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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024069587
(43)【公開日】2024-05-21
(54)【発明の名称】接点構造
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/28 20060101AFI20240514BHJP
   H01R 24/76 20110101ALI20240514BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
H01R13/28
H01R24/76
H02J7/00 301B
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024043358
(22)【出願日】2024-03-19
(62)【分割の表示】P 2020033300の分割
【原出願日】2020-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(72)【発明者】
【氏名】千葉 浩司
(72)【発明者】
【氏名】久保木 孝
(72)【発明者】
【氏名】木村 武史
(72)【発明者】
【氏名】谷所 健司
(57)【要約】
【課題】第1電気機器と第2電気機器との接点不良の発生率を十分に低減すること。
【解決手段】第2端子38は、第1端子34に電気的に接続する接点用凸部38caと、接点用凸部38caよりも第2電気機器14の装着部16の開口側に位置しかつ第1端子34と接するクリーニング用凸部38cbと、を含む。接点構造10は、クリーニング用凸部38cbが第1端子34を相対的に乗り越える前において、接点用凸部38caが第1電気機器12の外殻18の表面及び第1端子34の表面に対して非接触な状態になるように構成されている。接点構造10は、クリーニング用凸部38cbが第1端子34を相対的に乗り越えると、接点用凸部38caが第1端子34の表面に接触するように構成されている。
【選択図】図4B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電気機器を第2電気機器の凹状の装着部に装着した状態で、前記第1電気機器と前記第2電気機器とを電気的に接続する接点構造であって、
前記第1電気機器は、
前記第1電気機器の外殻の表面に対し没入した位置に設けられた第1端子と、
前記外殻における前記第1端子の近傍に、前記第2端子のクリーニング用凸部を収容する収容部と、
を備え、
前記第2電気機器は、
前記第2電気機器の前記装着部の内壁側に設けられ、前記第1端子の表面に接触する第2端子
を備え、
前記第2端子は、板バネまたは線バネ形状により、前記第2電気機器の前記装着部の内方向に突出しかつ前記第1端子に電気的に接続する接点用凸部と、前記接点用凸部よりも前記第2電気機器の前記装着部の開口側に位置しかつ前記内方向に突出しかつ前記第1端子と接する前記クリーニング用凸部とを一体で含み、
前記第2電気機器に対する前記第1電気機器の装着方向の相対的な移動によって前記クリーニング用凸部が前記第1端子を相対的に乗り越える前において、前記クリーニング用凸部が前記第1電気機器の前記外殻または前記第1端子によって前記装着部の外方向に押されることで前記接点用凸部が前記外方向に移動して、前記第1電気機器の前記外殻の表面及び前記第1端子の表面に対して非接触な状態になるように構成され、前記クリーニング用凸部が前記第1端子を相対的に乗り越えて前記第1電気機器の前記収容部に収容されると、前記第2端子の板バネまたは線バネ形状の応力により前記接点用凸部が前記内方向へ移動して前記第1端子の表面に接触するように構成されている
接点構造。
【請求項2】
第1電気機器を第2電気機器の凹状の装着部に装着した状態で、前記第1電気機器と前記第2電気機器とを電気的に接続する接点構造であって、
前記第1電気機器は、
前記第1電気機器の外殻の表面に対し没入した位置に設けられた第1端子と、
前記外殻における前記第1端子の近傍に、前記第2端子のクリーニング用凸部を収容する収容部と、
を備え、
前記第2電気機器は、
前記第2電気機器の前記装着部の内壁側に設けられ、前記第1端子の表面に接触する第2端子、
を備え、
