(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024069690
(43)【公開日】2024-05-21
(54)【発明の名称】記録装置
(51)【国際特許分類】
B41J 2/175 20060101AFI20240514BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20240514BHJP
B41J 2/165 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
B41J2/175 151
B41J2/01 305
B41J2/165 101
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024048617
(22)【出願日】2024-03-25
(62)【分割の表示】P 2020044187の分割
【原出願日】2020-03-13
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095452
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 博樹
(74)【代理人】
【識別番号】100130535
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 明
(74)【代理人】
【識別番号】100183025
【弁理士】
【氏名又は名称】大角 孝一
(72)【発明者】
【氏名】五十川 貴将
(72)【発明者】
【氏名】中幡 彰伸
(57)【要約】
【課題】給紙トレイとインク収容部とを単純に鉛直方向に沿って重ねて配置すると、装置の高さ方向寸法が増大する。
【解決手段】記録装置は、鉛直方向に沿って複数設けられた、記録前の媒体を収容する媒体収容部と、媒体に液体を吐出することで記録を行う液体吐出ヘッドと、液体を収容する少なくとも一つの液体収容部と、を備え、複数の媒体収容部は、最も上に位置する第1媒体収容部と、第1媒体収容部の下に位置する第2媒体収容部と、を含み、第1媒体収容部の媒体送り出し方向のサイズが、第2媒体収容部の媒体送り出し方向のサイズより小さく、第2媒体収容部の上に、少なくとも一つの液体収容部が、鉛直方向において第1媒体収容部とオーバーラップする様に設けられている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉛直方向に沿って複数設けられた、記録前の媒体を収容する媒体収容部と、
媒体に液体を吐出することで記録を行う液体吐出ヘッドと、
前記液体を収容する少なくとも一つの液体収容部と、
を備え、
複数の前記媒体収容部は、最も上に位置する第1媒体収容部と、
前記第1媒体収容部の下に位置する第2媒体収容部と、を含み、
前記第1媒体収容部から媒体を送り出すピックローラーと、
前記ピックローラーによって前記第1媒体収容部から送り出された媒体を給送する給送ローラー対と、
を備え、
鉛直方向における前記液体収容部の寸法が前記第1媒体収容部の寸法より大きいとともに、前記液体収容部が前記第1媒体収容部より鉛直上方に突出しており、
前記第1媒体収容部の媒体送り出し方向のサイズが、前記第2媒体収容部の前記媒体送り出し方向のサイズより小さく、
前記第2媒体収容部の上に、少なくとも一つの前記液体収容部が、鉛直方向において前記第1媒体収容部とオーバーラップする様に設けられ、
前記液体収容部が前記第1媒体収容部より鉛直上方に突出する部分と、前記ピックローラーと、前記給送ローラー対とが、鉛直方向においてオーバーラップする、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項2】
鉛直方向に沿って複数設けられた、記録前の媒体を収容する媒体収容部と、
媒体に液体を吐出することで記録を行う液体吐出ヘッドと、
前記液体吐出ヘッドからの吐出前の前記液体を収容する液体収容部と、を備え、
複数の前記媒体収容部は、最も上に位置する第1媒体収容部と、
前記第1媒体収容部の下に位置する第2媒体収容部と、を含み、
前記第1媒体収容部から媒体を送り出すピックローラーと、
前記ピックローラーによって前記第1媒体収容部から送り出された媒体を給送する給送ローラー対と、
を備え、
鉛直方向における前記液体収容部の寸法が前記第1媒体収容部の寸法より大きいとともに、前記液体収容部が前記第1媒体収容部より鉛直上方に突出しており、
前記第1媒体収容部の媒体送り出し方向のサイズが、前記第2媒体収容部の前記媒体送り出し方向のサイズより小さく、
前記第2媒体収容部の上に、前記液体収容部が、鉛直方向において前記第1媒体収容部とオーバーラップする様に設けられ、
前記液体収容部が前記第1媒体収容部より鉛直上方に突出する部分と、前記ピックローラーと、前記給送ローラー対とが、鉛直方向においてオーバーラップする、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項3】
鉛直方向に沿って複数設けられた、記録前の媒体を収容する媒体収容部と、
媒体に液体を吐出することで記録を行う液体吐出ヘッドと、
前記液体吐出ヘッドから吐出され、廃液となった前記液体を収容する液体収容部と、を備え、
複数の前記媒体収容部は、最も上に位置する第1媒体収容部と、
前記第1媒体収容部の下に位置する第2媒体収容部と、を含み、
前記第1媒体収容部から媒体を送り出すピックローラーと、
前記ピックローラーによって前記第1媒体収容部から送り出された媒体を給送する給送ローラー対と、
を備え、
