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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024006999
(43)【公開日】2024-01-18
(54)【発明の名称】電源タップ
(51)【国際特許分類】
   H01R 25/00 20060101AFI20240111BHJP
   H01R 29/00 20060101ALI20240111BHJP
【FI】
H01R25/00 C
H01R29/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022108082
(22)【出願日】2022-07-05
(71)【出願人】
【識別番号】000119830
【氏名又は名称】因幡電機産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100154726
【弁理士】
【氏名又は名称】宮地 正浩
(72)【発明者】
【氏名】橋本 康智
(57)【要約】
【課題】電源用プラグやACアダプタを接続した場合に、見た目が整然と整ったものとなり、設置スペースも小さくすることができながら、ACアダプタが外れてしまうのを抑制する。
【解決手段】機器を差込接続する差込部2を複数有する本体部1が備えられ、その本体部1の上面部には、本体部1の長手方向に並ぶ状態で複数の差込部2が列状に設置される設置面6が本体部1の幅方向に複数並設する状態で備えられ、複数の設置面6として、第1差込部21が設置される平坦状の第1設置面61と、第2差込部22が設置される傾斜状の第2設置面62とが備えられ、第1設置面61の長さが第2設置面62の長さよりも長く設定され、第1設置面61における第1差込部21は、本体部1の幅方向において中央部よりも第2設置面62から離れる側に偏移させた位置に配設されている。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源から電力の供給を受けて、接続される機器に電力を供給可能な電源タップにおいて、
機器を差込接続する差込部を複数有する本体部が備えられ、
その本体部の上面部には、本体部の長手方向に並ぶ状態で複数の差込部が列状に設置される設置面が本体部の幅方向に複数並設する状態で備えられ、
前記複数の設置面として、第1差込部が設置される平坦状の第1設置面と、第2差込部が設置される傾斜状の第2設置面とが備えられ、
前記第1設置面の長さが第2設置面の長さよりも長く設定され、
前記第1設置面における第1差込部は、本体部の幅方向において中央部よりも第2設置面から離れる側に偏移させた位置に配設されている電源タップ。
【請求項2】
前記本体部の長手方向において、第1設置面の第1差込部と第2設置面の第2差込部とが異なる位置に配設されている請求項1に記載の電源タップ。
【請求項3】
前記第2設置面には、本体部の長手方向で隣接する第2差込部の設置領域同士を区画する区画壁部が備えられ、
その区画壁部は、第1設置面の第1差込部に接続されるACアダプタを載置支持自在に構成されている請求項1又は2に記載の電源タップ。
【請求項4】
前記区画壁部は、本体部の長手方向において、第1設置面の第1差込部に対応する位置に配設され、第1設置面の第1差込部に接続されるACアダプタのケーブルを案内支持するケーブル案内支持部が備えられている請求項3に記載の電源タップ。
【請求項5】
最大出力電力量が異なる複数の出力モードを有し、それら複数の出力モードから使用する出力モードを選択可能な出力モード選択部が備えられている請求項1又は2に記載の電源タップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンセント等の電源から電力の供給を受けて、接続される電気機器等の機器に電力を供給可能な電源タップに関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような電源タップとして、電気機器等の電源用プラグを差込接続する差込部を複数有する本体部が備えられ、本体部の上面部には、本体部の長手方向に間隔を隔てて並ぶ状態で複数の差込部が配設されているものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような電源タップの差込部に差込接続するのは、電気機器等の電源用プラグだけでなく、その電源用プラグよりも対向する面積が大きなACアダプタを接続する場合もある。このとき、ACアダプタを接続すると、隣りの差込部等、他の差込部をACアダプタにて閉塞してしまうことがあるために、差込部同士の間隔を大きくとることが考えられている。しかしながら、差込部同士の間隔を大きくとると、本体部の大きさが大きくなってしまう。
