(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024006952
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】ばねの巻き締めの施工方法、アタッチメント、シャフトスペーサー、及び、複数タイプ対応巻き装置
(51)【国際特許分類】
E06B 9/84 20060101AFI20240110BHJP
E06B 9/62 20060101ALI20240110BHJP
E06B 9/02 20060101ALN20240110BHJP
【FI】
E06B9/84 A
E06B9/62 B
E06B9/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023058006
(22)【出願日】2023-03-31
(31)【優先権主張番号】P 2022105761
(32)【優先日】2022-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100101890
【弁理士】
【氏名又は名称】押野 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100098268
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 豊
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(74)【代理人】
【識別番号】100166420
【弁理士】
【氏名又は名称】福川 晋矢
(74)【代理人】
【識別番号】100150865
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 司
(72)【発明者】
【氏名】山上 重雄
(72)【発明者】
【氏名】野口 茂
【テーマコード(参考)】
2E042
【Fターム(参考)】
2E042AA01
2E042CA05
2E042CA08
2E042DA04
(57)【要約】
【課題】開閉装置における開閉体の自重を補正するためのばねの巻き締めにおいて、作業の省力化を可能とするための巻き装置の適用範囲を拡大することが可能な、ばねの巻き締めの施工方法の提供。
【解決手段】
シャフト105に対して取り付けられ、回転工具による回転力が入力される回転工具接続部203と、前記回転力に基づいて回転される回転アーム201と、を備える巻き装置200と、アタッチメント300と、を用い、回転アーム201のピン部材600を巻締プラグ108-2に直接取り付けることができない場合に、アタッチメント300を介した回転アーム201と巻締プラグ108-2の接続を行い、回転工具を使用したばね106の巻き締めを行う、ばねの巻き締めの施工方法。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉体と、前記開閉体の自重を補正するためのばねと、前記ばねによる弾性力と前記開閉体の自重が逆方向の回転モーメントを与えるようにそれぞれに接続されたシャフトと、前記ばねを巻き締めるために前記ばねに接続される巻締プラグであって、前記シャフトを軸として回転可能であり、少なくとも一つの嵌合凹部を有する巻締プラグと、を備える開閉装置における、前記ばねの巻き締めの施工方法であって、
回転工具による回転力が入力される回転工具接続部と、前記回転力に基づいて回転されるアームであって、前記嵌合凹部に嵌合するピン部材が取り付けられるピン取付部を有する回転アームと、を備え、前記シャフトに対して取り付けられて使用される巻き装置と、
前記回転アームの径方向のアーム長に基づく取り付け可能範囲よりも前記巻締プラグの径が大きい場合に使用されるアタッチメントであって、少なくとも前記嵌合凹部と前記ピン取付部の間で延在して、前記嵌合凹部に嵌合するアタッチメントピン部材を取り付けるアタッチメント側ピン取付部と、前記回転アームに取り付けられた前記ピン部材と嵌合するアタッチメント側嵌合凹部とを有するアタッチメントアームを備えるアタッチメントと、を用い、
前記回転アームの前記ピン部材を、前記巻締プラグの前記嵌合凹部に直接嵌合させることができる場合には、前記ピン部材と前記嵌合凹部の嵌合による前記回転アームと前記巻締プラグの接続及び前記巻き装置の前記シャフトに対する取り付けを行い、回転工具を使用して前記ばねの巻き締めを行い、
前記回転アームの前記ピン部材を前記巻締プラグの前記嵌合凹部に直接嵌合させることができない場合には、前記アタッチメントを介した前記回転アームと前記巻締プラグの接続及び前記巻き装置の前記シャフトに対する取り付けを行い、回転工具を使用して前記ばねの巻き締めを行う、ばねの巻き締めの施工方法。
【請求項2】
前記巻締プラグが、その直径方向に相対する位置において前記嵌合凹部を有しており、
前記アタッチメントアームが、直径方向に相対する前記嵌合凹部に対してそれぞれ対向する位置に、前記アタッチメント側ピン取付部を備えている、請求項1に記載のばねの巻き締めの施工方法。
【請求項3】
