(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024006964
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】基板処理装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20240110BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
H01L21/302 101B
H01L21/31 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023072375
(22)【出願日】2023-04-26
(31)【優先権主張番号】10-2022-0082114
(32)【優先日】2022-07-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】520236767
【氏名又は名称】サムス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム カニュル
(72)【発明者】
【氏名】キム ユンサン
【テーマコード(参考)】
5F004
5F045
【Fターム(参考)】
5F004BA06
5F004BB03
5F004BB13
5F004BB18
5F004BB22
5F004BB26
5F004BB27
5F004BB29
5F004BB30
5F004BD04
5F004CA04
5F004CA06
5F045AA08
5F045DP04
5F045EC03
5F045EH04
5F045EH08
5F045EH14
5F045EJ05
5F045EJ10
5F045EK12
5F045EK17
5F045EK18
5F045EM05
(57)【要約】
【課題】基板処理装置を提供する。
【解決手段】本発明の基板処理装置は、処理空間を提供するチャンバ;チャンバの処理空間内に提供され、基板を支持するように構成された支持テーブル;チャンバの上部壁に提供された開口を覆う誘電体プレート;誘電体プレート上に提供された透明電極;透明電極及び誘電体プレートを通じて支持テーブルに支持された基板にレーザビームを供給するように構成されたレーザ供給ヘッド;及び透明電極に冷却ガスを噴射して透明電極を冷却させるように構成された冷却装置;を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理空間を提供するチャンバと、
前記チャンバの前記処理空間内に提供され、基板を支持するように構成された支持テーブルと、
前記チャンバの上部壁に提供された開口を覆う誘電体プレートと、
前記誘電体プレート上に提供された透明電極と、
前記透明電極及び前記誘電体プレートを通じて前記支持テーブルに支持された前記基板にレーザビームを供給するように構成されたレーザ供給ヘッドと、
前記透明電極に冷却ガスを噴射して前記透明電極を冷却させるように構成された冷却装置と、を含む、基板処理装置。
【請求項2】
前記冷却装置は、
前記冷却ガスを噴射するように構成された少なくとも1つの第1噴射口を含む第1ガス噴射ブロックと、
前記冷却ガスを吸い込むように構成された少なくとも1つの第1吸入口を含み、前記透明電極の上面に平行な第1方向に前記第1ガス噴射ブロックと対向するように配置された第1吸入ブロックと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記第1ガス噴射ブロックは、前記透明電極の前記上面に平行な方向に前記冷却ガスを噴射するように構成されることを特徴とする請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記第1ガス噴射ブロックは、前記透明電極の前記上面に傾斜した方向に前記冷却ガスを噴射するように構成されることを特徴とする請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記第1ガス噴射ブロックは、前記透明電極の上面に平行であり、前記第1方向に垂直な第2方向に沿って互いに離隔された複数の第1噴射口を含むことを特徴とする請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つの第1吸入口の前記第2方向に沿う長さは、前記複数の第1噴射口それぞれの前記第2方向に沿う長さより長いことを特徴とする請求項5に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記冷却装置は、前記第1ガス噴射ブロックと前記第1吸入ブロックとの間で、前記透明電極の前記上面に沿って一方向に流動する前記冷却ガスの気流を形成するように構成されることを特徴とする請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記冷却装置は、
前記冷却ガスを噴射するように構成された少なくとも1つの第2噴射口を含む第2ガス噴射ブロックと、
前記冷却ガスを吸い込むように構成された少なくとも1つの第2吸入口を含み、前記透明電極の上面に平行であり、前記第1方向に垂直な第2方向に前記第2ガス噴射ブロックと対向するように配置された第2吸入ブロックと、をさらに含み、
前記冷却装置は、前記第2ガス噴射ブロックと前記第2吸入ブロックとの間で、前記透明電極の前記上面に沿って前記第2方向に流動する前記冷却ガスの気流を形成するように構成されることを特徴とする請求項7に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記透明電極を挟んで前記第1方向に垂直な第2方向に互いに離隔されたフローガイドブロックをさらに含み、
前記フローガイドブロックは、前記冷却ガスの前記第1方向へのフローを案内するように前記第1ガス噴射ブロックと前記第1吸入ブロックとの間で前記第1方向に延びることを特徴とする請求項7に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記第1ガス噴射ブロックを移動可能に構成されたアクチュエータをさらに含み、
前記アクチュエータは、前記第1ガス噴射ブロックを移動させ、前記第1ガス噴射ブロックから噴射される前記冷却ガスの噴射方向を調節するように構成されることを特徴とする請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項11】
前記透明電極を挟んで前記第1吸入ブロックから前記第1方向に離隔された第3ガス噴射ブロックをさらに含み、
