(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024069630
(43)【公開日】2024-05-21
(54)【発明の名称】トマトの搾りかすを用いたイヌの上昇した4-エチルフェニル硫酸と関連付けられた状態の治療およびリスクを低減する組成物および方法ならびにそのような状態のリスクにあるイヌを特定する方法
(51)【国際特許分類】
A61K 36/81 20060101AFI20240514BHJP
C12N 15/12 20060101ALI20240514BHJP
A61P 25/22 20060101ALI20240514BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20240514BHJP
A01K 67/00 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
A61K36/81
C12N15/12 ZNA
A61P25/22
A61P25/00
A01K67/00 F
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024044697
(22)【出願日】2024-03-21
(62)【分割の表示】P 2022536881の分割
【原出願日】2019-12-19
(71)【出願人】
【識別番号】502329223
【氏名又は名称】ヒルズ・ペット・ニュートリシャン・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003579
【氏名又は名称】弁理士法人山崎国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100118647
【弁理士】
【氏名又は名称】赤松 利昭
(74)【代理人】
【識別番号】100123892
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 忠雄
(74)【代理人】
【識別番号】100169993
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 千裕
(74)【代理人】
【識別番号】100173978
【弁理士】
【氏名又は名称】朴 志恩
(72)【発明者】
【氏名】エフライム、エデン
(72)【発明者】
【氏名】ジュエル、デニス
(72)【発明者】
【氏名】ブロックマン、ジェフリー
(57)【要約】 (修正有)
【課題】イヌ対象において、4-エチルフェニル硫酸レベルの上昇を予防または低減する方法を提供する。
【解決手段】イヌ対象において、一塩基多型BICF2P1175095のマイナーアレルの二つのコピーの存在について、前記イヌ対象から得られた生体試料を分析することによって、前記イヌ対象を、4-エチルフェニル硫酸のレベルが上昇する可能性が高くなるとして特定することと、トマトの搾りかすを前記イヌ対象に与えることと、を含み、BICF2P1175095の前記マイナーアレルの二つのコピーの存在は、前記イヌ対象が、その生涯で、4-エチルフェニル硫酸のレベルが上昇する可能性が高くなることを示す、方法である。また、トマトの搾りかすを含むイヌの食物組成物も提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イヌ対象を、4-エチルフェニル硫酸のレベルが上昇する可能性が高くなるとして特定する方法であって、
イヌ対象において、一塩基多型BICF2P1175095のマイナーアレルの二つのコピーの存在について、前記イヌ対象から得られた生体試料を分析することを含み、
BICF2P1175095の前記マイナーアレルの二つのコピーの存在は、前記イヌ対象が、その生涯で、4-エチルフェニル硫酸のレベルが上昇する可能性が高くなることを示す、方法。
【請求項2】
前記試料が、DNAシークエンシング、制限酵素消化、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、ハイブリダイゼーション、リアルタイムPCR、逆転写酵素PCR、またはリガーゼ連鎖反応を実行することによって分析される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記試料がゲノムDNA試料である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記試料が、前記イヌ対象の血液、唾液、毛根(follicle root)、鼻腔スワブ、または口腔スワブ、好ましくは唾液から得られる、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記試料が、DNAシークエンシング、制限酵素消化、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、ハイブリダイゼーション、リアルタイムPCR、逆転写酵素PCR、またはリガーゼ連鎖反応から選択される少なくとも一つの核酸解析技術を実施することによって分析される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記試料が、全ゲノムSNPチップを使用した解析、一本鎖高次構造多型分析(SSCP)アッセイ、制限断片長多型(RFLP)、自動蛍光シークエンシング;クランプ変性ゲル電気泳動(CDGE)、変性勾配ゲル電気泳動(DGGE)、モビリティシフト分析、制限酵素分析、ヘテロ二本鎖分析、化学ミスマッチ切断(CMC)、RNase保護アッセイ、ヌクレオチドミスマッチを認識するポリペプチドの使用、アレル特異的PCR、配列解析、およびSNP遺伝子型判定から選択される少なくとも一つの核酸解析技術を実行することによって分析される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記試料が、ハイブリダイゼーションベースの方法、酵素ベースの方法、DNAの物理的特性に基づく増幅後の方法、およびシークエンシング方法から選択される少なくとも一つの核酸解析技術を実行することによって分析される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記試料が、動的アレル特異的ハイブリダイゼーション、分子ビーコン法およびSNPマイクロアレイからなる群から選択されるハイブリダイゼーションベースの方法;制限断片長多型(RFLP)、PCRベースの方法、フラップエンドヌクレアーゼ、プライマー伸長法、5’-ヌクレアーゼおよびオリゴヌクレオチドライゲーションアッセイからなる群から選択される酵素ベースの方法;一本鎖高次構造多型分析、温度勾配ゲル電気泳動、変性高速液体クロマトグラフィー、高分解能アンプリコン溶融、DNAミスマッチ結合タンパク質、SNPlex、およびサーベイヤーヌクレアーゼアッセイからなる群から選択されるDNAの物理的特性に基づく増幅後方法、;ならびにシークエンシング方法から選択される少なくとも一つの核酸解析技術を実行することによって分析される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
イヌ対象において、4-エチルフェニル硫酸レベルの上昇を予防または低減する方法であって、
前記イヌ対象からの生体試料において、請求項1~8のいずれかに記載のBICF2P1175095のマイナーアレルの二つのコピーの存在を検出することと、
有効量のトマトの搾りかすを含む組成物を前記イヌ対象に投与することと、を含む、方法。
【請求項10】
イヌ対象において、4-エチルフェニル硫酸レベルの上昇を予防または低減する方法であって、
前記イヌ対象からの生体試料において、請求項1~8のいずれかに記載のBICF2P1175095のマイナーアレルの二つのコピーの存在を検出することと、
有効量のトマトの搾りかすを含む栄養組成物を前記イヌ対象に与えることと、を含む、方法。
【請求項11】
イヌの不安またはイヌのストレスについてイヌ対象を治療する方法であって、
前記イヌ対象からの生体試料において、請求項1~8のいずれかに記載のBICF2P1175095のマイナーアレルの二つのコピーの存在を検出することと、
有効量のトマトの搾りかすを含む組成物を前記イヌ対象に毎日投与することと、を含む、方法。
【請求項12】
前記イヌ対象が、前記生体試料を分析する前に、イヌの不安またはイヌのストレスの症状を呈する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
イヌの不安またはイヌのストレスについてイヌ対象を治療する方法であって、
前記イヌ対象からの生体試料において、請求項1~8のいずれかに記載のBICF2P1175095のマイナーアレルの二つのコピーの存在を検出することと、
有効量のトマトの搾りかすを含む栄養組成物を前記イヌ対象に毎日与えることと、を含む、方法。
【請求項14】
前記イヌ対象が、前記生体試料を分析する前に、イヌの不安またはイヌのストレスの症状を呈する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
動物における不安またはストレスを治療するための方法であって、有効量のトマトの搾りかすを前記動物に投与することを含む、方法。
【請求項16】
前記動物が、一日当たりの栄養摂取量の0.044~0.42%に相当するトマトの搾りかすを投与される、請求項9~15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
前記動物が、一日当たりの栄養摂取量の0.044~0.42%に相当するトマトの搾りかすを含む食物組成物を投与される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記動物が、一日当たりの栄養摂取量の0.066~0.315%に相当するトマトの搾りかすを投与される、請求項9~15のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
前記動物が、一日当たりの栄養摂取量の0.066~0.315%に相当するトマトの搾りかすを含む食物組成物を投与される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記動物が、一日当たりの栄養摂取量の0.087~0.21%に相当するトマトの搾りかすを投与される、請求項9~15のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
前記動物が、一日当たりの栄養摂取量の0.087~0.21%に相当するトマトの搾りかすを含む食物組成物を投与される、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記動物が、一日当たりの栄養摂取量の0.14%に相当するトマトの搾りかすを投与される、請求項9~15のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
前記動物が、一日当たりの栄養摂取量の0.14%に相当するトマトの搾りかすを含む食物組成物を投与される、請求項18に記載の方法。
【請求項24】
前記イヌが、4-エチルフェニル硫酸レベルが上昇していると特定される、請求項1~21のいずれかに記載の方法。
【請求項25】
前記イヌが、イヌ不安症を有すると以前に特定されている、請求項1~21のいずれかに記載の方法。
【請求項26】
前記イヌが、イヌストレス症状を有すると以前に特定されている、請求項1~21のいずれかに記載の方法。
【請求項27】
一日当たり栄養摂取量の0.087~0.21%に等しい量のトマトの搾りかすを含む、イヌの食物組成物。
【請求項28】
一日当たり栄養摂取量の0.14%に等しい量のトマトの搾りかすを含む、イヌの食物組成物。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
微生物毒素である4-エチルフェニル硫酸(4-EPS)は、腸内細菌によって産生される代謝物である。他の微生物代謝物の中でも、4-EPSは体循環に入る。イヌにおいて、血中、4-EPSのレベルの上昇は、ストレス、不安、脳損傷、およびその他の行動問題と関連している。4-EPSレベルの減少は、ストレスおよび不安の症状を軽減することが示されている。
【0002】
イヌの不安(不安症)は、イヌが脅威や恐怖を感じる状況を予測した時の恐怖や動揺、また不安に対する反応である。不釣り合いなレベルの不安を経験するイヌもいる。不安は、不安障害に発展し、行動面およびその他の問題につながる可能性がある。中には、「普通の」ペットなら反応しにくいような幅広い場面で恐怖反応を呈する、全般性不安症を経験するイヌもいる。不安症は、とりわけ、全般的不安障害、過剰刺激不安、分離不安、閉じこもり、騒音恐怖症などの様々な不安障害の一つの形態を取り得る。
【0003】
原因としては、遺伝的要素、出生前および新生児期のストレス要因、母子分離、社会化の欠如、不慣れ、または刺激(または類似の刺激)に遭遇した際に過去に不快な結果を経験したことなどが考えられる。最も一般的な原因は、恐怖、分離、加齢である。恐怖に関連する不安は、特に、大きな騒音、見知らぬ人々や動物、視覚刺激、新しい環境や見知らぬ環境、特定の状況などによって引き起こされ得る。加齢に関連する不安は、より高齢のイヌに影響を与え、認知機能障害症候群(CDS)と関連し得る。分離不安は、ペットが家族から離れたときに安らぎを得られないことから生じる特有の不安である。イヌの約14%が分離不安を有する。一部の分離不安は、子犬が加齢および成熟するのに伴う機能不全執着の結果であり得る。一部の事例では、分離不安は、家庭または毎日のルーチンの変化を伴う場合に生じ得る一方、他の分離不安は、恐怖症などの他の行動問題とともに、不安の状態が根底にある場合もあり得る。
【0004】
不安は、破壊的行動(特に出口または所有者の持ち物に対して)、苦痛的発声、家屋汚染、唾液分泌、歩き回ること、そわそわすること、落ち着けないこと、食欲不振、および反復的または強迫的行動につながり得る。場合によっては、不安が攻撃的な行動に関与し得る。
【0005】
イヌの不安の一般的症状は、攻撃性、家屋内での排尿や排便、垂涎、速い呼吸、破壊的行動、抑うつ、過度な吠え声、歩き回ること、そわそわすること、反復的または強迫的行動を含む。不安症を患う場合、異なるイヌは異なる症状および症状の組み合わせを呈する。
【0006】
イヌのストレスは、変化や適応を求られることに対するイヌの反応であり、通常、緊張やプレッシャーとして現れる。ストレスを経験しているイヌは、恐怖、興奮、活動過多、神経過敏、過敏症、または癇癪の感情を引き起こし得る。負のストレス、過度なストレス、および慢性的なストレスは、行動、健康、および全体的な健康に悪影響を及ぼし得る。