前記巻き装置の前記シャフトに取り付ける取り付け部分が、前記シャフトの径に対して大きい場合には、前記シャフトの径を調整するためのシャフトスペーサーを用いる、請求項1又は2に記載のばねの巻き締めの施工方法。
【請求項4】
前記シャフトスペーサーが、前記シャフトの軸線方向にそった平面で分割された二つの半円状部材であり、両者がマグネットの磁力によって接合され、前記シャフトへの取り付け時に、前記二つの半円状部材の接合面が垂直方向となるようにする工程を有する、請求項3に記載のばねの巻き締めの施工方法。
【請求項5】
太さ若しくは長さの異なる複数の種類の前記ピン部材又は前記アタッチメントピン部材を用意しておき、前記嵌合凹部の形状の違いに応じて、前記ピン部材又は前記アタッチメントピン部材を選択する、請求項1又は2に記載のばねの巻き締めの施工方法。
【請求項6】
請求項2に記載されているアタッチメントであって、
前記アタッチメントアームと、
前記アタッチメントアームの両端部において略直角に折り曲げられた折り曲げ部に形成された前記アタッチメント側ピン取付部と、
前記アタッチメントアームの中央部において形成された、切欠き部を有して前記シャフトを受け入れるシャフト受入部と、
前記アタッチメントアーム上の、前記折り曲げ部と前記シャフト受入部の間となる箇所に形成された、前記アタッチメント側嵌合凹部と、
を備える、アタッチメント。
【請求項7】
請求項4に記載されているシャフトスペーサーであって、
前記半円状部材の、前記シャフトの軸線方向の両端部において、フランジ部が形成されている、シャフトスペーサー。
【請求項8】
請求項1に記載されている巻き装置と、
請求項1に記載されているアタッチメントであって、前記アタッチメントアームと、前記アタッチメントアームの両端部において略直角に折り曲げられた折り曲げ部に形成された前記アタッチメント側ピン取付部と、前記アタッチメントアームの中央部において形成された、切欠き部を有して前記シャフトを受け入れるシャフト受入部と、前記アタッチメントアーム上の、前記折り曲げ部と前記シャフト受入部の間となる箇所に形成された、前記アタッチメント側嵌合凹部と、を備える、アタッチメントと、
を有する、複数タイプ対応巻き装置。
【請求項9】
請求項1に記載されている巻き装置と、
前記巻き装置の前記シャフトに取り付ける取り付け部分が、前記シャフトの径に対して大きい場合に、前記シャフトの径を調整するためのシャフトスペーサーと、
を有する、複数タイプ対応巻き装置。
【請求項10】
請求項1に記載されている巻き装置と、
請求項1に記載されているアタッチメントであって、
前記アタッチメントアームと、前記アタッチメントアームの両端部において略直角に折り曲げられた折り曲げ部に形成された前記アタッチメント側ピン取付部と、前記アタッチメントアームの中央部において形成された、切欠き部を有して前記シャフトを受け入れるシャフト受入部と、前記アタッチメントアーム上の、前記折り曲げ部と前記シャフト受入部の間となる箇所に形成された、前記アタッチメント側嵌合凹部と、を備える、アタッチメントと、
前記巻き装置の前記シャフトに取り付ける取り付け部分が、前記シャフトの径に対して大きい場合に、前記シャフトの径を調整するためのシャフトスペーサーと、
を有する、複数タイプ対応巻き装置。
【請求項11】
請求項1に記載されているピン部材と、請求項1に記載されているアタッチメントピン部材と、をさらに備える、請求項8から10の何れかに記載の複数タイプ対応巻き装置。
【請求項12】
太さ若しくは長さの異なる複数の種類の前記ピン部材又は前記アタッチメントピン部材を備える、請求項11に記載の複数タイプ対応巻き装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開閉装置における開閉体の自重を補正するためのばねの巻き締めの施工方法、およびこれに使用するアタッチメント、シャフトスペーサー、複数タイプ対応巻き装置に関する。
【背景技術】
【0002】
シャッターに代表される、開閉体の開閉が上下方向に行われる開閉装置では、その開閉動作時の負荷を低減するために、開閉体の自重を補正させる手段が設けられている。当該手段の一つとして、ばねによる弾性力を用いる方法がある。ばねの弾性力と開閉体の自重が概ね吊り合うように設定することで、開閉体の開閉動作時に、開閉体の自重による負荷が生じないように(或いは低減)するものである。
このような開閉装置の施工時には、開閉体の重量に合わせたばねの弾性力の設定のために、ばねを巻き締める作業が行われる。
このような開閉装置のばねの巻き締め作業に関連した、バネの伸長に関する技術が、特許文献1によって開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の段落0041においても記載されているように、ばねの巻き締め作業は、一般的には、巻締プラグ(フランジ部材22)の嵌合凹部に、棒状の巻き締め工具26を、差し込んで、これを人が回すことで行っている。
