター
(57)【要約】 (修正有)
【課題】変位特性のみを使用して堅牢性の著しく高い数値的手順を含む切断又は穿孔加工中に、第1の密度を有する第1の媒体から異なる第2の密度を有する第2の媒体への切断工具又はドリルビットの遷移を判定する手段を備える外科用切断装置又は外科用穿孔装置を提供する。
【解決手段】外科用器具25、特に外科用切断器具又は外科用穿孔器具であって、外科用器具は、駆動ユニットと、駆動ユニットと係合可能な切断工具又はドリルビット5と、切断工具又はドリルビットによってカバーされた距離[x(t)]を、時間に関して、かつ基準位置に対して、切断又はドリル経路に沿って測定するように構成されている測定装置1と、処理unと、デジタルデータ記憶装置と、を備える
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用器具(25)であって、
駆動ユニットと、
前記駆動ユニットと係合可能な切断工具又はドリルビット(5)と、
前記外科用器具(25)に取り付けられた、又は前記外科用器具(25)と一体の測定装置(1)であって、前記切断工具又は前記ドリルビット(5)によってカバーされた距離[x(t)]を、時間に関して、かつ基準位置に対して、切断又はドリル経路に沿って測定するように構成されている、測定装置(1)と、
前記測定装置(1)に電子的に直接又は無線で接続され、前記切断工具又は前記ドリルビット(5)によってカバーされた前記距離[x(t)]のグラフGを、切断又はドリル加工中に、前記基準位置に対して、かつ時間に関して記録するようにプログラムされた処理ユニット(14)と、
デジタルデータ記憶装置と、を備え、
前記デジタルデータ記憶装置には、時間に関する、かつ切断又はドリル加工中の、第1の密度を有する第1の媒体から異なる第2の密度を有する第2の媒体への前記切断工具又は前記ドリルビット(5)の遷移の範囲の時間窓(11)内の、前記切断工具又は前記ドリルビット(5)によってカバーされた前記距離[x(t)]の少なくとも1つの基準グラフGRefを指定する少なくとも1つのデータセットを含む基準データが記憶されており、前記少なくとも1つの基準グラフGRefが、前記第1の媒体から前記第2の媒体への前記切断工具又は前記ドリルビット(5)の遷移(21’)の基準点を画定し、前記時間窓(11)は、遷移(21’)の前記基準点の前の第1の期間と、遷移(21’)の前記基準点の後の第2の期間と、を含み、
前記処理ユニット(14)は、類似性尺度により、記録されたグラフGを前記少なくとも1つの基準グラフGRefと比較し、前記記録されたグラフG又は前記記録されたグラフGの少なくとも1つの部分と前記少なくとも1つの基準グラフGRefとの間の最良に適合する部分を選択し、選択された前記基準グラフGRefの遷移(21’)の前記基準点を使用することによって、前記記録されたグラフG内の遷移(21)の位置xを見出すようにプログラムされていることを特徴とする、外科用器具(25)。
【請求項2】
前記デジタルデータ記憶装置が、前記類似性尺度のための既定の閾値を更に記憶し、前記処理ユニット(14)は、イベントをトリガし、類似性のための前記閾値に達した場合に遷移(21)の前記位置xを報告するようにプログラムされている、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項3】
前記デジタルデータ記憶装置が、前記基準グラフGRefの前記時間窓(11)と少なくとも同じ大きさの前記距離[x(t)]の現在の前記グラフGの実際の時間窓を保持するためのバッファとして構成されている、請求項2に記載の外科用器具。
【請求項4】
様々な穿孔又は切断特性を表す複数の基準グラフGRefが前記デジタルデータ記憶装置に記憶されており、前記処理ユニット(14)は、全ての記憶された基準グラフGRefについての類似性尺度によって、前記記録されたグラフG又は前記記録されたグラフGの前記少なくとも1つの部分と前記基準グラフGRefとの間の全体的な最良に適合する部分を見つけて、見つけた前記基準グラフGRefの遷移(21’)の前記基準点を使用することによって、前記記録されたグラフGにおける遷移(21)の位置xを特定する工程を繰り返すようにプログラムされている、請求項1~3のいずれか一項に記載の外科用器具。
【請求項5】
各基準グラフGRefが、遷移(21’)の前記基準点の後の前記第2の期間内の時間に関して続く、前記切断工具又は前記ドリルビット(5)によってカバーされた前記距離[x(t)]の少なくとも10の値によって指定される、請求項1~4のいずれか一項に記載の外科用器具。
【請求項6】
各基準グラフGRefが、遷移(21’)の前記基準点の前の前記第1の期間内の時間に関して続く、前記切断工具又は前記ドリルビット(5)によってカバーされた前記距離[x(t)]の少なくとも30の値によって指定される、請求項5に記載の外科用器具。
【請求項7】
各基準グラフGRef内で、遷移(21’)の前記基準点の後の前記第2の期間は、少なくとも0.1秒に達する、請求項1~6のいずれか一項に記載の外科用器具。
【請求項8】
各基準グラフGRef内で、遷移(21’)の前記基準点の前の前記第1の期間は、少なくとも0.3秒に達する、請求項7に記載の外科用器具。
【請求項9】
前記基準データが、遷移(21’)の前記基準点に到達する前の前記第1の期間内に、前記切断工具又は前記ドリルビット(5)によってカバーされた単調に増加する距離[x(t)]を有する基準グラフGRefを指定する、請求項1~8のいずれか一項に記載の外科用器具。
【請求項10】
前記外科用器具(25)が、外科用切断装置又は外科用穿孔装置を更に含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の外科用器具。
【請求項11】
前記外科用穿孔装置が外科用動力ドリル(2)であり、前記駆動ユニットは、モータと、前記モータによって駆動可能であり、かつ、前記基準点がインプラント(26)又は骨の表面によって画定可能であるように長手方向軸(7)を有するスピンドル(13)と、を含む、請求項10に記載の外科用器具。
【請求項12】
前記処理ユニット(14)が、モニタ付きのコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォン、スマートウォッチ、又はスマートグラスのうちの1つである、請求項1~11のいずれか一項に記載の外科用器具。
【請求項13】
前記処理ユニット(1)が、無線通信装置を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の外科用器具。
【請求項14】
前記外科用器具がハウジング(12)を更に備える、請求項1~13のいずれか一項に記載の外科用器具。
【請求項15】
前記測定装置(1)は、前記外科用動力ドリル(2)の前記ハウジング(12)に取り外し可能に固定可能であるアダプタ(15)を備える、請求項11を引用する請求項14に記載の外科用器具。
【請求項16】
前記測定装置(1)が、前記測定装置(1)を前記ハウジング(12)に取り外し可能に固定するためのクランプを備える、請求項14又は15に記載の外科用器具。
【請求項17】
前記アダプタ(15)は、プレス嵌めによって又はクランプカラーを介して前記ハウジング(12)に固定される環状フレーム構造体として構成されている、請求項15に記載の外科用器具。
【請求項18】
前記測定装置(1)が前記ハウジング(12)と一体である、請求項14~17のいずれか一項に記載の外科用器具。
【請求項19】
前記記録されたグラフG内の遷移(21)の前記位置xを見出すために、前記基準グラフGRefに最良に適合する前記グラフGの前記部分を選択するために適用される前記類似性尺度が、形状コンテキスト記述子である、請求項1~18のいずれか一項に記載の外科用器具。
【請求項20】
前記基準データが、切断又はドリル加工中に、前記第1の密度を有する前記第1の媒体から異なる前記第2の密度を有する前記第2の媒体への、前記切断工具又は前記ドリルビット(5)の遷移の範囲で、複数の予測的に記録されたグラフGの統計的表現を指定する、請求項1~19のいずれか一項に記載の外科用器具。
【請求項21】
前記基準データが、前記外科用切断器具又は前記外科用穿孔器具の使用中に連続的に補正される、請求項1~20のいずれか一項に記載の外科用器具。
【請求項22】
前記基準データの前記補正が、機械学習アルゴリズムによって、実行される、請求項21に記載の外科用器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、独立請求項1のプリアンブルによる外科用器具、及び請求項55のプリアンブルによる穿孔特性からの骨ねじ長さ推定のための方法に関する。
【0002】
臨床観察から、整形外科手術及び外傷手術における1つの問題は、ねじを骨片に挿入する前に、必要なねじ長さ(例えば、二皮質ねじ配置)を決定することである。現在の機械的な深さゲージは、むしろ不正確で信頼性がなく、取り扱いが困難であり、結果として:
・手術時間が長引く、
・過度に長いねじの挿入により、軟組織の刺激、痛み、及び再操作がもたらされる、
・過度に短いねじの挿入により、骨形成不全、再操作がもたらされる、
・ねじを交換する必要が生じ、ねじが無駄になり、ハードウェアコストが増加する。
【背景技術】
【0003】