【0004】
そこで、特許文献1に記載の電源タップでは、本体部の長手方向に並ぶ状態で複数の差込部が列状に設置される設置面が本体部の幅方向に2つ並設する状態で備えられ、1つ目の設置面を平坦状の設置面とし、もう1つの設置面を本体部の幅方向で平坦面の端部から本体部の一端部に向かって底面側に近づく傾斜状の設置面としている。これにより、平坦状の設置面における差込部と傾斜状の設置面における差込部とが同一面上に存在しなくなるので、ACアダプタにて他の差込部を閉塞してしまうという問題が生じ難くなり、設置面の1つを傾斜状にすることで、本体部の大きさも比較的小さくすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4075832号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の電源タップでは、本体部の幅方向における平坦状の設置面の長さが短いので、ACアダプタを接続した場合には、ACアダプタが平坦状の設置面よりも外方側に突出した状態となる。そのために、ACアダプタの接続姿勢として、ケーブルが傾斜状の設置面側に延びる接続姿勢を採用しようとしても、ACアダプタの外方側に突出した部位が傾斜状の設置面に接続されるACアダプタや電源用プラグと干渉することになる。よって、ACアダプタの接続姿勢としては、ケーブルが傾斜状の設置面側とは反対側に延びる接続姿勢に限られることになる。
【0007】
そのために、平坦状の設置面と傾斜状の設置面との両方にACアダプタや電源用プラグを接続した場合には、特許文献1の図5に示すように、本体部の幅方向の両側にケーブルが延びる状態となり、見た目も煩雑なものとなるだけでなく、設置スペースとしても本体部の幅方向に大きなスペースを要するものとなる。しかも、平坦状の設置面に接続されたACアダプタは、本体部の幅方向の外方側に大きく突出するので、その突出した部位に誤って使用者の手や他の異物が接触することで、ACアダプタが本体部から外れてしまう可能性がある。
【0008】
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、電源用プラグやACアダプタを接続した場合に、見た目が整然と整ったものとなり、設置スペースも小さくすることができながら、ACアダプタが外れてしまうのを抑制できる電源タップを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1特徴構成は、電源から電力の供給を受けて、接続される機器に電力を供給可能な電源タップにおいて、
機器を差込接続する差込部を複数有する本体部が備えられ、
その本体部の上面部には、本体部の長手方向に並ぶ状態で複数の差込部が列状に設置される設置面が本体部の幅方向に複数並設する状態で備えられ、
前記複数の設置面として、第1差込部が設置される平坦状の第1設置面と、第2差込部が設置される傾斜状の第2設置面とが備えられ、
前記第1設置面の長さが第2設置面の長さよりも長く設定され、
前記第1設置面における第1差込部は、本体部の幅方向において中央部よりも第2設置面から離れる側に偏移させた位置に配設されている点にある。
【0010】
本構成によれば、第1設置面の長さが第2設置面の長さよりも長く設定され、しかも、第1差込部は、本体部の幅方向において第1設置面の中央部よりも第2設置面から離れる側に偏移させた位置に配設されているので、本体部の横幅方向において第1差込部と第2設置面との間の距離を極力大きくすることができる。第1差込部に対するACアダプタの接続姿勢として、ケーブルが第2設置面側に延びる接続姿勢を採用した場合に、傾斜状の第2設置面の第2差込部に接続される電源用プラグとは上下方向で異なる位置となり、電源用プラグとは干渉しないことから、第2設置面の上部もACプラグの設置スペースとして活用することができる。
【0011】
