(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024069707
(43)【公開日】2024-05-21
(54)【発明の名称】人工腱索修復デバイス及びそのデリバリー
(51)【国際特許分類】
A61F 2/24 20060101AFI20240514BHJP
【FI】
A61F2/24
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024051301
(22)【出願日】2024-03-27
(62)【分割の表示】P 2022076609の分割
【原出願日】2018-12-20
(31)【優先権主張番号】62/608,356
(32)【優先日】2017-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/226,002
(32)【優先日】2018-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】391028362
【氏名又は名称】ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエイツ,インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】W.L. GORE & ASSOCIATES, INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100093665
【弁理士】
【氏名又は名称】蛯谷 厚志
(74)【代理人】
【識別番号】100147212
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 直樹
(72)【発明者】
【氏名】ベンジャミン エム.トラップ
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムズ エル.ゲープフリッチ
(72)【発明者】
【氏名】ブランドン シー.ヘドバーグ
(72)【発明者】
【氏名】エドワード イー.ショー
(72)【発明者】
【氏名】ジェイソン ディー.ヘマー
(72)【発明者】
【氏名】ポール ディー.グッドマン
(57)【要約】
【課題】良好な捕捉デバイスを提供すること。
【解決手段】本開示の様々な態様は、腱索修復のためのデバイスを含む装置、システム及び方法を対象とする。前記デバイスは、第一の端部及び第二の端部を有する可撓性腱、及び、前記可撓性腱の第一の端部及び第二の端部の一方に取り付けられそして前記可撓性腱を心臓弁の弁尖に固定するように構成されたらせん状ワイヤ、及び、チャンネルを有し、心臓弁の弁尖をクランプし、前記チャンネルを通して前記可撓性腱をデリバリーして前記らせん状ワイヤを前記弁尖に固定するように構成された捕捉デバイス、を含むことができる。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の端部及び第二の端部を有する可撓性腱と、
前記可撓性腱の第一の端部及び第二の端部の一方に取り付けそして前記可撓性腱を心臓弁の弁尖又は心臓の組織壁に固定するように構成されたアンカーと、を含み、
前記可撓性腱は、多孔性材料を含み、
前記アンカーは前記アンカーの内面上に配置された1つ以上の溝を含み、前記1つ以上の溝は、前記可撓性腱が第一の方向に前記1つ以上の溝を通ってスライド可能でありおよび第2の反対の方向にスライドすることを抑止されそれによって前記可撓性腱の張力の調整を容易にするように、前記可撓性腱を把持するように構成されている、腱索修復デバイス。
【請求項2】
前記アンカーはらせん状ワイヤであり、そしてフィルムで包まれている、請求項1記載のデバイス。
【請求項3】
前記アンカーは前記アンカーが配置される心臓弁の弁尖における穿刺穴を保護又は充填するように構成されている、請求項1又は2のいずれか1項記載のデバイス。
【請求項4】
前記アンカーは自己拡張性である、請求項1~3のいずれか1項記載のデバイス。
【請求項5】
前記アンカーは組織を貫通するように構成されている、請求項1~4のいずれか1項記載のデバイス。
【請求項6】
前記アンカーは複数の脚部材を含む、請求項1または3~5のいずれか一項記載のデバイス。
【請求項7】
前記複数の脚部材は、形状固定材料で形成されおよびフルオロポリマーでラップされている、請求項6記載のデバイス。
【請求項8】
前記アンカーはスパーを含む、請求項1または3~5のいずれか一項記載のデバイス。
【請求項9】
前記可撓性腱および前記アンカーは、針の管腔またはデリバリーデバイスのチャンネルを通してデリバリーされるように動作可能である、請求項1~8のいずれか一項記載のデバイス。
【請求項10】
前記らせん状ワイヤは、平坦である、請求項2記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年12月20日に出願された仮出願第62/608,356号の利益を主張する2018年12月19日に出願された米国特許出願第16/226,002号の優先権を主張し、その両方の全体をすべての目的のために参照により本明細書に取り込む。
【0002】
分野
