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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024069900
(43)【公開日】2024-05-22
(54)【発明の名称】商品管理システム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/01 20060101AFI20240515BHJP
   A47F 5/00 20060101ALI20240515BHJP
   G06Q 30/06 20230101ALI20240515BHJP
【FI】
G07G1/01 301D
A47F5/00 E
G06Q30/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022180183
(22)【出願日】2022-11-10
(71)【出願人】
【識別番号】398040158
【氏名又は名称】株式会社ビジュアルジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】山田 徳廣
【テーマコード(参考)】
3B118
3E142
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
3B118FA11
3E142DA08
3E142EA26
3E142GA04
3E142GA20
3E142HA03
3E142JA01
5L030BB72
5L049BB72
(57)【要約】
【課題】商品の棚における詳細な位置を特定し、販売傾向の解析に役立てることができる商品管理システムを提供する。
【解決手段】商品管理システム10は、無線タグを備えた商品が陳列される棚1と、棚1の各段の側面に設けられたアンテナ2と、アンテナ2が検出した電波強度に基づいて商品の棚1の段内における位置を特定する特定部41と、を備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線タグを備えた商品が陳列される棚と、
前記棚の各段の側面に設けられたアンテナと、
前記アンテナが検出した電波強度に基づいて前記商品の前記棚の段内における位置を特定する特定部と、
を備えることを特徴とする商品管理システム。
【請求項2】
前記アンテナは前記各段の両側面に一対設けられていることを特徴とする請求項1に記載の商品管理しシステム。
【請求項3】
前記棚の各段には、当該棚の位置及び段の位置を識別するための情報を有する無線タグがそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1に記載の商品管理システム。
【請求項4】
前記各段は、当該段を構成する各面に電波吸収シートが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の商品管理システム。
【請求項5】
前記アンテナが検出した電波強度に基づいて前記商品が前記棚から取り出されたこと及び前記棚に戻されたことを検出する検出部を備えることを特徴とする請求項1に記載の商品管理システム。
【請求項6】
前記特定部が特定した前記棚における位置と、前記検出部が検出した前記棚から取り出されたこと及び前記棚に戻されたことに基づいて、前記商品の販売傾向を解析する解析部を備えることを特徴とする請求項5に記載の商品管理システム。
【請求項7】
前記棚を利用する顧客を撮像する撮像部と、
前記撮像部が撮像した前記顧客の客層を識別する識別部と、を備え、
前記解析部は、前記識別部が識別した客層も利用して前記販売傾向を解析する、
ことを特徴とする請求項6に記載の商品管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、棚における商品の管理をする商品管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えばRFID(Radio Frequency Identification)などの技術を使用して、棚などに収容した商品の位置を特定することは行われている。
【0003】
例えば、特許文献1には、各棚の識別情報を有する位置情報タグが棚に貼り付けられ、最大の電波強度が検出された位置データから特定される棚を商品が収納されている棚と特定することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5122245号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の発明は、商品がどの棚にあるかは特定できるが、何段目のどの位置あるかといった詳細な位置までは特定できない。そのため、どの位置に陳列すると商品が手に取られやすいかといった販売傾向を解析するといったこともできない。
