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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024069952
(43)【公開日】2024-05-22
(54)【発明の名称】物品殺菌装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 55/04 20060101AFI20240515BHJP
   B65B 55/10 20060101ALI20240515BHJP
   B65B 55/06 20060101ALI20240515BHJP
   A61L 2/18 20060101ALI20240515BHJP
【FI】
B65B55/04 V
B65B55/10 A
B65B55/06 A
A61L2/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022180262
(22)【出願日】2022-11-10
(71)【出願人】
【識別番号】000253019
【氏名又は名称】澁谷工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100156199
【弁理士】
【氏名又は名称】神崎 真
(74)【代理人】
【識別番号】100124497
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】政浦 卓哉
(72)【発明者】
【氏名】清水 博之
(72)【発明者】
【氏名】川原 隆志
【テーマコード(参考)】
4C058
【Fターム(参考)】
4C058AA25
4C058BB07
4C058EE23
4C058JJ06
4C058JJ24
4C058JJ27
(57)【要約】
【課題】チャンバー内を搬送される物品を、少量の殺菌剤で効率的に殺菌可能な物品殺菌装置を提供する。
【解決手段】物品殺菌装置10は、内部を外部雰囲気から遮断するチャンバー12と、キャップCをチャンバー12内において搬送するキャップ搬送ガイド18と、チャンバー12内に設けられ、キャップ搬送ガイド18を搬送されるキャップCにエアを噴射するエアノズル19と、チャンバー12内に設けられ、殺菌剤Sを貯留する貯留部と、貯留部に貯留された殺菌剤Sを霧化するための超音波素子24とを備える。超音波素子24によりチャンバー12内を殺菌性の気体雰囲気とするとともに、エアノズル19から搬送されるキャップCに向けてエアを噴射して、キャップCに霧化した殺菌剤Sとエアを同時に吹き付ける。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部を外部雰囲気から遮断するチャンバーと、
前記チャンバー内において物品が通過する搬送経路と、
前記チャンバー内に設けられ、前記搬送経路を搬送される物品にエアを噴射するエア噴射手段と、
前記チャンバー内に設けられ、殺菌剤を貯留する貯留部と、
前記貯留部に貯留された殺菌剤を霧化するための超音波霧化手段とを備え、
前記超音波霧化手段により前記チャンバー内を殺菌性の気体雰囲気とするとともに、
前記エア噴射手段により搬送される物品にエアを噴射して、前記物品に霧化した殺菌剤とエアを同時に吹き付ける
ことを特徴とする物品殺菌装置。
【請求項2】
前記チャンバー内に設けられ、前記搬送経路に沿って物品を搬送させる搬送手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の物品殺菌装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送される物品の殺菌を行う物品殺菌装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば関飲食品や薬品などを容器に充填する無菌充填機では、キャップ殺菌装置において容器を密封するキャップの殺菌が行われる。キャップ殺菌装置では、チャンバー内を搬送されるキャップにガス化された過酸化水素などの殺菌剤を噴出する。チャンバー内には、過酸化水素水供給装置でガス化された過酸化水素水が道管を通して供給されるとともに、加熱気体供給装置から道管を通して加熱気体が供給される。