(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024069602
(43)【公開日】2024-05-21
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/34 20120101AFI20240514BHJP
【FI】
G06Q50/34
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024043916
(22)【出願日】2024-03-19
(62)【分割の表示】P 2020031640の分割
【原出願日】2020-02-27
(71)【出願人】
【識別番号】500033117
【氏名又は名称】株式会社MIXI
(72)【発明者】
【氏名】栗山 幸介
(72)【発明者】
【氏名】松本 雅矩
(72)【発明者】
【氏名】小牧 信貴
(57)【要約】
【課題】競技に対して複数の投票価値を利用できる場合に、投票者が、一つの投票価値だけでなく、他の投票価値も利用する動機付けを向上させる。
【解決手段】投票対象に対して投票が可能な競技に対する投票を受け付ける情報処理装置10は、競技に投票する投票者から、第1価値を投票価値として使用する第1種投票又は第2価値を投票価値として使用する第2種投票の少なくともいずれかを受け付ける受付部111と、受付部111が第1種投票を受け付けるとともに第2種投票を受け付けた場合に、受付部111が第1種投票を受け付けて第2種投票を受け付けていない場合よりも大きな特典を投票者に付与する特典付与部112と、を有する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
投票対象に対して投票が可能な競技に対する投票を受け付ける情報処理装置であって、
前記競技に投票する投票者から、第1価値を投票価値として使用する第1種投票又は第2価値を投票価値として使用する第2種投票の少なくともいずれかを受け付ける受付部と、
前記受付部が前記第1種投票を受け付けるとともに前記第2種投票を受け付けた場合に、前記受付部が前記第1種投票を受け付けて前記第2種投票を受け付けていない場合よりも大きな特典を前記投票者に付与する特典付与部と、
を有する情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
競輪、競馬又は競艇等の投票が行われる各種の競技における投票を携帯端末により行うことができるシステムが知られている。特許文献1には、投票者が携帯端末を用いて投票券を購入することができるシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
投票の経験が少ない投票者(以下、「投票初心者」という。)にとっては、賭け金を投じて投票することに対する敷居が高い。そこで、投票初心者が賭け金を投じることなく投票できるようにすることも考え得るが、競技運営者にとっては、賭け金が投じられないと事業収益を上げることができない。そこで、投票初心者が投票をしやすくするとともに、競技運営者が事業収益を上げられるようにすることが求められている。このように、競技に対して複数の投票価値を利用できる場合に、投票者が、一つの投票価値だけでなく、他の投票価値も利用する動機付けを向上させる仕組みが求められている。
【0005】
そこで、本発明は、競技に対して複数の投票価値を利用できる場合に、投票者が、一つの投票価値だけでなく、他の投票価値も利用する動機付けを向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る情報処理装置は、投票対象に対して投票が可能な競技に対する投票を受け付ける情報処理装置であって、前記競技に投票する投票者から、第1価値を投票価値として使用する第1種投票又は第2価値を投票価値として使用する第2種投票の少なくともいずれかを受け付ける受付部と、前記受付部が前記第1種投票を受け付けるとともに前記第2種投票を受け付けた場合に、前記受付部が前記第1種投票を受け付けて前記第2種投票を受け付けていない場合よりも大きな特典を前記投票者に付与する特典付与部と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、競技に対して複数の投票価値を利用できる場合に、投票者が、一つの投票価値だけでなく、他の投票価値も利用する動機付けを向上できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態に係る投票システムのシステム構成の一例を示す図である。