外科用工具の前縁部が第1の媒体から第2の媒体へと通過するときを判定するための統合測定システムを含む外科用動力ドリルは、米国特許出願公開第2016/036756号(MCGINGLEYら)から既知である。この既知の動力ドリルは、工具の前縁部の基準点に対する変位を表す変位信号を出力する変位センサと、変位信号に基づいて速度信号及び加速度信号を生成するための変位センサと動作可能に通信する計算モジュールと、変位信号、速度信号、及び加速度信号のみに基づいて、工具前縁部の第1の媒体から第2の媒体への通過の発生を判定するように構成された計算モジュールと動作可能に通信する処理モジュールと、を備えている。この既知の外科用動力ドリルの欠点は、第1の媒体から第2の媒体への工具の前縁部の遷移を判定するために使用される基準データが、工具の第1の媒体から第2の媒体への遷移の時点のみの、工具の変位、速度、及び加速度に関する瞬間の閾値のみを含むことである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の目的は、変位特性のみを使用して堅牢性の著しく高い数値的手順を含む切断又は穿孔加工中に、第1の密度を有する第1の媒体から異なる第2の密度を有する第2の媒体への切断工具又はドリルビットの遷移を判定する手段を備える外科用切断装置又は外科用穿孔装置を提供することである。
【0005】
本発明は、請求項1に記載の特徴を含む外科用器具と、請求項55に記載の特徴を含む穿孔特性からの骨ねじ長さ推定のための方法を用いて、問題を解決する。
【0006】
外科用器具の利点は、本質的に、以下に見ることができる。
・切断工具又はドリルビットの遷移の判定は、切断工具又はドリルビットによってカバーされた距離の複数の基準グラフに基づくものであり、各基準グラフは、遷移の基準点の前の第1の期間と遷移の基準点の後の第2の期間とを含む時間窓内に延びて、外科用穿孔装置の場合、ドリルビットが骨の皮質を出る点の検出の有意性を改善することができる。
・処理ユニットは、ドリルビットの切削先端部が骨の近位皮質を出る位置、遠位皮質を出る位置それぞれで生じる、第1の媒体から第2の媒体へのドリルビットの遷移の位置に関する2つの値を報告することができる。次いで、外科医は、ユニコーティカル(unicortical)骨ねじ、又はバイコーティカル(bicortical)骨ねじのいずれが適用されるかを決定することができる。
・唯一の位置センサを使用することにより、測定ユニットは単純な構成を有し、したがって、標準的な外科用切断装置又は外科用穿孔装置に一時的に取り付けられ得る別個のユニットとして構成され得る。
【0007】
本発明の更なる有利な実施形態は、以下のように解説することができる。
【0008】
特別な実施形態では、デジタルデータ記憶装置は、類似性尺度のための既定の閾値を更に記憶し、処理ユニットは遷移イベントをトリガし、類似性のための閾値に達した場合に遷移の位置xを報告するようにプログラムされている。
【0009】
更なる実施形態では、デジタルデータ記憶装置は、基準グラフGRefの窓と少なくとも同じ大きさの距離[x(t)]の現在のグラフGの実際の時間窓を保持するためのバッファとして構成されている。
【0010】
更なる実施形態では、様々な穿孔又は切断特性を表す複数の基準グラフGRefがデジタルデータ記憶装置に記憶されており、処理ユニットは、全ての記憶された基準グラフGRefについての類似性尺度によって、記録されたグラフG又は記録されたグラフGの少なくとも1つの部分と基準グラフGRefとの間の一致を定量化し、グラフGと全ての基準グラフGRefとの間の全体的な最良の適合を見つけて、記録されたグラフGにおける遷移の位置xを特定する工程を繰り返すように好適にプログラムされている。
【0011】
別の実施形態では、各基準グラフGRefは、遷移の基準点の後の第2の期間内の時間に関して続く、切断工具又はドリルビットによってカバーされた距離[x(t)]の少なくとも10の値、好ましくは少なくとも20の値によって指定される。
【0012】
再び別の実施形態では、各基準グラフGRefは、遷移の基準点の前の第1の期間内の時間に関して続く、切断工具又はドリルビットによってカバーされた距離[x(t)]の少なくとも30の値、好ましくは少なくとも40の値によって指定される。
【0013】
遷移の基準点の前後の切断工具又はドリルビットによってカバーされた距離[x(t)]の複数の値を使用することによって、アルゴリズムの堅牢性が改善されるという利点が得られる。これは、切断工具又はドリルビットの遷移の検出は、遷移点における特徴のみに限定されるものではなく、遷移点前後の切断工具又はドリルビットの動きを特徴付けることによって実行されるためである。これにより、間違った正イベントをフィルタリングし、排除することができる。
【0014】
更なる実施形態では、各基準グラフGRef内で、遷移の基準点の後の第2の期間は、少なくとも0.1秒、好ましくは少なくとも0.3秒に達する。
【0015】
更なる実施形態では、各基準グラフGRef内で、遷移の基準点の前の第1の期間は、少なくとも0.3秒、好ましくは少なくとも0.4秒に達する。
【0016】
更なる実施形態では、基準データは、遷移の基準点に到達する前の第1の期間に、切断工具又はドリルビットによってカバーされた単調に増加する距離[x(t)]を有する基準グラフGRefを指定する。ドリルビットが骨から出て、出てからはっきりと静止した時点で、ユーザが意図しない更なる運動を実行し、ドリルビットを更に前進させる。従来技術から既知の装置のうちの1つを使用して、遷移についての全ての基準が満たされ、その結果、遷移の点の間違った値が検出されて著しく長すぎる骨ねじが選択され、骨内に位置決めされる。切断工具又はドリルビットの一定の前進速度v>0の要件により、そのようなイベントは、フィルタリングされ、排除され得る。
【0017】
再び更なる実施形態では、外科用器具は、外科用切断装置又は外科用穿孔装置を更に備える。
【0018】
別の実施形態において、外科用穿孔装置は外科用動力ドリルであり、駆動ユニットは、モータと、モータによって駆動可能であり、かつ、基準点がインプラント又は骨の表面によって画定可能であるように長手方向軸を有するスピンドルと、を含む。処理ユニットによって実行されるプログラムは、穿孔特性のみに基づいて骨ねじ長さの推定を可能にする。
【0019】
別の実施形態では、処理ユニットは、モニタ付きのコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォン、スマートウォッチ、又はスマートグラスのうちの1つである。
【0020】
別の実施形態では、処理ユニットは、無線通信装置、好ましくはブルートゥースモジュールを含む。導出された情報、すなわち、時間に関するドリルビットの切削先端部の測定位置x、並びに計算された遷移の点は、モニタ付きのコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォン、スマートウォッチ、又はスマートグラスなどの外部装置に無線で送信されてもよい。
【0021】
更に別の実施形態では、外科用器具はハウジングを更に備える。
【0022】
更なる実施形態では、測定装置は、取り付け手段、好ましくは外科用動力ドリルのハウジングに取り外し可能に固定可能であるアダプタを備える。この構成は、測定装置が、標準的な外科用動力ドリルに一時的に取り付けられ得る別個のユニットとして構成され得るという利点を可能にする。
【0023】
更なる実施形態では、測定装置は、測定装置をハウジングに取り外し可能に固定するためのクランプを備える。
【0024】
更なる実施形態では、アダプタは、ハウジングに取り付け可能なフレーム構造体として構成され、好ましくは、プレス嵌めによって又はクランプカラーを介してハウジングに固定される環状フレーム構造体として構成されている。
【0025】
再び更なる実施形態では、測定装置はハウジングと一体である。
【0026】
別の実施形態では、記録されたグラフGの遷移の位置xを見出すために、基準グラフGRefに最良に適合するグラフGの部分を選択するために適用される類似性尺度は、パターン認識アプローチ、好ましくは形状コンテキスト記述子である。
【0027】
別の実施形態では、基準データは、切断又はドリル加工中に、第1の密度を有する第1の媒体から異なる第2の密度を有する第2の媒体への、切断工具又はドリルビットの遷移の範囲で、複数の予測的に記録されたグラフGの統計的表現を指定する。
【0028】
更なる実施形態において、基準データは、切断装置又は穿孔装置の使用中に連続的に補正される。
【0029】
更なる実施形態では、基準データの補正は、機械学習アルゴリズムによって、好ましくはニューラルネットワークの使用を伴うことによって、実行される。
【0030】
別の実施形態では、測定装置は、非接触変位センサを備える。
【0031】
好ましくは、非接触変位センサは三角測量距離センサであり、光トランスミッタ及び対応するレシーバを備える。
【0032】
別の実施形態では、非接触変位センサはLED光トランスミッタを備える。
【0033】
更なる実施形態では、測定装置は、レーザーモジュールと、1つ以上の電子光センサ、好ましくは変位評価のためにレーザー三角測量を行うための電荷結合装置(CCD)と、を備えるレーザー装置を含む。三角測量による変位評価のためのレーザー装置の使用による測定装置の構成は、変位可能部材とセンサとの間に機械的アームを有さない測定装置の単純な構成を可能にする。これにより、外科医の作業野は占有されず、視界も遮られない。非接触距離測定は、患者の汚染リスクを低減し、機械的接触測定とは対照的に、ドリル加工に影響を与えない。更に、様々な異なる長さのドリルビット及びドリルスリーブを使用することができるように、既知の装置の6.4cmと比較して、例えば、15cm~30cmの著しく大きい測定範囲が達成される。
