(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024069714
(43)【公開日】2024-05-21
(54)【発明の名称】温度断熱梱包システムおよび関連する方法
(51)【国際特許分類】
B65D 81/38 20060101AFI20240514BHJP
【FI】
B65D81/38 F
B65D81/38 E
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024054169
(22)【出願日】2024-03-28
(62)【分割の表示】P 2021524230の分割
【原出願日】2019-11-01
(31)【優先権主張番号】62/755,071
(32)【優先日】2018-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】502221282
【氏名又は名称】ライフ テクノロジーズ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100162824
【弁理士】
【氏名又は名称】石崎 亮
(72)【発明者】
【氏名】マダナゴーパール アルンクマール
(72)【発明者】
【氏名】バルニッツ エリック
(57)【要約】
【課題】温度断熱梱包システムおよび関連する方法を提供する。
【解決手段】温度断熱梱包システムは、内部容積を画定する内面を有する容器と、内部容積内に配置され、温度断熱輸送用アイテムを受け入れるように構成された区画を少なくとも部分的に画定するライナーとを含む。ライナーは、セルロース材料で作られた第1のスリーブを含み、チャネルを少なくとも部分的に画定する。第1のスリーブは、容器に隣接して配置された外壁と、輸送用アイテムを受け入れるように構成された区画に隣接して配置された対向する内壁とを有し、チャネルは、内壁と外壁との間に配置されている。少なくとも1枚の断熱シートが、第1のスリーブのチャネル内に配置され、少なくとも1枚の断熱シートは、セルロース材料でできており、その上に形成された複数の凹部を有する。
【選択図】
図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
温度断熱梱包システムであって、前記梱包システムは、
内部容積を画定する内面を有する容器と、
前記容器の前記内部容積内に配置され、輸送用アイテムを受け入れるように構成された区画を少なくとも部分的に画定するライナーと、を含み、前記ライナーは、
第1のセルロース材料からなり、チャネルを少なくとも部分的に画定する第1のスリーブであって、前記第1のスリーブは、前記容器に向かって配置された外壁と、前記輸送用アイテムを受け入れるように構成された前記区画に向かって配置された対向する内壁とを有し、前記チャネルが、前記内壁と前記外壁との間に配置されている、第1のスリーブと、
前記第1のスリーブの前記チャネル内に配置された少なくとも1枚の断熱シートであって、第2のセルロース材料からなり、その上に形成された複数の凹部を有する、少なくとも1枚の断熱シートと、を含む、温度断熱梱包システム。
【請求項2】
前記第1のスリーブの前記セルロース材料は、約0.8mm~約4.8mmの範囲の厚さを有する、請求項1に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項3】
前記第1のスリーブの前記セルロース材料は、板紙の折り畳まれたシートを含む、請求項1に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項4】
前記板紙のシートは、波形、平坦、およびそれらの組み合わせから選択される、請求項3に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項5】
前記板紙のシートは、約0.8mm~約4.8mmの範囲の厚さを有する、請求項3に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項6】
前記板紙のシートは、前記少なくとも1枚の断熱シートよりも剛性が高い、請求項3に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項7】
前記板紙のシートは、前記少なくとも1枚の断熱シートの厚さよりも厚い厚さを有する、請求項3に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項8】
前記板紙のシートは、前記少なくとも1枚の断熱シートよりも剛性が低い、請求項3に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項9】
前記板紙は、タブおよび溝を含み、前記タブは、前記チャネルを取り囲む連続ループ状に前記板紙を固定するように、前記溝内に受け入れられる、請求項3に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項10】
前記板紙は、複数の離間したタブおよび複数の離間した溝を含み、前記複数のタブは、前記チャネルを取り囲む連続ループ状に前記板紙を固定するように、前記複数の溝内に受け入れられる、請求項3に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項11】
前記チャネルと連通する開口部を備えた末端端面を有する前記第1のスリーブと、
前記第1のスリーブの前記末端端面から突出するカバーフラップであって、前記カバーフラップは、前記開口部を少なくとも部分的に覆うように折り畳まれている、カバーフラップと、をさらに含む、請求項1に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項12】
前記折り畳まれたカバーフラップは、前記容器の前記内面に直接接して位置する、請求項11に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項13】
前記第1のスリーブの前記外壁は、前記容器の前記内面に直接接して配置され、前記第1のスリーブの前記内壁は、前記区画を少なくとも部分的に画定する、請求項1に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項14】
前記容器の前記内部容積内に配置された前記第1のスリーブは、U字形構成を有する、請求項1に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項15】
前記第1のスリーブの前記チャネルは、長方形の横断面を有する、請求項1に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項16】
前記ライナーは、
チャネルを少なくとも部分的に画定する第2のスリーブであって、前記第2のスリーブは、前記容器に向かって配置された外壁と、前記輸送用アイテムを受け入れるように構成された前記区画に向かって配置された対向する内壁とを有し、前記第2のスリーブの前記チャネルは、前記第2のスリーブの前記内壁と前記外壁との間に配置されており、前記第2のスリーブは、前記第1のスリーブとは別個の個々のものであり、前記区画が前記第1のスリーブと前記第2のスリーブとの間に少なくとも部分的に配置されるように位置付けられている、第2のスリーブと、
前記第2のスリーブの前記チャネル内に配置された少なくとも1枚の断熱シートであって、セルロース材料からなり、その上に形成された複数の凹部を有する、少なくとも1枚の断熱シートと、をさらに含む、請求項1に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項17】
前記第1のスリーブから突出する第1の係止タブと、前記第2のスリーブ上に形成された第1の係止溝とをさらに含み、前記第1の係止タブは、前記第1のスリーブを前記第2のスリーブに固定するように、前記第1の係止溝内に受け入れられる、請求項16に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項18】
前記第1のスリーブはU字形構成を有し、前記第2のスリーブはU字形構成を有する、請求項17に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項19】
前記チャネルと連通する開口部を備えた第1の末端端面を有する前記第2のスリーブと、
前記第2のスリーブの前記第1の末端端面から突出する第1のカバーフラップと、
前記第1のカバーフラップから突出する第1の係止タブと、
前記第2のスリーブ上に形成された第1の係止溝であって、前記第1の係止タブが前記第1のスリーブを前記第2のスリーブに固定するように、前記第1の係止溝内に受け入れられる、第1の係止溝と、をさらに含む、請求項16に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項20】
前記チャネルと連通する開口部を備えた前記第1の末端端面の反対側の第2の末端端面を有する前記第2のスリーブと、
前記第2のスリーブの前記第2の末端端面から突出する第2のカバーフラップと、
前記第2のカバーフラップから突出する第2の係止タブと、
前記第2のスリーブ上に形成された第2の係止溝であって、前記第2の係止タブが前記第1のスリーブを前記第2のスリーブに固定するように、前記第2の係止溝内に受け入れられる、第2の係止溝と、をさらに含む、請求項19に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項21】
前記第1のスリーブは、それぞれが前記外壁と前記内壁との間に延びる第1の側壁および対向する第2の側壁を有し、前記第1の係止溝が前記第1の側壁上に形成され、前記第2の係止溝が前記第2の側壁上に形成される、請求項20に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項22】
内面、および対向する外面を有する前記第1のスリーブと、
前記第1のスリーブの少なくとも前記内面または前記外面に塗布されている水不透過性材料のコーティングと、をさらに含む、請求項1に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項23】
前記コーティングは、プラスチックからなる、請求項22に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項24】
前記コーティングは、ポリエチレン(PE)、ポリラクチド(PLA)、生分解性ポリマー、またはそれらの組み合わせを含む、請求項22に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項25】
前記少なくとも1枚の断熱シートは、少なくとも1回折り畳まれている、請求項1に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項26】
前記少なくとも1枚の断熱シートは、一緒に積み重ねられた複数の別個の紙のシートを含み、前記複数の別個の紙のシートのそれぞれは、セルロース材料からなり、その上に形成された複数の凹部を有する、請求項1に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項27】
前記積み重ねられた複数の別個の紙のシートは、2回折り畳まれて、三つ折りを形成する、請求項26に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項28】
前記複数の別個の紙のシートは、少なくとも3、5、10、15、20、25または30枚の紙のシートを含む、請求項26に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項29】
前記複数の別個の紙のシートは、前記複数の別個の紙のシートの少なくとも5、10、15、20、25、または30の垂直に積み重ねられた層となるように折り畳まれている、請求項26に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項30】
前記少なくとも1枚の断熱シートは、
上面、および対向する底面を有する第1の平坦なシートと、
上面、対向する底面、および複数の離間した第1のエンボスを有する第1のエンボス加工シートであって、各第1のエンボスが前記上面から外向きに突出し、終端で終わり、前記底面に公然と露呈している凹部を画定し、前記第1のエンボスの前記終端が接着剤によって前記第1の平坦なシートの前記底面に固定されている、第1のエンボス加工シートと、を含む、請求項1に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項31】
前記少なくとも1枚の断熱シートは、
上面、および対向する底面を有する第2の平坦なシートと、
複数の離間した第2のエンボスをさらに含む前記第1のエンボス加工シートであって、各第2のエンボスが前記底面から外向きに突出し、終端で終わり、前記上面に公然と露呈している凹部を画定し、前記第2のエンボスの前記終端が前記第1の平坦なシートと前記第2の平坦なシートとの間に前記第1のエンボス加工シートが配置されるように接着剤によって前記第2の平坦なシートの前記上面に固定されている、第1のエンボス加工シートと、をさらに含む、請求項30に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項32】
複数の外向きに突出するエンボスを有する第2のエンボス加工シートをさらに含み、前記第2のエンボス加工シートの前記エンボスは、接着剤によって前記第1の平坦なシートの前記上面に固定されている、請求項31に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項33】
前記少なくとも1枚の断熱シートは、約0.15mm~約0.4mmの範囲の厚さを有する紙のシートを含む、請求項1に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項34】
前記少なくとも1枚の断熱シートは、セルロースワッディングのシートを含む、請求項1に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項35】
前記少なくとも1枚の断熱シートは、エンボス加工された薄葉紙のシートを含む、請求項1に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項36】
前記少なくとも1枚の断熱シートは、複数の垂直に積み重ねられた断熱シートを含み、複数のポケットが、前記複数の垂直に積み重ねられた断熱シート間で画定されている、請求項1に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項37】
前記ライナーは、前記輸送用アイテムを受け入れるように構成された前記区画を囲むように、前記容器の前記内面にわたって延びる、請求項1に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項38】
前記ライナーは、少なくとも0.5cm、1cm、または1.5cmの厚さを有する、請求項1に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項39】
前記ライナーは、75°Fの平均温度で測定された約3.5/インチ~約4.5/インチの範囲の熱抵抗値(R値)を有する、請求項1に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項40】
前記容器は、箱を含み、セルロース材料からなる、請求項1に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項41】
前記容器の前記セルロース材料は、板紙を含む、請求項40に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項42】
前記板紙は、波形の板紙を含む、請求項41に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項43】
内面、および対向する外面を有する前記容器と、
前記容器の少なくとも前記内面または前記外面に塗布されている水不透過性材料のコーティングと、をさらに含む、請求項1に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項44】
前記コーティングは、プラスチックからなる、請求項43に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項45】
前記コーティングは、ポリエチレン(PE)、ポリラクチド(PLA)、生分解性ポリマー、またはそれらの組み合わせを含む、請求項43に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項46】
前記容器および前記ライナーは、発泡ポリスチレンまたは非生分解性プラスチックを含まない、請求項1に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項47】
前記内部容積内に配置された冷源をさらに含む、請求項1に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項48】
前記冷源は、ドライアイスを含む、請求項47に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項49】
前記冷源は、少なくとも1つの凍結ゲルパックを含む、請求項47に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項50】
前記冷源は、前記輸送用アイテムを受け入れるように構成された前記区画内に配置され、前記ライナーによって取り囲まれる、請求項47に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項51】
前記冷源は、前記輸送用アイテムを含む、請求項47に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項52】
前記冷源は、輸送の前に前記区画の少なくとも一部を11℃未満の温度に冷却するように構成されている、請求項47に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項53】
前記輸送用アイテムをさらに含み、前記輸送用アイテムは、前記内部容積内に配置される、請求項47に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項54】
前記冷源は、前記輸送用アイテムの上下に配置される、請求項53に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項55】
前記冷源は、前記輸送用アイテムを完全に取り囲む、請求項53に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項56】
前記輸送用アイテムは、生物学的材料を含む、請求項53に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項57】
前記第1のスリーブの前記第1のセルロース材料および前記少なくとも1枚の断熱シートの前記第2のセルロース材料は、同じセルロース材料または異なるセルロース材料を含む、請求項1に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項58】
前記ライナーは、前記輸送用アイテムを受け入れるように構成された前記区画を取り囲む、請求項1に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項59】
