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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024069948
(43)【公開日】2024-05-22
(54)【発明の名称】衣類乾燥機
(51)【国際特許分類】
   D06F 58/46 20200101AFI20240515BHJP
   D06F 58/36 20200101ALI20240515BHJP
   D06F 58/38 20200101ALI20240515BHJP
   D06F 58/44 20200101ALI20240515BHJP
   D06F 58/48 20200101ALI20240515BHJP
   D06F 103/32 20200101ALN20240515BHJP
   D06F 103/38 20200101ALN20240515BHJP
   D06F 103/52 20200101ALN20240515BHJP
   D06F 105/28 20200101ALN20240515BHJP
   D06F 105/30 20200101ALN20240515BHJP
   D06F 105/52 20200101ALN20240515BHJP
【FI】
D06F58/46
D06F58/36
D06F58/38
D06F58/44
D06F58/48
D06F103:32
D06F103:38
D06F103:52
D06F105:28
D06F105:30
D06F105:52
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022180257
(22)【出願日】2022-11-10
(71)【出願人】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】北 慎勇希
(72)【発明者】
【氏名】大林 史朗
(72)【発明者】
【氏名】平子 稜斗
(72)【発明者】
【氏名】田邉 耕一
【テーマコード(参考)】
3B167
【Fターム(参考)】
3B167AA24
3B167AB22
3B167AB30
3B167AE04
3B167AE05
3B167AE12
3B167BA62
3B167BA64
3B167JA41
3B167KA32
3B167KA34
3B167KA36
3B167KB16
3B167LA23
3B167LA36
3B167LB03
3B167LC14
3B167LD03
3B167LF01
3B167LF02
3B167LG02
(57)【要約】
【課題】衣類の縮みを抑えつつ乾燥を行うことが可能な衣類乾燥機を提供する。
【解決手段】水分を含んだ衣類を収納して回転する回転ドラムと、回転ドラムを駆動する電動機と、回転ドラム内に送り込む空気を加熱するヒータと、回転ドラム内にヒータで加熱した空気を流入させる熱交換ファンと、ヒータと熱交換ファンとの間に設けられたMダクトおよびFダクトと、衣類の乾燥度を検出する湿度センサと、ヒータおよび熱交換ファンを制御する制御装置と、を備える。制御装置は、標準コースと低温乾燥コースを実行可能であり、低温乾燥コースでは標準コースよりも湿度センサによって検出された乾燥度が低い状態でヒータをOFFし、かつ、低温乾燥コースでは標準コースよりも熱交換ファンによる送風を長くする。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水分を含んだ被乾燥物を収納して回転するドラムと、前記ドラムを駆動する電動機と、前記ドラム内に送り込む空気を加熱するヒータと、前記ドラム内に前記ヒータで加熱した空気を流入させる送風ファンと、前記ヒータと前記送風ファンとの間に設けられた循環流路と、前記被乾燥物の乾燥度を検出する乾燥度検出手段と、前記ヒータおよび前記送風ファンを制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、標準コースと低温乾燥コースを実行可能であり、前記低温乾燥コースでは前記標準コースよりも前記乾燥度検出手段によって検出された乾燥度が低い状態で前記ヒータをOFFし、かつ、前記低温乾燥コースでは前記標準コースよりも前記送風ファンによる送風を長くすることを特徴とする衣類乾燥機。
【請求項2】