【0034】
再び更なる実施形態では、非接触変位センサは、レーダー、好ましくはミリ波レーダーセンサに基づく。
【0035】
別の実施形態では、非接触変位センサは、超音波距離センサである。
【0036】
更なる実施形態では、非接触変位センサは、ドリルビットに沿って摺動可能であり、インプラント、骨、又は器具に当接するように構成された反射器を備える。
【0037】
更なる実施形態では、処理ユニットは、ディスプレイ又はラウドスピーカを更に備える。導出された情報は、ドリル加工機にローカルに取り付けられたディスプレイ上に又はスピーカに提供されてもよく、主出力パラメータは、ドリルビットの切削先端部の現在位置xであり、これは、長手方向軸の方向及びインプラント、器具、又は骨の表面に対して、ハウジングによってカバーされた測定された距離xと一致する。前方に移動するドリルビットの現在の速度、及びドリルビットの第1の媒体から第2の媒体への遷移時におけるドリルビットの切削先端部の位置から適切なインプラントの長さが導き出され得る。
【0038】
別の実施形態では、測定装置は、処理ユニットを封入するケーシングを備える。
【0039】
好ましくは、処理ユニットを封入するケーシングは滅菌可能である。
【0040】
別の実施形態では、測定装置は、ハウジングに対して固定位置にある第1の部材と、第1の部材に対してスピンドルの長手方向軸の方向に本質的に変位可能であり、骨又はインプラントの表面に当接するのに好適な前端部を含む長手方向の第2の部材と、を備える。
【0041】
更に別の実施形態では、変位可能な第2の部材は、長手方向軸の方向に第2の部材の前端部まで延びるドリルスリーブを備える。
【0042】
更なる実施形態では、測定装置の第1の部材及び好ましくは処理ユニットは、外科用動力ドリルのハウジングに配置された中空空間に挿入可能である。
【0043】
再び更なる実施形態では、第1の部材及び好ましくは処理ユニットは、外科用動力ドリルを駆動するための電源及び/又はモータを更に備える電子モジュールの一部であり、電源は、第1の部材及び好ましくは処理ユニット及びモータに電気エネルギーを供給するように構成されている。
【0044】
別の実施形態では、中空空間は、ハウジングのハンドル内に配置され、電子モジュールを受け入れるように構成されている。
【0045】
別の実施形態では、ハウジングは、ディスプレイを覆うための滅菌可能な窓を含む上部を備える。
【0046】
好ましくは、上部はハウジングと一体であり、ディスプレイのためのケーシングを形成する。
【0047】
更なる実施形態では、ハウジングは、少なくとも1つの滅菌窓を備え、非接触変位センサによって放出された信号及び非接触変位センサによって受信可能な反射信号のための窓を提供する。
【0048】
更なる実施形態では、滅菌窓は、陥凹窓として構成されている。重要な透明表面は滅菌中の機械的衝撃及び引っ掻きに対して保護され、光ビーム入口及び出口の漏洩を回避するよう扱われる。
【0049】
再び更なる実施形態では、ケーシングは、アダプタによってハウジングに取り付け可能であり、電子モジュールを受け入れるように構成された空洞を備える。
【0050】
別の実施形態では、ケーシングは、ケーシングの後端部に配置され、ディスプレイを覆うための滅菌可能な後部窓を含む蓋を備える。
【0051】
別の実施形態では、ケーシングは、非接触変位センサによって放出された信号及び非接触変位センサによって受信可能な反射信号のための窓を提供する、少なくとも1つの滅菌前方窓を備える。
【0052】
別の実施形態では、変位可能な第2の部材は、可変直径を有する円筒形構造体に取り付けるためのクランプ部分を備える。
【0053】
別の実施形態では、変位可能な第2の部材のクランプ部分は、ドリルビットに摩擦嵌めを提供するように構成されている。これにより、反射器がドリルビットに沿って摺動することができるが、重力又は小さな衝撃に起因して移動しないという利点が達成され得る。このようにして、器具又はインプラントの形状を正確に適合させる必要なく、反射器が器具又はインプラントの表面に押し付けられる。
【0054】
更なる実施形態では、測定装置は、ハウジングに対して、非接触変位センサによって放射されたビームがスピンドルの長手方向軸に対してオフセット角度で配向されるように位置決めされている。この構成により、変位可能な第2の部材の直径を減少させることができるという利点が可能となる。
【0055】
更なる実施形態では、測定装置の第1の部材は、スピンドルの長手方向軸に対して中心から外れて位置決めされている。これにより、(放射され反射された)レーザービームが、ドリルビットによって妨害されないという利点が達成され得る。操作者の視界は妨害されにくい。
【0056】
更なる実施形態では、測定装置は、少なくとも1つの加速度計を備える。これにより、装置は、ボタンではなくジェスチャによって操作され得る。実施例:下向きの垂直(限度内)に向けられた場合にのみ、タール分注(taring)が可能である。ドリルを上向きの垂直に向けることによって、タール分注モードに切り替え戻す。安全なエネルギーへの装置の動きによるスリープモード及び起動。
【0057】
別の実施形態では、測定装置は、ジャイロスコープ及び/又は磁力計を更に含む。この構成により、ドリルの絶対配向を追跡して穿孔方向を制御することができるという利点が可能となる。
【0058】
他の実施形態では、外科用器具は、較正装置を更に備える。
【0059】
更なる実施形態では、処理ユニットは、リアルタイムで計算するようにプログラムされている。
【0060】
更なる実施形態では、処理ユニットは、好ましくは安全マージン、ねじ頭部長さ、先端部分の長さ及びねじの長さの増分を含む、骨ねじ長さに関連するデータを記憶するためのデータメモリを備える。
【0061】
更なる実施形態では、処理ユニットは、外科用動力ドリルのスピンドルの回転速度を制御するように、又は遷移の点が検出されたときにスピンドルを停止させるように、好適にプログラムされる。
【0062】
本発明の更なる態様において、本発明による外科用動力ドリルを使用した穿孔特性からの骨ねじ長さ推定のための方法は、A)外科用動力ドリルをスピンドルの長手方向軸線と同軸方向に前進させて、骨に穴を開け、穿孔方向における骨又はインプラントの表面に対するドリルビットの切削先端部の位置(x)を時間に関して記録する工程と、B)記録されたグラフG内の第1の媒体から第2の媒体へのドリルビットの遷移の位置を見つけるために、記憶された基準データを使用して、ドリルビットの切削先端部が骨の皮質を出るときに、骨又はインプラントの表面に対しドリルビットによってカバーされた距離[x(t)]を決定する工程と、C)所定の安全マージンを考慮して、工程B)で決定されたドリルビットによってカバーされた距離[x(t)]に対応する長さを有する骨ねじを選択する工程と、を含む。
【0063】
本方法の更なる実施形態では、工程A)の前に、
変位可能な第2の部材の前端部及びドリルビットの切削先端部が骨又は物体の表面に当接するように、外科用動力ドリルを骨に対して位置決めする工程と、
必要に応じて、データ記憶装置に記憶されたオフセット値を相対位置に追加する工程と、
相対位置を、穿孔方向における骨の表面に対するドリルビットの切削先端部の位置(x)の測定のために、開始点(x=0)として時間に関して記憶する工程と、が実行される。
【0064】
この場合、第2の部材は、長手方向軸の方向に第2の部材の前端部まで延びるドリルスリーブを備える。
【0065】
本方法の更なる実施形態では、工程A)の前に、
変位可能な第2の部材の前端部が、治療される骨を覆う軟組織に挿入されたドリルスリーブに当接するように、外科用動力ドリルを骨に対して位置決めする工程と、
ドリルビットの切削先端部が骨の表面に当接するように、外科用動力ドリルの係合手段に固定されたドリルビットの切削先端部を変位可能な第2の部材に対して調節する工程と、
必要に応じて、データ記憶装置に記憶されたオフセット値を相対位置に追加する工程と、
相対位置を、穿孔方向における骨又はインプラントの表面に対するドリルビットの切削先端部の位置(x)の測定のために、開始点(x=0)として時間に関して記憶する工程と、が実行される。
【0066】
この場合、別個のドリルスリーブを使用することができる。
【0067】
本方法の別の実施形態では、工程A)の前に、
較正装置を使用することによって、第2の部材の前端部が較正装置の表面に接触し、ドリルビットの切削先端部が、較正装置の表面から突出する停止部に当接するように、係合手段に固定されたドリルビットを変位可能な第2の部材に対して位置決めする工程と、
相対位置を、穿孔方向における骨又はインプラントの表面に対するドリルビットの切削先端部の位置(x)の測定のために、開始点(x=0)として時間に関して記憶する工程と、
変位可能な第2の部材の前端部がインプラントの表面に当接するように、外科用動力ドリルをインプラントに対して位置決めする工程と、が実行される。
【0068】
好ましくは、外科用器具の切断工具又はドリルビットによって貫通された第1の媒体は、皮質骨又は骨梁骨である。
【0069】
好ましくは、本発明による外科用動力ドリルは、骨ねじ長さ推定のために使用される。
【図面の簡単な説明】
【0070】
具体例を挙げ、添付の図面を参照して、本発明のいくつかの実施形態について以下で述べる。
【
図1】本発明による装置の一実施形態の斜視図である。
【
図2】基準データ及び処理ユニットによって実行される処理によって指定された基準グラフの略図である。