【0006】
本発明は、上記のような問題点を解決しようとするものであり、商品の棚における詳細な位置を特定し、販売傾向の解析に役立てることができる商品管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載された発明は、無線タグを備えた商品が陳列される棚と、前記棚の各段の側面に設けられたアンテナと、前記アンテナが検出した電波強度に基づいて前記商品の前記棚の段内における位置を特定する特定部と、を備えることを特徴とする商品管理システムである。
【発明の効果】
【0008】
以上説明したように本発明によれば、棚の各段に側面にアンテナを備えて、そのアンテナが検出した電波強度に基づいて段内における位置を特定するので、商品の棚における詳細な位置を特定することができる。そのため、商品の販売傾向の解析も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態にかかる商品管理システムの概略構成図である。
図2図1に示された棚の1段のみを示した図である。
図3図1に示されたPCの機能的構成図である。
図4図1に示された棚の段内における位置を特定する動作のフローチャートである。
図5図1に示された棚に陳列された販売傾向の解析動作のフローチャートである。
図6図2に対して商品を追加した図である。
図7】電波強度に基づいて位置を特定するための説明図である。
図8】手に取られた回数カウンタの集計例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一実施形態にかかる商品管理システムを図1図8を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態にかかる商品管理システムの概略構成図である。
【0011】
商品管理システム10は、商品が陳列される棚1と、後述する位置特定や解析等の処理を行うコンピュータ(PC)4と、を備えている。棚1は、木材や合成樹脂、ガラス等の非金属材料から構成され、商品を陳列する段1a~1dを有している。勿論段数は4段に限らないのはいうまでもない。図1では商品として書籍を陳列する書棚で説明するが、食品等他の商品を陳列する棚であってもよい。
【0012】
棚1には、各段にアンテナ2が設けられている。詳細には、各段の側面に一対のアンテナ2a、2bが設けられている。このアンテナ2(2a、2b)は、RFID方式により無線タグ(ICタグ、RFタグともいう)から情報を読み取るためのものである。アンテナ2は、段内に陳列された商品に取り付けられた無線タグや後述するロケーション用無線タグ5(図2参照)と通信する。アンテナ2で取得した無線タグの情報や電波強度等はPC4に出力される。
【0013】
また、棚1の天面部(最上部)にはカメラ3が設けられている。カメラ3は、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサを有するカメラモジュールである。カメラ3は、棚1と正対する顧客等の人物を撮像する。即ち、棚1を利用する顧客を撮像する撮像部として機能する。カメラ3で撮像された画像はPC4に出力される。
【0014】
図2は、棚1の1段のみを示した図である。図1では、段1aで説明するが、段1b~1dも同様である。段1aは、天板11と、側板12、13と、底板14と、背板15と、から構成されている。段1aの前面は図示したように開口している。なお、底板14は、段1bの天板を兼ねている。
【0015】
本実施形態では、天板11、側板12、13、底板14、背板15には、電波吸収体によるシートが設けられている(図中網掛けで表示する)。この電波吸収シートとしては、例えばアルミ等の金属シートが挙げられる。この金属シートは各板の内面又は外面を覆うように貼り付けられており、段内の無線タグ等から発信される電波が他の段に漏れるのを遮蔽する。つまり、アンテナ2は、金属シートよりも内側に設けられている。なお、金属シートやアンテナ2を隠すために紙や木材等の非金属製の化粧板等を設けてもよい。なお、本実施形態では電波吸収体によるシートを設けているが必須ではない。違う段に設けたアンテナ2間で干渉等が少ないようであれば設けなくてもよい。
【0016】