本開示は、一般に、経中隔人工腱索移植デバイス、装置、システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
房室弁(僧帽弁及び三尖弁)の弁尖は、負荷状態で弁の能力を維持するために長く薄いコード状の支持体のシステムに依存する薄い透視構造である。これらの支持体である腱索は、乳頭筋を弁尖に取り付ける。
【0004】
腱索は、変性及び伸長する可能性があり、その結果、弁尖脱出を引き起こすことがある。その結果、弁尖は収縮負荷下にずれることがある。腱索の切開外科手術は侵襲性が高く、罹患率及び死亡率リスクが高い。したがって、切開外科手術(又は経尖端又は経心房デリバリーアプローチ)を使用しない腱索置換又は修復における人工腱索のデリバリー及び移植は罹患率及び死亡率リスクを低減することができる。
【発明の概要】
【0005】
概要
一例(「例1」)によれば、腱索修復のためのデバイスであって、前記デバイスは、第一の端部及び第二の端部を有する可撓性腱、及び、前記可撓性腱の第一の端部及び第二の端部の一方に取り付けそして前記可撓性腱を心臓弁の弁尖に固定するように構成されたらせん状ワイヤ、及び、チャンネルを有し、前記心臓弁の弁尖をクランプしそして前記チャンネルを通して前記可撓性腱をデリバリーして、前記らせん状ワイヤを前記弁尖に固定するように構成された捕捉デバイスを含む。
【0006】
別の例(「例2」)によれば、例1に加えて、穿刺針をさらに含み、前記捕捉デバイスは、前記穿刺針及び可撓性腱を通過させるように構成されたチャンネルを含み、前記穿刺針は前記捕捉デバイスが前記弁尖をクランプしている間に、前記弁尖を穿刺するように構成されている。
【0007】
別の例(「例3」)によれば、例2に加えて、前記穿刺針は前記可撓性腱を通過させるように構成された管腔を含む。
【0008】
別の例(「例4」)によれば、例1~3のいずれか1つに加えて、患者の心臓の組織壁において前記可撓性腱を固定するように構成されたアンカーをさらに含む。
【0009】
別の例(「例5」)によれば、例1~4のいずれか1つに加えて、前記捕捉デバイスは捕捉デバイスを開閉するように構成されたヒンジを含む。
【0010】
別の例(「例6」)によれば、例1~5のいずれか1つに加えて、前記弁尖を通る可撓性腱の配置のために前記弁尖を捕捉するように構成された吸引デバイスをさらに含む。
【0011】
1つの例(「例7」)によれば、腱索の修復方法であって、前記方法は捕捉デバイスを使用して患者の心臓弁の弁尖を捕捉すること、前記捕捉デバイスにより前記弁尖が捕捉されている間に、可撓性腱を前記弁尖を通して配置すること、らせん状ワイヤを使用して、前記可撓性腱の第一の端部を前記弁尖内に固定すること、及び、前記患者の心臓の組織壁内に前記可撓性腱の第二の端部を固定することを含む方法。
【0012】
別の例(「例8」)によれば、例7に加えて、前記組織壁は前記患者の左心室壁の乳頭筋であり、前記可撓性腱の第二の端部を固定することは前記可撓性腱の第一の端部を固定する前に行われる。
【0013】
別の例(「例9」)によれば、例7~8のいずれか1つに加えて、前記可撓性腱の第二の端部を固定することは、前記可撓性腱の第二の端部に連結されたアンカーを挿入するために前記組織壁を穿刺針で貫通することを含む。
【0014】
別の例(「例10」)によれば、例9に加えて、前記捕捉デバイスは、前記穿刺針及び可撓性腱を通過させるように構成されたチャンネルを含み、前記穿刺針は前記可撓性腱を通過させるように構成された管腔を含む。
【0015】
別の例(「例11」)によれば、例7~10のいずれか1つに加えて、前記捕捉デバイスは捕捉デバイスを開閉するように構成されたヒンジを含む。
【0016】
別の例(「例12」)によれば、腱索修復デバイスは、第一の端部及び第二の端部を有する可撓性腱、及び、前記可撓性腱の第一の端部及び第二の端部の一方に取り付けそして前記可撓性腱を心臓弁の弁尖又は心臓の組織壁に固定するように構成されたアンカーを含む。
【0017】
別の例(「例13」)によれば、例12に加えて、前記アンカーはらせん状ワイヤであり、そしてフィルムで包まれている。
【0018】
別の例(「例14」)によれば、例12又は13のいずれか1つに加えて、前記アンカーは前記アンカーが配置される心臓弁の弁尖における穿刺穴を保護又は充填するように構成されている。
【0019】
別の例(「例15」)によれば、例12に加えて、前記可撓性腱の第二の端部に配置された第二のアンカーをさらに含み、前記アンカーは前記可撓性腱の第一の端部に配置されており、前記第一のアンカー及び前記第二のアンカーは前記弁尖に固定されずに前記組織壁を貫通する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図面の簡単な説明
添付の図面は、本開示のさらなる理解を提供するために含まれ、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成し、実施形態を例示し、そして記載とともに本開示の原理を説明するのに役立つ。
【0021】
【
図1】
図1は、ある実施形態による患者の心臓及び腱索の図である。
【0022】
【
図2】
図2は、ある実施形態による例示的な腱索修復デバイスの図である。
【0023】
【
図3】
図3は、ある実施形態による腱索修復デバイスの例示的な構成要素を示す。
【0024】
