(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024006981
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】半導体パッケージ及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 25/07 20060101AFI20240110BHJP
H01L 23/12 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
H01L25/08 C
H01L23/12 501P
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023079005
(22)【出願日】2023-05-12
(31)【優先権主張番号】10-2022-0081724
(32)【優先日】2022-07-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】金 柱賢
(72)【発明者】
【氏名】金 一煥
(72)【発明者】
【氏名】徐 善京
(72)【発明者】
【氏名】趙 ▲ちゃ▼濟
(57)【要約】
【課題】工程の簡素化及び歩留りの向上が図られた半導体パッケージ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の一実施形態は、第1パッドを含む第1半導体チップと、上記第1半導体チップの下方に配置され、互いに対向する前面及び背面を有する基板、上記前面上に配置され、上記第1パッドに接する第2パッド、及び上記第2パッドと電気的に連結され、上記基板を貫通して上記背面から突出した突出部分を有する貫通電極を含む第2半導体チップと、上記第2半導体チップの周辺に配置され、上記第1パッドに接する貫通ビア構造物と、上記基板の上記背面及び上記貫通電極の上記突出部分の側面に沿って延びる第1誘電層と、上記第1誘電層の下方に配置され、上記貫通電極の上記突出部分の間及び上記貫通ビア構造物の間を埋める第2誘電層と、上記第2誘電層の下方に配置され、上記貫通電極及び上記貫通ビア構造物に電気的に連結されたバンプ構造物と、を含む半導体パッケージを提供する。
【選択図】
図1a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1パッドを含む第1半導体チップと、
上記第1半導体チップの下方に配置され、互いに対向する前面及び背面を有する基板、前記前面上に配置され、前記第1パッドに接する第2パッド、及び前記第2パッドと電気的に連結され、前記基板を貫通して前記背面から突出した突出部分を有する貫通電極を含む第2半導体チップと、
前記第2半導体チップの周辺に配置され、前記第1パッドに接する貫通ビア構造物と、
前記基板の前記背面及び前記貫通電極の前記突出部分の側面に沿って延びる第1誘電層と、
前記第1誘電層の下方に配置され、前記貫通電極の前記突出部分の間及び前記貫通ビア構造物の間を埋める第2誘電層と、
前記第2誘電層の下方に配置され、前記貫通電極及び前記貫通ビア構造物に電気的に連結されたバンプ構造物と、を含む半導体パッケージ。
【請求項2】
前記第1誘電層は、前記突出部分の前記側面に沿って第1方向に延びる第1部分と、前記第1部分から前記基板の前記背面に沿って第2方向に延びる第2部分と、を有する、請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項3】
前記第2誘電層は、前記第1部分及び前記第2部分と接触する、請求項2に記載の半導体パッケージ。
【請求項4】
前記第1誘電層は、前記第1半導体チップの下面及び前記第2半導体チップの側面に沿って延び、前記第1パッドの少なくとも一部を露出させる開口部を有する、請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項5】
前記貫通ビア構造物は、それぞれ、前記開口部内のシード層と、前記シード層から下方に延びるめっき層とを含む、請求項4に記載の半導体パッケージ。
【請求項6】
前記めっき層の側面は、前記第2誘電層と接触する、請求項5に記載の半導体パッケージ。
【請求項7】
前記第1誘電層は、シリコン酸化物(SiO)、シリコン窒化物(SiN)、及びシリコン炭窒化物(SiCN)の少なくとも一つを含む、請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項8】
前記第2誘電層は、絶縁性樹脂を含む、請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項9】
前記貫通電極は、前記背面に平行な方向に前記貫通ビア構造物の幅よりも狭い幅を有する、請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項10】
前記貫通電極の前記幅は約1μm~10μmの範囲であり、
前記貫通ビア構造物の前記幅は約4μm~40μmの範囲である、請求項9に記載の半導体パッケージ。
【請求項11】
前記第1半導体チップは、前記第1パッドの側面を取り囲む第1絶縁層をさらに含み、
前記第2半導体チップは、前記第2パッドの側面を取り囲み、前記第1絶縁層に接する第2絶縁層をさらに含む、請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項12】
前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層は、それぞれ、シリコン酸化物(SiO)、シリコン窒化物(SiN)、及びシリコン炭窒化物(SiCN)の少なくとも一つを含む、請求項11に記載の半導体パッケージ。
【請求項13】
前記貫通電極の最下面、前記貫通ビア構造物の最下面、前記第1誘電層の最下面、及び前記第2誘電層の最下面は、実質的に同一の平面にある、請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項14】
第1パッドを含む第1半導体チップと、
