(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024069785
(43)【公開日】2024-05-22
(54)【発明の名称】センサモジュール
(51)【国際特許分類】
G01L 5/00 20060101AFI20240515BHJP
G01L 1/16 20060101ALI20240515BHJP
【FI】
G01L5/00 Z
G01L1/16 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022179987
(22)【出願日】2022-11-10
(71)【出願人】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】弁理士法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森 健一
(72)【発明者】
【氏名】久保 浩行
【テーマコード(参考)】
2F051
【Fターム(参考)】
2F051AB08
2F051BA05
(57)【要約】
【課題】 センサが部材の変形を検知しやすくなるセンサモジュールであって、外観が損なわれにくいセンサモジュールを提供する。
【解決手段】 センサモジュールは、第1方向に延伸し、且つ、第1外周面を有する弾性部材と、第1外周面の一部を覆うグリップと、弾性部材に固定され、且つ、弾性部材の変形に応じた信号を出力するセンサと、を備えており、第1外周面は、グリップによって覆われている第1領域と、グリップによって覆われていない第2領域と、を有しており、弾性部材の、第1方向に直交する断面は、1以上の第1角部と1以上の第2角部とを含む多角形状であり、1以上の第1角部のそれぞれは、第1曲率を有しており、1以上の第2角部のそれぞれは、第1曲率より大きい第2曲率を有している。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に延伸し、且つ、第1外周面を有する弾性部材と、
前記第1外周面の一部を覆うグリップと、
前記弾性部材に固定され、且つ、前記弾性部材の変形に応じた信号を出力するセンサと、
を備えており、
前記第1外周面は、
前記グリップによって覆われている第1領域と、
前記グリップによって覆われていない第2領域と、
を有しており、
前記弾性部材の前記第1方向に直交する断面は、1以上の第1角部と1以上の第2角部とを含む多角形状であり、
前記1以上の第1角部のそれぞれは、第1曲率を有しており、
前記1以上の第2角部のそれぞれは、前記第1曲率より大きい第2曲率を有している、
センサモジュール。
【請求項2】
前記弾性部材は、透明である、
請求項1に記載のセンサモジュール。
【請求項3】
前記弾性部材は、前記第1方向に伸びる中心軸線を有している棒形状を有しており、
前記弾性部材の前記第1方向に直交する断面は、前記中心軸線を軸として回転対称な形状を有している、
請求項1又は請求項2に記載のセンサモジュール。
【請求項4】
前記1以上の第1角部の数及び前記1以上の第2角部の数の合計は、8以上である、
請求項1又は請求項2に記載のセンサモジュール。
【請求項5】
前記弾性部材の前記第1方向に直交する断面は、2個以上の前記第2角部を含む多角形状である、
請求項1又は請求項2に記載のセンサモジュール。
【請求項6】
前記弾性部材の前記第1方向に直交する断面は、2個以上の前記第1角部を含む多角形状であり、
前記第1方向に見て、前記センサの両端部の内の少なくとも一方が、前記複数の第1角部の内の1個の第1角部に配置されている、
請求項1又は請求項2に記載のセンサモジュール。
【請求項7】
第2方向は、前記第1方向に直交する方向であり、
第3方向は、前記第2方向の反対方向であり、
第4方向は、前記第1方向及び前記第2方向に直交する方向であり、
第5方向は、前記第4方向の反対方向であり、
第1直線は、前記第2方向における弾性部材の端部と前記第3方向における弾性部材の端部とを結び、
前記第1方向に見て、前記センサは、前記第1直線より前記第4方向側又は前記第5方向側に位置しており、
前記センサは、前記第1方向に見て、前記第1直線を跨いで配置されない。
請求項1又は請求項2に記載のセンサモジュール。
【請求項8】
前記センサモジュールは、配線部材と演算回路とを更に備えており、
前記配線部材は、前記センサ及び前記演算回路と電気的に接続されており、
前記演算回路は、前記配線部材を介して前記センサが出力した前記信号を受信し、
前記弾性部材の前記第1方向に直交する断面は、2以上の前記第1角部を含んでおり、
前記第1外周面は、前記2以上の第1角部の内隣り合う2個の第1角部の間に位置している第1面を有しており、
前記配線部材は、前記第1面に設けられている、
請求項1又は請求項2に記載のセンサモジュール。
【請求項9】
前記第1領域は、前記第1方向における前記弾性部材の両端部の前記第1外周面を含む、
請求項1又は請求項2に記載のセンサモジュール。
【請求項10】
前記弾性部材の前記第1方向に直交する断面は、複数の角部を有している多角形状であり、
前記複数の角部は、前記第1角部及び前記第2角部によって構成される、
請求項1又は請求項2に記載のセンサモジュール。
【請求項11】
前記弾性部材は、前記第1方向に伸びる中心軸線を有している棒形状を有しており、
前記弾性部材は、前記中心軸線周りにねじれるように変形する、
請求項1又は請求項2に記載のセンサモジュール。
【請求項12】
前記センサモジュールは、表示部を更に備えており、
前記弾性部材は、第1内周面及び前記第1外周面を有する筒形状を有しており、
前記表示部は、前記センサが出力した信号に基づいて表示を行い、
前記表示部は、前記第1内周面に固定されており、
前記表示部は、前記1以上の第2角部の内の少なくとも1つと接触しており、且つ、前記1以上の第1角部それぞれと接触していない、
請求項1又は請求項2に記載のセンサモジュール。
【請求項13】
前記グリップは、第2内周面及び第2外周面を有している筒形状を有しており、
前記第2内周面は、前記弾性部材の前記第1外周面と接触しており、