水分を含んだ被乾燥物を収納して回転するドラムと、前記ドラムを駆動する電動機と、前記ドラム内に送り込む空気を加熱するヒータと、前記ドラム内に前記ヒータで加熱した空気を流入させる送風ファンと、前記ヒータと前記送風ファンとの間に設けられた循環流路と、前記循環流路内の湿度を検出する湿度検出手段と、前記ヒータおよび前記送風ファンを制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、標準コースと低温乾燥コースを実行可能であり、前記低温乾燥コースでは前記標準コースよりも前記湿度検出手段によって検出された湿度が高い状態で前記ヒータをOFFし、かつ、前記低温乾燥コースでは前記標準コースよりも前記送風ファンによる送風を長くすることを特徴とする衣類乾燥機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣類乾燥機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、衣類が完全に乾燥してヒータをOFFする衣類乾燥装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許5934617号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のものでは、衣類が完全に乾燥してからヒータをOFFするので、衣類の縮みが顕著になるという課題がある。
【0005】
本発明は、前記従来の課題を解決するものであり、衣類の縮みを抑えつつ乾燥を行うことが可能な衣類乾燥機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、水分を含んだ被乾燥物を収納して回転するドラムと、前記ドラムを駆動する電動機と、前記ドラム内に送り込む空気を加熱するヒータと、前記ドラム内に前記ヒータで加熱した空気を流入させる送風ファンと、前記ヒータと前記送風ファンとの間に設けられた循環流路と、前記被乾燥物の乾燥度を検出する乾燥度検出手段と、前記ヒータおよび前記送風ファンを制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、標準コースと低温乾燥コースを実行可能であり、前記低温乾燥コースでは前記標準コースよりも前記乾燥度検出手段によって検出された乾燥度が低い状態で前記ヒータをOFFし、かつ、前記低温乾燥コースでは前記標準コースよりも前記送風ファンによる送風を長くすることを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、水分を含んだ被乾燥物を収納して回転するドラムと、前記ドラムを駆動する電動機と、前記ドラム内に送り込む空気を加熱するヒータと、前記ドラム内に前記ヒータで加熱した空気を流入させる送風ファンと、前記ヒータと前記送風ファンとの間に設けられた循環流路と、前記循環流路内の湿度を検出する湿度検出手段と、前記ヒータおよび前記送風ファンを制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、標準コースと低温乾燥コースを実行可能であり、前記低温乾燥コースでは前記標準コースよりも前記湿度検出手段によって検出された湿度が高い状態で前記ヒータをOFFし、かつ、前記低温乾燥コースでは前記標準コースよりも前記送風ファンによる送風を長くすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、衣類の縮みを抑えつつ乾燥を行うことが可能な衣類乾燥機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態の衣類乾燥機の全体構成図である。
図2】第1実施形態の衣類乾燥機の制御ブロック図である。
図3】第1実施形態の衣類乾燥機における標準コースの動作を示すフローチャートである。
図4】第1実施形態の衣類乾燥機における低温乾燥コースの動作を示すフローチャートである。
図5】標準コースと低温乾燥コースにおける衣類の温度変化を示すグラフである。
図6】標準コースと低温乾燥コースにおける湿度変化を示すグラフである。
図7】標準コースと低温乾燥コースにおけるヒータの切替動作を示すタイムチャートである。
図8】第2実施形態の衣類乾燥機における標準コースの動作を示すフローチャートである。
