IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ヤンマーホールディングス株式会社の特許一覧

特開2024-69748圃場管理方法、圃場管理システム、及び、プログラム
<>
  • 特開-圃場管理方法、圃場管理システム、及び、プログラム 図1
  • 特開-圃場管理方法、圃場管理システム、及び、プログラム 図2
  • 特開-圃場管理方法、圃場管理システム、及び、プログラム 図3
  • 特開-圃場管理方法、圃場管理システム、及び、プログラム 図4
  • 特開-圃場管理方法、圃場管理システム、及び、プログラム 図5
  • 特開-圃場管理方法、圃場管理システム、及び、プログラム 図6
  • 特開-圃場管理方法、圃場管理システム、及び、プログラム 図7
  • 特開-圃場管理方法、圃場管理システム、及び、プログラム 図8
  • 特開-圃場管理方法、圃場管理システム、及び、プログラム 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024069748
(43)【公開日】2024-05-22
(54)【発明の名称】圃場管理方法、圃場管理システム、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/02 20240101AFI20240515BHJP
【FI】
G06Q50/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022179945
(22)【出願日】2022-11-10
(71)【出願人】
【識別番号】720001060
【氏名又は名称】ヤンマーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100205350
【弁理士】
【氏名又は名称】狩野 芳正
(74)【代理人】
【識別番号】100117617
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 圭策
(72)【発明者】
【氏名】吉峰 拓海
(72)【発明者】
【氏名】三谷 英樹
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC01
5L050CC01
(57)【要約】
【課題】ユーザにとって好適な態様での圃場の地理情報の表示を容易にする。
【解決手段】圃場管理方法は、圃場で作業を行った作業装置の推定される作業方向を示す方向情報を取得することを含む。圃場管理方法は、圃場の地理情報を表示することを指示する情報と、取得した方向情報が示す作業方向を地理情報の表示の基準方向とすることを指示する情報と、を含む表示情報を決定することと、表示情報を含む出力情報を出力することと、を更に含む。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圃場で作業を行った作業装置の推定される作業方向を示す方向情報を取得することと、
前記圃場の地理情報を表示することを指示する情報と、取得した前記方向情報が示す前記作業方向を前記地理情報の表示の基準方向とすることを指示する情報と、を含む表示情報を決定することと、
前記表示情報を含む出力情報を出力することと、
を含む、
圃場管理方法。
【請求項2】
前記方向情報を取得することが、前記圃場に設けられた1以上の畝を示す畝情報が示す畝の方向に基づいて前記方向情報を決定することを含む、
請求項1に記載の圃場管理方法。
【請求項3】
前記表示情報が、前記圃場に形成された前記1以上の畝を前記地理情報に重畳させて表示することを指示する情報を更に含む、
請求項2に記載の圃場管理方法。
【請求項4】
前記方向情報を取得することが、前記圃場で作業する前記作業装置の位置を示す位置情報又は前記作業装置の車体の進行方向を示す方位情報に基づき、前記方向情報を決定することを含む、
請求項1に記載の圃場管理方法。
【請求項5】
前記地理情報の表示の前記基準方向が、前記地理情報が表示される表示画面の上下方向である、
請求項1に記載の圃場管理方法。
【請求項6】
前記圃場での作業の基準位置を示す基準位置情報を取得することを更に含み、
前記表示情報が、取得した前記基準位置情報が示す基準位置が、前記地理情報が表示される表示画面の下側に位置するように前記地理情報を表示することを指示する情報を更に含む、
請求項1に記載の圃場管理方法。
【請求項7】
前記基準位置情報を取得することが、前記圃場で作業した各時刻における前記作業装置の位置を示す複数の位置のうち、最も早い時刻の位置を、前記基準位置として決定することを含む、
請求項6に記載の圃場管理方法。
【請求項8】
前記基準位置情報を取得することが、前記圃場で作業した前記作業装置の位置を示す複数の位置情報が示す位置の密度が最も高い位置を、前記基準位置情報として決定することを含む、
請求項6に記載の圃場管理方法。
【請求項9】
圃場で作業を行った作業装置の推定される作業方向を示す方向情報を取得する方向取得部と、
前記圃場の地理情報を表示することを指示する情報と、取得した前記方向情報が示す前記作業方向を前記地理情報の表示の基準方向とすることを指示する情報と、を含む表示情報を決定する表示決定部と、
前記表示情報を含む出力情報を出力する出力部と、
を含む、
圃場管理システム。
【請求項10】
コンピュータに、
圃場で作業を行った作業装置の推定される作業方向を示す方向情報を取得することと、
前記圃場の地理情報を表示することを指示する情報と、取得した前記方向情報が示す前記作業方向を前記地理情報の表示の基準方向とすることを指示する情報と、を含む表示情報を決定することと、
