(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024069926
(43)【公開日】2024-05-22
(54)【発明の名称】プログラム、コンピュータシステムおよび記録用画像処理方法
(51)【国際特許分類】
G06T 19/00 20110101AFI20240515BHJP
A63F 13/49 20140101ALI20240515BHJP
A63F 13/52 20140101ALI20240515BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20240515BHJP
A63F 13/655 20140101ALI20240515BHJP
【FI】
G06T19/00 300A
A63F13/49
A63F13/52
A63F13/79
A63F13/655
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022180221
(22)【出願日】2022-11-10
(71)【出願人】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】奥山 幹樹
(72)【発明者】
【氏名】津原 一成
(72)【発明者】
【氏名】木村 哲
(72)【発明者】
【氏名】田中 大将
(72)【発明者】
【氏名】川上 智司
【テーマコード(参考)】
5B050
【Fターム(参考)】
5B050BA06
5B050BA09
5B050BA12
5B050CA07
5B050CA08
5B050FA02
(57)【要約】
【課題】記録用画像を生成しつつ記録用画像から個人情報を適切に保護することができるプログラム、コンピュータシステムおよび記録用画像処理方法を提供する。
【解決手段】プログラムは、コンピュータを、仮想空間を生成する仮想空間生成手段、所有するユーザを特定可能なユーザ特定情報が対応付けられたプレイヤオブジェクトを仮想空間に配置するプレイヤオブジェクト配置手段、ユーザの撮影操作に基づいて所定の仮想カメラによる記録用画像の生成を行う画像生成手段、記録用画像にプレイヤオブジェクトが含まれる場合に、記録用画像を用いて実行される画像関連処理において、記録用画像におけるプレイヤオブジェクトの表示態様を、当該プレイヤオブジェクトを所有するユーザまたは仮想空間の管理者による設定内容に基づいて制御する画像制御手段として機能させる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
仮想空間を生成する仮想空間生成手段、
所有するユーザを特定可能なユーザ特定情報が対応付けられたプレイヤオブジェクトを前記仮想空間に配置するプレイヤオブジェクト配置手段、
ユーザの撮影操作に基づいて所定の仮想カメラによる記録用画像の生成を行う画像生成手段、
前記記録用画像に前記プレイヤオブジェクトが含まれる場合に、前記記録用画像を用いて実行される画像関連処理において、前記記録用画像における前記プレイヤオブジェクトの表示態様を、当該プレイヤオブジェクトを所有するユーザまたは前記仮想空間の管理者による設定内容に基づいて制御する画像制御手段として機能させる、プログラム。
【請求項2】
前記画像制御手段は、前記記録用画像を用いた前記画像関連処理が実行される前に、当該記録用画像に含まれる前記プレイヤオブジェクトを所有するユーザに対して前記画像関連処理の実行についての承認処理を実行し、前記ユーザからの承認内容に応じて前記画像関連処理を実行する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記画像制御手段は、前記記録用画像を表示する場合に、前記画像関連処理の実行についての前記承認処理において前記記録用画像に含まれる前記プレイヤオブジェクトの表示が承認されない場合、当該プレイヤオブジェクトを加工して前記記録用画像を表示する、請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記画像制御手段は、前記画像関連処理の実行前に前記プレイヤオブジェクトを所有するユーザにより設定された前記プレイヤオブジェクトに対する承認内容に応じて自動的に前記承認処理を実行する、請求項2に記載のプログラム。
【請求項5】
前記画像制御手段は、前記画像関連処理の実行時に前記プレイヤオブジェクトを所有するユーザに対して承認要求を行い、当該ユーザからの承認が得られるまで前記画像関連処理の実行を保留する、請求項2に記載のプログラム。
【請求項6】
前記画像制御手段は、前記画像関連処理の実行時に前記プレイヤオブジェクトの著作者に対しても前記画像関連処理の実行についての承認処理を実行する、請求項2に記載のプログラム。
【請求項7】
前記プレイヤオブジェクトは、個人データを用いて生成されたオブジェクトを含む、請求項1から6の何れかに記載のプログラム。
【請求項8】
前記プレイヤオブジェクトは、生体データから生成されたキャラクタを含む、請求項7に記載のプログラム。
【請求項9】
前記設定内容は、前記プレイヤオブジェクトが含まれる前記記録用画像が表示される場合に、前記プレイヤオブジェクトに付随する情報として当該プレイヤオブジェクトを所有するユーザに関するユーザ情報を前記記録用画像とともに表示することを許可するか否かの設定事項を含み、
前記画像制御手段は、前記画像関連処理において、前記記録用画像に含まれる前記プレイヤオブジェクトに対応する前記ユーザ情報を前記記録用画像とともに表示した場合に、前記ユーザ情報の表示を許可したユーザに対して報酬を付与する、請求項1から6の何れかに記載のプログラム。
【請求項10】
画像制御手段は、複数の前記プレイヤオブジェクトに共通する1つの前記ユーザ特定情報が対応付けられている場合、前記設定内容を前記プレイヤオブジェクトごとに決定する、請求項1から6の何れかに記載のプログラム。
【請求項11】
前記画像制御手段は、複数の前記プレイヤオブジェクトに共通する1つの前記ユーザ特定情報が対応付けられている場合、前記設定内容を前記複数のプレイヤオブジェクトに対して一括して決定する、請求項1から6の何れかに記載のプログラム。
【請求項12】
請求項1から6の何れかに記載のプログラムを記憶したプログラム記憶部と、
前記プログラム記憶部に記憶されたプログラムを実行するコンピュータと、を備えた、コンピュータシステム。
【請求項13】
仮想空間を生成するステップと、
所有するユーザを特定可能なユーザ特定情報が対応付けられたプレイヤオブジェクトを前記仮想空間に配置するステップと、
ユーザの撮影操作に基づいて所定の仮想カメラによる記録用画像の生成を行うステップと、
前記記録用画像に前記プレイヤオブジェクトが含まれる場合に、前記記録用画像を用いて実行される画像関連処理において、前記記録用画像における前記プレイヤオブジェクトの表示態様を、当該プレイヤオブジェクトを所有するユーザまたは前記仮想空間の管理者による設定内容に基づいて制御するステップと、を含む、記録用画像処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録用画像の処理を行うためのプログラム、コンピュータシステムおよび記録用画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
仮想空間に配置されたプレイヤキャラクタをユーザが操作するゲームにおいて、ゲーム画面(例えば仮想空間に配置された仮想カメラで撮影している二次元画像)を記録用画像として撮影して保存するスクリーンショット機能を有するものがある。下記特許文献1では、スクリーンショット画像にプレイヤ名等のスクリーンショット付加情報を含むメタデータを対応付けることにより、スクリーンショット画像の検索を容易にすることが記載されている。また、下記特許文献2には、仮想空間で撮影されたスクリーンショット画像を、ビットマップ形式の描画済みデータではなく画像生成用元情報という形式で頒布することにより、著作権侵害を防止することが記載されている。
