(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024069499
(43)【公開日】2024-05-21
(54)【発明の名称】照明器具及びそれに用いる光拡散カバー
(51)【国際特許分類】
F21V 17/00 20060101AFI20240514BHJP
F21S 8/04 20060101ALI20240514BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240514BHJP
【FI】
F21V17/00 150
F21S8/04 100
F21Y115:10
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024041031
(22)【出願日】2024-03-15
(62)【分割の表示】P 2022080687の分割
【原出願日】2018-01-26
(71)【出願人】
【識別番号】519147348
【氏名又は名称】株式会社ホタルクス
(74)【代理人】
【識別番号】100115255
【弁理士】
【氏名又は名称】辻丸 光一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201732
【弁理士】
【氏名又は名称】松縄 正登
(74)【代理人】
【識別番号】100154081
【弁理士】
【氏名又は名称】伊佐治 創
(72)【発明者】
【氏名】奥村 宣雄
(57)【要約】
【課題】 本発明は、構成が単純である照明器具の提供を目的とする。
【解決手段】本発明の照明器具は、本体4の光出射面側に、光源2と複数の取付具1とが設けられるとともに、前記光源2を覆う光拡散カバー6を有する照明器具であって、前記取付具1は、前記光出射面側に凸状ガイド部111が形成された保持部11を有し、前記光拡散カバー6は、内側から外側に向かって突出する複数の収容凸部61が形成されており、前記凸状ガイド部111の側壁により前記光源2の一部の搭載位置がガイドされ、前記光源2の一部が前記保持部11に保持された状態で、前記保持部11が前記収容凸部61に収容されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体の光出射面側に、光源と複数の取付具とが設けられるとともに、前記光源を覆う光拡散カバーを有する照明器具において、
前記取付具は、前記光出射面側に凸状ガイド部が形成された保持部を有し、
前記光拡散カバーは、内側から外側に向かって突出する複数の収容凸部が形成されており、
前記凸状ガイド部の側壁により前記光源の一部の搭載位置がガイドされ、前記光源の一部が前記保持部に保持された状態で、前記保持部が前記収容凸部に収容されることを特徴とする照明器具。
【請求項2】
前記保持部は、板状部材で形成され、前記板状部材の端部で支持部材と逆L字状に結合している請求項1記載の照明器具。
【請求項3】
さらに、内側に突出する内側凸部を形成したカバー部材を有するとともに、
前記取付具は、収容空間を形成する側壁部と天井部を有し、
前記収容空間に前記内側凸部が収容されて前記天井部と前記内側凸部が係合することにより、前記カバー部材が前記本体に取り付けられる請求項1記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具及びそれに用いる光拡散カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
LED(Light Emitting Diode、発光ダイオード)の省電力及び長寿命に着目して、LEDを用いた照明器具が複数提案されている。例えば、特許文献1には、光源と、該光源に電力を供給する電源部と、前記光源及び電源部を保持する保持体とを備える薄型の照明器具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の照明器具では、照明器具の薄型化を目的としたものであり、LED基板が本体に取り付けられ、LED搭載基板の複数のLED素子が、LED素子毎に、拡散レンズで覆われて、LEDの直線光は、散乱光となるようになっている。しかし、特許文献1の照明器具の態様では、本体にLED搭載基板を取り付けるための加工が必要となり、かつ、LED素子毎に拡散レンズで覆うため、照明器具の構成が複雑になるという欠点がある。
【0005】
そこで、本発明は、構成を簡素化した照明器具及びそれに用いる光拡散カバーの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明の照明器具は、
