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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024069994
(43)【公開日】2024-05-22
(54)【発明の名称】鋼材切断装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   B23K 7/10 20060101AFI20240515BHJP
   C10L 3/12 20060101ALI20240515BHJP
   F23D 14/42 20060101ALI20240515BHJP
   F23D 14/38 20060101ALI20240515BHJP
   F23D 14/22 20060101ALI20240515BHJP
【FI】
B23K7/10 T
B23K7/10 U
C10L3/12
F23D14/42
F23D14/38 B
F23D14/22 C
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022180317
(22)【出願日】2022-11-10
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (1)令和3年11月10日、三菱製鋼株式会社が、以下アドレスのウェブサイトで公開されている三菱製鋼株式会社のニュースリリースのウェブサイトにて、豊島崇行及び松平光が発明した鋼材切断装置及び方法について公開した。 https://www.mitsubishisteel.co.jp/ https://www.mitsubishisteel.co.jp/news/2021.html https://www.mitsubishisteel.co.jp/news/pdf/20211110_2.pdf (2)令和3年11月10日、一般社団法人 日本経済団体連合会が、以下アドレスのウェブサイトで公開されているチャレンジ・ゼロのウェブサイトのイノベーション事例のウェブサイトにて、豊島崇行及び松平光が発明した鋼材切断装置及び方法について公開した。 日本語版:https://www.challenge-zero.jp/jp/ https://www.challenge-zero.jp/jp/casestudy/ https://www.challenge-zero.jp/jp/casestudy/808 英語版:https://www.challenge-zero.jp/en/ https://www.challenge-zero.jp/en/casestudy/ https://www.challenge-zero.jp/en/casestudy/810 (3)令和3年11月11日、株式会社産業新聞社が、日刊産業新聞の第2面にて、豊島崇行及び松平光が発明した鋼材切断装置及び方法について公開した。 (4)令和3年12月20日、株式会社産業新聞社が、以下アドレスのウェブサイトで公開されているWEB日刊産業新聞のウェブサイトにて、豊島崇行及び松平光が発明した鋼材切断装置及び方法について公開した。 https://www.japanmetal.com/ https://www.japanmetal.com/news-to20211220113515.html
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (5)令和4年5月19日、三菱製鋼株式会社が、以下アドレスのウェブサイトで公開されている三菱製鋼株式会社の株主・投資家情報のウェブサイトにて、豊島崇行及び松平光が発明した鋼材切断装置及び方法について公開した。 https://www.mitsubishisteel.co.jp/ https://www.mitsubishisteel.co.jp/ir/ https://www.mitsubishisteel.co.jp/ir/presentation/pdf/20220520.pdf (6)令和4年5月26日、株式会社産業新聞社が、以下アドレスのウェブサイトで公開されているWEB日刊産業新聞のウェブサイトにて、豊島崇行及び松平光が発明した鋼材切断装置及び方法について公開した。 https://www.japanmetal.com/ https://www.japanmetal.com/news-to20220526118102.html (7)令和4年6月22日、三菱製鋼株式会社が、以下アドレスのウェブサイトで公開されている三菱製鋼株式会社のニュースリリースのウェブサイトにて、豊島崇行及び松平光が発明した鋼材切断装置及び方法について公開した。 https://www.mitsubishisteel.co.jp/ https://www.mitsubishisteel.co.jp/news/2022.html https://www.mitsubishisteel.co.jp/news/pdf/20220622.pdf (8)令和4年9月13日、三菱製鋼株式会社が、日刊産業新聞の第1面にて、豊島崇行及び松平光が発明した鋼材切断装置及び方法について公開した。