また、段1aには、ロケーション用無線タグ5が設けられている。ロケーション用無線タグ5は、当該棚の位置及び段の位置(何段目か)を識別するための情報を有する無線タグである。棚1は、1台に限らず複数台が設置されるため、ロケーション情報としては、段の情報だけでなく棚1自体の位置を示す情報も必要となる。棚1自体の位置としては、緯度経度といった情報に限らず、右から何番目といった基準となる位置からの相対的な位置でもよいし、第〇番棚といった棚毎に付与される識別情報であってもよい。
【0017】
図3にPC4の機能的構成を示す。PC4は、特定部41と、検出部42と、識別部43と、解析部44と、を備えている。
【0018】
特定部41は、アンテナ2から出力された電波強度に基づいて商品の棚1の段内における位置を特定する。特定方法については後述する。
【0019】
検出部42は、アンテナ2が検出した電波強度に基づいて商品が棚1から取り出されたこと及び棚1に戻されたことを検出する。検出部42は、例えば短時間に陳列状態の電波強度からいきなり10分の1以下など極端に低下した場合、あるいは電波強度が検出されなくなった場合は棚1から取り出されたと判定できる。逆に、短時間に極端に低い電波強度、あるいは電波強度が検出されない状態から陳列状態の電波強度に上昇した場合は棚1に戻されたと判定できる。
【0020】
識別部43は、カメラ3が撮像した顧客の客層と行動を識別する。つまり、棚1の前に立ち止まった人物の年齢や性別を識別する。識別部43における客層の識別は、カメラ3が撮像した顧客の顔画像に基づいて周知の方法により行えばよい。また、識別部43における行動の識別は、カメラ3が撮像した顧客の体の動きに基づいて周知の方法により行えばよい。
【0021】
解析部44は、特定部41が特定した棚1における位置と、検出部42が検出した棚1から取り出されたこと及び棚1に戻されたことに基づいて商品の販売傾向を解析する。
【0022】
本実施形態における販売傾向とは、例えば、棚1における商品の陳列場所と当該商品の売り上げから、どの場所に置くと顧客の反応が良いかといったことが挙げられる。つまり、特定部41が特定した位置情報と、売り上げ情報と、に基づいて解析する。売り上げ情報は外部から取得してもよいし、後述するように棚1から取り出されて戻されなかった場合は売れたと判定し、その結果を蓄積して利用してもよい。
【0023】
また、販売傾向としては、どの商品がどの場所にあった場合にどのくらい手に取られるかといったことも挙げられる。つまり、検出部42において手に取られた回数をカウントし、そのカウント回数と、特定部41が特定した位置情報と、に基づいて解析する。
【0024】
上述した、特定部41と、検出部42と、識別部43と、解析部44と、は、PC4で実行されるコンピュータプログラムとして構成すればよい。なお、各ブロックを別個のプログラムとしてもよいし、複数のブロックの機能を有するプログラム又は、全ての機能を有する1つのプログラムとして構成してもよい。
【0025】
次に、上述した構成を有する商品管理システム10の動作について図4及び図5のフローチャートを参照して説明する。
【0026】
図4は、棚1の段内における位置を特定する動作のフローチャートである。まず、特定部41は、アンテナ2a、2bから各商品に取り付けられた無線タグ及びロケーション用無線タグ5の電波強度を取得する(ステップS11)。
【0027】
次に、取得した電波強度に基づいて位置を特定する(ステップS12)。位置の特定について、図6及び図7を参照して説明する。
【0028】
図6は、図2に対して商品P1~P5が配置されている例である。図6は、例えば書籍が面陳されている場合が挙げられる。各商品(書籍)P1~P5には、それぞれ無線タグT1~T5が取り付けられている。無線タグT1~T5は、各商品についての情報(書籍コード等)が格納されている。
【0029】
アンテナ2aは、各無線タグT1~T5及びロケーション用無線タグ5からの情報を取得するとともにそれぞれの無線タグT1~T5からの電波強度も取得する。アンテナ2bも同様に、各無線タグT1~T5及びロケーション用無線タグ5からの情報を取得するとともにそれぞれの無線タグT1~T5からの電波強度も取得する。
【0030】
特定部41では、アンテナ2a、2bから取得した電波強度の情報を段ごとに例えば図7左側のような表としてまとめる。図7左側の表は、書籍欄、アンテナ欄、電波強度欄からなる。書籍欄は、アンテナ2が取得した無線タグT1~T5の情報に含まれるもの書籍のタイトル(例えばP1~P5)を示す。この欄はタイトルに限らず無線タグT1~T5を識別できる情報であればよい。アンテナ欄は、当該無線タグの情報や電波強度を受信したアンテナがアンテナ2aかアンテナ2bのいずれかを示すものである。表ではアンテナ2aを“a”、表ではアンテナ2bを“b”と表示する。電波強度欄は、当該書籍が有する無線タグからの電波強度を示す。