開閉体の重量が大きい場合には、当然に、必要なばねの弾性力も大きくなる。よって、当該巻き締め作業は、大きな労力を要するものであると共に、危険を伴う作業でもあり、当該作業の省力化等が求められている。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑み、開閉装置における開閉体の自重を補正するためのばねの巻き締めにおいて、作業の省力化を可能とするための巻き装置の適用範囲を拡大することが可能な、ばねの巻き締めの施工方法及びこれに使用するアタッチメント、シャフトスペーサー、複数タイプ対応巻き装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(構成1)
開閉体と、前記開閉体の自重を補正するためのばねと、前記ばねによる弾性力と前記開閉体の自重が逆方向の回転モーメントを与えるようにそれぞれに接続されたシャフトと、前記ばねを巻き締めるために前記ばねに接続される巻締プラグであって、前記シャフトを軸として回転可能であり、少なくとも一つの嵌合凹部を有する巻締プラグと、を備える開閉装置における、前記ばねの巻き締めの施工方法であって、
回転工具による回転力が入力される回転工具接続部と、前記回転力に基づいて回転されるアームであって、前記嵌合凹部に嵌合するピン部材が取り付けられるピン取付部を有する回転アームと、を備え、前記シャフトに対して取り付けられて使用される巻き装置と、
前記回転アームの径方向のアーム長に基づく取り付け可能範囲よりも前記巻締プラグの径が大きい場合に使用されるアタッチメントであって、少なくとも前記嵌合凹部と前記ピン取付部の間で延在して、前記嵌合凹部に嵌合するアタッチメントピン部材を取り付けるアタッチメント側ピン取付部と、前記回転アームに取り付けられた前記ピン部材と嵌合するアタッチメント側嵌合凹部とを有するアタッチメントアームを備えるアタッチメントと、を用い、
前記回転アームの前記ピン部材を、前記巻締プラグの前記嵌合凹部に直接嵌合させることができる場合には、前記ピン部材と前記嵌合凹部の嵌合による前記回転アームと前記巻締プラグの接続及び前記巻き装置の前記シャフトに対する取り付けを行い、回転工具を使用して前記ばねの巻き締めを行い、
前記回転アームの前記ピン部材を前記巻締プラグの前記嵌合凹部に直接嵌合させることができない場合には、前記アタッチメントを介した前記回転アームと前記巻締プラグの接続及び前記巻き装置の前記シャフトに対する取り付けを行い、回転工具を使用して前記ばねの巻き締めを行う、ばねの巻き締めの施工方法。
【0007】
(構成2)
前記巻締プラグが、その直径方向に相対する位置において前記嵌合凹部を有しており、前記アタッチメントアームが、直径方向に相対する前記嵌合凹部に対してそれぞれ対向する位置に、前記アタッチメント側ピン取付部を備えている、構成1に記載のばねの巻き締めの施工方法。
【0008】
(構成3)
前記巻き装置の前記シャフトに取り付ける取り付け部分が、前記シャフトの径に対して大きい場合には、前記シャフトの径を調整するためのシャフトスペーサーを用いる、構成1又は2に記載のばねの巻き締めの施工方法。
【0009】
(構成4)
前記シャフトスペーサーが、前記シャフトの軸線方向にそった平面で分割された二つの半円状部材であり、両者がマグネットの磁力によって接合され、前記シャフトへの取り付け時に、前記二つの半円状部材の接合面が垂直方向となるようにする工程を有する、構成3に記載のばねの巻き締めの施工方法。
【0010】
(構成5)
太さ若しくは長さの異なる複数の種類の前記ピン部材又は前記アタッチメントピン部材を用意しておき、前記嵌合凹部の形状の違いに応じて、前記ピン部材又は前記アタッチメントピン部材を選択する、構成1から4の何れかに記載のばねの巻き締めの施工方法。
【0011】
(構成6)
構成2から5の何れかに記載されているアタッチメントであって、前記アタッチメントアームと、前記アタッチメントアームの両端部において略直角に折り曲げられた折り曲げ部に形成された前記アタッチメント側ピン取付部と、前記アタッチメントアームの中央部において形成された、切欠き部を有して前記シャフトを受け入れるシャフト受入部と、前記アタッチメントアーム上の、前記折り曲げ部と前記シャフト受入部の間となる箇所に形成された、前記アタッチメント側嵌合凹部と、を備える、アタッチメント。
【0012】
(構成7)
構成4に記載されているシャフトスペーサーであって、前記半円状部材の、前記シャフトの軸線方向の両端部において、フランジ部が形成されている、シャフトスペーサー。
【0013】
(構成8)
構成1に記載されている巻き装置と、構成1に記載されているアタッチメントであって、前記アタッチメントアームと、前記アタッチメントアームの両端部において略直角に折り曲げられた折り曲げ部に形成された前記アタッチメント側ピン取付部と、前記アタッチメントアームの中央部において形成された、切欠き部を有して前記シャフトを受け入れるシャフト受入部と、前記アタッチメントアーム上の、前記折り曲げ部と前記シャフト受入部の間となる箇所に形成された、前記アタッチメント側嵌合凹部と、を備える、アタッチメントと、を有する、複数タイプ対応巻き装置。
【0014】
(構成9)