(71)【出願人】
【識別番号】000176833
【氏名又は名称】三菱製鋼株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】豊島 崇行
(72)【発明者】
【氏名】松平 光
【テーマコード(参考)】
3K019
【Fターム(参考)】
3K019BB02
3K019CA03
(57)【要約】
【課題】熱間加工工程における鋼材を燃料ガスに水素ガスを用いてガス切断する。
【解決手段】鋼材切断装置1は、水素ガス供給源を含む燃料ガス供給源と、酸素ガス供給源と、燃料ガス供給源から供給された燃料ガス及び酸素ガス供給源から供給された酸素ガスを先端に設けられた火口2aへ供給し、火口2aから大気中に噴出させた燃料ガス及び酸素ガスで火炎102を形成して熱間加工工程における鋼材101を予熱し、予熱した鋼材101の表面に向けて火口2aから酸素ガスを吹き付けて鋼材101が酸化反応による発熱によって溶融して貫かれるようにする吹管2と、鋼材101が貫かれるように溶融した部分が鋼材101を横切るように形成されて鋼材101を切断するように、火口2aから酸素ガスを吹き付ける吹管2が鋼材101の表面を横切るように移動させる駆動装置とを有している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋼材を切断する鋼材切断装置であって、
水素ガス供給源を含み、前記水素ガス供給源から供給された水素ガスを燃料ガスとして供給する燃料ガス供給源と、
酸素ガスを供給する酸素ガス供給源と、
前記燃料ガス供給源から供給された燃料ガス及び前記酸素ガス供給源から供給された酸素ガスを先端に設けた火口に供給し、前記火口から噴出した燃料ガス及び酸素ガスで形成した火炎で熱間加工工程における鋼材を予熱し、予熱した前記鋼材の表面に向けて前記火口から酸素ガスを吹き付けて前記鋼材が酸化反応による発熱によって溶融して貫かれるようにする吹管と、
前記鋼材が貫かれるように溶融した部分が前記鋼材を横切るように形成されて前記鋼材を切断するように、前記火口から酸素ガスを吹き付ける前記吹管が鋼材の表面を横切るように移動させる駆動装置と
を含む鋼材切断装置。
【請求項2】
前記燃料ガス供給源は、炭化水素ガスを供給する炭化水素ガス供給源をさらに含み、前記水素ガス供給源から供給された水素ガスに前記炭化水素ガス供給源から供給された炭化水素ガスを混合した燃料ガスを供給する請求項1に記載の鋼材切断装置。
【請求項3】
前記炭化水素ガス供給源は、LPガスを供給する請求項2に記載の鋼材切断装置。
【請求項4】
前記燃料ガス供給源は、前記燃料ガスにおいて水素ガスが質量比で10%以上含まれるように水素ガスに炭化水素ガスを混合する請求項2に記載の鋼材切断装置。
【請求項5】
前記吹管の火口は、前記鋼材の表面に90mmから180mmまでの範囲にある間隙を介して対向する請求項1から4のいずれか一項に記載の鋼材切断装置。
【請求項6】
前記吹管の火口から酸素ガスが延びる方向に130mmから600mmの厚さを有する鋼材の切断を可能にする請求項1から4のいずれか一項に記載の鋼材切断装置。
【請求項7】
連続鋳造工程を構成する一連の装置に含まれる請求項1から4のいずれか一項に記載の鋼材切断装置。
【請求項8】
連続鋳造工程において鋳片を切断してスラブ又はブルームに加工する請求項1から4のいずれか一項に記載の鋼材切断装置。
【請求項9】
連続鋳造工程においてスラブ又はブルームを切断する請求項1から4のいずれか一項に記載の鋼材切断装置。
【請求項10】
鋼材を切断する鋼材切断方法であって、
熱間加工工程にある鋼材を提供する工程と、
水素ガス供給源から供給された水素ガスを燃料ガスとして供給する工程と、
供給された燃料ガス及び酸素ガスを吹管の先端に設けられた火口から大気中に噴出させて火炎を形成する工程と、
前記吹管の火口から延びる火炎が鋼材を予熱するように前記吹管を前記鋼材の表面に対向して設置する工程と、
予熱した前記鋼材の表面に向けて前記吹管の火口から酸素ガスを吹き付けて前記鋼材が酸化反応による発熱によって溶融して貫かれるようにする工程と、