【
図4】
図4は、ある実施形態による第一の構成における腱索修復デバイスの例示的な構成要素を示す。
【0025】
【
図5】
図5は、ある実施形態による第二の構成における腱索修復デバイスの例示的な構成要素を示す。
【0026】
【
図6】
図6は、ある実施形態による第三の構成における例示的な腱索修復デバイスを示す。
【0027】
【
図7】
図7は、ある実施形態による第四の構成における例示的な腱索修復デバイスを示す。
【0028】
【
図8】
図8は、ある実施形態による第五の構成における例示的な腱索修復デバイスを示す。
【0029】
【
図9】
図9は、ある実施形態による第六の構成における例示的な腱索修復デバイスを示す。
【0030】
【
図10】
図10は、ある実施形態による第七の構成における例示的な腱索修復デバイスを示す。
【0031】
【
図11A】
図11Aは、ある実施形態による、デリバリー装置の例示的な構成要素を示す。
【0032】
【0033】
【
図12】
図12は、
図4~10に示される腱索修復デバイスの例示的な構成要素の別の図を示す。
【0034】
【
図13】
図13は、ある実施形態による例示的な組織係留デバイスを示す。
【0035】
【
図14】
図14は、ある実施形態による別の例示的な腱索修復デバイスを示す。
【0036】
【
図15】
図15は、ある実施形態によるアンカーでの可撓性腱の例示的な取り付けを示す。
【0037】
【
図16】
図16は、ある実施形態による例示的なハイポチューブを示す。
【0038】
【
図17】
図17は、ある実施形態による腱索修復デバイスと共に使用されうる例示的なアンカーを示す。
【発明を実施するための形態】
【0039】
詳細な説明
当業者は、本開示の様々な態様が、意図された機能を発揮するように構成された任意の数の方法及び装置によって実現されうることを容易に理解するであろう。本明細書で参照される添付の図面は必ずしも縮尺通りに描かれているわけではなく、本開示の様々な態様を示すために誇張されている場合もあり、その点で、図面は限定として解釈されるべきではないことにも留意されたい。
【0040】
本明細書で論じられる腱索の修復(又は置換)デバイス、方法及びシステムは、一般に、生体適合性であり、ポリプロピレン、ナイロン(ポリアミド)、ポリエステル、ポリビニリデンフルオリド又はポリビニリデンジフルオリド(PVDF)、シルクで作製されうる、又は、限定するわけではないが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)又は延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)などのフルオロポリマーから形成されうる可撓性腱を含む人工腱索を対象とする。可撓性腱は弁尖に取り付けられることができる。可撓性腱は、材料構造に基づいて2つのタイプに分けることもできる縫合糸であることができる(すなわち、モノフィラメント縫合糸及びマルチフィラメント又は編組縫合糸)。弁は、例えば僧帽弁又は三尖弁であることができ、可撓性腱は上端(superior end)で弁尖に、そして下端(inferior end)で乳頭又は心室壁に取り付けられる。可撓性腱の一端又は両端はアンカーを含むことができる。特定の例において、可撓性腱の下端は、自己拡張型(例えば、ニチノール(NiTi))アンカーに取り付けられ、次にアンカーは、乳頭壁又は心室壁に取り付けられる。アンカーは、動きに抵抗するために中央管から変位した幾つかの脚部材を備えた形状固定されたNiTiであることができる。アンカーは、例えば、
図3、
図6、
図13、
図14及び
図17に示されている。アンカーのさらなる議論のために、米国特許公開第2014/0046347号明細書を参照することができ、組織を係合するためのアンカーを教示する特定の目的のためにその全体を参照により本明細書に取り込む。
【0041】
本開示の様々な態様はまた、経カテーテル、経中隔腱修復(又は置換)治療を対象とする。人工腱索のデリバリーは、外科的介入によっても行うことができる。経カテーテルデリバリーは、切開外科手術又は経心尖又は経心房アプローチよりも侵襲性が低い。本明細書で論じられるデリバリーデバイス、方法及びシステムは侵襲性が低く、切開外科的及び経心尖的又は経心房的デリバリーアプローチと比較して、罹患率及び死亡率リスクが低減されている。
【0042】
図1は、ある実施形態による患者の心臓100及び腱索102a~gの図である。
図1は、大動脈弓104、左心房106、左心室108を含み、僧帽弁が左心房106と左心室108との間に配置されている患者の心臓100の左側を示している。腱索102a~gは、一方の端で僧帽弁の弁尖110、もう一方の端で、左心室108の乳頭筋112に取り付けられる。
【0043】
伸張、破裂又は破壊された腱索102a~gは、僧帽弁の弁尖110の機能を変化させる可能性がある。これらの例において、例えば、僧帽弁はもはや完全に接合又は閉鎖しないことがある。結果として、血液は左心室108から左心房106に戻って流れることができる(例えば、僧帽弁逆流)。
【0044】