構成1に記載されている巻き装置と、前記巻き装置の前記シャフトに取り付ける取り付け部分が、前記シャフトの径に対して大きい場合に、前記シャフトの径を調整するためのシャフトスペーサーと、を有する、複数タイプ対応巻き装置。
【0015】
(構成10)
構成1に記載されている巻き装置と、構成1に記載されているアタッチメントであって、前記アタッチメントアームと、前記アタッチメントアームの両端部において略直角に折り曲げられた折り曲げ部に形成された前記アタッチメント側ピン取付部と、前記アタッチメントアームの中央部において形成された、切欠き部を有して前記シャフトを受け入れるシャフト受入部と、前記アタッチメントアーム上の、前記折り曲げ部と前記シャフト受入部の間となる箇所に形成された、前記アタッチメント側嵌合凹部と、を備える、アタッチメントと、前記巻き装置の前記シャフトに取り付ける取り付け部分が、前記シャフトの径に対して大きい場合に、前記シャフトの径を調整するためのシャフトスペーサーと、を有する、複数タイプ対応巻き装置。
【0016】
(構成11)
構成1に記載されているピン部材と、構成1に記載されているアタッチメントピン部材と、をさらに備える、構成8から10の何れかに記載の複数タイプ対応巻き装置。
【0017】
(構成12)
太さ若しくは長さの異なる複数の種類の前記ピン部材又は前記アタッチメントピン部材を備える、構成11に記載の複数タイプ対応巻き装置。
【発明の効果】
【0018】
本発明のばねの巻き締めの施工方法によれば、開閉装置における開閉体の自重を補正するためのばねの巻き締めにおいて、作業の省力化を可能とするための巻き装置の適用範囲を拡大することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】開閉装置(オーバーヘッドドア)の概略を示す斜視図
【
図2】開閉体の自重を補正するためのばねの取り付け部分を示す図
【
図3】本発明に係る実施形態のばねの巻き締めの施工方法の実施状態を示す概略図
【
図5】巻締プラグやシャフトのバリエーションの一例を示す図
【
図8】固定ピンと、ピン部材のバリエーションの一例を示す図
【
図9】アタッチメントピン部材のバリエーションの一例を示す図
【
図10】実施形態のばねの巻き締めの施工方法の実施状況の一部を示す写真
【
図11】実施形態のばねの巻き締めの施工方法の実施状態を示す概略図
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化する際の一形態であって、本発明をその範囲内に限定するものではない。
【0021】
図1は、本発明に係る実施形態のばねの巻き締めの施工方法が適用される開閉装置を示す図であり、屋内側から見た斜視図である。また、
図2は、開閉体の自重による負荷を補正するためのばねの取り付け部分を示す図である。
開閉装置100は、例えば屋内と屋外を隔てる壁面に形成されている開口部を開閉する開閉装置であって、より具体的には、オーバーヘッドドアやオーバースライディングドア等と呼称される開閉装置である。
【0022】
図1に示されるように、開閉装置100は、
複数のパネル体が相互に回動可能に接続された開閉体101と、
開閉体101の移動を案内するガイドレール102と、
開閉体101の自重による負荷を補正するための自重補正機構と、を備える。
図1及び2に示されるように、自重補正機構は、
開閉体101の下端部付近に接続されるワイヤロープ103と、
ワイヤロープ103を巻き上げるドラム104と、
ドラム104に接続されるシャフト105と、
シャフト105に挿通される巻締プラグ108と、
一端が、躯体等に固定されるブラケット107に対して固定され、他端が、巻締プラグ108を介してシャフト105に固定される、ばね106と、を備える。
【0023】
開閉体101の幅方向の両端部には複数のローラ1011が備えられており、ガイドレール102は、当該ローラ1011の移動を案内する。
開閉体101は、複数のパネル体がヒンジによって相互に回動可能に接続され、
図1に示される閉状態と、開閉体11が上部で略水平状態となる開状態との間で、ガイドレール102に沿って移動可能である。
自重補正機構では、開閉体11の移動時等における負荷を低減するために、ばね106の弾性力と開閉体11の自重が概ね吊り合うように設定される。
シャフト105は、ワイヤ103を介して印加される開閉体11の自重によって回転モーメントが生じるドラム104と接続されており、また、ばね106の弾性力による回転モーメントが生じる巻締プラグ108が接続される。これにより、シャフト105には、ばね106による弾性力に基づく回転モーメントと、開閉体11の自重に基づく回転モーメントが、逆方向となるように働き(相互にキャンセルされ)、開閉体11の自重に基づく負荷がキャンセル若しくは低減されるものである。
巻締プラグ108は、当該ばね106の弾性力を設定する(ばねを巻き締める)ために使用される部材である。
図2に示されるように、巻締プラグ108は、シャフト105に対する固定手段であるボルト1082と、巻締プラグ108を回転させる(ばねを巻き締める)際に使用される嵌合凹部1081を有している。本実施形態の巻締プラグ108は、その外周に90度毎に配置された4つの嵌合凹部1081を有している(直径方向の両端部となる位置(直径方向に相対する位置)において嵌合凹部を有している)。