前記吹管から前記鋼材に向かう酸素ガスによって前記鋼材が貫かれるよう溶融した部分が前記鋼材を横切るように形成されて前記鋼材を切断するように、前記火口から酸素ガスを吹き付ける吹管が前記鋼材の表面を横切るように移動させる工程と
を含む鋼材切断方法。
【請求項11】
前記燃料ガスを供給する工程は、水素ガスに炭化水素ガスを混合して燃料ガスとして提供する請求項10に記載の鋼材切断方法。
【請求項12】
前記炭化水素ガスは、LPガスである請求項11に記載の鋼材切断方法。
【請求項13】
前記燃料ガスは、質量比で10%以上の水素ガスを含む請求項11に記載の鋼材切断方法。
【請求項14】
前記吹管の火口は、前記鋼材の表面に90mmから180mmまでの範囲にある間隙を介して対向するように設置される請求項10から12のいずれか一項に記載の鋼材切断方法。
【請求項15】
前記吹管の火口から酸素ガスが延びる方向に130mmから600mmの厚さを有する鋼材の切断を可能にする請求項10から12のいずれか一項に記載の鋼材切断方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ガス切断により鋼材を切断する鋼材切断装置及び方法に関し、詳しくは、熱間加工工程において鋼材を切断する鋼材切断装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ガス切断により鋼材を切断する鋼材切断装置が広く利用されている。ガス切断による鋼材切断装置は、鋼材に燃料ガス及び酸素ガスで形成した火炎を吹き付けて鋼材の切断を開始する位置を予熱し、予熱した位置に酸素ガスを吹き付けて酸化反応による発熱で鋼材を溶融させて切断するものである。
【0003】
このような鋼材切断装置の燃料ガスとしてはLPガスのような炭化水素ガスが使用されているが、特許文献1及び2には、炭化水素ガスに水素ガスを混合して燃料ガスとする技術が開示されている。特許文献1は鋼材等のワークをガス切断するものであり、特許文献2は鋼片を切断する可搬式のガス切断機を提供するものであり、特許文献1及び2のいずれもガス切断は冷間で使用される。
【0004】
近年、カーボンニュートラルを実現する脱炭素化社会の実現に向けて、製造業におけるCO排出量を削減する取り組みが進められている。このような観点から、製造業で使用する燃料ガスを燃焼によりCOを排出する炭化水素ガスから、COを排出しない水素ガスに置き換える技術が研究されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018-34191号公報
【特許文献2】特開2018-167299号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
製鋼業においても、連続鋳造工程のような熱間加工工程に使用する燃料ガスを炭化水素ガスから水素ガスに置き換える技術が研究されている。しかしながら、熱間加工工程における鋼材のガス切断に使用する燃料ガスとして、炭化水素ガスを水素ガスに置き換える技術は提供されていなかった。
【0007】
この発明は、上述の実情に鑑みて提案されるものであって、熱間加工工程における鋼材を燃料ガスに水素ガスを用いてガス切断するような鋼材切断装置及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決するために、この発明に係る鋼材切断装置は、鋼材を切断するものあって、水素ガス供給源を含み、水素ガス供給源から供給された水素ガスを燃料ガスとして供給する燃料ガス供給源と、酸素ガスを供給する酸素ガス供給源と、燃料ガス供給源から供給された燃料ガス及び酸素ガス供給源から供給された酸素ガスを先端に設けた火口へ供給し、火口から噴出した燃料ガス及び酸素ガスで形成した火炎で熱間加工工程における鋼材を予熱し、予熱した鋼材の表面に向けて火口から酸素ガスを吹き付けて鋼材が酸化反応による発熱によって溶融して貫かれるようにする吹管と、鋼材が貫かれるように溶融した部分が鋼材を横切るように形成されて鋼材を切断するように、火口から酸素ガスを吹き付ける吹管が鋼材の表面を横切るように移動させる駆動装置とを含む。
【0009】
燃料ガス供給源は、炭化水素ガスを供給する炭化水素ガス供給源をさらに含み、水素ガス供給源から供給された水素ガスに炭化水素ガス供給源から供給された炭化水素ガスを混合した燃料ガスを供給してもよい。炭化水素ガス供給源は、LPガスを供給してもよい。燃料ガス供給源は、燃料ガスにおいて水素ガスが質量比で10%以上含まれるように水素ガスに炭化水素ガスを混合してもよい。
【0010】
