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特開2024-69512鑑査支援システム、鑑査支援プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024069512
(43)【公開日】2024-05-21
(54)【発明の名称】鑑査支援システム、鑑査支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   A61J 3/00 20060101AFI20240514BHJP
【FI】
A61J3/00 310K
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024041745
(22)【出願日】2024-03-15
(62)【分割の表示】P 2022509998の分割
【原出願日】2021-03-17
(31)【優先権主張番号】P 2020051856
(32)【優先日】2020-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2020188636
(32)【優先日】2020-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
(71)【出願人】
【識別番号】592246705
【氏名又は名称】株式会社湯山製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(72)【発明者】
【氏名】小池 直樹
(72)【発明者】
【氏名】深田 政雄
(57)【要約】
【課題】錠剤の撮影画像に基づく鑑査業務を効率的に行うことが可能な鑑査支援システム及び鑑査支援プログラムを提供すること。
【解決手段】鑑査支援システムは、錠剤を服用タイミングごとに分包可能な薬品払出装置による分包対象の前記錠剤の1錠単位の個別撮影画像を取得する取得処理部と、前記個別撮影画像のうち分類グループごとに対応する基準個別撮影画像に基づいて、前記個別撮影画像各々を前記分類グループに分類する分類処理部と、前記分類処理部による分類結果を表示する表示処理部と、を備える。
【選択図】図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
払い出される錠剤の個別撮影画像を取得する取得処理部と、
錠剤の種類ごとに対応付けて予め記憶されている基準画像に基づいて前記個別撮影画像に対応する錠剤の種類を特定する分類特定部と、
前記分類特定部により特定された錠剤の種類に対応付けて予め記憶されており前記基準画像とは異なる画像と、前記個別撮影画像とを表示する表示処理部と、
を備える、鑑査支援システム。
【請求項2】
払い出される錠剤の個別撮影画像を取得する取得ステップと、
錠剤の種類ごとに対応付けて予め記憶されている基準画像に基づいて前記個別撮影画像に対応する錠剤の種類を特定する分類ステップと、
前記分類ステップにより特定された錠剤の種類に対応付けて予め記憶されており前記基準画像とは異なる画像と、前記個別撮影画像とを表示する表示ステップと、
をプロセッサーに実行させるための鑑査支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、錠剤を服用タイミングごとに分包する分包処理を実行可能な薬品払出装置による当該分包処理についての鑑査作業を支援する鑑査支援システム及び鑑査支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数種類の錠剤が収容される複数の錠剤カセットを備え、処方データに基づいて錠剤カセット各々から錠剤を払い出し、その錠剤を服用タイミングごとに包装材に分包する分包処理が実行される薬品払出装置が知られている(例えば特許文献1参照)。また、薬品払出装置において分包対象の錠剤が撮影され、その撮影画像をその錠剤の正しい画像として予め登録されているマスター画像と照合する鑑査処理が実行されることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2016/047569号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記薬品払出装置における前記撮影画像の撮影環境と前記マスター画像の撮影環境とが異なる場合には、前記撮影画像と前記マスター画像とに基づく鑑査処理では鑑査の精度が低くなるおそれがある。一方、ユーザーが、目視で前記撮影画像各々を確認して分包処理の適否を判定する鑑査作業を行う場合には、その鑑査作業に手間がかかる。
【0005】
本発明の目的は、錠剤の撮影画像に基づく鑑査業務を効率的に行うことが可能な鑑査支援システム及び鑑査支援プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る鑑査支援システムは、錠剤を服用タイミングごとに分包可能な薬品払出装置で払い出される錠剤の個別撮影画像を取得する取得処理部と、前記個別撮影画像のうち分類グループごとに対応する基準個別撮影画像に基づいて、前記個別撮影画像各々を前記分類グループに分類する分類処理部と、前記分類処理部による分類結果を表示する表示処理部と、を備える鑑査支援システム。
【0007】
本発明に係る鑑査支援システムは、錠剤を服用タイミングごとに分包可能な薬品払出装置で払い出される錠剤の個別撮影画像を取得する取得処理部と、前記個別撮影画像各々を分類グループに対応する表示位置に移動させるユーザー操作に応じて、当該個別撮影画像を当該表示位置に対応する前記分類グループに分類する分類編集部と、を備える鑑査支援システム。
【0008】
本発明に係る鑑査支援プログラムは、錠剤を服用タイミングごとに分包可能な薬品払出装置で払い出される錠剤の個別撮影画像を取得する取得ステップと、前記個別撮影画像のうち分類グループごとに対応する基準個別撮影画像に基づいて、前記個別撮影画像各々を前記分類グループに分類する分類ステップと、前記分類ステップによる分類結果を表示する表示ステップと、をコンピュータに実行させるための鑑査支援プログラムである。
【0009】
本発明に係る鑑査支援プログラムは、錠剤を服用タイミングごとに分包可能な薬品払出装置で払い出される錠剤の個別撮影画像を取得する取得ステップと、前記個別撮影画像を表示し、当該個別撮影画像を分類グループに対応する表示位置に移動させるユーザー操作に応じて、当該個別撮影画像を当該表示位置に対応する前記分類グループに分類する分類編集ステップと、をコンピュータに実行させるための鑑査支援プログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、錠剤の撮影画像に基づく鑑査業務を効率的に行うことが可能な鑑査支援システム及び鑑査支援プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の実施形態に係る鑑査支援システムの構成を示す図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係る薬品払出装置の外観図である。
図3図3は、本発明の実施形態に係る薬品払出装置の構成を示す図である。
図4図4は、本発明の実施形態に係る薬品払出装置の内部構成を示す模式図である。
図5図5は、本発明の実施形態に係る薬品払出装置の回転ユニットを示す模式図である。
図6図6は、本発明の実施形態に係る薬品払出装置における分包結果の一例を示す図である。
図7図7は、本発明の実施形態に係る鑑査支援システムで使用される割当情報の一例を示す図である。
図8図8は、本発明の実施形態に係る鑑査支援システムで使用される駆動対応情報の一例を示す図である。
図9図9は、本発明の実施形態に係る鑑査支援システムで実行される薬品払出処理の一例を示すフローチャートである。
図10図10は、本発明の実施形態に係る鑑査支援システムで実行される鑑査支援処理の一例を示すフローチャートである。
図11図11は、本発明の実施形態に係る鑑査支援システムで表示される表示画面の一例を示す図である。
図12図12は、本発明の実施形態に係る鑑査支援システムで表示される表示画面の一例を示す図である。
図13図9は、本発明の実施形態に係る鑑査支援システムで実行される分類鑑査処理の一例を示すフローチャートである。
図14図14は、本発明の実施形態に係る鑑査支援システムで表示される表示画面の一例を示す図である。
図15図15は、本発明の実施形態に係る鑑査支援システムで表示される表示画面の一例を示す図である。
図16図16は、本発明の実施形態に係る鑑査支援システムで表示される表示画面の一例を示す図である。
図17図17は、本発明の実施形態に係る鑑査支援システムで表示される表示画面の一例を示す図である。
図18図18は、本発明の実施形態に係る鑑査支援システムで表示される表示画面の一例を示す図である。
図19図19は、本発明の実施形態に係る鑑査支援システムで表示される表示画面の一例を示す図である。
図20図20は、本発明の実施形態に係る鑑査支援システムで表示される表示画面の一例を示す図である。
図21図21は、本発明の実施形態に係る鑑査支援システムで表示される表示画面の一例を示す図である。
図22図22は、本発明の実施形態に係る鑑査支援システムで表示される表示画面の一例を示す図である。
図23図23は、本発明の実施形態に係る鑑査支援システムで表示される表示画面の一例を示す図である。
図24図24は、本発明の実施形態に係る鑑査支援システムで表示される表示画面の一例を示す図である。
図25図25は、本発明の実施形態に係る鑑査支援システムで表示される表示画面の一例を示す図である。
図26図26は、本発明の実施形態に係る鑑査支援システムで表示される表示画面の一例を示す図である。
図27図27は、本発明の実施形態に係る鑑査支援システムで表示される表示画面の一例を示す図である。
図28図28は、本発明の実施形態に係る鑑査支援システムで表示される表示画面の一例を示す図である。
図29図29は、本発明の実施形態に係る鑑査支援システムで表示される表示画面の一例を示す図である。
図30図30は、本発明の実施形態に係る鑑査支援システムで表示される表示画面の一例を示す図である。
図31図31は、本発明の実施形態に係る鑑査支援システムで表示される表示画面の一例を示す図である。
図32図32は、本発明の実施形態に係る鑑査支援システムで表示される表示画面の一例を示す図である。
図33図33は、本発明の実施形態に係る鑑査支援システムで表示される表示画面の一例を示す図である。
図34図34は、本発明の実施形態に係る鑑査支援システムで表示される表示画面の一例を示す図である。
図35図35は、本発明の実施形態に係る鑑査支援システムで表示される表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
下記の実施形態で説明する構成及び処理機能は取捨選択して任意に組み合わせることも可能である。
【0013】
図1に示されるように、本発明の実施形態に係る鑑査支援システム1は、調剤支援装置2と、一又は複数のクライアント端末3と、一又は複数の薬品払出装置4と、一又は複数の調剤機器5とを備える。本実施形態に係る鑑査支援システム1のユーザーは、当該鑑査支援システム1が使用される病院又は薬局などの医療機関の医師、看護士、薬剤師、テクニシャン、又は医療事務員などである。
【0014】
前記調剤支援装置2、前記クライアント端末3、前記薬品払出装置4、及び前記調剤機器5各々は、LAN又はインターネット等の通信網N1を介して無線又は有線で通信可能に接続される。また、前記調剤支援装置2には、前記調剤支援装置2に処方データを入力する電子カルテシステム又は処方入力端末などの上位システム6が前記通信網N1を介して接続される。なお、前記調剤支援装置2が処方箋から前記処方データを読み取り可能であること、又は前記調剤支援装置2においてユーザー操作による前記処方データの入力が可能であることも考えられる。前記処方データには、患者に関する情報、及び当該患者に処方される薬品の種類、用量、用法などの薬品に関する情報が含まれる。
【0015】
[調剤支援装置2]
前記調剤支援装置2は、制御部21、記憶部22、通信I/F23、表示部24、操作部25、ドライブ装置26、及びコード読取部27等を備えるサーバー装置のようなコンピュータである。前記調剤支援装置2は、前記鑑査支援システム1が使用される前記医療機関の内部又は外部に配置される。
【0016】
前記制御部21は、CPU、ROM、RAM、及びEEPROM(登録商標、以下同様)などの制御機器を有する。
【0017】
例えば、前記制御部21は、前記処方データに基づいて前記薬品払出装置4及び前記調剤機器5による分包処理又は薬品払出処理などの調剤処理を実行させるための調剤用の処方データ(調剤データ)を生成し、その処方データを前記薬品払出装置4及び前記調剤機器5に入力する機能を有する。これにより、前記薬品払出装置4及び前記調剤機器5では、前記処方データに基づく調剤処理が実行される。なお、前記上位システム6から入力される前記処方データがそのまま前記薬品払出装置4に入力されてもよい。
【0018】
前記記憶部22には、例えば患者マスター、ユーザーマスター、薬品データベース、医薬品マスターなどの各種のデータベースも記憶されている。さらに、前記記憶部22には、前記処方データも記憶される。
【0019】
前記患者マスターには、患者ID、氏名、性別、年齢、既往歴、処方薬履歴、家族情報、診療科、病棟、及び病室などの患者に関する情報が含まれる。前記ユーザーマスターには、薬局名、薬剤師の氏名、薬剤師のID、パスワード、ユーザーグループ、及び処理権限などのユーザーに関する情報が含まれる。
【0020】
前記薬品データベースには、薬品ごとに、薬品コード、薬品名、JANコード、RSSコード、薬瓶コード、剤形、単位、比重、薬品種、配合変化、賦形薬品、注意事項、アレルギー情報、添付文書情報などの情報が対応付けて記憶されている。また、前記薬品が錠剤である場合、前記薬品データベースには、錠剤ごとに、錠剤の色、錠剤のサイズ、刻印情報、錠剤のマスター画像(錠剤の表面及び裏面の外観画像)、後述の表示用画像DPなどの情報も対応付けて記憶されている。なお、前記錠剤には、平錠(円盤状の錠剤)、球形錠、カプセル錠などが含まれる。前記刻印情報は、錠剤に刻印された当該錠剤の識別情報、又は錠剤に印刷された当該錠剤の識別情報などのように、錠剤自体に付される文字又は記号などである。なお、前記錠剤のサイズには、錠剤の縦、横、厚みなどの情報が含まれる。
【0021】
前記医薬品マスターには、前記薬品データベースに登録されている薬品のうち前記鑑査支援システム1が使用される前記医療機関で処方される薬品について、前記薬品データベースと同様の情報が記憶されている。
【0022】
前記表示部24は、前記制御部21からの制御指示に従って各種の情報及び操作画面を表示する液晶モニター等の表示部である。前記操作部25は、ユーザー操作を受け付けるキーボード、マウス及びタッチパネル等の操作部であり、ユーザー操作に対応する操作信号を前記制御部21に入力する。前記操作部25は、例えば前記表示部24に表示された表示画面における前記処方データの選択操作、及び前記処方データの調剤開始を要求する発行操作などの各種操作入力を受け付ける。
【0023】
前記コード読取部27は、コード情報(バーコード又は二次元コードなど)を読み取ることが可能なバーコードリーダーである。例えば、前記コード読取部27は、処方箋に記載された前記コード情報から前記処方データ又は前記処方データを識別する処方識別情報を読み取るために用いられる。前記処方箋から読み取られた前記処方データ、又は前記処方識別情報に基づいて前記上位システム6から取得される前記処方データは、前記制御部21によって前記記憶部22に記憶される。
【0024】
[クライアント端末3]
前記クライアント端末3は、制御部31、記憶部32、通信I/F33、表示部34、操作部35、及びコード読取部36などを備えるパーソナルコンピュータである。前記クライアント端末3各々は、前記鑑査支援システム1が使用される前記医療機関に配置される。前記クライアント端末3各々は、前記調剤支援装置2から送信される表示データに基づいて各種の情報の表示し、ユーザー操作を受け付ける操作端末である。
【0025】
前記表示部34は、前記制御部31からの制御指示に従って各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイなどの表示部である。前記操作部35は、前記クライアント端末3に各種の情報を入力するためにユーザーによって操作される操作部である。具体的に、前記操作部35は、前記表示部34に表示される各種の操作画面における入力操作を受け付けるキーボード、マウス(ポインティングデバイス)、及びタッチパネル等を含む。
【0026】
前記コード読取部36は、コード情報(バーコード又は二次元コードなど)を読み取ることが可能なバーコードリーダーである。例えば、前記コード読取部36は、処方箋に記載された前記コード情報から前記処方データ又は前記処方データを識別する処方識別情報を読み取るために用いられる。前記処方箋から読み取られた前記処方データ、又は前記処方識別情報に基づいて前記上位システム6から取得される前記処方データは、前記制御部31によって前記調剤支援装置2に入力される。
【0027】
そして、前記調剤支援装置2が前記クライアント端末3のユーザー操作に応じて各種の処理を実行する。また、前記クライアント端末3の制御部31は、前記操作部35に対する操作入力に応じて前記調剤支援装置2に操作信号を送信する。
【0028】
[調剤機器5]
前記調剤機器5は、処方データに基づいて薬剤を調剤する際に用いられる機器である。前記調剤機器5には、前記薬品払出装置4のように錠剤を分包する錠剤分包装置の他に、例えば散薬分包装置、水剤分注機、シート払出装置、及びピッキング補助装置などが含まれる。
【0029】
[薬品払出装置4]
ここで、図2図12を参照しつつ、前記薬品払出装置4について説明する。前記薬品払出装置4は、錠剤を服用タイミングごとに分包するために用いられる調剤機器である。また、前記薬品払出装置4は、錠剤と共に散薬を分包することが可能であってもよい。なお、前記薬品払出装置4の構成は、錠剤を服用タイミングごとに分包可能なものであればここで説明するものに限らない。