チャンバー内のガス化された過酸化水素水は加熱気体により昇温され殺菌効果が向上されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-22906号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の装置では、ガス化された過酸化水素水を、道管を通してチャンバー内に供給する。そのため、ガス化された過酸化水素水が道管内で凝集されロスが発生する。また、特許文献1の装置では、キャップはチャンバー内に配置されたホイール間を受け渡されながら上から下へと搬送され、ガス化された過酸化水素水はチャンバー底面に接続された道管から搬送されるキャップに向けて吹き上げられる。このような構成では、チャンバー内を搬送されるキャップは、搬送経路全体でガス化された過酸化水素水に一様に曝されず、チャンバー内下側の道管に対面する所定領域を通過するときに主にガス化された過酸化水素水に曝される。そのため過酸化水素水を高濃度でガス化する必要があり、多量の過酸化水素水が必要となる。
【0005】
本発明は、チャンバー内を搬送される物品を、少量の殺菌剤で効率的に殺菌可能な物品殺菌装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の発明である物品殺菌装置は、内部を外部雰囲気から遮断するチャンバーと、前記チャンバー内において物品が通過する搬送経路と、前記チャンバー内に設けられ、前記搬送経路を搬送される物品にエアを噴射するエア噴射手段と、前記チャンバー内に設けられ、殺菌剤を貯留する貯留部と、前記貯留部に貯留された殺菌剤を霧化するための超音波霧化手段とを備え、前記超音波霧化手段により前記チャンバー内を殺菌性の気体雰囲気とするとともに、前記エア噴射手段により搬送される物品にエアを噴射して、前記物品に霧化した殺菌剤とエアを同時に吹き付けることを特徴としている。
【0007】
本発明の第2の発明である物品殺菌装置は、第1の発明において、前記チャンバー内に設けられ、前記搬送経路に沿って物品を搬送させる搬送手段を設けたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、チャンバー内を搬送される物品を、少量の殺菌剤で効率的に殺菌可能な物品殺菌装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1実施形態である物品殺菌装置の構成を示す模式的な縦断面図である。
図2図1に対して垂直な面での縦断面図である。
図3】エアノズルの配置を示すキャップ搬送ガイド周辺の拡大平面図である。
図4】第1実施形態の超音波霧化装置の構成を示す縦断面図である。
図5】第2実施形態の物品殺菌装置の構成を示す模式的な縦断面図である。
図6】第3実施形態の物品殺菌装置の構成を示す模式的な縦断面図である。
図7】第4実施形態の物品殺菌装置の構成を示す模式的な縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1実施形態である物品殺菌装置の構成を示す模式的な縦断面図であり、図2図1に対して垂直な面での縦断面図である。
【0011】
第1実施形態の物品殺菌装置10は、例えば容器を密封するためのキャップCの搬送・殺菌を行う。物品殺菌装置10は、霧化(ミスト化)された殺菌剤をその内部に封止する(内部を外部雰囲気から遮断する)チャンバー12を備える。キャップCは、スターホイール14を用いて供給され、チャンバー12に向けて下向きに傾斜するキャップ供給ガイド16に沿ってチャンバー12内へと供給される。
【0012】
チャンバー12内に供給されたキャップCは、チャンバー12内を略水平に掛け渡されるキャップ搬送ガイド18に沿って搬送され、キャップ供給ガイド16が接続された側面12Aとは反対側の側面12Bからチャンバー12外へと排出される。チャンバー12から排出されたキャップCは、その自重によりチャンバー12から下向きに傾斜するキャップ排出ガイド20に沿って排出される。なお、キャップ搬送ガイド18の左右には、キャップ搬送ガイド18に案内されるキャップCに加温(例えば120℃)されたエアを吹き付けるエアノズル19がキャップ搬送ガイド18に沿って設けられる。
【0013】
