(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024069468
(43)【公開日】2024-05-21
(54)【発明の名称】走査装置及び走査装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
G01S 7/497 20060101AFI20240514BHJP
G01S 7/481 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
G01S7/497
G01S7/481 A
G01S7/481 Z
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024039891
(22)【出願日】2024-03-14
(62)【分割の表示】P 2020029130の分割
【原出願日】2020-02-25
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100132045
【弁理士】
【氏名又は名称】坪内 伸
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 大助
(57)【要約】
【課題】電磁波を検出する検出部の位置決めを正確に行い得る基板を含む走査装置及び走査装置の製造方法を提供する。
【解決手段】走査装置は、走査部と、基板と、を備える。走査部は、第1の照射部から照射された第1の電磁波、及び第2の照射部から照射された第2の電磁波を複数の異なる方向に偏向させて出力する。基板は、第2の電磁波を検出する第1の検出部と、第2の電磁波の少なくとも一部を通過させる通過部を有する。第1の電磁波は、走査装置から外部に射出される。基板は、走査部が第2の電磁波を偏向させることで、第2の電磁波が第1の検出部に照射され、さらに通過部を通過する位置に設けられている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の照射部から照射された第1の電磁波、及び第2の照射部から照射された第2の電磁波を複数の異なる方向に偏向させて出力する走査部と、
前記第2の電磁波を検出する第1の検出部と、前記第2の電磁波の少なくとも一部を通過させる通過部を有した基板と、
を備える走査装置であって、
前記第1の電磁波は、前記走査装置から外部に射出され、
前記基板は、前記走査部が前記第2の電磁波を偏向させることで、前記第2の電磁波が前記第1の検出部に照射され、さらに前記通過部を通過する位置に設けられている、
走査装置。
【請求項2】
前記基板は、前記第2の電磁波を検出する第2の検出部を有し、
前記基板は、前記走査部が前記第2の電磁波を偏向させることで、前記第2の電磁波が前記第2の検出部に照射され、さらに前記通過部を通過する位置に設けられている、
請求項1に記載の走査装置。
【請求項3】
前記第1の検出部、前記第2の検出部、及び前記通過部は同一の直線上に設けられる、
請求項2に記載の走査装置。
【請求項4】
前記第2の電磁波は、前記第1の電磁波と同一方向に前記走査部によって偏向される、
請求項2又は3に記載の走査装置。
【請求項5】
前記第2の電磁波は可視光である、請求項2から4のいずれか一項に記載の走査装置。
【請求項6】
前記通過部は、前記第1検出部と前記第2検出部との間の距離が二等分される箇所に設けられた目印を有する、請求項2から5のいずれか一項に記載の走査装置。
【請求項7】
前記走査部によって偏向された第2の電磁波の少なくとも一部を、前記基板に導く導波部を備えた、
請求項2から6のいずれか一項に記載の走査装置。
【請求項8】
前記導波部は、前記走査部から入射する前記第1の電磁波及び前記第2の電磁波のうち、前記第1の電磁波を透過させ、前記第2の電磁波の少なくとも一部を前記基板に向けて反射させる、
請求項7に記載の走査装置。
【請求項9】
第1の照射部から照射された第1の電磁波、及び第2の照射部から照射された第2の電磁波を複数の異なる方向に偏向させて出力する走査部を備えた走査装置の製造方法であって、
前記第2の電磁波を検出する検出部と、前記第2の電磁波の少なくとも一部を通過させる通過部と、を有する基板を、前記通過部から前記第2の電磁波が視認できる位置に位置決めし、前記走査部が前記第2の電磁波を偏向させることで、前記第2の電磁波が前記第1の検出部に照射され、さらに前記通過部を通過する位置に配置する、
製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走査装置及び走査装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電磁波を検出した結果から周囲の物体などに関する情報を取得する装置が開発されている。例えば、赤外線カメラで撮像した画像中の物体の位置を、レーザレーダを用いて測定する装置などが知られている(例えば特許文献1参照)。また、電磁波を走査させる走査装置として、照射部から照射される電磁波を、反射ミラーによって反射させて偏向するものがある(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-220732号公報