【
図3】骨を貫通して穴を開ける場合の処理ユニットによって実行される処理の略図である。
【
図4】本発明の一実施形態による装置の別の実施形態の斜視図である。
【
図5】本発明による装置の更なる実施形態の斜視図である。
【
図7】本発明による装置と共に使用するための較正装置の斜視図である。
【
図8】本発明による装置のドリルビット及び変位可能な第2の部材の実施形態と共に、
図7の較正装置の斜視図である。
【
図9】ドリルビット及び本発明による装置の変位可能部材の実施形態と共に、ドリル加工の開始点における、骨上に位置決めされたインプラントの概略断面図である。
【
図10】ドリルビット及び本発明による装置の変位可能部材の実施形態と共に、ドリルビットが骨の表面に当接する点における、骨上に位置決めされたインプラントの概略断面図である。
【
図11a】本発明による装置の変位可能な第2の部材の異なる実施形態の斜視図である。
【
図11b】本発明による装置の変位可能な第2の部材の異なる実施形態の斜視図である。
【
図11c】本発明による装置の変位可能な第2の部材の異なる実施形態の斜視図である。
【
図11d】本発明による装置の変位可能な第2の部材の異なる実施形態の斜視図である。
【
図11e】本発明による装置の変位可能な第2の部材の異なる実施形態の斜視図である。
【
図12】本発明による装置の別の実施形態の斜視図である。
【
図13】
図12による装置の実施形態の測定装置の第1の部材の斜視図である。
【
図14】
図12による装置の実施形態の測定装置の第1の部材の別の斜視図である。
【
図15】
図12による装置の実施形態の正面からの斜視図である。
【
図16】本発明による装置の別の実施形態による測定装置の変位可能な第2の部材の斜視図である。
【
図17】ドリルスリーブ及び較正装置と共に、
図16による測定装置の変位可能な第2の部材を含むアセンブリの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0071】
外科用器具25の異なる実施形態の以下の説明は、限定するものではなく例示的に、外科用動力ドリル2として構成された外科用穿孔装置を対象としており、
・駆動ユニットは、モータと、モータによって駆動可能であり、ドリル経路が延びる方向に長手方向軸7を有するスピンドル13とを含み、
・係合手段は、ドリルビット5をクランプすることを可能にするチャック6として構成され、
・基準位置は、インプラント26又は骨の表面によって画定される。
【0072】
測定装置1は、センサによって生成されたアナログ信号をデジタル化信号に変換するための信号調整器を備え得る。更に、処理ユニット14は、相対位置xを時間に関して記録するためのタイマー又はクロックを備えてもよい。
【0073】
定義
現在使用されている用語及び文言の以下の定義は、本明細書全体を通して使用されるときのその正確な意味を記載する。
【0074】
骨又はインプラントの表面に対するドリルビットの切削先端部の位置x:ドリル加工中、スピンドル13の長手方向軸7の方向に、及び骨の表面又はインプラント26の表面に対するハウジング12によってカバーされた距離xは、ドリルビット5が外科用動力ドリル2のチャック6内にしっかりと固定され、以下に詳細に記載されるようにドリル加工の開始時に位置決めされるため、穿孔方向における骨又はインプラント26の表面に対するドリルビット5の切削先端部9の位置xに関連する。
【0075】
穴が開けられる物体、例えば骨に応じて、切断工具又はドリルビット5の、第1の媒体から第2の媒体への2つ以上の遷移の点21、例えば皮質骨から海綿骨(スポンジ骨)への第1の遷移、及び皮質骨から周囲組織への第2の遷移が存在し得る。1つ以上の基準グラフGRefに関して、遷移の基準点は参照番号21’で示される。
【0076】
図1は、本発明による外科用動力ドリル2の実施形態を示し、外科用動力ドリル2は、モータ及びモータに駆動されるスピンドル13が収容されるハウジング12と、ハウジング12に取り外し可能に取り付けられるか又は固定された測定装置1と、測定装置1をハウジング12に固定するアダプタ15と、を本質的に含む。スピンドル13は、長手方向軸7を有し、ドリルビット5をクランプするための前端部にチャック3を備える。測定装置1は、ハウジング12に対して固定位置にある第1の部材3と、限定するものではなく例示的に、第1の部材3に対してスピンドル13の長手方向軸7に平行又は同軸に変位可能である、長手方向の第2の部材4と、を備える。あるいは、測定装置1は、第2の部材4がスピンドル13の長手方向軸7に対してある角度で変位可能であるように、ハウジング12に配置することができる。このアンギュレーション(余弦誤差)によって生じる系統的誤差は、容易に補償することができる。この構成は、測定先端部をドリルビット5に近接して配置することができるように、反射器をより小さくすることができるという利点を有する。
【0077】
変位可能な第2の部材4は、使用中、変位可能な第2の部材4の前端部10が骨表面又はインプラント26の表面(例えば骨プレート又はドリルスリーブ)に当接する前端部10を有する。ドリルビット5は、チャック6内にクランプされてもよく、切削先端部9を備えている。更に、変位可能な第2の部材4は、長手方向軸7の方向に第2の部材4の前端部10まで延びるドリルスリーブ23を備えることができる。
【0078】
測定装置1は、線形変位評価のためのレーザー装置を備える。このレーザー装置は、レーザー発光手段を有するレーザーモジュール18と、ドリルビット5に沿って摺動可能である第2の部材4を形成するドリルスリーブ23に取り付けられた反射器20と、限定するものではなく例示的に、線形変位評価のためにレーザー三角測量を行うための電荷結合装置(CCD)として構成されている、少なくとも1つの電子光センサ19とを備える。
【0079】
別の代替的な実施形態では、線形変位評価は、超音波位置センサを使用することによって実行される。
【0080】
骨に孔を開けた後の深さ測定工程を排除するようドリル手順においてねじ長さ決定を組み込むために、測定装置1の構成は、穿孔の際に手持ち式ドリルでは避けられない属性として、ドリルビット5の切削先端部9が骨皮質を出るときに、ドリルビット5の加速ピークが発生するという事実に基づいている。つまり、外科用動力ドリル2のハウジング12は、測定装置1の第1の部材3と共に同じ加速度に供される。
【0081】
外科用器具25は、処理ユニット14及びデジタルデータ記憶装置を更に備える。処理ユニット14は、測定装置1に電子的に直接又は無線で接続され、切断工具又はドリルビット5によってカバーされた距離[x(t)]のグラフGを、切断又はドリル加工中に、基準位置に対して、かつ時間に関して記録するように好適にプログラムされる。デジタルデータ記憶装置には、時間に関する、かつ切断又はドリル加工中の、第1の密度を有する第1の媒体から異なる第2の密度を有する第2の媒体への切断工具又はドリルビット5の遷移の範囲における時間窓11内の、切断工具又はドリルビット5によってカバーされた距離[x(t)]の基準グラフGRefをそれぞれ指定する1つ以上のデータセットを含む、基準データが記憶されている。
【0082】
図2に示すように、様々な穿孔又は切断特性を表す複数の基準グラフG
Refは、デジタルデータ記憶装置に記憶することができる。処理ユニット14は、全ての記憶された基準グラフG
Refについての類似性尺度によって、記録されたグラフG又は記録されたグラフGの少なくとも1つの部分と基準グラフG
Refとの間の一致を定量化し、グラフGと全ての基準グラフG
Refとの間の全体的な最良の適合を見つけて、記録されたグラフGにおける遷移21の位置xを特定する工程を繰り返すように好適にプログラムされている。
【0083】
1つ以上の基準グラフGRefのそれぞれは、第1の媒体から第2の媒体への切断工具又はドリルビット5の遷移21’の基準点を画定し、時間窓11は、遷移21’の基準点の前の第1の期間と、遷移21’の基準点の後の第2の期間とを含む。処理ユニット14は、類似性尺度により、記録されたグラフG又は記録されたグラフGの少なくとも1つの部分を、少なくとも1つの基準グラフGRefと比較し、記録されたグラフG又は記録されたグラフGの少なくとも1つの部分と少なくとも1つの基準グラフGRefとの間の一致を定量化して、記録されたグラフG内の遷移21の位置を見出すように適切にプログラムされる。記録されたグラフGの少なくとも1つの部分が比較のために使用される場合、記録されたグラフGの少なくとも1つの部分は、少なくとも時間窓11によって指定された時間内に延びる。処理ユニット14は、リアルタイムで計算するようにプログラムされる。デジタルデータ記憶装置は、類似性尺度のための既定の閾値を更に記憶し、処理ユニット14は、遷移イベントをトリガし、類似性のためのファイル閾値に達した場合に遷移21の位置xを報告するようにプログラムされる。
【0084】
骨を貫通して穴を開ける場合の処理ユニット14によって実行される処理の模式図が、
図3に示されている。処理ユニット14は、ドリルビット9の切削先端部9が骨の近位皮質を出る位置[x(t
a)]、遠位皮質を出る位置[x(t
b)]それぞれで発生する第1の媒体から第2の媒体へのドリルビット5の遷移21の位置に関する2つの値を報告することができ、これにより、外科医は次に、ユニコーティカル骨ねじ又はバイコーティカル骨ねじのいずれが適用されるかを決定することができる。
【0085】