【0030】
図2図3、及び図4に示すように、前記薬品払出装置4は、処方制御ユニット501、錠剤供給ユニット502、分包ユニット504、分包制御ユニット505、及びバーコードリーダー506などを備える。なお、図4における一点鎖線は、錠剤の移動経路を示している。
【0031】
前記処方制御ユニット501、前記錠剤供給ユニット502、前記分包ユニット504、及び前記分包制御ユニット505はバスN2によって接続されている。そして、前記薬品払出装置4は、前記処方制御ユニット501及び前記分包制御ユニット505によって制御され、前記錠剤供給ユニット502から供給される錠剤を、前記分包ユニット504によって服用タイミングのような分包単位で包装材に分包して払い出す。
【0032】
[処方制御ユニット501]
前記処方制御ユニット501は、前記薬品払出装置4を統括的に制御するコンピュータである。図2及び図3に示すように、前記処方制御ユニット501は、制御部510、記憶部520、表示部530、操作部540、及び通信IF550等を備える。
【0033】
前記制御部510は、CPU、RAM、ROM及びEEPROMなどを有する制御手段である。
【0034】
前記記憶部520には、前記制御部510等のコンピュータに後述の薬品払出処理(図9左側参照)を実行させるための薬品払出プログラム、及び後述の鑑査支援処理(図10参照)を実行させるための鑑査支援プログラムなどが記憶される。
【0035】
また、前記記憶部520には、前記調剤支援装置2と同様に、前記患者マスター、前記ユーザーマスター、前記薬品データベース、前記医薬品マスターなどの各種のデータベースが記憶されている。さらに、前記記憶部520には、カセットマスター、割当情報521、駆動対応情報522などの情報も記憶されている。なお、前記割当情報521及び前記駆動対応情報522については後述する。
【0036】
前記カセットマスターは、後述の固定カセット41A各々のカセット識別情報と前記固定カセット41A各々に割り当てられた薬品の薬品識別情報との対応関係を示す情報である。
【0037】
前記表示部530は、前記制御部510からの制御指示に従って各種の情報及び操作画面を表示する液晶モニター等の表示手段である。例えば、前記表示部530には、処方データの入力画面及び処方データの選択画面などの各種情報が表示される。
【0038】
前記操作部540は、ユーザー操作を受け付ける操作ボタン、キーボード、マウス及びタッチパネル等の操作手段であり、ユーザー操作に対応する操作信号を前記制御部510に入力する。前記操作部540は、例えば前記表示部530に表示された前記入力画面における処方データの入力操作、前記選択画面における処方データの選択操作、及び前記処方データの分包開始を要求する処方データの発行操作などの各種操作入力を受け付ける。
【0039】
前記通信IF550は、前記調剤支援装置2から前記処方データを取得し、当該処方データを前記記憶部520に記憶させる。例えば、前記通信IF550は、前記調剤支援装置2に設けられた前記記憶部22の所定の記憶領域に前記処方データが新たに記憶されたか否かを監視しており、前記所定の記憶領域に前記処方データが新たに記憶された場合に当該処方データを前記所定の記憶領域から読み出す。もちろん、前記通信IF550は、前記調剤支援装置2から送信された前記処方データを受信するものであってもよい。
【0040】
[錠剤供給ユニット502]
図2図4に示されるように、前記錠剤供給ユニット502は、複数の薬品カセット41、回転ユニット44、手撒きユニット45、撮影部46、通過検出部47、印刷ユニット48、描画ユニット49などを備える。
【0041】
複数の前記薬品カセット41には、予め定められた特定種類の錠剤を1錠(単位量)ごとに払出可能な複数の固定カセット41Aと、駆動条件の変更等により任意の種類の錠剤を1錠(単位量)ごとに払出可能な複数の可変カセット41Bとが含まれる。前記固定カセット41A及び前記可変カセット41Bにより払出可能な前記錠剤は、例えば円盤状、球状、又はカプセル状などの各種形態の固形薬品である。なお、他の実施形態として、前記薬品カセット41の種類が、前記固定カセット41A又は前記可変カセット41Bのうちいずれか一種類の薬品カセットのみであってもよい。前記固定カセット41A及び前記可変カセット41Bは、例えば特開2015-226844号公報などに開示されている。
【0042】
前記手撒きユニット45は、例えば1錠未満の半錠又は1/4錠の錠剤のように前記薬品カセット41からの払い出しに適さない錠剤の払い出しに用いられるものであり、前記薬品払出装置4に対して引き出し可能に設けられている。前記手撒きユニット45は、マトリクス状(格子状)に設けられた複数のマスを備える。前記マスは、前記薬品払出装置4で実行される前記分包処理における分包単位(服用タイミング単位)に対応する。
【0043】
具体的に、前記手撒きユニット45は、前記マス各々の底面を順に開閉可能な開閉機構を備えており、前記開閉機構によって前記マス各々の底面が順に開かれることによって前記マス各々に投入されている錠剤が順に払い出される。
【0044】
前記撮影部46は、図4に示されるように、前記薬品カセット41から前記分包ユニット504までの錠剤の移動経路、及び前記手撒きユニット45から前記分包ユニット504までの錠剤の移動経路に設けられるカメラ461~464を含む。また、前記撮影部46は、前記撮影部46による撮影時に用いられる照明装置468及び照明装置469を含む。
【0045】
前記照明装置468は、前記回転ユニット44の上方に設けられ、前記カメラ462による前記錠剤の撮影時に当該錠剤を照明するために用いられる円環状の光源である。また、前記照明装置469は、前記回転ユニット44の下方に設けられ、前記カメラ462及び前記カメラ463による前記錠剤の撮影時に当該錠剤を照明するために用いられる円環状の光源である。なお、前記照明装置468及び前記照明装置469は、前記カメラ462及び前記カメラ463による撮影が行われる後述の撮影可能位置P3において前記錠剤載置部441を照明可能な位置に配置される。
【0046】
前記カメラ461~464は、前記薬品カセット41又は前記手撒きユニット45から払い出された錠剤が前記分包ユニット504によって分包紙で分包される前に前記錠剤を撮影するために用いられる。本実施形態において、前記カメラ461~464は、カラー画像を撮影可能なものであるが、モノクロ画像を撮影可能なものであってもよい。なお、前記カメラ461~464により撮影される錠剤の撮影画像は、前記制御部510によって、前記撮影画像が撮影されたときの分包対象である前記処方データにおける当該錠剤の服用タイミングに対応付けて前記記憶部520に記憶されると共に前記調剤支援装置2に送信される。例えば、 ○月○日の朝の服用タイミングに対応する錠剤の撮影画像は、その ○月○日の朝の服用タイミングに対応付けられる。
【0047】
図4に示されるように、前記カメラ461は、前記薬品カセット41から払い出され、前記回転ユニット44の錠剤載置部441に供給された錠剤を撮影するために用いられる。また、前記カメラ464は、前記手撒きユニット45に収容された錠剤を撮影するために用いられる。
【0048】
前記カメラ462及び前記カメラ463は、前記錠剤載置部441に載置されている錠剤を上下二方向から撮影するために用いられる。具体的に、前記カメラ462は、前記錠剤載置部441が前記照明装置468により上方から照明される状態で前記錠剤載置部441を上方から撮影してその撮影画像を第1撮影画像として出力する。また、前記カメラ462は、前記照明装置469により前記錠剤載置部441が当該カメラ462とは反対側の下方から照明される状態で前記錠剤載置部441を上方から撮影してその撮影画像を第2撮影画像として出力する。前記カメラ463は、前記錠剤載置部441が前記照明装置469により下方から照明される状態で前記錠剤載置部441を下方から撮影してその撮影画像を第3撮影画像として出力する。前記カメラ462及び前記カメラ463による撮影は、一の服用タイミングに対応する一又は複数の錠剤が全て前記錠剤載置部441に供給された後の特定のタイミングで撮影される。なお、他の実施形態として、前記薬品払出装置4の分包処理後の薬包451に収容されている状態で錠剤が撮影され、前記第1撮影画像、前記第2撮影画像、及び前記第3撮影画像が取得されてもよい。
【0049】
そして、前記第1撮影画像、前記第2撮影画像、及び前記第3撮影画像などの撮影画像は、前記記憶部520に記憶され、前記調剤支援装置2にも送信される。例えば、前記第1撮影画像、前記第2撮影画像、及び前記第3撮影画像は、前記処方データを識別するための処方IDなどの処方識別情報と、当該処方データにおける服用タイミングを識別可能な服用タイミング識別情報とに対応付けて記憶又は送信される。具体的に、前記服用タイミング識別情報には、前記撮影画像に対応する前記服用タイミングを識別可能な情報として、何包目であるかの情報と、「朝」、「昼」、「夕」などの情報とが含まれる。
【0050】
前記通過検出部47は、前記薬品カセット41から前記分包ユニット504までの錠剤の移動経路、及び前記手撒きユニット45から前記分包ユニット504までの錠剤の移動経路において前記錠剤の通過を検出する光学式センサーなどの通過検出センサー471~474を含む。そして、前記通過検出センサー471~474による錠剤の検出信号は前記制御部510に入力される。
【0051】
図4に示されるように、前記通過検出センサー471は、前記薬品カセット41から払い出される錠剤を検出し、前記通過検出センサー472は、前記薬品カセット41から前記回転ユニット44に落下する錠剤を検出する。また、前記通過検出センサー473は、前記手撒きユニット45から前記回転ユニット44に落下する錠剤を検出する。また、前記通過検出センサー474は、前記回転ユニット44から前記分包ユニット504に落下する錠剤を検出するものであって、前記回転ユニット44に設けられた後述の薬剤導入部80の先端から落下する錠剤を検出可能な位置に配置されている。
【0052】
前記印刷ユニット48は、前記分包ユニット504において錠剤が収容される前の分包紙に情報を印刷することが可能である。例えば、前記分包紙の表面には、前記印刷ユニット48によって患者の氏名、服用タイミング(又は服用タイミング)、薬品名、又は処方量などの情報が印刷可能である。また、前記分包ユニット504では、一の前記処方データに基づく分包処理によって得られる一連の薬包451の最初又は最後に、当該処方データを識別するための処方IDなどの処方識別情報を示す一次元又は二次元のコード情報が印刷された空の薬包451が付加される。前記コード情報は、前記コード読取部27及び前記コード読取部36で読み取り可能である。なお、前記薬包451各々に前記コード情報が印刷されてもよい。
【0053】
前記描画ユニット49は、前記分包ユニット504において錠剤が収容された後の前記薬包451に、インクを用いて予め定められた特定の記号、文字又は図柄を描画することが可能なペン又はスタンプなどの描画部を備える。
【0054】
[回転ユニット44]
前記回転ユニット44は、図4及び図5に示すように、6つの錠剤載置部441と、ユニット回転部442と、薬剤導入部80とを備える。前記ユニット回転部442は、不図示の基台部により鉛直上下方向を回転軸として回転可能に支持されている。なお、図5は、前記回転ユニット44を上方から見た状態を示す模式図である。
【0055】
前記錠剤載置部441各々は、前記薬品カセット41又は前記手撒きユニット45から供給される服用タイミングごとに対応する一又は複数の錠剤が載置される透明の載置部である。また、前記錠剤載置部441各々は、前記ユニット回転部442を上下方向に貫通する開口に配置されており、当該ユニット回転部442の上下方向から当該錠剤載置部441に載置された錠剤が目視可能である。これにより、前記カメラ462、463は、前記錠剤載置部441を上下から撮影することにより当該錠剤載置部441に載置されている錠剤を上下方向から撮影することが可能である。
【0056】
前記ユニット回転部442には、6つの前記錠剤載置部441が所定の回転軸回りに60°間隔で配置されており、前記ユニット回転部442は、前記錠剤載置部441を前記所定の回転軸回りに回転させることが可能である。具体的に、前記ユニット回転部442は、前記錠剤載置部441各々を、前記手撒きユニット45からの錠剤の落下位置P1、前記薬品カセット41からの錠剤の落下位置P2、前記カメラ462及び前記カメラ463による撮影可能位置P3、予備位置P4、予備位置P5、及び前記薬剤導入部80への排出位置P6の6箇所に順に移動させることが可能である。なお、前記薬剤導入部80は、前記ユニット回転部442に固定されておらず、不図示の固定部に固定されており、当該ユニット回転部442の回転に連動して回転しない。
【0057】
そして、前記薬品払出装置4では、前記ユニット回転部442による前記錠剤載置部441の回転タイミングが制御され、前記薬品カセット41及び前記手撒きユニット45から払い出される服用タイミング各々に対応する錠剤が一つの前記錠剤載置部441に供給される。即ち、前記錠剤載置部441が前記撮影可能位置P3に到達する際、当該錠剤載置部441には、前記服用タイミングの単位で一又は複数の錠剤が載置されている。
【0058】
前記撮影可能位置P3では、前記錠剤載置部441に載置された前記服用タイミングごとの錠剤が前記カメラ462及び前記カメラ463によって撮影される。具体的に、前記薬品払出装置4では、前記撮影可能位置P3において、前記照明装置468が点灯し前記照明装置469が消灯した第1照明状態で前記錠剤載置部441が前記カメラ462によって撮影され、前記第1撮影画像が取得される。その後、前記撮影可能位置P3において、前記照明装置468が消灯し前記照明装置469が点灯した第2照明状態で前記錠剤載置部441が前記カメラ462及び前記カメラ463によって撮影され、前記カメラ462から前記第2撮影画像が取得され、前記カメラ463から前記第3撮影画像が取得される。なお、前記第1撮影画像、前記第2撮影画像、及び前記第3撮影画像を取得するための前記薬品払出装置4の構成はこれに限らない。また、前記第1撮影画像、前記第2撮影画像、及び前記第3撮影画像の撮影順序はこれに限らない。
【0059】
なお、前記錠剤載置部441の底面は、不図示のソレノイド又はモーターによって開閉可能である。そして、前記排出位置P6において、錠剤載置部441の底面が開放されると、当該錠剤載置部441上に載置された錠剤が前記薬剤導入部80を介して前記分包ユニット504に落下し、前記分包ユニット504内で薬包451に投入されることになる。
【0060】
[分包ユニット504]
前記分包ユニット504は、前記錠剤供給ユニット502の前記薬品カセット41及び前記手撒きユニット45の一方又は両方から供給された錠剤を服用タイミングなどの分包単位で一つの分包紙に収容する。例えば、前記分包ユニット504は、透明又は半透明のロール状の分包紙により前記分包単位で錠剤を包装して溶着等により封止して前記薬包451を形成する。これにより、前記分包単位で前記薬包451各々に錠剤が収容された薬包シート900が前記分包ユニット504から排出される。
【0061】
ここに、図6は、前記分包ユニット504から排出される薬包シート900の一例を示す図である。図6に示すように、前記薬包シート900には、前記分包単位で複数の錠剤が包装された複数の薬包451が連続して形成されており、前記薬包451各々の間には前記薬包451各々を容易に切り離すための切り取り点線452(ミシン目)が形成されている。なお、前記切り取り点線452は、前記分包ユニット504内で前記薬包シート900に形成される。
【0062】
[分包制御ユニット505]
前記分包制御ユニット505は、図3に示すように、制御部551及び記憶部552を備え、前記錠剤供給ユニット502、及び前記分包ユニット504などを制御することにより前記薬品払出装置4に分包処理を実行させる。
【0063】
前記制御部551は、CPU、RAM、ROM及びEEPROMなどを有する制御手段である。
【0064】
前記記憶部552には、前記制御部551等のコンピュータに後述の分包制御処理(図9右側参照)を実行させるための分包制御プログラムが予め記憶されている。
【0065】
[バーコードリーダー506]
前記バーコードリーダー506は、薬局の薬品棚などに設けられた錠剤の収容容器(箱、瓶など)又はPTPシートなどに記載されたJANコード、RSSコード、又はQRコードから薬品を識別するコードを読み取り可能である。なお、前記バーコードリーダー506は、前記薬包シート900(図6参照)の最初又は最後に、当該薬包シート900に対応する前記処方データを識別するための識別情報が印刷される空包の前記薬包451が付される場合に、当該識別情報を読み取るために用いられてもよい。前記バーコードリーダー506により読み取られた情報は、前記バーコードリーダー506から無線通信により前記処方制御ユニット501に入力される。なお、前記バーコードリーダー506は、例えばPDA又はスマートフォンなどの携帯端末である。
【0066】
[薬品払出処理及び分包制御処理]
以下、図9を参照しつつ、前記薬品払出装置4において、前記処方制御ユニット501の前記制御部510により実行される薬品払出処理及び前記分包制御ユニット505の前記制御部551により実行される分包制御処理の手順の一例について説明する。ここに、前記制御部510が実行する処理手順(ステップ)をステップS1、S2、・・・と称し、前記制御部551が実行する処理手順(ステップ)をステップS11、S12、・・・と称する。
【0067】
<処方制御ユニット501側:ステップS1>
ステップS1において、前記制御部510は、処方データの発行要求があったか否かを判断する。具体的に、前記制御部510は、予め登録された処方データを発行するための発行操作が前記操作部540に対して行われた場合に前記処方データの発行要求が行われたと判断する。
