(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024069497
(43)【公開日】2024-05-21
(54)【発明の名称】粒子フォーム部品を製作するための、特に靴底または靴底の一部を製作するための装置、方法、およびコンデンサ極板セット
(51)【国際特許分類】
B29C 44/60 20060101AFI20240514BHJP
B29C 44/00 20060101ALI20240514BHJP
B29C 44/44 20060101ALI20240514BHJP
B29D 35/12 20100101ALI20240514BHJP
【FI】
B29C44/60
B29C44/00 G
B29C44/44
B29D35/12
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024040911
(22)【出願日】2024-03-15
(62)【分割の表示】P 2022073805の分割
【原出願日】2022-04-27
(31)【優先権主張番号】10 2021 204 230.9
(32)【優先日】2021-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】510204998
【氏名又は名称】アディダス アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100114409
【弁理士】
【氏名又は名称】古橋 伸茂
(74)【代理人】
【識別番号】100147762
【弁理士】
【氏名又は名称】藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100221327
【弁理士】
【氏名又は名称】大川 亮
(72)【発明者】
【氏名】マーク ノリッジ
(72)【発明者】
【氏名】バスティアン ゴス
(72)【発明者】
【氏名】ジャルッコ シルタマーキ
(72)【発明者】
【氏名】ヴィクター ロマノフ
(72)【発明者】
【氏名】コンスタンティン ケンマー
(57)【要約】
【課題】本発明は、フォーム粒子から靴底または靴底の一部を製造するための装置および
方法に関する。
【解決手段】フォーム粒子から靴底または靴底の一部を製造するための装置が開示され、
装置は、a)少なくとも2つの成形半型から形成され、成形キャビティを画定する、成形
ツールと、b)成形キャビティに隣接して配置された少なくとも2つのコンデンサ極板と
、を備え、c)コンデンサ極板の少なくとも一方が放射源に接続され、d)コンデンサ極
板の少なくとも一方が、成形キャビティまでの適合可能な距離を有するいくつかのセグメ
ントを含む。また、フォーム粒子からの靴底または靴底の一部の製造でそのような装置を
使用するための方法も開示される。
【選択図】
図13a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォーム粒子から靴底または靴底の一部を製造するための装置であって、
a.少なくとも2つの成形半型から形成され、成形キャビティを画定する、成形ツール
と、
b.成形キャビティに隣接して配置された少なくとも2つのコンデンサ極板と、を備え
、
c.コンデンサ極板の少なくとも一方が、放射源に接続され、
d.コンデンサ極板の少なくとも一方が、成形キャビティまでの適合可能な距離を有す
るいくつかのセグメントを含む、装置。
【請求項2】
セグメントが、導電性の電極本体に電気的に接続される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
電極本体が接地電位にある、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
放射源に接続されているコンデンサ極板が、成形キャビティの一方の側にある第1のコ
ンデンサ極板であり、成形キャビティまでの適合可能な距離を有するいくつかのセグメン
トを含むコンデンサ極板が、成形キャビティの反対側にある第2のコンデンサ極板である
、請求項1から3の一つに記載の装置。
【請求項5】
成形キャビティまでのセグメントの距離が、機械的アクチュエータ手段および/または
電気的アクチュエータ手段によって個々に調整することができる、請求項1から4の一つ
に記載の装置。
【請求項6】
セグメントが、2次元グリッド、特に矩形グリッド、に配置される、請求項1から5の
一つに記載の装置。
【請求項7】
グリッド密度が局所的に変動する、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
セグメントが、調節可能に電極本体に接続されるねじまたはピンとして提供される、請
求項2から7の一つに記載の装置。
【請求項9】
ねじが、電極本体に締め込まれる金属ねじであり、電極本体が金属からなるかまたは金
属を含む、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
電極本体上に配置され、ねじまたはピンが配置される開口を備えている、非導電性材料
からなるカバーシートをさらに備える、請求項8または9に記載の装置。
【請求項11】
カバーシートが、電気的に絶縁性のカバーからなるかまたはそれを含む、請求項10に
記載の装置。
【請求項12】
セグメントの各々が、取り外されたまたは電気的に切断、低位置、中位置、高位置、の
少なくとも4つの位置のうちの1つに設定可能である、請求項1から11の一つに記載の
装置。
【請求項13】
成形キャビティが電磁放射で照射されている間、セグメントの位置が調整可能である、
請求項1から12の一つに記載の装置。
【請求項14】
セグメントのうち1つまたは複数の位置を調整することが、成形キャビティ内で放射さ
れる電磁場の場強度分布に影響を与える、請求項1から13の一つに記載の装置。
【請求項15】
放射源に接続されているコンデンサ極板の形状が、製造すべき部品の幾何学形状に合わ
せて少なくとも部分的に適合される、請求項1から14の一つに記載の装置。
【請求項16】
フォーム粒子から靴底または靴底の一部を製造するための方法であって、
a.成形キャビティを画定する少なくとも2つの成形半型から形成される成形ツールの
成形キャビティ内に粒子を投入することであって、少なくとも2つのコンデンサ極板が成
形キャビティに隣接して配置され、コンデンサ極板の少なくとも一方が放射源に接続され
、コンデンサ極板の少なくとも一方が、成形キャビティまでの適合可能な距離を有するい
くつかのセグメントを含む、投入することと、
b.コンデンサ極板によって放出される電磁放射で成形キャビティを照射することと、
c.成形キャビティまでのセグメントの適合可能な距離を変更することにより、成形キ
ャビティ内の照射電磁場の場強度分布を局所的に調整することと、を含む方法。
【請求項17】
変更することが、電磁放射による成形キャビティの照射の前および/または照射の間に
行われる、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
フォーム粒子が、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリ乳酸(PLA)、ポリアミド
(PA)、ポリエーテルブロックアミド(PEBA)、ポリエチレンテレフタレート(P
ET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、熱可塑性ポリエステルエーテルエラス
トマ(TPEE)、の基材のうち1つまたは複数を含む、請求項16または17に記載の
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粒子フォーム部品を製作するための装置、プロセス、およびコンデンサ極板
セットに関する。
【0002】
本装置、方法、およびコンデンサ極板セットは、電磁波を使用し、したがって電磁波で
フォーム粒子が溶着されて粒子フォーム部品になることにより粒子フォーム部品を製作す
るために提供される。溶着のために必要とされるエネルギーは、電磁波によってフォーム
粒子に印加される。
【0003】
この装置、方法、およびコンデンサ極板セットは、特に、靴底または靴底の一部、特に
ミッドソールまたはその一部、の製造において使用され得る。本発明はまた、そのように
して製造された、靴底または靴底の一部、特にミッドソールまたはミッドソールの一部に
も関する。
【背景技術】
【0004】
米国特許第3,079,723号明細書に、湿った熱可塑性フォーム粒子を焼結するた
めのプロセスが記載されている。粒子は誘電加熱され、同時に圧縮される。約2~100
0MHZの周波数の電磁波が印加される。
【0005】
文献米国特許第3,242,238号明細書は、同様のプロセスを記載している。同プ
ロセスでは、フォーム粒子が、水溶液で湿らされ、約5~100MHZの周波数の電磁場
に曝露される。
【0006】
文献独国特許第1,403,326号明細書は、発泡性ポリスチレンフォーム粒子を溶
着するためのプロセスを記載している。同プロセスでは、粒子が、水溶液で湿らされ、5
~2000MHZの電磁場に曝露される。
【0007】
国際公開第01/064414(A1)号パンフレットは、液体媒質で濡らしたポリオ
レフィンのポリマー粒子が、電磁波、特にマイクロ波、で加熱されるプロセスを開示して
いる。型内の温度は、型内の圧力を制御することによって制御される。
【0008】
国際公開第2013/050181(A1)号パンフレットは、粒子フォーム部品を製
作するためのプロセスを開示しており、そこではフォーム粒子と誘電伝達液体の混合物を
電磁波によって加熱して、フォーム粒子を融合させ、粒子フォーム部品にする。電波また
はマイクロ波が電磁波として使用される。フォーム粒子の材料は、ポリプロピレン(PP
)から形成される。
【0009】
長年にわたって行われているこれらの多くの取り組みにも関わらず、電磁波を用いてフ
ォーム粒子が溶着される機械は、これまでのところ工業生産において確立されていない。
この主な理由の1つは、熱を均一にフォーム粒子内に導入することができず、結果的に粒
子フォーム部品の内部で均一な溶着にならないことである。
【0010】
したがって、商業的用途では、蒸気を使用することによってフォーム粒子を溶着する機
械が主として現在まで使用されてきた。しかし、それらの機械は、エネルギー入力が非効
率的であるという不都合点がある。さらに、粒子フォーム部品が溶着後も湿っており、し
たがって、直ちにさらなる処理を行うことができない。加熱は外側から内側に向かって行
われるため、構成要素の内側部分は、常に十分な品質で溶着できるとは限らない。加えて
、蒸気を生成するためのデバイスは、電磁波の発生器よりもはるかに高価である。
【0011】
電磁放射を用いるフォーム粒子の溶着は、その目的のために成形ツール内に位置するフ
ォーム粒子に高いエネルギーを供給することを必要とする。加えて、フォーム粒子へのエ
ネルギー入力は、均一な加熱、ひいてはフォーム粒子の均一な溶着を実現するために、可
能な限り均一でなければならない。
【0012】
1つの問題は、電極とそれに対応する成形ツールとが普通は異なるサイズであることで
ある。成形ツールは、製作しようとする製品に応じて交換されなければならない。したが
って、異なる成形ツールが一つの固定具内で使用され、それらはサイズが異なる可能性が
ある。成形ツールは、通例、成形ツールを極板コンデンサの電場内に完全に収容するよう
に、電極よりも少し小さい。したがって、電極は、通例成形ツールの側に少し突出する。
これにより、使用されない電場が生じる。コンデンサのキャパシタンスは、必要とされる
よりも大きい。その結果、コンデンサは、より多くの電荷を消費し、よって必要よりも多
いエネルギーをも消費する。
【0013】
特に、靴底または靴底の一部、特にミッドソールまたはその一部、の製作に関する別の
問題は、そのような部品の複雑な3次元形状である。例えば、靴底がその長手方向の延び
および/または内側から外側への延びに沿って一定の厚みを有することはほとんどない。
このことにより、靴底のすべての領域にわたって粒子の一定かつ均質な溶着を実現するの
が困難であるという点で、溶着プロセスが難しくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】米国特許第3,079,723号明細書
【特許文献2】米国特許第3,242,238号明細書
【特許文献3】独国特許第1,403,326号明細書
【特許文献4】国際公開第01/064414(A1)号パンフレット
【特許文献5】国際公開第2013/050181(A1)号パンフレット
【特許文献6】独国特許出願公開第10 2016 100 690(A1)号明細書
【特許文献7】独国特許出願公開第10 2016 123 214(A1)号明細書
【特許文献8】独国特許出願第10 2019 127 680.2号明細書
【特許文献9】独国特許出願公開第10 2015 202 013(A1)号明細書
【特許文献10】独国特許出願公開第10 2016 223 980(A1)号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本特許出願の出願人は、特に靴底の製造の文脈において、電磁波を用いてフォーム粒子
を溶着するための知られているデバイスおよび方法ならびに対応するプロセスを改良した
。それらのデバイスおよびプロセスは、本出願の出願人によって所有される、公開文献で
ある独国特許出願公開第10 2016 100 690(A1)号明細書および同第1
0 2016 123 214(A1)号明細書および独国特許出願第10 2019
127 680.2号明細書、ならびに公開出願である独国特許出願公開第10 201
5 202 013(A1)号明細書および同第10 2016 223 980(A1
)号明細書に記載される技術に基づいており、それらには下記で説明される本発明に関連
して、特にこれに限らないがデバイス、プロセス、および材料に関して、参照がなされる
。
【0016】
本発明は特に、電磁波を用いてフォーム粒子を溶着させることにより、粒子フォーム部
品、特に靴底/ミッドソール、を製作する際に、エネルギー入力の効率を向上させ、電場
をより有効に使用するという問題に基づく。
【0017】
本発明はさらに、靴底またはミッドソールが複雑な3次元形状、および特に変化する厚
みを有する場合でも、電磁場の使用によってフォーム粒子を融合することによって製作さ
れる靴底またはミッドソールの品質を向上させるという問題に基づく。
【0018】
これらの問題は、下記でより詳細に論じられる本発明の種々の態様によって対処され、
少なくとも部分的に解決される。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の第1の態様は、粒子フォーム部品、特に靴底または靴底の一部(例えばミッド
ソールまたはその一部)、を製作するための装置によって提供される。
【0020】
一実施形態では、装置は、成形キャビティを画定する成形ツールを備え、少なくとも2
つのコンデンサ極板が成形キャビティに隣接して配置され、コンデンサ極板は電磁放射の
放射源に接続され、電磁放射源は電磁放射を放出するように適合され、成形ツールは少な
くとも2つの成形半型から形成され、2つのコンデンサ極板の少なくとも一方はいくつか
のセグメントから形成され、それにより、いくつかのセグメントを有するコンデンサ極板
配列の表面を、成形キャビティ内で融合させる製品の形状に基づいて適合することができ
る。
【0021】
例えば、セグメントから形成されるコンデンサ極板は、セグメント化電極として設計さ
れる。それはいくつかのセグメントからなることができる。これは、特に平面の電極また
はコンデンサ極板で、実現するのが比較的容易である。しかし、平面電極のみならず、靴
底/ミッドソールを製作するための電極などの、輪郭が付けられた電極でも可能である。
【0022】
例えば、セグメントは、コンデンサ極板を形成する個々のセグメントを除去するおよび
/または追加することにより、その表面の形状およびサイズ、特にその横方向の寸法を、
成形ツール内で製作すべき部品の形状に合わせて適合できるような形状にされる。
【0023】
好ましくは、コンデンサ極板のセグメントは、脱着可能に電気的および機械的に接続さ
れる。そのようにして、コンデンサ極板の表面を成形ツールのサイズに合わせて適合する
ために、個々のセグメントを除去または追加することができる。
【0024】
