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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024069432
(43)【公開日】2024-05-21
(54)【発明の名称】半導体集積回路
(51)【国際特許分類】
   H03K 17/16 20060101AFI20240514BHJP
   H03K 17/687 20060101ALI20240514BHJP
   H03K 17/00 20060101ALN20240514BHJP
【FI】
H03K17/16 J
H03K17/687 A
H03K17/00 J
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024039044
(22)【出願日】2024-03-13
(62)【分割の表示】P 2020194339の分割
【原出願日】2020-11-24
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】繁澤 えり子
(72)【発明者】
【氏名】小倉 暁生
(57)【要約】      (修正有)
【課題】貫通電流防止機能を有し、低消費電力化が可能な半導体集積回路を提供する。
【解決手段】半導体集積回路1は、入力電圧VINにソースが、制御電圧VCTにゲートが接続されたトランジスタP1と、基準電圧VSSにソースが、ゲートが制御電圧に接続されたトランジスタN2と、トランジスタP1のドレインとトランジスタN2のドレイン間に接続されたデプレッション型のトランジスタDN1と、ソースが入力電圧に、ゲートがトランジスタN2のドレインとトランジスタDN1のソース間のノードNBに接続されたトランジスタP2と、ソースが基準電圧に、ゲートがノードNBに接続され、ドレインがトランジスタP2のドレインに接続されたトランジスタN3と、トランジスタP2のドレインとトランジスタN3のドレイン間のノードNAから出力された電圧がゲートに供給され、ソースが入力電圧に接続されたトランジスタP3と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電圧が供給される第1電圧ノードにソースが電気的に接続され、第2電圧が供給される第2電圧ノードにゲートが電気的に接続されたpチャネル型の第1トランジスタと、
第3電圧が供給される第3電圧ノードにソースが電気的に接続され、ゲートが前記第2電圧ノードに電気的に接続されたnチャネル型の第2トランジスタと、
前記第1トランジスタのドレインと、前記第2トランジスタのドレインとの間に電気的に接続されたデプレッション型でnチャネル型の第3トランジスタと、
ソースが前記第1電圧ノードに電気的に接続され、ゲートが前記第2トランジスタのドレインと前記第3トランジスタのソースとの間の第1出力ノードに接続されたpチャネル型の第4トランジスタと、
ソースが前記第3電圧ノードに電気的に接続され、ゲートが前記第4トランジスタのゲートに電気的に接続され、ドレインが前記第4トランジスタのドレインに電気的に接続されたnチャネル型の第5トランジスタと、
出力端子と、
ソースが前記第1電圧ノードに電気的に接続され、前記第4トランジスタのドレインと前記第5トランジスタのドレインとの間の第2出力ノードから出力された電圧に基づいてドレインから前記出力端子に出力電圧を出力し、前記ドレインがnチャネル型のトランジスタのドレインに直接接続されていないpチャネル型の第6トランジスタと、
を具備する半導体集積回路。
【請求項2】
前記第1出力ノードに電気的に接続され、前記第1出力ノードの電圧に生じる振動を低減するヒステリシス回路をさらに具備する請求項1に記載の半導体集積回路。
【請求項3】
前記ヒステリシス回路は、
ドレインが前記第1出力ノードに電気的に接続され、ゲートが前記第2電圧ノードに電気的に接続されたnチャネル型の第7トランジスタと、
ドレインが前記第7トランジスタのソースに電気的に接続され、ゲートが前記第2出力ノードに電気的に接続され、ソースが前記第3電圧ノードに電気的に接続されたnチャネル型の第8トランジスタと、
を有する請求項2に記載の半導体集積回路。
【請求項4】
前記ヒステリシス回路は、
ソースとゲートが前記第1出力ノードに電気的に接続されたデプレッション型でnチャネル型の第7トランジスタと、
ドレインが前記第7トランジスタのドレインに電気的に接続され、ゲートが前記第2出力ノードに電気的に接続され、ソースが前記第1電圧ノードに電気的に接続されたpチャネル型の第8トランジスタと、
を有する請求項2に記載の半導体集積回路。
【請求項5】
前記ヒステリシス回路は、
ドレインが前記第1出力ノードに電気的に接続され、ゲートが前記第2出力ノードに電気的に接続されたnチャネル型の第7トランジスタと、
ドレインが前記第7トランジスタのソースに電気的に接続され、ゲートとソースが前記第3電圧ノードに電気的に接続されたデプレッション型でnチャネル型の第8トランジスタと、
を有する請求項2に記載の半導体集積回路。
【請求項6】
前記第2出力ノードと、前記第6トランジスタのゲートとの間に接続された反転論理回路をさらに具備する請求項1乃至5のいずれかに記載の半導体集積回路。
【請求項7】
前記第2出力ノードと、前記第6トランジスタのゲートとの間に接続された非反転論理回路をさらに具備する請求項1乃至5のいずれかに記載の半導体集積回路。
【請求項8】
帰還電圧と参照電圧との電圧差に応じた第1出力電圧を前記第6トランジスタのゲートに供給する第1回路と、
ソースが前記第1電圧ノードに電気的に接続され、ドレインが前記第6トランジスタの前記ゲートに接続され、ゲートに前記第2出力ノードから出力された前記電圧が供給されるpチャネル型の第9トランジスタと、
前記第6トランジスタのドレインと前記第3電圧ノードとの間に直列に接続された複数の抵抗を有し、前記出力電圧を前記複数の抵抗により分圧した前記帰還電圧を出力する帰還回路と、
をさらに具備する請求項1乃至5のいずれかに記載の半導体集積回路。
【請求項9】
第1入力電圧と第2入力電圧との電圧差に応じて増幅された第1出力電圧を前記第6トランジスタのゲートに供給する第1回路と、
ソースが前記第1電圧ノードに電気的に接続され、ドレインが前記第6トランジスタの前記ゲートに接続され、ゲートに前記第2出力ノードから出力された前記電圧が供給されるpチャネル型の第9トランジスタと、
前記第6トランジスタのドレインに入力端が接続された定電流源と、
前記定電流源の出力端と前記第3電圧ノードとの間に接続されたnチャネル型の第10トランジスタと、
をさらに具備する請求項1乃至5のいずれかに記載の半導体集積回路。
【請求項10】
前記第1回路は、
前記帰還電圧がゲートに供給されるnチャネル型の第10トランジスタと、
ゲートとドレインが前記第10トランジスタのドレインに電気的に接続され、ソースが前記第1電圧ノードに電気的に接続されたpチャネル型の第11トランジスタと、
前記参照電圧がゲートに供給されるnチャネル型の第12トランジスタと、
ドレインが前記第12トランジスタのドレインに電気的に接続され、ゲートが前記第11トランジスタのゲートに電気的に接続され、ソースが前記第1電圧ノードに電気的に接続されたpチャネル型の第13トランジスタと、
前記第10トランジスタのソース及び前記第12トランジスタのソースに入力端が接続された定電流源と、
前記定電流源の出力端と前記第3電圧ノードとの間に接続され、前記第2出力ノードから出力された前記電圧がゲートに供給されるnチャネル型の第14トランジスタと、
前記第12トランジスタのゲートに前記参照電圧を供給する定電圧源と、
前記定電圧源と前記第3電圧ノードとの間に接続され、前記第2出力ノードから出力された前記電圧がゲートに供給されるnチャネル型の第15トランジスタと、
を有し、
前記第1出力電圧は、前記第13トランジスタのドレインから出力される請求項8に記載の半導体集積回路。
【請求項11】
前記第1回路は、
前記第1入力電圧がゲートに供給されるnチャネル型の第11トランジスタと、
ゲートとドレインが前記第11トランジスタのドレインに電気的に接続され、ソースが前記第1電圧ノードに電気的に接続されたpチャネル型の第12トランジスタと、
前記第2入力電圧がゲートに供給されるnチャネル型の第13トランジスタと、
ドレインが前記第13トランジスタのドレインに電気的に接続され、ゲートが前記第12トランジスタのゲートに電気的に接続され、ソースが前記第1電圧ノードに電気的に接続されたpチャネル型の第14トランジスタと、
前記第11トランジスタのソース及び前記第13トランジスタのソースに入力端が接続された定電流源と、
前記定電流源の出力端と前記第3電圧ノードとの間に接続され、前記第2出力ノードから出力された前記電圧がゲートに供給されるnチャネル型の第15トランジスタと、
を有し、
前記第1出力電圧は、前記第14トランジスタのドレインから出力される請求項9に記載の半導体集積回路。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体集積回路に関する。
【背景技術】
【0002】
負荷に対して、電圧を供給する、あるいは電圧の供給を遮断する半導体集積回路が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭61-170129号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
貫通電流防止機能を有し、低消費電力化が可能な半導体集積回路を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の半導体集積回路は、第1電圧が供給される第1電圧ノードにソースが電気的に接続され、第2電圧が供給される第2電圧ノードにゲートが電気的に接続されたpチャネル型の第1トランジスタと、第3電圧が供給される第3電圧ノードにソースが電気的に接続され、ゲートが前記第2電圧ノードに電気的に接続されたnチャネル型の第2トランジスタと、前記第1トランジスタのドレインと、前記第2トランジスタのドレインとの間に電気的に接続されたデプレッション型でnチャネル型の第3トランジスタと、ソースが前記第1電圧ノードに電気的に接続され、ゲートが前記第2トランジスタのドレインと前記第3トランジスタのソースとの間の第1出力ノードに接続されたpチャネル型の第4トランジスタと、ソースが前記第3電圧ノードに電気的に接続され、ゲートが前記第4トランジスタのゲートに電気的に接続され、ドレインが前記第4トランジスタのドレインに電気的に接続されたnチャネル型の第5トランジスタと、出力端子と、ソースが前記第1電圧ノードに電気的に接続され、前記第4トランジスタのドレインと前記第5トランジスタのドレインとの間の第2出力ノードから出力された電圧に基づいてドレインから前記出力端子に出力電圧を出力し、前記ドレインがnチャネル型のトランジスタのドレインに直接接続されていないpチャネル型の第6トランジスタとを具備する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、第1実施形態の半導体集積回路の構成を示す回路図である。
図2図2は、第1実施形態における制御電圧が上昇あるいは低下するときの出力電圧を示す図である。
図3図3は、第1実施形態における制御電圧が上昇あるいは低下するときのノードNAの電圧を示す図である。
図4図4は、比較例1の構成を示す回路図である。
図5図5は、比較例2の構成を示す回路図である。
図6図6は、第1実施形態の半導体集積回路がオン状態にあるときの消費電流を示す図である。
図7図7は、第1実施形態の半導体集積回路がオフ状態にあるときの消費電流を示す図である。