これにより、第1差込部と第2設置面との間の大きなスペースだけでなく、第2設置面の上部のスペースも、ACプラグの設置スペースとして活用することができるので、第1差込部に対するACアダプタの接続姿勢として、ケーブルが第2設置面側に延びる接続姿勢を採用しても、第1差込部に接続されるACアダプタと第2差込部に接続される電源用プラグとの干渉を抑制することができる。そのために、第1差込部に対するACアダプタの接続姿勢として、ケーブルが第2設置面側とは反対側に延びる接続姿勢に限られることなく、ケーブルが第2設置面側に延びる接続姿勢を採用することもできる。
【0012】
以上のことから、第1差込部にACアダプタを接続し且つ第2差込部に電源用プラグを接続した場合に、ACアダプタのケーブルも電源用プラグのケーブルも、本体部の幅方向の一方側(第2設置面が存在する側)に延びる接続姿勢とすることができるので、特許文献1に記載の如く、本体部の幅方向の両側にケーブルが延びる状態となるものと比べて、本体部の幅方向の一方側にケーブルを集中して配線させることができ、見た目が整然と整ったものとなり、設置スペースも小さくすることができる。
【0013】
更に、第1差込部に対するACアダプタの接続姿勢として、ケーブルが第2設置面側に延びる接続姿勢を採用することで、本体部の幅方向においてACアダプタを本体部の幅内に収めることや、仮に外方側に突出してもその突出量を小さくすることができるので、使用者の手や他の異物がACアダプタに接触することで、ACアダプタが本体部から外れてしまうという問題の発生を防止することもできる。
【0014】
本発明の第2特徴構成は、前記本体部の長手方向において、第1設置面の第1差込部と第2設置面の第2差込部とが異なる位置に配設されている点にある。
【0015】
本構成によれば、本体部の長手方向において、第1設置面の第1差込部と第2設置面の第2差込部とが異なる位置に配設されているので、第1差込部に接続されるACアダプタやそのケーブルと、第2差込部に接続される電源用プラグやそのケーブルとを、本体部の長手方向で異なる位置に存在させることができる。これにより、第1差込部に接続されるACアダプタと第2差込部に接続される電源用プラグとが、ケーブルも含めた状態での干渉を適切に防止することができる。
【0016】
本発明の第3特徴構成は、前記第2設置面には、本体部の長手方向で隣接する第2差込部の設置領域同士を区画する区画壁部が備えられ、
その区画壁部は、第1設置面の第1差込部に接続されるACアダプタを載置支持自在に構成されている点にある。
【0017】
例えば、第2差込部に電源用プラグを接続した際に、スパークが発生して、本体部の長手方向で隣接する第2差込部にノイズとしてその悪影響が及ぶ可能性がある。そこで、本構成によれば、本体部の長手方向で隣接する第2差込部の設置領域同士を区画する区画壁部が備えられ、スパークの発生に伴って第2差込部が悪影響を受けるのを区画壁部にて防止することができる。
【0018】
第1差込部に接続されるACアダプタの接続姿勢として、ケーブルが第2設置面側に延びる接続姿勢を採用した場合に、ACアダプタの端部側部位が傾斜状の第2設置面の上部に存在することがある。このとき、ACアダプタの端部側部位を載置支持するものがなければ、その端部側部位が下方側に移動して、第1差込部からACアダプタが外れてしまう可能性がある。
【0019】
そこで、本構成によれば、第2差込部の設置領域同士を区画する区画壁部を利用して、その区画壁部にて第1差込部に接続されるACアダプタを載置支持自在としている。これにより、ACアダプタの端部側部位が傾斜状の第2設置面の上部に存在する場合でも、ACアダプタの端部側部位を区画壁部にて載置支持することができるので、その端部側部位が下方側に移動するのを防止して、第1差込部からACアダプタが外れてしまうのを防止することができる。
【0020】
本発明の第4特徴構成は、前記区画壁部は、本体部の長手方向において、第1設置面の第1差込部に対応する位置に配設され、第1設置面の第1差込部に接続されるACアダプタのケーブルを案内支持するケーブル案内支持部が備えられている点にある。
【0021】
第1差込部に接続されるACアダプタの接続姿勢として、ケーブルが第2設置面側に延びる接続姿勢を採用した場合に、ケーブルが自重等により下方側に落下すると、第2設置面の第2差込部の近くにケーブルが存在することがある。このとき、第2差込部に電源用プラグを接続した際に、スパークが発生すると、その悪影響がACアダプタのケーブルに及ぶ可能性がある。
【0022】