互いに対向する前面及び背面を有する基板、前記前面上に配置され、前記第1パッドに接する第2パッド、及び前記第2パッドと電気的に連結され、前記基板を貫通して前記背面から突出した突出部分を有する貫通電極を含む第2半導体チップと、
前記貫通電極の前記突出部分の側面を取り囲む第1部分、及び前記第1部分の一端から延び、前記基板の前記背面を覆う第2部分を含む第1誘電層と、
前記第1誘電層の前記第1部分及び前記第2部分を覆う第2誘電層と、を含む半導体パッケージ。
【請求項15】
前記第1部分及び前記突出部分は、前記第2誘電層を貫いて延長される電極構造物を形成し、
前記電極構造物は、前記突出部分の高さと同一か又はそれより大きい幅を有する、請求項14に記載の半導体パッケージ。
【請求項16】
前記第1誘電層の厚さは約1μm~3μmの範囲であり、
前記貫通電極の前記突出部分の幅は約1μm~10μmの範囲である、請求項14に記載の半導体パッケージ。
【請求項17】
前記第1部分は前記背面に垂直な第1方向に延び、
前記第2部分は前記背面に平行な第2方向に延びる、請求項14に記載の半導体パッケージ。
【請求項18】
第1パッドを含む第1半導体チップと、
前記第1半導体チップの下方に配置され、互いに対向する前面及び背面を有する基板、前記前面上に配置され、前記第1パッドに電気的に連結された第2パッド、及び前記第2パッドと電気的に連結され、前記基板を貫通して前記背面から突出した突出部分を有する貫通電極を含む第2半導体チップと、
前記第1半導体チップの下面、前記第2半導体チップの側面及び下面、及び前記貫通電極の前記突出部分の側面を覆う第1誘電層と、
前記第1誘電層の下方で前記第1半導体チップ、及び前記第2半導体チップのそれぞれの少なくとも一部を覆い、前記第1誘電層の物質とは異なる物質を含む第2誘電層と、
前記第2誘電層の下方に配置され、前記貫通電極に電気的に連結されたバンプ構造物と、を含む、半導体パッケージ。
【請求項19】
前記第1誘電層は、シリコン酸化物(SiO)、シリコン窒化物(SiN)、及びシリコン炭窒化物(SiCN)の少なくとも一つを含む、請求項18に記載の半導体パッケージ。
【請求項20】
前記第2誘電層は、プリプレグ(prepreg)、ABF(Ajinomoto Build-up Film)、及びEMC(Epoxy Molding Compound)の少なくとも一つを含む、請求項18に記載の半導体パッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体パッケージ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器に装着される半導体装置は、小型化とともに高性能化及び大容量化が求められる。これを実現するために、貫通電極(例えば、Through Silicon Via)を用いて垂直方向に積層された半導体チップを相互連結する半導体パッケージの開発が進められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする課題の一つは、工程の簡素化及び歩留りの向上が図られた半導体パッケージ及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前述した課題の解決手段として、本発明の一実施形態は、第1パッドを含む第1半導体チップと、上記第1半導体チップの下方に配置され、互いに対向する前面及び背面を有する基板、上記前面上に配置され、上記第1パッドに接する第2パッド、及び上記第2パッドと電気的に連結され、上記基板を貫通して上記背面から突出した突出部分を有する貫通電極を含む第2半導体チップと、上記第2半導体チップの周辺に配置され、上記第1パッドに接する貫通ビア構造物と、上記基板の上記背面及び上記貫通電極の上記突出部分の側面に沿って延びる第1誘電層と、上記第1誘電層の下方に配置され、上記貫通電極の上記突出部分の間及び上記貫通ビア構造物の間を埋める第2誘電層と、上記第2誘電層の下方に配置され、上記貫通電極及び上記貫通ビア構造物に電気的に連結されたバンプ構造物と、を含む半導体パッケージを提供する。
【0005】
また、第1パッドを含む第1半導体チップと、互いに対向する前面及び背面を有する基板、上記前面上に配置され、上記第1パッドに接する第2パッド、及び上記第2パッドと電気的に連結され、上記基板を貫通して上記背面から突出した突出部分を有する貫通電極を含む第2半導体チップと、上記貫通電極の上記突出部分の側面を取り囲む第1部分、及び上記第1部分の一端から延び、上記基板の上記背面を覆う第2部分を含む第1誘電層と、上記第1誘電層の上記第1部分及び上記第2部分を覆う第2誘電層と、を含む半導体パッケージを提供する。
【0006】
また、第1パッドを含む第1半導体チップと、上記第1半導体チップの下方に配置され、互いに対向する前面及び背面を有する基板、上記前面上に配置され、上記第1パッドに電気的に連結された第2パッド、及び上記第2パッドと電気的に連結され、上記基板を貫通して上記背面から突出した突出部分を有する貫通電極を含む第2半導体チップと、上記第1半導体チップの下面、上記第2半導体チップの側面及び下面、及び上記貫通電極の上記突出部分の側面を覆う第1誘電層と、上記第1誘電層の下方で上記第1半導体チップ、及び上記第2半導体チップのそれぞれの少なくとも一部を覆い、上記第1誘電層とは異なる物質を含む第2誘電層と、上記第2誘電層の下方に配置され、上記貫通電極に電気的に連結されたバンプ構造物と、を含む半導体パッケージを提供する。
【0007】