2つ以上のセグメント同士をそれらの縁部において電気的に接続する、導電性の接続要
素が設けられ得る。例えば、銅または黄銅箔などの導電性の金属要素を使用することがで
き、それに対して、電極のセグメントの縁部が、電極のすべてのセグメントへの電気接続
があるように留め付けられる。
【0025】
また、セグメントは、それらセグメントが共に接合されるときに係合するエリアを、各
自の縁部に有し得る。これは、電気的および機械的な接続が、セグメントの接合部におい
て、特に確実かつ比較的安価になされ得ることを意味する。縁部またはエリアは、この目
的のために、例えば段付きの継ぎ目として設計され得る。
【0026】
他方で、セグメントは、係合しない方式で、特にそのような係合エリアを備えずに、提
供されることも可能であり、これは、型内組立て、すなわち、成形ツール/コンデンサ極
板を分解する必要のないセグメントの組立て(または1つまたは複数のセグメントの追加
もしくは除去)、を可能にするために有益であり得る。
【0027】
好ましくは、セグメントは、脱着可能に絶縁体に取り付けられる。絶縁体は、セグメン
トを適所に保持する働きをする。絶縁体は好ましくは、高電圧に適し、RF放射の著しい
損失を引き起こさず、そうでなければ加熱することになる。また、使用される材料は、使
用される電磁場に対して、その場誘電率および誘電損失の面で著しい反応を示すべきでな
い。何故ならば、それも望ましくない加熱につながるためである。したがって、好ましく
は低い誘電損失率ならびに低い誘電率を有する誘電材料が好ましい。例えば、セラミック
材料および/またはプラスチック材料が使用されてよい。使用され得る例示的な誘電ポリ
マーには、PEEK、PTFE、PE、PS、PETが含まれる。使用され得る例示的な
セラミック材料には、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、ケイ酸アルミニウムが含ま
れる。
【0028】
電極またはコンデンサ極板のセグメントは、例えばねじで絶縁体に取り付けることがで
きる。しかし、セグメントを絶縁体に締結するために、プラグ接続、ボルト、クランプ要
素などの他の締結手段も使用され得る。
【0029】
例えば、セグメントによって形成される1つまたは複数のコンデンサ極板の少なくとも
1つのセグメントが、放射源に電気的に接続される。
【0030】
1つのオプションによると、コンデンサ極板のセグメントは、恒久的に絶縁体に取り付
けることができ、コンデンサ極板のサイズを調整するために個々にオンまたはオフを切り
替えることができる。これは、特にセグメント化コンデンサ極板が平坦である場合、また
は2つの平坦なセグメント化コンデンサ極板が、粒子を放射に曝露するためのコンデンサ
を形成する場合に、比較的容易に行うことができる。
【0031】
この場合、セグメントは、好ましくは互いから電気的に分離され、例えば高周波発生器
が放射源として使用される場合には高周波線を介して、各セグメントが別個に放射源に接
続される。
【0032】
有利には、セグメントは各々、調節可能な共振回路に接続され、それぞれの共振回路を
調節することにより、個々にまたはグループでオン/オフが切り替えられる、または作動
もしくは停止され得る。
【0033】
特に、セグメントは各々が部分コンデンサを形成してよく、それが調節可能な共振回路
に接続される。
【0034】
各供給線には、それぞれの線を介して供給されるエネルギーを互いから独立して調整す
ることができる、規制コンデンサが割り当てられ得る。個々の線におけるエネルギー供給
を制御することにより、したがって、コンデンサのどのセグメントを操作するかを制御す
ることが可能である。共振回路の調節によって個々のセグメントのオン・オフを切り替え
ることにより、コンデンサ極板のサイズを、その放射放出表面に関して成形ツールのサイ
ズに合わせて適合することができる。これは、コンデンサ極板の表面を適合するために、
成形ツールに応じて個々のセグメントを機械的に除去するまたは取り付ける必要がないこ
とを意味する。
【0035】
好ましくは、セグメントは、輪郭が付けられたコンデンサ極板を互いと共に形成する。
【0036】
特に、セグメントは、成形キャビティの両側に配置され、そこにセグメント化コンデン
サ極板を形成することができる。
【0037】
セグメントは、成形キャビティの一方の側のみに配置され、そこにセグメント化コンデ
ンサ極板を形成することもできる。成形キャビティの他方の側には、例えば連続したコン
デンサ極板が配置され得る。
【0038】
また、成形キャビティの他方の側では、成形ツールの導電性エリアまたは導電性の成形
半型が、セグメント化コンデンサ極板に対向するコンデンサ極板の役割を果たすことがで
きる。しかし、輪郭が付けられた表面の場合は、均質な電場を作り出すことがより容易に
なることから非導電性の成形半型が好ましい。さらに、導電性の成形半型を使用すること
は、この成形半型に隣接する領域内で製造される構成要素を焼損させるリスクを伴うため
、この観点からも非導電性の材料が好ましい。
【0039】
両方の成形半型が導電性であった場合、一方の成形半型がRF放射ラインに接続されな
ければならないが、これは達成するのが比較的難しいか、または高費用を要する。
【0040】
セグメントから形成されるコンデンサ極板の少なくとも一方が放射源に電気的に接続さ
れ、一方で、例えば他方のコンデンサ極板またはそのセグメントが、電気的に接地される
またはアースに接続されると有利である。
【0041】
特に、セグメントは各々、セグメント同士が組み合わされたときに、成形ツールの幾何
学形状およびサイズに合わせて幾何学形状(特にその横方向の延び)が適合されたコンデ
ンサ極板を作り出す幾何学形状を有し得る。例えば、セグメントは、照射対象の成形ツー
ルのサイズに応じていくつかのセグメントを組み合わせることによって異なるサイズの矩
形をコンデンサ極板として形成するために、好ましくは異なる寸法の、矩形であり得る。
【0042】
隣り合うセグメントの縁部は、有利には、いくつかのセグメントを組み合わせてコンデ
ンサ極板を形成するために、互いと平行である。
【0043】
特に、中央の正方形のセグメントが設けられ、その正方形のセグメントの各側に沿って
追加セグメントが延びるような形で、個々のセグメントを配置することが有利である。そ
のようにして、いくつかのセグメントを組み合わせることによって、異なるサイズの矩形
を作り出すことができる。追加セグメントのさらなる環が設けられ得る。
【0044】
セグメントは、例えばシート金属部品として設計され得る。セグメントは、柔軟であっ
てもよい。良好な導電性を有する金属、または良好な導電性を有する金属合金からなると
有利である。
【0045】
本発明の第2の態様によると、粒子フォーム部品、特に靴底または靴底の一部(例えば
ミッドソールまたはその一部)、を製造するための装置用のコンデンサ極板セットが提供
される。
【0046】
一実施形態では、コンデンサ極板セットは、絶縁体に取り付けられるように適合され、
電磁放射を生成するための放射源に接続されるように適合された末端部分を備える、少な
くとも第1のコンデンサ極板セグメントと、1つまたは複数の第2のコンデンサ極板セグ
メントと、を備え、第1のコンデンサ極板セグメントおよび第2のコンデンサ極板セグメ
ントは、粒子フォーム部品を製作するための成形ツールのサイズに合わせて面積のサイズ
を適合することができるコンデンサ極板を合同して形成するように適合されている。
【0047】
コンデンサ極板セグメントは、互いと合体して少なくとも1つのまたはいくつかのセグ
メント化コンデンサ極板を形成する、いくつかの物体からなる組を形成し、コンデンサ極
板は、粒子フォーム部品を製造するためにフォーム粒子を溶着させるのに使用される成形
ツールのサイズに合わせて、そのサイズが適合可能である。
【0048】
好ましくは、コンデンサ極板セグメントは、脱着可能に電気的および機械的に互いと接
続可能である。
【0049】
特に、第2のコンデンサ極板セグメントも各々、電磁放射を生成するための放射源に接
続するための末端エリアを備えてよい。
【0050】
各コンデンサ極板セグメントは、それが、それから形成されるコンデンサ極板内の他の
コンデンサ極板セグメントから電気的に分離され、例えば調節可能な共振回路により、エ
ネルギー源に接続されるまたはそれから切断され得るような形で設計されてよい。
【0051】
好ましくは、コンデンサ極板セットは、本発明の態様の1つによる装置で使用するため
に設計される。
【0052】
本発明の第3の態様は、粒子フォーム部品、特に靴底または靴底の一部(例えばミッド
ソールまたはその一部)、を製作するためのプロセスに関する。
【0053】
一実施形態では、方法は、a)成形ツールの成形キャビティ内にフォーム粒子を充填す
るステップであって、少なくとも2つのコンデンサ極板が成形キャビティに隣接して配置
されており、コンデンサ極板は、電磁放射を生成するために電磁放射の放射源に電気的に
接続されている、ステップと、b)コンデンサ極板間の電磁放射によってフォーム粒子を
溶着させるステップと、c)型から取り出すステップと、を含み、d)2つのコンデンサ
極板の少なくとも一方は複数のセグメントから形成され、当該少なくとも一方のコンデン
サ極板の面積は、放射生成セグメントを組み合わせることにより、成形ツールのサイズに
合わせて適合される。
【0054】
フォーム粒子は、溶着して粒子フォーム部品を形成するように成形ツール内で加熱され
る。熱は、電磁気RF放射を使用してフォーム粒子に印加される。
【0055】
セグメントを組み合わせるためにセグメントを脱着可能に電気的および機械的に接続す
ることが有利である。
【0056】
1つのオプションによれば、セグメントは、互いから電気的に分離されて配置すること
ができ、それらを互いと組み合わせるために、例えばセグメントに接続された共振回路を
調節することによって、オンまたはオフが切り替えられ得る。これにより、セグメントを
機械的に除去するまたは機械的に追加する必要なく、放射を放出するコンデンサ極板の面
積を調整することが可能になる。特に、これは、多大な手間を必要とする、コンデンサ極
板の面積を調整する際に、機械的にセグメントを分離するまたは放射源に接続する必要を
なくす。
【0057】
特に、セグメントは各々、部分コンデンサを形成することができる。
【0058】
本発明による装置および/または本発明によるコンデンサ極板セットを使用して、記載
されるプロセスを実施することが有利である。
【0059】
フォーム粒子は、好ましくは、発泡熱可塑性材料、特に熱可塑性ポリウレタン(TPU
)、ポリ乳酸(PLA)、ポリアミド(PA)、ポリエーテルブロックアミド(PEBA
)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、
または熱可塑性ポリエステルエーテルエラストマ(TPEE)からなるかまたはそれを含
む。フォーム粒子は、1つのフォーム粒子の中に複数のポリマータイプを含有するビーズ
であってもよく、または、フォーム粒子は、異なるフォームポリマーもしくはそれらの組
み合わせからなる異なる粒子の混合物であってもよい。好ましくは、フォーム粒子は、9
0重量%の上記材料の1つまたは混合物から構成される。それらのフォーム粒子は、当技
術分野でペレット/粒子フォームとしても知られる、いわゆるビーズフォームからなる粒
子である。しばしば、接続されたフォーム粒子の使用から得られるフォームは、そのポリ
マーフォーム成分のビーズ形態を表すために、例えばeTPUなど、「e」の呼称が与え
られる。
【0060】
それらの材料からなるフォーム粒子は、好ましくは、主としてRF放射の直接的な吸収
によって加熱される。これは、熱が、RF放射を吸収してフォーム粒子に伝達する水など
の熱伝達媒質によって加熱されないか、またはわずかな程度のみ加熱されることを意味す
る。一方で、RF放射の直接的な吸収は、非常に効率がよいと共に、軟化温度が200℃
を超える(通常260℃前後)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの材料から
なるフォーム粒子の溶着を可能にし、これは、水溶性の熱伝達媒質による加熱では可能で
ない。加えて、そのような熱伝達剤の使用を回避または低減することができ、それにより
最終製品の品質が向上する。
【0061】
しかし、熱伝達媒質の追加も、本発明の範囲内で可能である。
【0062】
電磁気RF放射は、好ましくは、少なくとも30kHzまたは少なくとも0.1MHz
、特に少なくとも1MHZまたは少なくとも2MHz、好ましくは少なくとも10MHZ
、の周波数を有する。最大周波数は300MHzであってよい。使用されることが可能で
、そのための放射源が容易に商業的に入手できる固有(中心)周波数は、例えば、6.7
8MHz、13.56MHz、27.12MHz、40.68MHzである。しかし、2
.45GHzまたは5.8GHzの(中心)周波数も、場合により使用され得る。
【0063】
電磁気RF放射を生成するために、コンデンサ極板は好ましくは、その他は電気的に絶
縁性の材料からなる成形ツール上に配置される。約少なくとも1kVから数kV、好まし
くは少なくとも10kV、特に少なくとも20kVの振幅をもつ高周波電圧が、コンデン
サ極板に印加される。
【0064】
そのような電圧を用いると、10kW~60kWの範囲の電力が成形キャビティ内のフ
ォーム粒子に伝達され得る。これにより、大きい体積の粒子フォーム部品、および/また
は靴底もしくはその一部であっても、約30秒から2分の非常に短いサイクル時間で確実
に製作することができる。
【0065】
フォーム粒子は、成形ツール内で圧縮され得る。成形ツールは、例えばクラックギャッ
プ成形ツールとして設計され得る。その中で、フォーム粒子は、溶着プロセス中に粒子の
熱膨張によって生み出される圧縮効果に加えて、機械的に圧縮される。
【0066】
成形ツールは好ましくは、使用される電磁気RF放射に対して、(例えば低い比誘電率
の意味で)実質的に透明な低い材料からなる。可能な材料には、ポリテトラフルオロエチ
レン(PTFE)、ポリエチレン(PE)、特に超高分子量ポリエチレン(UHMWPE
)、ポリエーテルケトン(PEEK)が含まれる。しかし、ポリエチレンテレフタレート
(PET)、ポリオキシメチレン(POM)、またはポリケトン(PK)のような半透明
透明材料も使用され得る。
【0067】
セグメントがコンデンサを形成するために個々にまたはグループで接続または切断する
ことが可能な場合、電磁放射源は、発生器共振回路の一部として設計され得る。電磁波を
誘導するための線は、各々が部分コンデンサを形成するセグメントの対と共に、ツール共
振回路を形成する。インダクタンスまたはキャパシタンスを変えることにより、ツール共
振回路を調節することができ、ツール共振回路は、調節可能な共振回路を形成し、それを
通じて的を絞った形で電力の伝送を遮断または可能にすることができる。
【0068】
調節可能な共振回路を制御するための制御装置は、発生器共振回路から、調節可能な共
振回路として設計され得るツール共振回路への電力供給が、共振回路の調節によってオン
に切り替えるもしくは可能にする、または中断することができるような形で設計され得る
。そのようにして、溶着プロセス中に成形ツールに電磁放射を印加するいくつかのセグメ
ントから形成されるコンデンサ極板に、適切なセグメントが追加される、またはそこから
除去される。
【0069】
共振回路の調節を利用して成形キャビティ内に伝送され得る電力は、発生器、および発
生器共振回路が調節可能な共振回路に接続される線の寸法設定に応じて、25kW~60
kWの範囲であり得る。
【0070】
2つのコンデンサ極板のうち一方は、本明細書において論じられる本発明の種々の態様
のすべてのオプションにおいて、接地に電気的に接続され得る。他方のコンデンサ極板は
、直接、またはそのセグメントの1つまたは複数を通じてのいずれかで放射源に直接接続
することができ、それにより、放射は、接地に対する電磁波としてこのコンデンサ極板に
供給される。
【0071】
上記で論じられた本発明の第1、第2のおよび/または第3の態様、ならびにすべての
それらの可能なオプション、変形例、および実施形態と組み合わされてよい(無論、物理
的または技術的に除外されなければ)本発明の第4の態様は、粒子フォーム部品、特に靴
底または靴底の一部(例えばミッドソールまたはミッドソールの一部)、を製作するため
の装置によって提供される。