前記第2内周面は、前記弾性部材の前記第1外周面に固定されている、
請求項1又は請求項2に記載のセンサモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部材の変形を検知するセンサを備えるセンサモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ユーザが加えた負荷を検出する把持負荷検出デバイスが記載されている。把持負荷検出デバイスは、筐体とセンサとを備えている。筐体は、ユーザによって把持される。センサは、筐体に貼り付けられている。センサは、ユーザによって筐体に加えられる負荷の大きさを検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の把持負荷検出デバイスにおいて、把持負荷検出デバイスの外観を損なうことなくセンサが部材の変形を検知しやすくなることが望まれている。
【0005】
本発明の目的は、センサが部材の変形を検知しやすくなるセンサモジュールであって、センサモジュールの外観が損なわれにくいセンサモジュールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係るセンサモジュールは、
第1方向に延伸し、且つ、第1外周面を有する弾性部材と、
前記第1外周面の一部を覆うグリップと、
前記弾性部材に固定され、且つ、前記弾性部材の変形に応じた信号を出力するセンサと、
を備えており、
前記第1外周面は、
前記グリップによって覆われている第1領域と、
前記グリップによって覆われていない第2領域と、
を有しており、
前記弾性部材の、前記第1方向に直交する断面は、1以上の第1角部と1以上の第2角部とを含む多角形状であり、
前記1以上の第1角部のそれぞれは、第1曲率を有しており、
前記1以上の第2角部のそれぞれは、前記第1曲率より大きい第2曲率を有している。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一実施形態に係るセンサモジュールによれば、センサが部材の変形を検知しやすくなり、且つ、センサモジュールの外観が損なわれにくい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、センサモジュール1の外観を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、センサ12をY軸の正方向に見た図である。
【
図6】
図6は、圧電フィルム121の変形の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、変形例1に係るセンサモジュール1aを示す斜視図である。
【
図8】
図8は、センサモジュール1aのA-A断面図である。
【
図9】
図9は、変形例2に係るセンサモジュール1bを示す図である。
【
図10】
図10は、変形例3に係るセンサモジュール1cを示す図である。
【
図11】
図11は、変形例4に係るセンサモジュール1dを示す図である。
【
図12】
図12は、変形例5に係るセンサモジュール1eを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[第1実施形態]
以下、第1実施形態に係るセンサモジュール1について図面を参照しながら説明する。
図1は、センサモジュール1の外観を示す斜視図である。
図2は、
図1におけるA-A断面図である。
図3は、
図1におけるB-B断面図である。
図4は、センサ12をY軸の正方向に見た図である。
図5は、
図4におけるC-C断面図である。
図6は、圧電フィルム121の変形の一例を示す図である。
【0010】
本実施形態において方向を以下の様に定義する。
図1に示すように、X軸方向は、第1グリップ110と第2グリップ111とが並んでいる方向である。X軸の正方向は、第1グリップ110と第2グリップ111とがこの順に並んでいる方向である。X軸の負方向は、第2グリップ111と第1グリップ110とがこの順に並んでいる方向である。
図2に示すように、Y軸方向は、弾性部材10とセンサ12とが並んでいる方向である。Y軸方向は、X軸方向と直交している。Y軸の正方向は、センサ12と弾性部材10とがこの順に並んでいる方向である。Y軸の負方向は、弾性部材10とセンサ12とがこの順に並んでいる方向である。Z軸方向は、X軸方向及びY軸方向に直交する方向である。また、第1方向DIR1は、X軸方向と一致する。第2方向DIR2は、Z軸の正方向と一致する。第2方向DIR2は、第1方向DIR1に直交する。第3方向DIR3は、Z軸の負方向と一致する。第3方向DIR3は、第2方向DIR2の反対方向である。第4方向DIR4は、Y軸の負方向と一致する。第4方向DIR4は、第1方向DIR1及び第2方向DIR2に直交する。第5方向DIR5は、Y軸の正方向と一致する。第5方向DIR5は、第4方向DIR4の反対方向である。
【0011】
以下では、Mは、センサモジュール1の部品又は部材である。本明細書において、特に断りのない場合には、Mの各部について以下の様に定義する。X軸の正方向におけるMの端部とは、X軸の正方向におけるMの端及びその近傍を意味する。Xの負方向におけるMの端部とは、X軸の負方向におけるMの端及びその近傍を意味する。Y軸の正方向におけるMの端部とは、Y軸の正方向におけるMの端及びその近傍を意味する。Y軸の負方向におけるMの端部とは、Y軸の負方向におけるMの端及びその近傍を意味する。Z軸の正方向におけるMの端部とは、Z軸の正方向におけるMの端及びその近傍を意味する。Zの負方向におけるMの端部とは、Z軸の負方向におけるMの端及びその近傍を意味する。
【0012】
センサモジュール1は、例えば、トレーニング器具に用いられる。
図1乃至
図6に示すように、センサモジュール1は、弾性部材10、第1グリップ110、第2グリップ111及びセンサ12を備えている。
【0013】
弾性部材10は、
図1に示すように、X軸方向(第1方向DIR1)に延伸している。弾性部材10は、
図1及び