【0068】
ここで、前記制御部510は、前記処方データの発行要求がなされるまでの間(S1のNo側)、処理を前記ステップS1で待機させる。一方、前記制御部510は、前記処方データの発行要求があったと判断すると(S1のYes側)、処理をステップS2に移行させる。
【0069】
<処方制御ユニット501側:ステップS2)
ステップS2において、前記制御部510は、前記処方データにより払出対象の錠剤を示す薬品情報として入力された全ての薬品情報に対応する前記固定カセット41Aが存在するか否かを判断する。具体的に、前記制御部510は、前記記憶部520に記憶されている前記カセットマスターに基づいて、対応する前記固定カセット41Aが存在しない錠剤が処方薬として前記処方データに含まれているか否かを判断する。ここで、少なくとも1つの前記払出対象の薬品情報に対応する前記固定カセット41Aが存在しないと判断された場合(S2のNo側)、前記制御部510は処理をステップS201に移行させる。
【0070】
一方、全ての前記払出対象の薬品情報に対応する前記固定カセット41Aが存在すると判断した場合(S2のYes側)、前記制御部510は処理をステップS7に移行させる。この場合、前記ステップS7では、前記固定カセット41A各々を用いる分包処理の開始要求が前記制御部551に送信され、前記制御部551により前記分包処理が実行される。
【0071】
<処方制御ユニット501側:ステップS201>
ステップS201において、前記制御部510は、払出対象の錠剤が前記薬品カセット41からの払い出しに適さない錠剤である場合には(S201:Yes)、処理をステップS202に移行させ、払出対象の錠剤が前記薬品カセット41からの払い出しに適した錠剤である場合には(S201:No)、処理をステップS3に移行させる。
【0072】
<処方制御ユニット501側:ステップS202>
ステップS202において、前記制御部510は、前記可変カセット41Bからの払い出しに適さない錠剤の薬品情報を前記手撒きユニット45に割り当て、処理をステップS6に移行させる。
【0073】
<処方制御ユニット501側:ステップS3>
ステップS3において、前記制御部510は、前記処方データにより入力された払出対象の薬品情報のうち対応する前記固定カセット41Aが存在しない薬品情報を未割当の前記可変カセット41Bに割り当てる。なお、前記制御部510は、対応する前記固定カセット41Aが存在しない薬品情報が前記処方データに複数含まれている場合には、その薬品情報各々について前記可変カセット41Bの割り当てを実行する。
【0074】
具体的に、前記記憶部520には、前記可変カセット41Bと前記薬品情報との割当状態を示す前記割当情報521が記憶されている。ここに、図7は前記割当情報521の一例を示す図である。図7に示すように、前記割当情報521では、前記可変カセット41B各々に現在割り当てられている錠剤の種類を示す薬IDが薬品情報として記憶されている。なお、前記薬IDに代えて錠剤名称、薬品コード、JANコード(又はRSSコード)などの薬品情報が記憶されていてもよい。また、前記可変カセット41Bに、カセット番号C1、C2、・・・が前記カセット識別情報として予め設定されているものとする。前記カセット識別情報は、前記可変カセット41B各々に設けられているRFIDタグにも記憶されている。なお、前記割当情報521において、現在薬品情報が割り当てられていない前記可変カセット41Bには未割当である旨が記憶されている。具体的に、図7に示す前記割当情報521では、前記可変カセット41Bのうちカセット番号「C1」には薬ID「M11」の薬品情報、カセット番号「C3」には薬ID「M12」の薬品情報が割り当てられており、カセット番号「C2」及び「C4」には、まだ薬品情報が割り当てられていない旨が示されている。
【0075】
<処方制御ユニット501側:ステップS4>
ステップS4において、前記制御部510は、前記払出対象の薬品情報に対応する駆動条件を前記駆動対応情報522(図8参照)に基づいて特定し、前記駆動条件と前記薬品情報が割り当てられた前記可変カセット41Bのカセット識別情報とを前記制御部551に送信する。これにより、前記制御部551は、前記駆動条件に従って前記可変カセット41Bを駆動させることになる。
【0076】
前記駆動対応情報522は、前記薬品情報と前記可変カセット41Bから当該薬品情報に対応する錠剤を払い出すための駆動条件との対応関係を示す情報である。ここに、図8は前記駆動対応情報522の一例を示す図である。図8に示すように、前記駆動対応情報522には、前記薬品情報ごとに対応して予め設定される駆動条件が記憶されている。前記駆動条件には、前記可変カセット41Bからの錠剤の払い出しを開始する前の前記可変カセット41Bの調整に関する事前駆動条件、前記可変カセット41Bからの錠剤の払い出し中の駆動制御に関する駆動中条件、及び前記可変カセット41Bからの錠剤の払い出しを停止する際の駆動制御に関する駆動停止時条件などが含まれる。前記事前駆動条件は、前記可変カセット41Bで前記薬品情報が示す錠剤を1錠単位で払い出すことが可能となるための当該可変カセット41Bの調整内容を示すものである。
【0077】
<分包制御ユニット505側:ステップS11>
一方、前記分包制御ユニット505では、前記制御部551が、ステップS11において、前記制御部510からの前記駆動条件の受信の有無を判断する。ここで、前記制御部551は、前記駆動条件が受信された場合には(S11のYes側)、処理をステップS12に移行させ、前記駆動条件が受信されていない間は(S11のNo側)、処理をステップS13に移行させる。なお、前記制御部551は、前記制御部510から受信した前記駆動条件を、当該駆動条件と共に受信する前記カセット識別情報と対応付けて前記記憶部552に記憶する。
【0078】
<分包制御ユニット505側:ステップS12>
ステップS12において、前記制御部551は、前記駆動条件と共に受信した前記カセット識別情報に対応する前記可変カセット41Bを、前記駆動条件のうち前記事前駆動条件に従って駆動させる。これにより、前記可変カセット41Bでは、前記ステップS3で割り当てられた前記薬品情報が示す錠剤を1錠単位で払い出すことが可能となり、前記錠剤の払出量が制御可能となる。
【0079】
<処方制御ユニット501側:ステップS5>
ステップS5において、前記制御部510は、前記ステップS3で薬品情報が割り当てられた前記可変カセット41Bに設けられた表示部に、前記可変カセット41Bに割り当てられた薬品情報を表示させる。なお、前記可変カセット41Bの表示部は、例えば電子ペーパーなどである。
【0080】
<処方制御ユニット501側:ステップS6>
ステップS6において、前記制御部510は、前記可変カセット41Bに対する錠剤の充填が完了した旨を示す充填完了操作が前記操作部540に対して行われたか否かを判断する。具体的に、ユーザーは、前記ステップS3で前記薬品情報が前記可変カセット41Bに割り当てられ、前記可変カセット41Bの表示部に前記薬品情報が表示されると、前記可変カセット41Bを前記錠剤供給ユニット502から取り外す。そして、ユーザーは、前記可変カセット41Bに、前記処方データに対応する処方箋、又は前記可変カセット41Bの表示部に表示された前記薬品情報を参照しながら必要な錠数の錠剤を前記可変カセット41Bに投入する。その後、ユーザーは、前記可変カセット41Bを前記錠剤供給ユニット502に装着し、前記操作部540に対して前記充填完了操作を行う。
【0081】
ここで、前記充填完了操作が行われるまでの間(S6のNo側)、前記制御部510は処理を前記ステップS6で待機させる。一方、前記充填完了操作が行われたと判断すると(S6のYes側)、前記制御部510は処理をステップS7に移行させる。なお、前記ステップS3で複数の薬品情報が複数の前記可変カセット41Bに割り当てられた場合、前記ステップS6では、前記薬品情報各々に対応する全ての前記可変カセット41Bについて前記錠剤の充填完了操作が行われたか否かを判断する。
【0082】
<処方制御ユニット501側:ステップS7>
ステップS7において、前記制御部510は、前記処方データに基づく分包処理の開始要求を前記制御部551に送信する。特に、前記処方データに払出対象として含まれた薬品情報が示す錠剤のうち、前記固定カセット41Aに存在しない錠剤の分包処理について、前記制御部510は、例えば以下の手順で開始要求を送信する。
【0083】
まず、前記制御部510は、前記可変カセット41Bに設けられているRFIDタグから前記可変カセット41Bのカセット識別情報を読み出し、現在装着されている前記可変カセット41Bを特定する。そして、前記制御部510は、前記処方データに基づいて、前記可変カセット41Bのうち前記処方データに示された薬品情報に対応する錠剤が収容された前記可変カセット41B各々を前記割当情報521に基づいて特定する。その後、前記制御部510は、前記処方データに示された前記薬品情報各々について、前記薬品情報が割り当てられた前記可変カセット41Bのカセット識別情報、及び錠剤の払出量などの分包処理に必要な情報を前記制御部551に送信する。
【0084】
<分包制御ユニット505側:ステップS13>
一方、前記分包制御ユニット505では、前記制御部551が、ステップS13において、前記制御部510からの前記分包処理の開始要求の有無を判断する。ここで、前記制御部551は、前記分包処理の開始要求が受信された場合には(S13のYes側)、処理をステップS14に移行させ、前記分包処理の開始要求が受信されていない間は(S13のNo側)、処理をステップS11に移行させる。
【0085】
<分包制御ユニット505側:ステップS14>
ステップS14において、前記制御部551は、前記分包処理の開始要求に従って、前記錠剤供給ユニット502の前記薬品カセット41及び前記手撒きユニット45により必要な錠剤を払い出し、前記分包ユニット504により服用タイミングなどの分包単位で分包する分包処理を実行する。
【0086】
ところで、前述したように、前記薬品払出装置4において前記分包処理が実行される際には、前記制御部551が、前記カメラ462又は前記カメラ463を用いて分包対象の錠剤を撮影し、その撮影画像である前記第1撮影画像、前記第2撮影画像、前記第3撮影画像を前記制御部510に送信する。そして、前記制御部510は、前記第1撮影画像、前記第2撮影画像、前記第3撮影画像を前記処方データの各服用タイミングに対応付けて記憶部520に記憶し、前記調剤支援装置2にも送信する。
【0087】
<分包制御ユニット505側:ステップS15>
その後、前記制御部551は、前記ステップS14における前記分包処理が終了すると、続くステップS15において、前記制御部510に分包処理の完了通知を送信する。
【0088】
<処方制御ユニット501側:ステップS8>
前記処方制御ユニット501では、前記制御部510が、前記制御部551からの前記分包処理の完了通知を待ち受けている(S8のNo側)。そして、前記分包処理の完了通知を受信すると(S8のYes側)、前記制御部510は処理をステップS9に移行させる。
【0089】
<処方制御ユニット501側:ステップS9>
続くステップS9において、前記制御部510は、払い出しが完了した前記可変カセット41Bの表示部に払い出しが完了した旨の表示を行う。
【0090】
ところで、前記薬品払出装置4では、分包対象の錠剤の撮影画像をその錠剤の正しい画像として予め登録されているマスター画像と照合する鑑査処理が実行されることがある。しかしながら、前記薬品払出装置4における前記撮影画像の撮影環境と前記マスター画像の撮影環境とが異なる場合には、前記撮影画像と前記マスター画像とに基づく鑑査処理では鑑査の精度が低くなるおそれがある。一方、ユーザーが、目視で前記撮影画像各々を確認して分包処理の適否を判定する鑑査作業を行う場合には、その鑑査作業に手間がかかる。これに対し、前記鑑査支援システム1では、錠剤の撮影画像に基づく鑑査業務を効率的に行うことが可能である。
【0091】
具体的に、前記鑑査支援システム1において、前記薬品払出装置4は、前記制御部510は、取得処理部511、分類処理部512、表示処理部513、分類編集部514、分類特定部515などの各種の処理部を含む。なお、前記制御部510は、前記鑑査支援プログラムに従って各種の処理を実行することにより、前記各種の処理部として機能する。
【0092】
本実施形態では、少なくとも前記薬品払出装置4を含む前記鑑査支援システム1が本発明に係る鑑査支援システムの一例である場合を例に挙げて説明する。一方、前記各種の処理部が前記調剤支援装置2、前記クライアント端末3、又は前記薬品払出装置4のいずれか二つ又は三つに分配して設けられている場合には、前記調剤支援装置2、前記クライアント端末3、及び前記薬品払出装置4のいずれか二つ又は三つを含む前記鑑査支援システム1を本発明に係る鑑査支援システムとして捉えてもよい。
【0093】
前記取得処理部511は、前記薬品払出装置4による分包対象の前記錠剤の1錠単位の個別撮影画像MPを取得する。具体的に、前記取得処理部511は、前記薬品払出装置4において前記撮影部46を用いて撮影される撮影画像から前記錠剤の1錠単位の個別撮影画像MPを取得する。特に、本実施形態では、前記撮影部46によって1包単位(服用タイミング単位)で分包対象の錠剤が撮影され、前記取得処理部511は、前記撮影部46を用いて撮影される撮影画像から錠剤各々の画像をトリミングすることによって当該錠剤各々に対応する前記個別撮影画像MPを取得する。また、他の実施形態として、前記薬品払出装置4が、錠剤が包装された後の薬包451を撮影可能な撮影部を備え、前記取得処理部511は、当該撮影部によって撮影される薬包451の撮影画像から、当該薬包451に包装された錠剤の前記個別撮影画像MPを取得してもよい。
【0094】
なお、他の実施形態として、前記薬品払出装置4が、前記撮影部46によって分包対象の錠剤を1錠ごとに撮影可能な構成であってもよい。この場合、前記取得処理部511は、前記撮影部46によって撮影される1錠単位の前記錠剤の撮影画像から当該錠剤の画像をトリミングすることによって当該錠剤の個別撮影画像MPを取得する。
【0095】
前記分類処理部512は、前記個別撮影画像MPのうち分類グループごとに対応する基準個別撮影画像に基づいて、前記個別撮影画像MP各々を前記分類グループに分類する。即ち、前記分類処理部512は、前記医薬品マスター等において錠剤の種類ごとに予め登録されている前記マスター画像ではなく、前記薬品払出装置4における一回の分包処理で撮影される前記個別撮影画像MPの中から選択される前記基準個別撮影画像に基づいて、当該分包処理で取得される前記個別撮影画像MP各々を前記分類グループに分類する。なお、前記一回の分包処理とは、一つの前記薬包451についての分包ではなく、例えば一つの前記処方データに基づいて実行される複数の前記薬包451についての分包を含むものである。また、前記個別撮影画像MPを前記基準個別撮影画像に基づいて前記分類グループに分類することができない場合には、当該個別撮影画像MPに対応する前記分類グループがまだ存在していない可能性がある。そのため、この場合、前記分類処理部512は、前記個別撮影画像MPを前記基準個別撮影画像として新たに前記分類グループを作成する。なお、前記分類処理部512は、前記薬品払出装置4における一回の分包処理ごとに、前記分類グループ及び前記基準個別撮影画像をリセットする。これにより、前記薬品払出装置4における分包処理の実行時に前記個別撮影画像MPと同じ撮影環境(撮影距離又は照度など)で撮影される前記基準個別撮影画像に基づいて当該個別撮影画像MP各々の分類が行われることになる。
【0096】
具体的に、前記分類処理部512は、前記個別撮影画像MPが、いずれかの前記分類グループに対応する前記基準個別撮影画像との関係で、予め設定された類似条件を満たす場合に、当該個別撮影画像MPを当該基準個別撮影画像に対応する前記分類グループに分類する。本実施形態では、前記個別撮影画像MPと前記基準個別撮影画像との一致率が予め設定された類似判定値以上である場合に前記類似条件が満たされていると判定されるものとする。より具体的に、前記分類処理部512は、前記個別撮影画像MPと前記基準個別撮影画像との形状及び色に基づいて、前記個別撮影画像MPと前記基準個別撮影画像との一致率を導出することが考えられる。
【0097】
例えば、前記分類処理部512は、前記個別撮影画像MPと前記基準個別撮影画像との画像マッチング処理により前記一致率を導出する。また、前記分類処理部512は、前記個別撮影画像MPの外形の寸法と前記基準個別撮影画像の外形の寸法とに基づいて前記一致率を導出してもよい。さらに、前記形状には、前記個別撮影画像MP及び前記基準個別撮影画像各々の外形に限らず、前記個別撮影画像MP及び前記基準個別撮影画像各々に形成されている文字又は刻印などが含まれてもよい。また、前記分類処理部512は、前記個別撮影画像MPと前記基準個別撮影画像との色相をそれぞれ数値化し、その数値の一致率を前記個別撮影画像MPと前記基準個別撮影画像との色の一致度として導出する。その後、前記分類処理部512は、前記形状の一致率及び前記色の一致率に基づいて特定の演算を行うことにより、前記個別撮影画像MPと前記基準個別撮影画像との一致率を導出する。
【0098】
また、前記個別撮影画像MP及び前記基準個別撮影画像の形状の一致率と、前記個別撮影画像MP及び前記基準個別撮影画像の色の一致率との両方を導出した後、両者の一致率のうち低い方の一致率が、前記個別撮影画像MPと前記基準個別撮影画像との一致率として用いられてもよい。なお、他の実施形態として、前記類似条件が、前記個別撮影画像MPと前記基準個別撮影画像との形状の一致率のみに基づいて判断されてもよい。さらに、前記分類処理部512は、前記個別撮影画像MPと複数の前記基準個別撮影画像との形状の一致率が前記類似判定値以上である場合に、前記個別撮影画像MPと複数の前記基準個別撮影画像との色の一致率に基づいて、当該個別撮影画像MP各々を前記分類グループに分類してもよい。
【0099】