吹管の火口は、鋼材の表面に90mmから180mmまでの範囲にある間隙を介して対向してもよい。吹管の火口から酸素ガスが延びる方向に130mmから600mmの厚さを有する鋼材の切断を可能にしてもよい。
【0011】
連続鋳造工程を構成する一連の装置に含まれてもよい。連続鋳造工程において鋳片を切断してスラブ又はブルームに加工してもよい。連続鋳造工程においてスラブ又はブルームを切断してもよい。
【0012】
この出願に係る鋼材切断方法は、鋼材を切断するものであって、熱間加工工程にある鋼材を提供する工程と、水素ガス供給源から供給された水素ガスを燃料ガスとして供給する工程と、供給された燃料ガス及び酸素ガスを吹管の先端に設けられた火口から大気中に噴出させて火炎を形成する工程と、吹管の火口から延びる火炎が鋼材を予熱するように吹管を鋼材の表面に対向して設置する工程と、予熱した鋼材の表面に向けて吹管の火口から酸素ガスを吹き付けて鋼材が酸化反応による発熱によって溶融して貫かれるようする工程と、鋼材が貫かれるように溶融した部分が鋼材を横切るように形成されて鋼材を切断するように、火口から酸素ガスを吹き付ける吹管が鋼材の表面を横切るように移動させる工程とを含む。
【0013】
燃料ガスを供給する工程は、水素ガスに炭化水素ガスを混合して燃料ガスとして提供してもよい。炭化水素ガスは、LPガスであってもよい。燃料ガスは、質量比で10%以上の水素ガスを含んでもよい。
【0014】
吹管の火口は、鋼材の表面に90mmから180mmまでの範囲にある間隙を介して対向するように設置されてもよい。吹管の火口から酸素ガスが延びる方向に130mmから600mmの厚さを有する鋼材の切断を可能にしてもよい。
【発明の効果】
【0015】
この発明によると、熱間加工工程における鋼材を燃料ガスに水素ガスを用いて予熱することでガス切断することができ、ひいては、鋼材のガス切断により発生するCOの排出量を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】鋼材切断装置の概略的な構成を示す図である。
図2】鋼材切断装置の吹管の火口の断面図である。
図3】鋼材切断方法の一連の工程を示すフローチャートである。
図4】鋼材切断装置の使用の態様を示す側面図である。
図5】鋼材切断装置を含む連続鋳造工程を示す側面図である。
図6】鋼材のガス切断を説明する写真である。
図7】実施例1において切断した鋼材を示す写真である。
図8】実施例2において切断した鋼材を示す写真である。
図9】比較例において切断した鋼材を示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、鋼材切断装置及び方法の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。図1は、鋼材切断装置1の概略的な構成を示す図である。本実施の形態の鋼材切断装置1は、連続鋳造工程などの熱間加工工程に設置されて使用されるものである。
【0018】
鋼材切断装置1は、先端の火口2aから大気中に燃料ガス及び酸素ガスを噴出させて火炎102を形成する吹管2、吹管2に燃料ガスを供給する図示しない燃料ガス供給源、及び吹管2に酸素ガスを供給する酸素ガス供給源を有している。燃料ガス供給源は、図示しない水素ガス供給源及びLPガス供給源を有している。それぞれのガスの供給源は、ガスを蓄積したタンクやボンベ、又はパイプラインによる供給であってもよい。また、水素ガス及び酸素ガスの供給源は、水素ガス及び酸素ガスの製造設備であってもよい。
【0019】
水素ガスは水素ガス供給源から水素ガス流路5を通って吹管2に向けて送られ、水素ガスの圧力や流量は水素ガス弁5aによって設定される。LPガスはLPガス供給源からLPガス流路6を通って吹管2に向けて送られ、LPガスの圧力や流量はLPガス弁6aによって設定される。なお、LPガスは、プロパン、ブタンを主成分とする液化石油である。酸素ガスは酸素ガス供給源から酸素ガス流路4を通って吹管2に向けて送られ、酸素ガスの圧力や流量は酸素ガス弁4aによって設定される。
【0020】
吹管2に向かう水素ガス流路5及びLPガス流路6は合流して燃料ガス流路3となり、水素ガス及びLPガスは混合されて燃料ガスとなって吹管2に供給される。燃料ガスは、水素ガスのみによって構成されてもよい。この場合、LPガス流路6のLPガス弁6aは閉じられる。燃料ガスが水素ガス及びLPガスを混合して得られる場合には、水素ガスの濃度は10%以上であってもよく、20%以上であってもよく、50%以上であってもよい。
【0021】