図2に示すように、外周面OS1(第1外周面)を有する。外周面OS1は、弾性部材10の側面である。弾性部材10は、X軸方向(第1方向DIR1)に伸びる中心軸線CAXを有している棒形状を有している。弾性部材10は、筒形状である。具体的には、弾性部材10は、内周面IS1(第1内周面)及び外周面OS1を有する筒形状を有している。従って、弾性部材10内には、空間が存在する。弾性部材10は、弾性を有している。弾性部材10は、弾性部材10に加わる力によって変形する。弾性部材10は、例えば、樹脂により形成されている。弾性部材10は、例えば、押出成形によって成形される。
【0014】
弾性部材10は、X軸方向に見て、多角形状である。具体的には、
図2に示すように、弾性部材10のX軸方向(第1方向DIR1)に直交する断面は、複数の角部PPを有している多角形状である。この場合、外周面OS1は、複数の平面を含んでいる。複数の角部PPのそれぞれは、外周面OS1が含んでいる複数の平面の内隣り合う2つの平面によって形成される角と、その近傍と、を含んでいる。本実施形態において、複数の角部PPの数は、8以上である。本実施形態において、X軸方向に直交する断面における弾性部材10の形状は、例えば、
図2に示すように、9個の角部PPを有している九角形状である。
【0015】
複数の角部PPは、形状の異なる2種類の角部を含んでいる。具体的には、
図2に示すように、複数の角部PPは、1以上の第1角部P1と1以上の第2角部P2とを含んでいる。このため、弾性部材10のX軸方向(第1方向DIR1)に直交する断面は、複数の第1角部P1と1以上の第2角部P2とを含む多角形状である。1以上の第1角部P1のそれぞれの形状は、1以上の第2角部P2の形状と異なる。1以上の第2角部P2のそれぞれは、1以上の第1角部P1と比較して、丸みを帯びている。具体的には、1以上の第1角部P1のそれぞれは、第1曲率を有している。1以上の第2角部P2のそれぞれは、第2曲率を有している。第2曲率は、第1曲率より大きい。この場合、X軸方向に見て、1以上の第1角部P1の内の1個の第1角部P1と中心軸線CAXとの間の距離は、1以上の第2角部P2の内の1個の第2角部P2と中心軸線CAXとの間の距離より、長い。
【0016】
本実施形態において、複数の角部PPは、2個以上の第1角部P1を含んでいる。
図2に示す例において、複数の角部PPは、6個の第1角部P1を含んでいる。本実施形態において、複数の角部PPは、2個以上の第2角部P2を含んでいる。
図2に示す例において、複数の角部PPは、3個の第2角部P2を含んでいる。従って、本変形例では、1以上の第1角部P1の数及び1以上の第2角部P2の数の合計は、8以上である。
【0017】
第1グリップ110及び第2グリップ111のそれぞれは、例えば、シリコンゴム等の樹脂により形成されている。第1グリップ110及び第2グリップ111のそれぞれは、
図3に示すように、内周面IS2(第2内周面)及び外周面OS2(第2外周面)を有している筒形状を有している。X軸方向に見て、内周面IS2の形状は、弾性部材10の外周面OS1の形状と同じである。
図1に示すように、第1グリップ110及び第2グリップ111のそれぞれは、弾性部材10の周囲を囲んでいる。第1グリップ110及び第2グリップ111のそれぞれは、弾性部材10の外周面OS1の一部を覆っている。
【0018】
第1グリップ110及び第2グリップ111は、弾性部材10の一部を覆っていない。具体的には、第1グリップ110及び第2グリップ111は、X軸方向における弾性部材10の中心及びその近傍を覆っていない。第1グリップ110は、X軸の負方向における弾性部材10の端部を覆っている。第2グリップ111は、X軸の正方向における弾性部材10の端部を覆っている。
【0019】
上記の構成の場合、外周面OS1(第1外周面)は、第1領域Ar10と、第1領域Ar11と、第2領域Ar2とを有している。第1領域Ar10は、外周面OS1が第1グリップ110によって覆われている。第1領域Ar11は、外周面OS1が第2グリップ111によって覆われている。この場合、第1領域Ar10,Ar11は、X軸方向(第1方向DIR1)における弾性部材10の両端部の外周面OS1(第1外周面)を含む。第2領域Ar2は、外周面OS1が第1グリップ110及び第2グリップ111によって覆われていない。第2領域Ar2は、X軸方向において、第1領域Ar10と第1領域Ar11との間に位置している。この場合、第2領域Ar2は、X軸方向において、第1グリップ110と第2グリップ111との間に位置している。
【0020】
第1グリップ110は、外周面OS1と接触している。具体的には、第1グリップ110の内周面IS2が、弾性部材10の外周面OS1と接触している。第1グリップ110は、弾性部材10に固定されている。具体的には、第1グリップ110の内周面IS2が、外周面OS1に固定されている。第1グリップ110に第1領域Ar10が嵌め込まれることによって、第1グリップ110が弾性部材10に固定されている。
【0021】
第2グリップ111は、外周面OS1と接触している。具体的には、第2グリップ111の内周面IS2が、外周面OS1と接触している。第2グリップ111は、弾性部材10に固定されている。具体的には、第2グリップ111の内周面IS2が、外周面OS1に固定されている。第2グリップ111に第1領域Ar11が嵌め込まれることによって、第2グリップ111が弾性部材10に固定されている。
【0022】
上記の構成により、第1グリップ110及び第2グリップ111に力が加わった場合、第1グリップ110及び第2グリップ111に加わった力によって弾性部材10が変形する。例えば、ユーザ200は、第1グリップ110及び第2グリップ111を把持する。このとき、X軸の正方向に見て、ユーザ200が、中心軸線CAXを軸として第1グリップ110を時計回りに捻じる。この場合、
図1に示すように、第1グリップ110に周方向の力F1が加わる。これにより、第1グリップ110に固定されている第1領域Ar10に対して周方向の力F1が加わる。また、X軸の正方向に見て、ユーザ200が中心軸線CAXを軸として第2グリップ111を反時計回りに捻じる。この場合、