また、第1パッドを含む半導体ウェハを準備する段階と、予備基板、上記予備基板の前面に配置された第2パッド及び上記予備基板に埋め込まれた複数の予備貫通電極を含む第2半導体チップを上記半導体ウェハに付着する段階と、上記複数の予備貫通電極のそれぞれの少なくとも一部が露出するように上記予備基板をエッチングする段階と、上記半導体ウェハ、上記第2半導体チップ、及び露出した上記複数の予備貫通電極を覆う第1予備誘電層を形成する段階-上記第1予備誘電層は、上記第1パッドの少なくとも一部を露出させる第1開口部を有する-と、上記第1予備誘電層上に予備シード層を形成する段階と、上記予備シード層上に上記第1開口部に対応する第2開口部を有するレジスト層を形成する段階と、上記第2開口部内に予備めっき層を形成する段階と、上記レジスト層を除去し、上記予備シード層をエッチングする段階と、上記第1予備誘電層を覆う第2予備誘電層を形成する段階と、上記第1予備誘電層、上記予備めっき層、上記第2予備誘電層、及び上記複数の予備貫通電極を研磨する段階-第2誘電層、めっき層、第1誘電層、及び複数の貫通電極からなる平坦面が形成される-と、上記平坦面上にバンプ構造物を形成する段階と、を含む半導体パッケージの製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の実施形態によると、貫通電極を取り囲む第1誘電層及び第2誘電層を導入することで、工程の簡素化及び歩留りの向上が図られた半導体パッケージ及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1a】本発明の一実施形態による半導体パッケージを示した断面図である。
【
図1b】
図1aのI-I’線に沿った切断面を示した平面図である。
【
図1c】
図1aの‘A’領域を示した部分拡大図である。
【
図2】本発明の一実施形態による半導体パッケージを示した断面図である。
【
図3】本発明の一実施形態による半導体パッケージを示した断面図である。
【
図4】本発明の一実施形態による半導体パッケージを示した断面図である。
【
図5】本発明の一実施形態による半導体パッケージを示した断面図である。
【
図6a】
図1aに示された半導体パッケージの製造方法を工程順に示した断面図である。
【
図6b】
図1aに示された半導体パッケージの製造方法を工程順に示した断面図である。
【
図6c】
図1aに示された半導体パッケージの製造方法を工程順に示した断面図である。
【
図6d】
図1aに示された半導体パッケージの製造方法を工程順に示した断面図である。
【
図6e】
図1aに示された半導体パッケージの製造方法を工程順に示した断面図である。
【
図6f】
図1aに示された半導体パッケージの製造方法を工程順に示した断面図である。
【
図6g】
図1aに示された半導体パッケージの製造方法を工程順に示した断面図である。
【
図6h】
図1aに示された半導体パッケージの製造方法を工程順に示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付された図面を参照して本発明の好ましい実施形態について次のように説明する。
【0011】
図1aは、本発明の一実施形態による半導体パッケージ10Aを示す断面図であり、
図1bは、
図1aのI-I’線に沿った切断面を示した平面図であり、
図1cは、
図1aの‘A’領域を示した部分拡大図である。
【0012】
図1aから1cを参照すると、一実施形態の半導体パッケージ10Aは、第1半導体チップ100、第2半導体チップ200、第1誘電層310、及び第2誘電層330を含むことができる。実施形態によって、半導体パッケージ10Aは、貫通ビア構造物320、及び/又はバンプ構造物412をさらに含むことができる。
【0013】
本発明は、第1半導体チップ100の活性面と第2半導体チップ200の活性面を互いに接合させ、第1半導体チップ100と第2半導体チップ200との間の信号伝送経路を最小化することができる。第1半導体チップ100及び第2半導体チップ200は、セントラルプロセッサ(CPU)、グラフィックプロセッサ(GPU)、フィルドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、暗号化プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、アナログ-デジタルコンバータなどを含むロジックチップ、又は揮発性メモリ(例えば、DRAM)、不揮発性メモリ(例えば、ROM及びフラッシュメモリ)などを含むメモリチップであることができる。一例として、第1半導体チップ100は注文型半導体(ASIC)のようにロジック回路を含み、第2半導体チップ200は第1半導体チップ100にキャッシュ(cache)情報を提供するキャッシュメモリ回路を含むことができる。第2半導体チップ200の大きさは第1半導体チップ100の大きさよりも小さいことがある。例えば、第2半導体チップ200は第1半導体チップ100の平面積と実質的に同一か又はそれより小さい平面積を有することができる。
【0014】
また、第1半導体チップ100と第2半導体チップ200は、別途の連結部材(例えば、ソルダーバンプ、銅ポストなど)なしに直接接合及び結合されることができる。このような構造は、互いに接合されたパッドによる金属ボンディング及び互いに接合された絶縁層による誘電体ボンディングからなるハイブリッドボンディング(hybrid bonding)、又はダイレクトボンディング(direct bonding)などとして言及されることができる。
【0015】
また、絶縁性樹脂を含む第2誘電層330を用いて第1半導体チップ100及び第2半導体チップ200を封止することで、平坦化工程の難易度を下げ、歩留りを改善することができる。さらに、第2誘電層330とは異なる物質からなる第1誘電層310を用いて貫通電極240を取り囲むことで、平坦化工程において貫通電極240を保護及び支持することができる。「平坦化工程」は、貫通電極240の最下面、貫通ビア構造物320の最下面、第1誘電層310の最下面、及び第2誘電層330の最下面からなる平坦面を形成する一連の工程、例えば、グラインディング(grinding)工程、ポリッシング(polishing)工程などを含むことができる。このとき、貫通電極240の最下面、貫通ビア構造物320の最下面、第1誘電層310の最下面、及び第2誘電層330の最下面は、実質的に同一の平面(例えば、
図1cの‘PS’)にあることができる。
【0016】
以下、一実施形態の半導体装置10Aの各構成要素について詳細に説明する。
【0017】
第1半導体チップ100は、第1基板110、第1回路層120、第1絶縁層131、及び第1パッド132を含むことができる。一例として、第1半導体チップ100は、第1絶縁層131及び第1パッド132によって提供される平坦な下面を有することができる。