前記第1ガス噴射ブロックは、前記透明電極の上面に平行な方向に前記冷却ガスを噴射するように構成され、
前記第3ガス噴射ブロックは、前記透明電極の前記上面に傾斜した方向に前記冷却ガスを噴射するように構成されることを特徴とする請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項12】
前記誘電体プレートは、石英を含み、
前記透明電極は、酸化インジウム錫を含むことを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項13】
前記冷却ガスは、清浄乾燥空気、窒素ガスのうち、少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項14】
前記処理空間に工程ガスを供給するように構成されたガス供給部と、
前記透明電極に第1電源を供給するように構成された第1電源供給部と、
前記支持テーブルの内部電極板に第2電源を供給するように構成された第2電源供給部と、をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項15】
処理空間を提供するチャンバと、
前記チャンバの前記処理空間内に提供され、基板を支持するように構成された支持テーブルと、
前記処理空間に工程ガスを供給するように構成されたガス供給部と、
前記チャンバの上部壁に提供された開口を覆う誘電体プレートと、
前記チャンバの外部に提供され、前記誘電体プレート上に提供された透明電極と、
前記透明電極に第1電源を供給するように構成された第1電源供給部と、
前記支持テーブルの内部電極板に第2電源を供給するように構成された第2電源供給部と、
前記透明電極及び前記誘電体プレートを通じて前記支持テーブル上の前記基板にレーザビームを供給するように構成されたレーザ供給ヘッドと、
前記透明電極の上面に沿って一方向に流動する冷却ガスの気流を形成して前記透明電極を冷却させるように構成された冷却装置と、を含む、基板処理装置。
【請求項16】
前記冷却装置は、
前記冷却ガスを噴射するように構成された複数の第1噴射口を含む第1ガス噴射ブロックと、
前記冷却ガスを吸い込むように構成された第1吸入口を含み、前記透明電極の第1エッジから第2エッジに向かう第1方向に前記第1ガス噴射ブロックから離隔された第1吸入ブロックと、を含み、
前記複数の第1噴射口は、前記第1方向に垂直な第2方向に互いに離隔され、
前記第1吸入口は、前記複数の第1噴射口それぞれと前記第1方向に対向することを特徴とする請求項15に記載の基板処理装置。
【請求項17】
前記第1ガス噴射ブロック及び前記第1吸入ブロックは、前記透明電極を挟んで前記第1方向に互いに離隔され、
前記第1ガス噴射ブロックの前記第2方向への長さ及び前記第1吸入ブロックの前記第2方向への長さは、それぞれ前記透明電極の前記第2方向への長さより長いことを特徴とする請求項16に記載の基板処理装置。
【請求項18】
前記第1ガス噴射ブロック及び前記第1吸入ブロックは、前記透明電極に前記透明電極の上面に垂直な垂直方向に重畳されないように配置されることを特徴とする請求項16に記載の基板処理装置。
【請求項19】
前記冷却装置は、前記レーザ供給ヘッドが前記基板に前記レーザビームを供給する間、前記透明電極に前記冷却ガスを供給して前記透明電極を冷却させるように構成されることを特徴とする請求項16に記載の基板処理装置。
【請求項20】
プラズマが生成される処理空間を提供するチャンバと、
前記チャンバの前記処理空間内に提供され、基板を支持するように構成された支持テーブルと、
前記処理空間に工程ガスを供給するように構成されたガス供給部と、
前記チャンバの上部壁に提供された開口を覆う誘電体プレートと、
前記チャンバの外部に提供され、前記誘電体プレート上に提供された透明電極と、
前記透明電極に第1電源を供給するように構成された第1電源供給部と、
前記支持テーブルの内部電極板に第2電源を供給するように構成された第2電源供給部と、
前記透明電極及び前記誘電体プレートを通じて前記支持テーブル上の前記基板にレーザビームを供給するように構成されたレーザ供給ヘッドと、
前記透明電極に向けて冷却ガスを噴射するように構成された複数の第1噴射口を有する第1ガス噴射ブロック及び前記冷却ガスを吸い込むように構成された第1吸入口を有する第1吸入ブロックを含み、前記第1ガス噴射ブロックと前記第1吸入ブロックは、前記透明電極を挟んで前記透明電極の上面に平行な第1方向に離隔された冷却装置と、を含み、
前記第1ガス噴射ブロックは、前記透明電極の第1エッジ近傍に配置され、前記透明電極の第1エッジの一端から他端まで延び、
前記第1吸入ブロックは、前記透明電極の前記第1エッジに反対となる第2エッジ近傍に配置され、前記透明電極の第2エッジの一端から他端まで延び、
前記第1吸入口は、前記第1方向に前記複数の第1噴射口それぞれと対向し、
前記第1吸入口の前記透明電極の前記上面に垂直な垂直方向への長さは、前記複数の第1噴射口それぞれの前記垂直方向への長さより大きく、
前記冷却装置は、前記第1ガス噴射ブロックと前記第1吸入ブロックとの間で、前記透明電極の前記上面に沿って一方向に流動する前記冷却ガスの気流を形成するように構成された、基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、半導体素子を製造するために、基板に対して蒸着、エッチング、洗浄などの一連の半導体工程が進められる。一部半導体工程の場合、例えば、プラズマを用いて基板に対する蒸着、エッチングなどの処理を遂行する場合、基板を既定の温度に迅速に加熱するために熱源を用いている。基板を加熱するための熱源には、電気抵抗式ヒータ、光源などがある。但し、熱源を用いて基板を加熱するとき、他の周辺部品が意図せぬ加熱されて劣化される問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする課題は、基板処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述した課題を解決するために本発明の技術的思想は、処理空間を提供するチャンバ;前記チャンバの前記処理空間内に提供され、基板を支持するように構成された支持テーブル;前記チャンバの上部壁に提供された開口を覆う誘電体プレート;前記誘電体プレート上に提供された透明電極;前記透明電極及び前記誘電体プレートを通じて前記支持テーブルに支持された前記基板にレーザビームを供給するように構成されたレーザ供給ヘッド;及び前記透明電極に冷却ガスを噴射して前記透明電極を冷却させるように構成された冷却装置;を含む、基板処理装置を提供する。