【特許文献2】特開2015-132762号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電磁波を走査させる走査装置において、電磁波を偏向する反射ミラーは、例えばマイクロマシン技術による電気機械変換素子などを用いて回転駆動される。このような装置において、回転駆動される反射ミラーの振れ角(振り角)を検出するため、反射ミラーによって偏向された電磁波を検出するフォトダイオードのようなセンサが採用されることがある。このようなセンサは、反射ミラーによって偏向された電磁波を検出可能な位置に配置される必要がある。このため、電磁波を走査させる走査装置において、反射ミラーの振れ角度を検出するために配置されるセンサは、電磁波を検出可能な所定の位置に、正確に位置決めされることが望ましい。
【0005】
本開示の目的は、走査装置において電磁波を検出する検出部の位置決めを正確に行い得る基板を含む走査装置及び走査装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態に係る走査装置は、
第1の照射部から照射された第1の電磁波、及び第2の照射部から照射された第2の電磁波を複数の異なる方向に偏向させて出力する走査部と、
前記第2の電磁波を検出する第1の検出部と、前記第2の電磁波の少なくとも一部を通過させる通過部を有した基板と、
を備える。
前記第1の電磁波は、前記走査装置から外部に射出される。
前記基板は、前記走査部が前記第2の電磁波を偏向させることで、前記第2の電磁波が前記第1の検出部に照射され、さらに前記通過部を通過する位置に設けられている。
【0007】
一実施形態に係る走査装置の製造方法は、
第1の照射部から照射された第1の電磁波、及び第2の照射部から照射された第2の電磁波を複数の異なる方向に偏向させて出力する走査部を備えた走査装置の製造方法であって、
前記第2の電磁波を検出する検出部と、前記第2の電磁波の少なくとも一部を通過させる通過部と、を有する基板を、前記通過部から前記第2の電磁波が視認できる位置に位置決めし、前記走査部が前記第2の電磁波を偏向させることで、前記第2の電磁波が前記第1の検出部に照射され、さらに前記通過部を通過する位置に配置する。
【0008】
上述したように本開示の解決手段を、走査装置及び走査装置の製造方法として説明する。本開示は、これらを含む態様としても実現し得るものであり、また、これらに実質的に相当する方法、プログラム、プログラムを記録した記憶媒体としても実現し得るものであり、本開示の範囲にはこれらも包含されるものと理解されたい。
【発明の効果】
【0009】
一実施形態によれば、電磁波を検出する検出部の位置決めを正確に行い得る基板を含む走査装置及び走査装置の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】一実施形態に係る走査装置の概略構成を示す図である。
【
図2】
図1に示す走査装置の概略構成を他の観点から示す図である。
【
図3】
図1に示す走査装置の概略構成を他の観点から示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、一実施形態に係る走査装置について、図面を参照して説明する。
【0012】
図1乃至
図3は、一実施形態に係る走査装置の概略構成を示す図である。
図1は、一実施形態に係る走査装置の概略構成を示す斜視図である。
図2は、
図1に示す走査装置の概略構成を、
図1とは異なる観点から示す図(平面図)である。
図3は、
図1及び
図2に示す走査装置の概略構成を、
図1及び
図2とは異なる観点から示す図(右側面図)である。
【0013】
図1乃至
図3に示す座標軸について、X軸正方向は
図2において右方向に対応するものとし、X軸負方向は
図2において左方向に対応するものとしてよい。
図1乃至
図3に示す座標軸について、Y軸正方向は
図1において奥方向(反射ミラーによって反射された電磁波の進行方向)に対応するものとし、Y軸負方向は
図1において手前方向に対応するものとしてよい。
図1乃至
図3に示す座標軸について、Z軸正方向は
図3において上方向に対応するものとし、Z軸負方向は
図3において下方向に対応するものとしてよい。
【0014】
図1乃至
図3に示すように、一実施形態に係る走査装置1は、基板10、第1検出部21、第2検出部22、第1照射部31、第2照射部32、合成部40、走査部50、及び導波部60を含んで構成されてよい。一実施形態に係る走査装置1は、上述の機能部を全て備えてもよいし、上述の機能部以外のものを備えてもよいし、上述の機能部の一部を備えなくてもよい。
【0015】
図1乃至
図3において、上述の各機能部は、説明の便宜上、互いに充分に離間させてある。一実施形態に係る走査装置1を実際に構成する際には、走査装置1を構成する各機能部は、
図1乃至
図3に示される状態よりも密集させてもよい。例えば、走査装置1は、数センチメートル四方に収まる程度の小型に構成されるように、各機能部を配置してもよい。
【0016】
図1乃至
図3において、各機能ブロックから突出する矢印は、ビーム状の電磁波を示す。また、
図1乃至
図3に示す各機能ブロックは、適宜、当該各機能ブロックを制御及び/又は駆動する各種の機能部に有線又は無線で接続されてよい。
図1乃至
図3においては、説明の便宜上、各機能ブロックを制御及び/又は駆動する各種の機能部は省略してある。さらに、
図1乃至
図3に示す各機能ブロックは、適宜、当該各機能ブロックに電力を供給する機能部に接続されてよい。
図1乃至
図3においては、説明の便宜上、各機能ブロックに電力を供給する機能部は省略してある。