図1に示すように、第2グリップ111に周方向の力F2が加わる。これにより、第2グリップ111に固定されている第1領域Ar11に対して周方向の力F2が加わる。結果、弾性部材10は、中心軸線CAX周りに捻じれるように変形する。X軸方向における弾性部材10の中心及びその近傍が、中心軸線CAX周りに捻じれるように変形する。
【0023】
センサ12は、
図4及び
図5に示す様に、X軸に沿って伸びる長辺及びY軸に沿って伸びる短辺を有する長方形状を有している。センサ12は、
図5に示すように、第1電極120、圧電フィルム121、第2電極122及び検出回路(図示せず)を含んでいる。第1電極120、圧電フィルム121及び第2電極122は、Y軸の負方向にこの順に並んでいる。
【0024】
圧電フィルム121は、
図4及び
図5に示す様に、X軸に沿って伸びる長辺及びZ軸に沿って伸びる短辺を有するシート形状を有している。圧電フィルム121は、Y軸方向に並んでいる第1主面SF1及び第2主面SF2を有している。
【0025】
圧電フィルム121は、圧電フィルム121の変形量に応じた電荷を発生する。例えば、圧電フィルム121がX軸の正方向且つZ軸の負方向に伸張されたときに発生する電荷の極性は、圧電フィルム121がX軸の正方向且つZ軸の正方向に伸張されたときに発生する電荷の極性又は圧電フィルム121がX軸の負方向且つZ軸の負方向に伸張されたときに発生する電荷の極性と異なる。具体的には、圧電フィルム121は、キラル高分子から形成されるフィルムである。キラル高分子とは、例えば、ポリ乳酸(PLA)、特にL型ポリ乳酸(PLLA)である。PLLAは、主鎖が螺旋構造を有する。PLLAは、一軸延伸されて分子が配向する圧電性を有する。圧電フィルム121は、d14の圧電定数を有している。
図4に示す様に、圧電フィルム121の一軸延伸方向ODは、X軸方向に対して0度又は90度の角度を形成している。この0度は、例えば、0度±10度程度を含む角度を含んでいる。この90度は、例えば、90度±10度程度を含む角度を含んでいる。これにより、圧電フィルム121は、圧電フィルム121がX軸の正方向且つZ軸の正方向、X軸の正方向且つZ軸の負方向、X軸の負方向且つZ軸の正方向、又は、X軸の負方向且つZ軸の負方向に伸張されることにより、電荷を発生する。圧電フィルム121は、例えば、X軸の正方向且つZ軸の負方向に伸張されると正の電荷を発生する。圧電フィルム121は、例えば、X軸の正方向且つZ軸の正方向に伸張されると負の電荷を発生する。電荷の大きさは、伸張又は圧縮による圧電フィルム121の変形量に依存する。
【0026】
第1電極120は、基準電位に接続される基準電極である。
図5に示すように、第1電極120は、OCA等の接着剤(図示せず)によって第1主面SF1に固定されている。第1電極120は、第1主面SF1を覆っている。
【0027】
第2電極122は、信号電極である。
図5に示すように、第2電極122は、OCA等の接着剤(図示せず)によって第2主面SF2に固定されている。第2電極122は、第2主面SF2を覆っている。
【0028】
検出回路は、ボルテージフォロワ(図示せず)、ADコンバータ(図示せず)等を含んでいる。ボルテージフォロワは、圧電フィルム121が発生した電荷を電圧信号に変換する。ADコンバータは、電圧信号をAD変換することによってデジタル信号を生成する。
【0029】
センサ12は、弾性部材10の変形に応じた信号を出力する。具体的には、
図2に示すように、センサ12は、外周面OS1に配置されている。センサ12は、第2領域Ar2に配置されている。センサ12は、弾性部材10に固定されている。センサ12は、OCA等の接着剤(図示せず)によって弾性部材10に固定されている。これにより、センサ12は、弾性部材10の変形に伴って変形する。センサ12は、センサ12の変形に応じた信号を出力する。
【0030】
本実施形態において、センサ12は、弾性部材10の中心軸線CAX周りの変形を検知する。例えば、第1グリップ110に力F1が加わる。これにより、X軸の正方向に見て、第1領域Ar10が、時計回りに捻じれるように変形する。この場合、
図6に示すように、第2領域Ar2に設けられているセンサ12の圧電フィルム121が、X軸の負方向且つZ軸の正方向に伸張する。また、第2グリップ111に力F2が加わる。これにより、X軸の正方向に見て、第1領域Ar11が、反時計回りに捻じれるように変形する。この場合、
図6に示すように、第2領域Ar2に設けられているセンサ12の圧電フィルム121が、X軸の正方向且つZ軸の負方向に伸張する。結果、圧電フィルム121は、正の電荷を発生する。
【0031】
(効果)
センサモジュール1によれば、センサ12が弾性部材10の変形を検知しやすくなる。例えば、X軸の正方向に見て、ユーザ200が第1グリップ110を時計回りに捻じる。この場合、第1グリップ110は、時計回りに回転する。ここで、X軸方向に直交する断面における弾性部材10の形状は、複数の角部PPを有している多角形状である。X軸の正方向に見て第1グリップ110が時計回りに回転した場合、複数の角部PPのそれぞれが第1グリップ110によって時計回りに押される。このため、X軸方向に直交する断面における弾性部材の形状が円形状であるセンサモジュールと比較して、センサモジュール1における弾性部材10は、中心軸線CAX周りに変形しやすくなる。従って、弾性部材10に設けられているセンサ12が、変形しやすくなる。結果、センサ12が弾性部材10の変形を検知しやすくなる。
【0032】
センサモジュール1において、1以上の第2角部P2のそれぞれは、第1曲率より大きい第2曲率を有している。これにより、1以上の第2角部P2それぞれの近傍の形状は、真円形状に似た形状となる。従って、ユーザは、1以上の第2角部P2における角(外周面OS1が含んでいる複数の平面の内隣り合う2つの平面によって形成される角)を視認しにくくなる。結果、センサモジュール1の外観が損なわれにくくなる。
【0033】