【0072】
一実施形態では、装置は、a)少なくとも2つの成形半型から形成され、成形キャビテ
ィを画定する、成形ツールと、b)成形キャビティに隣接して配置された少なくとも2つ
のコンデンサ極板と、を備え、c)コンデンサ極板の少なくとも一方が放射源に接続され
、d)コンデンサ極板の少なくとも一方が、成形キャビティまでの適合可能な距離を有す
るいくつかのセグメントを含む。
【0073】
コンデンサ極板が成形キャビティに「隣接して」配置されるとは、コンデンサ極板が成
形キャビティの壁と直接接触していること、または壁を形成することを意味するのではな
いことが指摘される。そうではなく、この特徴によって示唆されるのは、コンデンサ極板
が、成形キャビティの「周り」に、かつそこからある距離を置いて配置されるということ
であり、この距離は、成形キャビティ内でフォーム粒子の求められる溶着を作り出すのに
適する交流電磁場で成形キャビティを充満するまたは照射することを可能にする距離であ
る。通例、構成要素またはその一部、例えば成形ツール(特に、使用される電磁放射に対
して透明であるまたは大部分透明である部分)が、コンデンサ極板と成形キャビティの間
に配置され(例えば、以下の項における図に関連した可能な実施形態の詳細な説明を参照
)、成形キャビティの形状および寸法は、コンデンサ極板自体ではなく成形ツールによっ
て定められる(それにより、異なる成形キャビティを有する異なる成形ツールを、同じコ
ンデンサ極板のセット間で使用することが概して可能になる)。
【0074】
開示される装置では、複数のセグメント(以下で「電極要素」とも呼ばれる)は、それ
ぞれのコンデンサ極板(以下で「電極」とも称される)の手動または自動の形状変更を可
能にするように設計される。下記でさらに詳細に説明されるように、そのような形状変更
を使用して、成形キャビティ内の電場強度を局所的に制御し、したがってその場所におけ
る材料の加熱を制御する。このモジュール性は、製造および製品両方の利益をもたらす。
【0075】
型開発の以前の取り組みは、電極/コンデンサ極板の設計によって直接的に、成形キャ
ビティ内部の電磁場を求められる値に可能な限り近づけようとすることを目的として、正
確なシミュレーションによって支援される洗練された電極設計に着目していた。電磁放射
(特にRF放射)を用いた粒子の融合は対象材料の誘導加熱に基づくため、加熱の均質性
は、動作周波数における均一な電場分布に依存する。場は通例、能動的なものと接地され
たものの(少なくとも)2つの導電性電極/コンデンサ極板の間に作り出され、両者の間
に、絶縁性の成形ツールおよび対象部品(ここでは靴底またはその一部)が置かれている
。普通、導電性の金属電極/コンデンサ極板は、成形ツールおよび成形される部品によっ
て引き起こされる擾乱に合わせて場分布を調整するために、部分的に形状が付けられる。
この形状付けが正確でないと、機械設備の複数の部分が、電極設計を最適化するために変
化しなければならない。また、電極形状は、変更された製品要件または材料変動に合わせ
て適合するために、プロセス中に、またはプロセスループとプロセスループの間に、変更
することはできない。
【0076】
それに対して、開示される本装置は、特に能動電極/コンデンサ極板と受動電極/コン
デンサ極板との間の距離に関して、および特にグリッド分解度について、機械設備設定の
柔軟な変更を可能にする。変更は、選択された作動に応じて、手動または能動的であり得
る。変更は、現在製造されている部品に対して固定され得る、または現在利用可能である
よりもさらに多くの制御を可能にするためにプロセス中であっても変更され得る。例えば
、選択されたグリッド分解度に応じて、場強度を局所的に増大または低減させ、したがっ
て、対象物が受ける加熱率および最大温度を設定することができる。これは、例えば、新
しい型の幾何学形状および局所的に調節された部品の幾何学形状への迅速な適合を可能に
する。
【0077】
したがって、電極/コンデンサ極板の少なくとも一方は、要素またはセグメントの集合
(例えばそのような要素/セグメントのグリッド)に分割され、それは、電極/コンデン
サ極板から成形キャビティに向かう方向に沿って位置するように取られるz軸に平行に移
動させることができるが、好ましくは、常に依然として電極(能動側であれ受動側であれ
、好ましくは受動側)の本体に電気的に接続され、それはさらに、放射発生器または接地
電位(より単純な構造が可能になるため、好ましくは接地電位)に接続される。電極要素
/セグメントと成形キャビティとの間、したがって対向し合う電極/コンデンサ極板の間
の距離は、2つの電極/コンデンサ極板の間の間隙、したがって成形キャビティ内の局所
的な場強度に影響を与える。この距離は、任意形態のアクチュエータによって設定するこ
とができ、距離の制御は、個々のセグメントレベルで行うことができる。特に、すべての
要素を常に電気接触させておき、セグメント制御システムに電磁融合プロセスに干渉させ
ないことが可能である。
【0078】
例えば、ねじの配列を保持するアルミニウム製ブレッドボードを使用して一組の実行を
行った。各ねじは、手動で異なる高さに設定した。費やされた熱可塑性ポリウレタン(e
TPU)の粒子の融合に関して、異なる電極構成に対して、加熱率および最大温度の明ら
かな差異が達成された。製造された部品の性質も、局所的にそれに応じて変化した。
【0079】
要約すると、開示される本装置を使用することにより、改良された試作品/部品品質を
実現することができ、これは製品試験および/または試作品製作に非常に適する。よって
、新製品のためのより迅速なプロセス開発がもたらされ、より低コストの機械設備が利用
可能となる。融合プロセス中に成形キャビティまでのセグメントの距離、およびそれと共
に2つの電極/コンデンサ極板間の距離を変動させることは、プロセス最適化、よって製
品最適化の新しい方法も可能にすることができる。
【0080】
そのような装置のさらなる詳細、オプション、および実施形態、ならびに関連する技術
的利点の一部は、以下で論じられる。
【0081】
すでに述べたように、セグメントは、導電性の電極本体に電気的に接続され得る。電極
本体は、特に接地電位にあり得る。
【0082】
特に、放射源(例えばRF放射の発生器)に接続されているコンデンサ極板が、成形キ
ャビティの一方の側にある第1のコンデンサ極板であり、成形キャビティまでの適合可能
な距離を有するいくつかのセグメントを含むコンデンサ極板が、成形キャビティの反対側
にある第2のコンデンサ極板であり得る。
【0083】
例えば、冒頭で述べたように、放射源に接続された「能動」コンデンサ極板と、調整可
能なセグメントを含んでいる「受動」コンデンサ極板とは、成形キャビティのそれぞれ反
対側に配置され、それらの間の成形キャビティを囲むことができ、成形キャビティまでの
セグメントの距離を効果的に調整することにより、2つのコンデンサ極板の間の距離も局
所的に変更される。成形キャビティ内で、これは成形キャビティを充満する電磁場の、し
たがってその電磁場の影響下で溶着されつつある粒子表面における、場強度分布の変化に
つながる。
【0084】
成形キャビティまでのセグメントの距離は、機械的アクチュエータ手段および/または
電気的アクチュエータ手段によって個々に調整され得る。
【0085】
セグメントは特に、2次元グリッド、特に矩形グリッド、に配置され得る。
【0086】
グリッド密度(すなわち、単位面積当たりの調整可能セグメントの数)も局所的に変動
することができる。例えば、製造すべき靴底のつま先領域および/またはかかと領域に対
応して、それら領域内で溶着プロセスのさらに高い度合いの制御を可能にするために、セ
グメントが、靴底の他の部分と比べて増大した密度で配置され得る。
【0087】
セグメントの配置の密度を変えることの代替または追加として、それらの放射放出表面
面積を局所的に変えることもできる。例えば、異なるねじ頭サイズを有するねじまたはピ
ンが使用され得る(通例、より高いセグメント密度の領域ではより小さいねじ頭サイズ)
。
【0088】
すぐ上で述べたように、セグメントは、調整可能に電極本体に接続されるねじまたはピ
ンとして提供され得る。ねじは、例えば電極本体に締め込まれる金属ねじであり、電極本
体も、金属、例えばアルミニウム、からなるかまたは金属を含み得る。
【0089】
非導電性材料からなるカバーシートまたはカバー層がさらに、電極本体上に配置され、
ねじまたはピンが配置される開口を備えることができる。
【0090】
そのようなカバーシートを使用して、特にセグメントが電極本体から長い距離にわたっ
て動かされるときに(例えば、ねじがそのほぼ全長さにわたって基板から外される場合)
、例えば、セグメントに横方向の安定化を提供することにより、セグメント自体の配置の
安定性を高めることができる。しかし、それはまた、電極/コンデンサ極板と成形キャビ
ティとの間に置かれる成形ツールのさらなる部分が載ることができる安定した土台を提供
する役割を果たすこともできる。このシートまたは層がないと、セグメントの調整可能な
位置が、成形ツールの隣接する構成要素のための支持表面が変動することにつながり、そ
れは、より複雑な構造を必要にするだけでなく、ツールの安定性にとって有害でもあり得
る。
【0091】
そのようなカバーシートは、電気的に絶縁性のカバーからなるかまたはそれを含むこと
ができる。好ましくは、カバーシートは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポ
リエチレン(PE)、特に超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、ポリエーテルケト
ン(PEEK)、サーモプラスト、デュロプラスト、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリスチレン(PS)、絶縁性の鉱物材料、の材
料のうち1つまたは複数からなるかまたはそれを含む。
【0092】
1つのオプションは、調整可能セグメントの各々が、取り外されたまたは電気的に切断
、低位置、中位置、高位置、の少なくとも4つの位置のうちの1つに設定可能であるもの
である。
【0093】
調整可能セグメントは、例えば、本発明の他の態様に関して本明細書に開示されるよう
に共振回路の調節により、および/または単純なスイッチ型の要素により、電気的に切断
され得る。
【0094】
所定の位置に調整可能であるのでなく、セグメントの一部またはすべてが、各自の位置
で連続的に調整されることも可能である(すなわち、最も低い位置と最も高い位置との間
の任意の位置)。
【0095】
所定の位置の有限の組を有することは、装置の動作を容易にすることができ、一方で、
セグメント位置の連続的な適合(z方向の、すなわち、成形キャビティに向かう方および
離れる方への)が可能であることは、電磁場強度分布に及ぼされ得る影響および制御の量
を増す。
【0096】
成形キャビティが電磁放射で照射されるまたは充満される間、セグメントの位置が調整
できることが可能であってよい。再度、その「位置」とは、セグメントのz方向における
位置、すなわち高さ、を指すことが指摘される。言い換えると、セグメントの位置を変え
ることは、成形キャビティまでのそれらの距離を変える。
【0097】
上記ですでに論じ、説明したように、セグメントのうち1つまたは複数の位置、すなわ
ち成形キャビティからのそれらの距離、よって、一般には反対側の電極/コンデンサ極板
からの距離、を調整することは、成形キャビティ内の放射される電磁場の場強度分布に影
響を与える。
【0098】
加えて、放射源に接続されるコンデンサ極板の形状が、製造すべき部品(すなわち、靴
底、またはミッドソールもしくはその一部のような靴底の一部)の幾何学形状に合わせて
少なくとも部分的に適合されることも可能である。
【0099】
第4の態様に関連し、本発明の第1、第2および/または第3の態様の文脈で開示され
たオプション、実施形態および例のいずれをも利用する、またはそれらに依拠し得る本発
明の第5の態様は、フォーム粒子から靴底または靴底の一部を製造するための方法である
。
【0100】
一実施形態では、方法は、a)成形キャビティを画定する少なくとも2つの成形半型か
ら形成される成形ツールの成形キャビティ内に粒子を投入することであって、少なくとも
2つのコンデンサ極板が成形キャビティに隣接して配置され、コンデンサ極板の少なくと
も一方が放射源に接続され、コンデンサ極板の少なくとも一方が、成形キャビティまでの
適合可能な距離を有するいくつかのセグメントを含む、投入することと、b)コンデンサ
極板によって放出される電磁放射で成形キャビティを照射することと、c)成形キャビテ
ィまでのセグメントの適合可能な距離を変更することにより、成形キャビティ内の照射電
磁場の場強度分布を局所的に調整することと、を含む。
【0101】
変更することは、電磁放射による成形キャビティの照射の前および/または照射の間に
行われ得る。
【0102】
フォーム粒子は、好ましくは、発泡熱可塑性材料、特に熱可塑性ポリウレタン(TPU
)、ポリ乳酸(PLA)、ポリアミド(PA)、ポリエーテルブロックアミド(PEBA
)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、
または熱可塑性ポリエステルエーテルエラストマ(TPEE)からなるかまたはそれを含
む。フォーム粒子は、1つのフォーム粒子の中に複数のポリマータイプを含有するビーズ
であってもよく、または、フォーム粒子は、異なるフォームポリマーもしくはそれらの組
み合わせからなる異なる粒子の混合物であってもよい。好ましくは、フォーム粒子は、9
0重量%の上記材料の1つまたは混合物から構成される。これらのフォーム粒子は、当技
術分野でペレット/粒子フォームとしても知られる、いわゆるビーズフォームからなる粒
子である。しばしば、接続されたフォーム粒子の使用から得られるフォームは、そのポリ
マーフォーム成分のビーズ形態を表すために、例えばeTPUなど、「e」の呼称が与え
られる。
【0103】
そのようなフォーム粒子は、当分野において発泡材料の粒子とも称されることが言及さ
れ、発泡材料とはすでに発泡している材料である(発泡させることが可能であるが、まだ
発泡させていない発泡性材料と比較して)。言い換えると、粒子は、型に挿入される前に
すでに発泡した材料のコアを有している。
【0104】
本発明がどのようにして実施され得るかの例が、以下で添付図面を使用してより詳細に
説明される。また、本出願の出願人によって所有される、公開文献である独国特許出願公
開第10 2016 100 690(A1)号明細書および同10 2016 123
214(A1)号明細書ならびに独国特許出願第10 2019 127 680.2
号明細書、ならびに公開出願である独国特許出願公開第10 2015 202 013
(A1)号明細書および同10 2016 223 980(A1)号明細書への明示的
な参照がなされ、それらには装置および方法が詳細に記載されており、それらが本発明の
態様によってさらに発展および改良される。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【
図1】粒子フォーム部品を製造するためのデバイスの一例を模式的に示す図である。
【
図2】粒子フォーム部品を製作するための2つの対向するコンデンサ極板を形成するセグメント配置の模式的表現である。
【
図3】相互に接続されたセグメントの配置を断面図として模式的に示す図である。
【
図4】互いと共にコンデンサ極板を形成するセグメントの配置を、コンデンサ極板の表面の模式図として示す図である。
【
図5】本発明の種々の実施形態による粒子フォーム部品を製作するための種々の装置を示す図である。
【
図6】本発明の種々の実施形態による粒子フォーム部品を製作するための種々の装置を示す図である。
【
図7】本発明の種々の実施形態による粒子フォーム部品を製作するための種々の装置を示す図である。
【
図8】本発明の種々の実施形態による粒子フォーム部品を製作するための種々の装置を示す図である。
【
図9】本発明のさらなる実施形態による、成形ツールを電磁放射に曝露するための構成を模式形態で示す図である。
【
図10】電磁放射を生成する放射源に各々が別々に接続されたセグメントの配置についての等価回路図を模式的に示す図である。
【
図11】電磁放射を放出するためのコンデンサ極板にコンデンサ極板セグメントを接続するまたはそれから切断するためのスイッチングデバイスの図である。
【