前記表示処理部513は、前記分類処理部512による分類結果を表示するための処理を実行する。具体的に、前記表示処理部513は、前記表示部530に前記分類結果を表示するための表示データを生成し、前記表示部530に前記表示データに基づく前記分類結果を表示させる。また、前記表示処理部513は、前記表示データを前記調剤支援装置2又は前記クライアント端末3に送信することにより前記調剤支援装置2又は前記クライアント端末3等に前記分類結果を表示させてもよい。
【0100】
前記分類編集部514は、前記個別撮影画像MPを前記分類グループに対応する前記表示位置に移動するユーザー操作に応じて、当該個別撮影画像MPを当該表示位置に対応する前記分類グループに分類する。これにより、前記分類処理部512によって前記分類グループに分類されない前記個別撮影画像MPが存在する場合に、当該個別撮影画像MPをユーザー操作に応じて前記分類グループに分類することが可能である。また、前記分類編集部514は、前記分類処理部512によって分類された前記個別撮影画像MPと前記分類グループとの関係を編集することが可能であってもよい。
【0101】
前記分類特定部515は、前記分類グループ各々に対応する前記錠剤の種類を特定する。より具体的に、前記分類特定部515は、前記処方データに処方薬として含まれる錠剤の種類の中から前記分類グループ各々に対応する錠剤の種類を特定する。例えば、前記分類特定部515は、前記分類グループ各々に対応する前記錠剤の種類を、当該分類グループに対応する前記基準個別撮影画像と前記錠剤の種類に予め対応付けて登録されたマスター画像とに基づいて特定することが考えられる。そして、前記分類特定部515により特定された前記錠剤の種類と前記分類グループとの対応関係は前記表示処理部513によって表示される。
【0102】
また、他の実施形態として、前記分類特定部515は、前記分類グループ各々に対応する前記錠剤の種類をユーザー操作に応じて特定してもよい。例えば、前記分類特定部515は、前記処方データに含まれる分包対象の錠剤の種類各々について、当該錠剤の種類に予め対応付けられた前記マスター画像を選択するための第1画面を前記表示部530に表示させる。そして、前記分類特定部515は、前記第1画面において前記マスター画像が選択されると、前記基準個別撮影画像を選択するための第2画面を前記表示部530に表示させる。その後、前記分類特定部515は、前記第2画面において前記基準個別撮影画像が選択されると、当該基準個別撮影画像に対応する前記分類グループを、前記第1画面で選択された前記マスター画像に対応する錠剤の種類に対応付ける。なお、前記分類特定部515は、前記第2画面において、前記分類グループのうち前記錠剤の種類と対応付けられていない前記分類グループに対応する前記基準個別撮影画像を選択候補として表示する。一方、前記分類特定部515は、前記第2画面において、既に前記錠剤の種類と対応付けられている前記分類グループに対応する前記基準個別撮影画像を表示しない、又はグレーアウトで表示する。
【0103】
さらに、他の実施形態として、前記制御部510は、前記分類グループ各々に対応する前記錠剤の種類を特定するためのユーザー操作を支援してもよい。例えば、前記制御部510は、前記薬品払出装置4による分包対象の錠剤の種類各々について、当該錠剤の種類に予め対応付けられた前記マスター画像を選択するための第3画面を前記表示部530に表示させる。そして、前記制御部510は、前記第3画面において前記マスター画像が選択されると、前記マスター画像との関係で前記類似条件を満たす全ての前記個別撮影画像を第4画面に表示する。その後、ユーザーによる承認操作が行われると、前記制御部510は、前記個別撮影画像各々を前記マスター画像に対応する前記薬品の種類に対応する前記分類グループに分類し、前記マスター画像に対応する前記薬品の種類を前記分類グループに対応する前記薬品の種類として特定する。即ち、前記分類処理部512による分類と前記分類特定部515による特定とが同時に行われることになる。なお、前記制御部510は、前記第4画面において、前記分類グループのうち前記錠剤の種類と対応付けられていない前記個別撮影画像MPを選択候補として表示する。一方、前記制御部510は、前記第4画面において、既に前記錠剤の種類と対応付けられている前記分類グループに対応する前記基準個別撮影画像を表示しない、又はグレーアウトで表示する。
【0104】
[鑑査支援処理]
以下、図10を参照しつつ、前記鑑査支援システム1おいて、前記薬品払出装置4の前記制御部510によって実行される鑑査支援処理の手順の一例について説明する。なお、前記鑑査支援処理は、前記調剤支援装置2の制御部21によって実行されてもよい。
【0105】
前記鑑査支援処理は、前記薬品払出装置4に対して、予め設定された鑑査権限を有する薬剤師によるログイン操作が行われた場合、又は前記ログイン操作後に鑑査を行うための鑑査開始操作が行われた場合などに実行される。なお、前記薬品払出装置4へのログイン認証は、前記記憶部520に記憶されている前記ユーザーマスターに基づいて行われる。
【0106】
<ステップS21>
まず、ステップS21において、前記制御部510は、鑑査対象の候補となる処方データの一覧を表示するための鑑査待ち一覧画面D1を前記クライアント端末3に表示させる。ここに、図11は、前記鑑査待ち一覧画面D1の一例を示す図である。
【0107】
図11に示されるように、前記鑑査待ち一覧画面D1には、鑑査対象となる処方データの一覧が表示される一覧表示領域A11が表示されている。具体的に、前記一覧表示領域A11には、処方データに含まれる処方ID(処方識別情報)、患者名(患者識別情報)、服用開始日、及び日数の情報と共に、前記鑑査支援システム1に接続されている前記薬品払出装置4及び前記調剤機器5などの複数の調剤機器のステータス情報が表示される。
【0108】
また、前記鑑査待ち一覧画面D1には、ユーザー操作を受け付けるための操作キーK11、K12等が表示されている。前記操作キーK11は、前記鑑査支援処理による鑑査履歴を表示するための鑑査履歴画面D2を表示させるための操作キーであり、前記操作キーK12は、前記処方データについての鑑査処理を開始するための第1確認画面D3を表示させるための操作部である。即ち、前記制御部510は、前記鑑査待ち一覧画面D1におけるユーザー操作に応じて、前記薬品払出装置4及び前記調剤機器5などの複数の機器で行われた調剤についての鑑査を開始することが可能である。なお、他の実施形態として、前記鑑査待ち一覧画面D1に、前記薬品払出装置4で前記分包処理が実行された前記処方データのみが表示されてもよい。
【0109】
<ステップS22>
ステップS22において、前記制御部510は、前記鑑査履歴画面D2の表示操作が行われたか否かを判断する。具体的に、前記制御部510は、前記鑑査待ち一覧画面D1における前記操作キーK11が操作された場合に、前記鑑査履歴画面D2の表示操作が行われたと判断する。そして、前記制御部510は、前記鑑査履歴画面D2の表示操作が行われたと判断すると(S22:Yes)、処理をステップS23に移行させ、前記鑑査履歴画面D2の表示操作が行われていなければ(S22:No)、処理をステップS24に移行させる。
【0110】
<ステップS23>
ステップS23において、前記制御部510は、前記鑑査履歴画面D2を前記表示部530に表示させる。このように、前記制御部510は、前記鑑査待ち一覧画面D1におけるユーザー操作に応じて、前記薬品払出装置4及び前記調剤機器5などの複数の調剤機器で行われた調剤についての鑑査履歴を表示させることが可能である。
【0111】
ここに、図12は、前記鑑査履歴画面D2の一例を示す図である。図12に示されるように、前記鑑査履歴画面D2には、既に鑑査が完了した処方データの一覧が表示される一覧表示領域A21が表示されている。前記一覧表示領域A21には、処方データに含まれる処方ID(処方識別情報)、患者名(患者識別情報)、服用開始日、鑑査者、及び鑑査日時などの情報が表示される。また、前記一覧表示領域A21には、前記鑑査支援システム1に接続されている前記薬品払出装置4及び前記調剤機器5各々で調剤された薬剤の鑑査結果が適正であった旨を示す「OK」、又は鑑査結果がエラーであった旨を示す「NG」などが表示される。
【0112】
<ステップS24>
ステップS24において、前記制御部510は、前記鑑査開始操作が行われたか否かを判断する。具体的に、前記制御部510は、前記鑑査待ち一覧画面D1において、鑑査対象となる前記処方データが選択された状態で前記操作キーK12が操作された場合に、前記鑑査開始操作が行われたと判断する。そして、前記制御部510は、前記鑑査開始操作が行われたと判断すると(S24:Yes)、処理をステップS25に移行させ、前記鑑査開始操作が行われていなければ(S24:No)、処理をステップS27に移行させる。なお、前記制御部510は、例えば前記バーコードリーダー506により前記薬包451に記載されているコード情報が読み取られ、前記コード情報に基づいて前記処方データが特定された場合にも、当該処方データを鑑査対象とする前記鑑査開始操作が行われたと判断する。
【0113】
<ステップS25>
ステップS25において、前記制御部510は、自動数量鑑査処理を実行し、処理をステップS26に移行させる。前記自動数量鑑査処理において、前記制御部510は、前記鑑査対象である前記処方データに基づく前記分包処理において薬包451各々に分包された服用タイミングごとの分包対象の錠剤の数の適否を自動的に判定する。
【0114】
具体的に、前記制御部510は、前記自動数量鑑査処理において、前記鑑査対象として選択されている前記処方データの各服用タイミングに対応付けて前記記憶部520に記憶されている前記第2撮影画像から分包対象の錠剤の錠数を取得する。前記第2撮影画像は、前記錠剤載置部441に載置されている服用タイミング単位で撮影された一又は複数の錠剤が撮影されたものである。前記制御部510は、前記第2撮影画像に含まれる一又は複数の錠剤の画像の輪郭線(エッジ)に基づいて錠剤の数をカウントする。
【0115】
そして、前記制御部510は、前記薬包451に対応する前記第2撮影画像から取得された前記錠剤の錠数が、当該薬包451に対応する前記服用タイミングにおける分包対象の錠剤の錠数と一致するか否かを判定する。そして、前記制御部510は、錠数が一致すると判断すると、前記自動数量鑑査処理の鑑査結果が「OK」であると判定し、錠数が一致しないと判断すると、前記自動数量鑑査処理の鑑査結果が「エラー」であると判定する。なお、前記制御部510は、前記自動数量鑑査処理の鑑査結果が「エラー」である場合には、当該鑑査結果を前記表示部530に表示する。さらに、前記制御部510は、前記自動数量鑑査処理の鑑査結果が「OK」である場合に、当該鑑査結果を前記表示部530に表示してもよい。
【0116】
<ステップS26>
ステップS26において、前記制御部510は、前記鑑査対象である前記処方データに基づく前記分包処理について、分類グループ単位で鑑査を行うための分類鑑査処理を実行する。なお、前記分類鑑査処理については後述する。
【0117】
<ステップS27>
ステップS27において、前記制御部510は、前記鑑査支援処理を終了するための終了操作がユーザーによって行われたか否かを判断する。ここで、前記鑑査支援処理の終了操作が行われたと判断されると(S27:Yes)、当該鑑査支援処理が終了し、前記鑑査支援処理の終了操作が行われていないと判断されると(S27:No)、処理が前記ステップS21に戻される。
【0118】
[分類鑑査処理]
以下、図13のフローチャートを参照しつつ、前記ステップS26で実行される前記分類鑑査処理の一例について説明する。
【0119】
<ステップS30>
ステップS30において、前記制御部510は、前記鑑査対象である前記処方データの服用タイミング各々に対応付けて前記記憶部520に記憶されている前記第1撮影画像及び前記第3撮影画像から、当該服用タイミング各々に対応する分包対象の錠剤の1錠単位の錠剤画像を取得する。そして、前記制御部510は、前記錠剤画像各々を、当該錠剤画像各々に対応する前記服用タイミングに対応付けて前記記憶部520に記憶する。また、前記制御部510は、前記第1撮影画像及び前記第3撮影画像における各錠剤画像の位置に基づいて、同一の前記錠剤の前記錠剤画像を当該錠剤に対応する表面及び裏面の画像として対応付けて記憶する。具体的に、前記制御部510は、前記第1撮影画像から取得される錠剤画像と前記第3撮影画像から取得される錠剤画像との組み合わせのうち、前記第1撮影画像における錠剤画像の位置と前記第3撮影画像における錠剤画像の位置とに基づいて、同一の錠剤を撮影した錠剤画像の組み合わせを特定し、当該組み合わせの錠剤画像を対応付ける。なお、前記ステップS30は、本発明に係る取得ステップの一例であり、前記制御部510の前記取得処理部511によって実行される。
【0120】
具体的に、前記制御部510は、周知のトリミング処理により、前記撮影画像に含まれる一又は複数の錠剤の画像を輪郭線(エッジ)に基づいて切り取り、その切り取った画像を錠剤画像として取得する。また、前記撮影画像から前記錠剤画像を取得する手法はこれに限らず周知の他の画像処理技術を利用してもよい。さらに、他の実施形態として、前記薬品払出装置4が、前記分包処理において分包対象の錠剤各々を前記撮影部46で個別に撮影可能な構成である場合には、前記制御部510は、前記分包処理で撮影される画像、又は当該画像からトリミングした錠剤の画像を、前記錠剤画像として取得してもよい。
【0121】
以下、本実施形態では、前記第1撮影画像から取得される前記錠剤画像が前記個別撮影画像MPとして用いられるものとする。
【0122】
<ステップS31>
ステップS31において、前記制御部510は、前記ステップS30で取得した前記個別撮影画像MP各々を当該ステップS31が実行されるごとに順に処理対象として選択する。具体的に、前記制御部510は、前記ステップS30で対応付けられた前記服用タイミングが早い方から順に前記個別撮影画像MPを処理対象として選択する。例えば、一包目の前記服用タイミングに対応する分包対象の錠剤が5錠である場合には、当該服用タイミングに対応付けられている5錠分の前記個別撮影画像MPが順に処理対象として選択された後、二包目の前記服用タイミングに対応付けられた前記個別撮影画像MPが順に選択される。
【0123】
<ステップS32>
ステップS32、S321、及びS33において、前記制御部510は、前記個別撮影画像MPのうち前記分類グループごとに対応する前記基準個別撮影画像に基づいて、前記個別撮影画像MP各々を前記分類グループに分類する分類処理を実行する。なお、前記分類処理は、前記制御部510の前記分類処理部512によって実行される。
【0124】
まずステップS32において、前記制御部510は、前記ステップS31で選択された前記個別撮影画像MPに対応する前記分類グループが存在するか否かを判定する。具体的に、前記制御部510は、前記個別撮影画像MPとの関係で前記類似条件を満たす前記基準個別撮影画像が存在するか否かを判定し、前記類似条件を満たす前記基準個別撮影画像が存在する場合に、当該個別撮影画像MPに対応する前記分類グループが存在すると判定する。前述したように、前記類似条件は、前記個別撮影画像MPと前記基準個別撮影画像との一致率が前記類似判定値以上であることである。
【0125】
また、前記制御部510は、前記個別撮影画像MPと前記基準個別撮影画像各々との一致率を導出し、当該個別撮影画像MPが複数の前記基準個別撮影画像との関係で前記類似条件を満たすと判定した場合には、当該個別撮影画像MPに対応する前記分類グループが存在しないと判定する。即ち、前記ステップS32では、前記個別撮影画像MPが一つの前記基準個別撮影画像のみとの関係で前記類似条件を満たす場合に、当該個別撮影画像MPに対応する前記分類グループが存在すると判定される。なお、他の実施形態として、前記制御部510は、前記個別撮影画像MPについて、前記基準個別撮影画像各々について順に前記一致率を導出し、前記類似条件を満たすと判定された場合には、他の前記基準個別撮影画像に対応する前記一致率の導出を省略してもよい。
【0126】
そして、前記個別撮影画像MPに対応する前記分類グループが存在すると判定されると(S32:Yes)、処理がステップS33に移行し、前記個別撮影画像MPに対応する前記分類グループが存在しないと判定されると(S32:No)、処理がステップS321に移行する。なお、前記分類グループは、前記分類鑑査処理ごとに作成され、当該分類鑑査処理が終了する際に前記制御部510によってリセットされる。
【0127】
<ステップS321>
ステップS321において、前記制御部510は、前記ステップS31で選択された前記個別撮影画像MPを基準個別撮影画像として新たに分類グループを作成し、前記記憶部520に記憶する。なお、前記ステップS321で前記分類グループに対応する前記基準個別撮影画像として設定された前記個別撮影画像MPも当該分類グループに分類される。これにより、その後に実行される前記ステップS32において、前記基準個別撮影画像との関係で前記類似条件を満たす前記個別撮影画像MPは、当該個別撮影画像MPに対応する前記分類グループが存在すると判定されることになる。
【0128】
<ステップS33>
ステップS33において、前記制御部510は、前記ステップS31で選択された前記個別撮影画像MPを、前記ステップS32で前記個別撮影画像MPに対応する分類グループであると判定された前記分類グループに対応付けて前記記憶部520に記憶し、処理をステップS34に移行させる。即ち、前記個別撮影画像MPは、当該個別撮影画像MPが前記基準個別撮影画像との関係で前記類似条件を満たす場合に、当該基準個別撮影画像に対応する前記分類グループに分類されることになる。
【0129】
<ステップS34>
ステップS34において、前記制御部510は、前記鑑査対象の前記処方データに対応付けられている全ての前記個別撮影画像MPが前記ステップS31において処理対象として選択されたか否かを判断する。ここで、全ての前記個別撮影画像MPが前記ステップS31において処理対象として選択されたと判断された場合は(S34:Yes)、処理がステップS35に移行する。一方、前記ステップS31において処理対象として選択されていない前記個別撮影画像MPがあると判断された場合は(S34:No)、処理が前記ステップS31に戻される。