鉛直方向における前記液体収容部の寸法が前記第1媒体収容部の寸法より大きいとともに、前記液体収容部が前記第1媒体収容部より鉛直上方に突出しており、
前記第1媒体収容部の媒体送り出し方向のサイズが、前記第2媒体収容部の前記媒体送り出し方向のサイズより小さく、
前記第2媒体収容部の上に、前記液体収容部が、鉛直方向において前記第1媒体収容部とオーバーラップする様に設けられ、
前記液体収容部が前記第1媒体収容部より鉛直上方に突出する部分と、前記ピックローラーと、前記給送ローラー対とが、鉛直方向においてオーバーラップする、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項4】
請求項1に記載の記録装置において、前記液体収容部として、前記液体吐出ヘッドからの吐出前の前記液体を収容する第1液体収容部と、
前記液体吐出ヘッドから吐出され、廃液となった前記液体を収容する第2液体収容部と、を備え、
前記第1液体収容部及び前記第2液体収容部が、前記第2媒体収容部の上で、鉛直方向において前記第1媒体収容部とオーバーラップする様に設けられている、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項5】
請求項4に記載の記録装置において、前記液体吐出ヘッドをキャップするキャップ部を有するとともに、前記キャップ部が前記液体吐出ヘッドをキャップするキャップ位置と、前記キャップ部が前記液体吐出ヘッドから離間する離間位置とを変位可能なキャップユニットを備え、
前記第2液体収容部は、前記第1液体収容部よりも、前記離間位置にある前記キャップユニットに近い位置にある、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の記録装置において、前記第1媒体収容部に対する媒体の収容可能枚数が、前記第2媒体収容部に対する媒体の収容可能枚数より多い、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項7】
請求項6に記載の記録装置において、前記第1媒体収容部に収容可能な最大サイズの媒体の、前記媒体送り出し方向のサイズは、A4サイズの長辺であり、
前記第2媒体収容部に収容可能な最大サイズの媒体の、前記媒体送り出し方向のサイズは、A3サイズの長辺である、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の記録装置において、前記第1媒体収容部は、前記液体吐出ヘッドを備える装置本体に対して装着及び引き出し可能であり、
前記第1媒体収容部は、前記装置本体に装着された際に前記装置本体の外装面を形成する外装部材を備え、
前記第2媒体収容部の上で、鉛直方向において前記第1媒体収容部とオーバーラップする様に設けられた前記液体収容部は、前記第1媒体収容部が前記装置本体に装着された状態で前記外装部材によって覆われる位置にあり、前記第1媒体収容部を前記装置本体から引き出すことにより、前記液体収容部が露呈する、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項9】
請求項8に記載の記録装置において、前記第1媒体収容部は、前記装置本体から引き出す際の手掛け部となる凹部を備え、
前記凹部には、前記凹部を埋める状態で施錠する施錠状態と、前記施錠状態を解除する解除状態とを切り換え可能な施錠部が着脱可能である、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項10】
鉛直方向に沿って複数設けられた、記録前の媒体を収容する媒体収容部と、
媒体に液体を吐出することで記録を行う液体吐出ヘッドと、
前記液体を収容する少なくとも一つの液体収容部と、を備え、
複数の前記媒体収容部は、最も上に位置する第1媒体収容部と、
前記第1媒体収容部の下に位置する第2媒体収容部と、を含み、
前記第1媒体収容部の媒体送り出し方向のサイズが、前記第2媒体収容部の前記媒体送り出し方向のサイズより小さく、
前記第2媒体収容部の上に、少なくとも一つの前記液体収容部が、鉛直方向において前記第1媒体収容部とオーバーラップする様に設けられ、
前記第1媒体収容部は、前記液体吐出ヘッドを備える装置本体に対して装着及び引き出し可能であり、
前記第1媒体収容部は、前記装置本体に装着された際に前記装置本体の外装面を形成する外装部材を備え、
前記第2媒体収容部の上で、鉛直方向において前記第1媒体収容部とオーバーラップする様に設けられた前記液体収容部は、前記第1媒体収容部が前記装置本体に装着された状態で前記外装部材によって覆われる位置にあり、前記第1媒体収容部を前記装置本体から引き出すことにより、前記液体収容部が露呈し、
前記第1媒体収容部は、前記装置本体から引き出す際の手掛け部となる凹部を備え、
前記凹部には、前記凹部を埋める状態で施錠する施錠状態と、前記施錠状態を解除する解除状態とを切り換え可能な施錠部が着脱可能である、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項11】
鉛直方向に沿って複数設けられた、記録前の媒体を収容する媒体収容部と、
媒体に液体を吐出することで記録を行う液体吐出ヘッドと、
前記液体吐出ヘッドからの吐出前の前記液体を収容する液体収容部と、を備え、
複数の前記媒体収容部は、最も上に位置する第1媒体収容部と、
前記第1媒体収容部の下に位置する第2媒体収容部と、を含み、
前記第1媒体収容部の媒体送り出し方向のサイズが、前記第2媒体収容部の前記媒体送り出し方向のサイズより小さく、
前記第2媒体収容部の上に、前記液体収容部が、鉛直方向において前記第1媒体収容部とオーバーラップする様に設けられ、