前記表示情報を含む出力情報を出力することと、
を実行させるためのプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圃場管理方法、圃場管理システム、及び、プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
農業の情報化が進む近年、圃場での作業を支援する等の目的で、圃場の情報を表示することが行われている。
【0003】
これに関連して、特許文献1は、圃場で作業する作業装置の位置情報に基づいて圃場の畝を検出し、畝を含む圃場の情報を管理する技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許5821970号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
圃場の情報を閲覧するユーザは、例えば北を上側にした地図での表示とは異なり、自ら作業を行った方向等に基づき圃場を記憶する場合がある。しかし、特許文献1の技術では、圃場の地理情報をどのように表示するかについては具体的に開示されていない。そのため、圃場の地理情報を表示するにあたり従来の技術を用いると、単に北を上側にして圃場の情報を表示するなど、ユーザの記憶になじまない態様で表示され得る。この場合、好適な向きで表示するために表示する角度を変更する操作の必要が生じるなど、圃場の地理情報を表示するにあたってユーザに不便が生じる恐れがあった。
【0006】
上記の状況に鑑み、本開示は、ユーザにとって好適な態様での圃場の地理情報の表示を容易にすることを目的の一つとする。他の目的については、以下の記載及び実施の形態の説明から理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下に、発明を実施するための形態で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態との対応関係の一例を示すために、参考として、括弧付きで付加されたものである。よって、括弧付きの記載により、特許請求の範囲は、限定的に解釈されるべきではない。
【0008】
実施形態に係る圃場管理方法は、圃場(F)で作業を行った作業装置(30)の推定される作業方向(D)を示す方向情報を取得することと、圃場(F)の地理情報(M)を表示することを指示する情報と、取得した方向情報が示す作業方向(D)を地理情報(M)の表示の基準方向とすることを指示する情報と、を含む表示情報を決定することと、表示情報を含む出力情報を出力することと、を含む。
【0009】
実施形態に係る圃場管理システムは、圃場(F)で作業を行った作業装置(30)の推定される作業方向(D)を示す方向情報を取得する情報取得部(110)と、圃場(F)の地理情報(M)を表示することを指示する情報と、取得した方向情報が示す作業方向(D)を地理情報(M)の表示の基準方向とすることを指示する情報と、を含む表示情報を決定する表示決定部(140)と、表示情報を含む出力情報を出力する出力部(150)と、を備える。
【0010】
実施形態に係るプログラムは、コンピュータに、圃場(F)で作業を行った作業装置(30)の推定される作業方向(D)を示す方向情報を取得することと、圃場(F)の地理情報(M)を表示することを指示する情報と、取得した方向情報が示す作業方向(D)を地理情報(M)の表示の基準方向とすることを指示する情報と、を含む表示情報を決定することと、表示情報を含む出力情報を出力することと、を実行させる。
【発明の効果】
【0011】
上記の形態によれば、ユーザにとって好適な態様での圃場の地理情報の表示を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態に係る、圃場管理システムの構成を示すブロック図である。
図2】実施形態に係る、圃場管理装置の構成を示すブロック図である。
図3】実施形態に係る、端末装置の構成を示すブロック図である。
図4】実施形態に係る、圃場管理システムの機能構成を示すブロック図である。
図5】実施形態に係る、圃場管理システムが実行する処理を示すフローチャートである。
図6】実施形態に係る、地理情報の初期位置を示す概念図である。
図7】実施形態に係る、地理情報の第1の回転角度を示す概念図である。
図8】実施形態に係る、地理情報の第2の回転角度を示す概念図である。
図9】実施形態に係る、地理情報の表示態様を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第1実施形態)
本実施形態による圃場管理システム1を、図面を参照して説明する。本実施形態において、図1に示すように、圃場管理システム1は、圃場管理装置10と、端末装置20と、を備える。圃場管理システム1は、作業装置30が作業する1以上の圃場Fの情報を管理する。作業装置30の例として、トラクター、移植機、又は、収穫機といった農作業可能な車両が挙げられる。また、圃場管理システム1は、圃場Fを示す画像を表示する。図1の例では、圃場Fを示す画像は、端末装置20の入出力装置22の表示画面Sに表示される。また本実施形態では、圃場Fを示す画像は、圃場Fの地図画像Mである。
【0014】
