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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024069959
(43)【公開日】2024-05-22
(54)【発明の名称】変圧器取替工法
(51)【国際特許分類】
   H02B 5/00 20060101AFI20240515BHJP
【FI】
H02B5/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022180278
(22)【出願日】2022-11-10
(71)【出願人】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126561
【弁理士】
【氏名又は名称】原嶋 成時郎
(72)【発明者】
【氏名】粟井 秀紀
(57)【要約】
【課題】変電所等の構内に設置された変圧器を、短期間で取り替えることが可能な変圧器取替工法を提供する。
【解決手段】変圧器引留鉄構が設置され、変圧器引留鉄構に隣接するように構内に設置された変圧器を取り替える変圧器取替工法は、構内の取替対象である第1の変圧器の近傍かつ変圧器引留鉄構の近傍であり、基礎工事がなされている空きスペースに、新たな第2の変圧器を設置するステップと、変圧器引留鉄構に対して第2の変圧器を設置するための所定の改造工事を行い、変圧器引留鉄構に配置されている主回路からのリード線を設置するための型取りを行うステップと、リード線の型取りに沿って、第2の変圧器に前記リード線を接続するステップと、主回路から第1の変圧器を切り離し、第1の変圧器を撤去するステップと、を含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
変圧器引留鉄構が設置され、前記変圧器引留鉄構に隣接するように構内に設置された変圧器を取り替える変圧器取替工法であって、
前記構内の取替対象である第1の変圧器の近傍かつ前記変圧器引留鉄構の近傍であり、基礎工事がなされている空きスペースに、新たな第2の変圧器を設置するステップと、
前記変圧器引留鉄構に対して前記第2の変圧器を設置するための所定の改造工事を行い、前記変圧器引留鉄構に配置されている主回路からのリード線を設置するための型取りを行うステップと、
前記リード線の型取りに沿って、前記第2の変圧器に前記リード線を接続するステップと、
前記主回路から前記第1の変圧器を切り離し、前記第1の変圧器を撤去するステップと、
を含む工程を行うことを特徴とする変圧器取替工法。
【請求項2】
前記第2の変圧器を設置するステップにおいて、前記第2の変圧器を、前記変圧器引留鉄構に隣接する前記第1の変圧器に対向するように、前記変圧器引留鉄構に隣接する位置に設置する、
ことを特徴とする請求項1に記載の変圧器取替工法。
【請求項3】
前記変圧器引留鉄構に対して所定の改造工事を行うステップにおいて、前記変圧器引留鉄構に設置されている碍子を、前記第2の変圧器に対応するように変更する、
ことを特徴とする請求項1に記載の変圧器取替工法。
【請求項4】
前記第2の変圧器を設置するステップの前工程において、
前記第1の変圧器の2次側に基礎工事がなされて設置されている装置を移設し、前記空きスペースを確保するステップを行う、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の変圧器取替工法。
【請求項5】
前記装置を移設するステップにおいて、前記装置は、前記構内に設置された分路リアクトル、中性点リアクトルのいずれかまたは両方を含む、
ことを特徴とする請求項4に記載の変圧器取替工法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変電所等の構内に設置された変圧器を取り替える変圧器取替工法に関する。
【背景技術】
【0002】
1次変電所等に設置されている変圧器は、交流電力を変圧する装置である。このような変圧器は、数メートル~数十メートル規模の大きさであり、通常、変電所等の構内施設に、基礎工事がなされてその上に設置されている。
【0003】
変圧器は、故障時または経年等により取り替える必要がある場合、変圧器を取り替える工事のための期間を確保し、変圧器をその期間停止する必要がある。しかし、そのような停止期間の確保が困難な場合、構内の新たなスペースに基礎工事を行い、新たな変圧器を設置した上で、古い変圧器を撤去する工事を行う、というような運用をしている。
【0004】
このような設備に対して機器等の取替工事を行う技術として、新たな基礎を設置することなく機器(スイッチギア)の取替を可能にする工法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に記載のスイッチギア取替工法は、基礎の余剰スペースに新設のスイッチギアの配変二次箱と所内GPTを設置して、既設のスイッチギアと並列に変圧器に接続し、既設のスイッチギアの配電線箱等を基礎から撤去し、新設のスイッチギアの配電線箱等を基礎に設置して変圧器に接続し、既設のスイッチギアの配変二次箱と所内GPT箱を基礎から撤去する、というものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2021-097482号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、変圧器そのものを取り替える場合は、特許文献1に記載のスイッチギア取替工法を適用することはできず、短期間で変圧器を取り替えることが可能な工法が求められていた。
