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特開2024-69901包装材加熱装置、包装機および包装方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024069901
(43)【公開日】2024-05-22
(54)【発明の名称】包装材加熱装置、包装機および包装方法
(51)【国際特許分類】
   B65B 61/00 20060101AFI20240515BHJP
【FI】
B65B61/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022180184
(22)【出願日】2022-11-10
(71)【出願人】
【識別番号】000206093
【氏名又は名称】大森機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112689
【弁理士】
【氏名又は名称】佐原 雅史
(74)【代理人】
【識別番号】100128934
【弁理士】
【氏名又は名称】横田 一樹
(72)【発明者】
【氏名】平野 達文
【テーマコード(参考)】
3E056
【Fターム(参考)】
3E056AA02
3E056CA01
3E056DA01
3E056EA05
3E056FH02
3E056GA05
(57)【要約】
【課題】 製袋器への包装材の供給を確実に行い、包装材に傷が生じることを防止することで、包装材の美観を維持可能な包装材加熱装置、包装機および包装方法を提供する。
【解決手段】 包装材加熱装置5は、製袋器41の上流に設けられ、搬送中の包装材YA1の少なくとも一方の面Sf1と当接することで包装材YA1の温度を上昇させることが可能な加熱面521と、加熱面521の下流に配置され包装材YA1を屈曲可能な少なくとも一つのローラ51と、を有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製袋器の上流に設けられ、搬送中の包装材の少なくとも一方の面と当接することで該包装材の温度を上昇させることが可能な加熱面と、
前記加熱面の下流に配置され前記包装材を屈曲可能な少なくとも一つのローラと、を有する、
ことを特徴とする包装材加熱装置。
【請求項2】
前記包装材は、紙資材である、
ことを特徴とする請求項1に記載の包装材加熱装置。
【請求項3】
前記加熱面は、加熱手段を備えるローラの外周面である、
ことを特徴とする請求項1に記載の包装材加熱装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の包装材加熱装置と、
包装材供給装置と、
前記包装材供給装置から連続して供給される前記包装材を通過させることで、該包装材の幅方向の両側端縁部同士を重合させて筒状包装材に製袋する製袋器と、を有する、
ことを特徴とする包装機。
【請求項5】
前記製袋器に進入する際の前記包装材の温度は、45度以上である、
ことを特徴とする請求項4に記載の包装機。
【請求項6】
包装材を搬送するステップと、
前記包装材の搬送中に製袋器の上流において該包装材の少なくとも一方の面を加熱し、該包装材の温度を上昇させるステップと、
前記包装材の温度を45度以上に上昇させた状態で前記製袋器に供給するステップと、
物品を前記製袋器に供給するステップと、
前記物品を収容した状態で前記包装材の両端部を接着するステップと、を有する、
ことを特徴とする包装方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装材加熱装置、包装機および包装方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、製袋器によって包装材を筒状に成形する包装機において、柔軟性の少ない材質の包装材を扱う場合には、製袋器との接触抵抗が大きくなることに起因して包装材に波状の皺や連続する筋(スジ)が生じる問題があった。この問題を解決するために、製袋器(折込成形部)の先端に案内板を設ける構成が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公昭48-31108号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、例えば包装材が柔軟性の乏しい紙資材などの場合は特に、搬送中において包装材が柔軟に変形しにくく(伸びが悪く)、案内板のような構成があったとしても纏わりつきを良好に行えず、包装材が製袋器の供給口から浮いてしまう。結果として、製袋器への供給が確実に行えず、包装材にうろこ状の傷が生じ、包装体としての外観を損なう問題があった。
【0005】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、製袋器への包装材の供給を確実に行い、包装材に傷が生じることを防止することで、包装材の美観を維持可能な包装材加熱装置、包装機および包装方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、製袋器の上流に設けられ、搬送中の包装材の少なくとも一方の面と当接することで該包装材の温度を上昇させることが可能な加熱面と、前記加熱面の下流に配置され前記包装材を屈曲可能な少なくとも一つのローラと、を有する、ことを特徴とする包装材加熱装置に係るものである。
【0007】
また、本発明は、上記の包装材加熱装置と、包装材供給装置と、前記包装材供給装置から連続して供給される前記包装材を通過させることで、該包装材の幅方向の両側端縁部同士を重合させて筒状包装材に製袋する製袋器と、を有する、ことを特徴とする包装機に係るものである。
【0008】