【
図2】情報処理装置のハードウェア構成例を示す図である。
【
図4】プロセッサの機能ブロック構成例を示す図である。
【
図5】端末に表示される画面の一例を示す図である。
【
図6】投票種別及び投票方式が選択された後に端末に表示される画面の一例を示す 図である。
【
図7】投票種別及び投票方式が選択された後に端末に表示される画面の一例を示す 図である。
【
図8】プロセッサの処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<システム構成>
図1は、本実施形態に係る投票システム1のシステム構成の一例を示す図である。
図1に示す投票システム1は、情報処理装置10と、1以上の端末20とを備える。情報処理装置10及び端末20は、インターネット、イントラネット、無線LAN、又は移動通信網等の通信ネットワークNを介して互いに通信可能に接続されている。
【0010】
情報処理装置10は、投票対象に対して投票が可能な競技に対する投票を受け付ける装置である。具体的には、情報処理装置10は、端末20を使用する投票者が、競輪、競馬及び競艇等の競技において、競技に勝つと予想した投票対象の競技者に投票するための支援をする装置である。投票対象は、投票者が所定価値を投票する対象であり、投票対象の候補となる競技体(競技者、競技車体、又は動物を含む)のうち、勝利すると投票者が予想する競技者と投票方式(すなわち賭式)との組み合わせにより定められる。
【0011】
投票の対象となる競技が競輪である場合、投票対象は、例えば「1着が5番、2着が3番の2連単」又は「1番、2番及び5番の選手を選択する3連複」である。なお、2連単とは、1着と2着の競技者を着順どおりに予想することであり、3連複とは、着順を問わずに1着から3着までに入る競技者を予想することである。
【0012】
所定価値は、金銭であってもよく、所定のサービス又はゲームで利用可能なポイント等であってもよい。また、ポイントは、投票者が無償で受け取ることが可能なポイント(無償ポイント)であってもよく、金銭の支払と引き換えに受け取ることが可能なポイント(有償ポイント)であってもよい。
【0013】
情報処理装置10は、例えば1又は複数の物理的なサーバから構成されている。情報処理装置10は、ハイパーバイザー(hypervisor)上で動作する仮想的なサーバを用いて構成されていてもよく、クラウドサーバを用いて構成されていてもよい。
【0014】
端末20は、投票する投票者が利用する端末であり、例えば、携帯電話(スマートフォンを含む)、タブレット端末又はパーソナルコンピュータ等の情報処理端末である。投票者は、端末20を操作することで投票対象に投票することができる。端末20は、投票対象の入力を投票者から受け付けると、端末20を使用する投票者を識別するための投票者識別情報(以下、「投票者ID」という。)に関連付けて、投票対象を示す情報を情報処理装置10に送信する。
【0015】
情報処理装置10は、端末20を使用する投票者が投票した投票対象を記憶する処理、投票者が所有する価値の大きさを記憶する処理、及び競技の結果に応じた報酬額(すなわち払い戻し額)を決定する処理等を実行する。
【0016】
投票システム1を利用する投票者は、所定価値として第1価値及び第2価値のいずれか一方、又は第1価値及び第2価値の両方を用いて競技者に投票することができる。第1価値は、投票の経験が少ない投票者が第2価値よりも投票に用いやすい価値である。
【0017】
第1価値は、例えば金銭との交換ができない価値であり、第2価値は金銭又は金銭と交換できる価値である。投票者は、勝つと予想した競技者に対して第1価値を投票してもよく、第2価値を投票してもよい。例えば、第1価値を用いて投票した結果、投票内容が的中した場合には、投票内容に対応するオッズと、投票した第1価値とに基づいて第1払戻価値が決定される。また、第2価値を用いて投票した結果、投票内容が的中した場合には、投票内容に対応するオッズと、投票した第2価値とに基づいて第2払戻価値が決定される。ここで、第1払戻価値と第2払戻価値とはそれぞれ相違する価値である。また、投票内容に対するオッズは、第2価値に基づく全投票者の投票内容に基づき決定されるものとしてよい。
【0018】
第1価値は、例えば、端末20を用いて投票した経験が所定の回数以内である投票初心者に対して情報処理装置10が無償で付与するポイントである。一例として、第1価値は、金銭価値と交換することなく投票者が獲得する価値であり、投票システム1を使用するために投票者がログインする際に付与されるボーナスポイントである。一方、第2価値は、金銭価値と交換することにより投票者が獲得する価値であり、投票者が例えば電子マネー又はクレジットカードによる決済によって購入した価値である。