前記第1媒体収容部は、前記液体吐出ヘッドを備える装置本体に対して装着及び引き出し可能であり、
前記第1媒体収容部は、前記装置本体に装着された際に前記装置本体の外装面を形成する外装部材を備え、
前記第2媒体収容部の上で、鉛直方向において前記第1媒体収容部とオーバーラップする様に設けられた前記液体収容部は、前記第1媒体収容部が前記装置本体に装着された状態で前記外装部材によって覆われる位置にあり、前記第1媒体収容部を前記装置本体から引き出すことにより、前記液体収容部が露呈し、
前記第1媒体収容部は、前記装置本体から引き出す際の手掛け部となる凹部を備え、
前記凹部には、前記凹部を埋める状態で施錠する施錠状態と、前記施錠状態を解除する解除状態とを切り換え可能な施錠部が着脱可能である、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項12】
鉛直方向に沿って複数設けられた、記録前の媒体を収容する媒体収容部と、
媒体に液体を吐出することで記録を行う液体吐出ヘッドと、
前記液体吐出ヘッドから吐出され、廃液となった前記液体を収容する液体収容部と、を備え、
複数の前記媒体収容部は、最も上に位置する第1媒体収容部と、
前記第1媒体収容部の下に位置する第2媒体収容部と、を含み、
前記第1媒体収容部の媒体送り出し方向のサイズが、前記第2媒体収容部の前記媒体送り出し方向のサイズより小さく、
前記第2媒体収容部の上に、前記液体収容部が、鉛直方向において前記第1媒体収容部とオーバーラップする様に設けられ、
前記第1媒体収容部は、前記液体吐出ヘッドを備える装置本体に対して装着及び引き出し可能であり、
前記第1媒体収容部は、前記装置本体に装着された際に前記装置本体の外装面を形成する外装部材を備え、
前記第2媒体収容部の上で、鉛直方向において前記第1媒体収容部とオーバーラップする様に設けられた前記液体収容部は、前記第1媒体収容部が前記装置本体に装着された状態で前記外装部材によって覆われる位置にあり、前記第1媒体収容部を前記装置本体から引き出すことにより、前記液体収容部が露呈し、
前記第1媒体収容部は、前記装置本体から引き出す際の手掛け部となる凹部を備え、
前記凹部には、前記凹部を埋める状態で施錠する施錠状態と、前記施錠状態を解除する解除状態とを切り換え可能な施錠部が着脱可能である、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項13】
請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の記録装置において、前記第2媒体収容部の上で鉛直方向において前記第1媒体収容部とオーバーラップする様に設けられた前記液体収容部は、前記媒体送り出し方向において前記第2媒体収容部の領域内に収まっている、
ことを特徴とする記録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒体に記録を行う記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ファクシミリやプリンター等に代表される記録装置には、媒体の一例である記録用紙に対し、液体の一例であるインクを吐出して記録を行うインクジェット式の記録装置があり、この様な記録装置では、インクを収容するインク収容部が設けられる。ここでのインク収容部には、吐出前のインクを収容するインク収容部や、記録ヘッドから吐出されたインクを廃液として収容するインク収容部が含まれる。
特許文献1には、給紙トレイの下に、インク収容部として複数のインクタンクを水平方向に並べたインクジェット記録装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、インク収容部には大容量化が求められており、インク収容部が大型化すると、装置それ自体も大型化してしまうこととなる。特に、特許文献1記載のインクジェット記録装置のように給紙トレイとインク収容部とを単純に鉛直方向に沿って重ねて配置すると、装置の高さ方向寸法が増大してしまう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する為の、本発明の記録装置は、鉛直方向に沿って複数設けられた、記録前の媒体を収容する媒体収容部と、媒体に液体を吐出することで記録を行う液体吐出ヘッドと、前記液体を収容する少なくとも一つの液体収容部と、を備え、複数の前記媒体収容部は、最も上に位置する第1媒体収容部と、前記第1媒体収容部の下に位置する第2媒体収容部と、を含み、前記第1媒体収容部の媒体送り出し方向のサイズが、前記第2媒体収容部の前記媒体送り出し方向のサイズより小さく、前記第2媒体収容部の上に、少なくとも一つの前記液体収容部が、鉛直方向において前記第1媒体収容部とオーバーラップする様に設けられていることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】インクジェットプリンターの用紙搬送経路を示す図。
【
図3】
図1の部分拡大図であって、キャップユニットが離間位置にあり、ベルトユニットがラインヘッドと対向する状態を示す図。
【
図4】
図1の部分拡大図であって、キャップユニットがキャップ位置にあり、ベルトユニットがラインヘッドから離間する状態を示す図。
【
図5】他の実施形態に係るインクジェットプリンターの用紙搬送経路を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明を概略的に説明する。