また、本発明は、包装材を搬送するステップと、前記包装材の搬送中に製袋器の上流において該包装材の少なくとも一方の面を加熱し、該包装材の温度を上昇させるステップと、前記包装材の温度を45度以上に上昇させた状態で前記製袋器に供給するステップと、物品を前記製袋器に供給するステップと、前記物品を収容した状態で前記包装材の両端部を接着するステップと、を有する、ことを特徴とする包装方法に係るものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、製袋器への包装材の供給を確実に行い、包装材に傷が生じることを防止することで、包装材の美観を維持可能な包装材加熱装置、包装機および包装方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係る包装機の概略を示す正面図である。
図2】(A)、(B)本発明に係る包装材を示す側面図であり、(C)本発明に係る包装体を示す斜視図である。
図3】本発明に係る包装材加熱装置の近傍を抜き出して示す正面図である。
図4】本発明に係る包装材加熱装置の変形例を示す概要図である。
図5】本発明に係る包装材加熱装置の変形例を示す概要図である。
図6】本発明に係る包装材加熱装置の変形例を示す概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明に係る包装材加熱装置5及びこれを備える包装機1について詳細に説明する。図1は、包装材加熱装置5を備える包装機1の全体の概略を示す正面図である。なお、本図及び以降の各図において、一部の構成を適宜省略して、図面を簡略化する。そして、本図及び以降の各図において、部材の大きさ、形状、厚みなどを適宜誇張して表現する。
【0012】
<包装機>
図1に示す包装機1は、一例として、物品XA1が順次供給されることに合わせて、長尺の包装材YA1が連続して供給されて筒状に製袋され、所定ピッチ(カットピッチ)毎に包装材YA1の幅方向にシールとカットとが行われる、いわゆる横型製袋充填機(ピロー包装機)である。
【0013】
包装機1は、包装材供給装置2と、物品供給装置3と、包装機本体4と、包装材加熱装置5と、包装材搬送装置6と、制御ユニット(図示省略)などを備え、連続して供給される包装材YA1を利用して、前工程から順次供給される物品XA1を上流から下流に向けて搬送しながら包装する。図1では、原反ロールYB1に近い側を上流とし、遠い側を下流とする。
【0014】
ここで、包装機1における各種方向の定義は包装機本体4を基準とする。包装機本体4において帯状の包装材YA1の長手方向(後述のセンターシールが延びる方向)となる第一方向を搬送方向Tとし、長手方向に直交する包装材YA1の幅方向(後述の横シール(トップシール、エンドシール)が延びる方向)となる第二方向を搬送幅方向Wとし、包装材YA1の高さ方向(搬送方向T及び搬送幅方向Wに対して直角となる方向)となる第三方向を搬送高さ方向Hとする。
【0015】
これら包装機1の各部は、制御ユニットによって統括的に制御される。制御ユニットは、CPU、RAM、及びROMなどから構成され、各種制御を実行する。CPUは、いわゆる中央演算処理装置であり、各種プログラムが実行されて各種機能を実現する。RAMは、CPUの作業領域として使用される。ROMは、CPUで実行される基本OSやプログラムを記憶する。
【0016】
包装材供給装置2は、包装材YA1をロール状に巻き取った原反ロールYB1に対し、図示省略する駆動モータ(サーボモータ等の速度制御可能なモータ)の出力を連係し、原反ロールYB1の回転速度を適宜制御しながら一定速度で包装機本体4に供給する。図1では包装機1としていわゆる逆ピロー包装機である場合を例示している。逆ピロー包装機は、製袋器41の搬送高さ方向Hの下方に包装材YA1の原反ロールYB1を配置し、包装する物品XA1を包装材YA1上に載せながら製袋器41により下側から包み込む包装機である。
【0017】
包装材YA1は、包装材搬送経路FRを構成する包装材搬送装置6によって搬送される。包装材搬送装置6はここでは例えば、複数のローラ21と不図示のベルトコンベアを含む。具体的に、原反ロールYB1から包装機本体4に至る所定位置に各種のローラ21(図では、代表して2個のみ記載している)を配置し、原反ロールYB1から送り出された包装材YA1は、そのローラ21に掛け渡されることで、所定の包装材搬送経路FRを通って包装機本体4に導かれる。本実施形態では、必ずしも原反ロールYB1に駆動モータを連係する必要はなく、包装材YA1の包装材搬送経路FR上にフィードローラを設け、引き出すようにしても良い。
【0018】
物品供給装置3は包装機本体4の上流側(同図において右側)に配置され、包装機本体4に対して物品XA1を所定間隔毎に供給する。物品供給装置3は、例えば、板状の搬送路31と、その搬送路31の上方に配置されたコンベア装置32などにより構成される。コンベア装置32は、例えば、前後に配置されたスプロケット33と、その複数のスプロケット33に掛け渡されたエンドレスチェーン34と、そのエンドレスチェーン34に所定ピッチ毎に取り付けられた複数の押送フィンガー35などにより構成されるフィンガーコンベアである。これにより、物品XA1の後面に押送フィンガー35が突き当たると、押送フィンガー35の移動に伴い、物品XA1も搬送路31上を前進移動する。
【0019】