図12】電力供給を制御するための制御装置を回路図として示す図である。
【
図13a】成形キャビティまでの適合可能な距離を有するいくつかのセグメントを含むコンデンサ極板を備える装置の一部、ならびにそのような装置における何回かの試験運用から得られた対応する測定結果を示す図である。
【
図13b】成形キャビティまでの適合可能な距離を有するいくつかのセグメントを含むコンデンサ極板を備える装置の一部、ならびにそのような装置における何回かの試験運用から得られた対応する測定結果を示す図である。
【
図13c】成形キャビティまでの適合可能な距離を有するいくつかのセグメントを含むコンデンサ極板を備える装置の一部、ならびにそのような装置における何回かの試験運用から得られた対応する測定結果を示す図である。
【
図13d】成形キャビティまでの適合可能な距離を有するいくつかのセグメントを含むコンデンサ極板を備える装置の一部、ならびにそのような装置における何回かの試験運用から得られた対応する測定結果を示す図である。
【
図13e】成形キャビティまでの適合可能な距離を有するいくつかのセグメントを含むコンデンサ極板を備える装置の一部、ならびにそのような装置における何回かの試験運用から得られた対応する測定結果を示す図である。
【
図13f】成形キャビティまでの適合可能な距離を有するいくつかのセグメントを含むコンデンサ極板を備える装置の一部、ならびにそのような装置における何回かの試験運用から得られた対応する測定結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0106】
粒子フォーム部品、特に靴底もしくはミッドソールまたは靴底/ミッドソールの一部、
を製作するための装置1の可能な設計が
図1に示される。装置1は、材料容器2と、成形
ツール3と、材料容器2から成形ツール3に通じる線4とを備えている。
【0107】
材料容器2は、ばらのフォーム粒子を保持するために使用される。材料容器2は、基部
5を有し、この基部5内で圧縮空気線6を介して圧縮空気源7に接続される。圧縮空気線
6は、基部5に配置されたいくつかのノズル(図示せず)に接続されており、それにより
、いくつかの空気流(=流動化空気)が材料容器2内に導入されることが可能であり、そ
れがその中に収容されているフォーム粒子を旋回させ、それによってそれらを分離する。
【0108】
材料容器2の基部5のエリアに、開口が形成されており、そこに搬送ライン4が接続さ
れている。開口は、スライド弁(図示せず)によって閉じることができる。
【0109】
材料容器5に隣接して、搬送ライン4中に推進ノズル8があり、これはさらなる圧縮空
気線9を介して圧縮空気源7に接続されている。この推進ノズル8に供給される圧縮空気
は、推進ノズル8を通って搬送ライン4に入り成形ツール3の方向に流れるため、移送空
気の役割を果たす。これにより、推進ノズル8の材料容器2に面する側に負圧を作り出し
、それが材料容器2からフォーム粒子を吸い出す。
【0110】
搬送ライン4は、成形ツール3に結合された充填インジェクタ10に通じている。充填
インジェクタ10は、さらなる圧縮空気線11を介して圧縮空気源7に接続されている。
充填インジェクタ10に供給される圧縮空気は、一方では、成形ツール3の方向にフォー
ム粒子の流れに圧縮空気を印加することによって成形ツール3を充填するために使用され
る。他方で、充填インジェクタ10に供給される圧縮空気は、成形ツール3における充填
プロセスが完了したときに、搬送ライン4から材料容器2にフォーム粒子を吹き戻すため
にも使用され得る。
【0111】
成形ツール3は、2つの成形半型12、13から形成される。2つの成形半型12、1
3の間に少なくとも1つの成形キャビティ14が画定され、そこに、フォーム粒子を導入
するために充填インジェクタ10が開口している。成形キャビティ14の容積は、2つの
成形半型12、13同士を近づけることによって減らすことができる。成形半型12、1
3が動かされて離れると、成形半型12、13の間に間隙が形成され、これはクラックギ
ャップとして知られている。この理由から、そのような成形ツール3はクラックギャップ
型とも呼ばれる。
【0112】
それぞれのコンデンサ極板15、16は、成形半型12、13の各々に配置される。こ
れらのコンデンサ極板15、16は各々、銅やアルミニウムなどの導電性の良好な材料か
ら構成される。充填インジェクタ10は、成形半型13に位置する。充填インジェクタ1
0は、成形半型13に装着されるコンデンサ極板16の凹部を通って延びる。
【0113】
2つのコンデンサ極板15、16は各々、いくつかのセグメント85、86から形成さ
れ、セグメントは、互いと隣接して配置され、互いと電気的および機械的に接続されてい
る。セグメント85、86は、互いから脱着可能である。
【0114】
個々のセグメント85、86を追加または除去することにより、セグメント85から形
成される第1のコンデンサ極板15のサイズと、セグメント86から形成される第2のコ
ンデンサ極板16のサイズとが、成形ツール3のサイズに合わせて適合され得る。そのよ
うにして、異なるサイズの成形ツール3をコンデンサ極板15、16の間に配置すること
ができる。これにより、コンデンサ極板15、16の間の特に成形キャビティ14のエリ
アのみで電磁放射を生成することが可能になる。フォーム粒子の溶着のために電磁放射が
必要とされないエリアでは、個々のセグメント85、86を除去することによって電磁放
射の生成を回避することが可能である。
【0115】
セグメント85、86は各々、絶縁体80、81に取り付けられ、2つの対向するセグ
メント構成を形成する。絶縁体80、81は、セグメント85、86を、成形ツール3の
2つの対向する側の適所に保持するために使用される。
【0116】
セグメント85および86が取り付けられた絶縁体80、81は、互いに対して動くこ
とができるように装着される。これは、成形ツール3の成形半型12、13が、成形ツー
ル3の各側に載るセグメント化コンデンサ極板15、16と共に、互いに向かう方および
互いから離れる方へ移動できることを意味する。さらに、セグメント構成85、86が動
かされて離れたときに、成形ツール3を交換することが可能である。
【0117】
オプションとして、セグメント85、86は、それらが成形ツール3からおよび互いか
ら脱着できるように、成形ツール3に取り付けることもできる。その場合には、両方の絶
縁体80、81またはその少なくとも一方が省かれ得る。
【0118】
セグメント85の1つは、高周波電圧を伝送するために電気線17を介して発生器18
に接続されており、これがAC電圧源を形成する。セグメント85同士の電気接続により
、高周波電圧がそれらに印加され、それによりコンデンサ極板15を形成する。
【0119】
コンデンサ極板16を形成する成形半型13の反対側のセグメント86は、発生器18
と同様に、接地30に電気的に接続されている。セグメント86も互いと電気的に接続さ
れているため、セグメントの1つのみが接地30に接続される。
【0120】
発生器18は、電磁放射の供給源である。発生器は好ましくは、RF放射を生成するよ
うに設計される。発生器は、マイクロ波放射を生成するように設計されてもよい。より大
きい成形キャビティ14の場合は、RF放射を使用して、マイクロ波放射よりもはるかに
均一に成形ツール3を加熱することができる。加えて、大半のプラスチック材料は、マイ
クロ波放射よりもRF放射をはるかによく吸収することができる。したがって、RF放射
の使用が好ましい。
【0121】
成形半型12、13は各々基部本体を有し、これは、ポリテトラフルオロエチレン(P
TFE)、ポリエチレン(PE)、特に超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、ポリ
エーテルケトン(PEEK)などの、非導電性で、特に電磁気RF放射のために実質的に
透明な材料から形成され得る。好ましくは、コンデンサ極板15、16のみが導電性であ
る。「実質的に透明な材料」とは、電磁放射、特にRF放射、によって貫通されることが
可能な材料である。しかし、この材料は、電気RF放射の一部を熱に変換して成形半型1
2、13を加熱するために、電磁気RF放射のためのある吸収係数を備えて特に設計され
得る。これについては下記でより詳細に説明する。
【0122】
成形ツール3は、任意で、成形キャビティ14に真空を印加することができるように、
真空ポンプに接続され得る。この真空は、成形キャビティ14に含まれている水分を引き
抜かせる。
【0123】
コンデンサ極板15、16は、冷却デバイスを備えてよい。本例では、冷却デバイスは
ファン20によって提供され、このファンは、成形キャビティ14から離れる方を向いて
いるコンデンサ極板15、16の側に冷却空気を導く。冷却効果を高めるために冷却フィ
ンが設けられ得る。
【0124】
代替または追加として、冷却ラインがコンデンサ極板15、16上に配置されてもよく
、それを通じて冷却媒質が通される。好ましい冷却媒質は、水や油などの液体である。
【0125】
装置1は、材料容器2から成形キャビティ14への移送中にフォーム粒子を加熱するた
め、および/またはフォーム粒子を湿らせるために、蒸気発生器と、飽和した乾燥蒸気を
成形キャビティ14へ供給するための、成形キャビティ14へのおよび/または搬送ライ
ン4への蒸気供給とを備えて設計されることも可能である。また、材料容器2内に位置す
るフォーム粒子を、液体形態の水で湿らせることも可能である。この目的のために、対応
するノズルが材料容器2内に配置されてよく、それが水を気化させる。
【0126】
装置1のさらなる詳細を説明するために、
図2は、装置1の拡大部分図を断面図として
模式的に示すが、この例では、
図1に示される例と異なり、さらなるオプションとして第
2のコンデンサ極板のセグメント86の各々が接地30に接続されている。その他のすべ
ての点では、
図1に与えられた説明が
図2にも当てはまり、その逆も同様であり、図中の
同様の要素は同じ参照符号を有する。
【0127】
好ましくはねじとして設計される締結具82は、それぞれの絶縁体80または81への
セグメント85、86の脱着可能な締結のために使用される。
【0128】
箔、例えば銅または黄銅箔、の形態の導電性の柔軟な金属要素として設計される、導電
性の接続要素83は、互いと隣接して配置され第1のコンデンサ極板15を形成するセグ
メント85を、互いと電気的に接続する働きをする。
【0129】
接続要素83は、2つ以上の隣り合うセグメント85をそれらの縁部で電気的に接続す
る。セグメント85を絶縁体80に締結する時、導電性の接続要素83は、セグメント8
5の縁部に押し付けられる。これにより、そのセグメント85間にコンデンサ極板15の
ための電気接続を作り出す。
【0130】
ここで示される例では、第2のコンデンサ極板16上で、極板16の個々のセグメント
86が接地されているため、接続要素83は絶対に必要という訳ではないが、任意で設け
られて、第1のコンデンサ極板15と同じようにここに配置され得る。
【0131】
対照的に、
図1に示される例では、それらは両方のコンデンサ極板15、16に設けら
れている。これは、コンデンサ極板16のセグメント86の1つのみが接地30に接続さ
れているためである。
【0132】
高周波線として設計される電気線17は、セグメント85の1つを発生器18に接続す
る(
図1参照)。発生器18に電気的に接続されるセグメントは、高周波接続セグメント
または発生器接続セグメント87として設計される。隣り合うセグメント85間の電気接
続により、セグメント構成85全体が発生器18に電気的に接続され、第1のコンデンサ
極板15を形成する。
【0133】
このようにして、セグメント85はコンデンサ極板セット90を形成し、それらは組み
合わさって第1のコンデンサ極板15を形成することを可能にし、第1のコンデンサ極板
15は、RF放射源に接続されることができ、そのサイズは、成形ツール3のサイズに合
わせて適合することができる。コンデンサ極板15は、型3内の型キャビティ14の寸法
に合わせて適合することもできる。
【0134】
RF接続セグメントとして設計され、発生器18に接続するための線17の接続エリア
を含むセグメント87は、コンデンサ極板セット90の第1のコンデンサ極板セグメント
を形成する。
【0135】
その他のセグメント85は、コンデンサ極板15を形成するための第2のコンデンサ極
板セグメントを形成し、すなわち、第1のコンデンサ極板セグメント87と、第2のコン
デンサ極板セグメント85の少なくとも1つとが、一緒にコンデンサ極板15を形成し、
コンデンサ極板セット90を形成するように設計されている。コンデンサ極板セット90
によって作り出され得るコンデンサ極板15の面積は、粒子フォーム部品、例えば靴底ま
たはミッドソールまたはその一部、の製作のための成形ツール3のサイズに合わせて適合
することができる。
【0136】
第1のコンデンサ極板セグメント87および第2のコンデンサ極板セグメント85は、
締結具82を使用して絶縁体80に締結されるように設計されている。
【0137】
第1のコンデンサ極板15の反対側に配置される第2のコンデンサ極板16のセグメン
ト86は、コンデンサ極板セット90のさらなるコンデンサ極板セグメントを形成する。
このさらなるコンデンサ極板セグメント86は、第2のコンデンサ極板16を作り出すこ
とを可能にすることによってコンデンサ極板セット90を補完し、よって、(第1および
第2のコンデンサ極板15、16からの)完全なコンデンサの形成を可能にする。それら
は、絶縁体81に装着するために設計される。
【0138】
絶縁体80、81は両方とも、コンデンサ極板セット90の構成要素であり得る。ここ
で示される例では、プレス73も示され、これは、成形ツール3の一方の側に位置する絶
縁体80に、シリンダピストンユニット76を介して接続されている。成形ツール3の反
対側に位置する絶縁体81は静止しており、そのため、成形ツール3は、成形ツール3に
面する側において絶縁体80、81に取り付けられる2つのコンデンサ極板15、16の
間で押し合わせられることが可能である。
【0139】
その結果、クラックギャップ型として設計された成形ツール3の成形キャビティ14内
に位置するフォーム粒子は、それらが電磁放射に曝露される間に圧縮され得る。そのよう
にして、フォーム粒子は、電磁加熱の結果としてのそれらの熱膨張のために互いと共に押
圧されるだけでなく、成形ツール3の2つの成形半型12、13を機械的に押し合わせる
ことによっても押圧される。
【0140】
図3は、
図1および
図2に示され、また以下のさらなる実施形態において、コンデンサ
極板15および16の隣り合うセグメント85および86同士を接続する別の可能な方式
を示す。セグメント85、86は各々、セグメント本体のそれぞれの縁部から突出してい
る縁部エリア88を有し、それは、セグメント85、86が互いと接合されたときに噛み
合うように設計されている。縁部エリア88は、セグメント85、86の接合部に段付き
の継ぎ目を形成する。そのようにして、セグメント85、86間の特に確実な電気接続お
よび機械的接続が作り出され、それは非常に費用効率的に達成することもできる。
【0141】
図4は、それぞれコンデンサ極板15およびコンデンサ極板16を形成し、コンデンサ
極板セット90によって作り出され得る、セグメント85、86の配置の例を示す。同図
は、コンデンサ極板の表面の図を示している。
【0142】
この配置では、中央セグメント89が中央に配置され、追加セグメント91によって囲
まれている。中央セグメント89は、正方形形状を有する。追加セグメント91は各々、
中央のセグメント89の1つの側に沿って、および別の追加セグメントの1つの側に沿っ
て延びる。
【0143】
ここで示される例では、中央セグメント89に加えて第1の追加セグメント91が設け
られ、これは正方形の各側の1つに沿って延びる。正方形の別の側に沿っておよび第1の
追加セグメント91の1つの側に沿って延びる第2の追加セグメント91が設けられ、正
方形の別の側に沿っておよび第2の追加セグメント91に沿って延びる第3の追加セグメ
ント91が設けられ、正方形の残りの側に沿っておよび追加セグメント91の2つの側に
沿って延びる第4の追加セグメント91が設けられる。
【0144】
このようにして、いくつかのセグメント85、86をコンデンサ極板表面として組み合
わせることにより、異なる矩形を形成することができる。加えて、この配置を完成させる