第1の態様に係る記録装置は、鉛直方向に沿って複数設けられた、記録前の媒体を収容する媒体収容部と、複数の前記媒体収容部より鉛直上方に位置し、媒体に液体を吐出することで記録を行う液体吐出ヘッドと、前記液体を収容する少なくとも一つの液体収容部と、を備え、複数の前記媒体収容部は、最も上に位置する第1媒体収容部と、前記第1媒体収容部の下に位置する第2媒体収容部と、を含み、前記第1媒体収容部の媒体送り出し方向のサイズが、前記第2媒体収容部の前記媒体送り出し方向のサイズより小さく、前記第2媒体収容部の上に、少なくとも一つの前記液体収容部が、鉛直方向において前記第1媒体収容部とオーバーラップする様に設けられていることを特徴とする。
【0008】
本態様によれば、前記第1媒体収容部の媒体送り出し方向のサイズが、前記第2媒体収容部の前記媒体送り出し方向のサイズより小さく、前記第2媒体収容部の上に、少なくとも一つの前記液体収容部が、鉛直方向において前記第1媒体収容部とオーバーラップする様に設けられており、即ち前記第1媒体収容部と前記第2媒体収容部のサイズの違いによって形成されたスペースを利用して前記液体収容部が配置されているので、装置の高さ方向寸法を抑制できる。
【0009】
第2の態様は、第1の態様において、前記液体収容部として、前記液体吐出ヘッドからの吐出前の前記液体を収容する第1液体収容部と、前記液体吐出ヘッドから吐出され、廃液となった前記液体を収容する第2液体収容部と、を備え、前記第1液体収容部及び前記第2液体収容部が、前記第2媒体収容部の上で、鉛直方向において前記第1媒体収容部とオーバーラップする様に設けられていることを特徴とする。
【0010】
本態様によれば、前記液体収容部として、前記液体吐出ヘッドからの吐出前の前記液体を収容する第1液体収容部と、前記液体吐出ヘッドから吐出され、廃液となった前記液体を収容する第2液体収容部と、を備えた構成において、上述した第1の態様の作用効果が得られる。
【0011】
第3の態様は、第2の態様において、前記液体吐出ヘッドをキャップするキャップ部を有するとともに、前記キャップ部が前記液体吐出ヘッドをキャップするキャップ位置と、前記キャップ部が前記液体吐出ヘッドから離間する離間位置とを変位可能なキャップユニットを備え、前記第2液体収容部は、前記第1液体収容部よりも、前記離間位置にある前記キャップユニットに近い位置にあることを特徴とする。
【0012】
本態様によれば、前記第2液体収容部は、前記第1液体収容部よりも、前記離間位置にある前記キャップユニットに近い位置にあるので、前記キャップユニットと前記第2液体収容部との間の前記液体の流路を短くすることができ、前記キャップユニットから前記第2液体収容部へ、迅速に液体を送ることができる。
【0013】
第4の態様は、第1から第3の態様のいずれかにおいて、前記第1媒体収容部に対する媒体の収容可能枚数が、前記第2媒体収容部に対する媒体の収容可能枚数より多いことを特徴とする。
本態様によれば、前記第1媒体収容部に対する媒体の収容可能枚数が、前記第2媒体収容部に対する媒体の収容可能枚数より多いので、前記第1媒体収容部の高さが前記第2媒体収容部の高さより高くなる。したがって、前記液体収容部の大容量化が可能となる。
【0014】
第5の態様は、第4の態様において、前記第1媒体収容部に収容可能な最大サイズの媒体の、前記媒体送り出し方向のサイズは、A4サイズの長辺であり、前記第2媒体収容部に収容可能な最大サイズの媒体の、前記媒体送り出し方向のサイズは、A3サイズの長辺であることを特徴とする。
【0015】
本態様によれば、前記第1媒体収容部に収容可能な最大サイズの媒体の、前記媒体送り出し方向のサイズは、A4サイズの長辺であり、前記第2媒体収容部に収容可能な最大サイズの媒体の、前記媒体送り出し方向のサイズは、A3サイズの長辺であるので、使用頻度の高いA4サイズ媒体を前記第1媒体収容部に、前記第2媒体収容部よりも多く収容することができる。
また、この様に使用頻度の高い媒体が前記第1媒体収容部に収容可能であると、前記第1媒体収容部へのアクセスの頻度が多くなる。しかしながら前記第1媒体収容部は、複数の媒体収容部において最も上に位置しているので、前記第1媒体収容部へのアクセスに際し、ユーザーはより楽な姿勢で行うことができ、ユーザーの使い勝手が向上する。しかも、前記液体収容部の少なくとも一つが、前記第1媒体収容部の高さにあるので、前記液体収容部に対するアクセスも、前記第1媒体収容部と同様に容易となり、ユーザーの使い勝手が向上する。
【0016】
第6の態様は、第1から第5の態様のいずれかにおいて、前記第1媒体収容部は、前記液体吐出ヘッドを備える装置本体に対して装着及び引き出し可能であり、前記第1媒体収容部は、前記装置本体に装着された際に前記装置本体の外装面を形成する外装部材を備え、前記第2媒体収容部の上で、鉛直方向において前記第1媒体収容部とオーバーラップする様に設けられた前記液体収容部は、前記第1媒体収容部が前記装置本体に装着された状態で前記外装部材によって覆われる位置にあり、前記第1媒体収容部を前記装置本体から引き出すことにより、前記液体収容部が露呈することを特徴とする。
【0017】
本態様によれば、前記液体収容部は、前記第1媒体収容部が前記装置本体に装着された状態で前記外装部材によって覆われる位置にあり、前記第1媒体収容部を前記装置本体から引き出すことにより、前記液体収容部が露呈するので、前記液体収容部を開閉するカバーを専用に設ける必要がなく、装置の低コスト化を図ることができる。
【0018】
第7の態様は、第6の態様において、前記第1媒体収容部は、前記装置本体から引き出す際の手掛け部となる凹部を備え、前記凹部には、前記凹部を埋める状態で施錠する施錠状態と、前記施錠状態を解除する解除状態とを切り換え可能な施錠部が着脱可能であることを特徴とする。
【0019】