巻締プラグ108は、ボルト1082を締めこんでいない際には、シャフト105を軸として回転可能であり、ボルト1082を締め込むことでボルトがシャフトに当接して、シャフト105に対して固定される。
前述のように、ばね106の一端はブラケット107に対して固定され、他端が巻締プラグ108に固定されているため、巻締プラグ108を回転させることで、ばね106がねじられて弾性力が付与され、その状態で巻締プラグ108がシャフト105に固定されることで、シャフト105に回転モーメントが付与されるものである。
なお、開閉装置100には、その他に、開閉体101の開閉を駆動させるための駆動装置及びその機構、開閉動作を制御するための制御装置等(特に図示せず)が備えられるが、それらの構成は本発明に直接関係するものではないため、ここでのこれ以上の説明を省略する。
【0024】
本実施形態では、上記したばねを巻き締める作業を、
図3に示されるように、巻き装置200を利用して回転工具T(電動工具やエアツール等)によって行う。
【0025】
図4は、巻き装置200を示す図であり、
図4(a)は巻き装置200の構成を説明するために内部を透過的に示した正面図(回転アーム201を取り外した状態の図)であり、
図4(b)は同じく内部を透過的に示した側面図である。
巻き装置200は、
回転工具Tによる回転力が入力される回転工具接続部203と、
減速機202と、
減速機202を介した回転力に基づいて回転されるアームであって、巻締プラグ108の嵌合凹部1081に嵌合するピン部材600(若しくは固定ピン500)が取り付けられるピン取付部2011を有する回転アーム201と、
把持部204と、
カバー部材205と、を備える。
【0026】
回転工具接続部203は、本実施形態では六角レンチが係合される六角軸として形成されている。なお、回転工具接続部は、回転工具を接続可能な任意の形状とすることができる。
減速機202は、ウォーム2023、ウォームホイール2022、分割歯車2021によって構成されている。各歯車の組み合わせにより、減速及び回転方向の変換が行われる。また、分割歯車2021は、巻き装置200から取り外し可能に構成され、且つ、その中心部の穴にシャフト105を通すために、2ピース以上に分割(及び接合)することが可能に構成されている(本実施形態では、略等分に分割(2つの半円状のギアに分割)される)。分割歯車2021の中心部の穴は、巻き装置200に対応させる各種の開閉装置のシャフトのうちの最も太いシャフトの径に対応した大きさで形成される(本実施形態では1.25インチの径のシャフト105-2に対応した大きさで(即ち、1.25インチより僅かに大きい径で)、中心部の穴が形成されている)。
回転アーム201は、側面視で略L字状の部材であり、その一端側が分割歯車2021に直接若しくは他の部材を介して取り付けられることで、シャフト105の周りで回転する。回転アーム201の他端側には、固定ピン500若しくはピン部材600を挿通させる穴によってピン取付部2011が形成されており、これに挿通された固定ピン500若しくはピン部材600がナット2012によって締結される。
【0027】
以下で説明するアタッチメント300を使用せずに巻き装置200を使用する場合には、巻締プラグ108に適合するピン部材600を選定する。選定されたピン部材600は、回転アーム201に取り付けられる。
カバー部材205、分割歯車2021及び回転アーム201を、巻き装置200から取り外し、分割歯車2021を分割することで、その中心の穴にシャフト105を通し、また、ピン部材600を巻締プラグ108の嵌合凹部1081に嵌合させ、その状態で分割歯車2021を取り付ける。
これによりシャフト105及び巻締プラグ108に取り付けられた分割歯車2021及び回転アーム201に対して、巻き装置200及びカバー部材205を取り付ける。
これにより、
図3に示したような取り付け状態となり、巻き装置200の把持部204を把持しつつ、回転工具Tによって回転工具接続部203から回転力を入力することで、回転アーム201が回転し、これによって、ばね106の巻き締めが行われる。
このように、回転工具Tによって巻き締め作業をすることができるため、当該作業の省力化がなされ、且つ、これにより作業の危険性も軽減される。
【0028】
ここで、
図5に、巻締プラグやシャフトのバリエーションの一例を示す。ここの例では、直径が1.25インチのシャフト105-1と、直径が1インチのシャフト105-2の2種類の太さのシャフトがあり、シャフト105-1に用いられる、直径が90mmの巻締プラグ108-1と、直径が152.5mmの巻締プラグ108-2の、2種類の巻締プラグ、シャフト105-2に用いられる、直径が50mmの巻締プラグ108-3、直径が90mmの巻締プラグ108-4、直径が130mmの巻締プラグ108-5、直径が152.5mmの巻締プラグ108-6の、4種類の巻締プラグが示されている。