図1乃至
図3に示す各機能ブロックは、適宜、
図1乃至
図3に示すような各位置に、固定及び/又は位置決めされてよい。
図1乃至
図3においては、説明の便宜上、各機能ブロックを固定及び/又は位置決めする各種の部材は省略してある。
【0017】
一実施形態に係る走査装置1は、以下さらに説明するように、電磁波を照射し、照射された電磁波を偏向させながら射出させることができる。走査装置1によって偏向された電磁波の少なくとも一部は、所定の物体などによって反射されてよい。所定の物体などによって反射された電磁波(反射波)は、例えば電磁波検出装置などによって検出されてよい。一実施形態に係る走査装置1及び上述のような電磁波検出装置を含めて、一実施形態に係る情報取得システムを構成してもよい。一実施形態に係る情報取得システムは、例えば、「光検出と測距」又は「レーザ画像検出と測距」に用いられるLIDAR(Light Detection and Ranging, Laser Imaging Detection and Ranging)の技術を採用したものとしてよい。一実施形態に係る情報取得システムによれば、例えば、パルス状に発光するレーザ照射に対する散乱光を測定して、比較的遠距離にある対象までの距離、及び/又は当該対象の性質などを分析し得る。
【0018】
図1及び
図2に示すように、走査装置1において、基板10は、X軸方向を長手方向とし、Y軸方向を短手方向とする基板としてよい。また、
図3に示すように、基板10は、Z軸方向に厚さを有する基板としてよい。
図1乃至
図3に示すように、基板10は、走査装置1において、XY平面に平行になるように固定されてよい。
図3に示すように、基板10は、第1面10A及び第2面10Bを有する。基板10の第1面10Aは、基板10においてZ軸負方向を向く面、すなわち基板10における下向きの面としてよい。基板10の第2面10Bは、基板10においてZ軸正方向を向く面、すなわち基板10における上向きの面としてよい。このように、基板10は、第1面10Aと、第1面10Aの反対側の第2面10Bと、を有してよい。
【0019】
一実施形態において、基板10は、例えば絶縁体で構成された板状のものとしてよい。基板10は、絶縁体で構成された板状の部材の表面又は内部に、導体の配線が施されたものとしてもよい。すなわち、基板10は、電子部品が取り付けられる前の状態のプリント配線板(printed wiring board:PWB)としてよい。一方、基板10は、プリント配線板に電子部品がはんだ付けされて、電子回路として動作するようになったプリント回路板(printed circuit board:PCB)としてもよい。
【0020】
基板10は、JIS規格においてJIS C 5603又はIEC 60194において定義されているような各種の基板としてよい。例えば、基板10は、プリント回路(printed circuits)、プリント配線(printed wiring)、プリント回路板(printed circuit board)、プリント回路実装品(printed circuit assembly)、プリント配線板(printed wiring board)、又はプリント板(printed board)などとしてよい。
【0021】
以下、基板10は、リジッド基板を想定して説明する。しかしながら、基板10は、リジッド基板に限定されず、例えば、リジッドフレキシブル基板(flex-rigid/フレックスリジッド)としてもよいし、フレキシブル基板(FPC)としてもよい。
【0022】
図1乃至
図3に示すように、基板10は、通過部12を有してよい。基板10の通過部12については、さらに後述する。
【0023】
第1検出部21及び第2検出部22は、
図3に示すように、基板10の第1面10A、すなわち基板10における下向きの面に設けられてよい。
図3は走査装置1の右側面を示しているため、第2検出部22のみが図示されており、第1検出部21は図示されていない。
図1及び
図2において、第1検出部21及び第2検出部22は、視認できない位置にあるため、破線によって示されている。
【0024】
第1検出部21及び第2検出部22は、所定の電磁波を検出してよい。一実施形態において、第1検出部21は、当該第1検出部21に入射する例えば可視光を検出してよい。一実施形態において、第2検出部22は、当該第2検出部22に入射する例えば可視光を検出してよい。
図1乃至
図3において、第1検出部21及び第2検出部22が電磁波を検出する検出面は、Z軸負方向を向く面、すなわち第1検出部21及び第2検出部22における下向きの面としてよい。
図1及び
図3に示すように、第1検出部21は、例えば当該第1検出部21に入射する可視光VL(以下、電磁波VLと称することもある)を検出してよい。同様に、第2検出部22は、例えば当該第2検出部22に入射する可視光VLを検出してよい。
【0025】
第1検出部21及び第2検出部22は、例えば光検出器として機能する半導体ダイオードであるフォトダイオード(photodiode:PD)としてよい。後述のように、第1検出部21及び第2検出部22は、それぞれ、走査部50によって走査(偏向)された電磁波を検出してよい。このように、基板10の第1面10Aには、電磁波を検出する第1検出部21及び電磁波を検出する第2検出部22が設けられてよい。基板10の第1面10Aにおいて、第1検出部21及び第2検出部22が設けられる位置については、さらに後述する。