包装材加熱装置5は、包装機本体4(製袋器41)の上流(搬送高さ方向Hにおいては下方)に設けられ、加熱手段52と複数のローラ51を有する。加熱手段52は、搬送中の包装材YA1の少なくとも一方の面と当接することで包装材YA1の温度を上昇させることが可能な加熱面521を有する。加熱手段52はこの例ではヒータを内蔵した加熱ローラであり、加熱面521は、加熱ローラ52の外周面である。包装材加熱装置5の上流端には、包装材搬送装置6によって搬送される包装材YA1が進入する。包装材YA1は、包装材加熱装置5の加熱ローラ52および金属製ローラ51に掛け回されて搬送され、包装材加熱装置5の下流の製袋器41に供給される。つまり包装材加熱装置5は、包装材YA1を搬送しながら加熱して製袋器41に供給するものであり、包装材搬送装置6に組み込まれその一部を構成するともいえる。包装材加熱装置5については後に詳述する。
【0020】
包装機本体4は、連続して供給される帯状の包装材YA1をその両側端縁部Eを重合させて筒状の包装材(以下、筒状包装材YA1´)に製袋する製袋器41と、その製袋器41の下流側に配置され、筒状包装材YA1´を搬送する搬送手段(例えば、ベルトコンベア)42と、ベルトコンベア42の上方に配置されたセンターシールユニット(センターシール装置)43と、ベルトコンベア42の下流側に配置されたトップシールユニット(トップシール装置)48と、トップシールユニット48の下流側に配置された搬出コンベア49と、ベルトコンベア42の上方であってトップシールユニット48の直前に配置された抑えベルト47などを備えている。製袋器41の供給口41aには、包装材YA1を引き込むための案内板41gが設けられている。なお、トップシールユニット48の「トップシール」は「エンドシール」または「横シール」と言われる場合もある。
【0021】
製袋器41は、包装材供給装置2から連続して供給される包装材YA1を通過させることで、包装材YA1の幅方向の両側端縁部E同士を接触(重合)させて筒状包装材YA1´に製袋するものである。この例の製袋器41は、搬送高さ方向Hにおける上側が開放されており、包装材YA1の両側端縁部Eが上側に位置するように設定されている。また両側端縁部Eにはシール剤が塗布または含侵されている。
【0022】
物品供給装置3から包装機本体4に対して順次供給される物品XA1は、製袋器41内に挿入され、筒状包装材YA1´に収容される。つまり製袋器41に供給された物品XA1は、筒状包装材YA1´内において所定間隔ごとに配置されることになる。ベルトコンベア42は、その物品XA1を内包した筒状包装材YA1´を搬送する。
【0023】
センターシールユニット43は、筒状包装材YA1´の重合された両側端縁部Eをその両外側から挟み込みながら加熱することで熱シールする。図示の例では、センターシールユニット43はその上流側から、左右一対のピンチローラ44と,バー状のシーラ(バーシーラ)45と、左右一対の加圧ローラ46を有している。ピンチローラ44は、製袋器41を経て接触する筒状包装材YA1´の両側端縁部E同士を所定の圧力で挟み込むとともに、同期して回転することで、その両側端縁部Eひいては筒状包装材YA1´に対して搬送力を与える。バーシーラ45は、両側端縁部Eを加熱し、溶着する。加圧ローラ46は、両側端縁部E同士を所定の圧力で挟み込んで押圧し、両側端縁部Eの接着を定着させる。これにより両側端縁部Eは熱シールされる。また、加圧ローラ46はピンチローラとしての機能も備える。つまり、加圧ローラ46は、所定の圧力で筒状包装材YA1´の両側端縁部Eを挟み込んだ状態でピンチローラ44と同期して回転しているため、その両側端縁部Eひいては筒状包装材YA1´に対して搬送力を与える。
【0024】
トップシールユニット48は、筒状包装材YA1´に対し、搬送方向T(進行方向)と交差する方向、つまり、搬送幅方向W(横断する方向)にシールするとともにカットするものである。トップシールユニット48は、例えばいわゆるボックスモーションタイプのもので、筒状包装材YA1´を挟んで上下に配置された一対のトップシーラ48a,48bが、互いのシール面を対向させた状態を維持しながら所定の軌跡で移動し、物品の長さに応じたピッチ毎に、搬送幅方向Wにトップシール(エンドシール、横シール)とカットを行う。トップシールユニット48を通過することで、筒状包装材YA1´の先頭部分は、後続から分離され、包装体ZA1が製造される。なお、トップシールユニット48は、回転式でもよい。搬出コンベア46は包装体ZA1を下流工程に搬送する。
【0025】
<包装材および包装体>
図2を参照して、本実施形態の包装材YA1および包装体(ピロー包装体)ZA1について説明する。図2(A)、同図(B)は包装材YA1を説明するための各構成を誇張して示す概略図であり、搬送方向Tの一方側から見た側面図である。同図(C)は、トップシールユニット48によってトップシール部TO1のシールとカットが施され、搬出コンベア46に移載された直後の包装体ZA1の外観斜視図である。
【0026】
図2(A)を参照して、包装材YA1は例えば、紙資材である。ここで紙資材とは、紙を基材とする資材をいい、詳細には紙を51%以上含む資材である。具体的に、包装材YA1は例えば、基材200である紙の一方の面に例えば樹脂材料のフィルム201が積層されている資材(紙ラミネート材)であり、フィルム201の一方の面の両側端縁部Eにはシール剤202が塗布あるいは含侵されている。
【0027】
また、同図(B)に示すように、包装材YA1は、基材200の他方の面に、さらに別の樹脂材料のフィルム203が積層されるものであってもよい。また、図示は省略するが、樹脂材料のフィルム201、203に代えて、あるいはフィルム201、203に加えて、アルミ箔、蒸着フィルム、クロスなどを積層した資材であってもよい。
【0028】
本実施形態の包装機1は例えば逆ピロー包装機であり、図2(A),同図(B)に示す包装材YA1の上面に載置される物品XA1を下方から包むようにして、両側端縁部Eのシール剤202を重ね合わせ、溶着する。
【0029】