図1の例では、圃場Fには複数の畝Rが直線上に平行に並んで設けられている。作業装置30を用いて圃場Fで作業を行うユーザは、畝Rが延びる方向に作業を行うため、畝Rが延びる方向で圃場Fを見ることが多い。このようなユーザにとっては、例えば一般的な地図のように南北を表示の基準方向(例えば、表示画面の上下方向)とするよりは、普段見慣れた作業方向を基準方向として表示された地理画像を見たほうが、直感的に把握しやすい場合がある。そこで、圃場管理システム1は、圃場Fを示す画像を表示する際に、作業装置30が作業を行った際の進行方向と推定される作業方向Dを決定し、この作業方向Dが、表示時の基準方向(例えば、表示画面の上下方向)として画像を表示する。なお、本開示では、特に言及しない限り、「向き」は、例えば北向きや南向きのように、ある単位ベクトルが指し示す概念を示す。「方向」は、例えば上下方向や南北方向のように、ある単位ベクトルが指し示す向きとその逆向きの両方を含む概念を示す。
【0015】
また、圃場Fの作業では、例えば圃場Fの入り口や、作業の準備を行うためのスペースなど、基準となる位置である基準位置Eが存在し得る。例えば、ユーザが圃場Fを想起する際、他の場所よりも入り口から見た景色を想起する割合が高いと推定される。そこで、圃場管理システム1は、圃場の地理情報を表示する際に、例えば表示画面の第1の側(例えば、下側)に基準位置Eが配置されるような態様で表示する。
【0016】
本実施形態の圃場管理システム1は、例えば北を上とする通常の地図とは異なり、実際にユーザが作業装置30で作業を行った代表的な方向であると推定される作業方向Dが表示画面Sの基準方向(例えば、表示画面Sの上下方向)と略一致するように、圃場Fの地理情報を表示する。圃場管理システム1の端末装置20は、方向情報が示す作業方向Dが、表示画面S(例えば、図3の入出力装置22が有するタッチパネル等)の基準方向と略一致するように、更に、基準位置Eが表示画面Sの下側に位置するように地図画像Mを表示する。そのため、圃場管理システム1は、圃場Fの地理情報を、ユーザが圃場Fについて記憶している内容に沿った角度で表示する割合が高い。このため、圃場管理システム1を用いて自分の認識し易い向きで表示するにあたり、ユーザが回転操作といった追加の操作をする必要がない、あるいはその必要が生じる割合が少ない。すなわち、圃場管理システム1は、ユーザにとって好適な態様での圃場の地理情報の表示を容易にする。
【0017】
圃場管理システム1の構成を説明する。圃場管理システム1に含まれる圃場管理装置10は、図2に示すように、入出力装置12と、演算装置14と、通信装置16と、記憶装置18と、を備える。圃場管理装置10は、例えば、クラウドを含めたコンピュータやサーバ装置である。
【0018】
入出力装置12には、演算装置14が処理を実行するための情報が入力される。また、入出力装置12は、演算装置14が処理を実行した結果を出力する。入出力装置12は、様々な入力装置と出力装置とを含み、例えば、キーボード、マウス、マイク、ディスプレイ、スピーカー、タッチパネルなどを含む。入出力装置12は省略されてもよい。
【0019】
通信装置16は、ネットワークNTと通信可能に接続され、ネットワークNTを介して圃場管理装置10の外部の装置(例えば、端末装置20、作業装置30、及び、外部のサーバ)との通信を行う。通信装置16は、1以上の端末装置20と、1以上の作業装置30と、外部のサーバと、から取得した情報を演算装置14に転送する。また、演算装置14が生成した情報を作業装置30と、端末装置20とのいずれか又は両方に転送する。通信装置16は、例えば、NIC(Network Interface Card)、USB(Universal Serial Bus)などの種々のインタフェースを含む。
【0020】
記憶装置18は、本実施形態の圃場管理装置10が後述する処理を実行するための様々なデータ及び命令を含むプログラムP1等を記憶する。記憶装置18は、これらのデータ及び命令を記憶する非一時的記憶媒体(non-transitory tangible storage medium)として用いられる。プログラムP1は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体M1に記録されたコンピュータプログラム製品(computer program product)として提供されてもよい。または、記憶媒体M1は、プログラムP1を記憶した外部のサーバの記憶装置であってもよい。この場合、プログラムP1はサーバからダウンロード可能なコンピュータプログラム製品として提供され得る。
【0021】
演算装置14は、圃場Fの地理情報を表示する処理の少なくとも一部を実行するための命令及びデータを含むプログラムP1を記憶装置18から読み出して実行する。例えば、演算装置14は、中央演算処理装置(CPU;Central Processing Unit)などを含む。
【0022】
演算装置14は、プログラムP1を読み出し実行することで、圃場管理装置10の後述する機能単位(例えば、図4に示す情報取得部110、方向取得部120、基準位置取得部130、表示決定部140、及び、出力部150等)を実現する。
【0023】
圃場管理システム1に含まれる端末装置20は、図3に示すように、入出力装置22と、演算装置24と、通信装置26と、記憶装置28と、を備える。端末装置20は、例えば、タブレットやスマートフォンといったモバイル機器である。なお、端末装置20は据え置き型のパーソナルコンピュータや、ノート型のコンピュータであってもよい。
【0024】
入出力装置22には、演算装置24が処理を実行するための情報が入力される。また、入出力装置22は、演算装置24が処理を実行した結果を出力する。入出力装置22は、様々な入力装置と出力装置とを含み、例えば、スピーカー、タッチパネルなどを含む。また、端末装置20がパーソナルコンピュータである場合などには、入出力装置22はキーボード、マウス、マイク、ディスプレイ等を含み得る。
【0025】
