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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024069830
(43)【公開日】2024-05-22
(54)【発明の名称】内視鏡装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20240515BHJP
   A61B 1/04 20060101ALI20240515BHJP
   G02B 23/24 20060101ALI20240515BHJP
【FI】
A61B1/00 683
A61B1/04 520
A61B1/00 682
G02B23/24 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022180061
(22)【出願日】2022-11-10
(71)【出願人】
【識別番号】000113263
【氏名又は名称】HOYA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小松 雅弘
【テーマコード(参考)】
2H040
4C161
【Fターム(参考)】
2H040CA01
2H040DA00
2H040GA02
4C161UU05
(57)【要約】
【課題】コネクタ部分を大型化せずに電力の増大に対応できる内視鏡装置を提供する。
【解決手段】内視鏡装置は、送電コイルおよび制御基板を備えるプロセッサ部と、受電コイルおよび内視鏡を備えるスコープ部と、を備える。前記プロセッサ部および前記スコープ部が互いに結合された状態において、前記送電コイルおよび前記受電コイルが軸方向に少なくとも一部重なり、送電コイルから受電コイルに非接触給電を行うことが可能である。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送電コイルおよび制御基板を備えるプロセッサ部と、
受電コイルおよび内視鏡を備えるスコープ部と、
を備え、
前記プロセッサ部および前記スコープ部が互いに結合された状態において、前記送電コイルおよび前記受電コイルが軸方向に少なくとも一部重なり、送電コイルから受電コイルに非接触給電を行うことが可能である、
内視鏡装置。
【請求項2】
前記送電コイルおよび前記受電コイルは円筒面に沿って巻回されている、請求項1に記載の内視鏡装置。
【請求項3】
前記プロセッサ部および前記スコープ部の一方は、円筒形状の凸面を備え、
前記プロセッサ部および前記スコープ部の他方は、円筒形状の凹面を備え、
前記送電コイルおよび前記受電コイルは、いずれも前記凸面または前記凹面に沿って配置され、
前記プロセッサ部および前記スコープ部が互いに結合された状態において、前記凸面および前記凹面が互いに嵌合する、
請求項1に記載の内視鏡装置。
【請求項4】
前記プロセッサ部は前記送電コイルを複数備え、
前記スコープ部は前記受電コイルを複数備える、
請求項1に記載の内視鏡装置。
【請求項5】
前記プロセッサ部および前記スコープ部の一方は、発光素子を備え、
前記プロセッサ部および前記スコープ部の他方は、受光素子を備え、
前記プロセッサ部および前記スコープ部が互いに結合された状態において、前記発光素子および前記受光素子により光信号の送受信が可能である、
請求項1に記載の内視鏡装置。
【請求項6】
前記プロセッサ部および前記スコープ部は、それぞれ照明光用の光路を備え、
前記プロセッサ部および前記スコープ部が互いに結合された状態において、それぞれの前記光路が結合される、
請求項1に記載の内視鏡装置。
【請求項7】
前記プロセッサ部および前記スコープ部の少なくとも一方は、前記プロセッサ部および前記スコープ部が互いに結合したことを検出する結合検出スイッチを備える、請求項1に記載の内視鏡装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は内視鏡装置に関する。
【背景技術】
【0002】
内視鏡装置は、プロセッサ部とスコープ部に分離されるものがある。スコープ部は内視鏡を備え、内視鏡において、先端部には、撮像素子およびレンズ等、多数の部品を備える撮像モジュールが配置されている。スコープ部の可撓管部には、映像信号用ケーブル、電源用ケーブル、制御用ケーブル、等が配線されている。
【0003】
プロセッサ部とスコープ部との接続には、中型の電気コネクタ等が用いられる。接続部において非接触給電を行う構成が知られており、スコープ部のコネクタは受電コイルを備え、プロセッサ部のコネクタは送電コイルを備える。
【0004】
撮像素子の高解像度化等により、スコープ部の消費電力は将来増大する可能性がある。
【0005】