ストレスは、疾患を引き起こし、免疫系を抑制し、望ましくない行動を引き起こし、覚醒度を高めて攻撃的行動を起こす確率を高める。
【0007】
イヌのストレスの原因は、特に、悲しみ、対立への曝露、過度または不十分な刺激、過密環境、環境変化(スケジュール、人々、動物、騒音の増加)、懲罰的訓練、不十分な社会的時間、恐ろしい出来事、ネグレクト、フラストレーション、不確実性を含む。
【0008】
イヌは様々な方法でストレスを受けていると伝える。イヌがストレスを感じていることを示す指標は、瞳孔の拡大、目の周りの硬さ、クジラ目/半月目、あくび、唇/鼻をなめる、速い呼吸、過剰な唾液分泌、微笑む、歯ぎしり、頬を膨らませる、歯をむき出す、皺の寄ったマズル、後ろにピンと張った、または直立した耳を含む。他の指標は、緊張した身体、伸びをする、過度の脱毛、ほとんどまたは全く動きがない、低い体勢、後方への体重移動、震え/揺れ、ペニスが露出する、汗まみれの足、眉が硬い、吠える、唸る、遠吠え、および鼻を鳴らす、を含む。ストレスを感じると、イヌの行動はしばしば変化する。
ストレスによって引き起こされることの多い行動としては、特に、そわそわすること、睡眠不足または過眠、飛びつき/過敏、癇癪、過剰なセルフグルーミング、破壊的行動、食欲不振、強迫的/衝動的行動、集中できない、活動過多、排尿排便の増加、嘔吐および下痢を含む。
【0009】
一塩基多型(SNP)は、一般的なタイプの遺伝的変異である。SNPは、特定の座位における単一塩基対の変異である。すなわち、SNPは、ゲノム内の特定の位置で生じるDNA配列中の一塩基における差異である。典型的には、特定の位置でのSNPについては、その位置のアレルと呼ばれる二つの可能性のあるヌクレオチド変異がある。集団内では、ゲノム内の特定の塩基位置に最もよく現れるヌクレオチド変異は、メジャーアレルと呼ばれ、その特定の塩基位置であまり一般的ではないヌクレオチド変異は、マイナーアレルと呼ばれる。イヌは、大部分の多細胞生物のように、二組の染色体を有する。したがって、各イヌは、各遺伝子または遺伝子座の二つのコピー、したがって各SNPの二つのコピーを有する。したがって、イヌのゲノム中の各SNPについて、イヌは、二つのコピーのメジャーアレル、または一つのマイナーアレルと一つのマイナーアレル、または二つのマイナーアレルを有してもよい。
【0010】
SNPは、生物学的マーカーとして作用し得る。SNPは、薬剤応答および特定の疾患を発症するリスクの予測に有用であり得る。SNP遺伝子型判定は、ゲノム内のSNPの検出を指す。SNPを検出し、SNP遺伝子型判定を行う多数の方法がある。
【0011】
不安およびストレスの発症の可能性またはリスクの高いイヌを特定するための改善された方法、イヌの不安およびストレスのリスクを低減させる方法、ならびにイヌの不安およびストレスを治療する方法を開発する必要性がある。イヌにおける4-EPSの上昇レベルを低減するための方法および組成物に対するニーズが存在する。イヌの不安症の重症度の上昇レベルを治療または低減するための方法および組成物に対するニーズが存在する。
イヌのストレスの重症度の上昇レベルを治療または低減するための方法および組成物に対するニーズが存在する。
【発明の概要】
【0012】
イヌ対象において、一塩基多型BICF2P1175095のマイナーアレルの二つのコピーの存在について、イヌ対象から得られた生体試料を分析することを含む方法が提供される。
【0013】
一塩基多型BICF2P1175095のマイナーアレルの二つのコピーの存在は、イヌ対象がその生涯で、4-エチルフェニル硫酸のレベルが上昇する可能性が高くなり、イヌのストレスを発症する可能性が高くなり、イヌの不安を発症する可能性が高くなり、および/または有益な微生物の増殖を阻害し、有害な微生物の増殖を促進する可能性が高くなることを示す。
【0014】
本方法は、DNAシークエンシング、制限酵素消化、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、ハイブリダイゼーション、リアルタイムPCR、逆転写酵素PCR、またはリガーゼ連鎖反応を実行することによって、イヌ対象から得た生体試料を分析することを含み得る。
【0015】
本方法は、全ゲノムSNPチップを使用した解析、一本鎖高次構造多型分析(SSCP)アッセイ、制限断片長多型(RFLP)、自動蛍光シークエンシング;クランプ変性ゲル電気泳動(CDGE)、変性勾配ゲル電気泳動(DGGE)、モビリティシフト分析、制限酵素分析、ヘテロ二本鎖分析、化学ミスマッチ切断(CMC)、RNase保護アッセイ、ヌクレオチドミスマッチを認識するポリペプチドの使用、アレル特異的PCR、配列解析、およびSNP遺伝子型判定から選択される少なくとも一つの核酸解析技術を実行することによって、イヌ対象から得た生体試料を分析することを含み得る。
【0016】
本方法は、ハイブリダイゼーションベースの方法、酵素ベースの方法、DNAの物理的特性に基づく増幅後の方法、およびシークエンシング方法から選択される少なくとも一つの核酸解析技術を実行することによって、イヌ対象から得た生体試料を分析することを含み得る。
【0017】
本方法は、動的アレル特異的ハイブリダイゼーション、分子ビーコン法およびSNPマイクロアレイからなる群から選択されるハイブリダイゼーションベースの方法;制限断片長多型(RFLP)、PCRベースの方法、フラップエンドヌクレアーゼ、プライマー伸長法、5’-ヌクレアーゼおよびオリゴヌクレオチドライゲーションアッセイからなる群から選択される酵素ベースの方法;一本鎖高次構造多型分析、温度勾配ゲル電気泳動、変性高速液体クロマトグラフィー、高分解能アンプリコン溶融、DNAミスマッチ結合タンパク質、SNPlex、およびサーベイヤーヌクレアーゼアッセイからなる群から選択されるDNAの物理的特性に基づく増幅後方法、;ならびにシークエンシング方法から選択される少なくとも一つの核酸解析技術を実行することによって、イヌ対象から得た生体試料を分析することを含み得る。
【0018】
イヌ対象における4-エチルフェニル硫酸レベルの上昇を予防または低減する方法であって、イヌ対象からの生体試料にBICF2P1175095のマイナーアレルの二つのコピーの存在を検出することと、有効量のトマトの搾りかすを含む栄養組成物をイヌ対象に与えることなどにより、有効量のトマトの搾りかすを含む組成物をイヌ対象に投与することとを含む、方法。
【0019】
イヌ対象におけるイヌの不安またはイヌのストレスのためにイヌ対象を治療する方法であって、イヌ対象からの生体試料にBICF2P1175095のマイナーアレルの二つのコピーの存在を検出することと、有効量のトマトの搾りかすを含む栄養組成物をイヌ対象に与えることなどにより、有効量のトマトの搾りかすを含む組成物をイヌ対象に投与することとを含む、方法。
【0020】
乾燥物質基準で0.087~0.21%に等しい量のトマトの搾りかすを含む、イヌ用食物組成物が提供される。
【0021】
乾燥物質基準で0.14%に等しい量のトマトの搾りかすを含む、イヌ用食物組成物が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、実施例2で生成されたデータを使用したマッチドペア分析を示す。
図1は、トマトの搾りかす(CTRL)を含有する食事と、トマトの搾りかす(TEST)を含有しない食事との、各イヌにおける4-EPSのレベルの比較を示す。結果は、イヌが、トマトの搾りかすを含まない試験食物の食事を与えられた時、トマトの搾りかすを含む対照食物の食事を与えられた時に観察された4-EPSレベルと比較して、高い4-EPSレベルを有したことを示す(P=0.04)。
【発明を実施するための形態】
【0023】
好適な実施形態の以下の説明は、本質的に単に例示的であり、いかなる点においても本発明、その適用、または用途を制限することは意図されていない。
【0024】
本発明で使用する場合、および添付の特許請求の範囲において、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が別様を明確に規定しない限り、複数形を含む。
【0025】
本明細書で使用される場合、用語「コンパニオン動物」は、限定されないが、イヌ、ネコ、ウサギおよび齧歯類を含む、ヒトによってペットとして保有されるのに適した任意の非ヒト動物を含む。特定の実施形態は、イヌおよび/またはネコのための治療用の製剤および方法である。一つの特定の態様では、本発明は、イヌの治療の製剤および方法を対象とする。
【0026】
「イヌ」という用語は、Canis familiaris、作業犬等などの、コンパニオン動物であるイヌを含む。用語「イヌ(dog)」は、用語「イヌ(canine)」の同義語である。
【0027】
「ネコ」という用語は、飼いネコまたは家ネコまたはFelis domesticusとして知られるコンパニオンアニマルであるネコを含む。用語「ネコ(cat)」は、用語「ネコ(feline)」の同義語である。
【0028】
動物、特にイヌまたはネコなどのコンパニオン動物における不安症およびストレスを治療するための方法が提供される。本方法は、有効量のトマトの搾りかすの組み合わせを有効量で動物に投与することを含む。組成物は、トマトの搾りかすを有効量で含む。有効量のトマトの搾りかすは、一日の栄養摂取量の0.044~0.42%、一部の実施形態では、一日の栄養摂取量の0.066~0.315%、一部の実施形態では、一日の栄養摂取量の0.087~0.21%、一部の実施形態では、一日の栄養摂取量の0.14%である。
【0029】
「一日の栄養摂取量」および「一日当たりの総栄養摂取量」は、一日当たりの乾燥物質摂取量を意味する。すなわち、水重量は、一日当たりの栄養消費量の計算には含まれない。食物および食物成分が水/水分を含む限りにおいて、乾燥物質は、タンパク質、繊維、脂肪、ミネラルなどを含む水以外の試料中の全てのものを表す。乾燥物質の重量は、総重量から水分の重量を差し引いたものである。一日当たりの乾燥物質摂取量は、全ての水を除いた一日当たりの総栄養摂取量として算出される。例えば、一日の栄養摂取量の特定の割合に相当する成分の量は、一日に消費される乾燥物質の総量(すなわち、すべての水を除く)に対する、乾燥物質形態(同様にすべての水を除く)のその成分の量を意味する。
当業者であれば、乾燥物質の量、乾燥物質の重量、および乾燥物質の割合として表される栄養量および割合を容易に認識し、理解するであろう。食物は、湿った、しっとりした、または乾燥したものを問わず、一般に一定量の水を含有しているため、一日の乾燥物質摂取量を計算する際に、こうした食物の水成分は除外される。一日当たりの乾燥物質摂取量である一日の総栄養摂取量を計算するために、水は除外される。一日の総摂取量に占める成分の割合を乾燥物質基準で計算するには、総摂取量から水分を除去して一日の総乾燥物質摂取量とし、成分の割合を乾燥物質として存在する成分量に基づいて計算する。
【0030】
方法において有用な組成物は、ドッグフード組成物などのペットフード組成物であり得る。あるいは、トマトの搾りかすは、サプリメント、おやつ、またはおもちゃとして投与されてもよく、またはそうでなければ、一日の栄養摂取量のために動物に提供される食品に組み込まれなくてもよい。
【0031】
一部の好ましい実施形態では、動物はイヌであり、本方法は、イヌに有効量のトマトの搾りかすを毎日投与することを含む。イヌに一日当たり投与される有効量のトマトの搾りかすは、一日の栄養摂取量の0.044~0.42%、一部の実施形態では、一日の栄養摂取量の0.066~0.315%、一部の実施形態では、一日の栄養摂取量の0.087~0.21%、一部の実施形態では、一日の栄養摂取量の0.14%である。
【0032】
動物、特にネコまたはイヌなどのコンパニオン動物における不安症およびストレスを治療するための組成物および方法が提供される。組成物および方法は、それを必要とする動物における不安症またはストレスの症状を治療するために有用である。組成物および方法は、上昇した4-EPSレベルを有するそのような動物における不安症またはストレスの症状を治療するために有用である。組成物および方法は、コンパニオン動物、特にイヌなど、上昇した4-EPSレベルを有する動物において、4-EPSレベルの上昇を低減するのに有用である。一部の実施形態では、イヌにおけるイヌの不安症またはイヌのストレスを治療するための組成物および方法である。
【0033】
本明細書で使用される場合、用語「治療」は、一つまたは複数の症状の除去、重症度の低減、または予防を指す。
【0034】
本明細書で使用される場合、用語「不安」は、不安、不安障害、ならびに不安および不安障害の症状を指す。
【0035】
本明細書で使用される場合、用語「ストレス」は、ストレス、ストレス障害、ならびにストレスおよびストレス障害の症状を指す。
【0036】
本明細書で使用される場合、不安症に関する用語「治療」は、治療的および/または予防的活性を指す。不安症の症状を伴うイヌにおいて、イヌの不安症の治療は、症状の除去、症状の進行の停止または抑制、症状の重症度の低減および症状の予防を指す。最初に症状の除去、停止、進行の抑制、または重症度の軽減を行う治療は継続してもよく、継続治療は、さらに症状の除去、停止、進行の抑制、または重症度の軽減、および/または症状の再発もしくは発症の防止、または症状のさらなる発症の重症度の軽減を行い得る。一部の実施形態では、イヌの不安症を治療する前に、イヌは不安症の症状を有するものとして特定され得る。一部の実施形態では、治療前に不安症の症状を特定することなくイヌは不安症について治療され得る。一部の実施形態では、不安症に対する治療の前に、イヌは、不安症を有するか、または不安症を発症する素因があると特定され得る。一部の実施形態では、不安症に対する治療の前に、イヌは、4-EPSレベルが高いと特定され得る。
【0037】
本明細書で使用される場合、ストレスおよびストレス障害に関する用語「治療」は、治療的および/または予防的活性を指す。ストレスまたはストレス障害の症状を有するイヌにおいて、イヌのストレスの治療は、症状の除去、症状の進行の停止または抑制、症状の重症度の低減および症状の予防を指す。最初に症状の除去、停止、進行の抑制、または重症度の軽減を行う治療は継続してもよく、継続治療は、さらに症状の除去、停止、進行の抑制、または重症度の軽減、および/または症状の再発もしくは発症の防止、または症状のさらなる発症の重症度の軽減を行い得る。一部の実施形態では、イヌのストレスを治療する前に、イヌはストレスまたはストレス障害の症状を有するものとして特定され得る。
一部の実施形態では、治療前に不安症の症状を特定することなくイヌはストレスまたはストレス障害について治療され得る。一部の実施形態では、ストレスまたはストレス障害に対する治療の前に、イヌは、ストレスまたはストレス障害を有するか、またはストレスまたはストレス障害を発症する素因があると特定され得る。一部の実施形態では、ストレスまたはストレス障害に対する治療の前に、イヌは、4-EPSレベルが高いと特定され得る。