弾性部材10において複数の角部PPは、1以上の第1角部P1と1以上の第2角部P2とを含んでいる。1以上の第1角部P1のそれぞれは、第2曲率より小さい第1曲率を有している。このとき、第1角部P1のX軸方向に見て、1以上の第1角部P1の内の1個の第1角部P1と中心軸線CAXとの間の距離は、1以上の第2角部P2の内の1個の第2角部P2と中心軸線CAXとの間の距離より、長い。この場合、第1グリップ110が中心軸線CAX周りに捻じれたとき、1以上の第1角部P1のそれぞれは、1以上の第2角部P2それぞれと比較して、第1グリップ110に引っ掛かりやすい。このため、1以上の第1角部P1によって、弾性部材10に中心軸線CAX周りの力が加わりやすくなる。従って、弾性部材10が中心軸線CAX周りに変形しやすくなる。結果、弾性部材10に設けられているセンサ12が弾性部材10の変形を検知しやすくなる。
【0034】
センサモジュール1によれば、センサモジュール1の外観が損なわれにくい。具体的には、弾性部材10において複数の角部PPは、1以上の第2角部P2を含んでいる。1以上の第2角部P2のそれぞれは、第1曲率より大きい第2曲率を有している。これにより、1以上の第2角部P2それぞれの近傍の形状は、真円形状に似た形状となる。従って、X軸方向に見て、弾性部材10の形状が、真円形状に似た形状となる。結果、センサモジュール1の外観が損なわれにくくなる。
【0035】
[センサモジュール1のその他の構成]
以下、センサモジュール1のその他の構成について
図1から
図6を参照しながら説明する。
【0036】
弾性部材10は、透明である。本実施形態において、弾性部材10が透明とは、可視光線の少なくとも一部が弾性部材10を透過することを意味する。これにより、ユーザ200は、弾性部材10の内部を視認出来る。このような弾性部材10の材料は、例えば、ポリカーボネート樹脂である。
【0037】
弾性部材10のX軸方向(第1方向DIR1)に直交する断面(以下、弾性部材10の断面と称する)は、中心軸線CAXを軸として回転対称な形状を有している。弾性部材10が回転対称な形状を有しているとは、具体的には、以下である。
図2に示すように、X軸の正方向に見て、中心軸線CAXを軸として弾性部材10を任意の角度θで回転させる。任意の角度θは、0度より大きく360度より小さい角度である。このとき、X軸の正方向に見て、回転前の弾性部材10の断面の形状が、回転後の弾性部材10の断面の形状と一致する。角度θは、例えば、120度である。この場合、
図2に示す例において、X軸の正方向に見て、中心軸線CAXを軸として弾性部材10を時計回りに120度回転させる。この場合、回転後の弾性部材10の断面の形状は、回転前の弾性部材10の断面の形状と一致する。
【0038】
例えば、ユーザ200がセンサモジュール1を把持したとき、ユーザ200は、センサモジュール1をY軸の負方向に見る。本実施形態において、センサ12は、Y軸の負方向における弾性部材10の端部に設けられている。この場合、弾性部材10によって、ユーザ200によるセンサ12の視認が、抑制される。そして、本実施形態では、センサ12は、Y軸の正方向における弾性部材10の端部(弾性部材10においてユーザ200が視認しやすい部分)に設けられていない。従って、ユーザ200は、センサモジュール1を使用しているとき、センサモジュール1の外観が損なわれていると感じにくくなる。
【0039】
図2に示すように、X軸方向に見て、弾性部材10においてセンサ12が設けられていない部分(以下、非センサ部と称す)は、弾性部材10においてセンサ12が設けられている部分(以下、センサ部と称す)から離隔している。ここで、例えば、ユーザ200がセンサモジュール1を使用したとき、ユーザ200がセンサモジュール1を視認する方向に、非センサ部を配置することで、任意の方向におけるセンサモジュール1の外観を向上させることが出来る。例えば、ユーザ200は、センサモジュール1を使用したとき、センサモジュール1をY軸の負方向に見る。この場合、Y軸の正方向における弾性部材10の端部に非センサ部を設ける。これにより、ユーザ200は、センサモジュール1を使用したとき、非センサ部を視認しやすくなり、且つ、センサ部を視認しにくくなる。結果、ユーザ200が、センサモジュール1の外観が損なわれていると感じにくくなる。
【0040】
[変形例1]
以下、変形例1に係るセンサモジュール1aについて図面を参照しながら説明する。
図7は、変形例1に係るセンサモジュール1aを示す斜視図である。
図8は、センサモジュール1aのA-A断面図である。
図8において、1以上の第1角部P1の内の一部について、符号の記載を省略した。
図8において、1以上の第2角部P2それぞれについて、符号の記載を省略した。
【0041】
図7及び
図8に示すように、センサモジュール1aは、配線部材13及び演算回路14を更に備えている点で、センサモジュール1と異なる。
【0042】
配線部材13は、例えば、FPC(Flexible Printed Circuits)である。配線部材13は、センサ12及び演算回路14と電気的に接続されている。配線部材13は、
図7及び
図8に示すように、弾性部材10の外周面OS1に設けられている。配線部材13は、例えば、第1グリップ110と弾性部材10との間に位置している。例えば、第1領域Ar10における内周面IS2には、窪みDPが設けられている。窪みDPは、内周面IS2から外周面OS2に向かう方向に向かって窪んでいる。窪みDPは、Y軸の負方向における第1グリップ110の端部に設けられている。窪みDPによって、第1グリップ110と弾性部材10との間に空間が存在する。配線部材13は、当該空間内に位置している。
【0043】
配線部材13は、2以上の第1角部P1の内隣り合う2個の第1角部P1の間に位置している。具体的には、弾性部材10の外周面OS1は、2以上の第1角部P1の内隣り合う2個の第1角部P1の間に位置している第1面FSを有している。配線部材13は、第1面FSに設けられている。Y軸方向に見て、配線部材13は、第1面FS内に位置している。
【0044】
演算回路14は、例えば、CPU、ROM及びRAMを含んでいるマイクロコントローラーである。