デジタルデータ記憶装置は、特に、基準グラフGRefの窓11と少なくとも同じ大きさの距離[x(t)]の現在のグラフGの実際の時間窓を保持するためのバッファとして構成される。限定するものではなく例示的に、各基準グラフGRefは、切断工具又はドリルビット5によってカバーされた距離[x(t)]について、遷移21’の基準点の前の第1の期間内の時間に関して続く約30の値と、切断工具又はドリルビット5によってカバーされた距離[x(t)]について、遷移21’の基準点の後の第2の期間内の時間に関して続く約10の値によって指定される。例示的に、遷移21’の基準点の前の第1の期間は約0.3秒になり、遷移21’の基準点の後の第2の期間は約0.3秒になる。加えて、基準データは本質的に、遷移21’の基準点に到達する前には、第1の期間における切断工具又はドリルビット5の正の前進速度v>0を必要とする。記録されたグラフGにおける遷移21の位置xを見出すために、基準グラフGRefを最良に一致するグラフGの部分を選択するために適用される類似性尺度は、例示的にはパターン認識アプローチであり得るが、形状コンテキスト記述子を制限するものではない。基準データは、切断又はドリル加工中に、第1の密度を有する第1の媒体から異なる第2の密度を有する第2の媒体への、切断工具又はドリルビット5の遷移の範囲で、複数の予測的に記録されたグラフGの統計的表現を指定する。また、基準データは、切断装置又は穿孔装置の使用により連続的に補正され、基準データの補正は、機械学習アルゴリズムによって、好ましくはニューラルネットワークの使用を伴うことによって、実行することができる。
【0086】
測定装置1は特に、変位可能な第2の部材4とハウジング12に対して固定された第1の部材3との間の相対運動を測定及び記録する。ドリルビット5は、チャック6内にしっかりとクランプされるので、変位可能な第2の部材4と第1の部材3との間の相対運動は、変位可能な第2の部材4の前端部10に対するドリルビット5の切削先端部9の相対運動と一致する。このため、計測装置1は、穿孔方向におけるドリルビット5の相対運動を、測定装置1の変位可能な第2の部材4の前端部10が当接する骨表面又はインプラントの表面に対してリアルタイムで測定し記録する。測定装置1の変位可能な第2の部材4に対するドリルビット5の動きは、一次元の並進運動であり、変位可能な第2の部材4の前端部10に対するドリルビット5の切削先端部9の位置xは、この場合は基準フレームを形成するx軸8に沿った切削先端部9のx座標によって常に与えられる。切削先端部9の位置x又はx座標は、例えば、ドリルビット5の切削先端部9が変位可能な第2の部材4の前端部10と面一であるときに、ドリル手順の開始時に0に設定される。
【0087】
この目的で、ドリルビット5の切削先端部9の時間に関する位置x又はx座標は、測定装置1の第1の部材3に一体化された処理ユニット14によって記録される。
【0088】
限定するものではなく例示的に、処理ユニット14は、デジタル処理ユニットとして構成され、第1の部材3に対する第2の部材4の位置を記録するプロセッサレジスタを有するマイクロプロセッサを備える。上述したように、第1の部材3に対する第2の部材4の位置は、変位可能な第2の部材4の前端部10に対するドリルビット5の切削先端部9の位置x又はx座標と一致する。
【0089】
第2の皮質からの出口までの穿孔距離、すなわち、切削先端部9が遠位皮質を出るときのドリルビット5の切削先端部9の位置x又はx座標は、処理ユニット14によって実行される処理に基づいて自動的に計算される。この位置x又はx座標に基づいて、必要なねじの長さ、好ましくは安全マージンを含む長さを推定することができる。この目的で、処理ユニット14は、好ましくは安全マージン、ねじ頭部長さ、先端部分の長さ及びねじの長さの増分を含む、骨ねじ長さに関連するデータを記憶するデータメモリを含み得る。
【0090】
測定装置1、特に変位センサは、ハウジング12に一体化されてもよく、又は一時的にハウジングに取り付け可能であってもよい。一時的に取り付け可能な構成では、測定装置1は、外科用動力ドリル2のハウジング12に取り外し可能に固定可能なアダプタ15の形態の取り付け手段を備える。このアダプタ15は、例示的には、プレス嵌めによって又はクランプカラーを介してハウジング12に取り付け可能な環状フレーム構造体として構成されるがこれに限定されない。あるいは、測定装置1は、測定装置1をハウジング12に取り外し可能に固定するためのクランプを備えることができる。
【0091】
測定装置1は、信号調整装置を有するブルートゥースモジュールとして例示的に構成された無線通信装置を備えることができる。無線通信装置を介して、データは、モニタ付きの外部コンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォン、スマートウォッチ、又はスマートグラスに無線で送信されて、導出された情報を計算又は指示することができる。すなわち、時間に関して、ドリルビットの切削先端部の測定された位置、時間に関して計算された速度、及び計算された遷移の点は、モニタ付きのコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォン、スマートウォッチ、又はスマートグラスなどの外部装置に無線で送信されてもよい。あるいは、導出されたデータは、外科用動力ドリル2にローカルに取り付けられたディスプレイ上に又はスピーカに提供されてもよい。
【0092】
更に、測定装置1は、測定装置1用の処理ユニット14、無線通信装置、及び電源22を封入する滅菌可能なケーシング16を備え、電源22は、ケーシング16内に配置可能な1つ以上の再充電可能又は非充電式電池を含む。
【0093】
更に、装置25は、
図7及び
図8に示されるように、較正装置27を更に備えることができ、以下により詳細に記載される。
【0094】
本発明による装置25の別の実施形態は、
図4に示されており、
図2の装置25は、処理ユニット14が、外部ユニット、例えば、モニタ付きのコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォン、スマートウォッチ、又はスマートグラスであり、測定装置1は無線データ送信装置17を備え、処理ユニット14が、無線データ受信装置を含み、長手方向軸7の方向におけるインプラント26又は骨の表面に対する、ハウジング12によってカバーされた測定された距離xが、測定装置1から外部処理ユニット14に伝達され、時間に関して記録され得ることが
図1の実施形態とは異なる。外部処理ユニット14は、
図1の実施形態と同様のマイクロプロセッサを備えることができ、又は中央処理ユニットを備えてもよい。
【0095】
発明による装置25の更なる実施形態が
図5及び
図6に示されており、
図5及び
図6の実施形態の測定装置1は、レーザービームを放射するためのレーザーモジュール18と、三角測量用のレシーバ、例えばフォトダイオード又は電荷結合装置(CCD)の形態の電子光センサ19と、を含む第1の部材3が電子モジュール31の一部として構成されていることが、
図1の実施形態とは異なる。この電子モジュール31は、ハウジング12のハンドル33に形成された中空空間32内に挿入可能であり、中空空間32は、ハンドル33の底部の開口部34からハウジング12の頂部35まで延びている。開口部34は、ハンドル33の底部に取り付け可能なカバー36によって閉じることができる。
【0096】
第1の部材3から離れて、電子モジュール31は、電子モジュール31の上部37に配置されたディスプレイ30を備え、この上部37は、ハウジング12の頂部35に構成されたそれぞれの空洞38に適合するように成形及び寸法決めされる。更に、電子モジュール31は、レーザーモジュール18と、電子光センサ19と、処理ユニット14と、外科用電力ドリル2を駆動し、レーザーモジュール18、光センサ19、及び処理ユニット14に電力供給するための電源22とを含む下部40を有する。例示的には、電源22は、電池又はアキュムレータであり得る。電子モジュール31の下部40は、ハウジング12のハンドル33内の中空空間32に適合するように成形及び寸法決めされる。レーザー窓41は、電子モジュール31の下部40の前部及び上部37の真下に配置され、レーザービーム及び電子光センサ19をハウジング12内のそれぞれの窓42、43(
図6)と一致させる。
【0097】
第1の滅菌窓42及び第2の滅菌窓43が、外科用動力ドリル2のハウジング12内に配置されて、レーザーモジュール18によって放射されたレーザービーム及び電子光センサ19によって受光された反射ビームのための窓を提供する。第1の滅菌窓42及び第2の滅菌窓43は、ハウジング12の前側に、かつ正面図で見るとスピンドル13の長手方向軸7の下に配置されており、外科用動力ドリル2の長手方向軸7を含む中央面44の両側に、中央面44から、レーザービーム及び反射ビームが外科用動力ドリル2のスピンドル13及びチャック6の側方を通過することを可能にする距離で、配置されている。
【0098】
ハウジング12の頂部35は、ディスプレイ30のケーシング16を形成し、ケーシング16は、限定するものではなく例示的に、外科用動力ドリル2のハウジング12と一体であり、空洞38を包囲する。このケーシング16は、ディスプレイ30を覆うための第3の滅菌窓45を含む。更に、ケーシング16は、外科用動力ドリル2のハンドル33の反対側のハウジング12に配置される。第3の滅菌窓45は、スピンドル13の長手方向軸7に直交する平面に対して角度をなし、ハウジング12の後端部に向けられている。
【0099】