【0038】
本明細書で使用される場合、有益な微生物増殖の促進および有害な微生物増殖の阻害に関する用語「治療」は、治療的および/または予防的活性を指す。有益な微生物のレベルが低減し、有害な微生物のレベルが上昇したイヌにおいて、有益な微生物および有害な微生物のレベルを停止させる、または有益な微生物の成長を促進し、有害な微生物の成長を阻害する治療である。治療開始前に有益な微生物増殖を阻害し、有害な微生物増殖を促進する素因であると特定されたイヌである。有害な微生物のレベルが上昇し、有益な微生物のレベルが低下した動物において、当初は有益な微生物の成長を促進し、有害な微生物の増殖を抑制し、有益な微生物のレベルを上昇させ、有害な微生物のレベルを低下させてより健康に近いバランスにし、その後は継続的に治療することによりレベルを維持する治療である。一部の実施形態では、イヌのストレスを治療する前に、イヌは、有害な微生物のレベルが上昇し、有益な微生物のレベルが低下したものとして特定され得る。一部の実施形態では、イヌは、動物における有害な微生物のレベルの上昇、および有益な微生物のレベルの低下が特定されることなく、治療され得る。
【0039】
本明細書で使用される場合、用語「4-EPS上昇の治療」、「4-EPS上昇に対して治療すること」、「4-EPS上昇を治療すること」は、4-EPSレベルが低減される治療および/または予防活性を指す。4-EPSレベルが上昇したイヌでは、「4-EPS上昇の治療」、「4-EPS上昇に対して治療すること」、および「4-EPS上昇を治療すること」は、上昇した4-EPSレベルの低減を指す。治療は、上昇した4-EPSレベルを、正常な、非上昇レベル、または低下された上昇4-EPSレベルまで低下させ得る。上昇した4-EPSレベルの低下に続いて、治療は、4-EPSレベルの上昇を防止し得るか、または4-EPSレベルの上昇がさらに進行することの重症度を軽減し得る。4-EPSレベルの上昇を有しないイヌにおいて、「4-EPS上昇の治療」、「4-EPS上昇に対して治療すること」、および「4-EPS上昇を治療すること」は、4-EPSレベルの停止もしくは低下、および4-EPSレベルの上昇の発生の防止、または4-EPSレベルの上昇の発生の重症度を軽減することを指す。一部の実施形態では、4-EPSに対する治療の前に、イヌは、4-EPSレベル測定によって、上昇した4-EPSを有すると特定され得る。一部の実施形態では、イヌは、治療前に4-EPSレベルを測定することなく、4-EPSの上昇に対して治療され得る。一部の実施形態では、4-EPSを治療する前に、イヌは、4-EPS上昇の素因があると特定され得る。4-EPS上昇の素因があると特定されたイヌは、治療時に上昇した4-EPSを有してもよく、その場合、治療は治療的であり、または上昇した4-EPSを有していなくてもよく、その場合、治療は予防的であり、または4-EPSレベルを決定することなく治療が行われてもよい。一部の実施形態では、イヌは、4-EPSレベルを測定して、または測定せずに治療を開始する前に、4-EPS上昇の素因があると特定され得る。
【0040】
本明細書で使用される場合、「有効な量」、「有効量」、および同様の用語は、特定の生物学的結果、すなわち、4-EPSレベルの上昇、不安症、ストレス、および微生物叢における有益および有害な微生物のレベルの治療、を達成するために有効なトマトの搾りかすの量を指す。特定の実施形態では、有効量の組成物は、治療に影響を及ぼすのに十分な時間で投与される。特定の実施形態では、本方法は、効果的な治療および維持をもたらすのに十分な期間、トマトの搾りかすを含む組成物の投与および消費を含む。有効量は、イヌの理想的な体重、年齢、性別、活性レベル、組成物の代謝可能なエネルギー、および組成物を摂食する頻度、例えば、一日一回、二回、または三回、ならびにイヌに摂食される他の組成物を含む、いくつかの要因に基づいてもよい。一部の実施形態では、有効量は、総栄養摂取量に基づいて投与されるトマトの搾りかすの量を指し、トマトの搾りかすの量は、一日当たりの総栄養摂取量の0.087~0.21%に等しい。一部の実施形態では、有効量は、0.087~0.21%のトマトの搾りかすを含むペットフードを指す。
一部の実施形態では、有効量は、総栄養摂取量に基づいて投与されるトマトの搾りかすの量を指し、トマトの搾りかすの量は、一日当たりの総栄養摂取量の0.14%に等しい。
一部の実施形態では、有効量は、0.14%のトマトの搾りかすを含むペットフードを指す。
【0041】
「食物」、「食物組成物」、または「ペットフード組成物」は、一部の実施形態では、それが与えられるイヌなどの動物の栄養的に完全な食事であり得る。
【0042】
本明細書で使用される場合、「成分」は、組成物の任意の要素を指す。
【0043】
用語「栄養素」は、栄養を提供する物質を指す。一部の事例では、成分は、二つ以上の「栄養素」を含んでもよく、例えば、組成物は、タンパク質および炭水化物の両方を含む重要な栄養素を含むトウモロコシを含んでもよい。
【0044】
食物組成物は、ペットを含むがこれに限定されない動物に、ペットフードの形態で提供することができる。一般的に知られているさまざまなタイプのペットフードをペットの飼い主は入手することができる。ペットフードの選択としては、ウェットペットフード、セミモイストペットフード、ドライペットフード、およびペットのおやつが挙げられるがこれらに限定されない。ウェットペットフードは、一般的に約65%を超える含水量を持つ。セミモイストペットフードは一般的に約20%~約65%の含水量を持ち、湿潤剤、ソルビン酸カリウム、および微生物増殖(細菌およびカビ)を防ぐためのその他の成分を含む場合がある。食品キブルを含むがこれに限定されないドライペットフードは、一般的に約15%未満の含水量を持つ。ペットのおやつは、典型的には、セミモイスト、かむことができるおやつ、任意の数の形態の乾燥したおやつ、かむことができる骨または焼いた、押し出された、もしくは打ち抜かれたおやつ、糖菓おやつ、または当業者に知られているその他の種類のおやつであってもよい。
【0045】
本明細書で使用される場合、「キブル」または「食品キブル」という用語は、イヌおよびネコの餌など、動物の餌の特定のペレット様構成要素を指す。一部の実施形態では、食物キブルは15重量%未満の含水量または水分を有する。食物キブルは、硬いものから柔らかいものまでの広い範囲の質感に及び得る。食物キブルは、膨らんだものから高密度のものまで広い範囲の内部構造に及び得る。食物キブルは押し出しプロセスまたは焼成プロセスによって形成され得る。非限定的な例では、食物キブルは均一な内部構造または変動する内部構造を持ち得る。例えば、食物キブルは被覆したキブルを形成するためにコアおよび被覆を含んでもよい。「キブル」または「食物キブル」という用語が使用される時、それは被覆されていないキブルまたは被覆されたキブルを指すことができることを理解すべきである。
【0046】
本明細書で使用される場合、「押し出す」または「押し出し」という用語は、前処理され、かつ/または調製された成分混合物を、押出機を通して送るプロセスを指す。押し出しの一部の実施形態では、食物キブルは押し出しプロセスによって形成され、湿った成分および乾燥した成分の混合物を含むキブル生地を、食物キブル形成するために熱および圧力下で押し出すことができる。任意のタイプの押出機を使用することができ、その例としては、単軸スクリュー押出機および二軸スクリュー押出機が挙げられるがこれらに限定されない。以下に記述される供給源、成分、および成分のリストは、その組み合わせおよび混合物も企図され、本明細書の範囲内となるようにリストされている。
【0047】
本明細書で意図されるように、組成物は、栄養的に完全かつバランスのとれた動物用食物組成物を包含することを意味するが、これらに限定されない。「栄養的に完全な食事」とは、食事に関して、健康なイヌの通常の健康を維持するのに十分な栄養素を含み得る食事である。栄養的に完全なバランスの取れた、例えばイヌ用のペットフード組成物は当業者によく知られている。例えば、栄養的に完全でバランスの取れた動物飼料組成物に好適な栄養素および成分などの物質、ならびにそれらの推奨量は、例えばOfficial Publication of the Association of American Feed Control Officials,Inc.(AAFCO)、Atlanta、Ga.、(2012)に見つけることができる。
【0048】
有効量のトマトの搾りかすを含む食事をイヌに与える場合、好ましい方法は、トマトの搾りかすを成分として含有するペットフードをイヌに与えることを含むことが企図される。他の実施形態では、有効量のトマトの搾りかすを含む食事をイヌに与えることは、トマトの搾りかすをサプリメントまたはおやつとしてイヌに投与することによって達成される。ペットフード組成物で、または別個のサプリメントまたはおやつとして送達されるかどうかにかかわらず、任意の手段によって、イヌにトマトの搾りかすを提供することは、有効量のトマトの搾りかすを含む食事をイヌに与えることとみなされる。
【0049】
本明細書で使用される場合、用語「補助食品」は、以下に限定されないが、動物の栄養バランスまたは総食の性能を改善するために別の飼料で使用される飼料を含む。補助食品として、限定されないが、他の餌に補助食品として無希釈に与えられ、別個に使用可能な動物の配給量の他の部による自由選択を提供し、または動物の通常の餌で希釈し、混合して完全な餌を作製する組成物が挙げられる。例えば、AAFCOのガイドラインは、アメリカ飼料検査官協会(AAFCO)、Atlanta、Ga(2012)に補助食品に関する議論を含んでいる。補助食品は、例えば、粉末、液体、シロップ、ピル、カプセルに入れられた組成物などを含む様々な形態であり得る。
【0050】
食事は、トマトの搾りかすを有効量で含み、イヌにおける4-EPSの上昇レベルを減少させることができる。トマトの搾りかすを含む食事は、イヌの不安を治療するために有用である。トマトの搾りかすを含む食事は、イヌのストレスを治療するために有用である。トマトの搾りかすを含む食事は、イヌ対象の微生物叢、特に胃腸系トラックにおいて、有益な微生物増殖を促進し、有害な微生物増殖を阻害するのに有用である。
【0051】
4-EPS上昇に対する遺伝的素因
【0052】
遺伝的関連研究により、4-EPSのレベルが上昇しやすいイヌを特定できる遺伝子マーカーが明らかになった。遺伝子マーカーは、CanFam3.1参照ゲノムを使用して、chr14:43309715のNOD1遺伝子の上流に位置するSNPであり、市販のIlluminaイヌ遺伝子型判定アレイではBICF2P1175095と呼称される。SNP BICF2P1175095のマイナーアレルがホモ接合性のイヌは、4-EPSレベルが上昇する傾向にある。SNP BICF2P1175095のマイナーアレルはCである。イヌは39対の染色体を有している。SNP BICF2P1175095のマイナーアレルに対してホモ接合性のイヌは、14番染色体対の二つの14番染色体のそれぞれにマイナーアレルが存在する。マイナーアレルに対してホモ接合性であるイヌは、SNP BICF2P1175095の遺伝子型CCであるか、または本明細書で使用される遺伝子型CCである、ホモ接合性マイナーアレル遺伝子型を有すると言われる。CC遺伝子型を有するイヌは、4-EPSレベルの上昇、イヌの不安およびイヌのストレスを発症する可能性が高くなる。イヌが4-EPSのレベル上昇、不安およびストレスを発症させる素因に加えて、イヌのCC遺伝子型は、イヌ対象の微生物叢、特に胃腸系トラックの微生物叢における有益な微生物増殖の阻害、およびイヌ対象の微生物叢、特に胃腸系トラックの微生物叢における有害な微生物増殖の促進の可能性が高くなる。
【0053】
CC遺伝子型を有するとしてイヌを識別するなど、4-EPSのレベルが上昇する素因があると識別されるイヌは、有効量のトマトの搾りかすを含む食事を通して治療することができる。
【0054】
イヌ対象のCC遺伝子型の識別は、4-EPSのレベルが上昇する素因があるものとしてイヌ対象を識別する。イヌのCC遺伝子型の識別は、不安の素因があるものとしてイヌを識別する。イヌのCC遺伝子型の識別は、ストレスの素因があるものとしてイヌを識別する。イヌのCC遺伝子型の識別は、有益な微生物増殖の阻害の素因があるものとしてイヌを識別し、それゆえ、イヌ対象の微生物叢、特に胃腸系トラックの微生物叢における有益な微生物のレベルが低くなり、また有害な微生物増殖の促進の素因があるものとしてイヌを識別し、それゆえ、イヌ対象の微生物叢、特に胃腸系トラックの微生物叢における有害な微生物のレベルが高くなる。
【0055】
イヌの4-EPSレベルの上昇を抑制するために有効量でトマトの搾りかすを含む食事は、CC遺伝子型を有し、それゆえ4-EPSレベルが上昇しやすいイヌ対象に特に有益である。有効量のトマトの搾りかすを含む食事は、CC遺伝子型を有し、それゆえ不安を経験すしやすいイヌ対象に特に有益である。有効量のトマトの搾りかすを含む食事は、CC遺伝子型を有し、それゆえストレスを経験すしやすいイヌ対象に特に有益である。有効量のトマトの搾りかすを有効量で含む食事は、CC遺伝子型を有し、それゆえイヌ対象の微生物叢、特に胃腸系トラックの微生物叢における有益な微生物増殖の阻害および有害な微生物増殖の促進の素因があるイヌ対象に特に有益である。
【0056】
いかなる特定の理論にも拘束されるものではないが、NOD1遺伝子の上流に位置するBICF2P1175095のCC遺伝子型は、イヌの胃腸系トラックにおいて有益な微生物増殖よりも有害な微生物増殖を好む状態をもたらし得る。結果として、有益な微生物増殖は、イヌの胃腸系トラックの微生物叢で阻害され、有害な微生物増殖は、イヌの胃腸系トラックの微生物叢で促進され、結果として、有益な微生物のレベルの減少および有害な微生物のレベルの増加をもたらす。微生物叢の有害な微生物は、代謝毒素4-EPSを放出し、イヌの循環4-EPSのレベルを上昇させる。イヌの循環4-EPSのレベルの上昇は、イヌの不安および/またはストレスの発症をもたらし得る。有効量のトマトの搾りかすを含む食事は、イヌの微生物叢における有益な微生物のレベルの増加および有害な微生物のレベルの減少をもたらし得る。イヌの微生物叢における有益な微生物のレベルの増加および有害な微生物のレベルの減少は、循環中に放出される4-EPSの減少をもたらし、それによって4-EPSレベルを減少させる。
【0057】