これにより、同図(C)に示す包装体ZA1が得られる。包装体ZA1のセンターシール部CE1は、帯状の包装材YA1の第一の方向(搬送方向Tと同じ方向)に沿う両側端縁部Eを、包装材YA1が筒状となるように重合し熱シールして設けられた部位である。トップシール部TO1は、筒状包装材YA1´の第二の方向(搬送方向に交差(直交)する方向)に沿う両端開口をそれぞれ熱シールして設けられた部位である。なお、包装体ZA1の形状は一例であり、図示の形状に限らない。
【0030】
本実施形態では、説明の便宜上、包装体ZA1となった場合に、物品XA1に面する包装材YA1の一方の面Sf1(図2(A),同図(B)における上方の面)を「内側面」、包装体ZA1の外表となる包装材YA1の他方の面Sf2(図2(A),同図(B)における下方の面)を「外側面」という。
【0031】
<包装材加熱装置>
図3を参照して包装材加熱装置5の一例について説明する。図3図1に示した包装材加熱装置5部分を抜き出して示す正面概要図である。
【0032】
包装材加熱装置5は、包装材供給装置2から包装機本体4まで包装材YA1を搬送する包装材搬送装置6の途中に設けられる(図1参照)。この例では、包装材加熱装置5は包装材搬送装置6の下流端部の一部として機能する(一部に含まれる)構成を示しているが、包装材搬送装置6の下流端部と、包装機本体4の間に設けられ、包装材搬送装置6から排出される包装材YA1を連続して搬送しながら包装機本体4に供給する構成であってもよい。
【0033】
図3(A)を参照して、包装材加熱装置5は、少なくとも包装材YA1と当接する加熱面521を備える加熱手段(例えば、加熱ローラ)52を含む。具体的に、包装材加熱装置5は、例えば包装機本体4に固定される支持部55と、アーム部56と、加熱ローラ52と、複数のローラ51を有する。
【0034】
支持部55は例えば包装機本体4に移動不可に固定され、2本のアーム部56を指示する。2本のアーム部56は搬送幅方向Wに対向するように設けられ、長手方向(搬送方向T)の一端(図3(A)では左側端部)が片持ち状態で支持部55に取り付けられる。2本のアーム部56にはそれぞれスリット57が設けられており、複数のローラ51(この例では3個のローラ51a、51b、51c)はシャフト51Sの両端がスリット57に挿通される。シャフト51Sはグリップ51Gによって抜け止めされ、アーム部56に対して回転可能に固定される。また、アーム部56には例えば搬送高さ方向Hに立設する加熱ローラ支持部58が設けられ、加熱ローラ支持部58は、加熱ローラ52を回転可能に支持する。
【0035】
この例では2本のアーム部56は、包装材加熱装置5の最も上流側のローラ51aによって、支持部55に固定される。詳細には、アーム部56はローラ51aを中心として矢印aで示す如く支持部55に対して揺動可能に取り付けられる。
【0036】
また、加熱ローラ52より下流のローラ51b、51cは、スリット57に沿って、搬送方向Tへの移動(位置調整)が可能となっている。
【0037】
加熱ローラ52は、図示は省略するがシャフトの内部に電熱線が設けられ、その外周面は相対的に高熱伝導率の金属(例えば、アルミニウムまたはアルミニウム合金)により構成されて加熱面521となる。加熱面521は、包装材YA1の温度を常温(室温:例えば、20度~40度)より上昇させることが可能である。より具体的に、包装機1の通常運転時における加熱面521の温度は一例として、室温より高温であり、45度~80度、好適には55度~75度、より好適には60度~70度程度である。
【0038】
複数のローラ51(ローラ51a、51b、51c)はいずれも金属製の外周面511を有する金属製ローラである。ここでは一例として、包装材搬送経路FRの上流側から、金属製ローラ(第1ローラ)51a、加熱ローラ52、金属製ローラ(第2ローラ)51b、金属製ローラ(第3ローラ)51cがこの順で配置される。ここで、少なくとも、加熱ローラ52の下流側に配置したローラ51は金属製ローラである。第1ローラ51aは、金属製でないローラであってもよい。より詳細には、少なくとも加熱ローラ52の直近下流のローラ(ここでは第2ローラ51b)は金属製ローラであることが望ましく、加熱ローラ52の下流の全てのローラ51が金属製ローラであることがより望ましい。
【0039】
第1ローラ51aと加熱ローラ52はアーム部56に対して回転以外の移動(搬送方向Tへの移動)が不可に取り付けられる。一方、第2ローラ51bおよび第3ローラ51cは、スリット57に沿って搬送方向Tへの移動(位置調整)が可能に取り付けられる。
【0040】
アーム部56の揺動の角度は、包装機1の運転開始前に任意の角度に適宜設定され、運転時には揺動不可に固定される。同様に、第2ローラ51bおよび第3ローラ51cは、包装機1の運転開始前にスリット57に沿う任意の位置に適宜移動、調整可能に構成され、運転時には設定位置に固定される。
【0041】
加熱ローラ52および第1ローラ51a~第3ローラ51cはいずれもパスローラであり、包装材YA1の搬送に伴い、それぞれが回転する。換言すると包装材YA1は、第1ローラ51a、加熱ローラ52、第2ローラ51bおよび第3ローラ51cのそれぞれに掛け回され、各ローラ51a、52,51b、51cの外表面とこの順で当接しながら製袋器41に進入する。
【0042】
本実施形態では、加熱ローラ52より下流の少なくとも一つの金属製ローラ51(例えば、直近下流の第2ローラ51b)には包装材YA1が掛け回されるものとする。この場合の「包装材YA1が掛け回される」とは、単に包装材YA1が直線的に金属製ローラ51に接触するのではなく、0より大きい曲率をもって(屈曲または湾曲して)金属製ローラ51に接触している状態をいう。また、加熱ローラ52にも包装材YA1が掛け回されることが望ましい。
【0043】