限定するものではなく例示的に、測定装置1は、外科用動力ドリル2のスピンドル13の回転速度を制御するように好適に構成されており、その結果、電力ドリル2の電気モータに供給される電力は、測定装置1によってピークが検出されたときに遮断され、それによってドリルビット5の突進を防止することができる。
【0100】
再び、本発明による装置25の別の実施形態が
図12~
図15に示され、
図12~
図15の実施形態の測定装置1は、第1の部材3が、レーザービームを放射するためのレーザーモジュール18のほかに、三角測量用のレシーバ、例えば、フォトダイオード又は電荷結合装置(CCD)の形態の電子光センサ19、ディスプレイ30を備える電子モジュール31を含むことが
図1の実施形態とは異なる。更に、電子モジュール31は、測定装置1のための処理ユニット14及び電源22を備える。ディスプレイ30は、電子モジュール31の背面46に配置されている。
図1の実施形態と同様に、滅菌可能なケーシング16は、外科用動力ドリル2に取り付け可能であり、電子モジュール31を受け入れる空洞38を備える。滅菌前方窓47は、ケーシング16の前面に配置されて、レーザーモジュール18によって放射されたレーザービームと、測定装置1の第2の部材4に配置された反射器20によって反射される反射ビームを通過させる。
【0101】
三角測量を行うために反射ビームを受光するレーザーモジュール18及び電子光センサ19は、組み立てられた第1の部材3の正面図で見たときにレーザービーム及び反射ビームがスピンドル13の長手方向軸7の上を通過するように、電子モジュール31内で互いに横方向に離して配置される。
【0102】
ケーシング16は、測定装置1の第1の部材3をハウジング12に固定するためのアダプタ15を備え、アダプタ15は、外科用動力ドリル2のハウジング12に取り外し可能に固定可能である。このアダプタ15は、限定するものではなく例示的に、クランプねじ49によって、例えばスピンドル13の固定部分に固定可能なクランプカラー48によってハウジング12に取り付け可能な環状フレーム構造体として構成される。
【0103】
クランプカラー48は、ケーシング16の長手方向中心面に対して横方向に中心から外れてケーシング16に位置決めされ、レーザービーム及び反射ビームがドリルビット5の側方を通過することを可能にする。更に、アダプタ15によって、ケーシング16は、長手方向軸線7に対してある角度で外科用動力ドリル2に取り付けられ、それにより、レーザービームが長手方向軸線7に対してある角度で放射され、測定装置1の第2の部材4の反射器20のサイズ低減が可能になる。
【0104】
ケーシング16は滅菌可能であり、ハウジング10の上部に配置された別個の部品として構成される。空洞38は、ケーシング16の背面に開口部を有し、ケーシング16の下側に位置する軸を中心に回転可能であり、長手方向軸に直交して延びる蓋51によって閉鎖することができる。蓋51は、ディスプレイ30を覆うための滅菌後部窓52を備え、蓋51が閉じられているとき、後部部窓52は、スピンドル13の長手方向軸7に直交する平面に対して傾斜し、ハウジング12の後端部に向けられている。
【0105】
限定するものではなく例示的に、蓋51が閉じているときに電源22から測定装置1の電子部品にエネルギーが供給されるように、電子モジュール31の電源スイッチ用のアクチュエータ53を蓋51の内部に配置することができる。処理ユニット14、レーザーモジュール18及び電子光センサ19を動作させるために、1つ以上のボタン54を電子モジュール31の背面に配置することができる。滅菌後部窓52には、蓋51が閉位置にあるときに1つ以上のボタン54を作動させることを可能にする、後部窓52内に弱化領域を提供するように凹部を設けることができる。
【0106】
図1、
図4~
図6及び
図12~
図15の実施形態の処理ユニット14は、マイクロプロセッサ又は中央処理ユニットを備え、マイクロプロセッサ又は中央処理ユニットは、ドリル加工中に、長手方向軸7の方向に、かつインプラント26の表面又は骨の表面に対して、ハウジング12によってカバーされた距離xを時間に関して記録するためのプロセッサレジスタを含む。
【0107】
現在のドリル深さのみのリアルタイムフィードバックは、外科医にとって重要な値であり得ることに留意されたい。更なる価値のある情報は、現在の穿孔速度によって送達される。これは、外科医が、骨の機械的又は熱的損傷を回避するために、外科医が自身の供給速度を制御するのに役立つか、又は骨の質を推定するために使用することができる。
【0108】
図16は、ドリルスリーブ23と一体ではなく、又はドリルスリーブ23に取り付けられていない反射器20の別の実施形態を示す。反射器20は、ドリルビット5上で摺動することができるようにドリルビット5上にクランプ可能であり、反射器20は、ドリルスリーブ23の構成から独立している。反射器20は、ディスク状部分55を有し、その両側に隣接して、ドリルビット5に半径方向圧力を加えるのに好適な舌部を形成するように長手方向スロットを含む、クランプ部分56を有する。
【0109】
穿孔特性からの骨ねじ長さ推定の方法は、A)外科用動力ドリル2をスピンドル13の長手方向軸と同軸方向に前進させて、骨に穴を開け、穿孔方向における骨又はインプラント26の表面に対するドリルビット5の切削先端部9の位置(x)を時間に関して記録する工程と、B)選択された基準グラフGRef及びドリルビット5の遷移21’の基準位置を使用することによって、選択された基準グラフGRefによって画定された第1の媒体から第2の媒体へと、ドリルビット5の切削先端部9が骨の皮質を出る時点を判定する工程と、C)工程B)で判定された時点で、ドリルビット5によってカバーされた距離[x(t)]を決定する工程と、D)所定の安全マージンを考慮して、工程C)で決定されたドリルビット5によってカバーされた距離[x(t)]に対応する長さを有する骨ねじを選択する工程と、を本質的に含む。
【0110】
上述したように、穿孔方向における骨又はインプラント26の表面に対するドリルビット5の切削先端部9の位置xは、ドリル加工の開始時にゼロに設定される。しかしながら、ドリルビット5の切削先端部9のこのゼロ位置は、以下のファクタに依存する。
1)変位可能な第2の部材4は、
図3、
図4及び
図11a~
図11eに示されるように、長手方向軸7の方向に第2の部材4の前端部10まで延びるドリルスリーブ23を備える。又は、
2)ドリルスリーブは、治療される骨を覆う軟組織に以前に挿入された別個の部材である。又は、
3)切削先端部9のゼロ位置は、インプラント26(例えば骨プレート)に対して設定される。ドリルビット5がドリルスリーブ23内で案内される場合、ドリルスリーブ23は穿孔中に骨プレートに接触するか又は骨プレートに取り付けられ、したがって、ドリルビット5の切削先端部9が骨プレートの上面に当接することを可能にせず(
図9)、骨プレートの上面に対応する高さでドリルスリーブ23の内側に物理的停止部28を提供する較正装置27を使用して、測定の開始点を決定することができる(
図8)。あるいは、ドリルビット5及びドリルスリーブ23の長さが既知である場合、このデータから開始点を計算することができる。
【0111】
上記変形例1)の場合、方法は、工程A)の前に、以下の工程、すなわち、
変位可能な第2の部材4の前端部10及びドリルビット5の切削先端部9が骨の表面に当接するように、外科用動力ドリル2を骨に対して位置決めする工程と、
相対位置を、穿孔方向における骨の表面に対するドリルビット5の切削先端部9の位置xの測定のために、開始点(x=0)として時間に関して記憶する工程と、を含む。
【0112】
上記変形例2)の場合、方法は、工程A)の前に、以下の工程、すなわち、
変位可能な第2の部材4の前端部10が、治療される骨を覆う軟組織に挿入されたドリルスリーブ23に当接するように、外科用動力ドリル2を骨に対して位置決めする工程と、
ドリルビット5の切削先端部9が骨の表面に当接するように、外科用動力ドリル2のチャック6に固定されたドリルビット5の切削先端部9を変位可能な第2の部材4に対して調節する工程と、
相対位置を、穿孔方向における骨の表面に対するドリルビット5の切削先端部9の位置xの測定のために、開始点(x=0)として時間に関して記憶する工程と、を含む。
【0113】
上記変形例3)の場合、方法は、工程A)の前に、以下の工程(
図9及び
図10を参照)、すなわち、
較正装置27(
図7及び
図8)を使用することによって、第2の部材4の前端部10が較正装置27の表面29に接触し、ドリルビット5の切削先端部9が較正装置27の表面29から突出する停止部28に当接するように、チャック6に固定されたドリルビット5を変位可能な第2の部材4に対して位置決めする工程と、
相対位置を、穿孔方向における骨又はインプラント26の表面に対するドリルビット5の切削先端部9の位置xの測定のために、開始点(x=0)として時間に関して記憶する工程と、
変位可能な第2の部材4の前端部10がインプラント26の表面に当接するように、外科用動力ドリル2を例えば骨プレートのようなインプラント26に対して位置決めする工程(
図9)と、を含む。
【0114】
図17は、較正装置27の更なる実施形態を示している。例えば、
図7及び
図8に示されている反射器20及び較正装置27は、単回使用のために作製することができる。他の実施形態では、
図11a~
図11e、
図16及び
図17に示される実施形態のうちの1つによるドリルスリーブ23は、使い捨て部材として構成することができ、この目的で、所定の破断点を介して較正装置27に接続することができる。