本態様によれば、前記第1媒体収容部は、前記装置本体から引き出す際の手掛け部となる凹部を備え、前記凹部には、前記凹部を埋める状態で施錠する施錠状態と、前記施錠状態を解除する解除状態とを切り換え可能な施錠部が着脱可能であるので、前記第1媒体収容部及び前記液体収容部への意図しないアクセスを防止できる。
【0020】
第8の態様は、第1から第7の態様のいずれかにおいて、前記第2媒体収容部の上で鉛直方向において前記第1媒体収容部とオーバーラップする様に設けられた前記液体収容部は、前記媒体送り出し方向において前記第2媒体収容部の領域内に収まっていることを特徴とする。
本態様によれば、前記液体収容部は、前記媒体送り出し方向において前記第2媒体収容部の領域内に収まっているので、前記媒体送り出し方向における装置寸法を抑制できる。
【0021】
以下、本発明を具体的に説明する。
以下では媒体の一例である記録用紙に対し、液体の一例であるインクを吐出することで記録を行うインクジェットプリンター1を、記録装置の一例として説明する。以下においてインクジェットプリンター1は、プリンター1と略称する。
尚、各図において示すX-Y-Z座標系は直交座標系であって、Y軸方向が媒体の搬送方向と交差する幅方向であり、また装置奥行き方向である。本実施形態において装置本体2の周囲を構成する側面のうち、+Y方向の側面が前面となり、-Y方向の側面が背面となる。
【0022】
X軸方向は装置幅方向であり、プリンター1の操作者から見て+X方向が左側、-X方向が右側となる。また-X方向は、後述する各用紙カセットからの用紙送り出し方向となる。
Z軸方向は鉛直方向即ち装置高さ方向であり、+Z方向が上方向、-Z方向が下方向となる。
以下では、記録用紙が送られていく方向を「下流」と言い、またその反対方向を「上流」と言う場合がある。また各図においては、用紙搬送経路を破線で示している。プリンター1において用紙は、破線で示す用紙搬送経路を通って搬送される。
【0023】
プリンター1は後述するラインヘッド12を備える装置本体2の下部に、鉛直方向に沿って複数の用紙カセットを備えている。用紙カセットは、媒体収容部の一例である。
本実施形態では、最も上の第1用紙カセット3から下方向に向かって順に、第2用紙カセット4、第3用紙カセット5、第4用紙カセット6、のこれら用紙カセットが、装置本体2に対して装着状態と引き出した状態とを切り換え可能に設けられている。符号Pは、各用紙カセットに収容される記録用紙を示している。
尚、各用紙カセットは、装置本体2から完全に取り外される様に構成しても良い。
【0024】
各用紙カセットに対しては、収容された記録用紙を-X方向に送り出すピックローラーが設けられている。第1用紙カセット3に対してはピックローラー21が設けられ、第2用紙カセット4に対してはピックローラー22が設けられ、第3用紙カセット5に対してはピックローラー23が設けられ、第4用紙カセット6に対してはピックローラー24が設けられている。
【0025】
また各用紙カセットに対しては、-X方向に送り出された記録用紙を、-X方向成分と+Z方向成分を含む斜め上方向に給送する給送ローラー対が設けられている。第1用紙カセット3に対しては給送ローラー対25が設けられ、第2用紙カセット4に対しては給送ローラー対26が設けられ、第3用紙カセット5に対しては給送ローラー対27が設けられ、第4用紙カセット6に対しては給送ローラー対28が設けられる。
尚、以下では「ローラー対」とは、特に説明しない限り不図示のモーターによって駆動される駆動ローラーと、この駆動ローラーに接して従動回転する従動ローラーとで構成されるものとする。
【0026】
第1用紙カセット3から送り出され、給送ローラー対25によって斜め上方向に送られた記録用紙は、搬送ローラー対29、33から送り力を受けて、搬送ローラー対34に送られる。
第2用紙カセット4から送り出され、給送ローラー対26によって斜め上方向に送られた記録用紙は、搬送ローラー対30、29、33から送り力を受けて搬送ローラー対34に送られる。
第3用紙カセット5から送り出され、給送ローラー対27によって斜め上方向に送られた記録用紙は、搬送ローラー対31、30、29、33から送り力を受けて搬送ローラー対34に送られる。
第4用紙カセット6から送り出され、給送ローラー対28によって斜め上方向に送られた記録用紙は、搬送ローラー対32、31、30、29、33から送り力を受けて搬送ローラー対34に送られる。
符号T1は、各用紙カセットから送り出されて搬送ローラー対34に到達する記録用紙の搬送経路を示している。
【0027】
尚、搬送ローラー対33の上部には、装置本体2の-X方向の側面から記録用紙を供給する為の給送ローラー対19が設けられている。給送ローラー対19により給送される記録用紙も、搬送ローラー対34に向けて送られる。
【0028】
搬送ローラー対34から送り力を受ける記録用紙は、液体吐出ヘッドの一例であるラインヘッド12と、搬送ベルト13との間、つまりラインヘッド12と対向する記録位置に送られる。
ラインヘッド12は、記録用紙の面に液体の一例であるインクを吐出して記録を実行する。ラインヘッド12は、インクを吐出するノズルが用紙幅方向の全域をカバーする様に構成されたインク吐出ヘッドであり、用紙幅方向への移動を伴わないで用紙幅全域に記録が可能なインク吐出ヘッドとして構成されている。但し、インク吐出ヘッドはこれに限られず、キャリッジに搭載されて用紙幅方向に移動しながらインクを吐出するタイプであってもよい。
【0029】
搬送ベルト13は、プーリー14及びプーリー15に掛け回される無端ベルトであって、プーリー14及びプーリー15のうち少なくとも一方が不図示のモーターにより駆動されることで回転する。記録用紙は、搬送ベルト13のベルト面に吸着されつつラインヘッド12と対向する位置を搬送される。搬送ベルト13に対する記録用紙の吸着は、エアー吸引方式や静電吸着方式などの公知の吸着方式を採用できる。
