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  • 特開-窓枠 図1
  • 特開-窓枠 図2
  • 特開-窓枠 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024069838
(43)【公開日】2024-05-22
(54)【発明の名称】窓枠
(51)【国際特許分類】
   E06B 1/56 20060101AFI20240515BHJP
【FI】
E06B1/56 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022180077
(22)【出願日】2022-11-10
(71)【出願人】
【識別番号】300088186
【氏名又は名称】株式会社エクセルシャノン
(74)【代理人】
【識別番号】110003524
【氏名又は名称】弁理士法人愛宕綜合特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 義澄
(72)【発明者】
【氏名】高田 和規
(72)【発明者】
【氏名】吉村 拓朗
(72)【発明者】
【氏名】内山 雅大
【テーマコード(参考)】
2E011
【Fターム(参考)】
2E011JA01
2E011JA02
2E011JA03
2E011KA01
2E011KB03
2E011KB04
2E011KC02
2E011KC03
2E011KC04
2E011KC09
2E011KD14
2E011KG00
(57)【要約】
【課題】 室内側において窓枠の本体における固定壁部の複数個の締結ネジ挿通開口を通して躯体に螺合された複数個の締結ねじの頭部が適切に覆い隠され、かくして室内の意匠が毀損されることを回避することができる窓枠を提供する。
【解決手段】 窓枠の本体は、室内側に延出し且つ長手方向に間隔をおいて複数個の締結ねじ挿通孔が形成されている固定壁部を有する本体を具備する。窓枠は、更に、本体の固定壁部の周方向内側に装着されて固定壁部に沿って延在するカバー部材を含む。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内側に延出し且つ長手方向に間隔をおいて複数個の締結ねじ挿通孔が形成されている固定壁部を有する本体を具備する窓枠において、
該固定壁部の周方向内側に装着されて該固定壁部に沿って延在するカバー部材を含む、
ことを特徴する窓枠。
【請求項2】
該本体の該固定壁部の幅方向両側には周方向内側に突出する突出壁部が形成されており、該突出壁部の各々の相互に対向する対向面には被係止突条が形成されており、該カバー部材は該固定壁部に対向して延在する主部と該主部の幅方向両側部から周方向外側に突出する突出部を有し、該突出部の各々の外側面には係止突条が係止されており、該カバー部材の該突出部が該本体の該突出壁部間に挿入され、該係止突条が該被係止突条を弾性的に乗り越えることによって、該カバー部材が該固定壁部の周方向内側に着脱自在に装着される、請求項1記載の窓枠。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窓枠、更に詳しくは室内側に延出し且つ長手方向に間隔をおいて複数個の締結ねじ挿通孔が形成されている固定壁部を有する本体を具備する窓枠に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1乃至3に開示されている如く、建造物の窓においては、建造物の躯体における開口部に窓枠が固定され、この窓枠に窓ガラスが装着された窓框が或いは窓ガラスが直接的に装着されている。窓枠は塩化ビニル樹脂の如き適宜の合成樹脂或いはアルミニウム如き適宜の金属から形成された本体を具備しており、かかる本体は建造物の室内側に延出する固定壁部を有し、この固定壁部には長手方向に間隔をおいて複数個の締結ねじ挿通孔が形成されている。かような窓枠は、本体の固定壁部に形成されている上記複数個の締結ネジ挿通孔を通して建造物の躯体における開口部を規定している所定部位に或いは窓枠に隣接する木製額縁又は床材に締結ねじを螺合することによって建造物の躯体に固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021―107655号公報
【特許文献2】特開2020―165306号公報
【特許文献3】特開2016―211255号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
而して、上述したとおりの形態の従来の窓枠には、室内側において窓枠の本体における固定壁部の複数個の締結ネジ挿通開口を通して躯体等に螺合された複数個の締結ねじの頭部が固定壁部の周方向内側面に露呈し、室内の意匠を毀損するという問題を有する。