図8図8は、第1実施形態の変形例の半導体集積回路の構成を示す回路図である。
図9図9は、第2実施形態の半導体集積回路の構成を示す回路図である。
図10図10は、第3実施形態の半導体集積回路の構成を示す回路図である。
図11図11は、第4実施形態の半導体集積回路の構成を示す回路図である。
図12図12は、第5実施形態の半導体集積回路の構成を示す回路図である。
図13図13は、第6実施形態の半導体集積回路の構成を示す回路図である。
図14図14は、第7実施形態の半導体集積回路の構成を示す回路図である。
図15図15は、第8実施形態の半導体集積回路の構成を示す回路図である。
図16図16は、第9実施形態の半導体集積回路の構成を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して実施形態について説明する。以下の説明において、同一の機能及び構成を有する構成要素については、共通する参照符号を付す。また、以下に示す実施形態は、技術的思想を具体化した装置や方法を例示するものであって、構成部品の材質、形状、構造、及び配置等を特定するものではない。
【0008】
1.第1実施形態
以下に、第1実施形態の半導体集積回路について説明する。第1実施形態の半導体集積回路は、ロードスイッチを備える。ロードスイッチは、電子回路などの負荷に対して、電源電圧を供給する、あるいは電源電圧の供給を遮断する回路である。
【0009】
1.1 第1実施形態の構成
図1は、第1実施形態の半導体集積回路1の構成を示す回路図である。半導体集積回路1は、半導体集積回路1の後段に配置される負荷100に対して、出力電圧VOUT(例えば、入力電圧VIN)を供給する、あるいは出力電圧VOUTの供給を遮断するロードスイッチを備える。
【0010】
半導体集積回路1は、制御回路10_1、反転論理回路20、及びロードスイッチ30を有する。制御回路10_1は、制御電圧VCTに応じてロードスイッチ30の動作を制御する。反転論理回路20は、制御回路10_1の出力電圧を反転した電圧を出力する。ロードスイッチ30は、入力電圧VINを出力する、あるいは入力電圧VINを遮断する回路である。
【0011】
以下に、制御回路10_1及びロードスイッチ30について詳述する。
【0012】
制御回路10_1は、入力回路11、インバータ12、及びヒステリシス回路(または、チャタリング防止回路)13を有する。
【0013】
入力回路11は、制御電圧VCTを反転した電圧を出力する。入力回路11は、pチャネルMOS電界効果トランジスタP1、デプレッション型のnチャネルMOS電界効果トランジスタDN1、及びnチャネルMOS電界効果トランジスタN2を含む。以降、pチャネルMOS電界効果トランジスタをpMOSトランジスタと称し、nチャネルMOS電界効果トランジスタをnMOSトランジスタと称する。また、デプレッション型と記載しないMOSトランジスタは、エンハンスメント型である。
【0014】
入力回路11が含むpMOSトランジスタP1及びnMOSトランジスタN2は、インバータを構成する。nMOSトランジスタDN1は、pMOSトランジスタP1と、nMOSトランジスタN2との間に接続される。
【0015】
インバータ12は、入力回路11の出力電圧を反転した電圧を出力する。インバータ12は、pMOSトランジスタP2及びnMOSトランジスタN3を含む。
【0016】
ヒステリシス回路13は、入力回路11から出力された電圧が振動するのを低減あるいは防止する。すなわち、ヒステリシス回路13は、入力回路11の出力電圧を安定化させる。ヒステリシス回路13は、nMOSトランジスタN4及びN5を含む。
【0017】
ロードスイッチ30は、pMOSトランジスタP3を含む。ロードスイッチ30は、反転論理回路20から出力された電圧に応じて、出力電圧VOUTとして、入力電圧VINを出力する、あるいは入力電圧VINの出力を停止する。言い換えると、ロードスイッチ30は、反転論理回路20の出力電圧に基づいて、負荷100に対して、出力電圧VOUT(入力電圧VIN)を供給する、あるいは出力電圧VOUTの供給を遮断する。
【0018】
pMOSトランジスタP3は、製品仕様(例えば、オン抵抗及び電流動作条件)によってサイズ(チャネル幅W及びチャネル長L)が決定される。オン抵抗とは、pMOSトランジスタP3がオン状態であるときの、pMOSトランジスタP3のソースとドレイン間の抵抗特性のことである。pMOSトランジスタP3には、低いオン抵抗と大きな電流を流せる特性が求められる。このため、pMOSトランジスタP3は、pMOSトランジスタP1及びP2よりも大きなチャネル幅Wを有する。
【0019】
以下に、半導体集積回路1における回路接続について説明する。
【0020】
pMOSトランジスタP1のソースは、入力電圧VINが供給されるノードに接続される。すなわち、入力電圧VINは、pMOSトランジスタP1のソースに供給される。pMOSトランジスタP1のゲート及びnMOSトランジスタN2のゲートは、制御電圧VCTが入力されるノードに接続される。すなわち、制御電圧VCTは、pMOSトランジスタP1のゲート及びnMOSトランジスタN2のゲートに供給される。さらに、pMOSトランジスタP1のドレインは、nMOSトランジスタDN1のドレインに接続される。
【0021】
nMOSトランジスタDN1のソース及びゲートは、nMOSトランジスタN2のドレインに接続される。nMOSトランジスタDN1のバックゲートは、nMOSトランジスタDN1のソースに接続される。nMOSトランジスタDN1は、微小な電流源となるような比(W/L)に設定される。nMOSトランジスタDN1において、チャネル長Lはチャネル幅Wより大きい。
【0022】
なお、nMOSトランジスタDN1のバックゲートは、nMOSトランジスタDN1のソースに直接接続されてもよいし、抵抗を介して接続されてもよい。nMOSトランジスタDN1のバックゲートは、また基準電圧VSSが供給されるノードに接続されてもよい。また、例えば、p型半導体基板内にp型半導体基板と絶縁されたn型領域を設け、このn型領域を用いて、nMOSトランジスタDN1におけるバックゲートがソースに電気的に接続されるようにする。これにより、バックゲートの電位がソースの電位に追従できるようにする。
【0023】
nMOSトランジスタN2のソースは、基準電圧VSSが供給されるノードに接続される。すなわち、基準電圧VSSは、nMOSトランジスタN2のソースに供給される。また、nMOSトランジスタN2の利得は、nMOSトランジスタDN1の利得より大きい。
【0024】
nMOSトランジスタDN1のソースは、またnMOSトランジスタN4のドレイン、pMOSトランジスタP2のゲート、及びnMOSトランジスタN3のゲートに接続される。nMOSトランジスタN4のゲートは、制御電圧VCTが入力されるノードに接続される。すなわち、制御電圧VCTは、nMOSトランジスタN4のゲートに供給される。nMOSトランジスタN4のソースは、nMOSトランジスタN5のドレインに接続される。nMOSトランジスタN5のゲートは、pMOSトランジスタP2のドレイン、及びnMOSトランジスタN3のドレインに接続される。nMOSトランジスタN5のソースは、基準電圧VSSが供給されるノードに接続される。すなわち、基準電圧VSSは、nMOSトランジスタN5のソースに供給される。
【0025】
pMOSトランジスタP2のソースは、入力電圧VINが供給されるノードに接続される。すなわち、入力電圧VINは、pMOSトランジスタP2のソースに供給される。pMOSトランジスタP2のゲートは、nMOSトランジスタN3のゲートに接続される。pMOSトランジスタP2のドレインは、nMOSトランジスタN3のドレインに接続される。nMOSトランジスタN3のソースは、基準電圧VSSが供給されるノードに接続される。すなわち、基準電圧VSSは、nMOSトランジスタN3のソースに供給される。
【0026】
pMOSトランジスタP2のドレインとnMOSトランジスタN3のドレイン(インバータ12の出力端)は、反転論理回路20の入力端に接続される。反転論理回路20の出力端は、pMOSトランジスタP3のゲートに接続される。反転論理回路20は、論理を反転する機能に加え、出力電圧の変化速度を制限することにより、pMOSトランジスタP3が急激にオン状態もしくはオフ状態に変化することを低減もしくは防ぐ機能を有していてもよい。pMOSトランジスタP3のソースは、入力電圧VINが供給されるノードに接続される。すなわち、入力電圧VINは、pMOSトランジスタP3のソースに供給される。さらに、pMOSトランジスタP3のドレインは、pMOSトランジスタP3の後段に配置された負荷100に接続される。負荷100は、半導体集積回路1の外部に設けられる。pMOSトランジスタP3は、負荷100に出力電圧VOUTを供給する、あるいは出力電圧VOUTの供給を停止する。
【0027】
なお、pMOSトランジスタP2とnMOSトランジスタN3から構成されるインバータ12の出力端をノードNAと称する。また、pMOSトランジスタP1、nMOSトランジスタDN1、及びnMOSトランジスタN2から構成される入力回路11の出力端をノードNBと称する。
【0028】
入力電圧VINあるいは制御電圧VCTは、基準電圧VSSに対して正の電圧である。入力電圧VINは、例えば、3.6Vである。制御電圧VCTは、入力電圧VINより高い電圧あるいは入力電圧VIN以下の電圧であり、例えば3.6Vあるいは1.8Vである。基準電圧VSSは、例えば、接地電位あるいは0Vである。
【0029】
1.2 第1実施形態の動作
以下に、第1実施形態の半導体集積回路1の動作について説明する。半導体集積回路1には、全てのMOSトランジスタが安定に動作できる入力電圧VINが供給されるものとする。
(1)制御電圧VCTが“L”のとき
例えば、入力電圧VINが3.6V(以下“H”と記す)であり、制御電圧VCTが基準電圧VSS(以下“L”と記す)である場合、以下のように動作する。
【0030】
制御電圧VCTが“L”のとき、pMOSトランジスタP1がオン状態になり、nMOSトランジスタN2及びN4がオフ状態になる。これにより、ノードNBが“H”(例えば、3.6V)になる。nMOSトランジスタN2がオフ状態であるため、pMOSトランジスタP1、nMOSトランジスタDN1、及びnMOSトランジスタN2が直列に接続されたラインには電流が流れない。すなわち、入力電圧VINのノードから入力回路11を介して基準電圧VSSのノードへ流れる貫通電流は発生しない。
【0031】
ノードNBが“H”になると、pMOSトランジスタP2はオフ状態になり、nMOSトランジスタN3はオン状態になる。これにより、ノードNAが“L”になる。このとき、pMOSトランジスタP2はオフ状態であるため、pMOSトランジスタP2及びnMOSトランジスタN3が直列に接続されたラインには電流が流れない。すなわち、入力電圧VINのノードからインバータ12を介して基準電圧VSSのノードへ流れる貫通電流は発生しない。
【0032】
ノードNAが“L”になると、反転論理回路20は、受信した“L”を反転して、“H”をpMOSトランジスタP3のゲートに出力する。ゲートに“H”が入力されると、pMOSトランジスタP3はオフ状態になる。pMOSトランジスタP3のソースには、入力電圧VINが供給されている。pMOSトランジスタP3は、オフ状態であるため、ソースに供給された入力電圧VINの出力を遮断する。すなわち、pMOSトランジスタP3は、出力電圧VOUTとして、入力電圧VINを出力するのを停止する。
(2)制御電圧VCTが“H”のとき
例えば、入力電圧VINが3.6Vであり、制御電圧VCTが3.6V、あるいは入力電圧VINの1/2の電圧である1.8V(以下“H”と記す)の場合、以下のように動作する。
【0033】