図2は、ある実施形態による例示的な腱索修復デバイス200の図である。特定の例において、腱索修復(又は置換)デバイス200は、可撓性腱202、可撓性腱202の一端に配置された第一の取り付け部材204、及び、可撓性腱202の他端に配置された第二の取り付け部材206を含むことができる。特定の実施形態において、可撓性腱202(例えば、組織コネクタ)は長尺本体を含む。幾つかの実施形態において、可撓性腱は多孔性であることができる。可撓性腱202の材料はフルオロポリマー(限定するわけではないが、PTFE及び/又はePTFEを含む)、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエステル、PVDF、シルク又は他の同様の材料を含むことができる。フルオロポリマーベースの縫合糸の1つの実施形態である、腱索(「CT」)の修復又は置換のためのGORE-TEX(登録商標)縫合糸は、現在、僧帽弁脱出に使用されるために市販されている。縫合糸には、フルオロポリマー(ePTFEなど)綿撒糸が追加的に供給されている。腱索(「CT」)の修理又は置換のためのGORE-TEX(登録商標)縫合糸を備えた綿撒糸には、事前に穿刺された穴が開けられている。他のPTFE綿撒糸は幾つかの会社から販売されており、縫合糸がもろい組織を通して引裂いて傷つける可能性がある縫合糸を支持するために一般的に使用されている。縫合糸は、単回使用の永久メディカルデバイスインプラントである。腱索(「CT」)修復のためのGORE-TEX(登録商標)縫合糸はCT修復術のための「ゴールドスタンダード」縫合糸と考えられる。
【0045】
第一の取り付け部材204及び第二の取り付け部材206は、心臓の組織に可撓性腱202を取り付けるように構成されている。第一の取り付け部材204及び第二の取り付け部材206は、組織を貫通し、可撓性腱202を第一の場所と第二の場所との間に保持するアンカーであることができ、第一の取り付け部材204及び第二の取り付け部材206は、それぞれ、第一の場所及び第二の場所での組織の表面又は内部で貫通及び保持する。第一の取り付け部材204及び第二の取り付け部材206は、棘、固定らせん又は任意の同様の構造であることができる。
【0046】
特定の例において、可撓性腱202は欠陥のある僧帽弁又は三尖弁を治療するために使用されうる。これらのこのような例において、心臓の頂点領域は、カテーテルベースのデバイスで経皮的にアクセスされる。心臓弁は少なくとも1つの腱索を置換することによって修復される(例えば、
図1に示されるとおり)。置換された腱索は可撓性腱202を含むことができ、これは、可撓性腱202が心臓組織の2つの部分を接続することから、組織コネクタと呼ばれることもできる。他の例において、可撓性腱202は、心臓の周囲に巻き付けられることができ、又は、弁輪は、弁尖又は組織内に配置されることができる。特定の例において、逆流を経験している弁の閉鎖を確保にするために、らせん状ワイヤ300は平坦であることができる。これらの例において、可撓性腱202は心臓をわずかに圧縮して、弁の弁尖が完全に閉止することを確保する。
【0047】
図3は、1つの実施形態による腱索修復デバイスの例示的な構成要素を示す。
図3に示されている腱索の修復(又は置換)デバイス構成要素はらせん状ワイヤ300である。らせん状ワイヤ300は、
図2及び
図6~10に示されるように、患者の心臓弁の弁尖110に固定されうる可撓性腱の端部(第一の端部及び/又は第二の端部)に取り付けられるように構成されている。らせん状ワイヤ300は、弁尖110にねじ込まれるか、撚られるか又は締め付けられることができる。さらに、らせん状ワイヤ300は拘束された状態でデリバリーされることができ、そして弁尖のいずれかの側の拡張コイル部分とともに拡張されうる。その結果、らせん状ワイヤ300は、可撓性腱の一端で弁尖110に可撓性腱を結合又は固定する。
【0048】
特定の例において、らせん状ワイヤ300は、金属(例えば、ニチノール(NiTi))であることができ、そしてePTFEで包まれることができる。さらに、らせん状ワイヤ300は、スクリューが配置される心臓弁の弁尖110において穿刺穴を保護又は充填するように構成されることができる。このようにして、らせん状ワイヤ300は、可撓性腱を弁尖110に固定し、らせん状ワイヤ300が配置される開口部を停止又は充填する綿撒糸としても機能する。らせん状ワイヤ300及び前記らせん状ワイヤ300が結合された可撓性腱は、弁脱出(例えば、僧帽弁尖脱出)又は変性僧帽弁逆流に起因する弁尖110動揺のために使用されうる。
【0049】
らせん状ワイヤ300は、特定の例において、腱索の修復において可撓性腱の張力を調整する。らせん状ワイヤ300が弁尖110にねじ込まれるか、撚られるか又は貫通される深さは、らせん状ワイヤ300が取り付けられる可撓性腱に対する張力を調整する。これにより、らせん状ワイヤ300及び可撓性腱は、僧帽弁尖脱出又は弁尖110動揺を治療するのに必要な張力の量に調整することができ、それにより、弁尖110は所望の自然な効果で開閉する。
【0050】
らせん状ワイヤ300は、示されるように、1つ以上のコイルを有することができる。らせん状ワイヤ300が弁尖又は組織内に配置されうる深さを長く又は短くするために、らせん状ワイヤ300の巻数又はコイルの数を変化させることができる。特定の例において、らせん状ワイヤ300は、弁尖の上面又はトップ面にならうように構成されたフラット又はロープロファイル端部を有することができ、可撓性腱は、弁尖の上面又はトップ面を通して配置され、心臓組織に向かって弁尖の下面又は底面を通して通過する。