【0005】
例示的な実施形態において、前記冷却装置は、前記冷却ガスを噴射するように構成された少なくとも1つの第1噴射口を含む第1ガス噴射ブロック;及び前記冷却ガスを吸い込むように構成された少なくとも1つの第1吸入口を含み、前記透明電極の上面に平行な第1方向に前記第1ガス噴射ブロックと対向するように配置された第1吸入ブロック;を含むことを特徴とする。
【0006】
例示的な実施形態において、前記第1ガス噴射ブロックは、前記透明電極の前記上面に平行な方向に前記冷却ガスを噴射するように構成されることを特徴とする。
【0007】
例示的な実施形態において、前記第1ガス噴射ブロックは、前記透明電極の前記上面に傾斜した方向に前記冷却ガスを噴射するように構成されることを特徴とする。
【0008】
例示的な実施形態において、前記第1ガス噴射ブロックは、前記透明電極の上面に平行であり、前記第1方向に垂直な第2方向に沿って互いに離隔された複数の第1噴射口を含むことを特徴とする。
【0009】
例示的な実施形態において、前記少なくとも1つの第1吸入口の前記第2方向に沿う長さは、前記複数の第1噴射口それぞれの前記第2方向に沿う長さより長いことを特徴とする。
【0010】
例示的な実施形態において、前記冷却装置は、前記第1ガス噴射ブロックと前記第1吸入ブロックとの間で、前記透明電極の前記上面に沿って一方向に流動する前記冷却ガスの気流を形成するように構成されることを特徴とする。
【0011】
例示的な実施形態において、前記冷却装置は、前記冷却ガスを噴射するように構成された少なくとも1つの第2噴射口を含む第2ガス噴射ブロック;及び前記冷却ガスを吸い込むように構成された少なくとも1つの第2吸入口を含み、前記透明電極の上面に平行であり、前記第1方向に垂直な第2方向に前記第2ガス噴射ブロックと対向するように配置された第2吸入ブロック;をさらに含み、前記冷却装置は、前記第2ガス噴射ブロックと前記第2吸入ブロックとの間で、前記透明電極の前記上面に沿って前記第2方向に流動する前記冷却ガスの気流を形成するように構成されることを特徴とする。
【0012】
例示的な実施形態において、前記透明電極を挟んで前記第1方向に垂直な第2方向に互いに離隔されたフローガイドブロックをさらに含み、前記フローガイドブロックは、前記冷却ガスの前記第1方向へのフローを案内するように前記第1ガス噴射ブロックと前記第1吸入ブロックとの間で前記第1方向に延びることを特徴とする。
【0013】
例示的な実施形態において、前記第1ガス噴射ブロックを移動可能に構成されたアクチュエータをさらに含み、前記アクチュエータは、前記第1ガス噴射ブロックを移動させ、前記第1ガス噴射ブロックから噴射される前記冷却ガスの噴射方向を調節するように構成されることを特徴とする。
【0014】
例示的な実施形態において、前記透明電極を挟んで前記第1吸入ブロックから前記第1方向に離隔された第3ガス噴射ブロックをさらに含み、前記第1ガス噴射ブロックは、前記透明電極の上面に平行な方向に前記冷却ガスを噴射するように構成され、前記第3ガス噴射ブロックは、前記透明電極の前記上面に傾斜した方向に前記冷却ガスを噴射するように構成されることを特徴とする。
【0015】
例示的な実施形態において、前記誘電体プレートは、石英を含み、前記透明電極は、酸化インジウム錫を含むことを特徴とする。
【0016】
例示的な実施形態において、前記冷却ガスは、清浄乾燥空気、窒素ガスのうち、少なくとも1つを含むことを特徴とする。
【0017】
例示的な実施形態において、前記処理空間に工程ガスを供給するように構成されたガス供給部;前記透明電極に第1電源を供給するように構成された第1電源供給部;及び前記支持テーブルの内部電極板に第2電源を供給するように構成された第2電源供給部;をさらに含むことを特徴とする。
【0018】
上述した課題を解決するために本発明の技術的思想は、処理空間を提供するチャンバ;前記チャンバの前記処理空間内に提供され、基板を支持するように構成された支持テーブル;前記処理空間に工程ガスを供給するように構成されたガス供給部;前記チャンバの上部壁に提供された開口を覆う誘電体プレート;前記チャンバの外部に提供され、前記誘電体プレート上に提供された透明電極;前記透明電極に第1電源を供給するように構成された第1電源供給部;及び前記支持テーブルの内部電極板に第2電源を供給するように構成された第2電源供給部;前記透明電極及び前記誘電体プレートを通じて前記支持テーブル上の前記基板にレーザビームを供給するように構成されたレーザ供給ヘッド;及び前記透明電極の上面に沿って一方向に流動する冷却ガスの気流を形成して前記透明電極を冷却させるように構成された冷却装置;を含む、基板処理装置を提供する。
【0019】
例示的な実施形態において、前記冷却装置は、前記冷却ガスを噴射するように構成された複数の第1噴射口を含む第1ガス噴射ブロック;及び前記冷却ガスを吸い込むように構成された第1吸入口を含み、前記透明電極の第1エッジから第2エッジに向かう第1方向に前記第1ガス噴射ブロックから離隔された第1吸入ブロック;を含み、前記複数の第1噴射口は、前記第1方向に垂直な第2方向に互いに離隔され、前記第1吸入口は、前記複数の第1噴射口それぞれと前記第1方向に対向することを特徴とする。
【0020】
例示的な実施形態において、前記第1ガス噴射ブロック及び前記第1吸入ブロックは、前記透明電極を挟んで前記第1方向に互いに離隔され、前記第1ガス噴射ブロックの前記第2方向への長さ及び前記吸入ブロックの前記第2方向への長さは、それぞれ前記透明電極の前記第2方向への長さより長いことを特徴とする。
【0021】
例示的な実施形態において、前記第1ガス噴射ブロック及び前記第1吸入ブロックは、前記透明電極に前記透明電極の上面に垂直な垂直方向に重畳されないように配置されることを特徴とする。
【0022】
例示的な実施形態において、前記冷却装置は、前記レーザ供給ヘッドが前記基板に前記レーザビームを供給する間、前記透明電極に前記冷却ガスを供給して前記透明電極を冷却させるように構成されることを特徴とする。
【0023】