前記第1のスリーブは、
それぞれが前記外壁と前記内壁との間に延びる、第1の側壁および対向する第2の側壁と、
前記チャネルと連通し、前記第1の側壁と前記第2の側壁との間に延びるように、前記内壁を通過する第1の溝および離間した第2の溝と、をさらに含む、請求項1に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項60】
前記第1の側壁を通って延び、前記第1の溝と交差する第1のV字形切欠と、
前記第1の側壁を通って延び、前記第2の溝と交差する第2のV字形切欠と、をさらに含む、請求項59に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項61】
断熱された輸送用アイテムを梱包するための方法であって、
容器の内面に沿ってライナーを位置付けることであって、そのため前記ライナーが前記容器内の区画を少なくとも部分的に画定し、前記ライナーは、
第1のセルロース材料からなり、チャネルを少なくとも部分的に画定する第1のスリーブであって、前記第1のスリーブは、前記容器に向かって配置された外壁と、前記容器内に位置付けられるときに前記区画に向かって配置された対向する内壁とを有し、前記チャネルは、前記内壁と前記外壁との間に配置されている、第1のスリーブと、
前記第1のスリーブの前記チャネル内に配置された少なくとも1枚の断熱シートであって、第2のセルロース材料からなり、その上に形成された複数の凹部を有する、少なくとも1枚の断熱シートと、を含む、位置付けることと、
前記容器内に冷源を配置することと、
前記容器内の前記区画内に輸送用アイテムを配置することと、を含み、
前記ライナーは、輸送中に前記輸送用アイテムを断熱する、方法。
【請求項62】
前記ライナーは、前記容器内に取り外し可能に配置される、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記第1のスリーブは、前記容器内に位置付けられるときにU字形構成を有する、請求項61に記載の方法。
【請求項64】
前記ライナーは、
セルロース材料からなり、チャネルを少なくとも部分的に画定する第2のスリーブと、
前記第2のスリーブの前記チャネル内に配置された少なくとも1枚の断熱シートであって、セルロース材料からなり、その上に形成された複数の凹部を有する、少なくとも1枚の断熱シートと、をさらに含み、
前記第2のスリーブは、前記容器内に位置付けられるときにU字形構成を有する、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記第2のスリーブを前記第1のスリーブに連結するように、前記第2のスリーブから突出する係止タブを前記第2のスリーブ上に形成された係止溝に挿入すること、をさらに含む、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記輸送用アイテムは、生物学的材料を含む、請求項61に記載の方法。
【請求項67】
前記第1のスリーブは、板紙の折り畳まれたシートを含む、請求項61に記載の方法。
【請求項68】
前記板紙のシートは、前記少なくとも1枚の断熱シートよりも剛性が高い、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
前記板紙のシートは、前記少なくとも1枚の断熱シートよりも剛性が低い、請求項67に記載の方法。
【請求項70】
前記第1のスリーブの前記チャネルは、長方形の横断面を有する、請求項61に記載の方法。
【請求項71】
前記少なくとも1枚の断熱シートは、一緒に積み重ねられた複数の別個の紙のシートを含み、前記複数の別個の紙のシートのそれぞれは、セルロース材料からなり、その上に形成された複数の凹部を有する、請求項61に記載の方法。
【請求項72】
前記積み重ねられた複数の別個の紙のシートは、折り畳まれる、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
前記複数の別個の紙のシートは、少なくとも3、5、10、15、20、25、または30枚の紙のシートを含む、請求項71に記載の方法。
【請求項74】
前記少なくとも1枚の断熱シートが、エンボス加工されたセルロースワッディングのシートを含む、請求項61に記載の方法。
【請求項75】
前記容器は、ボール紙箱を含む、請求項61に記載の方法。
【請求項76】
前記冷源は、ドライアイスを含む、請求項61に記載の方法。
【請求項77】
前記冷源は、少なくとも1つの凍結ゲルパックを含む、請求項61に記載の方法。
【請求項78】
前記ライナーは、75°Fの平均温度で測定された約3.5/インチ~約4.5/インチの範囲の熱抵抗値(R値)を有する、請求項61に記載の方法。
【請求項79】
断熱された輸送梱包材を形成するための方法であって、前記方法は、
板紙のシートを複数の断熱シートの周りに折り畳むことであって、そのため前記板紙のシートが前記複数の断熱シートを取り囲み、前記板紙のシートと前記複数の断熱シートは組み合わされて第1のライナー部分を形成する、折り畳むことと、
容器の内部容積内に前記第1のライナー部分を位置付けることと、を含む、方法。
【請求項80】
前記板紙のシートを折り畳む前記ステップは、前記板紙のシートが前記複数の断熱シートを取り囲む連続ループを形成するように、前記板紙のシートのタブを前記板紙のシートの溝に挿入することを含む、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
前記複数の断熱シートのそれぞれは、接着剤によって一緒に固定されている、請求項79に記載の方法。
【請求項82】
前記複数の断熱シートの一部は平坦であり、一方、前記複数の断熱シートのその他のものはエンボスを有する、請求項79に記載の方法。
【請求項83】
前記複数の断熱シートは、接着剤によって一緒に固定されていない複数の積み重ねられた紙のシートを含み、各紙のシートは、セルロース材料からなり、その上に形成された複数の凹部を有する、請求項79に記載の方法。
【請求項84】
前記複数の断熱シートは、少なくとも3、5、10、15、20、25、または30枚の紙のシートを含む、請求項79に記載の方法。
【請求項85】
前記板紙のシートを前記複数の断熱シートの周りに折り畳む前に、前記複数の断熱シートを折り畳むことをさらに含む、請求項79に記載の方法。
【請求項86】
前記板紙のシートは、前記複数の断熱シートが配置された長方形のチャネルを形成するように折り畳まれる、請求項79に記載の方法。
【請求項87】
前記容器の前記内部容積内に配置された前記第1のライナーは、U字形構成を有する、請求項79に記載の方法。
【請求項88】
前記板紙のシートは、波形、平坦、およびそれらの組み合わせから選択される、請求項79に記載の方法。
【請求項89】
前記板紙のシートは、約0.8mm~約4.8mmの範囲の厚さを有する、請求項79に記載の方法。
【請求項90】
前記板紙のシートは、前記複数の断熱シートよりも剛性が高い、請求項79に記載の方法。
【請求項91】
前記板紙の少なくとも内面または外面に塗布される水不透過性材料のコーティングをさらに含む、請求項79に記載の方法。
【請求項92】
前記コーティングは、プラスチックからなる、請求項91に記載の方法。
【請求項93】
前記コーティングは、ポリエチレン(PE)、ポリラクチド(PLA)、生分解性ポリマー、またはそれらの組み合わせを含む、請求項91に記載の方法。
【請求項94】
前記第1のライナーは、75°Fの平均温度で測定された約3.5/インチ~約4.5/インチの範囲の熱抵抗値(R値)を有する、請求項79に記載の方法。
【請求項95】
温度断熱梱包システムであって、前記梱包システムは、
内部容積を画定する内面を有する容器と、
前記容器の前記内部容積内に配置され、輸送用アイテムを受け入れるように構成された区画を取り囲むライナーと、を含み、前記ライナーは、接着剤によって一緒に固定された複数の積み重ねられた断熱シートを含む第1のライナー部分を含み、前記複数の積み重ねられた断熱シートのいくつかは平坦であり、一方、前記複数の積み重ねられた断熱シートのその他のものはエンボスを有し、前記複数の積み重ねられた断熱シートのそれぞれは、セルロース材料からなる、温度断熱梱包システム。
【請求項96】
前記第1のライナー部分の前記複数の積み重ねられた断熱シートは、
上面、および対向する底面を有する第1の平坦なシートと、
上面、対向する底面、および複数の離間した第1のエンボスを有する第1のエンボス加工シートであって、各第1のエンボスが前記上面から外向きに突出し、終端で終わり、前記底面に公然と露呈している凹部を画定し、前記第1のエンボスの前記終端が前記接着剤によって前記第1の平坦なシートの前記底面に固定されている、第1のエンボス加工シートと、を含む、請求項95に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項97】
前記第1のライナー部分の前記複数の積み重ねられた断熱シートは、
上面、および対向する底面を有する第2の平坦なシートと、
複数の離間した第2のエンボスをさらに含む前記第1のエンボス加工シートであって、各第2のエンボスが前記底面から外向きに突出し、終端で終わり、前記上面に公然と露呈している凹部を画定し、前記第2のエンボスの前記終端が前記第1の平坦なシートと前記第2の平坦なシートとの間に前記第1のエンボス加工シートが配置されるように前記接着剤によって前記第2の平坦なシートの前記上面に固定されている、第1のエンボス加工シートと、をさらに含む、請求項95に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項98】
複数の外向きに突出するエンボスを有する第2のエンボス加工シートをさらに含み、前記第2のエンボス加工シートの前記エンボスは、前記接着剤によって前記第1の平坦なシートの前記上面に固定されている、請求項97に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項99】
前記複数の積み重ねられた断熱シートは、板紙のシートによって取り囲まれていない、請求項95に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項100】
前記第1のライナー部分は、U字形構成を有する、請求項95に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項101】
前記ライナーは、接着剤によって一緒に固定された複数の積み重ねられた断熱シートを含む第2のライナー部分を含み、前記複数の積み重ねられた断熱シートのいくつかは平坦であり、一方、前記複数の積み重ねられた断熱シートのその他のものはエンボスを有し、前記複数の積み重ねられた断熱シートのそれぞれは、セルロース材料からなり、前記第2のライナー部分は、U字形構成を有する、請求項100に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項102】
断熱された輸送用アイテムを梱包するための方法であって、
容器の内面に沿ってライナーを位置付けることであって、そのため前記ライナーが前記容器内の区画を少なくとも部分的に画定し、前記ライナーは、接着剤によって一緒に固定される複数の積み重ねられた断熱シートを含む第1のライナー部分を含み、前記複数の積み重ねられた断熱シートのいくつかは平坦であり、一方、前記複数の積み重ねられた断熱シートのその他のものはエンボスを有し、前記複数の積み重ねられた断熱シートのそれぞれは、セルロース材料からなる、位置付けることと、
前記容器内に冷源を配置することと、
前記容器内の前記区画内に輸送用アイテムを配置することと、を含み、
前記ライナーは、輸送中に前記輸送用アイテムを断熱する、方法。
【請求項103】
前記第1のライナー部分は、U字形構成を有する、請求項102に記載の方法。
【請求項104】
前記ライナーは、接着剤によって一緒に固定された複数の積み重ねられた断熱シートを含む第2のライナー部分を含み、前記複数の積み重ねられた断熱シートのいくつかは平坦であり、一方、前記複数の積み重ねられた断熱シートのその他のものはエンボスを有し、前記複数の積み重ねられた断熱シートのそれぞれは、セルロース材料からなり、前記第2のライナー部分は、U字形構成を有する、請求項103に記載の温度断熱梱包システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、輸送のための改善された断熱能力を有する温度断熱(temperature insulated)梱包システムおよび関連する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一部の生鮮製品の製造から流通までの貯蔵寿命を促進および延長するために、温度制御されたサプライチェーン(コールドチェーンと呼ばれることもある)が必要とされることが多い。例えば、途切れのないコールドチェーンは、一般に、中断のない一連の保管および流通業務を含み、それによって、製品の環境を望ましい比較的低い温度範囲内に一貫して維持する。その結果、コールドチェーン輸送で使用される梱包材は、製品の環境を望ましい比較的低い温度範囲内に長期間維持する必要があることが多く、それにより、製造から最終用途まで、コールドチェーンの全期間にわたって適切な温度範囲内に製品の温度を維持することを保証する。
【0003】
コールドチェーン輸送を必要とする製品は、典型的には、輸送前に冷却されて、断熱材料内に設置され、梱包材の外部の環境から断熱材を通って流れる熱を吸収するために、ほんの少量の氷または冷却剤と共に輸送される。長年にわたり、成形発泡ポリスチレン(「EPS」)容器が、コールドチェーン輸送の断熱材料として使用されてきた。例えば、生鮮品は通常、EPS容器(つまり、冷却器)内に設置され、続いて、順番にボール紙輸送箱内に設置される。
【0004】
EPS容器は、充分な断熱品質を提供するだけでなく、一般的に軽量ではあるものの、EPS容器には問題もある。例えば、EPSは、ポリスチレンマトリックス内に形成された多数の小さな気泡で構成される「発泡した」非圧縮性材料である。したがって、EPSの容積効率が低いと、空の容器を使用場所に運搬する際の輸送コストが増加し、使用前に容器を保管する際の倉庫保管コストが増加し、製品を収容するために必要とされる可能性があるものよりもしばしば大きいものである容器を提供し、それにより、輸送の費用がかかり、より多くの冷却材が必要になることによって、製品輸送コストが増加する。
【0005】
例えば、地球温暖化や過剰な梱包廃棄物などを含む、環境への懸念の高まりから、EPS容器に関する様々な環境懸念も高まっている。例えば、EPSの容積効率が低いと、リサイクルおよび/または廃棄が必要な容器廃棄材料の量が多くなる。さらに、EPSは現在、すべてのリサイクル施設で広くリサイクルできるわけではない。
【0006】
その結果、コールドチェーン輸送用途向けに、膨張空気、発泡コーンスターチ、またはリサイクルEPSフォームを使用する様々な「グリーン」または環境に優しい梱包断熱材が開発されてきた。しかしながら、そのような「グリーン」オプションは、概して充分な容積効率(すなわち、梱包材のサイズに対する製品のサイズ)および実行可能な(すなわち、単純な)リサイクルオプションを依然として欠いている。したがって、従来のEPSおよびその他の断熱梱包材料を置き換えるには、再生可能な資源で作られているだけでなく、充分な断熱品質および容積効率を提供する断熱梱包材料を提供することが望ましい場合がある。また、既存のリサイクル産業基盤を用いて比較的簡単なリサイクルオプションを提供する断熱梱包材料を提供することが望ましい場合もある。
【発明の概要】
【0007】
本開示の第1の独立した態様では、温度断熱(温度絶縁)梱包システムは、
内部容積を画定する内面を有する容器と、
容器の内部容積内に配置され、輸送用アイテムを受け入れるように構成された区画を少なくとも部分的に画定するライナーと、を含み、該ライナーは、
第1のセルロース材料からなり、チャネルを少なくとも部分的に画定する第1のスリーブであって、該第1のスリーブは、容器に向かって配置された外壁と、輸送用アイテムを受け入れるように構成された区画に向かって配置された対向する内壁とを有し、チャネルが、内壁と外壁との間に配置されている、第1のスリーブと、
第1のスリーブのチャネル内に配置された少なくとも1枚の断熱シートであって、第2のセルロース材料からなり、その上に形成された複数の凹部を有する、少なくとも1枚の断熱シートと、を含む。
【0008】
一実施形態では、第1のスリーブのセルロース材料は、約0.8mm~約4.8mmの範囲の厚さを有する。
【0009】
別の実施形態では、第1のスリーブのセルロース材料は、板紙の折り畳まれたシートを含む。
【0010】
別の実施形態では、板紙のシートは、波形、平坦、およびそれらの組み合わせから選択される。
【0011】
別の実施形態では、板紙のシートは、約0.8mm~約4.8mmの範囲の厚さを有する。
【0012】
別の実施形態では、板紙のシートは、少なくとも1枚の断熱シートよりも剛性が高い。
【0013】
別の実施形態では、板紙のシートは、少なくとも1枚の断熱シートの厚さよりも厚い厚さを有する。
【0014】
別の実施形態では、板紙のシートは、少なくとも1枚の断熱シートよりも剛性が低い。
【0015】
別の実施形態では、板紙は、タブおよび溝を含み、タブは、チャネルを取り囲む連続ループ状に板紙を固定するように、溝内に受け入れられる。
【0016】
別の実施形態では、板紙は、複数の離間したタブおよび複数の離間した溝を含み、複数のタブは、チャネルを取り囲む連続ループ状に板紙を固定するように、複数の溝内に受け入れられる。
【0017】
別の実施形態は、
チャネルと連通する開口部を備えた末端端面を有する第1のスリーブと、
第1のスリーブの末端端面から突出するカバーフラップであって、該カバーフラップは、開口部を少なくとも部分的に覆うように折り畳まれたカバーフラップと、をさらに含む。
別の実施形態では、折り畳まれたカバーフラップは、容器の内面に直接接して位置する。
【0018】
別の実施形態では、第1のスリーブの外壁は、容器の内面に直接接して配置され、第1のスリーブの内壁は、区画を少なくとも部分的に画定する。
【0019】
別の実施形態では、容器の内部容積内に配置された第1のスリーブは、U字形構成を有する。
【0020】
別の実施形態では、第1のスリーブのチャネルは、長方形の横断面を有する。
【0021】
別の実施形態では、ライナーは、
チャネルを少なくとも部分的に画定する第2のスリーブであって、該第2のスリーブは、容器に向かって配置された外壁と、輸送用アイテムを受け入れるように構成された区画に向かって配置された対向する内壁とを有し、第2のスリーブのチャネルは、第2のスリーブの内壁と外壁との間に配置されており、第2のスリーブは、第1のスリーブとは別個の個々のものであり、区画が第1のスリーブと第2のスリーブとの間に少なくとも部分的に配置されるように位置付けられている、第2のスリーブと、
第2のスリーブのチャネル内に配置された少なくとも1枚の断熱シートであって、セルロース材料からなり、その上に形成された複数の凹部を有する、少なくとも1枚の断熱シートと、をさらに含む。
【0022】
別の実施形態は、第1のスリーブから突出する第1の係止タブと、第2のスリーブ上に形成された第1の係止溝とをさらに含み、第1の係止タブは、第1のスリーブを第2のスリーブに固定するように、第1の係止溝内に受け入れられる。
【0023】
別の実施形態では、第1のスリーブはU字形構成を有し、第2のスリーブはU字形構成を有する。
【0024】
別の実施形態は、
チャネルと連通する開口部を備えた第1の末端端面を有する第2のスリーブと、
第2のスリーブの第1の末端端面から突出する第1のカバーフラップと、
第1のカバーフラップから突出する第1の係止タブと、