そこで、本構成によれば、第2差込部の設置領域同士を区画する区画壁部を利用して、本体部の長手方向において第1差込部に対応する位置に区画壁部を配設し、その区画壁部にケーブル案内支持部が備えられている。これにより、ケーブル案内支持部にて、第1差込部に接続されるACアダプタのケーブルを案内支持して、第2差込部の近くにケーブルが移動するのを防止することができ、スパークの発生に伴って悪影響を受けるのを防止することができる。
【0023】
本発明の第5特徴構成は、最大出力電力量が異なる複数の出力モードを有し、それら複数の出力モードから使用する出力モードを選択可能な出力モード選択部が備えられている点にある。
【0024】
このような電源タップは、電源から電力の供給を受けて、接続される機器に電力を供給可能であるので、例えば、ハイブリッド自動車や電気自動車等の車両のバッテリに蓄電されている電力を各種の電気機器に供給する使用形態にて電源タップを使用することができる。このとき、車両側のヒューズの遮断等を防止することが必要となる。
【0025】
そこで、本構成によれば、最大出力電力量が異なる複数の出力モードを有し、それら複数の出力モードから使用する出力モードを選択可能な出力モード選択部が備えられている。これにより、電源タップの出力電力量を、出力モード選択部にて選択した出力モードの最大出力電力量に制限することができ、車両側のヒューズの遮断等を防止することができる。しかも、複数の出力モードを有しているので、車両の状況や機器の使用状況等に応じて、適切な出力モードを選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】電源タップの全体を示す斜視図
図2】電源タップを第2使用形態にて使用する場合を示す概略図
図3】本体部の要部を示す平面図
図4】(A)第1ACアダプタを接続した状態における本体部の側面図、(B)第2ACアダプタを接続した状態における本体部の側面図、(C)第3ACアダプタを接続した状態における本体部の側面図
図5】第1ACアダプタを接続状態のまま、電源用プラグを取り外す様子を示す本体部の側面図
図6】第1ACアダプタが外れるのを防止する様子を示す本体部の側面図
図7】第3ACアダプタのケーブルを案内支持する様子を示す本体部の側面図
図8】本体部の制御ブロック図
図9】別実施形態における本体部の要部を示す平面図
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明に係る電源タップの実施形態について図面に基づいて説明する。
この電源タップは、電源から電力の供給を受けて、接続される機器に電力を供給可能なものであり、図1に示すように、各種の機器を差込接続する差込部2を複数有する本体部1が備えられている。
【0028】
本体部1は、図1に示すように、左右方向に長尺な立方体形状に形成されており、その左右方向を本体部1の長手方向X1とし、その長手方向X1に直交する方向を本体部1の幅方向X2としている。
【0029】
本体部1の長手方向X1の一端部(図1において左上方側)には、電源用プラグ4を有するケーブル3が接続され、本体部1の長手方向X1の他端部(図1において右下方側)には、S字管等の引っ掛け具に引っ掛けて使用するための引掛け孔部5が備えられている。
【0030】
本体部1の長手方向X1の一端側(図1において左上方側)には、出力している電力量を表示する電力量表示部41と、出力モードを選択する出力モード選択部42と、出力停止、過電流状態、漏電状態等を表示するLED表示部43とが備えられている。本体部1の長手方向X1の他端部(図1において右下方側)には、追加の差込部2として、USB用差込部23が本体部1の幅方向X2に並ぶ状態で複数(例えば、4つ)備えられている。
【0031】
本体部1は、住居等の建物内において、壁等のコンセントに電源用プラグ4を接続して、各種の電気機器に電力を供給可能とする第1使用形態にて使用することができる。本体部1は、この第1使用形態だけでなく、例えば、図2に示すように、ハイブリッド自動車や電気自動車等の車両100のバッテリに蓄電されている電力を各種の電気機器101に供給可能とする第2使用形態にて使用することもできる。
【0032】
この第2使用形態では、図2に示すように、車両100のコンセントに電源用プラグ4を接続して、本体部1と住居等の建物102のコンセント103等とをケーブル104にて接続することで、建物102における室内機、室外機や冷蔵庫等の電気機器101に電力を供給して、それら電気機器101を使用することができる。また、車両100のコンセントに電源用プラグ4を接続して、本体部1にケトル等の電気機器101のケーブル105を接続することで、屋外において、電気機器101を使用することもできる。