【0026】
第1照射部31は、所定の電磁波を照射してよい。一実施形態において、第1照射部31は、走査用の電磁波として、例えば赤外線を照射してよい。
図1及び
図2に示すように、第1照射部31が電磁波を照射する方向は、例えばX軸正方向、すなわち右方向としてよい。
図1及び
図2に示すように、第1照射部31は、例えば合成部40に向けて、X軸正方向に赤外線IRを照射してよい。このため、第1照射部31は、第1照射部31によって照射される赤外線IRが合成部40に入射するように、位置決め及び/又は固定されてよい。
【0027】
第1照射部31は、例えば半導体の再結合発光を利用したレーザとして機能する半導体レーザであるレーザダイオード(laser diode:LD)又はダイオードレーザ(diode laser)としてよい。第1照射部31は、例えばパルス状の電磁波を照射してもよい。また、第1照射部31は、走査装置1において、複数のレーザダイオード等によってアレイ状に構成されてもよい。
【0028】
第2照射部32は、所定の電磁波を照射してよい。一実施形態において、第2照射部32は、走査用の電磁波の照射方向(すなわち反射ミラーの振れ角)を検出するための電磁波として、例えば可視光を照射してよい。
図1乃至
図3に示すように、第2照射部32が電磁波を照射する方向は、例えばY軸正方向、すなわち
図1における奥方向としてよい。
図1乃至
図3に示すように、第2照射部32は、例えば合成部40に向けて、Y軸正方向に可視光VLを照射してよい。このため、第2照射部32は、第2照射部32によって照射される可視光VLが合成部40に入射するように、位置決め及び/又は固定されてよい。また、可視光VLは、視認性を高めるために、赤色としてよい。
【0029】
第2照射部32は、例えば半導体の再結合発光を利用したレーザとして機能する半導体レーザであるレーザダイオード(laser Diode:LD)又はダイオードレーザ(Diode Laser)としてよい。また、第2照射部32は、可視光を照射する発光ダイオード(light Emitting Diode:LED)などとしてもよい。第2照射部32は、例えば定常光を照射してもよい。
【0030】
合成部40は、異なる方向から入力された2つの電磁波を、所定の方向に出力する。具体的には、合成部40は、第1照射部31から照射された電磁波と、第2照射部32から照射された電磁波との光軸を合致させることで合成してよい。そして、合成部40は、合成された電磁波を、走査部50に向けて出力してよい。
図1及び
図2に示すように、合成部40は、第1照射部31から入力される赤外線IRと、第1照射部31から入力される可視光VLとを合成して、合成された電磁波IR,VLを、走査部50に出力してよい。このため、合成部40は、第1照射部31から照射される赤外線IRが入射するように、位置決め及び/又は固定されてよい。また、合成部40は、第2照射部32から照射される可視光VLが入射するように、位置決め及び/又は固定されてよい。さらに、合成部40は、合成された電磁波IR,VLが走査部50に入射するように、位置決め及び/又は固定されてよい。
【0031】
合成部40は、例えばプリズム又はコールドミラーなどを含めて構成してよい。合成部40は、第1照射部31から照射された電磁波と、第2照射部32から照射された電磁波の進行方向を一致させて所定の方向に出力できれば、任意の構成のものを採用してよい。
【0032】
図1乃至
図3において、合成部40は、第1照射部31から照射された電磁波と、第2照射部32から照射された電磁波とを同軸の電磁波として合成して、同軸の電磁波として所定の方向に出力してよい。また、合成部40は、第1照射部31から照射された電磁波と、第2照射部32から照射された電磁波とを、必ずしも同軸の電磁波として合成しなくてもよい。しかしながら、両電磁波の進行方向は、一致していることが望ましい。
図1乃至
図3において、合成部40は、第1照射部31及び第2照射部32から照射された電磁波のように、互いに直交する方向から照射された電磁波を合成する。また、
図1乃至
図3において、合成部40は、第1照射部31から照射された電磁波を透過させ、第2照射部32から照射された電磁波を反射させてよい。これにより、合成部40において、両電磁波は、進行方向が一致し、合成される。合成部40は、合成された電磁波を、第1照射部31から照射された電磁波と同じ方向に、すなわちX軸正方向に出力する。なお、合成部40は、第1照射部31から照射された電磁波を走査部50に向けて出力するとともに、第2照射部32から照射された電磁波も走査部50に向けて出力するものであればよく、必ずしも両電磁波の進行方向が一致している必要はない。
【0033】
走査部50は、合成部40から入力された電磁波を走査させる。走査部50は、例えば入射された電磁波を偏向させる反射ミラーを含むものとしてよい。走査部50の反射ミラーは、例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラー、ポリゴンミラー、及びガルバノミラーなどを含む。以下、走査部50の反射ミラー反射部は、MEMSミラーを含むものとして説明する。
【0034】
図1乃至
図3に示すように、走査部50は、Z軸に平行な回転軸を有し、この回転軸の周りを左右方向に回転運動する。ここで、回転運動とは、必ずしも周回運動でなくてもよく、例えば回転運動を部分的に含む(例えば一周未満)揺動運動としてもよい。