この例からも理解されるように、シャフトの太さは開閉装置の別によって異なる場合がある(大きな開口部を開閉する開閉体は、当然に重量も大きくなるため、その重量がかかるシャフトの径も太くなる)。同様に、巻締プラグの直径にも複数の種類(≒ばねの直径が複数種類)あり、また、巻締プラグの嵌合凹部(穴の径や深さ)にも相違がある。
従って、従来、単一構成の巻き装置200によってこれらの全てに対応することは難しかった。本実施形態では、これに対して、1.巻締プラグの直径に対応するためのアタッチメント、2.シャフトの太さに対応するためのシャフトスペーサー、3.嵌合凹部(穴の径や深さ)に対応するための複数のピン部材、を用いることにより、巻き装置200の適用範囲を拡大している。即ち、巻き装置200の本体は1台用意するだけでよくなり、コスト削減や、運搬等の作業の効率化が図られる。
【0029】
図6は、アタッチメント300を示す図であり、
図3(a):正面図、
図3(b):側面図、
図3(c):背面図、
図3(d):上面図である。
アタッチメント300は、巻き装置200の回転アーム201の径方向(シャフトの径方向)のアーム長に基づく取り付け可能範囲よりも、巻締プラグ108の径が大きい場合に使用されるアタッチメントである。本実施形態においては、直径が152.5mmの巻締プラグ108-2、直径が130mmの巻締プラグ108-5、直径が152.5mmの巻締プラグ108-6に対して使用される。
アタッチメント300は、
アタッチメントアーム301と、
アタッチメントアーム301の両端部において略直角に折り曲げられた折り曲げ部3011に形成されたアタッチメント側ピン取付部302と、
アタッチメントアーム301の中央部において形成された、切欠き部を有してシャフト105を受け入れるシャフト受入部304と、
アタッチメントアーム301上の、折り曲げ部3011とシャフト受入部304の間となる箇所に形成された、アタッチメント側嵌合凹部3031を有するピン受け部303と、
を有する。
アタッチメント300は、対応させる巻締プラグの直径より長いアタッチメントアーム301を有し、巻締プラグの直径方向の両端部の嵌合凹部(穴)に対してそれぞれ対向する位置に、アタッチメント側ピン取付部302を配する。即ち、アタッチメント側ピン取付部302に取り付けるピン部材(アタッチメントピン部材)を、巻締プラグの直径方向の両端部の嵌合凹部に嵌合させることができる構成となっている。アタッチメント側ピン取付部302には、これに挿通されたアタッチメントピン部材を係止するためのボルトが螺合されるボルト穴3021が形成されている。
また、巻き装置200の回転アーム201に取り付けられた固定ピン500と嵌合するアタッチメント側嵌合凹部3031を有しており、巻き装置200の回転アーム201と接続される。
これらの構成により、アタッチメント300は、巻き装置と巻締プラグの間に取り付けられて、巻き装置の回転アームの回転力を、巻き締めプラグに伝達することができる。
なお、アタッチメント300は、左右勝手が無い部材である。即ち、例えば、
図1に示されるような左右一対のばね106を備える構成等において、左右のばね106の何れの巻き締め作業に対しても、同じアタッチメント300を用いて(アタッチメント300を反転して取り付けて)作業をすることができる。
【0030】
図7は、シャフトスペーサーを構成する半円状部材400を示す図であり、
図7(a):正面図、
図7(b):側面図である。
シャフトスペーサーは、巻き装置のシャフトに取り付ける取り付け部分(即ち、分割歯車の中央の穴径)が、シャフトの径に対して大きい場合に、シャフトの径を調整するため(分割歯車の中央の穴径を調整するため)にシャフトに取り付けて使用される円筒状の部材であり、シャフトの軸線方向に沿った平面で分割された二つの半円状部材400によって構成される。本実施形態では、その内径が1インチの径のシャフト105-1に対応した大きさで(即ち、1インチより僅かに大きい径で)形成されており、巻き装置取り付け部401の外径が、分割歯車2021の中心部の穴の径に対応した大きさ(1.25インチ)で形成されている。
半円状部材400は、巻き装置(分割歯車)が取り付けられる巻き装置取り付け部401と、シャフトの軸線方向の両端部において形成されたフランジ部402と、を有する。フランジ部402があることによって、巻き装置を取り付けた状態において、巻き装置がシャフトスペーサーからずれて脱落することが防止される。
半円状部材400には、その接合面にマグネットMが備えられ、これによって2つの半円状部材400がシャフト周りに被せるように配置され、接合される。
【0031】
図8は、固定ピン500(
図8(a))と、ピン部材600のバリエーションの一例としてピン部材610(
図8(b))と、ピン部材620(
図8(c))を示す図である。
固定ピン500は、アタッチメント300を使用する際に、巻き装置200の回転アーム201に取り付けて、アタッチメント300のアタッチメント側嵌合凹部3031に嵌合させる部材である。