図2は、吹管2の火口2aの断面図である。この断面図は、吹管2の火口2aから火炎102が延びる方向を軸として、この軸を含む平面で火口2aを切断したものである。火口2aは、吹管2の先端に設けられ、吹管2から燃料ガス及び酸素ガスが供給されている。火口2aは、先端が吹管2から突出し、先端の鋼材101に対向する面の中央に形成された鋼材101を切断するための酸素ガスを噴出するための第1噴出孔2cと、第1噴出孔2cの周囲に形成された燃料ガス及び酸素ガスを混合したガスを噴出して予熱のための火炎102を形成するための第2噴出孔2dとを有している。
【0022】
火口2aにおいて、第1噴出孔2cを形成する流路には、酸素ガス流路4から分岐した第1酸素ガス分路4bから酸素が送られている。第1酸素ガス分路4bを送られる酸素の圧力や流路は、第1酸素ガス分路4bに設けられた第1酸素ガス分路弁4dによって設定されている。また、第2噴出孔2dを形成する流路には、燃料ガス流路3から燃料ガスが送られ、酸素ガス流路4から分岐した第2酸素ガス分路4cから酸素ガスが送られている。第2酸素ガス分路4cを送られる酸素の圧力や流路は、第2酸素ガス分路4cに設けられた第2酸素ガス分路弁4eによって設定されている。なお、後述するように、第1酸素ガス分路4bを送られる酸素は鋼材101の切断に用いられ、第2酸素ガス分路4cを送られる酸素は鋼材101の予熱に用いられるため、以下ではそれぞれ切断酸素ガス及び予熱酸素ガスと称することもある。
【0023】
再び図1を参照すると、鋼材切断装置1は、鋼材101の切断を開始する位置において、吹管2の火口2aから延びる火炎102によって鋼材101を予熱するように吹管2を鋼材101の表面に対向するように設置し、予熱した鋼材101に向けて吹管2の火口2aから吹き付けた酸素ガスによって鋼材101が酸化反応による発熱によって貫かれるように溶融した部分が鋼材101を横切って形成されて鋼材101を切断するように、鋼材101を横切る方向に吹管2を移動させる図示しない駆動装置を有している。さらに、鋼材切断装置は、熱間加工工程において上流の工程から送られた鋼材101を受け取ってガス切断の間にわたり支持し、ガス切断された鋼材101を下流の工程に送るための図示しないロールを有している。
【0024】
図3は、鋼材切断方法の一連の工程を示すフローチャートである。最初のステップS1では、鋼材切断装置1に上流の熱間加工工程から鋼材101が提供される。鋼材101は、上流からロールによって搬送され、鋼材切断装置1が受け取った鋼材101は鋼材切断装置1の備えるロールによって所定の位置で支持される。
【0025】
ステップS2では、吹管2の火口2aから燃料ガスと酸素ガスを混合したガスを噴出して火炎102を形成する。吹管2の火口2aの第2噴出孔2dから噴出された燃料ガスと酸素ガスを混合したガスは、火口2aから吹管2の軸方向に延びる火炎102を形成する。
【0026】
ステップS3では、吹管2の火口2aから延びる火炎102が鋼材101において切断を開始する位置を予熱するように、吹管2は駆動装置によって鋼材101の表面の一つの縁部に対向するように設置される。鋼材101は熱間加工工程にあるため数百度の温度を有するが、鋼材101の切断する位置は火炎102によって切断が可能になるような千度程度の温度までさらに加熱される。
【0027】
ステップS4では、予熱された鋼材101の切断を開始する位置において、鋼材101の表面に向けて吹管2の火口2aから酸素ガスを吹き付け、鋼材101が酸化反応による発熱によって貫かれるように溶融する。鋼材101の表面には、吹管2の火口2aの第1噴出孔2cから酸素ガスが吹き付けられる。鋼材101は、ステップS3の予熱によって所定の温度に到達しているため、吹管2の火口2aから鋼材101に酸素ガスを吹き付けると鋼材101は激しく酸化反応を起こし、発熱して溶解する。吹管2の火口2aから吹き付けられる酸素ガスにしたがい、鋼材101が溶融する位置は、反応によって鋼材101を除去しながら表面から次第に深さ方向に進み、鋼材101の裏面に達し、溶融した部分によって鋼材101が貫かれるまで継続する。
【0028】
ステップS5では、ステップS4において酸素ガスによって形成された鋼材101を貫くように溶融した部分が鋼材101を横切るように形成されて鋼材101が切断されるようにする。このため、駆動装置で吹管2が鋼材101を横切るように移動させる。ステップS4と同様に、鋼材101の表面には吹管2の火口2aの第1噴出孔2cから酸素ガスが吹き付けられ、鋼材101は酸素ガスとの酸化反応による発熱で溶融し、鋼材101を貫くように溶融した部分が鋼材101を除去しながら横切る方向に拡大する。鋼材101において、このように溶融した部分が鋼材101を横切るように形成されせることにより鋼材101が切断される。鋼材101は切断を終えると、ロールによって下流の工程に送られる。