4-EPSレベルの上昇の素因があるイヌ対象を識別する方法は、イヌ対象がCC遺伝子型を有すると決定することを含む。不安の素因があるイヌ対象を識別する方法は、イヌ対象がCC遺伝子型を有すると決定することを含む。ストレスの素因があるイヌ対象を識別する方法は、イヌ対象がCC遺伝子型を有すると決定することを含む。特に胃腸系トラックの微生物叢における有益な微生物増殖の阻害、および有害な微生物増殖の促進の素因があるイヌ対象を識別する方法は、イヌ対象がCC遺伝子型を有すると決定することを含む。
【0058】
イヌ対象において、4-EPSレベルの上昇を低減し、4-EPSレベルの上昇を防止するか、または4-EPSレベルの上昇の重度を低減する方法は、有効量でトマトの搾りかすを含む食事をイヌ対象に与えることを含み、4-EPSレベルの上昇を低減し、4-EPSレベルの上昇を防止し、4-EPSレベルの上昇の重度を低減する。一部の実施形態では、イヌ対象において、4-EPSレベルの上昇を低減し、4-EPSレベルの上昇を防止するか、または4-EPSレベルの上昇の重度を低減する方法は、CC遺伝子型を有するとしてイヌ対象を識別することと、有効量でトマトの搾りかすを含む食事をイヌ対象に与えることとを含み、4-EPSレベルの上昇を低減し、4-EPSレベルの上昇を防止し、4-EPSレベルの上昇の重度を低減する。
【0059】
イヌ対象における不安を軽減、低減、および/または予防する方法は、イヌの不安および不安障害の症状を軽減、低減、および/または予防するために、有効量のトマトの搾りかすを含む食事をイヌ対象に与えることを含む。一部の実施形態では、イヌ対象における不安を軽減、低減、および/または予防する方法は、CC遺伝子型を有するとしてイヌ対象を識別することと、イヌの不安を軽減、低減、および/または予防するために、有効量のトマトの搾りかすを含む食事をイヌ対象に与えることとを含む。
【0060】
イヌ対象におけるストレスを軽減、低減、および/または予防する方法は、イヌのストレスを軽減、低減、および/または予防するために、有効量のトマトの搾りかすを含む食事をイヌ対象に与えることを含む。一部の実施形態では、イヌ対象におけるストレスを軽減、低減、および/または予防する方法は、CC遺伝子型を有するとしてイヌ対象を識別することと、イヌのストレスを軽減、低減、および/または予防するために、有効量のトマトの搾りかすを含む食事をイヌ対象に与えることとを含む。
【0061】
イヌ対象における有益な微生物増殖を促進し、有害な微生物増殖を阻害する方法は、有効量のトマトの搾りかすを含む食事をイヌ対象に与えて、有益な微生物増殖を促進し、有害な微生物増殖を阻害することを含む。一部の実施形態では、イヌ対象における有益な微生物増殖を促進し、有害な微生物増殖を阻害する方法は、CC遺伝子型を有するとしてイヌ対象を識別することと、有効量のトマトの搾りかすを含む食事をイヌ対象に与えて、有益な微生物増殖を促進し、有害な微生物増殖を阻害することとを含む。
【0062】
本方法は、CanFam3.1参照ゲノムで言及されるように、それがchr14:43309715に位置する一塩基多型マイナーアレルCの2つのコピーの存在について、イヌ対象から得られた生体試料を分析することを含む。SNPは、市販のIlluminaイヌ遺伝子型判定アレイでBICF2P1175095と名付けられている。すなわち、方法は、CC遺伝子型の存在について、イヌ対象から得られた生体試料を分析することを含む。一部の実施形態では、試料は、DNAシークエンシング、制限酵素消化、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、ハイブリダイゼーション、リアルタイムPCR、逆転写酵素PCR、またはリガーゼ連鎖反応を実行することによって分析される。
【0063】
chr14:43309715(BICF2P1175095)に位置するSNPのマイナーアレルCの2つのコピーを有するイヌ対象、すなわち、CC遺伝子型を有するイヌ対象は、その生涯で4-EPSレベルが上昇する傾向にある。CC遺伝子型は、イヌ対象がその生涯で不安を発症させる素因があり、イヌ対象がその生涯でストレスを発症させる素因があり、イヌ対象がその微生物叢において、有益な微生物増殖を阻害し、有害な微生物増殖を促進する素因があることを示す。
【0064】
4-エチルフェニル硫酸のレベルが上昇する可能性が高くなることは、イヌが不安を発症する可能性が高くなり、イヌがストレスを発症する可能性が高くなり、および/または有益な微生物増殖を阻害し、有害な微生物増殖を促進する可能性が高くなることを示す。
4-エチルフェニル硫酸のレベルが上昇する可能性が高くなるとしてイヌを識別する方法は、イヌが不安を発症する可能性が高くなるとして、イヌがストレスを発症する可能性が高くなるとして、および/または有益な微生物増殖を阻害し、有害な微生物増殖を促進する可能性が高くなるとしてイヌを識別する方法である。
【0065】
イヌのストレスまたはイヌの不安の症状を呈するイヌにおいて、本明細書に提供される方法は、イヌのストレスまたはイヌの不安を有する遺伝的素因を有するとイヌを診断する方法の一部として、CanFam3.1参照ゲノムで言及されるように、chr14:43309715に位置する一塩基多型のマイナーアレルCの2つのコピーの存在について、イヌ対象から得られた生体試料を分析することを含む。
【0066】
4-エチルフェニル硫酸のレベルが上昇する可能性が高くなるとしてイヌを識別する方法は、イヌが不安を発症する可能性が高くなり、イヌがストレスを発症する可能性が高くなり、および/または有益な微生物増殖の阻害および有害な微生物増殖の促進の可能性が高くなることを示し、CanFam3.1参照ゲノムで言及されているように、chr14:43309715に位置する一塩基多型のマイナーアレルCの2つのコピーの存在について、イヌ対象から得られた生体試料を分析することを含み、4-エチルフェニル硫酸のレベル上昇を防止または低減するため、イヌの不安の症状を予防または軽減するため、イヌがストレスを発症する可能性が高くなる症状を防止または軽減するため、および/または有益な微生物増殖の阻害および有害な微生物増殖の促進を防止または低減するためにイヌを治療する方法の一部であってもよい。
【0067】
4-エチルフェニル硫酸レベルの上昇、イヌの不安発症、イヌのストレス発症、および/または有益な微生物増殖の阻害および有害な微生物増殖の促進の可能性が高くなる遺伝的素因を有するイヌを識別する方法は、CanFam3.1参照ゲノムで言及されているように、chr14:43309715に位置する一塩基多型のマイナーアレルCの2つのコピーの存在について、イヌのストレスまたはイヌの不安の症状を呈するイヌ対象から得られた生体試料を分析することを含み、4-エチルフェニル硫酸のレベル上昇を低減するため、イヌの不安の症状を軽減するため、イヌがストレスを発症する可能性が高くなる症状を軽減するため、および/または有益な微生物増殖の阻害および有害な微生物増殖の促進を防止または低減するためにイヌを治療する方法の一部であってもよい。
【0068】
一塩基多型BICF2P1175095
【0069】
上述のように、SNP BICF2P1175095は、CanFam3.1参照ゲノムの14番染色体、43309715(chr14:43309715)に位置する。配列番号1は、201ヌクレオチドであり、SNP BICF2P1175095(chr14:43309715)と、SNPの上流に隣接する100ヌクレオチドおよび下流に隣接する100ヌクレオチドを含む配列示す。配列番号1の位置101は、SNPの位置であり、マイナーアレルはC、メジャーアレルはAで〔C/A〕として示されている。
【0070】
配列番号1―201のヌクレオチド:
5’TATTTGTCTT GAAATTTCAT TATAAGCTTA ATTTTTCCTT GTTGTTGGTA TCAGACTACC GTGTATGCTT GTTTTCTGTT TCCCTCCACG GCAATCTACC[C/A]AAATAAAAT GAGGTGTGGT TCCTTTGTCC TTTCTGTAAC TCTCAGTCCT CCCCCCCACC CCATATCCTT TACTTGAGGA GGGAGACTAC ATCTAATTTG G-3’
【0071】
開示されたSNPを含有するゲノム配列には、いくつかの方法でアクセスすることができる。一つの方法は、<ftp://webdata2:webdata2@ussdftp.illumina.com/downloads/ProductFiles/CanineHD/CanineHD_B.csv>で見られるIlluminaイヌHD注釈ファイルを参照することである。さらに、SNPのイヌ参照ゲノムCanFam3.1によって定義される染色体および位置は、chr14:43309715である。当業者は、カリフォルニア大学サンタクルーズゲノムブラウザなどの公開されているインターフェースを使用して、対象のSNPを特定し、ゲノムブラウザツールを使用して隣接DNA配列を抽出することができる。さらに、イヌ参照ゲノムは、<ftp://ftp.ensembl.org/pub/release-94/fasta/canis_familiaris/dna/>または<http://hgdownload.cse.ucsc.edu/goldenPath/canFam3/bigZips/>または<ftp://ftp.ncbi.nlm.nih.gov/genomes/all/GCA/000/002/285/GCA_000002285.2_CanFam3.1>など公開されている多くのソースから入手可能である。これらのデータベースを使用して、関連するDNA配列を抽出することができる。
【0072】
イヌ対象において、4-EPSレベルが上昇する可能性の増加に関連するCC遺伝子型を検出する方法が提供される。不安、ストレス、および有益な微生物のレベルの低下、および有害な微生物のレベルの上昇を発症させるリスクの高いイヌを特定する方法が提供される。
【0073】
一部の実施形態では、試料はゲノムDNA試料である。一部の実施形態では、試料は、イヌ対象の血液、唾液、毛根、鼻腔スワブ、または口腔スワブから取得される。一部の実施形態では、生体試料は、PERFORMAgene PG-100 Oral sample collection it(DNA Genotek、OraSure Technologies,Inc.、Bethlehem、PA)などの市販のキットを使用してイヌ対象から採取したゲノムDNA試料である。
【0074】
一部の実施形態では、方法は、CC遺伝子型を検出することを含む。すなわち、本方法は、SNP BICF2P1175095(chr14:43309715)のマイナーアレルCの2つのコピーの存在を検出することを含む。一部の実施形態では、SNP BICF2P1175095(chr14:43309715)のマイナーアレルCの2つのコピーの存在を検出することは、マイナーアレルCおよびメジャーアレルAの存在について、イヌからのDNA試料を調査すること、およびマイナーアレルの存在およびメジャーアレルAの非存在を検出することを含む。マイナーアレルが検出され、メジャーアレルが検出されない場合、実際にはマイナーアレルの2つのコピーの存在を検出することになる。
【0075】
一部の実施形態では、SNP BICF2P1175095(chr14:43309715)のマイナーアレルCの2つのコピーの存在を検出する方法は、メジャーアレルの存在についてイヌからのDNA試料を調査すること、およびメジャーアレルのゼロコピーを検出することを含む。メジャーアレルのゼロコピーの検出は、実際にはマイナーアレルの2つのコピーの存在を検出することになる。すなわち、メジャーアレルを探して、コピーがないと発見することは、実際にはマイナーアレルの2つのコピーの存在を検出することになる。
【0076】
一部の実施形態では、CC遺伝子型は、以下から選択される少なくとも一つの核酸解析技術を含む方法を使用して検出される:DNAシークエンシング、制限酵素消化、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、ハイブリダイゼーション、リアルタイムPCR、逆転写酵素PCR、またはリガーゼ連鎖反応。
【0077】
一部の実施形態では、CC遺伝子型は、以下からなる群から選択される少なくとも一つの核酸解析技術を実行することによって検出される:全ゲノムSNPチップを使用した分析、一本鎖高次構造多型分析(SSCP)アッセイ、制限断片長多型(RFLP);自動蛍光シークエンシング、クランプ変性ゲル電気泳動(CDGE)、変性剤勾配ゲル電気泳動(DGGE)、移動度シフト分析、制限酵素分析、ヘテロ二本鎖分析、化学ミスマッチ切断(CMC)、RNase保護アッセイ、ヌクレオチドミスマッチを認識するポリペプチドの使用、アレル特異的PCR、配列解析、およびSNP遺伝子型判定。
【0078】
一部の実施形態では、CC遺伝子型は、ハイブリダイゼーションベースの方法、酵素ベースの方法、DNAの物理的特性に基づく増幅後方法、およびシークエンシング方法からなる群から選択される方法を使用して検出される。
【0079】
一部の実施形態では、CC遺伝子型は、以下からなる方法のタイプから選択される方法を使用して検出される:動的アレル特異的ハイブリダイゼーション、分子ビーコン法およびSNPマイクロアレイからなる群から選択されるハイブリダイゼーションベースの方法;制限断片長多型(RFLP)、PCRベースの方法、フラップエンドヌクレアーゼ、プライマー伸長法、5’-ヌクレアーゼおよびオリゴヌクレオチドライゲーションアッセイからなる群から選択される酵素ベースの方法;一本鎖高次構造多型分析、温度勾配ゲル電気泳動、変性高速液体クロマトグラフィー、高分解能アンプリコン融解曲線解析、DNAミスマッチ結合タンパク質、SNPlex、およびサーベイヤーヌクレアーゼアッセイからなる群から選択されるDNAの物理的特性に基づく増幅後方法;ならびにシークエンシング方法。
【0080】
一部の実施形態では、CC遺伝子型は、SNPを調べるための遺伝子マーカーを含む遺伝子マーカーを含有する高密度アレイを使用して検出される。
【0081】
一部の実施形態では、CC遺伝子型は、SNPを調べるための遺伝子マーカーを含有する低密度アレイを使用して検出される。
【0082】
一部の実施形態では、CC遺伝子型は、遺伝子マーカーを含有する高密度アレイを使用して検出される。アレイの例としては、GeneChip(登録商標)Canine Genome 2.0 Array(Affymetrix、Thermo Fisher Scientific、Waltham、MA)、Dog Genome Microarray(Core Life Sciences、Irvine CA)、IlluminaイヌHDパネルおよび追加の50,000~100,000カスタム遺伝子マーカー(SNP)(Illumina Canine HDパネルおよび追加の50,000~100,000カスタム遺伝子マーカー(SNP)、例えばInfinium(登録商標)iSelect(登録商標)、Custom Genotyping Assays(Illumina,Inc.San Diego,CA)などの市販で入手可能なマイクロアレイを含む。