制御電圧VCTが“H”(例えば、3.6Vあるいは1.8V)のとき、pMOSトランジスタP1がオフ状態になり、nMOSトランジスタN2及びN4がオン状態になる。これにより、ノードNBが“L”になる。pMOSトランジスタP1がオフ状態であるため、pMOSトランジスタP1、nMOSトランジスタDN1、及びnMOSトランジスタN2が直列に接続されたラインには電流が流れない。すなわち、入力電圧VINのノードから入力回路11を介して基準電圧VSSのノードへ流れる貫通電流は発生しない。
【0034】
ノードNBが“L”になると、pMOSトランジスタP2はオン状態になり、nMOSトランジスタN3はオフ状態になる。これにより、ノードNAが“H”になる。このとき、nMOSトランジスタN3はオフ状態であるため、pMOSトランジスタP2及びnMOSトランジスタN3が直列に接続されたラインには電流が流れない。すなわち、入力電圧VINのノードからインバータ12を介して基準電圧VSSのノードへ流れる貫通電流は発生しない。
【0035】
ノードNAが“H”になると、反転論理回路20は、受信した“H”を反転して、“L”をpMOSトランジスタP3のゲートに出力する。ゲートに“L”が入力されると、pMOSトランジスタP3はオン状態になる。pMOSトランジスタP3は、オン状態であるため、ソースに供給された入力電圧VINを出力する。すなわち、pMOSトランジスタP3は、出力電圧VOUTとして、入力電圧VINを出力する。
(3)制御電圧VCTが“L”から“H”に、あるいは“H”から“L”に遷移するとき 入力電圧VINとして、例えば3.6Vが供給された状態で、制御電圧VCTとして“H”(例えば、1.8V)が入力されると、nMOSトランジスタN2がオン状態になり、さらにはpMOSトランジスタP3がオン状態になる。また、制御電圧VCTとして“L”(例えば、VSS)を入力されると、nMOSトランジスタN2がオフ状態になり、さらにはpMOSトランジスタP3がオフ状態になる。
【0036】
しかし、nMOSトランジスタN2がオン状態あるいはオフ状態になる境目付近の制御電圧VCT(例えば、nMOSトランジスタN2のしきい電圧)が入力されると、pMOSトランジスタP3はオン状態とオフ状態とを繰り返す場合がある。以降、MOSトランジスタがオン状態とオフ状態とを繰り返し、その出力電圧が振動する現象を、チャタリングと称す。
【0037】
このチャタリングの発生を防止するために、第1実施形態の半導体集積回路1は、ヒステリシス回路13を備える。ヒステリシス回路13は、nMOSトランジスタN4及びN5を含む。nMOSトランジスタN4及びN5は、入力回路11及び反転論理回路20のそれぞれの入力電圧を検知して、オン状態あるいはオフ状態になる。
【0038】
図2に、制御電圧VCTが上昇あるいは低下するときの出力電圧VOUTの変化を示す。pMOSトランジスタP3がオン状態になったとき、出力電圧VOUTは入力電圧VINへ遷移し、pMOSトランジスタP3がオフ状態になったとき、出力電圧VOUTは基準電圧VSSへ遷移する。
【0039】
ヒステリシス回路13を備えることにより、図2に示すように、出力電圧VOUTが、基準電圧VSSから入力電圧VINに遷移するときの制御電圧VCTと、入力電圧VINから基準電圧VSSに遷移するときの制御電圧VCTとを、異なる電圧値に設定できる。
【0040】
これにより、pMOSトランジスタP3は、制御電圧VCTの上昇あるいは低下に対して、オフ状態にあるときはオン状態に遷移しにくく、オン状態にあるときはオフ状態に遷移しにくいという動作特性を持つ。この結果、nMOSトランジスタN2がオン状態あるいはオフ状態になる境目付近の制御電圧VCTが入力された場合でも、出力電圧VOUTに生じるチャタリングを防止でき、出力電圧VOUTの電圧値を安定化させることができる。
【0041】
図3を用いて、入力回路11の出力端(ノードNB)に設けられたヒステリシス回路13の動作について説明する。説明を容易にするために、pMOSトランジスタP1、nMOSトランジスタDN1及びN2の抵抗を、それぞれ“RP1”、“RDN1”及び“RN2”と表記する。同様に、nMOSトランジスタN4及びN5の抵抗を、それぞれ“RN4”及び“RN5”と表記する。“(RN4+RN5)”と表記した場合、nMOSトランジスタN4と、nMOSトランジスタN5とが直列接続されたときの、RN4及びRN5の合成抵抗を表す。また、“(RN2//(RN4+RN5))”と表記した場合、nMOSトランジスタN2と、nMOSトランジスタN4及びN5とが並列接続されたときの、RN2、RN4及びRN5の合成抵抗を表す。図3は、制御電圧VCTが上昇するときのノードNAにおける電圧(以下、ノードNA電圧と記す)と、制御電圧VCTが低下するときのノードNA電圧を示す。
【0042】
制御電圧VCTが“L”から徐々に上昇し、(RP1+RDN1)よりもRN2が低くなる電圧VTH1に制御電圧VCTが達したとき、入力回路11の出力電圧(以下、ノードNB電圧と記す)は“L”になり、ノードNA電圧は“H”になる。このとき、入力回路11では、(RP1+RDN1)とRN2とにおいて、いずれの抵抗が小さいか(あるいは大きいか)により、入力回路11の出力電圧、すなわちノードNB電圧が決定される。ノードNB電圧が“L”になり、ノードNA電圧が“H”になったとき、nMOSトランジスタN4及びN5はオン状態になり、(RN2//(RN4+RN5))が低下する。
【0043】
一方、制御電圧VCTが“H”から徐々に低下し、(RP1+RDN1)よりも(RN2//(RN4+RN5))が高くなる電圧VTH2に制御電圧VCTが達したとき、入力回路11の出力電圧、すなわちノードNB電圧は“H”になり、ノードNA電圧は“L”になる。ノードNA電圧が“L”になったとき、nMOSトランジスタN4及びN5はオフ状態になり、(RN2//(RN4+RN5))が上昇する。
【0044】
このように、ヒステリシス回路13を構成するnMOSトランジスタN4及びN5がオン状態あるいはオフ状態に遷移することにより、ノードNB電圧が“H”から“L”へ立ち下がるときの制御電圧VCTと、ノードNB電圧が“L”から“H”へ立ち上がるときの制御電圧VCTとが、異なる電圧値に設定される。ノードNA電圧は、ノードNB電圧の反転電圧である。このため、図3に示すように、ノードNA電圧が“L”から“H”へ立ち上がるときの制御電圧VCT(電圧VTH1)と、ノードNA電圧が“H”から“L”へ立ち下がるときの制御電圧VCT(電圧VTH2)とが、異なる電圧値に設定される。詳しくは、ノードNA電圧が“H”から“L”へ遷移するときの制御電圧VCTが“L”側へシフトされる。
【0045】
なお、nMOSトランジスタN2のチャネル幅Wとチャネル長Lの比(W/L)より、nMOSトランジスタN4の比(W/L)が大きいほうが、ヒステリシス幅、すなわち電圧VTH1と電圧VTH2との差が大きくなる。また、nMOSトランジスタN2のしきい値電圧がnMOSトランジスタN4のしきい値電圧より高く設定されてもよい。これによっても、ヒステリシス幅を大きくできる。
【0046】
また、nMOSトランジスタN5は、ノードNBからnMOSトランジスタN4を介して基準電圧VSSのノードへ流れる電流に対するスイッチの役割を持つ。nMOSトランジスタN5は、nMOSトランジスタDN1が流せる電流より大きな電流を流せる比(W/L)を有する。すなわち、nMOSトランジスタN5は、nMOSトランジスタDN1よりも大きな電流駆動能力を有する。nMOSトランジスタN5がnMOSトランジスタDN1よりも大きな電流駆動能力を有していれば、電圧VTH1と電圧VTH2に影響を与えることはない。
【0047】
以上により、第1実施形態では、ヒステリシス回路13を備えることにより、nMOSトランジスタN2のしきい値電圧付近の制御電圧VCTが入力された場合でも、ノードNA電圧に生じるチャタリングを防止できる。これにより、反転論理回路20の出力に生じるチャタリングを防止でき、出力電圧VOUTの電圧値を安定化させることができる。
【0048】
なお、上述の動作では、制御電圧VCTとして“H”が入力されると、出力電圧VOUTとして入力電圧VINが出力され、制御電圧VCTとして“L”が入力されると、出力電圧VOUTとして入力電圧VINの出力が遮断される。
【0049】
しかし、制御電圧VCTとして“H”が入力されると、出力電圧VOUTとして入力電圧VINの出力が遮断され、制御電圧VCTとして“L”が入力されると、出力電圧VOUTとして入力電圧VINが出力される構成とすることも可能である。
【0050】
1.3 第1実施形態の効果
第1実施形態によれば、貫通電流防止機能を有し、低消費電力化が可能な、ロードスイッチを含む半導体集積回路を提供できる。
【0051】
以下に、先ず第1実施形態に関連する2つの比較例1,2を示し、次に第1実施形態の効果について説明する。
【0052】
例えば、図4に示す比較例1においては、入力電圧VINのノードからpMOSトランジスタP1及びnMOSトランジスタN2を介して基準電圧VSSのノードに流れる貫通電流Iaが発生する場合がある。貫通電流Iaは、素子の誤動作や破壊の原因になる。この貫通電流Iaを防ぐために、図5に示す比較例2では、入力電圧VINのノードとpMOSトランジスタP1との間にpMOSトランジスタP21を接続する。これにより、貫通電流Iaを抑制している。
【0053】
比較例2では、pMOSトランジスタP21及びP22、及び定電流源ISは、カレントミラーを構成する。このため、インバータを構成するpMOSトランジスタP1及びnMOSトランジスタN2がオン状態あるいはオフ状態のいずれの状態にあるかに関わらず、pMOSトランジスタP22及び定電流源ISは、常時、電流Ibを流し続ける。この電流Ibは、半導体集積回路における消費電流として表れる。
【0054】
そこで、第1実施形態では、pMOSトランジスタP1とnMOSトランジスタN2との間に、デプレッション型のnMOSトランジスタDN1を接続する。これにより、第1実施形態の半導体集積回路1では、入力電圧VINのノードから、pMOSトランジスタP1、nMOSトランジスタDN1及びN2を介して基準電圧VSSのノードへ流れる貫通電流を抑制できると共に、消費電力を低減することができる。
【0055】
さらに、第1実施形態では、入力回路11の出力端(ノードNB)に、ヒステリシス回路13を接続する。ヒステリシス回路13は、入力回路11から出力される電圧(ノードNBの電圧)のチャタリングを低減する。これにより、ノードNBの電圧を受け取って動作するインバータ12及び反転論理回路20からの出力を安定化できる。この結果、ロードスイッチ30の出力電圧VOUTに生じるチャタリングを防止でき、出力電圧VOUTを安定化することができる。
【0056】
以下に、第1実施形態の効果を詳述する。第1実施形態の半導体集積回路1は、主に以下の4つの効果を有する。
【0057】
1つ目は、貫通電流を防止できることである。第1実施形態では、比較例1に示したようなインバータ(pMOSトランジスタP1及びnMOSトランジスタN2)に生じる貫通電流Iaを抑制することができる。すなわち、第1実施形態では、入力回路11に生じる貫通電流Iaを防止することができる。nMOSトランジスタDN1は、貫通電流抑制機能を有する。この貫通電流抑制機能は、nMOSトランジスタDN1のチャネル幅Wとチャネル長Lの比(W/L)を最適化することにより、pMOSトランジスタP1から流れる貫通電流Iaを抑制することで実現している。例えば、nMOSトランジスタDN1のチャネル幅Wとチャネル長Lの比(W/L)を1より小さく設定することで、貫通電流Iaを抑制する。
【0058】