図8に示すように、演算回路14は、例えば、弾性部材10の内周面IS1に固定されている。演算回路14は、例えば、第1領域Ar10に配置されている。演算回路14は、弾性部材10の変形に応じて変形しない。演算回路14は、配線部材13を介してセンサ12が出力した信号を受信する。演算回路14は、センサ12が出力した信号に基づいて演算を行う。演算回路14は、例えば、センサ12が出力した信号に基づいて、弾性部材10に加わった力を示す応力値を演算する。
【0045】
(効果)
センサモジュール1aによれば、配線部材13が弾性部材10に固定されやすい。具体的には、第1面FSは、2以上の第1角部P1の内隣り合う2個の第1角部P1の間に位置している。2個の第1角部P1それぞれが有している第1曲率は、1以上の第2角部P2が有している第2曲率よりも小さい。この場合、X軸の正方向に見て、第1角部P1における弧の長さは、第2角部P2における弧の長さより、短い。従って、第1面FSにおける平面の面積は、1以上の第2角部の内2個の第2角部の間に位置している第2面における平面の面積より、大きくなる。従って、第1面FSに配線部材13を設けることによって、配線部材13が弾性部材10と接触する部分の面積が増える。結果、配線部材13が弾性部材10に固定されやすくなる。
【0046】
[変形例2]
以下、変形例2に係るセンサモジュール1bについて図面を参照しながら説明する。
図9は、変形例2に係るセンサモジュール1bを示す図である。
図9は、センサモジュール1bにおけるB-B断面図である。
図9において、センサ12の記載を省略した。
【0047】
センサモジュール1bは、表示部15を更に備えている点で、センサモジュール1aと異なる。表示部15は、有機ELディスプレイ、無機ELディスプレイ等である。表示部15は、4つの辺により形成されるシート形状を有している。表示部15は、センサ12が出力した信号に基づいて表示を行う。具体的には、演算回路14は、センサ12から信号を受信する。演算回路14は、当該信号に基づいた表示を表示部15に行わせる命令を表示部15に送信する。表示部15は、当該命令に基づいて表示を行う。例えば、表示部15は、演算回路14の処理に基づいて、弾性部材10に加わる応力の大きさを示す応力値を表示する。
【0048】
表示部15は、弾性部材10内に設けられている。表示部15は、弾性部材10の内周面IS1に固定されている。
図9に示す例において、表示部15は、Y軸の正方向における弾性部材10の内周面IS1の端部に設けられている。このとき、表示部15は、
図9に示すように、1以上の第2角部P2の内の少なくとも1つと接触している。一方、表示部15は、1以上の第1角部P1それぞれと接触していない。
図9に示すように、外周面OS2から内周面IS2に向かう方向を外内方向DOIと定義する。このとき、外内方向DOIに見て、表示部15は、第2角部P2と重なっている。外内方向DOIに見て、表示部15は、第1角部P1と重なっていない。弾性部材10は、透明である。従って、ユーザ200は、弾性部材10を介して、表示部15が表示した応力値等を見ることが出来る。
【0049】
(効果)
センサモジュール1bにおいて、ユーザ200は、例えば、表示部15をY軸の負方向に見る。表示部15は、1以上の第2角部P2の内の少なくとも1つの第2角部P2と接触している。この場合、ユーザ200は、1以上の第2角部P2の内の少なくとも1個の第2角部P2を介して表示部15を見る。1以上の第2角部P2のそれぞれが有している第2曲率は、1以上の第1角部P1それぞれが有している第1曲率より大きい。従って、1以上の第2角部P2それぞれは、1以上の第1角部P1と比較して、丸みを帯びた形状を有している。ユーザ200は、丸みを帯びている形状の第2角部P2を介して表示部15を視認する。この場合、ユーザ200は、丸みを帯びていない第1角部P1を介して表示部15を視認する場合と比較して、表示部15を視認しやすくなる。
【0050】
[変形例3]
以下、変形例3に係るセンサモジュール1cについて図面を参照しながら説明する。
図10は、変形例3に係るセンサモジュール1cを示す図である。
図10は、センサモジュール1cにおけるB-B断面図である。
【0051】
センサモジュール1cは、センサ12の代わりにセンサ12cを備えている点でセンサモジュール1と異なる。周方向におけるセンサ12cの長さは、周方向におけるセンサ12の長さより長い。
【0052】
本変形例においてセンサ12cの両端部は、離隔している。本変形例では、X軸方向(第1方向DIR1)に見て、センサ12cの両端部は、複数の第1角部P1の内の2個の第1角部P1に配置されている。なお、X軸方向(第1方向DIR1)に見て、センサ12cの両端部の少なくとも一方が、複数の第1角部P1の内の1個の第1角部P1に配置されていればよい。第1角部P1の第1曲率は、第2角部P2の第2曲率より小さい。この場合、中心軸線CAXと第1角部P1との間の距離は、中心軸線CAXと第2角部P2との間の距離より長い。上記の構成の場合、ユーザ200は、センサ12cを視認しにくくなる。結果、ユーザ200は、センサモジュール1cの外観が損なわれていると感じにくくなる。
【0053】
図10に示す例において、Z軸方向における弾性部材10の両端部を結ぶ第1直線SL1を定義する。具体的には、Z軸の正方向(第2方向DIR2)における弾性部材10の端部と、Z軸の負方向(第3方向DIR3)における弾性部材10の端部と、を結ぶ第1直線SL1を定義する。第1直線SL1は、Z軸に沿って伸びている。X軸方向(第1方向DIR1)に見て、センサ12cは、第1直線SL1よりY軸の負側(第4方向DIR4側)又はY軸の正側(第5方向DIR5側)に位置している。センサ12cは、X軸方向(第1方向DIR1)に見て、第1直線SL1を跨いで配置されない。この場合、例えば、ユーザ200がセンサモジュール1cをY軸の負方向に見るとき、ユーザ200の視界LS内にセンサ12が位置しにくくなる(
図10参照)。つまり、ユーザ200は、センサ12cを視認しにくくなる。結果、ユーザ200は、センサモジュール1cの外観が損なわれていると感じにくくなる。
【0054】