【0083】
一部の実施形態では、MassARRAYシステムは、CC遺伝子型の存在の検出に使用される。MassARRAYシステムは、PCR由来アンプリコンを正確に測定するために質量分析を利用する非蛍光検出プラットフォームである。質量分析をエンドポイントPCRと組み合わせることで、ユニバーサルなサイクリング条件下で高度に多重化された反応が可能になり、正確で迅速、かつ費用効果の高い分析を提供する。MassARRAYシステムは、限られた入力材料で標的遺伝子検査のための独自のソリューションを提供する。
【0084】
一部の実施形態では、ビーズアレイ技術は、検出されるCC遺伝子型の検出に使用される。例えば、Illumina BeadArray技術とInfinium HDアッセイ(Illumina,Inc.San Diego,CA)を使用してもよい。一部の実施形態では、ビーズアレイ技術は、SNPアレルの存在の検出に使用される。Illumina BeadArray技術は、平面シリカスライド上のマイクロウェル内で自己組織化する小さなシリカビーズをベースとしている。各ビーズは、Infiniumアッセイにおいて捕捉配列として作用する特定のオリゴヌクレオチドの数十万のコピーで覆われている。ビーズが自己組織化されると、独自の復号プロセスが各ビーズの位置をマッピングし、各ビーズが個別に品質管理されることを確実にする。この製造工程の結果、すべてのBeadChipは、可能な限り高い品質基準を保証するために厳格な試験を受けることになる。Infiniumアッセイは、多くの代替的なPCR依存性アッセイとは異なり、データ品質を損なうことなく、無制限の多重化に拡張することができる。シンプルで合理化されたワークフローは、調査されるSNPの数に関係なく、すべての製品で共通している。同様に、データ取得プロセスと解析は同じである。Infiniumアッセイプロトコルは、シングルチューブ試料調製と、PCRまたはライゲーションステップなしの全ゲノム増幅を特徴とし、労力と試料処理エラーを大幅に削減する。非標識DNA試料をBeadchipにハイブリダイズした後、二段階のアレル検出により、高い呼び出し率と精度が得られる。選択性および特異性は、二段階で達成される。ビーズに結合した50merオリゴに対する標的ハイブリダイゼーションは、高い選択性を提供する一方、酵素による一塩基伸長は、アッセイ読み出しのための標識ヌクレオチドも組み込む。染色試薬は、より高いシグナルを提供するように最適化されており、赤と緑のチャネル間でよりバランスの取れた強度になる。これらの機能は、制度、高い呼び出し率、および低ノイズでのコピー数データに寄与する。Infiniumアッセイは、遺伝子型判定試験において、各SNPに対して二色(各アレルに対して一色)の読み出しを生成する。各二色チャネルAおよびBの強度値は、単一のゲノム遺伝子座でのアレル比についての情報を伝達する。典型的な研究は、有意な統計表現を確実にするために、多数の試料(数百から数万)の値が組み込まれている。これらの値が適切に正規化され、プロットされた別個のパターン(またはクラスター)が現れると、アッセイされた遺伝子座で試料が同一の遺伝子型を有し、類似のシグナルプロファイル(AおよびB値)を示し、クラスターに凝集する。
二倍体生物の場合、両アレル遺伝子座は、三つのクラスター(AA、ABおよびBB)を呈することが予想される。遺伝子型呼び出しは、代表的な試料セットからの統計データを提供する、標準クラスターファイルに由来する情報に基づく。これにより、所与の遺伝子座についての公知のデータに対してアッセイの単一強度を参照することによって、遺伝子型を呼び出すことが可能になる。呼び出し精度はクラスターデータの品質と結びついているため、正確な遺伝子型判定には、効率的で堅牢なクラスタリングアルゴリズムが不可欠である。Illumina Gebtrain2アルゴリズムは、遺伝子型判定試料のクラスターパターンを正確かつ効率的に識別し、概要を報告する。
【0085】
SNPアレルは、ハイブリダイゼーションベースの方法を使用して検出されてもよい。
ハイブリダイゼーションベースの方法の例としては、動的アレル特異的ハイブリダイゼーション、分子ビーコンを用いる方法、および高密度オリゴヌクレオチドSNPアレイまたは低密度オリゴヌクレオチドSNPアレイを含むSNPマイクロアレイを用いる方法が挙げられる。SNPは、相補的なDNAプローブをSNP部位にハイブリダイズすることによって調査することができる。動的アレル特異的ハイブリダイゼーションでは、ゲノムセグメントが増幅され、ビオチン化プライマーとのPCR反応を介してビーズに結合される。次いで、増幅された生成物をストレプトアビジンカラムに付着させ、洗浄して、非ビオチン化鎖を除去する。次いで、アレル特異的オリゴヌクレオチドは、二本鎖DNAに結合されたときに蛍光を発する分子の存在下で添加される。強度は、溶融温度(Tm)が決定され得るまで、温度が増加するにつれて測定される。SNPは、予想よりも低いTmによって検出される。特異的に操作された一本鎖オリゴヌクレオチドプローブは、分子ビーコンを使用するSNP検出で使用される。オリゴヌクレオチドが設計され、相補領域が各末端にあり、プローブ配列がその間に位置し、その結果、プローブは、その天然の単離された状態でヘアピンまたはステムループ構造を取る。フルオロフォアは、プローブの一方の端に取り付けられ、蛍光クエンチャーは他方の端に取り付けられる。フルオロフォアは、オリゴがヘアピン構成であり、分子が蛍光を放出しない時に、クエンチャーに近接している。プローブ配列は、アッセイで使用されるゲノムDNAに対して相補的である。分子ビーコンのプローブ配列が、アッセイ中にその標的ゲノムDNAと遭遇した場合、アニーリングおよびハイブリダイズする。オリゴは、ヘアピン構成を想定しなくなり、蛍光を発する。高密度オリゴヌクレオチドSNPアレイは、小さなチップ上にアレイされた数十万個のプローブを含み、多くのSNPを同時に調査することを可能にする。SNP部位をいくつかの異なる場所に有するように設計されたいくつかの冗長プローブ、ならびにSNPアレルとのミスマッチを含有することが、各SNPを調査するために使用される。これらの冗長プローブの各々に対する標的DNAのハイブリダイゼーションの異なる量により、特定のホモ接合性およびヘテロ接合性のアレルを決定することができる。
【0086】
CC遺伝子型は、酵素ベースの方法を使用して検出されてもよい。DNAリガーゼ、DNAポリメラーゼ、およびヌクレアーゼを含む広範な酵素が用いられてもよい。酵素ベースの方法の例としては、制限断片長多型(RFLP)に基づく方法、PCRベースの方法、フラップエンドヌクレアーゼを利用する方法、プライマー伸長を利用する方法、5’-ヌクレアーゼを利用する方法、およびオリゴヌクレオチドライゲーションアッセイを含む方法が挙げられる。SNPを検出するためのRFLP方法は、ゲノム試料を消化するために多くの異なる制限エンドヌクレアーゼを使用する。酵素が予想される制限部位を切断するかどうかは、ゲルアッセイを介して断片長を決定することによって確認することができる。RFLPアッセイは、SNPの存在下または非存在下で切断する酵素を含むように設計され、断片長のパターンを使用して、SNPの存在または非存在を決定することができる。PCRベースの方法には、テトラプライマー増幅難治性突然変異系PCR、またはARMS-PCR、および複数のqPCR反応が含まれる。テトラプライマー増幅難治性突然変異系PCR、またはARMS-PCRは、二つの対のプライマーを使用して、一つのPCR反応において二つのアレルを増幅する。プライマーは、二つのプライマー対がSNP位置で重複するように設計されるが、各々が、可能性のあるSNPのうちの一つのみに完全に合致するように設計される。あるいは、複数のqPCR反応を、各アレルを別々に標的とする異なるプライマーセットで実行することができる。いくつかの実施形態は、構造特異的切断を触媒するエンドヌクレアーゼであるフラップエンドヌクレアーゼ(FEN)を利用する。この切断はミスマッチに非常に敏感であり、高い特異性を有するSNPを調査するために使用することができる。クレアバーゼと呼ばれるFENは、二つの特異的オリゴヌクレオチドプローブと組み合わされ、標的DNAと共に、クレアバーゼによって認識される三重アルタイト構造を形成することができる。Invaderオリゴヌクレオチドと呼ばれる第一のプローブは、標的DNAの3’末端に対して相補的である。Invaderオリゴヌクレオチドの最後の塩基は、標的DNA中のSNPヌクレオチドと重複する非合致の塩基である。第二のプローブは、標的DNAの5’末端に相補的であるが、SNPヌクレオチドの3’側を超えても延在するアレル特異的プローブである。アレル特異的プローブは、SNPヌクレオチドに相補的な塩基を含有する。
【0087】
プライマー伸長は、最初にSNPヌクレオチドのすぐ上流の塩基へのプローブのハイブリダイゼーションを伴い、続いて、DNAポリメラーゼがSNPヌクレオチドに相補的な塩基を付加することによってハイブリダイゼーションプライマーを伸長させる、二段階のプロセスである。この組み込まれた塩基が検出され、SNPアレルが決定される。プライマー伸長法は、いくつかのアッセイフォーマットで使用される。これらのフォーマットは、MALDI-TOF質量分析法(Sequenomを参照)およびELISAのような方法を含む広範な検出技術を使用する。SequenomのiPLEX SNP遺伝子型判定方法は、MassARRAY質量分析計を使用する。プライマー伸長の柔軟性および特異性により、ハイスループット分析に適している。プライマー伸長プローブをスライド上に配列付けすることができ、多くのSNPを一度に遺伝子型判定することができる。アレイドプライマー伸長(APEX)と呼ばれるこの技術は、プローブの示差ハイブリダイゼーションに基づく方法よりもいくつかの利点を有する。
【0088】
Illumina IncorporatedのInfiniumアッセイは、プライマー伸長法に基づく全ゲノム遺伝子型判定パイプラインの一例である。Infiniumアッセイでは、100,000を超えるSNPを遺伝子型判定することができる。アッセイでは、プライマー伸長反応でハプテン標識ヌクレオチドを使用する。ハプテン標識は、抗体によって認識され、これは次に検出可能なシグナルに結合される。APEX-2は、効率的な均一のマルチプレックスPCR(最大640-プレックス)およびマイクロアレイ上の四色一塩基伸長を使用して、数百のSNPまたは変異を並行して識別することができる、アレイプライマー伸長遺伝子型判定法である。マルチプレックスPCRは、SNP/変異ごとに二つのオリゴヌクレオチドを必要とし、試験された塩基対を含有するアンプリコンを生成する。5’-ヌクレアーゼを利用する方法は、SNP遺伝子型判定のためのTaqManアッセイにおけるTaq DNAポリメラーゼの5’ヌクレアーゼ活性を使用する方法を含む。TaqManアッセイは、PCR反応と同時に実施され、PCR反応が進行するにつれて、結果をリアルタイムに読み取ることができる。オリゴヌクレオチドライゲーションアッセイを含む方法において、オリゴヌクレオチドDNAリガーゼは、DNA断片の3’末端から、直接隣接するDNA断片の5’末端へのライゲーションを触媒する。この機構は、SNP多型部位上で直接二つのプローブをハイブリダイズすることによってSNPを調査するために使用することができ、それにより、プローブが標的DNAと同一である場合にライゲーションが発生し得る。SNPを検出するための他の増幅後の方法の例としては、DNAの物理的特性に基づく方法が挙げられる。このような方法は、最初に標的DNAのPCR増幅を伴う。
【0089】
SNPアレルを検出するいくつかの方法は、融解温度および一本鎖高次構造などのDNAの物理的特性に基づく。一本鎖構造を使用する方法は、三次構造に折り畳まれる一本鎖DNA(ssDNA)に基づく。立体構造は配列依存性であり、ほとんどの単一塩基対変異は構造の形状を変化させる。ゲルに適用されるとき、三次形状は、ssDNAの可動性を決定し、SNPアレルを区別する機構を提供する。この方法は、最初に標的DNAのPCR増幅を伴う。二本鎖PCR産物は、熱およびホルムアルデヒドを使用して変性され、ssDNAが産生される。ssDNAは、非変性電気泳動ゲルに適用され、三次構造に折り畳まれる。DNA配列の差異は、三次構造を変化させ、ssDNA鎖の可動性における差異として検出される。温度勾配ゲル電気泳動(TGGE)法または温度勾配キャピラリー電気泳動(TGCE)法は、部分的に変性したDNAがより限定され、ゲルまたは他の多孔質材料中でより遅く移動するという原理に基づく。別の方法では、変性高速液体クロマトグラフィー(DHPLC)は、逆相HPLCを使用してSNPを調査する。DHPLCでは、固相が一本鎖DNAと二本鎖DNAに差親和性を有する。使用される別の方法は、アンプリコン全体の高分解能溶融である。DNAミスマッチ結合タンパク質を使用して、SNPを検出してもよい。サーマス・アクアティカス由来のMutSタンパク質は、異なる親和性を有する異なる一塩基ミスマッチを結合し、キャピラリー電気泳動において使用して、六組のミスマッチを全て区別することができる。SNPlexは、アプライドバイオシステムズ社が販売する独自の遺伝子型判定プラットフォームである。サーベイヤーヌクレアーゼアッセイは、全ての塩基置換および小さな挿入/欠失(インデル)を認識し、両方のDNA鎖のミスマッチ部位の3’側を切断するミスマッチエンドヌクレアーゼ酵素である、サーベイヤーヌクレアーゼを使用する。シークエンシング技術は、SNP検出にも使用することができる。シークエンシング技術の進歩により、より実用的なシークエンシングによるSNP検出が可能となる。
【0090】
次世代シークエンシング技術を使用したシークエンシングによる遺伝子型判定は、一般的な慣行となっている。シークエンシングによる遺伝子型判定は、GBSとも呼ばれ、ゲノムワイド関連研究(GWAS)などの遺伝子型判定研究を実施するために、一塩基多型(SNP)を発見する方法である。GBSは、制限酵素を使用してゲノムの複雑さを低減し、複数のDNA試料を遺伝子型判定する。消化後、PCRを実施して断片プールを増加させ、その後、次世代シークエンシング技術を使用してGBSライブラリーを配列解析する。合成によるIlluminaショートリードシークエンシングやPacBioの単一分子リアルタイムシークエンシングなどの次世代シークエンシング技術の進歩に伴い、GBSを行うことがより実行可能になってきている。将来、ナノポアの単一分子シークエンシングなどの新技術の開発により、全ゲノムシークエンシング/遺伝子型判定が可能になる可能性がある。
【0091】
組成物および製剤
【0092】