【0018】
第1基板110は、シリコン(silicon)、ゲルマニウム(germanium)のような半導体元素、又はSiC(silicon carbide)、GaAs(gallium arsenide)、InAs(indium arsenide)、及びInP(indium phosphide)のような化合物半導体を含む半導体ウェハであることができる。第1基板110は、不純物がドープされた活性領域を有する活性面(例えば、第1回路層120に対向する面)とその反対の非活性面とを有することができる。
【0019】
第1回路層120は、第1基板110の下面上に配置され、層間絶縁層121及び配線構造物125を含むことができる。層間絶縁層121は、FOX(Flowable Oxide)、TOSZ(Tonen SilaZen)、USG(Undoped Silica Glass)、BSG(Borosilica Glass)、PSG(PhosphoSilaca Glass)、BPSG(BoroPhosphoSilica Glass)、PETEOS(Plasma Enhanced Tetra Ethyl Ortho Silicate)、FSG(Fluoride Silicate Glass)、HDP(High Density Plasma)oxide、PEOX(Plasma Enhanced Oxide)、FCVD(Flowable CVD)酸化物又はこれらの組み合わせを含むことができる。配線構造物125を取り囲む層間絶縁層121の少なくとも一部領域は低誘電率誘電体層で構成されることができる。層間絶縁層121は、化学気相成長(CVD)、流動性(flowable)-CVD工程又はスピンコーティング工程を用いて形成されることができる。
【0020】
配線構造物125は、例えば、アルミニウム(Al)、金(Au)、コバルト(Co)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、タンタル(Ta)、テルル(Te)、チタン(Ti)、タングステン(W)、又はこれらの組み合わせからなる配線パターン及びビアを含む多層構造で形成されることができる。配線パターン又は/及びビアと層間絶縁層121との間には、チタン(Ti)、チタン窒化物(TiN)、タンタル(Ta)、又はタンタル窒化物(TaN)を含むバリア膜(図示せず)が配置されることができる。第1基板110の下面(又は活性面)上には、集積回路を構成する個々の素子115が配置されることができる。この場合、配線構造物125は、相互連結部又は相互連結部材113(例えば、コンタクトプラグ)によって個々の素子115と電気的に連結されることができる。個々の素子115は、planar FETやFinFETなどのFET、フラッシュ(flash)メモリ、DRAM、SRAM、EEPROM、PRAM、MRAM、FeRAM、RRAMなどのメモリ素子、AND、OR、NOTなどのロジック素子、システムLSI、CIS、MEMSのような多様な能動素子及び/又は受動素子を含むことができる。
【0021】
第1絶縁層131は、第1回路層120の下方に配置され、第1パッド132を取り囲むように形成されることができる。第1絶縁層131は、第2半導体チップ200の第2絶縁層231と互いに接合されて結合されることができる物質、例えば、シリコン酸化物(SiO)、シリコン窒化物(SiN)、及びシリコン炭窒化物(SiCN)の少なくとも一つを含むことができる。即ち、第1絶縁層131の少なくとも一部は、第2絶縁層231と接合されて、第1半導体チップ100と第2半導体チップ200との間のボンディング面を形成することができる。
【0022】
第1パッド132は、第1回路層120の配線構造物125と電気的に連結された接続端子であることができる。第1パッド132の少なくとも一部は、配線構造物125と絶縁されたダミーパッドであることができる。第1パッド132は、第1半導体チップ100の下面に配置された第1グループの第1パッド132a、及び第2グループの第1パッド132bを含むことができる。第1グループの第1パッド132aは、第2半導体チップ200の第2パッド232と連結されることができる。第2グループの第1パッド132bは、貫通ビア構造物320と連結されることができる。第1グループの第1パッド132aは、第1半導体チップ100の下面に垂直な方向(Z軸方向)に第2半導体チップ200と重畳又は整列されるように配置されることができる。第2グループの第1パッド132bは、垂直な方向(Z軸方向)に第2半導体チップ200と重畳されないように配置されることができる。第1パッド132は、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)のいずれか一つ又はこれらの合金を含むことができる。第1パッド132は、第1絶縁層131とともに、第1半導体チップ100と第2半導体チップ200との間のボンディング面を形成することができる。第1絶縁層131と第1パッド132との間には、チタン(Ti)、チタン窒化物(TiN)、タンタル(Ta)、及びタンタル窒化物(TaN)の少なくとも一つを含むバリア層が形成されることができる。
【0023】
第2半導体チップ200は、第1半導体チップ100の下方に配置され、互いに対向する前面S1及び背面S2を有する第2基板210、第2回路層220、第2絶縁層231、第2パッド232、及び貫通電極240を含むことができる。第2半導体チップ200は、第2絶縁層231及び第2パッド232によって提供され、第1半導体チップ100の下面に接する平坦な上面を有することができる。実施形態によって、第2半導体チップ200は、図面に示された数よりも少ないか又は多い数で提供されることができる。例えば、第2半導体チップ200は、第1半導体チップ100の下方に水平に配置された2以上の半導体チップとして提供されることができる。また、実施形態によって、第2半導体チップ200は、第1半導体チップ100の下方に垂直方向(Z軸方向)に積層された複数の半導体チップとして提供されることもできる。
【0024】