【0051】
図4は、ある実施形態による、第一の構成における腱索修復デバイスの例示的な構成要素を示す。
図4に示される腱索修復(又は置換)デバイスは、カテーテル402及び捕捉デバイス404を含むことができるデリバリーデバイス400である。捕捉デバイス404は、腱索の修復のために心臓弁の弁尖110をクランプするように構成されている。特定の例において、捕捉デバイス404は、弁尖110をクランプ、保持又は把持して、腱索の修復のために、弁尖110を通る可撓性腱のデリバリーを容易にすることができる。
【0052】
特定の例において、デリバリーデバイス400は、腱索修復デバイスの経カテーテルデリバリーのために使用されることができる。捕捉デバイス404は、
図4に示されるように、カテーテル402の遠位端に配置されうる。捕捉デバイス404は、
図4において閉止(クランプ)構成で示されている。捕捉デバイス404は、開いた位置と閉じた(クランプ)位置との間の捕捉デバイス404の移動を容易にするために、ヒンジ部分406を含むことができる。
【0053】
図5は、ある実施形態による第二の構成における例示的な腱索修復デバイスを示す。
図5に示すように、デリバリーデバイス400は捕捉デバイス404が弁尖110上に捕捉及びクランプされた状態で示されている。特定の例において、デリバリーデバイス400はまた、針508を含む。
【0054】
針508は、デリバリーデバイスのカテーテル402におけるチャンネル510を通して配置されうる。特定の例において、チャンネル510はまた、捕捉デバイス404を通る。捕捉デバイス404が弁尖110にクランプするときに、弁尖110は、安定化され、針508に対して適切に位置合わせされ、弁尖110に開口部を形成する。針508は、弁尖110に形成された開口部を通過し、心臓の組織壁に接触するように配置されうる。
図5に示されるように、針508は、チャンネル510及び捕捉デバイス404の両方の部分を通して配置される。特定の例において、捕捉デバイス404は、開いた位置と閉じた(クランプ)位置との間の捕捉デバイス404の移動を容易にするヒンジ部分406によって分離される複数の部分を含む。
【0055】
図6は、ある実施形態による第三の構成における例示的な腱索修復デバイスを示す。
図6に示されるように、デリバリーデバイス400は捕捉デバイス404が弁尖110上に捕捉及びクランプされた状態で示されている。さらに、デリバリーデバイス400は、針508が弁尖110を通って、患者の心臓の組織壁612に通されているような構成にある。特定の例において、組織壁612は、患者の左心室であることができ、より具体的には、組織壁612は、左心室における乳頭筋614であることができる。
【0056】
特定の例において、針508は管腔616を含む。
図6に示されるように、可撓性腱202は管腔616を通って配置される。針508の管腔616は、腱索の修復(又は置換)のために可撓性腱202を管腔616に通すように構成されうる。可撓性腱202は、
図1~2を参照して上記で論じたように、人工腱索であることができる。可撓性腱202は、組織壁612に可撓性腱202を固定するために一端にアンカー620を含むことができる。アンカー620は、複数の脚部材、らせん状ワイヤ(例えば、らせん状ワイヤ300と同様)、スパー又は別の同様の構造を有することができる。
【0057】
図6に示すように、アンカー620が複数の脚部材を含む場合において、脚部材は拡張し、針508又は針508の管腔616を通して配置されたプッシュロッド(図示せず)によって組織壁612内に押し込まれる。アンカー620は、ePTFEなどのフルオロポリマーで少なくとも一部が覆われている(ラップされているなど)NiTi(ニッケルチタン合金)形状固定アンカーであることができる。特定の例において、示されるように、針508は、穿刺を支援するように成形された表面を含むことができる。
【0058】
弁尖110が捕捉デバイス404によって捕捉され、針508がチャンネル510を通って、弁尖110を通ってそしてアンカー620とともに組織壁612内に進められた後に、可撓性腱202は一端で固定される。針508は、
図7に示されるように、チャンネル510を通して後退されることができる。特定の例において、可撓性腱202に対する張力は、アンカー620を組織壁612にさらに埋め込むことによって増加されることができ、又はアンカー620が組織壁612に埋め込まれる深さを減少させることによって低減されることができる。アンカー620は、上述したように、乳頭筋614を含む組織壁612に沿った任意の場所に埋め込まれることができる。
【0059】
図8は、ある実施形態による第五の構成における例示的な腱索修復デバイスを示す。
図8に示されるように、デリバリーデバイス400は捕捉デバイス404が弁尖110に捕捉及びクランプされた状態で示されている。さらに、デリバリーデバイス400は、針508が弁尖110を通って、患者の心臓の組織壁612に通され、そして捕捉デバイス404のチャンネル510を通して後退された構成にある。可撓性腱202はアンカー620によって組織壁612内に固定されている。
【0060】