図1及び
図2に示すように、走査部50は、矢印Sによって示される方向に回転運動してよい。
【0035】
図1及び
図2に示すように、走査部50は、矢印Sのように回転運動することにより、合成部40から入力された電磁波IR,VLを、例えば導波部60に向けて偏向させてよい。
図1乃至
図3に示すように、走査部50によって偏向される電磁波IR,VLの軌跡は、XY平面に平行な平面に含まれるようにしてよい。
図1及び
図2に示すように、走査部50は、合成部40から照射される電磁波IR,VLが入射するように、位置決めされてよい。また、走査部50は、走査部50によって偏向された電磁波IR,VLが導波部60に入射するように、位置決めされてよい。
【0036】
導波部60は、入射された電磁波のうち、可視光を反射させて、赤外線を通過させてよい。すなわち、導波部60は、第1照射部31によって照射される電磁波(赤外線IR)を通過させて、第2照射部32によって照射される電磁波(可視光VL)を反射する。導波部60は、例えばコールドミラーなどを含めて構成してよい。導波部60は、第1照射部31から照射される電磁波を通過させて、第2照射部32によって照射される電磁波を反射することができれば、任意の構成のものを採用してよい。
【0037】
図1乃至
図3に示すように、導波部60は、走査部50から入射する電磁波IR,VLのうち、赤外線IR(又は赤外線IRの少なくとも一部)を通過させる。また、
図1乃至
図3に示すように、導波部60は、走査部50から入射する電磁波IR,VLのうち、可視光VL(又は可視光VLの少なくとも一部)を反射させる。
【0038】
図1及び
図3に示すように、導波部60は、XY平面に平行な平面から所定の角度θだけ傾斜した状態で配置されてよい。このような角度θの傾斜によって、導波部60は、走査部50から入射する電磁波IR,VLのうち、可視光VL(又は電磁波VLの少なくとも一部)を、Z軸正方向に反射させることができる。
図1乃至
図3に示すように、導波部60は、走査部50によって走査(偏向)される電磁波IR,VLが入射するように、位置決め及び/又は固定されてよい。また、導波部60は、導波部60によって反射された電磁波(可視光VL)が基板10の方に向くように、位置決め及び/又は固定されてよい。上述のように、基板10の第1面10Aにおいて、第1検出部21及び第2検出部22が配置されている。したがって、導波部60は、適切に位置決めされることにより、走査部50によって走査された電磁波VLを、第1検出部21及び第2検出部22の少なくとも一方に向けて導くことができる。
【0039】
以上説明したように、走査装置1において、第1照射部31から照射された赤外線IRは、走査部50によって偏向される。走査部50によって偏向された赤外線IRは、導波部60を通過して走査装置1から射出されて、周囲に存在する物体などを走査することができる。
【0040】
また、走査装置1において、第2照射部32から照射された可視光VLは、第1照射部31から照射された赤外線IRとともに、走査部50によって偏向される。第2照射部32から照射された可視光VLは、走査部50によって偏向された後、導波部60によってZ軸正方向に反射される。導波部60によって反射された可視光VLは、回転運動する走査部50による可視光VLの偏向方向に応じて、第1検出部21及び/又は第2検出部22によって検出され得る。したがって、走査装置1は、走査部50の回転角度(振れ角)を検出することによって、赤外線IRの照射方向を検出することができる。
【0041】
このように、走査装置1は、走査部50によって走査される電磁波IR,VLのうち、可視光VLのビームを第1検出部21及び/又は第2検出部22に入射させることができる。走査装置1は、回転運動する反射ミラーで反射した可視光VLが第1検出部21又は第2検出部22で検出される時点の反射ミラーの回転角度と、当該時点からの経過時間に対する反射ミラーの回転角度とを対応付けた角度検出テーブルを記憶してよい。このようにして、走査装置1は、第1検出部21及び第2検出部22のそれぞれの受光タイミングからの経過時間に基づいて、走査部50(反射ミラー)の回転角度を検出することができる。したがって、走査装置1は、赤外線IRの照射方向を検出することができる。また、走査装置1は、走査用の赤外線IRとは異なる方向において、走査用の赤外線IRの振れ角を把握するための可視光VLを検出することができる。すなわち、走査装置1において、赤外線IRの走査範囲には、可視光VLの検出部が配置されない。このため、走査装置1は、赤外線IRによる走査範囲を大きく設定する一方で、装置としてのサイズを小型化することができる。
【0042】
一方、走査装置1をこのような構成にすると、
図1乃至
図3に示したように、第1検出部21及び第2検出部22は、可視光VLを検出するために、基板10において下向きの第1面10Aに配置される必要がある。この場合、第1検出部21及び第2検出部22は、基板10において上側から目視できない位置に配置されることも想定される。上述のように、走査装置1において、第1検出部21及び第2検出部22は、走査部50のMEMSミラーによって走査された可視光VLが入射する位置に配置される必要がある。すなわち、走査装置1において、第1検出部21及び第2検出部22は、可視光VLを検出可能な位置に、正確に位置決めされる必要がある。走査装置1の構造によっては、部品の寸法公差及び/又は組み立て公差などの原因により、組み立て時に第1検出部21及び第2検出部22の位置が調整されない限り、正確な位置決めを保証出来ないことも想定される。また、走査装置1の組み立て時に第1検出部21及び第2検出部22の位置を調整しようとしても、第1検出部21及び第2検出部22の位置が目視できないことも考えられる。この場合、第1検出部21及び第2検出部22の、可視光VLが入射する位置に対する目視による位置調整自体、困難になってしまう。