上述した課題を解決するために本発明の技術的思想は、プラズマが生成される処理空間を提供するチャンバ;前記チャンバの前記処理空間内に提供され、基板を支持するように構成された支持テーブル;前記処理空間に工程ガスを供給するように構成されたガス供給部;前記チャンバの上部壁に提供された開口を覆う誘電体プレート;前記チャンバの外部に提供され、前記誘電体プレート上に提供された透明電極;前記透明電極に第1電源を供給するように構成された第1電源供給部;及び前記支持テーブルの内部電極板に第2電源を供給するように構成された第2電源供給部;前記透明電極及び前記誘電体プレートを通じて前記支持テーブル上の前記基板にレーザビームを供給するように構成されたレーザ供給ヘッド;及び前記透明電極に向けて冷却ガスを噴射するように構成された複数の第1噴射口を有する第1ガス噴射ブロック及び前記冷却ガスを吸い込むように構成された第1吸入口を有する第1吸入ブロックを含み、前記第1ガス噴射ブロックと前記第1吸入ブロックは、前記透明電極を挟んで前記透明電極の上面に平行な第1方向に離隔された冷却装置;を含み、前記第1ガス噴射ブロックは、前記透明電極の第1エッジ近傍に配置され、前記透明電極の第1エッジの一端から他端まで延び、前記第1吸入ブロックは、前記透明電極の前記第1エッジに反対となる第2エッジ近傍に配置され、前記透明電極の第2エッジの一端から他端まで延び、前記第1吸入口は、前記第1方向に前記複数の第1噴射口それぞれと対向し、前記第1吸入口の前記透明電極の前記上面に垂直な垂直方向への長さは、前記複数の第1噴射口それぞれの前記垂直方向への長さより大きく、前記冷却装置は、前記第1ガス噴射ブロックと前記第1吸入ブロックとの間で前記透明電極の前記上面に沿って一方向に流動する前記冷却ガスの気流を形成するように構成された基板処理装置を提供する。
【発明の効果】
【0024】
本発明の実施形態によれば、冷却装置は、透明電極を冷却させることで、レーザビームが照射される間にも、透明電極の温度を既定の許容範囲以内に保持し、透明電極の熱的損傷による透明電極の劣化を防止することができる。これにより、透明電極を含む基板処理装置の信頼性を向上させうる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の例示的な実施形態による基板処理装置を示す構成図である。
【
図2】
図1の基板処理装置の一部構成を示す平面図である。
【
図3】本発明の例示的な実施形態による第1ガス噴射ブロックの噴射面を示す側面図である。
【
図4】本発明の例示的な実施形態による第1吸入ブロックの吸入面を示す側面図である。
【
図5】本発明の例示的な実施形態による冷却装置を含む基板処理装置の一部を示す構成図である。
【
図6】本発明の例示的な実施形態による冷却装置を含む基板処理装置の一部を示す構成図である。
【
図7】本発明の例示的な実施形態による冷却装置を含む基板処理装置の一部を示す構成図である。
【
図8A】本発明の例示的な実施形態による冷却装置を含む基板処理装置の一部を示す構成図である。
【
図8B】本発明の例示的な実施形態による冷却装置を含む基板処理装置の一部を示す構成図である。
【
図9】本発明の例示的な実施形態による冷却装置を含む基板処理装置の一部を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付図面を参照して本発明の技術的思想の実施形態について詳細に説明する。図面上の同じ構成要素については、同じ参照符号を付し、これらについての重複説明は省略する。
【0027】
図1は、本発明の例示的な実施形態による基板処理装置10を示す構成図である。
図2は、
図1の基板処理装置10の一部構成を示す平面図である。
【0028】
図1及び
図2を参照すれば、基板処理装置10は、チャンバ110、支持テーブル120、誘電体プレート141、透明電極145、冷却装置150、レーザ供給ヘッド160、工程ガス供給部175、第1電源供給部171、及び第2電源供給部173を含む。
【0029】
チャンバ110は、処理空間111を提供する。チャンバ110の処理空間111は、基板Wが処理される空間であり、チャンバ110の一側には、基板Wの出入りのための出入りゲートが提供されうる。チャンバ110の処理空間111は、チャンバ110の外部空間に対して密閉可能な空間でもある。チャンバ110は、円柱、楕円柱、または多角柱状を有する。チャンバ110の上部壁113には、チャンバ110の上部壁113を貫通する開口115が提供されうる。平面視において、チャンバ110の開口115の形態は四角形のような多角形、または円形でもある。
【0030】
チャンバ110の下部には、排気口117が形成されうる。排気装置177は、配管を介してチャンバ110の排気口117に連結され、チャンバ110内の物質をチャンバ110の外部に排気するように構成されうる。排気装置177は、真空ポンプを含む。排気装置177は、チャンバ110の処理空間111の物質を排気してチャンバ110の処理空間111の内部圧力を制御するように機能し、また基板Wを処理する間に発生した反応副産物をチャンバ110の外部に排出させるように機能する。
【0031】
チャンバ110の一側には、工程ガスPGを噴射するガス供給ポート119が配置されうる。工程ガス供給部175は、配管を介してチャンバ110のガス供給ポート119に連結され、チャンバ110の供給ポートを通じてチャンバ110の処理空間111に工程ガスPGを供給するように構成されうる。工程ガス供給部175は、各種の工程ガスPGを保存及び供給する少なくとも1つのガスソースを含む。例えば、工程ガスPGは、プラズマ生成のためのガス、処理対象である基板Wに反応するガス(例えば、エッチングソースガスまたは蒸着ソースガス)、パージガスなどを含む。
【0032】
支持テーブル120は、チャンバ110の処理空間111内に提供され、基板Wを支持するように構成されうる。基板Wは、支持テーブル120の主面上に載置されうる。基板Wは、例えば、半導体ウェーハを含む。例示的な実施形態において、支持テーブル120は、静電力(electro-static force)で基板Wを支持するように構成された静電チャック(electrostatic chuck)または基板Wを選択的に真空吸着するように構成された真空チャックを含む。
【0033】
誘電体プレート141は、チャンバ110の開口115を覆うようにチャンバ110に結合されうる。例えば、誘電体プレート141は、チャンバ110の開口115に嵌め込まれて固定されうる。平面視において、誘電体プレート141の形態は、チャンバ110の開口115の形態に対応しうる。例えば、誘電体プレート141は、平面視、四角形を有しうる。誘電体プレート141は、チャンバ110の開口115を閉鎖してチャンバ110の開口115を介した気体フローを遮断する。誘電体プレート141は、レーザビームLBに対して透光性を有する物質で構成されうる。例えば、誘電体プレート141のレーザビームLBの透過率は、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、または95%以上でもある。例示的な実施形態において、誘電体プレート141は、石英(quartz)及び窒化アルミニウムのうち、少なくとも1つを含んでもよい。