上記に概説した方法論の適用により、4-EPSレベルが上昇する素因があり、したがって不安症を発症するリスクが高く、不安ストレスを発症するリスクが高く、イヌの微生物叢、特に腸内細菌叢において有益な微生物の成長を阻害し、有害な微生物の成長を促進するリスクが高いと特定されたイヌに対して大きな利益をもたらす、組成物、食品、および食事を提供するために組み合わされた生物活性のある食事成分を特定した。
【0093】
一日当たりの総栄養摂取量の0.044%~0.42%に等しい量で、トマトの搾りかすを含む毎日の食事をイヌに与えることを含む方法が提供される。一部の実施形態では、一日当たりの総栄養摂取量の0.066%~0.315%に等しい量で、トマトの搾りかすを含む毎日の食事をイヌに与えることを含む方法が提供される。一部の実施形態では、一日当たりの総栄養摂取量の0.087%~0.21%に等しい量で、トマトの搾りかすを含む毎日の食事をイヌに与えることを含む方法が提供される。一部の実施形態では、一日当たりの総栄養摂取量の0.14%に等しい量で、トマトの搾りかすを含む毎日の食事をイヌに与えることを含む方法が提供される。
【0094】
一部の実施形態では、食品は、成体イヌのための栄養的に完全な食事である。特定の態様では、食品は、成熟したコンパニオンイヌのために配合された栄養的に完全な食事である。
【0095】
一部の実施形態では、組成物は、乾燥物質基準で組成物の総重量に基づいて4%~75%以上の量のタンパク質、乾燥物質基準で組成物の総重量に基づいて5%~50%以上の量の脂肪、および乾燥物質基準で組成物の総重量に基づいて5%~75%以上の炭水化物と組み合わせて、トマトの搾りかすの有効量を含み得る食物組成物を含み、食物組成物は、イヌによる消費に適している。
【0096】
本明細書に提供される方法で投与される組成物は、特定の実施形態では、栄養的にバランスのとれた、および/または栄養的に完全な食物または食事である食物組成物として配合されてもよい。他の実施形態では、組成物は、栄養補助食品、おやつ、またはおもちゃとして配合され、調製される。
【0097】
一部の実施形態では、例えば、有効量のトマトの搾りかすに加えて、栄養的に完全かつバランスのとれたイヌ用食物組成物は、4%~90%、5%~75%、10%~60%のタンパク質、および15重量%~50重量%のタンパク質、0重量%~90重量%、2重量%~80重量%、5重量%~75重量%、および10重量%~50重量%の炭水化物、2重量%~60重量%、5重量%~50重量%、および10重量%~35重量%の脂肪を含み得る。組成物はさらに、0~15重量%または2重量%~8重量%のビタミンおよびミネラル、抗酸化物質、ならびに動物の栄養的必要性を支援する他の栄養素を含有してもよい。
【0098】
組成物内、特に本明細書に提供される方法に投与される食物中の含有に好適なタンパク質、炭水化物、脂肪、ビタミン、ミネラル、バランス剤などの供給源は、当業者に公知の従来の材料から選択され得る。
【0099】
一部の実施形態では、食物組成物の成分として有用なタンパク質は、ほ乳類を含む動物タンパク質、鳥類タンパク質、爬虫類、両生類、魚類、無脊椎動物タンパク質およびその組み合わせを含む動物タンパク質等の動物由来のタンパク質;例えば、牛、ヒツジ、ブタ、ヤギ、シカ、ウサギ、ウマ、カンガルー由来、その乳、凝乳、乳清または血液、ならびに平滑筋、横紋筋、肝臓、腎臓、腸または心臓等の臓器由来であり、追加の鳥類のタンパク質源として、シチメンチョウ、ガチョウ、アヒル、ダチョウ、ウズラ、ハト、その卵ならびに平滑筋横紋筋、肝臓、腎臓、腸または心臓等の臓器が挙げられ、両生類の供給源として、カエルまたはサラマンダーが挙げられ、爬虫類のタンパク質源として、ワニ、トカゲ、カメおよびヘビが挙げられ、魚類タンパク質源として、ナマズ、ニシン、サーモン、マグロ、ブルーフィッシュ、タラ、オヒョウ、トラウト、メカジキおよびその卵が挙げられ、無脊椎動物タンパク質源として、ロブスター、カニ、ハマグリ、ムール貝またはカキおよびその組み合わせ、肉タンパク質単離物、乳清タンパク質単離物、卵タンパク質、その混合物等、ならびに大豆タンパク質単離物、コーングルテンミール、小麦グルテン、その混合物等のタンパク質を含み得る。
【0100】
一部の実施形態では、食物組成物の成分として有用な炭水化物には、限定されるものではないが、トウモロコシ、全黄色トウモロコシ、穀物ソルガム、小麦、大麦、米、キビ、抽出酒米、オートグラート、および多糖類(例えば、デンプンおよびデキストリン)、ならびに加水分解されるとエネルギー代謝される糖類(例えば、ショ糖、ラクトース、マルトース、グルコースおよび果糖)のうちの一つまたは複数を含み得る。本明細書に開示される組成物への含有に適した追加の炭水化物源の例としては、果物および非トマトの搾りかす野菜が挙げられる。
【0101】
食物組成物の成分として有用な脂肪は、以下に限定されないが、家禽脂肪、牛脂、ラード、choice white grease、大豆油、トウモロコシ油、キャノーラ油、ヒマワリ油、その混合物などの任意の供給源由来であってもよい。脂肪は、食物組成物内に完全に組み込まれてもよく、食物組成物の外側に堆積されてもよく、または二つの方法の混合物であってもよい。
【0102】
一部の実施形態では、組成物は、グルコサミン、コンドロイチン、コンドロイチン硫酸、メチルスルホニルメタン(MSM)、クレアチン、抗酸化物質、ペルナカナリキュラータ、オメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸、およびそれらの混合物からなる群から選択される一つまたは複数の物質の有効量をさらに含む。
【0103】
一部の実施形態では、食物組成物は、さらに、限定されないが、アルギニン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン(DL-メチオニンおよびL-メチオニンを含む)、フェニルアラニン、トレオニン、トリプトファン、バリン、タウリン、カルニチン、アラニン、アスパラギン酸塩、シスチン、グルタミン酸塩、グルタミン、グリシン、プロリン、セリン、チロシン、およびヒドロキシプロリン等の一つまたは複数のアミノ酸を含む。
【0104】
一部の実施形態では、食物組成物は、さらに、限定されないが、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、マルガリン酸、マルガロレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、g-リノレン酸、a-リノレン酸、ステアリドン酸、アラキジン酸、ガドレイン酸、DHGLA、アラキドン酸、エイコサテトラ酸、EPA、ベヘン酸、エルカ酸、ドコサテトラ酸、およびDPAなどであるがこれらに限定されない一つまたは複数の脂肪酸を含む。
【0105】
一部の実施形態では、食物組成物は、さらに、限定されないが、水分、タンパク質、脂肪、粗繊維、灰分、食物繊維、可溶性繊維、不溶性繊維、ラフィノース、およびスタキオース等の一つまたは複数の多量栄養素を含む。
【0106】
一部の実施形態では、食物組成物は、さらに、β-カロテン、α-リポ酸、グルコサミン、コンドロイチン硫酸、リコペン、ルテイン、およびケルセチンなどであるがこれらに限定されない一つまたは複数の微量栄養素を含む。
【0107】
一部の実施形態では、食物組成物は、さらに、カルシウム、リン、カリウム、ナトリウム、塩素、鉄、銅、マンガン、亜鉛、ヨード、セレン、セレン、コバルト、硫黄、フッ素、クロム、ホウ素、およびシュウ酸塩などであるがこれらに限定されない一つまたは複数の無機物を含む。
【0108】
一部の実施形態では、食物組成物は、さらに、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、キヌア穀物、チアミン、リボフラビン、ナイアシン、ピリドキシン、パントテン酸、葉酸、ビタミンB12、ビオチン、およびコリンなどであるがこれらに限定されない一つまたは複数の他のビタミンを含む。
【0109】
一部の実施形態では、食物組成物は、繊維をさらに含み、繊維は、例えば、セルロース、ビートパルプ、ピーナッツ殻、および大豆繊維を含む、様々な供給源から供給され得る。
【0110】
一部の実施形態では、食物組成物は、安定化物質、例えば、組成物の貯蔵寿命を延ばす傾向がある物質をさらに含む。このような物質の潜在的に適切な例として、例えば、防腐剤、抗酸化剤、協力剤および捕捉剤、包装ガス、安定剤、乳化剤、増粘剤、ゲル化剤、並びに湿潤剤が挙げられる。乳化剤および/または増粘剤の例としては、例えば、ゼラチン、セルロースエーテル、デンプン、デンプンエステル、デンプンエーテル、および加工デンプンが挙げられる。
【0111】
いくつかの実施形態において、食物組成物は、着色、嗜好性、および栄養の目的のための意図される添加剤として、例えば、着色剤、酸化鉄、塩化ナトリウム、クエン酸カリウム、塩化カリウム、およびその他の食用塩類、ビタミン、鉱物、および香料を含み得る。
組成物中のこのような添加剤の量は、一般的には、最大5%(組成物の乾量基準)である。
【0112】
組成物の調製
【0113】
トマトの搾りかすを含む組成物は、イヌによる消費に適した食品として調製されてもよい。これらの食物は、任意の一貫性または水分含量であってもよく、すなわち、組成物は、湿潤、半湿性、または乾燥食物であってもよい。「湿った」食物は、一般に60%~90%以上の水分含量を有する食物である。「乾燥」食物は、一般に、3%~11%の水分含量を有する食物であり、小片またはキブルの形態で製造されることが多い。「半湿性」の食物は、一般的に25%~35%の水分含量を有する。食物はまた、例えば、柔らかい、噛みごたえのある肉のような粒子または破片、ならびに外側穀物成分またはコーティングおよび内側「クリーム」成分を有するキブルなどの、一つまたは複数の一貫性を有する成分を含んでもよい。
【0114】
一部の実施形態では、トマトの搾りかすを含む食物は、当業者に公知の従来的な食物調製プロセスを使用して、缶詰または湿潤形態で調製されてもよい。通常、粉砕した動物タンパク質組織を、穀粒、適切な炭水化物源、脂肪、油、および調製成分等のその他の成分と混合し、ビタミンおよびミネラル混合物、無機塩、セルロース、ビートパルプ等、および加工に充分な量の水を含む。これらの成分は、成分のブレンド中に加熱を行うのに好適な容器中で混合する。例えば、直接の蒸気注入による、または熱交換器を備えた容器を使用することによる等の、任意の好適な方法を使用して、混合物の加熱を行うことができる。配合物の全ての成分の添加後、混合物は50°F~212°Fの温度に加熱される。この範囲外の温度を使用することができるが、他の加工助剤を使用しない商業的に実用的でない場合がある。適切な温度まで加熱をすると、材料は通常、粘性液体の形態であり、缶に分注する。蓋を付け、容器を密閉する。次いで、密閉した缶を、内容物を殺菌するために設計した従来の装置の中に配置する。殺菌は、通常、約230℃を超える温度まで、使用する温度および組成物および関連の要因に依存して、適切な時間加熱することにより達成することができる。本発明の組成物および食物はまた、それらの調製の前、最中、または後に、食物組成物に添加されてもよく、または食物組成物と組み合わされてもよい。
【0115】
一部の実施形態では、食物は、当業者に公知の慣習的プロセスを使用して、乾燥形態で調製されてもよい。通常、乾燥動物性タンパク質、植物性タンパク質、穀物等を含む乾燥成分を粉砕して、共に混合する。脂肪、油、水、動物性タンパク質、水等を含む液体または湿潤成分を加え、乾燥物質と混合する。様々な成分を組み合わせるために使用される特定の製剤、付加の順序、組み合わせ、および方法および機器は、当技術分野で公知のものから選択することができる。例えば、特定の実施形態では、結果として生じる混合物は、乾燥および湿潤成分の混合物が、高圧および高温で機械的作業に供され、小さな開口部または開口部を通され、例えば、回転ナイフでキブルに切断される、押出成形プロセスを使用して形成される、キブルまたは類似の乾燥片に加工される。得られたキブルを乾燥させて、例えば、風味、脂肪、油類、粉末等を含む、一つまたは複数の局所コーティング剤で任意に被覆する。キブルはまた、押出成形ではなくベーキング法を用いてドウより作製することができ、この方法では、ドウを型に配置した後、乾燥加熱プロセスを行う。
【0116】
組成物を調製する場合、任意の成分は、一般的に、配合の処理中、例えば、組成物のその他の成分を混合している間および/または混合した後に、組成物に組み込むことができる。これらの成分の組成物への分配は、従来の手段により達成することができる。特定の実施形態では、粉砕された動物および/または家禽のタンパク質性組織は、栄養バランス剤、無機塩を含む他の成分と混合され、さらに、セルロース、ビートパルプ、充填剤等を含むその他の成分を、加工に十分な水と混合される。
【0117】
一部の実施形態では、組成物は、より噛みやすいように配合される。特定の実施形態では、組成物および食品は、動物の種および品種間の特定の栄養の違い、ならびに動物の属性のうちの一つまたは複数に対処するように配合される。例えば、イヌ用食品は、例えば、典型的には、ライフステージ、年齢、サイズ、重量、体組成、および品種に基づいて配合される。
【0118】
有効量のトマトの搾りかすを含む組成物は、成熟した成体イヌのニーズを満たすために栄養的に完全な食事として配合される。栄養的に完全な食事は、食事に関して、健康な動物の通常の健康を維持するのに十分な栄養素を含み得る食事である。栄養的に完全なバランスの取れた、例えばコンパニオンイヌ用のペットフード組成物は当業者によく知られている。例えば、栄養的に完全でバランスの取れた動物飼料組成物に好適な栄養素および成分などの物質、ならびにそれらの推奨量は、例えばOfficial Publication of The Association of American Feed Control Officials,Inc.(AAFCO)、Atlanta、Ga.(2012)に補助食品に関する議論を含んでいる。
【0119】
別の実施形態では、有効量のトマトの搾りかすを含むおやつは、例えば、乾燥食物について以下に説明されるものと類似した押出成形または焼成プロセスによって調製されて、食用品を提供することができる。おやつとしては、例えば、食事の時間ではない間に、動物に食事の気を引かせるために与えられる組成物が挙げられる。おやつは栄養があってよく、組成物は一つまたは複数の栄養素を含み、かつ例えば、食物に関して上で記載した組成物を有してよい。栄養のないおやつは、無毒性の任意の他のおやつを包含する。組成物は、治療剤に被覆されてもよく、治療剤に組み込まれてもよく、またはその両方であってもよい。
【0120】