図3はエアノズル19の配置を示すキャップ搬送ガイド18周辺の拡大平面図である。キャップ搬送ガイド18は、平行に配置される複数のガイド棒18Aにより構成される。本実施形態のキャップ搬送ガイド18は、6本のガイド棒18Aを備え、搬送されるキャップCの上下を各1カ所、左右を各2カ所支持する。キャップCは、天面をキャップ搬送ガイド18の側方に向けた横向きの姿勢で搬送される。キャップ搬送ガイド18の両側には、エア供給管19Aがキャップ搬送ガイド18に沿って配置される。エア供給管19Aには多数のエアノズル19がキャップ搬送ガイド18に沿って設けられ、図3に示されるように、各エアノズル19はキャップ搬送方向に向けて斜めに配置される。すなわち、エアノズル19から噴出されるエアはキャップCを搬送方向へと押し遣り、キャップCはキャップ搬送ガイド18に沿って移動される。
【0014】
また、本実施形態ではキャップ搬送ガイド18の下側に、ガイド棒18Aで囲まれるキャップ搬送経路に下側から突出し、ガイド棒18A内を搬送されるキャップCに係合してキャップCを回転させる回転用ガイド21が搬送方向に沿って複数設けられる。すなわち、キャップ搬送ガイド18内を搬送されるキャップCは、前後のキャップCと密接するため、キャップC同士の間の外周面は十分殺菌されない可能性がある。そのため本実施形態では回転用ガイド21によりキャップCを適宜回転させることでキャップCの外周全体を一様に殺菌する。
【0015】
また、第1実施形態の物品殺菌装置10において、チャンバー12の下方には、過酸化水素水など液体状の殺菌剤Sが略常温で貯留される貯留部(貯留手段)28が設けられ、貯留部28はプレート22によりチャンバー12と仕切られる。プレート22には貯留部28に貯留された殺菌剤Sを、超音波を用いてチャンバー12内で霧化させる超音波霧化装置(超音波霧化手段)29が配置される。貯留部28内には、殺菌剤Sの液位を検出する液位センサ11が設けられ、貯留部28内の殺菌剤Sの液位が低下すると、液位が一定となるように液ポンプ13を用いてタンク15から貯留部28へ殺菌剤Sが供給される。
【0016】
図4は、第1実施形態の超音波霧化装置29の構成を示す縦断面図である。第1実施形態の超音波霧化装置29は、プレート22に設けられた孔を通してチャンバー12内から貯留部28へと延出し、貯留部28の殺菌剤(殺菌液)Sをチャンバー12内へと吸液する吸液部材29Aと、チャンバー12内において吸液部材29Aの上端に隣接して配置される振動板29Bと、振動板29Bを振動させる超音波素子24とから主に構成される。吸液部材29Aには、例えば毛細管現象により殺菌剤Sをチャンバー12内へと吸液可能なフェルトなどの素材が用いられ、振動板29Bには例えば多孔板などが用いられる。
【0017】
振動板29Bの中央部には多数の孔が設けられ吸液部材29Aの上端に隣接して配置される。振動板29Bの外周部は、円環状の超音波素子24の下面に貼着され、吸液部材29Aを取り囲むように配置される。吸液部材29Aにより吸い上げられた殺菌剤Sは、振動板29Bの多孔板を通して霧化され円環状の超音波素子24の開口部24Aを通してチャンバー12内へと拡散される。
【0018】
スターホイール14によりキャップ供給ガイド16からチャンバー12へ順次供給されたキャップCは、エアノズル19から噴出されるエアによりキャップ搬送ガイド18に沿ってチャンバー12内を搬送され、チャンバー12から排出されると、キャップ排出ガイド20に案内されて下流側へと排出される。貯留部28内に貯留された液体状の殺菌剤Sは、チャンバー12の底面であるプレート22に設けられた超音波霧化装置29からの超音波により霧化されチャンバー12内に拡散される。キャップCは、霧化された殺菌剤Sで充満されたチャンバー12内を、エアノズル19から噴出される加温されたエアによりキャップ搬送ガイド18に沿って搬送される。これによりキャップCは、チャンバー12内を搬送される間、加温された殺菌剤Sに一様に曝され効率的に殺菌される。なお、チャンバー12内におけるキャップ搬送ガイド18に沿ったキャップCの搬送が、スターホイール14による押出力のみでも可能な場合には、エアノズル19を斜め方向ではなく、搬送方向に対して垂直方向に向けて配置してもよい。また、状況によっては両配置を適宜組み合わせることも可能である。
【0019】
以上のように、第1実施形態の物品殺菌装置では、超音波霧化装置(超音波霧化手段)により殺菌チャンバー内の殺菌剤を霧化し、チャンバー内を殺菌剤雰囲気とするとともに、エアノズル(エア噴射手段)により、搬送経路に沿って加温されたエアを噴射することで、霧化された殺菌剤をホットエアに巻き込みながらキャップ(物品)表面に効率的に付着させることができる。これによりキャップ(物品)は、チャンバー内を搬送される間に効率的に少量の殺菌剤で殺菌される。
【0020】