【0029】
図4は、鋼材切断装置1の使用の態様を説明する側面図である。図中において、鋼材101は、鋼材切断装置1のロール20によって支持されている。鋼材切断装置1によって切断することができる鋼材101は、吹管2から酸素ガスが延びる鋼材101の厚さT方向又は深さ方向に、70mmから500mmの範囲にあってもよく、100mmから550mmの範囲にあってもよく、130mmから600mmの範囲にあってもよい。本実施の形態では、燃料ガスに水素ガスを使用することによって、このような厚さTの鋼材101の切断を可能にしている。
【0030】
鋼材101の表面と吹管2との間に形成される間隙の大きさDは、80mmから190mmの範囲にあってもよく、90mmから180mmの範囲にあってもよく、100mmから170mmの範囲にあってもよい。なお、間隙の大きさDは、吹管2の先端から突き出した火口2aと鋼材101の表面との距離をいうものとする。本実施の形態では、このような間隙の大きさDを確保することにより、吹管2及び火口2aの過熱を防止している。
【0031】
図5は、鋼材切断装置1を含む連続鋳造工程10を示す側面図である。図5は、鋼材切断装置1を熱間加工工程における鋼材101の切断に使用する一例として示すものである。鋼材切断装置1は、連続鋳造工程10を構成する一連の装置の一つとして設置されている。
【0032】
連続鋳造工程10において、取鍋11に注がれた溶鋼はタンディッシュ12及び鋳型13を経て所定の断面を有するように形成され、サポートロール14に支持されて冷却されつつ降下し、軽圧下ロール15による圧下により内部品質が改善され、鋳片103として提供される。この鋳片103は、一次カッター16によって切断されて所定サイズのスラブ又はブルーム104に加工され、ロール20によって下流に向けて搬送され、秤量機17によって秤量された後、バリ取り装置18によってバリ取り処理を施され、二次カッター19によってさらに切断される。
【0033】
鋼材切断装置1は、一次カッター16及び二次カッター19に使用することができる。鋼材切断装置1を一次カッター16に使用する場合、鋼材切断装置1には上流の軽圧下ロール15から鋳片103が送られる。鋼材切断装置1は、鋳片103を切断して所定のサイズのスラブ又はブルーム104に加工する。鋼材切断装置1を二次カッター19に使用する場合、鋼材切断装置1には上流のバリ取り装置18でバリ取り処理を施されたスラブ又はブルーム104が送られる。鋼材切断装置1は、スラブ又はブルーム104をさらに切断する。例えば、スラブ又はブルーム104が所定のサイズになるように、スラブ又はブルームの端部を切断するクロップ処理や、サンプル採取のためのもの切断であってもよい。
【0034】
以上のように、本実施の形態の鋼材切断装置1及び方法によると、熱間加工工程における鋼材101のガス切断に水素ガスを用いることができる。したがって、ガス切断に使用する炭化水素ガスを削減することができ、COの排出量を削減することができる。
【0035】
また、燃料ガスに水素ガスを用いると、燃焼によって形成される火炎102は、燃料ガスに炭化水素のみを使用したときよりも高い燃焼温度に達する。このため、燃料ガスに水素ガスを使用することにより、鋼材101の切断面がきれいになり、ノッチが少なく平滑な切断面が得られる。また、鋼材101を予熱するための時間が短縮され、鋼材101をガス切断する工程の能率が向上する。
【0036】
なお、本実施の形態では燃料ガスにLPガスを使用したが、燃料ガスはLPガスに限らず、例えば天然ガスのような他の種類の炭化水素ガスを使用してもよい。また、燃料ガスに水素ガスのみを使用する場合には、燃料ガス供給源にはLPガス供給源を設けなくてもよい。
【0037】
本実施の形態では、図2に示した火口2aの第2噴出孔2dから燃料ガス及び酸素ガスを混合したガスを噴出して火炎を形成したが、燃料ガス及び酸素ガスを別の噴出孔から噴出し、燃料ガス及び酸素ガスを火口2aの外部で混合して火炎を形成するように構成してもよい。この場合、予熱酸素ガス及び切断酸素ガスを火口2aの同一の噴出孔から噴出するように構成してもよい。
【0038】
本実施の形態では鋼材切断装置1を使用する熱間加工工程の例として連続鋳造工程10を示したが、鋼材切断装置1を使用することができる熱間加工工程はこれに限らない。例えば、鋼材を予熱炉で予熱して加工する熱間圧延工程においても鋼材切断装置1を使用することができる。
【実施例0039】