第2のスリーブ上に形成された第1の係止溝であって、第1の係止タブが第1のスリーブを第2のスリーブに固定するように、該第1の係止溝内に受け入れられる、第1の係止溝と、をさらに含む。
【0025】
別の実施形態は、
チャネルと連通する開口部を備えた第1の末端端面の反対側の第2の末端端面を有する第2のスリーブと、
第2のスリーブの第2の末端端面から突出する第2のカバーフラップと、
第2のカバーフラップから突出する第2の係止タブと、
第2のスリーブ上に形成された第2の係止溝であって、第2の係止タブが第1のスリーブを第2のスリーブに固定するように、該第2の係止溝内に受け入れられる、第2の係止溝と、をさらに含む。
【0026】
別の実施形態では、第1のスリーブは、それぞれが外壁と内壁との間に延びる第1の側壁および対向する第2の側壁を有し、第1の係止溝が第1の側壁上に形成され、第2の係止溝が第2の側壁上に形成される。
【0027】
別の実施形態は、
内面、および対向する外面を有する第1のスリーブと、
第1のスリーブの少なくとも内面または外面に塗布されている水不透過性材料のコーティングと、をさらに含む。
【0028】
別の実施形態では、コーティングは、プラスチックからなる。
【0029】
別の実施形態では、コーティングは、ポリエチレン(PE)、ポリラクチド(PLA)、生分解性ポリマー、またはそれらの組み合わせを含む。
【0030】
別の実施形態では、少なくとも1枚の断熱シートは、少なくとも1回折り畳まれる。
【0031】
別の実施形態では、少なくとも1枚の断熱シートは、一緒に積み重ねられた複数の別個の紙のシートを含み、複数の別個の紙のシートのそれぞれは、セルロース材料からなり、その上に形成された複数の凹部を有する。
【0032】
別の実施形態では、積み重ねられた複数の別個の紙のシートは、2回折り畳まれて、三つ折りを形成する。
【0033】
別の実施形態では、複数の別個の紙のシートは、少なくとも3、5、10、15、20、25または30枚の紙のシートを含む。
【0034】
別の実施形態では、複数の別個の紙のシートは、複数の別個の紙のシートの少なくとも5、10、15、20、25、または30の垂直に積み重ねられた層となるように折り畳まれている。
【0035】
別の実施形態は、
上面、および対向する底面を有する第1の平坦なシートと、
上面、対向する底面、および複数の離間した第1のエンボスを有する第1のエンボス加工シートであって、各第1のエンボスが上面から外向きに突出し、終端で終わり、底面に公然と露呈している凹部を画定し、第1のエンボスの終端が接着剤によって第1の平坦なシートの底面に固定されている、第1のエンボス加工シートと、をさらに含む。
【0036】
別の実施形態は、
上面、および対向する底面を有する第2の平坦なシートと、
複数の離間した第2のエンボスをさらに含む第1のエンボス加工シートであって、各第2のエンボスが底面から外向きに突出し、終端で終わり、上面に公然と露呈している凹部を画定し、第2のエンボスの終端が第1の平坦なシートと第2の平坦なシートとの間に第1のエンボス加工シートが配置されるように接着剤によって第2の平坦なシートの上面に固定されている、第1のエンボス加工シートと、をさらに含む。
【0037】
別の実施形態は、複数の外向きに突出するエンボスを有する第2のエンボス加工シートをさらに含み、第2のエンボス加工シートのエンボスは、接着剤によって第1の平坦なシートの上面に固定されている。
【0038】
別の実施形態では、少なくとも1枚の断熱シートは、約0.15mm~約0.4mmの範囲の厚さを有する紙のシートを含む。
【0039】
別の実施形態では、少なくとも1枚の断熱シートは、セルロースワッディングのシートを含む。
【0040】
別の実施形態では、少なくとも1枚の断熱シートは、エンボス加工された薄葉紙のシートを含む。
【0041】
別の実施形態では、少なくとも1枚の断熱シートは、複数の垂直に積み重ねられた断熱シートを含み、複数のポケットが、複数の垂直に積み重ねられた断熱シート間で画定されている。
【0042】
別の実施形態では、ライナーは、輸送用アイテムを受け入れるように構成された区画を囲むように、容器の内面を覆って延びる。
【0043】
別の実施形態では、ライナーは、少なくとも0.5cm、1cm、または1.5cmの厚さを有する。
【0044】
別の実施形態では、ライナーは、75°Fの平均温度で測定された約3.5/インチ~約4.5/インチの範囲の熱抵抗値(insulation rating)(R値)を有する。
【0045】
別の実施形態では、容器は箱を含み、セルロース材料からなる。
【0046】
別の実施形態では、容器のセルロース材料は板紙を含む。
【0047】
別の実施形態では、板紙は波形の板紙を含む。
【0048】
別の実施形態は、
内面、および対向する外面を有する容器と、
容器の少なくとも内面または外面に塗布されている水不透過性材料のコーティングと、をさらに含む。
【0049】
別の実施形態では、コーティングは、プラスチックからなる。
【0050】
別の実施形態では、コーティングは、ポリエチレン(PE)、ポリラクチド(PLA)、生分解性ポリマー、またはそれらの組み合わせを含む。
【0051】
別の実施形態では、容器およびライナーは、発泡ポリスチレンまたは非生分解性プラスチックを含まない。
【0052】
別の実施形態では、冷源が、内部容積内に配置される。
【0053】
別の実施形態では、冷源は、ドライアイスを含む。
【0054】
別の実施形態では、冷源は、少なくとも1つの凍結ゲルパックを含む。
【0055】
別の実施形態では、冷源は、輸送用アイテムを受け入れるように構成された区画内に配置され、ライナーによって取り囲まれる。
【0056】
別の実施形態では、冷源は、輸送用アイテムを含む。
【0057】
別の実施形態では、冷源は、輸送の前に区画の少なくとも一部を11℃未満の温度に冷却するように構成される。
【0058】
別の実施形態は、輸送用アイテムをさらに含み、輸送用アイテムは、内部容積内に配置される。
【0059】
別の実施形態では、冷源は、輸送用アイテムの上下に配置される。
【0060】
別の実施形態では、冷源は、輸送用アイテムを完全に取り囲む。
【0061】
別の実施形態では、輸送用アイテムは、生物学的材料を含む。
【0062】
別の実施形態では、第1のスリーブの第1のセルロース材料および少なくとも1枚の断熱シートの第2のセルロース材料は、同じセルロース材料または異なるセルロース材料を含む。
【0063】
別の実施形態では、ライナーは、輸送用アイテムを受け入れるように構成された区画を取り囲む。
【0064】
別の実施形態は、
それぞれが外壁と内壁との間に延びる、第1の側壁および対向する第2の側壁と、
チャネルと連通し、第1の側壁と第2の側壁との間に延びるように、内壁を通過する第1の溝および離間した第2の溝と、をさらに含む。
【0065】
別の実施形態は、
第1の側壁を通って延び、第1の溝と交差する第1のV字形切欠と、
第1の側壁を通って延び、第2の溝と交差する第2のV字形切欠と、をさらに含む。
【0066】
本開示の第2の独立した態様は、
ライナーが容器内の区画を少なくとも部分的に画定するように、容器の内面に沿ってライナーを位置付けることであって、該ライナーは、
第1のセルロース材料からなり、チャネルを少なくとも部分的に画定する第1のスリーブであって、該第1のスリーブは、容器に向かって配置された外壁と、容器内に位置付けられるときに区画に向かって配置される対向する内壁とを有し、チャネルが、内壁と外壁との間に配置されている、第1のスリーブと、
第1のスリーブのチャネル内に配置された少なくとも1枚の断熱シートであって、第2のセルロース材料からなり、その上に形成された複数の凹部を有する、少なくとも1枚の断熱シートと、を含む、位置付けることと、
容器内に冷源を配置することと、
容器内の区画内に輸送用アイテムを配置することと、を含み、
ライナーは、輸送中に輸送用アイテムを断熱する。
【0067】
一実施形態では、ライナーは、容器内に取り外し可能に配置される。
【0068】
別の実施形態では、第1のスリーブは、容器内に位置付けられるときにU字形構成を有する。
【0069】
別の実施形態は、
セルロース材料からなり、チャネルを少なくとも部分的に画定する第2のスリーブと、
第2のスリーブのチャネル内に配置された少なくとも1枚の断熱シートであって、セルロース材料からなり、その上に形成された複数の凹部を有する、少なくとも1枚の断熱シート、をさらに含み、
第2のスリーブは、容器内に位置付けられるときにU字形構成を有する。
【0070】
別の実施形態は、第2のスリーブを第1のスリーブに連結するように、第2のスリーブから突出する係止タブを第2のスリーブ上に形成された係止溝に挿入することをさらに含む。
【0071】
別の実施形態は、生物学的材料をさらに含む。
【0072】
別の実施形態では、第1のスリーブは、板紙の折り畳まれたシートを含む。
【0073】
別の実施形態では、板紙のシートは、少なくとも1枚の断熱シートよりも剛性が高い。
【0074】
別の実施形態では、板紙のシートは、少なくとも1枚の断熱シートよりも剛性が低い。
【0075】
別の実施形態では、第1のスリーブのチャネルは、長方形の横断面を有する。
【0076】
別の実施形態では、少なくとも1枚の断熱シートは、一緒に積み重ねられた複数の別個の紙のシートを含み、複数の別個の紙のシートのそれぞれは、セルロース材料からなり、その上に形成された複数の凹部を有する。
【0077】
別の実施形態では、積み重ねられた複数の別個の紙のシートは、折り畳まれている。
【0078】
別の実施形態では、複数の別個の紙のシートは、少なくとも3、5、10、15、20、25、または30枚の紙のシートを含む。
【0079】
別の実施形態では、少なくとも1枚の断熱シートは、エンボス加工されたセルロースワッディングのシートを含む。
【0080】
別の実施形態では、容器は、ボール紙箱を含む。
【0081】
別の実施形態では、冷源は、ドライアイスを含む。
【0082】
別の実施形態では、冷源は、少なくとも1つの凍結ゲルパックを含む。
【0083】
別の実施形態では、ライナーは、75°Fの平均温度で測定された約3.5/インチ~約4.5/インチの範囲の熱抵抗値(R値)を有する。
【0084】
本開示の第3の独立した態様は、
板紙のシートが複数の断熱シートを取り囲むように板紙のシートを複数の断熱シートの周りに折り畳むことであって、該板紙のシートと該複数の断熱シートとは第1のライナー部分を形成するために組み合わされる、折り畳むことと、
容器の内部容積内に第1のライナー部分を位置付けることと、を含む。
【0085】
一実施形態は、板紙のシートが複数の断熱シートを取り囲む連続ループを形成するように、板紙のシートのタブを板紙のシートの溝に挿入すること、をさらに含む。
【0086】
別の実施形態では、複数の断熱シートのそれぞれは、接着剤によって一緒に固定されている。
【0087】
別の実施形態では、複数の断熱シートの一部は平坦であり、一方、複数の断熱シートのその他のものはエンボスを有する。
【0088】
別の実施形態では、複数の断熱シートは、接着剤によって一緒に固定されていない複数の積み重ねられた紙のシートを含み、各紙のシートは、セルロース材料からなり、その上に形成された複数の凹部を有する。
【0089】
別の実施形態では、複数の断熱シートは、少なくとも3、5、10、15、20、25、または30枚の紙のシートを含む。
【0090】
別の実施形態は、板紙のシートを複数の断熱シートの周りに折り畳む前に、複数の断熱シートを折り畳むこと、をさらに含む。
【0091】
別の実施形態では、板紙のシートは、複数の断熱シートが配置された長方形のチャネルを形成するように折り畳まれる。
【0092】
別の実施形態では、容器の内部容積内に配置された第1のライナーは、U字形構成を有する。
【0093】
別の実施形態では、板紙のシートは、波形、平坦、およびそれらの組み合わせから選択される。
【0094】
別の実施形態では、板紙のシートは、約0.8mm~約4.8mmの範囲の厚さを有する。
【0095】
別の実施形態では、板紙のシートは、複数の断熱シートよりも剛性が高い。
【0096】
別の実施形態は、板紙の少なくとも内面または外面に塗布される水不透過性材料のコーティングをさらに含む。
【0097】
別の実施形態では、コーティングは、プラスチックからなる。
【0098】
別の実施形態では、コーティングは、ポリエチレン(PE)、ポリラクチド(PLA)、生分解性ポリマー、またはそれらの組み合わせを含む。
【0099】
別の実施形態では、第1のライナーは、75°Fの平均温度で測定された約3.5/インチ~約4.5/インチの範囲の熱抵抗値(R値)を有する。
【0100】
本開示の第4の独立した態様は、
内部容積を画定する内面を有する容器と、
容器の内部容積内に配置され、輸送用アイテムを受け入れるように構成された区画を取り囲むライナーと、を含み、該ライナーは、接着剤によって一緒に固定された複数の積み重ねられた断熱シートを含む第1のライナー部分を含み、複数の積み重ねられた断熱シートの一部は平坦であり、一方、複数の積み重ねられた断熱シートのその他のものはエンボスを有し、複数の積み重ねられた断熱シートのそれぞれは、セルロース材料からなる。
【0101】
別の実施形態は、第1のライナー部分の複数の積み重ねられた断熱シートをさらに含み、該複数の積み重ねられた断熱シートは、
上面、および対向する底面を有する第1の平坦なシートと、
上面、対向する底面、および複数の離間した第1のエンボスを有する第1のエンボス加工シートであって、各第1のエンボスが上面から外向きに突出し、終端で終わり、底面に公然と露呈している凹部を画定し、第1のエンボスの終端が接着剤によって第1の平坦なシートの底面に固定されている、第1のエンボス加工シートと、をさらに含む。
【0102】
別の実施形態では、第1のライナー部分の複数の積み重ねられた断熱シートは、
上面、および対向する底面を有する第2の平坦なシートと、
複数の離間した第2のエンボスをさらに含む第1のエンボス加工シートであって、各第2のエンボスが底面から外向きに突出し、終端で終わり、上面に公然と露呈している凹部を画定し、第2のエンボスの終端が第1の平坦なシートと第2の平坦なシートとの間に第1のエンボス加工シートが配置されるように接着剤によって第2の平坦なシートの上面に固定されている、第1のエンボス加工シートと、をさらに含む。
【0103】
別の実施形態は、複数の外向きに突出するエンボスを有する第2のエンボス加工シートをさらに含み、第2のエンボス加工シートのエンボスは、接着剤によって第1の平坦なシートの上面に固定されている。
【0104】
別の実施形態では、複数の積み重ねられた断熱シートは、板紙のシートによって取り囲まれていない。
【0105】
別の実施形態では、第1のライナー部分は、U字形構成を有する。
【0106】
別の実施形態では、ライナーは、接着剤によって一緒に固定された複数の積み重ねられた断熱シートを含む第2のライナー部分を含み、複数の積み重ねられた断熱シートの一部は平坦であり、一方、複数の積み重ねられた断熱シートのその他のものはエンボスを有し、複数の積み重ねられた断熱シートのそれぞれは、セルロース材料からなり、第2のライナー部分は、U字形構成を有する。
【0107】
本開示の第5の独立した態様は、
ライナーが容器内の区画を少なくとも部分的に画定するように、容器の内面に沿ってライナーを位置付けることであって、該ライナーは、接着剤によって一緒に固定される複数の積み重ねられた断熱シートを含む第1のライナー部分を含み、複数の積み重ねられた断熱シートの一部は平坦であり、一方、複数の積み重ねられた断熱シートのその他のものはエンボスを有し、複数の積み重ねられた断熱シートのそれぞれは、セルロース材料からなる、位置付けることと、
容器内に冷源を配置することと、
容器内の区画内に輸送用アイテムを配置することと、を含み、
ライナーは、輸送中に輸送用アイテムを断熱する。
【0108】
一実施形態では、第1のライナー部分は、U字形構成を有する。
【0109】
別の実施形態では、ライナーは、接着剤によって一緒に固定された複数の積み重ねられた断熱シートを含む第2のライナー部分を含み、複数の積み重ねられた断熱シートの一部は平坦であり、一方、複数の積み重ねられた断熱シートのその他のものはエンボスを有し、複数の積み重ねられた断熱シートのそれぞれは、セルロース材料からなり、第2のライナー部分は、U字形構成を有する。
【0110】
本開示の上記の独立した態様のそれぞれは、上記の独立した態様のそれぞれの下で上記に記載された機能およびオプションを含む、本明細書の他の場所に記載された機能、オプションおよび可能性のいずれかをさらに含み得る。
【0111】
ここで添付の図面を参照し、本開示の様々な実施形態を説明する。これらの図面は、本開示の典型的な実施形態のみを示しており、したがって、その範囲を限定するものとみなされるべきではないことが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【
図1】容器および容器用のライナーを含む梱包システムの部分的な分解斜視図である。
【
図2】平らに置かれた
図1に示されているライナー部分の1つの斜視図である。
【
図3】
図2に示されているライナー部分の分解斜視図である。
【
図4A】
図3に示されているライナー部分の断熱シートの断面図である。
【
図4B】断熱シートが折り畳まれている
図4Aに示されている断熱シートの代替配置の断面図である。
【
図4C】断熱シートが三つ折りに折り畳まれている
図4Aに示されている断熱シートの代替配置の断面図である。
【
図5A】上に形成された凹部を有する
図3に示されている断熱シートの1つの上面図である。
【
図5B】上に円形の凹部を有する代替の断熱シートの上面図である。
【
図5C】上に形成された長方形の凹部を有する代替の断熱シートの上面図である。
【
図5D】上に形成されたZ字型の凹部を有する代替の断熱シートの上面図である。
【
図5E】上に形成された三角形の凹部を有する代替の断熱シートの上面図である。
【
図6】その間に形成されたポケットを有する複数の積み重ねられた断熱シートの断面図である。
【
図7】
図1に示されている組み立てられたライナー部分の斜視図である。
【
図8】容器内に挿入された
図1に示されている第1のライナー部分の斜視図である。
【
図9】第2のライナー部分がその中に受け入れられている
図8に示されている組立体の斜視図である。
【
図10】冷源および輸送用アイテムを収容する
図1に示されている組み立てられた梱包システムの側面断面図である。
【
図11】内側容器および外側容器を含む輸送用アイテムの概略図である。
【
図12】充填剤がその中の区画の一部を占めている
図10に示されている梱包システムの代替の実施形態である。
【
図13】
図1に示されているライナーの代替実施形態の分解斜視図である。
【
図14】改良されたライナー部分を使用する梱包システムの代替実施形態の部分的な分解斜視図である。
【
図15】平らに置かれた
図14に示されているライナー部分の1つの斜視図である。
【
図16】
図15に示されているライナー部分の分解斜視図である。
【
図17】平らに置かれた
図14に示されている他のライナー部分の斜視図である。
【
図18】
図17に示されているライナー部分の分解斜視図である。
【
図19】一緒に連結された
図14に示されている2つのライナー部分の斜視図である。
【
図20】
図14の容器内に配置された
図19に示されている連結されたライナー部分の斜視図である。
【
図21】ライナー内で使用するために改良された断熱シートの斜視図である。
【
図24】4つの異なる梱包システムのテストを比較したグラフである。
【
図25】スリーブなしで
図21の断熱シートを使用する梱包システムの代替実施形態の部分的な分解斜視図である。
【
図26】