【0019】
第1価値が、競技におけるオッズの算出に用いられない価値であり、第2価値が、競技におけるオッズの算出に用いられる価値であってもよい。この場合、投票初心者が第1価値を用いて投票した内容が、第2価値を用いて投票した内容に基づいて定められるオッズに影響しないので、投票者が気楽に投票を試すことができる。
【0020】
投票システム1は、競技への投票の経験が少ない投票初心者が第1価値を用いて投票することにより、競技に投票することを経験しやすくするとともに、第2価値も用いて投票をする投票者に対して、第2価値を用いた投票をしない投票者よりも大きな特典を付与することを特徴としている。ここで、特典が大きいとは、投票者に対して価値を直接付与することだけでなく、投票者の投票内容が的中した場合の報酬額を増額したり、投票内容が的中する可能性を増加させたりすることを含む。
【0021】
例えば、情報処理装置10は、投票者が競技に対して第2価値を用いて投票している場合には、第2価値を用いて投票していない場合よりも、投票者の同じ投票内容に対して付与する第1払戻価値を大きくすることとしてよい。また例えば、情報処理装置10は、投票者が競技に対して第2価値を用いて投票している場合には、第2価値を用いて投票していない場合に付与される第1払戻価値に加えて、異なる第3価値を付与することとしてもよい。投票システム1がこのような特徴を有することで、投票初心者が投票をしやすくするとともに、投票者が第2価値を用いた投票もするように動機づけられるので、競技運営者が事業収益を上げられるようになる。
以下、情報処理装置10及び端末20の構成及び動作を詳細に説明する。
【0022】
<ハードウェア構成>
図2は、情報処理装置10のハードウェア構成例を示す図である。情報処理装置10は、プロセッサ11、記憶部12、通信IF(Interface)13、入力デバイス14、及び出力デバイス15を有する。
【0023】
プロセッサ11は、例えばCPU(Central Processing Unit)又はGPU(Graphical
Processing Unit)であり、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより各種の機能を実現する。
【0024】
記憶部12は、メモリ、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の記憶媒体を有する。記憶部12は、プロセッサ11が実行するプログラムを記憶する。また、記憶部12は、投票者が選択した投票対象、投票額(すなわち賭け額)、及び投票に用いた所定価値の種別などを、投票者IDに関連付けて記憶する。
【0025】
通信IF13は、ネットワークNを介して端末20との間で有線通信又は無線通信を行うための通信コントローラを有する。通信IF13は、端末20から受信したデータをプロセッサ11に通知する。また、通信IF13は、プロセッサ11から入力されたデータを端末20に送信する。
【0026】
入力デバイス14は、例えば情報処理装置10の管理者から入力操作を受け付ける。入力デバイス14は、例えば、キーボード、タッチパネル、マウス又はマイクである。出力デバイス15は、例えば情報処理装置10の管理者に対して情報を出力する。出力デバイス15は、例えば、ディスプレイ又はスピーカ等である。
【0027】
図3は、端末20のハードウェア構成例を示す図である。端末20は、プロセッサ21、記憶部22、通信IF23、入力デバイス24、及び出力デバイス25を有する。
【0028】
プロセッサ21は、例えばCPUであり、記憶部22に記憶されたプログラムを実行することにより各種の機能を実現する。
【0029】
記憶部22は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等の記憶媒体を有する。記憶部22は、プロセッサ21が実行するプログラムを記憶する。
【0030】
通信IF23は、ネットワークNを介して情報処理装置10との間で有線通信又は無線通信を行うための通信コントローラを有する。通信IF23は、情報処理装置10から受信したデータをプロセッサ21に通知する。また、通信IF23は、プロセッサ21から入力されたデータを情報処理装置10に送信する。
【0031】
入力デバイス24は、例えば投票者から入力操作を受け付ける。入力デバイス24は、例えば、キーボード、タッチパネル、マウス又はマイクである。出力デバイス25は、例えば投票者に対して情報を出力する。出力デバイス25は、例えば、ディスプレイ又はスピーカである。