図9】第2実施形態の衣類乾燥機における低温乾燥コースの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されることなく、本発明の技術的な概念の中で種々の変形例や応用例もその範囲に含むものである。
図1は、本実施形態の衣類乾燥機の全体構成図である。
図1に示すように、衣類乾燥機100は、外枠1内に回転自在に配置され、乾燥室を構成する回転ドラム2(ドラム)を備える。この回転ドラム2には、水分を含んだ衣類23(被乾燥物)が収納される。また、回転ドラム2の前面側には、乾燥用の温風(乾燥用空気7)を得るためのヒータ3が配置される。また、回転ドラム2は、電動機5の回転力をドラム駆動ベルト4によって伝達されることで回転する。
【0011】
回転ドラム2の後部には、乾燥用空気7を排出するドラム空気出口6が設けられている。このドラム空気出口6の後方には、乾燥用空気7および、この乾燥用空気7を冷却するための冷却空気8を発生させるための送風機の役割を果たし、かつ乾燥用空気7を冷却する熱交換部21を兼ねた熱交換ファン9(送風ファン)を収納するファンケーシング10が配置されている。熱交換ファン9は、回転ドラム2内にヒータ3で加熱した空気(乾燥用空気7)を流入させる。熱交換部21は、断面形状が波形状のブレードで構成され、そのブレード面を介して乾燥用空気7と冷却空気8とを熱交換して除湿を行う。
【0012】
ファンケーシング10は、熱交換ファン9の外周部に設けた同心円形状のリブで構成されるラビリンスシール部11aと、ファンケースフタ12のラビリンスシール部11bとで乾燥用空気7側と冷却空気8側とに仕切られている。ファンケーシング10の乾燥用空気7用の出口はMダクト13とFダクト14とによってヒータ3に連通している。なお、Mダクト13とFダクト14によって循環流路が構成されている。循環流路は、ヒータ3と熱交換ファン9との間に設けられている。
【0013】
また、衣類乾燥機100は、熱交換ファン駆動用ベルト15、熱交換ファン用プーリ16、熱交換ファン支持部材17を備えている。また、衣類乾燥機100は、外枠1の前方に設けられた被乾燥物出し入れ用の開口を開閉するドア18と、乾燥フィルタ19とを備えている。また、衣類乾燥機100は、ドラム前部固定壁20を備え、ドラム前部固定壁20の外周で回転ドラム2を回転自在に固定する。乾燥フィルタ19は、回転ドラム2の内部に設けられるとともに、ドラム空気出口6の下流側に配置されている。ヒータ3から出た乾燥用空気7が乾燥フィルタ19を通ることで、衣類23から発生した糸くずを捕集する。
【0014】
また、衣類乾燥機100は、循環流路内の湿度(相対湿度)を検出する湿度センサ22(湿度検出手段)と、湿度センサ22の検出値に基づいてヒータ3および熱交換ファン9を制御する制御装置30と、を備えている。湿度センサ22は、ドラム空気出口6から流出し、ヒータ3で加熱される前の空気の相対湿度を検出する。制御装置30は、ヒータ3のON/OFF(または強/弱/OFF)および熱交換ファン9のON/OFFを制御する。
【0015】
図2は、本実施形態の衣類乾燥機の制御ブロック図である。
図2に示すように、制御装置30は、マイコン(Microcomputer)31と周辺回路とが基板に実装されることで構成される。マイコン31は、ROM(Read Only Memory)に記憶された制御プログラムを読み出してRAM(Random Access Memory)に展開し、CPU(Central Processing Unit)が実行することで各種処理が実行される。
【0016】
湿度センサ22は、湿度によって抵抗値が可変するものである。この抵抗値が可変すると、オペアンプ発振回路24によって抵抗値が発振周波数に変換される。この発振周波数は、マイコン31の演算部31aに入力され、この発振周波数によってマイコン31の出力部31bから駆動回路25aを介して熱交換ファン9が通電され、また駆動回路25bを介してヒータ3が通電される。なお、ヒータ3がOFFの場合は、ヒータ3の通電を停止する。また、マイコン31にはタイマ26が内蔵され、タイマ26から演算部31aに入力される。湿度センサ22の湿度が所定時間に達しなければ、タイマ26の時間をもとに出力部31bを決定する。
【0017】
図3は、標準コースの動作を示すフローチャートである。