可撓性腱202を他端(アンカー620が可撓性腱202に取り付けられる第一の端部又は第二の端部と比較して第一の端部又は第二の端部)に固定するために、らせん状ワイヤ300は可撓性腱202に取り付けられることができる。らせん状ワイヤ300は、特定の例において、可撓性腱202の第一の端部及び第二の端部の一方に取り付けそして可撓性腱202を心臓弁の弁尖110に固定するように構成されている。らせん状ワイヤ300は、弁尖110に通され(例えば、ねじ込まれ)、そしてらせん状ワイヤ300が弁尖に埋め込まれる深さに基づいて可撓性腱202に対する張力を変えるように調整されうる。らせん状ワイヤ300はまた、展開されて、針508を配置及び引き抜きして、弁尖110の各面でらせん状ワイヤ300の一部を露出させることができる。
【0061】
らせん状ワイヤ300が弁尖110に固定され又は埋め込まれ、可撓性腱202が設置された後に、捕捉デバイス404は、
図9に示されるように開かれることができる。ヒンジ部分406は、開位置と閉(クランプ)位置との間の捕捉デバイス404の移動を容易にする。捕獲デバイス404が開かれた後に、
図10に示されるように、カテーテル402及び捕獲デバイス404は除去されることができ、そして可撓性腱202は設置される。
【0062】
図11Aは、ある実施形態によるデリバリー装置1100の例示的な構成要素を示す。デリバリー装置1100は、人工腱索修復デバイス(例えば、可撓性腱202)の経カテーテルデリバリーを可能にするカテーテル1102を含む。デリバリー装置1100はまた、上で詳細に記載したように、弁尖110を通して人工腱索修復(又は置換)デバイスを配置するために弁尖110を捕捉するように構成された吸引デバイス1104をも含むことができる。
【0063】
図11Bは、
図11Aに示される例示的なデリバリー装置1100の一部の端面図を示す。デリバリー装置1100は管腔1106を含み、それを通して針1108は配置されうる。
図11Bはまた、吸引領域1110を示す。
【0064】
図12は、
図4~10に示される腱索修復デバイスの例示的な構成要素の別の図を示す。
図12は、本開示の様々な態様による捕捉デバイス404の斜視図を示している。
図4~10を参照して上記でさらに詳細に論じられるように、捕捉デバイス404は、開位置と閉(クランプ)位置との間の捕捉デバイス404の移動を容易にするヒンジ部分406を含み、そして例えば、針が配置されうるチャンネル510を含む。
【0065】
捕捉デバイス404は、弁尖を把持するために互いに閉じる上部1202及び下部1204を含む。下部1204はまた、上で詳細に論じたように、溝又は開口部1206を含むことができ、それを通して、アンカー又はらせん状ワイヤ及び可撓性腱の配置を容易にすることができる。
【0066】
図13は、ある実施形態による例示的な組織係留デバイス1300を示す。修復デバイスは、遠位アンカー1302、可撓性腱202及び近位アンカー1304を含む。遠位アンカー1302は、可撓性腱202に結合されることができ、近位アンカー1304は、可撓性腱202と共にスライド可能に配置されうる。遠位アンカー1302は、1つの組織に配置されることができ、近位アンカー1304は、別の組織に配置されることができ、可撓性腱202は組織を一緒に係留する。係留デバイス1300は、上で詳細に論じたように腱索の修復に使用することができる。
【0067】
係留デバイス1300はまた、遠位アンカー1302及び近位アンカー1304を埋め込むために、組織を穿刺するための針1312を含むことができる。示されるように、針1312は管腔1308を含み、それを通して遠位アンカー1302、近位アンカー1304及び可撓性腱202は通過することができる。特定の例において、近位アンカー1304は、近位アンカー1304が管腔1308を通って針1312を出るまで可撓性腱202上をスライドする。特定の例において、係留デバイス1300はまた、針1312の管腔1308を通して配置することもできるアンカープッシャー1310も含む。アンカープッシャー1310は、遠位アンカー1302及び近位アンカー1304の組織内への埋め込みを容易にし、また、遠位アンカー1302及び近位アンカー1304の通過も容易にする。
【0068】
係留デバイス1300はまた、以下で詳細に論じられるように、可撓性腱202をトリミングするように構成された繊維切断特徴部1318を含むことができる。特定の例において、係留デバイス1300はまた、針1312の移動を容易にするように構成されたプッシャー1314と、経カテーテルデリバリーのためのカテーテル1316とを含む。
【0069】
特定の例において、遠位アンカー1302及び/又は近位アンカー1304は、らせん状ワイヤ300で置き換えられてもよい。さらに、遠位アンカー1302及び/又は近位アンカー1304は、上記でさらに詳細に論じたように、アンカー620として使用されうる構造である。
【0070】
特定の例において、カテーテル1316は操縦可能なカテーテルである。使用中、カテーテル1316は、標的組織に接近するために使用されうる。プッシャー1314は、針1312で組織を穿刺するように前進されうる。カテーテル1316は、針1312に追従して組織(例えば、心臓弁尖)を通り、カテーテル1316を第二の組織標的目的地に配置する。プッシャー1314は、針1312が第二の組織の中又はそれを通るように前進させられる。アンカープッシャー1310は、遠位アンカー1302を第二の組織に埋め込むために使用される。