通信装置26は、ネットワークNTと通信可能に接続され、ネットワークNTを介して端末装置20の外部の装置(例えば、圃場管理装置10や外部のサーバ)との通信を行う。通信装置26は、圃場管理装置10や外部のサーバから取得した情報を演算装置24に転送する。また、演算装置24が生成した情報を圃場管理装置10と、作業装置30とのいずれか又は両方に転送する。通信装置26は、例えば、NIC、USBなどの種々のインタフェースを含む。
【0026】
記憶装置28は、本実施形態の圃場管理システム1が後述する処理を実行するための様々なデータ及び命令を含むプログラムP2等を記憶する。記憶装置28は、これらのデータ及び命令を記憶する非一時的記憶媒体として用いられる。プログラムP2は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体M2に記録されたコンピュータプログラム製品として提供されてもよい。または、記憶媒体M2は、プログラムP2を記憶した外部のサーバの記憶装置であってもよい。この場合、プログラムP2はサーバからダウンロード可能なコンピュータプログラム製品として提供され得る。
【0027】
演算装置24は、圃場Fの地理情報を表示する処理の少なくとも一部を実行するための命令及びデータを含むプログラムP2を記憶装置28から読み出して実行する。例えば、演算装置24は、中央演算処理装置(CPU)などを含む。
【0028】
演算装置24は、プログラムP2を読み出し実行することで、端末装置20の後述する機能単位(例えば、図4に示す表示部210)を実現する。
【0029】
なお、図1に示す作業装置30は、圃場Fでの作業を実行する農機である。作業装置30の例として、収穫機、耕耘機、施肥機等の各種作業機を牽引するトラクター、又は、畝Rに苗や種子を植えるための移植機や播種機といった圃場Fで農作業を行う車両が挙げられる。作業装置30は、例えば、全球測位衛星システム(GNSS;Global Navigation Satellite System)のような位置測量システムを用いて、自身の位置と現在の時刻(例えば、日付、時、分、秒など)を、反復的に取得する測位装置を有する。本実施形態の測位装置は、例えば、所定の周期(例えば、5秒、30秒、又は、1分ごと)に作業装置30の位置及び時刻を計測する場合がある。そして、作業装置30は、圃場において作業を行った位置及びその時刻を示す位置情報を含む稼働情報を圃場管理装置10に出力する場合がある。また、作業装置30は、位置情報に、その位置情報を測位したときに自身が牽引している作業機が作業状態であるか非作業状態であるかを示す情報や、エンジンの回転数といった自身の状態を示す情報等を含む稼働情報を出力する場合がある。
【0030】
図2及び図3に示したような物理構成により、圃場管理装置10及び端末装置20は、図4に示す機能単位を実現する。一例として、圃場管理装置10の演算装置14は、プログラムP1を実行することで、情報取得部110、方向取得部120、基準位置取得部130、表示決定部140、出力部150、及び、情報記憶部160の各機能を実現する。
【0031】
情報記憶部160は、情報取得部110、方向取得部120、基準位置取得部130、及び、表示決定部140が取得又は生成した情報を記憶する。情報記憶部160は記憶した情報を、方向取得部120、基準位置取得部130、表示決定部140、及び、出力部150に提供する。情報記憶部160は、例えば、圃場情報D1、畝情報D2、及び、稼働情報D3を、図5の処理の実行開始前に、予め記憶している。
【0032】
圃場情報D1は、圃場管理システム1の処理対象となる1以上の圃場Fについて、それぞれの地理的な特徴を示す情報を格納する。一例として、圃場情報D1は、例えば圃場Fに固有の識別子と対応付けて、その圃場Fの地理的な範囲を示す緯度経度情報を格納している。例えば、圃場Fが多角形の形状である場合、圃場情報D1は圃場Fの多角形の頂点の緯度及び経度を示す座標情報を含む。また本実施形態では、圃場情報D1は、各圃場Fの地理的な範囲に対応する地図画像Mの情報を含む。
【0033】
畝情報D2は、例えば図1に示すように、1以上の圃場Fに線分として形成された畝Rを特定する情報を格納している。例えば、畝情報D2は、各圃場Fに形成された1以上の畝Rについて、その畝Rの識別子を、その畝Rが延びる方向を示す情報と対応付けて記憶している。
【0034】
稼働情報D3は、作業装置30が出力した、作業装置30が圃場Fにおいて作業を行った位置及びその時刻を示す位置情報を含む稼働情報を複数格納している。
【0035】
図4に示す情報取得部110は、後述するように、圃場管理装置10が行う処理に必要な情報(例えば、圃場情報D1、畝情報D2、稼働情報D3、及び、圃場Fの地理情報等)の少なくとも一部を情報記憶部160や外部装置(例えば、端末装置20や作業装置30)から取得する。あるいは、情報取得部110は、情報記憶部160や外部装置から取得した情報に基づいて、後述する処理に必要な情報の少なくとも一部を取得する。
【0036】
方向取得部120は、後述するように、作業装置30を用いて圃場Fで作業を行ったと推定される作業方向Dを示す方向情報を取得する。
【0037】
基準位置取得部130は、後述するように、圃場Fでの農作業の基準位置Eを示す基準位置情報を取得する。
【0038】
表示決定部140は、後述するように、圃場Fの地理情報(例えば、地図画像M)を表示することを指示する表示情報を決定する。
【0039】
出力部150は、後述するように、表示情報を含む出力情報を外部装置(例えば、端末装置20)へ出力する。あるいは、出力部150は、例えば、入出力装置12を用いて表示させるなどして、表示決定部140が決定した表示情報に基づいて圃場Fの地理情報を出力する。
【0040】