【0005】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、室内側において窓枠の本体における固定壁部の複数個の締結ネジ挿通開口を通して躯体等に螺合された複数個の締結ねじの頭部が適切に覆い隠され、かくして室内の意匠が毀損されることを回避することができる、新規且つ改良された窓枠を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、窓枠の本体における上記固定壁部の周方向内側に装着されて上記固定壁部に沿って延在する、本体とは別個に形成されたカバー部材を装備することによって、上記主たる技術的課題が達成される。
【0007】
即ち、本発明によれば、上記主たる技術的課題を達成する窓枠として、
室内側に延出し且つ長手方向に間隔をおいて複数個の締結ねじ挿通孔が形成されている固定壁部を有する本体を具備する窓枠において、
該固定壁部の周方向内側に装着されて該固定壁部に沿って延在するカバー部材を含む、
ことを特徴する窓枠が提供される。
【0008】
好ましくは、該本体の該固定壁部の幅方向両側には周方向内側に突出する突出壁部が形成されており、該突出壁部の各々の相互に対向する対向面には被係止突条が形成されており、該カバー部材は該固定壁部に対向して延在する主部と該主部の幅方向両側部から周方向外側に突出する突出部を有し、該突出部の各々の外側面には係止突条が係止されており、該カバー部材の該突出部が該本体の該突出壁部間に挿入され、該係止突条が該被係止突条を弾性的に乗り越えることによって、該カバー部材が該固定壁部の周方向内側に着脱自在に装着される。
【発明の効果】
【0009】
本発明の窓枠においては、本体の固定壁部に形成されている複数個の締結ねじ挿通孔を通して建造物の躯体等に螺合されて頭部が固定壁部の周方向内側面に露呈する複数個の締結ねじがカバー部材によって覆い隠され、かくして複数個の締結ねじの頭部が室内側に露呈して室内の意匠を毀損することが回避される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に従って構成された窓枠の好適実施形態を備えた嵌め殺し窓を示す断面図。
図2図1に示す嵌め殺し窓の一部を拡大して示す部分拡大断面図。
図3図1に示す嵌め殺し窓の一部を、本体にカバー部材を装着する前の状態で示す部分拡大断面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に従って構成された窓枠の好適実施形態を備えた嵌め殺し窓を図示している添付図面を参照して、更に詳述する。
【0012】
図1を参照して説明すると、図示の嵌め殺し窓は、全体を番号2で示す窓ガラスと全体を番号4で示す窓枠から構成されている。
【0013】
図示の窓ガラス2は一般にトリプルガラスを称される形態であり、所定間隔をおいて平行に配列された3枚の矩形状板ガラス6、8及び10を含んでいる。板ガラス6の周縁部と板ガラス8の周縁部とはスペーサ部材12を介して相互に接続されており、板ガラス8の周縁部と板ガラス10の周縁部もスペーサ部材14を介して相互に接続されている。かような窓ガラス2自体は、本発明の構成要素の一部をなすものではなく、当業者には周知の形態でよく、それ故に本明細書においては窓ガラス2自体の詳細な説明は省略する。
【0014】
窓枠4は、全体として矩形枠形状であり、上枠16、下枠18及び両側に位置する2個の縦枠(図示していない)を含み、上枠16の両端部は縦枠の上端部に接続され、下枠18の両端部は縦枠の下端部に接続されている。上枠16、下枠18及び縦枠(図示していない)の横断面形状は全て実質上同一である。
【0015】
図1と共に図2を参照して説明を続けると、窓枠4(即ち上枠16、下枠18及び縦枠)は、本体20と2個の気密材22及び24から構成されている。本体20は塩化ビニル樹脂の如き適宜の硬質合成樹脂或いはアルミニウムの如き適宜の金属から形成することができる。気密材22及び24は軟質塩化ビニル樹脂の如き適宜の軟質合成樹脂から形成することができる。気密材22及び24の各々は、夫々、上枠16、下枠18及び縦枠(図示していない)に沿って延在する4個の部材から構成されている。図示の実施形態における本体20は、周方向(図1及び図2において上下方向)外側に位置する外周壁26、周方向内側に位置する内周壁28、室外側(図1及び図2において左側)に位置する外側壁30、室内側(図1及び図2において右側)に位置する内側壁32を有する。外周壁26は外側壁30を超えて室外側に延出しており、外周壁26の外側延出端と外側壁30とは付加外側壁34及び付加内周壁36で接続されている。内周壁28の室内側には内側壁32と平行に周方向内側に延出する延出壁38が付設されている。延出壁38と内側壁32との間には付加内周壁40及び接続壁42が形成されている。外周壁30と内周壁32との間には接続壁44、46及び48が形成されている。外周壁26の外周面には幅方向中間部から周方向外側に突出する突出壁50が付設されている。上記内周壁28の外側端部には開口端部が幅狭である受入溝52が形成され、同様に上記延出壁38の延出端部にも開口端部が幅狭である受入溝54が形成されている。上記気密材22はその下端部を受入溝52内に挿入することによって本体20に装着され、上記気密材24はその内側突出部を受入溝54内に挿入することによって本体20に装着されている。
【0016】