2つ目は、消費電流(即ち、消費電力)を低減できることである。第1実施形態では、比較例2に示したようなカレントミラーを設けることなく、インバータに生じる貫通電流を防止できる。これにより、pMOSトランジスタP22及び定電流源ISに流れる電流Ibを削減することができ、消費電力を低減することができる。
【0059】
図6に、ロードスイッチ30がオン状態にあるとき、すなわちpMOSトランジスタP3がオン状態にあるときの消費電流を示す。また図7に、ロードスイッチ30がオフ状態にあるとき、すなわちpMOSトランジスタP3がオフ状態にあるときの消費電流を示す。これらから解るように、第1実施形態では、比較例2に比べて消費電流を大きく低減することができる。
【0060】
3つ目は、ノードNAからの不定電圧の出力を防止できることである。第1実施形態では、制御電圧VCTとして、例えば、入力電圧VINの1/3の電圧が入力された場合でも、入力電圧VINあるいは基準電圧VSSのいずれかの電圧がノードNAから出力される。これにより、ノードNAから、入力電圧VINでもなく基準電圧VSSでもない不定電圧が出力されるのを防止することができる。
【0061】
ノードNAからの不定電圧の出力を防止できるのは、以下の理由による。
【0062】
例えば、pMOSトランジスタP1とnMOSトランジスタN2のみで構成されたインバータの場合、それぞれのトランジスタのドレイン電流Idは以下で表せる。
【0063】
Id=K’(W/L)(Vgs-Vth)(1+λVds) … (1)
ここで、K’:移動度、ゲート酸化膜容量などプロセスで決まる定数、Vgs:ゲート-ソース間電圧、Vth:しきい値電圧、λ:チャネル長変調効果、Vds:ドレイン-ソース間電圧である。
【0064】
制御電圧VCTが基準電圧VSSから徐々に上がる場合を想定すると、nMOSトランジスタN2のゲート-ソース間電圧Vgsは増加し、ドレイン電流Idは増加する。一方、pMOSトランジスタP1のゲート-ソース間電圧Vgsは減少し、ドレイン電流Idは減少する。nMOSトランジスタN2のドレイン電流IdがpMOSトランジスタP1のドレイン電流Idを上回った瞬間、インバータの出力電圧が入力電圧VINから基準電圧VSSに変化するのが理想であるが、そうはならない。式(1)に、(1+λVds)という項が存在するためである。
【0065】
nMOSトランジスタN2のドレイン-ソース間電圧Vdsは、インバータの出力電圧である。pMOSトランジスタP1のドレイン-ソース間電圧Vdsは、(VIN-インバータの出力電圧)である。
【0066】
nMOSトランジスタN2のゲート-ソース間電圧Vgsが増加し、そのドレイン電流Idが、pMOSトランジスタP1のドレイン電流Idを超えそうになるとき、インバータの出力電圧が下がって、nMOSトランジスタN2のドレイン-ソース間電圧Vdsは下がり(ドレイン電流Id減少)、pMOSトランジスタP1のドレイン-ソース間電圧Vdsは上がる(ドレイン電流Id増加)という、逆の現象が出現する。
【0067】
このため、nMOSトランジスタN2のドレイン電流Idは思ったほど増加せず、pMOSトランジスタP1のドレイン電流Idは思ったほど減少しない。このため、二つのドレイン電流Idが一致してうまくバランスがとられる状況が生まれてしまう。このバランスにより、インバータの出力電圧が中間電圧で安定する状況が存在し、基準電圧VSSでも入力電圧VINでもない、インバータとして避けるべき不定電圧(中間電圧)が出力されることになってしまう。
【0068】
一方、第1実施形態では、pMOSトランジスタP1とnMOSトランジスタN2との間にデプレッション型のnMOSトランジスタDN1を接続している。nMOSトランジスタDN1は、定電流源として動作する。定電流源としてのnMOSトランジスタDN1は、ドレイン-ソース間電圧Vdsに依存せず、常に同じ電流を流す効果がある。このとき、式(1)における(1+λVds)項が常にほぼ1となる。(1+λVds)がほぼ1であるため、pMOSトランジスタP1とnMOSトランジスタDN1が流す電流は、インバータの出力電圧の影響を受けない。したがって、上述したnMOSトランジスタN2とpMOSトランジスタP1のドレイン電流Idがうまくバランスを取ってしまうような状況が起きにくい。
【0069】
これにより、インバータの出力電圧(即ち、ノードNB電圧)が不定電圧になるのを防止できる。さらには、ノードNAからの不定電圧の出力を防止できる。 4つ目は、出力電圧VOUTに生じるチャタリングを防止でき、出力電圧VOUTを安定化できることである。第1実施形態では、入力回路11とインバータ12との間にヒステリシス回路13を接続する。ヒステリシス回路13は、入力回路11の出力電圧、すなわち、ノードNBの電圧に生じるチャタリングを防止できる。これにより、ノードNBの後段に接続されたインバータ12及び反転論理回路20からの出力を安定化できる。この結果、ロードスイッチ30の出力電圧VOUTに生じるチャタリングを防止でき、出力電圧VOUTを安定化することができる。
【0070】
1.4 第1実施形態の変形例
次に、第1実施形態の変形例の半導体集積回路について説明する。図8は、第1実施形態の変形例の半導体集積回路1Aの構成を示す回路図である。
【0071】
変形例の半導体集積回路1Aは、図1に示した半導体集積回路1における反転論理回路20に換えて、非反転論理回路21を備える。非反転論理回路21の入力端は、ノードNA、すなわちpMOSトランジスタP2のドレイン及びnMOSトランジスタN3のドレインに接続される。非反転論理回路21の出力端は、pMOSトランジスタP3のゲートに接続される。非反転論理回路21は、論理を反転する機能に加え、出力電圧の変化速度を制限することにより、pMOSトランジスタP3が急激にオン状態もしくはオフ状態に変化することを低減もしくは防ぐ機能を有していてもよい。
【0072】
変形例の半導体集積回路1Aでは、制御電圧VCTとして“L”が入力されたとき、非反転論理回路21の出力が“L”になる。これにより、ロードスイッチ30は、出力電圧VOUTとして、入力電圧VINを負荷100に供給する。一方、制御電圧VCTとして“H”が入力されたとき、非反転論理回路21の出力が“H”になる。これにより、ロードスイッチ30は、入力電圧VINを負荷100に供給するのを遮断する。
【0073】
変形例の半導体集積回路1Aのその他の構成及び効果は、前述した第1実施形態の半導体集積回路1と同様である。
【0074】
2.第2実施形態
以下に、第2実施形態の半導体集積回路について説明する。第2実施形態の半導体集積回路は、第1実施形態と同様に、ロードスイッチを備える。第2実施形態は、図1に示した第1実施形態の半導体集積回路1において、ヒステリシス回路13を他のヒステリシス回路に変更した例である。その他の構成は、前述した第1実施形態と同様である。第2実施形態では、第1実施形態と異なる点について主に説明する。
【0075】
2.1 第2実施形態の構成
図9は、第2実施形態の半導体集積回路2の構成を示す回路図である。半導体集積回路2は、制御回路10_2、反転論理回路20、及びロードスイッチ30を有する。制御回路10_2は、制御電圧VCTに応じてロードスイッチ30の動作を制御する。反転論理回路20及びロードスイッチ30は、第1実施形態と同様である。
【0076】
以下に、制御回路10_2について説明する。
【0077】
制御回路10_2は、入力回路11、インバータ12、及びヒステリシス回路(または、チャタリング防止回路)14を有する。
【0078】
ヒステリシス回路14は、入力回路11から出力された電圧に生じるチャタリングを防止する。すなわち、ヒステリシス回路14は、入力回路11の出力電圧を安定化させる。ヒステリシス回路14は、pMOSトランジスタP4及びデプレッション型のnMOSトランジスタDN6を含む。
【0079】
ヒステリシス回路14の回路接続は、以下の通りである。pMOSトランジスタP4のソースは、入力電圧VINが供給されるノードに接続される。すなわち、入力電圧VINは、pMOSトランジスタP4のソースに供給される。pMOSトランジスタP4のゲートは、ノードNA、すなわちpMOSトランジスタP2のドレイン及びnMOSトランジスタN3のドレインに接続される。pMOSトランジスタP4のドレインは、nMOSトランジスタDN6のドレインに接続される。
【0080】
nMOSトランジスタDN6のゲートは、nMOSトランジスタDN6のソースに接続される。nMOSトランジスタDN6のソースは、ノードNB、すなわちnMOSトランジスタDN1のソース、nMOSトランジスタN2のドレイン、pMOSトランジスタP2のゲート、及びnMOSトランジスタN3のゲートに接続される。
【0081】
2.2 第2実施形態の動作
次に、第2実施形態の半導体集積回路2の動作について説明する。半導体集積回路2の動作は、制御電圧VCTが“L”のとき、あるいは制御電圧VCTが“H”のときのいずれの場合も、第1実施形態と同様である。
【0082】
以下に、制御電圧VCTが“L”から“H”へ、あるいは“H”から“L”に遷移するときの動作を説明する。
【0083】
第2実施形態の半導体集積回路2は、出力電圧VOUTに生じるチャタリングを防止するために、ヒステリシス回路14を備える。第2実施形態では、ヒステリシス回路14を備えることにより、出力電圧VOUTが基準電圧VSSから入力電圧VINに遷移するときの制御電圧VCTと、出力電圧VOUTが入力電圧VINから基準電圧VSSに遷移するときの制御電圧VCTとを、異なる電圧値に設定できる。
【0084】
これにより、pMOSトランジスタP3は、制御電圧VCTの上昇あるいは低下に対して、オフ状態にあるときはオン状態に遷移しにくく、オン状態にあるときはオフ状態に遷移しにくいという動作特性を持つ。この結果、nMOSトランジスタN2のしきい値電圧付近の制御電圧VCTが入力された場合でも、出力電圧VOUTに生じるチャタリングを防止でき、出力電圧VOUTの電圧値を安定化させることができる。
【0085】
図3を用いて、入力回路11の出力端(ノードNB)に設けられたヒステリシス回路14の動作について説明する。説明を容易にするために、pMOSトランジスタP1、nMOSトランジスタDN1及びN2の抵抗を、それぞれ“RP1”、“RDN1”及び“RN2”と表記する。同様に、pMOSトランジスタP4及びnMOSトランジスタDN6の抵抗を、それぞれ“RP4”及び“RDN6”と表記する。また、“((RP1+RDN1)//(RP4+RDN6))”と表記した場合、pMOSトランジスタP1及びnMOSトランジスタDN1と、pMOSトランジスタP4及びnMOSトランジスタDN6とが並列接続されたときの、RP1、RDN1、RP4、及びRDN6の合成抵抗を表す。
【0086】
制御電圧VCTが“L”から徐々に上昇し、((RP1+RDN1)//(RP4+RDN6))よりもRN2が低くなる電圧VTH1に制御電圧VCTが達したとき、入力回路11の出力電圧(ノードNB電圧)は“L”になり、ノードNA電圧は“H”になる。このとき、pMOSトランジスタP4がオフ状態になるため、pMOSトランジスタP4とnMOSトランジスタDN6には電流が流れない。すると、((RP1+RDN1)//(RP4+RDN6))は、pMOSトランジスタP4がオン状態であったときより上昇する。
【0087】
一方、制御電圧VCTが“H”から徐々に低下し、((RP1+RDN1)//(RP4+RDN6))よりもRN2が高くなる電圧VTH2に制御電圧VCTが達したとき、入力回路11の出力電圧(ノードNB電圧)は“H”になり、ノードNA電圧は“L”になる。このとき、pMOSトランジスタP4がオン状態になるため、pMOSトランジスタP4とnMOSトランジスタDN6に電流が流れる。すると、((RP1+RDN1)//(RP4+RDN6))は、pMOSトランジスタP4がオフ状態であったときより低下する。