以下、本実施の形態の鋼材切断装置1及び方法を適用した実施例を説明する。実施例1では、鋼材切断装置1の燃料ガスには水素ガスを用いた。実施例1の条件及び結果を表1及び表2に示す。なお、表1及び表2には、後述する実施例2及び比較例についても併せて記載する。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
実施例1においては、熱間加工工程における鋼材101を想定して、表1に示すように、鋼種(S55C)の普通鋼による鋳片を用意した。表1に、鋳片の中央と端部で測定した温度を示す。本実施の形態の鋼材切断装置1を用いて、表1に示すような条件で切断酸素ガス、予熱酸素ガス及び燃料ガスの水素ガスを供給して鋼材101を加工した。前述したように、切断酸素ガスは火口2aの第1噴出孔2cから噴出されて鋼材101の切断に用いられ、予熱酸素ガスは火口2aの第2噴出孔2dから燃料ガスの水素ガスと混合されて噴出されて火炎102を形成し、鋼材101の予熱に用いられる。
【0043】
図6は、鋼材101のガス切断を説明する写真である。図6(a)は、実施例1における鋼材101の切断を示す写真である。写真の中央に吹管2が位置し、鋼材101の表面において切断を開始する鋼材101の縁部が予熱により輝いているのが観察されるが、吹管2から鋼材101に延びる火炎102は明瞭に観察されない。図6(b)は、比較のために燃料ガスとして水素ガスにLPガスを混合したガスを用いた場合における鋼材101の切断を示す写真である。燃料ガスにLPガスが含まれるため、吹管2から延びる火炎102が明瞭に観察される。
【0044】
なお、燃料ガスに水素ガスのみを用いると火炎102が明瞭に観察されないため、火炎102が明瞭になるように燃料ガスにLPガスのような炭化水素ガスを添加してもよい。添加する炭化水素ガスの量は、3質量%から20質量%の範囲にあってもよいし、5質量%から15質量%にあってもよいし、7質量%から13質量%にあってもよい。火炎102が明瞭に観察することができることで、鋼材101の切断位置などを確認することができる。
【0045】
図7は、実施例1で加工した鋼材101を示す写真である。図7(a)から図7(c)は、470mmまで切断したところで水素ガス供給源からの水素ガスの供給が尽きたため加工を中止した鋼材101を異なる角度から撮影したものである。図7(d)は、加工中の鋼材101をサーモグラフィーで撮影した写真である。鋼材101の火炎102により予熱している位置は、1250℃に達していることが観察される。
【0046】
図7に示したような実施例1の加工においては、表2に示すような結果が得られた。表2に示すように、燃料ガスに水素ガスのみを用いても、鋼材101への切込み及び切断の加工が所定の速度で可能であることが明らかになった。ただし、切り離しの加工は、水素ガス供給源からの供給が尽きたために中止した。
【0047】
なお、切込みとは酸素ガスが鋼材101と反応して鋼材101を溶融して除去しながら鋼材101の厚さ方向又は鋼材101の深さ方向へ進む加工をいい、切断とは酸素ガスにより鋼材101の表面から裏面まで貫いて溶融した部分が鋼材101を溶融して除去しながら鋼材101を横切る方向又は鋼材101の幅方向に進む加工をいうものとする。また、切り離しとは、切断の加工の内で、火炎102が鋼材101の一方の縁部から他方の縁部まで完全に横切り、溶融により形成された断面により鋼材101を二つに切り離す加工をいうものとする。
【実施例0048】
実施例2においても、鋼材切断装置1には燃料ガスには水素ガスを用いた。実施例2の条件及び結果は、表1及び表2に示されている。実施例2においては、熱間加工工程における鋼材101を想定して、表1に示すように、鋼種(S55C)の鋳片を用意した。表1に、鋳片の中央と端部で測定した温度を示す。本実施の形態の鋼材切断装置1を用いて、表1に示すような条件で切断酸素ガス、予熱酸素ガス及び燃料ガスの水素ガスを供給して鋼材101を加工した。
【0049】
図8は、実施例2で加工した鋼材101を示す写真である。図8(a)から図8(c)は、切り離した鋼材101を異なる角度から撮影したものである。図8に示したような実施例2の加工においては、表2に示すような結果が得られた。表2に示すように、燃料ガスに水素ガスのみを用いても、鋼材101への切込み、切断及び切り離しの加工が所定の速度で可能であることが明らかになった。
【0050】
(比較例)
比較例は、本実施の形態の鋼材切断装置1を使用して冷間の鋼材101を切断するものである。鋼材101には鋼種(SMn438)を使用する他は、燃料ガスに水素ガスのみを用いるなど実施例1及び実施例2と同様の条件で鋼材101を加工した。