【0032】
<機能ブロック構成>
図4は、プロセッサ11の機能ブロック構成例を示す図である。プロセッサ11は、受付部111と、特典付与部112と、報酬決定部113とを有する。プロセッサ11は、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、受付部111、特典付与部112及び報酬決定部113として機能する。
【0033】
受付部111は、競技に投票する投票者から、第1価値を投票価値として使用する第1種投票、又は第2価値を投票価値として使用する第2種投票の少なくともいずれかを受け付ける。受付部111は、例えば、金銭と交換できない第1価値を投票価値として使用する第1種投票、又は金銭若しくは金銭と交換可能な第2価値を投票価値として使用する第2種投票の少なくともいずれかを受け付ける。受付部111は、例えば、第1種投票及び第2種投票の少なくともいずれかを選択することができる画面を端末20に表示させ、端末20において投票者が選択した種別の投票を受け付ける。
【0034】
図5は、端末20に表示される画面の一例を示す図である。端末20においては、プロセッサ21が、記憶部22に記憶されたプログラムを実行することにより、又は受付部111からの指示に基づいて、
図5に示す画面を出力デバイス25に表示させる。
【0035】
図5に示す画面においては、予め無料で投票者に付与された第1価値であるポイントを用いる第1種投票である「ポイント投票」を選択するための操作用画像251、及び第2価値である金銭を用いる第2種投票である「金銭投票」を選択するための操作用画像252が表示されている。投票者は、「ポイント投票」若しくは「金銭投票」の一方、又は「ポイント投票」及び「金銭投票」の両方を選択することができる。
【0036】
図5に示す画面においては、ポイント投票及び金銭投票のそれぞれに関連付けて、投票方式を指定するための操作用画像253及び操作用画像254が表示されている。プロセッサ21は、「ポイント投票」及び「金銭投票」のうち、選択された投票種別に関連付けられた投票方式のみを操作できる状態で表示してもよい。
【0037】
図6及び
図7は、投票種別及び投票方式が選択された後に端末20に表示される画面の例を示す図である。
図6は、投票種別として「ポイント投票」が選択され、投票方式として3連単が選択された後に表示される画面を示している。
図7は、投票種別として「金銭投票」が選択され、投票方式として2車複が選択された後に表示される画面を示している。
【0038】
図6に示すように、プロセッサ21は、「ポイント投票」が選択された場合、ポイント表示領域255に、投票者が使用可能なポイント数を出力デバイス25に表示させる。また、プロセッサ21は、予想内容を入力するための画像を予想入力領域256に表示させる。
図6は、3番、5番、1番の順に予想内容が入力された例を示している。予想入力領域256には、入力された予想内容に対応するオッズが12.5倍であることも示されている。
【0039】
プロセッサ21は、賭けるポイント数を入力するための画像を賭け数入力領域257に表示させる。
図6は、1000ポイントが賭け数として入力された例を示している。
【0040】
プロセッサ21は、
図5に示す画面において投票者が「金銭投票」も選択している場合、「金銭投票」の賭け金を設定するための画面を表示させるための操作画像「次へ」を表示させる。投票者により「次へ」の操作画像が選択されると、プロセッサ21は
図7の画面を出力デバイス25に表示させる。
【0041】
図7に示す「金銭投票」画面においても、
図6に示した「ポイント投票画面」と同様に、プロセッサ21は、予想内容を入力するための画像を予想入力領域258に表示させる。また、プロセッサ21は、賭け金を入力するための画像を賭け金入力領域259に表示させる。
【0042】
受付部111は、
図5から
図7に示した画面において入力された各種の情報を端末20から取得し、端末20を使用する投票者を識別するための投票者IDに関連付けて、取得した情報を記憶部12に記憶させる。具体的には、受付部111は、投票者が投票に使用する価値の種類、投票方式、投票対象、及び賭けポイント数若しくは賭け金を投票者IDに関連付けて記憶部12に記憶させる。
【0043】
特典付与部112は、投票者に付与する特典の内容を決定する。詳細については後述するが、特典は、例えば、投票者が次回の競技において使用可能なポイント、又は金銭若しくは物品と交換が可能なポイント等のように、投票者の利益になる価値である。特典付与部112は、投票者に付与した特典を、投票者IDに関連付けて記憶部12に記憶させる。