【0034】
透明電極145は、誘電体プレート141の上面上に配置されうる。透明電極145は、チャンバ110の外部空間に提供され、チャンバ110の処理空間111に露出されない。透明電極145は、誘電体プレート141の上面に沿って延び、誘電体プレート141の上面を覆う。平面視において、透明電極145の形態は、誘電体プレート141の形態と同一でもある。例えば、透明電極145は、平面視、四角形を有する。透明電極145は、数十nm~数千nmの厚さを有する薄膜でもある。例示的な実施形態において、透明電極145の厚さは、300nm~900nmでもある。透明電極145の上面1451は、ほぼ平面でもある。以下、水平方向(例えば、X方向及び/またはY方向)は、透明電極145の上面1451に平行方向と定義され、垂直方向(例えば、Z方向)は、透明電極145の上面1451に垂直方向と定義されうる。
【0035】
透明電極145は、導電性物質を含み、外部から提供された電源を印加されるように構成されうる。また、透明電極145は、レーザビームLBに対して透光性を有する物質で構成されうる。例えば、透明電極145のレーザビームLBの透過率は、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、または95%以上でもある。例示的な実施形態において、透明電極145は、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化錫(SnO2)及び酸化亜鉛(ZnO)のうち、少なくとも1つを含んでもよい。
【0036】
第1電源供給部171は、透明電極145に第1電源を供給するように構成されうる。例えば、第1電源供給部171は、透明電極145にRF(Radio Frequency)電源、基準電位(例えば、グラウンド電圧)、またはバイアス電源を供給するように構成されうる。第2電源供給部173は、支持テーブル120の内部電極板121に第2電源を供給するように構成されうる。例えば、第2電源供給部173は、支持テーブル120の内部電極板121にRF電源、基準電位(例えば、グラウンド電圧)またはバイアス電源を供給するように構成されうる。
【0037】
例示的な実施形態において、基板処理装置10は、容量結合型プラズマ(capacitively coupled plasma)装置に該当する。透明電極145と支持テーブル120の内部電極板121との間に電界を形成して処理空間111に提供された工程ガスPGからプラズマを生成する。例えば、処理空間111にプラズマを生成するための電界を形成するために、第1電源供給部171は、透明電極145に基準電位を提供し、第2電源供給部173は、支持テーブル120の内部電極板121にRF電源を提供しうる。または、処理空間111にプラズマを生成するための電界を形成するために、第1電源供給部171は、透明電極145にRF電源を提供し、第2電源供給部173は、支持テーブル120の内部電極板121に基準電位を提供する。基板処理装置10は、処理空間111に生成されたプラズマを用いて、基板Wに対するエッチング工程、洗浄工程、蒸着工程などを遂行するように構成されうる。例示的な実施形態において、基板処理装置10は、基板Wに対する原子層エッチング(atomic layer etching, ALE)または、原子層蒸着(atomic layer deposition、ALD)を遂行するように構成されうる。
【0038】
レーザ供給ヘッド160は、基板WにレーザビームLBを供給する。レーザ供給ヘッド160は、チャンバ110の外部に配置され、透明電極145及び誘電体プレート141を介して基板WにレーザビームLBを供給するように構成されうる。
【0039】
レーザ供給ヘッド160は、光源161及び光学系163を含む。光源161は、レーザビームLBを生成及び出力する。光源161は、1つの光源または複数の光源を含むことができる。光学系163は、少なくとも1つの視準(collimating)光学系1631、均質(homogenizing)光学系1633、及びイメージング(imaging)光学系1635を含む。光学系163は、レーザビームLBの形態及び/またはサイズを調節するように構成されうる。例えば、光学系163は、レーザビームLBの形態及び/またはサイズを基板Wの形態及び/またはサイズと実質的に同一または類似したレベルに調節することができる。
【0040】
レーザ供給ヘッド160は、基板WにレーザビームLBを供給して基板Wに対する熱処理を遂行するように構成されうる。レーザ供給ヘッド160は、基板Wを熱処理するのに適した特性を有するレーザビームLBを出力するように構成されうる。例えば、基板Wの材料及び厚さ、基板Wに対する目標加熱温度などによってレーザ供給ヘッド160から出力されるレーザビームLBの波長、パルス幅、出力などが調節されうる。例示的な実施形態において、レーザビームLBの波長は、500nm~1200nmの間であり、レーザビームLBの出力は、10W~700Wの間でもある。例示的な実施形態において、基板処理装置10がALE工程を遂行するように構成された場合、レーザ供給ヘッド160は、基板Wの全体領域にレーザビームLBを供給して基板Wに対する急速加熱を遂行し、基板Wに対する急速加熱によって基板W上のエッチング対象物質膜が揮発されて除去されうる。
【0041】
冷却装置150は、チャンバ110の外部に備えられ、透明電極145に冷却ガスCGを噴射して透明電極145を冷却させるように構成されうる。冷却装置150は、透明電極145の上面1451上で透明電極145の上面1451に沿って流動する冷却ガスCGの気流を形成して透明電極145を冷却させるように構成されうる。例えば、冷却ガスCGは、清浄乾燥空気(clean dry air)及び/または窒素ガスを含む。前述したように、チャンバ110の上部壁113の開口115は、誘電体プレート141によって閉鎖されるので、冷却ガスCGは、処理空間111に流入されない。冷却装置150を活用した透明電極145に対する冷却は、レーザビームLBを用いた基板Wに対する熱処理を開始する前に、レーザビームLBが基板Wを加熱している間、及び/またはレーザビームLBを用いた基板Wに対する熱処理終了後に遂行されうる。
【0042】
冷却装置150は、第1ガス噴射ブロック151、冷却ガス供給部152、第1吸入ブロック153、及び排気ポンプ154を含む。
【0043】