【0031】
電波強度は複数回取得した平均値とするのが好ましい。例えば図7左側の1行目であれば、アンテナ2bがP3を複数回検出した際の平均電波強度が45となる。このように、図7の表は複数回取得した結果に基づいて生成するのが好ましい。
【0032】
図7左側のようにして取得した情報をまとめたら、図7右側のように書籍毎に電波強度の強い順にソートする。そして、電波強度に基づいて段内の位置を特定する。電波強度と位置との関係は予め式やテーブル等として特定部41が有していればよい。そして、同じ書籍に対してアンテナ2a、アンテナ2bの両方から電波強度が取得できた場合は電波強度が強い方を採用し、弱い方は除外する。このようにして、各書籍の段内の位置が特定される。段の位置や棚1自体の位置はロケーション用無線タグ5からの情報による把握することができるので、特定された段内の位置と、ロケーション用無線タグ5からの情報から当該商品(書籍)が店舗内のどの位置にあるか把握することが可能となる。
【0033】
このような位置特定動作は定期的に行う。例えば、棚1の前に顧客等の人物がいる場合(カメラ3により検出された場合)は、棚1の前に顧客等の人物がいない場合よりも位置特定動作の実行間隔を短くしてもよい。これは、後述する商品取得や商品返却動作の検出のためである。あるいは、棚1の前に顧客等の人物がいる場合のみ位置特定動作を所定間隔で実行してもよい。棚1の前に人物がいない場合は書籍等の商品の位置関係が変化しないので位置特定動作を行う必要性が低いためである。
【0034】
次に、販売傾向の解析動作について図5のフローチャートを参照して説明する。まず、識別部43は、棚1の前にいる顧客の画像をカメラ3から取得する(ステップS21)。そして、識別部43は、カメラ3から取得した画像から顧客の客層を周知の方法により認識する(ステップS22)。
【0035】
次に、検出部42は、アンテナ2が検出した電波強度に基づいて商品が棚1から取り出された(取得された)か判定する(ステップS23)。商品が棚1から取り出されたかは、上述したように電波強度が短時間で極端に低下したことを検出して判定する。
【0036】
また、上記電波強度での判定に加えて識別部43がカメラ3から取得した画像を画像解析した結果も組み合わせるようにしてもよい。具体的には、顧客が棚1から商品を取り出す動作(行動)を検出し、このような動作の検出と電波強度の変化を組み合わせればよい。このとき実際に商品が取り出されたことは電波強度の変化で分かるので、画像からは顧客の動作のみを識別できればよい。このようにすることにより、より精度よく商品の取り出しを検出することができる。
【0037】
ステップS23での判定の結果、商品が取得されていない場合は(ステップS23;N)、ステップS21へ戻る。一方、ステップS23での判定の結果、商品が取得されている場合は(ステップS23;Y)、検出部42は、アンテナ2が検出した電波強度に基づいて商品が棚1に戻された(返却された)か判定する(ステップS24)。商品が棚1へ戻されたかは、上述したように電波強度が短時間で極端に上昇したことを検出して判定する。
【0038】
また、商品返却の判定も上記電波強度での判定に加えて識別部43がカメラ3から取得した画像を画像解析した結果も組み合わせるようにしてもよい。具体的には、顧客が棚1へ商品を戻す動作を検出し、このような動作の検出と電波強度の変化を組み合わせることで、より精度よく商品の返却を検出することができる。
【0039】
ステップS24での判定の結果、商品が返却されていない場合は(ステップS24;N)、解析部44は、当該商品が売れたと判定する(ステップS25)。つまり、商品が棚1に返却されないということは顧客が持ったまま棚1から立ち去ったと推測できるため、当該商品は売れたと判定する。なお、ステップS24は、ステップS23から所定時間以上待機したのちに判定するのが好ましい。これは、商品によっては顧客が手に取ってから購入を決断するまでに時間を要することがあるためである。この待機時間は商品毎に変更するのが望ましい。例えば書籍は数分程度、食料品は1分以内にするといったことが考えられる。
【0040】
一方、ステップS24での判定の結果、商品が返却された場合は、解析部44は、上記の商品取得から返却までの時間(返却時間)を算出するとともに、手に取られた回数カウンタをカウントアップ(+1)する(ステップS26)。
【0041】
算出された返却までの時間や手に取られた回数カウンタの数値は、定期的に集計し、当該商品の販売傾向の分析に活用することができる。集計例を図8に示す。図8は、ある商品の1日当たりのカウント回数を年代別と性別で棒グラフとして表したものである。即ち、解析部44は、識別部43が識別した客層も利用して販売傾向を解析している。