ために、またはセグメントからなるさらなる環のようにそれを囲むために、さらなる追加
セグメントが設けられ得る。中央セグメント89は、長方形として形成することもできる
。
【0145】
長方形および正方形に加えて、セグメント85、86の他の異なる寸法、形状、および
幾何学形状も可能であり、よって、コンデンサ極板は各種形状で得られ得る。
【0146】
以下、本発明のさらなる実施形態が
図5~9に基づいて説明され、そこでは、同一の、
同様の、または機能的に等価な要素は、再び先行する図と同じ参照符号が付され、上記で
すでに説明されている。
【0147】
図5による装置1の成形ツール3は、2つの成形半型12、13によって形成され、各
成形半型は、特に電磁RF放射に対して、透明である非導電性材料からなる基部本体を有
する。この材料は、PTFE、PE、PEEK、またはRF放射に対して透明な別の材料
である。成形半型12、13は、成形キャビティ14を画定する。本設計例では、成形キ
ャビティ14は、平坦な表面から逸脱する輪郭が付けられた形状を有する内側境界表面1
9を有する。
【0148】
成形半型12、13は各々、平坦な外側表面21を有し、その上にコンデンサ極板15
、16が配置される。輪郭が付けられた境界表面19と外側表面20との間の空間は、電
磁放射に対して透明な材料で充填される。
【0149】
この成形ツール3を用いて、3次元の輪郭が付けられた粒子フォーム部品を製作するこ
とができ、したがって、粒子フォーム部品の形状は、成形半型12、13の内側境界表面
19によって規定される。このような成形ツール3は、例えば実質的に均一な密度を有す
る小さい粒子フォーム部品を製作するのに適する。また、靴底またはミッドソールまたは
その一部の製作に使用することもできる。
【0150】
コンデンサ極板15、16は、平坦であり、上記で
図1~4を参照して説明したように
設計される。第1のコンデンサ極板15は、隣り合うセグメント85によって形成される
。第2のコンデンサ極板16も、隣り合うセグメント86からなる。
【0151】
セグメントの集合85および86の各々は、締結具82でそれぞれ絶縁体80および8
1に取り付けられ、それにより、上記で
図2および
図3を参照して説明したように、第1
のコンデンサ極板15のセグメント85は、機械的および導電的に脱着可能に互いと接続
される。同様に、第2のコンデンサ極板16のセグメント86は、機械的および導電的に
脱着可能に互いと接続される。
【0152】
セグメント85、86は、および任意で絶縁体80、81も、上記で説明されたように
、コンデンサ極板セット90の構成要素である。
【0153】
大きいまたは厚い粒子フォーム部品に伴う問題は、それが縁部よりも真ん中でより加熱
し、それが粒子構造を破壊し得ることである。粒子フォーム部品の中央エリアと縁部エリ
アの不均一な加熱を回避するために、成形ツール3を焼き入れすることができ、および/
または、独国特許出願公開第10 2016 100 690(A1)号明細書に記載さ
れるように、成形キャビティ14の中の、例えば縁部エリアで、追加的な熱をフォーム粒
子に加えることができる。
【0154】
下記でより詳細に説明される、描かれた装置1の変更によって、溶着プロセスの終了前
であっても個々のセグメント85、86をオフに切り替えて、それぞれのセグメントの間
に位置するフォーム粒子の過熱を防止することが可能である。
【0155】
上述された実施形態は各々、平坦なコンデンサ極板15、16を有する。別の実施形態
では、成形ツール3は、製作すべき粒子フォーム部品または成形キャビティ14の形状に
合わせてコンデンサ極板15、16が適合されるように、設計され得る。これは、例えば
、靴底もしくはミッドソール、またはしたがって複雑な3次元幾何学形状をもつ部品の製
作のために、構成要素全体にわたるフォーム粒子の均一な溶着を促進するために有益であ
り得る。
【0156】
図6に示す装置1の実施形態は2つの成形半型12、13を有し、これらは、それらの
内側境界表面19によって段状の成形キャビティ14を画定する。成形半型12、13の
外側表面21は、それぞれの成形半型12、13の対応する内側境界表面19の輪郭に合
わせて適合されている。言い換えると、内側境界表面19が、半型12、13のそれぞれ
の外側表面21に写されており、したがって、成形ツール3は、外側表面21から内側境
界表面19までの均一な厚さをもって形成され得る。外側表面21上は、好ましくは、内
側境界表面19の小さな構造が除かれて平滑化される。
【0157】
成形ツール3は、よって、輪郭が付けられた2つの成形半型12、13を有し、それら
の外側表面21に対して、対応して輪郭が付けられたそれぞれのセグメント化コンデンサ
極板15、16が載り、セグメント化コンデンサ極板はいくつかのセグメント85または
86から形成され、その他は上記で
図1~5を参照して説明したように設計される。
【0158】
製作すべき粒子フォームの形状に合わせたセグメント85、86を有するコンデンサ極
板の形状のそのような適合は、したがって、シェル形状の粒子フォーム部品(例えば、球
形セグメントを有する箱もしくは鉢)、またはすでに上記で述べたように、したがって、
靴底もしくはミッドソールもしくは部品に対して特に有用である。
【0159】
ここで示される例でも、絶縁体80、81は、セグメント85、86を適所に保持する
ために使用される。成形半型に面する絶縁体の側は、成形半型12、13の外側表面20
の形状に合わせて適合される。
【0160】
図7は別の実施形態を示し、ここでは、絶縁体80と併せたセグメント85と、プレス
73およびシリンダピストンユニット76から形成される押圧具とから形成される第1の
コンデンサ極板15が、概ね上記で
図1~4を参照して説明したように提供される。特に
図2および関連する説明が参照される。
【0161】
この実施形態では、成形ツール3は、第1の成形半型12および第2の成形半型13を
有し、それらはその間に成形キャビティ14を形成し、その中に、溶着すべきフォーム粒
子29が位置する。この後に続く成形ツール3の説明に加えて、成形ツール3のさらなる
詳細が説明されている独国特許出願第10 2019 127 680.2号明細書も参
照される。
【0162】
第2の成形半型13または少なくともその一部は、導電性であるかまたは導電性材料か
らなる。成形ツール3は、装置1の一部として使用可能であり、第2の成形半型13は、
第2のコンデンサ極板の役割を果たし、その目的のために接地30に電気的に接続されて
いる。
【0163】
第2の成形半型13は、導電性材料からなる基部本体24を有する。この基部本体24
は、例えば、アルミニウム、銅、または導電性が良好な合金から構成される。それは、任
意で、電気的に絶縁性の被覆28が設けられ、底壁31を形成する。導電性の基部本体2
4は、発生器18にまたは接地30に接続される電気接続を有する。
【0164】
発生器18(
図1、
図5、および
図6を参照)は、高周波線17によってセグメント化
コンデンサ極板15に電気的に接続されており、電磁波または接地電位30に対する電気
交流電圧を生成し、それが第2の成形半型13の基部本体24に印加される。それにより
、成形キャビティ14内のセグメント化コンデンサ極板15と基部本体24との間に電磁
交流場、特にRF放射、を作り出す。
【0165】
第2の成形半型13の周囲側壁32は、非導電性材料から、特にプラスチック材料から
、形成され、底壁31から成形半型13の両側で始まって、第1の成形半型12の方向に
延び、その結果、成形キャビティ14が横方向で制限される。
【0166】
しかし、底壁31と側壁32の両方が導電性の基部本体24によって形成されることも
可能である。しかし、2つの成形半型12、13の間に導電性の接続がないことが重要で
ある。
【0167】
セグメント化コンデンサ極板15に面する成形ツール3の側に位置する第1の成形半型
12は、上記のように電気的に非絶縁性の材料からなる。
【0168】
第1の成形半型12は、第2の成形半型13によって形成されるキャビティに入ること
ができるプランジャーを形成し、それにより成形キャビティ14を封止する。2つの成形
半型12、13間の緊密な封止は、少なくともフォーム粒子29が漏れるのを防ぐのに十
分に緊密である。ただし、成形キャビティ14は、必ずしも気密封止されない。
【0169】
第1の成形半型12は、内側境界壁34を有し、これは輪郭が付けられており、成形キ
ャビティ14を画定する。境界壁34から開始して、いくつかの仕切り35が、オプショ
ンのカバー要素37に向かって第1のコンデンサ極板15の方向に延びている。仕切り3
5は、境界壁34を支持する働きをする。第1の半型12内の仕切り35の間にキャビテ
ィ36が形成され、それがその質量を大幅に減らす。
【0170】
これは、成形キャビティ14内の電磁場強度への影響の有益な低減につながり、それが
、成形キャビティ14ならびにプランジャー成形半型12の使用および形状付けの柔軟性
を大幅に向上させる。
【0171】
さらに、セグメント85の種々の組み合わせによりコンデンサ極板15の表面を変更ま
たは調整することによって達成される柔軟性に加えて、キャビティ36を使用して、型キ
ャビティ14内の電磁場に影響を与えるようにプランジャー半型12をトリムすることが
できる。トリムは、成形キャビティ14内の場強度の特に均一なまたは一様な分布を達成
するためにも使用され得る。
【0172】
また、誘電材料からなるトリム体(図には図示せず)がキャビティ36に挿入されるこ
とも可能である。誘電体の分極性のため、電磁交流場は、成形キャビティ14の隣接領域
内の力線の経路に存在する誘電体によって集中するようになる。誘電体によって空いたま
まに保たれる同じ力線の経路に沿った領域では、場は、成形キャビティ14の隣接領域内
に集中せず、そのため、場は、成形キャビティ14のこの領域内では、誘電体に隣接する
成形キャビティ14の領域内より弱くなる。異なるサイズ、形状、および誘電率のトリム
体を使用することにより、電場に種々の形で追加的に影響を与えることができる。誘電体
の誘電率は、真空または空気の誘電率よりも高い。
【0173】
これらの対策はすべて、電磁場が特に対象とされることに追加的に寄与し、その結果、
開示される装置の有効性がさらに増大し、例えば靴底またはミッドソールまたはその一部
で遭遇されるような複雑な幾何学形状についても、構成要素全体にわたって粒子の均一な
溶着を促進する。
【0174】
2つの成形半型12、13は、プレス73を用いて互いに対して移動させることができ
、所定の力をそれらに加えることができる。この目的のために、プレス73は、上記で図
2を参照して説明したように、セグメント85によって形成される第1のコンデンサ極板
15が取り付けられる絶縁体80に、シリンダピストンユニット76を介して接続されて
いる。2つの成形半型12、13を押し合わせるために、第1の成形半型12は、プレス
73を用いて、第2の成形半型13の方向に、移動可能なセグメント化コンデンサ極板1
5によって動かされる。
【0175】
第2の成形半型13には、フォーム粒子29を供給するための貫通孔があり、これは充
填開口33と呼ばれる。充填インジェクタ10(
図1参照)が充填開口33に接続される
。充填インジェクタ10は、下記でより詳細に説明されるように、充填開口33を閉じる
ための閉鎖機構を持たない点で従来の充填インジェクタと異なる。
【0176】
第1の成形半型12は、空気を逃がすための1つまたは複数の貫通孔(図には図示せず
)を有する。
【0177】
充填開口33および通気開口は、成形ツール3が閉じられた時に第1の成形半型12に
よって覆われる第2の成形半型13の区域またはエリア、特に縁部エリア、に配置される
。その結果、充填開口33および通気開口は、第2の成形半型13によって形成されるキ
ャビティに第1の成形半型12を挿入することによって成形ツール3が閉じられたときに
、自動的に閉じられる。これは、充填インジェクタ10が、充填開口33が閉じられるた
めの閉鎖機構を有する必要がないことを意味する。
【0178】
成形半型12、13は両方とも、成形キャビティ14の範囲を定めると同時にコンデン
サ極板の一方を形成するので、「コンデンサ極板」と成形キャビティ14との間の距離は
非常に小さい。その結果、電磁放射の損失が非常に低くなり、これは、溶着すべきフォー
ム粒子29の中に熱として導入されるパワーの割合が非常に高いことを意味する。そのよ
うなツールは、よって、粒子フォーム部品を形成するためのフォーム粒子29の非常に効
率的な溶着を可能にする。
【0179】
図8は、別の実施形態による粒子フォーム部品を製作するための装置1を示し、ここで
は、
図7と同様に、第2の成形半型13は、導電性材料から形成され、接地電位30に接
続されており、それにより第2のコンデンサ極板の役割を果たす。
【0180】
第1の成形半型12は、非導電性であり、
図7に示すバージョンと同様に境界壁34を
備えており、境界壁34は、輪郭が付けられ、仕切り35によって強固にカバー要素37
に接続されている。ここでも、上記で詳細に説明されたように、2つの成形半型12、1
3の間の成形キャビティ14内の電磁場に影響を与えるように、仕切り35の間にキャビ
ティ36が形成されている。
【0181】
図7に示す実施形態と対照的に、成形キャビティ14を側部でふさぐ周囲側壁32は、
第1の成形半型12に形成されている。側壁32内で、導電性の第2の半型13の一部3
8が、周囲側壁によって形成される成形キャビティ14内に突出し、その側において型キ
ャビティ14を閉じ、一方、それは、反対側では第1の半型12の境界壁34によって閉
じられている。
【0182】
成形キャビティ14内に位置するフォーム粒子29は、セグメント化コンデンサ極板1
5がプレス73を用いて第1の成形半型12の方へ押圧されることによって2つの成形半
型12、13が押し合わせられるときに、突出部38によって圧縮される。
【0183】
成形キャビティ14に通じる、フォーム粒子29を充填するための充填開口33は、さ
らなる詳細を含めて上記で
図7を参照して説明したように、2つの成形半型12、13を
動かして離すことによって開かれ、2つの成形半型12、13を互いの方に動かすことに
よって閉じられる。
【0184】
図9は、本発明の別の実施形態を示し、ここでは、コンデンサ極板のセグメントが互い
から電気的に絶縁されている。
【0185】
ここで示される装置1では、セグメント85によって形成される第1のコンデンサ極板
15のセグメント85が、絶縁体80に恒久的に取り付けられ、互いから電気的に絶縁さ
れ、各セグメントは、調節可能な共振回路40を介して別々に発生器18に接続されてい
る。発生器18は、接地電位30に接続されている。
【0186】
第2のコンデンサ極板16を形成するセグメント86は、発生器18と同様に接地30
に電気的に接続されている。セグメント86は、恒久的に絶縁体81に取り付けられてい
る。ここに示される事例のように、すべてのセグメント86が接地に接続される場合、セ
グメント86を互いから電気的に分離して配置することは絶対に必要という訳ではない。
また、第2のコンデンサ極板16を連続的にするか、またはセグメントにセグメントもし
くは分割させず、それを接地30に電気的に接続することも可能である。
【0187】
第2のコンデンサ極板16のセグメント86が互いから電気的に分離される場合、発生
器18は、接地30に接続する代わりにセグメント86の各々に接続することができ、そ
の場合、セグメント86は接地30に接続されない。
【0188】
上記で
図2を参照して説明したように、絶縁材80は、プレス73およびシリンダピス
トンユニット76によって形成されるプレス工具に機械的に接続される。それにより、第
1のコンデンサ極板15のセグメント85が取り付けられた絶縁体80が、反対側に位置
する第2のコンデンサ極板16の方へ押されることが可能になり、それにより、中に配置
されたフォーム粒子を溶着するために2つのコンデンサ極板15および16の間に位置す
る成形ツール3に、両側から押圧力が及ぼされる。
【0189】
絶縁体80、81およびセグメント85、86、ならびに調節可能な共振回路40は、
コンデンサ極板セット90を形成する。セグメント85、86は、コンデンサ極板セグメ
ントとして設計され、上記で説明されたバージョンおよび実施形態のように設計され得る
。それらは、上記で説明されたような幾何学形状を有し、2次元配置を形成することもで
きる。
【0190】