【0088】
このように、pMOSトランジスタP4及びnMOSトランジスタDN6を含むヒステリシス回路14がオン状態あるいはオフ状態に遷移することにより、ノードNB電圧が“H”から“L”へ立ち下がるときの制御電圧VCTと、ノードNB電圧が“L”から“H”へ立ち上がるときの制御電圧VCTとが、異なる電圧値に設定される。ノードNA電圧は、ノードNB電圧の反転電圧である。このため、図3に示すように、ノードNA電圧が“L”から“H”へ立ち上がるときの制御電圧VCTと、ノードNA電圧が“H”から“L”へ立ち下がるときの制御電圧VCTとが、異なる電圧値に設定される。詳しくは、ノードNA電圧が“L”から“H”へ遷移するときの制御電圧VCTが“H”側へシフトされる。
【0089】
従って、第2実施形態では、ヒステリシス回路14を備えることにより、nMOSトランジスタN2のしきい値電圧付近の制御電圧VCTが入力された場合でも、ノードNA電圧に生じるチャタリングを防止できる。これにより、反転論理回路20の出力に生じるチャタリングを防止でき、出力電圧VOUTの電圧値を安定化させることができる。
【0090】
2.3 第2実施形態の効果
第2実施形態によれば、貫通電流防止機能を有し、低消費電力化が可能な、ロードスイッチを含む半導体集積回路を提供できる。
【0091】
第2実施形態の半導体集積回路2は、第1実施形態と同様に、主に以下の4つの効果を有する。
【0092】
1つ目は、貫通電流を防止できることである。2つ目は、消費電流(即ち、消費電力)を低減できることである。3つ目は、ノードNAからの不定電圧の出力を防止できることである。
【0093】
4つ目は、出力電圧VOUTに生じるチャタリングを防止でき、出力電圧VOUTを安定化できることである。第2実施形態では、入力回路11とインバータ12との間にヒステリシス回路14を接続する。ヒステリシス回路14は、入力回路11の出力電圧、すなわち、ノードNB電圧に生じるチャタリングを防止できる。これにより、ノードNBの後段に接続されたインバータ12及び反転論理回路20からの出力を安定化できる。この結果、ロードスイッチ30の出力電圧VOUTに生じるチャタリングを防止でき、出力電圧VOUTの電圧値を安定化させることができる。
【0094】
3.第3実施形態
以下に、第3実施形態の半導体集積回路について説明する。第3実施形態の半導体集積回路は、第1及び第2実施形態と同様に、ロードスイッチを備える。第3実施形態は、図1に示した第1実施形態の半導体集積回路1において、ヒステリシス回路13を他のヒステリシス回路に変更した例である。その他の構成は、前述した第1実施形態と同様である。第3実施形態では、第1実施形態と異なる点について主に説明する。
【0095】
3.1 第3実施形態の構成
図10は、第3実施形態の半導体集積回路3の構成を示す回路図である。半導体集積回路3は、制御回路10_3、反転論理回路20、及びロードスイッチ30を有する。制御回路10_3は、制御電圧VCTに応じてロードスイッチ30の動作を制御する。反転論理回路20及びロードスイッチ30は、第1実施形態と同様である。
【0096】
以下に、制御回路10_3について説明する。
【0097】
制御回路10_3は、入力回路11、インバータ12、及びヒステリシス回路(または、チャタリング防止回路)15を有する。
【0098】
ヒステリシス回路15は、入力回路11から出力された電圧に生じるチャタリングを防止する。すなわち、ヒステリシス回路15は、入力回路11の出力電圧を安定化させる。ヒステリシス回路15は、nMOSトランジスタN7及びデプレッション型のnMOSトランジスタDN8を含む。
【0099】
ヒステリシス回路15の回路接続は、以下の通りである。nMOSトランジスタN7のドレインは、ノードNB、すなわちnMOSトランジスタDN1のソース、nMOSトランジスタN2のドレイン、pMOSトランジスタP2のゲート、及びnMOSトランジスタN3のゲートに接続される。nMOSトランジスタN7のゲートは、ノードNA、すなわちpMOSトランジスタP2のドレイン及びnMOSトランジスタN3のドレインに接続される。nMOSトランジスタN7のソースは、nMOSトランジスタDN8のドレインに接続される。
【0100】
nMOSトランジスタDN8のゲートは、nMOSトランジスタDN8のソースに接続される。nMOSトランジスタDN8のソースは、基準電圧VSSが供給されるノードに接続される。すなわち、基準電圧VSSは、nMOSトランジスタDN8のソースに供給される。
【0101】
3.2 第3実施形態の動作
次に、第3実施形態の半導体集積回路3の動作について説明する。半導体集積回路3の動作は、制御電圧VCTが“L”のとき、あるいは制御電圧VCTが“H”のときのいずれの場合も、第1実施形態と同様である。
【0102】
以下に、制御電圧VCTが“L”から“H”へ、あるいは“H”から“L”に遷移するときの動作を説明する。
【0103】
第3実施形態の半導体集積回路3は、出力電圧VOUTに生じるチャタリングを防止するために、ヒステリシス回路15を備える。第3実施形態では、ヒステリシス回路15を備えることにより、出力電圧VOUTが基準電圧VSSから入力電圧VINに遷移するときの制御電圧VCTと、出力電圧VOUTが入力電圧VINから基準電圧VSSに遷移するときの制御電圧VCTとを、異なる電圧値に設定できる。
【0104】
これにより、pMOSトランジスタP3は、制御電圧VCTの上昇あるいは低下に対して、オフ状態にあるときはオン状態に遷移しにくく、オン状態にあるときはオフ状態に遷移しにくいという動作特性を持つ。この結果、nMOSトランジスタN2のしきい値電圧付近の制御電圧VCTが入力された場合でも、出力電圧VOUTに生じるチャタリングを防止でき、出力電圧VOUTの電圧値を安定化させることができる。
【0105】
図3を用いて、入力回路11の出力端(ノードNB)に設けられたヒステリシス回路15の動作について説明する。説明を容易にするために、pMOSトランジスタP1、nMOSトランジスタDN1及びN2の抵抗を、それぞれ“RP1”、“RDN1”及び“RN2”と表記する。同様に、nMOSトランジスタN7及びnMOSトランジスタDN8の抵抗を、それぞれ“RN7”及び“RDN8”と表記する。また、“(RN2//(RN7+RDN8))”と表記した場合、nMOSトランジスタN2と、nMOSトランジスタN7及びnMOSトランジスタDN8とが並列接続されたときの、RN2、RN7、及びRDN8の合成抵抗を表す。
【0106】
制御電圧VCTが“L”から徐々に上昇し、(RP1+RDN1)よりもRN2が低くなる電圧VTH1に制御電圧VCTが達したとき、入力回路11の出力電圧(ノードNB電圧)は“L”になり、ノードNA電圧は“H”になる。ノードNB電圧が“L”になり、ノードNA電圧が“H”になったとき、nMOSトランジスタN7はオン状態になり、(RN2//(RN7+RDN8))が低下する。
【0107】
一方、制御電圧VCTが“H”から徐々に低下し、(RP1+RDN1)よりも(RN2//(RN7+RDN8))が高くなる電圧VTH2に制御電圧VCTが達したとき、入力回路11の出力電圧、すなわちノードNB電圧は“H”になり、ノードNA電圧は“L”になる。ノードNA電圧が“L”になったとき、nMOSトランジスタN7はオフ状態になり、(RN2//(RN7+RDN8))が上昇する。
【0108】
このように、nMOSトランジスタN7及びDN8を含むヒステリシス回路15がオン状態あるいはオフ状態に遷移することにより、ノードNB電圧が“H”から“L”へ立ち下がるときの制御電圧VCTと、ノードNB電圧が“L”から“H”へ立ち上がるときの制御電圧VCTとが、異なる電圧値に設定される。ノードNA電圧は、ノードNB電圧の反転電圧である。このため、図3に示すように、ノードNA電圧が“L”から“H”へ立ち上がるときの制御電圧VCTと、ノードNA電圧が“H”から“L”へ立ち下がるときの制御電圧VCTとが、異なる電圧値に設定される。詳しくは、ノードNA電圧が“H”から“L”へ遷移するときの制御電圧VCTが“L”側へシフトされる。
【0109】
従って、第3実施形態では、ヒステリシス回路15を備えることにより、nMOSトランジスタN2のしきい値電圧付近の制御電圧VCTが入力された場合でも、ノードNA電圧に生じるチャタリングを防止できる。これにより、反転論理回路20の出力に生じるチャタリングを防止でき、出力電圧VOUTの電圧値を安定化させることができる。
【0110】
なお、RDN1はRDN8よりも小さく設定される。これは、制御電圧が“H”から“L”に遷移するとき、(RP1+RDN1)が(RN2//(RN7+RDN8))よりも小さくなければ、ノードNB電圧が、“H”にならず、“L”のまま、あるいは不定となるためである。
【0111】
3.3 第3実施形態の効果
第3実施形態によれば、貫通電流防止機能を有し、低消費電力化が可能な、ロードスイッチを含む半導体集積回路を提供できる。
【0112】
第3実施形態の半導体集積回路3は、第1実施形態と同様に、主に以下の4つの効果を有する。
【0113】
1つ目は、貫通電流を防止できることである。2つ目は、消費電流(即ち、消費電力)を低減できることである。3つ目は、ノードNAからの不定電圧の出力を防止できることである。
【0114】
4つ目は、出力電圧VOUTに生じるチャタリングを防止でき、出力電圧VOUTを安定化できることである。第3実施形態では、入力回路11とインバータ12との間にヒステリシス回路15を接続する。ヒステリシス回路15は、入力回路11の出力電圧、すなわち、ノードNBの電圧に生じるチャタリングを防止できる。これにより、ノードNBの後段に接続されたインバータ12及び反転論理回路20からの出力を安定化できる。この結果、ロードスイッチ30の出力電圧VOUTに生じるチャタリングを防止でき、出力電圧VOUTの電圧値を安定化させることができる。
【0115】
4.第4実施形態
以下に、第4実施形態の半導体集積回路について説明する。第4実施形態の半導体集積回路は、レギュレータを備える。レギュレータは、電子回路などの負荷に対して、安定した一定電圧を出力する回路である。
【0116】
第4実施形態は、第1実施形態の半導体集積回路1において、反転論理回路20及びロードスイッチ30に換えて、レギュレータの構成を備える例である。言い換えると、半導体集積回路1の制御回路10_1に、レギュレータの構成を付加した例である。その他の構成は、前述した第1実施形態と同様である。第4実施形態では、第1実施形態と異なる点について主に説明する。
【0117】
4.1 第4実施形態の構成
図11は、第4実施形態の半導体集積回路4の構成を示す回路図である。半導体集積回路4は、半導体集積回路4の後段に配置される負荷100に対して、入力電圧VINに依存せず、出力電圧VOUTとして一定電圧を供給するレギュレータ40を備える。
【0118】
半導体集積回路4は、制御回路10_1及びレギュレータ40を有する。制御回路10_1は、制御電圧VCTに応じて、レギュレータ40を動作状態あるいは非動作状態に制御する。制御回路10_1の回路構成は、第1実施形態と同様である。
【0119】
以下に、レギュレータ40について説明する。レギュレータ40は、第1利得回路41及び出力回路42を含む。第1利得回路41は、帰還電圧FBと参照電圧VREFとの大小に応じた電圧を、nMOSトランジスタP3のゲートに出力する。第1利得回路41は、nMOSトランジスタN11、N12、N13、N14、及びpMOSトランジスタP11、P12、P13、定電流源IS1、及び参照電圧源VREFSを含む。定電流源IS1は、一定の電流を供給できる電源である。参照電圧源VREFSは、温度に依存せず、参照電圧VREFを生成する電源である。