図25に示されている組み立てられた断熱シートの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0113】
本開示を詳細に説明する前に理解されるべきことは、本開示は、詳細に例示されている構造体、システム、方法、またはプロセスパラメータに限定されず、当然のことながら、変化し得ることである。また、理解されるべきことは、本明細書に用いる用語は、本開示の特定の実施形態を説明するためだけのものであり、いかなる場合も、本開示の範囲を限定することを意図するものではないことである。
【0114】
本明細書に引用されるすべての刊行物、特許および特許出願は、前掲であるか後掲であるかにかかわらず、個々の刊行物、特許または特許出願が具体的に、かつ個別に示されて参照により援用されるのと同じ程度に、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0115】
「含む」「含有する」と同義である「備える」、または「それによって特徴付けられる」という用語は包括的なものであって限定がないものであり、列挙されていない追加の要素あるいは方法ステップを除外しない。
【0116】
本明細書および添付の特許請求の範囲に用いられる単数形「a」「an」および「the」は、その内容が明確に指示されていない限り複数の対象を含むことに留意されたい。したがって、例えば、「シート」への言及には、1枚、2枚、またはそれ以上のシートが含まれる。
【0117】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用されるように、「上(top)」、「下(bottom)」、「左(left)」、「右(right)」、「上(up)」、「下(down)」、「上(upper)」、「下(lower)」、「近位(proximal)」、「遠位(distal)」などの方向を示す用語は、相対的な方向を示すためだけに本明細書で使用され、また他の点で、本開示または特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。
【0118】
可能な場合には、要素の同様の参照符号が様々な図面に用いられている。さらに、要素および/または親要素の副要素の複数の事例はそれぞれ、要素番号に付加された別個の文字を含む場合がある。例えば、特定の要素「10」の2つの事例は、「10A」および「10B」とラベル付けされることがある。その場合、要素ラベルは、1つの要素のすべての事例、あるいは複数の要素のうちのいずれか1つを全般的に言及するために、添付の文字(例えば、「10」)なしで用いられる場合がある。添付の文字(例えば、「10A」)を含む要素ラベルは、要素の特定の実例を言及するために、あるいはその要素の複数の使用を区別するか、もしくは注意を促すために用いられる場合がある。さらに、添付の文字を伴う要素ラベルは、添付の文字を伴わない要素または特徴の代替設計、構造、機能、実装形態、および/または実施形態を設計するために使用される場合がある。同様に、親要素の副要素を示すために、添付の文字を伴う要素ラベルが使用される場合がある。例えば、要素「12」は、副要素「12A」および「12B」を含み得る。
【0119】
本発明の装置およびシステムの様々な態様は、連結され、取り付けられ、および/または一緒に接合された要素を説明することにより例示され得る。本明細書で使用される場合、「連結された」、「取り付けられた」および/または「接合された」という用語は、2つの構成要素間の直接接続、または適宜、介在または中間構成要素を介する相互間接接続を示すために使用される。対照的に、ある構成要素が別の構成要素に「直接連結された」、「直接取り付けられた」、および/または「直接接合された」と言及される場合、介在要素は存在しない。さらにまた、本明細書に使用されるように、「接続」「接続された」および類似のものは、2つ以上の要素の間の直接的な接触を必ずしも意味するわけではない。
【0120】
本発明の装置、システムおよび方法の様々な態様は、1つまたは複数の例示的な実施形態を参照して例示される場合がある。本明細書で使用される場合、「実施形態」という用語は、「例、実例あるいは例証としての役割をする」ことを意味しており、本明細書に開示される他の実施形態以上に好ましいあるいは有利であると必然的に解釈されるべきではない。
【0121】
特に定めない限り、本明細書に用いるすべての専門的かつ科学的な用語は、本開示が関連する技術の当業者が一般的に理解するものと同じ意味を有する。本明細書に記載されているものに類似のあるいは等価な多くの方法および材料を本開示の実施に用いることができるが、好ましい材料および方法は本明細書に記載されている。
【0122】
概して、本開示は、生物学的材料、食品、医薬品、および化学物質などの生鮮材料を輸送するために使用できる、温度断熱梱包システムおよび関連する製造および使用方法に関し、該生鮮材料は、それらの生存性または有用性を維持するために、制御された温度で輸送される必要があるものである。このような梱包システムは、コールドチェーン輸送プロセスの一部として使用できる。
【0123】
図1に示されているのは、容器12と、容器12内に受け入れられるように設計されたライナー14Aとを含む、温度断熱梱包システム10の一実施形態である。以下でより詳細に論じるように、梱包システム10は、冷源と、容器12内に位置付けることもできる輸送用アイテムをさらに含む場合がある。
【0124】
容器12は、外面18および内面20を有する。内面20は、内部容積22を画定する。示されている実施形態では、容器12は、頂壁26と対向する底壁28との間に延びる包囲側壁24を有する正方形または長方形の箱あるいは立方体の形態である。包囲側壁24は、平行に位置合わせされて配置され、対向する側壁34と側壁36との間に延びる、前壁30および対向する奥壁32を含む場合がある。側壁34および36も、平行に位置合わせされて配置される。各壁は、正方形または長方形であってよい。示されているように、頂壁26は、壁30、32、34、および36の上端部に、例えばリビングヒンジによって、それぞれヒンジで取り付けられた複数のパネル38A、38B、38C、および38Dを含む場合がある。パネル38は、
図1に示されているように、内部容積22への上部入口40を開くために、外側に折り畳むことができる。パネル38はまた、内部容積22を覆って、囲むように、内側に折り畳むこともできる。底壁32もまた、壁30、32、34、および36の下端部にヒンジで取り付けられ、パネル38と同じように動作することができる複数のパネルからなってもよい。
【0125】
他の実施形態では、容器12は、異なる構成を有する場合がある。例えば、容器12の包囲側壁24は、正方形または長方形の横断面を有する必要はなく、円形、楕円形であってもよく、あるいは頂壁と対向する底壁との間に延びる他の多角形の横断面を有していてもよい。他の形状や構成が用いられてもよい。
【0126】
容器12のサイズ、したがって内部容積22のサイズは、輸送されるアイテムのサイズおよびアイテムがその中で冷たく保たれる必要がある期間に部分的に依存して変化し得る。いくつかの実施形態では、内部容積22が少なくとも、または1,500cm3、3,000cm3、8,000cm3、0.027m3、もしくは0.125m3未満の容積を有するか、あるいは前述の値のうち任意の2つの間の範囲であるように、容器12は、寸法決めされてよい。他の容積が用いられてもよい。
【0127】
容器12は、一般的には、木材、綿、布、および/または再生紙などのセルロース材料からなる1つまたは複数の可撓性シートからなる。より一般的には、容器12は、板紙などの1枚または複数枚の紙のシートからなる。板紙は、平坦(すなわち、波形がない)、波形、またはそれらの組み合わせであり得る。板紙は、一般的には、段ボールなどのボール紙を含む。したがって、容器12は、従来のボール紙箱を含む場合がある。容器12を形成するために使用される可撓性の板紙またはボール紙は、典型的には、折り畳み可能であり、0.8mm~5mm、より一般的には0.8mm~3mmまたは1mm~3mmの範囲の厚さを有する。
【0128】
容器12の断熱能力を改善することを助力するために、水不透過性コーティングが外面18および/または内面20に塗布されてもよい。コーティングは、プラスチックであってもよい。コーティングは、好ましくは、ポリエチレン(PE)またはポリラクチド(PLA)のような生分解性ポリマーなどの生分解性材料である。コーティングは、容器12を形成するために使用されるシートの形成中または形成後に、噴霧、塗装、印刷、またはその他の方法で塗布されてよい。コーティングはまた、容器12が形成されている間、または容器12が形成された後に塗布されてもよい。
【0129】
図1に示されている実施形態では、ライナー14Aは、第1のライナー部分50Aおよび第2のライナー部分50Bを含み、これらは両方とも、U字形構成に選択的に折り畳むことができる。
図2を参照すると、ライナー部分50Aは平坦な構成に広げられている。概して、ライナー部分50Aは、その長さに沿って延びるチャネル54Aを画定する管状スリーブ52Aを含む。示されている実施形態では、チャネル54Aは、長方形の横断面を有する。チャネル54A内に配置されているのは、1つまたは複数の断熱シート56Aである。より具体的には、管状スリーブ52Aは、外壁58Aおよび対向する内壁60Aを含み、これらは、両方とも第1の端部62Aと対向する第2の端部64Aとの間で長手方向に延び、第1の側壁66Aと対向する第2の側壁68Aとの間で横方向に延びる。チャネル54Aは、外壁58Aの内面と内壁60Aの内面との間、および側壁66Aの内面と側壁68Aの内面との間で画定される。ライナー部分50Aは、外壁58A内壁60Aの外面との間で延びる厚さT
1を有し、これは、典型的には、少なくとも、または0.5cm、1cm、1.5cm、2cm、もしくは3cm未満であるか、あるいは前述の値のうち任意の2つの間の範囲である。以下でより詳細に論じるように、ライナー部分50Aの長さおよび幅は、容器12のサイズに依存する場合がある。
【0130】
図2にも示されているように、一対の離間した溝70Aおよび72Aは、内壁60Aを通過してチャネル54Aに達し、側壁66Aおよび68Aの間に延びる。チャネル54Aと連通し、溝70Aおよび70Bと交差するように第1の側壁66Aを通って延びるのは、それぞれ、V字形切欠74Aおよび76Aである。同様に、V字形切欠75Aおよび77A(
図3)は、チャネル54Aと連通し、溝70Aおよび72Aと交差するように、第2の側壁68Aを通って延びる。溝および切欠により、第1のライナー部分50Aは、ライナー部分50Aの断熱能力を最大化しながら、
図2に示される平坦な構成と
図1に示されるU字形構成との間で容易に折り畳み、広げることができる。例えば、ライナー部分50AがU字形構成に折り畳まれている場合、各溝の対向する縁と、各切欠の対向する縁とは、互いに嵌合するか、または密接に隣接して配置される。結果として、ライナー部分50Aの内側コーナーは、外壁58および内壁60によって、および対向する側壁66および68によって、対向する側面で画定される。したがって、内側コーナーでのライナー部分50Aの断熱能力は、内側コーナーから離間したライナー部分50Aの面の断熱能力と同じまたは実質的に同じである。他の実施形態では、溝および/または切欠は、可撓性シートまたはフィルムで覆われ得るか、あるいは、それらは排除され、それらの位置における材料が、容易な曲げを可能にするが、それでも断熱能力を維持することを助力するために、畳まれるか、または他の方法で加工または処理され得る。
【0131】
管状スリーブ52Aは、典型的には、
図3に示すように、切断または他の方法で半加工品80に形成され、次いで折り畳まれてスリーブ52Aに固定される可撓性/折り畳み可能材料のシートから作られる。スリーブ52Aを形成するために使用される材料のシートは、上で論じたように、容器12を形成するために使用されるのと同じ材料のいずれかであってよい。例えば、スリーブ52Aは、典型的には、セルロース材料からなるシートから作られ、一般的には、板紙などの紙のシートを含む。板紙は、平坦または波形のものであってもよく、一般的には、ボール紙または段ボールを含む。スリーブ52Aを形成するシートの厚さおよび組成はまた、容器12を形成するために使用されるシートに関して上で論じたのと同じようなものであってもよい。
【0132】
半加工品80が所望の構成に形成される前または後に、折り目線82が、半加工品80上に形成されてよい。具体的には、内壁60Aと第2の側壁68Aとの交点に折り目線82A1が形成され、外壁58Aと第2側壁68Aとの交点に折り目線82A2が形成され、外壁58Aと第1の側壁66Aとの交点に折り目線82A3が形成され、第1の側壁66Aと第1の側壁66Aから突出するタブ78Aとの交点に折り目線82A4が形成される。折り目線82は、折り目線の位置に沿ってシートを一緒につまむか加圧することによって、または従来のボール紙箱の半加工品に折り線を形成するのに使用される他の従来の技術を使用することによって形成することができる。半加工品80がスリーブ52Aの所望の構成に折り畳まれるときに、スリーブ52Aを管状構成に保持するために、テープ、接着剤または固定構造体が使用されてもよい。
図3に示されている実施形態では、タブ78Aは、側壁66Aの縁から突出して形成されている。半加工品80がスリーブ52Aに折り畳まれているときに、タブ78Aは、内壁60Aの上または下のいずれかに位置付けられ得る。スリーブ52Aを連続ループ状に固定するように、側壁66Aを内壁60Aに完全に固定するために、タブ78Aに、接着剤が塗布されてよい。
【0133】
容器12と同様に、スリーブ52Aの断熱能力を改善することを助力するために、水不透過性コーティングが、半加工品80または形成されたスリーブ52Aの外面および/または内面に塗布されてもよい。すなわち、コーティングは、半加工品80の形成中または形成後に、噴霧、塗装、印刷、またはその他の方法で塗布されてよい。コーティングは、スリーブ52Aが形成されている間、またはスリーブ52Aが形成された後に塗布されてもよい。コーティングは、プラスチックを含むことができ、一般的には、ポリエチレン(PE)またはポリラクチド(PLA)のような生分解性ポリマーなどの生分解性材料である。
【0134】
断熱シート56Aは、木材、綿、米、布、および/または再生紙などのセルロース材料からなる可撓性/折り畳み可能シートを含む。典型的には、断熱シート56Aは、紙のシートを含み、より一般的には、ワッディング、ダンネージ、または薄葉紙を含む。他の種類の紙も使用されてよい。断熱シート56Aの各シートは、典型的には、容器12および/またはスリーブ52Aを形成するために使用される材料のシートよりも薄く、より柔軟で、より剛性が低い。いくつかの実施形態では、断熱シート56Aの各シートは、1mm、0.5mm、0.4mm、0.25mm、または0.15mm未満の厚さを有する場合があるか、あるいは前述の値のうち任意の2つの間の範囲、例えば、0.4mm~0.15mmの範囲であり得る厚さである。他の厚さが用いられてもよい。紙を測定する一般的な方法の1つは、500枚あたりのポンド重量である「ポンドボンド」である。この測定値を使用すると、シートの厚さが増すにつれて、ポンドボンドの測定値が増加する。本開示のいくつかの実施形態では、断熱シート56Aの各シートは、少なくとも、または5、10、15、20、25、もしくは30未満のポンドボンド測定値を有する場合があるか、あるいは前述の値のうち任意の2つの間の範囲、例えば、5~15の範囲であり得るポンドボンド測定値である。他の測定値が用いられてもよい。
【0135】
断熱シート56Aの各シートの厚さは、一般的には、容器12および/またはスリーブ52Aを形成するために使用されるシートの厚さの60%または40%未満である。ライナー部分50Aの形成の際に、1つまたは複数の断熱シート56Aが使用されてよい。ライナー部分50Aの断熱シート56Aで使用される別個のシートの数は、一般的には、少なくとも、または3、5、10、15、20、25、もしくは30枚未満であるか、あるいは前述の値のうち任意の2つの間の範囲である。例えば、断熱シート56Aで使用される別個のシートの数は、一般的には、5~30の範囲である。
【0136】
断熱シート56Aは、垂直に積み重ねられた重なり合う層を生成するように配置されている。垂直に積み重ねられた重なり合う層の数は、典型的には、少なくとも5、10、15、20、25、または30であり、一般的には、5層~30層の範囲であり、10層~25層、または15層~25層がより一般的である。所望の層の数は、
図4Aに示されているように、所望の数の層に等しい別個の個々の断熱シート56Aを垂直に積み重ねることによって、または、所望の数の層を実現するように、選択された数の断熱シート56を1回、2回、3回またはそれ以上に折り畳むことによって、実現することができる。例えば、
図4Aは、折り畳みなしで垂直に積み重ねられ、9つの垂直に重なり合う層を生成する9つの個々の断熱シート56Aを示している。
図4Bは、垂直に積み重ねられ、次にそれ自体の上部に一度折り畳まれて、18個の垂直に積み重ねられた重なり合う層を生成する9つの個々の断熱シート56Aを示す。同様に、
図4Cは、垂直に積み重ねられ、次にそれ自体の上部に2回折り畳まれて、27個の垂直に積み重ねられた重なり合う層を有する三つ折りを生成する9つの個々の断熱シート56Aを示す。他の配置が用いられてもよい。例えば、断熱シート56Aを垂直に積み重ね、次にシートのすべてを同時に折り畳むのとは対照的に、所望の数の重なり合った層を実現するために、各個別の断熱シート56Aは、最初に所望の回数で折り畳まれ、次いで、個別の折り畳まれたシートが、垂直に積み重ねられてもよい。
【0137】
図5Aに示されているように、断熱シート56Aの断熱能力を改善することを助力するために、断熱シート56のそれぞれは、その対向する面の一方または両方上に複数の凹部84を伴って形成されてもよい。凹部84は、様々な異なる方法で形成することができ、様々な異なるサイズおよび形状を有する場合がある。一実施形態では、凹部84は、従来のエンボス加工技術を使用して、断熱シート56にエンボス加工される場合がある。各凹部84は、多角形、不規則、または他の所望の構成を有する外辺部を有する場合がある。例えば、
図5Aに示されている凹部84Aは正方形の外辺部を有し、
図5Bに示されている凹部84Bは円形の外辺部を有し、
図5Cに示されている凹部84Cは細長い長方形の外辺部を有し、
図5Dに示されている凹部84Dは実質的にZ字形の外辺部を有し、
図5Eに示されている凹部84Eは、三角形の外辺部を有している。
【0138】
断熱シート56Aを層状に重ね合わせる目的の1つは、各隣接する断熱シート56Aの対の間で画定されたポケット内に空気またはいくらかの他の気体を閉じ込めることである。閉じ込められた空気のポケットが、シート56Aを断熱する断熱能力を改善することを助力する。例えば、
図6に示されているのは、いくつかの垂直に積み重ねられた断熱シート56Aの側面断面図である。断熱シート56Aに作用するエンボス加工、折り畳みおよび他の力に起因して、断熱シート56Aは必ずしも互いの上部に平坦に置かれるとは限らない。すなわち、断熱シート56Aのいくつかは、湾曲または曲がる場合があり、その結果、隣接する断熱シート56A間に離間した接触が生じる。ポケット85は、シート56A間に形成され、断熱シート56Aが直接接触する領域によって分離されている。したがって、ポケット85は、異なるサイズおよび形状にすることができる。例えば、隣接する断熱シートが分離されている
図6に示されているように、ポケット85Aなどのポケットは、別個の断熱シート56A間の空間の領域と、空間と連通する複数の凹部84の領域とを含むように形成され得る。重なり合うシート56Aが互いに直接接触している他の状況では、ポケット85Bなどのポケットは、単一の凹部84の領域のみを含み得る。しかしながら、凹部84をシート56Aに形成することによって、単に平坦である重なり合うシートと比較して、単位面積あたりの形成されるポケット85の数が増加する。ポケット85の数を増やすことによって、より多くの空気/気体が閉じ込められ、それによって、シート56Aを断熱する断熱能力を改善する。