第2半導体チップ200は、第1半導体チップ100と実質的に同一又は類似の構造を有することができることから、同一又は類似の構成要素は同一又は類似の参照符号で示し、以下では同一の構成要素についての繰り返し説明は省略した。例えば、第2基板210及び第2回路層220は、上述した第1基板110、及び第1回路層120と同一又は類似の特徴を有することから、互いに対応する構成要素に対しては類似の参照番号で示し、重複する説明は省略した。
【0025】
第2絶縁層231は、第2回路層220上に配置され、第2パッド232を取り囲むように形成されることができる。第2絶縁層231は、第1絶縁層131に接合されて結合されることができる物質、例えば、シリコン酸化物(SiO)、シリコン窒化物(SiN)、及びシリコン炭窒化物(SiCN)の少なくとも一つを含むことができる。
【0026】
第2パッド232は、第2基板210の前面S1上に配置され、第2回路層220の配線構造物225と電気的に連結された接続端子であることができる。第2パッド232は、第2絶縁層231とともに第1半導体チップ100と第2半導体チップ200との間のボンディング面を形成することができる。第2パッド232は、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)のいずれか一つ又はこれらの合金を含むことができる。一例として、第2パッド232は、第1パッド132と接合及び結合されることができる。
【0027】
貫通電極240は、第2回路層220の配線構造物225及び第2パッド232と電気的に連結されることができる。貫通電極240は、第2基板210を貫通して第2基板210の背面S2から突出することができる。一例として、貫通電極240は、第2基板210の背面S2から突出した突出部分240Pを有することができる。貫通電極240は、突出部分240Pを介してバンプ構造物412と連結されることができる。
【0028】
貫通電極240は、ビアプラグと、ビアプラグの側面を取り囲む側面バリア膜(図示せず)とを含むことができる。ビアプラグは、例えば、タングステン(W)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、又は銅(Cu)を含むことができ、めっき工程、PVD工程、又はCVD工程によって形成されることができる。側面バリア膜は、チタン(Ti)、チタン窒化物(TiN)、タンタル(Ta)、又はタンタル窒化物(TaN)を含み、めっき工程、PVD工程、又はCVD工程によって形成されることができる。貫通電極240と第2基板210との間には、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物などの絶縁物質(例えば、HARP(High Aspect Ratio Process)酸化物)を含む側面絶縁膜241が形成されることができる。
【0029】
第1誘電層310は、第1半導体チップ100及び第2半導体チップ200の表面を覆うように形成されることができる。例えば、第1誘電層310は、第1半導体チップ100の下面、第2半導体チップ200の側面と下面、及び貫通電極240の突出部分240Pの側面を覆うことができる。第1誘電層310は、第2誘電層330をなす絶縁性樹脂よりも平坦化工程に対する抵抗が強い物質、例えば、シリコン酸化物(SiO)、シリコン窒化物(SiN)、及びシリコン炭窒化物(SiCN)の少なくとも一つを含むことができる。
【0030】
第1誘電層310は、平坦化工程において貫通電極240を保護及び支持するために、第2基板210の背面S2及び突出部分240Pの側面に沿って延びることができる。例えば、第1誘電層310は、突出部分240Pの側面を取り囲む第1部分310a、及び第1部分310aの一端から延び、第2基板210の背面S2を覆う第2部分310bを含むことができる。第1部分310aは、突出部分240Pの側面に沿って(例えば、背面S2に垂直な第1方向(Z方向)に)延び、第2部分310bは、第1部分310aの一端から第2基板210の背面S2に沿って(例えば、背面S2に平行な第2方向(X又はY方向)に)延びることができる。
【0031】
第1誘電層310の第1部分310aは、貫通電極240の突出部分240Pとともに第2誘電層330から露出する電極構造物ELSを形成することができる。第1誘電層310は、突出部分240Pのアスペクト比を増加させることで平坦化工程における突出部分240Pの安定性を確保することができる。よって、電極構造物ELSは、第2方向(X又はY方向)に突出部分240Pの高さhと同一か又はそれより大きい幅W1を有することができる。例えば、突出部分240Pの高さhは約1μm~5μmの範囲であり、電極構造物ELSの幅W1は約4μm~13μmの範囲であることができる。第1誘電層310の厚さは約1μm~3μmの範囲であることができるが、特に制限されるものではなく、突出部分240Pの高さh及び幅W3によって多様に変更されることができる。
【0032】
貫通ビア構造物320は、第2半導体チップ200の周辺に配置され、第1パッド132に接することができる。貫通ビア構造物320は、第1回路層120の配線構造物125と電気的に連結されることができる。実施形態によって、少なくとも一部の貫通ビア構造物320は、配線構造物125又は個々の素子115と電気的に絶縁されたダミービアであることができる。貫通ビア構造物320は、第1パッド132の少なくとも一部を露出させる第1誘電層310の開口部(
図6cの‘OP1’)内に配置されることができる。貫通ビア構造物320は、それぞれの開口部の内壁に沿って延在されるシード層321及びシード層321の下方に延びるめっき層322を含むことができる。シード層321は、銅(Cu)、チタン(Ti)、銅(Cu)合金、又はチタン(Ti)合金を含み、めっき層322は、銅(Cu)又は銅(Cu)合金を含むことができる。貫通電極240は、貫通ビア構造物320の幅W2よりも狭い幅W3を有することができる。例えば、貫通電極240の幅W3は約1μm~10μmの範囲であり、貫通ビア構造物320の幅W2は約4μm~40μmの範囲であることができる。
【0033】