第1ガス噴射ブロック151は、透明電極145に向けて冷却ガスCGを噴射するように構成されうる。第1ガス噴射ブロック151は、冷却ガスCGを噴射するように構成された少なくとも1つの第1噴射口1511を含む。第1噴射口1511が設けられた第1ガス噴射ブロック151の噴射面1513は、透明電極145に向かうように配置されうる。第1ガス噴射ブロック151は、チャンバ110の上部壁113上に配置され、レーザビームLBの光経路に垂直方向(例えば、Z方向)に重畳されないように配置されうる。例えば、第1ガス噴射ブロック151は、透明電極145に垂直方向(例えば、Z方向)に重畳されないように配置されうる。
【0044】
例示的な実施形態において、第1ガス噴射ブロック151は、透明電極145の上面1451に平行な方向に冷却ガスCGを噴射するように構成されうる。この際、第1ガス噴射ブロック151の噴射方向は、第1噴射口1511の延長方向に沿って決定されうる。例えば、冷却ガスCGが透明電極145の上面1451に平行な方向に噴射されるように、第1噴射口1511は、噴射面1513から内側に向けて透明電極145の上面1451に平行な方向に延びうる。
【0045】
冷却ガス供給部152は、供給ラインを通じて第1ガス噴射ブロック151の第1噴射口1511に連結され、第1ガス噴射ブロック151に冷却ガスCGを供給することができる。冷却ガス供給部152は、冷却ガスCGを保存及び供給する冷却ガスソース、前記冷却ガスCGの温度を調節するように構成された温度調節手段(例えば、ヒータ及び/またはチラー)、前記冷却ガスCGの温度を感知するように構成された温度センサ、及び冷却ガスCGの流量及び流速を調節するための流量計(flow meter)を含む。
【0046】
第1吸入ブロック153は、第1ガス噴射ブロック151から噴射された冷却ガスCGを吸い込むように構成されうる。第1吸入ブロック153は、冷却ガスCGを吸い込むように構成された少なくとも1つの第1吸入口1531を含む。第1吸入ブロック153は、チャンバ110の上部壁113上に配置され、レーザビームLBの光経路に垂直方向(例えば、Z方向)に重畳されないように配置されうる。例えば、第1吸入ブロック153は、透明電極145に垂直方向(例えば、Z方向)に重畳されないように配置されうる。
【0047】
排気ポンプ154は、吸入ラインを通じて第1吸入ブロック153の第1吸入口1531に連結され、第1吸入口1531に吸入された冷却ガスCGを排気することができる。排気ポンプ154は、透明電極145上に流動する冷却ガスCGの流速が調節されるように第1吸入口1531に作用する吸入力を調節することができる。
【0048】
例示的な実施形態において、第1ガス噴射ブロック151と第1吸入ブロック153は、透明電極145の上面1451に平行な第1方向(例えば、X方向)に互いに対向し、透明電極145を挟んで前記第1方向(例えば、X方向)に互いに離隔されうる。例えば、第1ガス噴射ブロック151は、透明電極145の第1エッジ145E1近傍に配置され、第1吸入ブロック153は、透明電極145の第1エッジ145E1に反対となる第2エッジ145E2近傍に配置されうる。この際、第1ガス噴射ブロック151の噴射面1513または第1噴射口1511は、第1方向(例えば、X方向)に第1吸入ブロック153の吸入面1533または第1吸入口1531と対向しうる。第1ガス噴射ブロック151と第1吸入ブロック153とが前記第1方向(例えば、X方向)に対向するように配置されることにより、第1ガス噴射ブロック151と第1吸入ブロック153との間には、透明電極145の上面1451に沿って第1方向(例えば、X方向)に均一に流動する冷却ガスCGの気流が形成されうる。透明電極145上に冷却ガスCGの均一な気流が形成されるので、冷却ガスCGを用いた透明電極145の冷却が透明電極145の全体で均一になされる。
【0049】
例示的な実施形態において、第1ガス噴射ブロック151及び第1吸入ブロック153は、第1方向(例えば、X方向)に垂直となり、透明電極145の上面1451に平行な第2方向(例えば、Y方向)に延びたバー(bar)状を有する。前記第2方向(例えば、Y方向)は、透明電極145の第1エッジ145E1または第2エッジ145E2に平行な方向でもある。第1ガス噴射ブロック151の前記第2方向(例えば、Y方向)に沿う長さ及び第1吸入ブロック153の前記第2方向(例えば、Y方向)に沿う長さは、それぞれ透明電極145の第2方向(例えば、Y方向)への長さ(または、最大幅)と同一であるか、またはさらに大きくもなる。
【0050】
【0051】
前記表1は、透明電極145及び誘電体プレート141の結合構造物にレーザビームLBを照射した後、前記結合構造物のレーザ透過率及び透明電極145の吸収率を検出した結果を示す。前記結合構造物のレーザ透過率は、パワーメータを通じて測定し、透明電極145の吸収率は、パワーメータで測定された結果を用いて得られる。前記表1において、透明電極145は、約600nmの厚さを有するITO膜によって形成され、誘電体プレート141は、石英によって形成される。前記表1に示されたように、レーザビームLBの波長及び出力によって、透明電極145は、約8%~15%の吸収率を有することを確認することができる。すなわち、透明電極145がプラズマ生成のための電極として機能すると共に、基板Wに対して加熱可能にレーザビームLBを透過させる間に、透明電極145にレーザビームLBが吸収されてレーザビームLBの温度が上昇する。透明電極145がレーザビームLBに加熱されることにより、透明電極145が熱的損傷する問題がある。
【0052】
しかし、本発明の実施形態によれば、冷却装置150は、透明電極145を冷却させることで、レーザビームLBが照射される間にも、透明電極145の温度を既定の許容範囲以内に保持し、透明電極145の熱的損傷による透明電極145の劣化を防止することができる。これにより、透明電極145を含む基板処理装置10の信頼性が向上しうる。
【0053】
図3は、本発明の例示的な実施形態による第1ガス噴射ブロック151の噴射面1513を示す側面図である。
図4は、本発明の例示的な実施形態による第1吸入ブロック153の吸入面1533を示す側面図である。
【0054】
図1ないし
図4を参照すれば、第1ガス噴射ブロック151は、互いに離隔された複数の第1噴射口1511を含む。複数の第1噴射口1511は、前記第2方向(例えば、Y方向)に互いに離隔されうる。冷却ガスCGが複数の第1噴射口1511を介して噴射されることにより、冷却ガスCGの速度が増加し、かつ冷却ガスCGの流れの均一性が向上しうる。例示的な実施形態において、複数の第1噴射口1511は、互いに等しい寸法(例えば、直径)を有する。例示的な実施形態において、複数の第1噴射口1511は、均等な間隔で離隔されうる。