【0033】
このように、車両100と電気機器101とに接続自在な本体部1を備えることで、屋内に限らず、屋外でも、各種の電気機器101を使用することができるので、例えば、災害時等に、車両100を蓄電池として有効に活用しながら、各種の電気機器101を使用することができる。
【0034】
本体部1の上面部には、図1に示すように、複数の差込部2が備えられているが、図3に示すように、複数の差込部2が並ぶ方向を本体部1の長手方向X1とし、その長手方向X1に直交する方向を本体部1の幅方向X2として、以下、説明を加える。
【0035】
本体部1の上面部には、図1及び図3に示すように、本体部1の長手方向X1に並ぶ状態で複数の差込部2が列状に設置される設置面6が本体部1の幅方向X2に複数並設する状態で備えられている。図3では、第1差込部21をACアダプタ接続用とし、第2差込部22を電源用プラグ接続用として、第1差込部21にACアダプタ8が接続され、第2差込部22に電源用プラグ7が接続されている状態を示しており、ACアダプタ8及び電源用プラグ7を点線にて示している。
【0036】
この実施形態では、設置面6として、第1差込部21が設置される平坦状の第1設置面61と、第2差込部22が設置される傾斜状の第2設置面62との2つの設置面6が備えられている。
【0037】
ここで、電源タップの使用形態として、図3に示すように、第1差込部21にACアダプタ8を接続し、第2差込部22に電源用プラグ7を接続する使用形態を意図しているが、第1差込部21と第2差込部22とは、電源用プラグ7も、ACアダプタ8のプラグ84も、差込接続可能な同様の構成であるので、第1差込部21に対して電源用プラグ7を差込接続することも、第2差込部22に対して、ACアダプタ8のプラグ84を差込接続してACアダプタ8を接続することもできる。
【0038】
第1設置面61と第2設置面62とは、図1及び図3に示すように、本体部1の長手方向X1の中央側領域において、本体部1の幅方向X2に隣接する状態で備えられている。第1設置面61は、本体部1の幅方向X2でその中央側から一端部側まで平坦な平坦面にて構成されており、第2設置面62は、本体部1の幅方向X2でその中央側から他端部側に向けて本体部1の下面部側に近づく傾斜面にて構成されている。
【0039】
第1設置面61には、図3に示すように、複数の第1差込部21(例えば、3つ)が本体部1の長手方向X1に間隔を隔てて列状に配設されており、第2設置面62にも、複数の第2差込部22(例えば、4つ)が本体部1の長手方向X1に間隔を隔てて列状に配設されている。複数の第1差込部21の夫々と複数の第2差込部22の夫々とは、本体部1の長手方向X1で異なる位置に配設されている。
【0040】
例えば、第1差込部21は、図3に示すように、本体部1の長手方向X1で隣接する第2差込部22の間の中央部に配設されており、第2差込部22も、本体部1の長手方向X1で隣接する第1差込部21の間の中央部に配設されている。本体部1の長手方向X1において、隣接する第1差込部21の間の間隔と隣接する第2差込部22の間の間隔は、同一又は略同一の間隔に設定されている。
【0041】
第1設置面61と第2設置面62とは、図1及び図4(A)に示すように、その長さが異なっている。第1設置面61の長さA1が第2設置面62の長さA2よりも長く設定されている。第1設置面61における第1差込部21は、図3に示すように、本体部1の幅方向X2において第1設置面61の中央部Bよりも第2設置面62から離れる側に偏移させた位置に配設されている。これにより、第1差込部21から第2設置面62までの距離を比較的大きく取ることができ、この第1差込部21から第2設置面62までのスペースを、第1差込部21に接続されるACアダプタ8の設置スペースとして活用することができる。
【0042】
このように、図1及び図3に示すように、本体部1の長手方向X1では、複数の第1差込部21の夫々と複数の第2差込部22の夫々とを異なる位置に配設し、第1設置面61の長さA1を第2設置面62の長さA2よりも長くし、第1差込部21を、本体部1の幅方向X2において第1設置面61の中央部Bよりも第2設置面62から離れる側に偏移させた位置に配設することで、第1差込部21に接続させるACアダプタ8の接続姿勢として、ケーブル85が第2設置面62側に延びる通常接続姿勢を採用した場合でも、図3及び図4に示すように、第1差込部21に接続されるACアダプタ8及びそのケーブル85と第2差込部22に接続される電源用プラグ7及びそのケーブル71との干渉を、ケーブル同士も含めて回避することができる。