尚、本実施形態においてラインヘッド12と対向する位置での用紙搬送経路は、水平方向に沿って延びている。
【0030】
ラインヘッド12により第1面に記録が行われた記録用紙は、搬送ベルト13の下流に位置する搬送ローラー対35により、搬送ローラー対36及び搬送ローラー対40のいずれかに向けて送られる。以下、
図2を参照して更に用紙搬送経路について詳説する。
搬送ローラー対35の下流には不図示の経路切り換えフラップが設けられており、この経路切り換えフラップにより、搬送ローラー対32から送り力を受ける記録用紙は、搬送ローラー対36及び搬送ローラー対40のいずれかに送られる。
【0031】
記録用紙の第1面とその反対の第2面の双方に記録を行わない場合、即ち両面記録を行わない場合、記録用紙は搬送ローラー対35から搬送ローラー対36に向けて送られ、
図2の一番下の図で示す様に、排出経路T4を通って排出トレイ8(
図1参照)に向けて排出される。排出経路T4には、搬送ローラー対38と、搬送ローラー対39が設けられている。
図2において符号Pは、搬送される記録用紙を示している。
【0032】
記録用紙の第1面とその反対の第2面の双方に記録を行う場合、即ち両面記録を行う場合、記録用紙は搬送ローラー対35から搬送ローラー対40に向けて送られ、
図2の一番上の図で示す様に、スイッチバック経路T2に入る。その後、搬送ローラー対40の回転方向が切り換えられ、記録用紙は
図2の中央の図で示す様に反転経路T3に入り、搬送ローラー対41、42、43により、搬送ローラー対34へ送られる。
【0033】
図1に戻り、符号10A、10Bは吐出前のインクを収容する、液体収容部としてのインク収容部である。インク収容部10A、10Bは、第1液体収容部の一例でもある。ラインヘッド12から吐出されるインクは、インク収容部10A、10Bから、図示を省略するチューブを介してラインヘッド12へと供給される。
本実施形態においてインク収容部10Aは、ブラックインクを収容するインク収容部であり、2つのインクタンクがX軸方向に沿って並べて配置されて成る。また本実施形態においてインク収容部10Bは、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクを収容するインク収容部であり、3つのインクタンクがX軸方向に沿って並べて配置されて成る。
【0034】
また
図1において符号9は、ラインヘッド12をキャップするキャップ部9aを有するとともに、キャップ部9aがラインヘッド12をキャップするキャップ位置(
図4参照)と、キャップ部9aがラインヘッド12から離間する離間位置(
図1、
図3参照)とを変位可能なキャップユニット9である。
また
図1において符号11は、ラインヘッド12からキャップ部9aに向けてメンテナンスの為に吐出された、廃液としてのインクを貯留する廃液収容部である。廃液収容部11は、第2液体収容部の一例である。ラインヘッド12からキャップ部9aに向けてメンテナンスの為に吐出された、廃液としてのインクは、キャップ部9aから不図示のチューブを介して廃液収容部11に送られる。
本実施形態において廃液収容部11は、インク収容部10A、10Bとともに、X軸方向に沿って並べて配置されている。
【0035】
以下、キャップユニット9の動作について
図3及び
図4を参照して更に説明する。搬送ベルト13、プーリー14、15は、ベルトユニット16を構成し、本実施形態においてベルトユニット16は、プーリー14の回転軸中心を中心にして、
図3に示す様に搬送ベルト13がラインヘッド12と対向する姿勢と、
図4に示す様に搬送ベルト13がラインヘッド12から離間する姿勢とを切り換え可能となっている。このベルトユニット16の姿勢切り換えは、不図示のモーターの動力によって行われる。
【0036】
キャップユニット9は、X軸方向及びZ軸方向に対して交差する方向に、不図示のガイド部によって移動可能にガイドされるとともに、不図示のモーターの動力により、
図3に示す様にキャップ部9aがラインヘッド12から離間する離間位置と、
図4に示す様にキャップ部9aがラインヘッド12をキャップするキャップ位置とを変位する。
【0037】
ベルトユニット16の姿勢変化領域とキャップユニット9の変位領域は干渉する為、
図3に示す様にベルトユニット16が搬送ベルト13をラインヘッド12に対向させる姿勢をとるとき、キャップユニット9は離間位置にある。この状態からキャップユニット9がキャップ位置に移動する場合、先ずベルトユニット16が、ラインヘッド12から離間し、その後、キャップユニット9がキャップ位置に移動し、
図4の状態となる。この状態からベルトユニット16がラインヘッド12と対向する姿勢に切り換わる場合、先ずキャップユニット9が離間位置に移動し、その後、ベルトユニット16が、搬送ベルト13をラインヘッド12に対向させる姿勢に切り換わる。
【0038】
以上の構成において、複数の用紙収容部は、最も上に位置する第1用紙カセット3と、第1用紙カセット3の下に位置する第2用紙カセット4とを含み、第1用紙カセット3の用紙送り出し方向のサイズ即ちX軸方向のサイズが、第2用紙カセット4の用紙送り出し方向のサイズより小さい。これにより、第1用紙カセット3に対して+X方向にスペースが形成された状態となっている。
そして第2用紙カセット4の上に、インク収容部10A、10Bと、廃液収容部11が、鉛直方向において第1用紙カセット3とオーバーラップする様に設けられている。
図3及び