【0044】
報酬決定部113は、投票者による投票の結果が的中した場合に投票者に対して支払う報酬の大きさを決定する。報酬決定部113は、決定した報酬の大きさを投票者IDに関連付けて記憶部12に記憶させる。
【0045】
<特典の付与>
本実施形態に係る特典付与部112は、投票者が第1種投票及び第2種投票のうち、どの種別の投票を選択するかによって、投票者に対して異なる特典を付与することを特徴としている。特典付与部112は、受付部111が第1種投票を受け付けるとともに第2種投票を受け付けた場合に、受付部111が第1種投票を受け付けて第2種投票を受け付けていない場合よりも大きな特典を投票者に付与する。
図5に示した例の場合、特典付与部112は、
図5に示す画面において投票者が「ポイント投票」とともに「金銭投票」も選択した場合に、投票者が「ポイント投票」のみを選択した場合よりも大きな特典を付与する。
【0046】
特典付与部112は、受付部111が第1種投票を受け付けるとともに第2種投票を受け付けた場合に、特典の一例として、受付部111が第1種投票を受け付けて第2種投票を受け付けていない場合よりも、投票の結果が的中したと判定される競技の結果のパターンである的中パターンを増加させる。的中パターンは、競技の結果が投票対象と一致したと判定される競技の結果のパターンであり、投票対象と一致したと判定される少なくとも一部の競技者の順位により定められる。特典付与部112は、第1種投票及び第2種投票の両方の的中パターンを増加させてもよいが、競技の運営事業への影響を与えないように、特典付与部112は、第1種投票の的中パターンを増加させ、第2種投票の的中パターンを増加させないようにしてもよい。
【0047】
特典付与部112は、例えば、投票者が「ポイント投票」とともに「金銭投票」も選択した場合に、前後賞を特典として付与する。前後賞は、例えば、「ポイント投票」の的中パターンの一つとして類似パターンを含めるように、投票対象が競技結果と完全に一致しないにもかかわらず金銭的価値又は非金銭的価値が投票者に付与される賞である。類似パターンは、例えば、投票対象に含まれる1つの競技者の順位が1つだけ異なる結果になった場合、投票対象に含まれる競技者の1つが他の競技者であった場合等のように、投票者が決定した投票対象との類似度が予め設定された範囲の競技結果のパターンである。
【0048】
特典付与部112は、投票者が「ポイント投票」とともに「金銭投票」も選択した場合に、「ポイント投票」における的中パターンの数を増加させることなく、「金銭投票」における的中パターンの数を増加させてもよい。特典付与部112がこのように動作することで、投票システム1は、第2種投票(例えば金銭投票)を選択するように投票初心者を動機づけることができる。
【0049】
一方、投票者が「ポイント投票」とともに「金銭投票」も選択した場合に、「金銭投票」における的中パターンの数を増加させることなく、「ポイント投票」における的中パターンの数を増加させてもよい。特典付与部112がこのように動作することで、投票システム1は、金銭による支払を増やすことなく、第2種投票を選択するように投票初心者を動機づけることができる。
【0050】
特典付与部112は、投票者が選択した投票方式よりもオッズが低い投票方式を、第1種投票における的中パターンに加えてもよい。特典付与部112は、例えば、投票方式として3連単が選択された場合に、3連複も的中パターンに加えることにより、着順がはずれていても、1着から3着に入った競技者が合っている場合を的中パターンにしてもよい。このように、特典付与部112が的中パターンを増加させることで、投票に慣れていない投票初心者が的中する確率を高めることができるので、投票システム1は、投票初心者が第2種投票も選択するように動機づけられやすくなる。
【0051】
特典付与部112は、特典の一例として、投票者が第2種投票において投票価値として使用した第2価値の大きさに基づいて決定した大きさの第1価値を投票者に付与してもよい。特典付与部112は、例えば、投票者が「ポイント投票」のみを選択している場合、「ポイント投票」をした競技の後に、次回の「ポイント投票」に使用できるポイントと付与しない。一方、特典付与部112は、投票者が「金銭投票」も選択している場合、「ポイント投票」をした競技の後に、「金銭投票」における賭け金の額に基づいて決定した数のポイントを投票者に付与する。
【0052】