【0130】
<ステップS35>
ステップS35において、前記制御部510は、前記ステップS321で作成された前記分類グループ各々に対応する前記錠剤の種類を特定する分類特定処理を実行する。なお、前記ステップS35は、前記制御部510の分類特定部515によって実行される。
【0131】
具体的に、前記制御部510は、前記ステップS321で作成された前記分類グループ各々に対応する前記基準個別撮影画像と、前記処方データに含まれる前記錠剤の種類に対応して前記医薬品マスターに予め登録された前記マスター画像とに基づいて、前記分類グループ各々に対応する前記錠剤の種類を特定する。例えば、前記制御部510は、前記基準個別撮影画像と前記マスター画像との一致率が前記類似判定値以上である場合に、当該基準個別撮影画像に対応する前記分類グループと、当該マスター画像に対応する前記錠剤の種類とが対応関係にあると特定する。また、前記制御部510は、前記基準個別撮影画像と前記マスター画像とに基づいて前記分類グループと前記錠剤の種類との対応関係が特定できない場合、当該分類グループを未分類グループとして設定する。さらに、前記制御部510は、前記基準個別撮影画像が複数の前記マスター画像との関係で前記一致率が前記類似判定値以上である場合にも、当該基準個別撮影画像に対応する前記分類グループを未分類グループとして設定する。
【0132】
なお、前記制御部510は、前記基準個別撮影画像と前記マスター画像とに基づいて前記分類グループと前記錠剤の種類との対応関係が特定できない場合に、ユーザー操作に応じて、前記分類グループに対応する前記錠剤の種類を特定し、又は前記分類グループを前記未分類グループに分類してもよい。また、前記医薬品マスターに前記マスター画像が登録されていない場合には、当該マスター画像に基づいて前記分類グループと前記錠剤の種類とを対応付けることができない。そのため、前記ステップS35において、前記制御部510は、前記マスター画像に基づく前記分類グループの特定処理を実行せず、ユーザー操作に応じて前記分類グループに対応する前記錠剤の種類を特定し、又は前記分類グループを前記未分類グループに分類してもよい。
【0133】
<ステップS36>
ステップS36において、前記制御部510は、前記未分類グループが存在するか否かを判定する。そして、前記未分類グループが存在すると判定されると(S36:Yes)、処理がステップS361に移行する。一方、前記未分類グループが存在しないと判定されると(S36:No)、処理がステップS37に移行する。なお、前記未分類グループが存在する場合は、前記錠剤の種類に対応付けられなかった前記個別撮影画像MPが存在する場合である。
【0134】
<ステップS37>
ステップS37において、前記制御部510は、前記個別撮影画像MP各々の前記分類グループへの分類結果を表示するための分類表示処理を実行する。なお、前記ステップS37は、前記制御部510の前記表示処理部513によって実行される。
【0135】
具体的に、前記制御部510は、前記ステップS35における前記グループ特定処理の結果に基づいて、前記個別撮影画像MP各々が、当該個別撮影画像MPに対応する前記分類グループが識別可能な状態で表示される第1確認画面D3を前記表示部530に表示させる。前記第1確認画面D3は、前記個別撮影画像MP各々の前記分類グループへの分類状況を確認するために用いられる表示画面である。ここに、図14は、前記第1確認画面D3の一例を示す図である。
【0136】
以下、本実施形態では、前記鑑査対象の処方データの内容が、服用タイミングが1日3回(朝、昼、夕)、7日分であり、当該服用タイミングごとの処方薬品が、薬品名「M1カプセル」2錠、薬品名「M2錠剤」1錠、薬品名「M3錠剤」1錠、薬品名「M4錠剤」1錠である場合を具体例に挙げて各種の表示画面の例について説明する。即ち、前記処方データでは、薬品名「M1カプセル」の処方量が「42錠」、薬品名「M2錠剤」の処方量が「21錠」、薬品名「M3錠剤」の処方量が「21錠」、薬品名「M4錠剤」の処方量が「21錠」である。
【0137】
図14に示されるように、前記第1確認画面D3には、領域A31、A32、A33などが含まれている。前記領域A31には、処方ID、患者名、年齢などの基本情報が表示される。
【0138】
前記領域A32各々には、前記処方データに処方薬として含まれる錠剤の種類の薬品名(薬品識別情報)及び処方量(錠数)が表示される。例えば、図14において、薬品名「M1カプセル」に対応して最上段に表示されている前記領域A32では、錠剤の種類が「M1カプセル」であり、処方量が「42」錠である旨が示されている。また、前記領域A32では、前記錠剤の種類に対応する前記マスター画像が表示される。前記領域A32では、前記錠剤の種類に対応する前記マスター画像に限らず、前記錠剤の種類に対応する後述の表示用画像DPが表示されてもよい。なお、前記領域A32では、前記薬品名、前記処方量、又は前記マスター画像のいずれか一又は複数の表示が省略されてもよい。
【0139】
前記領域A33各々は、前記分類グループに対応する前記個別撮影画像MPが表示される領域である。具体的に、前記領域A33各々では、当該領域A33に対応する前記分類グループの範囲を示す囲繞線L1の内側の表示位置に、当該分類グループに対応する前記個別撮影画像MPが表示される。これにより、ユーザーは、前記個別撮影画像MP各々の前記分類グループを容易に把握することが可能である。なお、前記個別撮影画像MPと前記分類グループとの組み合わせが識別可能な態様であれば、前記第1確認画面D3における前記個別撮影画像MPと前記分類グループとの表示方法はこれに限らない。
【0140】
また、前記領域A33は、当該領域A33の前記分類グループについて前記ステップS35で特定された前記錠剤の種類が表示された前記領域A32に対応する表示位置に表示される。具体的に、前記領域A33は、当該領域A33の前記分類グループに対応付けられた前記錠剤の種類に対応する前記領域A32に隣接する位置に表示される。これにより、ユーザーは、前記分類グループと前記錠剤の種類との対応関係を容易に把握することが可能である。なお、前記分類グループと前記錠剤の種類との組み合わせが識別可能な態様であれば、前記第1確認画面D3における前記分類グループと前記錠剤の種類との表示方法はこれに限らない。
【0141】
また、前記第1確認画面D3には、当該第1確認画面D3に表示されている前記個別錠剤撮影画像各々の前記分類グループ各々への分類について確認した旨を入力するための操作キーK32が表示されている。そして、前記ステップS37において、前記制御部510は、ユーザーによって前記操作キーK32が操作されると、前記個別錠剤撮影画像各々の前記分類グループへの分類が完了したと判断し、処理をステップS38に移行させる。
【0142】
なお、本実施形態では、前記ステップS35における前記分類特定処理において、前記制御部510によって自動的に前記分類グループ各々に対応する前記錠剤の種類が特定される。一方、他の実施形態として、前記制御部510が、ユーザー操作に応じて、前記分類グループ各々に対応する前記錠剤の種類を特定してもよい。例えば、図15は、前記第1確認画面D3の他の例である第1確認画面D31を示す図である。図15に示されるように、前記制御部510は、前記第1確認画面D31において、前記分類グループごとに、当該分類グループに属する前記領域A33を順に表示する。また、前記第1確認画面D31には、当該第1確認画面D31に表示されている前記分類グループを対応付ける錠剤の種類を選択するための操作部K321及び操作キーK322が表示される。前記操作部K321では、ユーザー操作に応じて、選択候補である前記錠剤の種類の薬品名及び前記マスター画像などの表示及び選択が可能である。そして、前記制御部510は、前記操作部K321により前記錠剤の種類が選択され、前記操作キーK322が操作されると、前記分類グループをその選択された前記錠剤の種類に対応付ける。
【0143】
<ステップS38>
ステップS38において、前記制御部510は、前記処方データの内容と前記個別撮影画像MPとを確認するための薬品確認処理を実行する。なお、前記ステップS38は、前記制御部510の前記表示処理部513によって実行される。具体的に、前記薬品確認処理において、前記制御部510は、前記処方データに含まれる錠剤の種類と前記分類グループとの対応関係などを確認するための第2確認画面D4を前記表示部530に表示させる。ここに、図16は、前記第2確認画面D4の一例を示す図である。
【0144】
図16に示されるように、前記第2確認画面D4には、前記第1確認画面D3と同様に、前記領域A31及び前記領域A32が表示される。また、前記第2確認画面D4には、前記領域A33(図14参照)に代えて、前記処方データにおける服用タイミングの識別情報(何包目)が表示される領域A34と、当該服用タイミングに対応付けられた前記個別撮影画像MPが表示される領域A35とが含まれる。
【0145】
また、前記第2確認画面D4には、前記処方データに含まれる錠剤の種類ごとに対応する前記個別撮影画像MPを、前記分類グループの単位で確認するための操作キーK33が前記分類グループごとに対応付けて表示される。そして、前記制御部510は、前記操作キーK33が操作されると、当該操作キー33に対応する前記分類グループについて、前記処方データに含まれる錠剤の種類と前記個別撮影画像MPとについての確認が行われた旨を鑑査結果として前記記憶部520に記憶する。
【0146】
さらに、前記第2確認画面D4には、前記処方データに含まれる全ての錠剤の種類に対応する前記個別撮影画像MPを一括して確認するための操作キーK34が表示される。そして、前記制御部510は、前記操作キーK34が操作されると、前記処方データに含まれる全ての錠剤の種類と前記個別撮影画像MPとについての確認が行われた旨を鑑査結果として前記記憶部520に記憶する。
【0147】
なお、前記第2確認画面D4には、前記処方データに含まれる錠剤の種類ごとに対応する全ての前記個別撮影画像MPが表示されている。一方、他の実施形態として、前記個別撮影画像MPが一又は複数の錠剤の種類ごとに複数の第2確認画面D41に分割して表示されてもよい。例えば、図17は、前記処方データに含まれる錠剤の種類各々について、一つの錠剤の種類ごとに、当該錠剤の種類に対応する前記分類グループについて前記個別撮影画像MPを表示する第2確認画面D41の一例を示す図である。なお、前記第2確認画面D41では、一つの錠剤の種類に代えて、二つの錠剤の種類について、当該錠剤の種類に対応する前記分類グループについて前記個別撮影画像MPを表示してもよい。
【0148】
図17では、前記第2確認画面D41において、一つの薬品名「M1カプセル」の薬品に対応する前記分類グループに属する前記個別撮影画像MPが、当該分類グループの単位で一画面に表示されている。即ち、前記第2確認画面D41では、一画面に表示される前記分類グループの数が前記第2確認画面D4よりも少ないため、前記個別撮影画像MPの表示サイズは、前記第2確認画面D4よりも大きい。なお、薬品名「M1カプセル」の薬品は、一の服用タイミングに2錠含まれており、前記第2確認画面D41では、前記服用タイミングごとに対応する前記領域A35に2つの前記個別撮影画像MPが表示される。そして、前記制御部510は、前記第2確認画面D41に表示された前記操作キーK33が操作されるごとに、前記処方データに含まれる錠剤の種類ごとに対応する前記第2確認画面D41を順に表示させる。
【0149】
その後、前記制御部510は、前記第2確認画面D4又は前記第2確認画面D4において、前記処方データに含まれる全ての錠剤の種類についての確認操作が行われたと判断すると、前記分類鑑査処理を終了し、処理を前記鑑査支援処理の前記ステップS27(図10参照)に移行させる。
【0150】
<ステップS361>
一方、前記ステップS36で前記未分類グループが存在すると判定された場合、続くステップS361において、前記制御部510は、前記未分類グループに属する前記個別撮影画像MPについて、前記分類処理部512と同様に、前記個別撮影画像MPと前記基準個別撮影画像各々との一致率を導出する導出処理を実行する。ここで導出される前記一致率は、前記未分類グループに属する前記個別撮影画像MP各々について、類似する前記基準個別撮影画像の有無を判断するために利用可能である。また、他の実施形態として、前記未分類グループを含む全ての前記分類グループの前記個別撮影画像MPを対象に前記導出処理が実行されてもよい。
【0151】
<ステップS362>
ステップS362において、前記制御部510は、前記個別撮影画像MPに対応する前記分類グループをユーザー操作に応じて編集する分類編集処理を実行し、当該分類編集処理の終了後に処理を前記ステップS36に戻す。なお、前記ステップS36は、本発明に係る分類編集ステップの一例であり、前記分類編集部514によって実行される。具体的に、前記制御部510は、前記個別撮影画像MP各々に対応付けられる前記分類グループが識別可能な状態で当該個別撮影画像MP各々が表示される編集画面D32を前記表示部530に表示させる。ここに、図18は前記編集画面D32の一例を示す図である。
【0152】
図18に示されるように、前記制御部510は、前記編集画面D32において、前記第1確認画面D3と同様に、前記領域A31、前記領域A32、及び前記領域A33を表示させる。
【0153】
前記編集画面D32では、前記錠剤の種類各々に対応する前記領域A32と、前記分類グループ各々に対応する前記領域A33とが、前記ステップS35で特定された相互の対応関係が識別可能な態様で表示される。そして、前記領域A33には、当該領域A33に対応する前記分類グループに分類された前記個別撮影画像MPが表示される。
【0154】
例えば、前記編集画面D32では、前記領域A32各々における薬品名の表示色と、前記領域A33各々の範囲を示す囲繞線L1の表示色とが同じであることが考えられる。これにより、前記分類グループごとの前記領域A32に対応する前記領域A33が識別可能である。また、前記領域A32と前記領域A33との表示位置により相互の対応関係が識別可能であってもよい。
【0155】
なお、図18では、前記領域A33各々に対応する前記囲繞線L1各々が異なる表示色で示されている状態を、図示の便宜上、異なる線種で表しているが、前記編集画面D32における前記囲繞線L1各々は実線であってもよい。以下では、前記編集画面D32において、前記領域A32のうち薬品名「M2錠剤」に対応する前記領域A33を領域A331、薬品名「M3錠剤」に対応する前記領域A33を領域A332、薬品名「M4錠剤」に対応する前記領域A33を領域A333と称することがある。
【0156】
そして、前記制御部510は、前記編集画面D32において、前記ステップS361で導出された前記個別撮影画像MP各々の前記基準個別撮影画像との一致率に基づいて、当該個別撮影画像MP各々を前記領域A331~A333に配置すると共に、前記領域A331~A333各々の前記囲繞線L1の経路及び範囲を設定する。
【0157】
具体的に、前記未分類グループに分類された前記個別撮影画像MPが、前記領域A331に対応する前記分類グループと前記領域A332に対応する前記分類グループとの二つとの関係で予め設定された候補条件を満たす場合には、当該領域A331及び当該領域A332が重なる重複領域A341が形成されるように前記囲繞線L1を設定し、当該個別撮影画像MPを前記重複領域A341内に配置する。例えば、前記候補条件は、前記個別撮影画像MPと前記基準個別撮影画像との一致率が、前記類似判定値よりも低い予め設定された候補判定値以上であることである。なお、他の実施形態として、前記候補条件の充足の有無は、前記個別撮影画像MPと前記基準個別撮影画像との形状の一致率又は色の一致率のいずれか一方に基づいて判断されてもよい。
【0158】
同様に、前記未分類グループに分類された前記個別撮影画像MPが、前記領域A332に対応する前記分類グループと前記領域A333に対応する前記分類グループとの二つとの関係で前記候補条件を満たす場合には、当該領域A332及び当該領域A333が重なる重複領域A342が形成されるように前記囲繞線L1を設定し、当該個別撮影画像MPを前記重複領域A342内に配置する。
【0159】
また、前記未分類グループに分類された前記個別撮影画像MPが、前記領域A331に対応する前記分類グループと前記領域A333に対応する前記分類グループとの二つとの関係で前記候補条件を満たす場合には、当該領域A331及び当該領域A333が重なる重複領域A343が形成されるように前記囲繞線L1を設定し、当該個別撮影画像MPを前記重複領域A343内に配置する。
【0160】
さらに、前記未分類グループに分類された前記個別撮影画像MPが、前記領域A331~A333に対応する全ての前記分類グループとの関係で前記候補条件を満たす場合には、当該領域A331~A333が重なる重複領域A344が形成されるように前記囲繞線L1を設定し、当該個別撮影画像MPを前記重複領域A344内に配置する。
【0161】
なお、前記候補条件の判定基準である前記候補判定値は、前記類似条件の判定基準である前記類似判定値よりも低く、前記候補条件は前記類似条件に比べて緩和された条件である。そのため、前記ステップS32で複数の前記基準個別撮影画像との関係で前記類似条件を満たすと判定され、前記ステップS35で前記未分類グループに分類された前記個別撮影画像MPは、複数の前記分類グループとの関係で前記候補条件を満たすことになり、前記重複領域A341~A344のいずれかに配置されることになる。
【0162】
ところで、前記錠剤載置部441において錠剤が立っている場合には、当該錠剤に対応する前記個別撮影画像MPについて、当該個別撮影画像MPと前記ステップS35で特定された錠剤の種類各々に対応する前記基準個別撮影画像との一致率が前記候補判定値未満になり、全ての前記分類グループとの間で前記候補条件を満たさないと判定されることがある。そのため、前記個別撮影画像MPが、前記ステップS35で特定された錠剤の種類各々に対応する前記分類グループとの間で前記候補条件を満たさない場合には、当該個別撮影画像MPが全ての前記領域A33から離間した表示位置に表示される。