【0051】
比較例の加工においては、表2に示すような結果が得られた。表2に示すように、燃料ガスに水素ガスのみを用いても、冷間の鋼材101への切込み及び切断の加工が所定の速度で可能であることが明らかになった。ただし、切り離しの加工は、水素ガス供給源からの供給が尽きたために中止した。
【産業上の利用可能性】
【0052】
この発明は、熱間圧延鋼材の製造に利用することができる。
【符号の説明】
【0053】
1 鋼材切断装置
2 吹管
2a 火口
3 燃料ガス流路
4 酸素ガス流路
5 水素ガス流路
6 LPガス流路
10 連続鋳造工程
16 一次カッター
19 二次カッター
101 鋼材
102 火炎
103 鋳片
104 スラブ、ブルーム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2024-01-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋼材を切断する鋼材切断装置であって、
水素ガス供給源を含み、前記水素ガス供給源から供給された水素ガスを燃料ガスとして供給する燃料ガス供給源と、
酸素ガスを供給する酸素ガス供給源と、
前記燃料ガス供給源から供給された燃料ガス及び前記酸素ガス供給源から供給された酸素ガスを先端に設けた火口に供給し、前記火口から噴出した燃料ガス及び酸素ガスで形成した火炎で熱間加工工程における鋼材を予熱し、予熱した前記鋼材の表面に向けて前記火口から酸素ガスを吹き付けて前記鋼材が酸化反応による発熱によって溶融して貫かれるようにする吹管と、
前記鋼材が貫かれるように溶融した部分が前記鋼材を横切るように形成されて前記鋼材を切断するように、前記火口から酸素ガスを吹き付ける前記吹管が鋼材の表面を横切るように移動させる駆動装置と
を含み、
前記吹管の火口は、前記鋼材の表面に90mmから180mmまでの範囲にある間隙を介して対向する鋼材切断装置。
【請求項2】
前記燃料ガス供給源は、炭化水素ガスを供給する炭化水素ガス供給源をさらに含み、前記水素ガス供給源から供給された水素ガスに前記炭化水素ガス供給源から供給された炭化水素ガスを混合した燃料ガスを供給する請求項1に記載の鋼材切断装置。
【請求項3】
前記炭化水素ガス供給源は、LPガスを供給する請求項2に記載の鋼材切断装置。
【請求項4】
前記燃料ガス供給源は、前記燃料ガスにおいて水素ガスが質量比で10%以上含まれるように水素ガスに炭化水素ガスを混合する請求項2に記載の鋼材切断装置。
【請求項5】
前記吹管の火口から酸素ガスが延びる方向に130mmから600mmの厚さを有する鋼材の切断を可能にする請求項1から4のいずれか一項に記載の鋼材切断装置。
【請求項6】
連続鋳造工程を構成する一連の装置に含まれる請求項1から4のいずれか一項に記載の鋼材切断装置。
【請求項7】
連続鋳造工程において鋳片を切断してスラブ又はブルームに加工する請求項1から4のいずれか一項に記載の鋼材切断装置。
【請求項8】
連続鋳造工程においてスラブ又はブルームを切断する請求項1から4のいずれか一項に記載の鋼材切断装置。
【請求項9】
鋼材を切断する鋼材切断方法であって、
熱間加工工程にある鋼材を提供する工程と、
水素ガス供給源から供給された水素ガスを燃料ガスとして供給する工程と、
供給された燃料ガス及び酸素ガスを吹管の先端に設けられた火口から大気中に噴出させて火炎を形成する工程と、
前記吹管の火口から延びる火炎が鋼材を予熱するように前記吹管を前記鋼材の表面に対向して設置する工程と、
予熱した前記鋼材の表面に向けて前記吹管の火口から酸素ガスを吹き付けて前記鋼材が酸化反応による発熱によって溶融して貫かれるようにする工程と、
前記吹管から前記鋼材に向かう酸素ガスによって前記鋼材が貫かれるよう溶融した部分が前記鋼材を横切るように形成されて前記鋼材を切断するように、前記火口から酸素ガスを吹き付ける吹管が前記鋼材の表面を横切るように移動させる工程と
を含み、
前記吹管の火口は、前記鋼材の表面に90mmから180mmまでの範囲にある間隙を介して対向するように設置される鋼材切断方法。
【請求項10】
前記燃料ガスを供給する工程は、水素ガスに炭化水素ガスを混合して燃料ガスとして提供する請求項に記載の鋼材切断方法。
【請求項11】
前記炭化水素ガスは、LPガスである請求項10に記載の鋼材切断方法。
【請求項12】
前記燃料ガスは、質量比で10%以上の水素ガスを含む請求項10に記載の鋼材切断方法。
【請求項13】
前記吹管の火口から酸素ガスが延びる方向に130mmから600mmの厚さを有する鋼材の切断を可能にする請求項から11のいずれか一項に記載の鋼材切断方法。