つまり包装材加熱装置5は、少なくとも、加熱ローラ52より下流の金属製ローラ51(ここでは直近下流の第2ローラ51b)により、包装材YA1が少なくとも1回屈曲するように(加熱ローラ52の掛け回しによる屈曲を含めると少なくとも2回屈曲するように)構成される。
【0044】
具体的に、図3(A)の場合では、包装材加熱装置5を製袋器41の下方に配置し、また加熱ローラ52を第2ローラ51bよりも搬送高さ方向Hにおいて上方に位置させている。そして、加熱ローラ52においては搬送高さ方向Hの上側半周に含まれる外周面(加熱面521)に包装材YA1が掛け回される。回転する加熱ローラ52は、上側半周の少なくとも一部において包装材YA1を受け入れて、これと当接して下流へ送り出す。また第2ローラ51bにおいては、
搬送高さ方向Hの下側半周に含まれる外周面511に包装材YA1が掛け回される。回転する第2ローラ51bは、下側半周の少なくとも一部において包装材YA1を受け入れて、これと当接して下流へ送り出す。なお、両ローラ52、51bが包装材YA1と当接する面(上側半周、下側半周)が入れ替わってもよい。
【0045】
この場合、加熱ローラ52の回転方向と、第2ローラ51bの回転方向は、互いに逆方向(逆回転)となる。これにより、両ローラ52、51bを通過する包装材YA1を2回屈曲させることができる。
【0046】
より詳細には、図3(A)の例では、第1ローラ51aおよび第3ローラ51cにも包装材YA1が掛け回される。すなわち、搬送高さ方向Hにおける位置関係として、第1ローラ51aより上方に加熱ローラ52が配置され、加熱ローラ52より下方に第2ローラ51bおよび第3ローラ51cが配置される。第1ローラ51a、第2ローラ51bおよび第3ローラ51cは、アーム部56の揺動角に応じてこの例では第1ローラ51a、第2ローラ51bおよび第3ローラ51cの順でその位置が順次下方になるように設定されている。しかしながら同図は一例であり、第1ローラ51a、第2ローラ51bおよび第3ローラ51cは水平方向における高さが同等であってもよい。
【0047】
そして、第1ローラ51aおよび加熱ローラ52は第1方向(例えば時計回りの方向)に回転させ、第2ローラ51bおよび第3ローラ51cは、第1方向とは逆の第2方向(例えば、反時計回りの方向)に回転させる。このように少なくとも加熱ローラ52と直近下流の第2ローラ51bは回転方向が逆になっている。
【0048】
このような構成により、包装材加熱装置5の下方から進入した包装材YA1が第1ローラ51aを経由して加熱ローラ52に掛け回される際に加熱面521の上側半周の少なくとも一部と当接し、第2ローラ51b方向に屈曲される。引き続き包装材YA1は第2ローラ51bに掛け回される際に外周面511の下側半周の少なくとも一部と当接し、第3ローラ51c方向に屈曲される。引き続き包装材YA1は第3ローラ51cに掛け回される際に外周面511の下側半周の少なくとも一部と当接し、上方の製袋器41方向に屈曲される。
【0049】
包装材YA1は、加熱ローラ52に当接すると、これにより昇温される。具体的に、包装材YA1の温度は、包装材加熱装置5の上流では室温と同等であるが、加熱ローラ52と当接して加熱されることにより室温よりも高い温度となる。
【0050】
つまり包装材YA1は、加熱ローラ52によってその温度が上昇した状態で当該加熱ローラ52および第2ローラ51b、第3ローラ51cに掛け回されて複数回屈曲するため、包装材加熱装置5の上流(例えば、原反ロールYB1から供給直後)よりも軟化した状態で製袋器41に進入する。製袋器14に進入する際の包装材YA1の温度は、例えば室温より高く、具体的に45度以上、好適には50度~60度程度となっている。これにより、包装材YA1の製袋器41への纏わりつきを良好にすることができる。
【0051】
従来の包装機1では、包装材YA1はほぼ室温と同等の温度で製袋器41に供給されており、特に、包装材YA1が柔軟性の乏しい紙資材の場合には、搬送中において包装材YA1が柔軟に変形しにくく(伸びが悪く)、製袋器41への纏わりつきを良好に行えない問題があった。このため、製袋器41に案内板41Gを設けるなどの対策が取られていたが、十分ではなく、包装材YA1が製袋器41の供給口41aから浮いてしまい、結果として、包装材YA1にうろこ状の傷が生じ、包装体ZA1としての外観を損なう要因となっていた。
【0052】
そこで、本実施形態では、包装材YA1を搬送途中において加熱しつつ屈曲させることで、包装材YA1を軟化させ、その状態で製袋器41に供給することとした。これにより、製袋器41(案内板41Gおよび、または供給口41a)への包装材YA1の纏わりつきを良好にでき、供給口41aから浮くことなく製袋することが可能となる。結果として、包装材YA1にうろこ状の傷が生じることを防止し、美観の良好な包装体ZA1を提供できる。
【0053】
ここで、包装材YA1を十分に軟化させるには、加熱時および/または加熱後の屈曲を大きくする、具体的には、加熱ローラ52および/または金属製ローラ51による屈曲の角度θを大きくすることが望ましい。
【0054】
図3(B)は、屈曲の角度θについて説明する図である。なお、以降の図においては加熱ローラ52および金属製ローラ51の位置関係を主に示し、包装材加熱装置5の支持部55およびアーム部56の図示を省略する。
【0055】
加熱ローラ52および/または金属製ローラ51による屈曲の角度θとは、加熱ローラ52の外周面(加熱面)521、金属製ローラ51の外周面511のそれぞれと包装材YA1とが接触している角度範囲のことである。図3(B)では、第2ローラ51bの位置の違いによる、屈曲の角度θの違いを示している。実線は図3(A)に示す構成と同一であり、その場合の加熱ローラ52における包装材YA1の屈曲の角度はθ1である。これに対し、第2ローラ51bのみを破線の位置に移動した場合、加熱ローラ52における包装材YA1の屈曲の角度はθ2となり、θ1より小さくなる。この例の場合、第2ローラ51bにおいても実線の位置にある場合の屈曲の角度より破線の位置にある場合の屈曲の角度が小さくなる。