【0007】
そこで本発明は、短期間で変圧器を取り替えることが可能な変圧器取替工法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、請求項1の発明は、変圧器引留鉄構が設置され、前記変圧器引留鉄構に隣接するように構内に設置された変圧器を取り替える変圧器取替工法であって、前記構内の取替対象である第1の変圧器の近傍かつ前記変圧器引留鉄構の近傍であり、基礎工事がなされている空きスペースに、新たな第2の変圧器を設置するステップと、前記変圧器引留鉄構に対して前記第2の変圧器を設置するための所定の改造工事を行い、前記変圧器引留鉄構に配置されている主回路からのリード線を設置するための型取りを行うステップと、前記リード線の型取りに沿って、前記第2の変圧器に前記リード線を接続するステップと、前記主回路から前記第1の変圧器を切り離し、前記第1の変圧器を撤去するステップと、を含む工程を行うことを特徴とする変圧器取替工法である。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1に記載の変圧器取替工法における、前記第2の変圧器を設置するステップにおいて、前記第2の変圧器を、前記変圧器引留鉄構に隣接する前記第1の変圧器に対向するように、前記変圧器引留鉄構に隣接する位置に設置する、ことを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1に記載の変圧器取替工法における、前記変圧器引留鉄構に対して所定の改造工事を行うステップにおいて、前記変圧器引留鉄構に設置されている碍子を、前記第2の変圧器に対応するように変更する、ことを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の変圧器取替工法における、前記第2の変圧器を設置するステップの前工程において、前記第1の変圧器の2次側に基礎工事がなされて設置されている装置を移設し、前記空きスペースを確保するステップを行う、ことを特徴とする。
【0012】
請求項5の発明は、請求項4に記載の変圧器取替工法における、前記装置を移設するステップにおいて、前記装置は、前記構内に設置された分路リアクトル、中性点リアクトルのいずれかまたは両方を含む、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、取替対象である第1の変圧器の近傍かつ変圧器引留鉄構の近傍であり、基礎工事がなされている空きスペースに新たな第2の変圧器を設置し、変圧器引留鉄構に対して所定の改造工事を行い、主回路からのリード線を設置するための型取りを行い、第2の変圧器にリード線を接続し、第1の変圧器を撤去する。そのため、構内に既設の遮断器や断路器および母線鉄構等を流用することができる。これにより、短期間で変圧器を取り替えることが可能になる。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、第2の変圧器を、変圧器引留鉄構に隣接する第1の変圧器に対向するように、変圧器引留鉄構に隣接する位置に設置する。これにより、既設の変圧器の近傍で取替工事を行うことができるため、短期間で変圧器を取り替えることが可能になる。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、変圧器引留鉄構に設置されている碍子を、第2の変圧器に対応するように変更する。これにより、他の工程作業と並行して工事を行うことができるため、短期間で変圧器を取り替えることが可能になる。
【0016】
請求項4及び5に記載の発明によれば、第1の変圧器の2次側に基礎工事がなされて設置されている装置、具体的には分路リアクトルまたは中性点リアクトルを移設し、空きスペースを確保する。そのため、構内に既設の遮断器や断路器および母線鉄構等を流用することができる。これにより、短期間で変圧器を取り替えることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施の形態1に係る変圧器取替工法を実施する対象となる変圧器10が設置された構内1の例を示す構内平面図である。
図2図1の構内1を示す側面図である。
図3】本発明の実施の形態1に係る変圧器取替工法を示すフローチャートである。
図4図1に示す状態から、分路リアクトル40及び中性点リアクトル50が移設された状態を示す平面図である。
図5図4に示す状態から、新たな変圧器60が設置された状態を示す平面図である。
図6図4の構内1を示す側面図である。
図7図5に示す状態から、変圧器10が撤去された状態を示す平面図である。
図8図7の構内1を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
【0019】
(概要)
本発明の実施の形態に係る変圧器取替工法は、1次変電所等に設置されている変圧器を取り替えるための変圧器取替工法である。この変圧器取替工法は、変圧器の故障または経年等による取替の際、変圧器の長期停止が困難な場合であっても変圧器の連続停止期間を短期間にすることを可能にする工法である。
【0020】