図4に示すように、一例として、端末装置20の演算装置24は、プログラムP2を実行することで、表示部210の機能を実現する。
【0041】
表示部210は、後述するように、入出力装置22を用いて、地図画像Mといった圃場Fの地理情報をユーザに識別可能に表示する。
【0042】
(圃場管理システムの動作)
圃場管理システム1は、上述した機能構成により、図5に示す処理を実行して、圃場Fの地理情報を表示する。例えば、圃場管理システム1の圃場管理装置10は、外部装置(例えば、端末装置20)から、圃場Fの地理情報を表示すること指示するユーザ入力の情報を受信すると、図5の処理を開始する。一例として、端末装置20の表示部210は、圃場Fの地理情報の表示を指示するユーザ入力を入出力装置22により受け付けたときに、そのユーザ入力を受け付けたことを示す情報を圃場管理装置10に出力する。情報取得部110が当該ユーザ入力の情報を取得すると、圃場管理装置10は図5の処理を開始する。
【0043】
図5の処理ではまず、圃場管理装置10の情報取得部110が、ステップS1002において、処理対象の圃場Fについて、圃場情報D1と畝情報D2を取得する。例えば、情報取得部110は、情報記憶部160から、処理対象の圃場Fについての圃場情報D1と、畝情報D2を取得する。
【0044】
ステップS1002で取得された圃場情報D1は、圃場Fの地理的な範囲を示す情報を含む。なお、圃場情報D1は緯度及び経度により圃場Fを定義しているため、圃場情報D1が示す圃場Fの情報には、東西南北の向きを示す情報が含まれる。図6の例では、圃場Fの地理的な方角を示すために、北向きの基準方位RDが示されている。例えば、圃場管理システム1は、表示方向の調節を行わない場合には、基準方位RDが表示画面Sの表示の基準方向を表す第1の向きと一致するように圃場Fの地理情報を表示する。本実施形態では、表示画面Sの表示の基準方向は、表示画面Sの上下方向である。また、表示画面Sの表示の基準方向の第1の向きは、表示画面Sの上向きである。すなわち、圃場管理システム1は、表示方向の調節を行わずに表示する場合には、基準方位RDが表示画面Sの表示の上向きと一致するように圃場Fの地図画像Mを表示する。
【0045】
また、畝情報D2は、図6に示すように、圃場Fに設けられた畝Rを示す情報を含む。例えば図6に示すように、圃場Fに設けられた畝Rの方向、あるいは、畝Rに沿って作業した場合の作業方向Dは、基準方位RDとは異なり得る。
【0046】
次に、方向取得部120が、図5のステップS1004において、畝情報D2に基づいて方向情報を取得する。例えば、方向取得部120は、畝情報D2が示す圃場Fに設けられた1以上の畝Rが延びる方向を、圃場Fの作業方向Dとして決定する。そして、方向取得部120は、当該作業方向Dを示す情報を生成することにより、方向情報を取得する。
【0047】
次に、情報取得部110が、ステップS1006において、圃場Fで作業する作業装置30の位置情報を取得する。例えば、情報取得部110は、情報記憶部160から、それが記憶する稼働情報D3のうち、処理対象の圃場Fの範囲に含まれる位置情報を含む稼働情報D3を取得する。
【0048】
次に、基準位置取得部130が、ステップS1008において、稼働情報D3の位置情報に基づいて基準位置情報を取得する。例えば、基準位置取得部130は、ステップS1006において取得した圃場Fの地理的な範囲に含まれる位置情報のうち、最も早い時刻に測位された位置情報を抽出する。そして、基準位置取得部130は、抽出した位置情報が示す位置を、基準位置Eであると決定して、基準位置情報を取得する。
【0049】
次に、表示決定部140が、ステップS1010において、方向情報と基準位置情報に基づいて表示情報を決定する。表示情報は、圃場Fの地図画像Mを表示することを指示する情報と、方向情報が示す作業方向Dを地理情報の表示の基準方向とすることを指示する情報と、を含む。例えば表示決定部140は、ステップS1002で取得した圃場情報D1と畝情報D2に基づき、作業方向Dが、表示の基準方向と一致するような態様で圃場Fの地図画像Mの表示を指示する情報を含む表示情報を決定する。本実施形態では、表示画面Sの上下方向を、表示の基準方向とする。
【0050】
例えば図7に示すように、表示決定部140は、方向情報に基づいて、基準方位RDと、作業方向Dと、のなす角度である第1角度θ1を決定する。表示画面Sの座標平面上で圃場Fの地理情報と基準方位RDとを第1角度θ1だけ回転させると、表示の基準方向であるy軸が延びる方向と作業方向Dが一致する。
【0051】
更に、表示決定部140は、図8に示すように、端末装置20が表示するときの表示画面Sにおいて、基準位置情報が示す基準位置Eが表示の基準方向の第1の向きの側に圃場Fの地図画像Mを表示するように指示する情報を含む表示情報を決定する。例えば、表示の基準方向の第1の向きの側とは、表示画面Sを上下方向に2分割した場合の下側を示す。
【0052】
なお、図8及び図9では、圃場Fの地理情報の表示の横方向をx軸で、表示の上下方向をy軸で示している。本実施形態では、x軸のプラスの向きが、表示画面Sの右向きに対応し、マイナスの向きが表示画面Sの左向きに対応する。また、y軸のプラスの向きが、表示画面Sの上向きに対応し、マイナスの向きが表示画面Sの下向きに対応する。
【0053】
例えば、図6の状態から第1角度θ1だけ回転させた地図画像Mにおいては、基準位置Eは配慮されていないため、基準位置Eが基準方向の第1の向きとは逆の第2の向きの側(画面の上側)に配置される場合がある。一般に、表示画面Sを見るユーザは、表示画面Sの第1の向きの側(例えば、下側)を自身の側として認識する。そこで、圃場管理システム1は、圃場Fの作業の基準位置Eが第1の向きの側に位置するように圃場Fの地理情報を表示する。