第2誘電層330は、第1誘電層310の下方に配置され、第1半導体チップ100及び第2半導体チップ200のそれぞれの少なくとも一部を覆うことができる。第2誘電層330は、貫通電極240の突出部分240Pの間と貫通ビア構造物320の間を埋めることができる。例えば、第2誘電層330は、第1誘電層310の第1部分310aと第2部分310b、及び貫通ビア構造物320(又はめっき層322)の側面に接触することができる。第2誘電層330は、工程簡素化のために第1誘電層310とは異なる物質を含むことができる。第2誘電層330は、絶縁性樹脂、例えば、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂、ポリイミドのような熱可塑性樹脂、又はこれらの樹脂が無機フィラー又は/及びガラスファイバー(Glass Fiber、Glass Cloth、Glass Fabric)などに含浸された物質、例えば、プリプレグ(prepreg)、ABF(Ajinomoto Build-up Film)、FR-4、BT(Bismaleimide Triazine)、EMC(Epoxy Molding Compound)などを含むことができる。
【0034】
バンプ構造物412は、第2誘電層330の下方に配置され、貫通電極240及び貫通ビア構造物320に電気的に連結されることができる。半導体パッケージ10Aは、バンプ構造物412を介してモジュール基板、システムボードなどの外部装置に連結されることができる。一例として、バンプ構造物412は、ピラー(pillar)部分412P及びソルダー部分412Sを含むことができる。ピラー部分412Pは銅(Cu)又は銅(Cu)の合金を含み、ソルダー部分412Sは低融点金属、例えば、スズ(Sn)又はスズ(Sn)を含む合金(Sn-Ag-Cu)を含むことができる。実施形態によって、バンプ構造物412は、ピラー部分412P又はソルダー部分412Sのみを含んでもよい。第2誘電層330の下方には、バンプ構造物412を取り囲む保護層411が形成されることができる。保護層411は、バンプ構造物412を外部の物理的/化学的損傷から保護することができる。保護層411は、プリプレグ、ABF、FR-4、BT、PID(Photo-Imageable Dielectric)、フォトソルダーレジスト(Photo Solder Resist)などを用いて形成されることができる。実施形態によって、保護層411は、ピラー部分412Pの下面を覆う形態で形成されるか、又は、省略されることができる。
【0035】
図2は、本発明の一実施形態による半導体パッケージ10Bを示した断面図である。
【0036】
図2を参照すると、一実施形態の半導体パッケージ10Bは、
図1aの貫通ビア構造物320を含まないことを除き、
図1aから
図1cを参照して説明した内容と同一又は類似の特徴を有することができる。本実施形態の半導体パッケージ10Bは、第1半導体チップ100と第2半導体チップ200が垂直に重畳又は整列される重畳領域OR及び重畳領域ORの外側に位置した周辺領域PRを有することができる。一例として、水平方向(X又はY方向)に第2半導体チップ200の幅は、第1半導体チップ100と同一か又は狭い幅を有することができる。第1半導体チップ100の第1パッド132は、重畳領域OR内に配置され、周辺領域PRに配置されないことがある。但し、実施形態によって、周辺領域PRには、第1回路層120と電気的に絶縁されたダミーパッドが配置されてもよい。このように、第1半導体チップ100及び第2半導体チップ200の大きさ、種類などによって
図1aの貫通ビア構造物320は省略されることができる。
【0037】
図3は、本発明の一実施形態による半導体パッケージ10Cを示した断面図である。
【0038】
図3を参照すると、一実施形態の半導体パッケージ10Cは、貫通電極240及び/又は貫通ビア構造物320を再配線する再配線構造物510をさらに含むことを除き、
図1aから
図2を参照して説明した内容と同一又は類似の特徴を有することができる。再配線構造物510は、第2誘電層330の下方に配置され、絶縁性物質層511、再配線パターン層512、及び再配線ビア513を含むことができる。
【0039】
本実施形態の再配線パターン層512は、第2誘電層330の表面に直接配置されることができる。例えば、再配線パターン層512は、第2誘電層330及び第1誘電層310に直接接し、絶縁性物質層511に埋め込まれた上部パターン層、及び絶縁性物質層511の下方に配置された下部パターン層を含むことができる。この場合、再配線ビア513は、絶縁性物質層511を貫通して下部パターン層と上部パターン層を連結することができる。このように、再配線構造物510を導入することで、バンプ構造物412のレイアウトをデザインすることができる。
【0040】
絶縁性物質層511は、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物などの誘電物質、又はPID(Photo-Imageable Dielectric)のような感光性樹脂を用いて形成されることができる。絶縁性物質層511は、再配線パターン層512の層数に応じて複数の層で形成されることができる。工程によって、複数の絶縁性物質層511の少なくとも一部層間の境界は明確でないことがある。
【0041】
再配線パターン層512は、第1半導体チップ100及び第2半導体チップ200に電気的に連結され、例えば、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、又はこれらの合金を含む金属物質を含むことができる。再配線パターン層512は、例えば、グラウンドパターン、パワーパターン、信号パターンを含むことができる。信号パターンは、第1半導体チップ100及び第2半導体チップ200から伝達されたデータ信号を外部に伝送するか、又は、外部から伝達されたデータ信号を第1半導体チップ100及び第2半導体チップ200に伝達することができる。実施形態によって、パワーパターン及び/又はグラウンドパターンの少なくとも一部は、貫通ビア構造物320を介して第1半導体チップ100と連結されることができる。再配線パターン層512は、図示されたもの(二つの層)よりも多いか又はそれより少ない層数で形成されることができる。例えば、再配線パターン層512は、バンプ構造物412と第2誘電層330との間で水平方向(例えば、X及びY方向)に延長され、貫通電極240及び貫通ビア構造物320を再配線する3層以上のパターン層で提供されることができる。