【0163】
このように、前記編集画面D32では、前記未分類グループに分類された前記個別撮影画像MPが類似する前記基準個別撮影画像に対応する前記分類グループが示されるため、ユーザーは、当該個別撮影画像MPの分類先の候補を容易に把握することが可能である。
【0164】
そして、前記制御部510は、前記編集画面D32において、前記個別撮影画像MPの表示位置を変更するための前記操作部540へのユーザー操作に応じて、当該個別撮影画像MPに対応する前記分類グループを編集する。具体的に、前記制御部510は、前記操作部540の前記タッチパネル又は前記マウスを用いて、前記個別撮影画像MPを任意の前記分類グループに対応する前記領域A33のうち他の前記領域A33と重複していない領域の表示位置に移動するためのドラッグアンドドロップの操作を、当該個別撮影画像MPを当該領域A33に対応する前記分類グループへの分類操作として受け付ける。そして、前記制御部510は、前記個別撮影画像MPを移動先の前記領域A33の前記囲繞線L1の範囲内に移動させる。例えば、前記制御部510は、前記重複領域A344に表示されている前記個別撮影画像MPを、前記領域A331のうち前記重複領域A341、前記重複領域A343、及び前記重複領域A344を除く領域に移動するための操作が行われた場合に、当該個別撮影画像MPを前記領域A331に対応する「M2錠剤」の分類グループに分類する。
【0165】
なお、前記制御部510は、前記未分類グループに対応する前記個別撮影画像MPのみについて、当該個別撮影画像MPに対応する前記分類グループの編集が可能である。また、他の実施形態として、前記制御部510は、全ての前記個別撮影画像MPについて、当該個別撮影画像MPに対応する前記分類グループの編集が可能であってもよい。
【0166】
ところで、前記制御部510は、前記編集画面D32において、前記個別撮影画像MPのうち前記分類グループの設定対象として選択された前記個別撮影画像MPに対応する前記服用タイミングの情報などを含む詳細画面D311をポップアップ表示することが可能である。ここに、図19は、前記詳細画面D311の一例を示す図である。
【0167】
図19に示されるように、前記詳細画面D311では、前記個別撮影画像MPの前記服用タイミングに対応付けられた前記服用タイミング識別情報に基づいて、当該個別撮影画像MPに対応する前記処方データの服用タイミングの情報(3包目、朝)が表示される。また、前記詳細画面D311には、前記個別撮影画像MPの前記服用タイミングに対応付けられた前記第1撮影画像及び前記第3撮影画像各々から取得された前記錠剤画像が表示される。これにより、ユーザーは、前記設定対象として選択された前記個別撮影画像MPについての情報を把握しながら当該個別撮影画像MPの前記分類グループへの分類操作を行うことが可能である。なお、前記詳細画面D311には、前記服用タイミングの情報と、前記錠剤画像のいずれか一方のみが表示されてもよい。
【0168】
その後、図20に示されるように、前記編集画面D32におけるユーザー操作により、前記未分類グループに属する全ての前記個別撮影画像MPが、前記重複領域A341~A344からいずれか一つの前記領域A33に移動されると、前記制御部510は、前記分類グループの編集を終了するための操作キーK32を前記編集画面D32に表示する。そして、前記制御部510は、前記操作キーK32が操作されると、前記編集画面D32における前記個別撮影画像MP各々の表示位置に基づいて、当該個別撮影画像MP各々を当該表示位置に対応する前記分類グループに分類し、前記ステップS362における前記分類編集処理を終了し、処理を前記ステップS36に戻す。
【0169】
以上説明したように、前記鑑査支援システム1において、ユーザーは、前記処方データに基づく前記分包処理で分包される複数の薬包451に収容された錠剤について、前記分類グループごとに適否を判断することが可能であり、鑑査業務を効率的に行うことが可能である。特に、前記鑑査支援システム1では、前記個別撮影画像MPの前記分類データへの分類が、前記マスター画像ではなく前記個別撮影画像MPの中から選択された前記基準個別撮影画像を用いて行われる。従って、同じ環境で撮影された前記個別撮影画像MP及び前記基準個別撮影画像に基づいて当該個別撮影画像MPの前記分類グループへの分類が行われるため、当該分類の精度が高く、前記鑑査業務を効率的に行うことが可能である。また、前記鑑査支援処理では、前記錠剤の表面又は裏面に刻印又は印刷される文字などを認識する文字認識処理を行う必要もない。
【0170】
また、前記ステップS31~S34では、前記第1撮影画像から取得された前記錠剤画像が前記個別撮影画像MPとして用いられる場合を例に挙げて説明した。一方、他の実施形態として、前記第3撮影画像から取得された前記錠剤画像が前記個別撮影画像MPとして用いられてもよい。さらに、前記ステップS31~S34の各処理が、前記服用タイミングに対応する前記第1撮影画像及び前記第3撮影画像のそれぞれから取得された前記錠剤画像に基づいて実行されてもよい。この場合、前記服用タイミングに対応する前記第1撮影画像から取得された前記錠剤画像と前記第3撮影画像から取得された前記錠剤画像とのうち、前記個別撮影画像MPが分類された分類グループの数と前記処方データに処方薬として含まれる錠剤の種類の数とが近い方の分類結果が採用されることが考えられる。
【0171】
さらに、前記ステップS35において前記未分類グループに対応付けられた前記個別撮影画像MPについては、当該個別撮影画像MPに対応する前記服用タイミングの前記第3撮影画像から取得された前記錠剤画像を前記個別撮影画像MPとして前記ステップS33以後の処理が再実行されてもよい。
【0172】
なお、前記ステップS31~S34では、前記個別撮影画像MPが前記服用タイミングの順に処理対象として選択される場合を例に挙げて説明した。一方、他の実施形態として、前記ステップS31~S34に代えて、前記ステップS33で前記分類グループが新たに作成された場合に、当該分類グループに対応する前記基準個別撮影画像と前記類似条件を満たす前記個別撮影画像MPが優先して処理対象として選択されてもよい。
【0173】
[分類編集処理の他の例]
ここで、前記ステップS362における前記分類編集処理の他の例について説明する。
【0174】
前記制御部510は、前記ステップS362において、前記編集画面D32に代えて前記編集画面D5を表示する。ここに、図21は、前記編集画面D32の他の例である編集画面D5の一例を示す図である。前記編集画面D5は、前記第1確認画面D3と同様の表示画面であり、当該第1確認画面D3に加えて、前記未分類グループに対応する領域A51が表示される。前記領域A51には、前記未分類グループに対応付けられた前記個別撮影画像MPが表示される。
【0175】
そして、前記制御部510は、前記編集画面D5において、前記未分類グループに対応付けられた前記個別撮影画像MPを選択するためのユーザー操作が行われると、詳細画面D51及び詳細画面D61をポップアップ表示する。ここに、図22は、前記詳細画面D51及び前記詳細画面D61の一例を示す図である。
【0176】
前記詳細画面D51には、前記個別撮影画像MPの前記服用タイミングに対応付けられた前記服用タイミング識別情報に基づいて、前記個別撮影画像MPに対応する前記処方データの服用タイミングの情報(7包目、朝)が表示される。また、前記詳細画面D51には、前記個別撮影画像MPの前記服用タイミングに対応付けられた前記第1撮影画像及び前記第3撮影画像から取得された前記錠剤画像が表示される。なお、前記詳細画面D51には、前記服用タイミングの情報と、前記錠剤画像とのいずれか一方のみが表示されてもよい。
【0177】
前記詳細画面D61には、前記個別撮影画像MPについて、前記処方データ及び前記服用タイミング識別情報に基づいて、前記処方データの処方ID、患者名などの情報と共に、前記個別撮影画像MPに対応する前記服用タイミングの情報(7包目、朝)が表示される。また、前記詳細画面D61には、前記服用タイミングに服用される錠剤の種類の一覧と、当該錠剤の種類ごとに対応する前記マスター画像と、当該錠剤の種類に対応付けられている前記個別撮影画像MPとが表示される。ここで、前記錠剤の種類のうち当該錠剤の種類に前記個別撮影画像MPが対応付けられていない場合には、当該錠剤の種類に対応する領域A61が例えば赤色などの配色で識別可能に表示される。
【0178】
そして、前記制御部510は、前記編集画面D5において、前記個別撮影画像MPを前記詳細画面D61の前記領域A61に移動させる操作が行われた場合に、当該個別撮影画像MPを前記領域A61に対応する前記錠剤の種類に対応付ける。即ち、前記制御部510は、前記個別撮影画像MPを前記錠剤の種類に対応する前記分類グループに分類する。なお、前記編集画面D5においても、前記編集画面D32と同様に、全ての前記個別撮影画像MPがいずれかの前記分類グループに分類されると、前記操作キーK32が表示され、当該操作キーK32の操作に応じて前記分類編集処理が終了する。
【0179】
このように、前記制御部510は、前記編集画面D5を用いる場合でも、前記個別撮影画像MPを前記分類グループの表示位置に移動するユーザー操作に応じて、当該個別撮影画像MPを当該表示位置に対応する前記分類グループに分類することが可能である。
【0180】
なお、前記制御部510は、前記未分類グループに属する前記個別撮影画像MPの数が予め設定された下限値以上である場合には、前記ステップS362における前記分類編集処理において前記編集画面D32を用い、前記未分類グループに属する前記個別撮影画像MPの数が前記下限値未満である場合には、前記ステップS362における前記分類編集処理において前記編集画面D5を用いてもよい。
【0181】
[鑑査結果の表示例]
ところで、前記制御部510は、前記自動数量鑑査処理及び前記分類鑑査処理が実行された後、処理対象の前記処方データについての鑑査結果を示す鑑査結果画面D7を表示することが考えられる。なお、前記鑑査結果画面D7は、ユーザーによる任意の前記処方データについての鑑査結果表示要求に応じて任意のタイミングで表示されてもよい。なお、前記鑑査結果画面D7は、前記処方データに対応付けて前記記憶部520に記憶されている前記自動数量鑑査処理及び前記分類鑑査処理の結果に基づいて表示される。ここに、図23は、前記鑑査結果画面D7の一例を示す図である。
【0182】
図23に示されるように、前記鑑査結果画面D7では、前記処方データに処方薬品として含まれる錠剤の種類を示す薬品名と、当該錠剤の服用タイミングあたりの錠数とが当該鑑査結果画面D7における第一方向に沿って表示される。また、前記鑑査結果画面D7では、前記第一方向に垂直な第二方向に沿って、前記服用タイミングごとに対応する鑑査結果が表示される。
【0183】
前記鑑査結果画面D7では、鑑査結果として、前記服用タイミングごとに対応する服用タイミング単位の前記第1撮影画像に相当する画像P11と、当該画像P11に含まれる錠剤の錠数と、当該錠数についての前記自動数量鑑査の結果(OK又はエラー等)とが表示される。また、前記鑑査結果画面D7では、前記服用タイミング各々に対応する錠剤の種類ごとに、当該錠剤種類に対応する前記個別撮影画像MPが表示される。なお、一の服用タイミングに対応する一の錠剤の種類の錠数が複数である場合には、当該服用タイミングに対応して複数の前記個別撮影画像MPが表示される。
【0184】
さらに、前記制御部510は、前記鑑査結果画面D7において、任意の前記個別撮影画像MP又は薬品名などの表示領域が選択されると、当該表示領域に対応する前記錠剤の種類について前記医薬品マスターに予め登録された前記マスター画像を含む補助画面D71(図23参照)をポップアップで表示する。これにより、ユーザーは、前記個別撮影画像MPと前記マスター画像とを容易に比較することが可能である。
【0185】
[他の実施形態]
以下で説明する本発明の他の実施形態について、前記実施形態で説明した前記鑑査支援システム1と同様の構成要素及び処理手順については説明を省略する。また、本発明は、前記実施形態及び当該他の実施形態で説明される構成要素又は処理手順の一部を取捨選択して構成される鑑査支援システム、鑑査支援方法、及び鑑査支援プログラムの発明として捉えてもよい。
【0186】
なお、前記実施形態では、前記基準個別撮影画像と前記マスター画像との一致率に基づいて、当該基準個別撮影画像の分類グループに属する前記個別撮影画像MP各々に対応する錠剤の種類を特定することにより、前記薬品払出装置4で払い出される錠剤の適否が判定可能な構成について説明した。
【0187】
一方、前記鑑査支援システム1において、前記個別撮影画像MP各々と前記マスター画像との一致率に基づいて、当該個別撮影画像MP各々に対応する錠剤の種類を特定することにより、前記薬品払出装置4で払い出される錠剤の適否が判定されてもよい。例えば、前記制御部510は、前記分類鑑査処理(図13参照)の前記ステップS31~S35に代えて、前記個別撮影画像MP各々に対応する錠剤の種類を、前記基準個別撮影画像ではなく、前記処方データに含まれる錠剤の種類各々に対応付けて前記医薬品マスターに登録されている前記マスター画像に基づいて特定する錠剤特定処理を実行する。前記錠剤特定処理は、前記制御部510の分類特定部515によって実行される。
【0188】
前記錠剤特定処理において、前記制御部510は、前記個別撮影画像MPと前記マスター画像との一致率が前記類似判定値以上である場合に、当該個別撮影画像MPに対応する錠剤の種類が、当該マスター画像に対応する錠剤の種類であると特定する。一方、前記制御部510は、前記個別撮影画像MPとの関係で前記一致率が前記類似判定値以上である前記マスター画像が存在しない場合、又は、前記制御部510は、前記個別撮影画像MPとの関係で前記一致率が前記類似判定値以上である前記マスター画像が複数存在する場合には、当該個別撮影画像MPを前記未分類グループに分類する。なお、前記錠剤特定処理では、前記個別撮影画像MPが前記分類グループに分類されなくてもよいが、以下では、説明の便宜上、同じ錠剤の種類に対応すると特定された複数の前記個別撮影画像MPが、当該錠剤の種類に対応する前記分類グループに分類されているものとして扱うことがある。
【0189】
以下に説明する各構成は、前記鑑査支援システム1において、前述したように、前記基準個別撮影画像と前記マスター画像とが照合される場合、及び、前記個別撮影画像MP各々と前記マスター画像とが照合される場合のいずれの場合にも適用可能である。なお、以下では、処理対象の前記処方データの内容が、図24等に示されるように、服用時期が1日3回(朝食後、昼食後、夕食後)、7日分であり、処方薬として「M1カプセル」、「M2錠剤」、「M3錠剤」、「M4錠剤」を含むものである場合を例に挙げて説明することがある。前記処方データにおいて、「M1カプセル」の錠数は、朝食後2錠、昼食後2錠、夕食後2錠であり、「M2錠剤」の錠数は、朝食後1錠、昼食後1錠、夕食後0錠であり、「M3錠剤」の錠数は、朝食後1錠、昼食後0錠、夕食後1錠であり、「M4錠剤」の錠数は、朝食後0錠、昼食後1錠、夕食後0錠であるとする。
【0190】
[確認画面の他の表示例]
図24は、前記ステップS38で表示される前記第2確認画面D4(図16参照)の他の例である確認画面D8を示す図である。図24に示されるように、前記制御部510は、前記確認画面D8に、表示領域A81~A86及び操作キーK81~K87等を表示させる。なお、係る表示処理は、前記制御部510の表示処理部513によって実行される。
【0191】
前記表示領域A81には、処理対象の前記処方データについて、処方ID、用法、患者名、総包数などの基本情報が表示される。前記表示領域A82には、前記自動数量鑑査処理及び前記分類鑑査処理などの鑑査結果が表示される。例えば、図24では、前記自動数量鑑査処理及び前記分類鑑査処理の鑑査結果が共に正常である場合に対応する「個数OK」の情報が前記表示領域A82に表示されている。なお、前記自動数量鑑査処理の鑑査結果が正常でなく、前記分類鑑査処理の鑑査結果が正常である場合には、前記表示領域A82に「個数NG」の情報が表示され、前記自動数量鑑査処理の鑑査結果が正常であり、前記分類鑑査処理の鑑査結果が正常でない場合には、前記表示領域A82に「識別確認」の情報が表示される。また、前記自動数量鑑査処理及び前記分類鑑査処理の鑑査結果が共に正常でない場合には、前記表示領域A82に「個数NG/識別確認」の情報が表示される。前記分類鑑査処理の鑑査結果が正常でない場合とは、例えば前記分類鑑査処理において前記未分類グループが設定された場合である。
【0192】
前記表示領域A83には、前記処方データに含まれる錠剤の種類各々について、薬品名、パターン、区分、及び画像の情報が、前記確認画面D8における前記第一方向(上下方向)に並べてリスト表示される。なお、前記表示領域A83における前記錠剤の種類各々の情報の表示順序は、前記表示領域A86における錠剤の種類各々に対応する錠剤画像の表示順と異なっていてもよいが、同じになるように配列されてもよい。また、前記確認画面D8の上下方向において、前記表示領域A83における前記錠剤の種類各々の情報の表示位置と、前記表示領域A86における前記錠剤の種類各々の錠剤画像の表示位置とが同じであってもよい。即ち、同一の錠剤の種類について、前記表示領域A83及び前記表示領域A86における当該錠剤の種類の情報及び錠剤画像が左右に並べて表示されてもよい。前記パターンは、前記用法に対応する服用時期ごとの錠数を示すものであり、例えば、図24に示される例では、前記用法が「分3毎食後」であるため、前記パターンには、朝食後、昼食後、夕食後のそれぞれの服用時期ごとの錠数が示される。具体的に、薬品名が「M3錠剤」の薬品については、前記パターンが「101」であり、朝食後は1錠、昼食後はなし(0錠)、夕食後は1錠であることがわかる。前記区分は、剤形を示すものであり、例えばカプセル錠は「C」、平錠は「T」などで表現される。