特許文献1には、このような非接触給電を行う内視鏡装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第5978238号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の技術では、コネクタ部分を大型化せずに電力の増大に対応することが困難であるという課題があった。
【0008】
たとえば特許文献1の構成では、送電コイルと受電コイルとが、軸方向端面どうしを突き合わせるように配置される。このような構成では、送電コイルと受電コイルとの結合の強さに限界がある。このため、消費電力が増大すると電力が不足する可能性があり、コネクタ部分の大型化が必要となる。
【0009】
また、スパイラル形状(平面内に配置される渦巻き形状)のコイルを用いる場合でも同様に、消費電力が増大すると電力が不足する可能性があり、コネクタ部分の大型化が必要となる。
【0010】
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、コネクタ部分を大型化せずに電力の増大に対応できる内視鏡装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る内視鏡装置の一例は、
送電コイルおよび制御基板を備えるプロセッサ部と、
受電コイルおよび内視鏡を備えるスコープ部と、
を備え、
前記プロセッサ部および前記スコープ部が互いに結合された状態において、前記送電コイルおよび前記受電コイルが軸方向に少なくとも一部重なり、送電コイルから受電コイルに非接触給電を行うことが可能である。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る内視鏡装置は、コネクタ部分を大型化せずに電力の増大に対応できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態1に係る内視鏡装置のブロック図。
図2】プロセッサ部20およびスコープ部30のより詳細な構成。
図3】プロセッサ部20に含まれるコネクタ部20aの具体的な構造を示す斜視図。
図4図3のコネクタ部20aの側面図。
図5図3のコネクタ部20aの正面図。
図6】スコープ部30に含まれるコネクタ部30aの具体的な構造を示す斜視図。
図7図6のコネクタ部30aの側面図。
図8図6のコネクタ部30aの正面図。
図9】送電コイル21および受電コイル31の関係を説明する図。
図10】プロセッサ部20およびスコープ部30が互いに結合された状態を示す斜視図。
図11図10の状態を示す上面図。
図12図10の状態を示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
[実施形態1]
図1は、本発明の実施形態1に係る内視鏡装置のブロック図である。内視鏡装置10は、電子内視鏡と呼ばれるものであってもよく、医療用に特化された装置であってもよい。内視鏡装置10は、プロセッサ部20およびスコープ部30を備える。
【0015】
プロセッサ部20は、送電コイル21および制御基板22を備える。制御基板22は、プロセッサ部20または内視鏡装置10全体を制御する制御装置として機能し、たとえば演算手段および記憶手段を備えるコンピュータを用いて構成することができる。
【0016】
スコープ部30は、受電コイル31および内視鏡32を備える。内視鏡32は公知の構成を有することができるが、たとえば先端から順に、変形しない硬質部分、操作に応じて能動的に屈曲可能な屈曲部分、受動的に変形可能な可撓部分、等を含む。硬質部分には撮像素子(図2等を参照して後述する)が取り付けられている。
【0017】
プロセッサ部20またはスコープ部30は、内視鏡32を操作するための操作部を備えてもよい。内視鏡装置10の使用者は、操作部を操作することにより、内視鏡32の動作を制御することができる。たとえば、操作部に対する操作に応じて、内視鏡32の屈曲部分が屈曲する。屈曲部分は、一般的な電子スコープに組み込まれている周知の機構を用いて実現することができ、たとえば操作部に含まれるノブの回転操作に連動した操作ワイヤーの牽引によって、屈曲部分を屈曲させるように構成されている。
【0018】
内視鏡32は、先端を含む部分を生体内の任意の体腔に挿入することができ、たとえば気管支、胆道、膵臓、肝管領域、泌尿器領域、等への挿入が可能である。
【0019】
プロセッサ部20およびスコープ部30は、互いに着脱可能であり、すなわち分離可能に結合できるよう構成される。プロセッサ部20およびスコープ部30が互いに結合された状態において、送電コイルから受電コイルに非接触給電を行うことが可能である。
【0020】
図2は、プロセッサ部20およびスコープ部30のより詳細な構成を示す。プロセッサ部20において、第2コントローラ212は、送電コイル21を制御し、これによって、スコープ部30に給電される電力を制御する。給電される電力の電源は、プロセッサ部20に内蔵されるバッテリであってもよく、外部の電源であってもよい。