【0003】
近年、現実の三次元空間を仮想空間内に実現し、仮想空間内で現実世界と同等の活動を行うメタバースが注目されている。このようなメタバースにおける仮想空間では、現実世界と同等の活動が行われるために、従来の仮想空間を用いたゲームなどよりも、当該仮想空間に配置される仮想オブジェクトのプライバシーやそこから個人を特定することについてより慎重になる必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-187081号公報
【特許文献2】特開2003-109025号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記特許文献2とは異なる方法で、記録用画像を生成しつつ記録用画像から個人情報を適切に保護することができる、プログラム、コンピュータシステムおよび記録用画像処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータを、仮想空間を生成する仮想空間生成手段、所有するユーザを特定可能なユーザ特定情報が対応付けられたプレイヤオブジェクトを前記仮想空間に配置するプレイヤオブジェクト配置手段、ユーザの撮影操作に基づいて所定の仮想カメラによる記録用画像の生成を行う画像生成手段、前記記録用画像に前記プレイヤオブジェクトが含まれる場合に、前記記録用画像を用いて実行される画像関連処理において、前記記録用画像における前記プレイヤオブジェクトの表示態様を、当該プレイヤオブジェクトを所有するユーザまたは前記仮想空間の管理者による設定内容に基づいて制御する画像制御手段として機能させる。
【0007】
本発明の他の態様に係るコンピュータシステムは、上記構成のプログラムを記憶したプログラム記憶部と、前記プログラム記憶部に記憶されたプログラムを実行するコンピュータと、を備えている。
【0008】
本発明の他の態様に係る記録用画像処理方法は、仮想空間を生成するステップと、所有するユーザを特定可能なユーザ特定情報が対応付けられたプレイヤオブジェクトを前記仮想空間に配置するステップと、ユーザの撮影操作に基づいて所定の仮想カメラによる記録用画像の生成を行うステップと、前記記録用画像に前記プレイヤオブジェクトが含まれる場合に、前記記録用画像を用いて実行される画像関連処理において、前記記録用画像における前記プレイヤオブジェクトの表示態様を、当該プレイヤオブジェクトを所有するユーザまたは前記仮想空間の管理者による設定内容に基づいて制御するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、記録用画像を生成しつつ記録用画像から個人情報を適切に保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明の一実施の形態におけるプログラムが適用されるコンピュータシステムのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、
図1に示すコンピュータシステムが備える制御部の機能的な構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、本実施の形態における画像関連処理の流れを例示するフローチャートである。
【
図4】
図4は、本実施の形態において、加工処理前後の記録用画像の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[実施形態]
以下、本発明の実施の形態に係るプログラムおよびコンピュータシステムについて、図面を参照しつつ説明する。以下では、主にVR型のコンピュータシステムについて説明する。
【0012】
[ハードウェア構成]
図1は、本発明の一実施の形態におけるプログラムが適用されるコンピュータシステムのハードウェア構成を示すブロック図である。コンピュータシステム1は、ゲーム装置等のコンピュータ2と、サーバ3とが、インターネットやLAN(Local Area Network)等の通信ネットワークNWを介して互いに通信可能に接続された構成になっている。このうちコンピュータ2は、その動作を制御するCPU(Central Processing Unit)10等のプロセッサを備え、このCPU10にはバス11を介して操作入力部12、記憶装置14、ROM(Read Only Memory)15、およびRAM(Random Access Memory)16が接続されている。なお、コンピュータシステム1は、複数のコンピュータ2を含み得る。
【0013】
ROM15は、マスクROMまたはPROM等の半導体メモリであり、コンピュータ2を起動する起動プログラム等が記憶されている。RAM16は、DRAMまたはSRAM等により構成され、CPU10が実行するべきプログラム14aや、その実行の際に必要となるデータ14b等を、ゲームのプレイ状況に応じて読み込んで一時的に記憶する。
【0014】
また、CPU10には、HMD用インターフェイス17、グラフィック処理部19、オーディオ合成部20、オーディオインターフェイス21、無線通信制御部22、およびネットワークインターフェイス23が接続されている。そして、HMD用インターフェイス17、光検出装置用インターフェイス18およびオーディオインターフェイス21には、それぞれ、ヘッドマウントディスプレイ(以下、HMD)30およびヘッドホン32が接続されている。
【0015】
HMD30は、ユーザの頭部に装着可能である。HMD30は、左右一対の表示部、動作取得部および制御部を備える。HMD30がユーザの頭部に装着されることにより、当該ユーザの左目と右目の前方には、左目用の表示部と右目用の表示部とがそれぞれ配置される。左目用の表示部と右目用の表示部との間には、遮光用の仕切り部が設けられている。
【0016】
HMD30の動作取得部は、ユーザの頭部の動きを検出する。例えば、動作取得部は、加速度センサ、ジャイロセンサ、光放出部または光センサ等を含む。加速度センサは、例えば重力方向に対するHMD30の向き、すなわちユーザの頭部の傾きを検出する。ジャイロセンサは、例えばHMDの角速度、すなわちユーザが頭部を傾けたり回転したりする速さを検出する。加速度センサおよびジャイロセンサから得られたモーション情報は、HMD用インターフェイス17を介して、グラフィック処理部19およびオーディオ合成部20に送られる。
【0017】
HMD30が光放出部を備える場合、コンピュータ2には、光検出装置31が接続される。光検出装置31は、光検出装置用インターフェイス18を介してCPU10に接続される。光放出部は、例えば互いに離間してHMD30に設けられた複数のLEDライトである。光検出装置31は、例えばユーザの前方に固定的に配置され、HMD30の光放出部から放たれる光の位置を検出する。光検出装置31は、光放出部から放たれる光の位置を検出することにより、該光検出装置31に対するユーザの頭部の位置情報を取得する。当該位置情報は、上述のモーション情報を補正するために用いられ得る。光検出装置31から得られた位置情報は、光検出装置用インターフェイス18を介して、グラフィック処理部19およびオーディオ合成部20に送られる。
【0018】
なお、HMD30が光センサを備える場合、コンピュータ2には、光検出装置31の代わりに光放出装置が接続される。HMD30の光センサがユーザの周りに配置された光放出装置から放たれた光を検出することにより、ユーザの頭部の位置が検出される。
【0019】