成形ツール3は、上記で説明されたバージョンおよび実施形態の1つとして設計され得
る。
図9に従ってコンデンサ極板15、16を構成するには、小さい変更が必要となり得
る。
【0191】
図10および
図11を使用して、以下で
図9に示すデバイスの動作を説明する。
図10
は、
図9によるデバイスの簡略化した等価回路図を模式的に示す。
【0192】
図11は、セグメント対85、86に供給される電力を制御するための単一のデバイス
を模式的な簡略回路図として示す。特に、
図11は、発生器18と、セグメント85、8
6によって形成される部分コンデンサとを電気回路図として模式的に示し、セグメント8
5、86は、成形半型12、13、および電磁波を伝送するのに適した接続線(中空導波
管または同軸線)46を囲み、接続線により、電磁波が発生器18から成形用部分コンデ
ンサ85、86に伝送される。接続線46を形成する中空導波管は、好ましくは、導電性
の内管および導電性の外管を有する同軸空気線として設計される。同軸空気線は、高電圧
信号が確実に伝送可能となるように寸法設定される。特性インピーダンスは、好ましくは
、約50Ωに設定される。
【0193】
この接続線46の中に、発生器側インダクタンス47およびツール側インダクタンス4
8が記号的に示されている。これらのインダクタンスは線自体によって引き起こされ、し
たがって、それぞれの線区間の長さが、それぞれのインダクタンスの値を決定する。ツー
ル側コンデンサ49が、それぞれのツール副コンデンサ85、86と並列に接続されてい
る。このコンデンサ49は、コンデンサセグメント85と成形ツール3の筐体35との間
の電気キャパシタンスを表す。ツールコンデンサ85、86、コンデンサ49およびツー
ル側インダクタ48は、ツール共振回路50を形成する。
【0194】
発生器側コンデンサ51が、発生器18および発生器側インダクタンスと直列に接続さ
れている。発生器側コンデンサ51および発生器側インダクタンス47は、発生器共振回
路52を形成する。例えば、互いと間隔を空けることが可能なコンデンサ極板を有するコ
ンデンサを使用することにより、または異なる長さの接続線区間を設けることにより、少
なくとも発生器側コンデンサ51または発生器側インダクタンス47は可変に設けられる
。また、発生器側コンデンサ51と発生器側インダクタンス47の両方が可変であること
も可能である。発生器側コンデンサ51はサーボモータを備えることができ、サーボモー
タは、作動されると、例えば両コンデンサ極板が常に互いに平行となるように2つのコン
デンサ極板の一方を直線状に移動させることにより、または2つのコンデンサ極板の一方
を回転させることにより、2つのコンデンサ極板の間の距離を変える。
【0195】
コンデンサ51の容量またはインダクタンス47を変えることにより、発生器共振回路
52の共振周波数を変えるまたは調節することができる。発生器共振回路およびツール共
振回路の共振周波数同士が一致する場合、最大の電力が発生器18からツール共振回路5
0に、よってツール副コンデンサ(または部分コンデンサ)85、86に伝送される。発
生器共振回路52の共振周波数を変えることにより、的を絞った形で電力の伝送を制御す
ることができ、2つの共振回路50、52の共振周波数が大きく異なるほど、伝送される
電力は少なくなる。よって、発生器共振回路52の調節を使用して、成形キャビティ14
に導入される電力を細かく調整することができる。
【0196】
本実施形態では、発生器共振回路52の共振周波数を変える。ツール共振回路50の共
振周波数を変えることも等しく可能である。これは、電力の伝送に関して同じ効果を有す
る。しかし、可変コンデンサまたは可変インダクタンスをツール側に提供することは、発
生器側よりも難しい。
【0197】
セグメント85、86は、よって、各々ツールコンデンサまたはツール副コンデンサま
たはツール部分コンデンサを形成し、それが、それ自体の調節可能な共振回路40を介し
て別々に発生器18に接続される。共振回路40は、よって、ツール共振回路50ならび
に発生器共振回路52を備える。2つの共振回路50、52を調節することにより、共振
周波数を変えることによって、ツールコンデンサ85、86を個々にまたはグループで発
生器18から分離することができ、そのため、それらに電力が伝送されないかまたはほと
んど伝送されなくなる。そのようにして、2つの共振回路50、52の一方(または両方
)の共振周波数を変えることにより、それらをコンデンサ極板セグメント85、86の放
射放出構成からオンまたはオフすることができる。
【0198】
共振回路40は、よって、それぞれコンデンサ極板セグメント85をコンデンサ極板1
5に接続するもしくはそこから切断する、またはコンデンサ極板セグメント86をコンデ
ンサ極板16に接続するもしくはそこから切断するための、スイッチングデバイス41を
形成する。セグメント85、86は、コンデンサ15、16を形成する部分コンデンサと
して、個々にまたはグループで接続または切断することができる。
【0199】
このことは、電磁放射源18が発生器共振回路52の一部であり、一方、部分コンデン
サを形成するそれぞれのセグメント85、86の対と共に電磁波を誘導するための接続線
が、ツール共振回路50を形成することを意味する。インダクタンスまたはキャパシタン
スを変えることにより、ツール共振回路50はその共振周波数が調節されることが可能で
あり、調節可能な共振回路を形成する。
【0200】
言い換えると、調節可能な共振回路を制御するための規制デバイスまたは制御デバイス
は、発生器共振回路からツール共振回路への電力供給がその調節によってオン/オフが切
り替えられる、または中断されるような形で設計することができ、2つの共振回路の(少
なくとも)一方が調節可能な共振回路として提供される。そのようにして、対象のセグメ
ントが、いくつかの同様のセグメントから形成されるようになり、溶着プロセス中に成形
ツールに電磁放射を印加するコンデンサ極板に追加されるかまたはそこから除去される。
【0201】
個々の線におけるエネルギー供給を制御することにより、コンデンサ極板15のどのセ
グメント85(および/またはコンデンサ極板16のセグメント86)を作動させ、どれ
を作動させないかを設定および制御することが可能である。共振回路の調節によって個々
のセグメントのオン・オフを切り替えることにより、コンデンサ極板15、16のサイズ
を、その放射放出表面に関して成形ツール3のサイズに合わせて適合することができる。
これは、コンデンサ極板15、16の表面を適合するために、成形ツール3に応じて個々
のセグメント85、86を機械的に除去するまたは取り付ける必要がないことを意味する
。また、発生器18と個々のセグメント85、86との間で接続線46を機械的に中断す
るまたは機械的に切り替える必要もない。
【0202】
さらなる詳細については、調節用の回路をより詳細に説明する、上記ですでに挙げられ
た文献、独国特許出願公開第10 2016 123 214(A1)号明細書を参照す
る。
【0203】
図12は、ツールコンデンサ15、16に供給される電力を制御するためのデバイスを
模式的に簡略化された回路図として示す。発生器18は、ツールコンデンサ15、16に
接続されている。測定用コンデンサ53が、ツールコンデンサ15、16と並列に接続さ
れている。その電気キャパシタンスは、ツールコンデンサ15、16の電気キャパシタン
スの何分の1かである。測定用コンデンサ53は、同軸線54を介して電圧測定デバイス
(電圧計)55に接続されている。好ましくは、ダイオード56が測定用コンデンサ53
と並列に接続される。同軸線54は、高周波信号をフィルタリングするために使用される
インダクタ58と直列接続されている。
【0204】
測定用コンデンサ53およびダイオード56から構成される測定ユニットは、分離コン
デンサ59によってツールコンデンサ15、16から分離されている。分離コンデンサは
、高い誘電強度を有する。分離コンデンサ59のキャパシタンスは、測定用コンデンサ5
3のキャパシタンスよりも小さく、これは、測定用コンデンサ53の両端間よりも分離コ
ンデンサ59の両端間の方で、より高い電圧降下が発生することを意味する。測定用コン
デンサ53のキャパシタンスに対する分離コンデンサ59のキャパシタンスの比は、好ま
しくは、1:100または1:1,000または1:10,000である。その結果、ツ
ールコンデンサ15、16に印加される電圧は、電圧測定デバイス55の測定範囲内とな
り、後者によって確実に検出できるような形で、測定ユニット53、56内で低下する。
【0205】
この回路では、電圧降下が測定用コンデンサ53において発生し、この電圧降下は、ツ
ールコンデンサ15、16に印加される電圧に対応し、分離コンデンサ59のキャパシタ
ンスに対する測定用コンデンサ53のキャパシタンスの比に従って低下する。ダイオード
56を設けることにより、ある極性の振動半周期のみが生成される。ダイオード56は、
よって、測定用コンデンサ53において発生する電圧の整流器を形成する。この測定電圧
は、電圧測定デバイス55と比較され、測定信号に変換される。測定信号は制御装置57
に転送され、制御装置57は、ツールコンデンサにおける特定の電圧、またはツールコン
デンサにおける電圧の何分の1かである特定の測定用コンデンサにおける特定の測定電圧
を生成するために、所定の電力を与えるように発生器18を自動的に制御する。
【0206】
図11に示されるデバイスはさらに、セグメント85、86のいくつかの対またはすべ
ての対について、それぞれのセグメント85、86の対によって形成されるコンデンサに
供給される電力を制御するためのデバイスが、
図12に従って設けられるような形で提供
され得る。それにより、各それぞれのセグメント85、86の対の電力が個々に制御され
ることが可能になり、またツールコンデンサの有効サイズが、可動部品の必要なしに設定
されることが可能になる。また、共振回路(発生器共振回路、ツール共振回路)の較正も
必要ない。これは、それぞれのセグメント対85、86に供給される実際の電力または電
圧が閉制御ループで測定され、個々のセグメント対85、86について個々に調整される
ことが可能であるためである。
【0207】
例えば靴底またはミッドソールまたはその一部のような、粒子フォーム部品を製造する
プロセスの一例が、以下で
図1の実施形態を参照して説明される。フォーム粒子は、成形
ツール3の成形キャビティ14に充填される。型キャビティ14に隣接して2つのコンデ
ンサ極板15、16が配置され、これらは電磁放射の放射源18に電気的に接続されてお
り、電磁放射を生成する。
【0208】
コンデンサ極板15、16またはそれらの少なくとも一方は、いくつかのセグメント8
5、86によって形成される。コンデンサ極板15、16の面積は、適切な数の放射生成
セグメント85および/または86を組み合わせることにより、成形ツール3のサイズに
合わせて適合される。
【0209】
フォーム粒子は、コンデンサ極板15、16間の電磁放射によって共に溶着される。フ
ォーム粒子は、電磁放射によって成形ツール3内で加熱され、すなわち、電磁気RF放射
によって熱がフォーム粒子に供給される。これにより、それらを共に溶着させて粒子フォ
ーム部品を形成する。
【0210】
その後、製作された粒子フォーム部品は、型から外され、成形ツールから取り出される
。
【0211】
好ましい例によると、セグメント85、86は、それらを組み合わせるために、脱着可
能に電気的および機械的に接続される。
図9に示すような変形例において、セグメント8
5、86は、互いから電気的に絶縁されて配置されている。それぞれのセグメントに接続
された共振回路40を調節することにより、セグメント85、86は、コンデンサ極板1
5、16内でオンに切り替えられるもしくは作動されるか、またはオフに切り替えられる
または停止される。そのようにして、それらは成形ツール3のサイズおよび幾何学形状に
応じて互いと組み合わされる。
【0212】
これにより、電磁放射を放出するコンデンサ極板15、16の表面を種々の成形ツール
3に合わせて適合することが可能になる。その結果、成形ツール3を交換するときに、セ
グメント85、86を機械的に除去するまたは機械的に追加するする必要がない。コンデ
ンサ極板の表面を成形ツール3に合わせて適合するための放射源18へのセグメントの機
械的な分離または接続が必要ない。これは、異なる成形ツール3(例えば異なる靴底もし
くはミッドソールサイズ、または異なる靴底もしくはミッドソール構造に対応する)に、
非常に短い時間で次々に電磁気照射することができることを意味する。
【0213】
手順を実施するために、例えば、装置の1つが、異なるバージョンおよび実施形態で図
1~11に示されるように、または本開示の他の箇所で論じられるように、使用される。
また、上記で説明したようなコンデンサ極板セット90を使用して、製造プロセスを実施
することができる。
【0214】
図13a~fは、成形キャビティ14までの適合可能な距離dを有するいくつかのセグ
メント86からなるコンデンサ極板16を備える装置1(の一部)、ならびにそのような
装置1における何回かの試験運用から得られた対応する測定結果を示す。
【0215】
装置1の全体的構造は、本明細書においてここまでに論じられた他の装置(特に、装置
1の実施形態)のいずれかと同じまたは同様の設計であり得る。したがって、すでに論じ
られたすべてのオプション、実施形態、変形例、および特徴は、次いで
図13a~fとの
関係で説明される装置1においても、またはそれと組み合わせても使用することができる
(無論、物理的および技術的に可能である限り)。異なる開示される態様および実施形態
間の両立性は、機能的に同一のまたは少なくとも機能的に類似するもしくは同等の要素お
よび構成要素にも上記と同じ参照符号が使用されるということによっても証明される。
【0216】
開示される装置1は、特に、粒子フォーム部品、特に靴底または靴底の一部(例えばミ
ッドソールまたはその一部)、の製作に使用することができる。それは、(少なくとも2
つの)成形半型12および13から形成される成形ツール3を備えている。成形ツール3
は、成形キャビティ14を画定し、成形キャビティ14は2つの成形半型12および13
(特に
図13a参照)によって境界が定められる。成形キャビティ14の中に、発泡材料
または膨張材料の粒子29が投入され(例えばeTPUの粒子、またはこれに関して本発
明に述べられるさらなる材料の1つ)、次いで共に溶着または融合されて(主としてそれ
らの表面で。そのため内部の発泡構造が維持される。
図13d参照)、成形部品を形成す
る。
【0217】
装置はさらに、成形キャビティ14に隣接して配置されている(少なくとも2つの)コ
ンデンサ極板15および16を備えている。このとき「隣接して」とは、コンデンサ極板
15および16によって放射された電磁放射が、成形キャビティ14を充満し、フォーム
粒子29の求められる溶着につながるような形で、2つのコンデンサ極板15および16
が成形キャビティ14の2つの互いに反対の側に配置され、両者の間に成形キャビティ1
4を含むことを意味する。
【0218】
コンデンサ極板の一方、ここでは第1のコンデンサ極板15、が放射源(図示せず)に
接続される。他方のコンデンサ極板、ここでは第2のコンデンサ極板16、は、成形キャ
ビティ14までの適合可能な距離dを有するいくつかのセグメント86を備え、すなわち
、z方向(
図13aおよび
図13dに示される)に沿った各自の位置を変えることができ
、それにより、成形キャビティからのそれぞれのセグメント86の放射放出表面の距離d
(例えば、成形キャビティ14の壁または成形キャビティ14内の特定の基準点に対して
測定される)も変化する。その結果、2つのコンデンサ極板15および16の間の距離も
、セグメント86の位置の調整によって局所的に変化する。成形キャビティ14までのセ
グメント86の距離dは、機械的アクチュエータ手段および/または電気アクチュエータ
手段によって個々に調整することができる(例えば、セグメント86の具体的な設計に応
じて、手で、またはレンチにより、または電気モータもしくはリニアアクチュエータによ
り、またはモータによって駆動される歯車により等)。
【0219】
図13aでセグメント86aと示されるセグメントの1つについて、成形キャビティ1
4までの距離がdとして示され、反対側のコンデンサ極板15までの距離がDと示されて
いる。これらの値は両方とも、z方向におけるセグメント86aの位置が変えられると変