【0043】
図3に示すものでは、ACアダプタ8として、本体部1の長手方向X1や本体部1の幅方向X2での長さが異なる3種類のACアダプタ8を示しており、本体部1の幅方向X2の長さが一番長い第1ACアダプタ81と、本体部1の幅方向X2の長さが二番目に長い第2ACアダプタ82と、本体部1の幅方向X2の長さが一番短い第3ACアダプタ83とを図示している。図4(A)は、第1ACアダプタ81を接続した状態における側面図であり、図4(B)は、第2ACアダプタ82を接続した状態における側面図であり、図4(C)は、第3ACアダプタ83を接続した状態における側面図である。
【0044】
第1ACアダプタ81については、図3に示すように、第1ACアダプタ81の下方側部位が第2設置面62側に突出する突出部位81aとなっており、その突出部位81aが電源用プラグ7と重複している。しかしながら、図4(A)に示すように、第1ACアダプタ81の突出部位81aと電源用プラグ7とは、上下方向で離れた位置に存在しており、第1ACアダプタ81と電源用プラグ7とは干渉することがない。また、第1ACアダプタ81のケーブル85と電源用プラグ7のケーブル71とは、図3に示すように、本体部1の長手方向X1で異なる位置に存在しており、干渉することがない。
【0045】
第2ACアダプタ82についても、図3に示すように、第1ACアダプタ81と同様に、第2ACアダプタ82の下方側部位が第2設置面62側に突出する突出部位82aとなっており、その突出部位82aが電源用プラグ7と重複している。しかしながら、図4(B)に示すように、第2ACアダプタ82の突出部位82aと電源用プラグ7とは、上下方向で離れた位置に存在しており、第2ACアダプタ82と電源用プラグ7とは干渉することがない。また、第2ACアダプタ82のケーブル85と電源用プラグ7のケーブル71とは、図3に示すように、本体部1の長手方向X1で異なる位置に存在しており、干渉することがない。
【0046】
第3ACアダプタ83については、図3に示すように、第2設置面62側に突出する部位がなく、第1設置面61の幅内に収まっており、第3ACアダプタ83と電源用プラグ7とで重複する部分はない。しかも、図4(C)に示すように、第3ACアダプタ83とと電源用プラグ7とは、上下方向でも離れた位置に存在しており、第3ACアダプタ83と電源用プラグ7とは干渉することがない。また、第3ACアダプタ83のケーブル85と電源用プラグ7のケーブル71とは、図3に示すように、本体部1の長手方向X1で異なる位置に存在しており、干渉することがない。
【0047】
このようにして、ACアダプタ8及びそのケーブル85と電源用プラグ7及びそのケーブル71とがお互いに干渉することなく、図3の点線にて示すように、第2差込部22に接続される電源用プラグ7を、その電源用プラグ7やケーブル71が第2設置面62から本体部1の幅方向X2の外方側に延びる通常接続姿勢とし、第1差込部21に接続させるACアダプタ8についても、電源用プラグ7と同様に、ACアダプタ8やケーブル85が第2設置面62から本体部1の幅方向X2の外方側に延びる通常接続姿勢を採用することができる。これにより、ACアダプタ8のケーブル85と電源用プラグ7のケーブル71とを、本体部1の幅方向X2において一方側に集中して配線させることができる。
【0048】
また、第1設置面61は、第2設置面62よりも長さが長く、第1差込部21の配設位置が第2設置面62よりも離れる側に偏移させているので、第1差込部21と第2設置面62との間のスペースを、ACアダプタ8の設置スペースとして有効に活用して、第3ACアダプタ83を、第1差込部21と第2設置面62との間のスペース内に収める状態で設置させることができる。第1ACアダプタ81と第2ACアダプタ82については、第2設置面62側に突出部位81a、82aが突出しているが、第2差込部22に接続される電源用プラグ7よりも上方側に存在させることで、電源用プラグ7との干渉が回避されている。しかも、第2設置面62を傾斜状とすることで、第2設置面62の上部もACアダプタ8の設置スペースとして有効に活用することができ、第2ACアダプタ82の突出部位82aが本体部1の外方側まで突出していない。第1ACアダプタ81は、本体部1の外方側に突出するものの、その突出量がごくわずかである。これにより、使用者の手や他の異物がACアダプタ8に接触することで、ACアダプタ8が本体部1から外れてしまうという問題の発生を的確に防止することができる。