また、HMD30は、HMD30を装着したユーザの視線の移動を追跡するアイトラッキング機能を備え得る。この場合、ユーザは、視線による入力操作が可能である。例えば、HMD30は、ユーザが注視した位置を特定する。また、HMD30は、ユーザの瞬きまたは瞳孔の径変化を検出する。
【0020】
HMD30の制御部は、加速度センサおよびジャイロセンサからコンピュータ2へのデータの送信や光放出部への信号の送信等、HMD30が有する各種機器の制御を行う。
【0021】
グラフィック処理部19は、CPU10の指示に従って三次元の仮想空間等を含むコンピュータ画像を描画する。例えば、グラフィック処理部19は、ユーザが三次元の仮想空間を立体視できるよう、互いに視差を有する一対の仮想二次元画像を生成する。すなわち、グラフィック処理部19は、仮想三次元空間に配置された一対の仮想カメラのそれぞれで撮影した互いに視差を有する左目用および右目用の仮想二次元画像を生成する。そして、この一対の仮想二次元画像は、動画形式に変換されて、HMD用インターフェイス17を介してHMD30に送られ、一対の表示部にそれぞれ表示される。また、グラフィック処理部19は、ユーザに仮想空間内に入り込んだような臨場感を与えるよう、HMD30および光検出装置31から送られたユーザに関するモーション情報および位置情報に合わせて、リアルタイムでHMD30に送る一対の仮想二次元画像を変化させる。
【0022】
オーディオ合成部20は、CPU10の指示に従って、データ14bに含まれるデジタル形式のサウンドデータを再生および合成する。オーディオ合成部20にて再生および合成されたサウンドデータは、アナログ形式にデコードされた後、オーディオインターフェイス21を介してヘッドホン32に送られ出力される。その結果、本ゲームをプレイしているユーザは、再生されたサウンドを聴取することができる。ヘッドホン32は、HMD30と一体的に構成され得る。また、オーディオ合成部20は、ユーザに仮想空間内に入り込んだような臨場感を与えるよう、HMD30および光検出装置31から送られたモーション情報および位置情報に合わせて、リアルタイムでヘッドホン32から出力される音響を変化させ得る。オーディオインターフェイス21には、ヘッドホン32の代わりに、スピーカが接続され得る。
【0023】
無線通信制御部22は、2.4GHz帯の無線通信モジュールを有し、コンピュータ2に付属するコントローラ33との間で無線により接続され、データの送受信が可能となっている。ユーザは、このコントローラ33に設けられたボタン等の操作部を操作することにより、コンピュータ2へ信号を入力することができる。また、コントローラ33は、HMD30と同様の動作取得部を備え得る。コントローラ33の動作取得部は、ユーザの手、腕またはコントローラ装着部位の動きを検出する。例えば、動作取得部は、加速度センサ、ジャイロセンサ、光放出部または光センサ等を含む。
【0024】
ネットワークインターフェイス23は、インターネットまたはLANなどの通信ネットワークNWに対してコンピュータ2を接続するものであり、他のコンピュータ2およびサーバ3との間で通信可能である。そして、コンピュータ2を、通信ネットワークNWを介して他のコンピュータ2と接続し、互いにデータを送受信することにより、同一の仮想空間内で同期することが可能になっている。
【0025】
一方、サーバ3は、その動作を制御する高性能のCPU40等のプロセッサを備え、このCPU40には高速バス41を介して記憶装置42、ROM43、RAM44およびネットワークインターフェイス45が接続されている。
【0026】
サーバ3のROM43は、マスクROMまたはPROM等の半導体メモリであり、サーバ3と他のコンピュータ2との間の通信を制御するプログラム等、サーバ3の基本的な動作を実現するための基本プログラムが記憶されている。
【0027】
また、RAM44は、DRAMまたはSRAM等から構成され、CPU40が実行するべきプログラムや、その実行の際に必要になるデータ等を、記憶装置42等から読み込んで一時的に記憶する。
【0028】
サーバ3の記憶装置42は、サーバ3が内蔵する大容量記憶媒体である。サーバ3は、記憶装置42にプログラム42aおよび諸データ42bを記憶している。サーバ3とコンピュータ2とは、通信ネットワークNWを介して互いに通信を行う。
【0029】
コンピュータ2は、ユーザの操作に基づいてゲーム等の所定の仮想空間内活動を実行(プレイ)するために、サーバ3の記憶装置42に記憶されたプログラム42aおよびデータ42bを受信する(ダウンロードおよびインストールする)。さらに、コンピュータ2は、サーバ3からアップデート用のプログラムおよびデータを受信する(ダウンロードおよびインストールする)。これにより、記憶装置14には、プログラム14aおよびデータ14bが記憶される。
【0030】
コンピュータ2は、インストールしたプログラムおよびデータに基づいて、コンピュータ2にて仮想空間内活動の進行を行い、当該進行に伴う演出(画像または音声出力)をHMD30およびヘッドホン32等に出力する。
【0031】
なお、各コンピュータ2および各ユーザには、それぞれ異なるユーザアカウントが付与される。そして、アカウントアカウントごとにユーザを特定するためのユーザID(識別符号)が付与される。
【0032】
サーバ3は、各ユーザのユーザIDを管理し、各ユーザIDに関するデータなどをコンピュータ2から受信して記憶装置42に記憶する。
【0033】
[コンピュータシステムの機能的構成]
図2は、
図1に示すコンピュータシステムが備える制御部の機能的な構成を示すブロック図である。
図2は、主に、上述したコンピュータシステム1を実現するのに必要な機能を示している。コンピュータシステム1を構成するコンピュータ2は、CPU10、記憶装置14、ROM15、RAM16、グラフィック処理部19、オーディオ合成部20等を含む制御部5aを備えたコンピュータとして動作する。また、サーバ3は、CPU40、記憶装置42、ROM43、およびRAM44等を含む制御部5bを備えたコンピュータとして動作する。そして、
図2に示すように、コンピュータ2の制御部5aとサーバ3の制御部5bとが協動することにより構成されるコンピュータシステム1の制御部5は、プログラム14a,42aを実行することで、各プロセッサの制御により、以下に説明するような機能を発揮する。
【0034】
すなわち、制御部5は、仮想空間生成手段51、プレイヤオブジェクト配置手段52、画像生成手段53、および画像制御手段54等の機能を発揮する。これらの機能ブロックは、集積回路を含む回路を一部または全部に含んでいる。したがって、これらの構成51~54は、それぞれ回路とみなすことができる。
【0035】
仮想空間生成手段51は、仮想空間を生成する。この仮想空間には、背景用の固定オブジェクト、ノンプレイヤキャラクタ等の移動オブジェクト等の様々なオブジェクト(仮想オブジェクト)が配置される。プレイヤオブジェクト配置手段52は、ユーザが所有するプレイヤキャラクタ等のプレイヤオブジェクトを仮想空間に配置する。本実施の形態において、仮想空間は、三次元の仮想空間であり、配置されるオブジェクトも三次元のオブジェクトである。
【0036】
プレイヤオブジェクトは、そのプレイヤオブジェクトを所有するユーザを特定可能なユーザ特定情報に対応付けられている。本実施の形態において、ユーザ特定情報は、所定の文字列を有するユーザIDである。本実施の形態において、プレイヤオブジェクトは、ユーザが操作するプレイヤキャラクタである。また、プレイヤオブジェクトは、ユーザによるコントローラ33への操作入力に基づいて生成される。例えば、プレイヤオブジェクトは、ユーザの個人データを用いて生成される。例えば個人データは、ユーザの顔をスキャンした生体データを含む。
【0037】
生成されたプレイヤオブジェクトのデータは、ユーザ特定情報に対応付けられてユーザが所有するコンピュータ2の記憶装置14に記憶される。さらに、生成されたプレイヤオブジェクトのデータは、ユーザ特定情報とともにサーバ3に送られ、サーバ3の記憶装置42に記憶される。