【0139】
一実施形態では、各凹部84は、8mm3~200mm3の範囲である容積を有する場合があり、10mm3~100mm3、および10mm3~40mm3がより一般的である。他の容積が用いられてもよい。さらに、凹部84の数は、典型的には、平方インチあたり少なくとも10、20、40、60、80、100または150であるか、あるいは前述の値のうち任意の2つの間の範囲、例えば、平方インチあたり20~100である。
【0140】
図5A~5Eに示されているように、凹部84は、互いに離間されて、均一なパターンで配置された別個の個々の凹部として形成することができる。凹部84のこの形成および位置付けにより、より均一な断熱特性を有する積み重ねられた断熱シート56Aをもたらすことができ、断熱シート56A間の空気の動きを制限することを助力することができる。しかしながら、他の実施形態では、凹部84は、複数の異なるサイズおよび形状を有する場合があり、均一またはランダムに間隔を空ける場合がある。例えば、凹部84は、断熱シート56Aをしわを寄せることによって形成されてもよい。他の実施形態では、凹部84は、細長いチャネルの形で凹部84を生成する、アコーディオンタイプの折り目など、断熱シート56A上に複数の折り目を生成することによって形成される場合がある。しかしながら、そのような細長いチャネルは、隣接する断熱シート56A間の空気の動きを抑制する能力を低下させる可能性がある。
【0141】
一実施形態では、断熱シート56Aのすべておよびその重なり合う層は、その上に形成された凹部84を有する場合がある。他の実施形態では、一部の断熱シート56Aまたはその重なり合う層は、その上に形成された凹部84を有する場合があり、一方、その他の断熱シート56Aは、凹部84なしで単に平坦である場合がある。例えば、他の断熱シート56Aまたは層は、いかなる場合も、凹部84のない平坦であるか、または外側の上部および底部の断熱シート56Aまたは層だけが、凹部84のない平坦である可能性もある。さらに、断熱シート56および/またはその層は、凹部84のすべてが一方向を向くように配向される場合がある。例えば、凹部84のすべては、上向きまたは下向きである場合がある。他の実施形態では、断熱シート56および/またはその層は、一部の凹部84が上向きであり、一方、その他の凹部84が下向きであるように配向される場合がある。例えば、
図4Bに示される実施形態では、層の下半分の凹部84は上向きであり、一方、層の上半分の凹部は下向きであってよい。同様に、
図4Aでは、隣接する断熱シート56Aの凹部84が互いに向き合うか、または隣接する断熱シート56Aの凹部84が互いに反対向きになるように、他のすべての断熱シート56Aが、反転されてもよい。隣接する断熱シート56Aまたは層上の凹部84はまた、互いに垂直に位置合わせされるか、または互いに垂直にオフセットされるように構成されてもよい。
【0142】
図3に戻ると、組み立て中に、所望の数の重なる層を実現するめに、断熱シート56Aが積み重ねられ、必要に応じて折り畳まれる。結果として得られる積み重ねられた断熱シート56Aは、外壁58および/または内壁60の幅と等しいか実質的に等しい幅、すなわちチャネル54Aの幅、外壁58および/または内壁60の長さに等しいか実質的に等しい長さ、すなわちチャネル54Aの長さ、ならびにチャネル54Aの高さと等しいか実質的に等しい厚さ、を有するように寸法決めされる。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、長さ、面積、または容積の値に関連して使用される場合の「実質的に」という用語は、値に等しいか、または値の+/-10%以内を意味することを意図している。積み重ねられた断熱シート56Aは、半加工品80の外壁58の内面または内壁60の内面に設置される。次に、半加工品80は、スリーブ52Aを形成するように、断熱シート56Aにわたって折り畳まれ、上で論じたように、連続ループ状に固定される。この構成では、断熱シート56Aおよびそれによって画定されたポケット85は、チャネル54の容積を占めるか、または実質的に占める。一実施形態では、結果として得られるライナー部分50Aは、75°Fの平均温度で測定された約3.5/インチ~約4.5/インチの範囲の熱抵抗値(R値)を有する。
【0143】
図1に戻ると、組み立てられたライナー部分50Aは、U字形構成に折り畳まれて示されている。この構成では、ライナー部分50Aは、背部90Aの対向する端部から直交して外向きに突出する第1の脚部92Aおよび第2の脚部94Aと共に背部90Aを有する、と定義することができる。開口チャネル95Aは、脚部92Aと脚部94Aとの間で画定される。前述したように、脚部92Aおよび94Aは、
図2に示されるように背部90Aと同じ平面に配置されることと、
図1に示されるように背部90Aから直交して突出することとの間で、背部90Aに対して自由に旋回することができる。
【0144】
ライナー部分50Bは、ライナー部分50Aに関して前述したのと同じ構成要素、同じ形成方法、および同じ代替物と同じ構成を有する場合がある。したがって、ライナー部分50Aおよびその代替物に関する本明細書のすべての開示は、ライナー部分50Bにも適用可能である。ライナー部分50Aとライナー部分50Bとの間の同様の要素は、ライナー部分50Bの参照符号が接尾辞「A」ではなく接尾辞「B」を含むことを除いて、同様の参照符号によって識別される。ライナー部分50Aとライナー部分50Bとの間の1つの違いは、以下でより詳細に論じるように、ライナー部分50Bをライナー部分50Aのチャネル95A内に取り付けることができるように、ライナー部分50Bはライナー部分50Aよりも小さいことである。
【0145】
ライナー部分50Aおよび50Bが生成された状態で、梱包システム10は、内部容積22内の区画をライナー14Aが画定するように、ライナー部分50Aおよび50B、すなわちライナー14Aを容器12の内部容積22に挿入することによって組み立てられる。必須ではないが、いくつかの実施形態では、ライナー14Aは、容器12の内面20に直接接して位置する場合がある。さらに他の実施形態では、ライナー14Aは、容器12の内面20のすべてを覆うか、または実質的に覆う場合がある。
図6は、ライナー部分50Aとライナー部分50Bとが、容器12内に封入されているときに、どのようにそれらが一緒に取り付けられるかを示している。容器12は、ライナー部分50Aとライナー部分50Bとの位置付けをよりよく示すために
図7には示されていない。ライナー部分50Aとライナー部分50Bとは、ライナー部分50Bがライナー部分50Aに対して90度回転されて、ライナー部分50Aのチャネル95A内に挿入されることによって一緒に取り付けられる。ライナー部分50Bは、ライナー部分50Bの脚部92Bが背部90Aの内面に当接し、ライナー部分50Aの第1の側で脚部92Aの内面と脚部94Aの内面との間に垂直に延びるように取り付けられる。同様に、ライナー部分50Bの脚部94Bは、背部90Aの内面に当接し、ライナー部分50Aの対向する第2の側で、ライナー部分50Aの脚部92Aの内面と脚部94Aの内面との間に垂直に延びる。ライナー部分50Bの背部90Bは、脚部92Aおよび94Aの自由端で、ライナー部分50Aの脚部92Aの内面と脚部94Aの内面との間に延びる。ライナー部分50Aとライナー部分50Bとが一緒に取り付けられた状態で、それらは区画96を画定する。
【0146】
組み立ての1つの方法では、
図6に示すように、ライナー部分50Aとライナー部分50Bとは、最初に一緒に取り付けられて、次に、容器12の内部容積22(
図1)に摺動される場合がある。しかしながら、
図8を参照すると、より一般的には、ライナー部分50Aは、最初に第1の脚部92Aを底壁28の上部に位置付けし、包囲側壁24に接して背部90Aを位置付けることによって、容器12の内部容積22に挿入される。示されている実施形態では、背部90Aは、奥壁32に接して配置されているが、他の実施形態では、壁30、34、または36のいずれかに接して設置される可能性もある。この実施形態では、第1の脚部92Aは、底壁28を覆うか、または実質的に覆うように寸法決めされ、背部90Aは、奥壁32を覆うか、または実質的に覆うように寸法決めされる。この構成では、第2の脚部94Aは、依然として自由に旋回できる。
【0147】
次に、
図9に示されているように、ライナー部分50Bは、
図7に関して前述したように、ライナー部分50Aのチャネル95A内に取り付けられる。この位置では、ライナー部分50Bは、
図7に関して前に論じたように、ライナー部分50Aに相対して同じ位置を有し、組み合わせが、区画96を画定する。さらに、脚部92Bおよび94Bは、それぞれ、容器12の側壁34の内面および側壁36の内面に直接接して配置される場合があり、背部90Bは、前壁30の内面に対して直接接して配置される場合がある。前述のように、ライナー部分50Aとライナー部分50Bとの組み合わせ、すなわち、ライナー14Aは、容器12が折り畳まれて閉じられたときに、内面20容器12のすべてを覆うか、または実質的に覆うことができる。組み立てられた構成では、各スリーブ52の外壁58は、容器12に隣接して配置され、一方、対向する内壁60は、輸送用アイテムを受け入れるように構成された区画96に隣接して配置される。
【0148】
図9に示されているように、脚部94Aが依然として区画96にアクセスするために自由に動作可能である状態で、冷源100および輸送用アイテム102、
図10は、区画96内に位置付けられる。
図11を参照すると、輸送用アイテム102は、材料104が輸送されている間、材料104を冷却温度に維持することが望ましい材料104を含む。例えば、材料104は、それらの生存性を維持するために冷たく輸送される必要がある生物学的材料、食品、飲料、医薬品、化学物質および他の材料である場合がある。生物学的材料の特定の例として、試薬、細胞培養物、ワクチン、低温保存細胞、コンピテント細胞、タンパク質、酵素、および抗体が挙げられるが、これらに限定されない。必ずしも必要ではないが、輸送用アイテム102は、典型的には、材料104を収容する容器106を含む。容器106の例としては、注射器、ボトル、バッグ、ガラス瓶、箱、ボール箱、シェル、缶、梱包材などが挙げられる。他の実施形態では、輸送用アイテム102はまた、容器106を収容する外側容器108を含む場合がある。外側容器108は必ずしも必要ではなく、排除されてもよい。外側容器108が使用され得る場合の例は、容器106が故障した場合の安全対策として第2の容器を有することが望まれる場合である。外側容器108はまた、複数の容器106をしっかりと保持して、容器106への望ましくない動きまたは損傷を防ぐためにも使用されることがある。外側容器108の例としても、バッグ、箱、ボール箱、シェル、缶、梱包材などが挙げられる。
【0149】
冷源100は、ドライアイス、氷、凍結ゲルパック、および材料を比較的短期間冷却し続けるために一般的に使用される相変化材料を含む場合がある。ドライアイスは、一般的には、ペレット状、スラブ状、またはその他の望ましい形状とサイズで使用される。冷源100はまた、ドライアイス、氷、凍結ゲルパック、および相変化材料が収容された別個の容器を含む場合がある。そのような容器の例としては、バッグ、ボトル、プラスチック容器などが挙げられる。
【0150】
冷源100および輸送用アイテム102は、様々な異なる方法および構成で区画96内に配置される場合があることが理解される。例えば、
図10を参照すると、ドライアイスのペレットなどのある量の冷源100は、最初に区画96の床の上に配置される場合がある。次に、輸送用アイテム102は、すべての側面でライナー14Aから輸送用アイテム102が離間されるようにして、冷源の上部の中央に位置付けられる場合がある。次に、ドライアイスの追加のペレットなどの追加の量の冷源100が、区画96の残りを充填するように位置付けられ、すなわち、輸送用アイテム102のすべての側面および上部を覆う場合がある。次に、ライナー14Aは、上部ライナー部分50Bに接して脚部94Aを折り畳むことによって(
図9)、閉じられる場合がある。次に、容器12の頂壁26も閉じられ、それにより、
図10に示すように、梱包システムを輸送可能な状態に設置される場合がある。
【0151】
輸送用アイテム102を冷たく維持しなければならない期間および温度に応じて、冷源100は他の手段で適用されてもよい。例えば、冷源100は、輸送用アイテム102の底部のみに接して、輸送用アイテム102の上部にのみ接して、または輸送用アイテム102の上部および底部にのみ接するが、その側面のいずれにも接しないように適用されてよい。他の実施形態では、冷源100は、輸送用アイテム102の側面のうち1つまたは複数にのみ接するが、輸送用アイテム102の上部または底部には接しないように適用される場合がある。さらに他の実施形態では、冷源100は、輸送用アイテム102の側面のうち1つまたは複数にのみに接し、輸送用アイテム102の上部または底部の一方または両方に接して適用される場合がある。一実施形態では、輸送用アイテム102は、区画96内に設置する前に凍結または冷却されることがあり、また冷源として機能する場合もある。すなわち、輸送用アイテム102以外の追加の冷源は、区画96内に位置付けられない。
【0152】
前述のように、容器12のサイズは、輸送用アイテム102のサイズ、および輸送用アイテム102が冷たく保たれる必要がある期間に依存する。すなわち、輸送用アイテム102のサイズが増大する、および/または輸送用アイテム102冷間を保持するための増加時間が増加するにつれて、容器12のサイズは増大する。容器106のサイズが増大することによって、区画96のサイズも増大し、それにより、追加量の冷源100のためにより多くの空間が作られる場合がある。梱包システム10は、典型的には、区画96またはその中に含まれる輸送用アイテム102を、11℃、8℃、2℃、または-10℃未満の温度で、少なくとも10時間、15時間、20時間、30時間、40時間、または50時間の期間、あるいは前述の値のうち任意の2つの間の時間範囲、例えば10~40時間、保持するように構成される。
【0153】
いくつかの実施形態では、区画96によって必要とされる空間のすべてが必要とされない場合もある。この実施形態では、不必要な空間を占有するために、充填剤が区画96内に設置される場合がある。例えば、
図12に示されているように、充填剤110が、冷源100とライナー部分50Aの脚部94Aとの間の区画96内に置かれている。一実施形態では、充填剤110は、断熱シート56Aの追加のシートを含む場合がある。他の実施形態では、充填剤110は、従来のダンネージ、ワッディング素材、詰め物または空間を占有するために使用される他の梱包材料を含む場合があり、典型的には、リサイクル可能材料、生分解性材料および/またはセルロース材料である。
【0154】
梱包システム10の選択された実施形態は、いくつかの特有の利点を有する場合がある。例えば、一実施形態では、容器12およびライナー14は、生分解性材料および/またはリサイクル可能材料のみで作られ、それにより、梱包システムをより環境に優しいものにすることができる。したがって、容器12およびライナー14は、発泡ポリスチレンなどのポリマー発泡体、および非生分解性プラスチックではないものとすることができる。
【0155】
本明細書に記載のライナー14Aはまた、梱包システム10に関して特有の利点を実現する。例えば、断熱シート56を単に使用するのではなく、スリーブ52を断熱シート56と組み合わせて使用することは、驚くべき予想外の結果を実現する。すなわち、断熱シート56は、断熱能力を改善するように、空気のポケット85を捕捉および保持することを助力し、同時に、スリーブ52の使用により、単に材料の厚さが増加すること基づいて予想を超えて断熱を改善させる。例えば、スリーブ52は、断熱シート56よりも剛性で弾力性のある材料で作られているので、スリーブ52は、冷源100および/または輸送用アイテム102によって引き起こされる断熱シート56の圧縮を防止または制限することを助力する。すなわち、スリーブ52がないと、冷源100および/または輸送用アイテム102は、単にそれらの重量によって、および/または輸送中の梱包システム10の動きにより、断熱シート56を押す。断熱シート56の圧縮により、空気ポケット85を圧縮または除去し、それにより、断熱能力を低下させる。対照的に、断熱シート56の圧縮を制限することにより、空気ポケット85を最大化および維持することを助力し、したがって、輸送プロセス全体を通して断熱能力を改善させる。
【0156】
さらに、ドライアイスが蒸発すると気体が発生する。スリーブ52が使用されていない場合、気体は断熱シート56をより自由に通過する可能性があり、ポケット85内の空気を流し、それによって断熱能力を低下させる。対照的に、断熱シート56をスリーブ52で囲むことにより、気体は、ライナー部分50Aとライナー部分50Bとの間の亀裂を通って流出し、断熱シート56を通ってあまり流出しないように導かれ、それによって、ライナー14Aの断熱能力を再び高める。
【0157】
断熱シート56の周りにスリーブ52を使用することもまた、他の利益を実現する。例えば、スリーブ52は、断熱シート56よりも剛性が高いシートで作られていること、および平坦なシートと比較して機械的強度が改善された管状の構造に形成されていること、例えば、管は、平坦なシートよりも、圧縮に耐える強度が高く、その長さに沿った座屈に耐える強度があることの両方が理由で、比較的剛性の特性を有する。結果として、容器12の内面の周りにライナー14を設置することは、容器12の構造強度を著しく改善し、それにより、輸送用アイテム102の輸送中の容器12への損傷を防止または制限することを助力する。容器12への損傷は、梱包システム10の断熱能力を著しく低下させ、それにより、輸送用アイテム102の生存性を危険にさらす可能性があるので、容器12への損傷を制限することは有用である。
【0158】
代替の実施形態では、ライナー14は、様々な異なる構成を有する場合があることが理解される。例えば、
図13に示されているのは、本開示の実施形態で使用することができるライナー14Bの代替構成である。ライナー14Aとライナー14Bとの間の同様の特徴は、同様の参照符号によって識別される。ライナー14Bは、その中に区画96を画定するように、容器12の内部容積22内に受け入れられるように構成される。この場合も、区画96は、ライナー14Aに関して上で論じたのと同じように、その中に冷源100および輸送用アイテム102を収容するように構成される。
【0159】
ライナー14Bは、第1のライナー部分114、第2のライナー部分116、および第3のライナー部分118を含む。第1のライナー部分114は、それを通って延びるチャネル122を画定するスリーブ120を含む。チャネル122内に配置されているのは、前述したように、断熱シート56である。スリーブ120は、スリーブ52Aに関して前述したのと同じ方法を使用して同じ材料で作ることができ、同じ代替物を有する場合がある。唯一の違いは、スリーブ120は、スリーブ52Aの脚部92Aのみを含み(
図1)、したがって、それを通って延びる溝または切欠を有さないことである。第1のライナー部分114は、容器12の底壁28の内面に位置し、それを覆うか、または実質的に覆うように構成される。
【0160】
第2のライナー部分116は、それを通って延びるチャネル128を画定するスリーブ126を含む。チャネル128内に配置されているのは、前述したように、断熱シート56である。スリーブ126は、スリーブ52Aに関して前述した(