図1は、本発明の実施の形態1に係る変圧器取替工法を実施する対象となる変圧器10が設置された構内1の例を示す構内平面図である。また、図2は、図1の構内1を示す側面図である。
【0021】
図1に示す構内1は、例えば1次変電所のような施設の構内の抜粋を示す平面図である。構内1の例である変電所は、電力系統における電気の電圧の変換を行い、各電力系統の接続と開閉とを行って電力の流れを制御する1次変電所である。また、このような変電所は、発電所から送電されてきた電気の電圧を下げて、大きな工場等へ送電する。また、このような変電所は、2次変電所へ送られ、さらに電圧を下げて中小工場等へ送電するための設備である。
【0022】
図1及び図2に示すように、構内1には、変圧器10と、変圧器引留鉄構20と、複数の高圧線(主回路)(図1では、高圧線31、高圧線32及び高圧線33を示している。以下、総称して「高圧線30」ということもある)と、分路リアクトル40と、中性点リアクトル50とが配置されている。変圧器10は、構内1の例である発電所から送電されてきた電圧を変圧(例えば、110,000Vから66,000Vへ)する施設である。変圧器引留鉄構20は、高圧線30を支持するためのゲート状の設備(図2ではタワー状に示されているが、奥行き方向に延びた形状になっている)であり、通常、数十メートル規模の鉄構構造物である。高圧線30は、変電所から出力された高圧電力(例えば、6,600Vの電力)を送電する送電線である。分路リアクトル(ShR)40は、交流回路の分路に接続され、高圧線30の遅れ無効電力を供給することで進み無効電力を補償する装置である。中性点リアクトル(NGL)50は、電力系統の中性点に接続され、電力系統の地絡事故の際に対地電圧が異常に上昇するのを防止すると共に、系統の対地静電容量を補償する装置である。
【0023】
図1及び図2に示すように、変圧器10は、変圧器引留鉄構20の近傍に隣接するように設置され、高圧線30から分岐したリード線が接続されている。分路リアクトル40及び中性点リアクトル50は、変圧器引留鉄構20の近傍に隣接し、変圧器10に対向する位置であり、変圧器10の2次側に設置されている。図2に示すように、高圧線30は、変圧器10、分路リアクトル40、及び中性点リアクトル50の上方を通り、変圧器引留鉄構20に支持されて設置されている。
【0024】
構内1において、変圧器10、変圧器引留鉄構20、分路リアクトル40、及び中性点リアクトル50は、基礎工事が行われた地面の上に設置される。ここで、基礎工事とは、地面の掘削を行ってアース工事、ケーブルピット付設等を行い、コンクリート打設を行って変圧器10等の各種機器を設置可能な状態にすることをいう。
【0025】
実施の形態1に係る変圧器取替工法は、変圧器10を取り替えるための工法であるが、取り替える新たな変圧器を設置する空きスペースが変圧器10の近傍にない場合、変圧器10から離隔した位置に設置せざるを得ない。そのため、新たな遮断器や断路器および母線鉄構等の設置、及びこれらの機器を設置する箇所に基礎工事がなされていない場合には基礎工事も必要になり、長期間の工期を確保する必要がある。
【0026】
また、例えば配電用変電所における変圧器を取り替える場合は、移動用変圧器を仮設することで取替対象の変圧器を長期停止することは可能であるが、1次変電所おける変圧器の場合は容量が大きいため、移動用変圧器を仮設することによる対応はできない、という問題がある。
【0027】
そこで、本実施の形態では、分路リアクトル40及び中性点リアクトル50を移設し、その空いたスペースに新たな変圧器を設置し、既存の施設を有効活用することで、短期間で変圧器を取り替えることを可能にし、変圧器の連続停止期間を短期間にすることを可能にしている。
【0028】
なお、本実施の形態では、移設する機器の例として分路リアクトル40及び中性点リアクトル50を示しているが、これらの機器に限られず、構内1において移設可能な機器であれば他の機器であってもよい。
【0029】
(実施の形態1)
<工程の流れ>
図3図8は、この実施の形態を示し、図3は、本発明の実施の形態1に係る変圧器取替工法を示すフローチャートである。図3図8を参照しながら、本発明の実施の形態1に係る変圧器取替工法の流れの一例について説明する。
【0030】
ステップS101の工程は、分路リアクトル40及び中性点リアクトル50を、現状の変圧器(第1の変圧器)10に対向する位置から移設する。分路リアクトル40及び中性点リアクトル50を移設する位置は、それぞれの機器の機能を発揮できるような位置であればよく、配線等の状況から現状の位置より離隔していない位置であることが望ましい。
【0031】
図4は、図1に示す状態から、分路リアクトル40及び中性点リアクトル50が移設された状態を示す平面図である。図4に示すように、ステップS101の工程では、分路リアクトル40及び中性点リアクトル50を変圧器10と対向しない位置へ移設している。この位置は、分路リアクトル40及び中性点リアクトル50の元の設置位置からも近く、配線工事も容易であるため、望ましい位置といえる。
【0032】
なお、分路リアクトル40及び中性点リアクトル50の移設後の位置に基礎工事が行われていない場合は、当該位置に移設するための基礎工事も行う。ただし、あらかじめ基礎工事が行われていたとしても、分路リアクトル40及び中性点リアクトル50を設置するための改良工事は必要になる。また、ステップS101の工程では、配線工事も行うが、既設の遮断器や断路器が流用可能な場合は、流用してもよい。