【0049】
ここで、傾斜状の第2設置面62については、図5に示すように、その傾斜角度が所定角度αに設定されている。この傾斜角度は、本体部1の底面部と傾斜状の第2設置面62との間の角度となっている。これにより、第1差込部21にACアダプタ8を接続した状態であっても、図5の矢印にて示すように、ACアダプタ8が邪魔になることなく、第2差込部22から電源用プラグ7を抜く(外す)操作をスムーズに行うことができる。また、図示は省略するが、第1差込部21にACアダプタ8を接続した状態であっても、ACアダプタ8が邪魔になることなく、第2差込部22に電源用プラグ7を差し込む操作もスムーズに行うことができる。
【0050】
図5では、ACアダプタ8と電源用プラグ7との間の距離が一番近くなる、第1ACアダプタ81の場合を図示している。所定角度αについては、例えば、64度としているが、どのような角度にするかは適宜変更が可能である。例えば、60度~90度未満の範囲において適宜設定することもできる。
【0051】
第2設置面62には、図1に示すように、本体部1の長手方向X1で隣接する第2差込部22の設置領域同士を区画する区画壁部31が備えられている。区画壁部31は、図3に示すように、本体部1の幅方向X2に延びる板状体にて構成されており、第2設置面62の端部よりも本体部1の外方側に突出する状態で備えられている。この区画壁部31を備えることで、第2差込部22に電源用プラグ7を接続した際にスパークが発生しても、その悪影響が本体部1の長手方向X1で隣接する第2差込部22に及ぶのを防止することができる。
【0052】
第1ACアダプタ81において第2設置面62側に突出する突出部位81aは、図6に示すように、傾斜状の第2設置面62の上方側に存在することになる。このとき、第1ACアダプタ81の突出部位81aを下方側から載置支持するものがなければ、その突出部位81aが下方側に移動して、第1差込部21から第1ACアダプタ81が外れてしまう可能性がある。
【0053】
そこで、区画壁部31は、第2差込部22の設置領域同士を区画する機能だけでなく、第1設置面61の第1差込部21に接続されるACアダプタ8を載置支持自在に構成されている。図6に示すように、区画壁部31の上端部32は、第1設置面61と同じ高さとなっており、区画壁部31の上端部32と第1設置面61とが面一に構成されている。第1ACアダプタ81の突出部位81aが下方側に移動しようとすると、区画壁部31の上端部32が、第1ACアダプタ81の突出部位81aの底面部に当接して、第1ACアダプタ81を載置支持している。よって、第1差込部21から第1ACアダプタ81が外れてしまうのを防止することができる。図6では、ACアダプタ8として、長さの一番長い第1ACアダプタ81を例示しているが、図4(B)に示すように、第2設置面62側に突出する突出部位82aを有する第2ACアダプタ82では、第2ACアダプタ82の突出部位82aが下方側に移動しないように、区画壁部31の上端部32が第2ACアダプタ82の突出部位82aの底面部に当接して、第2ACアダプタ82を載置支持することができる。このように、区画壁部31の上端部32は、第1差込部21に接続されたACアダプタ8の底面部に当接して、第1差込部21に接続されたACアダプタ8を載置支持することで、ACアダプタ8が第1差込部21から外れてしまうのを防止している。
【0054】
区画壁部31は、図3に示すように、本体部1の長手方向X1において、第1設置面61の第1差込部21に対応する位置に配設されている。例えば、区画壁部31は、本体部1の長手方向X1において、第1差込部21の中央部に配設されている。これにより、本体部1の長手方向X1において、区画壁部31と第1差込部21に接続されるACアダプタ8のケーブル85とが重複する位置に存在することになる。図3では、第2ACアダプタ82のケーブル85、及び、第3ACアダプタ83のケーブル85が、区画壁部31と重複している。
【0055】
そこで、区画壁部31の上端部32には、図7に示すように、第1設置面61の第1差込部21に接続されるACアダプタ8のケーブル85を案内支持するケーブル案内支持部33が備えられている。ケーブル案内支持部33は、図3に示すように、区画壁部31の上端部32に形成されたV字状の溝部にて構成されており、ACアダプタ8のケーブル85を区画壁部31の延設方向(本体部1の幅方向X2)に沿って案内支持している。