前記第2端子は、板バネまたは線バネ形状により、前記第2電気機器の前記装着部の内方向に突出しかつ前記第1端子に電気的に接続する接点用凸部と、前記接点用凸部よりも前記第2電気機器の前記装着部の開口側に位置しかつ前記内方向に突出しかつ前記第1端子と接する前記クリーニング用凸部とを一体で含み、
前記クリーニング用凸部が前記第1電気機器の前記外殻の表面または前記第1端子の表面に接触した状態において、前記クリーニング用凸部が前記第1電気機器の前記外殻または前記第1端子によって前記装着部の外方向に押されることで、前記接点用凸部が前記外方向に移動して、前記第1電気機器の前記外殻の表面及び前記第1端子の表面に対して非接触な状態になるように構成され、前記第2電気機器に対する前記第1電気機器の装着方向の相対的な移動によって前記クリーニング用凸部が前記第1電気機器の前記収容部に収容されることで前記第2端子の板バネまたは線バネ形状の応力により前記接点用凸部が前記内方向に移動して、前記第1端子の表面に接触するように構成されている
接点構造。
【請求項3】
前記第2電気機器に対する前記第1電気機器の前記装着方向の相対的な移動によって前記クリーニング用凸部が前記第1電気機器の前記外殻の表面に接触すると、前記接点用凸部が前記第2電気機器の前記外方向へ移動するように構成され、前記第2電気機器に対する前記第1電気機器の前記装着方向の相対的な移動によって前記クリーニング用凸部が前記第1端子を相対的に乗り越えると、前記接点用凸部が前記内方向へ移動して前記第1端子の表面に接触するように構成されている請求項1または2に記載の接点構造。
【請求項4】
前記第1電気機器の前記外殻の短手方向の両側面の先端側には係合溝がそれぞれ設けられ、
前記第2電気機器の前記装着部の左右両側の内壁に、前記係合溝に係合可能な係合ガイドが設けられている
請求項1または2に記載の接点構造。
【請求項5】
前記第1電気機器を前記第2電気機器の前記装着部に装着する前の状態において、前記クリーニング用凸部の突出量は、前記接点用凸部の突出量よりも大きく設定されている請求項1~4のうちのいずれか1項に記載の接点構造。





【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1電気機器を第2電気機器の凹状の装着部に装着した状態で、第1電気機器と第2電気機器を電気的に接続する接点構造に関する。
【背景技術】
【0002】
バッテリ等の第1電気機器と充電器等の第2電気機器を電気的に接続する一般的な接点構造は、第1電気機器の外殻に設けられた第1端子と、第2電気機器の装着部の内壁側に設けられかつ第1端子の表面に接触する第2端子とを備えている。第2端子は、第2電気機器の装着部の内方向に突出した凸部を含んでおり、凸部は、第1端子に電気的に接続するための接点としての機能の他に、第1端子及び第2端子をクリーニングするための機能を有している。
【0003】
従って、第1電気機器を第2電気機器の装着部に装着する際に第2端子の凸部と、第1端子の表面との擦り合いによって、第1端子の表面等に付着したゴミ、埃等の汚れを掻き出すことができる。これにより、第1端子等をクリーニングした状態で、第1電気機器と第2電気機器を電気的に接続することができ、第1電気機器と第2電気機器との接点不良(接触不良)を抑えることができる。
【0004】
なお、本発明に関連する先行技術として特許文献1に示すものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3124613号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、一般的な接点構造においては、第2端子の凸部と第1端子の表面との擦り合いによって掻き出された汚れが第2端子の凸部の周辺に溜まることある。このような場合には、クリーニングによる第1電気機器と第2電気機器との接点不良が発生するという問題がある。
【0007】
一方、特許文献1に記載の接点構造においては、第2電気機器の装着部の内壁側に凸部を含む第2端子を設ける他に、第1端子をクリーニングするためのクリーニング用凸部を含む弾性片を設けている。クリーニング用凸部は、第2端子の凸部よりも第2電気機器の装着部の開口側に位置しており、第2電気機器の装着部の内方向に突出している。そのため、第2端子の凸部が第1端子の表面に接触する前に、弾性片のクリーニング用凸部と第1端子の表面との擦り合いによって、第1端子の表面に付着した汚れを掻き出すことができる。これにより、第2端子の凸部と第1端子の表面との擦り合いによって掻き出される汚れを減らして、クリーニングによる第1電気機器と第2電気機器との接点不良の発生を抑えることができる。