なお、ユーザ200による視認が予想される方向に基づいて、センサ12cの配置を変えてもよい。例えば、ユーザ200がセンサモジュール1cをY軸の負方向に向かって視認すると予想されるとき(ユーザ200が、
図10のように、センサモジュール1cを視認すると予想されるとき)、弾性部材10におけるY軸の負側にセンサ12cを配置する。また、例えば、ユーザ200がY軸の正方向に向かってセンサモジュール1cを視認すると予想されるとき、弾性部材10におけるY軸の正側にセンサ12cを配置する。これにより、ユーザ200は、センサ12cを視認しにくくなる。結果、ユーザ200は、センサモジュール1cの外観が損なわれていると感じにくくなる。
【0055】
[変形例4]
以下、変形例4に係るセンサモジュール1dについて図面を参照しながら説明する。
図11は、変形例4に係るセンサモジュール1dを示す図である。
図11は、センサモジュール1dにおけるA-A断面図である。
図11において、センサ12の記載を省略している。
【0056】
センサモジュール1dは、弾性部材10の代わりに弾性部材10dを備えている点でセンサモジュール1と異なる。センサモジュール1dにおいて、1以上の第1角部P1の数は、1以上の第2角部P2の数よりも少ない。
図11に示す例において、弾性部材10dは、3個の第1角部P1を含んでいる。弾性部材10dは、6個の第2角部P2を含んでいる。この場合、丸みを帯びた形状を有する1以上の第2角部P2の数が、1以上の第1角部P1の数よりも多い。従って、弾性部材10dの断面形状が、真円形状に近づく。結果、センサモジュール1dの外観が損なわれにくくなる。
【0057】
センサモジュール1dにおいて、1以上の第2角部P2の内2個の第2角部P2が、Y軸の正方向における弾性部材10の端部に設けられている。これにより、Y軸の正方向における弾性部材10の端部の形状は、真円形状に近づく。従って、例えば、センサモジュール1cと同様にして、ユーザ200は、センサモジュール1dをY軸の負方向に見る。この場合、ユーザ200は、真円に近い形状であるY軸の正方向における弾性部材10の端部を見る。結果、ユーザ200は、センサモジュール1dに対して外観が損なわれていると感じにくい。
【0058】
[変形例5]
以下、変形例5に係るセンサモジュール1eについて図面を参照しながら説明する。
図12は、変形例5に係るセンサモジュール1eを示す図である。
図12は、センサモジュール1eにおけるA-A断面図である。
図12において、センサ12の記載を省略している。
【0059】
センサモジュール1eは、弾性部材10の代わりに弾性部材10eを備えている点でセンサモジュール1と異なる。弾性部材10eの形状は、弾性部材10の形状と異なる。具体的には、X軸方向に直交する断面における弾性部材10eの形状(以下、弾性部材10eの断面形状と称する)は、八角形状である。この場合、弾性部材10eにおける1以上の第1角部P1の角度は、弾性部材10における1以上の第1角部P1の角度より小さくなる。従って、ユーザ200が第1グリップ110を中心軸線CAX周りに捻じった場合、弾性部材10eが、第1グリップ110に引っ掛かり易くなる。結果、弾性部材10eが変形しやすくなる。
【0060】
[その他の実施形態]
本発明に係るセンサモジュールは、センサモジュール1,1a~1eに限らず、その要旨の範囲において変更可能である。センサモジュール1,1a~1eの構成を任意に組み合わせてもよい。
【0061】
なお、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は、説明のために定義した方向である。従って、センサモジュール1,1a~1eの実使用時におけるX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は、必ずしも、各実施形態及び各変形例におけるX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向と一致しなくてよい。例えば、弾性部材10がY軸に沿って伸びていてもよい。例えば、弾性部材10とセンサ12とが並んでいる方向が、X軸方向であってもよい。
【0062】
なお、X軸方向に直交する断面における弾性部材10の形状は、八角形状又は九角形状以外の形状であってもよい。
【0063】
なお、弾性部材10は、必ずしも、内周面IS1及び外周面OS1を有している筒形状でなくてもよい。弾性部材10は、例えば、X軸に沿って伸びる棒形状を有していてもよい。この場合、演算回路14は、例えば、棒形状である弾性部材10の外周面に設けられている。
【0064】
なお、センサモジュール1,1a~1eにおいて、弾性部材10における複数の角部PPは、1以上の第1角部P1及び1以上の第2角部P2により構成される。しかし、複数の角部PPは、必ずしも、1以上の第1角部P1及び1以上の第2角部P2のみを含んでいなくてもよい。例えば、複数の角部PPは、1以上の第1角部P1及び1以上の第2角部P2に加えて、1以上の第3角部を含んでいてもよい。この場合、1以上の第3角部それぞれが有する曲率は、第1曲率と異なり、且つ、第2曲率と異なる。
【0065】
なお、弾性部材10は、必ずしも、中心軸線CAXを軸として回転対称な形状を有していなくてもよい。
【0066】
なお、弾性部材10は、少なくとも1つの第1角部P1を有していればよい。
【0067】
なお、配線部材13は、必ずしも、FPCでなくてもよい。
【0068】
なお、弾性部材10では、中心軸線CAXを軸とした周方向において、1個の第1角部P1と2個の第2角部P2とが、交互に並んでいる。これにより、中心軸線CAXを軸とした周方向において、2個以上の第2角部P2が、等間隔に並ぶ。従って、弾性部材10の厚みが均一になりやすい。
【0069】
なお、弾性部材10eでは、中心軸線CAXを軸とした周方向において、1個の第1角部P1と1個の第2角部P2とが、交互に並んでいる。これにより、中心軸線CAXを軸とした周方向において、1個以上の第2角部P2が、等間隔に並ぶ。従って、弾性部材10の厚みが均一になりやすい。
【0070】
なお、配線部材13は、必ずしも、第1領域Ar10に配置されていなくてもよい。配線部材13は、第1領域Ar11に配置されていてもよい。