【0054】
表示決定部140はステップS1008において更に、地図画像Mの表示方向を第1角度θ1に加えて更に回転させる第2角度θ2を示す情報を決定する。第2角度θ2は、基準位置Eが、図8及び図9においてy軸方向のマイナスの側で示される表示画面Sの基準方向の第1の向きの側に配置されるような態様で地図画像Mを表示するための角度を示す。一例として、表示決定部140は、図6に示す初期状態から第1角度θ1だけ回転させた地図画像Mにおいて基準位置Eが表示画面Sの基準方向の第1の向きの側に位置するか否か判別する。本実施形態では表示決定部140は、地図画像Mにおいて基準位置が中心点Cの下側に位置する場合に、基準位置Eが表示画面Sの基準方向の第1の向きの側に位置すると判別する。この場合、表示決定部140は、図8に示すように、第2角度θ2として180°(ラジアン表記ではπ)を決定する。一方、第1角度θ1だけ回転させた地図画像Mにおいて基準位置情報が示す基準位置Eが中心点Cよりも下に位置する場合、図8に示すように、第2角度θ2として0°(ラジアン表記では0)を決定する。なお、表示決定部140は、例えば、圃場Fの幾何中心を求めて、求めた点を中心点Cとして決定してもよい。
【0055】
そして、表示決定部140は、表示画面Sの基準方向(図7及び図8のy軸方向)と基準方位RDがなす角が第1角度θ1+第2角度θ2で求められる表示角度となるように、圃場Fの地理情報を表示することを指示する情報を含む表示情報を決定する。
【0056】
次に、出力部150が、図5のステップS1012において、図9に示すように、表示画面Sの基準方向(図7及び図8のy軸方向)と基準方位RDがなす角がステップS1010で決定された表示角度と一致するような態様の地図画像Mを指示する情報を含む出力情報を出力する。例えば出力情報は、圃場Fの地図画像Mを表示することを指示する情報と、方向情報が示す作業方向Dを表示画面Sの上下方向とすることを指示する情報と、を含む表示情報を含む。本実施形態では、出力情報は、圃場情報D1に含まれる圃場Fの地図画像Mそのものを示す情報を含む。
【0057】
本実施形態では、出力部150は、地図画像Mに重畳して表示されるべき畝Rを示す情報として、図5のステップS1002で取得した畝情報D2が示す畝Rの情報を含む出力情報を出力する。
【0058】
次に、端末装置20の表示部210が、図5のステップS1014で、ステップS1012で出力した出力情報に基づき圃場Fの地理情報を表示する。例えば表示部210は、入出力装置22の表示装置(例えば、タッチパネル)に、出力情報に含まれる圃場Fの地図画像Mを表示する。例えば、表示部210は、地図画像Mの基準方位RDと表示画面Sの基準方向(上下方向)とがなす角が第1角度θ1+第2角度θ2となるように、地図画像Mと畝Rの情報を含む処理対象の圃場Fの地理情報として表示する。言い換えると、表示部210は、入出力装置22の表示装置の表示画面の上下方向を、作業方向Dと一致させた態様で、地図画像Mを表示する。
【0059】
このように、本実施形態の圃場管理システム1は、作業装置30が圃場Fで行ったと推定される作業方向Dが、表示されるときの上下方向に略一致するように圃場Fの地理情報を表示する。このため、圃場管理システム1は、ユーザにとって好適な態様での圃場の地理情報の表示を容易にする。
【0060】
また、圃場管理システム1は、基準位置Eを表示画面の下側に表示されるような態様で圃場Fの地理情報を表示する。本実施形態では、基準位置Eは、圃場Fの入り口の位置を示すと考えられる。例えば圃場Fで作業を行ったユーザは、作業開始時に基準位置Eから圃場Fを見るため、圃場Fについては当該基準位置Eから見た景色が印象に残っている可能性が高い。このため、圃場管理システム1は、ユーザにとって好適な態様での圃場の地理情報の表示を容易にする。
【0061】
(変形例)
実施形態において説明した構成は一例であり、機能を阻害しない範囲で構成を変更することができる。
【0062】
例えば上記実施形態では、方向取得部120は、方向情報を畝情報D2に基づいて取得した。しかしこれに限らず、方向取得部120は、方向情報を作業装置30が圃場Fで作業したときの位置情報に基づいて取得してもよい。例えば、情報取得部110が、ステップS1002で、畝情報D2に代えて稼働情報D3を取得する。そして、方向取得部120が、ステップS1004において、稼働情報D3の位置情報に基づき、既知の畝検出技術を用いて、畝Rが延びる方向を決定する。そして、方向取得部120は、当該畝Rが延びる方向を示す情報を生成することにより、方向情報を取得してもよい。このとき、方向取得部120は、延びる方向が異なる複数の畝Rを検出した場合には、当該畝Rが延びる方向を示す数値(例えば、Y軸からの角度)の平均値(又は中央値)に対応する方向を作業方向Dとして決定してもよい。
【0063】
あるいは、方向取得部120は、作業装置30の位置情報に基づいて、畝Rを検出せずに方向情報を取得してもよい。例えば、情報取得部110が、ステップS1002で、畝情報D2に代えて稼働情報D3を取得する。そして、方向取得部120が、ステップS1004において、稼働情報D3の位置情報が示す位置のうち、測位された時刻が時間的に隣接する位置を結んで、圃場Fでの作業装置30の複数の軌跡を決定する。そして、方向取得部120は、軌跡の方向の変化が所定の閾値以下(例えば、5°以下)である場合に、作業装置30が同一直線状を進行して農作業を行っていると判別する。一方、軌跡の方向の変化が所定の閾値を超える場合には、作業の進行方向が同一直線上から変更された(または、単に作業装置30が方向転換した)と判別する。方向取得部120は、圃場Fのうち、同一直線上を進行して農作業を行っていると判別された最長の期間における軌跡の平均の方向(または、中央値の方向)を、作業方向Dとして決定してもよい。この場合、圃場管理システム1は、たとえば圃場Fが水田である場合など、圃場Fに畝Rが形成されていないときでも、表示方向を好適に回転して、圃場Fの地理情報を表示できる。