図2では、第1ガス噴射ブロック151が8個の第1噴射口1511を含むと例示されているが、第1噴射口1511の個数は、それに制限されない。例えば、第1ガス噴射ブロック151は、数ないし数百個の第1噴射口1511を含むことができる。
【0055】
第1吸入ブロック153は、単一の第1吸入口1531を含む。単一の第1吸入口1531は、第1方向に複数の第1噴射口1511それぞれと対向しうる。単一の第1吸入口1531は、透明電極145の第2エッジ145E2に沿って透明電極145の第2エッジ145E2の一端から他端まで延びうる。単一の第1吸入口1531は、スリット状を有し、単一の第1吸入口1531の水平方向に沿う長さW2は、単一の第1吸入口1531の垂直方向に沿う長さH2よりも大きくなる。また、単一の第1吸入口1531の水平方向に沿う長さW2は、複数の第1噴射口1511それぞれの水平方向に沿う長さW1より大きくなり、単一の第1吸入口1531の垂直方向に沿う長さH2は、複数の第1噴射口1511それぞれの垂直方向に沿う長さH1よりも大きくなる。単一の第1吸入口1531の面積は、複数の第1噴射口1511の総面積よりも大きくなる。第1吸入ブロック153の単一の第1吸入口1531が大面積に形成されることにより、第1吸入ブロック153を介した冷却ガスCGの排気速度が増加しうる。
【0056】
例示的な実施形態において、第1吸入ブロック153は、前記第2方向に互いに離隔された複数の第1吸入口1531を含む。この場合、複数の第1吸入口1531それぞれの寸法は、複数の第1噴射口1511それぞれの対応した寸法よりも大きくなる。例えば、複数の第1吸入口1531それぞれの垂直方向に沿う長さH2は、複数の第1噴射口1511それぞれの垂直方向に沿う長さH1より大きく、複数の第1吸入口1531それぞれの水平方向に沿う長さW2は、複数の第1噴射口1511それぞれの水平方向に沿う長さW1よりも大きくなる。また、第1吸入ブロック153に含まれた複数の第1吸入口1531の総面積は、複数の第1噴射口1511の総面積よりも大きくなる。
【0057】
図5は、本発明の例示的な実施形態による冷却装置150aを含む基板処理装置の一部を示す構成図である。以下、
図1ないし
図4を参照して説明した基板処理装置10との違いを中心に、
図5の冷却装置150aを含む基板処理装置について説明する。
【0058】
図5を参照すれば、第1ガス噴射ブロック151は、透明電極145の上面1451に対して傾斜した方向に前記冷却ガスCGを噴射するように構成されうる。例えば、第1ガス噴射ブロック151は、透明電極145の上面1451に対して1°(degree)~60°の傾斜角θで冷却ガスCGを噴射する。第1ガス噴射ブロック151から噴射された冷却ガスCGは、透明電極145の第1エッジ145E1に向かって流動し、次いで、透明電極145の上面1451に沿って第1方向(例えば、X方向)に流動して第1吸入ブロック153の第1吸入口1531に吸入されうる。
【0059】
図6は、本発明の例示的な実施形態による冷却装置150bを含む基板処理装置の一部を示す構成図である。以下、
図1ないし
図4を参照して説明した基板処理装置10との違いを中心に、
図6の冷却装置150bを含む基板処理装置について説明する。
【0060】
図6を参照すれば、第1ガス噴射ブロック151は、移動可能に構成されうる。第1ガス噴射ブロック151は、冷却ガスCGの噴射方向が調節されるように移動することができる。第1ガス噴射ブロック151は、冷却ガスCGの噴射方向と透明電極145の上面1451がなす傾斜角θを調節されるように回転可能に構成されうる。例えば、第1ガス噴射ブロック151は、水平方向(例えば、X方向及び/またはY方向)及び/または垂直方向(例えば、Z方向)に移動可能に構成されうる。例えば、第1ガス噴射ブロック151は、透明電極145の第1エッジ145E1に平行な方向(例えば、Y方向)を回転軸(rotation axis)として回転可能に構成されうる。冷却装置150bは、第1ガス噴射ブロック151を移動可能に構成されたアクチュエータ158を含む。アクチュエータ158は、第1ガス噴射ブロック151の水平移動、垂直移動、及び/または回転移動を制御する。アクチュエータ158は、第1ガス噴射ブロック151を線形移動させるか、回転させ、第1ガス噴射ブロック151から噴射される冷却ガスCGの噴射方向を調節することができる。
【0061】
図7は、本発明の例示的な実施形態による冷却装置150cを含む基板処理装置の一部を示す構成図である。以下、
図1ないし
図4を参照して説明された基板処理装置10との違いを中心に、
図7の冷却装置150cを含む基板処理装置について説明する。
【0062】
図7を参照すれば、冷却装置150cは、第1吸入ブロック153と第1方向(例えば、X方向)に対向するように配置された追加ガス噴射ブロック155をさらに含む。追加ガス噴射ブロック155は、透明電極145の第1エッジ145E1近傍に配置され、第1ガス噴射ブロック151上に配置されうる。追加ガス噴射ブロック155は、冷却ガス供給部(
図1の152)から冷却ガスCGを供給されるように構成され、冷却ガスCGを噴射するように構成された少なくとも1つの噴射口1551を含む。
【0063】
第1ガス噴射ブロック151と追加ガス噴射ブロック155は、互いに異なる方向に冷却ガスCGを噴射するように構成されうる。例示的な実施形態において、追加ガス噴射ブロック155は、透明電極145の上面1451に平行な方向に冷却ガスCGを噴射するように構成され、追加ガス噴射ブロック155は、透明電極145の上面1451に傾斜した方向に冷却ガスCGを噴射するように構成されうる。透明電極145に対する冷却を遂行するために、第1ガス噴射ブロック151と追加ガス噴射ブロック155とが同時に冷却ガスCGを噴射し、第1ガス噴射ブロック151と追加ガス噴射ブロック155のうち、いずれか1つのみが冷却ガスCGを噴射することもできる。
【0064】
図8A及び
図8Bは、本発明の例示的な実施形態による冷却装置150dを含む基板処理装置の一部を示す構成図である。以下、
図1ないし
図4を参照して説明された基板処理装置10との違いを中心に、
図8A及び
図8Bの冷却装置150dを含む基板処理装置について説明する。
【0065】
図8A及び
図8Bを
図1と共に参照すれば、冷却装置150dは、前記第2方向(例えば、Y方向)に対向するように配置された第2ガス噴射ブロック156及び第2吸入ブロック157をさらに含む。
【0066】