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載の接点構造においては、第1電気機器を第2電気機器の装着部に装着する際に、第2端子の凸部が第1電気機器の外殻(第1外殻)の表面に接触して、第2端子の凸部に汚れが付着することがある。このような場合には、第2端子の凸部と第1電気機器の外殻の接触による第1電気機器と第2電気機器との接点不良が発生するという問題がある。
【0009】
そこで、本発明は、第1電気機器と第2電気機器との接点不良の発生率を十分に低減することができる、新規な接点構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1実施態様は、第1電気機器を第2電気機器の凹状の装着部に装着した状態で、前記第1電気機器と前記第2電気機器とを電気的に接続する接点構造(端子構造)であって、前記第1電気機器の外殻の表面に対し没入した位置に設けられた第1端子と、前記第2電気機器の前記装着部の内壁側に設けられ、前記第1端子の表面に接触する第2端子とを備える。前記第2端子は、板バネまたは線バネで構成され、前記第2電気機器の前記装着部の内方向に突出しかつ前記第1端子に電気的に接続する接点用凸部と、前記接点用凸部よりも前記第2電気機器の前記装着部の開口側に位置しかつ前記内方向に突出しかつ前記第1端子と接するクリーニング用凸部とを含む。前記接点構造は、前記第2電気機器に対する前記第1電気機器の装着方向の相対的な移動によって前記クリーニング用凸部が前記第1端子を相対的に乗り越える前において、前記クリーニング用凸部が前記第1電気機器の前記外殻または前記第1端子によって前記装着部の外方向に押されることで前記接点用凸部が前記外方向に移動して、前記第1電気機器の前記外殻の表面及び前記第1端子の表面に対して非接触な状態になるように構成されている。前記接点構造は、前記クリーニング用凸部が前記第1端子を相対的に乗り越えると、前記クリーニング用凸部が前記第1電気機器の前記外殻または前記第1端子によって押されなくなることで前記接点用凸部が前記第1端子の表面に接触するように構成されている。
【0011】
第2実施態様は、第1電気機器を第2電気機器の凹状の装着部に装着した状態で、前記第1電気機器と前記第2電気機器を電気的に接続する接点構造(端子構造)であって、前記第1電気機器の外殻の表面に対し没入した位置に設けられた第1端子と、前記第2電気機器の前記装着部の内壁側に設けられ、前記第1端子の表面に接触する第2端子とを備える。前記第2端子は、板バネまたは線バネで構成され、前記第2電気機器の前記装着部の内方向に突出しかつ前記第1端子に電気的に接続する接点用凸部と、前記接点用凸部よりも前記第2電気機器の前記装着部の開口側に位置しかつ前記内方向に突出しかつ前記第1端子と接するクリーニング用凸部とを含む。前記接点構造は、前記クリーニング用凸部が前記第1電気機器の前記外殻の表面または前記第1端子の表面に接触した状態において、前記クリーニング用凸部が前記第1電気機器の前記外殻または前記第1端子によって前記装着部の外方向に押されることで、前記接点用凸部が前記外方向に移動して、前記第1電気機器の前記外殻の表面及び前記第1端子の表面に対して非接触な状態になるように構成されている。前記接点構造は、前記第2電気機器に対する前記第1電気機器の装着方向の相対的な移動によって前記クリーニング用凸部が前記接触した状態から非接触な状態に切り替わると、前記クリーニング用凸部が前記第1電気機器の前記外殻または前記第1端子によって押されなくなることで前記接点用凸部が前記内方向に移動して、前記第1端子の表面に接触するように構成されている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、第1電気機器と第2電気機器との接点不良の発生率を十分に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本実施形態に係る接点構造の接続対象であるバッテリと充電器の正面斜視図である。
図2図2は、本実施形態に係る接点構造の接続対象であるバッテリと充電器の背面斜視図である。
図3A図3Aは、本実施形態に係る接点構造の一部を含む充電器の平面図である。
図3B図3Bは、バッテリを充電器の装着部に装着した状態の平面図である。
図4A図4Aは、図3AにおけるIVA-IVA線に沿った端面図である。
図4B図4Bは、図3BにおけるIVB-IVB線に沿った端面図であり、図4Bにおいてバッテリの一部は外観を図示している。