別の実施形態では、チュアブルまたは消耗品のおもちゃである動物のおもちゃが提供される。そのようなおもちゃは、典型的には、有効量のトマトの搾りかすを使用して、任意の既存のおもちゃをコーティングすることによって調製される。したがって、おもちゃには、例えば、チュアブルトイが含まれる。イヌ用に意図されるおもちゃには、例えば、人工骨が含まれる。特定の実施形態では、本発明の組成物は、おもちゃの表面上またはおもちゃの部品の表面上にコーティングを形成することができ、おもちゃの一部にまたはおもちゃ全体に、またはその両方に組み込むことができる。現在市販されている広範な好適なおもちゃがある。例えば、米国特許第5,339,771号(および米国特許第5,339,771号に開示される参考文献)を参照されたい。また、例えば、米国特許第5,419,283号(および米国特許第5,419,283号に開示される参考文献)を参照されたい。本発明は、部分的に消費可能なおもちゃ(例えば、プラスチック構成要素を含むおもちゃ)および完全に消費可能なおもちゃ(例えば、生皮や種々の人工骨)の両方を企図することを認識すべきである。本発明は、コンパニオン動物、特にイヌまたはネコによって使用されるためのおもちゃを意図することをさらに認識すべきである。
【0121】
本明細書に記述される全ての刊行物は、本発明に関連して使用され得る、本刊行物に報告されている材料および方法論を記載および開示する目的で、参照により組み込まれる。
【0122】
本発明が適用可能であるさらなる領域は、以下に提供される発明を実施するための形態から明らかになるであろう。発明を実施するための形態および特定の実施例は、本発明の好ましい実施形態を示しているものの、例示の目的のみを意図しており、本発明の範囲を限定することを意図していないと理解されるべきである。
【実施例0123】
実施例1
【0124】
血漿代謝プロファイルを決定するために血液が採取される。血漿中の4-EPSレベルは、民間試験所(Metabolon、Durham、NC、USA)によって測定され得る。抽出された上清を分割し、ガスクロマトグラフィーおよび液体クロマトグラフィー質量分析計プラットフォーム上で実行する。4-EPSのピークが公知であり、各試料のピークの下の面積が公知の試料に対して正規化され得る。(例えば、Evans,A.M.,ら(2009年)も参照されたい。生物学的システムの小分子補体の特定および相対的定量のための、統合非標的化超高性能液体クロマトグラフィー/エレクトロスプレーイオン化タンデム質量分析プラットフォーム。Anal.Chem.81,6656-6667。)ガスクロマトグラフィー(疎水性分子用)および液体クロマトグラフィー(親水性分子用)を使用して、血漿試料中に存在する4-EPSなどの代謝物の相対的定量を特定し、提供する。(また、例えば、Ballet,C.ら(2018)New enzymatic and mass spectrometric methodology for the selective investigation of gut microbiota-derived metabolites、Chem.Sci.、9、6233-6239;Akiyama,Yら(2012)A Metabolomic Approach to Clarifying the Effect of AST-120 on 5/6 Nephrectomized Rats by Capillary Electrophoresis with Mass Spectrometry(CE-MS)Toxins 4(11)、1309-1322;およびKikuchi K,ら(2010) Metabolomic search for uremic toxins as indicators of the effect of an oral sorbent AST-120 by liquid chromatography/tandem mass spectrometry.J Chromatogr B Analyt Technol Biomed Life Sci 878:2997-3002を参照されたい。)
【0125】
実施例2
【0126】
ヌクレオチド結合オリゴマー化ドメイン1は、NOD1と呼ばれ、腸内細菌叢の細胞壁成分に由来する小さなペプチドを検出する細胞内センサーであり、これは自然免疫反応を引き起こす。NOD1活性化を介した自然免疫反応は、微生物感染に対する宿主防御と胃腸障害の発症の両方に関与している。
【0127】
NOD1遺伝子の上流に位置するSNP BICF2P1175095と4-EPSの循環レベルとの間に関係があることを示したゲノムワイド関連解析(GWAS)。CC遺伝子型を有するイヌは、特定の有益な微生物による腸のコロニー形成が損なわれるリスクが高くなる。これは、全身循環に入る特定の微生物代謝産物を介して脳などの遠位器官に影響を及ぼす可能性のある有害な微生物の増殖につながる可能性がある。公知のストレス関連微生物代謝物である4-EPSは、CC遺伝子型を有するイヌにおいて9倍も多く検出される。
【0128】
有効量のトマトの搾りかすは、イヌの4-EPSレベルを減少させることができる。したがって、トマトの搾りかすは、CC遺伝子型を有するイヌに特に有益である。
【0129】
実施例3
【0130】
40匹のイヌを対照(20匹のイヌ)または試験群(20匹のイヌ)に無作為に割り当て、トマトの搾りかすを含む基礎食またはトマトの搾りかすを含まない食品のいずれかを30日間与える試験を完了した。一か月のウォッシュアウト期間の後、それまで与えていなかった食物を群に与えるためにクロスオーバーを実施した。30日後、血液試料を採取して、メタボロミクスによって4-エチルフェニル硫酸レベルを測定した。したがって、すべてのイヌは、トマトの搾りかすを含むまたは含まない食物のいずれかを30日間にわたって摂取し、各30日間の摂食期間の終了時に、メタボロミクス分析を完了した。
【0131】
この結果から、高い4-EPSを有する傾向にあるイヌは、特定のレベルのトマトの搾りかすを含む食物の消費から利益を得る可能性があることが分かった。食物摂取後の各イヌの4-EPSのレベルを比較するマッチドペア分析では、トマトの搾りかすの添加により4-EPSの有意な減少を示した(P=0.04)(
図1)。
【0132】
低レベルの4-EPSにつながるトマトの搾りかすの一日摂取量を表1に示す。
最低レベルの4-EPSは、乾燥物質基準で0.14%のトマトの搾りかすを一日平均で摂取した場合に達成され、これは一日当たり合計約172グラムのうちの0.24グラムのトマトの搾りかすに相当する。乾燥物質基準で0.087%~0.21%のトマトの搾りかすの一日消費量は、乾燥物質基準で合計約172グラム当たり乾燥物質基準で0.15グラムから0.35グラムのトマトの搾りかすに相当し、循環中の4-EPSレベルの低下をもたらした。
【表1】
【0133】
有効量で提供される場合、トマトの搾りかすは4-EPSの循環レベルを減少させる。
ペット用の抗ストレス食品は、有効量のトマトの搾りかすを含有させることによって処方することができ、それによって、微生物毒素である4-EPSの血液レベルが低下する。
これが増加すると、ストレス、不安症、および脳損傷に関連する。こうしたペットフードは、それによって、ペットの4-EPSの循環レベルの上昇に関連するストレス関連の問題に対処する。
【0134】
実施例4
【0135】
唾液試料はイヌから得られる。試料は、別の場所の検査室に採取されたものとして出荷されてもよく、部分的に処理され、その後、別の場所の検査室に出荷されるか、または研究室および採取の場所で完全に処理および分析されてもよい。試料が、採取されたものとして別の場所の研究室に出荷されるか、部分的に処理され、その後、別の場所の研究室に出荷される場合、研究室によって試料から収集された一部または全てのデータが、採取場所および/または獣医師および/またはイヌの所有者もしくは責任者に送られる場合がある。唾液試料が得られた後、それを分析のために処理し、CC遺伝子型の存在について評価してもよい。
【0136】
結果が、イヌが4-EPSレベルの上昇を発症する可能性またはリスクが高いことを示す場合、イヌは、有効量のトマトの搾りかすを含む組成物を投与してもよい。
【0137】
実施例5
【0138】
PERFORMAgene PG-100経口採取キットを使用して、イヌから試料を採取する。
【0139】
その際、動物は、唾液採取前に30分間食べる、または10分間は飲んではならず、採取を行う個人は、スポンジで動物の歯またはほおを擦り取ることはできず、また、動物にそのスポンジを噛ませるべきではない。
【0140】
PERFORMAgene PG-100経口採取キットの一部として提供される採取チューブは、DNA試料を保存する液体を含み、試料を分析するためにラボによって要求される。試料採取前にキャップを取り外すべきではない。
【0141】
採取プロトコルの第一のステップでは、スポンジは動物の口の頬嚢に置かれる。唾液は、スポンジを取り外し、唾液が自然に溜まる場所(頬嚢および舌下)をふき取ることによって、30秒間採取される。6カ月以上経過した動物については、中程度の拘束が必要となる場合がある。
【0142】
次に、チューブを真っ直ぐに保持し、チューブからのキャップはねじ止めされていない。キャップを上下逆にし、口腔スワブをチューブ内に置く。キャップは、輸送中に液体試料が漏れるのを防ぐため、しっかりとねじ止めされている。チューブを反転させ、例えば10回など、何度も激しく振って、試料を完全に混合する。
【0143】
永久マーカーを使用して、チューブラベル上の空白に動物識別番号を明確に記載してもよい。
【0144】
PG-100採取キットを用いて、Performagene化学で採取され、保存された、Performagene(商標)試料の0.5mLのアリコートからのDNAの手動精製のための段階的な研究室プロトコルは、以下の通りである。手動精製に必要な試薬は、PG-AC1試薬パッケージまたはPG-AC4試薬パッケージで入手可能である。
【0145】
DNA試料が採取され、そして、Performagene溶液と混合されると、DNAは直ちに安定化される。Performagene試料は、採取時から1年間、室温で安定である。Performagene試料は、-15℃~-20℃で無期限に保存することができ、DNAを劣化させることなく、複数回の凍結融解サイクルを実施することができる。
【0146】
精製プロセスでは、以下の装置および試薬を使用する:15,000×gで実行することができる微量遠心機、50℃の空気または水インキュベーター、室温でのエタノール(95%~100%)、DNA緩衝液:TE(10mMのトリス-HCl、1mMのEDTA、pH8.0)または類似の溶液、任意のグリコーゲン(20mg/mL)(例えば、Invitrogen Cat.番号10814-010)、エタノール(70%)を室温および5MのNaCl溶液。
【0147】
最初のステップでは、試料を5秒間激しく振盪することによって混合する。これは、粘性試料が、Performagene溶液と適切に混合することを確実にするためである。
【0148】
試料を、50℃の空気インキュベーター中で最低2時間、または50℃の水インキュベーター中で最低1時間インキュベートする。Performagene中のDNAは、インキュベーションステップを行わなくても室温で安定している。この熱処理工程は、DNAが適切に放出され、ヌクレアーゼが永久的に不活化されることを確実にするために不可欠である。このインキュベーション工程は、試料が動物から採取された後、および精製される前に、任意の時点で実施され得る。試料全体のインキュベーションが推奨される。試料は、より好都合であれば、50℃で一晩インキュベートされ得る。温度平衡が水インキュベーターよりも遅いため、空気インキュベーターではより長い時間が必要となる。
【0149】
任意選択で、採取スポンジを除去してもよい。キャップが取り除かれ、採取用スポンジが管の内側に押し付けられ、可能な限り多くの試料が抽出される。スポンジおよびキャップは廃棄される。スポンジの除去は、ワークフローの好みによって決定される。
【0150】
次に、混合した500μLのPerformagene試料が1.5mLの微量遠心機チューブに移される。Performagene試料の残りは、室温または凍結(-15℃~-20℃)で保管することができる。次いで、20μL(1/25体積)のPG-L2P精製器をエッペンチューブに添加し、数秒間ボルテックスすることにより混合する。
不純物および阻害剤が沈殿すると、試料は濁る。
【0151】
試料を、氷上で10分間インキュベートし(室温インキュベーションは置換可能であるが、不純物除去にはわずかに効果が少ない)、その後、15,000×gで室温で5分間遠心分離する。より長時間の遠心分離(最大15分)は、最終DNA溶液の濁り(高A320)を減少させるのに有益であり得る。透明な上清をピペットチップで新鮮な微量遠心機チューブに移し、濁り不純物を含有するペレットを廃棄する。500μLの上清に、25μL(1/20体積)の5MのNaClを添加し、続いて混合する。NaClの添加は、DNAの効率的な回収を確保するために必要である。500μLの上清に、600μLの室温95%~100%のエタノールを加え、その後、反転による穏やかな混合を10回行う。エタノールと混合中、DNAが沈殿する。DNAは、試料中のDNAの量に応じて、DNA繊維の塊として、または微細な沈殿物として現れることがある。塊が見られなくても、次のステップに注意深く従うことによってDNAを回収する。
【0152】
試料を室温で10分間放置し、DNAを完全に沈殿させる。次いで、チューブを、公知の配向で遠心分離器に入れ(DNAペレットは遠心分離後には見えない場合がある)、>15,000×gで室温で2分間遠心分離する。例えば、各チューブは、キャップのヒンジ部分がローターの中心から離れて指し示すように、微量遠心機内に配置されてもよい。
遠心分離後、ペレットの位置を(小さすぎて容易に見えない場合でも)配置することができ、ヒンジの下のチューブの先端にある。
【0153】
上清をピペットチップで除去し、廃棄する。ペレットはDNAを含有する。ペレットが上側の壁上にあるようにチューブを回転させると、ピペットチップを下側の壁に沿って安全に移動させ、上清を全て除去することができる。上清は不純物を含有してもよく、可能な限り完全に除去されるべきである。ペレットの過剰乾燥は、DNAの溶解をより困難にする可能性がある。DNAは、最初に250μLの70%エタノールを添加することによって洗浄され、次いで室温で1分間放置される。エタノールは、ペレットを妨害することなくピペットチップで除去される。70%エタノールの洗浄は、残留阻害剤を除去するのに役立つ。しかし、エタノールを完全に除去することは、下流の適用の間の阻害を防ぐために不可欠である。したがって、チューブを6秒間遠心分離して、任意の残りのエタノールをプールし、ピペットチップで除去する。