【0038】
また、仮想空間内には、仮想カメラが配置される。本実施の形態において、仮想カメラは、立体視を可能にするための左右一対の仮想カメラである。ユーザが首を振る等によりHMD30の向きを変えたり、コントローラ33により所定の操作入力を行ったりすることにより、仮想カメラの向きや位置が変化し、仮想カメラにより撮像される画像が変化する。
【0039】
画像生成手段53は、ユーザの撮影操作に基づいて仮想カメラによる記録用画像の生成を行う。例えば、ユーザがコントローラ33に対して第1撮影操作を行うことにより、画像生成手段53は、現在の仮想カメラで撮像されている画像(スクリーンショット、静止画)を記録用画像として生成する。また、例えば、ユーザがコントローラ33に対して第2撮影操作を行うことにより、画像生成手段53は、第2撮影操作から所定期間経過するまでの間に仮想カメラで撮像されている画像(ビデオクリップ、動画)を記録用画像として生成する。このように、本実施の形態において、記録用画像は、静止画および動画を含み、仮想カメラによる撮像画像の一部を取り出したものである。なお、HMD30がアイトラッキング機能を有する場合、視線入力操作を第1撮影操作および第2撮影操作として用い得る。例えば、画像生成手段53は、ユーザが注視したオブジェクトに対してピントを合わせ、第1撮影操作として1回瞬きすることで静止画を撮影し、第2撮影操作として2回瞬きすることで動画を撮影し得る。
【0040】
記録用画像のデータは、ユーザのコンピュータ2の記憶装置14またはサーバ3の記憶装置42に保存される。記録用画像のデータは、その撮影者であるユーザのユーザ特定情報と対応付けて記憶される。例えば、記録用画像のデータは、ユーザに対応付けられた個人フォルダ内に記憶される。個人フォルダは、コンピュータ2の記憶装置14またはサーバ3の記憶装置42に設けられる。保存された記録用画像は、ユーザの操作に基づいて表示を行うことができる。なお、以下では、記録用画像の「表示」には、静止画の表示および動画の再生を含み得る。
【0041】
本実施の形態における記録用画像データは、仮想空間内活動の実行のためのプログラムにより表示可能な画像データの一部(プログラム実行形式のデータ)である。このため、記録用画像データは、当該プログラムを実行することにより記録用画像を表示(再構成)可能に構成される。すなわち、本実施の形態における記録用画像データは、画像データ自体を記録していなくても記録用画像を表示(再構成)可能なデータである。
【0042】
例えば、記録用画像データは、仮想空間に配置される仮想カメラの位置や向きを特定するための仮想カメラデータ、仮想空間に配置されるオブジェクトの種類を特定するためのオブジェクトID、当該オブジェクトの位置座標および姿勢等を特定するための動作状態データ、仮想空間における光源の位置を特定するためのライティングデータ、表示画面上に表示されるユーザインターフェイス等の画像表示要素を含む。オブジェクトIDには、プレイヤオブジェクトであるか否かを識別するための識別子が含まれる。一方、記録用画像データには、オブジェクト自体のデータ、エフェクトのデータ、仮想空間のデータ等、プログラムの実行のために予め記憶されるデータ(仮想空間内活動に際して予め用意されるデータ)は、記録用画像データには含まれない。
【0043】
画像制御手段54は、生成された記録用画像を用いた画像関連処理において、当該記録用画像の表示態様を制御する。以下、詳しく説明する。
【0044】
[画像関連処理]
画像制御手段54は、記録用画像にプレイヤオブジェクトが含まれる場合に、記録用画像を用いて実行される画像関連処理において、記録用画像におけるプレイヤオブジェクトの表示態様を、当該プレイヤオブジェクトを所有するユーザによる設定内容に基づいて制御する。
【0045】
図3は、本実施の形態における画像関連処理の流れを例示するフローチャートである。以下では、画像関連処理として、記録用画像を撮像したユーザの個人フォルダから当該記録用画像を選択して閲覧するための表示処理を例示する。画像制御手段54は、画像関連処理実行指示の有無を監視する(ステップS1)。例えばユーザは、コントローラ33を操作して、メニュー画面の中から記録用画像を表示するための記録用画像表示画面を開くための仮想の操作ボタンを選択し、記録用画像表示画面に表示されたサムネイル画像から所望の記録用画像を選択する。所望の記録用画像を選択する操作入力があった場合に、画像制御手段54は、画像関連処理の実行指示があったと判定する。
【0046】
画像関連処理の実行指示があったと判定された場合(ステップS1でYes)、画像制御手段54は、選択された(実行対象の)記録用画像を読み出す(ステップS2)。さらに、画像制御手段54は、読み出した記録用画像内に他のユーザが所有するプレイヤオブジェクトがあるか否かを判定する(ステップS3)。
【0047】
画像制御手段54は、記録用画像データに含まれるオブジェクトの中にプレイヤオブジェクトが含まれているかどうかを照会する。例えば、画像制御手段54は、記録用画像データに含まれるオブジェクトのオブジェクトIDを読み出し、当該オブジェクトIDにプレイヤオブジェクトを示す識別子が含まれるオブジェクトがあれば当該オブジェクトIDを抽出する。
【0048】
記録用画像内にプレイヤオブジェクトがある場合(ステップS3でYes)、画像制御手段54は、当該記録用画像に含まれるプレイヤオブジェクトを所有するユーザに対して画像関連処理の実行についての承認処理を実行する(ステップS4)。本実施の形態において、プレイヤオブジェクトを所有するユーザは、自らが所有するプレイヤオブジェクトに対する承認内容を予め設定可能である。より具体的には、プレイヤオブジェクト生成時に、当該プレイヤオブジェクトの承認内容の設定が可能である。ユーザは、自身が所有するプレイヤオブジェクトが他のユーザにより撮像された記録用画像に含まれる場合に、当該記録用画像を用いた画像関連処理が実行される場合に当該プレイヤオブジェクトの利用を許可するか否かを予め設定することができる。承認設定の内容を示す承認設定情報は、対応するプレイヤオブジェクトまたはそれを所有するユーザのユーザ特定情報に対応付けられて、サーバ3の記憶装置42に記憶される。
【0049】
このように、記録用画像に含まれるプレイヤオブジェクトに関して承認内容が予め設定されている場合には、画像制御手段54は、画像関連処理の実行前にプレイヤオブジェクトを所有するユーザにより設定されたプレイヤオブジェクトに対する承認内容に応じて自動的に承認処理を実行する。
【0050】
本実施の形態において、プレイヤオブジェクトを所有するユーザは、プレイヤオブジェクトの生成時において、自らが所有するプレイヤオブジェクトに対する承認内容を未設定または都度承認に設定しておくことも可能である。プレイヤオブジェクトに対する承認設定は、プレイヤオブジェクトの生成後において、設定または変更可能である。記録用画像に含まれるプレイヤオブジェクトに関して承認内容が未設定または都度承認に設定されている場合には、画像制御手段54は、画像関連処理の実行時にプレイヤオブジェクトを所有するユーザに対して承認要求を行う。画像制御手段54は、当該ユーザからの承認が得られるまで画像関連処理の実行を保留する。
【0051】
承認要求は、当該ユーザが本プログラムを実行中に確認可能な仮想空間内活動における通知処理として実行される。承認要求を受けたユーザは、仮想空間内活動において承認要求に関する通知内容を確認することができる。承認要求に関する通知内容は、記録用画像を撮像したユーザ(記録用画像の所有者)の情報、記録用画像の内容、画像関連処理の内容(表示処理、保存処理等)等を含む。承認要求を受けたユーザは、承認要求に関する通知内容に基づいて当該画像関連処理における自身のプレイヤオブジェクトの利用を承認するか否かを決定し、決定内容を入力する。