【0043】
そこで、一実施形態に係る走査装置1は、組み立て時などに第1検出部21及び第2検出部22が目視できない場合であっても、その位置調整を正確かつ容易に行い得る基板10を採用する。以下、一実施形態に係る基板10について、さらに説明する。
【0044】
図4(A)及び
図4(B)は、一実施形態に係る基板10を示す図である。
図4(A)及び
図4(B)は、
図1乃至
図3に示した走査装置1における基板10を示す図である。
図4(A)は、基板10の第2面10B側を示している。
図4(B)は、基板10の第1面10A側を示している。
【0045】
図4(A)は、
図1及び
図2と同様に、基板10を、Z軸負方向に向く視点から、すなわち上から下を見下ろす視点から示す図である。
図4(A)において、第1検出部21及び第2検出部22は、視認できない位置(裏側)にあるため、破線によって示されている。
【0046】
図4(B)は、基板10を、Z軸正方向に向く視点から、すなわち下から上を見上げる視点から示す図である。
図4(B)において、第1検出部21及び第2検出部22は、視認可能な位置(表側)にあるため、実線によって示されている。
【0047】
図4(A)及び
図4(B)に示すように、基板10は、通過部12を有してよい。一実施形態に係る基板10において、通過部12は、例えば基板10に形成されたスリットとしてよい。すなわち、この場合、通過部12は、基板10を貫通して形成されてもよい。また、通過部12は、基板10において第1面10A及び第2面10Bを貫通して形成されてもよい。また、通過部12が基板10を貫通して形成されている場合、通過部12に透明な樹脂板又はフィルムなどを設けておくことで、そこを通過する可視光VLを視認しやすくすることができる。
【0048】
図4(B)に示すように、通過部12は、第1面10Aにおいて第1検出部21及び第2検出部22を通る直線α上の位置に設けられてよい。
図4(B)において、直線αは、仮想線として、一点鎖線により示されている。また、この場合、
図4(A)に示すように、通過部12は、第2面10Bにおいて仮想線である直線α上の位置に対応する位置に設けられてもよい。このように、基板10の第2面10Bにおいて、第1検出部21及び第2検出部22は配置されていないが、仮想線である直線α上の位置に対応する位置に通過部12が設けられてもよい。
【0049】
通過部12が基板10に形成されたスリットである場合、
図1乃至
図3に示すように、導波部60によって反射された可視光VLが通過部12に導かれると、可視光VLの少なくとも一部は通過部12を通過する。したがって、走査部50によって赤外線IRが偏向されると、赤外線IRとともに偏向される可視光VLは、導波部60によってZ軸正方向に反射されてから、通過部12を通過し得る。このように、通過部12は、第1面10Aに照射された可視光の少なくとも一部を第2面10Bに通過させてもよい。
【0050】
一実施形態によれば、走査部50によって偏向された可視光VLが通過部12を通過している場合、可視光VLは通過部12の延長線上にある第1検出部21及び第2検出部22にも照射されると想定することができる。したがって、走査装置1を組み立てる作業員(ロボットなどの機械でもよい)は、基板10の位置決めを行う際に、通過部12を通過する可視光VLを目視で(視覚的に)確認できれば、第1検出部21及び第2検出部22の配置は適切と判断できる。すなわち、走査装置1を組み立てる作業員は、通過部12から可視光VLを視認できれば、第1検出部21及び第2検出部22が配置された基板10の位置は適切と判断できる。
【0051】
一方、走査装置1を組み立てる作業員は、基板10の位置決めを行う際に、走査部50によって偏向された可視光VLの一部又は全部が、通過部12を通過することを目視で確認できなければ、第1検出部21及び第2検出部22の配置は適切でない(すなわち、第1検出部21及び第2検出部22が可視光VLを検出できない配置である)と判断できる。すなわち、走査装置1を組み立てる作業員は、通過部12から可視光VLを視認できなければ、第1検出部21及び第2検出部22が配置された基板10の位置は適切でないと判断できる。この場合、走査装置1を組み立てる作業員は、通過部12から可視光VLを視認できるように、第1検出部21及び第2検出部22が配置された基板10の位置をずらすなどして修正してよい。このように、一実施形態に係る基板10によれば、走査装置1において電磁波を検出する第1検出部21及び第2検出部22の位置決めを正確に行い得る。
【0052】
上述のように、通過部12を通過する可視光VLの存在は、走査用の電磁波の照射方向(すなわち、反射ミラーの振れ角)を検出するための可視光VLが、第1検出部21及び第2検出部22に正しく照射されるか否かの判断の手がかりとして機能する。このため、例えば