図2)のと同じ方法を使用して同じ材料で作ることができ、同じ代替物を有する。唯一の違いは、内壁60にわたって通って延び、各対向する端部に対応する切欠を有する3つの離間した溝130A~130Cを、スリーブ126が有することである。溝130A~130Cにより、スリーブ126は、区画96を取り囲む正方形または長方形の形状に容易に折り畳むことができる。第2のライナー部分116は、上面第1のライナー部分114上に位置するように、容器12の内部容積22内に位置付けられる。第2のライナー部分116はまた、包囲側壁24の内面20の部分に直接接触および/またはそれを覆うことができる。
【0161】
最後に、第3のライナー部分118は、第1のライナー部分114と同じ構成を有し、同じ方法および代替物を使用して同じ材料で作ることができる。したがって、第3のライナー部分118はまた、断熱シート56がその中に配置されたチャネル122を有するスリーブ120を含む。第3のライナー部分118は、区画96を覆うように、第2のライナー部分116の上部に位置するように構成される。ライナー14Bは、ライナー14Aと同じ方法で使用することができ、ライナー14Aに関して上で論じたのと同じ利益の実質的にすべてを有する。
【0162】
図14に示されているのは、本開示の実施形態で使用することができるライナー14Cの別の代替構成である。ライナー14Aとライナー14Cとの間の同様の特徴は、同様の参照符号によって識別される。ライナー14Cはまた、その中に区画96(
図19)を画定するように、容器12の内部容積22内に受け入れられるように構成される。この場合も、区画96は、ライナー14Aに関して上で論じたのと同じように、その中に冷源100および輸送用アイテム102(
図10)を収容するように構成される。
【0163】
ライナー14Cは、第1のライナー部分50A1および第2のライナー部分50B1を含む。
図15に示すように、第1のライナー部分50A1は、断熱シート56Aを取り囲む管状スリーブ52A1を含む。断熱シート56Aは、前述したのと同じ断熱シートおよび代替物を含む場合がある。管状スリーブ52Aと管状スリーブ52A1との間の同様の要素もまた、同様の参照符号によって識別される。より具体的には、管状スリーブ52A1は、管状スリーブ52Aの要素の実質的にすべてに加えて、いくつかの追加のタブ、フラップ、および溝を含む。以下でより詳細に論じるように、これらのタブ、フラップ、および溝は、部分的に、管状スリーブ52A1を閉ループ状に係止し、対向する端部管状スリーブ52A1を閉じ、第1のライナー部分50A1および第2のライナー部分50B1を連結させることを助力する。
【0164】
図16に示されているように、管状スリーブ52A1は、前述したように、外壁58A、内壁60A、ならびに側壁66Aおよび68Aを含む平坦な半加工品80Aとして最初に形成される。半加工品80と半加工品80Aとの間の同様の要素は、同様の参照符号により識別されている。半加工品80Aは、同じ材料で作ることができ、半加工品80に関して前述したのと同じ寸法、特性、および代替物を有する場合がある。切欠74Aおよび76Aは、第1の側壁66Aを、第1の端部62Aに配置された側壁部分66A1、第2の端部64Aに配置された側壁部分66A2、およびそれらの間に配置された側壁部分66A3に分割する。タブ78A1は、側壁部分66A1の外縁から外向きに突出し、一方、タブ78A2は、側壁部分66A2の外縁から外向きに突出している。タブ78A1および78A2は、中央に、または別様に対応する側壁部分に沿って配置される場合がある。一対の離間したタブ78A3および78A4は、側壁部分66A3の外縁から外向きに突出している。タブ78Aは、典型的には、半加工品80Aの残りと共に単一の一体型構造として形成され、したがって、典型的には、セルロース材料で形成される。
【0165】
同様に、前述した溝70Aおよび72Aは、内壁60Aを、第1の端部62Aに配置された内壁部分60A1、第2の端部64Aに配置された内壁部分60A2、およびそれらの間に配置された内壁部分60A3に分割する。フラップ140A1は、内壁部分60A1の外縁から突出し、それに沿って延び、折り目線142A1は、フラップ140A1と内壁部分60A1との交点に形成される。フラップ140A1は、典型的には、側壁部分66A1の高さと実質的に等しい高さを有するが、より短くすることができる。溝144A1は、折り目線142A1でまたはそれに隣接して半加工品80Aを通って延び、連続ループをもたらす固定された接合部で内壁部分60A1と外壁58Aとを係止するための組み立て中に、タブ78A1を受け入れるように構成されている。溝144A1は、フラップ140A1および/または内壁部分60A1に形成することができる。
【0166】
フラップ140A2は、内壁部分60A2の外縁から突出し、それに沿って延び、折り目線142A2が、フラップ140A2と内壁部分60A2との交点に形成される。フラップ140A2は、典型的には、側壁部分66A2の高さと実質的に等しい高さを有するが、より短くすることができる。溝144A2は、折り目線142A2でまたはそれに隣接して半加工品80Aを通って延び、連続ループをもたらす固定された接合部で内壁部分60A2と外壁58Aとを係止するための組み立て中に、タブ78A2を受け入れるように構成されている。溝144A2は、フラップ140A2および/または内壁部分60A2に形成することができる。
【0167】
フラップ140A3は、内壁部分60A3の外縁から突出し、それに沿って延び、折り目線142A3が、フラップ140A3と内壁部分60A3との交点に形成される。フラップ140A3は、典型的には、側壁部分66A3の高さと実質的に等しい高さを有するが、より短くすることができる。一対の離間した溝144A3および144A4は、折り目線142A3でまたはそれに隣接して半加工品80Aを通って延び、連続ループをもたらす固定された接合部で内壁部分60A3と外壁58Aとを係止するための組み立て中に、それぞれ、タブ78A3および78A4を受け入れるように構成されている。溝144A3および144A4は、フラップ140A3および/または内壁部分60A3に形成することができる。フラップ140Aは、典型的には、半加工品80Aの残りと共に単一の一体型構造として形成され、したがって、典型的には、セルロース材料で形成される。
【0168】
以下でより詳細に論じるように、半加工品80A/管状スリーブ52A1はまた、外壁58Aと内壁部分60A3との間の位置で折り目線82Aでまたはそれに隣接して半加工品80Aを通過する係止溝146Aを含む。係止溝146Aは、典型的には、溝70Aと溝72Aとの間の中央位置に配置され、側壁68Aおよび/または外壁58Aを通って延びる場合がある。係止溝148Aはまた、外壁58Aと側壁部分66A3との間の位置で、折り目線82A3でまたはそれに隣接して半加工品80Aを通過する。一実施形態では、係止溝148Aは、切欠74Aと切欠76Aとの間の中央に配置され、側壁66Aおよび/または外壁58Aを通って延びる場合がある。最後に、カバーフラップ150Aは、第1の端部62Aで外壁58Aの縁から、およびそれに沿って外向きに延び、一方、カバーフラップ152Aは、第2の端部64Aで外壁58Aの縁から、およびそれに沿って外向きに延在する。折り目線154Aは、典型的には、カバーフラップ150Aと外壁58Aとの間の交点に形成され、一方、折り目線155Aは、典型的には、カバーフラップ152Aと外壁58Aとの交点に形成される。
【0169】
組み立て中に、前述したように、断熱シート56Aは半加工品80A上に位置付けられ、内壁部分60A1、60A2、および60A3は、
図15に示すように、断熱シート56Aが内壁部分60Aと外壁58Aとの間に捕捉されるように折り畳まれる。フラップ140A1、140A2および140A3は、断熱シート56Aに向かって下向きに折り畳まれ、一方、側壁部分66A1、66A2および66A3は、それぞれ、フラップ140A1、140A2および140A3の外面に接して上向きに折り畳まれている。最後に、タブ78A1、78A2、78A3および78A4は、半加工品80Aを連続ループ状に機械的に固定するように、それぞれ溝144A1、144A2、144A3、および144A4に摺動される。これにより、タブ78Aおよび溝144Aは、テープまたは接着剤などの別個の取り付け機構を必要とせずに、半加工品80Aを管状スリーブ52A1およびライナー部分50A1に形成することを可能にする。接着剤の必要性を排除することは、接着剤の使用に一般的に関連する複雑さおよび複雑化を回避し、また接着剤の硬化に必要な製造遅延を回避するという点で特に有益である可能性がある。
【0170】
図17に示すように、第2のライナー部分50B1は、断熱シート56Aを取り囲む管状スリーブ52B1を含む。管状スリーブ52A1と管状スリーブ52B1との間の同様の要素は、管状スリーブ52A1の要素を識別するために使用される文字「A」が文字「B」に置き換えられていることを除いて、同様の参照符号によって識別される。
図18に示されているように、管状スリーブ52B1は、平坦な半加工品80Bから形成されている。この場合も、平坦な半加工品80Bは、半加工品80で前述したのと同じ材料および代替物から作ることができる。半加工品80Aと半加工品80Bとは実質的に同一であり、同様の要素は同様の参照符号によって識別される。半加工品80Bは、タブ78A4と溝144A4が半加工品80Bから削除され、一方、タブ78A3と溝144A3が中央に配置されているという点で、半加工品80Aとは異なる。しかしながら、側壁部分66A1、66A2および66A3および/または側壁部分66B1、66B2および66B3のそれぞれは、連続ループ状で半加工品を連結するために、対応する溝と共に、そこから突出する1、2、3またはそれ以上の別個のタブを有する場合があることに留意されたい。タブと溝の位置を逆にすることもできる。
【0171】
半加工品80Bはまた、係止溝146Aおよび148Aが排除されているという点で半加工品80Aとは異なる。しかしながら、半加工品80Bに追加されるのは、第1の端部62Bでカバーフラップ150Bの外縁から外向きに突出する係止タブ156B、および第2の端部64Bでカバーフラップ152Bの外縁から外向きに突出する係止タブ158Bである。以下で論じるように、係止タブ156Bおよび158Bは、管状スリーブ52A1の係止溝146Aおよび146B(
図16)内に受け入れられるように構成される。最後に、管状スリーブ52Aおよび52Bに関して前述したように、以下で論じるように、管状スリーブ52B1を管状スリーブ52A1によって形成されるチャネル内に取り付けることができるように、管状スリーブ52B1は管状スリーブ52A1よりも小さい。
図17に示すように、半加工品80Bは、半加工品80Aに関して上で論じたのと同じ方法で、断熱シート56Aを取り囲む連続ループ状に固定され、すなわち、管状スリーブ52B1およびライナー部分50B1に形成される。
【0172】
図14に戻ると、組み立てられたライナー部分50A1および50B1は、ライナー部分50Aおよび50Bに関して前述したU字形構成に折り畳まれて示されている。この構成では、ライナー部分50のそれぞれは、背部90の対向する端部から直交して外向きに突出する第1の脚部92および第2の脚部94と共に背部90を有する、と定義することができる。開口チャネル95は、脚部92と脚部94との間で画定される。前述したように、脚部92および94は、背部90と同じ平面に配置されることと、背部90から直交して突出することとの間で、背部90に対して自由に旋回することができる。ライナー部分50A1の脚部92Aは、断熱シート56Aが配置されたチャネル54Aと連通する開口161Aを取り囲む端面160Aで終端する。カバーフラップ152Aは、端面160Aから外向きに突出している。同様に、ライナー部分50A1の脚部94Aは、断熱シート56Aが配置されたチャネル54Aと連通する開口部163Aを取り囲む端面162Aで終端する。カバーフラップ150Aは、端面162Aから外向きに突出している。背部90は、その対向する側から係止溝146Aおよび148Aを有する。
【0173】
上記と同様に、ライナー部分50B1の脚部92Bは、断熱シート56Aが配置されたチャネル54Bと連通する開口161Bを取り囲む端面160Bで終端する(
図17)。カバーフラップ152Bおよび係止タブ158Bは、端面160Bから外向きに突出している。同様に、ライナー部分50B1の脚部94Bは、断熱シート56Aが配置されたチャネル54Bと連通する開口部163Bを取り囲む端面162Bで終端する。フラップ150Bおよび係止タブ156Bは、端面162Bから外向きに突出している。
【0174】
ライナー部分50A1および50B1が生成された状態で、梱包システム10は、内部容積22内の区画をライナー14Cが画定するように、ライナー部分50A1および50B1、すなわちライナー14Cを容器12の内部容積22に挿入することによって組み立てられる。必須ではないが、いくつかの実施形態では、ライナー14Cは、容器12の内面20に直接接して位置する場合もある。さらに他の実施形態では、ライナー14Cは、容器12の内面20のすべてを覆うか、または実質的に覆う場合がある。
図19は、ライナー部分50A1とライナー部分50B1とが、容器12内に位置付ける前または後にどのように一緒に取り付けられるかを示している。ライナー部分50A1とライナー部分50B1は、ライナー部分50B1がライナー部分50A1に対して90度回転されて、ライナー部分50A1のチャネル95A内に挿入されるによって一緒に取り付けられる。ライナー部分50B1は、ライナー部分50B1の脚部92Bの端面160Bが、背部90Aの内面、すなわち、内壁60Aに当接し、カバーフラップ152Bが、背部90Aの側壁68Aに接して配置されるように取り付けられる。同様に、ライナー部分50B1の脚部94Bの端面162Bは、背部90Aの内面、すなわち内壁60Aに当接し、カバーフラップ152Bは、背部90Aの側壁66Aに配置されている。この位置では、係止タブ1 156Bおよび158Bが折り畳まれ、係止溝148Aおよび146Bにそれぞれ挿入され、それにより、機械的取り付けを使用してライナー部分50A1とライナー部分50B1とを一緒に連結させる。ライナー部分50A1とライナー部分50B1とがそのように一緒に取り付けられた状態で、それらは、区画96を画定するライナー14Cを形成する。
【0175】
さらなる組み立て中に、
図19および20に示されているように、連結されたライナー部分50A1および50B1、すなわちライナー14Cは、容器12の内部容積22内に挿入される。そうすることで、カバーフラップ152Aは、ライナー部分50A1の端面160Aおよび開口部161A(
図14)を覆うように、上方に折り畳まれる。カバーフラップ152Aは、容器12によって端面160Aに接して保持されている。次に、ライナー14Aに関して前述したように、冷源100および輸送用アイテム102(
図10)が区画96内に配置される。ライナー14Aに関して前述したように、冷源100および輸送用アイテム102に加えて、それらの代替物および設置方法もまた、ライナー14Cと共に使用するために適用可能である。冷源100および輸送用アイテム102が区画96内に位置付けられると、ライナー部分50A1の脚部94Aは、区画96を閉じるように、容器12内に折り畳まれる。脚部94Aの折り畳みの前または折り畳み中に、カバーフラップ150Aは、ライナー部分50A1の端面162Aおよび開口部163Aを覆うように、折り畳まれる。一埋め込みでは、カバーフラップ150Aは、端面162Aを超えて突出するのに充分な高さを有する場合がある。この場合、カバーフラップ150Aの自由に突出する部分は、ライナー部分50B1の背部90Bと容器12との間で摺動される場合がある。ライナー14Cと容器12との間の厳密な公差適合により、ライナー部分50A1の端面162Aに接してカバーフラップ150Aが保持される。
【0176】
ライナー14Cには、いくつかの特有の利益および利点がある。例えば、一体型タブおよび溝を使用して、半加工品80Aおよび80Bを管状スリーブに機械的に固定することにより、組み立てプロセスを複雑にし、遅延させる可能性があるテープまたは接着剤などの別個の取り付け機構の必要性を排除する。さらに、半加工品80Aおよび80Bの機械的閉鎖により、断熱シート56の周りの緊密な閉鎖が実現され、それにより、そこを通る気体の流れが減少されて、熱効率が改善される。さらに、対応する係止溝と共に係止タブ156Bおよび158Bを使用することによって、ライナー部分50A1とライナー部分50B1とが一緒にしっかりと連結され、ライナー部分50A1とライナー部分50B1との間の気体の漏れまたは非断熱間隙の形成が少なくなる。係止タブおよび係止溝の使用は、外側容器12がライナー14Cよりも大きい場合に特に有用である。この場合、ライナーは、輸送中または移動中に容器12内で動く可能性があり、これにより、ライナー部分間に間隙を生成する可能性がある。ライナー部分を一緒に機械的に固定することは、ライナーが動く間のそのような間隙の形成を防ぐことを助力し、熱効率を最大化することを助力する。
【0177】
さらに、カバーフラップ150Aおよび152Aは、断熱シート56Aが自由に露呈されるライナー部分50A1の末端端面および開口部を覆う。ライナー部分50A1の末端端面のこの被覆は、それにより、断熱シート56Aを通る気体の流れを制限することを助力し、それにより、熱効率を改善する。ライナー部分50B1のカバーフラップ150Bおよび152Bはまた、ライナー部分50B1の末端端面に出入りする空気の流れを遮断することも助力し、それによって熱効率も改善する。他の利点も存在する。
【0178】
本明細書に開示される断熱シートはまた、他の構成を有する場合があることも理解される。例えば、
図21~23に示されているのは、断熱シート56A1の代替実施形態である。この実施形態では、断熱シート56A1は、平坦なシート170とエンボス加工シート172との交互の層を含む。各平坦なシート170は、典型的には平坦である上面169および対向する底面171を有する。すなわち、平坦なシート170は、典型的には、その上にエンボスが形成されていない平坦な平面シートとして形成される。各エンボス加工シート172は、上面174および対向する底面176、ならびに複数の離間した第1のエンボス178を有する。第1のエンボス178は、底面176から突出し、末端180で終端する。各第1のエンボス178は、上面174から公然と露呈している凹部181を画定する。各エンボス加工シート172はまた、上面174から外向きに突出し、末端184で終端する複数の第2のエンボス182を含む。各第2のエンボス182は、底面176から公然と露呈している凹部186を画定する。
【0179】
エンボス178および182は、半球状構成を有するものとして図に示されているが、エンボス178および182の凹部181および186は、断熱シート56Aの凹部に関して前述したのと同じ構成、サイズ、濃度、および他の特性を有する場合がある。同様に、平坦なシート170およびエンボス加工シート172は、断熱シート56Aのシートに関して前述したのと同じ材料で作られ、同じ寸法および他の特性を有する場合がある。
【0180】
しかしながら、断熱シート56Aとは対照的に、断熱シート56A1内の別個のシートは、接着剤によって一緒に固定されている。具体的には、段ボールの形成で知られている従来の方法を使用して、接着剤が、エンボス178および182の終端180および184に塗布される。例えば、1つまたは複数のローラーを使用して、エンボス178および182の終端180および184に接着剤を塗布してもよい。次に、平坦なシート170は、平坦なシート170がエンボス加工シート172の対向する側に固定されるように、終端180および184に接して適用される。平坦なシートとエンボス加工シートの所望の数の交互の層が使用されてよい。例えば、接着剤によって一緒に固定される垂直に積み重ねられたシートの総数は、典型的には、少なくとも、または3、5、10、15、20、25、もしくは30枚未満であるか、あるいは前述の値のうち任意の2つの間の範囲であり得る。さらに、形成された断熱シート56A1は、