【0052】
画像制御手段54は、承認処理において、記録用画像に含まれるプレイヤオブジェクトに対応付けられたユーザ特定情報を読み出し、プレイヤオブジェクトを所有するユーザを特定する。画像制御手段54は、プレイヤオブジェクトまたはそれを所有するユーザに対応付けられたプレイヤオブジェクトに対する承認設定情報を読み出す。画像制御手段54は、読み出した承認設定情報(承認、否認、未設定、または都度承認)に応じて上記承認処理を実行する。
【0053】
画像制御手段54は、承認設定情報が未設定または都度承認の場合には、プレイヤオブジェクトを所有するユーザからの決定内容の情報を取得する。画像制御手段54は、承認設定情報が承認の場合または決定内容が承認である場合、ユーザからの承認が得られたと判定する(ステップS5でYes)。この場合、画像制御手段54は、記録用画像をそのまま用いて画像関連処理を実行する(ステップS6)。例えば、表示処理において、画像制御手段54は、記録用画像をHMD30に表示する。
【0054】
一方、画像制御手段54は、承認設定情報が否認の場合または決定内容が否認である場合、ユーザからの承認が得られなかったと判定する(ステップS5でNo)。この場合、画像制御手段54は、記録用画像に対して加工処理を実行する(ステップS7)。
【0055】
図4は、本実施の形態において、加工処理前後の記録用画像の例を示す図である。
図4に示すG1は、ユーザBが撮影した記録用画像である。記録用画像G1には、仮想空間内のショップに入店しようとしているプレイヤオブジェクトPO1が含まれている。プレイヤオブジェクトPO1は、ユーザAが所有するプレイヤオブジェクトである。
図4においては、ユーザAが所有するプレイヤオブジェクトをPO1(UA)と表記している。
【0056】
例えば、ユーザBが記録用画像G1をHMD30上に表示する操作を行うと、画像制御手段54は、画像関連処理として表示処理を実行するために上記承認処理を行う。ユーザAが記録用画像G1におけるプレイヤオブジェクトPO1の表示を承認する場合、画像制御手段54は、記録用画像G1をそのままHMD30上に表示する。一方、ユーザAが記録用画像G1におけるプレイヤオブジェクトPO1の表示を否認する場合、画像制御手段54は、加工処理として記録用画像G1におけるプレイヤオブジェクトPO1を加工する。
図4の例では、プレイヤオブジェクトPO1が汎用のキャラクタ(顔が円形で、その他の体が棒の組み合わせで構成される棒人間)に置き換えられる加工が行われる。画像制御手段54は、加工後の記録用画像(加工後画像)G2に対して表示処理を実行する。これにより、ユーザBのHMD30には、仮想空間内のショップに汎用のキャラクタが入店しようとしている記録用画像G2が表示される。
【0057】
[まとめ]
以上をまとめると、本実施の形態は、コンピュータ2を、仮想空間を生成する仮想空間生成手段51、所有するユーザを特定可能なユーザ特定情報が対応付けられたプレイヤオブジェクトを仮想空間に配置するプレイヤオブジェクト配置手段52、ユーザの撮影操作に基づいて所定の仮想カメラによる記録用画像の生成を行う画像生成手段53、記録用画像にプレイヤオブジェクトが含まれる場合に、記録用画像を用いて実行される画像関連処理において、記録用画像におけるプレイヤオブジェクトの表示態様を、当該プレイヤオブジェクトを所有するユーザによる設定内容に基づいて制御する画像制御手段54として機能させる、プログラムである。
【0058】
[効果]
上記プログラムによれば、一のユーザが所有するプレイヤオブジェクトが他のユーザにより生成された記録用画像に含まれる場合、当該記録用画像を用いた画像関連処理が実行される際に、当該一のユーザによるプレイヤオブジェクトの表示態様についての設定内容に応じて、記録用画像における当該プレイヤオブジェクトの表示態様が制御される。そのため、ユーザの所有するプレイヤオブジェクトが他のユーザが生成した記録用画像において意図せず表示されることを防止することができる。一方で、記録用画像の一部に他のユーザを特定し得るプレイヤオブジェクトが含まれる場合に記録用画像全体の利用を禁止してしまうと、メタバースのような仮想空間において記録用画像が生成できなくなる恐れがあり、記録用画像の生成や利用が著しく阻害される。これに対して、上記プログラムによれば、記録用画像に含まれるプレイヤオブジェクトの表示態様を制御することで、記録用画像の生成や利用が阻害されることを抑制することができる。したがって、記録用画像を生成しつつ記録用画像から個人情報を適切に保護することができる。
【0059】
また、本実施の形態においては、画像制御手段54が、記録用画像を用いた画像関連処理が実行される前に、当該記録用画像に含まれるプレイヤオブジェクトを所有するユーザに対して画像関連処理の実行についての承認処理を実行し、ユーザからの承認内容に応じて画像関連処理を実行する。より具体的には、画像制御手段54は、記録用画像を表示する場合に、画像関連処理の実行についての承認処理において記録用画像に含まれるプレイヤオブジェクトの表示が承認されない場合、当該プレイヤオブジェクトを加工して記録用画像を表示する。これにより、記録用画像を表示することによりプレイヤオブジェクトが表示されることを抑制し、当該プレイヤオブジェクトから個人情報が漏洩することを防止することができる。
【0060】
また、本実施の形態においては、画像制御手段54が、画像関連処理の実行前にプレイヤオブジェクトを所有するユーザにより設定されたプレイヤオブジェクトに対する承認内容に応じて自動的に承認処理を実行することが可能である。これにより、プレイヤオブジェクトが含まれる記録用画像が生成されるたびに、または、当該記録用画像を用いた画像関連処理が実行されるたびにプレイヤオブジェクトを所有するユーザが承認操作を行う必要がなくなり、プレイヤオブジェクトを所有するユーザによる手間を省くことができる。
【0061】
一方で、本実施の形態においては、画像制御手段54が、画像関連処理の実行時にプレイヤオブジェクトを所有するユーザに対して承認要求を行い、当該ユーザからの承認が得られるまで画像関連処理の実行を保留することも可能である。これにより、ユーザが所有するプレイヤオブジェクトが含まれる記録用画像の内容、または、当該記録用画像を用いた画像関連処理の内容に応じて逐次承認可否を行うことを希望するユーザのニーズにも応えることができる。
【0062】
[他の実施形態]
以上、本実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更、修正が可能である。
【0063】
例えば、上記実施の形態において、画像関連処理として記録用画像を撮像したユーザの個人フォルダから当該記録用画像を閲覧するための表示処理を例示したが、表示処理はこれに限られない。例えば、表示処理は、仮想空間内での公開、SNS等の仮想空間外での公開、仮想空間内または仮想空間外における他人への提供等を含み得る。また、画像関連処理は、記録用画像を用いた処理である限り表示処理に限定されない。例えば、画像関連処理は、保存処理、ファイル変換処理、タグ検索処理、オブジェクトプロパティ表示処理、保存前のプレビュー処理等を含む。
【0064】