【0193】
また、前記表示領域A83に表示される画像は、前記薬品データベース又は前記医薬品マスター等において錠剤の種類ごとに対応付けて登録されており、当該錠剤の種類に対応する錠剤の表面及び裏面などの異なる面が予め撮影された外観画像である。ここで、前記外観画像は、前記錠剤の種類に対応する前記マスター画像であることも考えられるが、当該マスター画像は、前記個別薬品画像MPとの照合に用いられる画像であるため、当該照合の精度を高めるためには、当該個別撮影画像MPと同一又は同等の撮影環境で撮影されたものであることが考えられる。そのため、前記マスター画像は、薬剤師などのユーザーが参照する場合に見やすい画像であるとは限らない。
【0194】
これに対し、前記鑑査支援システム1では、前記薬品データベース又は前記医薬品マスター等に、前記マスター画像とは異なる表示用画像DPが錠剤の種類ごとに対応付けて登録される。前記表示用画像DPは、ユーザーが参照する際に見やすい画像となるように、前記マスター画像とは異なる撮影環境で撮影されたものである。例えば、前記撮影環境は、薬剤師などのユーザーが、前記薬包451で包装された薬品を目視する調剤室などの環境である。なお、前記表示用画像DPは、錠剤の添付文書などに記載された錠剤の外観画像であってもよい。そして、前記制御部510は、前記表示領域A83に表示される錠剤の画像として、前記処方データに含まれる前記錠剤の種類に対応する前記マスター画像ではなく、前記処方データに含まれる前記錠剤の種類に対応する前記表示用画像DPを表示させる。このように、前記鑑査支援システム1では、前記マスター画像及び前記表示用画像DPを、前記個別撮影画像MPの照合用とユーザーの参照用とに使い分けることが可能である。従って、前記表示用画像DPとしてユーザーが見やすい画像が前記医薬品マスター等に登録されることにより、ユーザーが、前記表示領域A83において、見やすい前記表示用画像DPを参照して容易に錠剤の種類を把握することが可能になる。また、前記個別撮影画像MPに対応する錠剤の種類を特定するための照合には、当該個別撮影画像MPと同一又は同等の撮影環境で撮影された前記マスター画像を用いることで、当該錠剤の種類の特定精度を高めることが可能となる。
【0195】
また、本実施形態では、前記表示領域A83に、前記処方データに含まれる前記錠剤の種類に対応する前記表示用画像DPなどの情報が表示される場合について説明する。一方、他の実施形態として、前記表示領域A83に、前記分類鑑査処理によって特定された錠剤の種類に対応する前記表示用画像DPなどの情報が表示されてもよい。例えば、前記分類鑑査処理において、前記個別撮影画像MPを前記処方データに含まれる前記錠剤の種類に対応する前記マスター画像と照合するだけでなく、前記医薬品マスター等に登録されている他の錠剤の種類に対応する前記マスター画像とも照合し、当該個別撮影画像MPに対応する錠剤の種別が特定されることが考えられる。この場合、前記制御部510は、前記表示領域A83に、前記分類鑑査処理により特定された錠剤の種類に対応する前記表示用画像DPを表示させることが考えられる。また、前記制御部510は、前記表示領域A83に、前記処方データに含まれる前記錠剤の種類に対応する前記表示用画像DPと、前記分類鑑査処理により特定された錠剤の種類に対応する前記表示用画像DPとを共に表示させてもよい。例えば、前記制御部510は、前記処方データに含まれる前記錠剤の種類に対応する前記表示用画像DPを表示させた上で、前記分類鑑査処理により、前記処方データに含まれる前記錠剤の種類とは異なる錠剤の種類が前記個別撮影画像に対応する錠剤の種類として特定された場合に、当該錠剤の種類に対応する前記表示用画像DPを表示させる。
【0196】
前記表示領域A84~A86では、前記第一方向(図24における上下方向)に垂直な前記第二方向(図24における左右方向)に沿って、前記服用タイミングごとに対応する鑑査結果が表示される。なお、前記制御部510は、前記第一方向又は前記第二方向のスクロール操作に応じて前記表示領域A84~A86における前記服用タイミングの鑑査結果の表示をスクロールさせる。
【0197】
前記表示領域A84には、前記服用タイミング(分包単位)ごとに対応する前記薬包451が何包目の薬包であるかを示す「1包目」、「2包目」、「3包目」などの情報と、当該薬包451各々に対応する服用時期を示す朝食後、昼食後、夕食後などの情報と、前記自動数量鑑査処理で取得された前記薬包451各々に対応する錠剤の錠数とが表示される。なお、前記表示領域A84では、前記自動数量鑑査処理の鑑査結果が正常でない前記薬包451については、前記錠剤の錠数と共に、当該鑑査結果が正常でない旨を示す文字又は画像などが表示される。
【0198】
前記表示領域A85には、前記服用タイミングごとに対応する前記薬包451に収容される一又は複数の錠剤の画像を含む画像として前記第1撮影画像が表示される。なお、前記表示領域A85に前記第2撮影画像又は前記第3撮影画像が表示されてもよい。
【0199】
前記操作キーK81は、前記第1撮影画像が表示される前記表示領域A85の表示の有無を切り替えるためのユーザー操作を受け付ける操作部である。前記制御部510は、前記操作キーK81の操作に応じて、図24及び図25に示されるように、前記表示領域A85の表示の有無を切り替える。なお、前記制御部510は、前記確認画面D8の表示時における前記表示領域A85の表示有無を、ユーザー操作に応じて予め初期設定として設定可能である。
【0200】
また、前記薬品払出装置4では、一の前記服用タイミングについて、前記分類鑑査処理における錠剤の種類の特定精度が低くなりやすいことを判断するために予め設定された分割条件を満たす複数種類の錠剤が含まれる場合に、当該複数の錠剤が異なる複数の前記錠剤載置部441に分けて載置されることが考えられる。例えば、前記分割条件は、一の前記服用タイミングに含まれる複数の錠剤の種類に対応する前記マスター画像の一致率が所定値以上であることである。そして、前記制御部510は、一の前記服用タイミングについて用いられる前記錠剤載置部441ごとに前記第1撮影画像を撮影し、当該第1撮影画像各々を当該服用タイミングに対応付けて前記記憶部520に記憶させ、その複数の前記第1撮影画像を前記表示領域A85に表示させる。また、前記制御部510は、一の前記服用タイミングについて前記錠剤載置部441各々に対応する前記第1撮影画像が取得されている場合には、前記分類鑑査処理において、前記第1撮影画像ごとに当該第1撮影画像に対応する錠剤の種類を当該第1撮影画像に対応する前記錠剤載置部441に載置された前記錠剤の種類の中から特定するための処理を実行する。これにより、例えば一の前記服用タイミングに対応する前記薬包451で包装される錠剤に、外観が似ている異なる種類の錠剤が含まれていても前記分類鑑査処理における錠剤の種類の特定精度を高めることが可能である。なお、このように同一の服用タイミングに対応する複数の前記錠剤載置部441に分けて錠剤が載置される場合でも、当該錠剤各々は、当該服用タイミングに対応する一つの前記薬包451に収容される。
【0201】
前記表示領域A86には、前記服用タイミング各々に対応する前記第1撮影画像及び前記第3撮影画像各々からトリミングされた前記錠剤画像が錠剤の上面及び下面の画像として表示される。具体的に、前記表示領域A86では、前記第1撮影画像から抽出された前記錠剤画像が錠剤の上面の画像として表示され、前記第3撮影画像から抽出された前記錠剤画像が錠剤の下面の画像として表示される。即ち、前記表示領域A86に表示される上面及び下面の前記錠剤画像のいずれかは、前記分類鑑査処理で用いられる前記個別撮影画像MPである。本実施形態では、前記第1撮影画像から抽出された前記錠剤画像が前記個別撮影画像MPとして用いられるため、前記表示領域A86において左側に表示される上面の前記錠剤画像が前記個別撮影画像MPである。
【0202】
なお、前記表示領域A86では、前記個別撮影画像MPのみが表示されてもよい。また、前記制御部510が、ユーザー操作に応じて、前記上面及び前記下面の前記錠剤画像の表示と、前記個別撮影画像MPのみの表示とを切り替えてもよい。さらに、前記制御部510は、前記第1撮影画像及び前記第3撮影画像からトリミングされた同一の錠剤の前記錠剤画像の一方に文字、記号、又は線などの情報が含まれる場合に、当該情報が含まれる前記錠剤画像を予め定められた一方の面(例えば上面)の画像として前記表示領域A86に表示させ、他方の前記錠剤画像を他方の面(例えば下面)の画像として前記表示領域A86に表示させてもよい。
【0203】
また、前記表示領域A86では、前記錠剤画像が面積の大きい順で上から順に並べて表示される。例えば、図24に示される例では、「M1カプセル」が最も大きく、その後、「M2錠剤」、「M3錠剤」、「M4錠剤」の順で面積が大きい。なお、前記表示領域A86における錠剤の種類の表示順と前記表示領域A83における錠剤の種類の表示順とは同一であってもよいが同一でなくてもよい。また、前記分類鑑査処理で特定された一の錠剤の種類について、一の前記服用タイミングに対応する錠数が複数である場合、前記表示領域A86では、その錠数と同じ数の前記錠剤画像が複数行に亘って表示される。
【0204】
前記制御部510は、前記表示領域A86に、同一種類の複数の前記錠剤画像、又は異なる種類の複数の前記錠剤画像を同時に表示可能である。また、前記制御部510は、前記表示領域A86において上下方向に並べられる前記錠剤画像の数が多い場合には、当該表示領域A86の上下方向のスクロール操作によって表示対象の前記錠剤画像を変更すること、又は、当該表示領域A86に表示される前記錠剤画像のサイズを縮小することが考えられる。これに対し、前記制御部510は、前記表示領域A86において上下方向に並べられる前記錠剤画像の数が予め設定された数以上である場合に、前記表示領域A85を非表示にして前記表示領域A86の表示範囲を拡大し、前記表示領域A86において上下方向に並べられる前記錠剤画像の数が予め設定された数未満である場合に、前記表示領域A85を表示させてもよい。
【0205】
また、前記制御部510は、前記確認画面D8が表示された状態で、予め設定された特定のユーザー操作が行われた場合に、前記表示領域A86における前記錠剤画像各々の配列を第1配列(図24参照)と第2配列(図26参照)との間で切り替える。例えば、前記特定のユーザー操作は、前記確認画面D8の余白部分の操作、又は、前記確認画面D8に表示される特定の操作部(不図示)の操作などである。前記第1配列では、図24に示されるように、前記錠剤画像各々が、前記確認画面D8において前記第一方向(上下方向)に連続して並べられる。前記第2配列では、図26に示されるように、前記錠剤画像各々が、前記確認画面D8における前記第一方向において当該錠剤画像の分類ごとに対応する位置に表示される。即ち、前記第2配列では、同種の錠剤に対応する前記錠剤画像が前記第一方向において同じ位置に表示され、同種の錠剤に対応する前記錠剤画像は前記第二方向(左右方向)に並ぶことになる。
【0206】
例えば、図26に示されるように、1包目の前記薬包451に対応する前記表示領域A86では、「M1カプセル」、「M2錠剤」、「M3錠剤」の順で前記錠剤画像が連続して表示されている。一方、2包目の前記薬包451に対応する前記表示領域A86では、「M1カプセル」、「M2錠剤」の前記錠剤画像が連続して表示されるが、「M3錠剤」の表示位置が空白となっており、間隔を設けて「M4錠剤」の前記錠剤画像が表示されている。同様に、3包目の前記薬包451に対応する前記表示領域A86では、「M1カプセル」の前記錠剤画像と「M3錠剤」の前記錠剤画像との間が空白となっている。これにより、ユーザーは、前記錠剤の種類ごとに、当該錠剤の分包内容が当該錠剤の種類に対応する前記パターンと一致しているか等を容易に把握することが可能である。
【0207】
前記操作キーK82は、前記表示領域A86に表示される前記錠剤画像の表示サイズを切り替えるためのユーザー操作を受け付ける操作部である。例えば、前記制御部510は、前記操作キーK82の操作に応じて、図26及び図27に示されるように、前記表示領域A86における前記錠剤画像の表示モードを第1表示モードと第2表示モードとの間で切り替える。図26では、前記表示領域A86の表示モードが前記第1表示モードである旨を示す「実寸表示」が前記操作キーK82に表示されており、図27では、前記表示領域A86の表示モードが前記第2表示モードである旨を示す「拡大表示」が前記操作キーK82に表示されている。
【0208】
前記第1表示モードは、図26に示されるように、前記錠剤画像各々が、前記第1撮影画像における錠剤各々の前記錠剤画像のサイズの相対関係が維持される表示モードである。即ち、前記第1表示モードでは、全ての錠剤について、前記表示領域A85に表示される前記第1撮影画像における錠剤の画像のサイズと前記表示領域A86に表示される前記錠剤画像のサイズとの比率が同じである。具体的に、前記第1表示モードでは、前記錠剤画像各々が同じ拡大率で拡大されて表示され、又は、前記錠剤画像各々が拡大されることなく表示される。そのため、ユーザーは、前記表示領域A86において、前記錠剤画像各々のサイズの相対関係が維持される態様で表示される複数の前記錠剤画像を見て、当該錠剤画像各々の実際のサイズの差を容易に把握することが可能である。
【0209】
前記第2表示モードは、図27に示されるように、前記錠剤画像各々が、前記錠剤画像ごと又は前記錠剤の種類ごとに対応する個別の拡大率で前記個別撮影画像が拡大される態様で複数の前記個別撮影画像が同時に表示される表示モードである。即ち、前記第2表示モードでは、前記表示領域A85に表示される前記第1撮影画像における錠剤各々の画像のサイズと前記表示領域A86に表示される前記錠剤画像のサイズとの比率が錠剤毎に異なることがある。具体的に、前記制御部510は、前記錠剤画像のサイズに基づいて当該錠剤画像の拡大率を決定する。例えば、前記制御部510は、前記錠剤画像が前記表示領域A86における前記錠剤画像の表示領域MA内で表示可能な最大サイズとなる拡大率で当該錠剤画像を拡大する。また、他の実施形態として、前記医薬品マスターに前記錠剤の種類ごとに対応する拡大率が登録されており、前記制御部510が、前記錠剤画像に対応する錠剤の種類として前記分類鑑査処理で特定された錠剤の種類と前記医薬品マスターにおいて錠剤の種類ごとに登録されている拡大率とに基づいて当該錠剤画像の拡大率を決定してもよい。これにより、前記第2表示モードでは、前記表示領域A86において、前記錠剤画像各々のサイズの相対関係が維持されないことがあるが、前記錠剤画像各々をできるだけ大きく表示すること等が可能となるため、ユーザーは、前記錠剤画像を見て当該錠剤画像の種類などを容易に把握することが可能である。また、前記第2表示モードでは、複数の前記錠剤画像が個別の拡大率で拡大されるが、結果的に複数の前記錠剤画像が同一の拡大率で拡大されることがあってもよい。
【0210】
なお、前記制御部510は、前記確認画面D8の表示時における前記表示領域A86における前記錠剤画像の表示モードを、ユーザー操作に応じて予め初期設定として設定可能である。また、前記制御部510は、前記表示領域A83に表示される前記表示用画像DPのサイズを前記錠剤画像の表示モードに応じて同様に変更してもよい。
【0211】
前記操作キーK83は、前記確認画面D8に表示された前記鑑査結果を承認するためのユーザー操作を受け付ける操作部である。前記制御部510は、前記操作キーK83の操作に応じて、前記確認画面D8に表示されている前記鑑査結果について承認が行われた旨を処理対象となっている前記処方データに対応付けて前記記憶部520に記憶する。
【0212】
前記操作キーK84は、前記確認画面D8に表示された前記鑑査結果を前記服用タイミングの単位で承認するためのユーザー操作を受け付ける操作部である。前記制御部510は、前記操作キーK84が操作されると、図28に示されるように、前記服用タイミング各々に対応する操作キーK841を表示させる。そして、前記操作キーK841各々の操作に応じて、当該操作キーK841に対応する前記服用タイミングについて前記鑑査結果の承認が行われた旨を前記記憶部520に記憶する。
【0213】
前記操作キーK85は、前記確認画面D8に表示された前記鑑査結果について、前記個別撮影画像MPに対応する錠剤の種類又は前記薬包451の修正を開始するためのユーザー操作を受け付ける操作部である。前記制御部510は、前記確認画面D8において特定の錠剤の種類が選択された後、前記操作キーK85が操作された場合に、当該錠剤の種類について前記個別撮影画像MPに対応する錠剤の種類又は前記薬包451を修正するための操作画面D9(図32参照)を表示させる。
【0214】
前記操作キーK86は、前記確認画面D8に表示された前記鑑査結果に対応する前記処方データについて、前記薬品払出装置4における分包処理の一部又は全部を再実行させるためのユーザー操作を受け付ける操作部である。
【0215】
前記操作キーK87は、前記確認画面D8に表示された前記鑑査結果について、前記錠剤の種類ごとに対応する前記個別撮影画像MPが表示される操作画面D9(図29図30参照)の表示を開始するためのユーザー操作を受け付ける操作部である。前記制御部510は、前記操作キーK87が操作されると、図29又は図30に示される操作画面D9を前記表示部530に表示させる。
【0216】
具体的に、前記制御部510は、前記未分類グループに属する前記個別撮影画像MPが存在する場合には、図29に示されるように、当該未分類グループに属する前記個別撮影画像MPを特定の分類グループに分類するための操作画面D9を前記表示部530に表示させる。一方、前記未分類グループに属する前記個別撮影画像MPが存在しない場合には、図30に示されるように、前記処方データに含まれる錠剤の種類ごとに、当該錠剤の種類に対応する前記個別撮影画像MPが表示される前記操作画面D9を順に前記表示部530に表示させる。
【0217】