図4Bおよび4Cに関して前述したように、1回または2回折り畳まれてよい。この場合、所望の数のシートを積み重ねることができるが、接着剤によって隣接するシートのすべてが一緒に固定されなくてもよい。
【0181】
断熱シート56A1は、本明細書に開示される断熱シート56Aのすべての用途を置き換えることができ、いくつかの特有の利益を有する。例えば、エンボス加工シート172を接着剤によって平坦なシート170に固定した結果として、空気ポケットが生成されるシート間で小さな分離した空洞(少なくとも部分的に凹部181および186を含む)が形成される。したがって、空洞は、隔離された空気ポケットを形成および維持することによって熱効率を改善することを助力する。より具体的には、断熱シート56A1の構造は、凹部181および186を通る空気の流れを制限しなければならない。さらに、シートを接着剤で一緒に固定した結果、断熱シート56A1の積み重ねシートは、断熱シート56Aに比べてより高い剛性を有する。断熱シート56A1の剛性の増加の結果として、シート間の空洞またはポケットが、容器組立体の輸送または移動中に圧縮されるか、さもなければ破壊される可能性が少なくなり、それによって熱効率も最大化される。さらに、断熱シート56A1はより高い熱効率を有するので、同じ断熱係数を実現するために、断熱シート56Aに比べてより薄い断熱シート56A1を使用することができる。より薄い断熱シート56A1を使用することにより、最終的な輸送組立体の重量および/またはサイズが減少し、それにより輸送コストが減少する。さらに、断熱シート56A1の増加した剛性は、それが使用されるライナー全体の剛性を改善することを助力し、それにより、組立体全体の安定性を改善する。他の利益と利点も存在する。
【0182】
図24に示されているのは、本開示の4つの異なる断熱梱包システム内に配置された500mlの水のボトルの温度対時間をプロットしたグラフである。水は、2つの16オンスの標準的な凍結ゲルパックによって冷却される。線190および192で識別されるように、典型的基準は、断熱梱包システムが通常の環境条件に置かれながら、32時間、輸送用アイテムを11℃未満の温度に維持することである。
図24に示されているグラフでは、4つの異なる断熱梱包システムは、それぞれ、テスト中に国際安全輸送協会(ISTA)7Eの夏の周囲条件にさらされた。
【0183】
グラフの線194は、ボール紙箱内に密封された、本明細書に開示されるライナー14Aを組み込んだ第1の断熱梱包システムの温度対時間をプロットしている。グラフによって示されているように、この初期システムでは、約31時間しか、水の温度を11℃未満に維持ことができなかった。
【0184】
グラフの線196は、ライナー14Aのライナー部分50Aおよび50B(
図1に示されている)が、ライナー部分50A1および50A2と置き換えられたこと(
図14~18に示されている)を除いて、第1の断熱梱包システムのすべての変数を一定に保持した第2の断熱梱包システムの温度対時間をプロットしている。グラフは、ライナー部分内の気体の捕捉を改善し、ライナー部分を一緒に固定するライナー部分50A1および50A2を使用することにより、システムの熱効率が改善され、32時間よりやや長い期間、水の温度を11℃未満に維持できることを示している。
【0185】
グラフの線198は、ライナー部分50A1および50A2を形成するために使用される材料が変更されることを除いて、第2の断熱梱包システムのすべての変数を一定に保持した第3の断熱梱包システムの温度対時間をプロットしている。具体的には、上記の第2の梱包システムでは、ライナー部分50A1および50A2は、標準の32ECT(エッジクラッシュテスト)段ボールを使用して形成され、一方、第3の梱包システムでは、ライナー部分50A1および50A2は、200ポンドのバスト強度の段ボールを使用して形成された。32ECTボール紙は、一般的には、比較的軽量で再生紙から作ることができる。対照的に、200ポンドのバスト強度のボール紙は密度が高く、典型的には、未使用の材料から作られる必要がある。グラフの線198は、第3の断熱梱包システムが、約34時間の期間、水の温度を11℃未満に維持できたことを示している。したがって、より高密度でより強いボール紙からライナー部分50A1および50A2を作ることは、梱包システムの熱効率をさらに改善する。
【0186】
最後に、グラフの線200は、断熱シート56Aが断熱シート56A1と置き換えられたことを除いて、上記の第2の断熱梱包システムのすべての変数を一定に保持した第4の断熱梱包システムの温度対時間をプロットしている。第4の断熱梱包システムで使用される断熱シート56A1の総厚は、第2の断熱梱包システムで使用される断熱シート56Aの総厚よりも薄いことに留意されたい。グラフの線200は、第4の断熱梱包システムが、約36時間の期間、水の温度を11℃未満に維持できたことを示している。したがって、グラフは、単に積み重ねられた断熱シート56Aと比較して、接着された断熱シート56A1を使用することによって、梱包システムが熱効率において有意な改善を有することを示している。
【0187】
断熱シート56A1の相対的な剛性のために、いくつかの用途では、断熱シート56A1は、断熱シート56A1を取り囲む管状スリーブなしでライナーとして使用することができる。例えば、
図25に示されているのは、本開示の実施形態で使用することができるライナー14Dの別の代替構成である。ライナー14Aとライナー14Dとの間の同様の特徴は、同様の参照符号によって識別される。ライナー14Dはまた、その中の区画96(
図26)を画定するように、容器12の内部容積22内に受け入れられるように構成される。この場合も、区画96は、ライナー14Aに関して上で論じたのと同じように、その中に冷源100および輸送用アイテム102(
図10)を収容するように構成される。
【0188】
ライナー14Dは、第1のライナー部分200Aおよび第2のライナー部分200Bを含む。第1のライナー部分200Aは、
図21~23に関して前述したように、その個々のシートが接着剤によって一緒に固定された断熱シート56A1を含む。第1のライナー部分200Aは、断熱シート56A1を取り囲む管状スリーブ52Aまたは52A1などの別個のスリーブまたはシートを含まない。むしろ、第1のライナー部分200Aを形成する断熱シート56A1は、容器12に直接接して位置し、輸送用アイテム102が配置される区画96を直接画定するように構成される。
【0189】
断熱シート56A1は、ライナー14Aおよび第1のライナー部分50Aに関して前述したのと同じように、第1のライナー部分200Aが容器12の容積22内に適切に取り付けることができるように切断または他の方法で形成される。より具体的には、第1のライナー部分200Aは、対向する端面206Aと端面208Aとの間で長手方向に延び、対向する側面210Aと側面212Aとの間で横方向に延びる、長方形構成を有する内面202Aおよび外面204Aを有する。示されているように、第1のライナー部分200Aは、U字形構成に選択的に折り畳むことができる。U字形構成の場合、第1のライナー部分200Aは、背部90Aの対向する端部から直交して外向きに突出する第1の脚部92Aおよび第2の脚部94Aと共に背部90Aを有する、と定義することができる。開口チャネル95Aは、脚部92Aと脚部94Aとの間で画定される。
図25に示すように、脚部92Aおよび94Aは、背部90Aと同じ平面に配置されることと、背部90Aから直交して突出することとの間で、背部90Aに対して自由に旋回することができる。
【0190】
第1のライナー部分200AのU字形構成への折り畳みを容易にするために、カットライン214Aおよび216Aが内面202A上に形成されて、折り畳み点で対向する側面210と側面212との間に直線的に延ばされてもよい。一実施形態では、カットライン214Aおよび216Aは、ライナー部分200Aを途中までしか通過しない直線的なカットを含む場合がある。そのようなカットは、リビングヒンジを形成し、ライナー部分200Aのカットされていない厚さを維持するので、熱効果を維持することを助力する。他の実施形態では、カットライン214Aおよび216Aは、折り畳み点で内面202Aに沿ってカットまたは他の方法で形成されるV字形切欠を含む場合がある。
【0191】
第2のライナー部分200Bもまた、断熱シート56A1から形成され、第1のライナー部分200Aに関して上で論じたのと同じ構成、要素、および特性を有する。したがって、同様の要素のライナー部分200Aおよび200Bは、第2のライナー部分200Bの参照符号が文字「A」ではなく文字「B」を組み込んでいることを除いて、同様の参照符号によって識別される。しかしながら、以下でさらに詳細に論じるように、第2のライナー部分200Bを第1のライナー部分200Aのチャネル95A内に取り付けることができるように、第2のライナー部分200Bは、第1のライナー部分200Aよりも小さい。
【0192】
ライナー部分200Aおよび200Bが生成された状態で、梱包システムは、内部容積22内の区画96をライナー14Dが画定するように、ライナー部分200Aおよび200B、すなわちライナー14Dを容器12の内部容積22に挿入することによって組み立てられる。必須ではないが、いくつかの実施形態では、ライナー14Dは、容器12の内面20に直接接して位置する場合もある。さらに他の実施形態では、ライナー14Dは、容器12の内面20のすべてを覆うか、または実質的に覆う場合がある。
図26は、ライナー部分200Aとライナー部分200Bとが、容器12内に封入されているときに、どのようにそれらが一緒に取り付けられるかを示している。容器12は、ライナー部分200Aとライナー部分200Bとの位置付けをよりよく示すために
図26には示されていない。
【0193】
ライナー部分200Aとライナー部分200Bとは、ライナー部分200Bがライナー部分200Aに対して90度回転され、ライナー部分200Aのチャネル95A内に挿入されることによって一緒に取り付けられる。ライナー部分200Bは、ライナー部分200Bの脚部92Bが背部90Aの内面202Aに当接し、ライナー部分200Aの第1の側で脚部92Aの内面202Aと脚部94Aの内面202Aとの間で垂直に延びるように取り付けられる。同様に、ライナー部分200Bの脚部94Bは、背部90Aの内面202Aに当接し、ライナー部分200Aの対向する第2の側でライナー部分200Aの脚部92Aの内面202Aと脚部94Aの内面202Aとの間で垂直に延びる。ライナー部分200Bの背部90Bは、脚部92Aおよび94Aの自由端で、ライナー部分200Aの脚部92Aの内面202Aと脚部94Aの内面202Aとの間に延びる。ライナー部分200Aとライナー部分200Bとが一緒に取り付けられた状態で、それらは、典型的には平行六面体構成を有する区画96を画定する。ライナー部分200Aとライナー部分220Bとは、典型的には、それらの間の間隙を最小限に抑えるように、互いに接近して取り付けられるように設計されている。
【0194】
組み立ての1つの方法では、
図26に示すように、ライナー部分200Aと200BBとは、最初に一緒に取り付けられて、次に、容器12の内部容積22(
図25)に摺動される場合がある。しかしながら、より一般的には、
図8および9に関連してライナー部分50Aおよび50Bに関して前述したのと同じように、ライナー部分200Aは、最初に第1の脚部92Aを底壁28の上部に位置付けし、包囲側壁24に接して背部90Aを位置付けることによって、容器12の内部容積22に挿入することができる。背部90Aは、奥壁32に接して配置される場合があるが、他の実施形態では、壁30、34、または36のいずれかに接して設置される可能性もある。第1の脚部92Aは、底壁28のすべて、または実質的にすべてを覆うように寸法決めされ、背部90Aは、奥壁32のすべて、または実質的にすべてを覆うように寸法決めすることができる。この構成では、第2の脚部94Aは、依然として自由に旋回できる。
【0195】
次に、
図9の実施形態に関して前述したのと同じように、ライナー部分200Bは、ライナー部分200Aのチャネル95A内に取り付けられる。この位置では、ライナー部分200Bは、
図26に関して上で論じたように、ライナー部分200Aに相対して同じ位置を有し、組み合わせが、区画96を画定する。さらに、脚部92Bおよび94Bは、それぞれ、容器12の側壁34の内面および側壁36の内面に直接接して配置される場合があり、背部90Bは、前壁30(
図25)の内面に直接接して配置される場合がある。前述のように、ライナー部分200Aとライナー部分200Bとの組み合わせ、すなわち、ライナー14Dは、容器12が折り畳まれて閉じられたときに、内面20容器12のすべて、または実質的にすべてを覆うことができる。組み立てられた構成では、各ライナー部分200Aおよび200Bの外面204は、容器12に直接接して配置されるなどによって隣接して配置され、一方、対向する内面202は、輸送用アイテム102を受け入れるように構成された区画96を直接画定することなどによって、それに隣接して配置される。冷源100および輸送用アイテム102は、ライナー14Aおよび
図10~11に関して前述したのと同じように、ライナー14Dの区画96内に位置付けられる場合がある。
【0196】
断熱シート56A1は、断熱シート56Aと比較して、より剛性が高く、したがって崩壊または圧縮の影響を受けにくいため、断熱シート56A1を使用して、スリーブ52なしでライナー部分200Aおよび200Bを独立して形成することができる。スリーブ52の使用を排除することにより、製造および組み立てが単純化され、結果として得られる梱包組立体は、少なくとも同じ熱効率を維持しながら、小型化および/または軽量化することができる。他の利点も存在する。
【0197】
断熱シート56A1を独立して使用してライナー200Aおよび200Bを形成することに加えて、断熱シート56A1を使用して、
図13に関して前述したライナー14Bの第1のライナー部分114、第2のライナー部分116、および第3のライナー部分118を独立して形成することもできることも理解されたい。本開示は、その趣旨または本質的な特徴から逸脱することなく、他の特定の形態で具現化され得る。記載された実施形態は、すべての点において、例示的なものであって限定的なものではないとみなされるべきである。したがって、本開示の範囲は、前述の説明によってではなく添付の特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲と等価な意味および範囲に入るすべての変更は、それらの範囲に包含されるべきである。
【0198】
(実施形態1)
温度断熱梱包システムであって、前記梱包システムは、
内部容積を画定する内面を有する容器と、
前記容器の前記内部容積内に配置され、輸送用アイテムを受け入れるように構成された区画を少なくとも部分的に画定するライナーと、を含み、前記ライナーは、
板紙からなり、チャネルを少なくとも部分的に画定する第1のスリーブであって、前記第1のスリーブは、前記容器に向かって配置された外壁と、前記輸送用アイテムを受け入れるように構成された前記区画に向かって配置された対向する内壁とを有し、前記チャネルが、前記内壁と前記外壁との間に配置され、前記容器に挿入するための折り畳まれた構成へと折り畳むための1つ以上の溝を含む、第1のスリーブと、
前記第1のスリーブの前記チャネル内に配置された少なくとも1枚の断熱シートであって、セルロース材料からなり、前記シートがその上に形成された複数の凹部を有する、少なくとも1枚の断熱シートと、を含み、
前記少なくとも1枚の断熱シートは、前記第1のスリーブが前記折り畳まれた構成へと折り畳まれたときに、当該少なくとも1枚の断熱シートが1つ以上の対応する折りを含むように、前記第1のスリーブの前記チャネル内の長さを延長する、温度断熱梱包システム。
(実施形態2)
前記第1のスリーブの前記板紙の材料は、前記少なくとも1枚の断熱シートよりも剛性が高い、及び/又は、前記少なくとも1枚の断熱シートの厚さよりも厚い厚さを有する、実施形態1に記載の温度断熱梱包システム。
(実施形態3)
前記第1のスリーブの前記板紙の材料は、タブおよび溝を含み、前記タブは、前記チャネルを取り囲む連続ループ状に前記板紙を固定するように、前記溝内に受け入れられる、実施形態1に記載の温度断熱梱包システム。
(実施形態4)
前記チャネルと連通する開口部を備えた末端端面を有する前記第1のスリーブと、
前記第1のスリーブの前記末端端面から突出するカバーフラップであって、前記カバーフラップは、前記開口部を少なくとも部分的に覆うように折り畳まれている、カバーフラップと、をさらに含む、実施形態1に記載の温度断熱梱包システム。
(実施形態5)
前記第1のスリーブの前記外壁は、前記容器の前記内面に直接接して配置され、前記第1のスリーブの前記内壁は、前記区画を少なくとも部分的に画定する、実施形態1に記載の温度断熱梱包システム。
(実施形態6)
前記第1のスリーブは、前記容器内に挿入するために折り畳まれたときにU字形構成を有する、実施形態1に記載の温度断熱梱包システム。
(実施形態7)
前記ライナーは、
チャネルを少なくとも部分的に画定する第2のスリーブであって、前記第2のスリーブは、前記容器に向かって配置された外壁と、前記輸送用アイテムを受け入れるように構成された前記区画に向かって配置された対向する内壁とを有し、前記第2のスリーブの前記チャネルは、前記第2のスリーブの前記内壁と前記外壁との間に配置されており、前記第2のスリーブは、前記第1のスリーブとは別個の個々のものであり、前記区画が前記第1のスリーブと前記第2のスリーブとの間に少なくとも部分的に配置されるように位置付けられている、第2のスリーブと、
前記第2のスリーブの前記チャネル内に配置された少なくとも1枚の断熱シートであって、セルロース材料からなり、その上に形成された複数の凹部を有する、少なくとも1枚の断熱シートと、をさらに含む、実施形態1に記載の温度断熱梱包システム。
(実施形態8)
前記第1のスリーブから突出する第1の係止タブと、前記第2のスリーブ上に形成された第1の係止溝とをさらに含み、前記第1の係止タブは、前記第1のスリーブを前記第2のスリーブに固定するように、前記第1の係止溝内に受け入れられる、実施形態7に記載の温度断熱梱包システム。
(実施形態9)
前記第1のスリーブ及び前記第2のスリーブの両方は、折り畳まれたときにU字形構成を有し、輸送用アイテムを受け入れるように構成された前記区画を確定する箱形状を一緒に形成するように構成される、実施形態8に記載の温度断熱梱包システム。
(実施形態10)
前記少なくとも1枚の断熱シートは、一緒に積み重ねられた複数の別個の紙のシートを含み、前記複数の別個の紙のシートのそれぞれは、セルロース材料からなり、その上に形成された複数の凹部を有する、実施形態1に記載の温度断熱梱包システム。
(実施形態11)
前記少なくとも1枚の断熱シートは、
上面、および対向する底面を有する第1の平坦なシートと、
上面、対向する底面、および複数の離間した第1のエンボスを有する第1のエンボス加工シートであって、各第1のエンボスが前記上面から外向きに突出し、終端で終わり、前記底面に公然と露呈している凹部を画定し、前記第1のエンボスの前記終端が接着剤によって前記第1の平坦なシートの前記底面に固定されている、第1のエンボス加工シートと、を含む、実施形態1に記載の温度断熱梱包システム。
(実施形態12)
前記少なくとも1枚の断熱シートは、
上面、および対向する底面を有する第2の平坦なシートと、