図5は、第2実施形態の物品殺菌装置30の構成を示す模式的な縦断面図である。第2実施形態の物品殺菌装置30は第1実施形態の物品殺菌装置10と同様にキャップCの殺菌を行うが、チャンバー12内におけるキャップCの搬送方法が第1実施形態と異なる。なお、その他の構成は基本的に第1実施形態と同様であるため、同様の構成については同一参照記号を用いその説明を省略する。
【0021】
第1実施形態の物品殺菌装置10では、エアノズル19から噴出されるエアによりキャップCをキャップ搬送ガイド18に沿って搬送したが、第2実施形態の物品殺菌装置30では、複数のロータリー式搬送コンベヤ32を用いてキャップCを搬送する。
【0022】
キャップCはキャップ供給ガイド16を通して物品殺菌装置10のチャンバー12内へと供給され、チャンバー12内において、回転するロータリー式搬送コンベヤ32の外周に沿って設けられたポケット32Aに受け渡される。チャンバー12内には複数のロータリー式搬送コンベヤ32が順に隣接して設けられ、キャップCは、上流側のロータリー式搬送コンベヤ32から下流側のロータリー式搬送コンベヤ32へと順次受け渡される。最下流に位置するロータリー式搬送コンベヤ32は、キャップCをキャップ排出ガイド20に受け渡し、キャップCは自重によりキャップ排出ガイド20に沿って下流側へと排出される。
【0023】
各ロータリー式搬送コンベヤ32において、キャップCを搬送する区間のポケット32Aの両側には、エアノズル19を備える円弧状のエア供給管19Aがポケット32Aに沿って配置される。エアノズル19からは第1実施形態と同様に加温されたエアが噴射されポケット32A内のキャップCに吹き付けられる。
【0024】
また、チャンバー12の下方には、第1実施形態と同様に液体状の殺菌剤Sが貯留される貯留部28が設けられ、貯留部28の殺菌剤Sは、チャンバー12の底面であるプレート22に設置された超音波霧化装置29の超音波振動により霧化される。これによりチャンバー12内は霧化された殺菌剤Sに満たされ、ロータリー式搬送コンベヤ32により搬送されるキャップCには、エアノズル19から噴出される加温されたエアとともに殺菌剤Sが吹き付けられ殺菌される。
【0025】
以上のように、第2実施形態の物品殺菌装置においても第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0026】
次に第3実施形態の物品殺菌装置の構成を示す模式的な縦断面図である図6を参照して、第3実施形態の物品殺菌装置について説明する。第3実施形態の物品殺菌装置は、殺菌対象とする物品をPETボトルなどのプリフォームとしたものである。なお、第3実施形態の物品殺菌装置における殺菌チャンバーおよび超音波霧化装置の構成は第1、第2実施形態と同様であり、同様の構成については同一参照符号を用いその説明を省略する。
【0027】
第3実施形態の物品殺菌装置34では、チャンバー12の下流側にチャンバー12内でプリフォームPに付着した殺菌剤Sの液滴を除去するための無菌エア噴出部36が設けられる。チャンバー12には、プリフォーム供給ガイド38を通してプリフォームPが供給される。チャンバー12と無菌エア噴出部36内には、両者を略水平に縦通するプリフォーム搬送ガイド40が配置され、チャンバー12および無菌エア噴出部36内において、プリフォームPはプリフォーム搬送ガイド40に沿って搬送される。無菌エア噴出部36の下流部においてプリフォーム搬送ガイド40は、プリフォーム排出ガイド42に接続される。なお、図6では、傾斜されたプリフォーム供給ガイド38を通してプリフォームPが自重によりチャンバー12内へと供給されているが、プリフォーム供給ガイド38に隣接してスターホイールを配置して、スターホイールによりプリフォームPをプリフォーム供給ガイド38に沿ってチャンバー12に向けて押し出す構成としてもよい。
【0028】
チャンバー12の下方には、第1、2実施形態と同様に液体状の殺菌剤Sが貯留され貯留部28が設けられ、貯留部28の殺菌剤Sは、チャンバー12の底面であるプレート22に設置された超音波霧化装置29の超音波振動により霧化される。これによりチャンバー12内は霧化された殺菌剤Sに満たされる。
【0029】
チャンバー12内において、プリフォーム搬送ガイド40の両側には第1実施形態と同様にプリフォーム搬送ガイド40に沿って多数のエアノズル19を備えるエア供給管19Aが配置される。エアノズル19からは、加温されたエアがプリフォーム搬送方向に沿って斜めに吹き付けられ、プリフォーム搬送ガイド40に支持されるプリフォームPには、エアと霧化された殺菌剤Sを吹き付けられる。これにより、プリフォームPには加温されたエアとともに殺菌剤Sが吹き付けられ、プリフォーム搬送ガイド40に沿って下流側へと移動される。