【0115】
本発明は、その特定の実施形態と共に記載されてきたが、多くの代替、変更及び変形形態が当業者には明白となることは明らかである。したがって、添付の請求項の範囲内にある全てのそのような代替、修正、及び変形を包含することが意図される。
【0116】
本発明の特定の特徴は、明確性のために別個の実施形態の文脈において記載されているが、これはまた、単一の実施形態において組み合わせて提示されてもよいことが理解されている。逆に、本発明の様々な特徴は、簡潔さのために、単一の実施形態の文脈において記載されているが、これはまた、別個に、若しくは任意の好適な部分的組み合わせで、又は本発明の任意のその他の記載される実施形態において、好適にもたらされてもよい。種々の実施形態の文脈において記載される特定の特徴は、その実施形態がそれらの要素なしには動作不可能である場合を除き、それらの実施形態の必須特徴であるとして考慮されるべきではない。
【0117】
〔実施の態様〕
(1) 外科用器具(25)、特に外科用切断器具又は外科用穿孔器具であって、
駆動ユニットと、
前記駆動ユニットと係合可能な切断工具又はドリルビット(5)と、
前記外科用器具(25)に取り付けられた、又は前記外科用器具(25)と一体の測定装置(1)であって、前記切断工具又は前記ドリルビット(5)によってカバーされた距離[x(t)]を、時間に関して、かつ基準位置に対して、切断又はドリル経路に沿って測定するように構成されている、測定装置(1)と、
前記測定装置(1)に電子的に直接又は無線で接続され、前記切断工具又は前記ドリルビット(5)によってカバーされた前記距離[x(t)]のグラフGを、切断又はドリル加工中に、前記基準位置に対して、かつ時間に関して記録するように好適にプログラムされた処理ユニット(14)と、
デジタルデータ記憶装置と、を備え、
前記デジタルデータ記憶装置には、時間に関する、かつ切断又はドリル加工中の、第1の密度を有する第1の媒体から異なる第2の密度を有する第2の媒体への前記切断工具又は前記ドリルビット(5)の遷移の範囲の時間窓(11)内の、切断工具又はドリルビット(5)によってカバーされた前記距離[x(t)]の基準グラフGRefを指定する少なくとも1つのデータセットを含む基準データが記憶されており、前記少なくとも1つの基準グラフGRefが、第1の媒体から第2の媒体への前記切断工具又は前記ドリルビット(5)の遷移(21’)の基準点を画定し、前記時間窓(11)は、遷移(21’)の前記基準点の前の第1の期間と、遷移(21’)の前記基準点の後の第2の期間と、を含み、
前記処理ユニット(14)は、類似性尺度により、記録されたグラフGを前記少なくとも1つの基準グラフGRefと比較し、前記記録されたグラフG又は前記記録されたグラフGの少なくとも1つの部分と前記少なくとも1つの基準グラフGRefとの間の一致を定量化して、前記記録されたグラフG内の遷移(21)の位置を見出すように好適にプログラムされていることを特徴とする、外科用器具(25)。
(2) 前記デジタルデータ記憶装置が、前記類似性尺度のための既定の閾値を更に記憶し、前記処理ユニット(14)は、イベントをトリガし、類似性のための前記閾値に達した場合に遷移(21)の前記位置xを報告するようにプログラムされている、実施態様1に記載の外科用器具。
(3) 前記デジタルデータ記憶装置が、前記基準グラフGRefの前記窓(11)と少なくとも同じ大きさの前記距離[x(t)]の現在の前記グラフGの実際の時間窓を保持するためのバッファとして構成されている、実施態様2に記載の外科用器具。
(4) 様々な穿孔又は切断特性を表す複数の基準グラフGRefが前記デジタルデータ記憶装置に記憶されており、前記処理ユニット(14)は、全ての記憶された基準グラフGRefについての類似性尺度によって、前記記録されたグラフG又は前記記録されたグラフGの前記少なくとも1つの部分と前記基準グラフGRefとの間の前記一致を定量化し、グラフGと全ての基準グラフGRefとの間の全体的な最良の適合を見つけて、前記記録されたグラフGにおける遷移(21)の位置xを特定する工程を繰り返すように好適にプログラムされている、実施態様1~3のいずれかに記載の外科用器具。
(5) 各基準グラフGRefが、遷移(21’)の前記基準点の後の前記第2の期間内の時間に関して続く、切断工具又はドリルビット(5)によってカバーされた前記距離[x(t)]の少なくとも10の値、好ましくは少なくとも20の値によって指定される、実施態様1~4のいずれかに記載の外科用器具。
【0118】
(6) 各基準グラフGRefが、遷移(21’)の前記基準点の前の前記第1の期間内の時間に関して続く、切断工具又はドリルビット(5)によってカバーされた前記距離[x(t)]の少なくとも30の値、好ましくは少なくとも40の値によって指定される、実施態様5に記載の外科用器具。
(7) 各基準グラフGRef内で、遷移(21’)の前記基準点の後の前記第2の期間は、少なくとも0.1秒、好ましくは少なくとも0.3秒に達する、実施態様1~6のいずれかに記載の外科用器具。
(8) 各基準グラフGRef内で、遷移(21’)の前記基準点の前の前記第1の期間は、少なくとも0.3秒、好ましくは少なくとも0.4秒に達する、実施態様7に記載の外科用器具。
(9) 前記基準データが、遷移(21’)の前記基準点に到達する前の前記第1の期間内に、前記切断工具又は前記ドリルビット(5)によってカバーされた単調に増加する距離[x(t)]を有する基準グラフGRefを指定する、実施態様1~8のいずれかに記載の外科用器具。
(10) 前記外科用器具(25)が、外科用切断装置又は外科用穿孔装置を更に含む、実施態様1~9のいずれかに記載の外科用器具。
【0119】
(11) 前記外科用穿孔装置が外科用動力ドリル(2)であり、前記駆動ユニットは、モータと、前記モータによって駆動可能であり、かつ、前記基準点がインプラント(26)又は骨の表面によって画定可能であるように長手方向軸(7)を有するスピンドル(13)と、を含む、実施態様10に記載の外科用器具。
(12) 前記処理ユニット(14)が、モニタ付きのコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォン、スマートウォッチ、又はスマートグラスのうちの1つである、実施態様1~11のいずれかに記載の外科用器具。
(13) 前記処理ユニット(1)が、無線通信装置、好ましくはブルートゥースモジュールを含む、実施態様1~12のいずれかに記載の外科用器具。
(14) 前記外科用器具がハウジング(12)を更に備える、実施態様1~13のいずれかに記載の外科用器具。
(15) 前記測定装置(1)は、取り付け手段、好ましくは前記外科用動力ドリル(2)の前記ハウジング(12)に取り外し可能に固定可能であるアダプタ(15)を備える、実施態様14に記載の外科用器具。
【0120】
(16) 前記測定装置(1)が、前記測定装置(1)を前記ハウジング(12)に取り外し可能に固定するためのクランプを備える、実施態様14又は15に記載の外科用器具。
(17) 前記アダプタ(15)は、前記ハウジング(12)に取り付け可能なフレーム構造体として構成され、好ましくは、プレス嵌めによって又はクランプカラーを介して前記ハウジング(12)に固定される環状フレーム構造体として構成されている、実施態様15又は16に記載の外科用器具。
(18) 前記測定装置(1)が前記ハウジング(12)と一体である、実施態様14~17のいずれかに記載の外科用器具。
(19) 前記記録されたグラフG内の遷移(21)の前記位置xを見出すために、前記基準グラフGRefに最良に適合する前記グラフGの前記部分を選択するために適用される前記類似性尺度が、パターン認識アプローチ、好ましくは形状コンテキスト記述子である、実施態様1~18のいずれかに記載の外科用器具。
(20) 前記基準データが、切断又はドリル加工中に、第1の密度を有する第1の媒体から異なる第2の密度を有する第2の媒体への、切断工具又はドリルビット(5)の遷移の範囲で、複数の予測的に記録されたグラフGの統計的表現を指定する、実施態様1~19のいずれかに記載の外科用器具。
【0121】
(21) 前記基準データが、前記切断装置又は前記穿孔装置の使用中に連続的に補正される、実施態様1~20のいずれかに記載の外科用器具。
(22) 前記基準データの前記補正が、機械学習アルゴリズムによって、好ましくはニューラルネットワークの使用を伴うことによって、実行される、実施態様21に記載の外科用器具。
(23) 前記測定装置(1)が非接触変位センサを備える、実施態様1~22のいずれかに記載の外科用器具。
(24) 前記非接触変位センサが三角測量距離センサであり、光トランスミッタ及び対応するレシーバを備える、実施態様23に記載の外科用器具。
(25) 前記非接触変位センサがLED光トランスミッタを備える、実施態様23又は24に記載の外科用器具。
【0122】
(26) 前記測定装置(1)が、レーザーモジュール(18)と、1つ以上の電子光センサ(19)、好ましくは変位評価のためにレーザー三角測量を行うための電荷結合装置(CCD)と、を備えるレーザー装置を含む、実施態様1~25のいずれかに記載の外科用器具。
(27) 前記非接触変位センサが、レーダー、好ましくはミリ波レーダーセンサに基づく、実施態様26に記載の外科用器具。
(28) 前記非接触変位センサが超音波距離センサである、実施態様26に記載の外科用器具。