【0021】
また、第2コントローラ212は、スコープ部30との間で送受信される信号を処理する。後段信号処理回路270は、第2コントローラ212の入出力信号を処理する。第1コントローラ211は、第2コントローラ212および後段信号処理回路270を制御する。
【0022】
とくに、第2コントローラ212はレーザドライバ260を制御し、レーザドライバ260はレーザダイオード250を制御する。レーザダイオード250は制御用の光信号をスコープ部30に対して送信し、これによってスコープ部30の動作が制御される。
【0023】
フォトダイオード221、222および223は、スコープ部30からの映像(たとえば撮像素子40によって撮像されたもの)を表す光信号を受信し、これを電気信号に変換して、それぞれ対応するトランスインピーダンス増幅器231、232および233と、さらにその後段のリミッティングアンプ241、242および243とに送信する。リミッティングアンプ241、242および243は、電気信号を増幅して第2コントローラ212に送信する。これによって、第2コントローラ212は映像信号を取得する。
【0024】
スコープ部30において、第1コントローラ311は、電流監視部33を制御する。電流監視部33は、受電コイル31および抵抗34を含む回路を制御し、これによって、プロセッサ部20から給電される電力を制御しつつ、スコープ部30の他の部分に供給する。
【0025】
また、第1コントローラ311は、撮像素子40からの映像信号を受信し、これをレーザドライバ361、362および363に送信する。レーザドライバ361、362および363はそれぞれ対応するレーザダイオード351、352および353を制御する。レーザダイオード351、352および353は映像信号用の光信号をプロセッサ部20に対して送信する。スコープ部30のレーザダイオード351、352および353からの光信号は、たとえばそれぞれプロセッサ部20のフォトダイオード221、222および223によって受信される。
【0026】
フォトダイオード320は、プロセッサ部20からの制御用の光信号を受信し、これを電気信号に変換して、トランスインピーダンス増幅器330と、さらにその後段のリミッティングアンプ340とに送信する。リミッティングアンプ340は、電気信号を増幅して第2コントローラ312に送信する。これによって、第2コントローラ312は、制御信号を受信する。
【0027】
図2の例では、撮像素子40はスコープ部30に含まれないが、変形例として撮像素子40がスコープ部30に含まれてもよい。なお、図2には示さないが、プロセッサ部20およびスコープ部30は、それぞれ照明光用の光路(後述)を備える。この光路を介して、撮像素子40の撮像対象を照明するための光が搬送される。
【0028】
図3図5に、プロセッサ部20に含まれるコネクタ部20aの具体的な構造を示す。図3は斜視図であり、図4は側面図であり、図5は正面図である。
【0029】
コネクタ部20aは、嵌合用凹部20bを有し、この嵌合用凹部20bに、スコープ部30の嵌合用凸部30b(図6~8を用いて後述)が嵌合できるようになっている。嵌合用凹部20bには、コイル支持突起26が形成されている。コイル支持突起26は、所定の軸方向に延びる円筒形状の凸面を備え、この凸面に沿って送電コイル21が配置される(図3および図5では送電コイル21の位置のみ示す)。すなわち、コイル支持突起26の周囲に送電コイル21が巻回される。
【0030】
送電コイル21は、スパイラル形状ではなくソレノイド形状に形成される。なお、本明細書において、スパイラル形状とはたとえばコイルが平面内で巻回径を変えつつ巻回される渦巻き形状を意味し、ソレノイド形状とはたとえばコイルが円筒面内で軸方向に進みつつ巻回される螺旋形状を意味する。このように、本実施形態では、送電コイル21は円筒面に沿って巻回されている。
【0031】
送電コイル21には送電ケーブル25が接続されており、送電ケーブル25を介して送電コイル21に電力が供給される。本実施形態では、プロセッサ部20は2つの送電コイル21を備える。
【0032】
また、嵌合用凹部20bに面して、上述のフォトダイオード221、222および223と、レーザダイオード250とが配置される(図5)。なお、プロセッサ部20は、これらと外部との間で光を伝送する光伝送部材をさらに備えてもよく、このような光伝送部材が嵌合用凹部20bに面して配置されてもよい。
【0033】
プロセッサ部20は、照明光用の光路27を備え、光路27は、嵌合用凹部20bに面して配置される。光路27は、プロセッサ部20の内部または外部に配置された光源からの照明光を、嵌合用凹部20bへと導く。
【0034】
図6図8に、スコープ部30に含まれるコネクタ部30aの具体的な構造を示す。図6は斜視図であり、図7は側面図であり、図8は正面図である。