第2ガス噴射ブロック156は、冷却ガス供給部152から冷却ガスCGを供給され、透明電極145に向けて冷却ガスCGを噴射するように構成されうる。第2ガス噴射ブロック156は、冷却ガスCGを噴射するように構成された少なくとも1つの第2噴射口1561を含む。第2噴射口1561が設けられた第2ガス噴射ブロック156の噴射面1563は、透明電極145に向かうように配置されうる。第2ガス噴射ブロック156は、チャンバ110の上部壁113上に配置され、透明電極145に垂直方向(例えば、Z方向)に重畳されないように配置されうる。第2ガス噴射ブロック156は、透明電極145の上面1451に平行な方向及び/または透明電極145の上面1451に対して傾斜した方向に冷却ガスCGを噴射するように構成されうる。
【0067】
第2吸入ブロック157は、第2ガス噴射ブロック156から噴射された冷却ガスCGを吸い込むように構成されうる。第2吸入ブロック157は、冷却ガスCGを吸い込むように構成された少なくとも1つの第2吸入口1571を含む。排気ポンプ154は、吸入ラインを通じて第2吸入口1571に連結され、第2吸入口1571に吸入された冷却ガスCGを排気する。第2吸入ブロック157は、チャンバ110の上部壁113上に配置され、透明電極145に垂直方向(例えば、Z方向)に重畳されないように配置されうる。
【0068】
例示的な実施形態において、第2ガス噴射ブロック156と第2吸入ブロック157は、透明電極145を挟んで前記第2方向(例えば、Y方向)に互いに離隔され、第2ガス噴射ブロック156は、透明電極145の第3エッジ145E3近傍に配置され、第2吸入ブロック157は、透明電極145の第3エッジ145E3に反対となる第4エッジ145E4近傍に配置されうる。この際、第2ガス噴射ブロック156の噴射面1563、または第2噴射口1561は、第2方向(例えば、Y方向)に第2吸入ブロック157の吸入面1573または第2吸入口1571と対向する。第2ガス噴射ブロック156と第2吸入ブロック157とが前記第2方向(例えば、Y方向)に対向するように配置されることにより、第1ガス噴射ブロック151と第1吸入ブロック153との間には、透明電極145の上面1451に沿って第2方向(例えば、Y方向)に均一に流動する冷却ガスCGの気流が形成されうる。
【0069】
例示的な実施形態において、第2ガス噴射ブロック156及び第2吸入ブロック157は、前記第1方向(例えば、X方向)に延びたバー(bar)状を有する。第2ガス噴射ブロック156の前記第1方向(例えば、X方向)に沿う長さ及び第2吸入ブロック157の前記第1方向(例えば、X方向)に沿う長さは、それぞれ透明電極145の第1方向(例えば、X方向)への長さ(または、最大幅)と同一であるか、またはさらに大きくもなる。
【0070】
例示的な実施形態において、透明電極145に対する冷却を遂行するために、第1ガス噴射ブロック151と第2ガス噴射ブロック156のうち、いずれか1つだけが冷却ガスCGを噴射する。例えば、
図8Aに図示されたように、第1ガス噴射ブロック151から冷却ガスCGが噴射され、第1吸入ブロック153が冷却ガスCGを吸入して第1ガス噴射ブロック151と第1吸入ブロック153との間で第1方向(例えば、X方向)に向かう冷却ガスCGの気流が形成される間に、第2ガス噴射ブロック156を用いた冷却ガスCGの噴射及び第2吸入ブロック157を用いた冷却ガスCGの吸入は、中止されうる。または、
図8Bに図示されたように、第2ガス噴射ブロック156から冷却ガスCGが噴射され、第2吸入ブロック157が冷却ガスCGを吸入して第2ガス噴射ブロック156と第2吸入ブロック157との間で第2方向(例えば、Y方向)に向かう冷却ガスCGの気流が形成される間に、第1ガス噴射ブロック151を用いた冷却ガスCGの噴射及び第1吸入ブロック153を用いた冷却ガスCGの吸入は、中止されうる。一部例示的な実施形態において、透明電極145に対する冷却を遂行するために、第1ガス噴射ブロック151及び第2ガス噴射ブロック156は、同時に冷却ガスCGを噴射することもできる。
【0071】
図9は、本発明の例示的な実施形態による冷却装置150eを含む基板処理装置の一部を示す構成図である。以下、
図1ないし
図4を参照して説明された基板処理装置との違いを中心に、
図9の冷却装置150eを含む基板処理装置について説明する。
【0072】
図9を
図1と共に参照すれば、冷却装置150eは、フローガイドブロック159をさらに含む。フローガイドブロック159は、チャンバ110の上部壁113上に配置され、透明電極145に垂直方向に重畳されないように配置されうる。フローガイドブロック159は、透明電極145を挟んで第2方向(例えば、Y方向)に互いに離隔されうる。フローガイドブロック159のうち、1つは、透明電極145の第3エッジ145E3近傍に配置され、第3エッジ145E3の一端から他端まで線形的に延び、フローガイドブロック159のうち、他の1つは、透明電極145の第4エッジ145E4近傍に配置され、第4エッジ145E4の一端から他端まで線形的に延びうる。
【0073】
フローガイドブロック159は、第1ガス噴射ブロック151及び第1吸入ブロック153によって形成された冷却ガスCGの流れを案内するように構成されうる。すなわち、フローガイドブロック159は、第1ガス噴射ブロック151と第1吸入ブロック153との間で第1方向(例えば、X方向)に線形的に延び、第1方向(例えば、X方向)への冷却ガスCGの流れを案内する。また、フローガイドブロック159は、冷却ガスCGが透明電極145を外れて第2方向(例えば、Y方向)に流動することを遮断し、冷却ガスCGの気流が形成される領域を限定するように構成されうる。
【0074】
前述したように図面と明細書において例示的な実施形態が開示された。本明細書において特定の用語を使用して実施形態を説明したが、これは、単に本開示の技術的思想を説明するための目的で使用されたものであって、意味限定や請求範囲に記載した本開示の範囲を制限するために使用されたものではない。したがって、当該技術分野の通常の知識を有する者であれば、これらから多様な変形及び均等な他の実施形態が可能であるという点を理解するであろう。したがって、本開示の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想によって決定されねばならない。
【符号の説明】
【0075】
10 基板処理装置
110 チャンバ
120 支持テーブル
141 誘電体プレート
145 透明電極
150 冷却装置
151 第1ガス噴射ブロック
153 第1吸入ブロック
160 レーザ供給ヘッド