【0056】
つまりこの場合、第2ローラ51bの位置は、破線で示すの位置よりも実線で示す位置にする方が望ましい。本実施形態では、スリット57により第2ローラ51bおよび第3ローラ51cの位置を任意の位置に移動可能である。第2ローラ51bおよび第3ローラ51cの位置は、包装材YA1の材質に応じて、予め適宜選択され、設定(調整)される。なお既に述べたように、包装機1の運転開始後は、第2ローラ51bおよび第3ローラ51cの位置は固定である。
【0057】
包装材YA1が加熱ローラ52の直近下流の金属製ローラ51(第2ローラ51b)に掛け回されることを前提とし、少なくとも加熱ローラ52とその直近下流の金属製ローラ51(第2ローラ51b)の回転方向が互いに逆回転して包装材YA1を一の搬送方向Tに搬送する構成であれば、加熱ローラ52と第2ローラ51bの位置関係によらず、加熱された包装材YA1は少なくとも1回屈曲する。
【0058】
つまり、図3(C)に示すように、加熱ローラ52と第2ローラ51bとが例えば搬送高さ方向Hにおいて高低差がない(両者の回転軸の中心位置が略水平となる)構成であってもよい。この場合包装材YA1は、加熱後、少なくとも第2ローラ51bにおいて(少なくとも1回は)屈曲し、加熱と屈曲により軟化される。
【0059】
さらに図3において、第3ローラ51cを省略し、第2ローラ51bの直近下流に製袋器41が配置される構成であってもよい。
【0060】
このように、包装材加熱装置5は、包装材YA1を加熱しつつ屈曲させることで、包装材YA1を軟化させることができる。
【0061】
これに加えて、包装材YA1が予め加熱されるため、包装材YA1の一方の面(内側面Sf1)に塗布または含侵されたシール剤202(図2(A),同図(B)参照)も軟化させることができ、これにより製袋器41下流のセンターシールユニット43において接着性を向上させることができる。
【0062】
包装材YA1は製袋器41によって両側端縁部Eが重合され、内側面Sf1のシール剤202同士が当接する。センターシールユニット43では、両側端縁部Eを外側面Sf2から加熱し、内側面Sf1のシール剤202を溶着させる。
【0063】
しかしながら、基材200が紙資材の場合には、基材200が樹脂資材(すなわち、樹脂フィルム)の場合と比較して熱伝達率が悪くなる。つまり、センターシールユニット43のバーシーラ45で加熱しても、包装材YA1の面(第1の面Sf1,第2の面Sf2)の温度が瞬時に同等の温度には上がらない(第1の面Sf1側の温度上昇が遅くなる)。
【0064】
さらにシール剤202は、表面が加熱されるだけでは溶着可能にならず、シール剤202としての或る程度の軟化が必要となる。また、シール剤202は加熱後すぐに軟化して溶着可能になるとは限らず、溶着可能な程度に軟化するためには、加熱された状態である程度の時間の経過が必要となるものが多い。
【0065】
つまり包装材YA1が常温で製袋されてセンターシールユニット43に進入した場合、1組のセンターシールユニット43(1つのバーシーラ―45)による加熱では、シール剤202が溶着可能な程度に十分に軟化せず(軟化のための時間が不足し)、十分な接着ができない場合がある。
【0066】
このため従来では、シール剤202の軟化時間を確保するためセンターシールユニット43を直列に複数(例えば二組)設け、多段階でセンターシールを行っていた。しかしながら、包装機1のサイズが長大となり、また包装に係る時間も長くなる問題があった。
【0067】
これに対し、本実施形態では、包装材YA1が室温より高い温度に加熱された状態で製袋器41に供給可能である。これにより、シール剤202の軟化が進み、センターシールユニット43およびトップシールユニット48における接着性を向上させることができる。
【0068】
詳細に説明すると、加熱ローラ52の少なくとも下流に配置される金属製ローラ51は、その外周面511が相対的に(例えば、製袋器41を構成する金属よりも)高熱伝導率の金属により構成されている。具体的に、第1ローラ51a~第3ローラ51cの外周面511は例えばアルミニウム(またはアルミニウム合金)である。加熱ローラ52の加熱面521もアルミニウム(またはアルミニウム合金)である。一方製袋器41は例えば、ステンレスなどにより構成される。そして包装材加熱装置1においては、包装材YA1は、内側面Sf1(シール剤202)が直接、加熱ローラ52に当接するように搬送される。
【0069】
そして包装機1の運転中においては加熱ローラ52で昇温された包装材YA1は連続して金属製ローラ(第2ローラ51b、第3ローラ51c)に当接するため、第2ローラ51b、第3ローラ51cの外周面の温度が上昇しやすくなる。具体的に、第2ローラ51b、第3ローラ51cの外周面の温度は、例えば運転開始前には室温と同等であるが、包装機1の運転中は、昇温された包装材YA1と接触することで室温よりも上昇する。また連続して包装材YA1が当接するため、第2ローラ51b、第3ローラ51cが昇温された状態が維持される(蓄熱された状態となる)。同様に、加熱ローラ52で昇温された包装材YA1は、その下流においても引き続き、室温より高温に蓄熱された第2ローラ51b、第3ローラ51cと当接するため、昇温された状態が維持され、その状態で製袋器41に供給されてセンターシールユニット43に至る。
【0070】