図3に示すように、制御装置30は、ステップS10において、ヒータ3をOFFした状態で送風運転を実行する。この送風運転は、衣類をならす工程であり、熱交換ファン9を駆動させることによって行われる。なお、このときの送風運転を実行する時間は、例えば30秒に設定される。
【0018】
ステップS11において、制御装置30は、ヒータ3をONに切り替える。これにより、衣類23には温風(乾燥用空気7)が吹き付けられ、乾燥が行われる。
【0019】
ステップS12において、制御装置30は、乾燥度が第1閾値よりも高いか否かを判定する。なお、乾燥度は、衣類がどの程度乾いたかを示す指標であり、湿度センサ22の湿度(相対湿度)から求めることができる。検出された湿度は、抵抗値から発振周波数に変換される。なお、湿度が高い場合には乾燥度が低くなり、湿度が低い場合には乾燥度が高くなる。また、第1閾値は、湿度センサ22の湿度の抵抗値を発振周波数に変換したものであり、103~105%(乾燥度)に設定される。また、第1閾値は、事前の試験によって決定される。制御装置30は、乾燥度が第1閾値よりも高いと判定した場合には(ステップS12、Yes)、ステップS13に進み、乾燥度が第1閾値以下であると判定した場合には(ステップS12、No)、ステップS12の処理を繰り返す。
【0020】
ステップS13において、制御装置30は、ヒータ3をOFFして、送風運転を所定時間T1実行する。なお、所定時間T1は、例えば5分に設定される。
【0021】
図4は、低温乾燥コースの動作を示すフローチャートである。なお、低温乾燥コースは、標準コースよりも衣類の縮みの発生を抑えたコースである。なお、ステップS20の処理とステップS21の処理は、図3の標準コースと同様であり、以下では、ステップS22以降の処理について説明する。
図4に示すように、制御装置30は、ステップS22において、乾燥度が第2閾値よりも高いか否かを判定する。なお、第2閾値は、標準コースの第1閾値よりも低い値であり、事前の試験によって決定され、100~102%(乾燥度)に設定される。制御装置30は、湿度センサ22によって検出された乾燥度が第2閾値よりも高いと判定した場合には(ステップS22、Yes)、ステップS23に進み、乾燥度が第2閾値以下であると判定した場合には(ステップS22、No)、ステップS22の処理を繰り返す。即ち、低温乾燥コースでは標準コースよりも乾燥度検出手段(湿度センサ22)によって検出された乾燥度が低い状態でヒータ3をOFFする。
【0022】
ステップS23において、制御装置30は、ヒータ3をOFFして、送風運転を所定時間T2実行する。なお、所定時間T2は、標準コースの所定時間T1よりも長く設定され、例えば20分に設定される。即ち、低温乾燥コースでは標準コースよりも送風ファン(熱交換ファン9)による送風を長くする。
【0023】
図5は、標準コースと低温乾燥コースにおける衣類の温度変化を示すグラフである。なお、図5の縦軸は衣類の温度を示し、横軸は乾燥運転開始からの経過時間を示している。また、図5において60℃以上の四角で囲った領域は、縮みが顕著になる温度域を示している。また、図5では、標準コースを破線で示し、低温乾燥コースを点線で示している。また、標準コースと低温乾燥コースにおいて星印で示す箇所は、運転が終了したタイミングを示している。
図5の破線で示すように、標準コースの場合には、衣類温度が60℃を超えて、さらに上昇した後にヒータ3をOFFし、送風運転を行っている。ヒータ3をOFFすることで、衣類温度が低下し、所定時間T1(例えば、5分)経過後に熱交換ファン9を停止して運転を終了する。このように、衣類温度が60℃を超えることで、衣類の縮みが発生し易くなる。ちなみに、縮みの要因としては、高熱、含水、衝撃があり、含水と衝撃が占有率の1割であり、高熱が占有率の8割で支配的であり、特に60℃から顕著になる。そこで衣類温度を60℃以下に保ち乾燥することが重要になる。
【0024】
図5の点線で示すように、低温乾燥コースの場合には、衣類温度が60℃を超えない温度でヒータ3をOFFしている。ヒータ3をOFFすることで、衣類温度が低下し、ヒータ3のOFFから所定時間T2(例えば、20分)経過後に熱交換ファン9を停止して運転を終了している。
【0025】
図6は、標準コースと低温乾燥コースにおける湿度変化を示すグラフである。なお、図6の縦軸は相対湿度を示し、横軸は乾燥運転開始からの経過時間を示している。また、図6では、標準コースを破線で示し、低温乾燥コースを点線で示している。また、標準コースと低温乾燥コースにおいて星印で示す箇所は、運転が終了したタイミングを示している。