ピン部材600は、アタッチメント300を使用しない際に、巻き装置200の回転アーム201に取り付けられる部材であり、巻締プラグの嵌合凹部と嵌合する部材である。ピン部材600は、巻締プラグの嵌合凹部の穴の径や深さに対応した太さや長さを有する複数のピン部材が用意される。本実施形態では、巻締プラグ108-3に対応したピン部材610と、巻締プラグ108-1及び巻締プラグ108-4に対応したピン部材620が用意されている。なお、ここではピン部材のバリエーションが2つであるものを例としているが、巻締プラグの種別の数に応じてピン部材のバリエーションが1つであるものや3つ以上あるものであってもよい。
固定ピン500は、回転アーム201のピン取付部2011(穴)に挿通されてナットと締結されるネジ部501と、ピン取付部2011への挿通時の突き当たり部となる鍔部502と、アタッチメント300のアタッチメント側嵌合凹部3031に嵌合する嵌合凸部503と、を有している。
また、各ピン部材610、620は、回転アーム201のピン取付部2011(穴)に挿通されてナットと締結されるネジ部611、621と、ピン取付部2011への挿通時の突き当たり部となる鍔部612、622と、それぞれ対応する巻締プラグの嵌合凹部に嵌合する嵌合凸部613、623と、を有している。
回転アーム201に対する取り付け部である、ネジ部501、611、621及び鍔部502、612、622については、固定ピン500及び各ピン部材610、620で共通している。
【0032】
図9は、アタッチメントピン部材700(710~720)のバリエーションの一例を示す図である。
アタッチメントピン部材700は、アタッチメント300を使用する際に、アタッチメント300のアタッチメント側ピン取付部302に取り付けられる部材であり、巻締プラグの嵌合凹部の穴の径や深さに対応した太さや長さを有する各アタッチメントピン部材710~720が用意されている。本実施形態では、巻締プラグ108-5に対応したアタッチメントピン部材710と、巻締プラグ108-2及び巻締プラグ108-6に対応したピン部材720が用意されている。なお、ここではアタッチメントピン部材のバリエーションが2つであるものを例としているが、巻締プラグの種別の数に応じてアタッチメントピン部材のバリエーションが1つであるものや3つ以上あるものであってもよい。
各アタッチメントピン部材700(710~720)は、対応する巻締プラグの嵌合凹部に嵌合する嵌合凸部711~721と、アタッチメント側ピン取付部302(穴)に挿通されてボルト留めされるボルト留め凹部712~722と、頭部713~723と、を有している。
アタッチメント300に対する取り付け部である、ボルト留め凹部712~722及び頭部713~723については、各アタッチメントピン部材710~720で共通しており、嵌合凹部に対する嵌合部材である嵌合凸部711~721は、巻締プラグの種別に応じた形状をしている。
【0033】
上述のように、回転アーム201に取り付けたピン部材600を、巻締プラグの嵌合凹部に直接嵌合させることができる場合には、ピン部材600(巻締プラグの嵌合凹部に適合するピン部材610~620の何れかを選択)と嵌合凹部の嵌合による回転アームと巻締プラグの接続及び巻き装置のシャフトに対する取り付けを行い、回転工具を使用してばねの巻き締めを行う(
図3で説明したもの)。
一方、回転アーム201に取り付けたピン部材600を巻締プラグの嵌合凹部に直接嵌合させることができない場合には、アタッチメント300を介した回転アームと巻締プラグの接続及び巻き装置のシャフトに対する取り付けを行い、回転工具を使用してばねの巻き締めを行う。
なお、巻き装置のシャフトに対する取り付けにおいては、シャフトの太さに応じて、シャフトスペーサーが使用される。
【0034】
図10は、本実施形態のばねの巻き締めの施工方法の実施状況の一部(アタッチメント使用時の取り付け作業)を示す写真である。
図10(a)、(b)に示されるように、アタッチメント300のシャフト受入部304にシャフト105を通して、巻締プラグ108-2の直径方向の両端部の嵌合凹部1081に対してそれぞれ対向する位置に、アタッチメント側ピン取付部302を配する。
巻締プラグ108-2の嵌合凹部1081に適合するアタッチメントピン部材700(720)を選択して、これを、直径方向の両端部のアタッチメント側ピン取付部302及び嵌合凹部1081にそれぞれ挿通し、ボルト3022でこれを締結する。これにより、
図10(c)で示されるように、アタッチメント300が取り付けられる。
アタッチメント300が取り付けられたら、巻き装置200の取り付けを行う。巻き装置200の取り付けは、ピン部材600に替えて固定ピン500を使用し、その取り付け先が、巻締プラグの嵌合凹部であるか、アタッチメントのアタッチメント側嵌合凹部であるかの違いを除き、上記説明したものと同様である。これにより、
図11で示した取り付け状態となり、この状態で、回転工具を使用してばねの巻き締めを行う。
【0035】
なお、巻き装置200の取り付けの際に、分割歯車の中央の穴がシャフト105の径に対して大きい場合には、シャフトスペーサーをシャフト105に取り付けた上で、巻き装置200の取り付けを行う。これにより、ばねの巻き締め時に、巻き装置200の安定化が図られる。