【0042】
また、このような棒グラフは同じ段の他の商品や同じ棚の他の商品と比較してもよい。例えば、手に取られた回数カウンタのカウント回数が他の陳列商品と比べて多い場合は、相対的には他の商品よりも興味を持たれていると言え、潜在的に購入される可能性を有していると推測される。
【0043】
また、返却までの時間について解析することもできる。例えば、返却までの時間が、同じ段の他の商品や同じ棚の他の商品と比較して短い場合は、当該商品の購入意欲が低いと推測される。また、比較対象は同じ段や同じ棚ではなく同じジャンルの商品としてもよい。
【0044】
また、本実施形態では、商品の陳列位置を把握しているので、どの位置に陳列すると売れやすいかといった解析も可能である。これは、段内の位置に限らず、棚1の何段目がよいか、あるいはどの位置の棚1がよいかといった解析も可能となる。また、このような解析結果(図8のグラフ等)は、外部へ出力して表示してもよい。
【0045】
以上説明した本実施形態によれば、商品管理システム10は、無線タグを備えた商品が陳列される棚1と、棚1の各段の両側面に設けられた一対のアンテナ2と、アンテナ2が検出した電波強度に基づいて商品の棚1の段内における位置を特定する特定部41と、を備えている。このようにすることにより、商品の棚1における詳細な位置を特定することができる。そのため、商品の販売傾向の解析も可能となる。
【0046】
また、棚1の各段の両側面に一対のアンテナ2が設けられているので、少ないアンテナ2の数で精度良く位置を特定することができる。側面にアンテナ2を設けることで、アンテナ2からは商品が一方向に位置することになり、電波強度から距離を換算するのが容易となる。そして、両側面に一対とすることで、2方向から位置を特定することができ精度を向上させることができる。
【0047】
また、棚1の各段には、当該棚1の位置及び段の位置を識別するための情報を有するロケーション用無線タグ5がそれぞれ設けられているので、商品の位置を段内に限らず、棚1の何段目なのか、あるいは店舗内の位置まで把握することが可能となる。
【0048】
また、棚1の段は、当該段を構成する各面に電波吸収シートが設けられているので、他の段へ漏れる電波を遮蔽し、段内に陳列された商品に取り付けられた無線タグからの電波が、他の段のアンテナで受信されることを防止できる。
【0049】
また、アンテナ2が検出した電波強度に基づいて商品が棚1から取り出されたこと及び棚1に戻されたことを検出する検出部42を備えているので、商品が棚1から移動したことを検出し、販売傾向の解析等に活かすことが可能となる。
【0050】
また、特定部41が特定した棚1における位置と、検出部42が検出した棚1から取り出されたこと及び棚1に戻されたことに基づいて、商品の販売傾向を解析する解析部44を備えているので、どの場所に置くと顧客の反応が良いかや、どの商品がどの場所にあった場合にどのくらい手に取られるかといったことを解析することができる。
【0051】
また、棚1を利用する顧客を撮像するカメラ3と、カメラ3が撮像した顧客の客層を識別する識別部43と、を備え、解析部44は、識別部43が識別した客層も利用して販売傾向を解析している。このようにすることにより、顧客の年齢や性別ごとに上記した販売傾向の解析をすることができる。
【0052】
なお、上述した実施形態では、販売傾向の解析を行っていたが、在庫管理をすることも可能である。アンテナ2により商品の無線タグを読み取れるので、読み取った商品情報(書籍コード等)に基づいて在庫数等を確認することができる。つまり、商品管理システム10は商品管理全般に利用することができる。
【0053】
また、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。即ち、当業者は、従来公知の知見に従い、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。かかる変形によってもなお本発明の商品管理システムの構成を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。
【符号の説明】
【0054】
1 棚
2a アンテナ
2b アンテナ
3 カメラ(撮像部)
4 PC
5 ロケーション用無線タグ(当該棚の位置及び段の位置を識別するための情報を有する無線タグ)
10 商品管理システム
41 特定部
42 検出部
43 識別部
44 解析部
P1~P5 商品
T1~T5 無線タグ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8