【0120】
出力回路42は、第1利得回路41から出力された電圧に応じて、出力電圧VOUTの電圧値を上昇あるいは低下させる。出力回路42は、pMOSトランジスタP3、抵抗RF、及び抵抗RSを含む。抵抗RF及び抵抗RSは帰還回路を構成する。帰還回路は、出力電圧VOUTを、抵抗RF及び抵抗RSにより分圧した帰還電圧FBを出力する。
【0121】
以下に、レギュレータ40の第1利得回路41及び出力回路42における回路接続について説明する。
【0122】
pMOSトランジスタP11のソースは、入力電圧VINが供給されるノードに接続される。すなわち、入力電圧VINは、pMOSトランジスタP11のソースに供給される。pMOSトランジスタP11のゲートは、pMOSトランジスタP11のドレインに接続される。pMOSトランジスタP11のドレインは、nMOSトランジスタN11のドレインに接続される。
【0123】
nMOSトランジスタN11のソースは、定電流源IS1を介してnMOSトランジスタN13のドレインに接続される。nMOSトランジスタN13のソースは、基準電圧VSSが供給されるノードに接続される。すなわち、基準電圧VSSは、nMOSトランジスタN13のソースに供給される。
【0124】
pMOSトランジスタP12のソースは、入力電圧VINが供給されるノードに接続される。すなわち、入力電圧VINは、pMOSトランジスタP12のソースに供給される。pMOSトランジスタP12のゲートは、pMOSトランジスタP11のゲートに接続される。pMOSトランジスタP12のドレインは、nMOSトランジスタN12のドレインに接続される。nMOSトランジスタN12のソースは、nMOSトランジスタN11のソース及び定電流源IS1に接続される。
【0125】
nMOSトランジスタN12のゲートは、参照電圧源VREFSに接続される。すなわち、参照電圧源VREFSから供給される参照電圧VREFは、nMOSトランジスタN12のゲートに供給される。さらに、参照電圧源VREFSは、nMOSトランジスタN14のドレインに接続される。nMOSトランジスタN14のソースは、基準電圧VSSが供給されるノードに接続される。すなわち、基準電圧VSSは、nMOSトランジスタN14のソースに供給される。
【0126】
pMOSトランジスタP13のソースは、入力電圧VINが供給されるノードに接続される。すなわち、入力電圧VINは、pMOSトランジスタP13のソースに供給される。pMOSトランジスタP13のゲートは、ノードNA、すなわちpMOSトランジスタP2のドレイン及びnMOSトランジスタN3のドレインに接続される。pMOSトランジスタP13のドレインは、pMOSトランジスタP12のドレイン、nMOSトランジスタN12のドレイン、及びpMOSトランジスタP3のゲートに接続される。
【0127】
nMOSトランジスタN13のゲート及びnMOSトランジスタN14のゲートは、ノードNA、すなわちpMOSトランジスタP2のドレイン及びnMOSトランジスタN3のドレインに接続される。
【0128】
pMOSトランジスタP3のソースは、入力電圧VINが供給されるノードに接続される。すなわち、入力電圧VINは、pMOSトランジスタP3のソースに供給される。pMOSトランジスタP3のゲートは、pMOSトランジスタP12のドレイン及びnMOSトランジスタN12のドレインに接続される。
【0129】
pMOSトランジスタP3のドレインは、抵抗RF及び抵抗RSを介して基準電圧VSSが供給されるノードに接続される。すなわち、基準電圧VSSは、抵抗RS及び抵抗RFを介してpMOSトランジスタP3のドレインに供給される。抵抗RFと抵抗RS間のノードは、nMOSトランジスタN11のゲートに接続される。抵抗RFと抵抗RS間のノードから、帰還電圧FBがnMOSトランジスタN11のゲートに供給される。
【0130】
さらに、pMOSトランジスタP3のドレインは、pMOSトランジスタP3の後段に配置された負荷100に接続される。負荷100は、半導体集積回路4の外部に設けられる。pMOSトランジスタP3は、出力電圧VOUTとして、一定電圧を負荷100に供給する、あるいは一定電圧の供給を停止する。
【0131】
4.2 第4実施形態の動作
以下に、第4実施形態の半導体集積回路4の動作について説明する。半導体集積回路4には、全てのMOSトランジスタが安定動作できる入力電圧VINが供給されるものとする。
(1)制御電圧VCTが“L”のとき
例えば、入力電圧VINが3.6V(以下“H”と記す)であり、制御電圧VCTが基準電圧VSS(以下“L”と記す)である場合、以下のように動作する。
【0132】
制御電圧VCTが“L”のとき、pMOSトランジスタP1がオン状態になり、nMOSトランジスタN2及びN4がオフ状態になる。これにより、ノードNBが“H”(例えば、3.6V)になる。nMOSトランジスタN2がオフ状態であるため、pMOSトランジスタP1、nMOSトランジスタDN1、及びnMOSトランジスタN2が直列に接続されたラインには電流が流れない。すなわち、入力電圧VINのノードから入力回路11を介して基準電圧VSSのノードへ流れる貫通電流は発生しない。
【0133】
ノードNBが“H”になると、pMOSトランジスタP2はオフ状態になり、nMOSトランジスタN3はオン状態になる。これにより、ノードNAが“L”になる。このとき、pMOSトランジスタP2はオフ状態であるため、pMOSトランジスタP2及びnMOSトランジスタN3が直列に接続されたラインには電流が流れない。すなわち、入力電圧VINのノードからインバータ12を介して基準電圧VSSのノードへ流れる貫通電流は発生しない。
【0134】
ノードNAが“L”になると、pMOSトランジスタP13のゲート、nMOSトランジスタN13及びN14のゲートに“L”が供給される。このため、pMOSトランジスタP13がオン状態になり、nMOSトランジスタN13及びN14はオフ状態になる。
【0135】
nMOSトランジスタN11のゲートに、帰還電圧FBが供給される。帰還電圧FBは、出力電圧VOUTを抵抗RFと抵抗RSとで抵抗分圧した電圧である。nMOSトランジスタN12のゲートに、参照電圧VREFが供給される。ここで、pMOSトランジスタP13がオン状態であるため、入力電圧VINがpMOSトランジスタP13を介してpMOSトランジスタP3のゲートに供給される。
【0136】
これにより、pMOSトランジスタP3のゲートに入力電圧VINが供給されるため、pMOSトランジスタP3はオフ状態になり、出力電圧VOUTの出力を停止する。この結果、レギュレータ40は、動作を停止する、すなわち非動作状態になる。
(2)制御電圧VCTが“H”のとき
例えば、入力電圧VINが3.6Vであり、制御電圧VCTが3.6V、あるいは入力電圧VINの1/2の電圧である1.8V(以下“H”と記す)の場合、以下のように動作する。
【0137】
制御電圧VCTが“H”(例えば、3.6Vあるいは1.8V)のとき、pMOSトランジスタP1がオフ状態になり、nMOSトランジスタN2及びN4がオン状態になる。これにより、ノードNBが“L”になる。pMOSトランジスタP1がオフ状態であるため、pMOSトランジスタP1、nMOSトランジスタDN1、及びnMOSトランジスタN2が直列に接続されたラインには電流が流れない。すなわち、入力電圧VINのノードから入力回路11を介して基準電圧VSSのノードへ流れる貫通電流は発生しない。
【0138】
ノードNBが“L”になると、pMOSトランジスタP2はオン状態になり、nMOSトランジスタN3はオフ状態になる。これにより、ノードNAが“H”になる。このとき、nMOSトランジスタN3はオフ状態であるため、pMOSトランジスタP2及びnMOSトランジスタN3が直列に接続されたラインには電流が流れない。すなわち、入力電圧VINのノードからインバータ12を介して基準電圧VSSのノードへ流れる貫通電流は発生しない。
【0139】
ノードNAが“H”になると、pMOSトランジスタP13のゲート、nMOSトランジスタN13及びN14のゲートに“H”が供給される。このため、pMOSトランジスタP13がオフ状態になり、nMOSトランジスタN13及びN14はオン状態になる。これにより、レギュレータ40は、動作を開始する、すなわち動作状態になる。
【0140】
nMOSトランジスタN11のゲートに、帰還電圧FBが供給される。帰還電圧FBは、出力電圧VOUTを抵抗RFと抵抗RSとで抵抗分圧した電圧である。nMOSトランジスタN12のゲートに、参照電圧VREFが供給される。ここで、pMOSトランジスタP13がオフ状態であるため、帰還電圧FBと参照電圧VREFとの電圧差に応じた電圧が、pMOSトランジスタP3のゲートに供給される。
【0141】
pMOSトランジスタP3は、参照電圧VREFが帰還電圧FBより高い場合(VREF>FBの場合)、出力電圧VOUTを上昇させる。一方、pMOSトランジスタP3は、参照電圧VREFが帰還電圧FBより低い場合(VREF<FBの場合)、出力電圧VOUTを低下させる。これにより、最終的には、参照電圧VREFと帰還電圧FBとが等しくなるように、出力電圧VOUTは一定電圧に収束する。すなわち、pMOSトランジスタP3は、出力電圧VOUTとして、収束した一定電圧を出力する。
(3)制御電圧VCTが“L”から“H”に、あるいは“H”から“L”に遷移するとき 第4実施形態は、第1実施形態と同様に、ノードNA電圧に生じるチャタリングを防止するために、ヒステリシス回路13を備える。第4実施形態では、ヒステリシス回路13を備えることにより、ノードNA電圧が基準電圧VSSから入力電圧VINに遷移するときの制御電圧VCTと、ノードNA電圧が入力電圧VINから基準電圧VSSに遷移するときの制御電圧VCTとを、異なる電圧値に設定できる。
【0142】
これにより、pMOSトランジスタP13は、制御電圧VCTの上昇あるいは低下に対して、オフ状態にあるときはオン状態に遷移しにくく、オン状態にあるときはオフ状態に遷移しにくいという動作特性を持つ。この結果、nMOSトランジスタN2のしきい値電圧付近の制御電圧VCTが入力された場合でも、ノードNA電圧に生じるチャタリングを防止でき、レギュレータ40の動作制御を安定化させることができる。
【0143】
また、ヒステリシス回路13の動作については、第1実施形態におけるヒステリシス回路13と同様である。
【0144】
なお、上述の動作説明では、ノードNA電圧がpMOSトランジスタP13、nMOSトランジスタN13及びN14のゲートに入力されたが、ノードNA電圧に換えて、ノードNB電圧がpMOSトランジスタP13、nMOSトランジスタN13及びN14のゲートに入力されるように構成してもよい。この場合、制御電圧VCTとして“H”が入力されると、レギュレータ40は非動作状態となり、制御電圧VCTとして“L”が入力されると、レギュレータ40は動作状態となる。
【0145】
また、第4実施形態では、インバータ12と出力回路42との間に、1つの利得回路41を配置したが、2つの利得回路を配置してもよい。すなわち、第1利得回路41と出力回路42との間に、第2利得回路を配置してもよい。第2利得回路を配置すれば、レギュレータにおける利得が上がり、定電圧特性を向上させることができる。
【0146】
4.3 第4実施形態の効果
第4実施形態によれば、貫通電流防止機能を有し、低消費電力化が可能な、レギュレータを含む半導体集積回路を提供できる。
【0147】
第4実施形態の半導体集積回路4は、第1実施形態と同様に、以下の効果を有する。
【0148】
1つ目は、貫通電流を防止できることである。2つ目は、消費電流(即ち、消費電力)を低減できることである。3つ目は、ノードNAからの不定電圧の出力を防止できることである。
【0149】