図29に示されるように、前記未分類グループに属する前記個別撮影画像MPが前記操作画面D9に表示される際、前記制御部510は、前記操作画面D9に、表示領域A91~A93及び操作キーK91~K97などを表示させる。前記表示領域A91には、未分類グループに関する情報が表示される。例えば、図29に示される例では、前記表示領域A91において、前記未分類グループに対応する薬品であることを示す「判定不可薬品」が薬品名として表示され、その錠数が「2」錠である旨が表示されている。
【0218】
図30に示されるように、前記処方データに含まれる錠剤の種類に対応する前記個別撮影画像MPが前記操作画面D9に表示される際、前記制御部510は、前記表示領域A91の表示を省略し、前記表示領域A92~A93及び前記操作キーK91~K95、K98などを前記操作画面D9に表示させる。前記制御部510は、前記表示領域A92において、前記表示領域A93で現在の表示対象となっている前記錠剤の種類を識別可能な態様で表示させる。例えば、前記表示対象の前記錠剤の種類に対応する領域が特定の背景色で表示されること、又は、前記表示対象の前記錠剤の種類を除く他の前記錠剤の種類に対応する領域がグレーアウト表示されることなどが考えられる。また、前記表示領域A92では、後述するように前記操作キーK94又はK95の操作によって承認が行われた前記分類グループが識別可能に表示されてもよい。なお、図30では、前記表示領域A91の表示が省略されているが、当該図30の前記操作画面D9において、前記錠剤の種類のうち現在の表示対象となっている前記錠剤の種類に関する情報を含む前記表示領域A91が表示されてもよい。
【0219】
また、前記制御部510は、前記分類編集処理において前記操作画面D9を表示する際には、最初に前記未分類グループを表示対象として選択し、当該操作画面D9において前記未分類グループに属する前記個別撮影画像MPの分類操作などを受け付ける。そして、前記制御部510は、前記錠剤の種類各々を表示対象として前記操作画面D9を表示する場合には、前記未分類グループについて行われた分類操作を反映する。
【0220】
前記表示領域A92には、前記表示領域A83と同様に、前記処方データに処方薬として含まれる錠剤の種類各々に関する情報がリストで表示される。特に、前記表示領域A92では、前記処方データに含まれる錠剤の種類各々について、薬品名、パターン、区分、画像に加えて、当該錠剤の錠数が表示される。ここで、前記表示領域A92に表示される前記錠数は、前記処方データに基づく錠剤の総錠数である。なお、他の実施形態として、前記表示領域A92に表示される前記錠数は、前記自動数量鑑査処理又は前記分類鑑査処理で取得された錠数であってもよく、前記総錠数と前記自動数量鑑査処理又は前記分類鑑査処理で取得された錠数とが共に表示されてもよい。
【0221】
前記表示領域A93には、現在の表示対象となっている前記分類グループに対応する前記個別撮影画像MPが前記薬包451(服用タイミング)ごとに表示される。具体的に、前記表示領域A93では、前記第2確認画面D4と同様に、前記薬包451(服用タイミング)の識別情報(何包目)が表示される前記領域A34と、当該服用タイミングに対応付けられた前記個別撮影画像MPが表示される前記領域A35とが表示される。即ち、前記表示領域A93では、前記個別撮影画像MP各々が、当該個別撮影画像MPに対応する前記服用タイミングが識別可能な態様で表示される。
【0222】
また、前記制御部510は、前記操作画面D9において、任意の前記個別撮影画像MPが選択されると、当該個別撮影画像MPがポップアップ画面に拡大表示する。さらに、前記制御部510は、前記操作画面D9において、任意の前記個別撮影画像MPが選択された場合に、当該個別撮影画像MPと同一の錠剤について前記第3撮影画像から抽出された前記錠剤画像を当該個別撮影画像MPと共にポップアップ画面に拡大表示してもよい。
【0223】
前記操作キーK91及びK92は、前記操作画面D9における表示対象の前記分類グループを順に切り替えるためのユーザー操作を受け付ける操作部である。前記制御部510は、前記操作キーK91及びK92の操作に応じて、図29及び図30に示されるように、前記操作画面D9における表示対象の前記分類グループを前後に順に切り替える。例えば、前記操作キーK91又はK92の操作に応じて、前記未分類グループ、薬品名「M1カプセル」、「M2錠剤」、「M3錠剤」、「M4錠剤」の合計5つの分類グループが順に表示対象として選択される。なお、前記制御部510は、前記表示領域A92における錠剤の種類のいずれかを選択するための操作に応じて、前記操作画面D9における表示対象を当該錠剤の種類に切り替えてもよい。
【0224】
前記操作キーK93は、前記操作画面D9から前記確認画面D8に切り替えるための操作部である。前記制御部510は、前記操作キーK93の操作に応じて、前記表示部530の表示画面を前記操作画面D9から前記確認画面D8に切り替える。
【0225】
前記操作キーK94及びK95は、前記操作画面D9に表示された前記分類グループを承認するためのユーザー操作を受け付ける操作部である。前記制御部510は、前記操作キーK94又はK95の操作に応じて、前記分類グループについて承認が行われた旨を前記記憶部520に記憶する。即ち、前記制御部510は、前記操作画面D9において、前記分類グループの単位でユーザーの承認を受け付けることが可能である。なお、前記操作画面D9では、前記操作キーK94及びK95のいずれか一方の表示が省略されてもよい。また、前記操作画面D9における表示対象が前記未分類グループである場合、前記制御部510は、前記未分類グループに属する前記個別撮影画像MPの全てについて、特定の前記処方薬に対応する分類グループへの分類が行われた場合に、前記操作キーK94及びK95を前記操作画面D9に表示させてもよい。
【0226】
前記操作キーK96及びK97は、前記操作画面D9において、前記個別撮影画像MPの分類先の編集に用いられる操作部である。前記制御部510は、前記操作キーK96及びK97などの操作に応じて、前記個別撮影画像MPを前記分類グループのいずれかに分類する。具体的に、前記制御部510は、図29において前記個別撮影画像MPを選択する操作が行われると、当該個別撮影画像MPを操作対象として選択し、図31に示されるように、当該個別撮影画像MPと前記分類グループ各々の錠剤の種類に対応する前記マスター画像又は前記基準個別撮影画像との一致率を、前記表示領域A92における「確率」の項目欄に表示させる。なお、前記制御部510は、前記操作キーK96が操作されると、その後に選択される複数の前記個別撮影画像MPを操作対象として選択することが可能である。この場合、前記表示領域A92における「確率」の項目欄には、複数の前記個別撮影画像MPと前記分類グループ各々の錠剤の種類に対応する前記マスター画像又は前記基準個別撮影画像との一致率の平均値などが表示されてもよい。
【0227】
そして、前記制御部510は、前記表示領域A92において錠剤の種類各々に対応する前記分類グループのいずれかを前記個別撮影画像MPの分類先として選択する操作が行われた後、前記操作キーK97が操作されると、前記操作対象として選択されている一又は複数の前記個別撮影画像MPを、選択された前記分類グループに分類する。また、前記制御部510は、一又は複数の前記個別撮影画像MPが選択された状態で、選択対象を前記分類グループのいずれかに対応する表示領域に移動させるためのドラッグアンドドロップの操作が行われた場合に、一又は複数の前記個別撮影画像MPを当該分類グループに分類してもよい。
【0228】
ところで、前記薬包451に収容されている錠剤が正しくない場合に、薬剤師などが、前記薬包451を開封して錠剤を追加又は除去する作業、或いは、異なる前記薬包451の間で錠剤を移動させる作業などの修正作業を手作業で行うことがある。この場合には、前記修正作業の内容を後で確認できるように当該修正作業の内容が記録されることが望ましい。そこで、前記制御部510は、前記操作画面D9におけるユーザー操作に応じて、前記錠剤の種類に対応する前記分類グループの鑑査結果を修正する修正処理を実行可能であり、当該修正処理の内容を記録することが考えられる。例えば、前記修正処理では、前記個別撮影画像MPと前記薬包451(服用タイミング)との対応関係、及び前記個別撮影画像MPと前記分類グループとの対応関係などが修正可能である。前記修正処理を実行するときの前記制御部510が修正処理部の一例である。そして、前記制御部510は、前記修正処理による修正内容を前記処方データと対応付けて前記記憶部520に記憶させる記憶処理を実行する。前記記憶処理を実行するときの前記制御部510が記憶処理部の一例である。これにより、ユーザーは、前記修正内容を後で確認することが可能である。
【0229】
具体的に、図30には、前記操作画面D9で表示対象となっている前記分類グループについて、前記鑑査結果の修正を開始するための操作キーK98が表示される。そして、前記制御部510は、前記操作キーK98の操作に応じて、図32に示されるように、前記操作画面D9に、前記鑑査結果の修正を受け付けるための操作キーK941~K944と、前記鑑査結果の修正内容が表示される表示領域A94とを表示させる。なお、図32では、前記錠剤の種類が「M1カプセル」である前記分類グループについて、1包目の前記薬包451に錠剤が不足している状態が示されている。他の実施形態として、前記操作キーK98の表示が省略され、図30の前記操作画面D9が表示される際に、前記表示領域A94及び前記操作キーK941~944などが表示されてもよい。なお、前記操作画面D9では複数の前記薬包451又は前記個別撮影画像MPについての鑑査結果の修正が行われてもよい。
【0230】
前記操作キーK941は、前記操作画面D9で表示対象となっている前記分類グループについて、前記薬包451に錠剤を追加したことを記録するための追加操作を行うための操作部である。前記制御部510は、前記表示領域A93又はA94において、特定の前記薬包451に対応する表示領域が選択された後、前記操作キーK941の操作に応じて、当該薬包451について前記分類グループに対応する錠剤を追加するための操作を受け付ける。例えば、図33に示されるように、前記制御部510は、前記表示領域A93で1包目の前記薬包451に対応する表示領域が選択された後、前記操作キーK941が一度操作されると、前記表示領域A94において、1包目の前記薬包451に対応する表示領域に、表示対象として選択されている前記分類グループの錠剤に対応する追加画像D941を一つ追加した状態を表示させる。前記追加画像D941は、例えば前記マスター画像、前記表示用画像DP、又は前記基準個別撮影画像などの予め設定された画像である。なお、前記操作キーK941が複数回操作されると、当該操作の回数と同じ数の前記追加画像D941が追加される。また、前記制御部510は、修正の対象となった前記薬包451に対応する表示領域を、所定の配色などにより識別可能な態様で表示させる。なお、前記制御部510は、前記表示領域A93の内容は変更せず、当該表示領域A93には、修正内容が反映される前の状態が表示される。これにより、ユーザーは、前記修正内容の反映前後の状態が容易に把握可能である。
【0231】
前記操作キーK942は、前記操作画面D9で表示対象となっている前記分類グループについて、前記薬包451から錠剤を除去したことを記録するための削除操作を行うための操作部である。前記制御部510は、前記表示領域A93又はA94において、特定の前記薬包451に対応する表示領域が選択された後、前記操作キーK942の操作に応じて、当該薬包451について前記分類グループに対応する錠剤を削除するための操作を受け付ける。例えば、図34では、前記表示領域A93に、前記錠剤の種類が「M1カプセル」である前記分類グループについて、1包目の前記薬包451に錠剤が1錠多い状態が示されている。そして、前記制御部510は、前記表示領域A93で1包目の前記薬包451に対応する表示領域が選択された後、前記操作キーK942が一度操作されると、図34に示されるように、前記表示領域A94において、1包目の前記薬包451に対応する表示領域から、前記錠剤に対応する前記個別撮影画像MPを一つ削除した状態を表示させる。なお、前記操作キーK942が複数回操作されると、当該操作の回数と同じ数の前記個別撮影画像MPが削除される。また、前記制御部510は、前記修正の対象となった前記薬包451に対応する表示領域を、所定の配色などにより識別可能な態様で表示させる。
【0232】
前記操作キーK943は、前記操作画面D9で表示対象となっている前記分類グループについて、異なる前記薬包451の間で錠剤を移動させたことを記録するための移動操作を行うための操作部である。前記制御部510は、前記操作キーK943の操作が行われた後、前記表示領域A93又はA94において、移動元となる特定の前記薬包451に対応する表示領域が選択された後、移動先となる特定の前記薬包451に対応する表示領域が選択された場合に、当該移動元の薬包451から当該移動先の薬包451に前記分類グループに対応する錠剤を移動するための操作を受け付ける。例えば、図35では、前記表示領域A93に、前記錠剤の種類が「M1カプセル」である前記分類グループについて、1包目の前記薬包451に錠剤が1錠多く、2包目の前記薬包451に錠剤が1錠不足している状態が示されている。そして、前記制御部510は、移動元として前記表示領域A93で1包目の前記薬包451が選択された後、移動先として前記表示領域A93で2包目の前記薬包451が選択されると、図35に示されるように、前記表示領域A94において、1包目の前記薬包451に対応する表示領域から前記個別撮影画像MPを一つ削除し、その削除した前記個別撮影画像MPを2包目の前記薬包451に対応する表示領域に一つ追加した状態を表示させる。なお、前記制御部510は、前記表示領域A93又はA94において、移動元となる特定の前記薬包451に対応する表示領域が選択され、移動先となる特定の前記薬包451に対応する表示領域が選択された後、前記操作キーK943の操作が行われた場合に、当該移動元の薬包451から当該移動先の薬包451に前記分類グループに対応する錠剤を移動するための操作を受け付けてもよい。また、前記制御部510は、前記修正の対象となった前記薬包451に対応する表示領域各々を、所定の配色などにより識別可能な態様で表示させる。
【0233】
また、前記制御部510は、前記操作画面D9に表示されている前記分類グループに属する前記個別撮影画像MPを他の前記分類グループに移動させる操作を受け付けることも可能である。例えば、前記制御部510は、前記操作キーK943が操作された後、前記操作画面D9に表示されている前記分類グループに属する前記個別撮影画像MPが選択され、次に他の前記分類グループが前記表示領域A92において移動先として選択された場合に、前記個別撮影画像MPを移動させる。また、前記制御部510は、前記操作画面D9に表示されている前記分類グループに属する前記個別撮影画像MPが選択され、次に他の前記分類グループに対応する前記処方薬が前記表示領域A92において選択された後、前記操作キーK943が操作された場合に、前記個別撮影画像MPを移動させてもよい。なお、前記制御部510は、移動先の前記分類グループについて、前記個別撮影画像MPを追加する前記薬包451を移動先として選択可能であってもよく、自動的に錠数が不足する前記薬包451を前記個別撮影画像MPの移動先として選択してもよい。さらに、前記制御部510は、前記個別撮影画像MPの移動先の前記分類グループについて、前記マスター画像又は前記基準個別撮影画像との一致率が最も低い前記個別撮影画像MPを特定し、当該個別撮影画像MPと、移動元の前記分類グループで選択されている前記個別撮影画像MPとを入れ替えてもよい。即ち、前記制御部510は、異なる前記分類グループの間で前記個別撮影画像MPを移動又は交換することが可能である。
【0234】
前記操作キーK944は、前記操作キーK941~K943を用いて行われた前記鑑査結果の修正を決定するための操作部である。前記制御部510は、前記操作キーK944の操作に応じて、前記操作キーK941~K943等を用いて行われた前記鑑査結果の修正の内容を反映し、当該鑑査結果を前記処方データに対応付けて前記記憶部520に記憶させる。具体的に、前記制御部510は、修正前及び修正後に対応する前記表示領域A93及びA94の状態を前記修正内容として前記記憶部520に記憶させる。また、前記制御部510は、前記操作画面D9における修正について一連の動画を前記修正内容として前記記憶部520に記憶させてもよい。このように、前記修正内容が前記記憶部520に記憶されることにより、前記制御部510は、前記記憶部520に記憶された前記修正内容を表示することが可能であり、ユーザーは前記修正内容を後で参照することが可能である。
【0235】
例えば、図33に示されるように、前記追加画像D941が前記表示領域A94に追加された場合には、修正前の状態を示す前記表示領域A93の画像と修正後の状態を示す前記表示領域A94の画像とが前記修正内容として前記記憶部520に記憶される。また、図34に示されるように、前記表示領域A93に表示されていた前記個別撮影画像MPが削除された場合には、修正前の状態を示す前記表示領域A93の画像と修正後の状態を示す前記表示領域A94の画像とが前記修正内容として前記記憶部520に記憶される。なお、前記制御部510は、前記修正内容が文字で示されたメッセージなどを前記記憶部520に記憶してもよい。
【0236】
また、前記制御部510は、前記操作画面D9を表示する際、当該操作画面D9における表示対象の前記分類グループに対応する薬品の前記マスター画像又は前記基準個別撮影画像との一致率が予め設定された基準値以下である前記個別撮影画像MPが存在する場合に、当該個別撮影画像MP又は当該個別撮影画像MPに対応する薬包451の表示領域を、所定の配色などにより識別可能に表示してもよい。さらに、前記制御部510は、前記操作画面D9を表示する際、当該操作画面D9における表示対象の前記分類グループに対応する薬品がない薬包451については、前記表示領域A93に所定の配色又はグレーアウト表示などを行うことにより識別可能な態様で表示してもよい。
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