【0026】
図6の破線で示すように、標準コースの場合には、丸印aで囲む位置において、ヒータ3をOFFに切り替えて送風運転を行う。このときの乾燥度は103~105%であり、衣類が完全に乾いた状態である。ヒータ3をOFFに切り替え、所定時間T1(例えば、5分)が経過した後に運転を終了する。
【0027】
図6の点線で示すように、低温乾燥コースの場合には、丸印bで囲む位置において、ヒータ3をOFFに切り替えて送風運転を行う。このときの乾燥度は、100~102%である。なお、この100~102%の乾燥度とは、衣類が少し湿った未乾燥状態である。ヒータ3をOFFに切り替えることで、温度が低下するので湿度が上昇する。また、ヒータ3をOFFに切り替え、所定時間T2(例えば、20分)が経過した後に運転を終了する。このように、衣類が未乾燥状態でヒータ3をOFFにしたとしても、余熱による乾燥時間(送風時間)を標準コースよりも長くすることで、衣類の縮みを抑えた乾燥を行うことが可能になる。
【0028】
図7は、標準コースと低温乾燥コースにおけるヒータの切替動作を示すタイムチャートである。なお、図7の上図は標準コース、図7の下図は低温乾燥コースを示す。
図7の上図に示すように、標準コースの場合には、ヒータ3をONにした状態で熱交換ファン9(送風ファン)を駆動し、衣類の乾燥を開始する。そして、衣類の乾燥度が第1閾値(103~105%)に到達したときにヒータ3をOFFに切り替え、熱交換ファン9による送風運転を行う。そして、ヒータ3をOFFしてから所定時間T1(例えば、5分)経過した後に運転を終了する。なお、所定時間T1は、衣類を冷ます冷却期間である。また、運転終了後の乾燥度は例えば105%であり、衣類が完全に乾いた状態になる。
【0029】
図7の下図に示すように、低温乾燥コースの場合には、標準コースと同様に、ヒータ3をONにした状態で熱交換ファン9(送風ファン)を駆動し、衣類の乾燥を開始する。そして、衣類の乾燥度が第2閾値(100~102%)に到達したときにヒータ3をOFFに切り替えて、熱交換ファン9による送風運転を行う。第2閾値は、第1閾値よりも低いので、標準コースよりも短い運転時間でヒータ3をOFFに切り替える。ヒータ3をOFFしてから所定時間T2(例えば、20分)が経過した後に運転を終了する。なお、所定時間T2は、標準コースの所定時間T1よりも長く設定され、衣類を余熱によって乾燥する余熱乾燥期間であるとともに衣類を冷ます冷却期間である。また、運転終了後の乾燥度は例えば104%である。このように、低温乾燥コースでは、第2閾値に到達する時間が第1閾値に到達する時間よりも早いので、その後の余熱乾燥時間を標準コースよりも長く設定したとしても、全体(トータル)の乾燥時間が多く延びることはなく、標準コースと同等の乾燥時間にすることが可能になる。
【0030】
以上説明したように、第1実施形態の衣類乾燥機100は、水分を含んだ衣類(被乾燥物)を収納して回転する回転ドラム2(ドラム)と、回転ドラム2を駆動する電動機5と、回転ドラム2内に送り込む空気を加熱するヒータ3と、回転ドラム2内にヒータ3で加熱した空気を流入させる熱交換ファン9(送風ファン)と、ヒータ3と熱交換ファン9との間に設けられたMダクト13およびFダクト14(循環流路)と、衣類の乾燥度を検出する湿度センサ22(乾燥度検出手段)と、ヒータ3および熱交換ファン9を制御する制御装置30と、を備える。制御装置30は、標準コースと低温乾燥コースを実行可能であり、低温乾燥コースでは標準コースよりも湿度センサ22によって検出された乾燥度が低い状態でヒータ3をOFFし、かつ、低温乾燥コースでは標準コースよりも熱交換ファン9による送風を長くする。これによれば、衣類の縮みを抑えつつ乾燥を行うことが可能になる。
【0031】
(第2実施形態)
第2実施形態の衣類乾燥機について図7乃至図9を参照して説明する。図8は、第2実施形態の衣類乾燥機における標準コースの動作を示すフローチャートである。図9は、第2実施形態の衣類乾燥機における低温乾燥コースの動作を示すフローチャートである。なお、図8のステップS30,S31は、図3のステップS10,S11と同様であるので、ステップS32以降について説明する。図9のステップS40,S41は、図4のステップS20,S21と同様であるので、ステップS42以降について説明する。
【0032】