【0035】
コネクタ部30aは、嵌合用凸部30bを有する。上述のように、この嵌合用凸部30bは、プロセッサ部20の嵌合用凹部20bに嵌合可能である。嵌合用凸部30bには、コイル支持凹部36が形成されている。コイル支持凹部36は、所定の軸方向に延びる円筒形状の凹面を備え、この凹面に沿って受電コイル31が配置される(図6および図8では受電コイル31の位置のみ示す)。すなわち、コイル支持凹部36の周囲に受電コイル31が巻回される。
【0036】
受電コイル31も送電コイル21と同様に、スパイラル形状ではなくソレノイド形状に形成される。すなわち、本実施形態では、受電コイル31も円筒面に沿って巻回されている。
【0037】
受電コイル31には送電ケーブル35(図6~8には示さず。図9参照)が接続されており、この送電ケーブル35を介して受電コイル31からスコープ部30の他の部分に電力が供給される。本実施形態では、スコープ部30は2つの受電コイル31を備える。
【0038】
また、嵌合用凸部30bの端面に、上述のフォトダイオード320と、レーザダイオード351、352および353とが配置される。なお、スコープ部30は、これらと外部との間で光を伝送する光伝送部材をさらに備えてもよく、嵌合用凸部30bの端面にはこのような光伝送部材が配置されてもよい。
【0039】
スコープ部30は、照明光用の光路37を備え、光路37は、嵌合用凸部30bの端面を介して配置される。光路37は、プロセッサ部20側から搬送される照明光を、スコープ部30の他の部分(たとえば先端または撮像素子40の近傍に配置される照明部)へと搬送する。
【0040】
図9を用いて、送電コイル21および受電コイル31の関係を説明する。送電コイル21の外径は受電コイル31の内径より小さく形成されており、互いに軸方向に(一部または全体が)重なるように、送電コイル21を受電コイル31に挿入することができる。本実施形態では、スコープ部30の嵌合用凸部30bを、プロセッサ部20の嵌合用凹部20bに嵌合させることにより、プロセッサ部20のコイル支持突起26がスコープ部30のコイル支持凹部36内に挿入され、これによって、送電コイル21が受電コイル31に挿入される。
【0041】
このように、プロセッサ部20およびスコープ部30が互いに結合された状態において、送電コイル21および受電コイル31が軸方向に少なくとも一部重なり、送電コイル21から受電コイル31に非接触給電を行うことが可能となる。非接触給電の方式は、たとえば電磁誘導方式とすることができるが、共鳴方式または他の方式によってもよい。
【0042】
このように、ソレノイド形状の送電コイル21および受電コイル31を用い、これらが軸方向に少なくとも一部重なる状態で給電を行うように構成することにより、比較的大電力が給電可能となる。このため、本発明の実施形態1に係る内視鏡装置10は、コネクタ部分を大型化せずに電力の増大に対応できる。
【0043】
図10図12に、プロセッサ部20およびスコープ部30(より具体的には、プロセッサ部20のコネクタ部20aとスコープ部30のコネクタ部30a)が互いに結合された状態を示す。図10は斜視図であり、図11は上面図であり、図12は側面図である。
【0044】
プロセッサ部20およびスコープ部30が互いに結合された状態では、上述のように、コイル支持突起26の円筒形状の凸面と、コイル支持凹部36の円筒形状の凹面とが互いに嵌合する。さらに、この状態では、上述のように送電コイル21および受電コイル31が軸方向に重なり、送電コイル21から受電コイル31に非接触給電を行うことが可能である。
【0045】
また、この状態では、プロセッサ部20のレーザダイオード250およびスコープ部30のフォトダイオード320により、光信号の送受信が可能であり、これによってスコープ部30に対する制御信号が送信される。さらに、この状態では、スコープ部30のレーザダイオード351、352および353と、プロセッサ部20のフォトダイオード221、222および223とにより、光信号の送受信が可能であり、これによって映像信号がプロセッサ部20に送信される。
【0046】
さらに、この状態では、プロセッサ部20の照明光用の光路27と、スコープ部30の照明光用の光路37とが結合される。これによって、スコープ部30へと照明光が伝送される。
【0047】
[変形例]
本発明の範囲内で、上述の実施形態1において、様々な変形を施すことが可能である。具体例として、以下の変形が可能である。
【0048】
実施形態1では送電コイル21および受電コイル31の数はそれぞれ2つであるが、それぞれ1つでもよく、それぞれ3つ以上でもよい。
【0049】
実施形態1では、プロセッサ部20およびスコープ部30とは、嵌合用凹部20bと嵌合用凸部30bとが嵌合することによって結合するが、嵌合以外の方式により結合させることも可能である。