本体の光出射面側に、光源と複数の取付具とが設けられるとともに、前記光源を覆う光拡散カバーを有する照明器具において、
前記取付具は、前記光出射面側に凸状ガイド部が形成された保持部を有し、
前記光拡散カバーは、内側から外側に向かって突出する複数の収容凸部が形成されており、
前記凸状ガイド部の側壁により前記光源の一部の搭載位置がガイドされ、前記光源の一部が前記保持部に保持された状態で、前記保持部が前記収容凸部に収容されることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の光拡散カバーは、本発明の照明器具に使用されるものであり、
前記光拡散カバーの内側から外側に向かって突出する内面に形成された前記収容凸部に、少なくとも前記光源の外周部の外側に突出した部分が収容可能である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、取付具を採用することによって、構成がシンプルな照明器具を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1(A)は、実施形態1の照明器具の分解斜視図であり、同図(B)は、前記照明器具を天井に取り付けた状態を示す図である。
【
図2】
図2(A)は、実施形態1の取付具の斜視図であり、同図(B)は、前記取付具の上面図である。
【
図3】
図3(A)は、実施形態3の照明器具の斜視図であり、同図(B)は、前記照明器具の断面図である。
【
図4】
図4(A)及び(B)は、実施形態1の照明器具の拡大断面図である。
【
図5】
図5は、実施形態1において、別の光拡散部材を使用した状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
つぎに、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明は、以下の実施形態には限定されない。なお、以下の各図において、同一部分には、同一符号を付している。また、各実施形態の説明は、特に言及がない限り、互いの説明を援用できる。さらに、各実施形態の構成は、特に言及がない限り、組合せ可能である。また、本発明の照明器具及び光拡散カバーは、例えば、天井に配置されたアダプターに取り付けられるタイプのシーリングライトや天井から吊り下げられるタイプのペンダントのほか、街路灯等など各種照明器具に適用することができる。
【0011】
図1(A)は、本発明の実施形態の照明器具の分解斜視図である。同図に示すように、実施形態の照明器具は、本体4、電源装置5、光源2、取付具1、光拡散カバー6、及び、カバー部材3から構成されている。光源2は、中央に円形の開口が形成された略四角形基板の上に複数の発光素子(例えば、LED)が配置されたものである。前記基板は、複数枚の基板の連結により全体が略四角形とされていてもよい。前記基板としては、例えば、絶縁材であるガラスエポキシ樹脂(FR-4)の平板からなり、表面側に銀箔によって配線パターンが形成されたものを用いることができる。また、前記配線パターンの上、すなわち、前記基板の表面には、反射層として作用する白色のレジスト層を施してもよい。なお、前記基板の材料としては、絶縁材とする場合には、前記ガラスエポキシ樹脂(FR-4)以外に、セラミックス材料、合成樹脂材料等を適用できる。また、前記基板を金属製とする場合には、アルミニウム等の熱伝導性が良好で放熱性に優れたベース板の一面に絶縁層が積層されたベース基板等を適用できる。前記発光素子は、例えば、表面実装型のLEDパッケージであってもよい。前記LEDパッケージは、例えば、前記基板の周方向に、略円周状に複数列(本実施形態では3列)に亘って実装される。また、前記LEDパッケージに、発光色が昼白色のものと電球色のものとを用い、これらを交互に並べ、各列の隣接する発光素子を略等間隔をあけて配置してもよい。この昼白色と電球色のLEDパッケージを流れる電流等を調整することにより、調色が可能となる。なお、前記発光素子は、必ずしも複数列に実装する必要はなく、例えば、前記基板の周方向に沿って、1列に実装してもよい。前記発光素子の列数及び個数は、例えば、所望の出力等に応じて、適宜設定できる。前記LEDパッケージは、例えば、セラミックスや合成樹脂で形成されたベースに配設されたLEDチップと、このLEDチップを封止するエポキシ樹脂やシリコーン樹脂等のモールド用の透光性樹脂とから構成されていてもよい。前記LEDチップは、例えば、青色光を発光する青色のLEDチップである。前記透光性樹脂には、昼白色や電球色の光を出射可能とするために蛍光体が混入されている。