図4(B)に示す通過部12の幅(直線αに垂直な方向の幅)が、第1検出部21及び第2検出部22の幅(直線αに垂直な方向の幅)よりも大きいと、不都合が生じる場合がある。すなわち、可視光VLは、たとえ通過部12を通過していても、必ずしも第1検出部21及び第2検出部22に照射されない場合もあり得る。このような場合、このような可視光VLの存在は、上述の手がかりとしての機能を果たさないことも想定される。したがって、例えば
図4(B)に示すように、通過部12の幅(直線αに垂直な方向の幅)は、第1検出部21及び第2検出部22の幅(直線αに垂直な方向の幅)よりも小さくしてもよい。
【0053】
このように、通過部12の直線αに垂直な方向の幅は、第1検出部21及び第2検出部22の直線αに垂直な方向の幅よりも小さく構成されてもよい。
【0054】
基板10の通過部12は、種々の態様で実現することができる。要するに、基板10の通過部12は、可視光VLが通過部12を通過していることを視認可能にできれば、任意の構成としてよい。以下、他の実施形態に係る基板10について、代表的な例をいくつか説明する。
【0055】
上述の実施形態において、基板10の通過部12は、基板10を貫通して形成されるスリットを想定して説明した。他の実施形態において、通過部12は、必ずしも貫通したものでなくてもよい。例えば、通過部12は、基板10の第1面10A及び第2面10Bの少なくとも一方において、通過部12以外の部分よりも厚さを薄く形成してもよい。基板10において通過部12の部分の厚さが通過部12以外の部分よりも所定以上に薄くなっていれば、可視光VLが通過部12を通過していることを視認可能にすることができる。
【0056】
例えば、
図4(A)及び/又は
図4(B)に示す通過部12は、基板10を貫通するスリットではなく、通過部12以外の部分よりも薄く形成した部分としてもよい。基板10の第1面10Aに形成される通過部12のみを薄くしてもよいし、基板10の第2面10Bに形成される通過部12のみを薄くしてもよい。また、基板10の第1面10A及び第2面10Bに形成される通過部12を両方とも薄くしてもよい。
【0057】
このように、通過部12は、基板10において通過部12以外の部分の厚さよりも薄く形成されてもよい。この場合、通過部12は、第1面10A及び第2面10Bの少なくとも一方において第1検出部21及び第2検出部22を通る直線αと平行に形成される溝を含んでもよい。
【0058】
このように、基板10は、第1面10Aに照射された電磁波の少なくとも一部を第2面10Bに通過させる通過部12を有してよい。ここで、通過部12は、第1面10Aにおいて第1検出部21及び第2検出部22を通る直線α上の位置、及び、第2面10Bにおいて直線α上の位置に対応する位置の少なくとも一方に設けられてよい。
【0059】
図5(A)及び
図5(B)は、他の実施形態に係る基板10を示す図である。
図5(A)及び
図5(B)に示す基板10は、
図4(A)に示した基板10と同様に、基板10の第2面10B側を示している。
【0060】
図5(A)及び
図5(B)に示す基板10は、
図4(A)に示した基板10において、通過部12に目印を設けた状態を示している。
図5(A)に示す基板10は、通過部12に、目印としてマーク13を設けてある。マーク13は、例えば基板10を短い線分状に薄く削って形成してもよいし、適当な塗料などでペイント又は印刷などしてもよい。また、マーク13は、レジスト剥離などによりラインを生成してもよい。
図5(B)に示す基板10は、通過部12に、目印として切り欠き14を設けてある。切り欠き14は、例えば基板10を短い線分状に削って貫通させることにより形成してもよい。マーク13及び切り欠き14は、通過部12のX軸方向の長さの中央に設けてもよい。また、マーク13及び切り欠き14は、第1検出部21と第2検出部22との間隔の中央に設けてもよい。
【0061】
このように、通過部12は、第1面10Aにおいて第1検出部21と第2検出部22との間の距離が二等分される箇所、及び、第2面10Bにおいて前記箇所に対応する箇所の少なくとも一方に設けられた目印を有してもよい。
図5(A)及び
図5(B)に示すような基板10によれば、第1検出部21及び第2検出部22の位置決めを正確に行い得るのみならず、さらに第1検出部21及び第2検出部22の中央位置のセンタリングも可能になる。すなわち、走査装置1を組み立てる作業員は、走査部50が停止状態の時(MEMSミラーがニュートラルな位置にある時)に、通過部12の目印の位置において可視光VLを視認できるように、基板10の位置をずらすなどして修正してよい。
【0062】
図6(A)及び
図6(B)は、他の実施形態に係る基板10を示す図である。
図6(A)及び
図6(B)に示す基板10は、
図4(A)に示した基板10と同様に、基板10の第2面10B側を示している。
【0063】
図4(A)及び
図4(B)に示した基板10の通過部12は、スリット又は溝状であることを想定して説明した。一方、
図6(A)及び
図6(B)に示すように、基板10の通過部12は、基板10に形成される孔であってもよい。
図6(A)に示す基板10の通過部12は、孔12A及び孔12Bとして形成されている。孔12A及び孔12Bは、それぞれ、貫通孔であってもよいし、貫通していない穴であってもよい。
図6(B)に示す基板10の通過部12は、