【0050】
また、嵌合による場合、凹凸を互いに入れ替えることも可能である。たとえば、プロセッサ部20が嵌合用凸部およびコイル支持凹部を有してもよく、スコープ部30が嵌合用凹部およびコイル支持突起を有してもよい。
【0051】
プロセッサ部20とスコープ部30との間の制御信号および/または映像信号の送受信は、光信号によるものに限らない。また、光信号を用いる場合、その伝達方向は、プロセッサ部20からスコープ部30に向かうものであってもよく、逆にスコープ部30からプロセッサ部20に向かうものであってもよい(実施形態1ではこの双方を含む)。
【0052】
プロセッサ部20は、プロセッサ部20およびスコープ部30が互いに結合したことを検出する結合検出スイッチを備えてもよい。また、プロセッサ部20に代えて、またはこれに加えて、スコープ部30がそのような結合検出スイッチを備えてもよい。
【0053】
結合検出スイッチの具体例として、図5に示すスイッチ板20cを用いることができる。スイッチ板20cはプロセッサ部20の嵌合用凹部20bの端面に配置され、たとえばバネにより嵌合用凹部20bの内側に向かって付勢される。プロセッサ部20およびスコープ部30が互いに結合すると、スイッチ板20cはスコープ部30の嵌合用凸部30bに押されて移動し、これによって結合を検出することが可能である。なお結合検出スイッチの具体的構造はこのように板状のものに限らない。
【0054】
プロセッサ部20およびスコープ部30は、静電気を放電するための金属接続経路を備えてもよい。この経路は、結合検出スイッチおよびシグナルグランドとは別に設けられてもよい。
【0055】
本開示は、以下の特定事項を包含する。
[特定事項1]
送電コイルおよび制御基板を備えるプロセッサ部と、
受電コイルおよび内視鏡を備えるスコープ部と、
を備え、
前記プロセッサ部および前記スコープ部が互いに結合された状態において、前記送電コイルおよび前記受電コイルが軸方向に少なくとも一部重なり、送電コイルから受電コイルに非接触給電を行うことが可能である、
内視鏡装置。
[特定事項2]
前記送電コイルおよび前記受電コイルは円筒面に沿って巻回されている、特定事項1に記載の内視鏡装置。
[特定事項3]
前記プロセッサ部および前記スコープ部の一方は、円筒形状の凸面を備え、
前記プロセッサ部および前記スコープ部の他方は、円筒形状の凹面を備え、
前記送電コイルおよび前記受電コイルは、いずれも前記凸面または前記凹面に沿って配置され、
前記プロセッサ部および前記スコープ部が互いに結合された状態において、前記凸面および前記凹面が互いに嵌合する、
特定事項1に記載の内視鏡装置。
[特定事項4]
前記プロセッサ部は前記送電コイルを複数備え、
前記スコープ部は前記受電コイルを複数備える、
特定事項1に記載の内視鏡装置。
[特定事項5]
前記プロセッサ部および前記スコープ部の一方は、発光素子を備え、
前記プロセッサ部および前記スコープ部の他方は、受光素子を備え、
前記プロセッサ部および前記スコープ部が互いに結合された状態において、前記発光素子および前記受光素子により光信号の送受信が可能である、
特定事項1に記載の内視鏡装置。
[特定事項6]
前記プロセッサ部および前記スコープ部は、それぞれ照明光用の光路を備え、
前記プロセッサ部および前記スコープ部が互いに結合された状態において、それぞれの前記光路が結合される、
特定事項1に記載の内視鏡装置。
[特定事項7]
前記プロセッサ部および前記スコープ部の少なくとも一方は、前記プロセッサ部および前記スコープ部が互いに結合したことを検出する結合検出スイッチを備える、特定事項1に記載の内視鏡装置。
【符号の説明】
【0056】
10…内視鏡装置
20…プロセッサ部
21…送電コイル
22…制御基板
25…送電ケーブル
26…コイル支持突起
27…照明光用の光路
30…スコープ部
31…受電コイル
32…内視鏡
33…電流監視部
34…抵抗
35…送電ケーブル
36…コイル支持凹部
37…照明光用の光路
40…撮像素子
20a…コネクタ部
20b…嵌合用凹部
20c…スイッチ板
211…第1コントローラ
212…第2コントローラ
221~223…フォトダイオード(受光素子)
231~233…トランスインピーダンス増幅器
241~243…リミッティングアンプ
250…レーザダイオード(発光素子)
260…レーザドライバ
270…後段信号処理回路
30a…コネクタ部
30b…嵌合用凸部
311…第1コントローラ
312…第2コントローラ
320…フォトダイオード(受光素子)
330…トランスインピーダンス増幅器
340…リミッティングアンプ
351~353…レーザダイオード(発光素子)
361~363…レーザドライバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12