図5A図5Aは、バッテリを充電器の装着部に装着する様子を示す端面図である。図5A(a)は、クリーニング用凸部がバッテリ外殻の表面に接触する前の様子を示しており、図5A(b)は、クリーニング用凸部がバッテリ外殻の表面に接触する様子を示している。図5Aにおいてバッテリの一部は外観を図示している。
図5B図5Bは、バッテリを充電器の装着部に装着する様子を示す端面図である。図5B(a)は、クリーニング用凸部がバッテリ端子の表面に接触する様子を示しており、図5B(a)は、クリーニング用凸部がバッテリの収容部に収容される直前の様子を示している。図5Bにおいてバッテリの一部は外観を図示している。
図5C図5Cは、バッテリを充電器の装着部に装着された様子を示す端面図である。図5Cにおいてバッテリの一部は外観を図示している。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本実施形態について、図1から図5Cを参照して説明する。
【0015】
なお、本願の明細書及び特許請求の範囲において、「装着方向」とは、第1電気機器を第2電気機器の凹状の装着部に装着させるための方向である。「装着部の内方向」とは、装着部の中心に接近する方向のことをいう。「装着部の外方向」とは、装着部の中心から離隔する方向のことをいい、第2電気機器の装着部の内方向の反対方向ことである。図面中、「FF」は前方向、「FR」は後方向、「L」は左方向、「R」は右方向、「U」は上方向、「D」は下方向をそれぞれ指している。
【0016】
図1から図4Bに示すように、本実施形態に係る接点構造10は、第1電気機器としてのバッテリ12を第2電気機器としての充電器14の凹状の装着部16に装着した状態で、バッテリ12と充電器14を電気的に接続する構造である。そして、接点構造10の具体的な構成について説明する前に、バッテリ12及び充電器14の構成のうち、接点構造10に関連する構成以外の構成について簡単に説明する。
【0017】
バッテリ12は、携帯無線機の無線機本体(図示省略)に着脱可能に取付けられる電気機器であって、前述のように第1電気機器の一例である。バッテリ12は、第1外殻として上下方向に延びたバッテリ外殻(バッテリ筐体)18を備えており、バッテリ外殻18は、例えば合成樹脂等からなる。また、バッテリ外殻18には、リチウムイオン二次電池等の二次電池(図示省略)が内蔵されている。バッテリ外殻18の内部には、サーミスタ(図示省略)及び判別用抵抗(図示省略)が設けられている。更に、バッテリ外殻18の短手方向の両側面の先端側には、バッテリ外殻18の長手方向に延びた係合溝20がそれぞれ設けられている。
【0018】
充電器14は、バッテリ12を充電する電気機器であって、前述のように第2電気機器の一例である。充電器14は、第2外殻として筐体状の充電器外殻22(充電器筐体)を備えており、充電器外殻22は、例えば合成樹脂等からなる。充電器外殻22は、矩形状の底プレート24と、底プレート24の上側に設けられたカバーケース26とを有している。カバーケース26の中央部には、前述のように凹状の装着部16が形成されており、装着部16の平面視形状は、略矩形状になっている。
【0019】
充電器外殻22の内部には、回路基板28が設けられており、回路基板28には、バッテリ12を充電するための充電制御回路(図示省略)が実装されている。充電器外殻22の前側後側の適宜位置には、入力コネクタ30が設けられており、入力コネクタ30は、ACアダプタ(図示省略)の電源ケーブル(図示省略)が接続される。充電器14には、ACアダプタを介してDC電源が供給される。また、バッテリ12を充電器14の装着部16の所定位置にセットするために、充電器14(カバーケース26)の装着部16の左右両側の内壁には、バッテリ外殻18の係合溝20に係合可能な係合ガイド32がそれぞれ設けられており、各係合ガイド32は、上下方向に延びている。
【0020】
続いて、本実施形態に係る接点構造10の具体的な構成について説明する。
【0021】
図1から図4Bに示すように、バッテリ外殻18の下端側には、複数の第1端子として4つのバッテリ端子34がバッテリ12の短手方向に沿って間隔を置いて設けられている。各バッテリ端子34は、平坦な金属片からなり、バッテリ外殻18の表面に対して没入している。4つのバッテリ端子34は、正極端子341、負極端子342、S端子(電池判別端子)343、T端子(温度検出端子)344である。正極端子341は、二次電池の正極に接続されており、負極端子342は、二次電池の負極に接続されている。S端子343は、判別用抵抗に接続されており、T端子344は、サーミスタに接続されている。なお、バッテリ外殻18の表面における各バッテリ端子34の近傍には、各バッテリ端子34の種類を指示する指示マーク36が付されている。