【0064】
作業装置30の測位装置が方位センサを有している場合、方向取得部120は当該方位センサの計測結果を示す方位情報に基づいて作業方向Dを決定してもよい。方位センサは、例えば、測位装置が作業装置30の位置を測位する時に車体の方向(又は向き)を検出する。作業装置30の車体の方向は、作業装置30の作業時の進行方向と一致し得る。作業装置30は、方位センサの検出結果に基づいて、作業中の作業装置30の車体の方向(又は向き)を示す方位情報を含む稼働情報D3を出力する。情報取得部110が、ステップS1002で、方位情報を含む稼働情報D3を取得する。例えば、方向取得部120はステップS1004において、稼働情報D3の方位情報が示す作業装置30の車体の方向の変化が所定の閾値以下(例えば、5°以下)である場合に、作業装置3が同一直線上を進行して作業を行っていると判別する。一方、方向の変化が所定の閾値を超える場合には、作業時の進行方向が直線上から変更された(または、単に作業装置30が方向転換した)と判別する。方向取得部120は、圃場Fにおいて、作業装置30が同一直線上で農作業を行っていると判別された最長の期間を求める場合がある。そして、方向取得部120は、求めた最長の期間に含まれる稼働情報D3の方位情報が示す方向を平均した方向(又は中央値の方向)を、作業方向Dとして決定してもよい。
【0065】
また、上記実施形態では、図5のステップS1008において、基準位置取得部130は、作業装置30の位置情報の時刻に基づいて基準位置Eを示す基準位置情報を取得した。しかし、基準位置取得部130は、圃場Fにおける作業装置30の位置情報が示す位置の密度に基いて基準位置Eを決定してもよい。例えば、例えば、基準位置取得部130は、ステップS1002で取得した圃場情報D1が示す圃場Fの地理的範囲を略同一の面積及び形状を有する小区分(例えば、メッシュ状の小区分)に分割し、ステップS1006で取得した作業装置30の位置情報が最大数含まれる小区分の代表位置を、基準位置Eとして決定してもよい。なお、小区分の代表位置は、例えば、当該小区分の幾何中心であってもよい。
【0066】
あるいは、基準位置取得部130は、上記実施形態とは異なる方法で基準位置Eを示す基準位置情報を取得してもよい。例えば、圃場情報D1に、処理対象の圃場Fの入り口等の作業の基準となる位置の情報が含まれる場合、基準位置取得部130は、図5のステップS1008において当該作業の基準となる位置の情報を、基準位置情報として取得してもよい。あるいは、基準位置取得部130は、基準位置Eを指定するユーザ入力に基づいて、基準位置情報を取得してもよい。この場合、例えば基準位置取得部130は、ステップS1006において、あるいは図5の処理を開始する前に、回転前の地図画像Mの情報を端末装置20に出力する。そして、端末装置20の表示部210が、入出力装置22のタッチパネル等に、当該地図画像Mを表示して、地図画像M上のポイントを指定するユーザ入力(例えば、入り口等の位置をタップするユーザ操作)を受け付ける。そして、表示部210が、当該ユーザ入力の情報を圃場管理装置10に出力する。基準位置取得部130は、このユーザ入力が示す圃場Fの位置を、基準位置Eとして決定してもよい。
【0067】
また、表示決定部140は、ステップS1010において、方向情報と基準位置情報に基づいて回転情報を決定した。しかしこれに限らず、表示決定部140は、基準位置情報によらず、方向情報に基づいて角度を決定してもよい。この場合、表示決定部140は、ステップS1010において方向情報に基づいて第1角度θ1を決定する。そして、表示決定部140は第1角度θ1を示す情報を、表示角度として決定してもよい。この場合、出力部150は、ステップS1012において、例えば図8の地図画像Mを含む出力情報を出力する。そして、表示部210は、ステップS1014において、図8の地図画像Mを表示する。
【0068】
上記実施形態では、圃場管理装置10がステップS1002~ステップS1012の処理を実行し、端末装置20がステップS1014の処理を実行した。しかしこれに限らず、圃場管理装置10がステップS1002~ステップS1014の処理を全て実行してもよい。この場合、圃場管理装置10が表示部210と同様の機能を有する表示部を有していてもよい。例えば、ステップS1012において、出力部150が、圃場管理装置10の当該表示部に出力情報を出力する。そして、ステップS1014において、圃場管理装置10の当該表示部が、表示部210と同様に回転させた地理情報を表示してもよい。
【0069】
また、端末装置20が、ステップS1002~ステップS1012の処理のうちの一部または全部を実行してもよい。例えば、ステップS1002~ステップS1008の処理を図5と同様に圃場管理装置10が実行する。そして、ステップS1010~ステップS1014の処理を端末装置20が実行してもよい。この場合、ステップS1008の終了後、出力部150が、圃場Fの地理情報と、ステップS1004で取得した方向情報と、ステップS1008で取得した基準位置情報と、畝情報D2と、を端末装置20へ出力する。そして、ステップS1010において、端末装置20の表示決定部が、受信した方向情報及び基準位置情報に基づき、上記実施形態の表示決定部140と同様に表示情報を決定する。そして、ステップS1012において、端末装置20の出力部が、上記実施形態の出力部150と同様に、表示部210又は外部装置に、出力情報を出力する。そして、ステップS1014において、表示部210が上記実施形態と同様に回転させた地理情報を表示してもよい。