具体的には、特典付与部112は、「金銭投票」における賭け金が第1金額である場合に第1数のポイントを投票者に付与し、「金銭投票」における賭け金が第1金額よりも多い第2金額である場合に、第1数よりも多い第2数のポイントを投票者に付与する。特典付与部112がこのように動作することで、投票システム1は、第2種投票も選択するとともに、第2種投票において使用する投票価値をより大きくするように投票者を動機づけることができる。
【0053】
特典付与部112は、特典の一例として、受付部111が第1種投票を受け付けるとともに第2種投票を受け付けた場合に、受付部111が第1種投票を受け付けて第2種投票を受け付けていない場合よりも、第1種投票の結果に基づいて投票者に対して支払う報酬を多くするように報酬決定部113に指示してもよい。報酬は、投票対象が的中パターンのいずれかと一致した場合に投票者に支払われる金銭的価値又は非金銭的価値である。報酬決定部113は、投票者に対して支払う報酬を多くする指示を受けた場合、投票者が選択した投票方式に対応するオッズよりも高いオッズで、投票者に支払う報酬を算出する。なお、特典付与部112は、第1種投票が受け付けられた競技に対して、第2種投票が受け付けられた場合に、特典を付与することとしてよい。ここで、第1種投票の投票内容と、第2種投票の投票内容とは相違していても構わない。
【0054】
報酬決定部113は、例えば、投票者が第1種投票のみを選択している場合、オッズが12.5倍であるところ、投票者が第1種投票と第2種投票の両方を選択している場合に、第1種投票のオッズを15倍に設定する。すなわち、報酬決定部113は、投票者が第1種投票と第2種投票の両方を選択している場合に、投票者が第1種投票のみを選択している場合よりも、第1種投票のオッズを大きくする。
【0055】
なお、報酬決定部113は、投票可能な投票対象のうち、投票者が第2種投票を行った投票対象に対してのオッズのみを大きくするようにしても構わない。また、報酬決定部113は、投票可能な投票対象のうちいずれに対して、投票者が第2種投票を行った場合に、第1種投票により投票可能な投票対象の全てのオッズを大きくするようにしてもよい。ただし、報酬決定部113は、第2種投票のオッズは変更しない。報酬決定部113がこのように動作することで、投票システム1は、第2種投票の配当金を管理する事業者に影響が生じることを防ぎつつ、第2種投票も選択するように投票者を動機づけることができる。
【0056】
報酬決定部113は、投票者が第1種投票及び第2種投票の両方を選択した場合、第2種投票に投票価値として使用した第2価値の大きさに応じて、第1種投票の結果に基づいて投票者に対して支払う報酬を多くしてもよい。報酬決定部113は、例えば、「金銭投票」における賭け金が第1金額である場合に「ポイント投票」で的中した投票者に第1ポイントを付与する。一方、「金銭投票」における賭け金が第1金額よりも少ない第2金額である場合に「ポイント投票」で的中したに投票者に、第1ポイントよりも小さな第2ポイントを付与する。報酬決定部113がこのように動作することで、投票システム1は、第2種投票において使用する第2価値(例えば賭け金の額)を増やすように投票者を動機づけることができる。
【0057】
なお、投票者に対して支払われる報酬の内容は任意であり、「ポイント投票」に用いることができるポイントに限らない。報酬は、例えば、投票システム1によって提供されるサービス以外のサービスに使用できるポイント、又は物品との交換に用いられるポイントであってもよい。
【0058】
<プロセッサ11の処理の流れ>
図8は、プロセッサ11の処理の流れを示すフローチャートである。
図8に示すフローチャートは、
図5に示した画面において「ポイント投票」を受け付けた処理から開始している(S11)。
【0059】
受付部111は、投票者によって選択された投票種別の内容を判定する(S12)。特典付与部112は、受付部111が「ポイント投票」とともに「金銭投票」も受け付けた場合(S12においてYES)、第1特典を投票者に付与することを決定する(S13)。特典付与部112は、例えば第1特典として、「ポイント投票」だけを受け付けた場合よりも的中パターンが多い特別的中条件を使用することに決定する。また、特典付与部112は、報酬決定部113に対して、「ポイント投票」だけを受け付けた場合よりも大きな報酬額を投票者に支払うように指示する(S14)。
【0060】