【0071】
なお、演算回路14は、必ずしも、第1領域Ar10に配置されていなくてもよい。演算回路14は、第1領域Ar11に配置されていてもよい。
【0072】
なお、
図12に示す例において、1以上の第2角部P2のそれぞれは、2個以上の第1角部P1の内隣り合う2個の第1角部P1の間に位置している。しかし、センサモジュール1eにおいて、1以上の第2角部P2のそれぞれは、必ずしも、2個以上の第1角部P1の内隣り合う2個の第1角部P1の間に位置していなくてもよい。
【0073】
なお、複数の角部PPは、必ずしも、2個以上の第1角部P1を含んでいなくてもよい。複数の角部PPは、少なくとも1個の第1角部P1を含んでいればよい。
【0074】
なお、複数の角部PPは、必ずしも、2個以上の第2角部P2を含んでいなくてもよい。複数の角部PPは、少なくとも1個の第2角部P2を含んでいればよい。
【0075】
なお、センサモジュール1bにおいて、表示部15は、板形状を有していてもよい。板形状を有する表示部15は、弾性部材10内に位置している。このとき、板形状を有する表示部15は、内周面IS1に固定されていない。この場合も、ユーザ200は、表示部15が表示した応力値等を見ることが出来る。
【0076】
本発明は、以下の構造を有する。
【0077】
(1)
第1方向に延伸し、且つ、第1外周面を有する弾性部材と、
前記第1外周面の一部を覆うグリップと、
前記弾性部材に固定され、且つ、前記弾性部材の変形に応じた信号を出力するセンサと、
を備えており、
前記第1外周面は、
前記グリップによって覆われている第1領域と、
前記グリップによって覆われていない第2領域と、
を有しており、
前記弾性部材の前記第1方向に直交する断面は、1以上の第1角部と1以上の第2角部とを含む多角形状であり、
前記1以上の第1角部のそれぞれは、第1曲率を有しており、
前記1以上の第2角部のそれぞれは、前記第1曲率より大きい第2曲率を有している、
センサモジュール。
【0078】
(2)
前記弾性部材は、透明である、
(1)に記載のセンサモジュール。
【0079】
(3)
前記弾性部材は、前記第1方向に伸びる中心軸線を有している棒形状を有しており、
前記弾性部材の前記第1方向に直交する断面は、前記中心軸線を軸として回転対称な形状を有している、
(1)又は(2)に記載のセンサモジュール。
【0080】
(4)
前記1以上の第1角部の数及び前記1以上の第2角部の数の合計は、8以上である、
(1)から(3)のいずれかに記載のセンサモジュール。
【0081】
(5)
前記弾性部材の前記第1方向に直交する断面は、2個以上の前記第2角部を含む多角形状である、
(1)から(4)のいずれかに記載のセンサモジュール。
【0082】
(6)
前記弾性部材の前記第1方向に直交する断面は、2個以上の前記第1角部を含む多角形状であり、
前記第1方向に見て、前記センサの両端部の内の少なくとも一方が、前記複数の第1角部の内の1個の第1角部に配置されている、
(1)から(5)のいずれかに記載のセンサモジュール。
【0083】
(7)
第2方向は、前記第1方向に直交する方向であり、
第3方向は、前記第2方向の反対方向であり、
第4方向は、前記第1方向及び前記第2方向に直交する方向であり、
第5方向は、前記第4方向の反対方向であり、
第1直線は、前記第2方向における弾性部材の端部と前記第3方向における弾性部材の端部とを結び、
前記第1方向に見て、前記センサは、前記第1直線より前記第4方向側又は前記第5方向側に位置しており、
前記センサは、前記第1方向に見て、前記第1直線を跨いで配置されない。
【0084】
(1)から(6)のいずれかに記載のセンサモジュール。
【0085】
(8)
前記センサモジュールは、配線部材と演算回路とを更に備えており、
前記配線部材は、前記センサ及び前記演算回路と電気的に接続されており、
前記演算回路は、前記配線部材を介して前記センサが出力した前記信号を受信し、
前記弾性部材の前記第1方向に直交する断面は、2以上の前記第1角部を含んでおり、
前記第1外周面は、前記2以上の第1角部の内隣り合う2個の第1角部の間に位置している第1面を有しており、
前記配線部材は、前記第1面に設けられている、
(1)から(7)のいずれかに記載のセンサモジュール。
【0086】
(9)
前記第1領域は、前記第1方向における前記弾性部材の両端部の前記第1外周面を含む、
(1)から(8)のいずれかに記載のセンサモジュール。
【0087】
(10)
前記弾性部材の前記第1方向に直交する断面は、複数の角部を有している多角形状であり、
前記複数の角部は、前記第1角部及び前記第2角部によって構成される、
(1)から(9)のいずれかに記載のセンサモジュール。
【0088】
(11)
前記弾性部材は、前記第1方向に伸びる中心軸線を有している棒形状を有しており、
前記弾性部材は、前記中心軸線周りにねじれるように変形する、
(1)から(10)のいずれかに記載のセンサモジュール。
【0089】
(12)
前記センサモジュールは、表示部を更に備えており、
前記弾性部材は、第1内周面及び前記第1外周面を有する筒形状を有しており、
前記表示部は、前記センサが出力した信号に基づいて表示を行い、
前記表示部は、前記第1内周面に固定されており、
前記表示部は、前記1以上の第2角部の内の少なくとも1つと接触しており、且つ、前記1以上の第1角部それぞれと接触していない、
(1)から(11)のいずれかに記載のセンサモジュール。
【0090】
(13)
前記グリップは、第2内周面及び第2外周面を有している筒形状を有しており、
前記第2内周面は、前記弾性部材の前記第1外周面と接触しており、
前記第2内周面は、前記弾性部材の前記第1外周面に固定されている、
(1)から(12)のいずれかに記載のセンサモジュール。
【符号の説明】
【0091】
1,1a~1e:センサモジュール
10,10d,10e:弾性部材
110:第1グリップ
111:第2グリップ
12:センサ
PP:複数の角部
P1:1以上の第1角部
P2:1以上の第2角部
Ar10,Ar11:第1領域
Ar2:第2領域