【0022】
回路基板28には、複数のバッテリ端子34にそれぞれ接触する複数の第2端子として4つの充電端子38が左右方向に間隔を置いて実装されている。各充電端子38は、充電器14の装着部16の後側の内壁に形成された各切欠部40を介して装着部16の内方向に突出している。換言すれば、充電器14の装着部16の後側の内壁側には、複数の第2端子として4つの充電端子38が左右方向に間隔を置いて設けられている。4つの充電端子38は、正極端子381、負極端子382、S端子383、T端子384である。正極端子381は、充電制御回路に接続されており、バッテリ12の正極端子341の表面に接触可能である。負極端子382は、接地電位に接続されており、バッテリ12の負極端子342の表面に接触可能である。S端子383は、バッテリ12のS端子343の表面に接触可能であり、T端子384は、バッテリ12のT端子344の表面に接触可能である。なお、充電器14の装着部16の底面における各充電端子38の近傍には、各充電端子38の種類を指示する指示マーク42が付されている。
【0023】
図4A及び図4Bに示すように、各充電端子38は、板バネからなり、回路基板28に実装された立ち上がり部38aと、各立ち上がり部38aの上端部に連続して形成された曲がり部38bと、各曲がり部38bに連続して形成された折り返し部38cを有している。各立ち上がり部38aは、カバーケース26のリブ部26rに圧接している。各折り返し部38cは、各曲がり部38b側の変形中心Acを中心として装着部16の内方向及び外方向へ弾性変形可能である。バッテリ12を充電器14の装着部16に装着する前の状態において、各折り返し部38cの下端部(先端部)は、各切欠部40の下縁部に圧接している。なお、各充電端子38が板バネからなる代わりに、線バネからなるようにしてもよい。
【0024】
各折り返し部38cは、 各バッテリ端子34に電気的に接続する接点用凸部38caを含んでおり、各接点用凸部38caは、充電器14の装着部16の内方向に山形状に突出している。各折り返し部38cは、各バッテリ端子34及び各充電端子38をクリーニングするクリーニング用凸部38cbを含んでおり、各クリーニング用凸部38cbは、各バッテリ端子34及び各充電端子38と接(接触)する。各クリーニング用凸部38cbは、各接点用凸部38caよりも充電器14の装着部16の開口側(装着部16の底面に遠い側)に位置しており、充電器14の装着部16の内方向に山形状に突出している。そして、バッテリ12を充電器14の装着部16に装着する前の状態において、各クリーニング用凸部38cbの突出量は、各接点用凸部38caの突出量よりも大きく設定されている。
【0025】
図2及び図4Bに示すように、バッテリ外殻18における充電端子38バッテリ端子34の近傍には、複数のクリーニング用凸部38cbを収容する凹状(溝状)の収容部44が形成されており、収容部44は、バッテリ12の短手方向に延びている。なお、バッテリ外殻18に1つの凹状の収容部44を形成する代わりに、複数のクリーニング用凸部38cbをそれぞれ収容する複数の凹状の収容部(図示省略)を形成してもよい。収容部44が複数のクリーニング用凸部38cbを収容することができれば、凹状の代わりに、段差状等の他の形状に形成してもよい。
【0026】
図5A及び図5Bに示すように、接点構造10は、充電器14に対するバッテリ12の装着方向PBの相対的な移動によって各クリーニング用凸部38cbがバッテリ外殻18の表面に接触すると、各接点用凸部38caが各充電端子38の折り返し部38cの弾性力に抗して充電器14の装着部16の外方向へ移動するように構成されている。また、接点構造10は、充電器14に対するバッテリ12の装着方向PBの相対的な移動によって各クリーニング用凸部38cbが各バッテリ端子34を相対的に乗り越える前において、各接点用凸部38caがバッテリ外殻18の表面及び各バッテリ端子34の表面に対して非接触な状態になるように構成されている。換言すれば、接点構造10は、各クリーニング用凸部38cbがバッテリ外殻18の表面または各バッテリ端子34の表面に接触した状態において、各接点用凸部38caがバッテリ外殻18の表面及び各バッテリ端子34の表面に対して非接触な状態になるように構成されている。