化する。
【0220】
セグメント86は、導電性の電極本体100に電気的に接続されており、電極本体10
0は、図示されここで論じられる実施形態では、接地電位にあり、金属ブロックとして提
供される。しかし、他の場合には、代わりに放射発生器に接続されてよく、反対側のコン
デンサ極板が接地されてよい。比較的軽量でかつ容易に処理することができるため、アル
ミニウムが1つの選択肢である。
【0221】
図13a~fに示される事例では、セグメント86は、調整可能に電極本体100に接
続されるねじ(ただし、例えばピンも可能である)として提供される。ねじ86はここで
は、電極本体100に設けられた対応するねじ山に締め込まれる金属ねじである。
【0222】
図13a~fでは、すべてのねじ86が同じタイプおよびサイズであり、同じねじ頭サ
イズであるが、これは決まりではなく、ねじ86のタイプ、長さ、太さ、およびねじ頭サ
イズは、電極/コンデンサ極板16にわたって変化してもよい。例えば、単位面積当たり
より多くのねじがある領域、すなわち、電極/コンデンサ極板16のうちセグメント86
の密度がより高い領域では、より小さいねじまたはねじ頭が使用されてよい(図には図示
せず。
図13a~fでは、セグメント/ねじ86の密度は、可能性としては極板の縁部を
除いてコンデンサ極板16にわたって一定である)。
【0223】
セグメント/ねじ86は、2次元グリッド、すなわち
図13a~fの実施形態における
2次グリッド、として配置される。このグリッドは、
図13bおよび
図13cに破線13
0で示されている。例えば、矩形、三角形、もしくは六角形のグリッド、または異なる幾
何学形状からなる「混合タイプ」のグリッドなど、他の種類のグリッドも可能である。こ
れは
図13a~fには示されていないが、上記ですでに説明したように、グリッド密度(
すなわち、単位面積当たりの調整可能なセグメント/ねじ86の数)も局所的に変動する
ことができる。
【0224】
ねじ86が、下方の床(または装置1の構成要素)にぶつかることなく電極本体100
内に完全にねじ込まれることを可能にするために、コンデンサ極板16は、その電極本体
100と共に、その4つの隅で4つのアルミニウムブロック120に装着され、アルミニ
ウムブロック120は、それを床からある距離だけ持ち上げて、ねじ86が、完全に締め
込まれたとき、すなわちその最も低い位置に調整されたときに、電極本体100の底部側
から突出するためのゆとりを作る。達成可能な最も高い位置は、ねじ86がほぼ完全に電
極本体100の外に外されてされているが、完全には外されていないときである。一般に
、電極本体100からのねじ86のうち1つの意図しない外れ、および/または電極本体
100上方のそれぞれのねじ86の最大高さに近づくときの安定性の全体的な損失を回避
するために、わずかな遊びが維持される。
【0225】
非導電性材料からなるカバーシート110が、電極本体100に配置され(
図13c参
照。
図13bでは、ねじ86の配置を明らかにするためにカバーシートが取り外されてい
る)、ねじ86が配置される開口を備えている。これは、ねじ86が中位置、または特に
高い位置に置かれる、すなわち電極本体100からかなりの程度外されたときに、それら
を安定させるのを助けるだけではない。それは、装置1の隣接する構成要素、特に成形ツ
ール3、が載るための安定した均一な支持表面も提供する(
図13a、
図13c、
図13
d、
図13eおよび
図13f参照)。
【0226】
そのようなカバーシート110は、一般に、電気的に絶縁性のカバーからなるかまたは
それを備えることができる。好ましくは、カバーシート110は、ポリテトラフルオロエ
チレン(PTFE)、ポリエチレン(PE)、特に超高分子量ポリエチレン(UHMWP
E)、ポリエーテルケトン(PEEK)、サーモプラスト、デュロプラスト、ポリエチレ
ンテレフタレート(PET)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリスチレン(PS)、
絶縁性の鉱物材料、の材料の1つまたは複数からなるかまたはそれを含む。
図13eに示
す事例では、PTFEからなる。
【0227】
1つのオプションは、調整可能なセグメント/ねじ86の各々が、取り外された(例え
ば、電極本体100から外された)または電気的に切断、低位置、中位置、高位置、の少
なくとも4つの位置の1つに設定できるものである。他方、例えばねじ86として設けら
れる調整可能なセグメントの場合、それらを求められる程度だけ回転するまたは締め込む
もしくは外すことにより(無論、最も低いおよび最も高い位置によって設定されるマージ
ン内で)、それらの位置をz方向で連続的に変動させることも可能であり得る。セグメン
ト/ねじ86が設定される有限数の所定の位置を有することは、装置1の動作を容易にす
ることができる。
図13a、
図13b、
図13d、
図13eおよび
図13fでは、低位置
、中位置、および高位置に設定されている例示的ねじが、それぞれ参照符号86l(低)
、86m(中)、および86h(高)によって示されている。
図13dでは、破線の楕円
86xによって示されるように、ねじの1つが完全に取り外されている(代替として、コ
ンデンサ極板16/接地電位から電気的に分離されることも可能である)。
【0228】
成形キャビティ14が電磁放射で照射されるまたは充満される間に、セグメント/ねじ
86の位置が調整できることが可能であってよい。しかし、一般的には、これが可能にな
るためには、自動化された作動/調整機構が用いられなければならない(上記参照)。こ
れは、装置1の動作中は、負傷を回避するために手動の調整が一般に許されないまたは可
能でないためである。
【0229】
上記ですでに論じられ、説明されたように、セグメント/ねじ86の1つまたは複数の
位置を調整することは、成形キャビティ14内で放射される電磁場の場強度分布に影響を
与える。例えば、
図13dに、成形キャビティ14の中に4つの領域または位置p1、p
2、p3およびp4が模式的に示されている。これらの領域には、それらの下方の異なる
位置/高さにねじ86が設定されている。例えば、位置p1は、そのすぐ下方に中位置と
低位置との間にねじが設定されており、位置p2は、下方に全くねじがなく(位置86x
のねじが取り外されているため)、位置p3は、再びそのすぐ下方に中位置と低位置との
間にねじが設定されており、位置p4は、そのすぐ下方に中位置と高位置との間にねじが
設定されている。このようにして、電場強度分布、したがって温度および溶着条件を、異
なる位置p1~p4において調整し、制御することができる。
【0230】
図13eおよび
図13fに示す実験結果は、この態様に関するさらなる洞察を提供する
。それら2つの図の左側に、コンデンサ極板16のねじ86の異なる位置における成形ツ
ール3内の加熱率および温度を調査するために使用された、装置1の異なる構成が模式的
に示されている。調査した3つの事例の各々において、2つの基準位置が成形ツール内で
考察され、それらは、
図13e~fにP1およびP2、P3およびP4、ならびにP5お
よびP6として表され、1つはツールの前部(それぞれP1、P3およびP5参照)にあ
り、1つはツールの後部にある(それぞれP2、P4およびP6参照)。
図13e~fの
左側に示されるように、放射発生器(図示せず)の不変の設定およびねじ86の種々の設
定を使用して、位置P1~P6における加熱率/温度を経時的に記録して、
図13e~f
の右側に示される測定曲線C1~C6を得た。
【0231】
図13e~fの右側の測定グラフのx軸は、時間を示し(
図13eおよび
図13fにお
いて、x軸上の2つの隣接する刻みまたはグリッド線の間の距離はおよそ43秒に相当す
る)、y軸は温度を示す(
図13eでは20℃~140℃の範囲、
図13fでは20℃~
160℃の範囲)。
【0232】
すべてのねじが中/中間位置86mに設定されている
図13eに示される上の事例では
、位置P1およびP2における測定値が、それぞれ測定曲線C1およびC2をもたらした
。
【0233】
ねじが低位置86lに設定されている
図13eに示される下の事例では、位置P3およ
びP4における測定値が、それぞれ測定曲線C3およびC4をもたらした。
【0234】
図13fに示される事例では、ツールの前半分のねじが中位置86mに設定され、ツー
ルの後ろ半分のねじが低位置86lに設定され、位置P5およびP6における測定値が、
それぞれ測定曲線C5およびC6をもたらした。
【0235】
この結果から推論することができるように、所与の測定位置に対応する1つまたは複数
のねじ86の位置を中位置86mに設定することは、1つまたは複数のねじ86を低位置
86lに設定するのと比べて、より高い加熱率(すなわち、単位時間当たりのより大きい
温度の上昇=対応する測定曲線の傾き)およびより高い最大温度につながる。さらに、ね
じ86の1つまたは複数を高位置に設定する、または1つまたは複数のねじ86を完全に
取り外すことは、この原理に従って加熱率/最大温度をさらに変える(例えば、エネルギ
ー源の不変の設定を仮定したとき、z方向におけるねじ位置が高いほど、加熱率および最
大温度が高くなる)。
【0236】
図13eに示され、それとの関係で論じられる実験で達成された最大温度、すなわち、
位置P1およびP2における135℃(曲線C1およびC2参照)、ならびに位置P3お
よびP4におけるおよそ115℃(曲線C3およびC4参照)、ならびに
図13fに示さ
れ、それとの関係で論じられる実験で達成された最大温度、すなわち、位置P5における
およそ145℃(曲線C5参照)および位置P6におけるおよそ125℃(曲線C6参照
)はいずれも、それらの実験を行うために使用された特定の材料、すなわち発泡熱可塑性
ポリウレタン(eTPU)の粒子29、に合わせたものである。言い換えると、達成され
た温度は、この特定の材料の処理窓内になるように設定された。
【0237】
異なる種類の材料からなるまたはそれを含む粒子29が使用される場合、最大温度値は
一般に、特定の処理特性および使用される材料に利用可能な処理窓に合わせて調整される
必要がある。一般に、本明細書に述べられる材料を処理するための最大温度はいずれも、
270℃を超えない。例えば、印加される電圧を増大することにより、一般には達成され
る最大温度値も増大する。印加される電磁場の周波数を、例えば27.12MHzから5
4.20MHzに、変えることも、達成される最大温度の変化に(および一般には例えば
加熱率にも)つながる。上記で述べられ、論じられたように、セグメント/ねじ86をよ
り高い位置(すなわち、より小さいdの値)に調整することも、成形キャビティ14内の
対応する位置/領域における(最大)温度の上昇につながり、そのため、当業者が理解す
るように、これらの要因は相互に関係しており、互いに対してバランスがとられなければ
ならない。
【0238】
また、より高い誘電損失係数を有する材料は、一般により速くかつより激しく加熱し、
そのため、材料を交換し、例えば電圧、周波数および/またはセグメント/ねじ86の位
置、ならびに製造プロセスの継続時間を調整する際に、これも考慮される必要がある。
【0239】
上記で説明された成形キャビティ14内の場分布を調整する可能性に加えて、他方のコ
ンデンサ極板、すなわち、ここでは放射源に接続されるコンデンサ極板15、の形状も、
製造しようとする部品(すなわち、靴底、またはミッドソールもしくはその一部のような
靴底の一部)の幾何学形状に合わせて少なくとも部分的に適合させることができる。した
がって、場分布を調整するためのこの「従来の静的な」手法は、本明細書に開示される成
形キャビティ14までの調整可能な距離dを有するセグメント86によって提供される「
動的な」調整の可能性を補完することができる。
【0240】
第4の態様に関連し、本発明の第1、第2および/または第3の態様の文脈で開示され
たオプション、実施形態および例のいずれをも利用する、またはそれらに依拠し得る本発
明の第5の態様は、フォーム粒子29から靴底または靴底の一部を製造するための方法で
ある。
【0241】
一実施形態では、方法は、a)成形キャビティ14を画定する少なくとも2つの成形半
型12、13から形成される成形ツール3の成形キャビティ14内に粒子29を投入する
ことであって、少なくとも2つのコンデンサ極板15、16が成形キャビティ14に隣接
して配置され、コンデンサ極板の少なくとも一方15が放射源に接続され、コンデンサ極
板の少なくとも一方16が、成形キャビティ14までの適合可能な距離dを有するいくつ
かのセグメント86を含む、投入することと、b)コンデンサ極板15および16によっ
て放出される電磁放射で成形キャビティ14を照射することと、c)成形キャビティ14
までのセグメント86の適合可能な距離dを変更することにより、成形キャビティ14内
の照射電磁場の場強度分布を局所的に調整することと、を含む。
【0242】
変更することは、電磁放射による成形キャビティ14の照射の前および/または照射の
間に行われ得る。
【0243】
フォーム粒子29は、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリ乳酸(PIA)、ポリア
ミド(PA)、ポリエーテルブロックアミド(PEBA)、ポリエチレンテレフタレート
(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、および/または熱可塑性ポリエス
テルエーテルエラストマ(TPEE)、の基材のうち1つまたは複数を含むかそれからな
ることができる。先に述べたように、これらのフォーム粒子は、当技術分野でペレット/
粒子フォームとしても知られる、いわゆるビーズフォームからなる粒子である。しばしば
、接続されたフォーム粒子の使用から得られるフォームは、そのポリマーフォーム成分の
ビーズ形態を表すために、例えばeTPUなど、「e」の呼称が与えられる。
【0244】
結論として、
図13a~fの装置1に関して本開示の範囲内で可能である種々のオプシ
ョン、変形例、および実施形態の上記の説明から、当業者は、それらのオプション、変形
例、および実施形態がどのように、フォーム粒子29から粒子フォーム部品、特に靴底ま
たは靴底の一部、を製造するためにそのような装置1を動作させる方法の対応するステッ
プにつながるかを理解する。不必要な繰り返しを回避するために、したがって、上記の説
明が参照される。
【符号の説明】
【0245】
1 装置
2 材料容器
3 成形ツール
4 搬送ライン
5 基部
6 圧縮空気線
7 圧縮空気源
8 推進ノズル
9 圧縮空気線
10 充填インジェクタ
11 圧縮空気線
12 成形半型
13 成形半型
14 成形キャビティ
15 第1のコンデンサ極板
16 第2のコンデンサ極板
17 電気接続線
18 発生器/AC電圧源
19 成形半型の制限表面(内側)
20 ファン
21 成形半型の外側表面
24 基部本体
28 絶縁被覆
29 フォーム粒子
30 接地電位
31 基部壁
32 周囲側壁
33 充填開口
34 境界壁
35 仕切り
36 キャビティ
37 カバー要素
38 突出部
40 共振回路
41 スイッチングデバイス
46 接続線
47 発生器側インダクタンス
48 ツール側インダクタンス
49 ツール側コンデンサ
50 ツール共振回路
51 発生器側コンデンサ
52 発生器共振回路
53 測定用コンデンサ
54 同軸線
55 電圧測定デバイス
56 ダイオード
57 制御装置
58 インダクタンス
59 分離コンデンサ
73 圧縮機
76 シリンダピストンユニット
80、81 絶縁体
82 ねじ
83 電気接続要素
85、86 セグメント/ツールコンデンサ/ねじ
86a セグメント/ねじ
d 成形キャビティまでの距離
D 反対側のコンデンサ極板までの距離
86h 高位置にあるセグメント/ねじ
86m 中位置にあるセグメント/ねじ
86l 低位置にあるセグメント/ねじ
86x 完全に取り外されたセグメント/ねじ
87 発生器接続セグメント/第1のコンデンサ極板セグメント
88 縁セグメント
89 中央セグメント
90 コンデンサ極板セット
91 追加セグメント
100 電極本体
110 カバーシート
120 持ち上げブロック
130 グリッド
p1~p4 基準位置
P1~P6 測定位置/領域
Cl~C6 測定曲線
【0246】
以下に、本発明の理解を助けるためにさらなる例が記載される。
1.粒子フォーム部品、特に靴底またはミッドソールまたはその一部、を製作するための
装置であって、