保存処理は、生成した記録用画像をコンピュータ2の記憶装置14またはサーバ3の記憶装置42に保存する際の処理である。承認処理中(プレイヤオブジェクトを所有するユーザにより承認されるまで)は、記録用画像は、サーバ3の記憶装置42に一時記憶されるが、読み出し不能となる。画像に含まれるプレイヤオブジェクトの表示が当該プレイヤオブジェクトを所有するユーザから否認された場合、記憶装置14,42に保存される記録用画像は、加工後の記録用画像G2である。したがって、その後の画像関連処理(表示処理等)を実行する場合には、加工後の記録用画像G2が処理の対象となる。この場合、その後の画像関連処理では、プレイヤオブジェクトを所有するユーザに対する承認処理は不要としてもよい。あるいは、プレイヤオブジェクトを所有するユーザにより予め設定された設定内容に基づいて自動的に承認を行う事前承認のみを採用する場合には、記録用画像を保存する前にすべての承認処理が行われてもよい。加工処理がされていないデータをサーバ3に保存して、後で承認処理および加工処理をする場合、処理前の記録用画像データが何らかのトラブルで流出する可能性がある。記録用画像の保存前にすべての承認処理および加工処理を行うことにより、処理前の記録用画像データの流出を防止することができる。
【0065】
ファイル変換処理は、記録用画像の保存データ形式を変換する処理である。上記実施の形態で例示したプログラム実行形式のデータでは、SNS等の仮想空間外での利用が難しい。このため、ファイル変換処理では、記録用画像の保存データ形式をプログラム実行形式からJPEG,MPEG等の標準規格のデータ形式に変換する。これにより、記録用画像が幅広く利用可能となる。画像制御手段54は、ファイル変換処理において、記録用画像に含まれるプレイヤオブジェクトに対応付けられた記録用画像の保存データ形式を変換する操作が行われた際に、当該変換を行うか否かを承認処理により決定する。
【0066】
タグ検索処理は、記録用画像に含まれる検索タグに基づいて検索を行う際の処理である。この場合、仮想空間に配置される様々なオブジェクトには検索タグデータが対応付けられる。HMD30に表示される仮想空間または記録用画像においてユーザがオブジェクトを選択操作する、または、仮想カメラの撮像領域内にオブジェクトが含まれることにより、対応するオブジェクトの検索タグが表示される。検索タグの表示箇所は、仮想空間上でもよいし、所定のタグ表示ウィンドウ等でもよい。表示された検索タグに対して所定の操作入力を行うことにより、当該オブジェクトまたはそれを所有するユーザについてのより詳細な情報、関連する情報等を検索することが可能である。画像制御手段54は、タグ検索処理において、記録用画像に含まれるプレイヤオブジェクトに対応付けられた検索タグを表示する操作が行われた際、または検索タグを表示する条件を満たした際に、当該検索タグを表示するか否かを承認処理により決定する。
【0067】
オブジェクトプロパティ表示処理は、記録用画像に含まれるオブジェクトに対応付けられたプロパティを表示する際の処理である。この場合、仮想空間に配置される様々なオブジェクトには当該オブジェクトの属性、状態等を示す詳細情報が対応付けられる。HMD30に表示される仮想空間または記録用画像においてユーザがオブジェクトを選択操作することにより、対応するオブジェクトのプロパティが表示される。プロパティの表示箇所は、仮想空間上でもよいし、所定のプロパティ表示ウィンドウ等でもよい。表示されたプロパティの表示内容に検索タグが含まれてもよい。
【0068】
画像制御手段54は、プロパティ表示処理において、記録用画像に含まれるプレイヤオブジェクトに対応付けられたプロパティを表示する操作が行われた際に、当該プロパティを表示するか否かを承認処理により決定する。このように、画像制御手段54が制御するプレイヤオブジェクトの表示態様には、プレイヤオブジェクト自体の表示態様、検索タグの表示態様、または、プロパティの表示態様が含まれ得る。
【0069】
保存前のプレビュー処理は、記録用画像の撮像時に撮像した記録用画像を保存するかどうかを決定する操作(上記保存処理を開始するための操作)を行う前に、当該記録用画像をプレビュー画像として表示する処理である。画像制御手段54は、プレビュー処理において、記録用画像を撮像する操作が行われた際に、撮像された記録用画像内のプレイヤオブジェクトをプレビュー画像に表示するか否かを承認処理により決定する。
【0070】
また、上記実施の形態では、記録用画像データが仮想空間内活動の実行のためのプログラムを実行することにより表示可能なデータ(プログラム実行形式のデータ)である例を示したが、記録用画像データは、JPEG等の一般的な(標準規格の)画像データまたはMPEG等の一般的な(標準規格の)動画データでもよい。例えば、保存処理において、画像制御手段54は、一旦記録用画像を、プログラムを実行することにより表示可能なデータとして構成し、記録用画像が含まれるプレイヤオブジェクトを所有するユーザから承認された場合に、当該記録用画像を一般的な画像データまたは動画データに変換して保存してもよい。
【0071】
また、記録用画像データが一般的な画像データまたは動画データである場合に、当該記録用画像を用いてその後の画像関連処理を行う場合、記録用画像にプレイヤオブジェクトが含まれるか否かの判定は、サーバ3の記憶装置42に記憶された複数のプレイヤオブジェクトのデータをデータベースとして用いて記録用画像に該当するプレイヤオブジェクトが存在するか否かを判定する画像処理により行われてもよい。
【0072】
また、記録用画像を一般的な画像データまたは動画データに変換して保存する前に、当該記録用画像に含まれるプレイヤオブジェクトの情報を予め抽出しておき、抽出されたプレイヤオブジェクトの情報が記録用画像データに対応付けられて保存されてもよい。この場合、記録用画像にプレイヤオブジェクトが含まれるか否かの判定は、当該記録用画像データにプレイヤオブジェクトの情報が対応付けられているか否かによって決定される。このように、記録用画像にプレイヤオブジェクトが含まれるか否かの判定は、記録用画像の作成時または保存時(記録用画像の作成操作または保存操作の入力後)に行われてもよいし、画像関連処理の開始時(画像関連処理についての操作入力後)に行われてもよい。
【0073】
また、上記実施の形態では、加工処理として、プレイヤオブジェクトを棒人間に置き換える処理を例示したが、これに限られない。加工処理は、棒人間の代わりに汎用のキャラクタ(ノンプレイヤキャラクタ等として予め用意されるキャラクタ)に置き換える処理であってもよい。あるいは、加工処理として、プレイヤオブジェクトの表示箇所においてモザイク処理等のぼかし処理、塗り潰し処理等が行われてもよい。あるいは、加工処理として、プレイヤオブジェクトを消去する処理が行われてもよい。
【0074】
また、加工処理が行われた記録用画像に対して、加工処理が施されたことが分かるような表示(例えばスタンプ等)が行われてもよい。また、加工処理後の記録用画像に対してブロックチェーンにより加工処理が行われた旨の信用情報が保存されてもよい。これらの後処理により、加工処理後の記録用画像がプライバシーに配慮された画像であることを第三者に対して証明することができる。
【0075】
記録用画像の表示態様に関する設定内容は、表示または保存の是非等の画像関連処理の実行の是非についての設定に限られない。例えば、プレイヤオブジェクトの表示を許可する条件が設定可能とされてもよい。この場合、例えば、仮想空間内での公開は承認する一方、仮想空間外での公開は否認する等の設定が可能である。また、例えば、プレイヤオブジェクト自体の表示は承認する一方、検索タグおよびプロパティの表示は否認する等の設定が可能である。また、例えば、記録用画像にプレイヤオブジェクトの特定の部位(例えば、顔、服の中、タトゥー等)が写っている場合には表示を許可しないような設定を可能にしてもよい。また、例えば、表示を許可または拒否する撮影場所を設定可能としてもよい。この場合、記録用画像が撮影された場所(すなわち、プレイヤオブジェクトがいる場所)が特定の場所である場合には表示を許可しないように設定することができる。また、表示を許可しない場合のプレイヤオブジェクトの表示態様(加工処理)について設定可能としてもよい。
【0076】