一方、特典付与部112は、受付部111が「ポイント投票」のみを受け付けた場合(S12においてNO)、第1特典よりも小さい第2特典を投票者に付与することを決定する(S15)。特典付与部112は、例えば第2特典として、「ポイント投票」と「金銭投票」の両方を受け付けた場合よりも的中パターンが少ない標準的中条件を使用することに決定する。また、特典付与部112は、報酬決定部113に対して、「ポイント投票」と「金銭投票」の両方を受け付けた場合よりも小さな報酬額を投票者に支払うように指示する(S16)。
【0061】
<情報処理装置10による効果>
以上説明したように、特典付与部112は、受付部111が第1種投票を受け付けるとともに第2種投票を受け付けた場合に、受付部111が第1種投票を受け付けて第2種投票を受け付けていない場合よりも大きな特典を投票者に付与する。特典付与部112がこのように動作することで、例えば金銭を使うことなく投票ができる「ポイント投票」によって投票の練習をしている投票初心者が、金銭を使って投票する「金銭投票」を試してみるように動機づけられる。このように、情報処理装置10によれば、競技に対して複数の投票価値を利用できる場合に、投票者が一つの投票価値だけでなく、他の投票価値も利用する動機付けを向上させることができる。その結果、投票初心者が投票をしやすくなるとともに、競技運営者が事業収益を上げられるようになる。
【0062】
<変形例>
以上の説明においては、情報処理装置10が、受付部及び特典付与部を有する情報処理装置として機能する場合を例示したが、端末20が、受付部及び特典付与部を有する情報処理装置として機能してもよい。この場合、端末20は、投票者に付与する特典及び報酬の少なくともいずれかを決定し、決定した特典及び報酬の内容を、投票者ごとに特典及び報酬を管理するサーバに通知する。このような構成によっても、上記に例示した実施の形態と同等の効果が生じる。
【0063】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【0064】
上記の実施形態においては、競技に対して第1価値と第2価値の二種類の価値を利用可能としたが、三種類以上の価値を利用可能としても構わない。
【0065】
上記実施形態に加えて、さらに以下を付記する。
(付記1)
投票対象に対して投票が可能な競技に対する投票を受け付ける情報処理装置であって、
前記競技に投票する投票者から、第1価値を投票価値として使用する第1種投票又は第2価値を投票価値として使用する第2種投票の少なくともいずれかを受け付ける受付部と、
前記受付部が前記第1種投票を受け付けるとともに前記第2種投票を受け付けた場合に、前記受付部が前記第1種投票を受け付けて前記第2種投票を受け付けていない場合よりも大きな特典を前記投票者に付与する特典付与部と、
を有する情報処理装置。
このように情報処理装置が構成されていることにより、競技に対して第1価値及び第2価値を投票価値として利用できる場合に、投票者が、第1価値を利用する第1種投票だけでなく第2価値を利用する第2種投票も行うようにする動機付けを向上させることができる。
(付記2)
前記特典付与部は、前記特典として、前記受付部が前記第1種投票を受け付けるとともに前記第2種投票を受け付けた場合に、前記受付部が前記第1種投票を受け付けて前記受付部が前記第2種投票を受け付けていない場合よりも、投票の結果が的中したと判定される前記競技の結果のパターンの数を増加させる、
付記1に記載の情報処理装置。
このように情報処理装置が構成されていることにより、第1種投票を行う投票者が、第2種投票も行うように動機付けられる。
(付記3)
前記投票者による投票の結果が的中した場合に前記投票者に対して支払う報酬の大きさを決定する報酬決定部をさらに有し、
前記特典付与部は、前記特典として、前記受付部が前記第1種投票を受け付けるとともに前記第2種投票を受け付けた場合に、前記受付部が前記第1種投票を受け付けて前記受付部が前記第2種投票を受け付けていない場合よりも、前記第1種投票の結果に基づいて前記投票者に対して支払う報酬を多くする、
付記1又は2に記載の情報処理装置。
このように情報処理装置が構成されていることにより、第1種投票を行う投票者が、第2種投票も行うように動機付けられる。
(付記4)
前記報酬決定部は、前記第2種投票に投票価値として使用した前記第2価値の大きさに応じて、前記第1種投票の結果に基づいて前記投票者に対して支払う報酬を多くする、
付記3に記載の情報処理装置。
このように情報処理装置が構成されていることにより、第2種投票においてより多くの第2価値を使用するように投票者を動機付けることができるので、事業運営者の収益が向上する。
(付記5)
前記特典付与部は、前記特典として、前記投票者が前記第2種投票において投票価値として使用した前記第2価値の大きさに基づいて決定した大きさの前記第1価値を前記投票者に付与する、