このように、包装材YA1(シール剤202が設けられる内側面Sf1)は自ら発熱する加熱ローラ52により加熱され、引き続き蓄熱能力の高い(高熱伝導性の)金属製ローラ51(第2ローラ51b、第3ローラ51c)によって搬送されることで、昇温状態がある期間維持される。つまりセンターシールユニット43に到達するまでの間に、シール剤202が十分に軟化することが可能な時間を確保できる。
【0071】
ここで、製袋器41に加熱手段を設ける構成であっても、包装材YA1の加熱は可能である。しかしながら製袋器41からセンターシールユニット43までの距離(時間)が短いため、シール剤202を接着可能な程度に軟化させることが困難となる。
【0072】
これに対し、包装材加熱装置5の加熱ローラ52は、製袋器41よりも上流にあり、加熱後センターシールユニット43までの距離(到達時間)は長くなるものの、包装材YA1は蓄熱性のある第2ローラ51b、第3ローラ51cに当接させながら搬送することができる。このため包装材YA1の昇温状態をある程度維持しつつ(温度低下を防ぎつつ)、シール剤202の軟化には十分な時間を確保できる。
【0073】
したがってセンターシールユニット43に到達時にはシール剤202の軟化が進行し、接着性が良好となる。結果として、1組のセンターシールユニット43(1つのバーシーラ―45)による加熱でも、十分な接着(センターシール)が可能となる。つまり、例えばセンターシールユニット43を一組にすることも可能であり、これにより、包装機1の小型化、および包装に係る時間の短縮化が実現する。
【0074】
また、包装材YA1全体としても、加熱ローラ52にて加熱後、蓄熱されている第2ローラ51b、第3ローラ51cと接触し、これらによって屈曲されるので、熱伝導率の低い紙資材であっても製袋器41に進入する前に十分に軟化され、製袋器41への纏わりつきがより良好となる。
【0075】
一例として、加熱ローラ52の加熱面521の温度が、60度~70度程度の場合、加熱ローラ52で加熱される包装材YA1の温度は、例えば、室温より高温になる。また、製袋器41の供給口41a付近における包装材YA1の温度は例えば、室温より高温に(例えば45度以上、好適には50度~60度程度に)維持されている。なおあまり高温にしすぎても(特に基材200が紙資材の場合は)逆に表面が固くなってしまうので好ましくない。
【0076】
別の観点では、加熱ローラ52から製袋器41の供給口41aまでの包装材YA1の搬送時間は、例えば少なくとも0.5秒以上であり、好適には、2秒以上である。あるいは、包装材加熱装置5の最下流のローラ(この例では第3ローラ51c)から製袋器41の供給口41aまでの包装材YA1の搬送時間は例えば少なくとも0.5秒以上であり、好適には、1秒以上である。
【0077】
上記の温度、および時間は一例であり、包装材YA1の材質、積層(ラミネート)構造、加熱ローラ52および金属製ローラ51のローラ径、屈曲の角度θ、ライン速度などに応じて適宜選択、調整される。
【0078】
また、図示は省略しているが、複数の金属製ローラ51は、アーム部56の揺動により、あるいはスリット57に沿う位置の移動により、任意の位置に設定可能である。
【0079】
また本発明によれば、包装材YA1を搬送するステップと、包装材YA1の搬送中に製袋器41の上流において包装材YA1の少なくとも一方の面を加熱面521に接触させ、包装材YA1の温度を上昇させるステップと、包装材YA1の温度を室温より上昇させた状態で製袋器41に供給するステップと、物品XA1を製袋器41に供給するステップと、物品XA1を収容した状態で包装材YA1の両側端縁部Eを接着するステップと、を有する包装方法を提供できる。
【0080】
<変形例>
図4から図6を参照して、本実施形態の変形例について説明する。図4図6においても支持部55、アーム部56、加熱ローラ支持部58の図示は省略している。
【0081】
本実施形態の包装材加熱装置5は、自ら発熱し包装材YA1を搬送しつつ加熱可能な加熱面521と、加熱面521の下流において包装材YA1を少なくとも1回屈曲することが可能なローラ51を有し、製袋器41に至るまでの期間に包装材YA1の温度を例えば室温よりも上昇させ、屈曲させながら搬送する構成であればよい。また望ましくは、加熱面521の下流のローラ51は、相対的に高熱伝導率の(蓄熱性のある)金属製ローラであり、包装材YA1を室温よりも昇温させた状態で製袋器41に供給する構成であることが望ましい。
【0082】
図4(A)は、包装材YA1の屈曲の回数を図3に示す構成より増加させた構成である。この場合、加熱ローラ52の上流に第1ローラ51a、第2ローラ51bを設け、加熱ローラ52の下流に第3ローラ51c、第4ローラ51d、第5ローラ51eを設けている。第1ローラ51a~第5ローラ51eはいずれも金属製(例えば外表面511がアルミニウム製の)ローラである。第1ローラ51aと第2ローラ51bは互いに逆回転し、第2ローラ52bと加熱ローラ52は互いに逆回転し、加熱ローラ52と第3ローラ51cは互いに逆回転し、第3ローラ51cと第4ローラ51dは互いに逆回転し、第4ローラ51eと第5ローラ51eは互いに逆回転する。
【0083】
この構成では、加熱ローラ52における屈曲の角度θを十分に確保し、包装材YA1の加熱時間を稼いでいる。また特に、加熱ローラ52による加熱後において包装材YA1が屈曲する回数を増加(ここでは加熱ローラ52経由後に3回屈曲)させることにより、包装材YA1をより軟化させ、製袋器41に対する纏わりつきをより良好にすることができる。
【0084】
また、図3に示す構成と比較して、センターシールユニット43までの距離(時間)を稼ぎつつも、蓄熱性を有する金属製ローラ51(第3ローラ51c~第5ローラ51e)と接触する機会(回数)が増加する。したがってより、包装材YA1の昇温状態を維持しつつ(温度低下を防ぎつつ)、シール剤202の軟化に十分な時間を確保できる。