【0030】
また、プリフォーム搬送ガイド40において、プリフォームPは口部を上にして保持されており、プリフォームPの上方には、プリフォームPの内側に向けて下向きに加温されたエアを噴出する多数のエアノズル44が配置される。エアノズル44は、プリフォーム搬送ガイド40に沿って、その上方に配置されるエア供給管44Pに沿って設けられる。これにより、霧化された殺菌剤Sがエアノズル44からの加温されたエアとともにプリフォームP内へと注入される。
【0031】
無菌エア噴出部36には、プリフォーム搬送ガイド40によって搬送されるプリフォームPの上下から無菌エアを噴出する多数のエアノズル46がプリフォーム搬送ガイド40に沿って配置される。すなわち、チャンバー12内においてプリフォームPに付着した殺菌剤Sは、無菌エア噴出部36を搬送される間にエアにより除去される。無菌エア噴出部36におけるプリフォームPは、後続のプリフォームPに押され、プリフォーム搬送ガイド40に沿って下流側へと移動される。
【0032】
以上のように、物品をキャップからプリフォームに代えた第3実施形態の物品殺菌装置においても、第1、第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0033】
次に図7を参照して第4実施形態の物品殺菌装置50について説明する。第4実施形態の物品殺菌装置50は、第1実施形態の物品殺菌装置10と略同様の構成であるが、超音波を用いた殺菌剤Sの霧化方法が第1実施形態と異なる。なお、その他の構成は第1実施形態と同様であり、同様の構成については同一参照符号を用いその説明を省略する。
【0034】
第1実施形態の物品殺菌装置10では、チャンバー12下方に設けられた貯留部28内の殺菌剤Sを吸液部材29Aで吸い上げ、超音波素子24が殺菌剤Sに暴露される状態で殺菌剤Sを霧化した。しかし、第4実施形態では、超音波素子24からの超音波を、超音波伝達媒体を介して殺菌剤Sに照射し霧化する間接霧化を用いる。
【0035】
図7に示されるように、チャンバー12の底面はステンレスなどのプレート52により密閉されており、チャンバー12の下方部はプレート22とチャンバー12の四方を取り囲む側面(12A、12Bを含む側面)とにより、殺菌剤Sを貯留する貯留部(貯留手段)として構成される。プレート22の下方には、プレート22越しにチャンバー12内の殺菌剤Sを超音波で霧化させる超音波霧化装置(超音波霧化手段)が配置される。
【0036】
第4実施形態の超音波霧化装置は、プレート22の下方に位置する物品殺菌装置50本体の底面26に配置される超音波素子24と、超音波素子24とプレート22の間に満たされる超音波伝達媒体とから構成される。本実施形態において超音波伝達媒体は水などの液体Fである。すなわち、プレート22の下は水などの超音波伝達媒体を貯留するタンク54として構成され、その底面26に超音波素子24が複数配置されている。
【0037】
超音波素子24で生成された超音波は、超音波伝達媒体である液体Fおよびプレート22を介してチャンバー12内に貯留される殺菌剤Sに照射される。チャンバー12内の殺菌剤Sは、プレート22を介した超音波により霧化され、チャンバー12内に拡散される。なお、超音波伝達媒体は、伝達効率が高く超音波素子24に過大な負荷を掛けない物質であればよく、例えばゲル物質であってもよい。
【0038】
以上のように、第4実施形態においても第1実施形態と略同様の効果が得られる。また、第4実施形態では、間接霧化を採用することで過酸化水素水による超音波素子の腐食を防止できる。
【0039】
なお、本実施形態では、物品殺菌装置において取り扱われる物品の例としてキャップとプリフォームを挙げたが、本実施形態はこれら以外の物品にも適用可能である。
【符号の説明】
【0040】
10 物品殺菌装置
12 チャンバー
18 キャップ搬送ガイド(搬送経路)
19、44 エアノズル(エア噴出手段、搬送手段)
24 超音波素子(超音波霧化手段)
32 ロータリー式搬送コンベヤ(搬送経路、搬送手段)
40 プリフォーム搬送ガイド(搬送経路)
C キャップ(物品)
P プリフォーム(物品)
S 殺菌剤
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7