【0071】
カテーテル1316及び針1312は可撓性腱202とともに第一の組織へ寄せられ、前記可撓性腱202はカテーテル1316及び針1312の回収によって引き出された状態になることができる。近位アンカー1304は、カテーテル1316及び針1312の回収中に可撓性腱に沿ってスライドし、そして第一の組織に埋め込まれる。可撓性腱202に対する張力は、近位アンカー1304の位置を調整することによって調整することができ、それにより、近位アンカー1304と遠位アンカー1302との間の可撓性腱202の長さを調整し、近位アンカー1304は、アンカープッシャー1310に対して押し付けることにより展開されうる。埋め込まれた近位アンカー1304の近位の自由端は繊維切断特徴部1318によって破壊されることができ、可撓性腱202は設置されて第一の組織と第二の組織とを係留することができる。
【0072】
図14は、ある実施形態による別の例示的な腱索修復デバイスを示す。
図14に示されるように、デリバリーデバイス1400は可撓性腱202をデリバリーするために使用される。可撓性腱202は、デリバリーデバイス1400の第一の部分1402及び第二の部分1404のそれぞれを通して配置される。このように、アンカー又は他の同様のデバイスを使用して可撓性腱202を弁尖に固定することなく、弁尖110を通して可撓性腱202を配置することができる。第一の部分1402は、可撓性腱のデリバリーのために弁尖110を通過する。
【0073】
可撓性腱202は、弁尖110を通して配置された可撓性腱202によって形成されたループ又はステッチで、他端において左心室108の乳頭筋112などの組織に埋め込むことができるアンカー1406,1408を含むことができる。アンカー1406,1408は弁尖110中に固定されていない。むしろ、可撓性腱202は、弁尖110の表面上に又は弁尖110を通して(弁尖110にステッチを形成して)配置されうる。デリバリーデバイス1400は、患者の左心房106を通過して、左心室108の弁尖110にデリバリーされる。このようにして、例えば、可撓性腱202は腱索(図示せず)の修復又は置換に使用される。
【0074】
図15は、ある実施形態によるアンカー620を有する可撓性腱202の例示的な取り付けを示す。アンカー620は、可撓性腱202をつかんで把持するように構成された1つ以上の溝1500を含む。1つ以上の溝1500は、アンカー620で可撓性腱202を結合する。
【0075】
1つ以上の溝1500は、
図4~10及び
図13を参照して上述したように、可撓性腱202がアンカー620を一方向に通過することを可能にすることにより可撓性腱202に対する張力の調整を容易にする。可撓性腱202が引き抜かれる場合に、1つ以上の溝1500は可撓性腱202を把持する。可撓性腱202は、1つ以上の溝1500を通ってスライドし、反対方向に引き抜かれることができない。
【0076】
図16は、ある実施形態によるスプリットアンカー1602を有する腱1600の例示的な固定を示す。スプリットアンカー1602は、スプリットアンカー1602のデリバリー及び除去を容易にするハイポチューブを含む。スプリットアンカー1602は、曲がったカットチューブであることができ、また熱処理されたニチノールから形成されることもできる。腱1600は、内部でスプリットアンカー1602を通過し、ハイポチューブが取り外され、スプリットアンカー1602がもはや軸方向に整列されなくなると、引き抜くことができない。
【0077】
図17は、ある実施形態による腱索修復デバイスとともに使用されうる例示的なアンカー1700を示す。アンカー1700は、上で詳細に論じたように、可撓性腱202の一端又は両端に結合されうる。アンカー1700は、組織貫通点1719を含むことができるアンカーアーム1712を含むことができる。様々な実施形態において、組織貫通点1719は、アンカーのベース部分1718の端部に配置される。組織貫通点1719は、組織を貫通し、アンカー1700を患者の解剖学的構造に固定することができる形状を含むことができる。
【0078】
アンカー1700はまた、アンカー110のベース部分1718の中心軸から約90度の位置まで実質的にめくり返っている1つ以上のフランジ要素アームの部分を有するフランジ要素アーム1708を含むこともできる。フランジ要素アーム1708は組織又はメディカルデバイスの貫通を最小限に抑制し又は回避するように、あるいは組織への損傷を引き起こすのを回避するように構成されうる。
【0079】
アンカー1700及びアンカー1700の他の形態のさらなる議論については、米国特許公開第2014/0046347号明細書を参照することができ、組織に係合させるためのアンカーを教示する特定の目的のためにその全体を参照により本明細書に取り込む。
【0080】
本出願の発明は、一般的に及び特定の実施形態の両方に関して上記で説明されてきた。本開示の範囲から逸脱することなく、実施形態において様々な修正及び変更を行うことができることは当業者に明らかであろう。したがって、実施形態は、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等形態の範囲内に入るかぎり、本発明の修正及び変更を網羅することが意図されている。