【0027】
図5B及び図5Cに示すように、接点構造10は、各クリーニング用凸部38cbが各バッテリ端子34を相対的に乗り越えてバッテリ12の収容部44に収容されると、各接点用凸部38caが各充電端子38の折り返し部38cの弾性力によって充電器14の装着部16の内方向へ移動して各バッテリ端子34の表面に接触するように構成されている。換言すれば、接点構造10は、充電器14に対するバッテリ12の装着方向PBの相対的な移動によって各クリーニング用凸部38cbが前記接触した状態から前記非接触な状態に切り替わると、各接点用凸部38caが各バッテリ端子34の表面に接触するように構成されている。
【0028】
続いて、本実施形態の作用効果について説明する。
【0029】
前述のように、各充電端子38の折り返し部38cは、各バッテリ端子34に電気的に接続する接点用凸部38caの他に、各バッテリ端子34及び各充電端子38をクリーニングするクリーニング用凸部38cbを含んでいる。各クリーニング用凸部38cbは、各接点用凸部38caよりも充電器14の装着部16の開口側に位置している。そのため、各充電端子38の接点用凸部38caが各バッテリ端子34の表面に接触する前に、各充電端子38のクリーニング用凸部38cbと各バッテリ端子34の表面との擦り合いによって、各バッテリ端子34の表面等に付着したゴミ、埃等の汚れを掻き出すことができる。これにより、各充電端子38の接点用凸部38caと各バッテリ端子34の表面との擦り合いによって掻き出される汚れを減らして、クリーニングによるバッテリ12と充電器14との接点不良の発生を抑えることができる。
【0030】
また、前述のように、接点構造10は、充電器14に対するバッテリ12の装着方向PBの相対的な移動によって各クリーニング用凸部38cbがバッテリ外殻18の表面に接触すると、各接点用凸部38caが充電器14の装着部16の外方向へ移動するように構成されている。接点構造10は、各クリーニング用凸部38cbが各バッテリ端子34を相対的に乗り越える前において、各接点用凸部38caがバッテリ外殻18の表面及び各バッテリ端子34の表面に対して非接触な状態になるように構成されている。接点構造10は、各クリーニング用凸部38cbが各バッテリ端子34を相対的に乗り越えてバッテリ12の収容部44に収容されると、各接点用凸部38caが各バッテリ端子34の表面に接触するように構成されている。そのため、各充電端子38の接点用凸部38caが各バッテリ12のバッテリ外殻18の表面に接触することなく、各バッテリ端子34の表面に接触することができる。これにより、各充電端子38の接点用凸部38caとバッテリ12のバッテリ外殻18の接触によるバッテリ12と充電器14との接点不良の発生を防止することができる。
【0031】
従って、本実施形態によれば、バッテリ12と充電器14との接点不良の発生率を大幅に低減することができる。
【0032】
なお、本発明は、前述の実施形態の説明に限るものでなく、例えば、接点構造10に適用した技術的思想を、バッテリ12以外の第1電気機器と充電器14以外の第2電気機器を電気的に接続する接点構造に適用する等、様々な態様で実施可能である。また、本発明に包含される権利範囲は、バッテリ12と充電器14を電気的に接続する接点構造10だけでなく、バッテリ12以外の第1電気機器と充電器14以外の第2電気機器を電気的に接続する接点構造にも及ぶものである。
【符号の説明】
【0033】
10 接点構造
12 バッテリ(第1電気機器)
14 充電器(第2電気機器)
16 装着部
18 バッテリ外殻(第1外殻)
20 係合溝
22 充電器外殻(第2外殻)
24 底プレート
26 カバーケース
26r リブ部
28 回路基板
30 入力コネクタ
32 係合ガイド
34 バッテリ端子(第1端子)
34 正極端子(第1端子)
34 負極端子(第1端子)
34 S端子(第1端子)
34 T端子(第1端子)
36 指示マーク
38 充電端子(第2端子)
38 正極端子(第2端子)
38 負極端子(第2端子)
38 S端子(第2端子)
38 T端子(第2端子)
38a 立ち上がり部
38b 曲がり部
38c 折り返し部
38ca 接点用凸部
38cb クリーニング用凸部
40 切欠部
42 指示マーク
44 収容部
Ac 変形中心
PB 装着方向
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C