【0085】
図4(B)は図3(B)に示す構成において、加熱ローラ52における屈曲の角度θをさらに大きくした構成である。この場合、加熱ローラ52と第3ローラ51cの回転方向は互いに逆方向であるが、第3ローラ51cと第4ローラ51dの回転方向は同方向である。
【0086】
図5(A)は、加熱ローラ52の下流のローラを1つ(第3ローラ51c)のみとした構成である。このように加熱ローラ52の下流のローラは1つであってもよい。
【0087】
図5(B)は、図5(A)と同様に加熱ローラ52の下流のローラを1つ(第3ローラ51c)のみとした構成であるが、加熱ローラ52と第3ローラ51cを離間させることで、図5(A)に示す構成よりも、センターシールユニット43に到達するまでの距離(時間)を稼ぐことが可能な構成である。
【0088】
図6(A)は、加熱手段52が平板状のヒータである場合の一例である。この場合の加熱面521は、図示における加熱手段52の上方側の面である。加熱手段52の上流側には第1ローラ51aを配置し、加熱手段52の下流側には金属性の(アルミニウム製の外表面511を有する)第2ローラ51b、第3ローラ51c、第4ローラ51dを配置する。また、搬送中の包装材YA1が加熱面521の全体と常時当接するように、第1ローラ51a、第2ローラ52bおよび加熱面521の位置が設定される。あるいは不図示の抑え手段などにより包装材YA1を加熱面521に当接させてもよい。また、第2ローラ51bの下流には第3ローラ51cおよび第4ローラ51dを設け、第2ローラ51bと第3ローラ51cを互いに逆回転させ、第3ローラ51cと第4ローラ51dを互いに逆回転させる。これにより加熱後の包装材YA1の屈曲の回数を増加させることができ、包装材YA1の軟化が進行する。
【0089】
図6(B)は、加熱ローラ52を複数設ける構成である。すなわち上流から第1ローラ51a、第1加熱ローラ52a、第2加熱ローラ52b、金属製の(アルミニウム製の外表面511を有する)第2ローラ51bをこの順で配置する。第1加熱ローラ52aと第2加熱ローラ52bは互いに逆回転し、第2加熱ローラ52bと第2ローラ51bは互いに逆回転する。
【0090】
この場合、互いに逆回転する第1加熱ローラ52aと第2加熱ローラ52bにより、包装材YA1の両面(第1の面Sf1と第2の面Sf2)をいずれも加熱することができる。なお、第1の加熱ローラ52aと、第2の加熱ローラ52bとは、異なる温度に設定してもよい。
【0091】
包装材YA1のうろこ状の傷を防止するには、外表面(第2の面Sf2)側を直接加熱することがより望ましい。この構成によれば、包装材YA1のうろこ状の傷をより防止しつつ、シール剤202も直接加熱(予熱)することができる。
【0092】
図4から図6に示す変形例の場合、複数の金属製ローラ51および加熱ローラ52は個別に(互いに独立して)位置を変形可能に構成するとよい。
【0093】
以上の構成は一例であり、金属製ローラ51と加熱ローラ52の数、および位置は、上記の実施形態に限らない。
【0094】
例えば、金属製ローラ51は、外表面511が相対的に(例えば、ステンレスなどより)高熱伝導率の金属であることが望ましいが、例えば外表面511が真鍮や鉄であってもよい。また金属製ローラ51の外表面511は、熱伝導率が製袋器41などと同等の金属(例えば、ステンレスなど)であってもよい。
【0095】
また、包装材YA1は、基材200が樹脂材料であってもよい。
【0096】
また、上記の例では逆ピロー型の包装機1を例示したが、正ピロー型の包装機であってもよい。
【0097】
また、上記の例ではピロー包装機を例示したが、包装機1は三方シール包装機、横三方シール包装機や、四方シール包装機であってもよい。
【0098】
また、加熱ローラ52を第2ローラ51bよりも搬送高さ方向Hにおいて下方に位置させてもよい。
【0099】
また、フィルム201は、全面にシール剤202が塗布あるいは含侵されていてもよい。
【0100】
また、物品供給装置3はフィンガーコンベアに限らず、プレートコンベア、ベルトコンベア、ローラーコンベア、バーコンベアなど各種の搬送装置でもよい。
【0101】
以上、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨および技術思想を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0102】
1 包装機
2 包装材供給装置
3 物品供給装置
4 包装機本体
5 包装材加熱装置
6 包装材搬送装置
21 ローラ
31 搬送路
32 コンベア装置
33 スプロケット
34 エンドレスチェーン
35 押送フィンガー
41 製袋器
41a 供給口
41g 案内板
42 ベルトコンベア
43 センターシールユニット(センターシール装置)
44 ピンチローラ
45 シーラ(バーシーラ)
46 加圧ローラ
48 トップシールユニット(トップシール装置)
48a,48b トップシーラ
49 搬出コンベア
51 金属製ローラ
51G グリップ
51S シャフト
51a 金属製ローラ(第1ローラ)
51b 金属製ローラ(第2ローラ)
51c 金属製ローラ(第3ローラ)
52 加熱手段(加熱ローラ)
511 外周面
521 加熱面
55 支持部
56 アーム部
57 スリット
58 加熱ローラ支持部
200 基材
201、203 フィルム
202 シール剤
E 両側端縁部
Sf1 内側面( 第1の面)
Sf2 外側面( 第2の面)
XA1 物品
YA1 包装材
YB1 原反ロール
ZA1 包装体(ピロー包装体)
図1
図2
図3
図4
図5
図6