窓枠4の本体20における上記外周壁26は内側壁32を超えて室内側(図1乃至図3において右側)に延出しており、かかる延出部が固定壁部56を規定している。固定壁部56にはその長手方向(図1及び図2において紙面に垂直な方向)に間隔をおいて複数個の締結ねじ挿通孔58(図1及び図2には1個の締結ねじ挿通孔58のみを図示している)が形成されており、かかる締結ねじ挿通孔58を通して複数個の締結ねじ60(図1及び図2には1個の締結ねじ60のみを図示している)を建造物の躯体62に締結することによって或いは窓枠に隣接する木製額縁又は床材(図示していない)に締結することによって建造物に固定される。上記窓ガラス2は、その外周部が上記気密材22と上記気密材24との間に位置付けられて、適宜の様式(図示していない)によって窓枠4に装着される。
【0017】
而して、図示の窓枠4における上述したとおりの構成は、本発明に従って構成された窓枠4の新規な特徴を構成するものではなく周知の構成でよく、それ故にその詳細な説明は本明細書においては省略する。
【0018】
図1及び図2と共に図3を参照して説明を続けると、本発明に従って構成された窓枠4においては、上記本体20の固定壁部56の周方向内側(図2において上側)に装着されて固定壁部56に沿って延在するカバー部材64を含むことが重要である。図示の実施形態においては、窓枠4は4個のカバー部材64(図1には2個のカバー部材64のみを図2及び図3には1個のカバー部材64のみを図示している)を含み、4個のカバー部材64の各々は、夫々、上枠16、下枠18及び2個の縦枠(図示していない)の固定壁部56に装着される。塩化ビニル樹脂の如き適宜の合成樹脂或いはアルミニウムの如き適宜の金属から形成することができるカバー部材64の各々は、主部66とこの主部66の幅方向(図1乃至図3において左右方向)両側部から周方向(図1乃至図3において上下方向)外側に突出する突出部68とを有する。主部66は平坦な帯板形状であり、その幅は本体20における上記固定壁部56の幅と実質上同一であり、その長さは夫々上枠16、下枠18及び2個の縦枠(図示していない)と実質上同一であるのが好都合である。主部66から突出する突出部68の各々の外側面には、係止突条70が形成されている。係止突条70は突出部68に沿ってその長手方向全体に渡って連続して延在する形態でよい。所望ならば、突出部68に長手方向に間隔をおいて長手方向に延在する複数個の係止突条70を形成することもできる。係止突条70は下方に向かって幅方向内側に傾斜する傾斜前面と主部66と平行に延びる後面とを有するのが好都合である。
【0019】
一方、窓枠4の本体20における上記固定壁部56の幅方向(図1乃至図3において左右方向)両側には、周方向(図1及び図2において上下方向)内側に突出する突出壁部が存在するのが望ましい。図示の実施形態においては、上記固定壁部56の片側即ち延出端(図1乃至図3において右端)には周方向内側に突出する突出壁72が付設されており、かかる突出壁72が一方の突出壁部を構成している。固定壁部56の他側には上記内側壁32が形成されており、この内側壁32の周方向外側部が他方の突出壁部を構成している。これらの突出壁部の各々の相互に対向して延在する対向面には被係止突条74が形成されている。被係止突条74は上記突出壁部に沿ってその長手方向全長に渡って連続して延在する形態でよい。所望ならば、上記突出壁部に長手方向に間隔をおいて長手方向に延在する複数個の被係止突条74を形成することもできる。被係止突条74の横断面形状は矩形でよい。上記カバー部材64は、その突出部68が突出壁部間(即ち内側壁32と突出壁72との間)に挿入され、係止突条70が被係止突条74を弾性的に乗り越えることによって、本体20の固定壁部56に着脱自在に装着される。本体20の固定壁部56に装着されたカバー部材64の主部66は、固定壁部56に形成されている締結ねじ挿通孔58を通して建造物の躯体62に締結された締結ねじ60の頭部を覆い隠す。かくして、締結ねじ60の頭部が室内側に露呈して室内の意匠が毀損されることが回避される。
【0020】
上述した実施形態においては、窓枠4の本体20における固定壁部56は外周壁26の室内側に延出する延出部から構成されているが、本発明はかかる形態の本体20を備えた窓枠に限定されるものではなく、例えば本体20の内側壁32の周方向中間部から室内側に延出する壁部によって固定壁部が規定されている形態の如く、室内側に延出する任意の壁部によって固定壁部が規定され、かかる固定壁部にその長手方向に間隔をおいて複数個の締結ねじ挿通孔が形成されている形態の本体を備えた窓枠に適用することができる。また、窓ガラス2が直接的に装着される嵌め殺し窓における窓枠4について説明したが、本発明に従って構成された窓枠は、窓ガラスが装着された窓框が開閉自在に装着される窓枠にも提供されることは多言を要しない。
【符号の説明】
【0021】
2:窓ガラス
4:窓枠
20:窓枠の本体
32:内側壁(突出壁部)
56:固定壁部
58:締結ねじ挿通孔
60:締結ねじ
62:建造物の躯体
64:カバー部材
66:カバー部材の主部
68:突出部
70:係止突条
72:突出壁(突出壁部)
74:被係止突条
図1
図2
図3