図4において符号Y1は、第1用紙カセット3の鉛直方向の占有範囲であり、図から明らかな様にインク収容部10A、10Bと廃液収容部11が、鉛直方向において第1用紙カセット3とオーバーラップする様に設けられている。
この様に第1用紙カセット3と第2用紙カセット4のサイズの相違によって第2用紙カセット4の上に形成されたスペースに、インク収容部10A、10Bと、廃液収容部11が配置されているので、装置の高さ方向寸法を抑制できる。
【0039】
尚、本実施形態では第2用紙カセット4の上に形成されたスペースに、液体収容部の一例であるインク収容部10A、10Bと、廃液収容部11が設けられているが、インク収容部10A、10Bのみが設けられていても良いし、廃液収容部11のみが設けられていても良い。また吐出前のインクを収容するインク収容部が、第2用紙カセット4の上に形成されたスペースに加え、他の位置にも設けられていても良い。これは、吐出されて廃液とされるインクを収容する廃液収容部についても同様である。
【0040】
また
図1~
図3から明らかな様に、廃液収容部11は、インク収容部10A、10Bよりも、離間位置にあるキャップユニット9に近い位置にある。これにより、キャップユニット9と廃液収容部11との間のインクの流路を短くすることができ、キャップユニット9から廃液収容部11へ、迅速にインクを送ることができる。
【0041】
また本実施形態においては、第1用紙カセット3に対する記録用紙の収容可能枚数が、第2用紙カセット4に対する記録用紙の収容可能枚数より多い。
そして第1用紙カセット3に収容可能な最大サイズの記録用紙の、用紙送り出し方向即ちX軸方向のサイズは、A4サイズの長辺であり、第2用紙カセット4に収容可能な最大サイズの記録用紙の、用紙送り出し方向のサイズは、A3サイズの長辺である。
従って使用頻度の高いA4サイズ記録用紙を第1用紙カセット3に、第2用紙カセット4よりも多く収容することができる。そして第1用紙カセット3の高さが第2用紙カセットの高さより高くなり、インク収容部10A、10Bの大容量化が可能となる。
【0042】
また、この様に使用頻度の高い記録用紙が第1用紙カセット3に収容可能であると、第1用紙カセット3へのアクセスの頻度が多くなる。しかしながら第1用紙カセット3は、複数の用紙カセットにおいて最も上に位置しているので、第1用紙カセット3へのアクセスに際し、ユーザーはより楽な姿勢で行うことができ、ユーザーの使い勝手が向上する。しかも、インク収容部10A、10B、及び廃液収容部11が、第1用紙カセット3の高さにあるので、インク収容部10A、10B、及び廃液収容部11に対するアクセスも、第1用紙カセット3と同様に容易となり、ユーザーの使い勝手が向上する。
【0043】
尚、インク収容部10A、10B、及び廃液収容部11は、
図5に示すプリンター1Aの様に、用紙送り出し方向即ちX軸方向において第2用紙カセット4の領域内に収めることもできる。
図5において符号Xaで示す範囲は、用紙送り出し方向において第2用紙カセット4が占める範囲を示している。インク収容部10A、10B、及び廃液収容部11は、範囲X1内に収まっている。この様に構成することで、用紙送り出し方向における装置寸法を抑制できる。
【0044】
続いて、第1用紙カセット3の構成について
図6~
図8を参照して更に説明する。
図6に示す様に第1用紙カセット3は、筐体3eに対し+Y方向に外装部材3dが設けられて構成されている。第1用紙カセット3が装置本体2に装着されると、
図7に示す様に外装部材3dが装置本体2の+Y方向の側面を形成する。
図6において筐体3eの内部には、記録用紙を収容する第1収容部3aと、インク収容部10A、10B及び廃液収容部11を収容する第2収容部3bとが設けられている。符号X1で示す範囲は、用紙送り出し方向即ちX軸方向において第1収容部3aが占める範囲であり、符号X2で示す範囲は、第2収容部3bが占める範囲である。
【0045】
以上の様に構成されることで、第1用紙カセット3が装置本体2に装着された状態でインク収容部10A、10B及び廃液収容部11は外装部材3dによって覆われる位置にあり、第1用紙カセット3を装置本体2から引き出すことにより、インク収容部10A、10B及び廃液収容部11が露呈する。即ち、第1用紙カセット3を装置本体2から引き出すと、記録用紙を収容できることに加え、インク収容部10A、10Bへのインクの補充や、廃液収容部11からの廃液の回収等を行うことができる。
従ってインク収容部10A、10B及び廃液収容部11を開閉するカバーを専用に設ける必要がなく、装置の低コスト化を図ることができる。
【0046】
次に、外装部材3dには、第1用紙カセット3を装置本体2から引き出す際の手掛け部となる凹部3cが設けられている。そしてこの凹部3cに対し、
図7に示す様に、施錠部45が着脱可能となっている。
施錠部45は、
図8に示す様に凹部3cに入り込んだ際に施錠部45を凹部3cに対してロックするロック部45dを備えている。ロック部45dは、X軸方向に進退可能に設けられており、
図8の上の図で示す様にロックボタン45cが+Y方向に突出している状態では、ロック部45dは非突出状態となっている。この状態から、ロックボタン45cを
図8の下の図で示す様に-Y方向に押し込むと、ロック部45dが突出し、これにより施錠部45は凹部3cに入り込んだ状態で施錠される。
施錠部45には、鍵穴45aが形成されており、この鍵穴45aに鍵部材46を差し入れることで、上述した施錠状態が解除される。
【0047】
この様に第1用紙カセット3は、装置本体2から引き出す際の手掛け部となる凹部3cを備え、凹部3cには、凹部3cを埋める状態で施錠する施錠状態と、この施錠状態を解除する解除状態とを切り換え可能な施錠部45が着脱可能であるので、第1用紙カセット3、インク収容部10A、10B及び廃液収容部11への意図しないアクセスを防止できる。