【0154】
100μLのDNA緩衝液(例えば、TE緩衝液)をチューブに添加して、DNAペレットを溶解する。少なくとも5秒間ボルテックスすることは、溶解プロセスを助ける。DNAの完全な再水和を確保するため、室温に一晩置いておく。DNAを定量し、下流の適用で使用することができる。
【0155】
蛍光染料を使用するアッセイは、DNA試料中の二本鎖DNA(dsDNA)の量を定量するために、260nmでの吸光度よりも特異的である。RNAを汚染することによって干渉が少ないため、蛍光法によってDNAを定量化するために、PicoGreen(登録商標)またはSYBR(登録商標)Green Iなどの蛍光染料を使用してdsDNAを定量化してもよい。あるいは、InvitrogenのQuant-iT(商標)PicoGreen dsDNA Assay Kit(カタログ番号番号Q-33130)等の市販のキットを使用してもよい。いずれのプロトコルでも、精製DNAは、好ましくは、TE溶液で1:50に希釈され、定量アッセイでは5μLが使用される。
【0156】
あるいは、DNAは、吸光度によって定量化されてもよく、その場合、精製された試料は、最初にRNaseで処理されて、汚染RNAを消化し、次いでDNAのエタノール沈殿によってRNA断片を除去することが好ましい。Performagene試料由来のDNAは、通常、血液試料中に見られるRNAよりも明らかに多いRNAを含有する。アルコール沈殿DNAが完全に溶解されていることを確認してから、吸光度を読み取る。260nmでの1.0の吸光度は、純粋なdsDNAの50ng/μL(50μg/mL)の濃度に相当する。過度に大量の試料の使用を避けるために、100μL以下の容量の試料を読み取ることができる分光光度計キュベットを使用する必要がある。260nmでの吸光度値は、0.1~1.5であるべきである。値が低いほど信頼性に欠ける場合がある。
【0157】
精製されたRNase処理されたDNAの10μLアリコートを、90μLのTE(1/10希釈)で希釈し、穏やかにピペッティングアップダウンすることによって混合する。気泡がなくなるのを待つ。TEは、参照(空白)セルで使用される。吸光度は、320nm、280nm、および260nmで測定される。補正されたA280およびA260値は、A280およびA260値から320nm(A320)での吸光度を差し引くことによって計算される。ng/μLでのDNA濃度=補正A260×10(希釈係数)×50(換算係数)。A260/A280比:補正されたA260を補正されたA280で割る。
実施例6
【0158】
Illumina BeadChip技術とInfinium HDアッセイを使用したゲノムワイドDNA解析を使用して、CC遺伝子型を検出することができる。検査は、一つまたは複数の他の臨床的に重要なSNPの尋問を含むパネルの一部であることが好ましい。
【0159】
精製されたゲノムDNA(200~400ng)を含む試料から始めて、当該試料は、PCRフリーの全ゲノム増幅を受け、SNPについて調査した断片DNAを生成する。CC遺伝子型、IlluminaイヌHDパネル、および追加の50,000~100,000カスタム遺伝子マーカー(SNP)(The IlluminaイヌHDパネル、Illumina,Inc.San Diego,CA)を使用してもよい。こうしたシステムは、CC遺伝子型の存在について試料を調査するために使用することができ、またはBeadArray技術をカスタマイズして、スクリーニング用のSNPをより少なく限定することができる。
【0160】
Illumina BeadArray技術は、平面シリカスライド上のマイクロウェル内で自己組織化する小さなシリカビーズをベースとしている。各ビーズは、Infiniumアッセイにおいて捕捉配列として作用する特定のオリゴヌクレオチドの数十万のコピーで覆われている。ビーズが自己組織化されると、独自の復号プロセスが各ビーズの位置をマッピングし、各ビーズが個別に品質管理されることを確実にする。この製造工程の結果、すべてのBeadChipは、可能な限り高い品質基準を保証するために厳格な試験を受けることになる。Infiniumアッセイは、多くの代替的なPCR依存性アッセイとは異なり、データ品質を損なうことなく、無制限の多重化に拡張することができる。シンプルで合理化されたワークフローは、調査されるSNPの数に関係なく、すべての製品で共通している。同様に、データ取得プロセスと解析は同じである。Infiniumアッセイプロトコルは、シングルチューブ試料調製と、PCRまたはライゲーションステップなしの全ゲノム増幅を特徴とし、労力と試料処理エラーを大幅に削減する。非標識DNA試料をBeadchipにハイブリダイズした後、二段階のアレル検出により、高い呼び出し率と精度が得られる。選択性および特異性は、二段階で達成される。ビーズに結合した50merオリゴに対する標的ハイブリダイゼーションは、高い選択性を提供する一方、酵素による一塩基伸長は、アッセイ読み出しのための標識ヌクレオチドも組み込む。染色試薬は、より高いシグナルを提供するように最適化されており、赤と緑のチャネル間でよりバランスの取れた強度になる。これらの機能は、制度、高い呼び出し率、および低ノイズでのコピー数データに寄与する。Infiniumアッセイは、遺伝子型判定試験において、各SNPに対して二色(各アレルに対して一色)の読み出しを生成する。
各二色チャネルAおよびBの強度値は、単一のゲノム遺伝子座でのアレル比についての情報を伝達する。典型的な研究は、有意な統計表現を確実にするために、多数の試料(数百から数万)の値が組み込まれている。これらの値が適切に正規化され、プロットされた別個のパターン(またはクラスター)が現れると、アッセイされた遺伝子座で試料が同一の遺伝子型を有し、類似のシグナルプロファイル(AおよびB値)を示し、クラスターに凝集する。二倍体生物の場合、両アレル遺伝子座は、三つのクラスター(AA、ABおよびBB)を呈することが予想される。遺伝子型呼び出しは、代表的な試料セットからの統計データを提供する、標準クラスターファイルに由来する情報に基づく。これにより、所与の遺伝子座についての公知のデータに対してアッセイの単一強度を参照することによって、遺伝子型を呼び出すことが可能になる。呼び出し精度はクラスターデータの品質と結びついているため、正確な遺伝子型判定には、効率的で堅牢なクラスタリングアルゴリズムが不可欠である。Illumina Gebtrain2アルゴリズムは、遺伝子型判定試料のクラスターパターンを正確かつ効率的に識別し、概要を報告する。
【0161】
実施例7
【0162】
トマトの搾りかすを含む毎日の食事は、4-EPSのレベルが高いと識別されたイヌに有意な利益を提供する。一部の実施形態では、方法は、有効量のトマトの搾りかすを含む毎日の食事を、4-EPSの上昇が疑われるイヌに与えることを含み得る。一部の実施形態では、方法は、有効量のトマトの搾りかすを含む毎日の食事を、4-EPSの上昇を有すると特定されたイヌに与えることを含み得る。一部の実施形態では、方法は、4-EPSの上昇を有するイヌと特定するためにイヌの4-EPSを測定することと、有効量のトマトの搾りかすを含む毎日の食事をイヌに与えることとを含み得る。
【0163】
一部の実施形態では、方法は、4-EPSの上昇を有するイヌと特定するために、イヌの4-EPSを測定することと、測定された4-EPSのレベルをポジティブ参照標準値と比較することと、有効量のトマトの搾りかすを含む毎日の食事をイヌに与えることとを含み得る。ポジティブ参照標準値は、特に、同等のサイズ、重量、年齢、育種を有するイヌについて、上昇したレベルであるとみなされる4-EPSに対応する。測定値がポジティブ参照標準値以上である場合、イヌは、4-EPSが上昇していると識別され、有効量のトマトの搾りかすを含む毎日の食事をイヌに与えることによって治療される。
【0164】
一部の実施形態では、方法は、4-EPSの上昇を有するイヌと特定するために、イヌの4-EPSを測定することと、イヌ対象の測定された4-EPSのレベルをポジティブ対照試料の測定された4-EPSレベルと比較することと、有効量のトマトの搾りかすを含む毎日の食事をイヌに与えることとを含み得る。ポジティブ対照試料は、特に、同等のサイズ、重量、年齢、および育種のイヌについてレベルが高いとみなされる4-EPSの濃度を有する代表的な試料である。イヌ対象の測定された4-EPSレベルが、ポジティブ対照試料の測定された4-EPSレベル以上である場合、イヌは、4-EPSが上昇していると識別され、有効量のトマトの搾りかすを含む毎日の食事をイヌに与えることによって治療される。
【0165】
一部の実施形態では、当該イヌは、最初は、不安、不安障害、または不安もしくは不安障害の症状を呈している、またはその疑いがあるとして特定され得る。次いで、イヌを試験して、本明細書に記載される方法のうちの一つによって、4-EPSレベルが上昇しているかどうかを判断することができる。結果が、イヌが4-EPS値の上昇を示した場合、有効量のトマトの搾りかすを含む毎日の食事をそれに与えることによって治療される。
【0166】
一部の実施形態では、当該イヌは、最初は、ストレス、ストレス障害、またはストレスもしくはストレス障害の症状を呈している、またはその疑いがあるとして特定され得る。
次いで、イヌを試験して、本明細書に記載される方法のうちの一つによって、4-EPSレベルが上昇しているかどうかを判断することができる。結果が、イヌが4-EPS値の上昇を示した場合、有効量のトマトの搾りかすを含む毎日の食事をそれに与えることによって治療される。
【0167】
実施例8
【0168】
以下の組成物は、一日当たり提供される総栄養量に基づく。
【0169】
乾燥物質基準の組成物の総重量に基づく一部の実施形態では、トマトの搾りかすの量は、0.087~0.5%である。乾燥物質基準の組成物の総重量に基づく一部の実施形態では、トマトの搾りかすの量は、0.044%~約0.42%である。乾燥物質基準の組成物の総重量に基づく一部の実施形態では、トマトの搾りかすの量は、0.066%~約0.315%である。乾燥物質基準の組成物の総重量に基づく一部の実施形態では、トマトの搾りかすの量は、0.087~0.21%である。乾燥物質基準の組成物の総重量に基づく一部の実施形態では、トマトの搾りかすの量は、約0.14%である。
【0170】
特定の実施形態では、組成物は、乾燥物質基準の組成物の総重量に基づいて、5%、7.5%、10%、12.5%、15%、17.5%、20%、22.5%、または25%の量でニワトリを含み得る。特定の実施形態では、組成物は、乾燥物質基準の組成物の総重量に基づいて、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、または15%の量で卵タンパク質を含み得る。特定の実施形態では、組成物は、乾燥物質基準の組成物の総重量に基づいて、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、または20%の量でコーングルテンミールを含み得る。特定の実施形態では、組成物は、乾燥物質基準の組成物の総重量に基づいて、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1.0%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5%、1.6%、1.7%、1.8%、または1.9%、または2.0%の量の追加の植物源を含み得る。特定の実施形態では、組成物は、乾燥物質基準の組成物の総重量に基づいて、トマトの搾りかすに加えて、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1.0%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、または1.5%の量の追加のフルーツ源を含み得る。特定の実施形態では、組成物は、乾燥物質基準の組成物の総重量に基づいて、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、または50%の量で、キビ、酒米、オート麦挽き割り粉、およびそれらの組み合わせから選択される炭水化物を含み得る。これらの実施形態の特定の態様では、本発明の組成物は、これらの値のうちのいずれか二つによって終点として定義される範囲内の炭水化物源の乾燥重量を含み得る。
【0171】
実施例9
【0172】
表2は、組成物の割合を有する特定の実施形態を記載する(成分組成物の乾燥重量の%)。
【0173】
【0174】
有効量のトマトの搾りかすを含む毎日の食事は、ストレスがあると識別されたイヌに利益を提供し得る。一部の実施形態では、本方法は、ストレス、ストレス障害を有する、または有すると疑われる、またはストレスもしくはストレス障害の症状を示すと疑われるイヌを特定し、有効量のトマトの搾りかすを含む毎日の食事をそれに与えることを含む。
【0175】
一日当たりの栄養摂取量の0.044%~0.42%に等しい量のトマトの搾りかすを含む毎日の食事をイヌに与えることを含む方法が提供される。一部の実施形態では、一日当たりの栄養摂取量の0.066%~0.315%に等しい量のトマトの搾りかすを含む毎日の食事をイヌに与えることを含む方法が提供される。一部の実施形態では、一日当たりの栄養摂取量の0.087%~0.21%に等しい量のトマトの搾りかすを含む毎日の食事をイヌに与えることを含む方法が提供される。一部の実施形態では、一日当たりの栄養摂取量の約0.14%に等しい量のトマトの搾りかすを含む毎日の食事をイヌに与えることを含む方法が提供される。
【0176】
実施例10
【0177】
表3は、組成物の割合を有する特定の実施形態で使用される成分を記載する(成分組成の乾燥物質重量の%)。
【表3】
【0178】
実施例11
【0179】
表4は、組成物の割合を有する特定の実施形態で使用される成分を記載する(成分組成の乾燥物質重量の%)。
【表4】
【0180】
実施例12
【0181】
表5は、組成物の割合を有する特定の実施形態で使用される成分を記載する(成分組成の乾燥物質重量の%)。
【表5】
【0182】
実施例13
【0183】
表6は、組成物の割合を有する特定の実施形態で使用される成分を記載する(成分組成の乾燥物質重量の%)。
【表6】
【0184】
実施例14
【0185】
表7は、組成物の割合を有する特定の実施形態で使用される成分を記載する(成分組成の乾燥物質重量の%)。
【表7】
【0186】
実施例15
【0187】
表8は、組成物の割合を有する特定の実施形態で使用される成分を記載する(成分組成の乾燥物質重量の%)。
【表8】
【0188】
実施例16
【0189】
表9は、組成物の割合を有する特定の実施形態で使用される成分を記載する(成分組成の乾燥物質重量の%)。
【表9】