図6(A)に示す基板10の孔12A及び孔12Bの他に、さらに孔13Cとして形成されている。孔12A、孔12B、及び孔12Cは、それぞれ、貫通孔であってもよいし、貫通していない穴であってもよい。また、これらの孔12A及び孔12B並びに孔12Cは、それぞれ、基板10の第1面10A及び第2面10Bの少なくとも一方に形成されてもよい。孔12A及び孔12B並びに孔12Cは、少なくとも1つ以上の任意の数としてもよい。
【0064】
このように、通過部12は、基板10に形成される孔であってもよい。また、通過部12は、第1面10Aにおいて第1検出部21及び第2検出部22を通る直線α上の位置、及び、第2面10Bにおいて直線α上の位置に対応する位置の少なくとも一方に、複数個所設けられてもよい。このような通過部12であっても、走査装置1において電磁波を検出する第1検出部21及び第2検出部22の位置決めを正確に行い得る。
【0065】
図1乃至
図6に示した通過部12は、いずれも、第1検出部21と第2検出部22との間の領域に設けられる態様について説明した。すなわち、通過部12は、第1面10Aにおいて第1検出部21と第2検出部22との間の領域、及び、第2面10Bにおいて前記領域に対応する領域の少なくとも一方に設けられてもよい。一方、他の実施形態において、基板10の通過部12は、第1検出部21と第2検出部22との間の領域以外の領域に設けられてもよい。
【0066】
図7(A)及び
図7(B)は、他の実施形態に係る基板10を示す図である。
図7(A)及び
図7(B)に示す基板10は、
図4(A)に示した基板10と同様に、基板10の第2面10B側を示している。
【0067】
図7(A)及び
図7(B)に示した基板10の通過部12は、第1検出部21と第2検出部22との間の領域ではなく、第1検出部21と第2検出部22との間の外側の領域に設けられている。
図7(A)に示す基板10の通過部12は、孔12A及び孔12Bとして形成されている。孔12A及び孔12Bは、それぞれ、貫通孔であってもよいし、貫通していない穴であってもよい。
図7(B)に示す基板10の通過部12は、切り欠き16A及び切り欠き16Bとして形成されている。切り欠き16A及び切り欠き16Bは、それぞれ、貫通している切り欠きとしてもよいし、貫通せずに薄く形成された切り欠きとしてもよい。このような通過部12であっても、走査装置1において電磁波を検出する第1検出部21及び第2検出部22の位置決めを正確に行い得る。
【0068】
以上説明した各実施形態において、基板10は、第1検出部21及び第2検出部22の2つの検出部を備える構成について説明した。一方、電磁波の照射方向又は反射ミラーの振れ角を検出するための可視光VLを検出するためには、基板10は、例えば、第1検出部21又は第2検出部22の一方のみを備えてもよい。
【0069】
例えば、基板10は、第1検出部21が配置された第1面10A及び第1面10Aの反対側の第2面10Bを有し、第1面10Aに照射された電磁波の少なくとも一部を第2面10Bに通過させる通過部12を備えてもよい。また、走査部50は、例えば第1照射部31及び第2照射部32の少なくとも一方によって照射された電磁波を走査させてもよい。この場合、第1検出部21は、走査部50によって走査された電磁波が照射される位置に配置されてもよい。
【0070】
図1乃至
図3に示した実施形態において、基板10は、導波部60の上側に配置されることを想定して説明した。このように、基板10は、走査部50によって走査された電磁波の軌跡を含む面(すなわちXY平面に平行な平面)の上方に位置付けられてよい。この場合、導波部60は、走査部50によって走査された電磁波を、第1検出部21に向けて上方に導くように配置されてよい。
【0071】
一方、他の実施形態において、基板10は、導波部60の下側に配置されてもよい。この場合、
図1乃至
図3は、Z軸方向の天地が逆の構成を採用してもよい。このように、基板10は、走査部50によって走査された電磁波の軌跡を含む面(すなわちXY平面に平行な平面)の下方に位置付けられてもよい。この場合、導波部60は、走査部50によって走査された電磁波を、第1検出部21に向けて下方に導くように配置されてもよい。
【0072】
図1乃至
図3に示した実施形態において、合成部40は、第1照射部31から照射された電磁波と、第2照射部32から照射された電磁波との光軸を合致させることで合成されることを想定して説明した。一方、他の実施形態において、第1照射部31から照射された電磁波と、第2照射部32から照射された電磁波は合成される必要はなく、両電磁波の進行方向が一致していればよい。例えば、合成部40から出力された、第1照射部31から照射された電磁波と、第2照射部32から照射された電磁波が、平行に走査部50へ進行してもよい。
【0073】
上述の実施形態は代表的な例として説明したが、本開示の趣旨及び範囲内で、多くの変更及び置換が可能であることは当業者に明らかである。したがって、本開示は、上述の実施形態によって制限するものと解するべきではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形及び変更が可能である。例えば、実施形態の構成図に記載の複数の構成ブロックを1つに組み合わせたり、あるいは1つの構成ブロックを分割したりすることが可能である。
【符号の説明】
【0074】
1 走査装置
10 基板
12 通過部
21 第1検出部
22 第2検出部
31 第1照射部
32 第2照射部
40 合成部
50 走査部
60 導波部