さらに、半導体集積回路4では、ノードNA電圧に生じるチャタリングを防止でき、レギュレータ40の動作を安定化できる。
【0150】
5.第5実施形態
以下に、第5実施形態の半導体集積回路について説明する。第5実施形態の半導体集積回路は、第4実施形態と同様に、レギュレータを備える。第5実施形態は、図11に示した第4実施形態の半導体集積回路4において、ヒステリシス回路13をヒステリシス回路14に変更した例である。言い換えると、第2実施形態の半導体集積回路2の制御回路10_2に、レギュレータの構成を付加した例である。その他の構成は、前述した第2あるいは第4実施形態と同様である。第5実施形態では、第2あるいは第4実施形態と異なる点について主に説明する。
【0151】
5.1 第5実施形態の構成
図12は、第5実施形態の半導体集積回路5の構成を示す回路図である。半導体集積回路5は、制御回路10_2及びレギュレータ40を有する。制御回路10_2は、制御電圧VCTに応じて、レギュレータ40を動作状態あるいは非動作状態に制御する。制御回路10_2の回路構成は、第2実施形態と同様である。レギュレータ40は、第1利得回路41及び出力回路42を含む。レギュレータ40の回路構成は、第4実施形態と同様である。
【0152】
5.2 第5実施形態の動作
以下に、第5実施形態の半導体集積回路5の動作について説明する。半導体集積回路5の動作は、制御電圧VCTが“L”のとき、制御電圧VCTが“H”のとき、制御電圧VCTが“L”から“H”にあるいは“H”から“L”に遷移するとき、のいずれの場合も、第4実施形態と同様である。
【0153】
また、半導体集積回路5におけるヒステリシス回路14の動作については、第2実施形態におけるヒステリシス回路14と同様である。
【0154】
5.3 第5実施形態の効果
第5実施形態によれば、貫通電流防止機能を有し、低消費電力化が可能な、レギュレータを含む半導体集積回路を提供できる。
【0155】
第5実施形態の半導体集積回路5は、第1実施形態と同様に、以下の効果を有する。
【0156】
1つ目は、貫通電流を防止できることである。2つ目は、消費電流(即ち、消費電力)を低減できることである。3つ目は、ノードNAからの不定電圧の出力を防止できることである。
【0157】
さらに、半導体集積回路5では、ノードNA電圧に生じるチャタリングを防止でき、レギュレータ40の動作を安定化できる。
【0158】
6.第6実施形態
以下に、第6実施形態の半導体集積回路について説明する。第6実施形態の半導体集積回路は、第4及び第5実施形態と同様に、レギュレータを備える。第6実施形態は、図11に示した第4実施形態の半導体集積回路4において、ヒステリシス回路13をヒステリシス回路15に変更した例である。言い換えると、第3実施形態の半導体集積回路3の制御回路10_3に、レギュレータの構成を付加した例である。その他の構成は、前述した第3あるいは第4実施形態と同様である。第6実施形態では、第3あるいは第4実施形態と異なる点について主に説明する。
【0159】
6.1 第6実施形態の構成
図13は、第6実施形態の半導体集積回路6の構成を示す回路図である。半導体集積回路6は、制御回路10_3及びレギュレータ40を有する。制御回路10_3は、制御電圧VCTに応じて、レギュレータ40を動作状態あるいは非動作状態に制御する。制御回路10_3の回路構成は、第3実施形態と同様である。レギュレータ40は、第1利得回路41及び出力回路42を含む。レギュレータ40の回路構成は、第4実施形態と同様である。
【0160】
6.2 第6実施形態の動作
以下に、第6実施形態の半導体集積回路6の動作について説明する。半導体集積回路6の動作は、制御電圧VCTが“L”のとき、制御電圧VCTが“H”のとき、制御電圧VCTが“L”から“H”にあるいは“H”から“L”に遷移するとき、のいずれの場合も、第4実施形態と同様である。
【0161】
また、半導体集積回路6におけるヒステリシス回路15の動作については、第3実施形態におけるヒステリシス回路15と同様である。
【0162】
6.3 第6実施形態の効果
第6実施形態によれば、貫通電流防止機能を有し、低消費電力化が可能な、レギュレータを含む半導体集積回路を提供できる。
【0163】
第6実施形態の半導体集積回路6は、第1実施形態と同様に、以下の効果を有する。
【0164】
1つ目は、貫通電流を防止できることである。2つ目は、消費電流(即ち、消費電力)を低減できることである。3つ目は、ノードNAからの不定電圧の出力を防止できることである。
【0165】
さらに、半導体集積回路6では、ノードNA電圧に生じるチャタリングを防止でき、レギュレータ40の動作を安定化できる。
【0166】
7.第7実施形態
以下に、第7実施形態の半導体集積回路について説明する。第7実施形態の半導体集積回路は、オペアンプ(または、演算増幅器)を備える。オペアンプは、電子回路などの負荷に対して、2つの入力電圧の電圧差に応じた電圧を出力する回路である。
【0167】
第7実施形態は、第1実施形態の半導体集積回路1において、反転論理回路20及びロードスイッチ30に換えて、オペアンプの構成を備える例である。言い換えると、半導体集積回路1の制御回路10_1に、オペアンプの構成を付加した例である。その他の構成は、前述した第1実施形態と同様である。第7実施形態では、第1実施形態と異なる点について主に説明する。
【0168】
7.1 第7実施形態の構成
図14は、第7実施形態の半導体集積回路7の構成を示す回路図である。半導体集積回路7は、半導体集積回路7の後段に配置される負荷100に対して、出力電圧VOUTとして、電圧INPと電圧INNとの電圧差に応じた電圧を供給するオペアンプ50を備える。
【0169】
半導体集積回路7は、制御回路10_1及びオペアンプ50を有する。制御回路10_1は、制御電圧VCTに応じて、オペアンプ50を動作状態あるいは非動作状態に制御する。制御回路10_1の回路構成は、第1実施形態と同様である。
【0170】
以下に、オペアンプ50について説明する。オペアンプ50は、第1利得回路51及び出力回路52を含む。第1利得回路51は、電圧INNと電圧INPの2つの電圧を受け取り、電圧INNと電圧INPとの電圧差に応じて増幅した電圧を、pMOSトランジスタP3のゲートに出力する。第1利得回路51は、nMOSトランジスタN11、N12、N13、及びpMOSトランジスタP11、P12、P13、及び定電流源IS1を含む。
【0171】
出力回路52は、第1利得回路51から出力された電圧に応じて、出力電圧VOUTの電圧値を上昇あるいは低下させる。出力回路52は、pMOSトランジスタP3、nMOSトランジスタN15、及び定電流源IS2を含む。定電流源IS2は、一定の電流を供給できる電源である。
【0172】
以下に、オペアンプ50の第1利得回路51及び出力回路52における回路接続について説明する。
【0173】
pMOSトランジスタP11のソースは、入力電圧VINが供給されるノードに接続される。すなわち、入力電圧VINは、pMOSトランジスタP11のソースに供給される。pMOSトランジスタP11のゲートは、pMOSトランジスタP11のドレインに接続される。pMOSトランジスタP11のドレインは、nMOSトランジスタN11のドレインに接続される。
【0174】
nMOSトランジスタN11のソースは、定電流源IS1を介してnMOSトランジスタN13のドレインに接続される。nMOSトランジスタN13のソースは、基準電圧VSSが供給されるノードに接続される。すなわち、基準電圧VSSは、nMOSトランジスタN13のソースに供給される。
【0175】
pMOSトランジスタP12のソースは、入力電圧VINが供給されるノードに接続される。すなわち、入力電圧VINは、pMOSトランジスタP12のソースに供給される。pMOSトランジスタP12のゲートは、pMOSトランジスタP11のゲートに接続される。pMOSトランジスタP12のドレインは、nMOSトランジスタN12のドレインに接続される。nMOSトランジスタN12のソースは、nMOSトランジスタN11のソース及び定電流源IS1に接続される。
【0176】
pMOSトランジスタP13のソースは、入力電圧VINが供給されるノードに接続される。すなわち、入力電圧VINは、pMOSトランジスタP13のソースに供給される。pMOSトランジスタP13のゲートは、ノードNA、すなわちpMOSトランジスタP2のドレイン及びnMOSトランジスタN3のドレインに接続される。pMOSトランジスタP13のドレインは、pMOSトランジスタP12のドレイン、nMOSトランジスタN12のドレイン、及びpMOSトランジスタP3のゲートに接続される。また、nMOSトランジスタN13のゲートは、ノードNA、すなわちpMOSトランジスタP2のドレイン及びnMOSトランジスタN3のドレインに接続される。
【0177】
pMOSトランジスタP3のソースは、入力電圧VINが供給されるノードに接続される。すなわち、入力電圧VINは、pMOSトランジスタP3のソースに供給される。pMOSトランジスタP3のゲートは、pMOSトランジスタP12のドレイン及びnMOSトランジスタN12のドレインに接続される。
【0178】
pMOSトランジスタP3のドレインは、定電流源IS2を介してnMOSトランジスタN15のドレインに接続される。nMOSトランジスタN15のソースは、基準電圧VSSが供給されるノードに接続される。すなわち、基準電圧VSSは、nMOSトランジスタN15のソースに供給される。nMOSトランジスタN15のゲートは、ノードNA、すなわちpMOSトランジスタP2のドレイン及びnMOSトランジスタN3のドレインに接続される。
【0179】
さらに、pMOSトランジスタP3のドレインは、pMOSトランジスタP3の後段に配置された負荷100に接続される。負荷100は、半導体集積回路4の外部に設けられる。pMOSトランジスタP3は、電圧INPと電圧INNとの電圧差に応じた電圧を、出力電圧VOUTとして負荷100に供給する、あるいは出力電圧VOUTの供給を停止する。
【0180】
また、出力電圧VOUTは、直接、あるいは抵抗、容量、コイルを介して、電圧INNとしてnMOSトランジスタN11のゲートに供給される。
【0181】
7.2 第7実施形態の動作
以下に、第7実施形態の半導体集積回路7の動作について説明する。半導体集積回路7には、全てのMOSトランジスタが安定動作できる入力電圧VINが供給されるものとする。
(1)制御電圧VCTが“L”のとき
例えば、入力電圧VINが3.6V(以下“H”と記す)であり、制御電圧VCTが基準電圧VSS(以下“L”と記す)である場合、以下のように動作する。
【0182】
制御電圧VCTが“L”のとき、pMOSトランジスタP1がオン状態になり、nMOSトランジスタN2及びN4がオフ状態になる。これにより、ノードNBが“H”(例えば、3.6V)になる。nMOSトランジスタN2がオフ状態であるため、pMOSトランジスタP1、nMOSトランジスタDN1、及びnMOSトランジスタN2が直列に接続されたラインには電流が流れない。すなわち、入力電圧VINのノードから入力回路11を介して基準電圧VSSのノードへ流れる貫通電流は発生しない。
【0183】
ノードNBが“H”になると、pMOSトランジスタP2はオフ状態になり、nMOSトランジスタN3はオン状態になる。これにより、ノードNAが“L”になる。このとき、pMOSトランジスタP2はオフ状態であるため、pMOSトランジスタP2及びnMOSトランジスタN3が直列に接続されたラインには電流が流れない。すなわち、入力電圧VINのノードからインバータ12を介して基準電圧VSSのノードへ流れる貫通電流は発生しない。
【0184】