付記1から4のいずれか一つに記載の情報処理装置。
このように情報処理装置が構成されていることにより、第2種投票においてより多くの第2価値を使用するように投票者を動機付けることができるので、事業運営者の収益が向上する。
(付記6)
コンピュータが実行する、投票対象に対して投票が可能な競技に対する投票を受け付ける情報処理方法であって、
前記競技に投票する投票者から、第1価値を投票価値として使用する第1種投票又は第2価値を投票価値として使用する第2種投票の少なくともいずれかを受け付けるステップと、
前記第1種投票を受け付けるとともに前記第2種投票を受け付けた場合に、前記第1種投票を受け付けて前記第2種投票を受け付けていない場合よりも大きな特典を前記投票者に付与するステップと、
を有する情報処理方法。
このような情報処理方法を実行することにより、競技に対して第1価値及び第2価値を投票価値として利用できる場合に、投票者が、第1価値を利用する第1種投票だけでなく第2価値を利用する第2種投票も行うようにする動機付けを向上させることができる。
(付記7)
投票対象に対して投票が可能な競技に対する投票を受け付ける情報処理装置のプロセッサを、
前記競技に投票する投票者から、第1価値を投票価値として使用する第1種投票又は第2価値を投票価値として使用する第2種投票の少なくともいずれかを受け付ける受付部、及び
前記受付部が前記第1種投票を受け付けるとともに前記第2種投票を受け付けた場合に、前記受付部が前記第1種投票を受け付けて前記第2種投票を受け付けていない場合よりも大きな特典を前記投票者に付与する特典付与部、
として機能させるためのプログラム。
このようなプログラムをプロセッサが実行することにより、競技に対して第1価値及び第2価値を投票価値として利用できる場合に、投票者が、第1価値を利用する第1種投票だけでなく第2価値を利用する第2種投票も行うようにする動機付けを向上させることができる。
【符号の説明】
【0066】
1 投票システム
10 情報処理装置
11 プロセッサ
12 記憶部
13 通信IF
14 入力デバイス
15 出力デバイス
20 端末
21 プロセッサ
22 記憶部
24 入力デバイス
25 出力デバイス
111 受付部
112 特典付与部
113 報酬決定部
【手続補正書】
【提出日】2024-04-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、前記プロセッサは、
競技に投票する投票者から、前記競技におけるオッズの算出に用いられない価値である第1価値を投票価値として使用する第1種投票と、前記競技におけるオッズの算出に用いられる価値である第2価値を投票価値として使用する第2種投票を受け付け可能とし、
前記第1種投票と前記第2種投票を共に受け付けた場合に、前記第1種投票を受け付けて前記第2種投票を受け付けていない場合よりも大きな特典を前記投票者に付与する、
情報処理装置。
【請求項2】
プロセッサが、競技に投票する投票者から、前記競技におけるオッズの算出に用いられない価値である第1価値を投票価値として使用する第1種投票と、前記競技におけるオッズの算出に用いられる価値である第2価値を投票価値として使用する第2種投票を受け付け可能とし、
プロセッサが、前記第1種投票と前記第2種投票を共に受け付けた場合に、前記第1種投票を受け付けて前記第2種投票を受け付けていない場合よりも大きな特典を前記投票者に付与する、
情報処理方法。
【請求項3】
競技に投票する投票者から、前記競技におけるオッズの算出に用いられない価値である第1価値を投票価値として使用する第1種投票と、前記競技におけるオッズの算出に用いられる価値である第2価値を投票価値として使用する第2種投票を受け付け可能とし、
前記第1種投票と前記第2種投票を共に受け付けた場合に、前記第1種投票を受け付けて前記第2種投票を受け付けていない場合よりも大きな特典を前記投票者に付与する、
処理をプロセッサに実行させるためのプログラム。
【請求項4】
サーバと端末とを備え、
前記サーバは、
競技に投票する投票者の端末から、前記競技におけるオッズの算出に用いられない価値である第1価値を投票価値として使用する第1種投票と、前記競技におけるオッズの算出に用いられる価値である第2価値を投票価値として使用する第2種投票を受け付け可能とし、
前記第1種投票と前記第2種投票を共に受け付けた場合に、前記第1種投票を受け付けて前記第2種投票を受け付けていない場合よりも大きな特典を前記投票者に付与する、
システム。