【0056】
本体部1には、図8に示すように、最大出力電力量が異なる複数の出力モードを有する出力モード実行部51と、複数の出力モードから使用する出力モードを選択可能な出力モード選択部42(図1参照)と、過電流を防止する過電流防止機能部52と、漏電を防止する漏電防止機能部53と、電力量表示部41(図1参照)と、LED表示部43(図1参照)とが備えられている。
【0057】
出力モード実行部51は、最大出力電力量を第1電力量(例えば、100W)とする第1出力モードと、最大出力電力量を第2電力量(例えば、200W)とする第2出力モードと、最大出力電力量を第3電力量(例えば、300W)とする第3出力モードと、最大出力電力量を第4電力量(例えば、400W)とする第4出力モードと、最大出力電力量を第5電力量(例えば、500W)とする第5出力モードと、最大出力電力量を第6電力量(例えば、1000W)とする第6出力モードと、最大出力電力量を第7電力量(例えば、1500W)とする第7出力モードとの7つの出力モードを有している。
【0058】
出力モード選択部42は、図1に示すように、本体部1の長手方向X1の一端部に配設されており、出力モード選択部42を使用者が人為操作することによって、複数の出力モードから使用する出力モードを選択可能としている。
【0059】
過電流防止機能部52は、使用する出力モードの最大出力電力量を超える場合に、電力の出力を停止させるものであり、例えば、電子ブレーカー等が備えられている。過電流状態により電力の出力を停止させる場合に、過電流防止機能部52は、LED表示部43にて過電流状態により出力停止したことを識別可能に表示している。
【0060】
漏電防止機能部53は、漏電が発生した場合に、電力の出力を停止させるものであり、例えば、漏電ブレーカー等が備えられている。漏電状態により電力の出力を停止させる場合に、漏電防止機能部53は、LED表示部43にて漏電状態により出力停止したことを識別可能に表示している。
【0061】
〔別実施形態〕
本発明の他の実施形態について説明する。尚、以下に説明する各実施形態の構成は、夫々単独で適用することに限らず、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
【0062】
(1)上記実施形態では、図1及び図3に示すように、第2設置面62に対して第2差込部22のみを備えさせ、第1設置面61や第2設置面62とは別の部位にUSB用差込部23を備えさせているが、例えば、図9に示すように、第2設置面62に対して、第2差込部22とUSB用差込部23との両方を備えさせることもできる。この場合、第1設置面61や第2設置面62とは別の部位にUSB用差込部23を備えなくてもよい。
【0063】
図9では、第2設置面62に対して、第2差込部22とUSB用差込部23とを2つずつ備えさせている。これにより、2つの第2差込部22の夫々には、電源用プラグ7が接続されており、2つのUSB用差込部23の夫々には、USB電源用プラグ72が接続されている。
【0064】
また、図9では、第2設置面62に対して、第2差込部22とUSB用差込部23との両方を備えさせているが、例えば、第2設置面62に対してUSB用差込部23のみを備えさせることもできる。
【0065】
(2)上記実施形態では、本体部1を1つの部材として備えているが、例えば、ケーブル3が接続されて電力量表示部41、出力モード選択部42、LED表示部43等が配設されている本体部1の長手方向X1の一端側部位を第1分割ユニットとし、複数の差込部2が配設されている本体部1の長手方向X1の他端側部位を第2分割ユニットとして、本体部1を第1分割ユニットと第2分割ユニットとに分割可能に構成することもできる。この場合、第1分割ユニットと第2分割ユニットとに分割すると、第1分割ユニットと第2分割ユニットとをケーブル等で接続しておくことができる。
【符号の説明】
【0066】
1 本体部
2 差込部
7 電源用プラグ
8 ACアダプタ
21 第1差込部
22 第2差込部
31 区画壁部
33 ケーブル案内支持部
42 出力モード選択部
61 第1設置面
62 第2設置面
81 第1ACアダプタ
82 第2ACアダプタ
83 第3ACアダプタ
85 ACアダプタのケーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9