(29) 前記非接触変位センサが、ドリルビット(5)に沿って摺動可能であり、インプラント(26)、骨、又は器具に当接するように構成された反射器(20)を備える、実施態様23~28のいずれかに記載の外科用器具。
(30) 前記処理ユニット(14)が、ディスプレイ(30)又はラウドスピーカを更に備える、実施態様1~29のいずれかに記載の外科用器具。
【0123】
(31) 前記測定装置(1)が、前記処理ユニット(14)を封入するためのケーシング(16)を備える、実施態様1~25のいずれかに記載の外科用器具。
(32) 前記処理ユニット(14)を封入する前記ケーシング(16)が滅菌可能である、実施態様31に記載の外科用器具。
(33) 前記測定装置(1)が、
前記ハウジング(12)に対して固定位置にある第1の部材(3)と、
前記第1の部材(3)に対して前記スピンドル(13)の前記長手方向軸(7)の方向に本質的に変位可能であり、骨又はインプラント(26)の表面に当接するのに好適な前端部(10)を含む、長手方向の第2の部材(4)と、を備える、実施態様14~32のいずれかに記載の外科用器具。
(34) 前記変位可能な第2の部材(4)が、前記長手方向軸(7)の方向に前記第2の部材(4)の前記前端部(10)まで延びるドリルスリーブ(23)を備える、実施態様33に記載の外科用器具。
(35) 前記測定装置(1)の前記第1の部材(3)及び好ましくは前記処理ユニット(14)は、前記外科用動力ドリル(2)の前記ハウジング(12)に配置された中空空間(32)に挿入可能である、実施態様33又は34に記載の外科用器具。
【0124】
(36) 前記第1の部材(3)及び好ましくは前記処理ユニット(14)は、前記外科用動力ドリル(2)を駆動するための電源(22)及び/又はモータを更に備える電子モジュール(31)の一部であり、前記電源(22)は、前記第1の部材(3)及び好ましくは前記処理ユニット(14)及び前記モータに電気エネルギーを供給するように構成されている、実施態様33~35のいずれかに記載の外科用器具。
(37) 前記中空空間(32)が、前記ハウジング(12)のハンドル(33)内に配置され、前記電子モジュール(31)を受け入れるように構成されている、実施態様7~36のいずれかに記載の外科用器具。
(38) 前記ハウジング(12)が、前記ディスプレイ(30)を覆うための滅菌可能な窓(45)を含む上部(35)を備える、実施態様30~37のいずれかに記載の外科用器具。
(39) 前記上部(35)は、前記ハウジング(12)と一体であり、前記ディスプレイ(30)のためのケーシングを形成する、実施態様38に記載の外科用器具。
(40) 前記ハウジング(12)が、少なくとも1つの滅菌窓(42、43)を備え、前記非接触変位センサによって放出された信号及び前記非接触変位センサによって受信可能な反射信号のための窓を提供する、実施態様26~39のいずれかに記載の外科用器具。
【0125】
(41) 前記滅菌窓(42、43)は、陥凹窓として構成されている、実施態様40に記載の外科用器具。
(42) 前記ケーシング(16)は、アダプタ(15)によって前記ハウジング(12)に取り付け可能であり、前記電子モジュール(31)を受け入れるように構成された空洞(38)を備える、実施態様31~41のいずれかに記載の外科用器具。
(43) 前記ケーシング(16)は、前記ケーシング(16)の後端部に配置され、前記ディスプレイ(30)を覆うための滅菌可能な後部窓(45)を含む蓋(51)を備える、実施態様31~42のいずれかに記載の外科用器具。
(44) 前記ケーシング(16)が、前記非接触変位センサによって放出された信号及び前記非接触変位センサによって受信可能な反射信号のための窓を提供する、少なくとも1つの滅菌前方窓(47)を備える、実施態様31~43のいずれかに記載の外科用器具。
(45) 前記変位可能な第2の部材(4)が、可変直径を有する円筒形構造体に取り付けるためのクランプ部分(56)を備える、実施態様33~44のいずれかに記載の外科用器具。
【0126】
(46) 前記変位可能な第2の部材(4)の前記クランプ部分(56)は、ドリルビット(5)に摩擦嵌めを提供するように構成されている、実施態様45に記載の外科用器具。
(47) 前記測定装置(1)は、前記ハウジング(12)に対して、前記非接触変位センサによって放射されたビームが前記スピンドル(13)の前記長手方向軸(7)に対してオフセット角度で配向されるように位置決めされている、実施態様23~46のいずれかに記載の外科用器具。
(48) 前記測定装置(1)の前記第1の部材(3)が、前記スピンドル(13)の前記長手方向軸(7)に対して中心から外れて位置決めされている、実施態様33~47のいずれかに記載の外科用器具。
(49) 前記測定装置(1)が、少なくとも1つの加速度計を備える、実施態様1~48のいずれかに記載の外科用器具。
(50) 前記測定装置(1)が、ジャイロスコープ及び/又は磁力計を更に備える、実施態様1~49のいずれかに記載の外科用器具。
【0127】
(51) 前記外科用器具が、較正装置(27)を更に備える、実施態様1~50のいずれかに記載の外科用器具。
(52) 前記処理ユニット(14)は、リアルタイムで計算するようにプログラムされている、実施態様1~51のいずれかに記載の外科用器具。
(53) 前記処理ユニット(14)は、好ましくは安全マージン、ねじ頭長さ、先端部分の長さ及びねじの長さの増分を含む、骨ねじ長さに関連するデータを記憶するためのデータメモリを備える、実施態様1~52のいずれかに記載の外科用器具。
(54) 前記処理ユニット(14)は、前記外科用動力ドリル(2)の前記スピンドル(13)の回転速度を制御するように、又は遷移(21)の前記点が検出されたときに前記スピンドル(13)を停止させるように、好適にプログラムされている、実施態様1~53のいずれかに記載の外科用器具。
(55) 実施態様11~54のいずれかに記載の外科用動力ドリル(2)を使用した穿孔特性からの骨ねじ長さ推定のための方法であって、
A)前記外科用動力ドリル(2)を前記スピンドル(13)の前記長手方向軸(7)と同軸方向に前進させて、骨に穴を開け、穿孔方向における骨又はインプラント(26)の表面に対する前記ドリルビット(5)の前記切削先端部(9)の前記位置(x)を時間に関して記録する工程と、
B)前記記録されたグラフG内の第1の媒体から第2の媒体への前記ドリルビット(5)の遷移(21)の位置を見つけるために、前記記憶された基準データを使用して、前記ドリルビット(5)の前記切削先端部(9)が骨の皮質を出るときに、骨又はインプラント(26)の表面に対して前記ドリルビット(5)によってカバーされた前記距離[x(t)]を決定する工程と、
C)所定の安全マージンを考慮して、工程B)で決定された前記ドリルビット(5)によってカバーされた前記距離[x(t)]に対応する長さを有する骨ねじを選択する工程と、を含む、方法。
【0128】
(56) 工程A)の前に、
前記変位可能な第2の部材(4)の前記前端部(10)及び前記ドリルビット(5)の前記切削先端部(9)が骨又は物体の表面に当接するように、前記外科用動力ドリル(2)を骨に対して位置決めする工程と、
必要に応じて、前記データ記憶装置に記憶されたオフセット値を前記相対位置に追加する工程と、
前記相対位置を、穿孔方向における骨の表面に対する前記ドリルビット(5)の前記切削先端部(9)の前記位置(x)の測定のために、開始点(x=0)として時間に関して記憶する工程と、が実行される、実施態様55に記載の方法。
(57) 工程A)の前に、
前記変位可能な第2の部材(4)の前記前端部(10)が、治療される骨を覆う前記軟組織に挿入されたドリルスリーブ(23)に当接するように、前記外科用動力ドリル(2)を骨に対して位置決めする工程と、
前記ドリルビット(5)の前記切削先端部(9)が骨の表面に当接するように、前記外科用動力ドリル(2)の係合手段に固定された前記ドリルビット(5)の前記切削先端部(9)を前記変位可能な第2の部材(4)に対して調節する工程と、
必要に応じて、前記データ記憶装置に記憶されたオフセット値を前記相対位置に追加する工程と、
前記相対位置を、穿孔方向における骨又はインプラント(26)の表面に対する前記ドリルビット(5)の前記切削先端部(9)の前記位置(x)の測定のために、開始点(x=0)として時間に関して記憶する工程と、が実行される、実施態様55に記載の方法。
(58) 工程A)の前に、
較正装置(27)を使用することによって、前記第2の部材(4)の前端部(10)が前記較正装置(27)の表面(29)に接触し、前記ドリルビット(5)の前記切削先端部(9)が、前記較正装置(27)の前記表面(29)から突出する停止部(28)に当接するように、前記係合手段に固定された前記ドリルビット(5)を前記変位可能な第2の部材(4)に対して位置決めする工程と、
前記相対位置を、穿孔方向における骨又はインプラント(26)の表面に対する前記ドリルビット(5)の前記切削先端部(9)の前記位置(x)の測定のために、開始点(x=0)として時間に関して記憶する工程と、
前記変位可能な第2の部材(4)の前記前端部(10)が前記インプラント(26)の表面に当接するように、前記外科用動力ドリル(2)をインプラント(26)に対して位置決めする工程と、が実行される、実施態様55に記載の方法。
(59) 前記外科用器具の前記切断工具又は前記ドリルビット(5)によって貫通された前記第1の媒体が皮質骨又は骨梁骨である、実施態様1~58のいずれかに記載の方法。
(60) 骨ねじ長さ推定のための、実施態様11~54のいずれかに記載の外科用動力ドリル(2)の使用。
【外国語明細書】