図8に示すように、制御装置30は、相対湿度が第1閾値よりも低いか否かを判定する。なお、相対湿度は、衣類がどの程度乾いたかを示す指標であり、湿度センサ22の湿度(相対湿度)から求めることができる。検出された湿度は、抵抗値から発振周波数に変換される。なお、第1閾値は、湿度センサ22の湿度の抵抗値を発振周波数に変換したものであり、12~15%(相対湿度)に設定される。相対湿度12~15%は、衣類が完全に乾いた状態である。また、第1閾値は、事前の試験によって決定される。制御装置30は、相対湿度が第1閾値よりも低いと判定した場合には(ステップS32、Yes)、ステップS33に進み、相対湿度が第1閾値以上であると判定した場合には(ステップS32、No)、ステップS32の処理を繰り返す。
【0033】
ステップS33において、制御装置30は、ヒータ3をOFFして、送風運転を所定時間T1実行する。なお、所定時間T1は、例えば5分に設定される。
【0034】
図9に示すように、制御装置30は、ステップS42において、相対湿度が第2閾値よりも低いか否かを判定する。なお、第2閾値は、標準コースの第1閾値よりも高い値であり、25~30%(相対湿度)に設定される。また、第2閾値は、衣類が少し湿った未乾燥状態であり、事前の試験によって決定される。制御装置30は、湿度センサ22によって検出された相対湿度が第2閾値よりも低いと判定した場合には(ステップS42、Yes)、ステップS43に進み、相対湿度が第2閾値以上であると判定した場合には(ステップS42、No)、ステップS42の処理を繰り返す。
【0035】
ステップS43において、制御装置30は、ヒータ3をOFFに切り替えて、送風運転を所定時間T2実行する。なお、所定時間T2は、標準コースの所定時間T1よりも長く設定され、例えば20分に設定される。
【0036】
図7の上図に示すように、標準コースの場合には、ヒータ3をONにした状態で熱交換ファン9(送風ファン)を駆動し、衣類の乾燥を開始する。そして、相対湿度が第1閾値(12~15%)に到達したときにヒータ3をOFFに切り替え、熱交換ファン9による送風運転を行う。そして、ヒータ3をOFFしてから所定時間T1(例えば、5分)経過した後に運転を終了する。なお、所定時間T1は、衣類を冷ます冷却期間である。
【0037】
図7の下図に示すように、低温乾燥コースの場合には、標準コースと同様に、ヒータ3をONにした状態で熱交換ファン9(送風ファン)を駆動し、衣類の乾燥を開始する。そして、衣類の相対湿度が第2閾値(25~30%)に到達したときにヒータ3をOFFに切り替えて、熱交換ファン9による送風運転を行う。第2閾値は、第1閾値よりも高いので、標準コースよりも短い運転時間でヒータ3をOFFに切り替える。ヒータ3をOFFしてから所定時間T2(例えば、20分)が経過した後に運転を終了する。なお、所定時間T2は、標準コースの所定時間T1よりも長く設定され、衣類を余熱によって乾燥する余熱乾燥期間であるとともに衣類を冷ます冷却期間である。
【0038】
以上説明したように、第2実施形態の衣類乾燥機100は、水分を含んだ衣類(被乾燥物)を収納して回転する回転ドラム2(ドラム)と、回転ドラム2を駆動する電動機5と、回転ドラム2内に送り込む空気を加熱するヒータ3と、回転ドラム2内にヒータ3で加熱した空気を流入させる熱交換ファン9(送風ファン)と、ヒータ3と熱交換ファン9との間に設けられたMダクト13およびFダクト14(循環流路)と、循環流路内の湿度を検出する湿度センサ22(湿度検出手段)と、ヒータ3および熱交換ファン9を制御する制御装置30と、を備える。制御装置30は、標準コースと低温乾燥コースを実行可能であり、低温乾燥コースでは標準コースよりも湿度センサ22によって検出された相対湿度が高い状態でヒータ3をOFFし、かつ、低温乾燥コースでは標準コースよりも熱交換ファン9による送風を長くする。これによれば、衣類の縮みを抑えつつ乾燥を行うことが可能になる。
【符号の説明】
【0039】
1 外枠
2 回転ドラム(ドラム)
3 ヒータ
5 電動機
7 乾燥用空気
8 冷却空気
9 熱交換ファン(送風ファン)
13 Mダクト(循環流路)
14 Fダクト(循環流路)
18 ドア
21 熱交換部
22 湿度センサ(乾燥度検出手段、湿度検出手段)
23 衣類
30 制御装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9