【0070】
また、上記実施形態では、出力情報は、圃場の地理情報を表示することを指示する情報として、圃場情報D1に含まれる地図画像Mを含んでいた。しかしこれに限らず、出力部150は、地図画像Mを含まず、圃場情報D1に含まれる圃場Fの地理的な範囲を示す情報を含む出力情報を、圃場の地理情報を表示することを指示する情報として出力してもよい。この場合、端末装置20の表示部210は、記憶装置28が記憶する地図画像Mを、出力情報に含まれる表示角度に基づいて表示してもよい。あるいは、表示部210は、出力情報に含まれる地理的な範囲を示す地図画像Mを、圃場Fの緯度及び経度の情報を用いて、地図画像を表示する地図サービスから取得してもよい。この場合、表示部210は、地図サービスに、基準方位RDが地図の上向きと一致するように指定する向き指定情報を出力してもよい。
【0071】
また、圃場管理システム1が地理情報を表示するために用いる情報は、上記実施形態で説明したものと異なっていてもよい。例えば、圃場情報D1は、圃場Fの頂点の緯度及び経度を示す座標情報とは異なり、圃場Fの形状を示す情報と、基準方位RDを示す情報と、を含んでいてもよい。
【0072】
(付記)
各実施の形態で記載した圃場管理方法と、圃場管理システムと、プログラムとは以下のように言うことができる。
【0073】
第1の態様に係る圃場管理方法は、
圃場で作業を行った作業装置の推定される作業方向を示す方向情報を取得することと、
前記圃場の地理情報を表示することを指示する情報と、取得した前記方向情報が示す前記作業方向を前記地理情報の表示の基準方向とすることを指示する情報と、を含む表示情報を決定することと、
前記表示情報を含む出力情報を出力することと、
を含む。
【0074】
第2の態様に係る圃場管理方法は、第1の態様に係る圃場管理方法であり、
前記方向情報を取得することが、前記圃場に設けられた1以上の畝を示す畝情報が示す畝の方向に基づいて前記方向情報を決定することを含む。
【0075】
第3の態様に係る圃場管理方法は、第2の態様に係る圃場管理方法であり、
前記表示情報が、前記圃場に形成された前記1以上の畝を前記地理情報に重畳させて表示することを指示する情報を更に含む。
【0076】
第4の態様に係る圃場管理方法は、第1~第3のうちのいずれかの態様に係る圃場管理方法であり、
前記方向情報を取得することが、前記圃場で作業する前記作業装置の位置を示す位置情報又は前記作業装置の車体の進行方向を示す方位情報に基づき、前記方向情報を決定することを含む。
【0077】
第5の態様に係る圃場管理方法は、第1~第4のうちのいずれかの態様に係る圃場管理方法であり、
前記地理情報の表示の前記基準方向が、前記地理情報が表示される表示画面の上下方向である。
【0078】
第6の態様に係る圃場管理方法は、第1~第5のうちのいずれかの態様に係る圃場管理方法であり、
前記圃場での作業の基準位置を示す基準位置情報を取得することを更に含み、
前記表示情報が、取得した前記基準位置情報が示す基準位置が、前記地理情報が表示される表示画面の下側に位置するように前記地理情報を表示することを指示する情報を更に含む。
【0079】
第7の態様に係る圃場管理方法は、第6の態様に係る圃場管理方法であり、
前記基準位置情報を取得することが、前記圃場で作業した各時刻における前記作業装置の位置を示す複数の位置のうち、最も早い時刻の位置を、前記基準位置として決定することを含む。
【0080】
第8の態様に係る圃場管理方法は、第6の態様に係る圃場管理方法であり、
前記基準位置情報を取得することが、前記圃場で作業した前記作業装置の位置を示す複数の位置情報が示す位置の密度が最も高い位置を、前記基準位置情報として決定することを含む。
【0081】
第9の態様に係る圃場管理システムは、
圃場で作業を行った作業装置の推定される作業方向を示す方向情報を取得する方向取得部と、
前記圃場の地理情報を表示することを指示する情報と、取得した前記方向情報が示す前記作業方向を前記地理情報の表示の基準方向とすることを指示する情報と、を含む表示情報を決定する表示決定部と、
前記表示情報を含む出力情報を出力する出力部と、
を含む。
【0082】
第10の態様に係るプログラムは、
コンピュータに、
圃場で作業を行った作業装置の推定される作業方向を示す方向情報を取得することと、
前記圃場の地理情報を表示することを指示する情報と、取得した前記方向情報が示す前記作業方向を前記地理情報の表示の基準方向とすることを指示する情報と、を含む表示情報を決定することと、
前記表示情報を含む出力情報を出力することと、
を実行させる。
【符号の説明】
【0083】
1 圃場管理システム
10 圃場管理装置
12 入出力装置
14 演算装置
16 通信装置
18 記憶装置
110 情報取得部
120 方向取得部
130 基準位置取得部
140 表示決定部
150 出力部
160 情報記憶部
20 端末装置
22 入出力装置
24 演算装置
26 通信装置
28 記憶装置
210 表示部
30 作業装置
F 圃場
R 畝
D 作業方向
E 基準位置
S 表示画面
M 地図画像
NT ネットワーク
P1、P2 プログラム
M1、M2 記憶媒体
D1 圃場情報
D2 畝情報
D3 稼働情報
C 中心点
RD 基準方位
θ1 第1角度
θ2 第2角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9