なお、LEDは、LEDチップを直接前記基板に実装するようにしてもよいし、砲弾型のLEDを実装するようにしてもよく、実装方式や形式は、特に限定されない。実施形態の照明器具において、本体4の光出射面側に、電源装置5、光源2、取付具1、光拡散カバー6、及び、カバー部材3が配置されている。電源装置5は、本体4の光出射面側に形成された凹部に設置され、外部電源と接続可能である。また、電源装置5と光源2は電気的に接続されて外部電源から光源(例えば、基板のLED)に電気を供給する。電源装置5は、例えば、交流100V等の外部電源から供給された電流を整流する整流回路、整流された電圧を所定の電圧に変換するトランス、一定電流を光源2に供給する定電流供給回路等を備える。光拡散カバー6は、光源2の基板の光照射面を覆うように配置されている。略円形のカバー部材3は、カバー本体32を有し、前記カバー本体32の端部の内側には、内側に向かって延びる略L字状の内側凸部が、周方向において複数箇所設けられている。取付具1の保持部によって、光源2の基板の一部が保持(搭載)されるとともに、取付具1の係合部に、カバー部材3の内側凸部が係合されている。
【0012】
本体4は、別称で「シャーシ」とも言われる部材であり、例えば、冷間圧延鋼板等の金属材料の平板から円形状に成形され、中央に、円形の開口が形成されたものである。本体4は、例えば、照明器具を天井に取り付けるためのアダプターを取り付け可能である。アダプターは、例えば、従来公知のものを利用できる。このようなアダプターの一例としては、扁平な円柱形状であり、一端側に、建造物の天井に配置された既存の引掛シーリングボディの引掛刃係合穴に係合する引掛刃を有するものがあげられる。また、アダプターは、電源装置5に接続されるコネクタを有してもよい。引掛シーリングボディ及びアダプターは、引掛刃係合穴及び引掛刃を係合させることで、電気的、機械的に接合される。アダプターを用いれば、天井との隙間を小さくして照明器具を取付可能である。
図1(B)に、本実施形態の照明器具を天井7に取り付けた状態を示す。
【0013】
光拡散カバー6は、光源2を覆うものであり、例えば、LED等の直線光を拡散して全方位に光を照射できるようにするものである。光拡散カバー6は、例えば、乳白色の樹脂から形成される。前記樹脂としては、例えば、ポリカーボネート(PC)、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)等のアクリル、PS(ポリスチレン)等があげられる。
【0014】
光拡散カバー6は、内側から外側に突出する収容凸部61が4か所に形成されている。そして、それぞれの収容凸部61に、光源2の略四角形基板の各角部(最も外側に突出する部分)が収容される。
【0015】
図1(A)において、電源装置5は、光源2の下側に、本体1に形成された凹部のなかに配置され、かつ、光拡散カバー6で覆われる態様である。この態様により、カバー部材3を取り外した場合であっても、光拡散カバー6により、電源装置5が外部に露出しない構成となっており、手指等の接触による感電等を防ぐことができ、安全性に優れた照明器具を提供できる。
【0016】
図2(A)及び(B)に、取付具1の例を示す。同図(A)に示す取付具1は、保持部11及び係合部12を有している。保持部11は、板状部材で形成されており、前記板状部材の同図において上側の面に、光源(例えば、発光素子搭載基板)の少なくとも一部を保持可能である。板状の保持部11は、同図において左方向端部で板状の支持部材14と逆L字状に結合している。係合部12は、板状の天井部121及び板状の側壁部122を含み、これらが逆L字状に結合している。また、板状の天井部121及び板状の側壁部122の間には、収容空間123が形成されている。さらに、取付具1に対しカバー部材3を確実に固定するために、取付具1の天井部121の下面に突起部120を設けてもよい。そして、支持部材14及び側壁部122は、同図において下方向の端部で板状の結合部材13と結合している。結合部材13は、取付具1を照明器具の本体に固定する固定部として機能してもよいが、これに限定されず、結合部材13以外で照明器具の本体に結合してもよい。
【0017】
図2(A)及び(B)に示すように、板状の保持部11の光照射面側に、光照射方向に突出し、かつ途中で折れ曲がった直線状に伸びて形成された凸状ガイド部111が形成されている。板状の保持部11の光照射面側に光源を搭載した場合、凸状ガイド部111は、凸状ガイド部111の側壁により前記光源の一部の搭載位置をガイド可能である。
【0018】