【0042】
再配線ビア513は、絶縁性物質層511を貫通して再配線パターン層512に連結されることができる。再配線ビア513は、ビアホールの内部に金属物質が充填されたフィルド(filled)ビア又はビアホールの内壁に沿って金属物質が形成されたコンフォーマル(conformal)ビアの形態を有することができる。再配線ビア513は、再配線パターン層512と一体化した形態であることができるが、本発明の実施形態はこれに限定されない。再配線ビア513は、再配線パターン層512に対応して、図示されたもの(一つの層)よりも多い層数で形成されることができる。
【0043】
図面において、バンプ構造物412は、ソルダー部分412Sのみが含まれているが、実施形態によって、ピラー部分(
図1aの‘412P’)が含まれてもよく、バンプ構造物412を取り囲む保護層(
図1aの‘411)が形成されてもよい。
【0044】
図4は、本発明の一実施形態による半導体パッケージ10Dを示した断面図である。
【0045】
図4を参照すると、一実施形態の半導体パッケージ10Dは、再配線パターン層512が第1誘電層310及び第2誘電層330と離れていることを除き、
図3を参照して説明した内容と同一又は類似の特徴を有することができる。本実施形態の再配線構造物510は、第1誘電層310及び第2誘電層330の下面に直接配置された絶縁性物質層511、絶縁性物質層511の下方に配置された再配線パターン層512、及び絶縁性物質層511を貫通して再配線パターン層512を貫通電極240及び/又は貫通ビア構造物320に連結する再配線ビア513を含むことができる。このように、絶縁性物質層511上に再配線パターン層512を形成することで、再配線パターン層512の密着力を確保し、再配線パターン層512を微細ピッチで実現することができる。図面において、バンプ構造物412は、ピラー部分412P及びソルダー部分412Sをいずれも含んでいるが、実施形態によって、いずれかが省略されてもよい。
【0046】
図5は、本発明の一実施形態による半導体パッケージ10Eを示した断面図である。
【0047】
図5を参照すると、一実施形態の半導体パッケージ10Eは、ボンディング構造物BS、配線基板600、及び放熱構造物630を含むことができる。ボンディング構造物BSは、第1半導体チップ100、第2半導体チップ200、第1誘電層310、第2誘電層330などを含み、
図1aから
図4を参照して説明した内容と同一又は類似の特徴を有することができる。
【0048】
配線基板600は、ボンディング構造物BSが実装される支持基板であり、印刷回路基板(PCB)、セラミック基板、テープ配線基板などの半導体パッケージ用基板であることができる。配線基板600は、本体の下面に配置された下部パッド612、本体の上面に配置された上部パッド611、及び下部パッド612と上部パッド611を電気的に連結する配線回路613を含むことができる。配線基板600の本体は、基板の種類によって他の物質を含むことができる。例えば、配線基板600が印刷回路基板である場合、本体銅張積層板又は銅張積層板の断面や両面に配線層をさらに積層した形態であることができる。上部パッド611、下部パッド612、及び再配線回路613は、配線基板600の下面と上面を連結する電気的経路を形成することができる。配線基板600の下面上には、下部パッド612と連結された外部連結バンプ620が配置されることができる。外部連結バンプ620は、スズ(Sn)、インジウム(In)、ビスマス(Bi)、アンチモニー(Sb)、銅(Cu)、銀(Ag)、亜鉛(Zn)、鉛(Pb)、及び/又はこれらの合金を含むことができる。
【0049】
放熱構造物630は、配線基板600の上面上に配置され、ボンディング構造物BSの上部を覆うように形成されることができる。放熱構造物630は、接着剤によって配線基板600上に付着されることができる。接着剤は、熱伝導性接着テープ、熱伝導性グリース、熱伝導性接着剤などを使用することができる。放熱構造物630は、ボンディング構造物BSの上部の接着部材631によってボンディング構造物BSの上面に付着されることができる。放熱構造物630は、熱伝導性に優れた導電性物質を含むことができる。例えば、放熱構造物630は、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、鉄(Fe)などを含む金属又は金属合金又はグラファイト(Graphite)、グラフェン(Graphene)などのような導電性物質を含むことができる。放熱構造物630は、図示されたものとは異なる形状を有することができる。例えば、ボンディング構造物BSの上面のみをカバーする形態を有することができる。
【0050】
図6aから
図6hは、
図1aに示された半導体パッケージ10Aの製造方法を工程順によって示した断面図である。
【0051】
図6aを参照すると、第1半導体チップ100のための半導体ウェハ100Wを準備することができる。
【0052】
半導体ウェハ100Wは、スクライブラインSLによって区分される複数の第1半導体チップ100を含むことができる。半導体ウェハ100Wは、第1基板110上に第1半導体チップ100のための第1回路層120、及び第1ボンディング層130が形成された状態であることができる。第1ボンディング層130は、第1絶縁層131及び第1パッド132を含むことができる。半導体ウェハ100Wは、第1パッド132が配置された第1活性面AS1が上部を向くようにキャリアCR上に配置されることができる。
【0053】
次に、第2半導体チップ200pを半導体ウェハ100Wに付着することができる。
【0054】