また、上記実施の形態では、承認処理において、プレイヤオブジェクトを所有するユーザにより予め設定された設定内容に基づいて自動的に承認を行う場合と、画像関連処理の実行時にその都度プレイヤオブジェクトを所有するユーザに対して承認要求を行う場合との両方を含む態様を説明したが、何れか一方の承認処理のみが行われてもよい。
【0077】
また、上記実施の形態では、承認処理において、設定内容が否認の場合または承認要求に基づく決定内容が否認の場合にユーザからの承認が得られなかったと判定することを例示したが、これに限られない。例えば、画像制御手段54は、プレイヤオブジェクトを所有するユーザに承認要求を行ってから所定の期間が経過するまでに決定内容を取得できなかった場合には、当該ユーザからの承認が得られなかったと判定してもよい。また、所定の期間経過するまでに承認要求に対する決定を行わない場合の取り扱い(承認、否認、画像関連処理の内容によっては承認等)を設定可能としてもよい。
【0078】
また、一のユーザは、複数のプレイヤオブジェクトを生成可能としてもよい。この場合、1つのユーザ特定情報に対して複数のプレイヤオブジェクトが対応付けられる。画像制御手段54は、複数のプレイヤオブジェクトに共通する1つのユーザ特定情報が対応付けられている場合、設定内容を前記複数のプレイヤオブジェクトに対して一括して決定してもよい。あるいは、画像制御手段54は、複数のプレイヤオブジェクトに共通する1つのユーザ特定情報が対応付けられている場合、設定内容をプレイヤオブジェクトごとに決定してもよい。
【0079】
また、上記実施の形態では、ユーザ特定情報としてユーザIDを例示したが、ユーザを特定可能な情報であれば、これに限られない。例えばユーザ特定情報は、マイナンバー、保険証番号等でもよい。また、ユーザ特定情報は、文字列に限られない。例えば、ユーザ特定情報は、顔認証データ、音声認証データ等、種々のデータを採用し得る。
【0080】
また、上記実施の形態では、プレイヤオブジェクトとしてプレイヤが操作するプレイヤキャラクタを例示したが、これに限られない。例えば、プレイヤオブジェクトは、アバター、乗り物、アイテム、NFT(Non-Fungible Token)等を含み得る。NFTは、改ざんし難い特性があるため、映り込みには特に配慮が必要となる。プレイヤオブジェクトは、プレイヤが操作する対象でもよいし、プレイヤキャラクタの所有物(例えば、身に着けるもの、プレイヤキャラクタと一緒に行動するキャラクタ等)でもよい。
【0081】
プレイヤオブジェクトは、所有者であるユーザにより生成されたものでも他のユーザから譲渡されたもの(例えば他人の著作物等)でもよい。プレイヤオブジェクトは個人データを用いたものであってもよいし、個人データを用いたものでなくてもよい。
【0082】
上記実施の形態では、プレイヤオブジェクトが、個人データとして、プレイヤオブジェクトを所有するユーザの顔をスキャンした生体データを含む例を示したがこれに限られない。例えばプレイヤオブジェクトの生成に用いられる個人データは、顔、背格好、人種、性別等、個人の生体データ、ユーザ特定情報等の仮想空間内活動または現実世界において個人を特定する番号や文字列のデータ、名前のデータ、仮想空間内または現実世界で著作された個人の著作物のデータを含み得る。例えばプレイヤオブジェクトが、個人を特定する番号や文字列のデータからランダムまたは所定のルールに基づいて生成されてもよい。所定のルールが分かると、プレイヤオブジェクトから個人情報の特定や推測が可能な場合があり、個人情報が洩れる可能性がある。そのような場合に、承認を拒否することにより、個人情報の漏洩を防止することができる。プレイヤオブジェクトは、個人を特定する番号や文字列のデータからプレイヤオブジェクトを生成する所定のプログラムにより生成されてもよい。
【0083】
プレイヤオブジェクトの生成に用いられる生体データは、顔や全身をスキャンした外観データまたは骨格データを含む。また、生体データは、個人の発声データであってもよい。また、プレイヤオブジェクトの生成に際して、スキャンした生体データが加工(外観をデフォルメしたり、発声データにエフェクトを掛けたり等)されてもよい。生体データを用いたプレイヤオブジェクトに対する加工処理(
図3のステップS7)として、加工した生体データから生成されたプレイヤオブジェクトが表示されてもよい。
【0084】
プレイヤオブジェクトは、当該プレイヤオブジェクトを所有するユーザとは異なるユーザの個人データまたは生体データに基づいて生成されてもよい。例えば、プレイヤオブジェクトは、当該プレイヤオブジェクトを所有するユーザがファンになっている著名人の外見データから生成されてもよい。この場合、プレイヤオブジェクトのデータは、当該著名人のユーザ特定情報にも対応付けられる。
【0085】
この場合、画像制御手段54は、画像関連処理の実行時にプレイヤオブジェクトを所有するユーザに加えて、または、これに代えて、プレイヤオブジェクトの元になったユーザ(個人データまたは生体データが利用されたユーザ)に対して画像関連処理の実行についての承認処理を実行してもよい。例えば、アイドルグループXに所属するアイドルx1のデータからプレイヤオブジェクトであるアイドルx1のアバターが生成され、ユーザAが所有している場合、アイドルx1のアバターの表示態様についての設定内容は、ユーザA、アイドルx1またはアイドルx1の管理者(マネージメント会社)が決定可能としてもよい。例えば、ユーザBが撮像した記録用画像に、アイドルx1のアバターと他のアイドルグループYに所属するアイドルy1とが含まれている場合に、アイドルx1のアバターの表示について否認するような設定内容としてもよい。
【0086】
すなわち、表示態様についての設定内容として、記録用画像に特定のオブジェクト(プレイヤオブジェクトを含む)が含まれているか、記録用画像に特定の固定オブジェクトが含まれているか(特定の撮影場所であるか、記録用画像に特定の背景が含まれているか)等の詳細な承認条件が設定可能であってもよい。
【0087】
プレイヤオブジェクトは、ユーザが著作した衣服を着たキャラクタ、または、ユーザが著作した武器、道具等を所持したキャラクタであってもよい。また、プレイヤオブジェクトは、衣服や武器、道具等であってもよい。すなわち、ユーザが著作した衣服や武器等を装着した汎用キャラクタが、他のユーザが撮影した記録用画像に含まれる場合も、上記実施の形態と同様に、当該記録用画像を用いた画像関連処理の実行時に衣服や武器等を著作したユーザに対する承認処理が行われ得る。プレイヤオブジェクトは、ユーザにより生成された所定の行動パターン(振付、エモート等)を行うキャラクタ(ユーザ独自の行動パターンを実行可能なプレイヤキャラクタ)でもよい。プレイヤオブジェクトの著作者やプレイヤオブジェクトの装備品または行動パターンの著作者がプレイヤオブジェクトを所有するユーザと異なる場合、プレイヤオブジェクトには、当該プレイヤオブジェクトを所有するユーザのユーザ特定情報に加えて、または、これに代えて、著作者のユーザ特定情報を対応付けてもよい。
【0088】
この場合、画像制御手段54は、画像関連処理の実行時にプレイヤオブジェクトを所有するユーザに加えて、または、これに代えて、プレイヤオブジェクトまたはプレイヤオブジェクトの装備品または行動パターンの著作者に対して画像関連処理の実行についての承認処理を実行してもよい。これらの著作者は、プレイヤオブジェクト等の生成時または譲渡時に、承認に関する設定内容を設定してもよいし、画像関連処理の実行のたびに個別に承認可否を決定してもよい。また、プレイヤオブジェクトがNFTである場合には、NFT販売者等の管理者の承認を必要としてもよい。
【0089】