(態様)
(態様1)
腱索修復のためのデバイスであって、前記デバイスは、
第一の端部及び第二の端部を有する可撓性腱と、
前記可撓性腱の第一の端部及び第二の端部の一方に取り付けそして前記可撓性腱を心臓弁の弁尖に固定するように構成されたらせん状ワイヤと、
チャンネルを有し、前記心臓弁の弁尖をクランプしそして前記チャンネルを通して前記可撓性腱をデリバリーして、前記らせん状ワイヤを前記弁尖に固定するように構成された捕捉デバイスと、
を含む、腱索修復のためのデバイス。
(態様2)
穿刺針をさらに含み、前記捕捉デバイスは、前記穿刺針及び可撓性腱を通過させるように構成されたチャンネルを含み、前記穿刺針は前記捕捉デバイスが前記弁尖をクランプしている間に、前記弁尖を穿刺するように構成されている、態様1記載のデバイス。
(態様3)
前記穿刺針は前記可撓性腱を通過させるように構成された管腔を含む、態様2記載のデバイス。
(態様4)
患者の心臓の組織壁において前記可撓性腱を固定するように構成されたアンカーをさらに含む、態様1~3のいずれか1項記載のデバイス。
(態様5)
前記捕捉デバイスは捕捉デバイスを開閉するように構成されたヒンジを含む、態様1~4のいずれか1項記載のデバイス。
(態様6)
前記弁尖を通る可撓性腱の配置のために前記弁尖を捕捉するように構成された吸引デバイスをさらに含む、態様1~5のいずれか1項記載のデバイス。
(態様7)
腱索の修復方法であって、前記方法は、
捕捉デバイスを使用して患者の心臓弁の弁尖を捕捉することと、
前記捕捉デバイスにより前記弁尖が捕捉されている間に、可撓性腱を前記弁尖を通して配置することと、
らせん状ワイヤを使用して、前記可撓性腱の第一の端部を前記弁尖内に固定することと、
前記患者の心臓の組織壁内に前記可撓性腱の第二の端部を固定することと、
を含む方法。
(態様8)
前記組織壁は前記患者の左心室壁の乳頭筋であり、前記可撓性腱の第二の端部を固定することは前記可撓性腱の第一の端部を固定する前に行われる、態様7記載の方法。
(態様9)
前記可撓性腱の第二の端部を固定することは、前記可撓性腱の第二の端部に連結されたアンカーを挿入するために前記組織壁を穿刺針で貫通することを含む、態様7~8のいずれか1項記載の方法。
(態様10)
前記捕捉デバイスは、前記穿刺針及び可撓性腱を通過させるように構成されたチャンネルを含み、前記穿刺針は前記可撓性腱を通過させるように構成された管腔を含む、態様9記載の方法。
(態様11)
前記捕捉デバイスは捕捉デバイスを開閉するように構成されたヒンジを含む、態様7~10のいずれか1項記載の方法。
(態様12)
第一の端部及び第二の端部を有する可撓性腱と、
前記可撓性腱の第一の端部及び第二の端部の一方に取り付けそして前記可撓性腱を心臓弁の弁尖又は心臓の組織壁に固定するように構成されたアンカーと、を含む、腱索修復デバイス。
(態様13)
前記アンカーはらせん状ワイヤであり、そしてフィルムで包まれている、態様12記載のデバイス。
(態様14)
前記アンカーは前記アンカーが配置される心臓弁の弁尖における穿刺穴を保護又は充填するように構成されている、態様12又は13のいずれか1項記載のデバイス。
(態様15)
前記可撓性腱の第二の端部に配置された第二のアンカーをさらに含み、前記アンカーは前記可撓性腱の第一の端部に配置されており、前記第一のアンカー及び前記第二のアンカーは前記弁尖に固定されずに前記組織壁を貫通する、態様12記載のデバイス。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠位端及び近位端を含むカテーテルと、
前記カテーテルの遠位端に配置された捕捉デバイスと、
を含み、
前記捕捉デバイスは弁尖をクランプするように動作可能であり、前記捕捉デバイスは、開いた位置と閉じた位置との間で前記捕捉デバイスの動きを容易にするように動作可能であるヒンジ部分を含むヒンジを含む、腱索修復デバイスのデリバリーのためのデリバリーデバイス。
【請求項2】
前記カテーテルおよび前記捕捉デバイスのチャンネル中に配置された針をさらに含む、請求項1記載のデリバリーデバイス。
【請求項3】
前記針は、延長構成と後退構成との間で動くように動作可能である、請求項2記載のデリバリーデバイス。
【請求項4】
前記捕捉デバイスは弁尖上にクランプされており、前記捕捉デバイスは前記弁尖中に開口部を作るように前記弁尖を通って延長するために、前記針を後退構成から延長構成へ遷移するために前記弁尖を位置合わせするように動作可能である、請求項3記載のデリバリーデバイス。
【請求項5】
腱索修復デバイスをさらに含み、前記腱索修復デバイスは、前記針の管腔を通って配置されている、請求項4記載のデリバリーデバイス。
【請求項6】
前記ヒンジ部分は開いた構成とクランプされた構成との間で動くように動作可能でありおよび前記ヒンジ部分は前記腱索修復デバイスと前記弁尖との配置を容易にするように動作可能である溝を含む、請求項5記載のデリバリーデバイス。
【請求項7】
係留デバイスをさらに含み、前記係留デバイスは、前記腱索修復デバイスのアンカーを埋め込むために組織を貫通するように動作可能である第2の針を含む、請求項6記載のデリバリーデバイス。