第2半導体チップ200pは、バックグラインディング工程によって厚さが調整される前の予備基板210p、予備基板210pの前面に配置された第2回路層220及び第2ボンディング層230、予備基板210pに埋め込まれた複数の予備貫通電極240pを含むことができる。第2半導体チップ200pは、第2パッド232が配置された第2活性面AS2が下部を向くように半導体ウェハ100W上に配置されることができる。第2半導体チップ200pは、第2活性面AS2が第1活性面AS1に接するように配置されることができる。
【0055】
その後、熱圧着(thermal compression)工程を行うことで、第1半導体チップ100と第2半導体チップ200を結合させることができる。熱圧着工程は、約100℃~300℃の範囲の熱雰囲気で行われることができる。但し、熱雰囲気の温度は、上述した範囲に限定されず、多様に変化されることができる。
【0056】
図6bを参照すると、複数の予備貫通電極240pのそれぞれの少なくとも一部が露出するように予備基板210pをエッチングすることができる。
【0057】
予備基板210pに研磨工程を適用することで、希望の厚さを有する基板210が形成されることができる。研磨工程は、化学的機械的研磨(chemical mechanical polishing,CMP)工程、エッチバック(etch-back)工程又はこれらの組み合わせによって行われることができる。例えば、研磨工程を行うことで予備基板210pを一定の厚さに減少させ、適切な条件のエッチバックを適用することで複数の予備貫通電極240pを十分に露出させることができる。
【0058】
図6cを参照すると、半導体ウェハ100W、第2半導体チップ200p、及び露出した複数の予備貫通電極240pを覆う第1予備誘電層310pを形成することができる。
【0059】
第1予備誘電層310pは、第1パッド132の少なくとも一部を露出させる第1開口部OP1を有することができる。第1予備誘電層310pは、露出した複数の予備貫通電極240pの表面に沿ってコンフォーマルに延在されることができる。第1予備誘電層310pは、例えば、シリコン酸化物(SiO)を含み、PVD又はCVD工程を用いて形成されることができる。
【0060】
図6dを参照すると、第1予備誘電層310p上に予備シード層321pを形成することができる。
【0061】
予備シード層321pは、第1予備誘電層310pの表面に沿ってコンフォーマルに延在されることができる。予備シード層321pは、例えば、チタン(Ti)、銅(Cu)などを含み、めっき工程、PVD工程、又はCVD工程を用いて形成されることができる。予備シード層321pの厚さは約0.1μm~0.3μmの範囲であることができるが、特に制限されるものではない。
【0062】
図6eを参照すると、予備シード層321p上に第2開口部OP2を有するレジスト層PRを形成し、第2開口部OP2内に予備めっき層322pを形成することができる。
【0063】
第2開口部OP2は、第1開口部OP1に対応する位置(例えば、垂直位置)に形成されることができる。第2開口部OP2は、第1開口部OP1と同一か又はそれより大きい幅を有することができるが、これに限定されるものではない。レジスト層PRは、予備シード層321p上に感光性物質(例えば、フォトレジスト)を塗布及び硬化し、フォトリソグラフィー工程を行って形成されることができる。予備めっき層322pは、例えば、銅(Cu)を含み、めっき工程を用いて形成されることができる。
【0064】
図6fを参照すると、レジスト層(
図6eの‘PR’)を除去することで、予備シード層321pをエッチングすることができる。例えば、ドライエッチング工程を用いて予備めっき層322pから露出した予備シード層321pの一部が除去されることで、予備めっき層322pの下部にシード層321が形成されることができる。
【0065】
図6gを参照すると、第1予備誘電層310pを覆う第2予備誘電層330pを形成することができる。その後、第2予備誘電層330pに研磨工程を適用することで、第2誘電層330、めっき層322、第1誘電層310、及び複数の貫通電極240からなる平坦面PSが形成されることができる。
【0066】
第2予備誘電層330pは、モールディング物質、例えば、EMCを塗布及び硬化することで形成されることができる。第2予備誘電層330pは、予備めっき層322p及び予備貫通電極240pを覆い、第1予備誘電層310pによって取り囲まれた複数の予備貫通電極240pの間を埋めることができる。
【0067】
研磨工程によって、第1予備誘電層310pの一部分が除去された第1誘電層310、予備めっき層322pの一部分が除去されためっき層322、予備貫通電極240pの一部分が除去された貫通電極240が形成されることができる。第1予備誘電層310pは、基板210上に突出した予備貫通電極240pを取り囲むことで、研磨工程において予備貫通電極240pを支持及び保護することができる。
【0068】
図6hを参照すると、研磨工程によって形成された平坦面上に保護層411及びバンプ構造物412を順に形成することができる。保護層411は、例えば、PIDのような感光性樹脂を用いて形成されることができる。バンプ構造物412は、ピラー部分及びソルダー部分を含むことができる。その後、スクライブラインSLに沿って切断工程を行うことで、
図1aの半導体パッケージを形成することができる。
【0069】
本発明は上述した実施形態及び添付図面によって限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によって限定される。したがって、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から逸脱しない範囲内で、当技術分野の通常の知識を有する者によって様々な形態の置換、変形及び変更が可能であり、これも本発明の範囲に属するといえる。
【符号の説明】
【0070】
10 半導体パッケージ
100 第1半導体チップ
110 第1基板
120 第1回路層
130 第1ボンディング層
132 第1パッド
200 第2半導体チップ
210 第2基板
220 第2回路層
230 第2ボンディング層
232 第2パッド
240 貫通電極
310 第1誘電層
320 貫通ビア構造物
321 シード層
322 めっき層
330 第2誘電層
412 バンプ構造物