【0048】
本発明は上記において説明した実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0049】
1、1A…インクジェットプリンター、2…装置本体、3…第1用紙カセット、3a…第1収容部、3b…第2収容部、3c…凹部、3d…外装部材、3e…筐体、4…第2用紙カセット、5…第3用紙カセット、6…第4用紙カセット、8…排出トレイ、9…キャップユニット、9a…キャップ部、10A、10B…インク収容部、11…廃液収容部、12…ラインヘッド、13…搬送ベルト、14、15…プーリー、16…ベルトユニット、19…給送ローラー対、21、22、23、24…ピックローラー、25、26、27、28…給送ローラー対、29~42…搬送ローラー対、45…施錠部、45a…鍵穴、45c…ロックボタン、45d…ロック部、46…鍵部材
【手続補正書】
【提出日】2024-04-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録前の媒体を収容する第1媒体収容部と、
前記第1媒体収容部の下に位置し、記録前の媒体を収容する第2媒体収容部と、
媒体に液体を吐出することで記録を行う液体吐出ヘッドと、
前記液体吐出ヘッドからの吐出前の前記液体を収容する第1液体収容部と、
鉛直方向において前記第1媒体収容部とオーバーラップする様に設けられ、前記液体吐出ヘッドから吐出された液体を廃液として収容する第2液体収容部と、を備え、
前記第1媒体収容部から媒体を送り出す方向である第1方向において、前記第1媒体収容部のサイズが前記第2媒体収容部のサイズより小さく、
前記第2液体収容部と前記第1媒体収容部とは、前記第1方向に沿ってこの順に配置される、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項2】
請求項1に記載の記録装置において、
前記第1液体収容部は、鉛直方向において前記第1媒体収容部と前記第2液体収容部とにオーバーラップする様に設けられ、
前記第1方向において、前記第2液体収容部は、前記第1液体収容部と前記第1媒体収容部との間に設けられる、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項3】
請求項2に記載の記録装置において、
前記液体吐出ヘッドをキャップするキャップ部を有するとともに、前記キャップ部が前記液体吐出ヘッドをキャップするキャップ位置と、前記キャップ部が前記液体吐出ヘッドから離間する離間位置とを変位可能なキャップユニットを備え、
前記第2液体収容部は、前記第1液体収容部よりも、前記離間位置にある前記キャップユニットに近い位置にある、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の記録装置において、
前記第1媒体収容部から媒体を送り出すピックローラーを備え、
鉛直方向における前記第2液体収容部の寸法が前記第1媒体収容部の寸法より大きいとともに、前記第2液体収容部が前記第1媒体収容部より鉛直上方に突出しており、
前記第2液体収容部が前記第1媒体収容部より鉛直上方に突出する部分と、前記ピックローラーとが、鉛直方向においてオーバーラップする、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項5】
請求項4に記載の記録装置であって、
前記ピックローラーによって前記第1媒体収容部から送り出された媒体を給送する給送ローラー対を備え、
前記第2液体収容部が前記第1媒体収容部より鉛直上方に突出する部分と、前記給送ローラー対とが、鉛直方向においてオーバーラップする、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の記録装置において、前記第1媒体収容部に対する媒体の収容可能枚数が、前記第2媒体収容部に対する媒体の収容可能枚数より多い、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項7】
請求項6に記載の記録装置において、前記第1媒体収容部に収容可能な最大サイズの媒体の、前記第1方向のサイズは、A4サイズの長辺であり、
前記第2媒体収容部に収容可能な最大サイズの媒体の、前記第1方向のサイズは、A3サイズの長辺である、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の記録装置において、前記第1媒体収容部は、前記液体吐出ヘッドを備える装置本体に対して装着及び引き出し可能であり、
前記第1媒体収容部は、前記装置本体に装着された際に前記装置本体の外装面を形成する外装部材を備え、
前記第2媒体収容部の上で、鉛直方向において前記第1媒体収容部とオーバーラップする様に設けられた前記第1液体収容部及び前記第2液体収容部は、前記第1媒体収容部が前記装置本体に装着された状態で前記外装部材によって覆われる位置にあり、前記第1媒体収容部を前記装置本体から引き出すことにより、前記第1液体収容部及び前記第2液体収容部が露呈する、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項9】
請求項8に記載の記録装置において、前記第1媒体収容部は、前記装置本体から引き出す際の手掛け部となる凹部を備え、
前記凹部には、前記凹部を埋める状態で施錠する施錠状態と、前記施錠状態を解除する解除状態とを切り換え可能な施錠部が着脱可能である、
ことを特徴とする記録装置。