成形キャビティ(14)を画定する成形ツール(3)であって、少なくとも2つのコン
デンサ極板(15、16)が成形キャビティ(14)に隣接して配置され、コンデンサ極
板は電磁放射の放射源(18)に接続され、電磁放射の放射源(18)は、電磁放射を放
出するように設計され、成形ツール(3)は少なくとも2つの成形半型(12、13)か
ら形成され、
2つのコンデンサ極板(15、16)の少なくとも一方は、いくつかのセグメント(8
5、86)から形成され、それにより、コンデンサ極板(15、16)の表面を成形ツー
ル(3)のサイズに合わせて適合することができる、装置。
2.1つまたは複数のコンデンサ極板(15、16)のセグメント(85、86)が、脱
着可能に電気的および機械的に互いと接続される、例1に記載の装置。
3.2つ以上のセグメント(85、86)同士をそれらの縁部において電気的に接続する
導電性の接続要素(83)を備える、例1または2に記載の装置。
4.セグメント(85、86)は、それらセグメント(85、86)が共に接合されると
きに係合する部分(88)を、各自の縁部に有する、例1から3の一つに記載の装置。
5.セグメント(85、86)が、脱着可能に絶縁体(80、81)に取り付けられる、
例1から4の一つに記載の装置。
6.セグメント(85、86)によって形成される1つまたは複数のコンデンサ極板(1
5、16)の少なくとも1つのセグメント(87)が、放射源(18)に電気的に接続さ
れる、例1から5の一つに記載の装置。
7.1つまたは複数のコンデンサ極板(15、16)のセグメント(85、86)が、恒
久的に絶縁体(80、81)に取り付けられ、コンデンサ極板(15、16)のサイズを
調整するために個々にオンまたはオフを切り替えることができる、例1に記載の装置。
8.個々のセグメント(85、86)が、互いから電気的に絶縁され、各々が、高周波線
(17)を介して別個に放射源(18)に接続されている、例7に記載の装置。
9.セグメント(85、86)が各々共振回路(40)に接続され、共振回路(40)は
、2つの共振回路(50、52)を含み、2つの共振回路(50、52)の少なくとも一
方は調節可能であり、それにより、この調節可能共振回路を調節することによって放射供
給を調整することができる、例7または8に記載の装置。
10.セグメント(85、86)が、輪郭が付けられたコンデンサ極板(15、16)を
互いと共に形成する、例1から9の一つに記載の装置。
11.セグメント(85、86)が、成形キャビティ(14)の一方の側のみに配置され
、そこにコンデンサ極板(15、16)を形成する、および/または、成形半型が導電性
であり、コンデンサ極板の役割を果たす、例1から10の一つに記載の装置。
12.セグメント(85、86)から形成されるコンデンサ極板(15)の少なくとも一
方が、放射源(18)に電気的に接続され、他方のコンデンサ極板(15)またはそのセ
グメント(86)が、電気的に接地されている、例1から11のいずれかに記載の装置。
13.セグメント(85、86)が各々、セグメント(85、86)同士が組み合わされ
たときに、成形ツール(3)の幾何学形状に合わせて幾何学形状が適合されたコンデンサ
極板(15、16)を作り出す幾何学形状を有する、例1から12の一つに記載の装置。
14.粒子フォーム部品を製作するための、特に靴底またはミッドソールまたはその一部
を製作するための装置用のコンデンサ極板セットであって、
絶縁体に取り付けられるように適合され、電磁放射を生成するための放射源(18)に
接続されるように適合された末端部分を備える、少なくとも第1のコンデンサ極板セグメ
ント(87)と、
1つまたは複数の第2のコンデンサ極板セグメント(85)と、を備え、
第1のコンデンサ極板セグメント(87)および第2のコンデンサ極板セグメント(8
5)は、粒子フォーム部品を製作するための成形ツール(3)のサイズに合わせて表面積
を適合することができるコンデンサ極板(15)を、合同で形成するように設計されてい
る、コンデンサ極板セット。
15.1つまたは複数のコンデンサ極板セグメント(85、86)が、コンデンサ極板(
15、16)を合同して形成するために、脱着可能に電気的および機械的に互いと接続可
能である、例14に記載のコンデンサ極板セット。
16.1つまたは複数の第2のコンデンサ極板セグメント(85)が各々、電磁放射を生
成するための放射源(18)に接続するための末端エリアを備え、各コンデンサ極板セグ
メント(85、87)は、そのコンデンサ極板セグメントが、それから形成されるコンデ
ンサ極板(15)内の1つまたは複数の他のコンデンサ極板セグメント(85、87)か
ら電気的に絶縁され、かつ調節可能な共振回路(40)によってオンまたはオフを切り替
えることができるような形で設計されている、例14に記載のコンデンサ極板セット。
17.コンデンサ極板セットが、例1から13のいずれか一つに記載の装置で使用するた
めに適合されている、例14から16のいずれか一つに記載のコンデンサ極板セット。
18.粒子フォーム部品、特に靴底またはミッドソールまたはその一部、を作る方法であ
って、
a.成形ツール(3)の成形キャビティ(14)内にフォーム粒子(29)を充填する
ステップであって、少なくとも2つのコンデンサ極板(15、16)が成形キャビティ(
14)に隣接して配置されており、コンデンサ極板は、電磁放射を生成するために電磁放
射の放射源(18)に電気的に接続されている、ステップと、
b.コンデンサ極板(15、16)間の電磁放射によってフォーム粒子(29)を溶着
させるステップと、
c.粒子フォーム部品を型から取り出すステップと、を含み、
d.2つのコンデンサ極板(15、16)の少なくとも一方は、複数のセグメント(8
5、86)から形成され、そのコンデンサ極板(15、16)の面積は、放射生成セグメ
ント(85、86)を組み合わせることにより、成形ツール(3)のサイズに合わせて適
合される、方法。
19.セグメント(85、86)が、それらを組み合わせるために脱着可能に電気的およ
び機械的に互いと接続される、例18に記載の方法。
20.セグメント(85、86)が、互いから電気的に絶縁されて配置され、それらを互
いと組み合わせるために、セグメント(85、86)に接続された共振回路(40)を調
節することによってオンまたはオフが切り替えられる、例18に記載の方法。
21.個々のセグメント(85、86)の対に印加される電圧が個々に測定され、それぞ
れのセグメント(85、86)の対に供給される電力が、測定された電圧に従って個々に
規制される、例20に記載の方法。
22.例1から14の一つに記載の装置、および/または例15から17の一つに記載の
コンデンサ極板セットが使用される、例18から20の一つに記載の方法。
A1.フォーム粒子(29)から靴底または靴底の一部を製造するための装置(1)であ
って、
a.少なくとも2つの成形半型(12、13)から形成され、成形キャビティ(14)
を画定する、成形ツール(3)と、
b.成形キャビティに隣接して配置された少なくとも2つのコンデンサ極板(15、1
6)と、を備え、
c.コンデンサ極板の少なくとも一方が、放射源に接続され、
d.コンデンサ極板の少なくとも一方が、成形キャビティまでの適合可能な距離(d)
を有するいくつかのセグメント(86)を含む、装置(1)。
A2.セグメントが、導電性の電極本体(100)に電気的に接続される、例A1に記載
の装置。
A3.電極本体が接地電位にある、例A2に記載の装置。
A4.放射源に接続されているコンデンサ極板が、成形キャビティの一方の側にある第1
のコンデンサ極板であり、成形キャビティまでの適合可能な距離を有するいくつかのセグ
メントを含むコンデンサ極板が、成形キャビティの反対側にある第2のコンデンサ極板で
ある、例A1からA3の一つに記載の装置。
A5.成形キャビティまでのセグメントの距離が、機械的アクチュエータ手段および/ま
たは電気的アクチュエータ手段によって個々に調整することができる、例A1からA4の
一つに記載の装置。
A6.セグメントが、2次元グリッド(130)、特に矩形グリッド、に配置される、例
A1からA5の一つに記載の装置。
A7.グリッド密度が局所的に変動する、例A6に記載の装置。
A8.セグメントが、調節可能に電極本体に接続されるねじまたはピンとして提供される
、例A2からA7の一つに記載の装置。
A9.ねじが、電極本体に締め込まれる金属ねじであり、電極本体が金属からなるかまた
は金属を含む、例A8に記載の装置。
A10.電極本体上に配置され、ねじまたはピンが配置される開口を備えている、非導電
性材料からなるカバーシート(110)をさらに備える、例A8またはA9に記載の装置
。
A11.カバーシートが、電気的に絶縁性のカバーからなるかまたはそれを含み、好まし
くは、カバーシートが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレン(PE
)、特に超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、ポリエーテルケトン(PEEK)、
サーモプラスト、デュロプラスト、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリオキシ
メチレン(POM)、ポリスチレン(PS)、絶縁性の鉱物材料、の材料のうち1つまた
は複数からなるかまたはそれを含む、例A10に記載の装置。
A12.セグメントの各々が、取り外された(86x)または電気的に切断、低位置(8
6l)、中位置(86m)、高位置(86h)、の少なくとも4つの位置のうちの1つに
設定可能である、例A1からA11の一つに記載の装置。
A13.成形キャビティが電磁放射で照射されている間、セグメントの位置が調整可能で
ある、例A1からA12の一つに記載の装置。
A14.セグメントのうち1つまたは複数の位置を調整することが、成形キャビティ内で
放射される電磁場の場強度分布に影響を与える、例A1からA13の一つに記載の装置。
A15.放射源に接続されているコンデンサ極板の形状が、製造すべき部品の幾何学形状
に合わせて少なくとも部分的に適合される、例A1からA14の一つに記載の装置。
A16.フォーム粒子(29)から靴底または靴底の一部を製造するための方法であって
、
a.成形キャビティ(14)を画定する少なくとも2つの成形半型(12、13)から
形成される成形ツール(3)の成形キャビティ内に粒子を投入することであって、少なく
とも2つのコンデンサ極板(15、16)が成形キャビティに隣接して配置され、コンデ
ンサ極板の少なくとも一方が放射源に接続され、コンデンサ極板の少なくとも一方が、成
形キャビティまでの適合可能な距離(d)を有するいくつかのセグメント(86)を含む
、投入することと、
b.コンデンサ極板によって放出される電磁放射で成形キャビティを照射することと、
c.成形キャビティまでのセグメントの適合可能な距離を変更することにより、成形キ
ャビティ内の照射電磁場の場強度分布を局所的に調整することと、を含む方法。
A17.変更することが、電磁放射による成形キャビティの照射の前および/または照射
の間に行われる、例A16に記載の方法。
A18.フォーム粒子が、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリ乳酸(PLA)、ポリ
アミド(PA)、ポリエーテルブロックアミド(PEBA)、ポリエチレンテレフタレー
ト(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、熱可塑性ポリエステルエーテル
エラストマ(TPEE)、の基材のうち1つまたは複数を含む、例A16またはA17に
記載の方法。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォーム粒子から靴底または靴底の一部を製造するための装置であって、
a.少なくとも2つの成形半型から形成され、成形キャビティを画定する、成形ツールと、
b.成形キャビティに隣接して配置された少なくとも2つのコンデンサ極板と、を備え、
c.コンデンサ極板の少なくとも一方が、放射源に接続され、
d.コンデンサ極板の少なくとも一方が、成形キャビティまでの距離を調整可能ないくつかのセグメントを含み、
e.セグメントが共に接合するときに係合するエリアを有し得る、装置。
【請求項2】
セグメントが、導電性の電極本体に電気的に接続される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
電極本体が接地電位にある、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
放射源に接続されているコンデンサ極板が、成形キャビティの一方の側にある第1のコンデンサ極板であり、成形キャビティまでの距離を調整可能ないくつかのセグメントを含むコンデンサ極板が、成形キャビティの反対側にある第2のコンデンサ極板である、請求項1から3の一つに記載の装置。
【請求項5】
成形キャビティまでのセグメントの距離が、機械的アクチュエータ手段および/または電気的アクチュエータ手段によって個々に調整することができる、請求項1から4の一つに記載の装置。
【請求項6】
セグメントが、2次元グリッド、特に矩形グリッド、に配置される、請求項1から5の一つに記載の装置。
【請求項7】
グリッド密度が局所的に変動する、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
セグメントが、調節可能に電極本体に接続されるねじまたはピンとして提供される、請求項2から7の一つに記載の装置。
【請求項9】
ねじが、電極本体に締め込まれる金属ねじであり、電極本体が金属からなるかまたは金属を含む、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
電極本体上に配置され、ねじまたはピンが配置される開口を備えている、非導電性材料からなるカバーシートをさらに備える、請求項8または9に記載の装置。
【請求項11】
カバーシートが、電気的に絶縁性のカバーからなるかまたはそれを含む、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
セグメントの各々が、取り外されたまたは電気的に切断、低位置、中位置、高位置、の少なくとも4つの位置のうちの1つに設定可能である、請求項1から11の一つに記載の装置。
【請求項13】
成形キャビティが電磁放射で照射されている間、セグメントの高さ方向の位置が調整可能である、請求項1から12の一つに記載の装置。
【請求項14】
セグメントのうち1つまたは複数の高さ方向の位置を調整することが、成形キャビティ内で放射される電磁場の場強度分布に影響を与える、請求項1から13の一つに記載の装置。
【請求項15】
放射源に接続されているコンデンサ極板の形状が、製造すべき部品の幾何学形状に合わせて少なくとも部分的に適合される、請求項1から14の一つに記載の装置。
【請求項16】
フォーム粒子から靴底または靴底の一部を製造するための方法であって、
a.成形キャビティを画定する少なくとも2つの成形半型から形成される成形ツールの成形キャビティ内に粒子を投入することであって、少なくとも2つのコンデンサ極板が成形キャビティに隣接して配置され、コンデンサ極板の少なくとも一方が放射源に接続され、コンデンサ極板の少なくとも一方が、成形キャビティまでの距離を調整可能ないくつかのセグメントを含み、セグメントが共に接合するときに係合するエリアを有し得る、投入することと、
b.コンデンサ極板によって放出される電磁放射で成形キャビティを照射することと、
c.成形キャビティまでのセグメントの距離を変更することにより、成形キャビティ内の照射電磁場の場強度分布を局所的に調整することと、を含む方法。
【請求項17】
変更することが、電磁放射による成形キャビティの照射の前および/または照射の間に行われる、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
フォーム粒子が、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリ乳酸(PLA)、ポリアミド(PA)、ポリエーテルブロックアミド(PEBA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、熱可塑性ポリエステルエーテルエラストマ(TPEE)、の基材のうち1つまたは複数を含む、請求項16または17に記載の方法。
【外国語明細書】