複数の離間した第2のエンボスをさらに含む前記第1のエンボス加工シートであって、各第2のエンボスが前記底面から外向きに突出し、終端で終わり、前記上面に公然と露呈している凹部を画定し、前記第2のエンボスの前記終端が前記第1の平坦なシートと前記第2の平坦なシートとの間に前記第1のエンボス加工シートが配置されるように接着剤によって前記第2の平坦なシートの前記上面に固定されている、第1のエンボス加工シートと、をさらに含む、実施形態11に記載の温度断熱梱包システム。
(実施形態13)
複数の外向きに突出するエンボスを有する第2のエンボス加工シートをさらに含み、前記第2のエンボス加工シートの前記エンボスは、接着剤によって前記第1の平坦なシートの前記上面に固定されている、実施形態12に記載の温度断熱梱包システム。
(実施形態14)
前記少なくとも1枚の断熱シートは、複数の垂直に積み重ねられた断熱シートを含み、複数のポケットが、前記複数の垂直に積み重ねられた断熱シート間で画定されている、実施形態1に記載の温度断熱梱包システム。
(実施形態15)
前記ライナーは、75°Fの平均温度で測定された約3.51インチ~約4.51インチの範囲の熱抵抗値(R値)を有する、実施形態1に記載の温度断熱梱包システム。
(実施形態16)
前記容器および前記ライナーは、発泡ポリスチレンまたは非生分解性プラスチックを含まない、実施形態1に記載の温度断熱梱包システム。
(実施形態17)
前記第1のスリーブは、
それぞれが前記外壁と前記内壁との間に延びる、第1の側壁および対向する第2の側壁と、
前記チャネルと連通し、前記第1の側壁と前記第2の側壁との間に延びるように、前記内壁を通過する第1の溝および離間した第2の溝と、をさらに含む、実施形態1に記載の温度断熱梱包システム。
(実施形態18)
温度断熱梱包システムであって、前記梱包システムは、
内部容積を画定する内面を有する容器と、
前記容器の前記内部容積内に配置され、輸送用アイテムを受け入れるように構成された区画を少なくとも部分的に画定するライナーと、を含み、前記ライナーは、
第1のセルロース材料からなり、チャネルを少なくとも部分的に画定する第1のスリーブであって、前記第1のスリーブは、前記容器に向かって配置された外壁と、前記輸送用アイテムを受け入れるように構成された前記区画に向かって配置された対向する内壁とを有し、前記チャネルが、前記内壁と前記外壁との間に配置され、前記容器に挿入するための構成への前記スリーブの折り畳みを案内するための1つ以上の溝を含む、第1のスリーブと、
前記第1のスリーブの前記チャネル内に配置された少なくとも1枚の断熱シートであって、第2のセルロース材料からなり、その上に形成された複数の凹部を有する、少なくとも1枚の断熱シートと、を含み、
前記少なくとも1枚の断熱シートは、前記スリーブの前記外壁の内側面の少なくとも一部、前記スリーブの前記内壁の内側面の少なくとも一部、またはその両方に、直接接触する、温度断熱梱包システム。
(実施形態19)
前記第1のスリーブの前記第1のセルロース材料は、板紙の材料である、実施形態17に記載の温度断熱梱包システム。
(実施形態20)
前記第1のスリーブの前記板紙の材料は、前記少なくとも1枚の断熱シートよりも剛性が高い、及び/又は、前記少なくとも1枚の断熱シートの厚さよりも厚い厚さを有する、実施形態18に記載の温度断熱梱包システム。
(実施形態21)
前記第1のスリーブの前記セルロース材料は、タブおよび溝を含み、前記タブは、前記チャネルを取り囲む連続ループ状に前記セルロース材料を固定するように、前記溝内に受け入れられる、実施形態17に記載の温度断熱梱包システム。
(実施形態22)
前記チャネルと連通する開口部を備えた末端端面を有する前記第1のスリーブと、
前記第1のスリーブの前記末端端面から突出するカバーフラップであって、前記カバーフラップは、前記開口部を少なくとも部分的に覆うように折り畳まれている、カバーフラップと、をさらに含む、実施形態17に記載の温度断熱梱包システム。
(実施形態23)
前記ライナーは、
チャネルを少なくとも部分的に画定する第2のスリーブであって、前記第2のスリーブは、前記容器に向かって配置された外壁と、前記輸送用アイテムを受け入れるように構成された前記区画に向かって配置された対向する内壁とを有し、前記第2のスリーブの前記チャネルは、前記第2のスリーブの前記内壁と前記外壁との間に配置されており、前記第2のスリーブは、前記第1のスリーブとは別個の個々のものであり、前記区画が前記第1のスリーブと前記第2のスリーブとの間に少なくとも部分的に配置されるように位置付けられている、第2のスリーブと、
前記第2のスリーブの前記チャネル内に配置された少なくとも1枚の断熱シートであって、セルロース材料からなり、その上に形成された複数の凹部を有する、少なくとも1枚の断熱シートと、をさらに含む、実施形態17に記載の温度断熱梱包システム。
(実施形態24)
前記第1のスリーブから突出する第1の係止タブと、前記第2のスリーブ上に形成された第1の係止溝とをさらに含み、前記第1の係止タブは、前記第1のスリーブを前記第2のスリーブに固定するように、前記第1の係止溝内に受け入れられる、実施形態22に記載の温度断熱梱包システム。
(実施形態25)
前記第1のスリーブ及び前記第2のスリーブの両方は、折り畳まれたときにU字形構成を有し、輸送用アイテムを受け入れるように構成された前記区画を確定する箱形状を一緒に形成するように構成される、実施形態22に記載の温度断熱梱包システム。
(実施形態26)
前記少なくとも1枚の断熱シートは、一緒に積み重ねられた複数の別個の紙のシートを含み、前記複数の別個の紙のシートのそれぞれは、セルロース材料からなり、その上に形成された複数の凹部を有する、実施形態22に記載の温度断熱梱包システム。
(実施形態27)
前記少なくとも1枚の断熱シートは、
上面、および対向する底面を有する第1の平坦なシートと、
上面、対向する底面、および複数の離間した第1のエンボスを有する第1のエンボス加工シートであって、各第1のエンボスが前記上面から外向きに突出し、終端で終わり、前記底面に公然と露呈している凹部を画定し、前記第1のエンボスの前記終端が接着剤によって前記第1の平坦なシートの前記底面に固定されている、第1のエンボス加工シートと、を含む、実施形態22に記載の温度断熱梱包システム。
(実施形態28)
前記第1のスリーブの前記セルロース材料は、板紙の材料である、実施形態27に記載の温度断熱梱包システム。
(実施形態29)
温度断熱梱包システムであって、前記梱包システムは、
内部容積を画定する内面を有する容器と、
前記容器の前記内部容積内に配置され、輸送用アイテムを受け入れるように構成された区画を少なくとも部分的に画定するライナーと、を含み、前記ライナーは、
セルロース材料からなり、チャネルを少なくとも部分的に画定する第1のスリーブであって、前記第1のスリーブは、前記容器に向かって配置された外壁と、前記輸送用アイテムを受け入れるように構成された前記区画に向かって配置された対向する内壁とを有し、前記チャネルが、前記内壁と前記外壁との間に配置される、第1のスリーブと、
前記第1のスリーブの前記チャネル内に配置された少なくとも1枚の断熱シートであって、シート状に形成された連続するセルロース材料からなり、前記シートがその上に形成された複数の凹部を有する、少なくとも1枚の断熱シートと、を含む、温度断熱梱包システム。
(実施形態30)
前記第1のスリーブの前記板紙の材料は、前記少なくとも1枚の断熱シートよりも剛性が高い、及び/又は、前記少なくとも1枚の断熱シートの厚さよりも厚い厚さを有する、実施形態29に記載の温度断熱梱包システム。
(実施形態31)
前記第1のスリーブの前記セルロース材料は、タブおよび溝を含み、前記タブは、前記チャネルを取り囲む連続ループ状に前記セルロース材料を固定するように、前記溝内に受け入れられる、実施形態29に記載の温度断熱梱包システム。
(実施形態32)
前記チャネルと連通する開口部を備えた末端端面を有する前記第1のスリーブと、
前記第1のスリーブの前記末端端面から突出するカバーフラップであって、前記カバーフラップは、前記開口部を少なくとも部分的に覆うように折り畳まれている、カバーフラップと、をさらに含む、実施形態29に記載の温度断熱梱包システム。
(実施形態33)
前記ライナーは、
チャネルを少なくとも部分的に画定する第2のスリーブであって、前記第2のスリーブは、前記容器に向かって配置された外壁と、前記輸送用アイテムを受け入れるように構成された前記区画に向かって配置された対向する内壁とを有し、前記第2のスリーブの前記チャネルは、前記第2のスリーブの前記内壁と前記外壁との間に配置されており、前記第2のスリーブは、前記第1のスリーブとは別個の個々のものであり、前記区画が前記第1のスリーブと前記第2のスリーブとの間に少なくとも部分的に配置されるように位置付けられている、第2のスリーブと、
前記第2のスリーブの前記チャネル内に配置された少なくとも1枚の断熱シートであって、セルロース材料からなり、その上に形成された複数の凹部を有する、少なくとも1枚の断熱シートと、をさらに含む、実施形態29に記載の温度断熱梱包システム。
(実施形態34)
前記第1のスリーブから突出する第1の係止タブと、前記第2のスリーブ上に形成された第1の係止溝とをさらに含み、前記第1の係止タブは、前記第1のスリーブを前記第2のスリーブに固定するように、前記第1の係止溝内に受け入れられる、実施形態33に記載の温度断熱梱包システム。
(実施形態35)
前記第1のスリーブ及び前記第2のスリーブの両方は、折り畳まれたときにU字形構成を有し、輸送用アイテムを受け入れるように構成された前記区画を確定する箱形状を一緒に形成するように構成される、実施形態33に記載の温度断熱梱包システム。
(実施形態36)
前記少なくとも1枚の断熱シートは、一緒に積み重ねられた複数の別個の紙のシートを含み、前記複数の別個の紙のシートのそれぞれは、セルロース材料からなり、その上に形成された複数の凹部を有する、実施形態29に記載の温度断熱梱包システム。
(実施形態37)
前記少なくとも1枚の断熱シートは、
上面、および対向する底面を有する第1の平坦なシートと、
上面、対向する底面、および複数の離間した第1のエンボスを有する第1のエンボス加工シートであって、各第1のエンボスが前記上面から外向きに突出し、終端で終わり、前記底面に公然と露呈している凹部を画定し、前記第1のエンボスの前記終端が接着剤によって前記第1の平坦なシートの前記底面に固定されている、第1のエンボス加工シートと、を含む、実施形態29に記載の温度断熱梱包システム。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
温度断熱梱包システムであって、前記梱包システムは、
内部容積を画定する内面を有する容器と、
前記容器の前記内部容積内に配置され、輸送用アイテムを受け入れるように構成された区画を少なくとも部分的に画定するライナーと、を含み、前記ライナーは、
第1のセルロース材料からなり、チャネルを少なくとも部分的に画定する第1のスリーブであって、前記第1のスリーブは、前記容器に向かって配置された外壁と、前記輸送用アイテムを受け入れるように構成された前記区画に向かって配置された対向する内壁とを有し、前記チャネルが、前記内壁と前記外壁との間に配置され、前記容器に挿入するための構成への前記スリーブの折り畳みを案内するための1つ以上の溝を含む、第1のスリーブと、
前記第1のスリーブの前記チャネル内に配置された少なくとも1枚の断熱シートであって、第2のセルロース材料からなり、その上に形成された複数の凹部を有する、少なくとも1枚の断熱シートと、を含み、
前記少なくとも1枚の断熱シートは、前記スリーブの前記外壁の内側面の少なくとも一部、前記スリーブの前記内壁の内側面の少なくとも一部、またはその両方に、直接接触する、温度断熱梱包システム。
【請求項2】
前記第1のスリーブの前記セルロース材料は、タブおよび溝を含み、前記タブは、前記チャネルを取り囲む連続ループ状に前記セルロース材料を固定するように、前記溝内に受け入れられる、請求項1に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項3】
前記チャネルと連通する開口部を備えた末端端面を有する前記第1のスリーブと、
前記第1のスリーブの前記末端端面から突出するカバーフラップであって、前記カバーフラップは、前記開口部を少なくとも部分的に覆うように折り畳まれている、カバーフラップと、をさらに含む、請求項1又は2に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項4】
前記ライナーは、
チャネルを少なくとも部分的に画定する第2のスリーブであって、前記第2のスリーブは、前記容器に向かって配置された外壁と、前記輸送用アイテムを受け入れるように構成された前記区画に向かって配置された対向する内壁とを有し、前記第2のスリーブの前記チャネルは、前記第2のスリーブの前記内壁と前記外壁との間に配置されており、前記第2のスリーブは、前記第1のスリーブとは別個の個々のものであり、前記区画が前記第1のスリーブと前記第2のスリーブとの間に少なくとも部分的に配置されるように位置付けられている、第2のスリーブと、
前記第2のスリーブの前記チャネル内に配置された少なくとも1枚の断熱シートであって、セルロース材料からなり、その上に形成された複数の凹部を有する、少なくとも1枚の断熱シートと、をさらに含む、請求項1又は2に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項5】
前記第1のスリーブから突出する第1の係止タブと、前記第2のスリーブ上に形成された第1の係止溝とをさらに含み、前記第1の係止タブは、前記第1のスリーブを前記第2のスリーブに固定するように、前記第1の係止溝内に受け入れられる、請求項4に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項6】
前記第1のスリーブ及び前記第2のスリーブの両方は、折り畳まれたときにU字形構成を有し、輸送用アイテムを受け入れるように構成された前記区画を確定する箱形状を一緒に形成するように構成される、請求項4又は5に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項7】
前記少なくとも1枚の断熱シートは、一緒に積み重ねられた複数の別個の紙のシートを含み、前記複数の別個の紙のシートのそれぞれは、セルロース材料からなり、その上に形成された複数の凹部を有する、請求項4に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項8】
前記少なくとも1枚の断熱シートは、
上面、および対向する底面を有する第1の平坦なシートと、
上面、対向する底面、および複数の離間した第1のエンボスを有する第1のエンボス加工シートであって、各第1のエンボスが前記上面から外向きに突出し、終端で終わり、前記底面に公然と露呈している凹部を画定し、前記第1のエンボスの前記終端が接着剤によって前記第1の平坦なシートの前記底面に固定されている、第1のエンボス加工シートと、を含む、請求項4に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項9】
前記第1のスリーブの前記セルロース材料は、板紙の材料である、請求項8に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項10】
前記第1のスリーブの前記板紙の材料は、前記少なくとも1枚の断熱シートよりも剛性が高い、及び/又は、前記少なくとも1枚の断熱シートの厚さよりも厚い厚さを有する、請求項9に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項11】
温度断熱梱包システムであって、前記梱包システムは、
内部容積を画定する内面を有する容器と、
前記容器の前記内部容積内に配置され、輸送用アイテムを受け入れるように構成された区画を少なくとも部分的に画定するライナーと、を含み、前記ライナーは、
セルロース材料からなり、チャネルを少なくとも部分的に画定する第1のスリーブであって、前記第1のスリーブは、前記容器に向かって配置された外壁と、前記輸送用アイテムを受け入れるように構成された前記区画に向かって配置された対向する内壁とを有し、前記チャネルが、前記内壁と前記外壁との間に配置される、第1のスリーブと、
前記第1のスリーブの前記チャネル内に配置された少なくとも1枚の断熱シートであって、シート状に形成された連続するセルロース材料からなり、前記シートがその上に形成された複数の凹部を有する、少なくとも1枚の断熱シートと、を含む、温度断熱梱包システム。
【請求項12】
前記第1のスリーブの前記セルロース材料は、タブおよび溝を含み、前記タブは、前記チャネルを取り囲む連続ループ状に前記セルロース材料を固定するように、前記溝内に受け入れられる、請求項11に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項13】
前記チャネルと連通する開口部を備えた末端端面を有する前記第1のスリーブと、
前記第1のスリーブの前記末端端面から突出するカバーフラップであって、前記カバーフラップは、前記開口部を少なくとも部分的に覆うように折り畳まれている、カバーフラップと、をさらに含む、請求項11に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項14】
前記ライナーは、
チャネルを少なくとも部分的に画定する第2のスリーブであって、前記第2のスリーブは、前記容器に向かって配置された外壁と、前記輸送用アイテムを受け入れるように構成された前記区画に向かって配置された対向する内壁とを有し、前記第2のスリーブの前記チャネルは、前記第2のスリーブの前記内壁と前記外壁との間に配置されており、前記第2のスリーブは、前記第1のスリーブとは別個の個々のものであり、前記区画が前記第1のスリーブと前記第2のスリーブとの間に少なくとも部分的に配置されるように位置付けられている、第2のスリーブと、
前記第2のスリーブの前記チャネル内に配置された少なくとも1枚の断熱シートであって、セルロース材料からなり、その上に形成された複数の凹部を有する、少なくとも1枚の断熱シートと、をさらに含む、請求項11に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項15】
前記第1のスリーブから突出する第1の係止タブと、前記第2のスリーブ上に形成された第1の係止溝とをさらに含み、前記第1の係止タブは、前記第1のスリーブを前記第2のスリーブに固定するように、前記第1の係止溝内に受け入れられる、請求項14に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項16】
前記第1のスリーブ及び前記第2のスリーブの両方は、折り畳まれたときにU字形構成を有し、輸送用アイテムを受け入れるように構成された前記区画を確定する箱形状を一緒に形成するように構成される、請求項14又は15に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項17】
前記少なくとも1枚の断熱シートは、一緒に積み重ねられた複数の別個の紙のシートを含み、前記複数の別個の紙のシートのそれぞれは、セルロース材料からなり、その上に形成された複数の凹部を有する、請求項11に記載の温度断熱梱包システム。
【請求項18】
前記少なくとも1枚の断熱シートは、
上面、および対向する底面を有する第1の平坦なシートと、
上面、対向する底面、および複数の離間した第1のエンボスを有する第1のエンボス加工シートであって、各第1のエンボスが前記上面から外向きに突出し、終端で終わり、前記底面に公然と露呈している凹部を画定し、前記第1のエンボスの前記終端が接着剤によって前記第1の平坦なシートの前記底面に固定されている、第1のエンボス加工シートと、を含む、請求項11に記載の温度断熱梱包システム。