ノードNAが“L”になると、pMOSトランジスタP13のゲート、nMOSトランジスタN13及びN15のゲートに“L”が供給される。このため、pMOSトランジスタP13がオン状態になり、nMOSトランジスタN13及びN15はオフ状態になる。
【0185】
nMOSトランジスタN11のゲートに、電圧INNが供給される。電圧INNは、出力電圧VOUTが、直接、あるいは抵抗、容量、コイルを介して供給された電圧である。nMOSトランジスタN12のゲートに、電圧INPが供給される。ここで、pMOSトランジスタP13がオン状態であるため、入力電圧VINがpMOSトランジスタP13を介してpMOSトランジスタP3のゲートに供給される。
【0186】
これにより、pMOSトランジスタP3のゲートに入力電圧VINが供給されるため、pMOSトランジスタP3はオフ状態になり、出力電圧VOUTの出力を停止する。この結果、オペアンプ50は、動作を停止する、すなわち非動作状態になる。
(2)制御電圧VCTが“H”のとき
例えば、入力電圧VINが3.6Vであり、制御電圧VCTが3.6V、あるいは入力電圧VINの1/2の電圧である1.8V(以下“H”と記す)の場合、以下のように動作する。
【0187】
制御電圧VCTが“H”(例えば、3.6Vあるいは1.8V)のとき、pMOSトランジスタP1がオフ状態になり、nMOSトランジスタN2及びN4がオン状態になる。これにより、ノードNBが“L”になる。pMOSトランジスタP1がオフ状態であるため、pMOSトランジスタP1、nMOSトランジスタDN1、及びnMOSトランジスタN2が直列に接続されたラインには電流が流れない。すなわち、入力電圧VINのノードから入力回路11を介して基準電圧VSSのノードへ流れる貫通電流は発生しない。
【0188】
ノードNBが“L”になると、pMOSトランジスタP2はオン状態になり、nMOSトランジスタN3はオフ状態になる。これにより、ノードNAが“H”になる。このとき、nMOSトランジスタN3はオフ状態であるため、pMOSトランジスタP2及びnMOSトランジスタN3が直列に接続されたラインには電流が流れない。すなわち、入力電圧VINのノードからインバータ12を介して基準電圧VSSのノードへ流れる貫通電流は発生しない。
【0189】
ノードNAが“H”になると、pMOSトランジスタP13のゲート、nMOSトランジスタN13及びN15のゲートに“H”が供給される。このため、pMOSトランジスタP13がオフ状態になり、nMOSトランジスタN13及びN15はオン状態になる。これにより、オペアンプ50は、動作を開始する、すなわち動作状態になる。
【0190】
nMOSトランジスタN11のゲートに、電圧INNが供給される。電圧INNは、出力電圧VOUTが、直接、あるいは抵抗、容量、コイルを介して供給された電圧である。nMOSトランジスタN12のゲートに、電圧INPが供給される。ここで、pMOSトランジスタP13がオフ状態であるため、電圧INPと電圧INNとの電圧差に応じて増幅された電圧が、pMOSトランジスタP3のゲートに供給される。
【0191】
pMOSトランジスタP3は、電圧INPが電圧INNより高い場合(INP>INNの場合)、出力電圧VOUTを上昇させる。一方、pMOSトランジスタP3は、電圧INPが電圧INNより低い場合(INP<INNの場合)、出力電圧VOUTを低下させる。これにより、最終的には、電圧INPと電圧INNとが等しくなるように、出力圧VOUTは収束する。すなわち、pMOSトランジスタP3は、出力電圧VOUTとして、収束した電圧を出力する。
(3)制御電圧VCTが“L”から“H”に、あるいは“H”から“L”に遷移するとき 第7実施形態は、第1実施形態と同様に、ノードNA電圧に生じるチャタリングを防止するために、ヒステリシス回路13を備える。第7実施形態では、ヒステリシス回路13を備えることにより、ノードNA電圧が基準電圧VSSから入力電圧VINに遷移するときの制御電圧VCTと、ノードNA電圧が入力電圧VINから基準電圧VSSに遷移するときの制御電圧VCTとを、異なる電圧値に設定できる。
【0192】
これにより、pMOSトランジスタP13は、制御電圧VCTの上昇あるいは低下に対して、オフ状態にあるときはオン状態に遷移しにくく、オン状態にあるときはオフ状態に遷移しにくいという動作特性を持つ。この結果、nMOSトランジスタN2のしきい値電圧付近の制御電圧VCTが入力された場合でも、ノードNA電圧に生じるチャタリングを防止でき、オペアンプ50の動作制御を安定化させることができる。
【0193】
また、ヒステリシス回路13の動作については、第1実施形態におけるヒステリシス回路13と同様である。
【0194】
なお、上述の動作説明では、ノードNA電圧がpMOSトランジスタP13、nMOSトランジスタN13及びN15のゲートに入力されたが、ノードNA電圧に換えて、ノードNB電圧がpMOSトランジスタP13、nMOSトランジスタN13及びN15のゲートに入力されるように構成してもよい。この場合、制御電圧VCTとして“H”が入力されると、オペアンプ50は非動作状態となり、制御電圧VCTとして“L”が入力されると、オペアンプ50は動作状態となる。
【0195】
また、第7実施形態では、インバータ12と出力回路52との間に、1つの利得回路51を配置したが、2つの利得回路を配置してもよい。すなわち、第1利得回路51と出力回路52との間に、第2利得回路を配置してもよい。第2利得回路を配置すれば、オペアンプ50における利得が上がり、増幅特性を向上させることができる。
【0196】
7.3 第7実施形態の効果
第7実施形態によれば、貫通電流防止機能を有し、低消費電力化が可能な、オペアンプを含む半導体集積回路を提供できる。
【0197】
第7実施形態の半導体集積回路7は、第1実施形態と同様に、以下の効果を有する。
【0198】
1つ目は、貫通電流を防止できることである。2つ目は、消費電流(即ち、消費電力)を低減できることである。3つ目は、ノードNAからの不定電圧の出力を防止できることである。
【0199】
さらに、半導体集積回路7では、ノードNA電圧に生じるチャタリングを防止でき、オペアンプ50の動作を安定化できる。
【0200】
8.第8実施形態
以下に、第8実施形態の半導体集積回路について説明する。第8実施形態の半導体集積回路は、第7実施形態と同様に、オペアンプを備える。第8実施形態は、図14に示した第7実施形態の半導体集積回路7において、ヒステリシス回路13をヒステリシス回路14に変更した例である。言い換えると、第2実施形態の半導体集積回路2の制御回路10_2に、オペアンプの構成を付加した例である。その他の構成は、前述した第2あるいは第7実施形態と同様である。第8実施形態では、第2あるいは第7実施形態と異なる点について主に説明する。
【0201】
8.1 第8実施形態の構成
図15は、第8実施形態の半導体集積回路8の構成を示す回路図である。半導体集積回路8は、制御回路10_2及びオペアンプ50を有する。制御回路10_2は、制御電圧VCTに応じて、オペアンプ50を動作状態あるいは非動作状態に制御する。制御回路10_2の回路構成は、第2実施形態と同様である。オペアンプ50は、第1利得回路51及び出力回路52を含む。オペアンプ50の回路構成は、第7実施形態と同様である。
【0202】
8.2 第8実施形態の動作
以下に、第8実施形態の半導体集積回路8の動作について説明する。半導体集積回路8の動作は、制御電圧VCTが“L”のとき、制御電圧VCTが“H”のとき、制御電圧VCTが“L”から“H”にあるいは“H”から“L”に遷移するとき、のいずれの場合も、第7実施形態と同様である。
【0203】
また、半導体集積回路8におけるヒステリシス回路14の動作については、第2実施形態におけるヒステリシス回路14と同様である。
【0204】
8.3 第8実施形態の効果
第8実施形態によれば、貫通電流防止機能を有し、低消費電力化が可能な、オペアンプを含む半導体集積回路を提供できる。
【0205】
第8実施形態の半導体集積回路8は、第1実施形態と同様に、以下の効果を有する。
【0206】
1つ目は、貫通電流を防止できることである。2つ目は、消費電流(即ち、消費電力)を低減できることである。3つ目は、ノードNAからの不定電圧の出力を防止できることである。
【0207】
さらに、半導体集積回路8では、ノードNA電圧に生じるチャタリングを防止でき、オペアンプ50の動作を安定化できる。
【0208】
9.第9実施形態
以下に、第9実施形態の半導体集積回路について説明する。第9実施形態の半導体集積回路は、第7及び第8実施形態と同様に、オペアンプを備える。第9実施形態は、図14に示した第7実施形態の半導体集積回路7において、ヒステリシス回路13をヒステリシス回路15に変更した例である。言い換えると、第3実施形態の半導体集積回路3の制御回路10_3に、オペアンプの構成を付加した例である。その他の構成は、前述した第3あるいは第7実施形態と同様である。第9実施形態では、第3あるいは第7実施形態と異なる点について主に説明する。
【0209】
9.1 第9実施形態の構成
図16は、第9実施形態の半導体集積回路9の構成を示す回路図である。半導体集積回路9は、制御回路10_3及びオペアンプ50を有する。制御回路10_3は、制御電圧VCTに応じて、オペアンプ50を動作状態あるいは非動作状態に制御する。制御回路10_3の回路構成は、第3実施形態と同様である。オペアンプ50は、第1利得回路51及び出力回路52を含む。オペアンプ50の回路構成は、第7実施形態と同様である。
【0210】
9.2 第9実施形態の動作
以下に、第9実施形態の半導体集積回路9の動作について説明する。半導体集積回路9の動作は、制御電圧VCTが“L”のとき、制御電圧VCTが“H”のとき、制御電圧VCTが“L”から“H”にあるいは“H”から“L”に遷移するとき、のいずれの場合も、第7実施形態と同様である。
【0211】
また、半導体集積回路9におけるヒステリシス回路15の動作については、第3実施形態におけるヒステリシス回路15と同様である。
【0212】
9.3 第9実施形態の効果
第9実施形態によれば、貫通電流防止機能を有し、低消費電力化が可能な、オペアンプを含む半導体集積回路を提供できる。
【0213】
第9実施形態の半導体集積回路9は、第1実施形態と同様に、以下の効果を有する。
【0214】
1つ目は、貫通電流を防止できることである。2つ目は、消費電流(即ち、消費電力)を低減できることである。3つ目は、ノードNAからの不定電圧の出力を防止できることである。
【0215】
さらに、半導体集積回路9では、ノードNA電圧に生じるチャタリングを防止でき、オペアンプ50の動作を安定化できる。
【0216】
10.その他変形例等
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0217】
1…半導体集積回路、1A…半導体集積回路、2…半導体集積回路、3…半導体集積回路、4…半導体集積回路、5…半導体集積回路、6…半導体集積回路、7…半導体集積回路、8…半導体集積回路、9…半導体集積回路、10_1,10_2,10_3…制御回路、11…入力回路、12…インバータ、13,14,15…ヒステリシス回路(または、チャタリング防止回路)、20…反転論理回路、21…非反転論理回路、30…ロードスイッチ、40…レギュレータ、41…第1利得回路、42…出力回路、50…オペアンプ、51…第1利得回路、52…出力回路、DN1,DN6,DN8,…デプレッション型のnチャネルMOS電界効果トランジスタ、N2,N3,N4,N5,N7,N11,N12,N13,N14,N15…nチャネルMOS電界効果トランジスタ、P1,P2,P3,P4,P11,P12,P13…pチャネルMOS電界効果トランジスタ。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16