また、上記実施の形態では、画像制御手段54が記録用画像に前記プレイヤオブジェクトが含まれる場合に、記録用画像を用いて実行される画像関連処理において、記録用画像におけるプレイヤオブジェクトの表示態様を、当該プレイヤオブジェクトを所有するユーザによる設定内容に基づいて制御する態様を例示したが、これに加えてまたはこれに代えて、プレイヤオブジェクトの表示態様を、仮想空間の管理者による設定内容に基づいて制御してもよい。仮想空間の管理者は、当該仮想空間を用いたゲーム等のプログラムの製作者(メーカ)であってもよいし、当該仮想空間を用いた仮想空間活動の運営者であってもよい。これにより、仮想空間の運営者等による画像公開ポリシーに準じない記録用画像が展開されることを防止できる。
【0090】
また、上記実施の形態では、記録用画像においてユーザがプレイヤオブジェクトを選択操作することにより、対応するプレイヤオブジェクトの検索タグまたはプロパティが表示される態様を示したが、プレイヤオブジェクトを所有するユーザが検索タグまたはプロパティの表示可否を設定可能としてもよい。例えば、プレイヤオブジェクトに対応する検索タグにより検索される情報またはプロパティに表示される情報には、プレイヤオブジェクトに付随する情報としてプレイヤオブジェクトを所有するユーザに関するユーザ情報が含まれ得る。
【0091】
この場合、記録用画像の表示態様に関する設定内容は、ユーザ情報を表示することを許可するか否かの設定事項を含んでもよい。画像制御手段54は、画像関連処理において、記録用画像に含まれるプレイヤオブジェクトに対応するユーザ情報を記録用画像とともに表示した場合に、ユーザ情報の表示を許可したユーザに対して報酬を付与してもよい。ユーザ情報に関する表示が許可されるほど検索に利用可能な記録用画像が増えるため、他のユーザに対して利便性が良くなる。この対価としてユーザ情報の表示を許可したユーザに対して報酬が付与される。報酬は、例えば、仮想空間内活動で利用可能な仮想通貨、ポイント、特定のアイテム等でもよいし、現実空間で利用可能な報酬でもよい。
【0092】
また、上記実施の形態におけるコンピュータシステム1の構成51~54は、それぞれコンピュータ2において実現されてもよいし、サーバ3において実現されてもよい。
【0093】
また、上記実施の形態では、VR型のゲームシステムに適用された例を示したが、AR型、SR型またはMR型のゲームシステムにも適用可能である。また、例えばAR型のゲームシステム等、表示部が1つのみのHMDを有する構成においても上記態様を適用可能である。さらに、仮想空間内活動が実行可能なゲームシステムであれば、上記ゲームシステムに限られない。例えば、HMDに代えて、一般的なモニタを備えたゲームシステムにも上記態様を適用可能である。例えば、コンピュータ2は、パーソナルコンピュータ、ゲーム装置、スマートフォン、タブレット端末等でもよい。
【0094】
以上に示す他の実施形態を採用した場合においても、本発明の作用効果は同様に発揮される。また、上記実施形態と他の実施形態、および他の実施形態同士を適宜組み合わせてもよい。
【0095】
[開示のまとめ]
以下の項目のそれぞれは、好ましい実施の形態の開示である。
【0096】
[項目1]
コンピュータを、仮想空間を生成する仮想空間生成手段、所有するユーザを特定可能なユーザ特定情報が対応付けられたプレイヤオブジェクトを前記仮想空間に配置するプレイヤオブジェクト配置手段、ユーザの撮影操作に基づいて所定の仮想カメラによる記録用画像の生成を行う画像生成手段、前記記録用画像に前記プレイヤオブジェクトが含まれる場合に、前記記録用画像を用いて実行される画像関連処理において、前記記録用画像における前記プレイヤオブジェクトの表示態様を、当該プレイヤオブジェクトを所有するユーザまたは前記仮想空間の管理者による設定内容に基づいて制御する画像制御手段として機能させる、プログラム。
【0097】
[項目2]
前記画像制御手段は、前記記録用画像を用いた前記画像関連処理が実行される前に、当該記録用画像に含まれる前記プレイヤオブジェクトを所有するユーザに対して前記画像関連処理の実行についての承認処理を実行し、前記ユーザからの承認内容に応じて前記画像関連処理を実行する、項目1に記載のプログラム。
【0098】
[項目3]
前記画像制御手段は、前記記録用画像を表示する場合に、前記画像関連処理の実行についての前記承認処理において前記記録用画像に含まれる前記プレイヤオブジェクトの表示が承認されない場合、当該プレイヤオブジェクトを加工して前記記録用画像を表示する、項目2に記載のプログラム。
【0099】
[項目4]
前記画像制御手段は、前記画像関連処理の実行前に前記プレイヤオブジェクトを所有するユーザにより設定された前記プレイヤオブジェクトに対する承認内容に応じて自動的に前記承認処理を実行する、項目2または3に記載のプログラム。
【0100】
[項目5]
前記画像制御手段は、前記画像関連処理の実行時に前記プレイヤオブジェクトを所有するユーザに対して承認要求を行い、当該ユーザからの承認が得られるまで前記画像関連処理の実行を保留する、項目2から4の何れかに記載のプログラム。
【0101】
[項目6]
前記画像制御手段は、前記画像関連処理の実行時に前記プレイヤオブジェクトの著作者に対しても前記画像関連処理の実行についての承認処理を実行する、項目2から5の何れかに記載のプログラム。
【0102】
[項目7]
前記プレイヤオブジェクトは、個人データを用いて生成されたオブジェクトを含む、項目1から6の何れかに記載のプログラム。
【0103】
[項目8]
前記プレイヤオブジェクトは、生体データから生成されたキャラクタを含む、項目7に記載のプログラム。
【0104】
[項目9]
前記設定内容は、前記プレイヤオブジェクトが含まれる前記記録用画像が表示される場合に、前記プレイヤオブジェクトに付随する情報として当該プレイヤオブジェクトを所有するユーザに関するユーザ情報を前記記録用画像とともに表示することを許可するか否かの設定事項を含み、前記画像制御手段は、前記画像関連処理において、前記記録用画像に含まれる前記プレイヤオブジェクトに対応する前記ユーザ情報を前記記録用画像とともに表示した場合に、前記ユーザ情報の表示を許可したユーザに対して報酬を付与する、項目1から8の何れかに記載のプログラム。
【0105】
[項目10]
画像制御手段は、複数の前記プレイヤオブジェクトに共通する1つの前記ユーザ特定情報が対応付けられている場合、前記設定内容を前記プレイヤオブジェクトごとに決定する、項目1から9の何れかに記載のプログラム。
【0106】
[項目11]
前記画像制御手段は、複数の前記プレイヤオブジェクトに共通する1つの前記ユーザ特定情報が対応付けられている場合、前記設定内容を前記複数のプレイヤオブジェクトに対して一括して決定する、項目1から10の何れかに記載のプログラム。
【0107】
[項目12]
項目1から11の何れかに記載のプログラムを記憶したプログラム記憶部と、前記プログラム記憶部に記憶されたプログラムを実行するコンピュータと、を備えた、コンピュータシステム。
【0108】
[項目13]
仮想空間を生成するステップと、所有するユーザを特定可能なユーザ特定情報が対応付けられたプレイヤオブジェクトを前記仮想空間に配置するステップと、ユーザの撮影操作に基づいて所定の仮想カメラによる記録用画像の生成を行うステップと、前記記録用画像に前記プレイヤオブジェクトが含まれる場合に、前記記録用画像を用いて実行される画像関連処理において、前記記録用画像における前記プレイヤオブジェクトの表示態様を、当該プレイヤオブジェクトを所有するユーザまたは前記仮想空間の管理者による設定内容に基づいて制御するステップと、を含む、記録用画像処理方法。
【産業上の利用可能性】
【0109】
本発明は、記録用画像を生成しつつ記録用画像から個人情報を適切に保護するために有用である。
【符号の説明】
【0110】
1 コンピュータシステム
51 仮想空間生成手段
52 プレイヤオブジェクト配置手段
53 画像生成手段
54 画像制御手段