【0033】
ステップS102の工程は、新たな変圧器(第2の変圧器)60を構内1に設置する。変圧器60は、現状の変圧器10の代わりとなる変圧器であり、変圧器10と同等の機能を備えている装置である。変圧器60を設置する位置は、例えば、分路リアクトル40及び中性点リアクトル50が設置されていた位置であり、分路リアクトル40及び中性点リアクトル50を移設したことにより確保された空きスペースである。
【0034】
図5は、図4に示す状態から、新たな変圧器60が設置された状態を示す平面図である。図5に示すように、ステップS102の工程では、変圧器60を、分路リアクトル40及び中性点リアクトル50がもともと設置されていた、変圧器10と対向する位置へ移設している。この位置は、変圧器10の近傍、かつ変圧器引留鉄構20の近傍であり、具体的には変圧器引留鉄構20に隣接して変圧器10に対向する位置であり、高圧線30にリード線を接続させるために望ましい位置といえる。
【0035】
なお、本実施の形態では、分路リアクトル40及び中性点リアクトル50を移設してその位置に変圧器60を設置しているが、同様の位置が空きスペースとなっている場合は、機器の移設を行わずに変圧器60を設置してもよい。
【0036】
ステップS103の工程は、変圧器引留鉄構20に対して所定の改造を行う。変圧器引留鉄構20に対する改造は、具体的には例えば、変圧器引留鉄構20に設置されている碍子を、変圧器60に対応するように変更する工事をいうが、このような工事に限られず、変圧器60に対応するような改修工事全般をいう。
【0037】
図6は、図4の構内1を示す側面図である。図6に示すように、ステップS103の工程では、変圧器引留鉄構20に設置されている碍子70を、変圧器60に対応するように、例えば110kV用の碍子に変更する。ステップS103の工程は、ステップS102の工程と並行して行ってもよい。
【0038】
ステップS104の工程は、高圧線30からのリード線を変圧器60に接続して設置するための型取りを行う。図6に示すように、ステップS104の工程では、高圧線30から引き込むリード線80を設置するための型取りを行う。ステップS104の工程は、ステップS102,S103の工程と並行して行ってもよい。
【0039】
ステップS105の工程は、変圧器60に高圧線30からのリード線80を接続する。ステップS105の工程では、ステップS104で行った型取りに沿って、高圧線30から引き込むリード線80を変圧器60に接続する。ステップS105の工程は、ステップS102,S103の工程と並行して行ってもよい。
【0040】
ステップS106の工程は、取り替えの対象である変圧器10を撤去する。このとき、変圧器10をリード線80から切り離す工事を行う。なお、ステップS106の工程は、ステップS105の工程と同時に行うが、説明のためにステップを分けている。
【0041】
図7は、図5に示す状態から、変圧器10が撤去された状態を示す平面図である。また、図8は、図7の構内1を示す側面図である。図7及び図8に示すように、ステップS106の工程では、図5及び図6に示されていた変圧器10を撤去する。
【0042】
<効果>
実施の形態1に係る変圧器取替工法によれば、構内1に設置され、取替対象である変圧器(第1の変圧器)10の近傍、かつ変圧器引留鉄構20の近傍であり、(分路リアクトル40及び中性点リアクトル50の移設前の位置である)基礎工事がなされている空きスペースに、新たな変圧器(第2の変圧器)60を設置し、変圧器引留鉄構20に対して所定の改造工事を行い、高圧線(主回路)30からのリード線を設置するための型取りを行い、変圧器60にリード線を接続し、変圧器10を撤去する。そのため、構内1に既設の遮断器や断路器および母線鉄構等を流用することができる。これにより、短期間で変圧器10を変圧器60に取り替えることが可能になる。
【0043】
また、変圧器60を、変圧器引留鉄構20に隣接する変圧器10に対向するように、変圧器引留鉄構20に隣接する位置に設置する。これにより、既設の変圧器10の近傍で取替工事を行うことができるため、短期間で変圧器を取り替えることが可能になる。
【0044】
また、変圧器引留鉄構20に設置されている碍子70を、変圧器60に対応するように変更する。これにより、他の工程作業、例えば変圧器60の設置工程と並行して工事を行うことができるため、短期間で変圧器を取り替えることが可能になる。
【0045】
さらに、変圧器10の2次側に基礎工事がなされて設置されている装置である、分路リアクトル40及び中性点リアクトル50(いずれか一方のみでもよく、両方でもよい)を移設し、空きスペースを確保する。そのため、構内1に既設の遮断器や断路器および母線鉄構等を流用することができる。これにより、短期間で変圧器を取り替えることが可能になる。
【0046】
以上、この発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。
【符号の説明】
【0047】
1 :構内
10 :変圧器
20 :変圧器引留鉄構
30 :高圧線
31 :高圧線
32 :高圧線
33 :高圧線
40 :分路リアクトル
50 :中性点リアクトル
60 :変圧器
70 :碍子
80 :リード線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8