本発明において取付具の材質は、例えば、金属製であってもよいし、樹脂製であってもよい。このような金属の材質としては、例えば、カラー鋼板、亜鉛メッキ鋼板、バネ用ステンレス鋼板等があげられ、樹脂の材質としては、例えば、PP(ポリプロピレン)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)等があげられる。
【0019】
本発明において、光源は、特に制限されないが、例えば、基板の光照射面に発光素子が搭載されたものを含む。前記発光素子としては、例えば、LED及び有機EL(Organic Electro-Luminescence)等があげられる。
【0020】
本発明において、カバー部材は、別名「グローブ」とも呼称されるものであり、照明器具の光照射面を覆うものである。カバー部材は透光性を有する材料で形成されているが、例えば、全体または一部を乳白色にして光散乱機能を付与してもよい。カバー部材の材質は、特に制限されず、例えば、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)等のアクリル、PC(ポリカーボネート)、PS(ポリスチレン)等の樹脂を用いることができる。
【0021】
図3(A)は、光源2が、光拡散カバー6で覆われた状態を示す図であり、同図(B)は、同図(A)のX-X´方向に見た断面図である。また、
図4(A)は、
図3(B)のX部の拡大断面図である。
図3(B)及び
図4(A)に示すように、取付具1の係合部12の収容空間123に、カバー部材3の内側凸部31が収容されてカバー部材3が本体4に取り付けられている。また、
図3(B)及び
図4(A)に示すように、光源2は、略四角形基板21にLED等の発光素子22が搭載されたものであり、略四角形基板の4つの角部が取付具1の保持部11で保持されている。そして、
図3(B)及び
図4(A)に示すように、取付具1の保持部11と略四角形基板の角部が、光拡散カバー6の収容凸部61内に収容されている。
【0022】
図4(A)では、光拡散カバー6の収容凸部61に対し、取付具1の係合部12が、本体4の径方向における外周側に位置しているが、収容凸部61と係合部12との位置関係は、この例に限定されない。例えば、取付具1の保持部11と、係合部12とが、本体4の周方向において異なる箇所に位置するように取付具1の形状を変更することで、収容凸部61と係合部12との位置関係を変更可能である。また、取付具1は、光拡散カバー6及びカバー部材3と隙間なく密に接しているため、防虫部材を別途用いることなく、簡単な構成で、外部からの虫、粉塵等の光拡散カバー6、及びカバー部材3の内部への侵入を防ぐことができる。さらに、カバー部材3の内側凸部31の個数や位置、基板21の形状については、それぞれ任意に設定可能である。基板21を、
図1(A)に示すように略四角形状とし、発光素子22を基板21上にバランスよく配置することによって、均質性のある調和のとれた配光を得ることができる。
【0023】
図4(B)は、
図3(A)のY-Y´方向に見た一部断面図であり、光拡散カバー6の収容凸部61がない部分の構成を説明する図である。
図4(B)に示すように、光拡散カバー6において、収容凸部61がない部分のカバーの傾斜は、収容凸部61がある部分に比べて、本体4の光出射面に対し、穏やかな傾斜となっている。光拡散カバー6において、収容凸部61の占める割合は少ないため、本体4の光出射面に対する光拡散カバー6全体の傾斜を穏やかにする(傾斜角度を小さくする)ことができ、これにより、照射光を柔らかな配光とすることが可能である。
【0024】
図5は、
図3(A)の光拡散カバー6に対し、本体4の光出射面に対する光拡散カバー6の傾斜を大きくした状態を示す図である。このように、本発明では、本体4の光照射面に対する光拡散カバー6の傾斜の状態を自由に調整可能である。
【0025】
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明によれば、照明器具の構成を単純化することができるため、例えば、天井に配置されたアダプターに取り付けられるタイプのシーリングライトや天井から吊り下げられるタイプのペンダントのほか、街路灯等など各種照明器具に適用することができる。
【符号の説明】
【0027】
1 取付具
2 光源
3 カバー部材
4 本体
5 電源装置
6 光拡散カバー
7 天井
11 保持部
12 係合部
13 結合部材
14 支持部材
21 基板
22 発光素子
31 内側凸部
61 収容凸部
111 凸状ガイド部
121 天井部
122 側壁部
123 収容空間