シャフトスペーサーのシャフトへの取り付け時には、二つの半円状部材400の接合面が垂直方向となるようにするとよい。本実施形態の半円状部材400はマグネットによって接合されるものであるため、接合面を水平方向とすると、下部側の半円状部材400が取り付け作業中等において落下するおそれもあるが、接合面が垂直方向となるようにすることで、このような問題を低減することができる。
【0036】
以上のごとく、本実施形態によれば、開閉装置における開閉体の自重を補正するためのばねの巻き締めにおいて、作業の省力化を可能とするための巻き装置の適用範囲を拡大することができる。即ち、巻き装置200の本体については1台用意するだけで複数種類の開閉装置に対応することができ(複数タイプ対応巻き装置とすることができ)、コスト削減や、運搬等の作業の効率化が図られる。
【0037】
なお、本実施形態では、本発明に係るばねの巻き締めの施工方法の適用対象として、オーバーヘッドドアを例として説明したが、本発明の適用対象をこれに限るものではなく、シャッターに代表される、開閉体の上下方向の移動が行われる開閉装置であって、開閉体の自重による負荷を補正するための自重補正機構としてばねを使用し、当該ばねの巻き締めをするための巻締プラグを備える任意の開閉装置に適用することができる。
【0038】
本実施形態では、アタッチメント300のアタッチメントアーム301が、巻締プラグの直径方向の両端部の嵌合凹部(穴)に対してそれぞれ対向する位置に、アタッチメント側ピン取付部を配するものを例としたが、本発明をこれに限るものではない。アタッチメント300は、巻き装置の回転アームの回転力を、巻き締めプラグに伝達することができるものであればよく、アタッチメントアームは、少なくとも嵌合凹部とピン取付部の間で延在して、嵌合凹部に嵌合するアタッチメントピン部材を取り付けるアタッチメント側ピン取付部と、回転アームに取り付けられたピン部材と嵌合するアタッチメント側嵌合凹部とを有するものであればよい。
【0039】
本実施形態では、シャフトスペーサーが、「シャフトの径を調整するためにシャフトに取り付けられる」ものであるとして説明したが、巻き装置側での調整を行うことを除外するものではない。即ち、巻き装置のシャフトに取り付ける取り付け部分(分割歯車の中央の穴径)を調整するスペーサーとして、巻き装置側に先に取り付けられるものを除外するものではない。巻き装置側に取り付けられるスペーサーであっても、概念として、「シャフトの径を調整するシャフトスペーサー」と同一である。
また、本実施形態では、分割歯車の中心部の穴をシャフトの径に適合させるシャフトスペーサーについて説明したが、アタッチメントのシャフト受入部をシャフトの径に適合させるシャフトスペーサーも用いるものであってもよい。この際に、シャフトスペーサーのシャフトの軸線方向の寸法を長くすることで、1つのシャフトスペーサーで分割歯車とアタッチメントの両方に対応可能とするものであってもよい。
本実施形態では、シャフトの太さのバリエーションが2つであるものを例としているが、3つ以上のバリエーションがあり、このそれぞれに対して対応する複数のシャフトスペーサーを用いるものであってよい。
加えて、本実施形態では、2つの半円状の部材を接合することによって円筒状のシャフトスペーサーを構成するものを例としているが、3つ以上の分割部材を接合することによって円筒状のシャフトスペーサーを構成するもの等であってもよい。
【0040】
本実施形態では、ピン部材と固定ピンを別部材としているが、ピン部材の何れかを固定ピンとして使用(共用化)するものであってもよい。
固定ピンは、アタッチメントの使用時、即ち、より大きな巻締プラグに対して使用され、より大きな力が加わるものであるため、本実施形態では、各ピン部材よりも太い部材として形成されているものであるが、強度的に問題無い場合には、固定ピンをピン部材と共用化することにより、部品点数の削減をするもの等であってもよい。
【0041】
本実施形態では、アタッチメントが1つであるものを例としているが、本発明をこれに限るものではない。巻締プラグの種別が多く、1つのアタッチメントでは対応が難しい場合には、複数のアタッチメント(上記説明から理解される概念に基づく別のアタッチメント)を用意することで、これに対応させるものであってよい。
【符号の説明】
【0042】
100...開閉装置
101...開閉体
105...シャフト
106...ばね
108...巻締プラグ
1081...嵌合凹部
200...巻き装置
201...回転アーム
2011...ピン取付部
203...回転工具接続部
300...アタッチメント
301...アタッチメントアーム
3011...折り曲げ部
302...アタッチメント側ピン取付部
303...ピン受け部
3031...アタッチメント側嵌合凹部
304...シャフト受入部
400...半円状部材(シャフトスペーサー)
402...フランジ部
600...ピン部材
700...アタッチメントピン部材
T...回転工具